JPWO2005102982A1 - 含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせて85モル%以上含む混合物を用意し、これをエチレン付加工程およびエステル化工程に付した後、C2F5(CF2CF2)nCH=CH2およびC2F5(CF2CF2)nCH2CH2OHを除去することによって、C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物であって、不純物(即ち、C2F5(CF2CF2)nCH=CH2で示されるオレフィンおよびC2F5(CF2CF2)nCH2CH2OHで示されるアルコール)の含有量が少ない混合物を得る。
Description
本発明は、不純物の少ない合フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法に関する。
一般式(1)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、撥水撥油剤の有効成分となる含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの製造においてモノマーとして用いられる。このモノマーを製造する方法として、予てより様々な方法が提案されてきた。
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、撥水撥油剤の有効成分となる含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーの製造においてモノマーとして用いられる。このモノマーを製造する方法として、予てより様々な方法が提案されてきた。
例えば、日本国特公昭39−18112号公報および日本国特公昭48−30611号公報には、含フッ素アルキルハライドとカルボン酸のアルカリ金属塩とを、特定の溶剤中で反応させる方法が開示されている。日本国特公平4−16451号公報、日本国特公平4−16452号公報および日本国特公昭61−57813号公報は、含フッ素エステルを製造する方法を開示し、当該方法で得た含フッ素エステルがアクリル酸エステルに転化され得ることに言及している。また、日本国特開平9−59215号公報には、含フッ素アルキルハライドと特定のベタイン化合物とを反応させ、アルカリ処理することにより、上記式(1)で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法が開示されている。
含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを製造する別の方法として、フルオロアルキルハライドを含フッ素アルキルアルコールに変換した後、これを含フッ素(メタ)アクリル酸エステルに転化する方法も知られている。例えば、日本国昭59−181239号公報には、含フッ素アルキルアルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とを濃硫酸または発煙硫酸の存在下で反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法が開示されている。日本国特開平2−295948号公報には、含フッ素アルキルアルコールとメタクリル酸とを無水リン酸の存在下で反応させる方法が開示されている。米国特許第3,719,698号明細書には、アクリル酸またはメタクリル酸とトリフルオロ酢酸の無水物とを反応させて得られた化合物に、含フッ素アルキルアルコールを加えて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを生成する方法が開示されている。日本国特開昭59−117503号公報、日本国特開昭59−117504号公報、および日本国特開平3−163044号公報には、アクリル酸またはメタクリル酸ハライドを、含フッ素アルコールと、アルカリ金属水酸化物の水溶液中にて反応させることにより含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを生成する方法が開示されている。
いずれの方法においても、出発原料として、一般的にRfI(Rfはフルオロアルキル基である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドが使用される。日本国特公昭39−18112号公報および日本国特公昭48−30611号公報に記載の方法では、これにエチレンが付加されて使用され、日本国特公昭61−57813号公報等に記載のようにフルオロアルキルアルコールを使用する方法では、これがアルコールの原料として使用される。RfIは、例えば、テロメリゼーション反応によって生成されるテロマーである。
上記式(1)で示されるモノマーを重合させると、ポリマー以外に、下記の式(3)で示されるオレフィンおよび式(4)で示されるアルコールが含まれることが分かっている。これらの化合物は、撥水撥油剤の有効成分として機能するものではない。
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
また、撥水撥油剤のポリマーを構成する好ましいモノマーは、上記式(1)においてnが3以上のものであることが分かっている。nが3以上であるモノマーの混合物を使用して重合を実施すると、式(3)および(4)で示され、n=3である化合物、即ちC8F17CH=CH2およびC8F17CH2CH2OHがポリマー中に含まれる。このうち、C8F17CH2CH2OHは酸化されて、C7F15COOH(パーフルオロオクタン酸:略称PFOA)となり得る。パーフルオロオクタン酸については、最近の研究結果(EPAレポート"PRELIMINARY RISK ASSESSMENT OF THE DEVELOPMENTAL TOXICITY ASSOCIATED WITH EXPOSURE TO PERFLUOROOCTANOIC ACID AND ITS SALTS" (http://www.epa.gov/opptintr/pfoa/pfoara.pdf))などから、環境に負荷を与える可能性があることが指摘されている。そのため、2003年4月14日にEPA(米国環境保護庁)は、PFOAに対する科学的調査を強化すると発表した。
