JP7437113B2 - 塞栓用樹脂組成物、それを用いた塞栓、点火器およびガス発生器 - Google Patents

塞栓用樹脂組成物、それを用いた塞栓、点火器およびガス発生器 Download PDF

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Description

本発明は、ガス発生器に用いられる点火器、及び、自動車のシートベルトプリテンショナー等の乗員安全保護装置を作動させるガス発生器に関し、さらに詳しくは点火器の塞栓に好適な樹脂組成物に関する。
自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するものとして、シートベルトプリテンショナーやエアバッグが知られている。これらプリテンショナー等は、ガス発生器から導入される多量のガスによって作動して乗員を保護する。又、ガス発生器は、点火器、ガス発生剤等を備え、衝突時に点火器を発火させることでガス発生剤を着火燃焼して急速に多量のガスを発生させる。
ガス発生器に用いられる点火器の一例を図1に示す。点火器1は、カップ6内に嵌装され着火薬2を封じる塞栓7を、熱可塑性樹脂等によって成形される。塞栓7には、塞栓7を貫通する2本の電極ピン8が備えられている。これら各電極ピン8は、カップ6内に突出して先端に電橋線3を電気的に接続している。電橋線3の発熱により着火薬2を点火して、発火させる。
この点火器1は、ガス発生器に装着され、衝突センサからの衝突信号によって通電し、電橋線3を発熱させる。発熱した電橋線3は、着火薬2を発火燃焼させる。そして、着火薬2が燃焼して生じる発生圧力及び熱によりガス発生剤が着火燃焼し、発生したガスがシートベルトプリテンショナーやエアバッグなどへ噴出する。
これら点火器のうち、塞栓7と絶縁樹脂5とを熱可塑性樹脂で一体成形した形状が提案されている。この熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン6、ナイロン66等の合成樹脂にガラス繊維等を混合したもの等が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、塞栓を不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂で成形することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
更に、特許文献3には、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で成形することも提案されている。
また、特許文献4には、エポキシ樹脂でできた絶縁性支持部、円筒形金属スリーブ及び熱可塑性樹脂でできた被覆成型部からなる塞栓を有する点火器を含むガス発生器について開示がある。
また、特許文献5には、中実本体、ガラス製のシース(sheaths)からなる塞栓を有し、エポキシ樹脂で封止された点火器について開示がある。
また、特許文献6には、熱可塑性樹脂や不飽和ポリエステルである熱硬化性樹脂でできたヘッダー(塞栓)を有する点火器を含むガス発生器について開示がある。
また、特許文献7には、ガラス繊維強化樹脂でできたヘッダー(塞栓)を有する点火器を含むガス発生器について開示がある。
更に、特許文献8には、2本の電極ピンが個別に挿通する2つの挿通孔が形成されたホルダーと、塞栓に相当するハーメチック材が絶縁性樹脂によって成形された点火器とを有するガス発生器が開示されている。
特開2003-25950号公報(第4頁及び図4) 特開2002-90097号公報(第5頁) 国際公開第WO05/052496号 特開2000-108838号公報(第5頁) 特開2000-241099号公報(第4頁、第5頁) 国際公開第WO01/031281号 国際公開第WO01/031282号 特開2000-292100号公報(図1)
前述したように、従来の点火器において、カップ内の着火薬を封じる塞栓に樹脂が用いられている場合は、熱可塑性樹脂を用いるのが一般的である。このため、点火器がガス発生器に組み込まれ使用され、自動車衝突時に車両火災が発生した場合、あるいは、想定を超える高温状態でのガス発生器の燃焼試験時などにガス発生剤が燃焼した場合、熱可塑性樹脂で構成された塞栓が軟化して、ガス発生器内の高圧のガス圧により塞栓を貫通する2本の電極ピンが飛び出してしまう虞がある。また、このような状態を防止する為に塞栓の厚みを厚くした場合、その分だけ点火器のサイズが大きくなるため、ガス発生器も大型化してしまうか、あるいは、ガス発生器のサイズを大きくできない場合にはガス発生剤の充填可能量が少なくなってしまう。さらに電極ピンと電極ピンを挿入する部分が金属でできており、これらがガラスで封止されたものを用いて製造された塞栓の場合、部品コストが高く、また製造上ガラスを溶融する工程を必要とするため製造コストも高く、結果として高価な塞栓となってしまう。
また、塞栓が不飽和ポリエステル組成物で成形されている場合、完全に硬化させるまでに比較的長い時間を要し生産性に劣る。過酸化物を硬化反応開始剤に用いている場合、過酸化物が不安定なために分解しやすく作業性が劣る、という問題点が挙げられる。
更に、塞栓がエポキシ樹脂組成物で成形されている場合、その寸法安定性から、フィラー成分を高充填させる必要があるため、成形体が非常に脆性に富んだ物になり、応力や衝撃等で欠損を生じる、という問題点が挙げられる。
この問題を評価する手法としては、ヒートサイクル試験(JIS60068-2-14)が用いられることが多いが、ヒートサイクル試験に対する十分な耐性を有する塞栓は未だ開発されていない。
上記の課題を解決するためには、電極ピンを強固に接合させる為、ガラス製のシースで封じる方法もあるが、高温かつ長時間の加工になる為、必ずしも生産性に優れるとは言い難い。同じく、塞栓部分がいくつもの部材で構成されている場合、各部材同士のシール性の問題がある。また、部品点数が増加し、製造に手間がかかるという問題もある。
