JP2010173560A - ガス発生器 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間にわたってシール性が確実に確保可能でかつ点火器の下部側シェルに対する組付け強度にも不足の生じないガス発生器を提供する。
【解決手段】ガス発生器1Aは、両端が閉塞された短尺筒状のハウジングと、点火器40と、樹脂成形部50とを備える。ハウジングの底板部11を構成する下部側シェルは、一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって成形されたプレス成形品からなり、底板部11から突出して設けられた突状筒部13を有する。突状筒部13には折り曲げ部13aが設けられており、当該折り曲げ部13aの一部によって点火器40の端子ピン42が挿通配置される端子ピン挿通部16が構成されている。樹脂成形部50は、底板部11と点火器40との間の空間に絶縁性の流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることによって形成され、点火器40を下部側シェル10に固定するとともに、端子ピン挿通部16を閉塞している。
【選択図】図1
【解決手段】ガス発生器1Aは、両端が閉塞された短尺筒状のハウジングと、点火器40と、樹脂成形部50とを備える。ハウジングの底板部11を構成する下部側シェルは、一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって成形されたプレス成形品からなり、底板部11から突出して設けられた突状筒部13を有する。突状筒部13には折り曲げ部13aが設けられており、当該折り曲げ部13aの一部によって点火器40の端子ピン42が挿通配置される端子ピン挿通部16が構成されている。樹脂成形部50は、底板部11と点火器40との間の空間に絶縁性の流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることによって形成され、点火器40を下部側シェル10に固定するとともに、端子ピン挿通部16を閉塞している。
【選択図】図1
Description
本発明は、乗員保護装置に組み込まれるガス発生器に関し、より特定的には、自動車のステアリングホイール等に搭載されるエアバッグ装置に組み込まれるいわゆるディスク型のガス発生器に関する。
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張・展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニット(作動器)からの通電によって点火器(スクイブ)を発火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量の燃焼ガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張・展開させる機器である。なお、エアバッグ装置は、たとえば自動車のステアリングホイールやインストゥルメントパネル等に装備される。
ガス発生器には、種々の構造のものが存在するが、特にステアリングホイール等に装備される運転席側エアバッグ装置に好適に利用されるガス発生器として、いわゆるディスク型のガス発生器がある。一般に、ディスク型ガス発生器は、軸方向の両端が閉塞された短尺円筒状のハウジングを有し、ハウジングの周壁にガス噴出口が設けられるとともにハウジングの内部にガス発生剤や点火器等が収容されてなるものである。
ディスク型ガス発生器のハウジングは、下部側シェルと呼ばれる有底筒状の金属部材と、上部側シェルと呼ばれる有底筒状の金属部材とを組み合わせて構成されることが一般的である。このうち、下部側シェルは、ハウジングの底板部を少なくとも構成し、この底板部に点火器が組付け固定される。
従来より、上部側シェルについては、その形状が比較的簡素であったため、その製作にあたっては一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって行なわれることが一般的であった。これに対し、下部側シェルについては、点火器が組み付けられる部分の形状が複雑であったため、金属製のブロックを切削加工することによって製作されることが一般的であった。しかしながら、このような切削加工による下部側シェルの製作は、製造コストを大きく圧迫する要因となっていたため、その改善が求められていた。
そこで、下部側シェルの構成を簡素化し、これを一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって製作し、当該プレス加工によって製作された下部側シェルに点火器を樹脂成形部によって固定する試みがなされている。このような構成が開示された文献としては、たとえば特許文献1(特開平4−266548号公報)や特許文献2(特表2005−528276号公報)、特許文献3(特表2007−521181号公報)等が挙げられる。
上記特許文献1ないし3に開示のガス発生器においては、一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって形成した下部側シェルに、樹脂材料を原料とした射出成形(より特定的にはインサート成形)によって点火器を組み付ける構成が採用されている。より具体的には、下部側シェルに設けられた開口部に配置された点火器と下部側シェルとの間の空間に絶縁性の流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることにより樹脂成形部を形成し、当該樹脂成形部がこれら点火器の表面と下部側シェルの表面とにそれぞれ固着するようにすることにより、点火器が下部側シェルに対して固定されている。