上述のように高品質の製品を提供するという観点から、式(3)および(4)で示される化合物はポリマーから除去されることが好ましく、それによりPFOAが最終製品に含まれるのを避けることも可能となる。これらの化合物がポリマーに含まれないようにする一つの方法は、モノマー段階でこれらの化合物を精留等により除去する方法である。しかしながら、オレフィンおよびアルコールはnが0以上である化合物の混合物として生成され、これらの化合物はnの値によっては、重合に使用すべき含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの沸点と近接する。そのため、すべての不純物をモノマー段階で単純な操作により除去することは困難である。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、不純物の少ないポリマーが生成されることを可能にする、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、フルオロアルキルアイオダイドを出発原料として、エチレン付加工程および(メタ)アクリル酸化合物との反応によるエステル化工程を経て含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得る製造方法において、n=3およびn=4のものを多く含むエチレン付加物の混合物をエステル化工程に供給すると、生成される副生成物の大部分を精留により分離することができ、上記課題が達成されることを見出した。具体的には、i)エチレン付加工程を実施する前に、C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物から、nが3および4のものを多く含む混合物を取り出し、これを使用して含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを製造することによって、あるいは、ii)エチレン付加工程を実施して、C2F5(CF2CF2)nCH2CH2Iで示されるエチレン付加物の混合物を得た後、nが3および4のもの多く含む混合物を取り出し、これをエステル化工程に付すことによって、上記課題が達成されることを見出した。
即ち、本発明は、第1の製造方法として、式(1):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法であって、
(A)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせて85モル%以上含む混合物を得る工程;
(B)工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(C)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;ならびに
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)および(4):
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
で示される化合物の割合を低減させる工程
を含む製造方法を提供する。
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法であって、
(A)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせて85モル%以上含む混合物を得る工程;
(B)工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(C)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;ならびに
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)および(4):
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
で示される化合物の割合を低減させる工程
を含む製造方法を提供する。
ここで、「含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物」とは、式(1)におけるnの値が異なる2以上のエステルを含む混合物を指す。通常、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、そのような混合物として得られるが、nの値が1つのみに特定された化合物として得ることも可能である。但し、nの値が1つのみに特定された化合物を得る場合にも、他のnのエステルを全く含まないことは考えられないことから、ここでは「混合物」という用語を使用している。同様に、本明細書において、化学式中に重合度に相当する「n」等の文字を含む化合物について「混合物」という用語は、nの異なる複数の化合物を含む意味において使用される。また、本明細書においては、nがk以上である化合物を総称するために「≧」の記号を用い、nがk以下である化合物を総称するために「≦」の記号を用いることがある。また、nが0である化合物(化合物は、具体的には、含フッ素(メタ)アクリル酸エステル、フルオロアルキルアイオダイド、またはエチレン付加物)を含まない混合物は、nが1以上である混合物として特定され、そのような混合物を用いる又は製造することも本発明において可能である。
この製造方法においては、C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドとして、n=3およびn=4である化合物が主に使用される。そのため、副生成物としては、上記式(3)および(4)において、n=3およびn=4であるもの、即ち、C8F17CH=CH2、C8F17CH2CH2OH、C10F21CH=CH2、およびC10F21CH2CH2OHが主に生成される。これらの化合物は、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの沸点よりも有意に低く、精留により分離することが可能である。また、本発明の製造方法によれば、nが5以上(即ち、n≧5)のフルオロアルキルアイオダイドに由来する、式(3)および(4)で示される化合物が生成されない又は生成されるとしても僅かである。このこともまた、本発明の製造方法により製造される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの純度を向上させるのに寄与する。式(3)および(4)で示される、n≧5の化合物(特に式(4)で示されるn=5のアルコール)の沸点は、n=3および4の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの沸点と近接しているために、精留によりこれらのエステルから分離することが難しく、最終的にポリマー中に不純物として残存する傾向にある。本発明の製造方法においては、そのような化合物が生成される原因となる化合物が出発原料に存在しないために、ポリマー中の不純物をより低減することができる。