本発明の目的は、生産性を向上させ、高温時における塞栓の強度を向上させることにより塞栓の厚みを薄くして点火器を小型化することを可能とし、電極ピンの飛び出しを確実に防止でき、また、塞栓と電極ピンとの間のシール性を確保し、更にはヒートサイクル試験においても劣化することなく、前記シール性を維持できる塞栓用樹脂組成物、およびそれを用いた点火器、ガス発生器を提供することである。
本発明者らは前記した課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記性能を十分満足させる塞栓用樹脂組成物が得られることを見出したものである。
即ち、本発明は以下1)~14)に関するものである。
1)
抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体の発熱により着火する火薬と、前記抵抗発熱体に接続する電極ピンとを有する点火器に用いられる塞栓用樹脂組成物であって、
(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)有機フィラーを含有する塞栓用樹脂組成物。
2)
上記(C)有機フィラーがシリコーン微粒子である上記1)に記載の塞栓用樹脂組成物。
3)
上記(C)有機フィラーがメディアン径100μm以下の微粒子である上記1)又は2)に記載の塞栓用樹脂組成物。
4)
上記(C)有機フィラーの塞栓用樹脂組成物中の含有率が1質量%以上80質量%以下である上記1)乃至3)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
5)
上記(B)硬化剤が、アミン系硬化剤である上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
6)
上記(B)硬化剤が、芳香族アミン系硬化剤である上記1)乃至5)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
7)
上記(B)硬化剤の含有量が、硬化剤当量(f値)で表した場合に0.6以上2.5以下である上記1)乃至6)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
8)
上記(A)エポキシ樹脂が、液状エポキシ樹脂である上記1)乃至7)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
9)
上記(A)エポキシ樹脂がビスフェノールF型エポキシ樹脂である上記1)乃至8)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
10)
更に(D)無機フィラーを含有する上記1)乃至9)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
11)
上記(D)無機フィラーが、シリカである上記10)に記載の塞栓用樹脂組成物。
12)
上記1)乃至11)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物で電子ピンが保持され、底面から当該樹脂組成物を視認することができる塞栓。
13)
上記1)乃至11)のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物で電極ピンが保持された点火器。
14)
燃焼によりガスを発生させるガス発生剤が充填されたカップ、前記カップの内側に配置された上記13)記載の点火器、及び前記カップを保持するホルダー、を備えるガス発生器。
本発明の塞栓用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂で形成されているため、高温下でも塞栓は十分な強度を有し、高温状態において塞栓が軟化しないため電極ピンが塞栓から抜けるのを防止できる。そうすることにより、熱可塑性樹脂を用いた場合に比べ、塞栓の厚みを薄くしても電極ピンの飛び出しを防止するために必要な強度を確保することができ、塞栓を薄くした分だけ点火器を小型化することができる。
点火器の一例を示す断面図 本発明の塞栓の正面図 本発明の塞栓の背面図 本発明の塞栓の右側面図 本発明の塞栓の左側面図 本発明の塞栓の平面図 本発明の塞栓の底面図 本発明の塞栓の右側面図のA-A線での断面図
本発明の塞栓用樹脂組成物は、抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体の発熱により着火する火薬と、前記抵抗発熱体に接続する電極ピンとを有する点火器に用いられる塞栓用樹脂組成物であって、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)有機フィラーを含有する。
[(A)エポキシ樹脂]
本発明の塞栓用樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂とは、分子内にオキシラン構造のような3員環のエーテル構造(以下エポキシ基という)を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、グリシジルエーテル基を有するものであっても、シクロアルケンを酸化的にエポキシ化して得られるものであっても良い。
エポキシ樹脂の種類としては、例えばポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
ポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェニルフェノール、テトラメチルビスフェノールA、ジメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジメチルビスフェノールS、テトラメチル-4,4’-ビフェノール、ジメチル-4,4’-ビフェニルフェノール、1-(4-ヒドロキジフェニル)-2-[4-(1,1-ビス-(4-ヒドロキジフェニル)エチル)フェニル]プロパン、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、トリスヒドロキシフェニルメタン、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、ジイソブロビリデン骨格を有するフェノール類、1,1-ジ-4-ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物のグリシジルエーテル化物であるエポキシ樹脂等が挙げられる。
各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂としては、例えばフェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等が挙げられる。
脂環式エポキシ樹脂としては、例えば3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-シクロヘキシルカルボキシレート等のシクロヘキサン骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
脂肪族系エポキシ樹脂としては、例えば1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、キシリレングリコール誘導体等の多価アルコールのグリシジルエーテル類等が挙げられる。
複素環式エポキシ樹脂としては、例えばイソシアヌル環、ヒダントイン環等の複素環を有する複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエステル系エポキシ樹脂としては、例えばヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のカルボン酸類からなるエポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルアミン系エポキシ樹脂としては、例えばアニリン、トルイジン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン誘導体、ジアミノメチルベンゼン誘導体等のアミン類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂としては、例えばブロム化ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールS、ブロム化フェノールノボラック、ブロム化クレゾールノボラック、クロル化ビスフェノールS、クロル化ビスフェノールA、ブロモフェノール等のハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらエポキシ樹脂の使用にあたっては特に制限はなく、使用用途により適宜選択されるが、本発明のエポキシ樹脂としては、ハンドリングの容易さから液状エポキシ樹脂が好適である。
また、電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の観点からビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は必ずしも1種類のみで使用する必要はなく、適宜2種以上の混合物として使用しても良い。
また、熱衝撃耐性の観点から、エポキシ当量として好ましい範囲は160以上210以下であり、さらに好ましくは175以上200以下である。
上記(A)エポキシ樹脂の塞栓用樹脂組成物中の含有率は5質量%以上70質量%以下である場合が好ましい。
また、より好ましい含有量の下限としては10質量%であり、更に好ましくは15質量%であり、特に好ましくは20質量%である。
より好ましい含有量の上限としては60質量%であり、更に好ましくは50質量%であり、特に好ましくは40質量%である。
[(B)硬化剤]
本発明の塞栓用樹脂組成物は、(B)硬化剤を含有する。
硬化剤としては、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、イミダゾール類等が挙げられる。
酸無水物としては、例えばフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコール無水トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の芳香族カルボン酸無水物、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の脂肪族カルボン酸の無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ナジック酸無水物、ヘット酸無水物、ハイミック酸無水物等の脂環式カルボン酸無水物等が挙げられる。フタル酸無水物としては、例えば4-メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が挙げられる。
アミン類としては、例えばジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジエチルメチルベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン等の芳香族アミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン、変性アミン等が挙げられる。特に好ましくは、ジエチルメチルベンゼンジアミン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルジフェニルメタンが良い。
