JP2015157618A - ガス発生器 - Google Patents

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Tomoshi Osugi
知士 大杉
隆則 西村
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隆則 西村
上田 真也
Shinya Ueda
真也 上田
義孝 岩井
Yoshitaka Iwai
義孝 岩井
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Abstract

【課題】ハウジングと樹脂成形部との間の気密性をより確実に確保することのできる簡素な構成のガス発生器を提供する。【解決手段】ガス発生器は、ハウジング、点火器およびガス発生剤を備える。点火器は、樹脂成形部からなる保持部にてハウジングの下部側シェルの底板部に固定されている。底板部と保持部との間には、弾性体が介装されている。弾性体が圧縮変形されている状態で配置されることにより、弾性体から底板部及び保持部に向けての弾性力が生じ、その弾性力により、弾性体が底板部及び保持部により密着することとなり、高いシール性を確保することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、乗員保護装置に組み込まれるガス発生器に関し、特に自動車に装備されるエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されているものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を発火させ、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。なお、エアバッグ装置は、たとえば自動車のステアリングホイールやインストゥルメントパネル等に装備される。
また、ガス発生器には、種々の構造のものが存在するが、特にステアリングホイール等に装備される運転席側エアバッグ装置に好適に利用されるガス発生器として、いわゆるディスク型ガス発生器がある。一般に、ディスク型ガス発生器は、軸方向の端部が閉塞された短尺円筒状のハウジングを有し、ハウジングの周壁にガス噴出口が設けられるとともにハウジングの内部にガス発生剤や点火器、フィルタ等が収容されてなるものである。
ディスク型ガス発生器のハウジングは、下部側シェルと呼ばれる有底筒状の金属部材と、上部側シェルと呼ばれる有底筒状の金属部材とを組み合わせて構成されることが一般的である。このうち、下部側シェルは、ハウジングの底板部を少なくとも構成し、この底板部に点火器が組付け固定される。
従来、上部側シェルについては、その形状が比較的簡素であったため、一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって製作されることが一般的であった。これに対し、下部側シェルについては、点火器が組付けられる部分の形状が複雑であったため、たとえば当該部分(下部側シェルの点火器固定部となる部分)を切削加工することによって製作されることが一般的であった。しかしながら、このような切削加工による下部側シェルの製作は、製造コストを大きく圧迫する要因となっていたため、その改善が求められていた。
そこで、下部側シェルの構成を簡素化し、これを一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって製作し、当該プレス加工によって製作された下部側シェルに点火器をインサート成形によって樹脂成形部で固定する試みがなされている。このような構成が開示された文献としては、たとえば特開平4−266548号公報(特許文献1)や特開2003−161599号公報(特許文献2)等が挙げられる。
特開平4−266548号公報 特開2003−161599号公報
上述した特許文献1に開示のガス発生器にあっては、樹脂成形部と下部側シェルとの気密性が悪く、内部の点火器やガス発生剤に悪影響を及ぼす可能性がある。また、上述した特許文献2に開示のガス発生器にあっては、金属製カラーに環状の突出部と筒状の突出部を設ける必要があり、金属カラーへの切削加工の数を減らすことができず、製造コストの圧迫する要因となる。
したがって、本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであり、ハウジングと樹脂成形部との間の気密性をより確実に確保することのできる簡素な構成のガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、ハウジングと、ガス発生剤と、点火器とを備えている。上記ハウジングは、軸方向の端部を閉塞する天板部および底板部と、ガス噴出口が設けられた周壁部とを含んでおり、内部に収容空間を有している。上記ガス発生剤は、上記収容空間に収容されている。上記点火器は、上記ガス発生剤を燃焼させるためのものであり、上記底板部に組付けられている。上記底板部には、上記点火器が挿通配置された開口部が設けられており、上記点火器は、当該点火器と上記底板部との間に流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることによって形成された樹脂成形部を介して上記底板部に固定されている。上記樹脂成形部は、上記開口部を閉塞する部分を含んでおり、上記底板部と上記樹脂成形部との間の少なくとも一部には、上記開口部の軸線を取り囲むように環状形状の弾性体が介装されている。上記弾性体は、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられた状態で固定されている。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記弾性体が、当該弾性体が上記底板部と上記樹脂成形部との境界部の周縁に沿って配置されることにより、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられた部分をその径方向内側に有しているとともに、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられていない部分をその径方向外側に有していてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記弾性体が、上記樹脂成形部によって完全に埋め込まれていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記樹脂成形部が、上記開口部の周囲に位置する部分の上記底板部の内面を覆う内部被覆部を含んでいてもよく、その場合には、上記弾性体が、上記内部被覆部の周縁に沿って配置されることにより、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられた部分をその径方向内側に有しているとともに、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられていない部分をその径方向外側に有していることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記樹脂成形部が、上記開口部の周囲に位置する部分の上記底板部の外面を覆う外部被覆部を含んでいてもよく、その場合には、上記弾性体が、上記外部被覆部の周縁に沿って配置されることにより、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられた部分をその径方向内側に有しているとともに、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられていない部分をその径方向外側に有していることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記樹脂成形部が、上記開口部の周囲に位置する部分の上記底板部の内面を覆う内部被覆部と、上記開口部の周囲に位置する部分の上記底板部の外面を覆う外部被覆部とを含んでいてもよく、その場合には、上記弾性体が、上記内部被覆部によって覆われた部分の上記底板部の上記内面上の位置から上記開口部を経由して上記外部被覆部によって覆われた部分の上記底板部の上記外面上の位置にまで達するように配置されているとともに、上記樹脂成形部によって完全に埋め込まれていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記弾性体が、上記樹脂成形部によって上記底板部に向けて押し付けられることで圧縮変形した圧縮変形部を有していることが好ましく、さらに、上記圧縮変形部が、上記開口部の軸線を取り囲むように位置していることが好ましい。
