JPWO2005094110A1 - 通信装置、誘導方法、誘導処理用プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電波状況の良好な場所をユーザ等に提示すると共に、信頼性の高い電波状況の情報を提示し得る移動体通信装置を提供することを目的とする。移動体通信路網を介して電波により無線通信を行う通信部4と、通信部4が通信しているときの電波の電界強度を測定して電界強度データDepを出力する電界強度測定部5と、移動体通信装置1の位置を検知して位置データDpsを出力する位置情報検知部3と、位置データDpsに基づいて特定される測定位置において電界強度測定部5が測定した電界強度データDepを実測データDaとして記憶し、実測データDaのデータベースを構築する記憶部7と、誘導部6を備えて構成する。そして、誘導部6が、記憶部7に記憶されている実測データDaに基づいて電界強度分布を作成し、移動体通信装置1の移動に伴う現在位置を位置情報検知部3から出力される位置データDpsに基づいて検出し、検出した現在位置に対し通信部4の電波状況が良好となる方向を電界強度分布から検出して提示する。

Description

本発明は、通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置、その通信装置における誘導方法、誘導処理用プログラム、及び記録媒体に関する。
近年、モバイルPCや無線通信機能を有する車載用ナビゲーション装置や携帯電話などの通信装置が普及し、無線通信網の整備がなされるのと相俟って、ユーザ等に優れた利便性を提供し得るユビキタスネットワーク環境が整いつつある。
例えば、無線通信機能を有する車載用ナビゲーション装置として、特開2003−101462号公報に開示されたものがある。このナビゲーション装置は、ユーザ等によって所望の目的地までの最適経路を探索するための指示がなされると、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)衛星からの到来電波を利用して、現在地から目的地までの最適経路(推奨経路)を探索し、ディスプレイ上にその最適経路を地図によって表示する一般的なナビゲーション機能を有する他、無線通信機能を活用して、通話を行ったり、情報配信センタ等から道路地図情報を受信したりする機能を有している。
また、無線通信機能を有する車載用ナビゲーション装置は、通話や地図情報の受信に限らず、インターネット上の配信サイト等から配信されてくる音楽や映像等の様々な情報を無線通信網を介してダウンロードすることが可能であり、こうした様々な情報をユーザ等に提示することで、優れた利便性を提供することが可能となっている。
また、携帯電話にあっては、ユーザ等が任意の場所で相手先と通話することができるため、固定電話を利用しなければ通話できなかった従来の通信環境に較べて、格段に優れた利便性を提供することが可能となっている。
特開2003−101462号公報
ところで、一般に、無線通信を行う通信機器にあっては、通信品質が電波状況によって左右され易いという不可避的な課題があるため、無線通信機能を有するナビゲーション装置や携帯電話等の移動体通信装置においても、例えばユーザ等が電波の届かない場所や、電波状況の良好でない場所に移動した場合、本来の無線通信機能を発揮することができなくなる等の問題があった。
そして、突然通信が途絶えた場合には、ユーザ等は自ら電波状況の良好な場所を知ることができないため、試行錯誤で各所に移動しつつ良好な電波状況が得られる場所を探索しなければならず、不便を強いられるという問題があった。
また、何らかの事故や緊急事態などが発生した場合に、ユーザ等がナビゲーション装置や携帯電話等の移動体通信装置を使用すれば、公的機関等の第三者に対して迅速且つ的確に通報することができるため、非常時の通信手段としてナビゲーション装置や携帯電話等の移動体通信装置の重要性が認識されている。
しかし、上述したように、ユーザ等が電波状況の良好でない場所や電波の届かない場所に移動した場合、電波状況の良好な場所を探索すべく試行錯誤で各所に移動しなければならず、迅速且つ的確な通報を行うことが困難となることから、こうした事態を改善し得る移動体通信装置の開発が望まれていた。
上記特許文献に記載されているナビゲーション装置では、こうした課題を解決するための一手法として、道路地図情報と併せて、CD-ROM等の記憶媒体で配布される通信電波の電界強度分布情報を予め装置内に格納しておき、ユーザ等の移動中の現在位置と道路地図情報と電界強度分布情報とを対比することによって、電波状況の悪い場所(通話可能域外)を移動中か否か判断している。そして、電波状況の悪い場所を移動中と判断すると、上述の道路地図情報と電界強度分布情報から、電波状態の良好な場所(通話可能域内)を検索し、ユーザ等を通話可能域外から通話可能域内へ誘導するための経路をディスプレイにて地図表示、すなわちナビゲーションするようになっている。
ところが、この従来のナビゲーション装置では、上述したようにCD-ROM等の記憶媒体で配布される通信電波の電界強度分布情報を利用して、ユーザ等を電波状況の良好な場所へ誘導することとしているため、電界強度分布情報それ自体が旧くなってしまい、ユーザ等を通話可能域外から通話可能域内へ誘導する際、ユーザ等の実際に移動中の現在位置に即した信頼性の高い誘導を行うことができなくなるという問題がある。
本発明は、こうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、電波状況の良好な場所をユーザ等に提示すると共に、信頼性の高い電波状況の情報を提示し得る移動体通信装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置において、前記通信装置の位置を検知して位置情報を出力する位置情報検知手段と、前記電波の電界強度を測定して電界強度情報を出力する電界強度測定手段と、前記位置情報及び前記電界強度情報を対応付けて実測情報として記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記実測情報に基づいて電界強度分布を作成し、作成した当該電界強度分布及び位置情報に基づいて当該通信装置の現在位置に電波状況が良好となる方向を提示する誘導手段と、を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置における誘導方法において、前記通信装置の位置を検知して位置情報を出力する位置情報出力工程と、前記電波の電界強度を測定して電界強度情報を出力する電界強度出力工程と、前記位置情報出力工程によって出力される前記位置情報と前記電界強度出力工程によって出力される前記電界強度情報とを対応付けて実測情報として記憶する記憶工程と、前記記憶工程によって記憶された前記実測情報に基づいて電界強度分布を作成する電界強度分布作成工程と、前記電界強度分布作成工程によって作成された前記電界強度分布及び前記位置情報出力工程によって出力される前記位置情報に基づいて当該通信装置の現在位置における電波状況に対し電波状況が良好となる方向を提示する提示工程と、を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置に設けられたコンピュータに誘導処理を行わせるプログラムであって、前記通信装置の位置を検知して位置情報を出力させる位置情報出力ステップと、前記電波の電界強度を測定して電界強度情報を出力させる電界強度出力ステップと、前記位置情報と前記電界強度情報とを対応付けて実測情報として記憶させる記憶ステップと、前記記憶させた前記実測情報に基づいて電界強度分布を作成させる電界強度分布作成ステップと、前記電界強度分布と前記位置情報に基づいて、前記通信装置の現在位置における電波状況に対し電波状況が良好となる方向を提示させる提示ステップと、を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明に係る記録媒体は、請求項8に記載の誘導処理用プログラムを記録していることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る移動体通信装置の構成を表したブロック図である。 実施例に係る移動体通信装置の構成を表したブロック図である。 図2に示した移動体通信装置の機能を説明するための図である。 図2に示した移動体通信装置に設けられている表示部に表示される絵柄マークを表した図である。 図2に示した移動体通信装置の動作例を示したフローチャートである。 更に、図2に示した移動体通信装置の動作例を示したフローチャートである。 更に、図2に示した移動体通信装置の動作例を示したフローチャートである。
本発明に係る移動体通信装置の実施の形態について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における移動体通信装置の主要部の構成を表したブロック図である。
同図において、本移動体通信装置1は、制御部2、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6、記憶部7を備えて構成されている。
位置情報検知部3は、GPS受信機等を有し、GPS衛星から到来する電波を利用して、本移動体通信装置1の位置を検知し、その検知結果を示す位置データDpsを出力する。
通信部4は、ユーザ等が電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりすると、移動体通信路網を介して電波により無線通信を行う。
電界強度測定部5は、通信部4が通信時に受信する受信信号に基づいて、電波の電界強度を測定し、その測定結果を示す電界強度データDepを出力する。
記憶部7は、電界強度測定部5から出力される電界強度データDepを実測データDaとして記憶する。すなわち、電界強度データDepと位置データDpsとを対応付けることで、測定場所の特定される電界強度データDepを実測データDaとして記憶する。そして、時々刻々と出力される電界強度データDepを実測データDaとして記憶していくことで、多数の実測データDaを格納するデータベースを構築する。
誘導部6は、位置情報検知部3から出力される位置データDpsに基づいて、本移動体通信装置1が移動したときの現在位置(別言すれば、ユーザ等の現在位置)を検出すると共に、記憶部7に記憶されている実測データDaに基づいて電界強度分布を作成する。そして、検出した上記現在位置に対し、通信部4が良好な電波状況の得られる方向を、電界強度分布から検出し、その検出した方向をディスプレイ等によって提示する。
制御部2は、本移動体通信装置1全体の動作を制御する他、記憶部7に既に記憶されている所定時間より過去の実測データDaを消去させ、更に新たな実測データDaが記憶される際、既に記憶されている旧い実測データDaから順に消去させることで、最新の実測データDaを蓄積させるようになっている。
かかる構成を有する本実施形態の移動体通信装置によれば、ユーザ等が本移動体通信装置1を携帯して移動すると、その移動に際して通信部4が通信を行ったときの電波の電界強度を電界強度測定部5が実際に測定し、記憶部7が、電界強度測定部5から出力される電界強度データDepと位置情報検知部3から出力される位置データDpsとを対応付けた実測データDaを記憶していくことでデータベースを構築する。そして、通信部4が良好な電波状況で通信を行うことが可能な場所を誘導部6が提示する際、その実測データDaに基づいて電界強度分布を作成し、その電界強度分布に基づいて、良好な電波状況の得られる方向を検出する。
このように、本実施形態の移動体通信装置によれば、ユーザ等が実際に移動した場所で測定した電波の電界強度の情報を、位置の情報に対応付けた実測データDaとして記憶しておき、その記憶しておいた実測データDaを利用して、通信部4にとって良好な電波状況の得られる方向(場所)を検出するので、ユーザ等に対し、極めて信頼性の高い誘導情報を提示することができる。
次に、より具体的な移動体通信装置の実施例について図2〜図7を参照して説明する。なお、図2は、本実施例に係るナビゲーション機能を有する携帯電話の構成を表したブロック図、図3は、携帯電話の機能を説明するための図である。
図2において、この携帯電話(以下「移動体通信装置」という)1は、制御部2と、位置情報検出部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6、記憶部7、表示部8及び操作部11を備えて構成されている。
制御部2は、マイクロプロセッサ(MPU)等を有する回路で形成されており、該マイクロプロセッサが、予めROM等に記憶されているシステプムログラムを実行することにより、本移動体通信装置1全体の動作を制御する。
また、制御部2には、操作部11が接続されており、操作部11に設けられている各種の操作ボタン(図示略)をユーザ等が操作することにより、制御部2に対して所望の指示をすることが可能となっている。
また、制御部2に対して、位置情報検出部3と通信部4と電界強度測定部5と誘導部6と記憶部7及び操作部11が、いわゆるデータバスとアドレスバス及びコントロールバスを介して、相互に接続されている。
位置情報検知部3は、GPS衛星からの到来電波を受信するGPS受信機を有しており、該GPS受信機で受信した受信信号に基づいて本移動体通信装置1の現在位置(緯度と経度)を測定し、その測定結果を示す位置データDpsを制御部2に供給する。
ここで、詳細については後述するが、操作部11を介してユーザ等から「ナビゲーション開始」の指示がなされると、制御部2の制御の下で、本移動体通信装置1がナビゲーション動作を開始すると共に、位置情報検知部3が測位動作を開始して、時々刻々と現在位置(緯度と経度)を検出し、個々の位置データDpsを制御部2に逐一供給する。
更に、制御部2が位置データDpsを誘導部6に逐一供給することにより、各位置データDpsに基づいてユーザ等の所望する目的地までの最適経路を表示部8にて地図表示させるためのいわゆるナビゲーション処理を行わせる。
また、制御部2は、位置情報検知部3から出力される個々の位置データDpsに基づいて後述の実測データDaを作成し、記憶部7に備えられている第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させるようになっている。