フェノール類としては、例えばビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、4,4’-ビフェニルフェノール、2,2’-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリレン-ビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェノール),トリスヒドロキシフェニルメタン、ピロガロール、ジイソブロビリデン骨格を有するフェノール類、1,1-ジ-4-ヒドロキシフェニルフルオレン等のフルオレン骨格を有するフェノール類、フェノール化ポリブタジエン等のポリフェノール化合物、フェノール、クレゾール類、エチルフェノール類、ブチルフェノール類、オクチルフェノール類、ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ナフトール類等の各種フェノールを原料とするノボラック樹脂、キシリレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラック樹脂、フルオレン骨格を有するフェノールノボラック樹脂等の各種ノボラック樹脂等が挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-ウンデシルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-エチル,4-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-3,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニル-3,5-ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類が挙げられる。
これら硬化剤のうち、どの硬化剤を用いるかは点火用スクイブ構造体に要求される特性、又は作業性により適宜選択されるが、好ましくはフェノールノボラック樹脂、アミン類であり、さらに好ましくはアミン類である。
また、保存安定性の観点から特に好ましくは芳香族アミン類であり、特に好ましくはエタキュア100プラス(三井化学ファイン製)に代表されるような液状芳香族アミンである。
これら硬化剤の含有量としては、硬化剤当量(f値)で表した場合に0.6以上2.5以下である場合が好ましい。本明細書において、硬化剤当量(f値)とは上記エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する官能基の当量を意味し、過不足なく反応する場合を1.0として定義する。すなわち例えばアミノ基であれば、活性水素が2個存在する為、エポキシ基1個とアミノ基1個であればアミン当量(f値)は2.0とする。
そして、硬化剤当量(f値)の下限として、より好ましくは0.7であり、更に好ましくは0.8であり、特に好ましくは0.9である。
また上限としては、より好ましくは2.4であり、更に好ましくは2.3であり、特に好ましくは2.2である。
f値として最も好ましい範囲は2.0より大きく、2.2より小さい範囲である。
[(C)有機フィラー]
本発明の塞栓用樹脂組成物は、(C)有機フィラーを含有する。
有機フィラーとしては、例えばウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、シリコーン微粒子等が挙げられる。なおシリコーン微粒子としてはKMP-594、KMP-597、KMP-598(信越化学工業製)、トレフィルRTME-5500、9701、EP-2001(東レダウコーニング社製)が好ましく、ウレタン微粒子としてはJB-800T、HB-800BK(根上工業株式会社)、スチレン微粒子としてはラバロンRTMT320C、T331C、SJ4400、SJ5400、SJ6400、SJ4300C、SJ5300C、SJ6300C(三菱化学製)が好ましく、スチレンオレフィン微粒子としてはセプトンRTMSEPS2004、SEPS2063が好ましい。
これら有機フィラーは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また2種以上を用いてコアシェル構造としても良い。これらのうち、好ましくは、シリコーン微粒子である。
上記シリコーン微粒子としては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等があげられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものがあげられる。これらの微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。シリコーン微粒子として好ましくは、KMP-594、KMP-598(信越化学工業製)である。
(C)有機フィラーのメディアン径は、1μm以上100μm以下が好ましい。より好ましいメディアン径の下限は2μmであり、更に好ましい下限は3μmであり、特に好ましい下限は、4μmである。また、より好ましい上限は80μmであり、更に好ましい上限は50μmであり、特に好ましい上限は30μmである。
なおメディアン径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS-30)等を用いた粒度分布測定から求めることができる。メディアン径とは、粒度分布測定による、フィラーの体積基準のデータから、横軸に粒子径、縦軸に体積分布の累積(%)をとったときに、体積分布の累積が50%に相当するときの粒子径を意味する。
(C)有機フィラーを含有する場合、塞栓用樹脂組成物中の含有率は1質量%以上80質量%以下である場合が好ましい。
また、より好ましい含有量の下限としては2質量%であり、更に好ましい下限としては3質量%であり、特に好ましい下限としては4質量%である。
より好ましい含有量の上限としては70質量%であり、更に好ましい上限としては60質量%であり、特に好ましい上限としては50質量%であり、最も好ましい上限は45質量%である。