本発明の製造方法においては、出発原料として、C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせて85モル%以上含む混合物が使用される(工程(A))。n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドの割合が85モル%未満であると、nの値が小さい又はnの値が大きいフルオロアルキルアイオダイドが多く含まれることとなる。nの値が小さいフルオロアルキルアイオダイドから得られる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、撥水撥油剤として良好な性質を有するポリマーを形成しないため、それが多く含まれることは好ましくない。nの値が大きいフルオロアルキルアイオダイドから得られる含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、前述のように、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルから分離しにくいオレフィンまたはアルコールの生成を招くため、それが多く含まれることは好ましくない。
出発原料は、n=3のフルオロアルキルアイオダイドのみ又はn=4のフルオロアルキルアイオダイドのみであってもよい。尤も、C2F5(CF2CF2)nIで示される化合物は、通常、nの値の異なる化合物の混合物として得られるために、この混合物から、nの値を1つに特定した混合物(即ち、例えば、n=3のもの(又はn=4のもの)を専ら含み、nが他の値であるものを分離できないほど僅かな量だけ含む混合物)を得るには、複雑な操作および設備が必要であり、経済的に不利である。本発明の製造方法は、nが2以下である(即ち、n≦2の)C2F5(CF2CF2)nIおよびn≧5のC2F5(CF2CF2)nIを除去する又は低減させることによって、混合物の形態のフルオロアルキルアイオダイドを使用しても、不純物が少なく、且つ有用な含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを得られるという点で、工業的に有利である。
本発明の製造方法において、工程(D)は、工程(C)で得られた混合物から、不純物となるオレフィンおよびアルコールを取り除く工程に相当し、目的物であるエステルの純度がより高い混合物を得る工程に相当する。本発明の製造方法において、工程(D)は蒸留工程であることが好ましい。前述のように、式(3)で示され、nが3および4である含フッ素オレフィン、ならびに式(4)で示され、nが3および4である含フッ素アルコールの沸点は、目的物である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの沸点よりも低いので、蒸留はこれらの混合割合が低減した混合物を得る効率的な方法であり、工業的な大量生産にも適している。
本発明はまた、不純物の少ない含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得る、第2の製造方法として、
(A’)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物を得る工程;
(B)工程(A’)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(B’)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物から、n=3およびn=4のエチレン付加物を合わせて85モル%以上含むエチレン付加物の混合物を得る工程;
(C)工程(B’)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;ならびに
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)で示される含フッ素オレフィンの混合物および式(4)で示される含フッ素アルコールの混合物:
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
の割合を低減させる工程
を含む製造方法を提供する。第1の製造方法と第2の製造方法は、n≦2およびn≧5のものを取り除く時期が異なるのみであり、当該方法が奏する効果等は前記第1の製造方法と同じである。
(A’)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物を得る工程;
(B)工程(A’)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(B’)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物から、n=3およびn=4のエチレン付加物を合わせて85モル%以上含むエチレン付加物の混合物を得る工程;
(C)工程(B’)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;ならびに
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)で示される含フッ素オレフィンの混合物および式(4)で示される含フッ素アルコールの混合物:
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
の割合を低減させる工程
を含む製造方法を提供する。第1の製造方法と第2の製造方法は、n≦2およびn≧5のものを取り除く時期が異なるのみであり、当該方法が奏する効果等は前記第1の製造方法と同じである。
本発明はまた、上記本発明の第1の製造方法または第2の製造方法で製造した含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを重合させることにより、重合体を製造する方法を提供する。本発明の重合体の製造方法においては、不純物の小さい出発原料(モノマー)が用いられるから、得られる重合体もまた不純物の少ないものとなる。
本発明の製造方法は、不純物の少ない含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得ることを可能とする。不純物の少ないエステル混合物は、これを重合させて最終的に得られる製品(例えば撥水撥油剤)の品質を向上させる。また、不純物に由来するPFOAの生成を低減できる。
以下に、本発明の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法を、工程ごとに説明する。最初に第1の製造方法で実施する各工程を説明する。