ところで、射出成形によって形成された樹脂成形部によって点火器を下部側シェルに対して固定する場合には、樹脂成形部と点火器との間の界面および樹脂成形部と下部側シェルとの間の界面において、それぞれ長期的にシール性を確保することが必要である。これは、ハウジングの内部に収容されるガス発生剤が吸湿することを防止するためであり、仮に当該界面におけるシール性が不十分であった場合には、当該部分を介してハウジングの内部に水分を含む外気が侵入してガス発生剤が吸湿することとなってしまう。このような吸湿が生じた場合には、ガス発生器の作動時において所望のガス出力が得られない不具合が生じるおそれがあり、ガス発生器の信頼性を大幅に損なうことになりかねない。
上記シール性を確保するためには、下部側シェルの軸方向における樹脂成形部と点火器との固着しろおよび樹脂成形部と下部側シェルとの固着しろを長く確保することが考えられる。しかしながら、そのように構成した場合には、これら部材間の線膨張係数の差に起因して射出成形時およびその後の使用環境下における温度変化に基づいて当該界面に剥離が生じてしまうという問題が生じ得る。このような剥離が生じた場合には、逆に当該部分におけるシール性の著しい低下が招来され、ガス発生器の信頼性に悪影響を与えることになってしまう。
一方、上述した剥離の問題が生じないように、下部側シェルの軸方向における樹脂成形部と点火器との固着しろおよび樹脂成形部と下部側シェルとの固着しろを短くした場合には、樹脂成形部の点火器および下部側シェルに対する密着面積が減少し、シール性が十分に確保されない問題が起こり得る。この場合にもガス発生器の信頼性は大幅に低下することとなってしまう。
このように、射出成形によって形成された樹脂成形部によって点火器を下部側シェルに対して固定する構造を採用したガス発生器にあっては、樹脂成形部と点火器との間の界面および樹脂成形部と下部側シェルとの間の界面のそれぞれにおいて、長期的に確実にシール性を確保することが非常に困難であるという問題があった。
また、上記特許文献1ないし3に開示のガス発生器の如くの構成を採用した場合には、点火器の下部側シェルに対する組付け強度不足が生じることも懸念される。具体的には、樹脂成形部の下部側シェルに対する固着しろが十分とは言えないため、当該部分における組付け強度不足が発生し、点火器の作動時に樹脂成形部が下部側シェルから脱落してしまうおそれもある。
したがって、本発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであり、射出成形によって形成された樹脂成形部によって点火器を下部側シェルに対して固定する構造を採用した場合にも、長期間にわたってシール性が確実に確保可能で、かつ点火器の下部側シェルに対する組付け強度にも不足の生じないガス発生器を提供することを目的とする。
本発明に基づくガス発生器は、ハウジングと、点火器と、フィルタと、樹脂成形部とを備えている。上記ハウジングは、軸方向の両端を閉塞する天板部および底板部と、ガス噴出口が設けられた周壁部とによって構成され、ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に含む短尺筒状の部材からなる。上記点火器は、上記ガス発生剤を燃焼させるための点火薬が収容された点火部と、上記点火薬を着火させるために上記点火部に接続された端子ピンとを含んでいる。上記フィルタは、上記ハウジングの内部に配設され、上記燃焼室を上記ハウジングの径方向に取り囲む中空筒状の部材からなる。上記樹脂成形部は、上記底板部と上記点火器との間の空間に絶縁性の流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることによって形成され、上記底板部の表面の少なくとも一部および上記点火部の表面の少なくとも一部に固着することにより上記点火器を上記底板部に固定している。上記ハウジングは、上記底板部を含む下部側シェルと、上記天板部を含む上部側シェルとを少なくとも含んでおり、上記下部側シェルは、一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって成形されたプレス成形品からなる。上記下部側シェルは、上記底板部を構成する部分に設けられ、上記天板部側に向かって突出する突状筒部と、上記突状筒部の上記天板部側の端部に設けられた開口部とを少なくとも有している。上記点火器は、上記点火部が上記燃焼室に面しかつ上記端子ピンが上記突状筒部内に位置するように配置されている。上記突状筒部は、上記点火部の側面の少なくとも一部を囲うように位置する囲い部と、上記点火部の最大外形部分における上記点火器の大きさよりもその大きさの小さい端子ピン挿通部とを有している。上記端子ピン挿通部は、上記突状筒部の一部を上記プレス加工時に折り曲げることで形成された折り曲げ部の一部によって構成されている。上記樹脂成形部は、上記端子ピン挿通部を少なくとも閉塞している。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記折り曲げ部が、上記突状筒部の上記天板部側の端部を軸方向に沿って折り返すことで形成されていることが好ましい。その場合には、上記端子ピン挿通部が、上記折り曲げ部の上記折り返された部分の先端またはその先端寄りの部分にて構成されていることが望ましい。
