JPWO2005107202A1 - タイミング再生回路および受信装置 - Google Patents

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Abstract

本発明にかかるタイミング再生回路は、N(Nは自然数)ブランチ分のプリアンブル信号を用いてタイミング再生を行うタイミング再生回路であって、たとえば、プリアンブル用位相変動量算出部(11−1〜11−N)が、前記Nブランチ分のプリアンブル信号のベースバンド位相信号に対してシンボルレートのS倍オーバーサンプリングを行い、得られた各ブランチのベースバンド位相データの特定時間間隔における位相変動量を算出し、電力重み付け係数算出部(12)が、前記Nブランチ分のプリアンブル信号の受信信号電力を任意の時間間隔でサンプリングし、得られた受信信号電力データに基づいてNブランチ分の電力重み付け係数を算出し、乗算部(13−1〜13−N)が、前記各ブランチの位相変動量とそれぞれ対応する電力重み付け係数とを乗算し、加算部(14)が、前記各ブランチの乗算結果を合成して合成位相変動量を算出する。

Description

この発明は、ディジタル無線通信システムを構成する受信装置に関するものであり、詳細には、プリアンブル信号を用いてタイミング再生を行う受信装置内のタイミング再生回路に関するものである。
以下、従来のタイミング再生回路について説明する。
近年、PSK(Phase Shift Keying)変調方式を採用するディジタル無線通信システムが実用化されている。このディジタル無線通信システムを構成するダイバーシチ受信装置内のタイミング再生回路では、たとえば、PSK変調が行われたランダムデータの受信信号に対してタイミング再生を行う(特許文献1参照)。
ここで、上記特許文献1に記載の従来のダイバーシチ受信装置の動作を説明する。なお、ここでは、説明の簡単化のためブランチ数を2とする。
まず、従来のダイバーシチ受信装置では、2個のアンテナでPSK変調信号を受信し、各PSK変調信号を個別に検波し、その結果としてベースバンド位相信号と受信信号電力を得る。このとき、検波は、たとえば、リミタやバンドパスフィルタやミキサ等で行われる。
つぎに、ダイバーシチ受信装置では、上記で得られた各ベースバンド位相信号を、それぞれシンボル周波数の4倍のクロックでオーバーサンプリングし、ベースバンド受信位相データを生成する。そして、2つのベースバンド受信位相データのうち、対応する受信信号電力が大きい方のブランチのベースバンド受信位相データを選択する。
つぎに、ダイバーシチ受信装置では、上記選択されたベースバンド受信位相データを用いて後述するタイミング再生処理(従来のタイミング再生回路の処理)を行い、オーバーサンプリング処理においてナイキスト点位置のベースバンド位相信号をサンプリングするように、4倍再生クロックの位相を制御する。さらに、上記選択されたベースバンド受信位相データからナイキスト点データを抽出するための再生シンボルクロックを生成する。
最後に、ダイバーシチ受信装置では、上記で生成された再生シンボルクロックを用いて、上記選択されたベースバンド受信位相データからナイキスト点データを抽出する。
つづいて、上記タイミング再生時のタイミング再生回路の処理を詳細に説明する。まず、従来のタイミング再生回路では、4倍オーバーサンプルのベースバンド受信位相データを用いて、奇数サンプル間隔の位相変動量から求まる奇数系列合成シンボル周波数成分データと、偶数サンプル間隔の位相変動量から求まる偶数系列合成シンボル周波数成分データと、を求める。なお、この奇数系列合成シンボル周波数成分データと偶数系列合成シンボル周波数成分データを求める際には、逓倍処理に相当する絶対値演算を行うため、奇数系列合成シンボル周波数成分データと偶数系列合成シンボル周波数成分データは、任意の送信データ系列に対してもシンボル周波数成分を有する。
つぎに、タイミング再生回路では、奇数系列合成シンボル周波数成分データと偶数系列合成シンボル周波数成分データとを加算した合成シンボル周波数成分データに対して、シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分をそれぞれ乗算し、合成シンボル周波数成分データのシンボル周波数成分を直流成分に周波数変換し、複素DC同相成分と複素DC直交成分とを求める。さらに、複素DC同相成分と複素DC直交成分に対してそれぞれ平均化処理を行い、平均化されたDC同相成分と複素DC直交成分の逆正接を求めることで、再生4倍クロックとナイキスト点とのタイミング位相差を推定する。
最後に、タイミング再生回路では、再生シンボルクロックと再生4倍クロックを、上記で推定されたタイミング位相差分だけ移相することにより、ナイキスト点に同期した再生クロックを生成する。
以上のように、従来のダイバーシチ受信装置では、PSK変調された任意の送信データ系列から、ナイキスト点データを抽出することができる。
[特許文献1] 特許第3286885号
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来のタイミング再生回路では、受信信号がPSK変調された任意のデータ系列であることを想定してタイミング再生を行うため、奇数系列合成シンボル周波数成分データと偶数系列合成シンボル周波数成分データを求める際に逓倍処理を行う必要があり、既知パターンであるプリアンブル信号を受信している場合であっても逓倍ロスが発生し、高速にタイミング同期を確立することが困難である、という課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、1個以上のアンテナを用いる受信装置において、高速かつ高精度なタイミング同期を実現するタイミング再生回路を提供することを目的とする。
また、上記高速かつ高精度なタイミング同期を実現するタイミング再生回路から出力されるナイキスト点データを用いて、高精度な復調特性を実現する受信装置を提供することを目的とする。
本発明にかかるタイミング再生回路にあっては、N(Nは自然数)ブランチ分のアンテナで受信したPSK変調されたプリアンブル信号を用いてタイミング再生を行うタイミング再生回路であって、たとえば、前記Nブランチ分のプリアンブル信号のベースバンド位相信号に対して、個別にシンボルレートのS(Sは2以上の自然数)倍オーバーサンプリングを行い、得られた各ブランチのベースバンド位相データの特定時間間隔における位相変動量を算出するN個のプリアンブル用位相変動量算出手段(後述する実施の形態のプリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−Nに相当)と、前記Nブランチ分のプリアンブル信号の受信信号電力を任意の時間間隔で個別にサンプリングし、得られた受信信号電力データに基づいてNブランチ分の電力重み付け係数を算出する電力重み付け係数算出手段(電力重み付け係数算出部12に相当)と、前記各ブランチの位相変動量と、それぞれ対応する電力重み付け係数と、を個別に乗算する重み付け乗算手段(乗算部13−1〜13−Nに相当)と、前記各ブランチの乗算結果を合成して合成位相変動量を算出する合成位相変動量算出手段(加算部14に相当)と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記合成位相変動量に対して2シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分とを個別に乗算し、1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを抽出する1/2シンボル周波数成分抽出手段(1/2シンボル周波数成分抽出部15に相当)と、前記1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを個別に平均化する平均化手段(平均化部16に相当)と、前記平均化後の1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分との偏角を求め、その偏角の2倍の位相を偏角とするプリアンブルタイミング位相複素信号を算出するプリアンブル用タイミング位相複素信号算出手段(プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17に相当)と、を備えることを特徴とする。