工程(A)では、C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせた混合割合の高い混合物が製造される。C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物は、常套の方法を用いて製造することができる。具体的には、例えば、C2F5Iをテロゲンとし、テトラフルオロエチレンをタクソゲンとするテロメリゼーション反応によって製造することができる。そのような方法それ自体は公知であるために、ここではその詳細を省略する。
工程(A)では、C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせた混合割合の高い混合物が製造される。C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物は、常套の方法を用いて製造することができる。具体的には、例えば、C2F5Iをテロゲンとし、テトラフルオロエチレンをタクソゲンとするテロメリゼーション反応によって製造することができる。そのような方法それ自体は公知であるために、ここではその詳細を省略する。
フルオロアルキルアイオダイドは、テロメリゼーション反応により得られるテロマーがそうであるように、通常、nの値が異なる化合物の混合物として得られる。この混合物を、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドが85モル%以上の割合で含まれる混合物とするためには、蒸留操作等を実施して、n≦2およびn≧5のフルオロアルキルアイオダイドを取り除く必要がある。具体的には、蒸留により、n≦2のフルオロアルキルアイオダイドを例えば塔頂から留出させ、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを精留塔のサイドから取り出すことにより、所望の目的混合物が得られる。その場合、n≧5のフルオロアルキルアイオダイドは、釜残液または缶出液として取り出される。あるいは、n≦2のフルオロアルキルアイオダイドを留出させてから、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを塔頂から取り出す方法によっても、所望の目的混合物を得ることができる。あるいはまた、精留塔を複数本つなげて、n数の小さいフルオロアルキルアイオダイドを順次除去して、最後の精留塔でn=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを留出させて取り出す方法によっても、所望の目的混合物を得ることができる。
フルオロアルキルアイオダイドの混合物の蒸留は、工程(B)に付すべき目的混合物において、n≦2およびn≧5のフルオロアルキルアイオダイドの混合割合が、合わせて15モル%未満となるように実施することが好ましく、n≦2のフルオロアルキルアイオダイドの混合割合が10モル%未満であり、n≧5のフルオロアルキルアイオダイドの混合割合が5モル%未満となるように実施することがより好ましい。n≧5のフルオロアルキルアイオダイドは、エステル混合物から分離しにくい化合物をもたらすため、この混合割合はできるだけ少ないことが好ましい。具体的な蒸留(一般的には精留)の条件は、塔底温度60〜140℃、塔内圧力0.5〜60kPa、理論段数5〜25段である。但し、どのような蒸留条件を採用するとしても、n≦2およびn≧5のフルオロアルキルアイオダイドが混合物中に僅かに存在することはある。そのような場合をも考慮して、上記において、混合物に占めるn≦2およびn≧5のフルオロアルキルアイオダイドの好ましい割合を規定していることに留意されたい。
工程(B)は、工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
で示されるエチレン付加物を得る工程である。工程(B)は、エチレン付加反応において常套的に採用されている条件下で実施してよい。具体的には、反応温度を、30〜250℃、例えば50〜220℃の温度とし、反応圧力を1MPa以下、例えば0.2〜0.4MPaとして、エチレン付加を実施する。反応時間は、一般に、0.1〜10時間である。反応圧力は、圧入するエチレンによって生じる圧力である。反応は、フルオロアルキルアイオダイドの混合物とエチレンのモル比を、1:2〜1:1.05として実施することが好ましい。
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
で示されるエチレン付加物を得る工程である。工程(B)は、エチレン付加反応において常套的に採用されている条件下で実施してよい。具体的には、反応温度を、30〜250℃、例えば50〜220℃の温度とし、反応圧力を1MPa以下、例えば0.2〜0.4MPaとして、エチレン付加を実施する。反応時間は、一般に、0.1〜10時間である。反応圧力は、圧入するエチレンによって生じる圧力である。反応は、フルオロアルキルアイオダイドの混合物とエチレンのモル比を、1:2〜1:1.05として実施することが好ましい。
エチレン付加反応は、ラジカルを発生させる触媒の存在下で実施してよい。触媒は、例えば、アゾ化合物、有機過酸化物、金属触媒または金属塩触媒である。触媒に適したアゾ化合物は、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルである。触媒に適した有機過酸化物は、例えば、ベンゾイルパーオキサイドのようなジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドのようなジアルキルパーオキサイド、またはt−ブチル過炭酸イソプロピルのようなパーオキシモノカーボネートである。触媒に適した金属触媒は、例えば、銅、クロム、マンガン、ニッケル、または白金であり、触媒に適した金属塩触媒は、例えば、前記金属の塩化物である。触媒の量は、アゾ化合物または有機過酸化物を使用する場合には、フルオロアルキルアイオダイドの混合物1モルに対して、0.005〜0.02モル程度とし、金属触媒または金属塩触媒を使用する場合には、フルオロアルキルアイオダイドの混合物1モルに対して、0.01〜0.1モル程度とする。
工程(B)の結果として、上記式(2)で示されるエチレン付加物の混合物が得られる。エチレン付加物の混合物において、n数の異なる各エチレン付加物の割合(モル%)は、使用したフルオロアルキルアイオダイドの混合物における、n数の異なる各フルオロアルキルアイオダイドの割合と同じになる。したがって、工程(B)で得られる混合物においては、n=3およびn=4のエチレン付加物が合わせて85モル%以上を占める。