上記本発明に基づくガス発生器は、上記点火薬の着火に伴って生じる上記点火薬の燃焼を上記ガス発生剤に伝達するための伝火薬をさらに備えていてもよい。その場合には、上記伝火薬が収容される伝火室を内部に含む有底筒状のカップ部材の開口端が、上記突状筒部に外挿されていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記折り曲げ部が、上記突状筒部の軸方向の途中位置を内側に向けて折り曲げることで形成されていることが好ましい。その場合には、上記端子ピン挿通部が、上記折り曲げ部の最も縮径した部分にて構成されていることが望ましい。
上記本発明に基づくガス発生器は、上記点火薬の着火に伴って生じる上記点火薬の燃焼を上記ガス発生剤に伝達するための伝火薬をさらに備えていてもよい。その場合には、上記伝火薬が収容される伝火室を内部に含む有底筒状のカップ部材の開口端が、上記突状筒部に外挿されるとともに、上記突状筒部に上記折り曲げ部が形成されることによって生じることとなる上記突状筒部の環状凹部にかしめられていることが好ましい。
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、上記樹脂成形部が、雄型コネクタを受け入れ可能な雌型コネクタ部を有していてもよい。その場合には、上記雌型コネクタ部が、上記突状筒部内に位置していることが好ましい。
本発明によれば、射出成形によって形成された樹脂成形部によって点火器を下部側シェルに対して固定する構造を採用した場合にも、長期間にわたってシール性が確実に確保可能で、かつ点火器の下部側シェルに対する組付け強度にも不足の生じないガス発生器とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、自動車のステアリングホイール等に搭載されるエアバッグ装置に組み込まれるディスク型ガス発生器に本発明を適用したものである。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態におけるガス発生器の模式断面図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態におけるガス発生器の構造について説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるガス発生器の模式断面図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態におけるガス発生器の構造について説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Aは、軸方向の両端が閉塞された短尺円筒状のハウジングを有しており、このハウジングの内部に各種の構成部品が収容されている。短尺円筒状のハウジングは、下部側シェル10と上部側シェル20とを含んでいる。下部側シェル10および上部側シェル20は、いずれも一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって形成されたプレス成形品からなる。
下部側シェル10および上部側シェル20は、それぞれが有底筒状に形成されており、これらを組み合わせて接合することによってハウジングの外殻部分が構成されている。下部側シェル10は、底板部11と周壁部12とを有しており、上部側シェル20は、天板部21と周壁部22とを有している。なお、下部側シェル10と上部側シェル20との接合には、電子ビーム溶接やレーザー溶接、摩擦圧接等が好適に利用される。
上部側シェル20は、上述したように一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって製作されている。具体的には、上部側シェル20は、上型および下型からなる一対の金型を用いて一枚の金属製の板状部材を上下方向からプレスすることにより、図示する如くの形状に成形されることで製作される。ここで、金属製の板状部材としては、ステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金板、ステンレス合金等の金属製の部材が利用可能である。
下部側シェル10は、上述したように一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって製作されている。具体的には、下部側シェル10は、上型および下型からなる一対の金型を用いて一枚の金属製の板状部材を上下方向からプレスすることにより、図示する如くの形状に成形されることで製作される。ここで、金属製の板状部材としては、たとえばプレス前の板厚が概ね1.5mm以上3.0mm以下のステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金板、ステンレス合金等の金属製の部材が利用され、好適には440MPa以上780MPa以下の引っ張り力が印加された場合にも破断等の破損が生じないいわゆる高張力鋼板が好適に利用される。なお、プレス後の板厚としては、その最も薄肉の部分の厚みが概ね1.0mm以上とされることが好ましい。なお、プレス加工としては、熱間鍛造で行なわれてもよいし冷間鍛造で行なわれてもよいが、寸法精度の向上の観点から、より好適には冷間鍛造で行われる。
下部側シェル10の底板部11の略中央部には、天板部21側に向かって突出する突状筒部13が設けられている。この突状筒部13は、少なくとも後述する点火器40の点火部41の側面の下方端寄りの部分を囲うように配置された囲い部14と、天板部21側の端部に設けられた開口部15と、後述する点火器40の端子ピン42が挿通配置される端子ピン挿通部16とを有している。