さらに、シンボルレートの約T(Tは2以上の自然数)倍のクロック速度を持つT倍クロックを分周し、当該分周クロックを前記プリアンブルタイミング位相複素信号の偏角に相当する位相分だけ移相して再生シンボルクロックを生成する再生シンボルクロック生成手段(移相制御/分周部18に相当)、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、上記プリアンブル用位相変動量算出手段と上記合成位相変動量算出手段とを適用し、ブランチ合成の利得が多く得られた合成位相変動量を用いてタイミング推定を行うため、プリアンブル信号受信時に高速かつ高精度なタイミング推定が可能である。
また、プリアンブル信号受信時にタイミング再生を行い、プリアンブル信号受信終了時に、プリアンブル受信時におけるタイミング位相を保持して基準T倍クロックの分周を行い、再生シンボルクロックと再生U倍クロックを生成するので、プリアンブル受信が終了した後のランダムデータ受信時においても、プリアンブル受信時に推定した高精度なタイミング位相同期状態を保持することができる。
第1図は、実施の形態1のタイミング再生回路の構成例を示す図であり、第2図は、実施の形態1の受信装置の構成例を示す図であり、第3図は、タイミング再生部の動作タイミングの一例を示す図であり、第4図は、プリアンブル用位相変動量算出部の構成例を示す図であり、第5図は、位相オフセット除去部に入力される差分値の一例を示す図であり、第6図は、位相オフセット除去部から出力される差分値の一例を示す図であり、第7図は、電力重み付け係数算出部の構成例を示す図であり、第8図は、プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部の構成例を示す図であり、第9図は、移相制御/分周部の構成例を示す図であり、第10図は、立上りエッジ検出部の動作例を示す図であり、第11図は、実施の形態2のタイミング再生回路の構成例を示す図であり、第12図は、実施の形態2の受信装置の構成例を示す図であり、第13図は、タイミング再生部の動作タイミングの一例を示す図であり、第14図は、タイミング位相複素信号算出部の構成例を示す図であり、第15図は、タイミング再生部の動作タイミングの一例を示す図であり、第16図は、実施の形態3の受信装置の構成例を示す図であり、第17図は、実施の形態3のタイミング再生回路の構成例を示す図であり、第18図は、実施の形態3のタイミング再生回路の構成例を示す図である。
以下に、本発明にかかるタイミング再生回路および受信装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1では、2シンボル周期のプリアンブル信号を含むデータがPSK変調された信号を1個以上の受信アンテナで受信してタイミング再生を行うタイミング再生回路と、そのタイミング再生回路を用いてデータ復調を行う受信装置(特に、2個以上の受信アンテナを用いる場合はダイバーシチ受信装置)について説明する。
第1図は、N(Nは1以上の整数)個の受信アンテナを有する実施の形態1のタイミング再生回路の構成例を示す図である。このタイミング再生回路は、受信アンテナ1−1〜1−Nと、検波部2−1〜2−Nと、サンプリング部3−1〜3−N,4−1〜4−Nと、タイミング再生部5と、を備えている。
また、上記タイミング再生部5は、プリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−Nと、電力重み付け係数算出部12と、乗算部13−1〜13−Nと、加算部14と、1/2シンボル周波数成分抽出部15と、平均化部16と、プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17と、移相制御/分周部18と、基準クロック発生部19と、を備えている。
また、第2図は、上記タイミング再生回路を含む実施の形態1の受信装置の構成例を示す図である。この受信装置は、上記タイミング再生回路の構成に加えて、さらに、ナイキスト点抽出部21−1〜21−Nと、ダイバーシチ/復調部22と、を備えている。
ここで、第2図に示す実施の形態1の受信装置の動作概要について説明する。
本実施の形態の受信装置は、N(Nは自然数)個の受信アンテナ1−1〜1−NでPSK変調信号を受信し、検波部2−1〜2−Nが、各ブランチの信号を検波し、個別にベースバンド位相信号と受信信号電力とを得る。
サンプリング部3−1〜3−Nでは、それぞれ対応する検波部2−1〜2−Nにて検波された受信信号電力を、後述するタイミング再生部5にて生成される再生U倍クロックの立上りエッジでサンプリングし、各ブランチの受信信号電力データを出力する。なお、Uは2以上の自然数である。
また、サンプリング部4−1〜4−Nでは、それぞれ対応する検波部2−1〜2−Nにて検波されたベースバンド位相信号を、後述するタイミング再生部5にて生成される基準S倍クロックの立上りエッジでサンプリングし、各ブランチのベースバンド位相データを出力する。なお、Sは2以上の自然数である。
タイミング再生部5では、受信装置の原振クロックに対して逓倍処理や分周処理を行い、シンボルレートのS倍のクロック速度を有する基準S倍クロックを生成する。さらに、プリアンブル信号受信時に、サンプリング部3−1〜3−Nより出力される各ブランチの受信信号電力データと、サンプリング部4−1〜4−Nより出力される各ブランチのベースバンド位相データと、に基づいて、受信信号のナイキストに同期しかつシンボルレートと同程度のクロック速度を有する再生シンボルクロックと、受信信号のナイキストに同期しかつシンボルレートの約U倍のクロック速度を有する再生U倍クロックと、を生成する。ここでは、既知のプリアンブル信号を用いるため、逓倍処理を行う必要がなく、逓倍ロスによる劣化を軽減できるため、高速かつ高精度なタイミング推定が可能である。
ナイキスト点抽出部21−1〜21−Nでは、それぞれ対応する検波部2−1〜2−Nにて検波されたベースバンド位相信号と受信信号電力とを、受信信号のナイキスト点に同期した上記再生シンボルクロックの立上りエッジでサンプリングし、各ブランチのナイキスト点ベースバンド位相データとナイキスト点受信信号電力データとを出力する。
ダイバーシチ/復調部22では、ナイキスト点抽出部21−1〜21−Nから出力される各ブランチのナイキスト点ベースバンド位相データとナイキスト点受信信号電力データに基づいてダイバーシチ合成を行い、さらに、ダイバーシチ合成後の受信信号を復調し、復調データを出力する。
なお、上記受信装置におけるサンプリング部3−1〜3−Nでは、それぞれ対応する検波部2−1〜2−Nにて検波された受信信号電力を再生U倍クロックの立上りエッジでサンプリングする場合について説明したが、サンプリングに用いるクロックは特に制限がなく、たとえば、原振クロックを逓倍または分周して生成された基準クロックを用いることとしてもよい。
また、上記受信装置におけるサンプリング部4−1〜4−Nでは、それぞれ対応する検波部2−1〜2−Nにて検波されたベースバンド位相信号を基準S倍クロックの立上りエッジでサンプリングする場合について説明したが、サンプリングに用いるクロックは特に制限がなく、たとえば、シンボルレートの2倍以上の速度のクロックであればタイミング再生部5にて生成する再生クロックを用いることとしてもよい。
つづいて、第1図を用いて実施の形態1のタイミング再生部5の動作について説明する。
まず、本実施の形態のタイミング再生部5では、基準クロック発生部19が、受信装置が持つ原振クロックに対して分周処理や逓倍処理を行い、シンボルレートの約T倍のクロック速度を有する基準T倍クロックと、シンボルレートの約S倍のクロック速度を有する基準S倍クロックと、を生成する。なお、Tは2以上の自然数である。
プリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−Nでは、それぞれ対応するサンプリング部4−1〜4−Nにてサンプリングされた各ブランチのベースバンド位相データに対する特定時間当りの位相変動量を算出する。たとえば、プリアンブル信号として、差動符号化を行うπ/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調の[1001]パターンを適用する場合、プリアンブル信号受信時の位相変動量は、後述する第5図に示すような2シンボル周期の信号となる。なお、プリアンブル信号は、既知信号であるため、位相変動量を求める際に逓倍処理を行う必要がない。
電力重み付け係数算出部12では、サンプリング部3−1〜3−Nにてサンプリングされた各ブランチの受信信号電力データに基づいて、各ブランチの受信信号の尤度を示す電力重み付け係数を算出する。
乗算部13−1〜13−Nでは、それぞれ対応するブランチの位相変動量と電力重み付け係数とを乗算し、その乗算結果を出力する。
加算部14では、乗算部13−1〜13−Nから出力される各ブランチの乗算結果を予め決められたブランチ分だけ加算し、この加算により得られた合成位相変動量を出力する。なお、2シンボル周期で変動するプリアンブル信号受信時には、合成位相変動量も上記位相変動量のように2シンボル周期の信号として得られる。また、プリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−Nでは位相変動量を求める際に逓倍処理を行わないため、ここでの加算においても逓倍ロスが少なく、ブランチ合成による利得を多く得ることができる。
1/2シンボル周波数成分抽出部15では、2シンボル周期の信号である合成位相変動量に対して、2シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分をそれぞれ乗算し、合成位相変動量の1/2シンボル周波数成分を直流成分に周波数変換し、1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と1/2シンボル周波数成分複素信号の虚数成分を出力する。
平均化部16では、上記1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と1/2シンボル周波数成分複素信号の虚数成分とをそれぞれ平均化する。なお、平均化された1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と平均化された1/2シンボル周波数成分複素信号の虚数成分との偏角Δθは、2シンボル周期当りのナイキスト点と基準S倍クロックとのタイミング位相差を示す。
プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17では、平均化された1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と1/2シンボル周波数成分複素信号の虚数成分から偏角Δθの2倍の位相を偏角として有するプリアンブルタイミング位相複素信号を生成する。なお、「2×Δθ」は、1シンボル周期当りのナイキスト点と基準S倍クロックとのタイミング位相差を示す。
移相制御/分周部18では、基準T倍クロックを分周して、シンボルレートと同程度のクロックとシンボルレートの約U倍のクロックを生成する。さらに、分周されたシンボルレートと同程度のクロックとシンボルレートの約U倍のクロックをそれぞれシンボル周期に対して「2×Δθ」の位相分だけ移相して、再生シンボルクロックと再生U倍クロックを生成する。基準S倍クロックと基準T倍クロックは同一の原振クロックから生成されたクロックであり、互いに同期しているため、上述のようにして生成される再生シンボルクロックと再生U倍クロックはナイキスト点に同期している。
このように、本実施の形態のタイミング再生部5は、プリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−Nと加算部14とを適用し、ブランチ合成の利得が多く得られた合成位相変動量を用いてタイミング推定を行うため、プリアンブル信号受信時に高速かつ高精度なタイミング推定が可能である。
また、本実施の形態のタイミング再生部5は、送信データがランダムデータの場合にはタイミング推定を行うことができない。しかしながら、第3図に示すように、プリアンブル信号が先頭に付加される受信信号の場合、プリアンブル信号受信時にタイミング再生部5を用いてタイミング再生を行い、プリアンブル信号受信終了時に、プリアンブル受信時におけるタイミング位相を保持して基準T倍クロックの分周を行い、再生シンボルクロックと再生U倍クロックを生成する。これにより、プリアンブル受信が終了した後のランダムデータ受信時においても、プリアンブル受信時に推定した高精度なタイミング位相同期状態を保持することができる。第3図は、タイミング再生部5の動作タイミングの一例を示す図である。
なお、上記タイミング再生部5では、2種類の再生クロック(再生クロックと再生U倍クロック)を生成したが、再生クロックの生成個数に制限はなく、1種類以上の再生クロックを生成できればよい。
つづいて、上記プリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−Nの動作について説明する。第4図は、たとえば、第n(n=1,2,…,N)番目のブランチのプリアンブル用位相変動量算出部11−nの構成例を示す図であり、1サンプル遅延器31−n〜34−nと、減算器35−n,36−nと、位相オフセット除去部37−n,38−nと、を備えている。なお、ここでは、一例として、プリアンブル用位相変動量算出部11−nの動作について説明するが、他のプリアンブル用位相変動量算出部についても同様に動作する。
プリアンブル用位相変動量算出部11−nでは、まず、1サンプル遅延器31−n,32−n,33−n,34−nが、サンプリング部4−nでサンプリングされたベースバンド位相データに対して、それぞれ基準S倍クロックで1周期分の遅延を与えて出力する。
つぎに、減算器35−nでは、基準S倍クロックにより3周期分の遅延が付加されたベースバンド位相データから基準S倍クロックにより1周期分の遅延が付加されたベースバンド位相データを差し引いて、その差分値(位相変動量)を出力する。ここでは、前記差分値が、モジュロ360[degree]の計算により、−180[degree]〜180[degree]の値を持つ。
同様に、減算器36−nでは、基準S倍クロックにより4周期分の遅延が付加されたベースバンド位相データから遅延なしのベースバンド位相データを差し引いて、その差分値(位相変動量)を出力する。ここでも、前記差分値は、モジュロ360[degree]の計算により、−180[degree]〜180[degree]の値を持つ。
そして、位相オフセット除去部37−nでは、減算器35−nから出力される差分値に対して、無雑音時に位相オフセット除去後の差分値の上限値と下限値の和を0に近くするような、位相オフセット量を与える。位相オフセット後の出力信号は、モジュロ360[degree]の計算により、−180[degree]〜180[degree]の値を持つ。第5図は、位相オフセット除去部37−n(または38−n)に入力される差分値の一例を示す図であり、第6図は、位相オフセット除去部37−n(または38−n)から出力される差分値の一例を示す図である。たとえば、第5図に示すように、差動符号化を行うπ/4シフトQPSK変調の[1001]パターンの差分値の上限値は約π/4となり、下限値は約−3π/4となる。しかしながら、位相オフセットとしてπ/4を付加することにより、第6図に示すように、差分値は、上限値が約π/2となり、下限値が約−π/2となる。すなわち、雑音付加時であっても、モジュロ360[degree]を計算することにより、上記差分値の、+180[degree]と−180[degree]との間の位相とびの発生頻度が少なくなり、この位相とびによる再生クロック特性の劣化を軽減できる。
