JP6341863B2 - ガス発生器 - Google Patents

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Description

本発明は、乗員保護装置に組み込まれるガス発生器に関し、より特定的には、自動車に装備されるエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を発火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。
ガス発生器には、種々の構造のものが存在するが、特にステアリングホイール等に装備される運転席側エアバッグ装置に好適に利用されるガス発生器として、いわゆるディスク型ガス発生器がある。一般に、ディスク型ガス発生器は、軸方向の端部が閉塞された短尺円筒状のハウジングを有し、ハウジングの周壁部にガス噴出口が設けられるとともにハウジングの内部にガス発生剤や点火器、フィルタ等が収容されてなるものである。
上述したフィルタは、通常、ハウジングと同軸上に配置された略円筒状の部材にて構成されており、その軸方向に位置する端部がハウジングの軸方向に位置する天板部および底板部に当接するように配置される。これにより、フィルタの内周面とハウジングの天板部および底板部の内面とによって規定される空間が燃焼室として構成され、当該燃焼室に複数の粒状成形体からなるガス発生剤が装填されることになる。
ここで、フィルタは、ガス発生剤が燃焼することによって発生したガスがこのフィルタ中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、当該ガス中に含まれるスラグ(残渣)等を除去する除去手段としても機能する。したがって、この種のガス発生器にあっては、作動時においてフィルタとハウジングとの間に生じ得る隙間を介してガスが漏れ出すことがないように、当該隙間を塞ぐべく、上述した燃焼室に金属製の遮蔽部材が配置される場合が多い。
一方、着火性や燃焼持続性といった燃焼特性を考慮して、上述したようにガス発生剤として複数の粒状成形体からなるものを用いた場合には、ガス発生器に振動が加わること等によって当該ガス発生剤に意図しない破砕が生じてしまうおそれがある。したがって、この種のガス発生器にあっては、非作動時においてガス発生剤が破砕してしまうことを防止するために、ハウジングの内部においてガス発生剤を弾性的に保持すべく、上述した燃焼室にガス発生剤に接触するようにクッション材が配置される場合が多い。
しかしながら、上述した遮蔽部材およびクッション材のいずれをもガス発生器に設けることとした場合には、部品点数が増加するとともに組立て工数が増加することになり、ガス発生器の製造コストが圧迫されてしまう問題があった。
これに対し、特開2007−290620号公報(特許文献1)に開示のガス発生器にあっては、金属製の部材からなる遮蔽部材にガス発生剤を弾性付勢して保持するための部位(すなわち、ガス発生剤に当接する当接部および当該当接部をガス発生剤に向けて押し付けるための板バネ部)を設けることとし、これによりクッション材の廃止を可能にしている。したがって、当該特許文献1に開示のガス発生器とすることにより、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤の破砕とが単一の部品(すなわち上述した当接部および板バネ部を具備した遮蔽部材)にて実現できることになり、製造コストの大幅な削減が図られることになる。
特開2007−290620号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の如くの遮蔽部材を用いることとした場合には、相当程度に高い寸法精度での部品の管理が必要になったり、あるいは比較的複雑な形状の当接部を有する遮蔽部材が必要になったりする別の課題が発生してしまう。
たとえば、上記特許文献1の図1ないし図6に開示された各種の遮蔽部材は、上述した当接部と板バネ部との間にフィルタの内周面に当接する筒状の周壁部を有するものであるため、当該構成の遮蔽部材を用いて上述した作動時におけるガスの漏れ出しを確実に防止するためには、当該周壁部をフィルタに圧入することが必要になる。しかしながら、そのような組付構造を採用した場合には、板バネ部によって発現される弾性力が十分に当接部に付与され難くなってしまい、結果としてガス発生剤を弾性付勢する付勢力に不足が生じてしまい、上述した非作動時におけるガス発生剤の破砕の防止が不十分となってしまうことが懸念される。
これを防止するためには、上記筒状部がフィルタに軽圧入されただけで必要十分な圧接力が得られることとなるように、フィルタおよび遮蔽部材の双方を高い寸法精度で管理することが必要になってしまい、製造コストの削減が十分には達成できない課題を招来してしまう。
また、上記特許文献1の図7および図8に開示された遮蔽部材は、ガス発生剤に当接する当接部自体に板バネ部の機能を併せ備えさせるために、当該当接部に放射状に延びるスリットが設けられてなるものであるが、このような構成の遮蔽部材は、比較的複雑な形状加工を要するものであり、製造が煩雑となって製造コストが増大してしまい、結果として製造コストの削減が十分には達成できない課題を招来してしまう。
さらには、当接部にスリットを設けることにより、当該当接部自体が角張った形状を有するものとなってしまうため、角張った形状を有する当接部がガス発生剤に接触することでガス発生剤が破砕されてしまうおそれもあり、当該構成の遮蔽部材は、必ずしも最適な形状のものとは言えない課題も有している。
したがって、本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤の破砕とが確実に防止でき、さらにはより安価にかつ容易に製造することができるガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、ハウジングと、フィルタと、ガス発生剤と、点火器と、押さえ部材とを備えている。上記ハウジングは、ガス噴出口が設けられた筒状の周壁部と、上記周壁部の軸方向に位置する一対の端部を閉塞する天板部および底板部とを含んでいる。上記フィルタは、外周面が上記周壁部の内周面に対向するように上記ハウジングの内部に配置された筒状の部材からなる。上記ガス発生剤は、上記フィルタの内側の空間に装填された複数の粒状成形体からなる。上記点火器は、上記底板部に組付けられており、上記ガス発生剤を燃焼させるためのものである。上記押さえ部材は、上記天板部と上記ガス発生剤との間に位置するように上記フィルタの内側の空間のうちの上記天板部側の部分に内挿された金属製の部材からなる。上記押さえ部材は、上記フィルタの内周面に当接する筒板状の第1当接部と、上記天板部の内面の略中央部に当接する第2当接部と、上記第1当接部の一方の軸方向端部と上記第2当接部の周縁部とを接続する環状板形状の接続部とを有している。上記接続部は、上記天板部から距離をもって位置しかつ上記第2当接部の上記周縁部から上記第1当接部の上記一方の軸方向端部に向かうにつれて上記天板部との間の距離が漸増する板バネ部を含んでいる。上記第2当接部と上記板バネ部とによって規定される収容空間には、上記ガス発生剤の一部が収容されている。上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記天板部が上記第2当接部に当接することにより、上記板バネ部が上記ガス発生剤に対して弾性付勢されて接触しているとともに、上記第1当接部が上記フィルタの上記内周面に対して弾性付勢されて接触している。
上記本発明に基づくガス発生器のある態様においては、上記第1当接部の上記一方の軸方向端部を、上記第1当接部の上記底板部側に位置する軸方向端部とすることができる。
上記本発明に基づくガス発生器のある態様にあっては、上記第1当接部の、上記一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部が、上記天板部に非接触であってもよい。
上記本発明に基づくガス発生器のある態様にあっては、上記第1当接部の、上記一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部が、上記天板部に当接していてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器のある態様にあっては、非組付状態において、上記第1当接部の上記他方の軸方向端部が、上記第2当接部と同一平面上に位置していてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器のある態様にあっては、非組付状態において、上記第1当接部の上記一方の軸方向端部寄りの部分が、径が一様な円筒状の形状を有しているとともに、上記第1当接部の、上記一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部寄りの部分が、先端側に向かうにつれて拡径した筒状の形状を有していてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器のある態様にあっては、上記接続部の全体が、上記板バネ部によって構成されていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器のある態様にあっては、上記接続部が、上記板バネ部の外周縁と上記第1当接部の上記一方の軸方向端部とを連結する環状形状の連結部をさらに含んでいてもよく、その場合には、上記連結部が、上記第1当接部の上記一方の軸方向端部から折り返されるように形成されていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器の他の態様においては、上記第1当接部の上記一方の軸方向端部を、上記第1当接部の上記天板部側に位置する軸方向端部とすることができる。
上記本発明に基づくガス発生器の他の態様にあっては、上記接続部の全体が、上記板バネ部によって構成されていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器の他の態様にあっては、上記接続部が、上記板バネ部の外周縁と上記第1当接部の上記一方の軸方向端部とを連結する環状形状の連結部をさらに含んでいてもよく、その場合には、上記連結部が、上記第1当接部の上記一方の軸方向端部から折り返されるように形成されていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器の他の態様にあっては、上記連結部が、上記第1当接部の上記一方の軸方向端部および上記板バネ部の上記周縁部のいずれよりも上記天板部側に向けて膨出する板バネ形状を有していてもよく、その場合には、上記天板部が上記連結部に当接することにより、上記連結部が、上記底板部側であってかつ内側に向けて押し曲げられていてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器の他の態様にあっては、上記連結部のうちの上記第1当接部に連続する部分が、非組付状態において、上記連結部と上記第1当接部との境界部から遠ざかるにつれて内側に向けて傾斜する傾斜形状を有していてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器の他の態様にあっては、非組付状態において、上記連結部の先端部が、上記第2当接部と同一平面上に位置していてもよい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記押さえ部材が、金属製の板状部材に曲げ加工を施すことで成形された成形品にて構成されていることが好ましい。
本発明によれば、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤の破砕とが確実に防止でき、さらにはより安価にかつ容易に製造することができるガス発生器とすることができる。