また、本発明で用いられる有機フィラーとしては、10%変位力が2.0MPa以下の柔らかい有機フィラーである場合が好ましい。この10%変位力は島津製作所製の微小圧縮試験機(MCT-510)で測定することができる。
[(D)無機フィラー]
本発明の塞栓用樹脂組成物は、(D)無機フィラーを含有しても良い。
(D)無機フィラーとしては、例えばシリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウムであり、更に好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等を用いてもよい。これらフィラーの使用量は要求性能、作業性に合わせて、好ましくは本発明の塞栓用樹脂組成物の10~95質量%、より好ましくは20~80質量%、特に好ましくは30~70質量%である。又、これらフィラーは一種の単独使用でも、或いは二種以上を混合して用いてもよい。
上記無機フィラーのうち、本発明の塞栓用樹脂組成物に最も好適なのはシリカである。シリカは化学組成がSiOである物質であり、本発明においては、結晶性シリカであっても、溶融シリカであっても使用することができる。シリカを含有することで、本発明の塞栓用樹脂組成物は機械的強度とヒートサイクル耐性が大きく向上する。
形状としては、塞栓用樹脂組成物に流動性を付与、作業性を向上する為に球状である場合が好ましく、そのメディアン径は、0.1μm以上50μm以下が好ましい。より好ましいメディアン径の下限は1μmであり、更に好ましい下限は5μmであり、特に好ましい下限は、10μmである。また、より好ましい上限は45μmであり、更に好ましい上限は40μmであり、特に好ましい上限は35μmである。
なおメディアン径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS-30)等を用いた粒度分布測定から求めることができる。メディアン径とは、粒度分布測定による、フィラーの体積基準のデータから、横軸に粒子径、縦軸に体積分布の累積(%)をとったときに、体積分布の累積が50%に相当するときの粒子径を意味する。
上記(D)無機フィラーの塞栓用樹脂組成物中の含有率は10質量%以上85質量%以下である場合が好ましい。
また、より好ましい含有量の下限としては20質量%であり、更に好ましい下限としては30質量%であり、特に好ましい下限としては40質量%である。
より好ましい含有量の上限としては80質量%であり、更に好ましい上限としては75質量%であり、特に好ましい上限としては70質量%である。
なお、本発明の塞栓用樹脂組成物としては、(C)有機フィラーと(D)無機フィラーを併用するのが、特に好ましい態様の一つである。
また、(D)無機フィラーはシランカップリング剤やヘキサメチルジシラザン化合物、ポリシロキサン化合物等の表面処理剤で表面処理を施したものでも良い。
シランカップリング剤としては、例えば3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-(ビニルベンジルアミノ)エチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N-エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p-N-(β-アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr-アセチルアセトネート、Zr-メタクリレート、Zr-プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m-アミノフェニル)ジルコネート、アンモニュウムジルコニウムカーボネート、Al-アセチルアセトネート、Al-メタクリレート、Al-プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられるが好ましくはシリコン系カップリング剤である。カップリング剤を使用することにより耐湿信頼性が優れ、吸湿後の接着強度の低下が少ない硬化物が得られる。
本発明の塞栓用樹脂組成物は、その他成分として、(E)硬化促進剤、(F)着色剤、(G)カップリング剤、(H)レベリング剤、(I)滑剤等を適宜添加することが出来る。
(E)硬化促進剤としては、例えば2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-ウンデシルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-エチル,4-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-3,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニル-3,5-ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種イミダゾール類、及び、それらイミダゾール類とフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、マレイン酸、蓚酸等の多価カルボン酸との塩類,ジシアンジアミド等のアミド類、1,8-ジアザ-ビシクロ(5.4.0)ウンデセン-7等のジアザ化合物及びそれらのフェノール類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラブチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類、2,4,6-トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、及びこれら硬化剤をマイクロカプセルにしたマイクロカプセル型硬化促進剤等が挙げられる。これら硬化促進剤のどれを用いるかは、例えば透明性、硬化速度、作業条件といった得られる透明樹脂組成物に要求される特性によって適宜選択される。硬化促進剤を使用する場合、塞栓用樹脂組成物中の含有率は0.1質量%以上5質量%以下である場合が好ましい。
