JPWO2005088364A1 - ホログラムカラーフィルタとその作製方法およびそれを含むカラー液晶表示装置 - Google Patents

ホログラムカラーフィルタとその作製方法およびそれを含むカラー液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

入射光をホログラムにより回折分光して異なる波長の光を所定の空間的周期で所望の位置に出射するホログラムカラーフィルタは、透光性基板(21)上に形成された透光性ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜(22)を含み、このDLC膜には相対的に低屈折率(n1、22a)の帯状領域と相対的に高屈折率(n2、22b)の帯状領域とが交互に配置されていることを特徴としている。

Description

本発明は、ホログラムカラーフィルタとそれを含むカラー液晶表示装置に関し、特に分光機能とマイクロレンズ機能の少なくとも一方を有するホログラムカラーフィルタとそれを含むカラー液晶表示装置の改善に関する。
近年、種々のタイプのカラー液晶表示装置が実用化されている。それらのカラー液晶表示装置の一種として、カラー液晶プロジェクタがある。そして、多くのタイプのカラー液晶プロジェクタが、3枚の液晶パネルを含んでいる。すなわち、3枚の液晶パネルの各々が赤色(R)の光映像、緑色(G)の光映像、および青色(B)の光映像のいずれかを表示し、それら3色の光映像が光学システムによって合成されてスクリーン上にフルカラー映像として投射される。
このような3パネル型のカラー液晶プロジェクタは、高価な液晶パネルを3枚必要とするとともに、3色光の分離と合成のために多くの光学部品を必要とする。すなわち、3パネル型のカラー液晶プロジェクタは、高価でありかつ小型化することが困難である。
他方、単一パネル型のカラー液晶プロジェクタは、低コスト化と小型化が可能である。実用化された単一パネル型のカラー液晶プロジェクタの例として、日本ビクター(株)のリアプロジェクションテレビ(HV−D50LA1)がある。
図9は、日本ビクター(株)のHV−D50LA1が採用している単一パネル型カラー液晶プロジェクタにおける光学的基本原理を模式的断面図で示している。このカラー液晶プロジェクタは、ガラス基板1の上面上に形成されたホログラム膜2のホログラムカラーフィルタを含んでいる。ガラス基板1の下面上には液晶層3が設けられ、その液晶層3の下面には反射型電極層4が設けられている。反射型電極層4はR、G、およびBのそれぞれの光を反射するための反射型画素電極を含んでおり、一組のR、G、およびBの反射型電極が一つの画素を構成している。図9において、複数のR電極が図面に直交する方向に整列されており、同様に複数のG電極および複数のB電極のそれぞれも図面に直交する方向に整列されている。なお、ガラス基板1と液晶層3との間には、R、G、およびBの電極に対向して透明電極(図示せず)が設けられている。
図9のカラー液晶プロジェクタにおいて、光源(図示せず)からの白色光Wが所定の入射角でホログラム膜2に照射される。ホログラム膜2は、回折作用によって、白色光Wを赤色R、緑色G、および青色Bの光に波長分離(分光)するとともに、それらの光を対応するR電極、G電極、およびB電極上に集光するマイクロレンズアレイとしての機能を併有している。そして、R電極、G電極、およびB電極のそれぞれによって反射された赤色R、緑色G、および青Bの光は、ホログラム膜2の回折条件からずれていてその膜を透過し、投射レンズ(図示せず)によってスクリーン上に投影される。
図10は、分光機能とマイクロレンズアレイ機能とを併有するホログラム(回折格子)の一例を示す模式的平面図である。この回折格子は、ガラス基板11上に形成された格子パターンを含んでいる。その格子パターンは互いに平行な複数の帯状領域12を含み、それらの帯状領域12は例えば金属クロム(Cr)膜で形成することができる。もちろんCr膜12は非透光性であって、光は複数の帯状Cr膜12の間のみを透過する。
すなわち、複数の平行な帯状Cr膜領域12が回折格子として作用し、光は帯状Cr膜12の長手方向に直交する方向に回折される。その際に、周知のように回折角には波長依存性があるので、R、G、およびBの光は互いに異なる回折角で回折されることになり、白色光Wをカラー分離することできる。
さらに、図10の回折格子において特徴的なことは、帯状Cr膜領域12の幅と間隔が周期的に変化させられていることである。これは、回折格子にマイクロレンズアレイ作用を生じさせるためである。すなわち、波長が同じである場合に、周知のように回折格子の間隔が小さくなるにしたがって回折角が大きくなるので、回折格子の間隔を徐々に変化させることによってレンズ作用を生じさせることができるのである。
なお、図10の回折格子においては、前述のように光は帯状Cr膜12の長手方向に直交する方向のみに回折されるので、レンズ作用もその方向のみにおいて生じ、すなわち線状のフォーカスを有する柱状レンズのように作用する。ただし、望まれる場合には、周知のフレネルゾーンプレートに類似の回折格子を利用することによって、点状のフォーカスを有する円形状レンズまたは正方形状レンズの作用を生じさせ得ることは言うまでもない。
図10の回折格子は互いに平行な複数の柱状マイクロレンズを含んでいるかのように作用し、矢印13で示された領域が一つの柱状マイクロレンズとして作用する。一つの柱状マイクロレンズ領域13内では、右側に比べて左側において帯状Cr膜12の幅と間隔が減少させられている。すなわち、図10の回折格子においては、帯状Cr膜12の幅と間隔が、柱状マイクロレンズ領域13ごとに周期的に変化させられている。
ところで、図9のカラー液晶プロジェクタにおけるホログラム膜2の代わりに図10のような回折格子をそのまま適用した場合、帯状Cr膜12は光を透過しないので、光源からの白色光Wの利用効率が低くなる。また、図10の回折格子においては、帯状Cr膜領域12のピッチが非常に小さい。例えば領域13内の中央部において、そのピッチは約0.5μm以下である。したがって、図10のような回折格子は電子ビーム描画を利用して作製しなければならず、工業的量産には適していない。
そこで、図9のカラー液晶プロジェクタにおいては、マスタ回折格子を介して光がガラス基板上のフォトポリマ膜へ照射され、その光照射されたフォトポリマ膜を熱処理することによってホログラム膜2が作製される。その際に、強度の高い光照射を受けた領域ほど屈折率nが高まる。すなわち、フォトポリマからなるホログラム膜2においては、屈折率nが変調されており、屈折率変調型の回折格子として作用する。
図11は、特許文献1の特開平10−96807号公報に開示されたカラー液晶表示装置を示す模式的断面図である。このカラー液晶表示装置は、周知の光透過型液晶パネル40を含んでいる。液晶パネル40は、液晶表示層41とブラックマトリックス42を含んでいる。液晶表示層41は複数の画素を含み、各画素は一組の赤色表示領域R、緑色表示領域G、および青色表示領域Bを含んでいる。各色表示領域の境界は、ブラックマトリックス42によって覆われている。
液晶パネル40の背面側には、ホログラムカラーフィルタ50が配置されている。このホログラムカラーフィルタ50は、ホログラム板51と複数のマイクロレンズ52のアレイとを含んでいる。各マイクロレンズ52は、液晶パネル40中の画素の周期に対応する周期でアレイ状に配置されている。また、ホログラム板51は、回折格子の作用をする平行で一様な溝を含む石英ガラス板で形成されている。
図11のカラー液晶表示装置においてバックライト60をホログラムカラーフィルタ50に入射させれば、その光は波長に依存して異なる角度で回折され、ホログラム板51の射出側において赤色光61、緑色光62、および青色光63に分光されて現れる。これらの分光された光は、ホログラム板51に隣接して配置されたマイクロレンズ52によって、その焦点面に波長毎に分離されて集光させられる。すなわち、赤色光61は画素中の赤色表示領域Rに、緑色光62は緑色表示領域Gに、そして青色光は青色表示領域Bにそれぞれ回折集光するように、カラーフィルタ50が構成配置される。これによって、それぞれの色成分の光はブラック・マトリックス42でほとんど減衰されずに各液晶セルを通過し、その液晶セルの色表示を行うことができる。
このようなカラー液晶表示装置においては、ホログラム板51として、集光性を有しなくて回折効率の波長依存性が少ない透過型ホログラム板を用いるので、ホログラム板51をマイクロレンズ52の配列周期と位置合わせする必要がない。また、各色表示領域ごとに対応して1個のマイクロレンズを配置する場合に比べて、画素ごとに対応して1個のマイクロレンズ52を配置するのでその配列周期が3倍になり、マイクロレンズアレイが作りやすくかつ整列させやすくなる。
図12は、非特許文献1のITE Technical Report Vol.20, 1996, pp.69-72に開示されたホログラムカラーフィルタを模式的に図解する断面図である。このホログラムカラーフィルタは、赤色光、緑色光、および青色光における強度バランスを改善するために、2つのホログラム膜71、72を含んでいる。
一般に、ホログラム膜においては、そのホログラム膜によって最も回折されやすい光の波長が存在する。すなわち、ホログラム膜は特定波長の光に対して最も高い回折効率を有し、その特定波長からの波長差が大きくなるにしたがって回折効率が低下する傾向にある。特に、屈折率変調型のホログラム膜中の屈折率差Δnが小さい場合に、このような回折効率の波長依存性が顕著になる傾向にある。たとえば、フォトポリマのホログラム膜におけるように屈折率差がΔn=0.04以下に小さい場合には、回折効率の波長依存性が小さなホログラム膜を得ることが困難である。
したがって、ホログラム膜によって白色光から赤色光、緑色光、および青色光を分光する場合、そのホログラム膜は、赤色光、緑色光、および青色光のうちで中間の波長域に相当する緑色光において最も高い回折効率が得られるように設計される。このように設計されたホログラム膜は緑色光に比べて赤色光と青色光に対して低い回折効率を有し、そのホログラム膜によって分光された赤色光と青色光は緑色光に比べて低い強度を有することになる。したがって、それらの分光された赤色光、緑色光、および青色光を再合成して白色光を得ようとしても、その合成光は緑色がかった白色光になる傾向にある。
また、カラー液晶表示装置のバックライトとして利用されるメタルハライドランプや超高圧水銀ランプは、緑色光の波長範囲内に強い輝線を含んでいる。したがって、緑色光に対して最も高い回折効率が得られるように設計されたホログラム膜によってメタルハライドランプや超高圧水銀ランプからの光を分光すれば、分光された赤色光、緑色光、および青色光の中で緑色光の強度がより顕著になる傾向にある。
図12のホログラムカラーフィルタは、このような波長に依存する回折効率の不均一性の問題を改善してカラー液晶表示装置の色バランスを改善するために、2つのホログラム膜71、72を含んでいる。第1のホログラム膜71は或る特定波長λの光に対してη1の回折効率を有し、第2のホログラム膜72はその波長λの光に対してη2の回折効率を有している。ここで、入射光の全てが回折される場合に回折効率1とし、入射光の全てが回折されずに透過する場合に回折効率0とする。
特定波長λを有する強度1の入射光が第1ホログラム膜71を通過すれば、その透過光と回折光との強度比率は(1−η1):η1となる。第1ホログラム膜71を通過した透過光が第2ホログラム膜72を通過すれば、透過光(元の入射光の方向に平行)とその回折光(第1ホログラム膜71による回折方向に平行)との強度比率は(1−η1)(1−η2):η2(1−η1)となる。第1ホログラム膜71を通過した回折光が第2ホログラム膜72を通過すれば、その回折光(元の入射光の方向に平行)と透過光(第1ホログラム膜71による回折方向に平行)との強度比率はη1η2:η1(1−η2)となる。したがって、2枚のホログラム膜71、72を通過した回折方向の光の強度は、η2(1−η1)+η1(1−η2)=η1+η2−2η1η2となる。
図13は、図12に示されているような2枚のホログラム膜を含むホログラムカラーフィルタに関する計算機シミュレーション結果の一例を示している。すなわち、図13のグラフにおいて、横軸は光の波長(nm)を表し、縦軸はホログラム膜の回折効率を表している。
曲線aは、単一のホログラム膜からなるホログラムカラーフィルタの回折効率の一例を示している。この単一のホログラム膜aは、赤色光と青色光との中間の波長に相当する緑色光において回折効率が最大になるように設計されている。したがって、白色光がホログラム膜aによって分光された後においては、緑色光に比べて赤色光と青色光の強度が低くなる傾向にある。
他方、ホログラム膜bは赤色光において回折効率が最大になるように設計されており、ホログラム膜cは青色光において回折効率が最大になるように設計されている。そして、これらの2枚のホログラム膜b、cを含むホログラムカラーフィルタは、曲線dで示されているような合成回折効率を有することになる。すなわち、ホログラムカラーフィルタdは緑色光に比べて赤色光と青色光において高い回折効率を有しており、回折効率の2つのピークを有することから2ピークホログラムカラーフィルタと称されることもある。
図14は、特許文献2の特開2000−235179号公報に開示されたカラー液晶プロジェクタを示す模式的断面図である。このカラー液晶表示装置は、白色光源81、3枚のダイクロイックミラー82、ガラス基板83、フォトポリマからなるホログラムレンズ層84、薄板ガラス層85、透明電極86、液晶層87、画素電極88、アクティブマトリックス駆動回路89、および投射レンズ90を含んでいる。
図14のカラー液晶プロジェクタにおいては、白色光源81から放射された白色光が3枚のダイクロイックミラー82によってR、G、およびBの三原色光に分光される。分光されたR光、G光、およびB光は、それぞれが最も高い回折効率で集光されるように、互いに異なる入射角でホログラムレンズ層84へ投射される。
特開平10−96807号公報 特開2000−235179号公報 ITE Technical Report Vol.20, 1996, pp.69-72
上述のようなフォトポリマからなるホログラム膜においては、光照射によって高めることができる屈折率差Δnは約0.04程度までである。周知のように、屈折率変調型回折格子においては、屈折率差Δnが大きいほど回折効率(光の利用効率)を高めることができる。また、屈折率差Δnが大きいほど、回折効率の波長依存性を小さくすることができる。ここで、約0.04程度の屈折率差Δnは十分とはいえず、フォトポリマのホログラム膜の回折効率を高めることは困難である。
また、近年ではカラー液晶プロジェクタの高輝度化が求められており、それに伴ってプロジェクタに含まれる光学部品には80〜100℃程度以上の耐熱性が求められる。しかし、フォトポリマの耐熱性は十分とはいえず、室温と100℃程度の温度との間における繰り返し熱履歴が与えられれば、フォトポリマのホログラム膜自体が劣化したりガラス基板から剥離したりする恐れがある。
さらに、特許文献1に開示されているように複数の微細な溝を有するシリカガラスのホログラム板は、1枚ごとに電子リソグラフィとエッチングを行って作製しなければならず、工業的大量生産に適していない。
かかる先行技術における状況に鑑み、本発明は、分光機能とマイクロレンズ機能の少なくとも一方を有するホログラムカラーフィルタにおける光の利用効率と耐熱性を改善することを目的とし、ひいては高輝度で色バランスも改善されたカラー液晶表示装置を提供することをも目的としている。
本発明の一つの態様によれば、入射光をホログラムにより回折分光して異なる波長の光を所定の空間的周期で所望の位置に出射するカラーフィルタの機能を有するホログラムカラーフィルタは、透光性基板上に形成された透光性ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を含み、このDLC膜には相対的に高屈折率の帯状領域と相対的に低屈折率の帯状領域とが交互に配置されていることを特徴としている。
そのDLC膜を含むホログラムカラーフィルタでは、青色光領域内の波長470μmから赤色光領域内の波長630μmに至るまでの波長領域において、入射光に関する回折効率の変動が40%以下であり得る。また、そのホログラムカラーフィルタでは、青色光領域内の波長470μmから赤色光領域内の波長630μmに至るまでの波長領域において、s偏光とp偏光とに関して互いに30%以上の回折効率差を生じ得る。
なお、そのDLC膜はマイクロレンズアレイと組み合わされてもよく、その場合にはDLC膜において高屈折率帯状領域の幅および間隔が一定に設定され、マイクロレンズアレイは所定の空間的周期に対応した周期で配置された複数のマイクロレンズを含むことができる。
また、DLC膜は高屈折率帯状領域の幅および間隔が所定の空間的周期に対応して周期的に変化させられてもよく、それによってホログラムカラーフィルタは分光機能とマイクロレンズアレイ機能とを兼ね備えることができる。
さらに、ホログラムカラーフィルタは複数のDLC膜を含んでいてもよく、これらのDLC膜は互いに異なる波長の光に対して回折効率のピークを有していることが好ましい。この場合に、ホログラムカラーフィルタは第1と第2のDLC膜を含み、第1DLC膜は赤色の光に対して回折効率のピークを有し、第2DLC膜は青色の光に対して回折効率のピークを有していることが好ましい。
DLC膜における低屈折率帯状領域から高屈折率帯状領域への境界領域においては、屈折率が多段階に変化させられていることが好ましい。また、DLC膜の低屈折率帯状領域から高屈折率帯状領域への境界領域において、屈折率が連続的に変化させられていることがさらに好ましい。
上述のようなホログラムカラーフィルタを作製するための方法においては、DLC膜はプラズマCVDによって好ましく形成され得る。また、DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、そのDLC膜へ紫外光照射、X線照射、シンクロトロン放射光照射、イオン照射、および電子線照射のいずれかを行うことによって形成され得る。DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、位相格子マスクを通過した2種の回折光の干渉によって得られる周期的な紫外光強度分布による露光によっても形成される得る。
本発明の他の態様によれば、カラー液晶表示装置は上述のようなホログラムカラーフィルタと組み合わされた液晶パネルを含み、そのホログラムカラーフィルタのカラーフィルタ機能における空間的周期は液晶パネルに含まれる複数の画素の周期に対応していることを特徴としている。すなわち、各画素は赤色表示領域、緑色表示領域、および青色表示領域を含み、ホログラムカラーフィルタは入射光を赤色光、緑色光、および青色光に分光してそれぞれ赤色表示領域、緑色表示領域、および青色表示領域ヘ向けて出射する。カラー液晶表示装置の光源としては、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、冷陰極線管、キセノンランプ、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、Arレーザ、He−Neレーザ、YAGレーザなどを含むことができる。
本発明のさらに他の態様によれば、カラー液晶表示装置は青色光、緑色光、および赤色光のそれぞれを放射する複数の半導体発光素子と、マイクロレンズアレイ機能を有するDLC膜を含くむホログラムカラーフィルタと、所定の空間的周期で配列された画素を含む液晶パネルとを含み、そのDLC膜内において相対的に高屈折率の帯状領域と相対的に低屈折率の帯状領域とが交互に形成されており、高屈折率帯状領域の幅および間隔が画素の空間的周期に対応して周期的に変化させられていることを特徴としている。
このカラー液晶表示装置を作製するための方法では、DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、位相格子マスクを通過した2種の回折光の干渉によって得られる周期的な紫外光強度分布による露光によって形成されることが好ましい。
本発明においては、大きな屈折率変化を生じ得てかつ優れた耐熱性を有するDLC膜を利用して、分光機能とマイクロレンズ機能の少なくとも一方を有するホログラムカラーフィルタが作製されるので、そのホログラムカラーフィルタの光利用効率を高めることができかつその耐熱性を著しく改善することができる。そして、そのように改善されたホログラムカラーフィルタを用いることによって、高輝度で色バランスも改善されたカラー液晶表示装置を提供することが可能になる。
本発明の一実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 本発明の他の実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 本発明のさらに他の実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 本発明のさらに他の実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 高屈折率領域と低屈折率領域との境界がDLC膜の厚さ方向に関して傾斜させられているホログラムカラーフィルタにおけるブラッグ反射による回折の一例を示す模式的断面図である。 Δn=0.04の屈折率変化を含む屈折率変調型回折格子における回折効率の波長依存性と偏光依存性を示すグラフである。 Δn=0.5の屈折率変化を含む屈折率変調型回折格子における回折効率の波長依存性と偏光依存性を示すグラフである。 本発明によるカラー液晶プロジェクタの一例を図解する模式的断面図である。 先行技術による単一パネル型カラー液晶プロジェクタにおける光学的基本原理を図解する模式的断面図である。 波長分離機能とマイクロレンズ機能とを併有する回折格子の一例を示す模式的平面図である。 先行技術によるカラー液晶表示装置を示す模式的断面図である。 先行技術によるホログラムカラーフィルタを図解する模式的断面図である。 図12のホログラムカラーフィルタにおける回折効率の波長依存性を模式的に示すグラフである。 先行技術によるカラー液晶プロジェクタを図解する模式的断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板、2 ホログラム膜、3 液晶層、4 反射型電極層、11 ガラス基板、12 Cr膜の回折格子、13 一つのマイクロレンズ領域、 21 シリカガラス基板、22 DLC膜、22a 低屈折率領域、22b 高屈折率領域、23a、23b シリカガラス基板、24a、24b 金マスク、25a、25b UV光、34 金マスク、35 Heイオンビーム、40 液晶パネル、41 液晶表示層、42 ブラックマトリックス、50 ホログラムカラーフィルタ、51 ホログラム板、52 マイクロレンズ、60 バックライト、61 赤色光、62 緑色光、63 青色光、71 第1のホログラム膜、72 第2のホログラム膜、a 緑色光に対して最大回折効率を有するホログラム膜、b 赤色光に対して最大回折効率を有するホログラム膜、c 青色光に対して最大回折効率を有するホログラム膜、d 赤色光と青色光に対して回折効率のピークを有するホログラムカラーフィルタ、81 白色光源、82 ダイクロイックミラー、84、84a ホログラムレンズ層、85 薄板ガラス層、86 透明電極、87 液晶層、88 画素電極、89 アクティブマトリックス駆動回路、90 投射レンズ、91B 青色発光素子、91G 緑色発光素子、91R 赤色発光素子。
まず、本願発明をなすに際して、本発明者らは、透光性DLC膜にエネルギビームを照射することによってその屈折率を高めることができることを確認している。そのようなDLC膜は、ガラス基板、ポリマ基板その他の種々の透光性基板上にプラズマCVD(化学気相堆積)によって形成することができる。そのようなプラズマCVDによって得られる透光性DLC膜は、通常は1.55程度の屈折率を有している。
DLC膜の屈折率を高めるためのエネルギビームとしては、イオンビーム、シンクロトロン放射(SR)光、電子ビームなどを用いることができる。例えば、Heイオンを800keVの加速電圧の下で5×1017/cm2のドース量で注入することによって、屈折率変化量をΔn=0.65程度まで高めることができる。なお、H、Li、B、Cなどのイオンの注入によっても、同様に屈折率を変調させることができる。また、0.1〜130nmのスペクトルを有するSR光を照射することによっても、屈折率変化量を最大でΔn=0.65程度まで高めることができる。さらに、UV光照射では、例えば波長248nmのKrFエキシマレーザ光をパルス当たり160μW/mm2の照射密度にて100Hzの周期でパルス照射すれば、屈折率変化量をΔn=0.22程度まで高めることができる。なお、ArF(193nm)、XeCl(308nm)、XeF(351nm)などのエキシマレーザ光やArレーザ光(488nm)の照射によっても、同様に屈折率を変調させることができる。これらの、DLC膜のエネルギビーム照射による屈折率変化量は、従来のフォトポリマ膜の光照射による屈折率変化量(Δn=0.04程度以下)に比べて桁違いに大きいことが分かる。
図1では、本発明の一実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。そのようなDLCのホログラム膜は、図9のカラー液晶プロジェクタにおけるフォトポリマのホログラム膜2、図11におけるカラー液晶表示装置におけるシリカガラスのホログラム板51、図12におけるフォトポリマのホログラム膜71、72、および図14のカラー液晶プロジェクタにおけるフォトポリマのホログラム膜84のいずれかの代わりに好ましく使用し得るものである。
図1のDLCホログラム膜の作製方法においては、例えばシリカ(SiO2)ガラス基板21上にプラズマCVDによってDLC膜22が形成される。そして、シリカガラス基板23a上に形成されたマスク24aがそのDLC膜22上に重ねられる。マスク24aは種々の材料で形成され得るが、金(Au)膜がより好ましく用いられ得る。なぜならば、金は高精度に加工しやすく、エネルギビームの遮蔽性にも優れ、酸化や腐食による問題を生じることもないからである。この金マスク24aは、たとえば以下のようにして作製され得る。
まず、周知のスパッタリング法またはEB(電子ビーム)蒸着法によって、ガラス基板上に厚さ約0.5μmの金膜が堆積され、その上にレジスト層が塗布される。このレジスト層は、ステッパ露光を利用してパターン化される。そのレジストパターンを介してドライエッチングすることによって、金膜がパターン化される。そして、レジストパターンを除去することによって、金マスクパターンが得られる。
これに代わり得る他の方法においては、まずスパッタリング法またはEB蒸着法によって、ガラス基板上に約50nm以下の厚さのNi導電層が堆積され、その上にレジストパターンが形成される。このレジストパターンを介してNi層上に厚さ約0.5μmの金膜を電気めっきによって堆積してレジストを除去することによって、金マスクが形成され得る。
以上のいずれの方法で形成される金マスクも、ホログラム作用のための回折格子パターンに対応したパターンを有している。なお、図1においては、図面の簡略化と明瞭化のために、帯状金膜24aの幅と間隔は一定にして示されている。
図1に示されているように、金膜のマスク24aがDLC膜22上に重ねられた状態で、上方からUV光25aがDLC膜22に照射される。その結果、DLC膜22中で、金マスク24aによって覆われてUV光25aの照射を受けなかった領域は屈折率の変化を生じなくて、プラズマCVDによって堆積されたままの屈折率n1を維持している。他方、DLC膜22中で、金マスク24aによって覆われていなくてUV光25aの照射を受けた領域は屈折率変化を生じて、その屈折率がn2へ高められる。UV光照射後には、シリカガラス基板23aと金マスク24aをDLCホログラム膜22から取り外す。こうして得られたDLCホログラム膜22は、n1とn2との2値の屈折率を含んでおり、2レベルの屈折率変調型回折格子として作用する。
ここで、図1のDLCホログラム膜22と図10の回折格子とを比較すれば、図10の回折格子においてはCr膜12によって遮蔽された光は回折光として利用することができなくて光の利用効率が低くなるのに対して、図1のDLCホログラム膜22においては低屈折率n1と高屈折率n2のいずれの領域を通過する光も回折光として利用することができて光の利用効率が高くなる。
他方、図9、図12、および図14におけるフォトポリマのホログラム膜2、71、72、84は、図1のDLCホログラム膜22に類似して、低屈折率領域と高屈折率領域とを含む屈折率変調型回折格子として作用する。したがって、フォトポリマのホログラム膜においても、低屈折率と高屈折率のいずれの領域を通過する光も回折光として利用することができる。しかし、前述のようにフォトポリマ膜の光照射によって実現し得る屈折率差Δnはせいぜい0.04程度であるのに対して、DLC膜のUV光照射によって実現し得る屈折率差Δnは0.2程度に達し得る。したがって、図1のDLCホログラム膜22においては、フォトポリマのホログラム膜に比べて遥かに高い回折効率を実現することができ、光の利用効率を高めることができる。また、屈折率差Δnを大きくし得るDLCホログラム膜においては、回折効率の波長依存性を小さくすることができる。
図2では、本発明の他の実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。この図2においては、図1と同様な方法で形成されたn1とn2との2レベルの屈折率変調を含むDLCホログラム膜22上に、シリカガラス基板23a上の第2の金マスク24bがさらに重ねられる。そして、その状態において再度のUV光照射25bが行われる。
このとき、第2の金マスク24bは、図1の過程で形成されたDLCホログラム膜中の高屈折率n2の領域内の選択された領域のみにUV光を照射するための開口を有している。したがって、UV光25bの照射後においては、比較的高い屈折率n2の領域内の選択された領域の屈折率がさらに高いn3に高められる。すなわち、図2において作製されたDLCホログラム膜22は、n1、n2、およびn3の3レベルの屈折率変調を含む回折格子として作用する。
このように、部分的に修正されたパターンを有するマスクを順次用いながらDLC膜にUV光照射を繰り返して行うことによって、所望の多レベルの屈折率変調を含むDLCホログラム膜を得ることができる。そして、周知のように2レベルの屈折率変調型回折格子に比べて多レベルの屈折率変調型回折格子は高い回折効率を生じ得るので、光の利用効率がさらに改善され得る。
図3では、本発明のさらに他の実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。この作製方法においては、シリカガラス基板(図示せず)上のDLC膜22上に金マスク34が形成される。この金マスク24aも電子ビーム描画で形成することができ、所定のホログラム(回折格子)パターンを有している。なお、図3においても、図面の簡略化と明瞭化のために、帯状金膜34の幅と間隔は一定にして示されている。
ここで、帯状金膜34に特徴的なことは、その上面が半円柱状面に形成されていることである。このような半円柱状面は、例えばエッチングまたはナノインプリント(型転写)にて形成することができる。
そのように形成された金マスク34を介して、例えばHeのイオン35がDLC膜22に照射される。このとき、各帯状金膜34が半円柱状の上面を有しているので、各帯状金膜34の側面近傍では一部のHeイオンがそのマスクを透過することができ、その透過HeイオンがDLC膜22内に侵入し得る。その結果、図3のDLC膜22中においては、低屈折率領域22aと高屈折率領域22bとの界面近傍において、屈折率が連続的に変化することになる。なお、イオンビーム照射によってDLC膜の屈折率を変調した後に、金用のシアン系エッチング液に室温で数分程度浸漬することによって、金マスク34が溶解除去され得る。
前述のように、多レベルの屈折率変調型回折格子においては、そのレベル数を高めるほど回折効率が改善される。そして、屈折率が連続的に変化させられている屈折率変調型回折格子は、屈折率変調レベルを無限大にしたことに相当している。すなわち、図3において得られるDLCホログラム膜は、図2の場合に比べて、さらに改善された回折効率を有し、光の利用効率をさらに改善することができる。
図4では、本発明のさらに他の実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。この作製方法においては、たとえば厚さ100μmのスペーサ26を介して、ガラス製のレリーフ型位相格子マスク(回折格子)24cがDLC膜22に対して近接配置される。この状態で、たとえばKrFレーザ光(波長248nm)25cを16mw/mm2のエネルギ密度で1時間照射することによって、ホログラム膜を作製することができる。このとき、位相格子マスク24cからの+1次回折光と−1次回折光との干渉光に露光される領域22bの屈折率が高められる。他方、その干渉光よって露光されない領域22aの屈折率は、成膜されたままの状態に維持される。
この場合、+1次回折光と−1次回折光との干渉光は、レリーフ型位相格子マスク24cの凹凸周期の1/2の周期で現れる。したがって、DLC膜中の所望の高屈折率領域22bの周期に比べて2倍の凹凸周期で形成されたレリーフ型位相格子マスク24cを用いることができる。また、高屈折率領域22bの幅の中央おけるほど、干渉光の強度が高くなる。したがって、図3の場合に類似して、図4のDLC膜22においても、低屈折率領域22aと高屈折率領域22bとの界面近傍において屈折率が連続的に変化し、高い回折効率を得ることができる。なお、望まれる場合には、レリーフ型位相格子マスク24cの代わりに、クロム膜、酸化クロム膜、アルミ膜などをパターニングして得られる振幅型位相格子マスクを用いることもできる。
また、図1から図4におけるDLCホログラム膜の作製方法では高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域が膜厚方向に平行な場合が例示されているが、望まれる場合には、その境界領域を膜厚方向に対して傾斜させてもよいことは言うまでもない。そのためには、たとえば図1から図3の作製方法に関しては、エネルギビームをDLC膜面に対して斜め方向に入射させればよい。また、図4の作製方法に関しても、紫外光25cをDLC膜面に対して斜め方向に入射させて、0次回折光と+1次回折光または−1次回折光との干渉光による露光を利用すればよい。ただし、0次回折光と+1次回折光または−1次回折光との干渉光は、位相格子マスク24cの凹凸周期と同じ周期で現れる。したがって、DLC膜中の所望の高屈折率領域22bの周期に比べて同じ周期の凹凸で形成された位相格子マスク24cを用いなければならない。
図5の模式的な断面図は、高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域が膜厚方向に対して傾斜していることが好ましい場合の一例を示している。すなわち、ガラス基板21上のDLCホログラム膜22においては、高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域22cが膜厚方向に対して傾斜させられている。この場合、たとえば入射光L1はDLC膜22内に入射するときに屈折して光L2になり、高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域22cで所定のブラッグ反射角θにおいて高い効率で回折された光L3となる。この回折光L3は、境界領域22cがDLC膜の厚さ方向に対して傾斜させられているので、DLC膜面に対して直交する方向に放射させることが可能である。すなわち、回折光L3は、たとえば液晶パネルの表面に対して直行するように効率よく入射さられ得る。
図6と図7のグラフは、屈折率変調型ホログラム膜における屈折率変化Δnが回折効率に及ぼす影響に関する計算機シミュレーション結果を例示している。これらのグラフの各々において、横軸は光の波長(μm)を表し、縦軸は回折効率を表している。そして、黒丸印で表された曲線はs偏光に関する回折効率を表し、黒三角印で表された曲線はp偏光に関する回折効率を表している。
なお、フォトポリマ膜を用いた屈折率変調型ホログラム膜に関する図6においては、Δnが0.04、膜厚が6.6μm、低屈折率領域の幅に対する高屈折率領域の幅の比率であるデューティ比が0.46、光入射角が30度、そして高屈折率領域と低屈折率領域の周期が367nmに設定された。他方、DLC膜を用いた屈折率変調型ホログラム膜に関する図7においては、Δnが0.5、膜厚が2.1μm、低屈折率領域の幅に対する高屈折率領域の幅の比率であるデューティ比が0.5、光入射角が50度、そして高屈折率領域と低屈折率領域の周期が326nmに設定された。ここで、フォトポリマ膜に比べてDLC膜が1/3以下の厚さに設定されているのは、Δnが大きい場合には膜厚が小さくても十分な回折効率が得られるからである。
図6から分かるように、フォトポリマ膜によるホログラム膜では、最大でも70%の回折効率を得ることが容易ではなく、しかも同一の入射角において良好な回折効率が得られる波長範囲が非常に狭い。他方、図7から分かるように、DLC膜によるホログラム膜では、70%以上の回折効率を得ることが容易であり、しかも同一の入射角において良好な回折効率が得られる波長範囲が非常に広い。そして、DLC膜によるホログラム膜では、たとえば青色光領域内の波長470μmから赤色光領域内の波長630μmに至るまでの波長領域において、入射光に関する回折効率の変動を40%以下にすることが容易であり、30%以下にすることもできる。このことは、B光、G光、およびR光を同一の入射角で照射した場合に、フォトポリマ膜によるホログラム膜ではそれらの3色光を同等な効率で回折させ得ないのに対して、DLC膜によるホログラム膜では3色光をほぼ同等な効率で回折させ得ることを意味している。
ところで、図9や図14に示されているような反射型カラー液晶プロジェクタでは、主にs偏光とp偏光のいずれかがホログラム膜に入射させられ、その回折光が液晶パネルに照射される。そして、液晶パネルで反射されてp偏光またはs偏光に変換された光がホログラム膜を透過してスクリーン上に投影される。すなわち、ホログラム膜は、s偏光とp偏光のいずれか一方を高効率で回折しかつ他方を回折せずに透過させることが好ましい。そして、反射型カラー液晶プロジェクタに用いられるホログラム膜においては、s偏光とp偏光とに関して一般に30%以上の回折効率差を生じることが望まれる。
図7から理解されるように、DLC膜によるホログラム膜では、たとえば青色光領域内の波長470μmから赤色光領域内の波長630μmに至るまでの波長領域において、s偏光にとp偏光と関する回折効率差を30%以上にすることが容易であり、50%以上にすることもできる。このことは、B光、G光、およびR光を同一の入射角で照射した場合でも、DLC膜によるホログラム膜では、それらの3色光を互いに同等かつ十分な明るさでスクリーン上に投影させ得ることを意味している。
なお、図6と図7ではp偏光よりもs偏光に対して高い回折効率を有するホログラム膜が例示されたが、逆にs偏光よりもp偏光に対して高い回折効率を有するホログラム膜をも設計し得ることは言うまでもない。もちろん、s偏光よりもp偏光に対して高い回折効率を有するホログラム膜が反射型カラー液晶プロジェクタに用いられる場合には、入射光として主にp偏光が入射させられることになる。
図8の模式的断面図は、図14に類似しているが、本発明によるカラー液晶プロジェクタの一例を示している。図14の場合に比べて、図8のカラー液晶プロジェクタでは、フォトポリマ膜によるホログラム膜84がDLC膜によるホログラム膜84aに変更されるとともに、白色光源81とダイクロイックミラー82が青色発光素子91B、緑色発光素子91G、および赤色発光素子91Rに変更されていることのみにおいて異なっている。それらの3原色光の各々を発光する素子として、発光ダイオード(LED)または半導体レーザ(LD)を好ましく用いることができる。この場合、各色は、それぞれの波長に応じた回折角で分光される。
半導体発光素子は、白色光からダイクロイックミラーによって分光された3原色光に比べて、純度の高い3原色光を放射することができる。そして、それらの3原色光の波長において最も高い回折効率が得られる個別の角度でホログラム膜84aへ各色光を入射させるように、それらの半導体発光素子を配置することが可能である。したがって、図8のカラー液晶プロジェクタでは、高い色純度で演色性の優れた明るいフルカラー投射映像を得ることが可能になる。
なお、以上の説明において図8、図9、および図14において反射型カラー液晶プロジェクタが例示されたが、本発明によるDLCホログラム膜は透過型カラー液晶プロジェクタにも適用し得ることは言うまでもない。例えば、図9の反射型カラー液晶プロジェクタと透過型カラー液晶プロジェクタとの間の部分的相違を説明すれば、まず、反射型電極層4を透明電極層で置き換えることによって透過型に変更されうることが理解されよう。また、その場合にはホログラム膜を介して投影光を取り出す必要がないので、光源からの光はそのホログラム膜の真後ろから照射することもできる。その場合には、図10に示された回折格子パターン中の一つのマイクロレンズ領域13に対応するDLCホログラム膜中の屈折率変調領域内において、中央部に比べて両側部における高屈折率領域の幅と間隔を小さくすればよい。さらに、本発明によるDLCホログラム膜は、プロジェクタ型でなくて図11に示されているような通常のカラー液晶表示装置にも好ましく適用し得ることも言うまでもない。また、本発明を適用し得るカラー液晶プロジェクタまたはカラー液晶表示装置用の光源としては、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、冷陰極線管、キセノンランプ、発光ダイオード、半導体レーザ、Arレーザ、He−Neレーザ、およびYAG(イットリウム・アルミニュウム・ガーネット)レーザなどを好ましく用いることができる。
以上のように、本発明によれば、光の利用効率を高めることができかつ耐熱性に優れたホログラムカラーフィルタを提供することができ、ひいては高輝度で色バランスも改善されたカラー液晶表示装置を提供することが可能となる。
本発明は、ホログラムカラーフィルタとそれを含むカラー液晶表示装置に関し、特に分光機能とマイクロレンズ機能の少なくとも一方を有するホログラムカラーフィルタとそれを含むカラー液晶表示装置の改善に関する。
近年、種々のタイプのカラー液晶表示装置が実用化されている。それらのカラー液晶表示装置の一種として、カラー液晶プロジェクタがある。そして、多くのタイプのカラー液晶プロジェクタが、3枚の液晶パネルを含んでいる。すなわち、3枚の液晶パネルの各々が赤色(R)の光映像、緑色(G)の光映像、および青色(B)の光映像のいずれかを表示し、それら3色の光映像が光学システムによって合成されてスクリーン上にフルカラー映像として投射される。
このような3パネル型のカラー液晶プロジェクタは、高価な液晶パネルを3枚必要とするとともに、3色光の分離と合成のために多くの光学部品を必要とする。すなわち、3パネル型のカラー液晶プロジェクタは、高価でありかつ小型化することが困難である。
他方、単一パネル型のカラー液晶プロジェクタは、低コスト化と小型化が可能である。実用化された単一パネル型のカラー液晶プロジェクタの例として、日本ビクター(株)のリアプロジェクションテレビ(HV−D50LA1)がある。
図9は、日本ビクター(株)のHV−D50LA1が採用している単一パネル型カラー液晶プロジェクタにおける光学的基本原理を模式的断面図で示している。このカラー液晶プロジェクタは、ガラス基板1の上面上に形成されたホログラム膜2のホログラムカラーフィルタを含んでいる。ガラス基板1の下面上には液晶層3が設けられ、その液晶層3の下面には反射型電極層4が設けられている。反射型電極層4はR、G、およびBのそれぞれの光を反射するための反射型画素電極を含んでおり、一組のR、G、およびBの反射型電極が一つの画素を構成している。図9において、複数のR電極が図面に直交する方向に整列されており、同様に複数のG電極および複数のB電極のそれぞれも図面に直交する方向に整列されている。なお、ガラス基板1と液晶層3との間には、R、G、およびBの電極に対向して透明電極(図示せず)が設けられている。
図9のカラー液晶プロジェクタにおいて、光源(図示せず)からの白色光Wが所定の入射角でホログラム膜2に照射される。ホログラム膜2は、回折作用によって、白色光Wを赤色R、緑色G、および青色Bの光に波長分離(分光)するとともに、それらの光を対応するR電極、G電極、およびB電極上に集光するマイクロレンズアレイとしての機能を併有している。そして、R電極、G電極、およびB電極のそれぞれによって反射された赤色R、緑色G、および青Bの光は、ホログラム膜2の回折条件からずれていてその膜を透過し、投射レンズ(図示せず)によってスクリーン上に投影される。
図10は、分光機能とマイクロレンズアレイ機能とを併有するホログラム(回折格子)の一例を示す模式的平面図である。この回折格子は、ガラス基板11上に形成された格子パターンを含んでいる。その格子パターンは互いに平行な複数の帯状領域12を含み、それらの帯状領域12は例えば金属クロム(Cr)膜で形成することができる。もちろんCr膜12は非透光性であって、光は複数の帯状Cr膜12の間のみを透過する。
すなわち、複数の平行な帯状Cr膜領域12が回折格子として作用し、光は帯状Cr膜12の長手方向に直交する方向に回折される。その際に、周知のように回折角には波長依存性があるので、R、G、およびBの光は互いに異なる回折角で回折されることになり、白色光Wをカラー分離することできる。
さらに、図10の回折格子において特徴的なことは、帯状Cr膜領域12の幅と間隔が周期的に変化させられていることである。これは、回折格子にマイクロレンズアレイ作用を生じさせるためである。すなわち、波長が同じである場合に、周知のように回折格子の間隔が小さくなるにしたがって回折角が大きくなるので、回折格子の間隔を徐々に変化させることによってレンズ作用を生じさせることができるのである。
なお、図10の回折格子においては、前述のように光は帯状Cr膜12の長手方向に直交する方向のみに回折されるので、レンズ作用もその方向のみにおいて生じ、すなわち線状のフォーカスを有する柱状レンズのように作用する。ただし、望まれる場合には、周知のフレネルゾーンプレートに類似の回折格子を利用することによって、点状のフォーカスを有する円形状レンズまたは正方形状レンズの作用を生じさせ得ることは言うまでもない。
図10の回折格子は互いに平行な複数の柱状マイクロレンズを含んでいるかのように作用し、矢印13で示された領域が一つの柱状マイクロレンズとして作用する。一つの柱状マイクロレンズ領域13内では、右側に比べて左側において帯状Cr膜12の幅と間隔が減少させられている。すなわち、図10の回折格子においては、帯状Cr膜12の幅と間隔が、柱状マイクロレンズ領域13ごとに周期的に変化させられている。
ところで、図9のカラー液晶プロジェクタにおけるホログラム膜2の代わりに図10のような回折格子をそのまま適用した場合、帯状Cr膜12は光を透過しないので、光源からの白色光Wの利用効率が低くなる。また、図10の回折格子においては、帯状Cr膜領域12のピッチが非常に小さい。例えば領域13内の中央部において、そのピッチは約0.5μm以下である。したがって、図10のような回折格子は電子ビーム描画を利用して作製しなければならず、工業的量産には適していない。
そこで、図9のカラー液晶プロジェクタにおいては、マスタ回折格子を介して光がガラス基板上のフォトポリマ膜へ照射され、その光照射されたフォトポリマ膜を熱処理することによってホログラム膜2が作製される。その際に、強度の高い光照射を受けた領域ほど屈折率nが高まる。すなわち、フォトポリマからなるホログラム膜2においては、屈折率nが変調されており、屈折率変調型の回折格子として作用する。
図11は、特許文献1の特開平10−96807号公報に開示されたカラー液晶表示装置を示す模式的断面図である。このカラー液晶表示装置は、周知の光透過型液晶パネル40を含んでいる。液晶パネル40は、液晶表示層41とブラックマトリックス42を含んでいる。液晶表示層41は複数の画素を含み、各画素は一組の赤色表示領域R、緑色表示領域G、および青色表示領域Bを含んでいる。各色表示領域の境界は、ブラックマトリックス42によって覆われている。
液晶パネル40の背面側には、ホログラムカラーフィルタ50が配置されている。このホログラムカラーフィルタ50は、ホログラム板51と複数のマイクロレンズ52のアレイとを含んでいる。各マイクロレンズ52は、液晶パネル40中の画素の周期に対応する周期でアレイ状に配置されている。また、ホログラム板51は、回折格子の作用をする平行で一様な溝を含む石英ガラス板で形成されている。
図11のカラー液晶表示装置においてバックライト60をホログラムカラーフィルタ50に入射させれば、その光は波長に依存して異なる角度で回折され、ホログラム板51の射出側において赤色光61、緑色光62、および青色光63に分光されて現れる。これらの分光された光は、ホログラム板51に隣接して配置されたマイクロレンズ52によって、その焦点面に波長毎に分離されて集光させられる。すなわち、赤色光61は画素中の赤色表示領域Rに、緑色光62は緑色表示領域Gに、そして青色光は青色表示領域Bにそれぞれ回折集光するように、カラーフィルタ50が構成配置される。これによって、それぞれの色成分の光はブラック・マトリックス42でほとんど減衰されずに各液晶セルを通過し、その液晶セルの色表示を行うことができる。
このようなカラー液晶表示装置においては、ホログラム板51として、集光性を有しなくて回折効率の波長依存性が少ない透過型ホログラム板を用いるので、ホログラム板51をマイクロレンズ52の配列周期と位置合わせする必要がない。また、各色表示領域ごとに対応して1個のマイクロレンズを配置する場合に比べて、画素ごとに対応して1個のマイクロレンズ52を配置するのでその配列周期が3倍になり、マイクロレンズアレイが作りやすくかつ整列させやすくなる。
図12は、非特許文献1のITE Technical Report Vol.20, 1996, pp.69-72に開示されたホログラムカラーフィルタを模式的に図解する断面図である。このホログラムカラーフィルタは、赤色光、緑色光、および青色光における強度バランスを改善するために、2つのホログラム膜71、72を含んでいる。
一般に、ホログラム膜においては、そのホログラム膜によって最も回折されやすい光の波長が存在する。すなわち、ホログラム膜は特定波長の光に対して最も高い回折効率を有し、その特定波長からの波長差が大きくなるにしたがって回折効率が低下する傾向にある。特に、屈折率変調型のホログラム膜中の屈折率差Δnが小さい場合に、このような回折効率の波長依存性が顕著になる傾向にある。たとえば、フォトポリマのホログラム膜におけるように屈折率差がΔn=0.04以下に小さい場合には、回折効率の波長依存性が小さなホログラム膜を得ることが困難である。
したがって、ホログラム膜によって白色光から赤色光、緑色光、および青色光を分光する場合、そのホログラム膜は、赤色光、緑色光、および青色光のうちで中間の波長域に相当する緑色光において最も高い回折効率が得られるように設計される。このように設計されたホログラム膜は緑色光に比べて赤色光と青色光に対して低い回折効率を有し、そのホログラム膜によって分光された赤色光と青色光は緑色光に比べて低い強度を有することになる。したがって、それらの分光された赤色光、緑色光、および青色光を再合成して白色光を得ようとしても、その合成光は緑色がかった白色光になる傾向にある。
また、カラー液晶表示装置のバックライトとして利用されるメタルハライドランプや超高圧水銀ランプは、緑色光の波長範囲内に強い輝線を含んでいる。したがって、緑色光に対して最も高い回折効率が得られるように設計されたホログラム膜によってメタルハライドランプや超高圧水銀ランプからの光を分光すれば、分光された赤色光、緑色光、および青色光の中で緑色光の強度がより顕著になる傾向にある。
図12のホログラムカラーフィルタは、このような波長に依存する回折効率の不均一性の問題を改善してカラー液晶表示装置の色バランスを改善するために、2つのホログラム膜71、72を含んでいる。第1のホログラム膜71は或る特定波長λの光に対してη1の回折効率を有し、第2のホログラム膜72はその波長λの光に対してη2の回折効率を有している。ここで、入射光の全てが回折される場合に回折効率1とし、入射光の全てが回折されずに透過する場合に回折効率0とする。
特定波長λを有する強度1の入射光が第1ホログラム膜71を通過すれば、その透過光と回折光との強度比率は(1−η1):η1となる。第1ホログラム膜71を通過した透過光が第2ホログラム膜72を通過すれば、透過光(元の入射光の方向に平行)とその回折光(第1ホログラム膜71による回折方向に平行)との強度比率は(1−η1)(1−η2):η2(1−η1)となる。第1ホログラム膜71を通過した回折光が第2ホログラム膜72を通過すれば、その回折光(元の入射光の方向に平行)と透過光(第1ホログラム膜71による回折方向に平行)との強度比率はη1η2:η1(1−η2)となる。したがって、2枚のホログラム膜71、72を通過した回折方向の光の強度は、η2(1−η1)+η1(1−η2)=η1+η2−2η1η2となる。
図13は、図12に示されているような2枚のホログラム膜を含むホログラムカラーフィルタに関する計算機シミュレーション結果の一例を示している。すなわち、図13のグラフにおいて、横軸は光の波長(nm)を表し、縦軸はホログラム膜の回折効率を表している。
曲線aは、単一のホログラム膜からなるホログラムカラーフィルタの回折効率の一例を示している。この単一のホログラム膜aは、赤色光と青色光との中間の波長に相当する緑色光において回折効率が最大になるように設計されている。したがって、白色光がホログラム膜aによって分光された後においては、緑色光に比べて赤色光と青色光の強度が低くなる傾向にある。
他方、ホログラム膜bは赤色光において回折効率が最大になるように設計されており、ホログラム膜cは青色光において回折効率が最大になるように設計されている。そして、これらの2枚のホログラム膜b、cを含むホログラムカラーフィルタは、曲線dで示されているような合成回折効率を有することになる。すなわち、ホログラムカラーフィルタdは緑色光に比べて赤色光と青色光において高い回折効率を有しており、回折効率の2つのピークを有することから2ピークホログラムカラーフィルタと称されることもある。
図14は、特許文献2の特開2000−235179号公報に開示されたカラー液晶プロジェクタを示す模式的断面図である。このカラー液晶表示装置は、白色光源81、3枚のダイクロイックミラー82、ガラス基板83、フォトポリマからなるホログラムレンズ層84、薄板ガラス層85、透明電極86、液晶層87、画素電極88、アクティブマトリックス駆動回路89、および投射レンズ90を含んでいる。
図14のカラー液晶プロジェクタにおいては、白色光源81から放射された白色光が3枚のダイクロイックミラー82によってR、G、およびBの三原色光に分光される。分光されたR光、G光、およびB光は、それぞれが最も高い回折効率で集光されるように、互いに異なる入射角でホログラムレンズ層84へ投射される。
特開平10−96807号公報 特開2000−235179号公報 ITE Technical Report Vol.20, 1996, pp.69-72
上述のようなフォトポリマからなるホログラム膜においては、光照射によって高めることができる屈折率差Δnは約0.04程度までである。周知のように、屈折率変調型回折格子においては、屈折率差Δnが大きいほど回折効率(光の利用効率)を高めることができる。また、屈折率差Δnが大きいほど、回折効率の波長依存性を小さくすることができる。ここで、約0.04程度の屈折率差Δnは十分とはいえず、フォトポリマのホログラム膜の回折効率を高めることは困難である。
また、近年ではカラー液晶プロジェクタの高輝度化が求められており、それに伴ってプロジェクタに含まれる光学部品には80〜100℃程度以上の耐熱性が求められる。しかし、フォトポリマの耐熱性は十分とはいえず、室温と100℃程度の温度との間における繰り返し熱履歴が与えられれば、フォトポリマのホログラム膜自体が劣化したりガラス基板から剥離したりする恐れがある。
さらに、特許文献1に開示されているように複数の微細な溝を有するシリカガラスのホログラム板は、1枚ごとに電子リソグラフィとエッチングを行って作製しなければならず、工業的大量生産に適していない。
かかる先行技術における状況に鑑み、本発明は、分光機能とマイクロレンズ機能の少なくとも一方を有するホログラムカラーフィルタにおける光の利用効率と耐熱性を改善することを目的とし、ひいては高輝度で色バランスも改善されたカラー液晶表示装置を提供することをも目的としている。
本発明の一つの態様によれば、入射光をホログラムにより回折分光して異なる波長の光を所定の空間的周期で所望の位置に出射するカラーフィルタの機能を有するホログラムカラーフィルタは、透光性基板上に形成された透光性ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を含み、このDLC膜には相対的に高屈折率の帯状領域と相対的に低屈折率の帯状領域とが交互に配置されていることを特徴としている。
そのDLC膜を含むホログラムカラーフィルタでは、青色光領域内の波長470nmから赤色光領域内の波長630nmに至るまでの波長領域において、入射光に関する回折効率の変動が40%以下であり得る。また、そのホログラムカラーフィルタでは、青色光領域内の波長470nmから赤色光領域内の波長630nmに至るまでの波長領域において、s偏光とp偏光とに関して互いに30%以上の回折効率差を生じ得る。
なお、そのDLC膜はマイクロレンズアレイと組み合わされてもよく、その場合にはDLC膜において高屈折率帯状領域の幅および間隔が一定に設定され、マイクロレンズアレイは所定の空間的周期に対応した周期で配置された複数のマイクロレンズを含むことができる。
また、DLC膜は高屈折率帯状領域の幅および間隔が所定の空間的周期に対応して周期的に変化させられてもよく、それによってホログラムカラーフィルタは分光機能とマイクロレンズアレイ機能とを兼ね備えることができる。
さらに、ホログラムカラーフィルタは複数のDLC膜を含んでいてもよく、これらのDLC膜は互いに異なる波長の光に対して回折効率のピークを有していることが好ましい。この場合に、ホログラムカラーフィルタは第1と第2のDLC膜を含み、第1DLC膜は赤色の光に対して回折効率のピークを有し、第2DLC膜は青色の光に対して回折効率のピークを有していることが好ましい。
DLC膜における低屈折率帯状領域から高屈折率帯状領域への境界領域においては、屈折率が多段階に変化させられていることが好ましい。また、DLC膜の低屈折率帯状領域から高屈折率帯状領域への境界領域において、屈折率が連続的に変化させられていることがさらに好ましい。
上述のようなホログラムカラーフィルタを作製するための方法においては、DLC膜はプラズマCVDによって好ましく形成され得る。また、DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、そのDLC膜へ紫外光照射、X線照射、シンクロトロン放射光照射、イオン照射、および電子線照射のいずれかを行うことによって形成され得る。DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、位相格子マスクを通過した2種の回折光の干渉によって得られる周期的な紫外光強度分布による露光によっても形成される得る。
本発明の他の態様によれば、カラー液晶表示装置は上述のようなホログラムカラーフィルタと組み合わされた液晶パネルを含み、そのホログラムカラーフィルタのカラーフィルタ機能における空間的周期は液晶パネルに含まれる複数の画素の周期に対応していることを特徴としている。すなわち、各画素は赤色表示領域、緑色表示領域、および青色表示領域を含み、ホログラムカラーフィルタは入射光を赤色光、緑色光、および青色光に分光してそれぞれ赤色表示領域、緑色表示領域、および青色表示領域ヘ向けて出射する。カラー液晶表示装置の光源としては、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、冷陰極線管、キセノンランプ、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、Arレーザ、He−Neレーザ、YAGレーザなどを含むことができる。
本発明のさらに他の態様によれば、カラー液晶表示装置は青色光、緑色光、および赤色光のそれぞれを放射する複数の半導体発光素子と、マイクロレンズアレイ機能を有するDLC膜を含くむホログラムカラーフィルタと、所定の空間的周期で配列された画素を含む液晶パネルとを含み、そのDLC膜内において相対的に高屈折率の帯状領域と相対的に低屈折率の帯状領域とが交互に形成されており、高屈折率帯状領域の幅および間隔が画素の空間的周期に対応して周期的に変化させられていることを特徴としている。
このカラー液晶表示装置を作製するための方法では、DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、位相格子マスクを通過した2種の回折光の干渉によって得られる周期的な紫外光強度分布による露光によって形成されることが好ましい。
本発明においては、大きな屈折率変化を生じ得てかつ優れた耐熱性を有するDLC膜を利用して、分光機能とマイクロレンズ機能の少なくとも一方を有するホログラムカラーフィルタが作製されるので、そのホログラムカラーフィルタの光利用効率を高めることができかつその耐熱性を著しく改善することができる。そして、そのように改善されたホログラムカラーフィルタを用いることによって、高輝度で色バランスも改善されたカラー液晶表示装置を提供することが可能になる。
まず、本願発明をなすに際して、本発明者らは、透光性DLC膜にエネルギビームを照射することによってその屈折率を高めることができることを確認している。そのようなDLC膜は、ガラス基板、ポリマ基板その他の種々の透光性基板上にプラズマCVD(化学気相堆積)によって形成することができる。そのようなプラズマCVDによって得られる透光性DLC膜は、通常は1.55程度の屈折率を有している。
DLC膜の屈折率を高めるためのエネルギビームとしては、イオンビーム、シンクロトロン放射(SR)光、電子ビームなどを用いることができる。例えば、Heイオンを800keVの加速電圧の下で5×1017/cm2のドース量で注入することによって、屈折率変化量をΔn=0.65程度まで高めることができる。なお、H、Li、B、Cなどのイオンの注入によっても、同様に屈折率を変調させることができる。また、0.1〜130nmのスペクトルを有するSR光を照射することによっても、屈折率変化量を最大でΔn=0.65程度まで高めることができる。さらに、UV光照射では、例えば波長248nmのKrFエキシマレーザ光をパルス当たり160μW/mm2の照射密度にて100Hzの周期でパルス照射すれば、屈折率変化量をΔn=0.22程度まで高めることができる。なお、ArF(193nm)、XeCl(308nm)、XeF(351nm)などのエキシマレーザ光やArレーザ光(488nm)の照射によっても、同様に屈折率を変調させることができる。これらの、DLC膜のエネルギビーム照射による屈折率変化量は、従来のフォトポリマ膜の光照射による屈折率変化量(Δn=0.04程度以下)に比べて桁違いに大きいことが分かる。
図1では、本発明の一実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。そのようなDLCのホログラム膜は、図9のカラー液晶プロジェクタにおけるフォトポリマのホログラム膜2、図11におけるカラー液晶表示装置におけるシリカガラスのホログラム板51、図12におけるフォトポリマのホログラム膜71、72、および図14のカラー液晶プロジェクタにおけるフォトポリマのホログラム膜84のいずれかの代わりに好ましく使用し得るものである。
図1のDLCホログラム膜の作製方法においては、例えばシリカ(SiO2)ガラス基板21上にプラズマCVDによってDLC膜22が形成される。そして、シリカガラス基板23a上に形成されたマスク24aがそのDLC膜22上に重ねられる。マスク24aは種々の材料で形成され得るが、金(Au)膜がより好ましく用いられ得る。なぜならば、金は高精度に加工しやすく、エネルギビームの遮蔽性にも優れ、酸化や腐食による問題を生じることもないからである。この金マスク24aは、たとえば以下のようにして作製され得る。
まず、周知のスパッタリング法またはEB(電子ビーム)蒸着法によって、ガラス基板上に厚さ約0.5μmの金膜が堆積され、その上にレジスト層が塗布される。このレジスト層は、ステッパ露光を利用してパターン化される。そのレジストパターンを介してドライエッチングすることによって、金膜がパターン化される。そして、レジストパターンを除去することによって、金マスクパターンが得られる。
これに代わり得る他の方法においては、まずスパッタリング法またはEB蒸着法によって、ガラス基板上に約50nm以下の厚さのNi導電層が堆積され、その上にレジストパターンが形成される。このレジストパターンを介してNi層上に厚さ約0.5μmの金膜を電気めっきによって堆積してレジストを除去することによって、金マスクが形成され得る。
以上のいずれの方法で形成される金マスクも、ホログラム作用のための回折格子パターンに対応したパターンを有している。なお、図1においては、図面の簡略化と明瞭化のために、帯状金膜24aの幅と間隔は一定にして示されている。
図1に示されているように、金膜のマスク24aがDLC膜22上に重ねられた状態で、上方からUV光25aがDLC膜22に照射される。その結果、DLC膜22中で、金マスク24aによって覆われてUV光25aの照射を受けなかった領域は屈折率の変化を生じなくて、プラズマCVDによって堆積されたままの屈折率n1を維持している。他方、DLC膜22中で、金マスク24aによって覆われていなくてUV光25aの照射を受けた領域は屈折率変化を生じて、その屈折率がn2へ高められる。UV光照射後には、シリカガラス基板23aと金マスク24aをDLCホログラム膜22から取り外す。こうして得られたDLCホログラム膜22は、n1とn2との2値の屈折率を含んでおり、2レベルの屈折率変調型回折格子として作用する。
ここで、図1のDLCホログラム膜22と図10の回折格子とを比較すれば、図10の回折格子においてはCr膜12によって遮蔽された光は回折光として利用することができなくて光の利用効率が低くなるのに対して、図1のDLCホログラム膜22においては低屈折率n1と高屈折率n2のいずれの領域を通過する光も回折光として利用することができて光の利用効率が高くなる。