本発明によれば、コストの低減が可能であり、気密性を確保できるガス発生器とすることができる。
本発明の実施の形態1におけるガス発生器の概略図である。 図1に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。 図1に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態2におけるガス発生器の概略図である。 図4に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。 図4に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態3におけるガス発生器の概略図である。 図7に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。 図7に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態4におけるガス発生器の概略図である。 図10に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。 図10に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態4に基づいた変形例に係るガス発生器の弾性体の形状および当該弾性体と下部側シェルとを金型にセットした状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の実施の形態5におけるガス発生器の概略図である。 本発明の実施の形態6におけるガス発生器の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、自動車のステアリングホイール等に装備されているエアバッグ装置に組み込まれるディスク型ガス発生器に本発明を適用したものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の概略図であり、図2は、図1に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。まず、これら図1および図2を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Aの構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Aは、軸方向の両端が閉塞された外形が短尺円筒状のハウジングを有しており、このハウジングの内部に各種の構成部品としての保持部30、点火器40、カップ状部材50、伝火薬56、ガス発生剤61、フィルタ90等が収容されることで構成されている。また、ハウジングの内部には、上述した構成部品のうちガス発生剤61が主として収容された燃焼室60が位置している。
短尺略円筒状のハウジングは、下部側シェル10と上部側シェル20とを含んでいる。下部側シェル10および上部側シェル20のそれぞれは、金属製の部材をプレス加工することによって形成されたプレス成形品からなる。
下部側シェル10および上部側シェル20は、それぞれが有底略円筒状に形成されており、これらの開口面同士が向き合うように組み合わされて接合されることによってハウジングが構成されている。下部側シェル10は、底板部11と周壁部12とを有している。上部側シェル20は、天板部21と周壁部22とを有している。これにより、ハウジングの軸方向の端部は、天板部21と底板部11とによって閉塞されている。なお、下部側シェル10と上部側シェル20との接合には、電子ビーム溶接やレーザー溶接、摩擦圧接等が好適に利用できる。
下部側シェル10の底板部11の中央部には、天板部21側に向かって突出するように突状筒部13が設けられており、これにより下部側シェル10の底板部11の中央部には、窪み部14が形成されている。突状筒部13は、上述した保持部30を介して点火器40が固定されている部位であり、窪み部14は、保持部30に雌型コネクタ部34を設けるためのスペースとなる部位である。
突状筒部13は、有底略円筒状に形成されており、その天板部21側に位置する軸方向端部には、平面視楕円形状の開口部15が設けられている。当該開口部15は、点火器40の一対の端子ピン42が挿通される部位である。
下部側シェル10は、上述したように金属製の部材をプレス加工することによって製作されている。具体的には、下部側シェル10は、たとえば上型および下型からなる一対の金型を用いて一枚の金属製の板状部材を上下方向からプレスすることにより、図示する如くの形状に形成されることで製作される。
ここで、下部側シェル10を構成する金属製の板状部材としては、たとえばプレス前の板厚が概ね1.5mm以上3.0mm以下のステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金からなる金属板が利用され、好適には440MPa以上780MPa以下の引張応力が加印された場合にも破断等の破損が生じないいわゆる高張力鋼板が好適に利用される。なお、プレス後の板厚としては、その最も薄肉の部位の厚みが概ね1.0mm以上とされることが好ましい。また、プレス加工としては、熱間鍛造で行われてもよいし冷間鍛造で行われてもよいが、寸法精度の向上の観点から、より好適には冷間鍛造で行われる。
上部側シェル20は、上述したように金属製の部材をプレス加工することによって製作されている。具体的には、上部側シェル20は、たとえば上型および下型からなる一対の金型を用いて一枚の金属製の板状部材を上下方向からプレスすることにより、図示する如くの形状に成形されることで製作される。上部側シェル20を構成する金属製の部材としては、上述した下部側シェルの場合と同様に、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等からなる金属板が利用可能である。
点火器40は、火炎を発生させるための点火装置であり、点火部41と、上述した一対の端子ピン42とを備えている。点火部41は、その内部に、作動時において着火して燃焼することで火炎を発生する点火薬と、この点火薬を着火させるための抵抗体とを含んでいる。一対の端子ピン42は、点火薬を着火させるために点火部41に接続されている。
より詳細には、点火部41は、カップ状に形成されたスクイブカップと、当該スクイブカップの開口端を閉塞し、一対の端子ピン42が挿通されてこれを保持する基部とを備えており、スクイブカップ内に挿入された一対の端子ピン42の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に近接するようにスクイブカップ内に点火薬が装填された構成を有している。
ここで、抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。なお、上述したスクイブカップおよび基部は、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン42を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収容しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には一般に2ミリ秒以下である。
点火器40は、突状筒部13に設けられた開口部15に端子ピン42が挿通するように下部側シェル10の内側から挿入された状態で底板部11に取付けられている。具体的には、底板部11に設けられた突状筒部13の周囲には、樹脂成形部からなる保持部30が設けられており、点火器40は、当該保持部30によって保持されることにより、底板部11に固定されている。
ここで、突状筒部13に設けられた開口部15の大きさは、点火器40の最大外形部分である点火部41の外形よりも小さく構成されている。このように構成することにより、万が一保持部30に予期せぬ破損が生じた場合であっても、後述する燃焼室60の内圧の上昇を受けて点火器40が当該開口部15を通過してハウジングの外部に飛び出てしまうことを防止でき、ガス発生器1Aの安全な動作が確保されることになる。
保持部30は、型を用いた射出成形(より特定的にはインサート成形)によって形成されるものであり、下部側シェル10の底板部11に設けられた開口部15を経由して底板部11の内面の一部から外面の一部にまで達するように絶縁性の流動性樹脂材料を底板部11に付着させてこれを固化させることによって形成されている。
点火器40は、保持部30の成形の際に、開口部15に端子ピン42が挿通するように下部側シェル10の内側から挿入された状態とされ、この状態において点火器40と下部側シェル10との間の空間を充填するように上述した流動性樹脂材料が流し込まれることにより、保持部30を介して底板部11に固定される。
