JPWO2005100905A1 - 点火器及びこれを有するガス発生器 - Google Patents

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Abstract

振動又は衝撃などによって着火薬と塞栓との接着状態が解消されても、ガス発生剤の正常な着火が行われる点火器及びこれを有するガス発生器を提供する。塞栓13と、塞栓13を貫通すると共に、それぞれが頭部25を有する2本以上の電極ピン14と、電極ピン14のうち、少なくとも2本の電極ピン14についてそれぞれの頭部25間を接続する電橋線16と、電極ピン14を介して通電される電橋線16によって着火される着火薬10と、を有する点火器において、塞栓13が熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、頭部25に電橋線16が接続される電極ピン14が、頭部25と塞栓13との間に所定の距離Aを有して塞栓13を貫通すると共に、固形体である着火薬10によって、少なくとも頭部25と電橋線16とが取り囲まれて、塞栓13に固定される。

Description

本発明は、自動車のシートベルトプリテンショナーやエアバッグ等の乗員安全保護装置を作動させるガス発生器に用いる点火器及びこの点火器を有するガス発生器に関する。
自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するものとしては、シートベルトプリテンショナーやエアバッグが知られている。これらプリテンショナーやエアバッグは、ガス発生器から導入される多量のガスによって作動して乗員を保護する。又、ガス発生器は、点火器、ガス発生剤等を備え、衝突時に点火器から発生する火焔(高温のガス及び粒子)によりガス発生剤が着火燃焼して急速に多量のガスを発生させる。
ガス発生器に用いられる点火器の一例としては、特許文献1の図14に記載されたガス発生器に使用される点火器がある。この点火器では、ヘッダ(塞栓)100を貫通する2本の電極ピン20、21が備えられている。これら各電極ピン20、21は、その先端に頭部を有し、該頭部がヘッダ(塞栓)100の電橋線30側の面に接するようにヘッダ(塞栓)100に設置されている。そして、各電極ピン20、21は、それぞれの頭部同士が電橋線30により電気的に接続されている。電橋線30は、プライマ1120で覆われている。また、ヘッダ(塞栓)100は、ポリブチレンテレフタル酸エステルの射出成形により成形される。
この点火器は、出力カップ160および出力チャージ170を備えないガス発生器に装着される。このガス発生器では、プライマ1120およびフラッシュチャージ1050の静電放電に対する感度が低いか、またはガス発生器のベース(ホルダー)1090が、電極ピン20、21への低電圧のスパークギャップを与える必要がある。
このガス発生器の作動は、衝突センサからの衝突信号に基づく電流により電橋線30が発熱する。発熱した電橋線30は、プライマ1120、1050を着火燃焼させる。そして、プライマ1120、1050が燃焼して生じる火焔によりガス発生剤305を着火燃焼させ、発生したガスがシートベルトプリテンショナーやエアバッグ等の中へ噴出される。
特表平9−504599号公報(第14図)
特許文献1に記載の点火器は、電極ピンの頭部とヘッダ(塞栓)とが互いに接して配置されている。従って、振動又は衝撃などによって着火薬と塞栓との接着状態が解消されると、電橋線が切断される虞がある。この場合、ガス発生剤の正常な着火が行われない可能性が高い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、振動又は衝撃などによって着火薬と塞栓との接着状態が解消されても、ガス発生剤の正常な着火が行われる点火器及びこれを有するガス発生器の提供を目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の点火器は、塞栓13と、前記塞栓13を貫通すると共に、それぞれが頭部25を有する2本以上の電極ピン14と、前記電極ピン14のうち、少なくとも2本の前記電極ピン14についてそれぞれの前記頭部25間を接続する電橋線16と、前記電極ピン14を介して通電される前記電橋線16によって着火される着火薬10と、を有する点火器において、前記塞栓13が熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記頭部25に前記電橋線16が接続される前記電極ピン14が、前記頭部25と前記塞栓13との間に所定の距離Aを有して前記塞栓13を貫通すると共に、固形体である前記着火薬10によって、少なくとも前記頭部25と前記電橋線16とが取り囲まれて、前記塞栓13に固定されることを特徴とする。
ここで、「頭部25」とは、中心線に垂直なピン部の断面よりも大きな面積の平面を、頭頂部に持ったものをいう。
このような構成とすることにより、着火薬10が電極ピン14の頭部25の周囲及び電橋線16を覆うこととなる。さらに、電極ピン14の頭部25と塞栓13との間に着火薬10を配置できる。従って、振動又は衝撃などによって着火薬10と塞栓13との接着状態が解消されても、着火薬10が電極ピン14に対して突出する部位に引っ掛かるので、電橋線16が切断される虞が低い。その結果、ガス発生剤2を確実に着火可能な信頼性の高い点火器4を得ることができる。また、高温においても塞栓13が軟化しないため、火災時などに電極ピン14が塞栓13から抜けてしまうことを防止できる。その結果、塞栓13の厚みを薄くすることが可能となり、点火器4を小型化することができる。さらに着火薬10と頭部25と電橋線16とが一体化されるので、振動又は衝撃などによって着火薬10と塞栓13との接着状態が解消されても、電橋線16が切断される虞が低い。その結果、ガス発生剤2を確実に着火可能である信頼性の高い点火器4を得ることができる。
本発明の点火器において、前記電橋線16が接続された電極ピン14の頭部25の頂上が、軸心を横切る平面部25aを有することが好ましい。
このような構成とすることにより、電極ピンの頭部と電橋線とを溶接などにより接合することが容易となる。
本発明の点火器において、前記頭部25と前記塞栓13との間の所定の距離Aが、0.1mm〜2.0mmの範囲内であることが好ましい。
このような構成とすることで、電極ピン14の頭部25の周囲を覆う着火薬の移動が抑制できる。即ち、振動又は衝撃などによって、着火薬10と塞栓13との接着状態が解消される可能性が低い。その結果、着火薬10に確実に点火がなされるので、信頼性の高い点火器4を得ることができる。なお、頭部25と塞栓13との間の所定の距離Aがこの範囲内であれば、所望の着火薬10の量に応じて、その距離Aを適宜変更することが可能である。