他方、図9、図12、および図14におけるフォトポリマのホログラム膜2、71、72、84は、図1のDLCホログラム膜22に類似して、低屈折率領域と高屈折率領域とを含む屈折率変調型回折格子として作用する。したがって、フォトポリマのホログラム膜においても、低屈折率と高屈折率のいずれの領域を通過する光も回折光として利用することができる。しかし、前述のようにフォトポリマ膜の光照射によって実現し得る屈折率差Δnはせいぜい0.04程度であるのに対して、DLC膜のUV光照射によって実現し得る屈折率差Δnは0.2程度に達し得る。したがって、図1のDLCホログラム膜22においては、フォトポリマのホログラム膜に比べて遥かに高い回折効率を実現することができ、光の利用効率を高めることができる。また、屈折率差Δnを大きくし得るDLCホログラム膜においては、回折効率の波長依存性を小さくすることができる。
図2では、本発明の他の実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。この図2においては、図1と同様な方法で形成されたn1とn2との2レベルの屈折率変調を含むDLCホログラム膜22上に、シリカガラス基板23a上の第2の金マスク24bがさらに重ねられる。そして、その状態において再度のUV光照射25bが行われる。
このとき、第2の金マスク24bは、図1の過程で形成されたDLCホログラム膜中の高屈折率n2の領域内の選択された領域のみにUV光を照射するための開口を有している。したがって、UV光25bの照射後においては、比較的高い屈折率n2の領域内の選択された領域の屈折率がさらに高いn3に高められる。すなわち、図2において作製されたDLCホログラム膜22は、n1、n2、およびn3の3レベルの屈折率変調を含む回折格子として作用する。
このように、部分的に修正されたパターンを有するマスクを順次用いながらDLC膜にUV光照射を繰り返して行うことによって、所望の多レベルの屈折率変調を含むDLCホログラム膜を得ることができる。そして、周知のように2レベルの屈折率変調型回折格子に比べて多レベルの屈折率変調型回折格子は高い回折効率を生じ得るので、光の利用効率がさらに改善され得る。
図3では、本発明のさらに他の実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。この作製方法においては、シリカガラス基板(図示せず)上のDLC膜22上に金マスク34が形成される。この金マスク24aも電子ビーム描画で形成することができ、所定のホログラム(回折格子)パターンを有している。なお、図3においても、図面の簡略化と明瞭化のために、帯状金膜34の幅と間隔は一定にして示されている。
ここで、帯状金膜34に特徴的なことは、その上面が半円柱状面に形成されていることである。このような半円柱状面は、例えばエッチングまたはナノインプリント(型転写)にて形成することができる。
そのように形成された金マスク34を介して、例えばHeのイオン35がDLC膜22に照射される。このとき、各帯状金膜34が半円柱状の上面を有しているので、各帯状金膜34の側面近傍では一部のHeイオンがそのマスクを透過することができ、その透過HeイオンがDLC膜22内に侵入し得る。その結果、図3のDLC膜22中においては、低屈折率領域22aと高屈折率領域22bとの界面近傍において、屈折率が連続的に変化することになる。なお、イオンビーム照射によってDLC膜の屈折率を変調した後に、金用のシアン系エッチング液に室温で数分程度浸漬することによって、金マスク34が溶解除去され得る。
前述のように、多レベルの屈折率変調型回折格子においては、そのレベル数を高めるほど回折効率が改善される。そして、屈折率が連続的に変化させられている屈折率変調型回折格子は、屈折率変調レベルを無限大にしたことに相当している。すなわち、図3において得られるDLCホログラム膜は、図2の場合に比べて、さらに改善された回折効率を有し、光の利用効率をさらに改善することができる。
図4では、本発明のさらに他の実施形態においてDLC膜を用いてホログラム膜を作製する方法が、模式的な断面図で図解されている。この作製方法においては、たとえば厚さ100μmのスペーサ26を介して、ガラス製のレリーフ型位相格子マスク(回折格子)24cがDLC膜22に対して近接配置される。この状態で、たとえばKrFレーザ光(波長248nm)25cを16mw/mm2のエネルギ密度で1時間照射することによって、ホログラム膜を作製することができる。このとき、位相格子マスク24cからの+1次回折光と−1次回折光との干渉光に露光される領域22bの屈折率が高められる。他方、その干渉光よって露光されない領域22aの屈折率は、成膜されたままの状態に維持される。
この場合、+1次回折光と−1次回折光との干渉光は、レリーフ型位相格子マスク24cの凹凸周期の1/2の周期で現れる。したがって、DLC膜中の所望の高屈折率領域22bの周期に比べて2倍の凹凸周期で形成されたレリーフ型位相格子マスク24cを用いることができる。また、高屈折率領域22bの幅の中央おけるほど、干渉光の強度が高くなる。したがって、図3の場合に類似して、図4のDLC膜22においても、低屈折率領域22aと高屈折率領域22bとの界面近傍において屈折率が連続的に変化し、高い回折効率を得ることができる。なお、望まれる場合には、レリーフ型位相格子マスク24cの代わりに、クロム膜、酸化クロム膜、アルミ膜などをパターニングして得られる振幅型位相格子マスクを用いることもできる。
また、図1から図4におけるDLCホログラム膜の作製方法では高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域が膜厚方向に平行な場合が例示されているが、望まれる場合には、その境界領域を膜厚方向に対して傾斜させてもよいことは言うまでもない。そのためには、たとえば図1から図3の作製方法に関しては、エネルギビームをDLC膜面に対して斜め方向に入射させればよい。また、図4の作製方法に関しても、紫外光25cをDLC膜面に対して斜め方向に入射させて、0次回折光と+1次回折光または−1次回折光との干渉光による露光を利用すればよい。ただし、0次回折光と+1次回折光または−1次回折光との干渉光は、位相格子マスク24cの凹凸周期と同じ周期で現れる。したがって、DLC膜中の所望の高屈折率領域22bの周期に比べて同じ周期の凹凸で形成された位相格子マスク24cを用いなければならない。
図5の模式的な断面図は、高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域が膜厚方向に対して傾斜していることが好ましい場合の一例を示している。すなわち、ガラス基板21上のDLCホログラム膜22においては、高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域22cが膜厚方向に対して傾斜させられている。この場合、たとえば入射光L1はDLC膜22内に入射するときに屈折して光L2になり、高屈折率領域と低屈折率領域との間の境界領域22cで所定のブラッグ反射角θにおいて高い効率で回折された光L3となる。この回折光L3は、境界領域22cがDLC膜の厚さ方向に対して傾斜させられているので、DLC膜面に対して直交する方向に放射させることが可能である。すなわち、回折光L3は、たとえば液晶パネルの表面に対して直行するように効率よく入射さられ得る。
図6と図7のグラフは、屈折率変調型ホログラム膜における屈折率変化Δnが回折効率に及ぼす影響に関する計算機シミュレーション結果を例示している。これらのグラフの各々において、横軸は光の波長(μm)を表し、縦軸は回折効率を表している。そして、黒丸印で表された曲線はs偏光に関する回折効率を表し、黒三角印で表された曲線はp偏光に関する回折効率を表している。
なお、フォトポリマ膜を用いた屈折率変調型ホログラム膜に関する図6においては、Δnが0.04、膜厚が6.6μm、低屈折率領域の幅に対する高屈折率領域の幅の比率であるデューティ比が0.46、光入射角が30度、そして高屈折率領域と低屈折率領域の周期が367nmに設定された。他方、DLC膜を用いた屈折率変調型ホログラム膜に関する図7においては、Δnが0.5、膜厚が2.1μm、低屈折率領域の幅に対する高屈折率領域の幅の比率であるデューティ比が0.5、光入射角が50度、そして高屈折率領域と低屈折率領域の周期が326nmに設定された。ここで、フォトポリマ膜に比べてDLC膜が1/3以下の厚さに設定されているのは、Δnが大きい場合には膜厚が小さくても十分な回折効率が得られるからである。
図6から分かるように、フォトポリマ膜によるホログラム膜では、最大でも70%の回折効率を得ることが容易ではなく、しかも同一の入射角において良好な回折効率が得られる波長範囲が非常に狭い。他方、図7から分かるように、DLC膜によるホログラム膜では、70%以上の回折効率を得ることが容易であり、しかも同一の入射角において良好な回折効率が得られる波長範囲が非常に広い。そして、DLC膜によるホログラム膜では、たとえば青色光領域内の波長470nmから赤色光領域内の波長630nmに至るまでの波長領域において、入射光に関する回折効率の変動を40%以下にすることが容易であり、30%以下にすることもできる。このことは、B光、G光、およびR光を同一の入射角で照射した場合に、フォトポリマ膜によるホログラム膜ではそれらの3色光を同等な効率で回折させ得ないのに対して、DLC膜によるホログラム膜では3色光をほぼ同等な効率で回折させ得ることを意味している。
ところで、図9や図14に示されているような反射型カラー液晶プロジェクタでは、主にs偏光とp偏光のいずれかがホログラム膜に入射させられ、その回折光が液晶パネルに照射される。そして、液晶パネルで反射されてp偏光またはs偏光に変換された光がホログラム膜を透過してスクリーン上に投影される。すなわち、ホログラム膜は、s偏光とp偏光のいずれか一方を高効率で回折しかつ他方を回折せずに透過させることが好ましい。そして、反射型カラー液晶プロジェクタに用いられるホログラム膜においては、s偏光とp偏光とに関して一般に30%以上の回折効率差を生じることが望まれる。
図7から理解されるように、DLC膜によるホログラム膜では、たとえば青色光領域内の波長470nmから赤色光領域内の波長630nmに至るまでの波長領域において、s偏光にとp偏光と関する回折効率差を30%以上にすることが容易であり、50%以上にすることもできる。このことは、B光、G光、およびR光を同一の入射角で照射した場合でも、DLC膜によるホログラム膜では、それらの3色光を互いに同等かつ十分な明るさでスクリーン上に投影させ得ることを意味している。
なお、図6と図7ではp偏光よりもs偏光に対して高い回折効率を有するホログラム膜が例示されたが、逆にs偏光よりもp偏光に対して高い回折効率を有するホログラム膜をも設計し得ることは言うまでもない。もちろん、s偏光よりもp偏光に対して高い回折効率を有するホログラム膜が反射型カラー液晶プロジェクタに用いられる場合には、入射光として主にp偏光が入射させられることになる。
図8の模式的断面図は、図14に類似しているが、本発明によるカラー液晶プロジェクタの一例を示している。図14の場合に比べて、図8のカラー液晶プロジェクタでは、フォトポリマ膜によるホログラム膜84がDLC膜によるホログラム膜84aに変更されるとともに、白色光源81とダイクロイックミラー82が青色発光素子91B、緑色発光素子91G、および赤色発光素子91Rに変更されていることのみにおいて異なっている。それらの3原色光の各々を発光する素子として、発光ダイオード(LED)または半導体レーザ(LD)を好ましく用いることができる。この場合、各色は、それぞれの波長に応じた回折角で分光される。
半導体発光素子は、白色光からダイクロイックミラーによって分光された3原色光に比べて、純度の高い3原色光を放射することができる。そして、それらの3原色光の波長において最も高い回折効率が得られる個別の角度でホログラム膜84aへ各色光を入射させるように、それらの半導体発光素子を配置することが可能である。したがって、図8のカラー液晶プロジェクタでは、高い色純度で演色性の優れた明るいフルカラー投射映像を得ることが可能になる。
なお、以上の説明において図8、図9、および図14において反射型カラー液晶プロジェクタが例示されたが、本発明によるDLCホログラム膜は透過型カラー液晶プロジェクタにも適用し得ることは言うまでもない。例えば、図9の反射型カラー液晶プロジェクタと透過型カラー液晶プロジェクタとの間の部分的相違を説明すれば、まず、反射型電極層4を透明電極層で置き換えることによって透過型に変更されうることが理解されよう。また、その場合にはホログラム膜を介して投影光を取り出す必要がないので、光源からの光はそのホログラム膜の真後ろから照射することもできる。その場合には、図10に示された回折格子パターン中の一つのマイクロレンズ領域13に対応するDLCホログラム膜中の屈折率変調領域内において、中央部に比べて両側部における高屈折率領域の幅と間隔を小さくすればよい。さらに、本発明によるDLCホログラム膜は、プロジェクタ型でなくて図11に示されているような通常のカラー液晶表示装置にも好ましく適用し得ることも言うまでもない。また、本発明を適用し得るカラー液晶プロジェクタまたはカラー液晶表示装置用の光源としては、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、冷陰極線管、キセノンランプ、発光ダイオード、半導体レーザ、Arレーザ、He−Neレーザ、およびYAG(イットリウム・アルミニュウム・ガーネット)レーザなどを好ましく用いることができる。
以上のように、本発明によれば、光の利用効率を高めることができかつ耐熱性に優れたホログラムカラーフィルタを提供することができ、ひいては高輝度で色バランスも改善されたカラー液晶表示装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 本発明の他の実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 本発明のさらに他の実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 本発明のさらに他の実施形態によるDLCホログラム膜の作製方法を図解する模式的断面図である。 高屈折率領域と低屈折率領域との境界がDLC膜の厚さ方向に関して傾斜させられているホログラムカラーフィルタにおけるブラッグ反射による回折の一例を示す模式的断面図である。 Δn=0.04の屈折率変化を含む屈折率変調型回折格子における回折効率の波長依存性と偏光依存性を示すグラフである。 Δn=0.5の屈折率変化を含む屈折率変調型回折格子における回折効率の波長依存性と偏光依存性を示すグラフである。 本発明によるカラー液晶プロジェクタの一例を図解する模式的断面図である。 先行技術による単一パネル型カラー液晶プロジェクタにおける光学的基本原理を図解する模式的断面図である。 波長分離機能とマイクロレンズ機能とを併有する回折格子の一例を示す模式的平面図である。 先行技術によるカラー液晶表示装置を示す模式的断面図である。 先行技術によるホログラムカラーフィルタを図解する模式的断面図である。 図12のホログラムカラーフィルタにおける回折効率の波長依存性を模式的に示すグラフである。 先行技術によるカラー液晶プロジェクタを図解する模式的断面図である。
符号の説明
1 ガラス基板、2 ホログラム膜、3 液晶層、4 反射型電極層、11 ガラス基板、12 Cr膜の回折格子、13 一つのマイクロレンズ領域、21 シリカガラス基板、22 DLC膜、22a 低屈折率領域、22b 高屈折率領域、23a、23b シリカガラス基板、24a、24b 金マスク、25a、25b UV光、34 金マスク、35 Heイオンビーム、40 液晶パネル、41 液晶表示層、42 ブラックマトリックス、50 ホログラムカラーフィルタ、51 ホログラム板、52 マイクロレンズ、60 バックライト、61 赤色光、62 緑色光、63 青色光、71 第1のホログラム膜、72 第2のホログラム膜、a 緑色光に対して最大回折効率を有するホログラム膜、b 赤色光に対して最大回折効率を有するホログラム膜、c 青色光に対して最大回折効率を有するホログラム膜、d 赤色光と青色光に対して回折効率のピークを有するホログラムカラーフィルタ、81 白色光源、82 ダイクロイックミラー、84、84a ホログラムレンズ層、85 薄板ガラス層、86 透明電極、87 液晶層、88 画素電極、89 アクティブマトリックス駆動回路、90 投射レンズ、91B 青色発光素子、91G 緑色発光素子、91R 赤色発光素子。

Claims (19)

  1. 入射光をホログラムにより回折分光して異なる波長の光を所定の空間的周期で所望の位置に出射するカラーフィルタの機能を有するホログラムカラーフィルタであって、
    透光性基板(21)上に形成された透光性ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜(22)を含み、このDLC膜には相対的に高屈折率の帯状領域(n2、22b)と相対的に低屈折率の帯状領域(n1、22a)とが交互に配置されていることを特徴とするホログラムカラーフィルタ。
  2. 青色光領域内の波長470μmから赤色光領域内の波長630μmに至るまでの波長領域において、前記入射光に関する回折効率の変動が40%以下であることを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  3. 青色光領域内の波長470μmから赤色光領域内の波長630μmに至るまでの波長領域において、s偏光とp偏光とに関して互いに30%以上の回折効率差を生じ得ることを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  4. 前記DLC膜はマイクロレンズアレイと組み合わされており、前記DLC膜において前記高屈折率帯状領域の幅および間隔が一定に設定されており、前記マイクロレンズアレイは前記空間的周期に対応した周期で配置された複数のマイクロレンズを含むことを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  5. 前記高屈折率帯状領域の幅および間隔が前記空間的周期に対応して周期的に変化させられており、それによって分光機能とマイクロレンズアレイ機能とを兼ね備えていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  6. 前記DLC膜の複数を含み、これらのDLC膜は互いに異なる波長の光に対して回折効率のピークを有していることを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  7. 前記複数のDLC膜は第1と第2のDLC膜を含み、前記第1DLC膜は赤色の光に対して回折効率のピークを有し、前記第2DLC膜は青色の光に対して回折効率のピークを有していることを特徴とする請求項6に記載のホログラムカラーフィルタ。
  8. 前記低屈折率帯状領域から前記高屈折率帯状領域への境界領域において屈折率が多段階に変化させられていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  9. 前記低屈折率帯状領域から前記高屈折率帯状領域への境界領域において屈折率が連続的に変化させられていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  10. 前記低屈折率帯状領域と前記高屈折率帯状領域との間の境界領域は前記DLC膜の厚さ方向に対して傾斜させられていることを特徴とする請求項1に記載のホログラムカラーフィルタ。
  11. 請求項1のホログラムカラーフィルタを作製するための方法であって、前記DLC膜はプラズマCVDによって形成されることを特徴とするホログラムカラーフィルタの作製方法。
  12. 前記DLC膜中において相対的に高い屈折率を有する領域は、そのDLC膜へ紫外光照射、X線照射、シンクロトロン放射光照射、イオン照射、および電子線照射のいずれかを行うことによって形成されることを特徴とする請求項11に記載のホログラムカラーフィルタの作製方法。
  13. 前記DLC膜(22)中において相対的に高い屈折率を有する領域(22b)は、位相格子マスク(24c)を通過した2種の回折光の干渉によって得られる周期的な紫外光強度分布による露光によって形成されることを特徴とする請求項12に記載のホログラムカラーフィルタの作製方法。
  14. 請求項1のホログラムカラーフィルタと組み合わされた液晶パネルを含み、前記空間的周期は前記液晶パネルに含まれる複数の画素の周期に対応していることを特徴とするカラー液晶表示装置。
  15. 各前記画素は赤色表示領域、緑色表示領域、および青色表示領域を含み、前記ホログラムカラーフィルタは前記入射光を赤色光、緑色光、および青色光に分光してそれぞれ前記赤色表示領域、前記緑色表示領域、および前記青色表示領域ヘ向けて出射することを特徴とする請求項14に記載のカラー液晶表示装置。
  16. 白色光源からの光を赤色光、緑色光、および青色光に分光して前記ホログラムカラーフィルタへの入射光として与えるダイクロイックミラーをさらに含み、各前記画素は赤色表示領域、緑色表示領域、および青色表示領域を含み、前記ホログラムカラーフィルタは前記入射光の赤色光、緑色光、および青色光をそれぞれ前記赤色表示領域、前記緑色表示領域、および前記青色表示領域ヘ向けて出射することを特徴とする請求項14に記載のカラー液晶表示装置。
  17. 光源として、メタルハライドランプ、超高圧水銀ランプ、冷陰極線管、キセノンランプ、発光ダイオード、およびレーザのいずれかを含むことを特徴とする請求項14に記載のカラー液晶表示装置。
  18. 青色光、緑色光、および赤色光のそれぞれを放射する複数の発光ダイオードまたはレーザ(91B、91G、91R)と、DLC膜(22)を含むホログラムカラーフィルタ(84a)と、所定の空間的周期で配列された画素を含む液晶パネル(85−89)とを含み、
    前記DLC膜(22)内において、相対的に高屈折率の帯状領域(n2、22b)と相対的に低屈折率の帯状領域(n1、22a)とが交互に形成されており、前記高屈折率帯状領域の幅および間隔が前記画素の前記空間的周期に対応して周期的に変化させられていることを特徴とするカラー液晶表示装置。
  19. 請求項18のカラー液晶表示装置を作製するための方法であって、前記DLC膜(22)中において相対的に高い屈折率を有する領域(n2、22b)は、位相格子マスク(24c)を通過した2種の回折光の干渉によって得られる周期的な紫外光強度分布による露光によって形成されることを特徴とするカラー液晶表示装置の作製方法。
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