通信部4は、移動体通信路網を介して無線通信を行うための通信機を有しており、ユーザ等が操作部11を操作して、電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりすると、制御部2の制御の下で通信動作を行う。
電界強度測定部5は、通信部4が基地局あるいは中継局との間で通信を行っている際、到来電波の受信感度(別言すれば、到来電波の電界強度)を時々刻々と測定し、その測定結果を示す電界強度データDepを逐一制御部2に供給する。つまり、通信部4に設けられている通信機には、到来電波を受信して中間周波信号を生成する周波数変換回路が設けられており、電界強度測定部5がこの中間周波信号の実効値等を計測することで、到来電波の電界強度を測定するようになっている。ただし、本実施例の電界強度測定部5では、中間周波信号の実効値等を計測することで、到来電波の電界強度を測定することとしているが、他の技術手法によって到来電波の電界強度を測定するようにしてもよい。
更に、電界強度測定部5が電界強度データDepを出力すると、制御部2は、その電界強度データDepと、位置情報検知部3から出力される上述の位置データDpsと、制御部2内に設けられている時計回路(図示略)から出力される時刻データDtmとの3個のデータを組み合わせた実測データDaを生成し、記憶部7に備えられている第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる。
つまり、制御部2は、位置データDpsと電界強度データDepと時刻データDtmとを対応付けることによって、実際にユーザ等が存在した場所における到来電波の電界強度とその測定日時とを表すことが可能な実測データDaを生成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる。
そして、例えば、ユーザ等が本移動体通信装置1を携帯して電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行いながら移動すると、制御部2が実測データDaを次々と生成して記憶部7に記憶させていくことにより、電界強度分布の情報を有するデータベースを構築していく。
また、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行わない場合でも、電界強度測定部5が基地局や移動局との間の電波状況を測定することによって電界強度データDepを出力し、制御部2が該電界強度データDepと位置データDpsと時刻データDtmとを対応付けた実測データDaを次々と生成して記憶部7に記憶させていくことにより、電界強度分布の情報を有するデータベースを構築していく。
記憶部7は、再書き込み可能な不揮発性半導体メモリ等で形成され、所定のディレクトリ構造を有するファイルシステムに従って、各種データを管理するようになっており、上述した第1の電界強度情報ファイル10aの他、地図データDmを記憶する地図情報ファイル9と、配信データDbを記憶する第2の電界強度情報ファイル10bを有している。
ここで、地図情報ファイル9は、例えばインターネット上の配信サイト等から配信されてくる最新の地図データDmを格納する、いわゆる地図情報用データベースとなっている。
第1の電界強度情報ファイル10aは、上述の実測データDaが記憶されることで、実際にユーザ等が存在した場所における到来電波の電界強度を示す情報を構築するデータベースとなっている。
第2の電界強度情報ファイル10bは、例えばインターネット上の配信サイト等から地図データDmと共に配信されてくる、各地における無線電波の電界強度を示す配信データDbを格納する、いわゆる電界強度情報用データベースとなっている。
誘導部6は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等で形成されており、液晶ディスプレイ等で形成された表示部8に、ユーザ等にとって有用な情報を表示すべく、次に述べる各種の機能を有している。
〈通常誘導機能〉
誘導部6は、第1の機能として、〈通常誘導機能〉を有している。
ユーザ等が操作部11を操作し、所望の目的地を指定して「ナビゲーション開始」の指示をすると、誘導部6はナビゲーション処理を開始すると共に、ユーザ等が電話やメール通信、インターネット通信等を行っていない場合、すなわち、通信部4が通信動作をしていない場合に、〈通常誘導機能〉が作動して「通常誘導」の動作モードとなる。
この「通常誘導」の動作モードのときには、誘導部6は、ナビゲーション開始の指示がなされたときのユーザ等の位置(スタート位置)を位置情報検知部3からの位置データDpsに基づいて検出し、ユーザ等が予め操作部11によって設定した探索条件(例えば、最短距離であること、最短時間であること等の条件)を満足し得る該スタート位置から目的地までの最適経路を探索し、更に、記憶部7中の地図情報ファイル9からスタート位置近傍の地図データDmを読み出して、最適経路と共に表示部8にて地図表示する。つまり、図3(a)に例示するように、スタート位置Aから目的地Bまでの最適経路R1を地図と共に表示する。
更に、ユーザ等がスタート位置Aから移動すると、誘導部6は、位置情報検知部3から時々刻々と供給される位置データDpsに基づいて、ユーザ等の移動位置(現在位置)を検出し、例えば進行方向を示す矢印等のカーソルによって、ユーザ等の現在位置をリアルタイムで表示する。したがって、図3(a)に例示するように、ユーザ等がスタート位置Aから目的地Bまでの最適経路R1に従って移動すれば、カーソルが最適経路R1に沿って移動していくこととなり、ユーザ等に現在位置を知らせることができる。
また、スタート位置Aから目的地Bまでが遠距離の場合には、現在位置近傍の地図データDmを、地図情報ファイル9から読み出して、地図と最適経路R1とカーソルを表示することで、目的地Bに到達するまで、ユーザ等に見易い表示を提供する。
更に、最初に表示した最適経路R1に従わずにユーザ等が移動した場合には、誘導部6は、移動した位置を新たなスタート位置として目的地Bまでの新たな最適経路を探索し、更に、新たなスタート位置近傍の地図データDmを地図情報ファイル9から読み出して、新たな最適経路と共に表示部8にて地図表示する。そして、目的地Bに到達するまで、カーソルによってユーザ等の現在位置を表示しつつ、同様の処理を繰り返すことで、ユーザ等の移動状況に即応したナビゲーション処理を行う。
〈通信誘導機能〉
誘導部6は、第2の機能として、〈通信誘導機能〉を有している。
ユーザ等が操作部11を操作し、所望の目的地を指定して「ナビゲーション開始」の指示をすると、誘導部6はナビゲーション処理を開始すると共に、ユーザ等が電話やメール通信やインターネット通信等を行っている場合、すなわち、通信部4が通信動作を行っている場合に、〈通信誘導機能〉が作動して「通信誘導」の動作モードとなる。
この「通信誘導」の動作モードのときには、誘導部6は、ナビゲーション開始の指示がなされたときのユーザ等の位置(スタート位置)を、位置情報検知部3からの位置データDpsに基づいて検出して、該スタート位置から目的地までのユーザ等の設定した条件(例えば、最短距離であること、最短時間であること等の条件)を満足し得る最適経路を探索し、更に、スタート位置近傍の地図データDmを地図情報ファイル9から読み出して、最適経路と共に表示部8にて地図表示すると共に、ユーザ等の移動に伴う現在位置をカーソルで表示する。
したがって、誘導部6は、「通信誘導」の動作モードのときにも、基本的に上述の「通常誘導」の動作モードと同様のナビゲーション処理を行うが、ただし、「通信誘導」の動作モードのときには、「通常誘導」の動作モードの場合とは異なり、通信部4にとって良好な電波状況の得られる経路であって、ユーザ等の設定した上述の条件を満足し得る経路を最適経路として探索する。
例えば、「通常誘導」の動作モードの場合には、図3(a)に例示したスタート位置Aから目的地Bまでの経路R1が最適経路であったとしても、「通信誘導」の動作モードのときには、通信部4にとって良好な電波状況の得られる最適経路を探索するという要件を更に加えて、スタート位置Aから目的地Bまでの最適経路を探索することにより、別の経路が最適経路となった場合には、図3(b)に例示するように、その電波状況を優先した別の経路R2を最適経路として表示部8に表示し、更にユーザ等の移動に伴う現在位置をカーソルで表示する。
ここで、誘導部6は、ユーザ等の設定条件を緩和した探索条件に基づいて、スタート位置Aから目的地Bまでの地域、すなわち道路に限らない地域を探索領域と決め、該探索領域内に該当する実測データDaと配信データDbを第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。そして、読み出した実測データDaと配信データDbによって、探索領域内における電界強度分布を作成し、その電界強度分布に基づいて、スタート位置Aから目的地Bまでの良好な電波状況が得られる経路を探索することにより、上述の電波状況を優先した最適経路R2等を表示部8にて表示する。更に、誘導部6は、図3(b)に例示するように、作成した電界強度分布を等高線状に表示することにより、ユーザ等に対して、電波状況の良好な場所を提示する。
更に、誘導部6は、第2の電界強度ファイル10bに格納されている配信データDbに対し、第1の電界強度ファイル10aに格納されている実測データDaを優先して電界強度分布を作成すると共に、実測データDaが記憶されていない場所における電界強度分布を配信データDbに基づいて作成する。そして、最適経路を探索する際、まず、実測データDaから作成した電界強度分布に基づいて探索し、実測データDaが記憶されていない場所における電界強度分布を配信データDbから作成した電界強度分布で補完することにより、スタート位置から目的地まで切れ目のない最適経路を探索する。そして更に、実測データDaから作成した電界強度分布と、配信データDbから作成した電界強度分布を、表示部8によって等高線状に表示することにより、ユーザ等に対して、電波状況の良好な場所を提示する。
かかる機能によると、誘導部6は、第1の電界強度情報ファイル10aに格納されている実測データDaを利用して、最適経路の探索を行うと共に、電波状況の良好な場所を電界強度分布として提示するので、ユーザ等が実際に移動したときに測定した極めて信頼性の高い実測データDaに基づいたナビゲーション情報を提供することができる。
なお、本実施例では、上述したように、実測データDaと配信データDbとを利用して最適経路の探索と、電界強度分布の表示を行うこととしているが、実測データDaのみを利用して、最適経路の探索と電界強度分布の表示を行うようにしてもよい。かかかる場合には、実測データDaが記憶されている場所における最適経路をその実測データDaから作成した電界強度分布に基づいて探索し、更にその探索した最適経路を地図上の道路等に沿って繋ぐことにより、実測データDaが記憶されていない場所における最適経路を近似的に探索するようにしてもよい。
〈地図非表示機能〉
誘導部6は、第3の機能として、〈地図非表示機能〉を有している。
誘導部6が、上述の「通常誘導」又は「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を行って、表示部8にて目的地までの経路を地図表示している際、ユーザが地図表示をしない旨の指示をすると、誘導部6は、「地図非表示」の動作モードとなり、図4(a)に例示するように、表示部8にて地図を表示することなく、表示画面の一部分のみに、目的地までの経路に沿って移動するためにユーザ等が現在位置から進行すべき方向を示す絵柄マークMを表示する。
すなわち、この「地図非表示」の動作モードでは、誘導部6は、表示部8に地図表示を行うことなく、ナビゲーション処理を継続し、電界強度分布の作成と、最適経路の探索と、ユーザ等の移動中の現在位置を検出し、最適経路に沿って移動するためにユーザ等が現在位置から進行すべき方向を検出する。そして、地図表示を行わない代わりに、表示部8の表示画面の一部分に、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向を絵柄マークMによって表示する。
例えば、誘導部6は、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が右側方向である場合には、図4(a)に示すように、アンテナの絵柄の右側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。また、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が左側方向である場合には、図4(b)に示すように、アンテナの絵柄の左側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。また、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が後方側である場合には、図4(c)に示すように、アンテナの絵柄の下側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。また、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が前方側である場合には、図4(d)に示すように、アンテナの絵柄の上側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。
かかる〈地図非表示機能〉によると、「通常誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続している場合には、ユーザ等は絵柄マークMによって示される方向へ移動することで、例えば表示部8のほぼ全表示画面にメール電文やインターネットを介してダウンロードした情報等の地図以外の情報を表示させながら目的地に到達することができる。
また、「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続している場合には、ユーザ等は絵柄マークMによって示される方向へ移動することで、各種情報の表示に加え、良好な電波状況の下で通信等を行いながら目的地に到着することができる。