本発明の実施の形態1におけるガス発生器の概略図である。 図1に示すガス発生器の要部拡大断面図である。 図1に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 図1に示すガス発生器の組立て態様を示す分解斜視図である。 図1に示すガス発生器において、ガス発生剤の装填量を増加させた場合の一例を示す概略図である。 第1変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 第2変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 第3変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 第4変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 本発明の実施の形態2におけるガス発生器の概略図である。 図10に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 本発明の実施の形態3におけるガス発生器の概略図である。 図12に示すガス発生器の要部拡大断面図である。 図12に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 第5変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 第6変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 本発明の実施の形態4におけるガス発生器の概略図である。 図17に示すガス発生器の要部拡大断面図である。 図17に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 図17に示すガス発生器の組立て態様を示す分解斜視図である。 第7変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。 本発明の実施の形態5におけるガス発生器の概略図である。 本発明の実施の形態6におけるガス発生器の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、自動車のステアリングホイール等に搭載されるエアバッグ装置に好適に組み込まれるディスク型ガス発生器に本発明を適用したものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス発生器の概略図であり、図2は、図1に示すガス発生器の要部拡大断面図である。まず、これら図1および図2を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Aの構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Aは、軸方向の両端が閉塞された短尺略円筒状のハウジングを有しており、このハウジングの内部に設けられた空間に、内部構成部品としての保持部30、点火器40、カップ状部材50、伝火薬56、ガス発生剤61、支持部材70、押さえ部材80Aおよびフィルタ90等が収容されることで構成されている。また、ハウジングの内部に設けられた空間には、上述した内部構成部品のうちのガス発生剤61が主として装填された燃焼室60が位置している。
短尺略円筒状のハウジングは、下部側シェル10と上部側シェル20とを含んでいる。下部側シェル10および上部側シェル20のそれぞれは、たとえば圧延された金属製の板状部材をプレス加工することによって形成されたプレス成形品からなる。下部側シェル10および上部側シェル20を構成する金属製の板状部材としては、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等からなる金属板が利用され、好適には440MPa以上780MPa以下の引張応力が印加された場合にも破断等の破損が生じないいわゆる高張力鋼板が利用される。
下部側シェル10および上部側シェル20は、それぞれが有底略円筒状に形成されており、これらの開口面同士が向き合うように組み合わされて接合されることによってハウジングが構成されている。下部側シェル10は、底板部11と周壁部12とを有しており、上部側シェル20は、天板部21と周壁部22とを有している。これにより、ハウジングの軸方向の端部は、天板部21と底板部11とによって閉塞されている。なお、下部側シェル10と上部側シェル20との接合には、電子ビーム溶接やレーザー溶接、摩擦圧接等が好適に利用できる。
下部側シェル10の底板部11の中央部には、天板部21側に向かって突出する突状筒部13が設けられており、これにより下部側シェル10の底板部11の中央部には、窪み部14が形成されている。突状筒部13は、上述した保持部30を介して点火器40が固定される部位であり、窪み部14は、保持部30に雌型コネクタ部34を設けるためのスペースとなる部位である。
突状筒部13は、有底略円筒状に形成されており、その天板部21側に位置する軸方向端部には、平面視した状態において非点対称形状(たとえばD字状、樽型形状、長円形状等)の開口部15が設けられている。当該開口部15は、点火器40の一対の端子ピン42が挿通される部位である。
点火器40は、火炎を発生させるためのものであり、点火部41と、上述した一対の端子ピン42とを備えている。点火部41は、その内部に、作動時において着火して燃焼することで火炎を発生する点火薬と、この点火薬を着火させるための抵抗体とを含んでいる。一対の端子ピン42は、点火薬を着火させるために点火部41に接続されている。
より詳細には、点火部41は、カップ状に形成されたスクイブカップと、当該スクイブカップの開口端を閉塞し、一対の端子ピン42が挿通されてこれを保持する基部とを備えており、スクイブカップ内に挿入された一対の端子ピン42の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に近接するようにスクイブカップ内に点火薬が装填された構成を有している。
ここで、抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。なお、上述したスクイブカップおよび基部は、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン42を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には一般に2ミリ秒以下である。
点火器40は、突状筒部13に設けられた開口部15に端子ピン42が挿通するように下部側シェル10の内側から挿入された状態で底板部11に取付けられている。具体的には、底板部11に設けられた突状筒部13の周囲には、樹脂成形部からなる保持部30が設けられており、点火器40は、当該保持部30によって保持されることにより、底板部11に固定されている。
保持部30は、型を用いた射出成形(より特定的にはインサート成形)によって形成されるものであり、下部側シェル10の底板部11に設けられた開口部15を経由して底板部11の内面の一部から外面の一部にまで達するように絶縁性の流動性樹脂材料を底板部11に付着させてこれを固化させることによって形成されている。
点火器40は、保持部30の成形の際に、開口部15に端子ピン42が挿通するように下部側シェル10の内側から挿入された状態とされ、この状態において点火器40と下部側シェル10との間の空間を充填するように上述した流動性樹脂材料が流し込まれることにより、保持部30を介して底板部11に固定される。
射出成形によって形成される保持部30の原料としては、硬化後において耐熱性や耐久性、耐腐食性等に優れた樹脂材料が好適に選択されて利用される。その場合、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂に限られず、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂を利用することも可能である。これら熱可塑性樹脂を原材料として選択する場合には、成形後において保持部30の機械的強度を確保するためにこれら樹脂材料にガラス繊維等をフィラーとして含有させることが好ましい。しかしながら、熱可塑性樹脂のみで十分な機械的強度が確保できる場合には、上述の如くのフィラーを添加する必要はない。
保持部30は、下部側シェル10の底板部11の内面の一部を覆う内側被覆部31と、下部側シェル10の底板部11の外面の一部を覆う外側被覆部32と、下部側シェル10の底板部11に設けられた開口部15内に位置し、上記内側被覆部31および外側被覆部32にそれぞれ連続する連結被覆部33とを有している。
保持部30は、内側被覆部31、外側被覆部32および連結被覆部33のそれぞれの底板部11側の表面において底板部11に固着している。また、保持部30は、点火器40の点火部41の下方端寄りの部分の側面および下面と、点火器40の端子ピン42の上方端寄りの部分の表面とにそれぞれ固着している。これにより、開口部15は、端子ピン42と保持部30とによって完全に埋め込まれた状態となり、当該部分におけるシール性が確保されることでハウジングの内部の空間の気密性が確保されている。なお、開口部15は、上述したように平面視非点対称形状に形成されているため、当該開口部15を連結被覆部33で埋め込むことにより、これら開口部15および連結被覆部33は、保持部30が底板部11に対して回転してしまうことを防止する回り止め機構としても機能する。
保持部30の外側被覆部32の外部に面する部分には、雌型コネクタ部34が形成されている。この雌型コネクタ部34は、点火器40とコントロールユニット(不図示)とを結線するためのハーネスの雄型コネクタ(図示せず)を受け入れるための部位であり、下部側シェル10の底板部11に設けられた窪み部14内に位置している。この雌型コネクタ部34内には、点火器40の端子ピン42の下方端寄りの部分が露出して配置されている。雌型コネクタ部34には、雄型コネクタが挿し込まれ、これによりハーネスの芯線と端子ピン42との電気的導通が実現される。
また、保持部30によって覆われることとなる部分の底板部11の表面の所定位置に予め接着剤層が設けられてなる下部側シェル10を用いて上述した射出成形を行なうこととしてもよい。当該接着剤層は、上記底板部11の所定位置に予め接着剤を塗布してこれを硬化させておくことにより、その形成が可能である。
このようにすれば、底板部11と保持部30との間に硬化した接着剤層が位置することになるため、樹脂成形部からなる保持部30をより強固に底板部11に固着させることが可能になる。したがって、底板部11に設けられた開口部15を囲うように上記接着剤層を周方向に沿って環状に設けることとすれば、当該部分においてより高いシール性を確保することが可能になる。
ここで、底板部11に予め塗布しておく接着剤としては、硬化後において耐熱性や耐久性、耐腐食性等に優れた樹脂材料を原料として含むものが好適に利用され、たとえばシアノアクリレート系樹脂やシリコーン系樹脂を原料として含むものが特に好適に利用される。なお、上述の樹脂材料以外にも、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂、アクリロニトリルスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテレフタラート系樹脂、ポリエチレンテレフタラート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンスルファイド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、液晶ポリマー、スチレン系ゴム、オレフィン系ゴム等を含むものが、上述した接着剤として利用可能である。
なお、ここでは、樹脂成形部からなる保持部30を射出成形することで下部側シェル10に対する点火器40の固定を可能にした場合の構成例を例示したが、下部側シェル10に対する点火器40の固定に他の代替手段を用いることも可能である。
底板部11には、突状筒部13、保持部30および点火器40を覆うようにカップ状部材50が組付けられている。カップ状部材50は、底板部11側の端部が開口した有底略円筒形状を有しており、内部に伝火薬56が装填された伝火室55を含んでいる。カップ状部材50は、その内部に設けられた伝火室55が点火器40の点火部41に面することとなるように、ガス発生剤61が装填された燃焼室60内に向けて突出して位置するように配置されている。
カップ状部材50は、上述した伝火室55を規定する頂壁部51および側壁部52と、側壁部52の開口端側の部分から径方向外側に向けて延設された延設部53とを有している。延設部53は、下部側シェル10の底板部11の内面に沿って延びるように形成されている。具体的には、延設部53は、突状筒部13が設けられた部分およびその近傍における底板部11の内底面の形状に沿うように曲成された形状を有しており、その径方向外側の部分にフランジ状に延出する先端部54を含んでいる。
延設部53の先端部54は、ハウジングの軸方向に沿って底板部11と支持部材70との間に配置されており、これによりハウジングの軸方向に沿って底板部11と支持部材70とによって挟み込まれている。ここで、支持部材70は、その上方に配置されたガス発生剤61、押さえ部材80Aおよび天板部21によって底板部11側に向けて押し付けられた状態にあるため、カップ状部材50は、その延設部53の先端部54が支持部材70によって底板部11側に向けて押し付けられた状態となり、底板部11に対して固定されることになる。これにより、カップ状部材50の固定にかしめ固定や圧入固定を利用せずとも、カップ状部材50が底板部11から脱落することが防止される。