射出成形によって形成される保持部30の原料としては、硬化後において耐熱性や耐久性、耐腐食性等に優れた樹脂材料が好適に選択されて利用される。その場合、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂に限らず、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアセタール樹脂等に代表される熱可塑性樹脂を利用することも可能である。これら熱可塑性樹脂を原材料として選択する場合には、成形後において保持部30の機械的強度を確保するためにこれら樹脂材料にガラス繊維等をフィラーとして含有させることが好ましい。しかしながら、熱可塑性樹脂のみで十分な機械的強度が確保できる場合には、上述の如くのフィラーを添加する必要はない。
保持部30は、内部被覆部31、外部被覆部32および連結部33のそれぞれの底板部11側の表面において底板部11に固着している。また、保持部30は、点火器40の点火部41の下方端寄りの部分の側面および下面と、点火器40の端子ピン42の上方端寄りの部分の表面とにそれぞれ固着している。これにより、開口部15は、端子ピン42と保持部30とによって完全に埋め込まれた状態となる。
図1および図2に示すように、保持部30と底板部11との間には、弾性体35が配置されている。弾性体35は、底板部11と保持部30との間に介在して上述した開口部15の軸線を取り囲むように(すなわち、点火器40を取り囲むように)周方向に沿って環状に設けられており、当該底板部11の表面に固定されている。弾性体35は、底板部11の表面に固定されることにより、当該部分においてシール性を確保するためのものであり、底板部11上に配置した上で保持部30を形成することによって底板部11に押し付けられた状態で配置されている。
より詳細には、弾性体35は、保持部30の内部被覆部31の周縁に沿って配置されることにより、保持部30の当該内部被覆部31によって覆われた部分をその径方向内側に有しているとともに、保持部30によって覆われていない部分をその径方向外側に有している。
ここでは、底板部11のハウジングの内側表面上に弾性体35が配置されているが、弾性体35は保持部30と底板部11の間に介在していればよく、底板部11のハウジングの外側表面上、内側表面上のいずれに配置しても構わない。さらに、底板部11に突起部が存在している場合には、弾性体35は突起部の径方向外側に環状に設けられ得るが、突起部の径方向内側に設けられても構わない。また、突起部が不存在の場合でも、弾性体35は底板部11と保持部30との間に介在させて設ければよく、特に配置位置は限定されない。弾性体35の底板部11に対する固定の態様は、接着、密着、接触等、どのような態様であってもよい。
保持部30は、上述したように、点火器40と下部側シェル10との間の空間を充填するように位置している。保持部30の内部被覆部31は、底板部11に設けられた突状筒部13の軸方向端部のみ覆うように設けられている。これにより、弾性体35は、上述したようにこの保持部30によって一部のみが覆われることになる。より詳細には、保持部30は、弾性体35の表面と、底板部11の表面とにそれぞれ固着している。ここで、弾性体35と底板部11との境界の一部において、弾性体35と底板部11の間に保持部30が挟み込まれる態様で保持部30が設けられるようにすることとしてもよい。
弾性体35は、保持部30によって底板部11に向けて押し付けられることで圧縮変形した圧縮変形部を有していることが好ましく、これによりその一部が保持部30と底板部11との間において軸方向に圧縮変形された状態で配置されていることが好ましい。ここで、本実施の形態においては、弾性体35のうちの保持部30の内部被覆部31によって覆われた部分(すなわち、弾性体35の径方向内側の部分)が、当該圧縮変形部に該当することになる。これにより、当該圧縮変形部が上述した開口部15の軸線を取り囲むように位置していることになり、高いシール性を確保することができる。
弾性体35は、エチレン−プロピレンゴム(EPM)およびエチレン−プロピレン−ブタジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、プロピレンゴム、エチレンゴムのいずれかを主成分として含んでいる。より好適には、弾性体35は、これら材料を主成分とする発泡体にて構成されていることが好ましく、その場合には、当該発泡体が、内部に含まれる気泡が互いに非連通とされた独立気泡多孔体であってもよいし、内部に含まれる気泡が互いに連通した連続気泡多孔体であってもよい。
このうちEPMおよびEPDMは、いずれも高圧縮率でかつ弾性に富み、長時間にわたって高温環境下に晒されてもその収縮率が小さく、安定性に優れた材料であり、さらには比較的軽量でかつ安価である特徴を有している。したがって、内部被覆部31と底板部11との間にこれらEPMまたはEPDMからなる弾性体35を配置することにより、下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することができる。
弾性体35は、特にその形状が限定されることはないが、少なくとも上述したように環状形状を有していることが好ましく、特に中央に開口があるシート状の形状を有していることが好ましい。
図1に示すように、保持部30の外部被覆部32の外部に面する部分には、雌型コネクタ部34が形成されている。この雌型コネクタ部34は、点火器40とコントロールユニット(不図示)とを結線するためのハーネスの雄型コネクタ(不図示)を受け入れるための部位であり、下部側シェル10の底板部11に設けられた窪み部14内に位置している。この雌型コネクタ部34内には、点火器40の端子ピン42の下方端寄りの部分が露出して配置されている。雌型コネクタ部34には、雄型コネクタが挿し込まれ、これによりハーネスの芯線と端子ピン42との電気的導通が実現される。
底板部11には、突状筒部13、保持部30および点火器40を覆うようにカップ状部材50が組付けられている。カップ状部材50は、底板部11側の端部が開口した略円筒形状を有しており、内部に伝火薬56が収容された伝火室55を含んでいる。カップ状部材50は、その内容に設けられた伝火室55が点火器40の点火部41に面することとなるように、ガス発生剤61が収容された燃焼室60内に向けて突出して位置するように配置されている。
カップ状部材50は、上述した伝火室55を規定する頂壁部51および側壁部52と、側壁部52の開口端側の部分から径方向外側に向けて延設された延設部53とを有している。延設部53は、下部側シェル10の底板部11の内底面に沿って延びるように形成されている。具体的には、延設部53は、突状筒部13が設けられた部分およびその近傍における底板部11の内底面の形状に沿うように曲成された形状を有しており、その径方向外側の部分にフランジ状に突出する先端部54を含んでいる。
カップ状部材50は、頂壁部51および側壁部52のいずれも開口を有しておらず、その内部に設けられた伝火室55を取り囲んでいる。このカップ状部材50は、点火器40が作動することによって伝火薬56が着火された場合に伝火室55の圧力上昇や発生した熱の伝導に伴って破裂または溶融するものであり、その機械的強度は比較的低いものが使用される。
そのため、カップ状部材50としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の部材や、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアセタール樹脂に代表される熱可塑性樹脂等の樹脂製の部材からなるものが好適に利用される。
なお、カップ状部材50としては、このようなものの他にも、鉄や銅等に代表されるような機械的強度の高い金属製の部材からなり、その側壁部52に開口を有し、当該開口を閉塞するようにシールテープが貼付されたもの等を利用することも可能である。
伝火室55に充填された伝火薬56は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬56としては、ガス発生剤61を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物などが用いられる。伝火薬56は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成形されたもの等が利用される。バインダによって成形された伝火薬56の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。
