JP3118463U - 点火器 - Google Patents
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Abstract
【課題】塞栓とホルダとの間のシール性を向上させた点火器を得る。
【解決手段】塞栓13と、塞栓13をかしめ固定したホルダ5と、塞栓13とホルダ5との境界を閉塞し、着火薬10とホルダ5とを絶縁するシール部材31と、電気を通電するための2本の電極ピン14と、抵抗体(電橋線)16と、着火薬10と、着火薬10とシール部材31の一部とを被覆する被膜層30とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】塞栓13と、塞栓13をかしめ固定したホルダ5と、塞栓13とホルダ5との境界を閉塞し、着火薬10とホルダ5とを絶縁するシール部材31と、電気を通電するための2本の電極ピン14と、抵抗体(電橋線)16と、着火薬10と、着火薬10とシール部材31の一部とを被覆する被膜層30とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車のシートベルトプリテンショナーやエアバッグ等の乗員安全保護装置を作動させるガス発生器に用いる点火器に関する。
従来、シートベルトプリテンショナー用のガス発生器に用いる点火器として、すでに出願人は下記特許文献1の出願を行っている。具体的には、下記のような点火器である。着火薬Dと、着火薬Dが充填される第2カップEと、着火薬Dを発火させるための電気を通電する目的で立設された2本のピンAと、塞栓Bを含む。ホルダ9は、ステンレス、アルミなどの金属材や樹脂によって形成されている。前記ホルダ9は、点火具12の塞栓Bの部分を挿入し嵌めるための第1孔9cと、点火具12の塞栓Bをかしめるための突起9bと、第1カップ10をかしめるための突起9aとを有している。前記ホルダ9は、点火具12を第1カップ10の中心に位置させるように、前記第1カップ10の位置を固定すると共に前記点火具12の塞栓Bを保持している。前記点火具12とホルダ9の接触面間、即ち、隙間にシール部材であるOリング13が設けられている。ホルダ9と第1カップ10のかしめ部であるかしめ突起9aと第1カップ10との接触面間、即ち、隙間にはエポキシ接着剤からなるシール部材51が設けられている。前記Oリング13とシール部材51は、それぞれ、ホルダ9と点火具12との隙間、ホルダ9と第1カップ10との隙間を密閉し、第1カップ10内に水や水蒸気が浸入するのを防止している。
しかし、特許文献1のものは、Oリングなどのシール部材が設けられているのである程度のシール性が確保できるものの、塞栓とホルダとの間の境界(かしめられた部位)において、さらに高いシール性が必要とされる場合、使用することはできなかった。また、ホルダが金属であり、着火薬に金属成分が含まれている場合、樹脂などの第2カップで絶縁していたが、さらなる小型化が困難であった。
そこで、本発明は、塞栓とホルダとの間のシール性を従来よりもさらに向上させ、着火薬とホルダとが絶縁されているとともに、さらに小型化された点火器を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するための本発明は、塞栓と、前記塞栓を貫通する2本以上の電極ピンと、前記電極ピンのうち、少なくとも2本の前記電極ピンについてそれぞれの頭部間を接続する電橋線と、前記電極ピンを介して通電される前記電橋線によって着火される着火薬と、前記塞栓をかしめて固定する突出部を備えた金属製のホルダとを有する点火器において、前記塞栓と前記突出部の先端との境界部分を閉塞し、前記着火薬と前記ホルダとを絶縁するように形成されたシール部材をさらに有していることを特徴とする。
上記構成により、塞栓とホルダとの間のシール性を従来よりもさらに向上させた点火器を提供することができる。また、着火薬に金属成分が含まれている場合、ホルダに接触させないように着火薬を絶縁できるため、ホルダからの静電気の流入を防止でき、誤点火を防止できる上、小型化できる。また、着火薬が形成前に流動性のあるものであっても、シール部材が土手の役目を果たし、着火薬の充填量を多くでき且つ流れ出さないように外形を保持しつつ固化形成することができるとともに、塞栓とホルダとの間への流入を防止できる。