同様に、位相オフセット除去部38−nでは、減算器36−nから出力される差分値に対して、無雑音時に位相オフセット除去後の差分値の上限値と下限値の和を0に近くするような、位相オフセット量を与える。位相オフセット後の出力信号は、モジュロ360[degree]の計算により、−180[degree]〜180[degree]の値を持つ。
加算部39−nでは、位相オフセット除去部37−nと38−nの出力結果を加算し、その加算結果として位相変動量を−360[degree]〜360[degree]の値で出力する。
このように、本実施の形態のプリアンブル用位相変動量算出部11−nは、位相オフセット除去部の処理により、ベースバンド位相データの差分値の、+180[degree]と−180[degree]との間の位相とびの発生頻度を少なくすることができるため、ベースバンド位相データの差分値の位相とびに起因する再生クロック特性の劣化を軽減できる。
なお、上記プリアンブル用位相変動量算出部では、4クロック周期間隔の差分と2クロック周期間隔の差分を用いた場合について説明を行ったが、差分を計算する間隔は任意の時間でよい。
また、上記プリアンブル用位相変動量算出部では、4クロック周期間隔の差分と2クロック周期間隔の差分との2つの差分を合成して位相変動量を算出したが、位相変動量は1つ以上のクロック間隔の差分から求めればよい。たとえば、異なるクロック間隔の差分を複数個用いて位相変動量を算出することにより、位相変動量のS/N比が上がるため、再生クロック特性を向上させることができる。
つづいて、上記電力重み付け係数算出部12の動作について説明する。第7図は、電力重み付け係数算出部12の構成例を示す図であり、最大値検出部41と、平均化部42,43−1〜43−Nと、正規化部44−1〜44−Nと、係数変換部45−1〜45−Nと、サンプリング部46−1〜46−Nと、を備えている。
本実施の形態の電力重み付け係数算出部12では、まず、最大値検出部41が、サンプリング部3−1〜3−Nにてサンプリングされた全Nブランチの受信信号電力データの中から、最大受信信号電力データを検出する。
つぎに、平均化部42では、上記最大受信信号電力データを平均化することにより求まる基準受信信号電力データを出力する。
一方で、平均化部43−1〜43−Nでは、それぞれ対応するサンプリング部3−1〜3−Nにてサンプリングされた受信信号電力データをブランチ毎に平均化して、各ブランチの平均受信信号電力データを算出する。
つぎに、正規化部44−1〜44−Nでは、基準受信信号電力データに基づいて、各ブランチの平均受信信号電力データを正規化し、その正規化結果を出力する。ここでの正規化は、たとえば、受信信号電力データが真数表記の場合には除算演算等が行われ、受信信号電力データが対数表記の場合には減算演算等が行われる。
つぎに、係数変換部45−1〜45−Nでは、それぞれ対応する正規化部44−1〜44−Nから出力される正規化結果を、電力重み付け係数に変換する。
そして、サンプリング部46−1〜46−Nでは、それぞれ対応する係数変換部45−1〜45−Nから出力される電力重み付け係数を、基準S倍クロックの立上りエッジでサンプリングし、そのサンプリング結果を出力する。
このように、本実施の形態の電力重み付け係数算出部12は、各ブランチに対応する電力重み付け係数を求めるときに、正規化部44−1〜44−Nが、各ブランチの平均受信信号電力データに対して基準受信信号電力データを用いた正規化を行う。これにより、各ブランチ間の電力レベル差や時間経過による電力レベル変動が大きい場合であっても、電力重み付け係数を少ないビット数で表現できるため、タイミング再生部5の回路規模を小さくすることができる。
なお、上記サンプリング部46−1〜46−Nは、電力重み付け係数とプリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−Nより出力される各ブランチの位相変動量とのデータ変化タイミングを揃えるためのものであり、たとえば、サンプリング部3−1〜3−Nとサンプリング部4−1〜4−Nが同じクロックを用いる場合は不要である。
つづいて、上記プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17の動作について説明する。第8図は、プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17の構成例を示す図であり、逆正接部51と、2倍位相算出部52と、複素信号算出部53と、を備えている。
本実施の形態のプリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17では、まず、逆正接部51が、平均化部16から出力される、平均化された1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と平均化された1/2シンボル周波数成分複素信号の虚数成分との偏角Δθを算出する。
つぎに、2倍位相算出部52では、上記偏角Δθの2倍の位相である「2×Δθ」を計算する。
そして、複素信号算出部53では、「2×Δθ」の位相と予め決められた振幅Aを有する複素信号の実数成分と虚数成分とを算出し、プリアンブルタイミング位相複素信号の実数成分Rと虚数成分Iとして出力する。実数成分Rと虚数成分Iはそれぞれ(1)式と(2)式で表すことができる。
R=Acos(2×Δθ) …(1)
I=Asin(2×Δθ) …(2)
このように、本実施の形態のプリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17にて算出されるプリアンブルタイミング位相複素信号の実数成分と虚数成分は、共にA以下の値を持ち、少ないビット数で表現できる。これにより、タイミング再生部5の回路規模を小さくすることができる。
つづいて、上記移相制御/分周部18の動作について説明する。第9図は、移相制御/分周部18の構成例を示す図であり、T進カウンタ61と、基準シンボル周期余弦波/正弦波生成部62と、移相部63と、立上りエッジ検出部64と、立上りエッジ間隔カウンタ65と、分周部66,67と、を備えている。また、第10図は、立上りエッジ検出部64の動作例を示す図である。
本実施の形態の移相制御/分周部18は、T進カウンタ61が、基準T倍クロックのクロック速度で動作し、0〜(T−1)を繰り返しカウントするカウンタ値Dを出力する。なお、基準T倍クロックは、シンボルレートの約T倍のクロックレートを持つため、カウンタ値Dが0〜(T−1)までカウントされる繰り返し周期はシンボルレートと同程度である。
つぎに、基準シンボル周期余弦波/正弦波生成部62では、上記カウンタ値Dに基づいて(3)式と(4)式でそれぞれ求まる余弦波成分Coと正弦波成分Siを生成する。
Co=cos(2π×D/T) …(3)
Si=sin(2π×D/T) …(4)
つぎに、移相部63では、(5)式に示すように、振幅Aを持ち、上記余弦波成分Coを上記タイミング位相差「2×Δθ」分だけ移相した余弦波Csを算出する。なお、余弦波Csは、受信信号データのナイキスト点に同期した信号であるが、第10図に示すように、タイミング再生部5が動作中にはプリアンブルタイミング位相複素信号の実数成分Rと虚数成分Iが特定時間単位で変化するため、余弦波が持つ位相が一瞬の間不連続となる「位相とび」が発生する信号である。
Cs=Acos(2π×D/T−2×Δθ)
=cos(2π×D/T)×Acos(2×Δθ)
+sin(2π×D/T)×Asin(2×Δθ)
=Co×R+Si×I …(5)
立上りエッジ検出部64では、上記余弦波Csの値が負から正に変わるタイミング(第10図に示す硬判定クロックの変化タイミング)に基づいて、受信信号データのナイキスト点に同期したタイミングで発生する立上りエッジ検出パルスを生成する。ただし、立上りエッジ検出部64では、硬判定クロックが余弦波Csの位相とびの影響を受けている場合であっても、第10図に示すように、立上りエッジ間隔カウンタ65でカウントしている、前回の立上りエッジ検出パルス発生時からの経過時間が、予め決められた時間(基準T倍クロックのクロック数)より短い場合には、立上りエッジ検出パルスを発生しない。