本発明の点火器において、前記着火薬10が一の固形体であって、前記固形体の表面に被膜層30が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることで、点火器に通常使用されるカップ体を省略することができ、部品点数の削減が可能となる。また、点火器4の小型化も可能になる。また、表面をグラファイト処理されたニトロセルロースを基材とするガス発生剤(以下「無煙火薬」という)をガス発生器1に使用した場合、ガス発生剤2を収納する金属製のカップ3と電極ピン14との間に静電気などにより高電圧が生じて放電すると、着火薬10が着火してしまい、ガス発生器1が予期せざる作動を引き起こす危険性がある。そこで、着火薬を一の固形体にして、その固形体の表面に被膜層30を設けることにより、このような予期せざるガス発生器1の作動の危険性を軽減することができる。また、静電気感度の高い着火薬10が、振動などに由来するガス発生剤2との摩擦によって着火薬10が発火し、ガス発生器1が予期せざる作動をする危険性もある。しかし、このような被膜層30を設けることにより、被膜層30とガス発生剤2との直接接触による摩擦を防止して、このような危険性を軽減することができる。また、点火器4の製造時又は点火器4がガス発生器1に使用されるまでの保管中における着火薬10の吸湿も軽減することができる。さらに、振動などによる着火薬10及びガス発生剤2の損傷も軽減することができる。
本発明の点火器において、前記被膜層30が、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂から選択される材料のうち少なくともいずれか一つを含む材料から形成されることが好ましい。
このような構成とすることで、より高い電気絶縁性、より低い透湿性、より適度な弾力性を有する被膜層30を設けることができ、前述の目的を一層効果的に達成することができる。
本発明の点火器において、前記被膜層30の厚み(E)が0.1mm〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。
このような構成とすることで、被膜層30の効果をより経済的に達成することができる。
本発明の点火器において、前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂組成物であることが好ましい。
このような構成とすることで、金属との接着性がよいというエポキシ樹脂の特質を利用できる。即ち、電極ピン14と塞栓13との接着面からカップ内に湿気が浸入するのを抑えることができ、耐湿性をより高めることができる。また、耐熱性も高く、強度も高いので、塞栓13の厚みをより薄くすることができ、より小型化が可能となる。
本発明のガス発生器は、本発明の点火器4を有するものであることが好ましい。
このような構成のガス発生器1では、点火器4を小型にすることができるので、その分だけ、ガス発生器1のサイズを小型化したり、あるいは、サイズを変更せずに、従来のガス発生器に使用されるガス発生剤2の使用量よりも多い量のガス発生剤2を充填することが可能となる。その量は、好ましくは、300mg〜3000mgである。従来、ニトロセルロースを含む無煙火薬のガス発生剤が使用されていたが、該無煙火薬のガス発生剤は、その燃焼生成物に一酸化炭素を多く含み車室内に排出されるという問題があった。しかし、燃焼生成物がクリーンなガス発生剤は燃焼しにくい傾向にあり、所望の出力を得る場合、無煙火薬より多くの薬量を必要とするが、本発明のガス発生器1は、従来のガス発生器よりガス発生剤2を多く収納することができるため、燃焼生成物がクリーンなガス発生剤2を使用することができる。
以下、本発明の点火器及びその製造方法並びにガス発生器の実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。
図1において、本実施の形態に示す点火器4は、塞栓13と、電気を通電するための2本の電極ピン14と、抵抗体(電橋線)16と、着火薬10と、着火薬10を被覆する被膜層30とを有する。
2本の電極ピン14は、それぞれ、端子部14aと頭部25とを有し、熱硬化性樹脂で成形された塞栓13を貫通すると共に、接着固定される。このように、塞栓13に貫通された電極ピン14は塞栓13と接着しているので、外部からの水分の浸入を抑制できると共に、火災時等に電極ピン14が塞栓13から抜けてしまうことを防止できる。また、電極ピン14の材質は、ニッケルを含む合金、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等が挙げられる。頭部25は、端子部14aの一端に一体的に形成され、端子部14aの軸心を横切る2つの平面部25a、25bを有すると共に、端子部14aとT字状の形状を成している(図3参照)。なお、頭部25は、火災時などに、塞栓13に固定される電極ピン14と塞栓13との固定が仮に解除されてしまっても、塞栓13から電極ピン14が抜けることを防止する機能を有する。
ここで、頭部25の直径は、端子部14aの直径よりも大きい方が好ましい。さらに具体的にいえば、頭部25の断面積と電極ピン14の軸部14aの断面積との比は、1.16/1〜11/1が好ましく、さらに好ましくは、1.25/1〜9/1である。なお、頭部25の断面積と電極ピン14の頭部14aの断面積比がこの範囲であれば、平面部25bと塞栓13の面26の間に着火薬10が十分に回り込むため、その間に空間ができない。その結果として、着火薬10の機能を十分に引き出すことができ、また、振動、衝撃などによっても着火薬10が頭部25から外れることがないので、電橋線16が切断されることもない。
また、頭部25の高さCは、C=0.1mm〜3.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは、C=0.5mm〜2.0mmである。なお、Cがこの範囲であれば、安定した頭部形状(例えば、軸方向の断面がT字状やL字状)を作成することができる。また、この範囲外に設定するのに比べ、コストを抑えることができる。
また、2本の電極ピン14の頭部25間の最短距離Dは、D=0.3mm〜3.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは、D=0.5mm〜1.5mmである。なお、Dがこの範囲であれば、所定の抵抗値で電橋線16を各頭部25へ安定して溶接することができ、電橋線16周りの着火薬10に空間ができることなく、着火薬10の機能を十分に引き出すことができる。