カップ状部材50は、頂壁部51および側壁部52のいずれにも開口を有しておらず、その内部に設けられた伝火室55を取り囲んでいる。このカップ状部材50は、点火器40が作動することによって伝火薬56が着火された場合に伝火室55内の圧力上昇や発生した熱の伝導に伴って破裂または溶融するものであり、その機械的強度は比較的低いものが使用される。
そのため、カップ状部材50としては、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の部材や、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂等の樹脂製の部材からなるものが好適に利用される。
なお、カップ状部材50としては、このようなものの他にも、鉄や銅等に代表されるような機械的強度の高い金属製の部材からなり、その側壁部52に開口を有し、当該開口を閉塞するようにシールテープが貼着されたもの等を利用することも可能である。また、カップ状部材50の固定方法も、上述した支持部材70を用いた固定方法に限られず、他の固定方法を利用してもよい。
伝火室55に装填された伝火薬56は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬56としては、ガス発生剤61を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO、B/NaNO、Sr(NO等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物や、水素化チタン/過塩素酸カリウムからなる組成物、B/5−アミノテトラゾール/硝酸カリウム/三酸化モリブデンからなる組成物等が用いられる。伝火薬56は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成形されたもの等が利用される。バインダによって成形された伝火薬56の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。
ハウジングの内部の空間のうち、上述したカップ状部材50が配置された部分を取り囲む空間には、複数の粒状成形体からなるガス発生剤61が装填された燃焼室60が位置している。具体的には、上述したように、カップ状部材50は、ハウジングの内部に形成された燃焼室60内に突出して配置されており、このカップ状部材50の頂壁部51および側壁部52に面する部分に設けられた空間が燃焼室60として構成されている。なお、当該燃焼室60は、上述したカップ状部材50の外面の他に、フィルタ90の内周面と、天板部21の内面および底板部11の内面とによって規定されている。
また、燃焼室60のうち、ガス発生剤61が装填された空間をハウジングの径方向に取り巻く空間には、ハウジングの内周に沿ってフィルタ90が配置されている。フィルタ90は、円筒状の形状を有しており、その中心軸がハウジングの軸方向と実質的に合致するように配置されている。これにより、フィルタ90の外周面は、ハウジングの周壁部12,22の内周面に対向して位置することになる。
ガス発生剤61は、点火器40が作動することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させる薬剤である。ガス発生剤61としては、非アジド系ガス発生剤を用いることが好ましく、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成形体としてガス発生剤61が形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえば塩基性硝酸銅等の塩基性硝酸塩や、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状等の粒状のもの、ディスク状のものなど様々な形状のものがある。また、円柱状のものでは、成形体内部に貫通孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成形体も利用される。これらの形状は、ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤61の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤61の形状の他にもガス発生剤61の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成形体のサイズや装填量を適宜選択することが好ましい。
フィルタ90は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属線材を巻き回して焼結したものや、金属線材を編み込んだ網材をプレス加工することによって押し固めたもの、あるいは孔あき金属板を巻き回したもの等が利用される。ここで、網材としては、具体的にはメリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ金網等の金属線材の集合体が利用される。また、孔あき金属板としては、たとえば、金属板に千鳥状に切れ目を入れるとともにこれを押し広げて孔を形成して網目状に加工したエキスパンドメタルや、金属板に孔を穿つとともにその際に孔の周縁に生じるバリを潰すことでこれを平坦化したフックメタル等が利用される。この場合において、形成される孔の大きさや形状は、必要に応じて適宜変更が可能であり、同一金属板上において異なる大きさや形状の孔が含まれていてもよい。なお、金属板としては、たとえば鋼板(マイルドスチール)やステンレス鋼板が好適に利用でき、またアルミニウム、銅、チタン、ニッケルまたはこれらの合金等の非鉄金属板を利用することもできる。
フィルタ90は、燃焼室60にて発生したガスがこのフィルタ90中を通過する際に、ガスが有する高温の熱を奪い取ることによってガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、ガス中に含まれるスラグ等を除去する除去手段としても機能する。したがって、ガスを十分に冷却しかつスラグが外部に放出されないようにするためには、燃焼室90内にて発生したガスが確実にフィルタ90中を通過するようにすることが必要である。なお、フィルタ90は、ハウジングの周壁部を構成する上部側シェル20の周壁部22および下部側シェル10の周壁部12との間で所定の大きさの間隙部Sが構成されることとなるように、当該周壁部12,22から離間して配置されている。
フィルタ90に対面する部分の上部側シェル20の周壁部22には、ガス噴出口23が複数設けられている。このガス噴出口23は、フィルタ90を通過したガスをハウジングの外部に導出するためのものである。上部側シェル20の周壁部22の内周面には、上記ガス噴出口23を閉塞するように金属製のシールテープ24が貼り付けられている。このシールテープ24としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用でき、当該シールテープ24によって燃焼室60の気密性が確保されている。
燃焼室60のうち、底板部11側に位置する端部近傍には、支持部材70が配置されている。支持部材70は、環状の形状を有しており、フィルタ90と底板部11との境目部分を覆うように、これらフィルタ90と底板部11とに実質的に宛がわれて配置されている。これにより、支持部材70は、燃焼室60の上記端部近傍において、底板部11とガス発生剤61との間に位置している。
支持部材70は、フィルタ90の底板部11側に位置する軸方向端部の内周面に当接するように立設された立壁部72と、当該立壁部72から径方向内側に向けて延設された底部71とを有している。底部71は、下部側シェル10の底板部11の内底面に沿って延びるように形成されている。具体的には、底部71は、突状筒部13が設けられた部分を含む底板部11の内底面の形状に沿うように折り曲げられた形状を有しており、その径方向内側の部分に立ち上がるように延設された延設部73を含んでいる。
当該支持部材70は、作動時において、燃焼室60にて発生したガスが、フィルタ90の下端と底板部11との間の隙間からフィルタ90の内部を経由することなく流出してしまうことを防止するための遮蔽部材として機能する。支持部材70は、たとえば金属製の板状部材をプレス加工等することによって形成されたものであり、好適には普通鋼や特殊鋼等の鋼板(たとえば、冷間圧延鋼板やステンレス鋼板等)からなる部材にて構成される。
ここで、上述したカップ状部材50の延設部53の先端部54は、ハウジングの軸方向に沿って底板部11と支持部材70の底部71との間に配置されており、これによりハウジングの軸方向に沿って底板部11と底部71とによって挟み込まれて保持されている。これにより、カップ状部材50は、その延設部53の先端部54が支持部材70の底部71によって底板部11側に向けて押し付けられた状態となり、底板部11に対して固定されることになる。
図1および図2に示すように、燃焼室60のうち、天板部21側に位置する端部近傍には、押さえ部材80Aが配置されている。押さえ部材80Aは、フィルタ90の天板部21側の部分に内挿されており、フィルタ90と天板部21との境目部分を覆うように、これらフィルタ90と天板部21とに宛がわれて配置されている。これにより、押さえ部材80Aは、燃焼室60の上記端部近傍において、天板部21とガス発生剤61との間に位置している。
押さえ部材80Aは、主として、非作動時において、粒状の成形体からなるガス発生剤61を底板部11側に向けて弾性付勢しつつこれを保持することにより、ガス発生剤61が破砕することを防止するための破砕防止部材として機能するとともに、作動時において、燃焼室60にて発生したガスが、フィルタ90の上端と天板部21との間の隙間からフィルタ90の内部を経由することなく流出してしまうことを防止するための遮蔽部材として機能する。
押さえ部材80Aは、金属製の板状部材に曲げ加工を施すことで形成された成形品にて構成されている。ここで、金属製の板状部材としては、たとえば普通鋼や特殊鋼等の鋼板(たとえば、冷間圧延鋼板やステンレス鋼板等)等が利用できる。なお、押さえ部材80Aには、いずれの位置にも孔は形成されていない。
金属製の板状部材に上述した曲げ加工が施されることにより、押さえ部材80Aは、フィルタ90の内周面に当接する第1当接部81と、天板部21の略中央部に当接する第2当接部82と、これら第1当接部81および第2当接部82を接続する接続部83とを有している。
第1当接部81は、筒板状の形状を有しており、その外周面がフィルタ90の内周面に当接している。第2当接部82は、略円板状の形状を有しており、少なくともその周縁部が天板部21の内面に当接している。接続部83は、第1当接部81の底板部11側の軸方向端部と第2当接部82の周縁部とを接続する環状板形状を有しており、第1当接部81と第2当接部82との間に位置している。なお、第1当接部81の天板部21側の軸方向端部は、天板部21に非接触となっている。
接続部83は、ガス発生剤61に接触する板バネ部84を含んでいる。板バネ部84は、天板部21から距離をもって位置しており、第2当接部82の周縁部から第1当接部81の底板部11側の軸方向端部に向かうにつれて天板部21との間の距離が漸増するように設けられている。これにより、板バネ部84は、全体として天板部21側に向けて凸の略ドーム状の湾曲板形状を有している。なお、本実施の形態においては、第1当接部81の底板部11側の軸方向端部と第2当接部82の周縁部とを接続する接続部83の全体が、板バネ部84によって構成されている。
第2当接部82および板バネ部84によって規定される空間である押さえ部材80Aの収容空間89には、複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の一部が収容されている。これにより、燃焼室60に装填されたガス発生剤61の天板部21側の薬剤面(複数の粒状成形体からなるガス発生剤61が集まることで形成されるガス発生剤群のおおよその外形面)は、第2当接部82および板バネ部84に沿った山なりの形状を有しており、当該薬剤面の底板部11からの高さは、燃焼室60の外周部において低く、燃焼室60の中央部において高くなっている。
ここで、板バネ部84が有する上記略ドーム状の湾曲板形状は、押さえ部材80Aがフィルタ90に内挿されるとともに、当該押さえ部材80Aが天板部21によって底板部11側に向けて押し込まれることで実現されるものである。