本発明の点火器は、前記シール部材が、硬化した紫外線硬化性樹脂からなることが好ましく、特に、アクリレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、又はエポキシ系樹脂であることが好ましい。
上記構成によれば、紫外線照射のみで硬化できるため、硬化時間を短縮できるので、生産効率を向上できる点火器を提供できる。
上記構成によれば、紫外線照射のみで硬化できるため、硬化時間を短縮できるので、生産効率を向上できる点火器を提供できる。
本発明の点火器は、前記紫外線硬化性樹脂が、硬化前に300〜70000cpsの粘度を有しているものであることが好ましい。別の観点から、本発明の点火器は、前記紫外線硬化性樹脂が、硬化前、チクソ性を有するものであることが好ましい。なお、チクソ性とは、動いている状態では粘度が低く液体状であり、止まっている状態では粘度が高くゼリー状となる性状のことをいう。
上記構成によれば、所定箇所への塗布時に適度な密着面の形成ができるとともに、過度に垂れ落ちることがないので、容易にシール部材の形成を行うことができる。
上記構成によれば、所定箇所への塗布時に適度な密着面の形成ができるとともに、過度に垂れ落ちることがないので、容易にシール部材の形成を行うことができる。
本発明の点火器は、前記紫外線硬化性樹脂が、硬化後、可撓性と、ショアA:25〜ショアD:70の硬度(さらに好ましくはショアA:30〜ショアD:65)とを併せ持っているものであることが好ましい。
上記構成によれば、所望する機械的強度を有すると共に、塞栓とホルダとが異種材料からなる場合であっても、熱膨張係数の差による変形量の違いを吸収することができる。また、硬すぎることもないので、割れなどが発生しにくい。
上記構成によれば、所望する機械的強度を有すると共に、塞栓とホルダとが異種材料からなる場合であっても、熱膨張係数の差による変形量の違いを吸収することができる。また、硬すぎることもないので、割れなどが発生しにくい。
本発明の実施形態に係る点火器について図1を用いて説明する。図1は、(a)が本発明の第1実施形態に係る点火器を示す断面図、図2が図1の点火器を有するガス発生器を示す断面図である。
図1において、本実施の形態に示す点火器1は、塞栓13と、塞栓13を環状突起5cによってかしめ固定したホルダ5と、塞栓13と環状突起5cの先端との境界部分を閉塞し、着火薬10とホルダ5とを絶縁するシール部材31と、電気を通電するための2本の電極ピン14と、抵抗体(電橋線)16と、着火薬10と、着火薬10とシール部材31の一部とを被覆する被膜層30とを有する。
2本の電極ピン14は、それぞれ、端子部14aと頭部25とを有し、熱硬化性樹脂で成形された塞栓13を貫通すると共に、接着固定される。このように、塞栓13に貫通された電極ピン14は塞栓13と接着しているので、外部からの水分の浸入を抑制できると共に、火災時等に電極ピン14が塞栓13から抜けてしまうことを防止できる。また、電極ピン14の材質は、ニッケルを含む合金、鉄、アルミニウム、銅、ステンレス等が挙げられる。頭部25は、端子部14aの一端に一体的に形成され、端子部14aの軸心を横切る2つの平面部25a、25bを有すると共に、端子部14aとT字状の形状を成している(図3参照)。なお、頭部25は、火災時などに、塞栓13に固定される電極ピン14と塞栓13との固定が仮に解除されてしまっても、塞栓13から電極ピン14が抜けることを防止する機能を有する。ここで、頭部25の直径は、端子部14aの直径よりも大きい方が好ましい。
電橋線16は、2本の電極ピン14の頭部25に電気的に接続されている。具体的には、電橋線16は、溶接によって頭部25の頂上の平面部25aに接続されている。頭部25の頂上が平面部25aを有しているのは、電極ピン14の頭部25と電橋線16との溶接による接合を容易にするためである。従って、頭部25は、頂上の全面が平面である必要はなく、一部に平面部を有していればよい。また、軸心に対して必ずしも直交する平面を有する必要はなく、所定の角度を有して軸心を横切っていてもよい。
着火薬10は、電極ピン14の頭部25が突出する側の塞栓13の面26に、2本の電極ピン14の頭部25と電橋線16とシール部材31の一部とを覆うように配置される。着火薬10は、頭部25と塞栓13から突出した電極ピン14の端子部14aの一部と電橋線16とを全て覆う連続した流動性のある着火薬を塗布し、硬化させた一つの固形体である。着火薬10は、固形体の場合、適切な塗布方法、例えば、ディッピング法により、又はディスペンサーを使用して、所定部位に塗布した後、加熱乾燥など適切な硬化条件で、着火薬に含まれるバインダー(樹脂成分)を乾燥して固体化する。そして、電極ピン14の頭部25及び電橋線16を取り囲むように形成された固形体として、塞栓13の一方の面26に接して設けられる。