分周部66では、立上りエッジ検出パルスを基準にして、基準T倍クロックを1/T倍の速度に分周することにより再生シンボルクロックを生成する。同様に、分周部67では、立上りエッジ検出パルスを基準にして、基準T倍クロックをU/T倍の速度に分周することにより再生U倍クロックを生成する。
このように、本実施の形態の移相制御/分周部18は、移相部63で求まる余弦波Csの立上りエッジ検出から特定の期間の立上りエッジを無視する機能を備えることとした。これにより、余弦波Csの位相とびに起因する立上りエッジの誤検出を軽減し、安定した再生シンボルクロックと再生U倍クロックを得ることができる。
なお、上記移相制御/分周部18の立上りエッジ検出部64は、移相部63より出力される余弦波Csの値が負から正に変わるタイミングに基づいて、受信信号データのナイキスト点に同期したタイミングで発生する立上りエッジ検出パルスを生成していたが、これに限らず、たとえば、余弦波Csの値が正から負に変わるタイミングに基づいて立上りエッジ検出パルスを生成することとしてもよい。
また、上記移相制御/分周部18では、2種類の再生クロック(再生クロックと再生U倍クロック)を生成したが、再生クロックの生成個数に制限はなく、1種類以上の再生クロックを生成できればよい。
以上のように、本実施の形態においては、タイミング再生部5にて高精度なタイミング推定を行うことができるため、ナイキスト点抽出部21−1〜21−Nにて抽出されるデータは、再生シンボルクロックの推定誤差によるS/N比の劣化や符号間干渉の影響による劣化を小さく抑えることができ、良好な復調特性を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、プリアンブル信号が先頭に付加されたデータフォーマットを有するPSK変調された信号を、1個以上の受信アンテナで受信し、たとえば、プリアンブル信号受信時には前述の実施の形態1で示したタイミング再生部5と同様の構成を用いて高速かつ高精度なタイミング推定を行い、その後、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータの区間に移った段階で、プリアンブル受信時の推定タイミング位相を初期値として、ランダムデータ用のタイミング再生処理を適用する。ことにより、さらに高速かつ高精度なタイミング推定を実現でき、また、良好なクロック追従特性を得ることができる。
なお、先に説明した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下では、実施の形態1とは異なる処理、すなわち、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータに切り替わった後の処理について説明する。
第11図は、N(Nは1以上の整数)個の受信アンテナを有する実施の形態2のタイミング再生回路の構成例を示す図である。本実施の形態のタイミング再生回路は、ランダムデータ受信時のタイミング再生処理を追加したタイミング再生部5aを備え、このタイミング再生部5aは、前述したタイミング再生部5の構成に加え、さらに、ランダムパターン用位相変動量算出部71−1〜71−Nと、乗算部72−1〜72−Nと、加算部73と、シンボル周波数成分抽出部74と、タイミング位相複素信号算出部75と、を備えている。
また、第12図は、上記タイミング再生回路を含む実施の形態2の受信装置の構成例を示す図である。なお、タイミング再生部5aを適用している以外は、前述の第2図と同様である。
ここで、第11図を用いて実施の形態2のタイミング再生部5aの動作について説明する。
本実施の形態のタイミング再生部5aでは、まず、ランダムパターン用位相変動量算出部71−1〜71−Nが、それぞれ対応するサンプリング部4−1〜4−Nにてサンプリング(たとえば、シンボルレートのV(Vは3以上の自然数)倍オーバーサンプリング)された各ブランチのベースバンド位相データに対する特定時間当りの位相変動量、すなわち、ランダムパターン用位相変動量を算出する。なお、このランダムパターン用位相変動量は、ランダムパターン受信を想定しているため、従来技術と同様に、変調成分を除去するために絶対値演算等の逓倍処理を行って算出され、たとえば、シンボル周波数成分を有する信号である。
つぎに、乗算部72−1〜72−Nでは、それぞれ対応するブランチのランダムパターン用位相変動量と電力重み付け係数を乗算する。
つぎに、加算部73では、上記各ブランチの乗算結果を予め決められたブランチ分だけ加算することにより、ランダムパターン用合成位相変動量を得る。なお、ランダムパターン用合成位相変動量は、ランダムパターン用位相変動量と同様にシンボル周波数成分を有する信号である。
つぎに、シンボル周波数成分抽出部74では、シンボル周波数成分を有するランダムパターン用合成位相変動量に対して、シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分をそれぞれ乗算し、ランダムパターン用合成位相変動量のシンボル周波数成分を直流成分に周波数変換し、シンボル周波数成分複素信号の実数成分とシンボル周波数成分複素信号の虚数成分を出力する。なお、シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分を算出するためには、シンボルレートの3倍以上の速度で動作する必要がある。
つぎに、タイミング位相複素信号算出部75では、プリアンブル受信時にはタイミング位相複素信号としてプリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17より出力されるプリアンブルタイミング位相複素信号をそのまま出力する。そして、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータの区間に移った時点で、タイミング位相複素信号算出部75では、プリアンブルタイミング位相複素信号を初期値とし、上記シンボル周波数成分複素信号を平均化して求まる値をタイミング位相複素信号として出力する。
最後に、移相制御/分周部18では、上記タイミング位相複素信号算出部75より出力されるタイミング位相複素信号を用いて、再生シンボルクロックと再生U倍クロックを生成する。
なお、上記タイミング再生部5aでは、タイミング位相複素信号算出部75が、プリアンブルタイミング位相複素信号をそのまま出力する処理と、シンボル周波数成分複素信号を平均化する処理と、の切り替えを受信信号がプリアンブル信号からランダムデータに切り替わった時点として説明したが、これに限らず、処理の切り替えタイミングは任意とする。
また、上記タイミング再生部5aでは、各バーストデータの先頭にプリアンブル信号が付加されていることが前提とされていたが、第13図に示すように、タイミング位相を保持する機能を有することにより、前のバーストのタイミング位相を利用してタイミング同期が確立できるため、2個目以降のバーストのプリアンブル信号がなくても高速かつ高精度なタイミング同期が実現可能であり、伝送効率を向上させることができる。
つづいて、上記タイミング位相複素信号算出部75の動作について説明する。第14図は、タイミング位相複素信号算出部75の構成例を示す図であり、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタ81,82と、選択信号生成部83と、セレクタ84,85と、を備えている。
本実施の形態のタイミング位相複素信号算出部75では、まず、IIRフィルタ81が、後述のセレクタ84より出力されるタイミング位相複素信号の実数成分と、シンボル周波数成分抽出部74より出力されるシンボル周波数成分複素信号の実数成分と、を用いて平均化処理を行う。同様に、IIRフィルタ82が、後述のセレクタ85より出力されるタイミング位相複素信号の虚数成分と、シンボル周波数成分抽出部74より出力されるシンボル周波数成分複素信号の虚数成分と、を用いて平均化処理を行う。