すなわち、図2に示すように、天板部21に第2当接部82が当接することにより、天板部21から第2当接部82に加えられた力Aの一部は、接続部83である板バネ部84を介して第1当接部81に伝達され、当該第1当接部81をフィルタ90の内周面に向けて弾性付勢する付勢力B1となる。一方で、天板部21から第2当接部82に加えられた力Aの残る一部は、第1当接部81がフィルタ90に当接することでその行き場を失い、接続部83である板バネ部84を天板部21側に向けて弾性変形させる力となる。これにより、板バネ部84が上記の如くの湾曲した形状に弾性変形することになり、その復元力がガス発生剤61を底板部11側および燃焼室60の中央部側に向けて弾性付勢する付勢力B2として作用することになる。
そのため、押さえ部材80Aは、その第1当接部81がフィルタ90の内周面に所定の付勢力B1をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになるとともに、その板バネ部84がガス発生剤61に所定の付勢力B2をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになる。したがって、燃焼室60に装填された複数の粒状成形体からなるガス発生剤61は、押さえ部材80Aによって主として底板部11側に向けて弾性付勢された状態で保持されることになり、非作動時におけるガス発生剤61の破砕が未然に防止できることになる。
図3は、図1に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図3を参照して、非組付状態における押さえ部材80Aの構造について説明する。
上述したように、本実施の形態においては、押さえ部材80Aとして金属製の板状部材に曲げ加工を施すことで形成された成形品を用いている。これにより、押さえ部材80Aは、適度な弾性を有することになり、上述した付勢力B1,B2の大きさは、当該押さえ部材80Aの非組付状態における形状や、当該押さえ部材80Aの非組付状態における寸法と当該押さえ部材80Aが内挿されるフィルタ90の寸法との相対的な関係等によって主として決まることになる。
図3に示すように、押さえ部材80Aは、非組付状態において、その第1当接部81が筒板状の形状を有しており、その第2当接部が円板状の形状を有しており、その接続部83である板バネ部84が、第1当接部81の軸方向端部から第2当接部82側に向けて凸の中空円錐台状の湾曲板形状を有している。
ここで、第2当接部82は、押さえ部材80Aの軸方向に沿って、接続部83である板バネ部84が接続された方の第1当接部81の軸方向端部とは反対側に位置する軸方向端部よりもさらに外側に位置するように突出して設けられており、第2当接部82に接続する部分の板バネ部84も当該第1当接部81から突出して位置している。
一方、第1当接部81は、接続部83である板バネ部84に連続する方の軸方向端部寄りの部分に位置しかつ径が一様な円筒部81aと、当該軸方向端部とは反対側に位置する軸方向端部寄りの部分に位置しかつ先端側に向かうにつれて拡径した拡径筒部81bとを含んでいる。ここで、円筒部81aの外径は、フィルタ90の内径と同じかそれよりも僅かに小さい大きさとされており、拡径筒部81bの最大外径は、フィルタ90の内径よりも僅かに大きい大きさとされている。
これにより、後述する押さえ部材80Aのフィルタ90への組付けの際に、第1当接部81の外周面がフィルタ90の内周面に確実に当接するとともに、第2当接部82が天板部21によって押し込まれることで当該第2当接部82に加えられる力Aが十分に第1当接部81と板バネ部84とに印加されることになり、上述した付勢力B1,B2が適度に得られることになる。
したがって、図3に示す如くの非組付状態における構造を有する押さえ部材80Aを用いることにより、図1および図2において示した押さえ部材80Aの組付構造を実現することができる。
図4は、図1に示すガス発生器の組立て態様を示す分解斜視図である。次に、この図4を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Aの組立て態様について説明する。
ガス発生器1Aの組立に際しては、プレス成形することで製造された下部側シェル10と予め製造された点火器40とが射出成形用の型にセットされ、この状態において射出成形が行なわれることで下部側シェル10の底板部11に樹脂成形部としての保持部30が形成され、これにより点火器40が下部側シェル10の突状筒部13に固定される。
次に、予めプレス成形することで製造されたカップ状部材50の内部に所定量の伝火薬56が充填された状態とされ、点火器40が固定された状態にある下部側シェル10の突状筒部13近傍の部分が、カップ状部材50の開口端側から当該カップ状部材50の内部に向けて挿入される。ここで、当該挿入作業は、伝火薬56が零れ落ちることを防止するために、カップ状部材50および下部側シェル10のいずれもがその天地が逆とされた状態で行なわれる。その際、カップ状部材50の側壁部52の開口端側の部分が、保持部30の内側被覆部31に圧入されるようにする。これにより、カップ状部材50は、保持部30によって軽保持されることで下部側シェル10に対して仮固定された状態となる。
次に、カップ状部材50が軽保持された状態にある下部側シェル10の天地が逆にされ、この状態において下部側シェル10上にフィルタ90が載置され、さらにその後に、当該下部側シェル10とフィルタ90とによって規定される空間に支持部材70が挿入される。これにより、カップ状部材50の延設部53の先端部54上に支持部材70の底部71が配置されることになり、当該先端部54が、ハウジングの軸方向に沿って底部71と底板部11とによって挟まれた状態となる。
次に、下部側シェル10とフィルタ90とによって規定される空間であってかつ支持部材70上に位置する空間に複数の粒状成形体からなるガス発生剤61が所定量充填される。ここで、上記空間に充填された複数の粒状成形体からなるガス発生剤61が、当該空間において密に充填されることになるとともに、その上端側の薬剤面が略水平に均されることとなるように、たとえば外部から下部側シェル10に対してガス発生剤61が破砕しない程度の微振動が加えられる。
次に、図4に示すように、フィルタ90の上端側に位置する開口部に上方から押さえ部材80Aの一部が内挿される。これにより、フィルタ90の内部に位置する空間であってガス発生剤61が収容された空間は、押さえ部材80Aによって塞がれることになる。
このとき、押さえ部材80Aは、その第1当接部81の円筒部81aがフィルタ90の内部に収まるように挿入される。その際、上述したように第1当接部81の拡径筒部81bは、その最大外径がフィルタ90の内径よりも僅かに大きく構成されているため、当該拡径筒部81bがフィルタ90の上端部分に引っ掛かることになる。したがって、当該構成を採用することにより、フィルタ90の上記開口部に押さえ部材80Aの一部が内挿された状態において、押さえ部材80Aの姿勢が略水平に安定的に維持されることになり、後述する上部側シェル20の組付けの際に押さえ部材80Aが傾いた状態で組付けられてしまうことが未然に防止できる。
次に、図4に示すように、押さえ部材80Aを覆うように上部側シェル20が配置されるとともに、当該上部側シェル20が下部側シェル10側に向けて押圧されることで下部側シェル10に対して組み合わされる。その際、押さえ部材80Aの第2当接部82は、上部側シェル20の天板部21の略中央部に当接することになり、これに伴って押さえ部材80Aの全体が下部側シェル10の底板部11側に向けて移動することになる。
このとき、押さえ部材80Aが底板部11側に向けて移動することにより、複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の薬剤面(図中においては、当該薬剤面を二点鎖線にて示している)のうち、その外周部において、まず押さえ部材80Aの第1当接部81と板バネ部84との境界部がガス発生剤61に接触することになる(図中矢印C1参照)。これにより、当該押さえ部材80Aに接触した部分のガス発生剤61が押し退けられることになり、ガス発生剤61の一部が燃焼室60の中央部に集まるように移動することになる(図中矢印C2参照)。
その後、順次、押さえ部材80Aの板バネ部84がガス発生剤61に接触することにより、当該押さえ部材80Aに接触した部分のガス発生剤61がさらに押し退けられ、これに伴ってガス発生剤61の一部がさらに燃焼室60の中央部に集まるように移動する。その結果、上記薬剤面の底板部11からの高さが、燃焼室60の外周部において低くなるとともに、燃焼室60の中央部において高くなる。ここで、上部側シェル20を移動させる速度やその加圧力を適宜調節することにより、押さえ部材80Aがガス発生剤61に接触することでガス発生剤61が破砕してしまうことを防止することができる。
これにより、当初において略水平であった薬剤面は、押さえ部材80Aの一部が複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の一部を押し退けて侵入することにより、上部側シェル20が下部側シェル10に組み合わされた時点において、第2当接部82および板バネ部84に沿った山なりの形状を有することになる。また、これと同時に、押さえ部材80Aが天板部21とガス発生剤61とによって挟み込まれて圧縮された状態となることに伴い、第1当接部81がフィルタ90の内周面に所定の付勢力B1をもって弾性付勢された状態で接触配置されるとともに、接続部83である板バネ部84がガス発生剤61に所定の付勢力B2をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになる。
さらに、その後、上部側シェル20が下部側シェル10に組み合わされた状態を維持しつつ、上部側シェル20が下部側シェル10に接合されることにより、ガス発生器1Aの製造が完了する。
このように、本実施の形態におけるガス発生器1Aは、押さえ部材80Aをフィルタ90の天板部21側の部分に内挿してその後に上部側シェル20を下部側シェル10に組付けるという簡便な作業にて、上述した如くの押さえ部材80Aの組付構造を実現できるものであり、特別な組付手順を経ずとも非常に容易に製造が可能なものである。
なお、上記においては、押さえ部材80Aを複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の上端側の薬剤面に向けて押し込むに際し、予め当該薬剤面が略水平に均されるようにした場合を例示して説明を行なったが、必ずしもこのようにする必要はない。たとえば、当該薬剤面は、押さえ部材80Aが押し込まれるに際し、予め押さえ部材80Aの下面の形状に近い形状に整えられていてもよいし、特に整えたり均されたりすることなく任意の不定形状とされていてもよい。すなわち、押さえ部材80Aを当該薬剤面に向けて押し込むことで当該薬剤面が押さえ部材80Aの下面の形状にある程度追従した形状となるのであれば、押し込み前の薬剤面の形状は特に制限されるものではない。
次に、図1を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Aの作動時における動作について説明する。
図1を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Aが搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて車両に別途設けられたコントロールユニットからの通電によって点火器40が作動する。伝火室55に装填された伝火薬56は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬56の燃焼によってカップ状部材50は破裂または溶融し、上述の熱粒子が燃焼室60へと流れ込む。
流れ込んだ熱粒子により、燃焼室60に装填されたガス発生剤61が着火されて燃焼し、多量のガスを発生させる。燃焼室60にて発生したガスは、フィルタ90の内部を通過し、その際、フィルタ90によって熱が奪われて冷却されるとともに、ガス中に含まれるスラグがフィルタ90によって除去されてハウジングの外周縁部に位置する間隙部Sに流れ込む。
このとき、多量のガスが発生して燃焼室60の内圧が上昇することに伴い、比較的脆弱な部材である押さえ部材80Aは、ガスの推力を受けて天板部21側に向けて移動するように変形し、天板部21の内周面およびフィルタ90の内周面に密着することになる。また、その際、燃焼室60の内圧が上昇することに伴い、上部側シェル20の天板部21も僅かに膨らむように変形することになるが、その変形後においても、押さえ部材80Aは、天板部21の内周面およびフィルタ90の内周面に密着した状態が維持されることになる。