このように、地図非表示機能によると、ユーザ等にナビゲーション情報を提供しつつ、表示部8に他の情報を表示させることを可能にするため、ユーザ等の操作性を向上させることができる。
また、誘導部6が電波状況の良好な方向を各種の絵柄パターンMで表示部8の表示画面に表示することで、ユーザ等にとって理解しやすい誘導表示を提示することができる。
〈移動優先自動切り替え機能〉
誘導部6は、第4の機能として、〈移動優先自動切り替え機能〉を有している。
誘導部6が、ユーザ等の指示に従って、上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行うと、並列的に〈移動優先自動切り替え機能〉が作動する。
そして、誘導部6は、位置情報検知部3から出力される位置データDpsに基づいて、予め決められた時間τ(例えば、5分)の間にユーザ等が移動した移動距離Lを演算し、移動距離Lと時間τの比から移動速度Sを演算する。更に、時間τ毎に繰り返し、移動速度Sを演算する。そして、演算した移動速度Sが、閾値Th(例えば、時速4km)より小さければ、ユーザ等は徒歩で移動していると判断する。
更に、誘導部6が上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を継続し、表示部8にて電波状況の良好な最適経路を地図表示した場合に、ユーザ等が最適経路に沿って移動すれば、誘導部6は、良好な電波状況を重要視しつつ移動中であると判断して、上述した〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを継続する。つまり、誘導部6は、ユーザ等が徒歩で移動中であると判断した場合であっても、ユーザ等が最適経路に沿って移動すれば、良好な電波状況を重要視しつつ移動中であると判断して、上述した〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを継続する。
これに対し、誘導部6が、上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を継続し、表示部8にて電波状況の良好な最適経路を地図表示した場合に、ユーザ等が最適経路に沿って移動せず、且つ徒歩で移動中であると判断すると、ユーザ等が良好な電波状況を重要視するよりも、所望の方向へ移動することを重要視していると判断し、上述した〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に切り替わる。
つまり、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理中に、ユーザ等が通信誘導に応じることなく、別の方向へ徒歩で移動しているような場合には、誘導部6は、かかるユーザ等の移動状態を自動的に検出し、電波状況の良好な最適経路を提示する〈通信誘導機能〉から、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に切り替わる。
なお、誘導部6は、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に切り替わるだけでなく、ユーザ等の時々刻々と移動する現在位置を位置データDpsに基づいて検出し、その現在位置の周辺地域内に該当する実測データDaと配信データDbを、第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。そして、読み出した実測データDaと配信データDbによって、上述の周辺地域内における電界強度分布を作成し、その電界強度分布を等高線状に表示することにより、ユーザ等に対して、電波状況の良好な場所を提示するようにしてもよい。
また、誘導部6が上述の〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続し、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向を、図4(a)に例示した絵柄マークM等によって表示画面の一部分のみに表示した場合に、ユーザ等がその絵柄マークMに従った方向に移動中であれば、〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続する。すなわち、誘導部6は、ユーザ等が徒歩で移動中であると判断した場合であっても、ユーザ等が絵柄マークMに従った方向に移動中であれば、良好な電波状況を重要視しつつ目的地に向かって移動していると判断して、上述した〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続する。
これに対し、誘導部6が、上述の〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続し、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向を、図4(a)に例示した絵柄マークM等によって表示画面の一部分のみに表示した場合に、ユーザ等がその絵柄マークMに従った方向に移動せず、且つ徒歩で移動中であると判断すると、ユーザ等が良好な電波状況を重要視するよりも、所望の方向へ移動することを重要視していると判断し、ナビゲーション処理を上述した「通常誘導」の動作モードによるナビゲーション処理に切り替える。
以上に説明した〈移動優先自動切り替え機能〉によれば、ユーザ等が〈通信誘導機能〉又は〈地図非表示機能〉によるナビゲーションを指定した後、徒歩によって移動方向を変更するような場合に、誘導部6が自動的にユーザ等の移動状態を検出して、〈通常誘導機能〉によるナビゲーションに切り替わるので、ユーザ等の実際の移動状況に即した誘導を行うことができる。
更に、〈通常誘導機能〉によるナビゲーションに切り替わった後でも、良好な電波状況の得られる方向を、電界強度分布によって引き続き表示することで、ユーザ等が電話やメール通信やインターネット通信等を行おうとする場合に、優れた利便性を提供することができる。
〈電界強度自動表示機能〉
誘導部6は、第5の機能として、〈電界強度表示機能〉を有している。
ユーザ等が〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指定することなく、操作部11を操作して、電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりすると、誘導部6は、「電界強度自動表示」の動作モードとなり、ナビゲーション処理を行うことなく、図4(a)に例示したのと同様に、表示部8の表示画面の一部分に、絵柄マークMによって電波状況の良好な方向を表示する。
すなわち、誘導部6は、この「電界強度自動表示」の動作モードでは、ナビゲーション処理を行わず、通信部4が通信動作を開始するのに伴って位置情報検知部3から時々刻々と出力される位置データDpsに基づいて、ユーザ等の移動する現在位置を検出し、その現在位置の周辺地域内に該当する実測データDaと配信データDbを、第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。そして、読み出した実測データDaと配信データDbによって、上述の周辺地域内における電界強度分布を作成し、更にその電界強度分布に基づいて、現在位置から近く且つ最も電波状況の良好となる方向を絵柄マークMによって表示画面の一部分のみに表示する。
更に、「電界強度自動表示」の動作モードにおいても、誘導部6は、〈地図非表示機能〉の場合と同様に、電波状況の良好となる方向を、図4(a)〜(d)に示した各種の絵柄マークMによって、表示部8の表示画面の一部分のみに表示する。
このように〈電界強度自動表示機能〉によれば、ユーザ等が電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりするだけで、自動的に電波状況の良好な方向を提示すると共に、ユーザ等の移動する位置に応じて電波状況の良好な方向を提示するので、良好な通信状態の下で通信を行うことができるように、ユーザ等を誘導することができる。
更に、〈電界強度自動表示機能〉の場合にも、誘導部6は、ユーザ等が実際に移動したときに測定した実測データDaに基づいて、電波状況の良好な方向を示す絵柄マークMを表示するので、極めて信頼性の高いナビゲーション情報を提示することができる。
〈電界強度マニュアル表示機能〉
誘導部6は、第6の機能として、〈電界強度マニュアル表示機能〉を有している。
ユーザ等が〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指定することなく、更に、電話をかけずメール通信やインターネット通信等も行わない状態で、操作部11を操作して、電波状況の良好な場所を検知するための指示をすると、誘導部6が「電界強度マニュアル表示」の動作モードとなり、図4(a)に例示したように、表示部8の表示画面の一部分に、絵柄マークMによって電波状況の良好な方向を表示する。
すなわち、誘導部6は、「電界強度マニュアル表示」の動作モードとなると、位置情報検知部3を作動させて、位置データDpsの入力を開始する。そして、時々刻々と供給される位置データDpsに基づいて、ユーザ等の移動する現在位置を検出し、その現在位置の周辺地域内に該当する実測データDaと配信データDbを、第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。更に、読み出した実測データDaと配信データDbによって、上述の周辺地域内における電界強度分布を作成し、更にその電界強度分布に基づいて、現在位置から近く且つ最も電波状況の良好となる方向を絵柄マークMによって表示画面の一部分に表示する。
このように、〈電界強度マニュアル表示機能〉によれば、ユーザ等は通信状態でないときにおいても電波状況の良好となる方向がわかるので、通信を開始する前に電波状況を確認して良好なところで通信を開始することができる。
すなわち、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行わなくとも、ユーザ等の移動する位置に応じて電波状況の良好な方向を提示するので、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行ったり、上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指示しようとする前に、予め良好な通信状態が得られる場所を迅速且つ確実に知ることができ、優れた利便性を提供することができる。
〈立体誘導機能〉
本移動体通信装置1は、建物内に敷設されている近距離通信システムとの間で通信を行う機能が設けられている。例えば、いわゆるブルーツース(Blue Tooth)規格に準拠した通信機が建物内の各階等に敷設され、通信部4がその各階の通信機との間で通信を行うと、電界強度測定部5が、各階の通信機から到来する電波の電界強度を検出し、電界強度データDepを制御部2に供給する。そして、制御部2が電界強度データDepに基づいて実測データDaを作成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる。
そして、ユーザ等が電話をかけたり、上述の「電界強度マニュアル表示」の指示を行ったりすると、誘導部6は、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶されている実測データDaに基づいて、上述の建物内に敷設されている通信機から到来する電波の電界強度分布、すなわち立体的な電界強度分布を作成し、ユーザ等の現在位置から近く且つ最も良好な電波状況の得られる方向をその電界強度分布に基づいて検出して、絵柄マークMによって表示部8に表示する。
更に、誘導部6は、ユーザ等の現在位置に対して、例えば建物内の上方側に、良好な電波状況の得られる場所が存在する場合には、図4(f)に示すように、アンテナの絵柄の上側に複数の楕円群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させ、ユーザ等の現在位置に対して、例えば建物内の下方側に、良好な電波状況の得られる場所が存在する場合には、図4(e)に示すように、アンテナの絵柄の下側に複数の楕円群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。
このように、〈立体誘導機能〉によれば、ユーザ等が建物内において電波状況の良好な場所で通話等をしたいと欲する場合に、表示部8に表示された絵柄マークMを見ることで、良好な電波状況の得られる階等を知ることができる。このため、ユーザ等に対し、優れた利便性を提供することができる。
また、誘導部6が電波状況の良好な方向を各種の絵柄パターンMで表示部8に表示するので、ユーザ等にとって理解しやすい誘導表示を提示することができる。
〈共有データ利用機能〉
本移動体通信装置1は、電界強度測定部5が実測した現在位置における電界強度データDpsを通信部4から基地局へ送信する機能を有しており、更に、基地局から、様々な場所の電界強度データをダウンロードし、制御部2がその電界強度データから実測データDaを作成して第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる機能を有している。
すなわち、本移動体通信装置1は、多数の所有者が夫々の現在位置における電界強度データDpsを通信部4から基地局へ送信すると、それらの電界強度データDpsを集積して基地局側に共有データベースを作成させ、その共有の電界強度データを各所有者の移動体通信装置1へ配信させる機能を有している。
そして、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行ったりすると、誘導部6は、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶された共有の実測データDaに基づいて電界強度分布を作成し、電波状況の良好な方向を表示部8にて表示する。
したがって、〈共有データ利用機能〉によれば、多数のユーザ等から集積された最新且つ実際に即した電界強度データに基づいて、電波状況の良好な方向をユーザ等に提示することとなり、極めて信頼性の高い情報を提供することができる。