(F)着色剤としては特に制限はなく、例えばフタロシアニン、アゾ、ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバントロン、ペリノン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチン系の各種有機系色素、酸化チタン、硫酸鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオン、弁殻、コバルト紫、紺青、群青、カーボンブラック、クロムグリーン、酸化クロム、コバルトグリーン等の無機顔料等が挙げられる。
(G)カップリング剤としては、例えば3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-(ビニルベンジルアミノ)エチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピル(N-エチルアミノエチルアミノ)チタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、チタニウムジ(ジオクチルピロフォスフェート)オキシアセテート、テトライソプロピルジ(ジオクチルフォスファイト)チタネート、ネオアルコキシトリ(p-N-(β-アミノエチル)アミノフェニル)チタネート等のチタン系カップリング剤、Zr-アセチルアセトネート、Zr-メタクリレート、Zr-プロピオネート、ネオアルコキシジルコネート、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデカノイル)ベンゼンスルフォニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノエチル)ジルコネート、ネオアルコキシトリス(m-アミノフェニル)ジルコネート、アンモニュウムジルコニウムカーボネート、Al-アセチルアセトネート、Al-メタクリレート、Al-プロピオネート等のジルコニウム、或いはアルミニウム系カップリング剤が挙げられるが好ましくはシリコン系カップリング剤である。カップリング剤を使用することにより耐湿信頼性が優れ、吸湿後の接着強度の低下が少ない硬化物が得られる。
(H)レベリング剤としては、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類からなる重量平均分子量4000~12000のオリゴマー類、エポキシ化大豆脂肪酸、エポキシ化アビエチルアルコール、水添ひまし油、チタン系カップリング剤等が挙げられる。
(I)滑剤としては、例えばパラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の高級脂肪酸系滑剤、ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の高級脂肪酸アミド系滑剤、硬化ひまし油、ブチルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ペンタエリスリトール(モノ-、ジ-、トリ-、又はテトラ-)ステアレート等の高級脂肪酸エステル系滑剤、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リシノール酸、ナフテン酸等のマグネシウム、カルシウム、カドニウム、バリウム、亜鉛、鉛等の金属塩である金属石鹸類、カルテウバロウ、カンデリラロウ、蜜蝋、モンタンロウ等の天然ワックス類が挙げられる。
この塞栓用脂組成物を調製するには、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)有機フィラー、必要により、(D)無機フィラー等を、配合成分が固形の場合はヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等の配合機を用いて混合し、ニーダー、エクストルーダー、加熱ロール等を用いて80~120℃で混練、冷却後、粉砕して粉末状として塞栓用樹脂組成物が得られる。一方、配合成分が液状の場合はプラネタリーミキサー等を用いて配合成分を均一に分散して塞栓用樹脂組成物とする。液状組成物の粘度が高く作業性に劣る時は溶剤を加えて作業に適した粘度に調整することも出来る。又、固形組成物を液状にして用いてもよい。この場合は前述の方法により得られた固形の塞栓用樹脂組成物を溶剤に溶解して液状としてもよい。或いは各配合成分を溶剤に溶解して液状組成物としてもよい。この場合用いられる溶剤は特に限定するものではなく通常溶剤として用いられるものであればよい。こうして得られた塞栓用樹脂組成物が固形の場合は一般的にはペレット状にした後低圧トランスファー成型機等の成型機で成形後100~200℃に加熱して硬化させる。また、液状の場合は型に注型、或いはディスペンス後、100~200℃に加熱して硬化させ、塞栓を得る。本願発明の点火器は例えば、得られた本願発明の塞栓に電極ピンを設置し、電極部に抵抗発熱体を作成し、抵抗発熱体の発熱により着火する火薬を公知又は周知の工程により組み立てることで得られる。
また、前記の点火器は、着火薬を収納するケースと、かしめることで得られる点火器ケースと、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤が充填されたカップとを、所定の構成に合わせ、公知の方法により、かしめる事で、本発明のガス発生器を得ることができる。
[塞栓用樹脂組成物の調製]
表1に示す成分を混合した後、三本ロールで混練することで、塞栓用樹脂組成物及び比較例用の塞栓用樹脂組成物を得た。
塞栓用樹脂組成物として実施例1、比較例2を設定し、組成の違いで枝番号1~6(実施例)、1~2(比較例)を設定している。