さらに、電極ピン14の頭部25を平面から見た形状が円形である場合、その直径Bは、B=1.1mm〜2.8mmであることが好ましく、さらに好ましくは、B=1.2mm〜2.4mmである。なお、Bがこの範囲であれば、平面部25bと塞栓13の面26との間に着火薬が十分に回りこむため、その間に空間ができない。その結果として、着火薬10の機能を十分に引き出すことができ、また、振動、衝撃などによっても着火薬10が頭部25から外れることがないので、電橋線16が切断されることもない。
電極ピン14の頭部25は、塞栓13の一の面26との間に所定の距離Aを有して、一の面26から突出している。ここで、距離Aは、A=0.1mm〜2.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは、A=0.1mm〜0.5mmである。なお、Aがこの範囲であれば、平面部25bと塞栓13の面26との間に着火薬10が十分に回り込むため、平面部25bと塞栓13の面26との間に空間ができないので、着火薬10の機能を十分に引き出すことができる。また、着火薬10が所定最小量しか塗布できない場合でも、頭部25の一部又は頭部25自体が着火薬10からはみ出てしまうことがない。その結果として、点火器4を具備したガス発生器がさらされる過酷な環境条件において、着火薬10及び被膜層30に覆われた頭部25自体が起点となって点火器4に破損を生じさせてしまうおそれがなくなり、安定した性能を維持できる。
電橋線16は、2本の電極ピン14の頭部25に電気的に接続されている。具体的には、電橋線16は、溶接によって頭部25の頂上の平面部25aに接続されている。頭部25の頂上が平面部25aを有しているのは、電極ピン14の頭部25と電橋線16との溶接による接合を容易にするためである。従って、頭部25は、頂上の全面が平面である必要はなく、一部に平面部を有していればよい。また、軸心に対して必ずしも直交する平面を有する必要はなく、所定の角度を有して軸心を横切っていてもよい。
着火薬10は、電極ピン14の頭部25が突出する側の塞栓13の面26に、2本の電極ピン14の頭部25と電橋線16とを覆うように配置される。着火薬10は、頭部25と塞栓13から突出した電極ピン14の端子部14aの一部と電橋線16とを全て覆う連続した一つの固形体である。また、本実施形態の点火器4に用いられる着火薬10の重量は、50mg〜300mgであることが好ましく、さらに好ましくは、80mg〜200mgである。なお、着火薬10の重量がこの範囲であれば、ガス発生剤2への伝火力を要求どおりに発生させることができる。また、その威力によって、ガスの圧力の立ち上がり部分の圧力が高くなりすぎることもないので、このままシートベルトプリテンショナーやエアバッグの点火器として用いられた場合、これらシートベルトプリテンショナーやエアバッグを安定した性能で作動させることができる。本実施形態における着火薬10は、適切な塗布方法、例えば、ディッピング法により、又はディスペンサーを使用して、所定部位に塗布した後、加熱乾燥など適切な条件で乾燥する。そして、電極ピン14の頭部25及び電橋線16を取り囲むように形成された固形体として、塞栓13の一方の面26に接して設けられる。
被膜層30は、着火薬10の表面に形成されている。被膜層30の厚みは、0.1mm〜3.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは、0.2mm〜1.5mmである。なお、被膜層30の厚みがこの範囲であれば、ガス発生剤2を収納する金属カップ3と電極ピン14との間に静電気などにより高電圧が生じて放電したとしても、着火薬10が着火することがない。また、被膜層30が耐湿性を有しているので、着火薬10が吸湿することがないため劣化しない。また、着火薬10が着火、燃焼した際に被膜層30が燃え残って、ガス発生剤2への伝火を阻害することもない。したがって、シートベルトプリテンショナーやエアバッグの点火器として用いられた場合、これらシートベルトプリテンショナーやエアバッグを安定した状態で作動させることができる。被膜層30は、適切な塗布方法、たとえば、ディッピング法により、又はディスペンサーを使用して、着火薬表面に塗布された後、乾燥、加熱など当該樹脂に適合する硬化方法により形成される。
本実施形態における点火器4は、上記の構成において、電極ピン14を介して電橋線16が通電されたときに、電橋線16が発熱することにより着火薬10が着火して燃焼するように構成されている。
ここで、着火薬10について詳しく説明する。本発明で使用される着火薬10は、酸化剤、還元剤及びバインダー、並びに所望により添加される添加物を混合することにより、得ることができる。この着火薬10は、酸化剤成分及び還元剤成分を含有するものであって、実質的に鉛化合物を含有しないものである。ここでいう鉛化合物とは、通常、鉛原子を含む無機化合物及び有機化合物、そして単体である鉛等を示す。
本発明で使用される着火薬10に用いることができる酸化剤成分としては、まず、着火薬分野において知られている成分のうち鉛化合物を含有しないものであって、好ましくは硝酸塩、塩基性硝酸塩、金属酸化物、金属水酸化物、塩基性炭酸塩、過塩素酸塩、及び塩素酸塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有し、具体的には硝酸銅、塩基性硝酸亜鉛、塩基性硝酸コバルト、塩基性硝酸銅、酸化銅、硝酸銅、水酸化銅、塩基性炭酸銅、過塩素酸塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)、及び塩素酸塩(カリウム塩、ナトリウム塩など)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有することがより好ましい。更に、着火薬10は、塩基性硝酸銅又は塩基性硝酸銅と過塩素酸カリウムとの組み合わせが好適である。この酸化剤成分の平均粒子径は、点火器4の点火時間に影響を及ぼすことから50%平均粒子径は20μm以下のものが好ましく、10μm以下がより好ましい。また、酸化剤成分は、着火薬10の組成物全体の中で、通常10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%を用いるが、もちろんこれに限定されるものではなく、採用する還元剤成分や添加物によって適宜変更することもできる。