〈実測データタイムアウト機能〉
制御部2には、電界強度測定部5から出力された電界強度データDepに基づいて作成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させた実測データDaのうち、旧いデータから順に消去する〈実測データタイムアウト機能〉が設けられている。
すなわち、制御部2が、上述したように電界強度測定部5から出力される電界強度データDepに基づいて実測データDaを作成する際、電界強度データDepと、位置情報検知部3から出力される位置データDpsと、制御部2内に設けられている時計回路から出力される時刻データDtmとの3個のデータを組み合わせた実測データDaを生成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させるようになっている。
そして、制御部2が、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶した各実測データDaの時刻データDtmを調べ、最も旧い実測データDaから順に消去することにより、記憶部7の記憶容量の範囲内で、新しい実測データDaを第1の電界強度情報ファイル10a内に確保する。
かかる機能によれば、記憶容量の限られた記憶部7を有効に利用して、最新の実測データDaを記憶しておくことができるので、誘導部6が信頼性の高い電界強度分布を作成ることができ、ひいては、信頼性の高い誘導情報をユーザ等に提示することができる。
更に、〈実測データタイムアウト機能〉によると、誘導部6が上述の〈移動優先自動切り替え機能〉、〈電界強度自動表示機能〉、〈電界強度マニュアル表示機能〉等による動作中に、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶されている実測データDaに基づいて電界強度を作成すると、極めて信頼性が高く且つ利便性の高い誘導情報を提供することが可能となる。
すなわち、ユーザ等が、ビルの乱立した市街地などの比較的狭い地域内で、電話をかけたり、メール通信やインターネット通信を行いながら、ショッピング等を行いつつ移動しているような場合、第1の電界強度情報ファイル10aには、その比較的狭い地域内における電界強度を示す最新の実測データDaが蓄積されていき、更に、制御部2が旧い実測データDaを消去していくことにより、第1の電界強度情報ファイル10aには、益々その比較的狭い地域内における電界強度示す最新の実測データDaが多数蓄積されていく。この結果、誘導部6が電界強度分布を作成すると、密度の高い電界強度分布を作成することが可能となり、ユーザ等の僅かな移動距離毎に、電波状況の良好な方向を絵柄マークM等によって提示することが可能となる。
ここで、ビルの乱立した市街地などの地域では、僅かな場所の違いでも電波状況が異なることから、ユーザ等が自ら電波状況の良好な場所を探すことは、たとえ直ぐ隣の場所が電波状況の良好な場所であったとしても、困難を伴うものである。
しかし、上述したように、誘導部6が電界強度分布を作成すると、密度の高い電界強度分布を作成することが可能となり、ユーザ等の僅かな移動距離毎に、電波状況の良好な方向を絵柄マークM等によって提示することが可能となることから、ユーザ等は絵柄マークM等を見ることによって、即座に電波状況の良好な場所を知ることができる。このように、〈実測データタイムアウト機能〉によると、特に、比較的狭い地域内をユーザ等が移動する場合に、極めて信頼性が高く且つ利便性の高い誘導情報を提供することが可能となる。
次に、かかる構成を有する移動体通信装置1の動作例を図5〜図7に示すフローチャートを参照して説明する。
図5は、〈通信誘導機能〉と〈通常誘導機能〉によるナビゲーション動作を示したフローチャート、図6は、誘導部6が電界強度分布を作成する際の動作を示したフローチャート、図7は、誘導部6が〈移動優先自動切り替え機能〉による動作を示したフローチャートである。
図5において、ユーザ等が操作部11を操作し、所望の条件(例えば、最短距離であること、最短時間であること等の条件)を指定して、ナビゲーション開始の指示をすると、制御部2の制御の下で、誘導部6がナビゲーション処理を開始する。そして、まず、ステップS1において、誘導部6が、ユーザ等によって〈通信誘導機能〉によるナビゲーションが指定されているか判断し、指定されていれば、ステップS2に移行して、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を開始する。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したかを判断し、目的地に到達するまで、ステップS1〜S3の処理を繰り返す。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したことを判断すると、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を終了する。
したがって、ユーザ等が、いわゆるマニュアル操作によって、〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指定した場合には、その指示に従って、誘導部6が、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行う。
次に、上述のステップS1において、誘導部6が、〈通信誘導機能〉によるナビゲーションが指定されていないと判断すると、ステップS4へ移行して、通信部4が通信中の状態か否か判断する。通信中であれば、ステップS5へ移行し、誘導部6が、自動的に〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を開始する。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したことを判断すると、誘導部6は、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を終了する。
また、上述のステップS4において、通信部4が通信中の状態にないと誘導部6が判断すると、ステップS6に移行し、自動的に〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理を開始する。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したことを判断すると、誘導部6は、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理を終了する。
このように、ユーザ等がナビゲーション開始の指定を行って、電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行った場合には、自動的に〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行い、ユーザ等がナビゲーション開始の指定を行って、電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行わない場合には、自動的に〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理を行うことで、ユーザ等に対して、優れた操作性を提供することが可能となっている。
次に、図6において、誘導部6が電界分布を作成する場合、まず、ステップS10において、第1の電界強度情報ファイル10aに実測データが存在するか調べ、存在していればステップS11に移行して、所定時間内に実測した実測データDaが存在するか更に調べる。すなわち、旧い実測データに基づいて電界強度分布を作成すると、その電界強度分布は信頼性の低いものとなるので、ステップS11において、所定時間内に実測した実測データDaが存在するか更に調べる。
そして、所定時間内に実測した実測データDaが存在している場合には、ステップS12に移行して、所定時間内に実測した実測データDaを優先して利用し、第2の電界強度情報ファイル10bに記憶されている配信データDmを補完用として、それらの実測データDaと配信データDmに基づいて電界強度分布を作成し、電界強度分布の作成処理を終了する。
上述のステップS10又はS11において、誘導部6が、実測データが存在していない、又は所定時間内に実測した実測データDaが存在していないと判断すると、ステップS13へ移行して、第2の電界強度情報ファイル10bに配信データが存在するか調べる。そして、配信データDbが存在していれば、誘導部6は、ステップS14に移行して、配信データDbに基づいて電界強度分布を作成し、その作成処理が完了すると、電界強度分布の作成処理を終了する。
このように、誘導部6は、最新の実測データDaを優先とし、配信データDbを補完用として電界強度分布を作成することで、電波状況の良好な方向をユーザ等に提示する際、信頼性の高い誘導情報を提示することができる。
次に、図7において、誘導部6が、ユーザ等の指示等に従って、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行い、ステップS20において、ユーザ等に最適経路の提示、又は、良好な電波状況が得られる方向の提示を行うと、次に、ステップS21において、それらの提示に従ってユーザ等が移動したかを調べる。そして、提示に従って、ユーザ等が移動した場合には、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を継続し、ユーザ等が目的地に到達すると、ナビゲーション処理を終了する。
一方、ステップS21において、上述の提示に従って、ユーザ等が移動しなかった場合には、ステップS23に移行して、誘導部6は、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に自動的に切り替え、ユーザ等が目的地に到達すると、ナビゲーション処理を終了する。
このように、誘導部6は、ユーザ等の実際の移動状況に即したナビゲーション処理を行うことにより、ユーザ等に優れた利便性を提供するようになっている。
以上説明したように、本実施例の移動体通信装置1によれば、上述した各種機能によってユーザ等を誘導するので、ユーザ等に優れた利便性を提供することができる。
特に、第1の電界強度情報ファイル10aに実測データDaを記憶させて、その実測データDaに基づいて電界強度分布を作成し、その作成した電界強度分布に基づいて目的地までの最適経路を探索したり、電波状況の良好な方向を提示したりするので、最新の情報に基づく信頼性の高い誘導情報をユーザ等に提示することができる。
なお、本実施例では、図4(a)〜(f)に示したように、電波状況の良好な方向を絵柄マークMによって提示することとしているが、他の提示方法によっても良い。例えば、本移動体通信装置1の筐体に、振動素子を設けておき、その振動素子の振動形態を変化させることにより、電波状況の良好な方向を振動で提示するようにしてもよい。また、本移動体通信装置1の筐体の一端に、異なった色に変化する1又は複数個のカラー発光素子を設けておき、これらのカラー発光素子の発光色を変えることにより、電波状況の良好な方向を提示するようにしてもよい。
また、携帯電話としての移動体通信装置1について説明したが、本実施例の移動体通信装置1は、無線通信機能を有するいわゆる車載用のナビゲーション装置にも適用することができる。
また、移動体通信装置1を構成している制御部2と、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6及び記憶部7の機能を、コンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ(MPU)によって発揮させるようにしてもよい。すなわち、マイクロプロセッサ(MPU)に、制御部2と、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6及び記憶部7の機能を発揮させるコンピュータプログラムを実行させ、該マイクロプロセッサによって、上述した〈通信誘導機能〉、〈電界強度自動表示機能〉等の各種機能によるナビゲーションを行わせるようにしてもよい。
また、マイクロプロセッサ(MPU)に、制御部2と、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6及び記憶部7の機能を発揮させるコンピュータプログラムをCDやDVD等の記憶媒体に記憶しておき、該記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを当該マイクロプロセッサ(MPU)に実行させることで、上述した〈通信誘導機能〉、〈電界強度自動表示機能〉等の各種機能によるナビゲーションを行わせるようにしてもよい。
本発明は、通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置、その通信装置における誘導方法、誘導処理用プログラム、及び記録媒体に関する。
近年、モバイルPCや無線通信機能を有する車載用ナビゲーション装置や携帯電話などの通信装置が普及し、無線通信網の整備がなされるのと相俟って、ユーザ等に優れた利便性を提供し得るユビキタスネットワーク環境が整いつつある。
例えば、無線通信機能を有する車載用ナビゲーション装置として、特開2003−101462号公報に開示されたものがある。このナビゲーション装置は、ユーザ等によって所望の目的地までの最適経路を探索するための指示がなされると、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)衛星からの到来電波を利用して、現在地から目的地までの最適経路(推奨経路)を探索し、ディスプレイ上にその最適経路を地図によって表示する一般的なナビゲーション機能を有する他、無線通信機能を活用して、通話を行ったり、情報配信センタ等から道路地図情報を受信したりする機能を有している。
また、無線通信機能を有する車載用ナビゲーション装置は、通話や地図情報の受信に限らず、インターネット上の配信サイト等から配信されてくる音楽や映像等の様々な情報を無線通信網を介してダウンロードすることが可能であり、こうした様々な情報をユーザ等に提示することで、優れた利便性を提供することが可能となっている。