突状筒部13は、後述する点火器40を挿入保持するための部位であり、上述したプレス加工時に形成される。その際、突状筒部13には、当該突状筒部13となる部分の金属製の板状部材を折り曲げることで折り曲げ部13aが形成されており、この折り曲げ部13aの一部によって上述した開口部15と端子ピン挿通部16とがそれぞれ別々に構成されることになる。
本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、突状筒部13の天板部21側の端部を当該突状筒部13の軸方向に沿って折り返すことによって上記折り曲げ部13aが形成されており、当該折り曲げ部13aの天板部21側に位置することとなる端部によって上述した開口部15が、また当該折り曲げ部13aの先端によって端子ピン挿通部16がそれぞれ構成されている。ここで、折り曲げ部13aにおいては、その表面同士が接触することとなるように金属製の板状部材が折り返されていてもよいし、その表面同士が接触することなく僅かな隙間をもって対向配置されるように折り返されていてもよい。また、上記折り曲げ部13aのうちの端子ピン挿通部16を構成する先端寄りの部分は、突状筒部13の内側において徐々に縮径するように湾曲形状とされていることが好ましい。
点火器40は、火炎を発生させるための点火装置であり、点火部41と端子ピン42とを含んでいる。点火部41は、その内部に、作動時において着火する点火薬と、この点火薬を燃焼させるための抵抗体とを含んでいる。端子ピン42は、点火薬を着火させるために点火部41に接続されている。より詳細には、点火部41は、一対の端子ピン42を挿通保持する基部と、基部上に取付けられたスクイブカップとを備えており、スクイブカップ内に挿入された端子ピン42の先端を連結するように抵抗体(ブリッジワイヤ)が取付けられ、この抵抗体を取り囲むようにまたはこの抵抗体に接するようにスクイブカップ内に点火薬が充填されている。抵抗体としては一般にニクロム線等が利用され、点火薬としては一般にZPP(ジルコニウム・過塩素酸カリウム)、ZWPP(ジルコニウム・タングステン・過塩素酸カリウム)、鉛トリシネート等が利用される。スクイブカップは、一般に金属製またはプラスチック製である。
衝突を検知した際には、端子ピン42を介して抵抗体に所定量の電流が流れる。抵抗体に所定量の電流が流れることにより、抵抗体においてジュール熱が発生し、点火薬が燃焼を開始する。燃焼により生じた高温の火炎は、点火薬を収納しているスクイブカップを破裂させる。抵抗体に電流が流れてから点火器40が作動するまでの時間は、抵抗体にニクロム線を利用した場合には一般に3ミリ秒以下である。
点火器40は、突状筒部13に設けられた端子ピン挿通部16に端子ピン42が挿通するように下部側シェル10の内側(すなわち開口部15側)から挿入配置され、この状態において下部側シェル10と点火器40との間の空間を充填するように樹脂成形部50を形成することにより、下部側シェル10の突状筒部13に固定されている。ここで、端子ピン挿通部16の大きさは、点火器40の最大外形部分である点火部41の外形よりも小さく構成されている。このように構成することにより、万が一樹脂成形部50に予期せぬ破損が生じた場合であっても、後述する燃焼室70の内圧の上昇を受けて点火器40が当該端子ピン挿通部16を通過してハウジングの外部に飛び出ることが防止でき、ガス発生器1Aの安全な動作が確保されることになる。
樹脂成形部50は、下部側シェル10の底板部11に設けられた突状筒部13と点火器40との間の空間に絶縁性の流動性樹脂材料を流し込み、これを固化させることによって形成される。すなわち、樹脂成形部50は、射出成形(より特定的にはインサート成形)によって形成されるものである。射出成形によって形成される樹脂成形部50の原料としては、硬化後において耐熱性や耐久性、耐腐食性等に優れた樹脂材料が好適に選択されて利用される。その場合、エポキシ樹脂等に代表される熱硬化性樹脂に限られず、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂(たとえばナイロン6やナイロン66等)、ポリプロピレンスルフィド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂等に代表される熱可塑性樹脂を利用することも可能である。これら熱可塑性樹脂を原材料として選択する場合には、成形後において樹脂成形部50の機械的強度を確保するためにこれら樹脂材料にガラス繊維等をフィラーとして含有させることが好ましい。しかしながら、熱可塑性樹脂のみで十分な機械的強度が確保できる場合には、上述の如くのフィラーを添加する必要はない。
樹脂成形部50は、下部側シェル10の突状筒部13の内周面と、点火器40の点火部41の下方端寄りの側面および下面と、点火器40の端子ピン42の上方端寄りの部分の表面にそれぞれ固着している。これにより、下部側シェル10の突状筒部13に設けられた端子ピン挿通部16は、樹脂成形部50によって完全に閉塞された状態となっている。
突状筒部13内に位置する部分の樹脂成形部50には、雌型コネクタ51が形成されている。この雌型コネクタ51内には、点火器40の端子ピン42の下方端寄りの部分が露出している。雌型コネクタ51は、点火器40とコントロールユニット(不図示)とを結線するためのハーネスの雄型コネクタ(図示せず)を受け入れるための部位であり、当該雌型コネクタ51に雄型コネクタが挿し込まれることでハーネスの芯線と端子ピン42との電気的導通が実現される。
突状筒部13には、点火器40を覆うように有底筒状のカップ部材60が取付けられている。カップ部材60は、頂壁部60aおよび側壁部60bを有しており、その内部に伝火薬64が収容された伝火室63を含んでいる。より詳細には、カップ部材60は、その内部に設けられた伝火室63が点火器40の点火部41に面するように突状筒部13に外挿されて固定されている。