また、還元剤としては、通常金属粉末があげられる。金属粉末は、前記の酸化剤成分との組み合わせで還元剤として機能しうるものであれば限定はなく、着火薬分野において還元剤成分として知られているもののうち鉛化合物を含有しないものであればよいが、好ましくはジルコニウム、アルミニウム、マグネシウム、マグナリウム、チタン、水素化チタン、鉄、タングステン及びボロンよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはジルコニウム又はジルコニウムとアルミニウムの組み合わせである。
また、還元剤成分の平均粒子径は、点火器4の点火時間に影響を及ぼすことから50%平均粒子径は10μm以下のものが好ましく、5μm以下がより好ましい。還元剤成分は、着火薬10の組成物全体の中で、通常15〜90重量%、好ましくは20〜80重量%用いるが、もちろんこれに限定されるものではなく、採用する酸化剤成分や添加物によって適宜変更することもできる。
バインダーは、塞栓13、電橋線16及び電極ピン14への接着、固定及び着火薬10の破損防止の目的で添加される。バインダーとしては、例えばニトロセルロース、カルボキシルメチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、バイトンゴム、GAP(Glycidyl Azide Polymer)、ポリ酢酸ビニル、シリコン系バインダ、ビニルクロライドとビニルイソブチルエーテルの共重合体等が挙げられるが、ポリ酢酸ビニル又はビニルクロライドとビニルイソブチルエーテルの共重合体が好ましい。バインダーは、着火薬10の組成物全体の中で、通常1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%用いられるが、もちろんこれに限定されるものではなく、採用する主剤成分や還元剤成分によって適宜変更することもできる。
バインダーの種類、量の選定は、着火薬10の製造工程、及びガス発生器に要求される耐環境性能に大きく、影響してくる。バインダー量が多い場合には、着火薬10の塗布及び成形が困難となり、また、所望の着火性能がえられない。また、バインダー量が少ない場合には、点火器4を具備したガス発生器がさらされる過酷な環境条件に絶えられず、着火薬10が破損し、ガス発生器が不作動となる可能性がある。バインダ−は1種類だけではなく、2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明で使用される着火薬10は、所望に応じて添加物を添加することができる。用いることができる添加物としては、着火薬分野において用いられる添加物であれば、特に限定なく用いることができる。例えば、着火薬10に適度な流動性を与えて所定部位に塗布し成形するために、溶剤を添加剤として使用することもできる。溶剤は、バインダーとの相溶性、乾燥性、毒性等を考慮して適切なものを選択すればよい。このような溶剤としては、たとえば、酢酸イソアミル、酢酸ブチル、アセトン等が挙げられる。
本発明で使用される着火薬10の好ましい組み合わせとしては、塩基性硝酸銅が15重量%〜70重量%、ジルコニウムが20重量%〜80重量%、バインダー成分が2重量%〜15重量%である。
本発明で使用される着火薬10の別の好ましい組み合わせは、ジルコニウム、アルミニウム、塩基性硝酸銅、過塩素酸カリウム及びバインダーを用いることである。ジルコニウムの量は、10重量%以上60重量%以下であり、好ましくは20重量%以上50重量%以下である。アルミニウムの量は、1重量%以上15重量%以下であり、好ましくは3重量%以上10重量%以下である。塩基性硝酸銅の量は、5重量%以上40重量%以下であり、好ましくは10重量%以上30重量%以下である。過塩素酸カリウムの量は、10重量%以上70重量%以下であり、好ましくは20重量%以上55重量%以下である。バインダーの量は、1重量%以上20重量%以下であり、好ましくは、2重量%以上15重量%以下であり、より好ましくは3重量%以上10重量%以下である。
塞栓13は、着火薬10が接して配置される一の面26と反対側の他の面27に2つの突出部29を有する。各突出部29は、2本の電極ピン14それぞれの中央部付近を覆うように、2本の電極ピン14と一体に成形されている。この突出部29は、後述するホルダ5が金属であっても、絶縁性を保持する効果を発揮する。また、塞栓13の他の面27は、後述するホルダ5によって覆われている。
塞栓13に使用する熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド、ケイ素樹脂などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性、耐湿性、電気特性、接着性、作業性などの観点から、特にエポキシ樹脂が本発明の塞栓成形に好適である。エポキシ樹脂は、以下に述べるエポキシ樹脂組成物を調製し、成形に供される。
エポキシ樹脂としては特に制限はなく、例えばポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル−4,4’−ビフェノール、ジメチル−4,4’−ビフェニルフェノール、1−(4−ヒドロキジフェニル)−2−[4−(1,1−ビス−(4−ヒドロキジフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソブロビリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂等が挙げられる。
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン等の脂肪族骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4−ブタンジオ一ル、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、キシリレングリコール誘導体等の多価アルコールのグリシジルエーテル類等が挙げられる。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂等が挙げられる。グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体、ジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の使用にあたっては特に制限はなく、使用用途により適宜選択されるが、好ましくはビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミン系エポキシ樹脂である。更に、これらエポキシ樹脂は電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の必要に応じ適宜選択され1種又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