また、携帯電話にあっては、ユーザ等が任意の場所で相手先と通話することができるため、固定電話を利用しなければ通話できなかった従来の通信環境に較べて、格段に優れた利便性を提供することが可能となっている。
特開2003−101462号公報
ところで、一般に、無線通信を行う通信機器にあっては、通信品質が電波状況によって左右され易いという不可避的な課題があるため、無線通信機能を有するナビゲーション装置や携帯電話等の移動体通信装置においても、例えばユーザ等が電波の届かない場所や、電波状況の良好でない場所に移動した場合、本来の無線通信機能を発揮することができなくなる等の問題があった。
そして、突然通信が途絶えた場合には、ユーザ等は自ら電波状況の良好な場所を知ることができないため、試行錯誤で各所に移動しつつ良好な電波状況が得られる場所を探索しなければならず、不便を強いられるという問題があった。
また、何らかの事故や緊急事態などが発生した場合に、ユーザ等がナビゲーション装置や携帯電話等の移動体通信装置を使用すれば、公的機関等の第三者に対して迅速且つ的確に通報することができるため、非常時の通信手段としてナビゲーション装置や携帯電話等の移動体通信装置の重要性が認識されている。
しかし、上述したように、ユーザ等が電波状況の良好でない場所や電波の届かない場所に移動した場合、電波状況の良好な場所を探索すべく試行錯誤で各所に移動しなければならず、迅速且つ的確な通報を行うことが困難となることから、こうした事態を改善し得る移動体通信装置の開発が望まれていた。
上記特許文献に記載されているナビゲーション装置では、こうした課題を解決するための一手法として、道路地図情報と併せて、CD-ROM等の記憶媒体で配布される通信電波の電界強度分布情報を予め装置内に格納しておき、ユーザ等の移動中の現在位置と道路地図情報と電界強度分布情報とを対比することによって、電波状況の悪い場所(通話可能域外)を移動中か否か判断している。そして、電波状況の悪い場所を移動中と判断すると、上述の道路地図情報と電界強度分布情報から、電波状態の良好な場所(通話可能域内)を検索し、ユーザ等を通話可能域外から通話可能域内へ誘導するための経路をディスプレイにて地図表示、すなわちナビゲーションするようになっている。
ところが、この従来のナビゲーション装置では、上述したようにCD-ROM等の記憶媒体で配布される通信電波の電界強度分布情報を利用して、ユーザ等を電波状況の良好な場所へ誘導することとしているため、電界強度分布情報それ自体が旧くなってしまい、ユーザ等を通話可能域外から通話可能域内へ誘導する際、ユーザ等の実際に移動中の現在位置に即した信頼性の高い誘導を行うことができなくなるという問題がある。
本発明は、こうした従来の問題点に鑑みてなされたものであり、電波状況の良好な場所をユーザ等に提示すると共に、信頼性の高い電波状況の情報を提示し得る移動体通信装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、建物内に敷設された通信機と電波により無線通信を行う通信装置において、前記建物内における前記通信装置の位置を検知して位置情報を生成する位置情報検知手段と、前記建物内に敷設された通信機から到来する電波の電界強度を測定して電界強度情報を生成する電界強度測定手段と、前記位置情報及び前記電界強度情報を対応付けて実測情報として記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記実測情報に基づいて立体的な電界強度分布を作成し、作成した当該電界強度分布及び位置情報に基づいて前記建物内において電波状況が良好となる方向を提示する誘導手段と、を有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、建物内に敷設された通信機と電波により無線通信を行う通信装置における誘導方法において、前記建物内における前記通信装置の位置を検知して位置情報を生成する位置情報検知工程と、前記建物内に敷設された通信機から到来する電波の電界強度を測定して電界強度情報を生成する電界強度測定工程と、前記位置情報及び前記電界強度情報とを対応付けて実測情報として記憶する記憶工程と、前記記憶工程で記憶された前記実測情報に基づいて立体的な電界強度分布を作成する電界強度分布作成工程と、前記立体的な電界強度分布及び前記位置情報生成工程で生成される前記位置情報に基づいて、前記建物内において電波状況が良好となる方向を提示する提示工程と、を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、建物内に敷設された通信機と電波により無線通信を行う通信装置に設けられたコンピュータに誘導処理を行わせる誘導処理用プログラムであって、前記建物内における前記通信装置の位置を検知して位置情報を生成させる位置情報検知ステップと、前記建物内に敷設された通信機から到来する電波の電界強度を測定して電界強度情報を生成させる電界強度測定ステップと、前記位置情報と前記電界強度情報とを対応付けて実測情報として記憶させる記憶ステップと、前記記憶ステップで記憶させた前記実測情報に基づいて立体的な電界強度分布を作成させる電界強度分布作成ステップと、前記立体的な電界強度分布と前記位置情報に基づいて、前記建物内において電波状況が良好となる方向を提示させる提示ステップと、を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明に係る記録媒体は、請求項8に記載の誘導処理用プログラムを記録していることを特徴とする。
本発明に係る移動体通信装置の実施の形態について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における移動体通信装置の主要部の構成を表したブロック図である。
同図において、本移動体通信装置1は、制御部2、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6、記憶部7を備えて構成されている。
位置情報検知部3は、GPS受信機等を有し、GPS衛星から到来する電波を利用して、本移動体通信装置1の位置を検知し、その検知結果を示す位置データDpsを出力する。
通信部4は、ユーザ等が電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりすると、移動体通信路網を介して電波により無線通信を行う。
電界強度測定部5は、通信部4が通信時に受信する受信信号に基づいて、電波の電界強度を測定し、その測定結果を示す電界強度データDepを出力する。
記憶部7は、電界強度測定部5から出力される電界強度データDepを実測データDaとして記憶する。すなわち、電界強度データDepと位置データDpsとを対応付けることで、測定場所の特定される電界強度データDepを実測データDaとして記憶する。そして、時々刻々と出力される電界強度データDepを実測データDaとして記憶していくことで、多数の実測データDaを格納するデータベースを構築する。
誘導部6は、位置情報検知部3から出力される位置データDpsに基づいて、本移動体通信装置1が移動したときの現在位置(別言すれば、ユーザ等の現在位置)を検出すると共に、記憶部7に記憶されている実測データDaに基づいて電界強度分布を作成する。そして、検出した上記現在位置に対し、通信部4が良好な電波状況の得られる方向を、電界強度分布から検出し、その検出した方向をディスプレイ等によって提示する。
制御部2は、本移動体通信装置1全体の動作を制御する他、記憶部7に既に記憶されている所定時間より過去の実測データDaを消去させ、更に新たな実測データDaが記憶される際、既に記憶されている旧い実測データDaから順に消去させることで、最新の実測データDaを蓄積させるようになっている。
かかる構成を有する本実施形態の移動体通信装置によれば、ユーザ等が本移動体通信装置1を携帯して移動すると、その移動に際して通信部4が通信を行ったときの電波の電界強度を電界強度測定部5が実際に測定し、記憶部7が、電界強度測定部5から出力される電界強度データDepと位置情報検知部3から出力される位置データDpsとを対応付けた実測データDaを記憶していくことでデータベースを構築する。そして、通信部4が良好な電波状況で通信を行うことが可能な場所を誘導部6が提示する際、その実測データDaに基づいて電界強度分布を作成し、その電界強度分布に基づいて、良好な電波状況の得られる方向を検出する。
このように、本実施形態の移動体通信装置によれば、ユーザ等が実際に移動した場所で測定した電波の電界強度の情報を、位置の情報に対応付けた実測データDaとして記憶しておき、その記憶しておいた実測データDaを利用して、通信部4にとって良好な電波状況の得られる方向(場所)を検出するので、ユーザ等に対し、極めて信頼性の高い誘導情報を提示することができる。
次に、より具体的な移動体通信装置の実施例について図2〜図7を参照して説明する。なお、図2は、本実施例に係るナビゲーション機能を有する携帯電話の構成を表したブロック図、図3は、携帯電話の機能を説明するための図である。
図2において、この携帯電話(以下「移動体通信装置」という)1は、制御部2と、位置情報検出部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6、記憶部7、表示部8及び操作部11を備えて構成されている。
制御部2は、マイクロプロセッサ(MPU)等を有する回路で形成されており、該マイクロプロセッサが、予めROM等に記憶されているシステプムログラムを実行することにより、本移動体通信装置1全体の動作を制御する。
また、制御部2には、操作部11が接続されており、操作部11に設けられている各種の操作ボタン(図示略)をユーザ等が操作することにより、制御部2に対して所望の指示をすることが可能となっている。
また、制御部2に対して、位置情報検出部3と通信部4と電界強度測定部5と誘導部6と記憶部7及び操作部11が、いわゆるデータバスとアドレスバス及びコントロールバスを介して、相互に接続されている。
位置情報検知部3は、GPS衛星からの到来電波を受信するGPS受信機を有しており、該GPS受信機で受信した受信信号に基づいて本移動体通信装置1の現在位置(緯度と経度)を測定し、その測定結果を示す位置データDpsを制御部2に供給する。
ここで、詳細については後述するが、操作部11を介してユーザ等から「ナビゲーション開始」の指示がなされると、制御部2の制御の下で、本移動体通信装置1がナビゲーション動作を開始すると共に、位置情報検知部3が測位動作を開始して、時々刻々と現在位置(緯度と経度)を検出し、個々の位置データDpsを制御部2に逐一供給する。
更に、制御部2が位置データDpsを誘導部6に逐一供給することにより、各位置データDpsに基づいてユーザ等の所望する目的地までの最適経路を表示部8にて地図表示させるためのいわゆるナビゲーション処理を行わせる。
また、制御部2は、位置情報検知部3から出力される個々の位置データDpsに基づいて後述の実測データDaを作成し、記憶部7に備えられている第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させるようになっている。
通信部4は、移動体通信路網を介して無線通信を行うための通信機を有しており、ユーザ等が操作部11を操作して、電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりすると、制御部2の制御の下で通信動作を行う。
電界強度測定部5は、通信部4が基地局あるいは中継局との間で通信を行っている際、到来電波の受信感度(別言すれば、到来電波の電界強度)を時々刻々と測定し、その測定結果を示す電界強度データDepを逐一制御部2に供給する。つまり、通信部4に設けられている通信機には、到来電波を受信して中間周波信号を生成する周波数変換回路が設けられており、電界強度測定部5がこの中間周波信号の実効値等を計測することで、到来電波の電界強度を測定するようになっている。ただし、本実施例の電界強度測定部5では、中間周波信号の実効値等を計測することで、到来電波の電界強度を測定することとしているが、他の技術手法によって到来電波の電界強度を測定するようにしてもよい。
更に、電界強度測定部5が電界強度データDepを出力すると、制御部2は、その電界強度データDepと、位置情報検知部3から出力される上述の位置データDpsと、制御部2内に設けられている時計回路(図示略)から出力される時刻データDtmとの3個のデータを組み合わせた実測データDaを生成し、記憶部7に備えられている第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる。
つまり、制御部2は、位置データDpsと電界強度データDepと時刻データDtmとを対応付けることによって、実際にユーザ等が存在した場所における到来電波の電界強度とその測定日時とを表すことが可能な実測データDaを生成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる。
そして、例えば、ユーザ等が本移動体通信装置1を携帯して電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行いながら移動すると、制御部2が実測データDaを次々と生成して記憶部7に記憶させていくことにより、電界強度分布の情報を有するデータベースを構築していく。
また、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行わない場合でも、電界強度測定部5が基地局や移動局との間の電波状況を測定することによって電界強度データDepを出力し、制御部2が該電界強度データDepと位置データDpsと時刻データDtmとを対応付けた実測データDaを次々と生成して記憶部7に記憶させていくことにより、電界強度分布の情報を有するデータベースを構築していく。
記憶部7は、再書き込み可能な不揮発性半導体メモリ等で形成され、所定のディレクトリ構造を有するファイルシステムに従って、各種データを管理するようになっており、上述した第1の電界強度情報ファイル10aの他、地図データDmを記憶する地図情報ファイル9と、配信データDbを記憶する第2の電界強度情報ファイル10bを有している。