より詳細には、押さえ部材80Aの第2当接部82には、殆ど変形は生じず、当該第2当接部82は、天板部21側に当接した状態が維持される。一方、第1当接部81と接続部83である板バネ部84とには、大きな変形と移動が生じ、特に板バネ部84は押し潰されるように変形し、その一部がフィルタ90の内周面と天板部21の内面とによって構成される燃焼室60の隅部に押し遣られる。
このとき、上部側シェル20の天板部21も僅かに膨らむように変形することでフィルタ90の天板部21側の軸方向端部と天板部21との間には、上述した隙間が生じることになるが、当該隙間と燃焼室60との間には、上述した移動および変形後の第1当接部81および接続部83が位置することになる。ここで、本実施の形態においては、押さえ部材80Aが金属製の孔が設けられていない部材にて構成されているため、当該押さえ部材80Aの第1当接部81および接続部83が、当該隙間からガスが漏れ出すことを防止する遮蔽部として機能することになり、燃焼室60にて発生したガスは、すべてフィルタ90の内部を通過してハウジングの外周縁部に位置する間隙部Sに流れ込むことになる。
その後、ハウジングの内部の圧力の上昇に伴い、上部側シェル20のガス噴出口23を閉塞していたシールテープ24による封止が破られ、ガス噴出口23を介してガスがハウジングの外部へと噴出される。噴出されたガスは、ガス発生器1Aに隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、エアバッグを膨張および展開する。
以上において説明したように、本実施の形態におけるガス発生器1Aにあっては、上述した如くの単一の部品からなる押さえ部材80Aを用いることにより、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤61の破砕とが同時に防止できることになる。
ここで、本実施の形態におけるガス発生器1Aにあっては、押さえ部材80Aが、上述したように、フィルタ90に当接する第1当接部81と天板部21に当接する第2当接部82との間に位置する接続部83において弾性変形可能な板バネ部84を有するように構成されたものであるため、当該板バネ部84が弾性変形することにより、確実に第1当接部81および当該板バネ部84に上述した付勢力B1,B2を付与することができる。そのため、組付け後の状態において、押さえ部材80Aがフィルタ90の内周面およびガス発生剤61に十分な弾性付勢力をもって接触配置されることになる。したがって、当該構成を採用することにより、フィルタ90および当該押さえ部材80Aを通常の公差をもって製造することが可能になり、非常に厳格な寸法精度の管理を要せずにガス発生器1Aを比較的容易にかつ安価に製造することができる。
また、本実施の形態におけるガス発生器1Aにあっては、上述したように、押さえ部材80Aにスリット等を設ける必要もないため、複雑な形状加工を要しない。したがって、当該構成を採用することにより、この点においてもガス発生器1Aを比較的容易にかつ安価に製造することができる。さらには、押さえ部材80Aが角張った形状を有していないため、押さえ部材80Aにガス発生剤61が接触することによっても当該ガス発生剤61に破砕が生じることもない。
したがって、本実施の形態におけるガス発生器1Aとすることにより、上述したように作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤61の破砕とが確実に防止できるガス発生器とできるばかりでなく、さらに従来に比してより安価にかつ容易に製造することができるガス発生器とすることができる。
加えて、上記構成を採用することにより、作動初期段階において遅滞なくガスが外部に向けて噴出されるとともに、そのガス出力が十分に高められる副次的な効果を得ることもできる。これは、押さえ部材80Aが第2当接部82から第1当接部81に向かうにつれて天板部21との間の距離が漸増する板バネ部84を有しているとともに、カップ状部材50の頂壁部51に面する部分である、板バネ部84および第2当接部82によって規定される収容空間89にガス発生剤61の一部が収容されていることによる。この点について、図1を参照して以下において詳説する。
通常、点火器40が作動することによって着火された伝火薬56の火力の伝播方向には強い指向性があり、当該火力の伝播方向は、点火器40の点火部41を起点としてハウジングの軸方向に沿って天板部21の中央部に向かう方向となる。そのため、カップ状部材50は、その頂壁部51がまず最初に開口することになる。
ここで、本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、上述したように当該頂壁部51に隣接して上記収容空間89にガス発生剤61の一部が位置しているため、当該部分に位置するガス発生剤61が直ちに燃焼を開始することになり、燃焼室60の内部において早期にガスが生成されることになる。したがって、作動初期段階において遅滞なくガスが外部に向けて噴出されるという上述した効果が得られることになる。
また、伝火薬56の火力は、天板部21の中央部に到達することでその伝播方向がハウジングの径方向外側に向かう方向に変更されることになる。
ここで、本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、上述したように押さえ部材80Aが第2当接部82から第1当接部81に向かうにつれて天板部21との間の距離が漸増する板バネ部84を有しているため、当該火力の伝播方向は、板バネ部84によってさらにカップ状部材50の側壁部52を取り巻く部分の燃焼室60へ向かう方向に変更されることになる。そのため、頂壁部51に隣接する部分に位置するガス発生剤61の燃え広がりと相まり、上記側壁部52を取り巻く部分の燃焼室60に位置する部分のガス発生剤61がスムーズに燃焼を開始することになる。したがって、ガス出力が十分に高められるという上述した効果も得られることになる。
このように、本実施の形態におけるガス発生器1Aとすることにより、遅滞なくガスが外部に向けて噴出可能になるとともにガス出力が十分に高められた高性能のガス発生器とすることもできる。
なお、本実施の形態におけるガス発生器1Aは、上述したように、押さえ部材80Aの第1当接部81と第2当接部82との間に位置する接続部83に弾性変形可能な板バネ部84を設け、当該板バネ部84を組付けに際して弾性変形させることでガス発生剤61が弾性付勢されるように構成したものであるため、ガス発生剤61が当該板バネ部84によって適切な弾性付勢力をもって付勢される限りにおいては、図1に示す構成において、ガス発生剤61の装填量を増減させることができる。
図5は、図1に示すガス発生器において、ガス発生剤の装填量を増加させた場合の一例を示す概略図である。
たとえば、図5に示すように、ガス発生剤61の装填量を増加させたガス発生器1A’においては、図1に示すガス発生器1Aと比較して、接続部83である板バネ部84に、より大きな弾性変形が生じることになるものの、この場合においても、第1当接部81がフィルタ90の内周面に所定の付勢力B1をもって弾性付勢された状態で接触配置されるとともに、接続部83である板バネ部84がガス発生剤61に所定の付勢力B2をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになる。
ここで、ガス発生剤61の装填量を相当程度に増加させた場合においては、図5に示すように、第1当接部81の天板部21側の軸方向端部が、組付け後において天板部21に当接した状態となり得る。このように構成した場合にも、第1当接部81および板バネ部84に上述した付勢力B1,B2を付与することができるため、上述した効果が得られることになる。
(第1変形例)
図6は、上述した本実施の形態に基づいた第1変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図6を参照して、本第1変形例に係る押さえ部材80Bについて説明する。
図6に示すように、本第1変形例に係る押さえ部材80Bは、第2当接部82および接続部83の構成において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと同様の構成を有しており、第1当接部81が径が一様な円筒状の部位のみによって構成されている点において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと異なる構成を有している。この場合においては、当該第1当接部81の外径がフィルタ90の内径と同じかそれよりも僅かに小さい大きさとされる。
このような構造の押さえ部材80Bを上述した本実施の形態における押さえ部材80Aに代えてガス発生器1Aに組付けることとした場合には、その組付け時において、フィルタ90の上端側に位置する開口部に当該押さえ部材80Bを内挿するに際して、押さえ部材80Bの第1当接部81がフィルタ90に軽圧入されるかあるいは遊嵌されることになる。
その場合にも、当該押さえ部材80Bが天板部21とガス発生剤61とによって挟み込まれて圧縮されることにより、接続部83である板バネ部84が弾性変形することになり、第1当接部81および板バネ部84に上述した付勢力B1,B2を付与することができる。したがって、本第1変形例に係る押さえ部材80Bを用いた場合にも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
(第2変形例)
図7は、上述した本実施の形態に基づいた第2変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図7を参照して、本第2変形例に係る押さえ部材80Cについて説明する。
図7に示すように、本第2変形例に係る押さえ部材80Cは、第2当接部82および接続部83の構成において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと同様の構成を有しており、第1当接部81の拡径筒部81bが円筒部81aが位置する側とは反対側に向けて延設されている点において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと異なる構成を有している。ここで、当該第1当接部81の拡径筒部81bの先端は、第2当接部82と同一平面上の位置にまで達するように延設されている。
このような構造の押さえ部材80Cを上述した本実施の形態における押さえ部材80Aに代えてガス発生器1Aに組付けることとした場合には、その組付け時において、フィルタ90の上端側に位置する開口部に当該押さえ部材80Cを内挿し、さらに当該押さえ部材80Cを覆うように上部側シェル20を配置した状態において、第2当接部82のみならず第1当接部81の拡径筒部81bの先端も、上部側シェル20の内面に当接することになる。
そのため、本第2変形例に係る押さえ部材80Cを用いた場合には、その組付けに際して上部側シェル20を下部側シェル10側に向けて押圧する際に、押さえ部材80Cの姿勢が略水平に、より安定的に維持されることになるとともに、押さえ部材80Cの第1当接部81と板バネ部84との境界部を、より確実に複数の粒状成形体からなるガス発生剤群に向けて侵入させることが可能になる。したがって、当該構成を採用することにより、上述した効果に加え、押さえ部材80Cが傾いた状態で組付けられてしまうことがより確実に防止できるとともに、組付け時におけるガス発生剤61の移動をより促進させることができ、組付作業が容易化する効果が得られる。
(第3変形例)
図8は、上述した本実施の形態に基づいた第3変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図8を参照して、本第3変形例に係る押さえ部材80Dについて説明する。
図8に示すように、本第3変形例に係る押さえ部材80Dは、第1当接部81の構成において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと同様の構成を有しており、接続部83が中空円錐状の湾曲板形状を有している点、および、第2当接部82が円板状に構成されることなく中空円錐状の湾曲板形状を有する接続部83の頂点にて構成されている点において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと異なる構成を有している。
このような構造の押さえ部材80Dを上述した本実施の形態における押さえ部材80Aに代えてガス発生器1Aに組付けることとした場合にも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
(第4変形例)
図9は、上述した本実施の形態に基づいた第4変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図9を参照して、本第4変形例に係る押さえ部材80Eについて説明する。