下部側シェル10および上部側シェル20からなるハウジングの内部の空間のうち、上述のカップ状部材50が配置された部分を取り巻く空間には、ガス発生剤61が収容された燃焼室60が位置している。具体的には、上述したように、カップ状部材50は、ハウジングの内部に形成された燃焼室60内に突出して配置されており、このカップ状部材50の側壁部52の外表面に面する部分に設けられた空間が燃焼室60として構成されている。
また、燃焼室60をハウジングの径方向に取り巻く空間には、ハウジングの内周に沿ってフィルタ90が配置されている。フィルタ90は、円筒状の形状を有しており、その中心軸がハウジングの中心軸と実質的に合致するように配置されることにより、ガス発生剤61が収容された燃焼室60を径方向において取り囲んでいる。
ガス発生剤61は、点火器40が作動することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させる薬剤である。ガス発生剤61としては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体としてガス発生剤61が形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩や、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用される。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用される。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用される。
ガス発生剤61の成形体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱体のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用される。これらの形状は、ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の使用に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤61の形状の他にもガス発生剤61の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
フィルタ90は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属線材を巻き回して焼結したものや、金属線材を編み込んだ鋼材をプレス加工することによって押し固めたもの等が好適に利用される。ここで、鋼材としては、具体的にはメリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体等が利用される。
フィルタ90は、燃焼室60にて発生したガスが、このフィルタ90中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれる固形成分であるスラグを除去する除去手段としても機能する。したがって、ガスを十分に冷却し、かつスラグが外部に放出されないようにするためには、燃焼室60内にて発生したガスが確実にフィルタ90中を通過するようにすることが必要である。
フィルタ90に対面する部分の上部側シェル20の周壁部22には、ガス噴出口23が複数設けられている。このガス噴出口23は、フィルタ90を通過したガスをハウジングの外部に導出するためのものである。上部側シェル20の周壁部22のフィルタ90側に位置する主面には、上記ガス噴出口23を閉塞するようにシールテープ24が貼付されている。このシールテープ24としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、燃焼室60の気密性が確保されている。さらに、フィルタ90と下部側シェル10の周壁部12および上部側シェル20の周壁部22との間には、間隙25が設けられている。
燃焼室60のうち、底板部11側に位置する端部近傍には、下部側支持部材70が配置されている。下部側支持部材70は、環状の形状を有しており、フィルタ90と底板部11との境目部分を覆うように、これらフィルタ90と底板部11とに実質的に宛がわれて配置されている。これにより、下部側支持部材70は、燃焼室60の上記端部近傍において、底板部11とガス発生剤61との間に位置している。
下部側支持部材70は、フィルタ90の底板部11側に位置する軸方向端部の内周面に当接するように立設された当接部72と、当該当接部72から径方向内側に向けて延設された底部71とを有している。底部71は、下部側シェル10の底板部11の内底面に沿って延びるように形成されている。具体的には、底部71は、突状筒部13が設けられた部分を含む底板部11の内底面の形状に沿うように折り曲げられた形状を有しており、その径方向内側の部分に立設された先端部73を含んでいる。
当該下部側支持部材70は、作動時において、燃焼室60にて発生したガスが、フィルタ90の下端と底板部11との間の隙間からフィルタ90の内部を経由することなく流出してしまうことを防止するための流出防止手段である。下部側支持部材70は、たとえば金属製の板状部材をプレス加工等することによって形成されたものであり、好適には普通鋼や特殊鋼等の鋼板(たとえば、冷間圧延鋼板やステンレス鋼板等)からなる部材にて構成される。
ここで、上述したカップ状部材50の延設部53の先端部54は、ハウジングの軸方向に沿って底板部11と下部側支持部材70の底部71との間に配置されており、これによりハウジングの軸方向に沿って底板部11と底部71とによって挟み込まれて保持されている。これにより、カップ状部材50は、その延設部53の先端部54が下部側支持部材70の底部71によって底板部11側に向けて押し付けられた状態となり、底板部11に対して固定されることになる。
なお、下部側支持部材70は、その上方に配置されたガス発生剤61、クッション材85、上部側支持部材80および天板部21によって底板部11側に向けて押し付けられた状態にあるため、当該下部側支持部材70もハウジングの内部において固定されることになり、カップ状部材50の固定にかしめ固定や圧入固定を利用せずとも、カップ状部材50が底板部11から脱落することが防止される。したがって、当該構成を採用することにより、カップ状部材50を底板部11に対して確実に固定することができる。
燃焼室60のうち、天板部21側に位置する端部には、上部側支持部材80が配置されている。上部側支持部材80は、略円盤状の形状を有しており、フィルタ90と天板部21との境目部分を覆うように、これらフィルタ90と天板部21とに宛がわれて配置されている。これにより、上部側支持部材80は、燃焼室60の上記端部近傍において、天板部21とガス発生剤61との間に位置している。
上部側支持部材80は、天板部21に当接する底部81と、当該底部81の周縁から立設された当接部82とを有している。当接部82は、フィルタ90の天板部21側に位置する軸方向端部の内周面に当接している。
当該上部側支持部材80は、作動時において、燃焼室60にて発生したガスが、フィルタ90の上端と天板部21との間の隙間からフィルタ90の内部を経由することなく流出してしまうことを防止するための流出防止手段である。上部側支持部材80は、下部側支持部材70と同様に、たとえば金属製の板状部材をプレス加工等することによって形成されたものであり、好適には普通鋼や特殊鋼等の鋼板(たとえば、冷間圧延鋼板やステンレス鋼板等)からなる部材にて構成される。
この上部側支持部材80の内部には、燃焼室60に収容されたガス発生剤61に接触するように環状形状のクッション材85が配置されている。これにより、クッション材85は、燃焼室60の天板部21側の部分において天板部21とガス発生剤61との間に位置することになり、ガス発生剤61を底板部11側に向けて押圧している。このクッション材85は、成形体からなるガス発生剤61が振動等によって粉砕されてしまうことを防止する目的で設けられるものであり、好適にはセラミックスファイバの成形体やロックウール、発泡樹脂(たとえば発泡シリコーン等)が利用される。
上述したように、本実施の形態においては、内部被覆部31と底板部11との間に弾性体35がその一部が圧縮変形された状態で配置されている。図3は、図1に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。以下、この図3を参照して、その組付手順について詳細に説明する。
まず、図3(A)に示すように、予めプレス成形することで製造された下部側シェル10の所定位置に弾性体35を配置する。