Figure 0007437113000001
表中記載
エポキシ樹脂1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂jER807:三菱化学製、エポキシ当量170
硬化剤1:液状芳香族アミン エタキュア100プラス:三井化学ファイン製(活性水素当量 44.5)
硬化剤2:ジシアンジアミド DICY7:三菱化学製
有機フィラー1:シリコーンゴムパウダーKMP-598:信越化学工業製、メディアン径13μm 10%変位力0.6MPa
有機フィラー2:シリコーンゴムパウダーKMP-597:信越化学工業製、メディアン径5μm 10%変位力0.6MPa
促進剤:U-CAT3512T:サンアプロ製
アクリル樹脂:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートKAYARAD DPHA:日本化薬製
重合開始剤:2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル):東京化成製
無機フィラー:球状シリカフィラーFB-74X:デンカ製、メディアン径30μm
[塞栓の作製及び特性評価]
実施例1-3、5、6、比較例1-1においてはまず、カップ(内径7mm、高さ4mm)の底面の穴を耐熱テープで塞いだ後、その中心に針で穴をあける。その穴に電極ピンを刺して固定した状態でディスペンス後、200℃1時間加熱することで、塞栓を得た。実施例1-4は、同様の操作にて160℃3時間加熱し、比較例1-2に関しては、同様の操作にて150℃1時間加熱することで塞栓を得た。硬化後はテープを剥がし、アイレットから出た電極ピンは研磨にて削り取った。
塞栓として実施例2、比較例2を設定し、用いた塞栓用樹脂組成物で1~6(実施例)、1~2(比較例)の枝番号を設定している。
[密着性]
密着性は、直径3mm程度の穴が空いた土台(1.5cm角、厚さ0.5cm)を固定し、その穴の下から電極ピンを通し、ツカミ歯で固定した。その後、10mm/minで最大の試験力を測定した。なお、測定はオートグラフAG-Xplus(島津製作所製)にて行った。
○:200N以上
△:150N以上200N未満
×:150N未満
[熱衝撃耐性]
また、熱衝撃耐性は、低温―40℃、高温120℃で50サイクル(各温度30分間)の条件で各々3サンプル実施し、試験後表面を観察し、クラックのあるサンプルの数をカウントした。
○:すべてクラックなし
△:1~2個クラックあり
×:すべてクラックあり
Figure 0007437113000002
以上の結果から、本発明の塞栓用樹脂組成物は、いずれの特性も良好であることが示された。また、有機フィラーが含有されていない、エポキシ樹脂以外の塞栓用樹脂組成物では密着性及び熱衝撃耐性は不十分であった。
本発明の塞栓用樹脂組成物を用いた点火器は、電極ピンと塞栓本体とを強固に接合させることができるため、容易に点火器の生産が可能となる。
1 点火器
2 点火薬
3 電橋線
4 絶縁体
5 絶縁樹脂
6 カップ
7 塞栓
8 電極ピン

Claims (13)

  1. 抵抗発熱体と、前記抵抗発熱体の発熱により着火する火薬と、前記抵抗発熱体に接続する電極ピンとを有する点火器に用いられる塞栓用樹脂組成物であって、
    (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)有機フィラーを含有し、
    前記(A)エポキシ樹脂の含有量が塞栓用樹脂組成物総量中5質量%以上70質量%以下であり、
    前記(C)有機フィラーの含有量が塞栓用樹脂組成物総量中5~50質量%である、塞栓用樹脂組成物。
  2. 前記(C)有機フィラーがシリコーン微粒子である請求項1に記載の塞栓用樹脂組成物。
  3. 前記(C)有機フィラーがメディアン径100μm以下の微粒子である請求項1又は2に記載の塞栓用樹脂組成物。
  4. 前記(B)硬化剤が、アミン系硬化剤である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
  5. 前記(B)硬化剤が、芳香族アミン系硬化剤である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
  6. 前記(B)硬化剤の含有量が、硬化剤当量(f値)で表した場合に0.6以上2.5以下
    である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
  7. 前記(A)エポキシ樹脂が、液状エポキシ樹脂である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
  8. 前記(A)エポキシ樹脂がビスフェノールF型エポキシ樹脂である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
  9. 更に(D)無機フィラーを含有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物。
  10. 前記(D)無機フィラーが、シリカである請求項9に記載の塞栓用樹脂組成物。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物で電極ピンが保持され、底面から当該樹脂組成物を視認することができる塞栓。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の塞栓用樹脂組成物で電極ピンが保持された点火器。
  13. 燃焼によりガスを発生させるガス発生剤が充填されたカップ、前記カップの内側に配置された請求項12に記載の点火器、及び前記カップを保持するホルダー、を備えるガス発生器。
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