工程(C)は、工程(B)で得たエチレン付加物の混合物と、(メタ)アクリル酸化合物とを反応させて、目的とする含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得る工程である。(メタ)アクリル酸化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸の金属塩である。(メタ)アクリル酸の金属塩は、カリウムまたはナトリウムのようなアルカリ金属の塩、あるいはアルカリ土類金属の塩である。工程(C)は、エステル化反応において常套的に採用されている条件下で実施してよい。具体的には、反応温度を、160〜220℃、例えば170〜190℃として実施する。反応時間は、一般に、0.1〜10時間である。
上述のように、工程(C)では、式(1)で示されるエステルだけでなく、副生成物として、式(3)で示されるオレフィンおよび式(4)で示されるアルコールが生成する。工程(D)では、これらの副生成物の割合がより小さい混合物を得る操作が実施される。そのような操作は、前述のとおり、蒸留である。蒸留は、工業的に実施される場合には、通常、精留として実施される。以下、本発明の製造方法で行われる好ましい蒸留方法を説明する。
蒸留は、留分として得られる含フッ素化合物の総モル数に対して、式(3)で示され、nが0、1および2である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが3である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが4である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが5以上である含フッ素オレフィンの混合割合が0〜0.05モル%となるように、実施することが好ましい。また、蒸留は、留分として得られる含フッ素化合物の総モル数に対して、式(4)で示され、nが0、1および2である含フッ素アルコールの混合割合が実質的に0モル%、nが3である含フッ素アルコールの混合割合が実質的に0モル%、nが4である含フッ素アルコールの混合割合が0〜0.05モル%、nが5以上である含フッ素アルコールの混合割合が0〜0.1モル%となるように、実施することが好ましい。即ち、蒸留は、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物に占める、含フッ素オレフィンおよび含フッ素アルコールの割合が小さくなるように実施することが好ましい。ここで、ある成分が「実質的に0モル%」であるとは、通常のガスクロマトグラフィーによって当該成分が検出されないことを意味し、その範囲において混合物中に当該成分がごく僅かな量で含まれてよいことに留意されたい。このような蒸留は、具体的には、前述のとおり、塔底温度を60〜160℃、塔内圧力を0.5〜5kPa、理論段数を10〜35段にして実施される。
蒸留は、蒸留塔内で含フッ素(メタ)アクリル酸エステルが重合することを防止するために、工程(C)で得た混合物に重合禁止剤を添加して実施することが好ましい。重合禁止剤として、例えば、ヒドロキノンまたはヒドロキノンモノメチルエーテルが添加される。これらの重合禁止剤を使用する場合には、蒸留塔内に酸素または酸素を含む気体(例えば、空気)を導入しながら蒸留を実施することが好ましい。酸素を導入すると、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合がより抑制される。なお、工程(C)で使用する重合禁止剤は、ヒドロキノンまたはヒドロキノンモノメチルエーテルである必要は必ずしも無く、他の重合禁止剤であってもよい。
また、蒸留塔内で樹脂製のライニングを使用することが好ましい。また、蒸留塔内には樹脂製の充填物を充填することが好ましい。このように蒸留塔内に存在する部材を樹脂から成るものとすることによって、蒸留塔内部から金属が排除される。その結果、重合禁止剤の劣化が有効に防止され、したがって、蒸留中に含フッ素(メタ)アクリルエステルが重合することをより有効に防止し得る。あるいは、樹脂に代えて、電極電位の高い金属を用いてライニングまたは充填物を構成してよい。
蒸留は、式(3)で示されるオレフィンおよび式(4)で示されるアルコールを蒸留塔の上部から取り出し、目的物である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を蒸留塔のサイドから、又は釜残液もしくは缶出液として取り出す。留出させるオレフィンまたはアルコールの大部分は、n=3およびn=4であるC2F5(CF2CF2)nIに由来するものであって、その沸点は低いから、塔底温度を上記範囲内のように低くしても、純度の高い含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得ることができる。
これに対し、工程(A)において、n≧5のフルオロアルキルアイオダイドが十分に低減されない場合には、工程(D)において、蒸留工程に付す混合物にn=5の含フッ素アルコールが含まれることとなる。特にn=5の含フッ素アルコールの沸点はn=3の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの沸点に近いために、このアルコールを除去するには理論段数を多くする必要があるという不都合がある。また、n≧5の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは沸点が高いために、n=3およびn=4の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルとともに目的物として取り出すには、塔底温度を高くすることが必要となる。塔底温度を高くすると重合が促進されるために、重合禁止剤を多く添加する必要が生じる。重合禁止剤の添加量が多くなると、それに由来する不純物が多くなるという不都合が生じる。このように、n≧5以上のフルオロアルキルアイオダイドの使用は、工程(C)の後に実施される蒸留工程の効率、および蒸留工程後に得られる目的混合物の品質の点からも好ましいものではない。なお、工程(D)は、蒸留工程として実施されることが好ましいが、これに限定されるものではない。
工程(D)で得た混合物を重合工程に付すことにより、含フッ素(メタ)アクリレート系ポリマーを得ることができる。重合は、常套的に採用されている重合条件を任意に採用して実施してよい。得られるポリマーは、不純物を少ない量で含むため、優れた品質を有する。得られるポリマーは、繊維製品、石材、フィルタ(例えば、静電フィルタ)、防塵マスク、燃料電池、ガラス、紙、木、皮革、毛皮、石綿、レンガ、セメント、金属および酸化物、窯業製品、ならびにプラスチック等の基材表面を処理する撥水撥油剤として有用である。また、得られるポリマーは、カーペット用の撥水撥油防汚加工剤としても有用である。