次に、図3(B)に示すように、射出成形用の上側金型100をセットするとともに、射出成形用の下側金型101をセットする。その際、弾性体35の径方向外側の一部が圧縮変形するように、上側金型100と下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13とによって弾性体35が挟み込まれるようにする。その後、下部側シェル10の突状筒部13に設けられた開口部15に端子ピン42が挿通するように下部側シェル10の内側から予め製造された点火器40を下側金型101にセットする。
この状態で上側金型100および下側金型101間に流動性樹脂材料を流し込むことにより、図3(C)に示すように、弾性体35の一部が圧縮変形した状態のままで樹脂成形部からなる保持部30が形成されることになり、内部被覆部31が形成されることで弾性体35が底板部11に押し付けられた状態のまま底板部11に固定されることになる。このように組付けることにより、下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することができる。
さらには、本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、弾性体35が底板部11と樹脂成形部からなる保持部30の間に介在して配置されるように組付けられている。そのため、製造工程において底板部11の高さにばらつきがある状態で下部側シェル10に流動性材料が流し込まれたとしても、弾性体35の弾性力により、底板部11のばらつきを吸収することができ、個体差のばらつきを少なくしつつガス発生器を製造することが可能となる。
次に、図1を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Aの動作について説明する。
本実施の形態におけるガス発生器1Aが搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて別途設けられたコントロールユニットからの通電によって点火器40が作動する。伝火室55に収容された伝火薬56は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬56の燃焼によってカップ状部材50は破裂または溶融し、上述の熱粒子が燃焼室60へと流れ込む。
流れ込んだ熱粒子により、燃焼室60に収容されたガス発生剤61が着火されて燃焼し、多量のガスを発生させる。燃焼室60にて発生したガスは、フィルタ90の内部を通過し、その際、フィルタ90によって熱が奪われて冷却されるとともに、ガス中に含まれるスラグがフィルタ90によって除去されてハウジングの外周縁部に位置する間隙25に流れ込む。
その後、ハウジングの内圧の上昇に伴い、上部側シェルのガス噴出口23を閉塞していたシールテープ24による封止が破られ、ガス噴出口23を介してガスがハウジングの外部へと噴出される。噴出されたガスは、ガス発生器1Aに隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、エアバッグを膨張および展開する。
以上において説明した本実施の形態におけるガス発生器1Aとすることにより、高いシール性が発揮されることになる理由について詳説する。上述した弾性体35は、好適にはハウジングの軸方向に圧縮変形された状態で組付けられている。弾性体35が圧縮変形されている状態で配置されることにより、弾性体35から底板部11及び保持部30に向けての弾性力が生じる。すると、当該弾性力により、弾性体35が底板部11及び保持部30により密着することとなり、高いシール性を確保することができる。
なお、弾性体35の表面のうち、樹脂成形部としての保持部30によって覆われることとなる部分に予め凹凸形状を付与しておくこととすれば、弾性体35と保持部30との間の接触面積が増加することになるとともに、弾性体35の表面の凹部に樹脂材料が喰い込むように形成されることになるため、より高い気密性とより強固な固定とが実現できることになる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるガス発生器の概略図であり、図5は、図4に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。まず、これら図4および図5を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Bの構成について説明する。
図4および図5に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Bは、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aと比較した場合に、主として弾性体35が設けられている位置およびその組付構造が相違している。
具体的には、環状形状を有する弾性体35は、下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13の内面上に配置されており、これにより開口部15の軸線を取り囲むように(すなわち、点火器40を取り囲むように)位置している。弾性体35は、底板部11に接触した面以外のすべての外表面が樹脂成形部としての保持部30の内部被覆部31によって覆われており、当該内部被覆部31によって完全に埋め込まれた状態とされている。
これにより、弾性体35は、底板部11と保持部30との間に介在して設けられることになり、底板部11上に配置された上で保持部30を形成することによって底板部11に押し付けられた状態で配置されることになる。したがって、このように弾性体35が下部側シェル10と保持部30との間に設けられることにより、下部側シェル10と保持部30との間における気密性が確保できることになる。
ここで、弾性体35は、上述した実施の形態1の場合と同様に、保持部30によって底板部11に向けて押し付けられることで圧縮変形した圧縮変形部を有していることが好ましく、本実施の形態においては、当該圧縮変形部が弾性体35の全体によって構成されていることが好ましい。このように、弾性体35の全体が保持部30と底板部11との間において軸方向に圧縮変形された状態で配置されていることにより、高いシール性を確保することができる。
図6は、図4に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。次に、この図6を参照して、その組付手順について説明する。
まず、図6(A)に示すように、予めプレス成形することで製造された下部側シェル10の所定位置に弾性体35を配置する。
次に、図6(B)に示すように、射出成形用の上側金型100をセットするとともに、射出成形用の下側金型101をセットする。ここで、本実施の形態においては、上述した実施の形態1とは異なり、上側金型100と下部側シェル10とによって弾性体35が挟み込まれるようにはせず、弾性体35は、下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13上に配置された状態が維持される。なお、その際、上側金型100のセットに先立ち、下部側シェル10の突状筒部13に設けられた開口部15に端子ピン42が挿通するように、下部側シェル10の内側から、予め製造された点火器40を下側金型101にセットする。
この状態で上側金型100に設けられた流動性樹脂材料の注入用のゲート100aを介して上側金型100および下側金型101間に流動性樹脂材料を流し込むことにより、図6(C)に示すように、弾性体35が圧縮変形した状態のままで樹脂成形部からなる保持部30が形成されることになる。これにより、内部被覆部31が形成されることで弾性体35が底板部11に押し付けられた状態のまま内部被覆部31によって完全に埋設された状態で底板部11に固定されることになる。
ここで、上述したように、弾性体35が保持部30と底板部11との間において軸方向に圧縮変形された状態で固定されるようにするためには、射出成形時における流動性樹脂材料の注入圧やその流れを適切に制御することが必要になる。すなわち、注入圧を適切に高めることにより、上側金型100および下側金型101間に充填された流動性樹脂材料によって弾性体35が圧縮変形された状態のままこれを固定することができることになり、また、流動性樹脂材料の流れを適切に制御することにより、弾性体35の位置ずれを防止することができる。本実施の形態においては、流動性樹脂材料が注入されるゲート100aを、弾性体35から見て下部側シェル10が位置する側とは反対側に位置する上側金型100に設けることにより、弾性体35の位置ずれが防止可能とされている。