図9に示すように、本第4変形例に係る押さえ部材80Eは、第1当接部81の構成において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと同様の構成を有しており、接続部83がドーム状の湾曲板形状を有している点、および、第2当接部82が円板状に構成されることなくドーム状の湾曲板形状を有する接続部83の頂点にて構成されている点において上述した本実施の形態における押さえ部材80Aと異なる構成を有している。
このような構造の押さえ部材80Eを上述した本実施の形態における押さえ部材80Aに代えてガス発生器1Aに組付けることとした場合にも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2におけるガス発生器の概略図であり、図11は、図10に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。以下、これら図10および図11を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Bについて説明する。
図10および図11に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Bは、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aと比較した場合に、図1および図3において示した押さえ部材80Aとは異なる構造の押さえ部材80Fを具備している点において相違している。
具体的には、押さえ部材80Fにあっては、第1当接部81および第2当接部82を接続する接続部83が、第2当接部82の周縁部から外側に向けて延びる板バネ部84と、当該板バネ部84の外周縁と第1当接部81の底板部11側の軸方向端部とを連結する連結部85とを含んでいる。
図10に示すように、板バネ部84は、組付け後において天板部21から距離をもって位置しており、第2当接部82の周縁部から連結部85に向かうにつれて天板部21との間の距離が漸増するように設けられている。これにより、板バネ部84は、全体として天板部21側に向けて凸の略ドーム状の湾曲板形状を有している。
一方、連結部85は、第1当接部81の底板部11側の軸方向端部から折り返されるように形成されており、第1当接部81に接続された方の端部とは反対側に位置する端部が、板バネ部84の外周縁に接続されている。これにより、連結部85は、略筒状の環状形状を有している。
図11に示すように、押さえ部材80Fは、非組付状態において、その第1当接部81が筒板状の形状を有しており、その第2当接部が円板状の形状を有しており、その連結部85が、略筒状の環状形状を有しており、その板バネ部84が、連結部85の端部から第2当接部82側に向けて凸の中空円錐台状の湾曲板形状を有している。
このような構造の押さえ部材80Fとした場合には、板バネ部84の外側に位置する連結部85が、第2当接部82が位置する側とは反対側に向けて板バネ部84よりも突出して位置することになる。この連結部85は、その形状に起因して板バネ部84よりも弾性変形が生じ難い部分となる。
そのため、本実施の形態におけるガス発生器1Bにおいては、その組付けに際して上部側シェル20を下部側シェル10側に向けて押圧する際に、押さえ部材80Fの連結部85を確実に複数の粒状成形体からなるガス発生剤群に向けて侵入させることが可能になる。したがって、当該構成を採用することにより、組付け時におけるガス発生剤61の移動をより促進させることができる。
このように、本実施の形態におけるガス発生器1Bとすることにより、上述した実施の形態1において説明した効果が得られるばかりでなく、組付け時においてさらにより確実に複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の移動を促すことができ、組付作業が容易化する効果が得られる。なお、本実施の形態におけるガス発生器1Bとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、ガス発生剤61が板バネ部84によって適切な弾性付勢力をもって付勢される限りにおいては、ガス発生剤61の装填量を増減させることができる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3におけるガス発生器の概略図であり、図13は、図12に示すガス発生器の要部拡大断面図である。まず、これら図12および図13を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Cの構成について説明する。
図12および図13に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Cは、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aと比較した場合に、図1および図3において示した押さえ部材80Aとは異なる構造の押さえ部材80Gを具備している点において相違している。
具体的には、押さえ部材80Gは、金属製の板状部材に曲げ加工が施されることにより、フィルタ90の内周面に当接する第1当接部81と、天板部21の略中央部に当接する第2当接部82と、これら第1当接部81および第2当接部82を接続する接続部83とを有しており、このうちの接続部83は、第1当接部81の天板部21側の軸方向端部と第2当接部82の周縁部とを接続する環状板形状を有しており、第1当接部81と第2当接部82との間に位置している。
接続部83は、ガス発生剤61に接触する板バネ部84を含んでいる。板バネ部84は、天板部21から距離をもって位置しており、第2当接部82の周縁部から第1当接部81の天板部21側の軸方向端部に向かうにつれて天板部21との間の距離が漸増するように設けられている。これにより、板バネ部84は、全体として天板部21側に向けて凸の略ドーム状の湾曲板形状を有している。なお、本実施の形態においては、第1当接部81の天板部21側の軸方向端部と第2当接部82の周縁部とを接続する接続部83の全体が、板バネ部84によって構成されている。
第2当接部82および板バネ部84によって規定される空間である押さえ部材80Gの収容空間89には、複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の一部が収容されている。これにより、燃焼室60に装填されたガス発生剤61の天板部21側の薬剤面は、第2当接部82および板バネ部84に沿った山なりの形状を有しており、当該薬剤面の底板部11からの高さは、燃焼室60の外周部において低く、燃焼室60の中央部において高くなっている。
ここで、板バネ部84が有する上記略ドーム状の湾曲板形状は、押さえ部材80Gがフィルタ90に内挿されるとともに、当該押さえ部材80Gが天板部21によって底板部11側に向けて押し込まれることで実現されるものである。
すなわち、図13に示すように、天板部21に第2当接部82が当接することにより、天板部21から第2当接部82に加えられた力Aの一部は、接続部83である板バネ部84を介して第1当接部81に伝達され、当該第1当接部81をフィルタ90の内周面に向けて弾性付勢する付勢力B1となる。一方で、天板部21から第2当接部82に加えられた力Aの残る一部は、第1当接部81がフィルタ90に当接することでその行き場を失い、接続部83である板バネ部84を天板部21側に向けて弾性変形させる力となる。これにより、板バネ部84が上記の如くの湾曲した形状に弾性変形することになり、その復元力がガス発生剤61を底板部11側および燃焼室60の中央部側に向けて弾性付勢する付勢力B2として作用することになる。
そのため、押さえ部材80Gは、その第1当接部81がフィルタ90の内周面に所定の付勢力B1をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになるとともに、その板バネ部84がガス発生剤61に所定の付勢力B2をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになる。したがって、燃焼室60に装填された複数の粒状成形体からなるガス発生剤61は、押さえ部材80Gによって主として底板部11側に向けて弾性付勢された状態で保持されることになり、非作動時におけるガス発生剤61の破砕が未然に防止できることになる。
図14は、図12に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図14を参照して、非組付状態における押さえ部材80Gの構造について説明する。
上述したように、本実施の形態においては、押さえ部材80Gとして金属製の板状部材に曲げ加工を施すことで形成された成形品を用いている。これにより、押さえ部材80Gは、適度な弾性を有することになり、上述した付勢力B1,B2の大きさは、当該押さえ部材80Gの非組付状態における形状や、当該押さえ部材80Gの非組付状態における寸法と当該押さえ部材80Gが内挿されるフィルタ90の寸法との相対的な関係等によって主として決まることになる。
図14に示すように、押さえ部材80Gは、非組付状態において、その第1当接部81が円筒状の形状を有しており、その第2当接部が円板状の形状を有しており、その接続部83である板バネ部84が、第1当接部81の軸方向端部から第2当接部82側に向けて凸の中空円錐台状の湾曲板形状を有している。
ここで、第2当接部82は、押さえ部材80Gの軸方向に沿って、接続部83である板バネ部84が接続された方の第1当接部81の軸方向端部よりもさらに外側に位置するように突出して設けられており、板バネ部84も当該第1当接部81から突出して位置している。なお、第1当接部81の外径は、フィルタ90の内径と同じかそれよりも僅かに小さい大きさとされる。
これにより、押さえ部材80Gのフィルタ90への組付けの際に、第1当接部81の外周面がフィルタ90の内周面に確実に当接するとともに、第2当接部82が天板部21によって押し込まれることで当該第2当接部82に加えられる力Aが十分に第1当接部81と板バネ部84とに印加されることになり、上述した付勢力B1,B2が適度に得られることになる。
したがって、図14に示す如くの非組付状態における構造を有する押さえ部材80Gを用いることにより、図12および図13において示した押さえ部材80Gの組付構造を実現することができる。
以上において説明したように、本実施の形態におけるガス発生器1Cとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤61の破砕とが確実に防止でき、さらには従来に比してより安価にかつ容易に製造することができるガス発生器とすることができる。なお、本実施の形態におけるガス発生器1Cとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、ガス発生剤61が板バネ部84によって適切な弾性付勢力をもって付勢される限りにおいては、ガス発生剤61の装填量を増減させることができる。
(第5変形例)
図15は、上述した本実施の形態に基づいた第5変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図15を参照して、本第5変形例に係る押さえ部材80Hについて説明する。
図15に示すように、本第5変形例に係る押さえ部材80Hは、第1当接部81の構成において上述した本実施の形態における押さえ部材80Gと同様の構成を有しており、接続部83が中空円錐状の湾曲板形状を有している点、および、第2当接部82が円板状に構成されることなく中空円錐状の湾曲板形状を有する接続部83の頂点にて構成されている点において上述した本実施の形態における押さえ部材80Gと異なる構成を有している。
このような構造の押さえ部材80Hを上述した本実施の形態における押さえ部材80Gに代えてガス発生器1Cに組付けることとした場合にも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
(第6変形例)
図16は、上述した本実施の形態に基づいた第6変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図16を参照して、本第6変形例に係る押さえ部材80Iについて説明する。
図16に示すように、本第6変形例に係る押さえ部材80Iは、第1当接部81の構成において上述した本実施の形態における押さえ部材80Gと同様の構成を有しており、接続部83がドーム状の湾曲板形状を有している点、および、第2当接部82が円板状に構成されることなくドーム状の湾曲板形状を有する接続部83の頂点にて構成されている点において上述した本実施の形態における押さえ部材80Gと異なる構成を有している。