着火薬10は、酸化剤、還元剤及びバインダー、並びに所望により添加される添加物を混合することにより得ることができる材料からなる。この着火薬10は、酸化剤成分及び還元剤成分を含有するものであって、実質的に鉛化合物を含有しないものである。ここでいう鉛化合物とは、通常、鉛原子を含む無機化合物及び有機化合物、そして単体である鉛等を示す。
被膜層30は、シリコン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂から選択される材料のうち少なくともいずれか一つを含む材料からなる絶縁性のものであり、着火薬10及びシール部材31の一部の表面に形成されている。被膜層30の厚みは、0.02mm〜3.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは、0.05mm〜1.5mmである。なお、形成する被膜層30の物性から判断される性能に合わせた厚みを持つことで、ガス発生剤2を収納する金属カップ3と電極ピン14との間に静電気などにより高電圧が生じたとしても、火花が発生せず、着火薬10が着火することがない。また、被膜層30が耐湿性を有しているので、着火薬10が吸湿することがないため劣化しない。また、着火薬10が着火、燃焼した際に被膜層30が燃え残って塊が発生したり、ガス発生剤2への伝火を阻害したりすることもない。したがって、シートベルトプリテンショナーやエアバッグの点火器として用いられた場合、これらシートベルトプリテンショナーやエアバッグを安定した状態で作動させることができる。被膜層30は、適切な塗布方法、たとえば、ディッピング法により、ディスペンサー又はスプレーを使用して、着火薬表面に塗布された後、乾燥、加熱など当該樹脂に適合する硬化方法により形成される。
塞栓13は、熱硬化性樹脂を硬化させることによって形成されているものである。この熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド、ケイ素樹脂などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性、耐湿性、電気特性、接着性、作業性などの観点から、特にエポキシ樹脂であることが好ましい。具体的なエポキシ樹脂としては、例えばポリフェノール類化合物のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、各種ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物である多官能エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、ハロゲン化フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂等が挙げられる。
さらに好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アミン系エポキシ樹脂である。更に、これらエポキシ樹脂は電気絶縁性、接着性、耐水性、力学的強度、作業性等の必要に応じ適宜選択され1種又は2種以上の混合物として用いることが出来る。
本実施形態で使用するエポキシ樹脂組成物は、上記のエポキシ樹脂と硬化剤、及びフィラーを含有する。硬化剤としては、例えば酸無水物、アミン類、フェノール類、イミダゾール類等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物には、目的に応じ、例えば着色剤、カップリング剤、レベリング剤、滑剤等を適宜添加することが出来る。