第2の製造方法は、上記第1の製造方法の工程(A)に代えて、テロメリゼーション反応等により得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物を蒸留等に付すことなく、n≧0のフルオロアルキルアイオダイドの混合物を得る工程を工程(A’)として実施する。次いで、工程(A’)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させる工程(工程(B))を実施した後、得られたエチレン付加物の混合物を蒸留等に付すことにより、n=3およびn=4のエチレン付加物を85モル%以上の割合で含む混合物を得る工程(工程(B’))を実施する。第2の製造方法の工程(B)におけるエチレン付加の具体的な方法は、先に第1の製造方法の工程(B)に関連して説明したとおりであるから、ここではその詳細な説明を省略する。
工程(B’)を蒸留工程として実施する場合、蒸留は、n≦2およびn≧5のエチレン付加物の混合割合が合わせて15モル%未満となるように実施することが好ましく、n≦2のエチレン付加物の混合割合が10モル%未満であり、n≧5のエチレン付加物の混合割合が5モル%未満となるように実施することがより好ましい。その理由は、先に第1の製造方法の工程(A)に関連して説明したとおりであり、エステル混合物から分離しにくい化合物を生成する原因となるn≧5のエチレン付加物を工程(C)に供給しないためである。具体的な蒸留(一般的には精留)の条件は、塔底温度60〜140℃、塔内圧力0.5〜2kPa、理論段数10〜25段である。
第2の製造方法における工程(C)および工程(D)は、第1の製造方法のそれらと同様に実施され、その結果、得られる混合物も第1の製造方法により得られる混合物と同じであるから、ここでは、それらについての詳細な説明を省略する。
(実施例1)
C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物を次のようにして製造した。まず、テロゲンとして100gのCF3CF2Iを10gの銅触媒とともに、反応器に仕込んだ。これを攪拌して、銅触媒が懸濁したスラリーを形成するとともに、スラリーを80℃まで加熱した。反応器内の温度を80℃に保った状態で、タクソゲンとして、テトラフルオロエチレンを導入し、反応器内の圧力を0.8MPaに保ち、テトラフルオロエチレンを10g仕込んだ時点で、ガスクロマトグラフィーによって、テロメリゼーション反応が進行したことを確認した。
C2F5(CF2CF2)nIで示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物を次のようにして製造した。まず、テロゲンとして100gのCF3CF2Iを10gの銅触媒とともに、反応器に仕込んだ。これを攪拌して、銅触媒が懸濁したスラリーを形成するとともに、スラリーを80℃まで加熱した。反応器内の温度を80℃に保った状態で、タクソゲンとして、テトラフルオロエチレンを導入し、反応器内の圧力を0.8MPaに保ち、テトラフルオロエチレンを10g仕込んだ時点で、ガスクロマトグラフィーによって、テロメリゼーション反応が進行したことを確認した。
得られたフルオロアルキルアイオダイドの混合物を、塔底温度を60〜140℃、塔内圧力を100〜10kPa、理論段数を10段に設定して、蒸留工程に付し、塔頂からn数の小さいテロマーを順次抜き出し、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせて91モル%の割合で含む混合物を塔頂から取り出して、この混合物を次のエチレン付加工程に使用した。より詳しくは、この混合物は、n≦2のものを5モル%、n=3のものを76モル%、n=4のものを17モル%、n≧5のものを2モル%の割合で含んでいた。
このようにして得た混合物をエチレン付加させて、エチレン付加物を得た。エチレン付加工程は次のようにして実施した。まず、100gのフルオロアルキルアイオダイドの混合物と触媒としての銅触媒5gを、オートクレーブに仕込み、100℃に加熱した。次いで、エチレンガスを、反応圧力が0.3MPaに保たれるように、気相部に仕込み、3時間反応させた。それにより、エチレン付加物の混合物を得た。エチレン付加物の収率は、99mass%であった。
次にエステル化工程を次の手順で実施した。まず、上述の要領でエチレン付加工程を実施して得たエチレン付加物の混合物1576g(2.67モル)と、アクリル酸カリウム320g(2.90モル)と、tert-ブチルアルコール680mlと、ヒドロキノン1.8gと、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.32gとを、容積3Lのオートクレーブに仕込んだ後、180〜190℃まで加熱して6時間反応させた。反応させた後、反応混合物を冷却した。次いで、副生成物であるKIを濾過で除去した。その後、濾過液を蒸留してtert-ブチルアルコールを除去し、下記の表1に示す組成の反応混合物を得た。この反応混合物を1000g計り取ってスチルに入れ、精留塔内の圧力を0.9kPa、理論段数を10段、スチル温度を160℃に設定して、蒸留を実施した。それにより、表1に示す組成の蒸留後混合物を留出液として得た。表1において、反応混合物および蒸留混合物の組成は、いずれもガスクロマトグラフィーにより測定した。
表1に示すように、反応混合物に含まれていた不純物、特に、C8F17CH=CH2、C10F21CH=CH2、C8F17CH2CH2OH、およびC10F21CH2CH2OHは、いずれも、蒸留によって相当量取り除くことができた。その結果、n=3およびn=4である含フッ素アクリル酸エステルの含有量が大きい、高純度の含フッ素アクリル酸エステルの混合物を得ることができた。具体的には、不純物としては、C10F21CH2CH2OH(n=4)が0.04モル%、C12F25CH=CH2(n=5)が0.01モル%、C12F25CH2CH2OH(n=5)が0.05モル%含まれているだけであった。
(実施例2)
精留を、初留分および後留分を多くカットするように実施して、n=2およびn=5のフルオロアルキルアイオダイドが混合物中に含まれないように調整し、n=3のものを80モル%、n=4のものを20モル%の割合で含む混合物を得たことを除いては、実施例1と同様にして、下記の表2に示す組成の反応混合物を得た。この反応混合物を、1000g計り取ってスチルに入れ、精留塔内の圧力を0.9kPa、理論段数を10段、スチル温度を160℃に設定し、連続蒸留を実施した。それにより、表2に示す組成の蒸留後混合物を留出液として得た。表2において、反応混合物および蒸留後混合物の組成は、いずれもガスクロマトグラフィーにより測定した。