また、選択信号生成部83では、セレクタ84とセレクタ85に対して、たとえば、プリアンブル信号受信時(第15図参照)にはプリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17より出力される信号を選択するような選択信号を出力し、ランダムパターン受信時(第15図参照)にはIIRフィルタ81および82より出力される信号を選択するような選択信号を出力する。第15図は、タイミング再生部5aの動作タイミングの一例を示す図である。
そして、セレクタ84では、上記選択信号に応じて、プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17より出力される信号、またはIIRフィルタ81より出力される信号、のいずれかを選択して出力する。同様に、セレクタ85では、上記選択信号に応じて、プリアンブル用タイミング位相複素信号算出部17より出力される信号、またはIIRフィルタ82より出力される信号、のいずれかを選択して出力する。
このように、本実施の形態のタイミング位相複素信号算出部75は、プリアンブル信号受信時には実施の形態1と同様にプリアンブルタイミング位相複素信号を選択し、受信信号がプリアンブル信号からランダムデータの区間に移った時点で、プリアンブル受信時のプリアンブルタイミング位相複素信号を初期値として、ランダムデータ受信時のシンボル周波数成分複素信号を平均化して求まる値をタイミング位相複素信号として選択する。これにより、プリアンブル受信時の高速かつ高精度なタイミング推定を実現しつつ、ランダムデータ受信時の良好なクロック追従特性を実現することができる。
以上のように、本実施の形態においては、タイミング位相複素信号算出部75の適用により、前述のタイミング再生部5によるプリアンブル受信時の高速かつ高精度なタイミング推定を実現しつつ、さらに、ランダムデータ受信時において良好なクロック追従特性を得ることができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、タイミング再生部内の加算部が、使用するブランチの信号を示すブランチ制御信号に基づいて、加算に用いる位相変動量を選択する。また、実施の形態3では、ダイバーシチ/復調部が、上記ブランチ制御信号に基づいて、ダイバーシチ合成に用いるナイキスト点ベースバンド位相データとナイキスト点受信信号電力データを選択する。
なお、先に説明した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。以下では、実施の形態1または実施の形態2とは異なる処理、すなわち、加算に用いる位相変動量を選択する処理、およびダイバーシチ合成に用いるナイキスト点ベースバンド位相データとナイキスト点受信信号電力データを選択する処理、について説明する。
第16図は、実施の形態3の受信装置の構成例を示す図であり、重み付け後の位相変動量を加算に用いるかどうかをブランチ毎に選択する機能を有するタイミング再生部5bと、ナイキスト点ベースバンド位相データとナイキスト点受信信号電力データをダイバーシチ合成に用いるかどうかをブランチ毎に選択する機能を有するダイバーシチ/復調部91と、を備えている。
また、第17図は、実施の形態3のタイミング再生回路の構成例(実施の形態1に対応)を示す図であり、重み付け後の位相変動量を加算に用いるかどうかをブランチ毎に選択する機能を有する加算部101を備えている。
また、第18図は、実施の形態3のタイミング再生回路の構成例(実施の形態2に対応)を示す図であり、重み付け後の位相変動量を加算に用いるかどうかをブランチ毎に選択する機能を有する加算部101と、重み付け後のランダムパターン用位相変動量を加算に用いるかどうかをブランチ毎に選択する機能を有する加算部102と、を備えている。
ここで、第16図を用いて本実施の形態の受信装置の動作について説明する。
本実施の形態の受信装置では、タイミング再生部5bが、ブランチ制御信号に基づいて、乗算部13−1〜13−Nより出力される重み付け後の位相変動量の中から加算に用いる位相変動量を選択し、選択された位相変動量を合成した合成位相変動量を用いてタイミング推定を行い、再生クロックを出力する(実施の形態1に対応)。なお、実施の形態2の構成に対してブランチ制御信号を入力する場合は、さらに、乗算部72−1〜72−Nより出力される重み付け後のランダムパターン用位相変動量の中から加算に用いるランダムパターン用位相変動量を選択し、選択されたランダムパターン用位相変動量を合成したランダムパターン用合成位相変動量と上記合成位相変動量とを用いてタイミング推定を行い、再生クロックを出力する。
また、ダイバーシチ/復調部91では、ブランチ制御信号に基づいて、ナイキスト点抽出部21−1〜21−Nより出力されるナイキスト点ベースバンド位相データとナイキスト点受信信号電力データの中から、ダイバーシチ合成に用いるナイキスト点ベースバンド位相データとナイキスト点受信信号電力データを選択し、選択されたデータに基づくダイバーシチ合成結果を復調する。
つづいて、第17図を用いてタイミング再生部5bの動作について説明する。
第17図のタイミング再生部5bでは、加算部101が、ブランチ制御信号に基づいて、乗算部13−1〜13−Nより出力される重み付け後の位相変動量の中から、加算に用いる位相変動量を選択し、その後、選択した位相変動量を用いて合成位相変動量を算出する。
つづいて、第18図を用いてタイミング再生部5bの動作について説明する。
第18図のタイミング再生部5bでは、上記第17図の処理に加えて、さらに、加算部102が、ブランチ制御信号に基づいて、乗算部72−1〜72−Nより出力される重み付け後のランダムパターン用位相変動量の中から、加算に用いるランダムパターン用位相変動量を選択し、その後、選択したランダムパターン用位相変動量を用いてランダムパターン用合成位相変動量を算出する。
以上、本実施の形態においては、たとえば、S/N比が良好な場合には使用するブランチ数を減らすことによって低消費電力を実現し、S/N比が悪い場合には使用するブランチ数を増やすことによってダイバーシチ利得を得て良好な復調特性を実現することができる。
なお、本実施の形態においては、タイミング再生部5bとダイバーシチ/復調部91に対して共通のブランチ制御信号を入力しているが、それぞれ独立のブランチ制御信号を入力することとしてもよい。また、加算部101と加算部102に対して共通のブランチ制御信号を入力しているが、それぞれ独立のブランチ制御信号を入力することとしてもよい。
また、本実施の形態においては、ブランチ制御信号によりタイミング再生部5bとダイバーシチ/復調部91の2箇所で使用ブランチを制御しているが、これに限らず、たとえば、タイミング再生部5b,ダイバーシチ/復調部91,受信アンテナ1−1〜1−N,検波部2−1〜2−N,サンプリング部3−1〜3−N,サンプリング部4−1〜4−N,ナイキスト点抽出部21−1〜21−Nのいずれか1箇所以上で使用ブランチを制御することとしてもよい。また、タイミング再生部5b内の、加算部101,加算部102,プリアンブル用位相変動量算出部11−1〜11−N,電力重み付け係数算出部12,乗算部13−1〜13−N,乗算部72−1〜72−Nのいずれか1個所以上で使用ブランチを制御することとしてもよい。
以上のように、本発明にかかるタイミング再生回路は、ディジタル無線通信システムを構成する通信装置に有用であり、特に、プリアンブル信号を用いて高速かつ高精度なタイミング再生を行う受信装置に適している。

Claims (18)

  1. N(Nは自然数)ブランチ分のアンテナで受信したPSK変調されたプリアンブル信号を用いてタイミング再生を行うタイミング再生回路において、
    前記Nブランチ分のプリアンブル信号のベースバンド位相信号に対して、個別にシンボルレートのS(Sは2以上の自然数)倍オーバーサンプリングを行い、得られた各ブランチのベースバンド位相データの特定時間間隔における位相変動量を算出するN個のプリアンブル用位相変動量算出手段と、