ここで、地図情報ファイル9は、例えばインターネット上の配信サイト等から配信されてくる最新の地図データDmを格納する、いわゆる地図情報用データベースとなっている。
第1の電界強度情報ファイル10aは、上述の実測データDaが記憶されることで、実際にユーザ等が存在した場所における到来電波の電界強度を示す情報を構築するデータベースとなっている。
第2の電界強度情報ファイル10bは、例えばインターネット上の配信サイト等から地図データDmと共に配信されてくる、各地における無線電波の電界強度を示す配信データDbを格納する、いわゆる電界強度情報用データベースとなっている。
誘導部6は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等で形成されており、液晶ディスプレイ等で形成された表示部8に、ユーザ等にとって有用な情報を表示すべく、次に述べる各種の機能を有している。
〈通常誘導機能〉
誘導部6は、第1の機能として、〈通常誘導機能〉を有している。
ユーザ等が操作部11を操作し、所望の目的地を指定して「ナビゲーション開始」の指示をすると、誘導部6はナビゲーション処理を開始すると共に、ユーザ等が電話やメール通信、インターネット通信等を行っていない場合、すなわち、通信部4が通信動作をしていない場合に、〈通常誘導機能〉が作動して「通常誘導」の動作モードとなる。
この「通常誘導」の動作モードのときには、誘導部6は、ナビゲーション開始の指示がなされたときのユーザ等の位置(スタート位置)を位置情報検知部3からの位置データDpsに基づいて検出し、ユーザ等が予め操作部11によって設定した探索条件(例えば、最短距離であること、最短時間であること等の条件)を満足し得る該スタート位置から目的地までの最適経路を探索し、更に、記憶部7中の地図情報ファイル9からスタート位置近傍の地図データDmを読み出して、最適経路と共に表示部8にて地図表示する。つまり、図3(a)に例示するように、スタート位置Aから目的地Bまでの最適経路R1を地図と共に表示する。
更に、ユーザ等がスタート位置Aから移動すると、誘導部6は、位置情報検知部3から時々刻々と供給される位置データDpsに基づいて、ユーザ等の移動位置(現在位置)を検出し、例えば進行方向を示す矢印等のカーソルによって、ユーザ等の現在位置をリアルタイムで表示する。したがって、図3(a)に例示するように、ユーザ等がスタート位置Aから目的地Bまでの最適経路R1に従って移動すれば、カーソルが最適経路R1に沿って移動していくこととなり、ユーザ等に現在位置を知らせることができる。
また、スタート位置Aから目的地Bまでが遠距離の場合には、現在位置近傍の地図データDmを、地図情報ファイル9から読み出して、地図と最適経路R1とカーソルを表示することで、目的地Bに到達するまで、ユーザ等に見易い表示を提供する。
更に、最初に表示した最適経路R1に従わずにユーザ等が移動した場合には、誘導部6は、移動した位置を新たなスタート位置として目的地Bまでの新たな最適経路を探索し、更に、新たなスタート位置近傍の地図データDmを地図情報ファイル9から読み出して、新たな最適経路と共に表示部8にて地図表示する。そして、目的地Bに到達するまで、カーソルによってユーザ等の現在位置を表示しつつ、同様の処理を繰り返すことで、ユーザ等の移動状況に即応したナビゲーション処理を行う。
〈通信誘導機能〉
誘導部6は、第2の機能として、〈通信誘導機能〉を有している。
ユーザ等が操作部11を操作し、所望の目的地を指定して「ナビゲーション開始」の指示をすると、誘導部6はナビゲーション処理を開始すると共に、ユーザ等が電話やメール通信やインターネット通信等を行っている場合、すなわち、通信部4が通信動作を行っている場合に、〈通信誘導機能〉が作動して「通信誘導」の動作モードとなる。
この「通信誘導」の動作モードのときには、誘導部6は、ナビゲーション開始の指示がなされたときのユーザ等の位置(スタート位置)を、位置情報検知部3からの位置データDpsに基づいて検出して、該スタート位置から目的地までのユーザ等の設定した条件(例えば、最短距離であること、最短時間であること等の条件)を満足し得る最適経路を探索し、更に、スタート位置近傍の地図データDmを地図情報ファイル9から読み出して、最適経路と共に表示部8にて地図表示すると共に、ユーザ等の移動に伴う現在位置をカーソルで表示する。
したがって、誘導部6は、「通信誘導」の動作モードのときにも、基本的に上述の「通常誘導」の動作モードと同様のナビゲーション処理を行うが、ただし、「通信誘導」の動作モードのときには、「通常誘導」の動作モードの場合とは異なり、通信部4にとって良好な電波状況の得られる経路であって、ユーザ等の設定した上述の条件を満足し得る経路を最適経路として探索する。
例えば、「通常誘導」の動作モードの場合には、図3(a)に例示したスタート位置Aから目的地Bまでの経路R1が最適経路であったとしても、「通信誘導」の動作モードのときには、通信部4にとって良好な電波状況の得られる最適経路を探索するという要件を更に加えて、スタート位置Aから目的地Bまでの最適経路を探索することにより、別の経路が最適経路となった場合には、図3(b)に例示するように、その電波状況を優先した別の経路R2を最適経路として表示部8に表示し、更にユーザ等の移動に伴う現在位置をカーソルで表示する。
ここで、誘導部6は、ユーザ等の設定条件を緩和した探索条件に基づいて、スタート位置Aから目的地Bまでの地域、すなわち道路に限らない地域を探索領域と決め、該探索領域内に該当する実測データDaと配信データDbを第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。そして、読み出した実測データDaと配信データDbによって、探索領域内における電界強度分布を作成し、その電界強度分布に基づいて、スタート位置Aから目的地Bまでの良好な電波状況が得られる経路を探索することにより、上述の電波状況を優先した最適経路R2等を表示部8にて表示する。更に、誘導部6は、図3(b)に例示するように、作成した電界強度分布を等高線状に表示することにより、ユーザ等に対して、電波状況の良好な場所を提示する。
更に、誘導部6は、第2の電界強度ファイル10bに格納されている配信データDbに対し、第1の電界強度ファイル10aに格納されている実測データDaを優先して電界強度分布を作成すると共に、実測データDaが記憶されていない場所における電界強度分布を配信データDbに基づいて作成する。そして、最適経路を探索する際、まず、実測データDaから作成した電界強度分布に基づいて探索し、実測データDaが記憶されていない場所における電界強度分布を配信データDbから作成した電界強度分布で補完することにより、スタート位置から目的地まで切れ目のない最適経路を探索する。そして更に、実測データDaから作成した電界強度分布と、配信データDbから作成した電界強度分布を、表示部8によって等高線状に表示することにより、ユーザ等に対して、電波状況の良好な場所を提示する。
かかる機能によると、誘導部6は、第1の電界強度情報ファイル10aに格納されている実測データDaを利用して、最適経路の探索を行うと共に、電波状況の良好な場所を電界強度分布として提示するので、ユーザ等が実際に移動したときに測定した極めて信頼性の高い実測データDaに基づいたナビゲーション情報を提供することができる。
なお、本実施例では、上述したように、実測データDaと配信データDbとを利用して最適経路の探索と、電界強度分布の表示を行うこととしているが、実測データDaのみを利用して、最適経路の探索と電界強度分布の表示を行うようにしてもよい。かかる場合には、実測データDaが記憶されている場所における最適経路をその実測データDaから作成した電界強度分布に基づいて探索し、更にその探索した最適経路を地図上の道路等に沿って繋ぐことにより、実測データDaが記憶されていない場所における最適経路を近似的に探索するようにしてもよい。
〈地図非表示機能〉
誘導部6は、第3の機能として、〈地図非表示機能〉を有している。
誘導部6が、上述の「通常誘導」又は「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を行って、表示部8にて目的地までの経路を地図表示している際、ユーザが地図表示をしない旨の指示をすると、誘導部6は、「地図非表示」の動作モードとなり、図4(a)に例示するように、表示部8にて地図を表示することなく、表示画面の一部分のみに、目的地までの経路に沿って移動するためにユーザ等が現在位置から進行すべき方向を示す絵柄マークMを表示する。
すなわち、この「地図非表示」の動作モードでは、誘導部6は、表示部8に地図表示を行うことなく、ナビゲーション処理を継続し、電界強度分布の作成と、最適経路の探索と、ユーザ等の移動中の現在位置を検出し、最適経路に沿って移動するためにユーザ等が現在位置から進行すべき方向を検出する。そして、地図表示を行わない代わりに、表示部8の表示画面の一部分に、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向を絵柄マークMによって表示する。
例えば、誘導部6は、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が右側方向である場合には、図4(a)に示すように、アンテナの絵柄の右側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。また、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が左側方向である場合には、図4(b)に示すように、アンテナの絵柄の左側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。また、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が後方側である場合には、図4(c)に示すように、アンテナの絵柄の下側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。また、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向が前方側である場合には、図4(d)に示すように、アンテナの絵柄の上側に複数の線群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。
かかる〈地図非表示機能〉によると、「通常誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続している場合には、ユーザ等は絵柄マークMによって示される方向へ移動することで、例えば表示部8のほぼ全表示画面にメール電文やインターネットを介してダウンロードした情報等の地図以外の情報を表示させながら目的地に到達することができる。
また、「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続している場合には、ユーザ等は絵柄マークMによって示される方向へ移動することで、各種情報の表示に加え、良好な電波状況の下で通信等を行いながら目的地に到着することができる。
このように、地図非表示機能によると、ユーザ等にナビゲーション情報を提供しつつ、表示部8に他の情報を表示させることを可能にするため、ユーザ等の操作性を向上させることができる。
また、誘導部6が電波状況の良好な方向を各種の絵柄パターンMで表示部8の表示画面に表示することで、ユーザ等にとって理解しやすい誘導表示を提示することができる。
〈移動優先自動切り替え機能〉
誘導部6は、第4の機能として、〈移動優先自動切り替え機能〉を有している。
誘導部6が、ユーザ等の指示に従って、上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行うと、並列的に〈移動優先自動切り替え機能〉が作動する。
そして、誘導部6は、位置情報検知部3から出力される位置データDpsに基づいて、予め決められた時間τ(例えば、5分)の間にユーザ等が移動した移動距離Lを演算し、移動距離Lと時間τの比から移動速度Sを演算する。更に、時間τ毎に繰り返し、移動速度Sを演算する。そして、演算した移動速度Sが、閾値Th(例えば、時速4km)より小さければ、ユーザ等は徒歩で移動していると判断する。
更に、誘導部6が上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を継続し、表示部8にて電波状況の良好な最適経路を地図表示した場合に、ユーザ等が最適経路に沿って移動すれば、誘導部6は、良好な電波状況を重要視しつつ移動中であると判断して、上述した〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを継続する。つまり、誘導部6は、ユーザ等が徒歩で移動中であると判断した場合であっても、ユーザ等が最適経路に沿って移動すれば、良好な電波状況を重要視しつつ移動中であると判断して、上述した〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを継続する。
これに対し、誘導部6が、上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を継続し、表示部8にて電波状況の良好な最適経路を地図表示した場合に、ユーザ等が最適経路に沿って移動せず、且つ徒歩で移動中であると判断すると、ユーザ等が良好な電波状況を重要視するよりも、所望の方向へ移動することを重要視していると判断し、上述した〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に切り替わる。
つまり、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理中に、ユーザ等が通信誘導に応じることなく、別の方向へ徒歩で移動しているような場合には、誘導部6は、かかるユーザ等の移動状態を自動的に検出し、電波状況の良好な最適経路を提示する〈通信誘導機能〉から、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に切り替わる。
なお、誘導部6は、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に切り替わるだけでなく、ユーザ等の時々刻々と移動する現在位置を位置データDpsに基づいて検出し、その現在位置の周辺地域内に該当する実測データDaと配信データDbを、第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。そして、読み出した実測データDaと配信データDbによって、上述の周辺地域内における電界強度分布を作成し、その電界強度分布を等高線状に表示することにより、ユーザ等に対して、電波状況の良好な場所を提示するようにしてもよい。
また、誘導部6が上述の〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続し、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向を、図4(a)に例示した絵柄マークM等によって表示画面の一部分のみに表示した場合に、ユーザ等がその絵柄マークMに従った方向に移動中であれば、〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続する。すなわち、誘導部6は、ユーザ等が徒歩で移動中であると判断した場合であっても、ユーザ等が絵柄マークMに従った方向に移動中であれば、良好な電波状況を重要視しつつ目的地に向かって移動していると判断して、上述した〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続する。
これに対し、誘導部6が、上述の〈地図非表示機能〉によって「通信誘導」の動作モードによるナビゲーション処理を継続し、ユーザ等が現在位置から進行すべき方向を、図4(a)に例示した絵柄マークM等によって表示画面の一部分のみに表示した場合に、ユーザ等がその絵柄マークMに従った方向に移動せず、且つ徒歩で移動中であると判断すると、ユーザ等が良好な電波状況を重要視するよりも、所望の方向へ移動することを重要視していると判断し、ナビゲーション処理を上述した「通常誘導」の動作モードによるナビゲーション処理に切り替える。
以上に説明した〈移動優先自動切り替え機能〉によれば、ユーザ等が〈通信誘導機能〉又は〈地図非表示機能〉によるナビゲーションを指定した後、徒歩によって移動方向を変更するような場合に、誘導部6が自動的にユーザ等の移動状態を検出して、〈通常誘導機能〉によるナビゲーションに切り替わるので、ユーザ等の実際の移動状況に即した誘導を行うことができる。
更に、〈通常誘導機能〉によるナビゲーションに切り替わった後でも、良好な電波状況の得られる方向を、電界強度分布によって引き続き表示することで、ユーザ等が電話やメール通信やインターネット通信等を行おうとする場合に、優れた利便性を提供することができる。
〈電界強度自動表示機能〉
誘導部6は、第5の機能として、〈電界強度表示機能〉を有している。
ユーザ等が〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指定することなく、操作部11を操作して、電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりすると、誘導部6は、「電界強度自動表示」の動作モードとなり、ナビゲーション処理を行うことなく、図4(a)に例示したのと同様に、表示部8の表示画面の一部分に、絵柄マークMによって電波状況の良好な方向を表示する。
すなわち、誘導部6は、この「電界強度自動表示」の動作モードでは、ナビゲーション処理を行わず、通信部4が通信動作を開始するのに伴って位置情報検知部3から時々刻々と出力される位置データDpsに基づいて、ユーザ等の移動する現在位置を検出し、その現在位置の周辺地域内に該当する実測データDaと配信データDbを、第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。そして、読み出した実測データDaと配信データDbによって、上述の周辺地域内における電界強度分布を作成し、更にその電界強度分布に基づいて、現在位置から近く且つ最も電波状況の良好となる方向を絵柄マークMによって表示画面の一部分のみに表示する。
更に、「電界強度自動表示」の動作モードにおいても、誘導部6は、〈地図非表示機能〉の場合と同様に、電波状況の良好となる方向を、図4(a)〜(d)に示した各種の絵柄マークMによって、表示部8の表示画面の一部分のみに表示する。
このように〈電界強度自動表示機能〉によれば、ユーザ等が電話をかけたり、メール通信やインターネット通信等を行ったりするだけで、自動的に電波状況の良好な方向を提示すると共に、ユーザ等の移動する位置に応じて電波状況の良好な方向を提示するので、良好な通信状態の下で通信を行うことができるように、ユーザ等を誘導することができる。
更に、〈電界強度自動表示機能〉の場合にも、誘導部6は、ユーザ等が実際に移動したときに測定した実測データDaに基づいて、電波状況の良好な方向を示す絵柄マークMを表示するので、極めて信頼性の高いナビゲーション情報を提示することができる。
〈電界強度マニュアル表示機能〉
誘導部6は、第6の機能として、〈電界強度マニュアル表示機能〉を有している。
ユーザ等が〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指定することなく、更に、電話をかけずメール通信やインターネット通信等も行わない状態で、操作部11を操作して、電波状況の良好な場所を検知するための指示をすると、誘導部6が「電界強度マニュアル表示」の動作モードとなり、図4(a)に例示したように、表示部8の表示画面の一部分に、絵柄マークMによって電波状況の良好な方向を表示する。
すなわち、誘導部6は、「電界強度マニュアル表示」の動作モードとなると、位置情報検知部3を作動させて、位置データDpsの入力を開始する。そして、時々刻々と供給される位置データ
Dpsに基づいて、ユーザ等の移動する現在位置を検出し、その現在位置の周辺地域内に該当する実測データDaと配信データDbを、第1,第2の電界強度情報ファイル10a,10bから読み出す。更に、読み出した実測データDaと配信データDbによって、上述の周辺地域内における電界強度分布を作成し、更にその電界強度分布に基づいて、現在位置から近く且つ最も電波状況の良好となる方向を絵柄マークMによって表示画面の一部分に表示する。
このように、〈電界強度マニュアル表示機能〉によれば、ユーザ等は通信状態でないときにおいても電波状況の良好となる方向がわかるので、通信を開始する前に電波状況を確認して良好なところで通信を開始することができる。
すなわち、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行わなくとも、ユーザ等の移動する位置に応じて電波状況の良好な方向を提示するので、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行ったり、上述の〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指示しようとする前に、予め良好な通信状態が得られる場所を迅速且つ確実に知ることができ、優れた利便性を提供することができる。
〈立体誘導機能〉
本移動体通信装置1は、建物内に敷設されている近距離通信システムとの間で通信を行う機能が設けられている。例えば、いわゆるブルーツース(Blue Tooth)規格に準拠した通信機が建物内の各階等に敷設され、通信部4がその各階の通信機との間で通信を行うと、電界強度測定部5が、各階の通信機から到来する電波の電界強度を検出し、電界強度データDepを制御部2に供給する。そして、制御部2が電界強度データDepに基づいて実測データDaを作成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる。
そして、ユーザ等が電話をかけたり、上述の「電界強度マニュアル表示」の指示を行ったりすると、誘導部6は、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶されている実測データDaに基づいて、上述の建物内に敷設されている通信機から到来する電波の電界強度分布、すなわち立体的な電界強度分布を作成し、ユーザ等の現在位置から近く且つ最も良好な電波状況の得られる方向をその電界強度分布に基づいて検出して、絵柄マークMによって表示部8に表示する。
更に、誘導部6は、ユーザ等の現在位置に対して、例えば建物内の上方側に、良好な電波状況の得られる場所が存在する場合には、図4(f)に示すように、アンテナの絵柄の上側に複数の楕円群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させ、ユーザ等の現在位置に対して、例えば建物内の下方側に、良好な電波状況の得られる場所が存在する場合には、図4(e)に示すように、アンテナの絵柄の下側に複数の楕円群が追加された絵柄パターンMを表示画面の一部分に表示させる。
このように、〈立体誘導機能〉によれば、ユーザ等が建物内において電波状況の良好な場所で通話等をしたいと欲する場合に、表示部8に表示された絵柄マークMを見ることで、良好な電波状況の得られる階等を知ることができる。このため、ユーザ等に対し、優れた利便性を提供することができる。
また、誘導部6が電波状況の良好な方向を各種の絵柄パターンMで表示部8に表示するので、ユーザ等にとって理解しやすい誘導表示を提示することができる。
〈共有データ利用機能〉
本移動体通信装置1は、電界強度測定部5が実測した現在位置における電界強度データDpsを通信部4から基地局へ送信する機能を有しており、更に、基地局から、様々な場所の電界強度データをダウンロードし、制御部2がその電界強度データから実測データDaを作成して第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させる機能を有している。
すなわち、本移動体通信装置1は、多数の所有者が夫々の現在位置における電界強度データ
Dpsを通信部4から基地局へ送信すると、それらの電界強度データDpsを集積して基地局側に共有データベースを作成させ、その共有の電界強度データを各所有者の移動体通信装置1へ配信させる機能を有している。
そして、ユーザ等が電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行ったりすると、誘導部6は、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶された共有の実測データDaに基づいて電界強度分布を作成し、電波状況の良好な方向を表示部8にて表示する。
したがって、〈共有データ利用機能〉によれば、多数のユーザ等から集積された最新且つ実際に即した電界強度データに基づいて、電波状況の良好な方向をユーザ等に提示することとなり、極めて信頼性の高い情報を提供することができる。
〈実測データタイムアウト機能〉
制御部2には、電界強度測定部5から出力された電界強度データDepに基づいて作成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させた実測データDaのうち、旧いデータから順に消去する〈実測データタイムアウト機能〉が設けられている。
すなわち、制御部2が、上述したように電界強度測定部5から出力される電界強度データDepに基づいて実測データDaを作成する際、電界強度データDepと、位置情報検知部3から出力される位置データDpsと、制御部2内に設けられている時計回路から出力される時刻データDtmとの3個のデータを組み合わせた実測データDaを生成し、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶させるようになっている。
そして、制御部2が、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶した各実測データDaの時刻データDtmを調べ、最も旧い実測データDaから順に消去することにより、記憶部7の記憶容量の範囲内で、新しい実測データDaを第1の電界強度情報ファイル10a内に確保する。
かかる機能によれば、記憶容量の限られた記憶部7を有効に利用して、最新の実測データDaを記憶しておくことができるので、誘導部6が信頼性の高い電界強度分布を作成することができ、ひいては、信頼性の高い誘導情報をユーザ等に提示することができる。
更に、〈実測データタイムアウト機能〉によると、誘導部6が上述の〈移動優先自動切り替え機能〉、〈電界強度自動表示機能〉、〈電界強度マニュアル表示機能〉等による動作中に、第1の電界強度情報ファイル10aに記憶されている実測データDaに基づいて電界強度を作成すると、極めて信頼性が高く且つ利便性の高い誘導情報を提供することが可能となる。
すなわち、ユーザ等が、ビルの乱立した市街地などの比較的狭い地域内で、電話をかけたり、メール通信やインターネット通信を行いながら、ショッピング等を行いつつ移動しているような場合、第1の電界強度情報ファイル10aには、その比較的狭い地域内における電界強度を示す最新の実測データDaが蓄積されていき、更に、制御部2が旧い実測データDaを消去していくことにより、第1の電界強度情報ファイル10aには、益々その比較的狭い地域内における電界強度示す最新の実測データDaが多数蓄積されていく。この結果、誘導部6が電界強度分布を作成すると、密度の高い電界強度分布を作成することが可能となり、ユーザ等の僅かな移動距離毎に、電波状況の良好な方向を絵柄マークM等によって提示することが可能となる。
ここで、ビルの乱立した市街地などの地域では、僅かな場所の違いでも電波状況が異なることから、ユーザ等が自ら電波状況の良好な場所を探すことは、たとえ直ぐ隣の場所が電波状況の良好な場所であったとしても、困難を伴うものである。
