JPWO2005089742A1 - 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬 - Google Patents

頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2005089742A1
JPWO2005089742A1 JP2006511224A JP2006511224A JPWO2005089742A1 JP WO2005089742 A1 JPWO2005089742 A1 JP WO2005089742A1 JP 2006511224 A JP2006511224 A JP 2006511224A JP 2006511224 A JP2006511224 A JP 2006511224A JP WO2005089742 A1 JPWO2005089742 A1 JP WO2005089742A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acceptable salt
pharmacologically acceptable
acid derivative
general formula
derivative represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006511224A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4808613B2 (ja
Inventor
芳伸 山崎
芳伸 山崎
正三 小嶋
正三 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from PCT/JP2004/004000 external-priority patent/WO2005092321A1/ja
Application filed by Kissei Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kissei Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP2006511224A priority Critical patent/JP4808613B2/ja
Publication of JPWO2005089742A1 publication Critical patent/JPWO2005089742A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4808613B2 publication Critical patent/JP4808613B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

頻尿または尿失禁の予防または治療薬として有用な医薬を提供する。すなわち、本発明は、優れた膀胱内圧の低下作用や、排尿間隔の延長作用を発揮し、頻尿または尿失禁の予防または治療薬として有用な、下記一般式(I)(式中のR1は、水酸基または低級アルコキシ基である)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物とα1アドレナリン受容体遮断薬とを組み合わせてなる医薬に関するものである。