本発明で使用するエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂と硬化剤、及びフィラーを含有する。硬化剤としては、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、イミダゾール類等が挙げられる。
酸無水物としては、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。フタル酸無水物としては、例えば4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が挙げられる。
アミン類としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族アミン、脂肪族アミン、変性アミン等が挙げられる。
フェノール類としては、例えばビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’−ビフェニルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリレン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェノール),トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソブロビリデン骨格を有するフェノール類、1,1−ジ−4−ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類が挙げられる。これら硬化剤のうち、どの硬化剤を用いるかは点火用スクイブ構造体に要求される特性、又は作業性により適宜選択されるが、好ましくは酸無水物類、フェノールノボラック樹脂、アミン類である。これら硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤の当量比に於いて0.3〜2.0の範囲で、好ましくは0.4〜1.6の範囲で、更に好ましくは0.5〜1.3の範囲で用いられる。又、硬化剤は、2種以上を混合して用いることもでき、イミダゾール類は硬化促進剤としても用いることができる。
硬化促進剤としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類,ジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はフォスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニュウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニュウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニュウムブロマイド等のアンモニュウム塩、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類,アミンアダクト、及びこれら硬化剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。これら硬化促進剤のどれを用いるかは、例えば透明性、硬化速度、作業条件といった得られる透明樹脂組成物に要求される特性によって適宜選択される。硬化促進剤を使用する場合、その使用量は、エポキシ樹脂100重量%に対し、0.1〜5重量%であり、好ましくは1重量%前後である。
熱硬化性樹脂に充填するフィラーとしては、例えば溶融シリカ、結晶シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリュウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチェウムアルミニュウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウムであり、更に好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等である。これら充填材の使用量は要求性能、作業性に合わせて、好ましくは全熱硬化性樹脂組成物の30〜95重量%、より好ましくは40〜90重量%、特に好ましくは50〜90重量%である。又、これら充填材は一種の単独使用でも、或いは二種以上を混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物には、目的に応じ、例えば着色剤、カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加することが出来る。
着色剤としては特に制限はなく、例えばフタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料等が挙げられる。
カップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N−エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニュウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p−N−(β−アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr−アセチルアセトネート、Zr−メタクリレート、Zr−プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノフェニル)ジルコネート、アンモニュウムジルコニウムカーボネート、Al−アセチルアセトネート、Al−メタクリレート、Al−プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられるが好ましくはシリコン系カップリング剤である。カップリング剤を使用することにより耐湿信頼性が優れ、吸湿後の接着強度の低下が少ない硬化物が得られる。