塞栓13が、このような熱硬化性樹脂組成物で成形されることにより、ガス発生剤2が発火する温度においても、電極ピン6、7が塞栓13から外側へ飛び出す原因となる塞栓13の軟化が発生しない。また、塞栓13の厚みが薄くても高温時の強度を十分に確保することができるので、ガス発生器1のサイズの小型化、又はサイズを変更せずに、カップケース3内の容積を増やして充填されるガス発生剤2の量を多くしたりすることができる。従って、制約された空間の中に、一酸化炭素の発生量は少ないがガス発生効率が低いために充填量を多くする必要のあるガス発生剤(グリーンプロペラント)を使用するガス発生器に特に適している。熱硬化性樹脂、特に、エポキシ樹脂組成物で電極ピン6、7と一体成形された塞栓13は、電極ピン6、7及びホルダ4との接着性が優れている。そのため、シ−ル部材を使用しなくても、湿気が、点火玉10やガス発生剤2が収納されたガス発生器1内に浸入することを極力防止でき、電極ピン6、7の保持力を増すことができる。このような効果は、熱硬化性樹脂の代わりに熱可塑性樹脂を用いると得ることができない。
ホルダ5には、2つの挿通孔23が形成されている。これら2つの挿通孔23には、2本の電極ピン14のうちの、塞栓13の突出部29に覆われた部分が夫々挿通されている。また前記塞栓13の突出部29の存在により、金属バリなどによるピンとホルダ5の2つの挿通孔23の電気的な短絡を防止することができる。ここで、2つの挿通孔23の面積は、電極ピン14を挿通できる範囲内である程度小さいことが好ましく、これら挿通孔23を挿通する電極ピン14の断面積の1倍を超えて10倍以下、さらには、2倍〜7倍の範囲とすることが好ましい。ホルダ5をこのように構成することで、塞栓13の下端面がホルダ5の奥端に当接して受け止められ、さらに、電極ピン14が挿通する挿通孔23の断面積が従来の点火器1に比べて小さくなっているため、電極ピン14がホルダ5から抜けて飛び出してしまうのが防止される。さらに、塞栓13に突出部29を設けているので挿通孔23において電極ピン14とホルダ5との距離が最も近くなっており、静電気試験の際に、静電気が流れたときに電極ピン14とホルダ5の挿通孔23との間で放電し、着火薬10が着火するのを防止することができる。
また、ホルダ5の外周部には突起5aが形成されており、この突起5aがカップ3のフランジ部3dに係合してカップ3がホルダ5にかしめられている。また、ホルダ5の右側部分には、塞栓13を収容する凹状の収容部5bと、この収容部5bの周端部から右方へ突出する環状突起5cが形成されており、収容部5bに塞栓13が部分的に収容された状態で、環状突起5cが塞栓13のテーパ部12bに当接するようにホルダ5にかしめられている。尚、このホルダ5は、通常、略有底円筒状であり、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属材料で形成できるが、前述の挿通孔23等を設ける必要があることから、成形が容易なアルミニウムで形成されることが特に好ましい。
シール部材31は、紫外線硬化性樹脂であることが好ましく、特に、アクリレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、又はエポキシ系樹脂であることが好ましい。
また、上述の紫外線硬化性樹脂は、硬化前に300〜70000cpsの粘度を有しているものが好ましく、特に60000cps程度の粘度を有しているものが好ましい。また、硬化前の上述の紫外線硬化性樹脂は、チクソ性を有するものであることがより好ましい。これらにより、塗布時に垂れ落ちることがほとんどないので、シール部材31を形成しやすくなる。
さらに、上述の紫外線硬化性樹脂は、硬化後、ゴム弾性又は可撓性を持っているものが好ましい。また、ショアA:25〜ショアD:70の硬度とを併せ持っているものであることが好ましい。具体的にはゴム弾性程度の硬度を有していることが好ましい。シール部材31がゴム弾性程度の硬度を有している場合には、所望する機械的強度を有すると共に、塞栓13とホルダ5とが異種材料からなる場合であっても、熱膨張係数の差による変形量の違いを吸収することができる。また、硬すぎることもないので、割れなどが発生しにくい。
本発明の点火器4は、以下の各工程を施すことで製造される。(1)2つの電極ピン14を形成する工程、(2)電極ピン14と一体的に塞栓13を形成する工程、(3)各電極ピン14の頭部25に電橋線16を溶着するための溶着面を形成する工程、(4)電橋線16を電極ピン14に溶着する工程、(5)ホルダ5に塞栓13をかしめて固定する工程、(6)シール部材31をホルダ5と塞栓13との境界に形成する工程、(7)着火薬10を塗布、乾燥する工程、(8)着火薬10の表面に被膜層30を塗付、乾燥する工程。
本発明の点火器1には、2本の電極ピン14を短絡させておくためのショーティングクリップ(図示せず)が取り付けられていてもよい。このショーティングクリップは、静電気などによる点火器1の誤作動を防止するためのものである。