しかし、上述したように、誘導部6が電界強度分布を作成すると、密度の高い電界強度分布を作成することが可能となり、ユーザ等の僅かな移動距離毎に、電波状況の良好な方向を絵柄マークM等によって提示することが可能となることから、ユーザ等は絵柄マークM等を見ることによって、即座に電波状況の良好な場所を知ることができる。このように、〈実測データタイムアウト機能〉によると、特に、比較的狭い地域内をユーザ等が移動する場合に、極めて信頼性が高く且つ利便性の高い誘導情報を提供することが可能となる。
次に、かかる構成を有する移動体通信装置1の動作例を図5〜図7に示すフローチャートを参照して説明する。
図5は、〈通信誘導機能〉と〈通常誘導機能〉によるナビゲーション動作を示したフローチャート、図6は、誘導部6が電界強度分布を作成する際の動作を示したフローチャート、図7は、誘導部6が〈移動優先自動切り替え機能〉による動作を示したフローチャートである。
図5において、ユーザ等が操作部11を操作し、所望の条件(例えば、最短距離であること、最短時間であること等の条件)を指定して、ナビゲーション開始の指示をすると、制御部2の制御の下で、誘導部6がナビゲーション処理を開始する。そして、まず、ステップS1において、誘導部6が、ユーザ等によって〈通信誘導機能〉によるナビゲーションが指定されているか判断し、指定されていれば、ステップS2に移行して、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を開始する。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したかを判断し、目的地に到達するまで、ステップS1〜S3の処理を繰り返す。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したことを判断すると、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を終了する。
したがって、ユーザ等が、いわゆるマニュアル操作によって、〈通信誘導機能〉によるナビゲーションを指定した場合には、その指示に従って、誘導部6が、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行う。
次に、上述のステップS1において、誘導部6が、〈通信誘導機能〉によるナビゲーションが指定されていないと判断すると、ステップS4へ移行して、通信部4が通信中の状態か否か判断する。通信中であれば、ステップS5へ移行し、誘導部6が、自動的に〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を開始する。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したことを判断すると、誘導部6は、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を終了する。
また、上述のステップS4において、通信部4が通信中の状態にないと誘導部6が判断すると、ステップS6に移行し、自動的に〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理を開始する。そして、ステップS3において、ユーザ等が目的地に到達したことを判断すると、誘導部6は、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理を終了する。
このように、ユーザ等がナビゲーション開始の指定を行って、電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行った場合には、自動的に〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行い、ユーザ等がナビゲーション開始の指定を行って、電話をかけたりメール通信やインターネット通信等を行わない場合には、自動的に〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理を行うことで、ユーザ等に対して、優れた操作性を提供することが可能となっている。
次に、図6において、誘導部6が電界分布を作成する場合、まず、ステップS10において、第1の電界強度情報ファイル10aに実測データが存在するか調べ、存在していればステップS11に移行して、所定時間内に実測した実測データDaが存在するか更に調べる。すなわち、旧い実測データに基づいて電界強度分布を作成すると、その電界強度分布は信頼性の低いものとなるので、ステップS11において、所定時間内に実測した実測データDaが存在するか更に調べる。
そして、所定時間内に実測した実測データDaが存在している場合には、ステップS12に移行して、所定時間内に実測した実測データDaを優先して利用し、第2の電界強度情報ファイル10bに記憶されている配信データDmを補完用として、それらの実測データDaと配信データDmに基づいて電界強度分布を作成し、電界強度分布の作成処理を終了する。
上述のステップS10又はS11において、誘導部6が、実測データが存在していない、又は所定時間内に実測した実測データDaが存在していないと判断すると、ステップS13へ移行して、第2の電界強度情報ファイル10bに配信データが存在するか調べる。そして、配信データDbが存在していれば、誘導部6は、ステップS14に移行して、配信データDbに基づいて電界強度分布を作成し、その作成処理が完了すると、電界強度分布の作成処理を終了する。
このように、誘導部6は、最新の実測データDaを優先とし、配信データDbを補完用として電界強度分布を作成することで、電波状況の良好な方向をユーザ等に提示する際、信頼性の高い誘導情報を提示することができる。
次に、図7において、誘導部6が、ユーザ等の指示等に従って、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を行い、ステップS20において、ユーザ等に最適経路の提示、又は、良好な電波状況が得られる方向の提示を行うと、次に、ステップS21において、それらの提示に従ってユーザ等が移動したかを調べる。そして、提示に従って、ユーザ等が移動した場合には、〈通信誘導機能〉によるナビゲーション処理を継続し、ユーザ等が目的地に到達すると、ナビゲーション処理を終了する。
一方、ステップS21において、上述の提示に従って、ユーザ等が移動しなかった場合には、ステップS23に移行して、誘導部6は、〈通常誘導機能〉によるナビゲーション処理に自動的に切り替え、ユーザ等が目的地に到達すると、ナビゲーション処理を終了する。
このように、誘導部6は、ユーザ等の実際の移動状況に即したナビゲーション処理を行うことにより、ユーザ等に優れた利便性を提供するようになっている。
以上説明したように、本実施例の移動体通信装置1によれば、上述した各種機能によってユーザ等を誘導するので、ユーザ等に優れた利便性を提供することができる。
特に、第1の電界強度情報ファイル10aに実測データDaを記憶させて、その実測データ
Daに基づいて電界強度分布を作成し、その作成した電界強度分布に基づいて目的地までの最適経路を探索したり、電波状況の良好な方向を提示したりするので、最新の情報に基づく信頼性の高い誘導情報をユーザ等に提示することができる。
なお、本実施例では、図4(a)〜(f)に示したように、電波状況の良好な方向を絵柄マークMによって提示することとしているが、他の提示方法によっても良い。例えば、本移動体通信装置1の筐体に、振動素子を設けておき、その振動素子の振動形態を変化させることにより、電波状況の良好な方向を振動で提示するようにしてもよい。また、本移動体通信装置1の筐体の一端に、異なった色に変化する1又は複数個のカラー発光素子を設けておき、これらのカラー発光素子の発光色を変えることにより、電波状況の良好な方向を提示するようにしてもよい。
また、携帯電話としての移動体通信装置1について説明したが、本実施例の移動体通信装置1は、無線通信機能を有するいわゆる車載用のナビゲーション装置にも適用することができる。
また、移動体通信装置1を構成している制御部2と、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6及び記憶部7の機能を、コンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ(MPU)によって発揮させるようにしてもよい。すなわち、マイクロプロセッサ(MPU)に、制御部2と、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6及び記憶部7の機能を発揮させるコンピュータプログラムを実行させ、該マイクロプロセッサによって、上述した〈通信誘導機能〉、〈電界強度自動表示機能〉等の各種機能によるナビゲーションを行わせるようにしてもよい。
また、マイクロプロセッサ(MPU)に、制御部2と、位置情報検知部3、通信部4、電界強度測定部5、誘導部6及び記憶部7の機能を発揮させるコンピュータプログラムをCDやDVD等の記憶媒体に記憶しておき、該記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを当該マイクロプロセッサ(MPU)に実行させることで、上述した〈通信誘導機能〉、〈電界強度自動表示機能〉等の各種機能によるナビゲーションを行わせるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係る移動体通信装置の構成を表したブロック図である。 実施例に係る移動体通信装置の構成を表したブロック図である。 図2に示した移動体通信装置の機能を説明するための図である。 図2に示した移動体通信装置に設けられている表示部に表示される絵柄マークを表した図である。 図2に示した移動体通信装置の動作例を示したフローチャートである。 更に、図2に示した移動体通信装置の動作例を示したフローチャートである。 更に、図2に示した移動体通信装置の動作例を示したフローチャートである。
1…移動体通信装置
2…制御部
3…位置情報検知部
4…通信部
5…電界強度測定部
6…誘導部
7…記憶部

Claims (9)

  1. 通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置において、
    前記通信装置の位置を検知して位置情報を出力する位置情報検知手段と、
    前記電波の電界強度を測定して電界強度情報を出力する電界強度測定手段と、
    前記位置情報及び前記電界強度情報を対応付けて実測情報として記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記実測情報に基づいて電界強度分布を作成し、作成した当該電界強度分布及び位置情報に基づいて当該通信装置の現在位置に電波状況が良好となる方向を提示する誘導手段と、
    を有することを特徴とする通信装置。
  2. 前記記憶手段に記憶された前記実測情報のうち所定時間より過去の実測情報を消去する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記記憶手段は地図情報をさらに記憶し、
    前記誘導手段はユーザ等から所望の目的地までのナビゲーション要求がなされると、前記通信手段が作動中のときには、前記記憶手段に記憶されている実測情報に基づいて電界強度分布を作成し、作成した電界強度分布及び前記地図情報に基づいて、電波状況が良好となる前記目的地までの経路を探索して提示することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
  4. 前記誘導手段は、電波状況が良好となる前記目的地までの経路に従わないと判断した場合に、前記電界強度分布を用いずに前記目的地までの経路を探索して提示することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
  5. 前記記憶手段は、前記通信網を介して配信される配信電界強度情報をさらに記憶し、
    前記誘導手段は、前記実測情報と前記配信電界強度情報に基づいて前記電界強度分布を作成することを特徴とする請求項1、2、4の何れか1項に記載の通信装置。
  6. 前記誘導手段は、前記実測情報を優先とし、前記配信電界強度情報を補完用として、前記電界強度分布を作成することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
  7. 通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置における誘導方法において、
    前記通信装置の位置を検知して位置情報を出力する位置情報出力工程と、
    前記電波の電界強度を測定して電界強度情報を出力する電界強度出力工程と、
    前記位置情報出力工程によって出力される前記位置情報と前記電界強度出力工程によって出力される前記電界強度情報とを対応付けて実測情報として記憶する記憶工程と、
    前記記憶工程によって記憶された前記実測情報に基づいて電界強度分布を作成する電界強度分布作成工程と、
    前記電界強度分布作成工程によって作成された前記電界強度分布及び前記位置情報出力工程によって出力される前記位置情報に基づいて当該通信装置の現在位置における電波状況に対し電波状況が良好となる方向を提示する提示工程と、
    を有することを特徴とする誘導方法。
  8. 通信網を介して電波により無線通信を行う通信装置に設けられたコンピュータに誘導処理を行わせる誘導処理用プログラムであって、
    前記通信装置の位置を検知して位置情報を出力させる位置情報出力ステップと、
    前記電波の電界強度を測定して電界強度情報を出力させる電界強度出力ステップと、
    前記位置情報と前記電界強度情報とを対応付けて実測情報として記憶させる記憶ステップと、
    前記記憶させた前記実測情報に基づいて電界強度分布を作成させる電界強度分布作成ステップと、
    前記電界強度分布と前記位置情報に基づいて、前記通信装置の現在位置における電波状況に対し電波状況が良好となる方向を提示させる提示ステップと、
    を有することを特徴とする誘導処理用プログラム。
  9. 請求項8に記載の誘導処理用プログラムを記録していることを特徴とする記録媒体。
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