レベリング剤としては、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる分子量4000〜12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン系カップリング剤等が挙げられる。
滑剤としては、例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ−,ジ−,トリ−,又はテトラ−)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシウム、カルシウム、カドニウム、バリウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルテウバロウ、カンデリラロウ、密ロウ、モンタンロウ等の天然ワックス類が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物を調製するには、エポキシ樹脂、硬化剤、フィラー、必要により、硬化促進剤及びカップリング剤、着色剤、レベリング剤等の配合成分を、配合成分が固形の場合はヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の配合機を用いて混合後、ニーダー、エクストルーダー、加熱ロールを用いて80〜120℃で混練、冷却後、粉砕して粉末状としてエポキシ樹脂組成物が得られる。一方、配合成分が液状の場合はプラネタリーミキサー等を用いて均一に分散してエポキシ樹脂組成物とする。こうして得られたエポキシ樹脂組成物が固形の場合は一般的にはペレット状にした後低圧トランスファー成形機等の成形機で成形後、100〜200℃に加熱して硬化させる。
塞栓13が、このような熱硬化性樹脂組成物で成形されることにより、ガス発生剤4が自動発火する温度においても、電極ピン14が塞栓13から外側へ飛び出す原因となる塞栓13の軟化が発生しない。また、塞栓13の厚みは、薄くても高温時の強度を十分に確保することができるので、ガス発生器1のサイズの小型化、又はサイズを変更せずに、カップ3内の容積を増やして充填されるガス発生剤2の量を多くしたりすることができる。従って、制約された空間の中に、一酸化炭素の発生量は少ないがガス発生効率が低いために充填量を多くする必要のあるガス発生剤(グリーンプロペラント)を使用するガス発生器に特に適している。熱硬化性樹脂、特に、エポキシ樹脂組成物で電極ピン14と一体成形された塞栓13は、電極ピン14との接着性が優れている。そのため、シ−ル部材を使用しなくても、湿気が、着火薬10が収納されたガス発生器1内に浸入することを極力防止でき、電極ピン14の保持力を増すことができる。このような効果は、電極ピン14を有孔の熱可塑性樹脂の成形体に単に圧入したものでは得られない。
着火薬10の表面には、被膜層30が設けられていることが好ましい。また、被膜層30の厚みは、0.1mm〜3.0mmであることが好ましく、0.2mm〜1.5mmであることがより好ましい。被膜層30は、適切な塗布方法、たとえば、ディッピング法により、又はディスペンサーを使用して、固形体である着火薬10の表面に塗布された後、乾燥、加熱など当該樹脂に適合するに硬化方法により形成される。
このような被膜層30を設けることにより、点火器4に通常使用されるカップ体を省略することができ、部品点数の削減が可能となる。また、点火器4の小型化も可能になる。また、後述するガス発生器1のガス発生剤2として、表面をグラファイト処理された無煙火薬を使用した場合において、ガス発生剤2を収納する金属製のカップと電極ピン14との間に静電気などにより高電圧が生じ、放電が起こったときは、着火薬10に着火して、ガス発生器1が予期せざる作動をする危険がある。被膜層30を設けることにより、このような危険を軽減することができる。この目的のためには、被膜層30の電気絶縁性は高いほど好ましい。又、静電気感度の高い着火薬10が、振動などに由来するガス発生剤2との摩擦によって着火薬10が発火し、ガス発生器が予期せざる作動をする危険があるが、このような被膜層30を設けることにより、直接接触による摩擦を防止して、このような危険を軽減することができる。又、このような被膜層30を設けることにより、点火器4の製造時及びガス発生器に使用するまでの保管中の吸湿を軽減することができる。この目的のためには、被膜層30の透湿性は低いほど好ましい。又、このような被膜層30を設けることにより、振動などによる着火薬10及びガス発生剤の損傷を軽減することができる。この目的のためには、被膜層30は適度な弾力性を有するものが好ましい。このような被膜層30を形成する材料としては、例えばシリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂又はエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の点火器4は、以下の各工程を施すことで製造される。(1)2つの電極ピン14を形成する工程、(2)電極ピン14と一体的に塞栓13を形成する工程、(3)各電極ピン14の頭部25に電橋線16を溶着するための溶着面を形成する工程、(4)電橋線16を電極ピン14に溶着する工程、(5)着火薬10を塗布、乾燥する工程、(6)着火薬10の表面に被膜層30を塗付、乾燥する工程。
本発明の点火器4には、2本の電極ピン14を短絡させておくためのショーティングクリップ19が取り付けられている。このショーティングクリップ19は、静電気などによる点火器4の誤作動を防止するためのものである。
本発明のガス発生器は、前記の点火器4を有し、自動車用シートベルトプリテンショナーやエアバッグ用のガス発生器として好適に用いられる。本発明のガス発生器の一例を図2に示す。図2において、本発明のガス発生器1は、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤2が充填されたカップ3と、このカップ3の内側に配設され、着火薬10が配置された点火器4と、塞栓13をかしめて保持するための環状突起5cを有するホルダ5と、で構成されている小型のガス発生器1であり、シートベルトプリテンショナー等に用いられる。なお、必要な改変を施すことにより、前記の点火器4を有するエアバッグ用のガス発生器やボンネットはねあげ用のガス発生器、シートの前端部はねあげ用のガス発生器等にすることができる。
カップ3は、大径の円筒部3aと、この円筒部3aに連なり且つ互いに平行な2つの平面状の側面を有する有底筒部3bとを含んでいる。カップ3には、ガス発生剤2が充填されている。有底筒部3bの底面には、6本の切欠き部3cが中心から放射状に形成されている。そして、カップ3内のガス発生剤2が燃焼して高温且つ高圧のガスが発生したときには、そのガスの圧力により切欠き部3cが破断して、図示しないシートベルトプリテンショナーへガスが直接放出される。カップ3の開口側の端部には、後述するホルダ5に取り付ける為のフランジ部3dが形成されている。カップ3を形成する材料としては、例えばステンレス、鉄、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。
ガス発生剤2は、フィルター又は/及びクーラントを介することなく、カップ3の内周に直接接触する状態にして充填されている。ここで、使用できるガス発生剤2は、燃料成分、酸化剤成分、及び少なくとも1種以上の添加物を含有するガス発生剤が好ましい。燃料成分としては、含窒素有機化合物、たとえば、アミノテトラゾール、硝酸グアニジン、ニトログアニジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。酸化剤成分としては、たとえば、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。添加物としては、たとえば、自己発火性触媒である三酸化モリブデンが挙げられる。
また、他にガス発生剤に添加しうる添加物としては、バインダーなどが挙げられ、バインダーとしては、たとえば、グアガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性セルロースエーテル、ポリエチレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。好適なガス発生剤としては、燃料成分として、5−アミノテトラゾールおよび硝酸グアニジン、酸化剤成分として、硝酸ストロンチウム及び過塩素酸アンモニウム、自己発火性触媒として、三酸化モリブデン、バインダーとして、グアガムを含有するガス発生剤である。より好適には、燃料成分として、5−アミノテトラゾ−ルを10〜30重量%、硝酸グアニジンを15〜35重量%、酸化剤成分として、硝酸ストロンチウムを10〜30重量%、過塩素酸アンモニウムを15〜35重量%、自己発火性触媒として、三酸化モリブデンを1〜10重量%、バインダーとして、グアガムを1〜10重量%含有するガス発生剤である。
本発明で用いられるガス発生剤は、シートベルトプリテンショナーやエアバッグ等に充填可能な形態にするため、例えば、所望の形状の成形体にすることができる。この成形体の形状は特に限定されるものではなく、(a)カチオン性バインダー0.25%〜5%、(b)アニオン性バインダー0.25%〜5%、(c)燃料成分、(d)酸化剤、及び(e)燃焼調節剤等の種類に応じて、水又は有機溶媒を添加し均一に混合した後、混練し押出成形し載断して得られる円柱状又はマカロニ状の成形体、打錠機等を用いて得られるペレット状の成形体にすることができる。使用するガス発生剤2の量は、好ましくは、300mg〜3000mgである。
ホルダ5には、2つの挿通孔23が形成されている。ホルダ5の挿通孔23の内径は2mm前後が好ましい。挿通孔23の間隔は、使用する端子の規格によるが、通常3.1mmである。これら2つの挿通孔23には、2本の電極ピン14のうちの、塞栓13の突出部29に覆われた部分が夫々挿通されている。また前記塞栓13の突出部29の存在により、金属バリなどによるピンと前記ホルダ5の2つの挿通孔23の電気的な短絡を防止することができる。ここで、2つの挿通孔23の面積は、電極ピン14を挿通できる範囲内である程度小さいことが好ましく、これら挿通孔23を挿通する電極ピン14の断面積の1倍を超えて10倍以下、さらには、2倍〜7倍の範囲とすることが好ましい。ホルダ5をこのように構成することで、塞栓13の下端面がホルダ5の奥端に当接して受け止められ、さらに、電極ピン14が挿通する挿通孔23の断面積が従来の点火器4に比べて小さくなっているため、電極ピン14がホルダ5から抜けて飛び出してしまうのが防止される。さらに、塞栓13に突出部29を設けているので挿通孔23において電極ピン14とホルダ5との距離が最も近くなっており、静電気試験の際に、静電気が流れたときに電極ピン14とホルダ5の挿通孔23との間で放電し、着火薬10が着火するのを防止することができる。
また、ホルダ5の外周部には突起5aが形成されており、この突起5aがカップ3のフランジ部3dに係合してカップ3がホルダ5にかしめられている。また、ホルダ5の右側部分には、塞栓13を収容する凹状の収容部5bと、この収容部5bの周端部から右方へ突出する環状突起5cが形成されており、収容部5bに塞栓13が部分的に収容された状態で、環状突起5cが塞栓13のテーパ部12bに当接するようにホルダ5にかしめられている。尚、このホルダ5は、通常、略有底円筒状であり、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料で形成できるが、前述の挿通孔23等を設ける必要があることから、成形が容易なアルミニウムで形成されることが特に好ましい。
塞栓13は、前述したように、高温で強度が高い熱硬化性樹脂組成物で形成されている。また、着火薬は、前述の着火薬10が使用される。
次に、以上説明したガス発生器1の作動について説明する。図示しない衝突センサが自動車の衝突を感知すると、2本の電極ピン14を介して電極ピン14に接続された電橋線16に通電され、数ミリ秒(ms)内に電橋線16が発熱する。この発熱のみによって着火薬10は安定して着火・燃焼する。燃焼により生じた火焔は、被膜層30を破って、被膜層30の外部にあるガス発生剤2を着火させる。続いて、ガス発生剤2が燃焼してカップ3内で発生したガスにより、カップ3内の圧力が急激に上昇し、カップ3に形成された切欠き部3cが破断して、高温且つ高圧のガスが図示しないシートベルトプリテンショナーやエアバッグへ直接導入され、シートベルトプリテンショナーやエアバッグが作動する。
尚、本発明は、上記の好ましい実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることができることは理解されよう。例えば、塞栓13を貫通する電極ピン14の数は、上記の実施の形態では2本であるが、これに限られない。塞栓13を貫通する電極ピン14の数は、好ましくは2本であるが、目的に応じ、3本以上設けてもよい。