カップ部材60は、頂壁部60aおよび側壁部60bのいずれにも開口を有しておらず、カップ部材60が樹脂成形部50に外挿固定された状態において、その内部に設けられた伝火室63を完全に密閉している。このカップ部材60は、点火器40が作動することによって伝火薬64が着火された場合に伝火室63内の圧力上昇や発生した熱の伝導に伴って破裂または溶融するものであり、その機械的強度は比較的低いものが使用される。そのため、カップ部材60の材質としては、成形性や軽量化の観点からアルミニウムやアルミニウム合金、プラスチック等が好適に利用され、鉄や銅等の金属製を採用する場合にはその厚みを非常に薄くされる。なお、カップ部材としては、このようなものほかにも、側壁部60bに開口を有し、当該開口を閉塞するようにシールテープが貼着されたもの等を利用することが可能である。
伝火室63に充填された伝火薬64は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火され、燃焼することによって熱粒子を発生する。伝火薬64としては、後述するガス発生剤71を確実に燃焼開始させることができるものであることが必要であり、一般的には、B/KNO3等に代表される金属粉/酸化剤からなる組成物などが用いられる。伝火薬64は、粉状のものや、バインダによって所定の形状に成型されたもの等が利用される。バインダによって成型された伝火薬の形状としては、たとえば顆粒状、円柱状、シート状、球状、単孔円筒状、多孔円筒状、タブレット状など種々の形状がある。
下部側シェルおよび上部側シェルからなるハウジングの内部の空間のうち、上述のカップ部材60が配置された部分を取り巻く空間には、ガス発生剤71が収容される燃焼室70が位置している。より具体的には、上述のカップ部材60は、ハウジングの内部に形成された燃焼室70内に突出して配置されており、燃焼室70は、主としてカップ部材60の側壁部60bの外表面に面する部分に設けられている。
ガス発生剤71は、点火器40によって点火された伝火薬64が燃焼することによって生じた熱粒子によって着火され、燃焼することによってガスを発生させるものである。ガス発生剤71は、一般に燃料と酸化剤と添加剤とを含む成型体として形成される。燃料としては、たとえばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体等またはこれらの組み合わせが利用される。具体的には、たとえばニトログアニジンや硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール等が好適に利用される。また、酸化剤としては、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニアから選ばれたカチオンを含む硝酸塩等が利用される。硝酸塩としては、たとえば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等が好適に利用される。また、添加剤としては、バインダやスラグ形成剤、燃焼調整剤等が挙げられる。バインダとしては、たとえばカルボキシメチルセルロースの金属塩、ステアリン酸塩等の有機バインダや、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土等の無機バインダが好適に利用可能である。スラグ形成剤としては窒化珪素、シリカ、酸性白土等が好適に利用可能である。また、燃焼調整剤としては、金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト等が好適に利用可能である。
ガス発生剤71の成型体の形状には、顆粒状、ペレット状、円柱状、ディスク状など様々な形状のものがある。また、成型体内部に孔を有する有孔状(たとえば単孔筒形状や多孔筒形状等)の成型体も利用される。これらの形状は、ガス発生器1Aが組み込まれるエアバッグ装置の仕様に応じて適宜選択されることが好ましく、たとえばガス発生剤71の燃焼時においてガスの生成速度が時間的に変化する形状を選択するなど、仕様に応じた最適な形状を選択することが好ましい。また、ガス発生剤71の形状の他にもガス発生剤71の線燃焼速度、圧力指数などを考慮に入れて成型体のサイズや充填量を適宜選択することが好ましい。
ガス発生剤71が収容された燃焼室70を取り巻く空間には、ハウジングの内周に沿ってフィルタ80が配置されている。フィルタ80は、中空円筒状の形状を有しており、ハウジングと同軸上に配置されている。フィルタ80は、たとえばステンレス鋼や鉄鋼等の金属からなる線材や網材を巻き回したものやプレス加工することによって押し固めたもの等が利用される。具体的には、メリヤス編みの金網や平織りの金網、クリンプ織りの金属線材の集合体等が利用される。フィルタ80は、燃焼室70にて発生した燃焼ガスがこのフィルタ80中を通過する際に、燃焼ガスが有する高温の熱を奪い取ることによって燃焼ガスを冷却する冷却手段として機能するとともに、燃焼ガス中に含まれる残渣(スラグ)等を除去する除去手段としても機能する。
フィルタ80の外周面は、下部側シェル10の周壁部12の内周面および上部側シェル20の周壁部22の内周面と所定の距離もって離間して位置している。フィルタ80に対面する部分の上部側シェル20の周壁部22には、ガス噴出口23が複数設けられている。このガス噴出口23は、フィルタ80を通過した燃焼ガスをハウジングの外部に導出するためのものである。上部側シェル20の周壁部22のフィルタ80側に位置する主面には、上記ガス噴出口23を閉塞するようにシール部材24が貼付されている。このシール部材24としては、片面に粘着部材が塗布されたアルミニウム箔等が利用される。これにより、燃焼室70の気密性が確保されている。