以上において説明した本実施の形態におけるガス発生器1Bとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、上記組付構造を採用することにより、従来に比して下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することが可能になる。
なお、上述した実施の形態1の場合と同様に、弾性体35の表面のうち、樹脂成形部としての保持部30によって覆われることとなる部分に予め凹凸形状を付与しておくこととすれば、より高い気密性とより強固な固定とが実現できることになる。
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3におけるガス発生器の概略図であり、図8は、図7に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。まず、これら図7および図8を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Cの構成について説明する。
図7および図8に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Cは、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aと比較した場合に、主として弾性体35が設けられている位置およびその組付構造が相違している。
具体的には、弾性体35は、第1シール部35aと、第2シール部35bと、第3シール部35cとを含む全体として環状の形状を有する部材にて構成されている。第1シール部35aは、環状板形状を有しており、下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13の内面上に配置されている。第2シール部35bは、筒形状を有しており、下部側シェル10の底板部11に設けられた開口部15の内周面上に配置されている。第3シール部35cは、環状板形状を有しており、下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13の外面上に配置されている。これにより、環状形状を有する弾性体35は、開口部15の軸線を取り囲むように(すなわち、点火器40を取り囲むように)位置している。
また、第1シール部35aは、底板部11に接触した面以外のすべての外表面が樹脂成形部としての保持部30の内部被覆部31によって覆われており、第2シール部35bは、底板部11に接触した面以外のすべての外表面が樹脂成形部としての保持部30の連結部33によって覆われており、第3シール部35cは、底板部11に接触した面以外のすべての外表面が樹脂成形部としての保持部30の外部被覆部32によって覆われている。
これにより、弾性体35は、内部被覆部31によって覆われた部分の底板部11の内面上の位置から開口部15を経由して外部被覆部32によって覆われた部分の底板部11の外面上の位置にまで達するように配置されており、樹脂成形部としての保持部30によって完全に埋め込まれた状態とされている。
これにより、弾性体35は、底板部11と保持部30との間に介在して設けられることになり、底板部11上に配置された上で保持部30を形成することによって底板部11に押し付けられた状態で配置されることになる。したがって、このように弾性体35が下部側シェル10と保持部30との間に設けられることにより、下部側シェル10と保持部30との間における気密性が確保できることになる。
ここで、弾性体35は、上述した実施の形態1の場合と同様に、保持部30によって底板部11に向けて押し付けられることで圧縮変形した圧縮変形部を有していることが好ましく、本実施の形態においては、当該圧縮変形部が弾性体35の全体によって構成されていることが好ましい。このように、弾性体35の全体が保持部30と底板部11との間において軸方向および径方向に圧縮変形された状態で配置されていることにより、高いシール性を確保することができる。特に、弾性体35の第1シール部35aおよび第3シール部35cが軸方向において圧縮変形されて底板部11に押し付けられることにより、高いシール性の確保が可能になる。
図9は、図7に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。次に、この図9を参照して、その組付手順について説明する。
まず、図9(A)に示すように、予めプレス成形することで製造された下部側シェル10の所定位置に弾性体35を配置する。ここで、弾性体35としては、周方向と直交する断面形状が略L字状のものが使用できる。なお、当該弾性体35のうちの環状板形状を有する部分が、組付け後において上述した第1シール部35aを構成することになり、当該弾性体35のうちの筒形状を有する部分のうちの基端部分が、組付け後において上述した第2シール部35bを構成することになり、当該弾性体35のうちの筒形状を有する部分のうちの先端部分が、組付け後において上述した第3シール部35cを構成することになる。
次に、図9(B)に示すように、射出成形用の上側金型100をセットするとともに、射出成形用の下側金型101をセットする。ここで、本実施の形態においては、上述した実施の形態1とは異なり、上側金型100と下部側シェル10とによって弾性体35が挟み込まれるようにはせず、弾性体35は、下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13上に配置された状態が維持される。なお、その際、上側金型100のセットに先立ち、下部側シェル10の突状筒部13に設けられた開口部15に端子ピン42が挿通するように、下部側シェル10の内側から、予め製造された点火器40を下側金型101にセットする。
この状態で上側金型100に設けられた流動性樹脂材料の注入用のゲート100aを介して上側金型100および下側金型101間に流動性樹脂材料を流し込むことにより、図9(C)に示すように、弾性体35が圧縮変形した状態のままで樹脂成形部からなる保持部30が形成されることになる。その際、第3シール部35cとなる弾性体35の筒形状を有する部分のうちの先端部分は、注入された流動性樹脂材料の流動圧を受けて折れ曲がり、下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13の外面上に接触した状態となる。これにより、保持部30が形成されることで弾性体35が底板部11に押し付けられた状態のまま保持部30によって完全に埋設された状態で底板部11に固定されることになる。
ここで、上述したように、弾性体35が保持部30と底板部11との間において軸方向および径方向に圧縮変形された状態で固定されるようにするためには、射出成形時における流動性樹脂材料の注入圧やその流れを適切に制御することが必要になる。すなわち、注入圧を適切に高めることにより、上側金型100および下側金型101間に充填された流動性樹脂材料によって弾性体35が圧縮変形された状態のままこれを固定することができることになり、また、流動性樹脂材料の流れを適切に制御することにより、弾性体35の位置ずれの防止と弾性体35の筒形状を有する部分の折り曲げとを実現することができる。本実施の形態においては、流動性樹脂材料が注入されるゲート100aを、弾性体35から見て下部側シェル10が位置する側とは反対側に位置する上側金型100に設けることにより、弾性体35の位置ずれの防止と弾性体35の筒形状を有する部分の折り曲げとが実現可能とされている。
以上において説明した本実施の形態におけるガス発生器1Cとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、上記組付構造を採用することにより、従来に比して下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することが可能になる。また、弾性体35の第1シール部35aおよび第3シール部35cが軸方向において圧縮変形されて底板部11に押し付けられるとともに、弾性体35の第2シール部35bが径方向において圧縮変形されて底板部11に押し付けられることにより、特に高いシール性の確保が可能になる。
なお、本実施の形態においては、流動性樹脂材料の流動圧を利用して弾性体35の一部を射出成形時に折り曲げることで第3シール部35cを形成するように構成した場合を例示したが、組付け後の形状と同様の形状を有するように弾性体35を予め製作しておき、これを開口部15に嵌め込んでおいて射出成形を行なうようにしてもよい。