このような構造の押さえ部材80Iを上述した本実施の形態における押さえ部材80Gに代えてガス発生器1Cに組付けることとした場合にも、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図17は、本発明の実施の形態4におけるガス発生器の概略図であり、図18は、図17に示すガス発生器の要部拡大断面図である。まず、これら図17および図18を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Dの構成について説明する。
図17および図18に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Dは、上述した実施の形態3におけるガス発生器1Cと比較した場合に、図12および図14において示した押さえ部材80Gとは異なる構造の押さえ部材80Jを具備している点において相違している。
具体的には、押さえ部材80Jにあっては、第1当接部81および第2当接部82を接続する接続部83が、第2当接部82の周縁部から外側に向けて延びる板バネ部84と、当該板バネ部84の外周縁と第1当接部81の天板部21側の軸方向端部とを連結する連結部85とを含んでいる。
板バネ部84は、天板部21から距離をもって位置しており、第2当接部82の周縁部から連結部85に向かうにつれて天板部21との間の距離が漸増するように設けられている。これにより、板バネ部84は、全体として天板部21側に向けて凸の略ドーム状の湾曲板形状を有している。
一方、連結部85は、第1当接部81の上述した軸方向端部および板バネ部84の上述した外周縁よりも天板部21側に向けて膨出する板バネ形状を有している。より詳細には、連結部85は、当該連結部85の先端に位置するとともに天板部21に当接した先端当接部86と、第1当接部81に連続する部分である外側バネ部87と、板バネ部84に連続する部分である内側バネ部88とを有している。なお、先端当接部86は、外側バネ部87と内側バネ部88とを連結する部位でもある。
ここで、上述したように先端当接部86が天板部21に当接することにより、当該先端当接部86、外側バネ部87および内側バネ部88を含む連結部85は、その全体が底板部11側であってかつ内側(すなわち、ハウジングの径方向における中心側)に向けて押し曲げられた状態とされている。より詳細には、外側バネ部87および内側バネ部88は、先端当接部86が天板部21に当接することで当該先端当接部86が移動することにより、いずれも外力が加えられていない場合に比べて上記内側に向けて傾斜した姿勢をとっている。
このように、本実施の形態におけるガス発生器1Dにおいては、押さえ部材80Jが、その第2当接部82においてのみ天板部21の内面に当接するのではなく、上述した連結部85の先端当接部86にておいても天板部21の内面に当接している。
これにより、図18に示すように、天板部21に先端当接部86が当接することにより、天板部21から連結部85に加えられた力A1の一部は、外側バネ部87を介して第1当接部81に加わることになり、当該第1当接部81に加わった力は、当該第1当接部81をフィルタ90の内周面に向けて弾性付勢する付勢力B1となる。一方、天板部21に先端当接部86が当接することにより、天板部21から連結部85に加えられた力A1の残る一部と、天板部21に第2当接部82が当接することにより、天板部21から第2当接部82に加えられた力A2とは、内側バネ部88と板バネ部84とに加えられることになり、その行き場を失うことで板バネ部84を天板部21側に向けて弾性変形させる力となる。これにより、板バネ部84が上記の如くの湾曲した形状に弾性変形することになり、その復元力がガス発生剤61を底板部11側および燃焼室60の中央部側に向けて弾性付勢する付勢力B2として作用することになる。
そのため、押さえ部材80Jは、その第1当接部81がフィルタ90の内周面に所定の付勢力B1をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになるとともに、その板バネ部84がガス発生剤61に所定の付勢力B2をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになる。したがって、燃焼室60に装填された複数の粒状成形体からなるガス発生剤61は、押さえ部材80Jによって主として底板部11側に向けて弾性付勢された状態で保持されることになり、非作動時におけるガス発生剤61の破砕が未然に防止できることになる。
図19は、図17に示すガス発生器に具備された押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図19を参照して、非組付状態における押さえ部材80Jの構造について説明する。
上述したように、本実施の形態においては、押さえ部材80Jとして金属製の板状部材に曲げ加工を施すことで形成された成形品を用いている。これにより、押さえ部材80Jは、適度な弾性を有することになり、上述した付勢力B1,B2の大きさは、当該押さえ部材80Jの非組付状態における形状や、当該押さえ部材80Jの非組付状態における寸法と当該押さえ部材80Jが内挿されるフィルタ90の寸法との相対的な関係等によって主として決まることになる。
図19に示すように、押さえ部材80Jは、非組付状態において、その第1当接部81が円筒状の形状を有しており、その第2当接部が円板状の形状を有しており、その板バネ部84が、連結部85の端部から第2当接部82側に向けて凸の中空円錐台状の湾曲板形状を有している。
ここで、第1当接部81の外径は、フィルタ90の内径と同じかそれよりも僅かに小さい大きさとされる。これにより、後述する押さえ部材80Jのフィルタ90への組付けの際に、第1当接部81の外周面がフィルタ90の内周面に確実に当接することで連結部85に加えられる力A1が十分に第1当接部81に印加されることになり、上述した付勢力B1が適度に得られることになる。
一方、第1当接部81に連続する部分である連結部85の外側バネ部87は、連結部85と第1当接部81の境界部から遠ざかるにつれて内側に向けて傾斜する傾斜形状を有している。このように構成することにより、連結部85の先端当接部86に軸方向に沿って外力が加えられた場合(すなわち、図19において上方から下方に向けて外力が加えられた場合)に、連結部85が、その内側に向けて倒れ込むように変形するようになる。したがって、上述した付勢力B1,B2を十分に大きなものとすることができる。
また、板バネ部84に連続する部分である連結部85の内側バネ部88は、軸方向に略平行となるようにより起立した直立形状を有している。これにより、当該内側バネ部88は、その形状に起因して板バネ部84よりも弾性変形が生じ難い部分となるため、板バネ部84をガス発生剤61に向けて弾性付勢する付勢力B2をより大きく確保することが可能になる。
したがって、図19に示す如くの非組付状態における構造を有する押さえ部材80Jを用いることにより、図17および図18において示した押さえ部材80Jの組付構造を実現することができる。
なお、連結部85の先端当接部86は、図示するように第2当接部82と同一平面上の位置にまで達するように延設されていることが好ましい。このように構成することにより、後述する押さえ部材80Jの組付けに際して上部側シェル20を下部側シェル10側に向けて押圧する際に、押さえ部材80Jの姿勢が略水平に、より安定的に維持されることになるとともに、押さえ部材80Jの連結部85と板バネ部84との境界部を、より確実に複数の粒状成形体からなるガス発生剤群に向けて侵入させることが可能になり、押さえ部材80Jが傾いた状態で組付けられてしまうことがより確実に防止できるとともに、組付け時におけるガス発生剤61の移動をより促進させることができる。
図20は、図17に示すガス発生器の組立て態様を示す分解斜視図である。次に、この図20を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Dの組立て態様について説明する。
本実施の形態におけるガス発生器1Dは、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aの組立態様に準じた手順を経ることでその組立てが行なわれるものであり、複数の粒状成形体からなるガス発生剤61が下部側シェル10とフィルタ90とによって規定される空間であってかつ支持部材70上に位置する空間に充填されるまでの手順は、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aの組立態様と同じである。
図20に示すように、フィルタ90の上端側に位置する開口部に上方から押さえ部材80Jの一部が内挿されるに際しては、押さえ部材80Jの第1当接部81の少なくとも一部がフィルタ90の内部に収まるように挿入される。その際、押さえ部材80Jの第1当接部81は、フィルタ90に軽圧入されるかあるいは遊嵌されることになる。
次に、図20に示すように、押さえ部材80Jを覆うように上部側シェル20が配置されるとともに、当該上部側シェル20が下部側シェル10側に向けて押圧されることで下部側シェル10に対して組み合わされる。その際、押さえ部材80Jの第2当接部82は、上部側シェル20の天板部21の略中央部に当接することになり、また、押さえ部材80Jの連結部85のうちの先端当接部86にも天板部21が当接することになり、これに伴って押さえ部材80Jの全体が下部側シェル10の底板部11側に向けて移動することになる。
このとき、押さえ部材80Jが底板部11側に向けて移動することにより、複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の薬剤面(図中においては、当該薬剤面を二点鎖線にて示している)のうち、その外周部において、まず押さえ部材80Jの連結部85と板バネ部84との境界部がガス発生剤61に接触することになる(図中矢印C1参照)。これにより、当該押さえ部材80Jに接触した部分のガス発生剤61が押し退けられることになり、ガス発生剤61の一部が燃焼室60の中央部に集まるように移動することになる(図中矢印C2参照)。
また、これとほぼ同時に、押さえ部材80Jの連結部85は、当該連結部85が天板部21とガス発生剤61とによって挟み込まれることに伴って、その全体が底板部11側であってかつ内側に向けて押し曲げられた状態となり、図中に示す矢印D方向に向けて倒れ込むように変形することになる。
その後、順次、押さえ部材80Jの板バネ部84がガス発生剤61に接触することにより、当該押さえ部材80Jに接触した部分のガス発生剤61がさらに押し退けられ、これに伴ってガス発生剤61の一部がさらに燃焼室60の中央部に集まるように移動する。その結果、上記薬剤面の底板部11からの高さが、燃焼室60の外周部において低くなるとともに、燃焼室60の中央部において高くなる。
これにより、当初において略水平であった薬剤面は、押さえ部材80Jの一部が複数の粒状成形体からなるガス発生剤61の一部を押し退けて侵入することにより、上部側シェル20が下部側シェル10に組み合わされた時点において、第2当接部82および板バネ部84に沿った山なりの形状を有することになる。また、これと同時に、押さえ部材80Jが天板部21とガス発生剤61とによって挟み込まれて圧縮された状態となることに伴い、第1当接部81がフィルタ90の内周面に所定の付勢力B1をもって弾性付勢された状態で接触配置されるとともに、接続部83である板バネ部84がガス発生剤61に所定の付勢力B2をもって弾性付勢された状態で接触配置されることになる。
さらに、その後、上部側シェル20が下部側シェル10に組み合わされた状態を維持しつつ、上部側シェル20が下部側シェル10に接合されることにより、ガス発生器1Dの製造が完了する。
このように、本実施の形態におけるガス発生器1Dにあっても、押さえ部材80Jをフィルタ90の天板部21側の部分に内挿してその後に上部側シェル20を下部側シェル10に組付けるという簡便な作業にて、上述した如くの押さえ部材80Jの組付構造を実現することができる。
以上において説明したように、本実施の形態におけるガス発生器1Dとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤61の破砕とが確実に防止でき、さらには従来に比してより安価にかつ容易に製造することができるガス発生器とすることができる。なお、本実施の形態におけるガス発生器1Dとした場合にも、上述した実施の形態1におけるガス発生器1Aとした場合と同様に、ガス発生剤61が板バネ部84によって適切な弾性付勢力をもって付勢される限りにおいては、ガス発生剤61の装填量を増減させることができる。
(第7変形例)
図21は、上述した本実施の形態に基づいた第7変形例に係る押さえ部材の非組付状態における一部破断側面図である。次に、この図21を参照して、本第7変形例に係る押さえ部材80Kについて説明する。