燃焼室70の上部側シェル20の天板部21側の端部には、支持部材73が配置されている。支持部材73は、フィルタ80を支持する部材であるとともに、フィルタ80と上部側シェル20との間の隙間から燃焼ガスが流出することを防止するための部材でもある。支持部材73は、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の板状部材をプレス加工等することによって形成されたものであり、フィルタ80の上端部分の内周面に当接する部位と、上部側シェル20の天板部21に当接する部位とを有する環状の部材からなる。ここで、支持部材73は、適度な弾性を有しており、フィルタ80の内周面および上部側シェル20の天板部21のそれぞれに適度に圧接触している。
支持部材73の内部には、燃焼室70に収容されたガス発生剤71に接触するようにクッション材72が配置されている。このクッション材72は、成型体からなるガス発生剤71が振動等によって粉砕されることを防止する目的で設けられるものであり、好適にはセラミックスファイバの成型体や発泡シリコン等が利用される。
燃焼室70の下部側シェル10の底板部11側の端部には、支持部材74が配置されている。支持部材74は、フィルタ80を支持する部材であるとともに、フィルタ80と下部側シェル10との間の隙間から燃焼ガスが流出することを防止するための部材でもある。支持部材74は、ステンレス鋼や鉄鋼等の金属製の板状部材をプレス加工等することによって形成されたものであり、フィルタ80の下端部分の内周面に当接する部位と、下部側シェル10の底板部11に当接する部位とを有する環状の部材からなる。ここで、支持部材74は、適度な弾性を有しており、フィルタ80の内周面および下部側シェル10の底板部11のそれぞれに適度に圧接触している。
図2および図3は、本実施の形態におけるガス発生器の組付け手順を説明するための模式図である。次に、これら図2および図3を参照して、本実施の形態におけるガス発生器の組付け手順について説明する。
まず、図2に示すように、一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって下部側シェル10を製作する。その際、所定形状の上型および下型からなる金型を用い、上述した底板部11、周壁部12および突状筒部13(折り曲げ部13a、囲い部14、開口部15および端子ピン挿通部16を含む)を形成する。
次に、図3に示すように、下部側シェル10に点火器40を固定する。具体的には、突状筒部13に設けられた端子ピン挿通部16に点火器40の端子ピン42が挿通するように点火器40を突状筒部13に下部側シェル10の内側(すなわち開口部15側)から挿入配置し、この状態において下部側シェル10と点火器40との間の空間を充填するように樹脂成形部50を射出成形によって形成する。
つづいて、支持部材74およびフィルタ80を下部側シェル10の内底面に向けて挿入配置し、さらに内部に伝火薬64が収容されたカップ部材60を突状筒部13に外挿固定する。次いで、フィルタ80の内側にガス発生剤71を充填し、クッション材72が介装された支持部材73をフィルタ80の上端部分に内挿する。その後、ガス噴出口23がシール部材24によって閉塞された上部側シェル20を下部側シェル10に対して被せ、下部側シェル10と上部側シェル20とを溶接する。以上により、図1に示す構成のガス発生器1Aの組立てが完了する。
次に、本実施の形態におけるガス発生器1Aの動作について、図1を参照して説明する。本実施の形態におけるガス発生器1Aが搭載された車両が衝突した場合には、車両に別途設けられた衝突検知手段によって衝突が検知され、これに基づいて点火器40が作動する。伝火室63に収容された伝火薬64は、点火器40が作動することによって生じた火炎によって点火されて燃焼し、多量の熱粒子を発生させる。この伝火薬64の燃焼により、カップ部材60内の圧力が高まるとカップ部材60がその圧力または熱によって破裂または溶融し、上述の熱粒子が燃焼室70に流れ込む。
流れ込んだ熱粒子により、燃焼室70に収容されたガス発生剤71が着火されて燃焼し、多量の燃焼ガスを発生させる。燃焼室70にて発生した燃焼ガスは、フィルタ80の内部を通過し、その際フィルタ80によって熱が奪われて冷却されるとともに燃焼ガス中に含まれるスラグがフィルタ80によって除去されてハウジングの外周縁部に流れ込む。ハウジングの内圧の上昇に伴い、上部側シェル20のガス噴出口23を閉塞していたシール部材24による封止が破られ、ガス噴出口23を介して燃焼ガスがハウジングの外部へと噴出される。噴出されたガスは、ガス発生器1Aに隣接して設けられたエアバッグの内部に導入され、エアバッグを膨張・展開する。
以上において説明した本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、樹脂成形部50を射出成形によって形成するに先立って一枚の金属製の板状部材をプレス加工して下部側シェル10を製作する際に、下部側シェル10の略中央部に形成されることとなる突状筒部13に折り曲げ部13aを同時に設ける構成としている。そのため、樹脂成形部50は、当該突状筒部13に設けられた折り曲げ部13aの少なくとも一部を覆うように形成されることになり、この折り曲げ部13aの表面にも固着することになる。したがって、この折り曲げ部13aを設けた分だけ下部側シェル10と樹脂成形部50との固着しろが適度に長く確保されることになり、当該下部側シェル10と樹脂成形部50との間の界面部分における剥離の発生が防止でき、長期間にわたってシール性を確実に維持できるようになる。