    前記Nブランチ分のプリアンブル信号の受信信号電力を任意の時間間隔で個別にサンプリングし、得られた受信信号電力データに基づいてNブランチ分の電力重み付け係数を算出する電力重み付け係数算出手段と、
    前記各ブランチの位相変動量と、それぞれ対応する電力重み付け係数と、を個別に乗算する重み付け乗算手段と、
    前記各ブランチの乗算結果を合成して合成位相変動量を算出する合成位相変動量算出手段と、
    を備えることを特徴とするタイミング再生回路。
  2. さらに、前記合成位相変動量に対して2シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分とを個別に乗算し、1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを抽出する1/2シンボル周波数成分抽出手段と、
    前記1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを個別に平均化する平均化手段と、
    前記平均化後の1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分との偏角を求め、その偏角の2倍の位相を偏角とするプリアンブルタイミング位相複素信号を算出するプリアンブル用タイミング位相複素信号算出手段と、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のタイミング再生回路。
  3. さらに、シンボルレートの約T(Tは2以上の自然数)倍のクロック速度を持つT倍クロックを分周し、当該分周クロックを前記プリアンブルタイミング位相複素信号の偏角に相当する位相分だけ移相して再生シンボルクロックを生成する再生シンボルクロック生成手段、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第2項に記載のタイミング再生回路。
  4. 前記プリアンブル用位相変動量算出手段は、
    前記ベースバンド位相データを用いて予め決められた時間間隔の差分値を算出する差分算出手段と、
    無雑音時に前記差分値の上限値と下限値の和が0に近くなるような特定位相量を加算し、その結果を前記位相変動量として出力する位相変動量出力手段と、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のタイミング再生回路。
  5. 前記プリアンブル用位相変動量算出手段は、
    前記ベースバンド位相データを用いて任意の時間間隔の差分値を複数算出する差分算出手段と、
    無雑音時に差分値の上限値と下限値の和が0に近くなるような特定位相量を個別に求め、前記各差分値に対して、対応する特定位相量を個別に加算する特定位相量加算手段と、
    前記加算結果をすべて加算し、その結果を前記位相変動量として出力する位相変動量出力手段と、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のタイミング再生回路。
  6. 前記電力重み付け係数算出手段は、
    前記Nブランチ分の受信信号電力データの中の最大受信信号電力データを検出する最大値検出手段と、
    前記最大受信信号電力データを平均化し、その平均化結果を基準受信信号電力データとする基準受信信号電力データ生成手段と、
    前記Nブランチ分の受信信号電力データを個別に平均化し、それらの平均化結果を平均受信信号電力データとする平均受信信号電力データ生成手段と、
    前記基準受信信号電力データに基づいて前記各平均受信信号電力データを個別に正規化する正規化手段と、
    前記各正規化結果を個別に電力重み付け係数に変換する係数変換手段と、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のタイミング再生回路。
  7. 前記プリアンブル用タイミング位相複素信号算出手段は、
    前記平均化後の1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分との偏角を求める逆正接手段と、
    前記偏角の2倍の位相を求める2倍位相算出手段と、
    前記2倍の位相と予め規定された特定の振幅とを有する複素信号を生成し、その複素信号を前記プリアンブルタイミング位相複素信号として出力する複素信号出力手段と、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第2項に記載のタイミング再生回路。
  8. 前記再生シンボルクロック生成手段は、
    前記T倍クロックで動作するカウンタのカウンタ値に対して、T周期の余弦波成分と正弦波成分とを算出する余弦波および正弦波生成手段と、
    前記余弦波成分を前記プリアンブルタイミング位相複素信号が有する偏角分だけ移相する移相手段と、
    前記移相後の余弦波成分の立上りエッジを検出し、一方で、前回の立上りエッジから予め規定された経過時間までの間に立上りエッジが検出された場合、それを立上がりエッジとして検出しない立上がりエッジ検出手段と、
    前記検出された立上りエッジを基準として前記T倍クロックを分周することにより前記再生シンボルクロックを得る分周手段と、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第3項に記載のタイミング再生回路。
  9. タイミング再生動作、タイミング位相を保持する動作、のいずれかの動作を行うことを特徴とする請求の範囲第3項に記載のタイミング再生回路。
  10. Nブランチ分のランダムパターン信号のベースバンド位相信号に対して、個別にシンボルレートのV(Vは3以上の自然数)倍オーバーサンプリングを行い、得られた各ブランチのベースバンド位相データの特定時間間隔におけるランダムパターン用位相変動量を算出するランダムパターン用位相変動量算出手段と、
    前記各ブランチのランダムパターン用位相変動量と、それぞれ対応する前記電力重み付け係数と、を個別に乗算するランダムパターン用重み付け乗算手段と、
    前記各ブランチの乗算結果を合成してランダムパターン用合成位相変動量を算出するランダムパターン用合成位相変動量算出手段と、
    前記ランダムパターン用合成位相変動量に対してシンボル周期の余弦波成分と正弦波成分を個別に乗算し、シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを算出するシンボル周波数成分算出手段と、
    前記プリアンブルタイミング位相複素信号、または、前記プリアンブルタイミング位相複素信号を初期値とし前記シンボル周波数成分複素信号を平均化した値、のいずれかをタイミング位相複素信号として出力するタイミング位相複素信号出力手段と、
    シンボルレートの約T(Tは2以上の自然数)倍のクロック速度を持つT倍クロックを分周し、当該分周クロックを前記タイミング位相複素信号の偏角に相当する位相分だけ移相して再生シンボルクロックを生成する再生シンボルクロック生成手段、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第2項に記載のタイミング再生回路。
  11. 前記タイミング位相複素信号算出手段は、
    前回のタイミング位相複素信号の実数成分と現在のシンボル周波数成分複素信号の実数成分とを用いて平均化処理を行う第1のIIRフィルタ手段と、
    前回のタイミング位相複素信号の虚数成分と現在のシンボル周波数成分複素信号の虚数成分とを用いて平均化処理を行う第2のIIRフィルタ手段と、
    受信信号に応じて前記プリアンブルタイミング位相複素信号を選択するための選択信号、または、前記各平均化処理結果を選択するための選択信号、のいずれかを生成する選択信号生成手段と、
    前記選択信号に応じて前記プリアンブルタイミング位相複素信号の実数成分または前記実数成分の平均化結果のいずれか一方を選択し、その結果をタイミング位相複素信号の実数成分として出力する第1のセレクタ手段と、