Description

本発明は、頻尿または尿失禁の予防または治療に有用な医薬に関するものである。更に詳しく述べれば、本発明は、一般式
Figure 2005089742
(式中のR1は水酸基または低級アルコキシ基である)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物と、α1アドレナリン受容体(以下、「α1-AR」ということがある)遮断薬とを組み合わせてなることを特徴とする頻尿または尿失禁の予防または治療用の医薬に関するものである。
近年、高齢化が進み、排尿におけるQOLに対する関心が高まるのに伴い、頻尿、尿失禁等の下部尿路症状を訴える人が増加している。下部尿路症状を来す疾患は、非常に多岐にわたるが、頻尿、尿失禁を主訴として医療機関を受診する高齢者が多い。現在、頻尿、尿失禁の治療は、排尿習慣をつける時間排尿、骨盤底筋体操、もしくは患者教育等による行動療法と、薬物療法との併用が一般的である。しかし、薬物療法の中心となる抗コリン剤は、口渇、便秘、排出障害、中枢神経症状等の副作用が危惧され、治療を継続できなかったり、治療効果が不十分な場合がある(非特許文献1参照)。
一方、優れたβ3アドレナリン受容体(以下、「β3-AR」ということがある)刺激作用を有する本発明の一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体を含む一連の化合物が開発され、膀胱排尿筋を弛緩させて膀胱容量を増加させ蓄尿量を増加させる作用を発揮することによる、頻尿、尿失禁等の新しい予防または治療薬が提案されている(特許文献1参照)。
ところで、前立腺肥大では、前立腺、尿道の平滑筋に主として分布するα1-ARが増加する。シロドシン、タムスロシン、ウラピジル等のα1-AR遮断薬は、α1-AR遮断作用により尿道平滑筋を弛緩させるため、尿道抵抗を改善することが知られている。例えば、シロドシンでは、前立腺肥大を伴う排尿困難症(特許文献2参照)、タムスロシンでは、前立腺肥大を伴う排尿困難症(特許文献3参照)、下部尿路の機能的閉塞に伴う排尿障害(特許文献4参照)、神経因性膀胱に伴う排出障害(特許文献5参照)、ウラピジルでは、神経因性膀胱に伴う排尿障害(非特許文献2参照)に対する有用性について、それぞれ報告されている。しかしながら、これらの文献には、α1-AR遮断薬が、膀胱内圧を低下させる作用あるいは排尿間隔を延長する作用を有することについては全く報告されておらず、更にα1-AR遮断薬と一般式(I)で表される化合物とを組み合せてなる医薬は全く示唆されていない。なお、特許文献6には、泌尿生殖器の疼痛、炎症等へβ3-AR刺激薬とα1-AR遮断薬とを含む数多くの薬物を併用する旨が記載されているが、具体的にβ3-AR刺激薬とα1-AR遮断薬とを組み合わせて使用する記載はなく、更にそれらを使用することが、頻尿、尿失禁の予防や治療に有効である旨の記載もない。
このような状況において、今後さらに高齢化が進むにつれ、患者数とともに重症例も増加することが予想されるため、頻尿や尿失禁に対する効果的な予防または治療薬が、ますます強く望まれている。
国際公開00/02846号パンフレット 国際公開99/15202号パンフレット 特公昭62-52742公報 特開2001-288115号公報 国際公開00/00187パンフレット 国際公開02/069906号パンフレット Scope、ファルマシア株式会社、2003年、第42巻、第1号、p.14-15 医薬ジャーナル、医薬ジャーナル社、1997年、第33巻、S-1号、p.193-197
本発明の課題は、頻尿または尿失禁の予防または治療薬として有用な医薬を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、頻尿や尿失禁に対する予防または治療薬につき鋭意研究した結果、驚くべきことに、α1-AR遮断薬が膀胱内圧低下作用を示すことを見出し、更には、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体と、α1-AR遮断薬とを組み合わせると、膀胱内圧低下作用や排尿間隔延長作用を増強し合い、それぞれを単独で用いた場合よりも顕著な効果を発揮するという知見を得、本発明を成すに至った。
本発明は、優れた膀胱内圧低下作用や排尿間隔の延長効果を発揮し、頻尿または尿失禁の予防または治療薬として有用な下記のフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物とα1-AR遮断薬とを組み合わせてなる医薬を提供するものである。
すなわち本発明は、
(1)一般式
Figure 2005089742
(式中のR1は水酸基または低級アルコキシ基である)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物及びα1-AR遮断薬とを組み合わせてなる、頻尿または尿失禁の予防または治療用の医薬;
(2)一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体が、(−)−2−[4−[2−[[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]−2,5−ジメチルフェノキシ]酢酸エチルである、前記(1)記載の医薬;
(3)α1アドレナリン受容体遮断薬が、シロドシン、タムスロシン、プラゾシン、テラゾシンもしくはナフトピジルまたはその薬理学的に許容される塩である、前記(1)または(2)記載の医薬;
(4)α1アドレナリン受容体遮断薬が、シロドシンもしくはタムスロシンまたはその薬理学的に許容される塩である、前記(3)記載の医薬;
(5)プラゾシンまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、塩酸プラゾシンの成人に対する経口投与量として1〜12mg/日である、前記(3)記載の医薬;
(6)ナフトピジルまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、ナフトピジルの成人に対する経口投与量として25〜150mg/日である、前記(3)記載の医薬;
(7)シロドシンまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、シロドシンの成人に対する経口投与量として1〜16mg/日である、前記(4)記載の医薬;
(8)タムスロシンまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、塩酸タムスロシンの成人に対する経口投与量として0.1〜0.8mg/日である、前記(4)記載の医薬;
(9) 一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物およびα1-AR遮断薬からなる、頻尿または尿失禁の予防または治療用の組合せ製剤;
(10)α1-AR遮断薬を有効成分として含有する、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物の頻尿または尿失禁の予防または治療効果の増強剤;
(11)一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物と、α1-AR遮断薬とを組み合わせて使用することを特徴とする頻尿または尿失禁の予防または治療方法;等に関するものである。
本発明を詳細に述べれば、後述するように、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体とα1-AR遮断薬とを組み合わせて使用した場合、麻酔下ラット膀胱内圧試験において、単剤投与に比して顕著な膀胱内圧低下作用を発揮し、更に、酢酸刺激ラット排尿間隔試験において、単剤投与に比べて、顕著な排尿間隔の延長効果を示した。従って、頻尿または尿失禁の予防または治療に、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体とα1-AR遮断薬とを組み合わせて使用することは極めて効果的である。
一般式(I)において、R1の低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等炭素数1〜6の直鎖状および分枝状のアルコキシ基が挙げられる。
一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体としては、(−)−2−[4−[2−[[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]−2,5−ジメチルフェノキシ]酢酸エチル(以下、「化合物1」という)が好ましい。
一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体は、文献記載の方法等により製造することができる(例えば、特許文献1参照)。
一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体は、常法により、その薬理学的に許容される塩とすることができる。このような塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸との塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のカルボン酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のスルホン酸との塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩等の無機塩基との塩;およびトリエチルアミン、ピペリジン、モルホリン、ピリジン、リジン等の有機塩基との塩等を挙げることができる。