また、上記構成の如く点火器40の点火部41の側方を囲うように突状筒部13に囲い部14を設ける構成とすることにより、点火器40を支持する部分の機械的強度を高めることができるため、点火器40の作動時に樹脂成形部50が下部側シェル10から脱落してしまうおそれもなくなる。
したがって、上述した構成のガス発生器1Aとすることにより、射出成形によって形成された樹脂成形部50によって点火器40を下部側シェル10に対して固定する構造を採用した場合にも、長期間にわたってシール性が確実に確保可能で、かつ点火器40の下部側シェル10に対する組付け強度にも不足の生じないガス発生器とすることができる。
図4および図5は、上述した本実施の形態の第1および第2変形例に係るガス発生器の模式断面図である。次に、これら図4および図5を参照して、本実施の形態の第1および第2変形例に係るガス発生器について説明する。
図4に示すように、第1変形例に係るガス発生器1Bは、上述の本実施の形態におけるガス発生器1Aと突状筒部13の構成において相違しており、その結果、樹脂成形部50やカップ部材60の形状も若干相違することとなっている。具体的には、図4に示すように、本変形例に係るガス発生器1Bにおいては、突状筒部13がその軸方向の途中位置に内側に向けて突出するように形成された湾曲部13bを有しており、樹脂成形部50がこの湾曲部13bに沿うようにくびれた形状となっている。また、カップ部材60の側壁部60bのうち、当該湾曲部13b折り曲げ部13aに対応する部分は、湾曲部13bを形成することによって生じることとなる突状筒部13のくびれ部分に向けてかしめられている。
すなわち、上述の本実施の形態におけるガス発生器1Aにおいては、カップ部材60が突状筒部13に外挿されることで固定されていたが、本変形例に係るガス発生器1Bにおいては、カップ部材60が突状筒部13に外挿されるとともに、突状筒部13に設けられたくびれ部に向けてその下方端寄りの部分がかしめられることで、カップ部材60が突状筒部13に固定されている。このように構成することにより、上述の本実施の形態の如くの構成とした場合の効果に加え、カップ部材60がより強固に下部側シェル10に固定される効果が得られる。
図5に示すように、第2変形例に係るガス発生器1Cは、上述の第1変形例に係るガス発生器1Bにおいて、突状筒部13に設けられた折り返し部13aの先端をさらに下方に向けて延設した構成としている。そのため、端子ピン挿通部16は、突状筒部13に設けられた折り返し部13aの先端寄りの部分の全体によって構成されるようになる。このように構成することにより、上述の本実施の形態におけるガス発生器1Aとした場合に比べ、突状筒部13に設けられた折り返し部13aの先端を延設した分だけ下部側シェル10と樹脂成形部50との固着しろがより長く確保されることになり、当該下部側シェル10と樹脂成形部50との間の界面部分における剥離の発生をさらに防止することができ、より長期間にわたってシール性を確実に維持できるようになる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2におけるガス発生器の模式断面図である。以下、この図6を参照して、本実施の形態におけるガス発生器の構造について説明する。なお、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
図6は、本発明の実施の形態2におけるガス発生器の模式断面図である。以下、この図6を参照して、本実施の形態におけるガス発生器の構造について説明する。なお、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aと同様の部分については図中同一の符号を付し、その説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態におけるガス発生器1Dは、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aと突状筒部13の構成において相違しており、その結果、樹脂成形部50やカップ部材60の形状も若干相違することとなっている。具体的には、図6に示すように、本実施の形態におけるガス発生器1Dにおいては、突状筒部13の軸方向の途中位置を内側に向けて折り曲げることによって折り曲げ部13aが形成されており、当該折り曲げ部13aの最も縮径した部分によって端子ピン挿通部16が構成されている。ここで、折り曲げ部13aにおいては、その表面同士が接触することとなるように金属製の板状部材が折り返されていてもよいし、その表面同士が接触することなく僅かな隙間をもって対向配置されるように折り返されていてもよい。なお、この場合、突状筒部13の天板部21側の端部に設けられる開口部15は、突状筒部13の天板部21側の先端によって構成されることになる。
樹脂成形部50は、突状筒部13に設けられた折り曲げ部13aを覆うように構成されている。一方、カップ部材60の側壁部60bのうちの上記折り曲げ部13aに対応する部分は、折り曲げ部13aを突状筒部13に形成することによって生じることとなる環状凹部13cに向けてかしめられている。すなわち、上述の実施の形態1におけるガス発生器1Aにおいては、カップ部材60が突状筒部13に外挿されることで固定されていたが、本実施の形態におけるガス発生器1Dにおいては、カップ部材60が突状筒部13に外挿されるとともに、突状筒部13に設けられた環状凹部13cに向けてその下方端寄りの部分がかしめられることで、カップ部材60が突状筒部13に固定されている。