また、上述した実施の形態1の場合と同様に、弾性体35の表面のうち、樹脂成形部としての保持部30によって覆われることとなる部分に予め凹凸形状を付与しておくこととすれば、より高い気密性とより強固な固定とが実現できることになる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4におけるガス発生器の概略図であり、図11は、図10に示すガス発生器の点火器近傍の拡大図である。まず、これら図10および図11を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Dの構成について説明する。
図10および図11に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Dは、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aと比較した場合に、主として弾性体35が設けられている位置およびその組付構造が相違している。
具体的には、本実施の形態におけるガス発生器1Dにあっては、保持部30の外部被覆部32が、下部側シェル10の底板部11に設けられた窪み部14の内部にのみ収まるようには設けられておらず、当該窪み部14よりも外側に向けて一部食み出すように設けられている。これにより、当該食み出した部分の外部被覆部32は、下部側シェル10の窪み部14の周囲に位置する部分の底板部11の外面上を一部覆っている。
弾性体35は、保持部30と底板部11との間に配置されている。弾性体35は、底板部11と保持部30との間に介在して開口部15の軸線を取り囲むように(すなわち、点火器40を取り囲むように)周方向に沿って環状に設けられており、当該底板部11の表面に固定されている。弾性体35は、上述した実施の形態1の場合と同様に、底板部11の表面に固定されることにより、当該部分においてシール性を確保するためのものであり、底板部11上に配置した上で保持部30を形成することによって底板部11に押し付けられた状態で配置されている。
より詳細には、弾性体35は、保持部30の外部被覆部32の周縁に沿って配置されることにより、保持部30の当該外部被覆部32によって覆われた部分をその径方向内側に有しているとともに、保持部30によって覆われていない部分をその径方向外側に有している。保持部30の外部被覆部32のうち、上述した窪み部14から食み出した部分は、窪み部14の周囲に位置する部分の底板部11の径方向の途中位置にまで達するように設けられており、これにより、弾性体35は、上述したように外部被覆部32によって一部のみが覆われることになる。
弾性体35は、保持部30によって底板部11に向けて押し付けられることで圧縮変形した圧縮変形部を有していることが好ましく、これによりその一部が保持部30と底板部11との間において軸方向に圧縮変形された状態で配置されていることが好ましい。ここで、本実施の形態においては、弾性体35のうちの保持部30の外部被覆部32によって覆われた部分(すなわち、弾性体35の径方向内側の部分)が、当該圧縮変形部に該当することになる。これにより、当該圧縮変形部が上述した開口部15の軸線を取り囲むように位置していることになり、高いシール性を確保することができる。
図12は、図10に示すガス発生器の弾性体の組付手順を説明するための概略図である。以下、この図12を参照して、その組付手順について詳細に説明する。
まず、図12(A)に示すように、射出成形用の下側金型101の所定位置に弾性体35を配置する。
次に、図12(B)に示すように、予めプレス成形することで製造された下部側シェル10を下側金型101にセットするとともに、射出成形用の上側金型100をセットする。その際、弾性体35の径方向外側の一部が圧縮変形するように、下側金型101と下部側シェル10の底板部11とによって弾性体35が挟み込まれるようにするとともに、当該下部側シェル10を上側金型100を用いて下側金型101に向けて押し付ける。なお、その際、上側金型100のセットに先立ち、下部側シェル10の突状筒部13に設けられた開口部15に端子ピン42が挿通するように、下部側シェル10の内側から、予め製造された点火器40を下側金型101にセットする。
この状態で上側金型100に設けられた流動性樹脂材料の注入用のゲート100aを介して上側金型100および下側金型101間に流動性樹脂材料を流し込むことにより、図12(C)に示すように、弾性体35の一部が圧縮変形した状態のままで樹脂成形部からなる保持部30が形成されることになる。これにより、外部被覆部32が形成されることで弾性体35が底板部11に押し付けられた状態のまま底板部11に固定されることになり、また、流動性樹脂材料の注入によって弾性体35が位置ずれしてしまうことも確実に防止できる。このように組付けることにより、下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することができる。
以上において説明した本実施の形態におけるガス発生器1Dとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、上記組付構造を採用することにより、従来に比して下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することが可能になる。
なお、上述した実施の形態1の場合と同様に、弾性体35の表面のうち、樹脂成形部としての保持部30によって覆われることとなる部分に予め凹凸形状を付与しておくこととすれば、より高い気密性とより強固な固定とが実現できることになる。
図13は、本実施の形態に基づいた変形例に係るガス発生器の弾性体の形状および当該弾性体と下部側シェルとを金型にセットした状態を示す要部拡大断面図である。
図13(A)に示すように、本変形例に係るガス発生器にあっては、弾性体35として、その断面形状が矩形状のものではなく、樹脂成形部からなる保持部30によって覆われる部分が傾斜面にて構成されることとなるように、その径方向内側の部分の厚みが内周縁に向かうにつれて徐々に薄くなるように構成されたものを用いている。
このような形状の弾性体35を用いた場合には、図13(B)に示すように、弾性体35が下側金型101と下部側シェル10の底板部11とによって挟み込まれた状態において、弾性体35の径方向内側の部分が、流動性樹脂材料が注入されるキャビティ内にて底板部11から下側金型101側に向けて大きく突出することがないため、流動性樹脂材料の巡りをさらによくすることができ、より確実に弾性体35の径方向内側の部分が樹脂成形部からなる保持部30によって覆われることになる。
したがって、本変形例に係るガス発生器とすることにより、下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することが可能になる。なお、弾性体35の樹脂成形部からなる保持部30によって覆われる部分の形状は、上述した如くの傾斜面以外にも、たとえば湾曲面や段差面等にて構成することもできる。
(実施の形態5)
図14は、本発明の実施の形態5におけるガス発生器の概略図である。以下、この図14を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Eについて説明する。
図14に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Eは、上述した実施の形態4におけるガス発生器1Dと比較した場合に、下部側シェル10の底板部11の構成において主として相違している。
具体的には、本実施の形態におけるガス発生器1Eにあっては、下部側シェル10の底板部11の径方向における所定位置が折り曲げられることにより、当該底板部11に段差部11aが設けられている。当該段差部11aは、保持部30の外部被覆部32の周縁から所定距離だけ径方向外側に離れた位置に設けられており、当該段差部11aよりも径方向内側に位置する部分の底板部11が、当該段差部11aよりも径方向外側に位置する部分の底板部11よりも、ハウジングの軸方向に沿って内側に位置するように構成されている。なお、これに伴い、下部側支持部材70の底部71にも段差部が設けられている。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態4におけるガス発生器1Dとした場合と同様に、従来に比して下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することが可能になる。
また、上記構成を採用することにより、弾性体35および外部被覆部32が、当該段差部11aを設けることによって形成された凹部内または窪み部14内に収容されることになるため、これらのいずれもがガス発生器1Eの軸方向に沿った最大外形寸法内に収まることになる。したがって、弾性体35および外部被覆部32が、当該最大外形寸法を規定する部分の底板部11よりも外側に突出することがなくなるため、ガス発生器1Eの搬送時やエアバッグ装置への組付時等においてこれら弾性体35および外部被覆部32に外力が加わることが未然に防止でき、その破損を防止することができる。
また、上記構成を採用することにより、上述した実施の形態4におけるガス発生器1Dと比較した場合に、段差部11aが設けられた部分よりも径方向外側に位置する部分におけるハウジングの外形を軸方向に沿って大きくすることができるため、ガス発生器の軸方向に沿った最大外形寸法に対するハウジング内部の容積(すなわち、ガス発生剤61が収容される収容空間の容積)をより大きく形成することができる。したがって、外形に比してより高出力のガス発生器とすることができたり、同等の出力でより小型にガス発生器を構成したりすることも可能になる。
なお、上述した実施の形態4の場合と同様に、弾性体35の表面のうち、樹脂成形部としての保持部30によって覆われることとなる部分に予め凹凸形状を付与しておくこととすれば、より高い気密性とより強固な固定とが実現できることになる。
(実施の形態6)
図15は、本発明の実施の形態6におけるガス発生器の概略図である。以下、この図15を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Fについて説明する。
図15に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Fは、上述した実施の形態4におけるガス発生器1Dと比較した場合に、下部側シェル10の底板部11の構成および保持部30の外部被覆部32の構成ならびに弾性体35が設けられている位置において主として相違している。
具体的には、本実施の形態におけるガス発生器1Fにあっては、上述した実施の形態4におけるガス発生器1Dと比較して、下部側シェル10に設けられた窪み部14の開口径が大きくなるように突状筒部13の筒状部の径が大きく構成されているとともに、保持部30の外部被覆部32が、当該突状筒部13に設けられた開口部15の周縁に位置する部分の軸方向端部の外面のみを覆うようにこれに固着している。すなわち、外部被覆部32は、突状筒部13の軸方向端部の外周縁およびこれに連続する筒状部ならびに突状筒部13の周囲に位置する部分の底板部11には固着しておらず、窪み部14内において突出して位置している。
ここで、弾性体35は、突状筒部13の軸方向端部と保持部30の外部被覆部32との間に介在して開口部15の軸線を取り囲むように(すなわち、点火器40を取り囲むように)、外部被覆部32の周縁に沿って配置されている。
このように構成した場合にも、上述した実施の形態4におけるガス発生器1Dとした場合と同様に、従来に比して下部側シェル10と保持部30との間の気密性をより確実に確保することが可能になる。
また、上記構成を採用することにより、弾性体35および外部被覆部32が、いずれも窪み部14内に収容されることになるため、これらのいずれもがガス発生器1Fの軸方向に沿った最大外形寸法内に収まることになる。したがって、弾性体35および外部被覆部32が、当該最大外形寸法を規定する部分の底板部11よりも外側に突出することがなくなるため、ガス発生器1Fの搬送時やエアバッグ装置への組付時等においてこれら弾性体35および外部被覆部32に外力が加わることが未然に防止でき、その破損を防止することができる。
なお、上述した実施の形態4の場合と同様に、弾性体35の表面のうち、樹脂成形部としての保持部30によって覆われることとなる部分に予め凹凸形状を付与しておくこととすれば、より高い気密性とより強固な固定とが実現できることになる。
以上において説明した本発明の実施の形態1ないし6およびその変形例においては、ディスク型ガス発生器に本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、助手席用エアバッグ装置やカーテンエアバッグ装置、ニーエアバッグ装置等に好適に組み込まれるシリンダ型ガス発生器にも当然に適用することが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1F ガス発生器、10 下部側シェル、11 底板部、11a 段差部、12 周壁部、13 突状筒部、14 窪み部、15 開口部、20 上部側シェル、21 天板部、22 周壁部、23 ガス噴出口、24 シールテープ、25 間隙、30 保持部、31 内部被覆部、32 外部被覆部、33 連結部、34 雌型コネクタ部、35 弾性体、35a 第1シール部、35b 第2シール部、35c 第3シール部、40 点火器、41 点火部、42 端子ピン、50 カップ状部材、51 頂壁部、52 側壁部、53 延設部、54 先端部、55 伝火室、56 伝火薬、60 燃焼室、61 ガス発生剤、70 下部側支持部材、71 底部、72 当接部、73 先端部、80 上部側支持部材、81 底部、82 当接部、85 クッション材、90 フィルタ、100 上側金型、100a ゲート、101 下側金型。

Claims (7)

  1. 軸方向の端部を閉塞する天板部および底板部と、ガス噴出口が設けられた周壁部とを含み、内部に収容空間を有するハウジングと、
    前記収容空間に収容されたガス発生剤と、
    前記底板部に組付けられ、前記ガス発生剤を燃焼させるための点火器とを備え、
    前記底板部には、前記点火器が挿通配置された開口部が設けられ、
    前記点火器は、当該点火器と前記底板部との間に流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることによって形成された樹脂成形部を介して前記底板部に固定され、
    前記樹脂成形部は、前記開口部を閉塞する部分を含み、
    前記底板部と前記樹脂成形部との間の少なくとも一部には、前記開口部の軸線を取り囲むように環状形状の弾性体が介装され、
    前記弾性体は、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられた状態で固定されている、ガス発生器。
  2. 前記弾性体は、当該弾性体が前記底板部と前記樹脂成形部との境界部の周縁に沿って配置されることにより、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられた部分をその径方向内側に有しているとともに、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられていない部分をその径方向外側に有している、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記弾性体は、前記樹脂成形部によって完全に埋め込まれている、請求項1に記載のガス発生器。
  4. 前記樹脂成形部は、前記開口部の周囲に位置する部分の前記底板部の内面を覆う内部被覆部を含み、
    前記弾性体は、前記内部被覆部の周縁に沿って配置されることにより、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられた部分をその径方向内側に有しているとともに、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられていない部分をその径方向外側に有している、請求項1に記載のガス発生器。
  5. 前記樹脂成形部は、前記開口部の周囲に位置する部分の前記底板部の外面を覆う外部被覆部を含み、
    前記弾性体は、前記外部被覆部の周縁に沿って配置されることにより、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられた部分をその径方向内側に有しているとともに、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられていない部分をその径方向外側に有している、請求項1に記載のガス発生器。
  6. 前記樹脂成形部は、前記開口部の周囲に位置する部分の前記底板部の内面を覆う内部被覆部と、前記開口部の周囲に位置する部分の前記底板部の外面を覆う外部被覆部とを含み、
    前記弾性体は、前記内部被覆部によって覆われた部分の前記底板部の前記内面上の位置から前記開口部を経由して前記外部被覆部によって覆われた部分の前記底板部の前記外面上の位置にまで達するように配置されているとともに、前記樹脂成形部によって完全に埋め込まれている、請求項1に記載のガス発生器。
  7. 前記弾性体は、前記樹脂成形部によって前記底板部に向けて押し付けられることで圧縮変形した圧縮変形部を有し、
    前記圧縮変形部は、前記開口部の軸線を取り囲むように位置している、請求項1から6のいずれかに記載のガス発生器。
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