一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体またはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物の投与量は、患者の体重、年齢、性別、疾患の程度及び組み合わせるα1-AR遮断薬に応じて適宜決定すればよい。通常、成人に対して、経口投与では1〜1000 mg/日、非経口投与では、0.01 mg〜100 mg/日である。α1-AR遮断薬としては、例えば、シロドシン、タムスロシン、プラゾシン、テラゾシン、ナフトピジル等を挙げることができ、それらの薬理学的に許容される塩として使用することもできる。これらのうち、α1-ARに選択性が高いタムスロシン、シロドシンが好ましい。
α1-AR遮断薬の投与量は、患者の体重、年齢、性別、疾患の程度に応じて、適宜決定すればよい。例えば、成人に対する経口投与時の投与量は、シロドシンで1〜16 mg/日、塩酸タムスロシンで0.1〜0.8 mg/日、塩酸プラゾシンで1〜12 mg/日、ナフトピジルで25〜150 mg/日である。
一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体と上記α1-AR遮断薬とを組み合わせてなる医薬は、該フェノキシ酢酸誘導体及びα1-AR遮断薬からなる単一製剤であっても、該フェノキシ酢酸誘導体を含む製剤とα1-AR遮断薬を含む製剤とを同時にまたは間隔をあけて別々に投与する組合せ製剤であってもよい。また、組合せ製剤として投与するときには、各々の製剤の投与経路は同一でも異なっていてもよい。
該フェノキシ酢酸誘導体及びα1-AR遮断薬からなる医薬は、該フェノキシ酢酸誘導体及びα1-AR遮断薬と、適当な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等の製剤担体とを適宜混合し、常法により種々の剤形のものを製造することができる。また、該フェノキシ酢酸誘導体とα1-AR遮断薬からなる組合せ製剤には、それぞれ入手可能な単独製剤を使用することができる。
なお、本発明の組合せ医薬組成物は、必要に応じて、更に他の頻尿、尿失禁に有効な医薬を組み合わせてもよい。他の頻尿、尿失禁に有効な医薬としては、例えば、抗コリン薬、β2アドレナリン受容体アゴニスト、エストロゲン製剤、中枢神経作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬等)、ニューロキニン受容体アンタゴニスト、カリウムチャネルオープナー、バニロイド受容体アゴニスト、バソプレッシン2受容体アゴニスト、GABA受容体アゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、ドーパミン受容体アゴニスト、抗アレルギー薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬、NO合成阻害薬などが挙げられる。
該フェノキシ酢酸誘導体とα1-AR遮断薬とを組み合わせて使用すると、膀胱内圧を顕著に低下させ、あるいは排尿間隔を顕著に延長させるため、神経性頻尿症、夜間頻尿症、前立腺肥大などにおける頻尿症もしくは尿失禁、特発性頻尿症もしくは尿失禁等のほか、神経因性膀胱機能障害、不安定膀胱、膀胱痙攣、慢性または急性膀胱炎、慢性または急性前立腺炎等に伴う頻尿や尿失禁の予防または治療に対して、極めて高い効果が得られ、単剤では効果が不十分な患者や、当該疾患に使用する薬剤の減量を望む患者等に対しても、有効な治療剤となることが期待できる。
本発明の、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物と、α1-AR遮断薬とを組み合わせてなる医薬は、優れた膀胱内圧低下作用あるいは排尿間隔延長作用を発揮する。それ故、本発明により、頻尿または尿失禁に極めて有用な予防または治療用医薬を提供することができる。
図1は、麻酔下ラットにおける各薬物の膀胱内圧低下作用を示す。棒グラフは、左から塩酸タムスロシン単独、化合物1単独、塩酸タムスロシンと化合物1との組合せのデータを示す。縦軸は、膀胱内圧低下作用を、イソプロテレノールによる最大低下作用に対する百分率で示す。 図2は、酢酸刺激ラットにおける各薬物の排尿間隔延長作用を示す。棒グラフは、左から溶媒、シロドシン単独、化合物2単独、シロドシンと化合物2との組合せのデータを示す。縦軸は、排尿間隔の延長作用を、投与前値に対する百分率で示す。
本発明の内容を以下の実施例でさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
麻酔下ラット膀胱内圧試験
雄性ラットをウレタン麻酔し、気管、大腿静脈カニューレを挿入した。腹部を正中切開し、両側尿管を結紮し、結紮部の中枢端を切開した。尿道結紮後、膀胱頂部よりカニューレを挿入し、三方活栓を介し加温した生理食塩液を膀胱内圧が約10 cmH2Oとなるように注入した。膀胱カニューレの他端に圧トランスデューサーを接続し、膀胱内圧を測定した。大腿静脈カニューレより塩酸ミドドリン3 mg/kgを投与した。塩酸ミドドリン投与10分後、塩酸タムスロシン(5 mg/kg, iv)または化合物1(10 mg/kg, iv)を静脈内投与し、単独投与による膀胱内圧低下作用を検討した。次に、塩酸タムスロシン(5 mg/kg, iv)を投与した標本に、投与15分後に化合物1(10 mg/kg, iv)を静脈内投与し、併用効果を検討した。最後にイソプロテレノールを10 mg/kg静脈内投与し、その最大低下作用を100%とした。その結果、図1に示したとおり、ラット膀胱内圧低下作用は、塩酸タムスロシン単独、化合物1単独、塩酸タムスロシンと化合物1併用で、それぞれ26%、37%、74%であった。
図1から、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体とα1-AR遮断薬とを組み合わせて使用すると、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体がα1-AR遮断薬の作用を増強、またはα1-AR遮断薬がフェノキシ酢酸誘導体の作用を増強することにより、顕著な膀胱内圧低下作用を示していることがわかる。
酢酸刺激ラット排尿間隔試験
雌性ラットをウレタン麻酔し、腹部を正中切開し、両側尿管を結紮し切断した後、腎臓側断端は開放とした。膀胱頂部よりカニューレを挿入し、三方活栓を介して膀胱内圧測定路及び膀胱内注入路を確保した。膀胱カニューレの他端に圧トランスデューサーを接続し、膀胱内圧を測定した。生理食塩液を膀胱内へ持続注入(3.6 mL/hr)した。酢酸溶液(0.25%)を膀胱内へ持続注入(3.6 mL/hr)し、排尿間隔の短縮を誘発した。安定した排尿間隔が得られた後に、シロドシン(0.03 mg/kg)、(−)−2−[4−[2−[[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]−2,5−ジメチルフェノキシ]酢酸(以下、「化合物2」という)(1 mg/kg)、またはシロドシン(0.03 mg/kg)及び化合物2(1 mg/kg)の両剤を、それぞれ大腿静脈カニューレより投与し、排尿が起きてから次の排尿が誘発されるまでの時間(排尿間隔)を測定した。各薬物投与前2回の平均排尿間隔と、薬物投与後30分間に起きた全排尿の平均排尿間隔をそれぞれ求め、投与前平均値に対する変化率を検討した。その結果、図2に示したとおり、排尿間隔の変化率は、溶媒投与群(対照群)、シロドシン投与群、化合物2投与群で、それぞれ99.5%、115.2%、116.3%であったのに対し、併用群では、163.8%であった。
排尿間隔の変化率を目的変数とし、シロドシン投与、化合物2投与を要因とする二元配置分散分析を行い、シロドシンと化合物2の併用投与による効果を評価した。その結果、シロドシンと化合物2の併用投与群でp=0.0221であり、統計学的有意差のある交互作用が認められ、シロドシンと化合物2の併用投与は、排尿間隔の相乗的な延長効果を示すことが確認された。
以上の結果から、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体とα1-AR遮断薬とを組み合わせて使用すると、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体がα1-AR遮断薬の作用を増強、またはα1-AR遮断薬がフェノキシ酢酸誘導体の作用を増強することにより、相乗的な排尿間隔延長作用を有していることがわかる。
一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物と、α1-AR遮断薬とを組み合わせて使用する医薬組成物は、優れた膀胱内圧低下作用あるいは排尿間隔延長作用を発揮する。それ故、本発明により、頻尿または尿失禁に極めて有用な予防または治療剤を提供することができる。