点火器40は、突状筒部13に設けられた端子ピン挿通部16に端子ピン42が挿通するように下部側シェル10の内側(すなわち開口部15側)から挿入配置され、この状態において下部側シェル10と点火器40との間の空間を充填するように樹脂成形部50を形成することにより、下部側シェル10の突状筒部13に固定されている。ここで、端子ピン挿通部16の大きさは、点火器40の最大外形部分である点火部41の外形よりも小さく構成されている。このように構成することにより、万が一樹脂成形部50に予期せぬ破損が生じた場合であっても、後述する燃焼室70の内圧の上昇を受けて点火器40が当該端子ピン挿通部16を通過してハウジングの外部に飛び出ることが防止でき、ガス発生器1Dの安全な動作が確保されることになる。
このように構成することにより、上述の実施の形態1の如くの構成とした場合の効果に加え、カップ部材60がより強固に下部側シェル10に固定される効果が得られる。なお、上述した折り曲げ部13aは、一枚の金属製の板状部材をプレス加工して下部側シェル10を製作する際に、転造と呼ばれるプレス加工技術を用いることで容易に形成が可能である。
以上において説明した本発明の各実施の形態およびその変形例の特徴的な構成は、相互に組み合わせることが可能である。また、上述した下部側シェルに設けられる突状筒部の具体的な形状や当該突状筒部に形成される折り曲げ部の形状等は、当然に適宜変更が可能である。
このように、今回開示した上記各実施の形態およびその変形例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
1A〜1D ガス発生器、10 下部側シェル、11 底板部、12 周壁部、13 突状筒部、13a 折り曲げ部、13b 湾曲部、13c 環状凹部、14 囲い部、15 開口部、16 端子ピン挿通部、20 上部側シェル、21 天板部、22 周壁部、23 ガス噴出口、24 シール部材、40 点火器、41 点火部、42 端子ピン、50 樹脂成形部、51 雌型コネクタ、60 カップ部材、60a 頂壁部、60b 側壁部、63 伝火室、64 伝火薬、70 燃焼室、71 ガス発生剤、72 クッション材、73,74 支持部材、80 フィルタ。
Claims (6)
- 軸方向の両端を閉塞する天板部および底板部と、ガス噴出口が設けられた周壁部とによって構成され、ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に含む短尺筒状のハウジングと、
前記ガス発生剤を燃焼させるための点火薬が収容された点火部および前記点火薬を着火させるために前記点火部に接続された端子ピンを含む点火器と、
前記ハウジングの内部に配設され、前記燃焼室を前記ハウジングの径方向に取り囲む中空筒状のフィルタと、
前記底板部と前記点火器との間の空間に絶縁性の流動性樹脂材料を流し込んでこれを固化させることによって形成され、前記底板部の表面の少なくとも一部および前記点火部の表面の少なくとも一部に固着することにより前記点火器を前記底板部に固定する樹脂成形部とを備え、
前記ハウジングは、前記底板部を含む下部側シェルと、前記天板部を含む上部側シェルとを少なくとも含み、
前記下部側シェルは、一枚の金属製の板状部材をプレス加工することによって成形されたプレス成形品からなり、前記底板部を構成する部分に設けられ、前記天板部側に向かって突出する突状筒部と、前記突状筒部の前記天板部側の端部に設けられた開口部とを少なくとも有し、
前記点火器は、前記点火部が前記燃焼室に面しかつ前記端子ピンが前記突状筒部内に位置するように配置され、
前記突状筒部は、前記点火部の側面の少なくとも一部を囲うように位置する囲い部と、前記点火部の最大外形部分における前記点火器の大きさよりもその大きさの小さい端子ピン挿通部とを有し、
前記端子ピン挿通部は、前記突状筒部の一部を前記プレス加工時に折り曲げることで形成された折り曲げ部の一部によって構成され、
前記樹脂成形部は、前記端子ピン挿通部を少なくとも閉塞している、ガス発生器。 - 前記折り曲げ部は、前記突状筒部の前記天板部側の端部を軸方向に沿って折り返すことで形成され、
前記端子ピン挿通部は、前記折り曲げ部の前記折り返された部分の先端またはその先端寄りの部分にて構成されている、請求項1に記載のガス発生器。 - 前記点火薬の着火に伴って生じる前記点火薬の燃焼を前記ガス発生剤に伝達するための伝火薬をさらに備え、
前記伝火薬が収容される伝火室を内部に含む有底筒状のカップ部材の開口端が、前記突状筒部に外挿されている、請求項1に記載のガス発生器。 - 前記折り曲げ部は、前記突状筒部の軸方向の途中位置を内側に向けて折り曲げることで形成され、
前記端子ピン挿通部は、前記折り曲げ部の最も縮径した部分にて構成されている、請求項1に記載のガス発生器。 - 前記点火薬の着火に伴って生じる前記点火薬の燃焼を前記ガス発生剤に伝達するための伝火薬をさらに備え、
前記伝火薬が収容される伝火室を内部に含む有底筒状のカップ部材の開口端が、前記突状筒部に外挿されるとともに、前記突状筒部に前記折り曲げ部が形成されることによって生じることとなる前記突状筒部の環状凹部にかしめられている、請求項4に記載のガス発生器。 - 前記樹脂成形部は、雄型コネクタを受け入れ可能な雌型コネクタ部を有し、
前記雌型コネクタ部は、前記突状筒部内に位置している、請求項1から5のいずれかに記載のガス発生器。
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-
2009
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