また、上記の実施の形態では、電極ピン14の頭部25は、端子部14aとT字状の形状を成しているが、これに限られず、目的に応じ種々の形状が使用できる。例えば、図4〜図9に図示される形状であってもよい。ここで、図4は、(a)が点火器の平面図、(b)が正面図であって、電極ピン31の頭部41が、六角頭である。図5は、(a)が点火器の平面図、(b)が正面図であって、電極ピン32の頭部42が、四角頭である。図6は、(a)が点火器の平面図、(b)が正面図であって、電極ピン33の頭部43が、さら頭である。図7は、(a)が点火器の平面図、(b)が正面図であって、電極ピン34の頭部44が、四角さら頭である。図6及び図7に図示される頭部43,44は、頭部の形状が六角頭(図4参照)、又は四角頭(図5参照)の場合と比べて、電極ピン33の端子部14aに取り付けることが容易である。また、図8は、(a)が点火器の平面図、(b)が正面図であって、電極ピン35の頭部45が、鉤状に形成されている。図9は、(a)が点火器の平面図、(b)が正面図であって、電極ピン36の頭部46が、鉤状に形成されると共に、紙面上方から下方に向かってプレスされることによってフラット状に形成されている。図8及び図9に図示される頭部45,46は、電極ピン34,35の端子部14aへの取付加工を必要とせず、端子部14aの先端を曲げ加工を行うのみでよいので、電極ピン34,35を容易に製作できる。このように、頭部25,41〜46の形状は、着火薬10が電極ピン14から剥離すること(即ち、電橋線16が切断されること)を防止できるものであればよい。また、電橋線16を容易に接合でき、さらに、火災等によって、仮に電極ピン14と塞栓13との固定部が外れても、電極ピン14が塞栓13から抜けにくい形状であれば、なお好ましい。
また、上記の実施の形態では、電極ピン14は、端子部14aの端部に形成されているが、これに限られない。例えば、頭部25の頂上の平面部25aから端子部14aが僅かに突出していてもよい。
また、上記の実施の形態では、着火薬10は、頭部25と塞栓13から突出した電極ピン14の端子部14aの一部と電橋線16とを全て覆う連続した一つの固形体であるがこれに限られない。例えば、少なくとも頭部25と電橋線16とを取り囲む固形体であれば、振動などによって、着火薬10と塞栓13との接着状態が解消されても、電橋線16が切断される可能性は低いと考えられる。かかる場合には、該固形体の周囲に、固形体でない着火薬又は固形体の着火薬がさらに配置されていてもよい。ただし、着火薬10の周囲に被膜層30を設ける場合には、着火薬10は一の固形体から成るものであることが好ましい。
本発明の実施形態に係る点火器の断面図である。 本発明の実施形態に係るガス発生器の断面図である。 (a)が、本発明の実施形態に係る点火器の平面図、(b)が正面図である。 (a)が、本発明の実施形態に係る点火器の平面図、(b)が正面図であって、頭部が六角頭の図である。 (a)が、本発明の実施形態に係る点火器の平面図、(b)が正面図であって、頭部が四角頭の図である。 (a)が、本発明の実施形態に係る点火器の平面図、(b)が正面図であって、頭部がさら頭の図である。 (a)が、本発明の実施形態に係る点火器の平面図、(b)が正面図であって、頭部が四角さら頭の図である。 (a)が、本発明の実施形態に係る点火器の平面図、(b)が正面図であって、頭部が鉤状に形成された図である。 (a)が、本発明の実施形態に係る点火器の平面図、(b)が正面図であって、頭部が鉤状に形成されると共に、紙面上方から下方に向かってプレスすることによってフラット状に形成された図である。
符号の説明
A 頭部と塞栓との間の距離
B 頭部の直径
C 頭部の高さ
D 2本の電極ピンの頭部間の最短距離
E 被膜層の厚み
1 ガス発生器
2 ガス発生剤
3 カップ
3a 円筒部
3b 有底筒部
3c 切欠き部
3d フランジ部
4 点火器
5 ホルダ
5a 突起
5c 環状突起
10 着火薬
12b テーパ部
13 塞栓
14 電極ピン
14a 端子部
16 電橋線
19 ショーティングクリップ
23 挿通孔
25 頭部
29 突出部
30 被膜層
41〜46 頭部
31〜36 電極ピン


Claims (8)

  1. 塞栓(13)と、前記塞栓(13)を貫通すると共に、それぞれが頭部(25)を有する2本以上の電極ピン(14)と、前記電極ピン(14)のうち、少なくとも2本の前記電極ピン(14)についてそれぞれの前記頭部(25)間を接続する電橋線(16)と、前記電極ピン(14)を介して通電される前記電橋線(16)によって着火される着火薬(10)と、を有する点火器において、
    前記塞栓(13)が熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
    前記頭部(25)に前記電橋線(16)が接続される前記電極ピン(14)が、前記頭部(25)と前記塞栓(13)との間に所定の距離(A)を有して前記塞栓(13)を貫通すると共に、固形体である前記着火薬(10)によって、少なくとも前記頭部(25)と前記電橋線(16)とが取り囲まれて、前記塞栓(13)に固定されることを特徴とする点火器。
  2. 前記電橋線(16)が接続された前記電極ピン(14)の前記頭部(25)の頂上が、軸心を横切る平面部(25a)を有することを特徴とする請求項1に記載の点火器。
  3. 前記頭部(25)と前記塞栓(13)との間の所定の距離(A)が、0.1mm〜2.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の点火器。
  4. 前記着火薬(10)が一の固形体であって、前記固形体の表面に被膜層(30)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の点火器。
  5. 前記被膜層(30)が、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂から選択される材料のうち少なくともいずれか一つを含む材料から形成されることを特徴とする請求項4に記載の点火器。
  6. 前記被膜層(30)の厚み(E)が0.1mm〜3.0mmの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の点火器。
  7. 前記熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の点火器。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の点火器(4)を有するガス発生器。

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