Claims (11)

  1. 一般式

    Figure 2005089742
    (式中のR1は水酸基または低級アルコキシ基である)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物及びα1アドレナリン受容体遮断薬とを組み合わせてなる、頻尿または尿失禁の予防または治療用の医薬。
  2. 一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体が、(−)−2−[4−[2−[[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ]エチル]−2,5−ジメチルフェノキシ]酢酸エチルである、請求項1記載の医薬。
  3. α1アドレナリン受容体遮断薬が、シロドシン、タムスロシン、プラゾシン、テラゾシンもしくはナフトピジルまたはその薬理学的に許容される塩である、請求項1または2記載の医薬。
  4. α1アドレナリン受容体遮断薬が、シロドシンもしくはタムスロシンまたはその薬理学的に許容される塩である、請求項3記載の医薬。
  5. プラゾシンまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、塩酸プラゾシンの成人に対する経口投与量として1〜12mg/日である、請求項3記載の医薬。
  6. ナフトピジルまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、ナフトピジルの成人に対する経口投与量として25〜150mg/日である、請求項3記載の医薬。
  7. シロドシンまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、シロドシンの成人に対する経口投与量として1〜16mg/日である、請求項4記載の医薬。
  8. タムスロシンまたはその薬理学的に許容される塩の投与量が、塩酸タムスロシンの成人に対する経口投与量として0.1〜0.8mg/日である、請求項4記載の医薬。
  9. 一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物およびα1アドレナリン受容体遮断薬からなる、頻尿または尿失禁の予防または治療用の組合せ製剤。
  10. α1アドレナリン受容体遮断薬を有効成分として含有する、一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物の頻尿または尿失禁の予防または治療効果の増強剤。
  11. 一般式(I)で表されるフェノキシ酢酸誘導体もしくはその薬理学的に許容される塩またはその水和物もしくは溶媒和物と、α1アドレナリン受容体遮断薬とを組み合わせて使用することを特徴とする頻尿または尿失禁の予防または治療方法。
JP2006511224A 2004-03-24 2005-03-17 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬 Expired - Fee Related JP4808613B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006511224A JP4808613B2 (ja) 2004-03-24 2005-03-17 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JPPCT/JP2004/004000 2004-03-24
PCT/JP2004/004000 WO2005092321A1 (ja) 2004-03-24 2004-03-24 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬組成物
JP2006511224A JP4808613B2 (ja) 2004-03-24 2005-03-17 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬
PCT/JP2005/004825 WO2005089742A1 (ja) 2004-03-24 2005-03-17 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005089742A1 true JPWO2005089742A1 (ja) 2008-01-31
JP4808613B2 JP4808613B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=45044766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006511224A Expired - Fee Related JP4808613B2 (ja) 2004-03-24 2005-03-17 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4808613B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101027052A (zh) * 2004-10-05 2007-08-29 橘生药品工业株式会社 用于伴下尿路梗阻的集尿障碍的预防和/或治疗剂