精留を、初留分および後留分を多くカットするように実施して、n=2およびn=5のフルオロアルキルアイオダイドが混合物中に含まれないように調整し、n=3のものを80モル%、n=4のものを20モル%の割合で含む混合物を得たことを除いては、実施例1と同様にして、下記の表2に示す組成の反応混合物を得た。この反応混合物を、1000g計り取ってスチルに入れ、精留塔内の圧力を0.9kPa、理論段数を10段、スチル温度を160℃に設定し、連続蒸留を実施した。それにより、表2に示す組成の蒸留後混合物を留出液として得た。表2において、反応混合物および蒸留後混合物の組成は、いずれもガスクロマトグラフィーにより測定した。
表2に示すように、実施例2においても、実施例1と同様に、不純物の含有量が小さい高純度の含フッ素アクリル酸エステルの混合物を得ることができた。具体的には、不純物としては、C10F21CH2CH2OH(n=4)が0.03モル%含まれているだけであった。
(比較例1)
テロメリゼーション反応を実施した後、フルオロアルキルアイオダイドの混合物の精留条件を変更して、n≦2のフルオロアルキルアイオダイドのみが除去された混合物(即ち、n≧3のフルオロアルキルアイオダイドの混合物)が得られるよう精留を実施し、得られた混合物をエチレン付加工程で用いたことを除いては、実施例1と同様にして、下記の表3に示す組成の反応混合物を得た。この反応混合物を1000g計り取ってスチルに入れ、精留塔内の圧力を0.9kPa、理論段数を10段、スチル温度を160℃に設定し、蒸留した。それにより、表3に示す組成の蒸留後混合物を釜残液として得た。表3において、反応混合物および蒸留後混合物の組成は、いずれもガスクロマトグラフィーにより測定した。
テロメリゼーション反応を実施した後、フルオロアルキルアイオダイドの混合物の精留条件を変更して、n≦2のフルオロアルキルアイオダイドのみが除去された混合物(即ち、n≧3のフルオロアルキルアイオダイドの混合物)が得られるよう精留を実施し、得られた混合物をエチレン付加工程で用いたことを除いては、実施例1と同様にして、下記の表3に示す組成の反応混合物を得た。この反応混合物を1000g計り取ってスチルに入れ、精留塔内の圧力を0.9kPa、理論段数を10段、スチル温度を160℃に設定し、蒸留した。それにより、表3に示す組成の蒸留後混合物を釜残液として得た。表3において、反応混合物および蒸留後混合物の組成は、いずれもガスクロマトグラフィーにより測定した。
この比較例で得た含フッ素アクリル酸エステルの混合物には、n=3および4のCnF2nIに由来する不純物に加えて、n≧5のCnF2nIに由来する不純物が含まれていた。これらの不純物のうち、nの値が小さいアルコールおよびオレフィンは、相当量取り除くことができたが、nの値が大きいアルコールおよびオレフィンは蒸留後混合物にも残存した。具体的には、蒸留物混合物に占める不純物(アルコールおよびオレフィン)を合わせた割合は0.95モル%であり、また、C10F21CH2CH2OH(n=5)のアルコールの割合は、0.37モル%であった。
このように、本発明の方法によれば、不純物の割合がppmレベルにまで低減した含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物を得ることができる。このように不純物の少ないモノマー混合物は、高品質のポリマーを生成するのに有用である。また、本発明の方法によれば、nの値が3および4である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを高い割合で含み、nの値が2以下または5以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの割合が低い混合物を得ることができる。前述のようにn=3および4の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルは、撥水撥油剤として有用なポリマーを生成するモノマーであるから、本発明の製造方法は、この点においてもポリマーの品質の向上に寄与する。
本発明の製造方法は、C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2の式で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物であって、n=3およびn=4のものを高い割合で含み、それ以外の化合物の占める割合が小さい混合物を得ることを可能にする。したがって、この製造方法で得た含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物は、特に撥水撥油剤として有用なポリマーを生成するためのモノマーとして使用するのに適している。
Claims (14)
- 式(1):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法であって、
(A)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせて85モル%以上含む混合物を得る工程;
(B)工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(C)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;ならびに
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)で示される含フッ素オレフィンの混合物および式(4)で示される含フッ素アルコールの混合物:
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
の割合を低減させる工程
を含む製造方法。 - 工程(A)において得られる混合物中、式(1)で示され、nが0、1および2であるフルオロアルキルアイオダイドの混合割合が10モル%未満であり、nが5以上であるフルオロアルキルアイオダイドの混合割合が5モル%未満である、請求項1に記載の製造方法。
- 式(1):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物の製造方法であって、
(A’)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物を得る工程;