上述の構成によれば、塞栓13とホルダ5との間のシール性を向上させた点火器1を提供できる。また、着火薬10に金属成分が含まれている場合、ホルダ5に接触させないように着火薬10を絶縁できるため、ホルダ5からの静電気の流入を防止でき、誤点火を防止できる。また、着火薬10が、形成前に流動性のあるものであっても、着火薬10の充填量を多くでき且つ流れ出さないように外形を保持しつつ固化形成することができるとともに、塞栓13とホルダ5との間への流入を防止できる。また、紫外線照射のみで紫外線硬化樹脂を硬化させることができるため、硬化時間を短縮でき、点火器1の生産効率を向上できる。
次に、上述の点火器1を有するガス発生器100について図2を用いて説明する。ガス発生器100は、自動車用シートベルトプリテンショナーやエアバッグ用のガス発生器として好適に用いられる。図2において、ガス発生器100は、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤2が充填されたカップ3と、このカップ3の内側に配設され、着火薬10が配置された点火器1とで構成されている小型のガス発生器1であり、シートベルトプリテンショナー等に用いられる。なお、必要な改変を施すことにより、前記の点火器1を有するエアバッグ用のガス発生器やボンネットはねあげ用のガス発生器、シートの前端部はねあげ用のガス発生器等にすることができる。
カップ3は、大径の円筒部3aと、この円筒部3aに連なり且つ互いに平行な2つの平面状の側面を有する有底筒部3bとを含んでいる。カップ3には、ガス発生剤2が充填されている。有底筒部3bの底面には、6本の切欠き部3cが中心から放射状に形成されている。そして、カップ3内のガス発生剤2が燃焼して高温且つ高圧のガスが発生したときには、そのガスの圧力により切欠き部3cが破断して、図示しないシートベルトプリテンショナーへガスが直接放出される。カップ3の開口側の端部には、後述するホルダ5に取り付ける為のフランジ部3dが形成されている。カップ3を形成する材料としては、例えばステンレス、鉄、アルミニウム等の金属材料が挙げられる。
ガス発生剤2は、フィルター又は/及びクーラントを介することなく、カップ3の内周に直接接触する状態にして充填されている。ここで、使用できるガス発生剤2は、燃料成分、酸化剤成分、及び少なくとも1種以上の添加物を含有するガス発生剤が好ましい。燃料成分としては、含窒素有機化合物、たとえば、アミノテトラゾール、硝酸グアニジン、ニトログアニジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。酸化剤成分としては、たとえば、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。添加物としては、たとえば、自己発火性触媒である三酸化モリブデンが挙げられる。
また、他にガス発生剤に添加しうる添加物としては、バインダーなどが挙げられ、バインダーとしては、たとえば、グアガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性セルロースエーテル、ポリエチレングリコールよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。好適なガス発生剤としては、燃料成分として、5−アミノテトラゾールおよび硝酸グアニジン、酸化剤成分として、硝酸ストロンチウム及び過塩素酸アンモニウム、自己発火性触媒として、三酸化モリブデン、バインダーとして、グアガムを含有するガス発生剤である。より好適には、燃料成分として、5−アミノテトラゾ−ルを10〜30重量%、硝酸グアニジンを15〜35重量%、酸化剤成分として、硝酸ストロンチウムを10〜30重量%、過塩素酸アンモニウムを15〜35重量%、自己発火性触媒として、三酸化モリブデンを1〜10重量%、バインダーとして、グアガムを1〜10重量%含有するガス発生剤である。
本発明で用いられるガス発生剤は、シートベルトプリテンショナーやエアバッグ等に充填可能な形態にするため、例えば、所望の形状の成形体にすることができる。この成形体の形状は特に限定されるものではなく、(a)カチオン性バインダー0.25%〜5%、(b)アニオン性バインダー0.25%〜5%、(c)燃料成分、(d)酸化剤、及び(e)燃焼調節剤等の種類に応じて、水又は有機溶媒を添加し均一に混合した後、混練し押出成形し載断して得られる円柱状又はマカロニ状の成形体、打錠機等を用いて得られるペレット状の成形体にすることができる。使用するガス発生剤2の量は、好ましくは、300mg〜3000mgである。