    前記選択信号に応じて前記プリアンブルタイミング位相複素信号の虚数成分または前記虚数成分の平均化結果のいずれか一方を選択し、その結果をタイミング位相複素信号の虚数成分として出力する第2のセレクタ手段と、
    を備えることを特徴とする請求の範囲第10項に記載のタイミング再生回路。
  12. タイミング再生動作、タイミング位相を保持する動作、のいずれかの動作を行うことを特徴とする請求の範囲第10項に記載のタイミング再生回路。
  13. 前記合成位相変動量算出手段の出力信号である合成位相変動量を算出する際に、各ブランチの信号を使用するかどうかの判断をブランチ毎に行うことを特徴とする請求の範囲第1項に記載のタイミング再生回路。
  14. 前記ランダムパターン用合成位相変動量算出手段の出力信号であるランダムパターン用合成位相変動量を算出する際に、各ブランチの信号を使用するかどうかの判断をブランチ毎に行うことを特徴とする請求の範囲第10項に記載のタイミング再生回路。
  15. N(Nは自然数)ブランチ分のアンテナで受信したPSK変調されたプリアンブル信号を用いて再生シンボルクロックを生成し(タイミング再生)、当該再生シンボルクロックを用いて復調処理を行う受信装置において、
    前記Nブランチ分のプリアンブル信号のベースバンド位相信号に対して、個別にシンボルレートのS(Sは2以上の自然数)倍オーバーサンプリングを行い、得られた各ブランチのベースバンド位相データの特定時間間隔における位相変動量を算出するプリアンブル用位相変動量算出手段と、
    前記Nブランチ分のプリアンブル信号の受信信号電力を任意の時間間隔で個別にサンプリングし、得られた受信信号電力データに基づいてNブランチ分の電力重み付け係数を算出する電力重み付け係数算出手段と、
    前記各ブランチの位相変動量と、それぞれ対応する電力重み付け係数と、を個別に乗算する重み付け乗算手段と、
    前記各ブランチの乗算結果を合成して合成位相変動量を算出する合成位相変動量算出手段と、
    前記合成位相変動量に対して2シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分とを個別に乗算し、1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを抽出する1/2シンボル周波数成分抽出手段と、
    前記1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを個別に平均化する平均化手段と、
    前記平均化後の1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分との偏角を求め、その偏角の2倍の位相を偏角とするプリアンブルタイミング位相複素信号を算出するプリアンブル用タイミング位相複素信号算出手段と、
    シンボルレートの約T(Tは2以上の自然数)倍のクロック速度を持つT倍クロックを分周し、当該分周クロックを前記プリアンブルタイミング位相複素信号の偏角に相当する位相分だけ移相して再生シンボルクロックを生成する再生シンボルクロック生成手段と、
    Nブランチ分の受信信号のベースバンド位相信号と受信信号電力とを前記再生シンボルクロックでサンプリングし、各ブランチのナイキスト点のベースバンド位相データと受信信号電力データとを出力するナイキスト点抽出手段と、
    Nブランチ分のナイキスト点のデータを用いてダイバーシチ合成を行い、当該合成結果に基づいて復調処理を行う復調手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  16. N(Nは自然数)ブランチ分のアンテナで受信したPSK変調されたプリアンブル信号を用いて再生シンボルクロックを生成し(タイミング再生)、当該再生シンボルクロックを用いて復調処理を行う受信装置において、
    前記Nブランチ分のプリアンブル信号のベースバンド位相信号に対して、個別にシンボルレートのS(Sは2以上の自然数)倍オーバーサンプリングを行い、得られた各ブランチのベースバンド位相データの特定時間間隔における位相変動量を算出するプリアンブル用位相変動量算出手段と、
    前記Nブランチ分のプリアンブル信号の受信信号電力を任意の時間間隔で個別にサンプリングし、得られた受信信号電力データに基づいてNブランチ分の電力重み付け係数を算出する電力重み付け係数算出手段と、
    前記各ブランチの位相変動量と、それぞれ対応する電力重み付け係数と、を個別に乗算する重み付け乗算手段と、
    前記各ブランチの乗算結果を合成して合成位相変動量を算出する合成位相変動量算出手段と、
    前記合成位相変動量に対して2シンボル周期の余弦波成分と正弦波成分とを個別に乗算し、1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを抽出する1/2シンボル周波数成分抽出手段と、
    前記1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを個別に平均化する平均化手段と、
    前記平均化後の1/2シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分との偏角を求め、その偏角の2倍の位相を偏角とするプリアンブルタイミング位相複素信号を算出するプリアンブル用タイミング位相複素信号算出手段と、
    受信信号が前記プリアンブル信号からランダムパターン信号に切り替わった後、Nブランチ分のランダムパターン信号のベースバンド位相信号に対して、個別にシンボルレートのV(Vは3以上の自然数)倍オーバーサンプリングを行い、得られた各ブランチのベースバンド位相データの特定時間間隔におけるランダムパターン用位相変動量を算出するランダムパターン用位相変動量算出手段と、
    前記各ブランチのランダムパターン用位相変動量と、それぞれ対応する前記電力重み付け係数と、を個別に乗算するランダムパターン用重み付け乗算手段と、
    前記各ブランチの乗算結果を合成してランダムパターン用合成位相変動量を算出するランダムパターン用合成位相変動量算出手段と、
    前記ランダムパターン用合成位相変動量に対してシンボル周期の余弦波成分と正弦波成分を個別に乗算し、シンボル周波数成分複素信号の実数成分と虚数成分とを算出するシンボル周波数成分算出手段と、
    前記プリアンブルタイミング位相複素信号、または、前記プリアンブルタイミング位相複素信号を初期値とし前記シンボル周波数成分複素信号を平均化した値、のいずれかをタイミング位相複素信号として出力するタイミング位相複素信号出力手段と、
    シンボルレートの約T(Tは2以上の自然数)倍のクロック速度を持つT倍クロックを分周し、当該分周クロックを前記タイミング位相複素信号の偏角に相当する位相分だけ移相して再生シンボルクロックを生成する再生シンボルクロック生成手段と、
    Nブランチ分の受信信号のベースバンド位相信号と受信信号電力とを前記再生シンボルクロックでサンプリングし、各ブランチのナイキスト点のベースバンド位相データと受信信号電力データとを出力するナイキスト点抽出手段と、
    Nブランチ分のナイキスト点のデータを用いてダイバーシチ合成を行い、当該合成結果に基づいて復調処理を行う復調手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  17. 前記ダイバーシチ合成を行う際に、各ブランチのナイキスト点データを使用するかどうかの判断をブランチ毎に行うことを特徴とする請求の範囲第15項に記載のタイミング再生回路。
  18. 前記ダイバーシチ合成を行う際に、各ブランチのナイキスト点データを使用するかどうかの判断をブランチ毎に行うことを特徴とする請求の範囲第16項に記載のタイミング再生回路。
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