(B)工程(A’)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(B’)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物から、n=3およびn=4のエチレン付加物を合わせて85モル%以上含むエチレン付加物の混合物を得る工程;
(C)工程(B’)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;ならびに
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)で示される含フッ素オレフィンの混合物および式(4)で示される含フッ素アルコールの混合物:
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
の割合を低減させる工程
を含む製造方法。 - 工程(B’)において得られる混合物中、式(2)で示され、nが0、1および2であるエチレン付加物の混合割合が10モル%未満であり、nが5以上であるエチレン付加物の混合割合が5モル%未満である、請求項3に記載の製造方法。
- 工程(D)が、工程(C)で得た混合物を蒸留することにより実施される、請求項1に記載の製造方法。
- 工程(D)が、工程(C)で得た混合物を蒸留することにより実施される、請求項3に記載の製造方法。
- 工程(D)において、留分として得られる含フッ素化合物の総モル数に対して、式(3)で示され、nが0、1および2である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが3である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが4である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが5以上である含フッ素オレフィンの混合割合が0〜0.05モル%となるように、蒸留を実施する、請求項5に記載の製造方法。
- 工程(D)において、留分として得られる含フッ素化合物の総モル数に対して、式(3)で示され、nが0、1および2である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが3である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが4である含フッ素オレフィンの混合割合が実質的に0モル%、nが5以上である含フッ素オレフィンの混合割合が0〜0.05モル%となるように、蒸留を実施する、請求項6に記載の製造方法。
- 工程(D)において、留分として得られる含フッ素化合物の総モル数に対して、式(4)で示され、nが0、1および2である含フッ素アルコールの混合割合が実質的に0モル%、nが3である含フッ素アルコールの混合割合が実質的に0モル%、nが4である含フッ素アルコールの混合割合が0〜0.05モル%、nが5以上である含フッ素アルコールの混合割合が0〜0.1モル%となるように、蒸留を実施する、請求項5に記載の製造方法。
- 工程(D)において、留分として得られる含フッ素化合物の総モル数に対して、式(4)で示され、nが0、1および2である含フッ素アルコールの混合割合が実質的に0モル%、nが3である含フッ素アルコールの混合割合が実質的に0モル%、nが4である含フッ素アルコールの混合割合が0〜0.05モル%、nが5以上である含フッ素アルコールの混合割合が0〜0.1モル%となるように、蒸留を実施する、請求項6に記載の製造方法。
- 式(1):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合体を製造する方法であって、
(A)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物であって、n=3およびn=4のフルオロアルキルアイオダイドを合わせて85モル%以上含む混合物を得る工程;
(B)工程(A)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(C)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)で示される含フッ素オレフィンの混合物および式(4)で示される含フッ素アルコールの混合物:
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
の割合を低減させる工程;ならびに
(E)工程(D)で得た混合物を重合させる工程
を含む製造方法。 - 式(1):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OCOCR1=CH2 (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、nは0以上の整数である)
で示される含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの重合体を製造する方法であって、
(A’)C2F5(CF2CF2)nI(nは0以上の整数である)で示されるフルオロアルキルアイオダイドの混合物を得る工程;
(B)工程(A’)で得たフルオロアルキルアイオダイドの混合物にエチレンを付加させて、式(2):
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2I (2)
(式中、nは0以上の整数である)
で示されるエチレン付加物の混合物を得るエチレン付加工程;
(B’)工程(B)で得たエチレン付加物の混合物から、n=3およびn=4のエチレン付加物を合わせて85モル%以上含むエチレン付加物の混合物を得る工程;
(C)工程(B’)で得たエチレン付加物の混合物を(メタ)アクリル酸化合物と反応させて、含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物を得るエステル化工程;ならびに
(D)工程(C)で得た混合物に含まれる、式(3)で示される含フッ素オレフィンの混合物および式(4)で示される含フッ素アルコールの混合物:
C2F5(CF2CF2)nCH=CH2 (3)
(式中、nは0以上の整数である)
C2F5(CF2CF2)nCH2CH2OH (4)
(式中、nは0以上の整数である)
の割合を低減させる工程;ならびに
(E)工程(D)で得た混合物を重合させる工程
を含む製造方法。 - 請求項11に記載の製造方法により製造される、合フッ素(メタ)アクリレートポリマー。
- 請求項12に記載の製造方法により製造される、合フッ素(メタ)アクリレートポリマー。
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