次に、以上説明したガス発生器1の作動について説明する。図示しない衝突センサが自動車の衝突を感知すると、2本の電極ピン14を介して電極ピン14に接続された電橋線16に通電され、数ミリ秒(ms)内に電橋線16が発熱する。この発熱のみによって着火薬10は安定して着火・燃焼する。燃焼により生じた火焔は、被膜層30を破って、被膜層30の外部にあるガス発生剤2を着火させる。続いて、ガス発生剤2が燃焼してカップ3内で発生したガスにより、カップ3内の圧力が急激に上昇し、カップ3に形成された切欠き部3cが破断して、高温且つ高圧のガスが図示しないシートベルトプリテンショナーやエアバッグへ直接導入され、シートベルトプリテンショナーやエアバッグが作動する。
上記構成によれば、点火器1の効果を有するガス発生器100を提供できる。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、塞栓13を貫通する電極ピン14の数は、上記の実施の形態では2本であるが、これに限られない。塞栓13を貫通する電極ピン14の数は、好ましくは2本であるが、目的に応じ、3本以上設けてもよい。
1 点火器
2 ガス発生剤
3 カップ
3a 円筒部
3b 有底筒部
3c 切欠き部
3d フランジ部
5 ホルダ
5a 突起
5c 環状突起
10 着火薬
12b テーパ部
13 塞栓
14 電極ピン
14a 端子部
16 電橋線
23 挿通孔
25 頭部
29 突出部
30 被膜層
31 シール部材
100 ガス発生器
2 ガス発生剤
3 カップ
3a 円筒部
3b 有底筒部
3c 切欠き部
3d フランジ部
5 ホルダ
5a 突起
5c 環状突起
10 着火薬
12b テーパ部
13 塞栓
14 電極ピン
14a 端子部
16 電橋線
23 挿通孔
25 頭部
29 突出部
30 被膜層
31 シール部材
100 ガス発生器
Claims (6)
- 塞栓と、前記塞栓を貫通する2本以上の電極ピンと、前記電極ピンのうち、少なくとも2本の前記電極ピンについてそれぞれの頭部間を接続する電橋線と、前記電極ピンを介して通電される前記電橋線によって着火される着火薬と、前記塞栓をかしめて固定する突出部を備えた金属製のホルダとを有する点火器において、
前記塞栓と前記突出部の先端との境界部分を閉塞し、前記着火薬と前記ホルダとを絶縁するように形成されたシール部材をさらに有していることを特徴とする点火器。 - 前記シール部材が、硬化した紫外線硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の点火器。
- 前記紫外線硬化性樹脂が、アクリレート系樹脂、メタクリレート系樹脂、又はエポキシ系樹脂であることを特徴とする請求項2記載の点火器。
- 前記紫外線硬化性樹脂が、硬化前に300〜70000cpsの粘度を有しているものであることを特徴とする請求項2記載の点火器。
- 前記紫外線硬化性樹脂が、硬化前、チクソ性を有するものであることを特徴とする請求項2記載の点火器。
- 前記紫外線硬化性樹脂が、硬化後、可撓性と、ショアA:25〜ショアD:70の硬度とを併せ持っているものであることを特徴とする請求項2記載の点火器。
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Cited By (2)
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JP2012504073A (ja) * | 2008-09-30 | 2012-02-16 | ティーアールダブリュー・エアバッグ・システムズ・ゲーエムベーハー | インフレータ、インフレータを製造する方法、およびこのインフレータを含むモジュール |
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2005
- 2005-11-10 JP JP2005009425U patent/JP3118463U/ja not_active Expired - Fee Related
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