図21に示すように、本第7変形例に係る押さえ部材80Kは、第1当接部81、第2当接部82および板バネ部84の構成において上述した本実施の形態における押さえ部材80Jと同様の構成を有しており、連結部85が板バネ形状を有していない点においてのみ上述した本実施の形態における押さえ部材80Jと異なる構成を有している。
すなわち、連結部85は、第1当接部81の軸方向端部から折り返されるように形成されており、第1当接部81に接続された方の端部とは反対側に位置する端部が、板バネ部84の外周縁に接続されている。これにより、連結部85は、略筒状の環状形状を有している。この連結部85は、その形状に起因して板バネ部84よりも弾性変形が生じ難い部分となる。
このような構造の押さえ部材80Kを上述した本実施の形態における押さえ部材80Jに代えてガス発生器1Dに組付けることとした場合にも、少なくとも上述した実施の形態1において説明した効果と同様の効果は得られることになる。さらには、押さえ部材80Kの組付けに際して上部側シェル20を下部側シェル10側に向けて押圧する際に、押さえ部材80Kの連結部85と板バネ部84との境界部を、より確実に複数の粒状成形体からなるガス発生剤群に向けて侵入させることが可能になり、組付け時におけるガス発生剤61の移動をより促進させることが可能となって組付作業が容易化する効果も得られる。
(実施の形態5)
図22は、本発明の実施の形態5におけるガス発生器の概略図である。以下、この図22を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Eについて説明する。
図22に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Eは、上述した実施の形態2におけるガス発生器1Bと比較した場合に、図10および図11において示した押さえ部材80Fと近似の構造ではあるものの、細部において構造の異なる押さえ部材80Lを具備している点において相違している。
具体的には、押さえ部材80Lは、上記押さえ部材80Fと同様に、第1当接部81および第2当接部82を接続する接続部83が板バネ部84に加えて連結部85を有しているものの、連結部85が第1当接部81の底板部11側の軸方向端部から折り返されることなく、第1当接部81の底板部11側の軸方向端部と板バネ部84の外周縁とを接続するように円環板状に形成されている。また、当該連結部85は、カップ状部材50の側壁部52を取り巻く部分に配置されたガス発生剤61の大部分を覆うように、その径方向の長さが比較的長く構成されており、これにより押さえ部材80Lの板バネ部84は、上記押さえ部材80Fの板バネ部84よりもさらに急峻に傾斜するように構成されている。
このように構成された本実施の形態におけるガス発生器1Eとした場合にも、上述した実施の形態2の場合と同様に、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤61の破砕とが確実に防止できるガス発生器とすることができる。さらには、上述した実施の形態2の場合と比較して、板バネ部84がより急峻に傾斜している分だけ、作動時における火力の伝播方向を当該板バネ部84によってよりスムーズにカップ状部材50の側壁部52を取り巻く部分の燃焼室60側へと変更することが可能になり、結果として遅滞なくガスを外部に向けて噴出可能にする効果とガス出力を十分に高める効果とをより一層高めることができる。
(実施の形態6)
図23は、本発明の実施の形態6におけるガス発生器の概略図である。以下、この図23を参照して、本実施の形態におけるガス発生器1Fについて説明する。
図23に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Fは、上述した実施の形態5におけるガス発生器1Eと比較した場合に、図22において示した押さえ部材80Lと第1当接部81、第2当接部82および板バネ部84の形状は同じであるものの、連結部85の形状において異なる押さえ部材80Mを具備している点において相違している。また、本実施の形態におけるガス発生器1Fは、上述した実施の形態5におけるガス発生器1Eと比較した場合に、さらにクッション材95を備えている点においても相違している。
具体的には、押さえ部材80Mは、上記押さえ部材80Lと同様に、第1当接部81および第2当接部82を接続する接続部83が板バネ部84に加えて連結部85を有しているものの、連結部85が第1当接部81の天板部21側の軸方向端部と板バネ部84の外周縁とを接続するように断面視略L字状の円環状に形成されている。ここで、連結部85のハウジングの軸方向と交差する上端面は、第2当接部82の上端面と同様に天板部21の内面に当接している。
また、第1当接部81と連結部85とによって規定される円環状の空間には、燃焼室60に収容されたガス発生剤61に接触するように環状形状のクッション材95が配置されている。これにより、クッション材95は、燃焼室60の天板部21側の部分において天板部21とガス発生剤61との間に位置することになり、ガス発生剤61を底板部11側に向けて押圧している。このクッション材95は、板バネ部84と同様に、成形体からなるガス発生剤61が振動等によって粉砕されてしまうことを防止する目的で設けられるものであり、好適にはセラミックスファイバの成形体やロックウール、発泡樹脂(たとえば発泡シリコーン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン等)、クロロプレンおよびEPDMに代表されるゴムあるいはその発泡体等からなる部材にて構成される。
このように構成された本実施の形態におけるガス発生器1Fとした場合には、クッション材95が完全には廃止できない点において部品コストは増大するものの、クッション材95の使用量を従来に比して減らすことができ、結果として上述した実施の形態5の場合と同様に、作動時におけるガスの漏れ出しと非作動時におけるガス発生剤61の破砕とが確実に防止できるガス発生器とすることができる。さらには、上述した実施の形態5の場合と同様に、板バネ部84がより急峻に傾斜している分だけ、作動時における火力の伝播方向を当該板バネ部84によってよりスムーズにカップ状部材50の側壁部52を取り巻く部分の燃焼室60側へと変更することが可能になり、結果として遅滞なくガスを外部に向けて噴出可能にする効果とガス出力を十分に高める効果とを十分に高めることができる。
以上において示した本発明の実施の形態1ないし6およびその変形例においては、本発明をいわゆるディスク型ガス発生器に適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。
また、上述した本発明の実施の形態1ないし6およびその変形例において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨に照らして許容される範囲で当然に相互に組み合わせることが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A,1A’,1B〜1F ガス発生器、10 下部側シェル、11 底板部、12 周壁部、13 突状筒部、14 窪み部、15 開口部、20 上部側シェル、21 天板部、22 周壁部、23 ガス噴出口、24 シールテープ、30 保持部、31 内側被覆部、32 外側被覆部、33 連結被覆部、34 雌型コネクタ部、40 点火器、41 点火部、42 端子ピン、50 カップ状部材、51 頂壁部、52 側壁部、53 延設部、54 先端部、55 伝火室、56 伝火薬、60 燃焼室、61 ガス発生剤、70 支持部材、71 底部、72 立壁部、73 延設部、80A〜80M 押さえ部材、81 第1当接部、81a 円筒部、81b 拡径筒部、82 第2当接部、83 接続部、84 板バネ部、85 連結部、86 先端当接部、87 外側バネ部、88 内側バネ部、89 収容空間、90 フィルタ、95 クッション材、S 間隙部。

Claims (15)

  1. ガス噴出口が設けられた筒状の周壁部と、前記周壁部の軸方向に位置する一対の端部を閉塞する天板部および底板部とを含むハウジングと、
    外周面が前記周壁部の内周面に対向するように前記ハウジングの内部に配置された筒状のフィルタと、
    前記フィルタの内側の空間に装填された複数の粒状成形体からなるガス発生剤と、
    前記底板部に組付けられ、前記ガス発生剤を燃焼させるための点火器と、
    前記天板部と前記ガス発生剤との間に位置するように前記フィルタの内側の空間のうちの前記天板部側の部分に内挿された金属製の押さえ部材とを備え、
    前記押さえ部材は、前記フィルタの内周面に当接する筒板状の第1当接部と、前記天板部の内面の略中央部に当接する第2当接部と、前記第1当接部の一方の軸方向端部と前記第2当接部の周縁部とを接続する環状板形状の接続部とを有し、
    前記接続部は、前記天板部から距離をもって位置しかつ前記第2当接部の前記周縁部から前記第1当接部の前記一方の軸方向端部に向かうにつれて前記天板部との間の距離が漸増する板バネ部を含み、
    前記第2当接部と前記板バネ部とによって規定される収容空間には、前記ガス発生剤の一部が収容され、
    前記天板部が前記第2当接部に当接することにより、前記板バネ部が前記ガス発生剤に対して弾性付勢されて接触しているとともに、前記第1当接部が前記フィルタの前記内周面に対して弾性付勢されて接触している、ガス発生器。
  2. 前記第1当接部の前記一方の軸方向端部が、前記第1当接部の前記底板部側に位置する軸方向端部である、請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記第1当接部の、前記一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部が、前記天板部に非接触である、請求項2に記載のガス発生器。
  4. 前記第1当接部の、前記一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部が、前記天板部に当接している、請求項2に記載のガス発生器。
  5. 非組付状態において、前記第1当接部の前記他方の軸方向端部が、前記第2当接部と同一平面上に位置している、請求項4に記載のガス発生器。
  6. 非組付状態において、前記第1当接部の前記一方の軸方向端部寄りの部分が、径が一様な円筒状の形状を有しているとともに、前記第1当接部の、前記一方の軸方向端部とは反対側に位置する他方の軸方向端部寄りの部分が、先端側に向かうにつれて拡径した筒状の形状を有している、請求項2から5のいずれかに記載のガス発生器。
  7. 前記接続部の全体が、前記板バネ部によって構成されている、請求項2から6のいずれかに記載のガス発生器。
  8. 前記接続部が、前記板バネ部の外周縁と前記第1当接部の前記一方の軸方向端部とを連結する環状形状の連結部をさらに含み、
    前記連結部が、前記第1当接部の前記一方の軸方向端部から折り返されるように形成されている、請求項2から6のいずれかに記載のガス発生器。
  9. 前記第1当接部の前記一方の軸方向端部が、前記第1当接部の前記天板部側に位置する軸方向端部である、請求項1に記載のガス発生器。
  10. 前記接続部の全体が、前記板バネ部によって構成されている、請求項9に記載のガス発生器。
  11. 前記接続部が、前記板バネ部の外周縁と前記第1当接部の前記一方の軸方向端部とを連結する環状形状の連結部をさらに含み、
    前記連結部が、前記第1当接部の前記一方の軸方向端部から折り返されるように形成されている、請求項9に記載のガス発生器。
  12. 前記連結部が、前記第1当接部の前記一方の軸方向端部および前記板バネ部の前記周縁部のいずれよりも前記天板部側に向けて膨出する板バネ形状を有し、
    前記天板部が前記連結部に当接することにより、前記連結部が、前記底板部側であってかつ内側に向けて押し曲げられている、請求項11に記載のガス発生器。
  13. 前記連結部のうちの前記第1当接部に連続する部分が、非組付状態において、前記連結部と前記第1当接部との境界部から遠ざかるにつれて内側に向けて傾斜する傾斜形状を有している、請求項12に記載のガス発生器。
  14. 非組付状態において、前記連結部の先端部が、前記第2当接部と同一平面上に位置している、請求項11から13のいずれかに記載のガス発生器。
  15. 前記押さえ部材が、金属製の板状部材に曲げ加工を施すことで成形された成形品からなる、請求項1から14のいずれかに記載のガス発生器。
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