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MY126489A (en) * 1998-07-08 2006-10-31 Kissei Pharmaceutical Phenoxyacetic acid derivatives and medicinal compositions containing the same
JP3154710B1 (ja) * 1999-08-09 2001-04-09 山之内製薬株式会社 下部尿路症治療剤
JP2001288115A (ja) * 2001-02-07 2001-10-16 Yamanouchi Pharmaceut Co Ltd 下部尿路症治療剤
EP1383502A4 (en) * 2001-03-06 2007-07-25 Strakan Int Ltd COMPOUNDS AND METHOD FOR TREATING UROGENITAL DISORDER
JP2003055261A (ja) * 2001-08-08 2003-02-26 Pfizer Prod Inc 製剤組合せ
MXPA04002449A (es) * 2001-09-13 2004-07-23 Kissei Pharmaceutical Cristales de derivado de hidroxinorefedrina.

Also Published As

Publication number Publication date
JP4808613B2 (ja) 2011-11-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6529495B2 (ja) 肥満の治療
JP6441267B2 (ja) 過活動膀胱を治療するためのβ−3アドレナリン受容体アゴニストおよびムスカリン受容体アンタゴニストの組み合わせ
US9522129B2 (en) Pharmaceutical Combination
US20050131049A1 (en) Derivatives of aryl (or heteroaryl) azolylcarbinoles for the treatment of urinary incontinence
RU2290929C2 (ru) Фармацевтическая композиция для лечения интерстициального цистита
EP1728508B1 (en) Medicine for prevention or treatment of frequent urination or urinary incontinence
WO2006090759A1 (ja) ソリフェナシン含有医薬
CN1930123B (zh) 用于预防或治疗伴有神经障碍的膀胱过度活动症的医药组合物
JP2015509931A (ja) 医薬的な組み合わせ
JP4808613B2 (ja) 頻尿または尿失禁の予防または治療用医薬
EP0754060B1 (en) New combination of a beta-receptor blocker and a local anaesthetic
US20100331361A1 (en) Pharmaceutical composition containing alpha-adrenergic receptor antagonist and an anti-muscarinic agent and method of improving lower urinary tract symptoms associated with prostatic hypertrophy
US20040142929A1 (en) Derivatives of aryl (or heteroaryl) azolylcarbinoles for the treatment of urinary incontinence
JP2005516977A (ja) 尿失禁の処置での4−(2−フルオロフェニル)−6−メチル−2−(1−ピペラジニル)チエノ(2,3−d−ピリミジン)の使用
TWI356699B (en) Agent for treating interstitial cystitis and agent
Fridrich et al. Phase 1A safety assessment of intravenous amitriptyline
JP6031722B2 (ja) 女性の排尿障害の治療剤
JPWO2007083640A1 (ja) 頻尿及び尿失禁の予防又は治療剤
US7439270B2 (en) Drugs for spinal anesthesia
US20170327491A1 (en) Diarylmethylidene piperidine derivatives and their use as delta opoid receptor agnists
EP4176873A1 (en) Urinary symptom therapeutic agent
CA2186601C (en) New combination of a .beta.-receptor blocker and a local anaesthetic
JP2010013441A (ja) 過活動膀胱治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110816

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110817

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees