JP3356714B2 - 空間光変調素子とカラー表示装置 - Google Patents
空間光変調素子とカラー表示装置Info
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Description
層を用いた空間光変調素子とこの空間光変調素子を用い
たカラー表示装置に関するものである。
必須の構成要素となる。従来のカラーフィルタは、顔料
や染料を着色材として用い、光の三原色であるR
(赤)、G(緑)、B(青)に対応するいずれかの波長
域のみを選択的に透過する樹脂層で形成されていた。し
かし、この従来のカラーフィルタでは、RGBに対応し
たフィルタを平面上それぞれ独立した領域に形成する必
要がある。各領域のフィルタを透過できる光は、入射す
る白色光の内、RGBいずれか一色のみであり、それ以
外の光はフィルタに吸収される。また、画素サイズが小
さくなると、各色光のフィルタは、各領域の境界部分で
一部重なりあうように形成されるので、隣接領域との境
界部には混色を避けるために通常ブラックストライプが
設けられる。よって、カラーフィルタ全体としての光透
過率が低く、原理的に光の利用効率を高くできないとと
もに、吸収された光は熱となり、表示特性の劣化要因と
なる虞がある。
いたカラーフィルタ(以下、ホログラムカラーフィルタ
という。)の使用が検討されている。このホログラムカ
ラーフィルタによれば、ホログラムの回折、分光機能に
より、一領域のホログラムカラーフィルタで、入射する
白色光をRGBの三成分に回折、分光できる。このよう
なホログラムカラーフィルタの利用は、高い光利用効率
を得ることが可能であるため、特にその改善が求められ
ている投射型液晶表示装置に対し有効である。
報(特開平9−189809)に開示した反射方式の投
射型カラー液晶表示装置における空間光変調素子の構造
を模式的に表した装置断面図である。この空間光変調素
子では、カラーフィルタとして、上述のホログラムカラ
ーフィルタを用いている。同図において、11は液晶パ
ネル、12は薄板ガラス層、13はカラーフィルタ、1
4はガラス基板、15はカップリングプリズムである。
そのシリコン基板21上に形成されたアクティブマトリ
クス駆動回路22と、そのアクティブマトリクス駆動回
路22によって選択的に制御駆動される画素電極23
r、23g、23bを規則的に配列せしめた画素電極層
23と、誘電体ミラー膜24と、配向膜25と、スペー
サで液晶を封止した光変調層26と、配向膜27と、透
明な共通電極層28とを順に積層させた構造を有してい
る。
ンズを規則的に配列したいわゆるホログラムレンズアレ
イで構成されており、R、G、Bの三原色を含んだ読み
出し光(白色光)を各色光毎に回折、分光し、液晶パネ
ル11内のR、G、Bに対応する画素電極23r、23
g、23bの位置へ略垂直に集光する機能を有する。即
ち、光束の主光線を画素電極23r、23g、23bに
対して略垂直に入射させ、且つそのレンズ作用によって
光束を画素電極23r、23g、23bに集束させるこ
とができる。従って、入射光を無駄なく利用した投射型
カラー液晶表示装置を提供することができる。なお、同
図に示すように、画素電極23上に誘電体ミラー膜24
を備える場合は、集光先は誘電体ミラー膜24となる。
12の空間光変調素子におけるホログラムカラーフィル
タの読出し光(白色光)の色分解原理を示す図である。
同図に示すように、ホログラムカラーフィルタ13は、
RGBの三原色光にそれぞれ対応するR色用ホログラム
レンズ層13r、G色用ホログラムレンズ層13g及び
B色用ホログラムレンズ層13bが積層された構成を有
する。一定角度でホログラムカラーフィルタ13に入射
する白色光は、各層で対応波長光が回折、分光される。
が回折、分光され、次に第2の層13gでG光成分が回
折、分光され、さらに第3の層13bでB光成分が回
折、分光される。各層で分光、回折されたRGB各色光
は、対応する画素電極23b、23g、23r上に略集
光される。
いた空間光変調素子では、RGB三原色のそれぞれの色
光に対応するホログラムレンズ層を一層ずつ備える必要
がある。即ち、三層構造のホログラムレンズ層を使用し
ていた。従って、その製造工程においては、3種のホロ
グラムレンズ層をそれぞれ作製する必要があり、さらに
この三層を積層する際には、各ホログラムレンズ層で回
折、分光される光が対応画素電極上に集光されるよう
に、三層の位置を高精度にアライメントする必要があ
る。よって、プロセス上の手間がかかり、プロセスコス
トが高くなるとともに、アライメント精度の問題から、
高精細なカラー液晶表示装置を作製することは容易では
なかった。
れたものであり、より簡易なプロセスで製造することが
可能な空間光変調素子とこれを用いたカラー表示装置を
提供することである。
易なプロセスを用いて製造できる空間光変調素子におい
て、良好な光利用効率と色再現性を兼ね添えるものを提
供することである。
の空間光変調素子の特徴は、白色光を出射する光源と、
前記白色光を赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)
光の各色光成分に分光し、各色光ごとに異なる角度で射
出するダイクロイックミラーと、空間光変調素子とを有
するカラー表示装置であり、前記空間光変調素子が、入
射する光をその入射角度と波長帯域に応じて所定方向に
回折出射する単一のホログラムレンズ層と、前記ホログ
ラムレンズ層を介して入射する光に対応色の映像信号に
係わる光変調を与えて出射する光変調層とを有するもの
であり、前記ダイクロイックミラーを介して前記空間光
変調素子に入射されるR光、G光、B光の各色光成分
が、各色光ごとに異なる入射角で前記ホログラムレンズ
層に入射されることである。
ロイックミラーにより、三原色に係るR光、G光、B光
がそれぞれ異なる入射角度で前記ホログラムレンズ層に
入射することができるとともに、前記ホログラムレンズ
層は、入射する光をその入射角度と波長帯域に応じた所
定方向に回折出射するので、単一層のホログラムレンズ
でありながら、R光、G光、B光の各色光に色分解でき
る。ホログラムレンズ層が単一の層で構成されるため、
従来のように三層で構成する場合に較べ、作製するホロ
グラムレンズ層が一層のみで済むとともに、積層に際す
る各層のアライメント作業が不要となり、作製工程が大
幅に簡易化される。よって、カラー表示装置全体のコス
トとして安価なものを提供できる。
請求項2に記載するように、前記光変調層が、透明電極
が形成された透明な一方の基板と画素電極及び駆動回路
層が形成された他方の基板との間に保持されていてもよ
い。
において、請求項3に記載するように、前記画素電極
が、赤色対応画素電極、緑色対応画素電極および青色対
応画素電極を規則的に繰り返し配置する平面構成を有す
るものであり、前記画素電極が、前記ホログラムレンズ
層を介して出射される回折光の波長分散と、画素電極の
対応色の並びとが、波長について同位相となるように配
置されていてもよい。
グラムレンズ層を介して回折されるRGB三原色に係る
各色光を対応色光の画素電極上に無理なく集光させるこ
とが可能となる。
る空間光変調素子において、前記ホログラムレンズ層
が、入射する光のs偏光波もしくはp偏光波の内の一方
の偏光波の回折効率を略最大としながら他方の偏光波の
回折効率を低くするように、その回折効率が偏光成分に
対し選択性を有するものであってもよい。
層であれば、例えば反射型光変調素子において、ホログ
ラムレンズ層でs偏光成分を主に回折出射して画素電極
に集光させるとともに、途中光変調層で変調され、戻っ
て来るp偏光成分についてはほとんど回折させずホログ
ラムレンズ層を透過させることができる。よって、高い
光利用効率と高いコントラスト比を得ることが可能であ
る。
いて、R光、G光、B光の各色光成分が、前記ホログラ
ムレンズ層に入射するに際し、前記R光、G光、B光の
入射光の前記ホログラムレンズ層面法線からの倒れ角の
絶対値がR光>G光>B光の関係としてもよい。
て、投写レンズ系と、前記投写レンズ系を透過する光を
写す投写面とを有し、前記ホログラムレンズで回折さ
れ、前記光変調層に入射し、ここで変調を受けた後、前
記画素電極で反射され、再び前記ホログラムレンズ層に
入射する光のうち前記ホログラムレンズ層で再び回折さ
れずにそのまま透過した光を前記投写レンズ系により前
記投写面に写し出すものであってもよい。
は、入射する光をその入射角度と波長帯域に応じて所定
方向に回折出射する単一のホログラムレンズ層と、前記
ホログラムレンズ層を介して入射する光に対応色の映像
信号に係わる光変調を与えて出射する光変調層と前記光
変調層を通過した光が到達する画素電極とを有する空間
光変調素子において、前記画素電極は、赤色対応画素電
極、緑色対応画素電極、および青色対応画素電極を規則
的に繰り返し配置せしめる平面構成を有し、前記ホログ
ラムレンズ層を介して出射される回折光の波長分散と、
前記画素電極の対応色の並びとが、波長について同位相
となるように配置されており、前記単一のホログラムレ
ンズ層は、単位ホログラムレンズを面上に規則的に配列
させたものであり、前記単位ホログラムレンズの焦点距
離をf、隣接する単位ホログラムレンズの中心間距離を
Hとするとき、前記距離Hは、同一色光対応の画素電極
ピッチと同一であり、該焦点距離fと該距離Hとの比f
/Hが、1.5以上2.5以下であることである。これ
により、高い光利用効率と良好な色再現性を得ることが
できる。特に、RGBに係る色光のうちG光についての
f/Hを上記範囲とすれば、確実に高い光利用効率と良
好な色再現性を得ることができる。なお、この場合の焦
点距離f値は、空気中での距離に換算した値とする。
求項7の空間光変調素子において、前記単位ホログラム
レンズが屈折率の異なる第1の層と第2の層を面上に交
互に配列した回折格子を有し、レンズ中心表面での前記
回折格子のピッチpを0.38μm以上0.48μm以
下としてもよい。こうすれば、必然的にR光、G光、B
光の各入射光をs偏光波の回折効率を略最大としながら
p偏光波の回折効率を低くしうる入射条件が導かれる。
よって、反射型光変調素子として用いる場合において、
ホログラムレンズ層でs偏光成分を主に回折出射して画
素電極に集光させるとともに、途中光変調層で変調さ
れ、戻って来るp偏光成分についてはほとんど回折させ
ずホログラムレンズ層を透過させることができるため、
高い光利用効率と高いコントラスト比を得ることが可能
となる。
求項8の空間光変調素子において、該単位ホログラムレ
ンズの面法線に対する前記回折格子の傾き角θを25度
以上35度以下としてもよい。この場合は、R光、G
光、B光の各入射光を略垂直に射出する条件で、上述す
るような、回折効率が偏向成分に対し選択性を有する条
件を導くことができる。
は、入射する光をその入射角度と波長帯域に応じて所定
方向に回折出射する単一のホログラムレンズ層と、前記
ホログラムレンズ層を介して入射する光に対応色の映像
信号に係わる光変調を与えて出射する光変調層とを有
し、前記ホログラムレンズ層は、屈折率の異なる第1の
層と第2の層とを面上に交互に配列した回折格子で形成
される体積ホログラムであり、前記屈折率が異なる第1
の層と第2の層の屈折率差が0.04以上であり、前記
ホログラムレンズ層の厚みが4.4μm以下であること
である。この条件下において、高い光利用効率を得るた
めのホログラムレンズ層の最適条件を導くことができ
る。
記屈折率が異なる第1の層と第2の層の屈折率差を0.
05以上0.06以下、ホログラムレンズ層の厚みを
1.9μm以上3.6μm以下とすれば、実用的な屈折
率差を持つホログラムレンズ層で、高光利用効率を得る
ための最適なホログラムの厚み範囲であるため、より確
実に高い光利用効率を提供できる。
明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。
の空間光変調素子を用いた投写型カラー表示装置の構成
を簡略に示す図である。
が、図12に示す従来の空間光変調素子と大きく異なる
点は、ホログラムレンズ層4が単一の層で構成されてい
ることである。ホログラムレンズ層4以外の構成は、従
来の空間光変調素子の構成とほぼ共通する。即ち、本実
施の形態における空間光変調素子は、図中上からガラス
基板3およびガラス基板3裏面に形成された単一の層で
あるホログラムレンズ層4と液晶パネルが積層された構
造を有する。さらに、この液晶パネルは、薄板ガラス層
5とこの裏面に形成される透明電極6、光変調層である
液晶層7と光反射面でもある画素電極8と、この画素電
極を選択的に制御駆動するアクティブマトリクス駆動回
路9等によって構成される。画素電極8とアクティブマ
トリクス駆動回路9は、シリコン基板(図示しない)上
に形成され、このシリコン基板と上述する薄板ガラス層
5とで液晶層7が保持される。なお、同図中配向膜や誘
電体膜等についても図示を省略している。
ムレンズ層4を介して液晶層7に入射された光は、そこ
で必要に応じた変調をかけられた後、画素電極8面で反
射され、入射方向とは逆の経路を経て空間光変調素子よ
り射出され、途中投写レンズ10で拡大されスクリーン
(投写面)に達することとなる。
構成では、従来の装置構成において使用していなかった
ダイクロイックミラー2を新たな構成要素として追加し
ている。このダイクロイックミラー2は、光源1と空間
光変調素子との間に配置され、光源1から発せられる白
色光をRGB三原色に分光するとともに、ホログラムレ
ンズ層上のほぼ同一領域に集光させる機能を有する。
示すように、光源より発せられた光は、入射角の揃った
白色光線としてホログラムレンズアレイ層に入射されて
いたのに対し、本実施の形態におけるカラー表示装置に
おいては、白色光は予めダイクロイックミラー2でR
光、G光、B光に分光された形態でホログラムレンズ層
にそれぞれ入射される。
子における光分解原理を示す図である。説明の便宜のた
め、ここには空間光変調素子の構成としてホログラムレ
ンズ層4と液晶層7および画素電極8のみを示してい
る。
一旦分光された光は、ホログラムレンズ層4上の同一の
ホログラムレンズ単位領域に入射される。この時、ホロ
グラムレンズ層4に入射されるRGB三原色に係る光
は、各色光ごとに異なる入射角でホログラムレンズ層4
に入射することとなる。
より、入射角θで入射した特定波長λの光を回折角0度
で出射するように設計されたホログラムレンズでは、入
射光の入射角がθからずれると、それに伴い回折角度も
変わる。また、回折角度の変動は入射する光の波長にも
依存しており、入射角θより小さい角度で入射する特定
波長λより波長の短い光はマイナス(−)の回折角で射
出し、入射角θより大きい回折角度で入射する特定波長
λより波長の長い光はプラス(+)の回折角で射出する
特性を示す。
G光とすれば、これより波長の短いB光は、マイナス
(−)の回折角で出射し、波長の長いR光はプラス
(+)の回折角で出射する。よって、同図に示すよう
に、それぞれの色光成分の出射方向に対応する画素電極
を配置すれば、カラー表示に必要な画素電極ごとの色分
解が可能となる。
厚4.3μm、△n=0.045、入射角60度で入光
する545nmの波長の光、即ちG光を回折角0度で出
射するように設計したものを用いた場合を例に採り、そ
の出射光の回折効率と入射角との関係をシミュレーショ
ンにより求めた結果を図3(a)〜図3(c)に示す。
する高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を意味する。
波長、縦軸に光回折効率を示している。なお、図中実線
で示される値は入射光としてs偏光光を用いた場合を示
し、破線で示される値は入射光としてp偏光光を用いた
場合を示す。
角60度でホログラムレンズ層に入射された光は、G光
である545nmの波長付近において最も高い回折効率
を示し、他の波長域の光に対する回折効率は低い。
じホログラムレンズ層に入射角54度で入射した光で
は、B光である450nmの波長近傍において最大の回
折効率を示し、それ以外の波長域の光に対する回折効率
は低い。なお、このとき回折されるB光は約−5度の回
折角方向に出射される。
グラムレンズ層に入射角65度で入射した光は、R光で
ある640nmの波長近傍に最も高い回折効率を有し、
それ以外の波長域の光に対する回折効率は低い。このと
き回折されるR光は約+6度の回折角方向に出射され
る。
ズ層を用いた場合、ダイクロイックミラー2で分光され
るRGBそれぞれの光の入射角を65度、60度、54
度に設定すると、RGBそれぞれの色光を最も高い効率
で回折出射できる。
出射方向の所定の位置に、対応する色光の各画素電極を
配置すれば、従来の三層構造からなるホログラムカラー
フィルタを用いた場合と同様にカラー表示に必要な色分
解特性が得られる。このとき、回折光の波長分散と対応
色の画素電極の配置とは、丁度波長において同位相とな
る関係にある。
対応、G対応、B対応の3画素電極を合わせた幅と同一
とし、これを約30μm程度とするとき、ホログラムレ
ンズ層中心より画素電極までの所定距離を約80〜10
0μmとする。なお、この距離は、ホログラムレンズの
焦点距離に相当し、空気中の距離に換算すると約50μ
m〜70μmとなる。
ュレーション結果からわかるように、上述する設計のホ
ログラムレンズ層において、RGB光を略60度で入射
した場合、p偏光光よりs偏光光において高い回折効率
を得ることが可能である。よって、入射光としてs偏光
光を利用できるように、例えば光入射側の空間光変調素
子外部にs偏光成分を取り出せる偏光板(ポラライザ
ー)を設置すれば、良好な光利用効率が確保できる。
の回折効率を略最大としながら、他方のp偏光光の回折
効率を低くし、例えば入射角約60度において、その回
折効率差が30%以上になるように設計することが好ま
しい。このように回折効率が偏光成分に対して選択性を
有すれば、読み出し光中のs偏光成分を回折して画素電
極8上に集光させるとともに、液晶層7で変調され、戻
って来るp偏光成分についてはほとんど回折させずにホ
ログラムレンズ層4を透過させ、投写光として利用でき
るので、高い光利用効率と高いコントラスト比を得るこ
とが可能となる。
ける空間光変調素子で用いるホログラムレンズ層は単一
層であるが、予め、ダイクロイックミラー等を用いてR
GBの各色光に分光した上、それぞれ所定の入射角でホ
ログラムレンズ層に入射させることにより、従来の三層
構造からなるホログラムカラーフィルタを使用した場合
と同様に所定の画素電極上に対応色光の光を高い利用効
率で集光させることができる。
ため、従来三層必要であったホログラムレンズ層の作製
が一層分ですむとともに、三層のホログラムレンズ層を
積層させる際のアライメント作業も不要となる。よっ
て、大幅な作製工程の削減を図ることができる。
は、第1の実施の形態にかかる単一のホログラムレンズ
層を有する空間光変調素子において、良好な光利用効率
と良好な色再現性を確保しうる具体的な空間光変調素子
の条件について説明する。
調素子における光分解原理を示す図である。ここでは便
宜上液晶層等の図示を省略し、ホログラムレンズ層4と
画素電極8のみを示している。同図中、光は右上よりホ
ログラムレンズ層4に入射させており、一見、その波長
分散の位相は第1の実施の形態の場合と左右逆になって
いるが、基本的な光分解原理は図2に示すものとかわら
ない。即ち、入射光であるR光、G光、B光はホログラ
ムレンズ層の面法線からの倒れ角の絶対値は、R光>G
光>B光の順となっている。画素電極は、対応色の並び
が入射光の波長分散と同位相となるように、左側から
「B(青)、G(緑)、R(赤)、B、G、R・・・」
の順に並べている。
応画素電極上で集光できるように図示しているが、実際
には、G光が画素電極上で丁度焦点を結ぶように設計し
た場合、G光より波長の長いR光は、より大きく回折す
るためより短い距離で焦点を結び、G光より波長の短い
B光はG光より回折角が小さいためより長い距離で焦点
を結ぶことになる。この様子を図4に示している。
する単一ホログラムのレンズ中央の部分拡大図である。
図5(b)は、さらにこのホログラムレンズ層4中央部
の構造を示した拡大図である。但し、ピッチの変化量を
強調して描いたものである。図5(b)に示すように、
ホログラムレンズ層4は屈折率の異なる2種の樹脂層4
a、4bを交互に配して構成した回折格子からなる。
回折光の回折角をβ、回折格子のレンズ表面におけるピ
ッチをp、回折格子の傾き角をθ、入射光の波長をλと
するとき、ここで用いられるようないわゆる体積ホログ
ラムでは、一般に以下の2式が成立する。
合、上述する2式を考慮してホログラムレンズの種々の
構成条件を定める必要がある。例えば、各波長の入射光
を対応色光の画素電極上に集光させようとする場合は、
上記式を満足するようなピッチp、回折格子の傾き角θ
を持つホログラムレンズの構成が必要となる。
を用いて説明したように、RGBそれぞれの光の入射角
を65度、60度、54度に設定した場合において、R
GBそれぞれの色光を最も高い効率で回折出射する。よ
って、図1に示すように、ダイクロイックミラーを用い
て、R光、G光、B光の各入射角を65度、60度、5
4度となるように色分解した光をホログラムレンズに入
射させることが好ましい。
ルハライドランプは、理想的な点光源とはなりえないた
め、レンズ系を介してホログラムレンズに入射する光は
完全な平行光にはなりえず、これらの光は円錐状の広が
りを有する。この広がりはコーンアングルとよばれ、例
えば所定の入射角に対し±5度の広がりを形成する。
設計しても実際の入射角度は55度〜65度の広がりが
存在する。R光、B光についても同様な入射角度の広が
りがある。その結果、R光、G光、B光の各出射光は対
応色光の画素電極上で完全に集光されず、隣接画素電極
上にも及び、色再現性に問題を生じる場合も多い。
単位ホログラムレンズの中心と中心とを結ぶ距離を単位
ホログラムレンズの周期H、G光の焦点距離をfとした
場合に、焦点距離fと周期Hとの比「f/H」を変化さ
せるとこれに伴い変動する。また、液晶表示装置では、
より明るい画面を求めて、高い光利用効率が望まれる
が、「f/H」の値の変化は、この光利用効率にも影響
を与える。
性」を有する空間光変調素子を得るには、上述した式
(1)、式(2)、さらに「単位ホログラムレンズの周
期H」、「G光の焦点距離f」等を考慮して空間光変調
素子の構成条件を求めることが望ましい。
折格子のレンズ表面におけるピッチp、回折格子の傾き
角θ、ホログラムレンズの周期H、焦点距離fをパラメ
ータにとり、シミュレーションによって良好な「光利用
効率」と「色再現性」を提供しうる単一ホログラム層を
有する空間光変調素子の条件を求めた。図7の表および
図8のグラフにその結果を示す。
ムレンズへの入射光の条件は、図6に示す、条件I〜条
件IIIの3つの条件を用いた。図8に示すグラフの横
軸は入射角、縦軸は正規化した入射光強度を示す。条件
Iは、図6(a)に示すように、B光の設計入射角を4
6度、G光の設計入射角を50度、R光の入射角を53
度、各色光のコーンアングルを±5度とする条件であ
る。条件IIは、図6(b)に示すように、B光の設計
入射角を54度、G光の設計入射角を60度、R光の入
射角を64度とし、各色光のコーンアングルを±5度と
する条件である。さらに、条件IIIは、図6(c)に
示すように、B光の設計入射角を63度、G光の設計入
射角を70度、R光の入射角を76度、各色光のコーン
アングルを±5度とする条件である。
や構成をより簡易なものとすべく、図4に示すように、
画素ピッチと単位ホログラムレンズの周期Hのサイズを
合わせた構成を採用し、例えばホログラムレンズの周期
Hは画素ピッチサイズにあわせ30μmとしてシミュレ
ーションを行った。なおこのときの屈折率差△nは0.
045,ホログラムレンズ層の厚みは3.5μmとし
た。
ンズ中心において回折角を0度とする条件を選択した。
即ち、条件Iでは入射角50度のG光を、条件IIでは
入射角60度のG光を、条件IIIでは入射角70度の
G光をそれぞれ単位ホログラムレンズ中心で、回折角0
度で回折射出させる条件とした。
チPと回折格子の傾き角度θは、単位ホログラムレンズ
の中心における値である。また、実際の空間光変調素子
では、ホログラムレンズ層と画素電極間にはガラス層や
液晶層が備えられるが、ここで示す焦点距離「f」値は
空気換算した数値である。また、「E」はシミュレーシ
ョンにより求めた光利用効率であり、△XYはシミュレ
ーションより求めた「色再現性」である。なお、色再現
性については、色再現性が最も不足するR色光について
理想色度からのずれ量を色度座標より読みとった△XY
値を示した。なお、△XYの値の横には実用的な観点よ
り色再現性を「良好○」「適当△」「不良×」の三段階
に分け、レベル表示をしている。
果のうち、ホログラムレンズ焦点距離fとホログラムレ
ンズ周期Hとの比「f/H」と光利用効率「E」および
色再現性「△XY」の関係をグラフ化したものである。
横軸に「f/H」、縦軸に「E」および「△XY」をと
る。以下、これらのシミュレーションから得られた結果
について述べる。
色再現性△XYはf/Hの値の増加に対しすり鉢状の変
化を示す。即ち色再現性の値は、f/Hの上昇に伴い一
旦低減するがその後上昇する。色再現性は、△XYの値
が低い程良好であり、△XYが最小値を採るf/Hの値
は、条件Iの場合は約2.1、条件IIの場合は約2.
2、条件IIIの場合は約1.9である。
2.5以下の範囲(図中範囲A)とする場合において、
実用上問題ないと思われる0.08以下の色再現性(△
XY)を得ることができる。さらに、好ましくはf/H
を1.8以上2.2以下の範囲(図中範囲B)とする場
合において、0.06以下の良好な色再現性(△XY)
を得ることができる。
レンズ中心とB色対応画素電極のなす角度に対し、入射
光であるB光が回折する角度が浅くなるため、B光の回
折光が隣接するG色対応画素電極まではみ出して、ある
いはR光が隣接するG画素にはみ出して混色が起こり易
くなることが色再現性の劣化につながっているものと予
想される。
レンズでスクリーン上に投射する場合に角度がつきすぎ
ると、投射レンズで拾えない光束が増え、実質的な光利
用効率も大きく劣化する。さらに、光源に用いるメタル
ハライドランプは、そもそもG光に高い発光強度を持つ
分光特性を有しているが、f/Hが小さくなることによ
り回折角度が浅くなる光成分の多くはもともと光量が不
足気味のR光、B光である。このため、R光、G光、B
光の白色バランスはますます悪化する。
レンズ中心とG色対応画素電極のなす角度に対し、G光
の回折角が広くなり、隣接画素電極上にG光がはみ出し
やすくなる。また、レンズ中心とB画素とのなす角度が
B光の回折角より浅くなるためB光の回折光が隣接する
画素電極上にまではみ出して、混色が起こり易くなるた
め色再現性が劣化する。
f/H数値を増加させるに従いリニアに上昇する。例え
ばf/Hが2.0のとき、50%以上の高効率の光利用
効率Eを得ることができる。ただし、この値を越えるf
/Hでは光利用効率Eの上昇はやや緩慢なものとなる。
液晶表示装置においては、RGB各色光ごとにフィルタ
ーが設けられるため、原理上最大でも入射光の1/3し
か使用できない。また、光の混色を防ぐために各画素の
周囲にブラックストライプを設ける場合は、さらにその
部分での入射光の吸収のため、光利用効率が低下する。
また、フィルターの透過率も各対応色光を100%透過
できるわけではない。よって、光利用効率は最大でも3
0%に満たない。
場合を考慮すれば、図8に示すように、本実施の形態に
おいてはf/Hを1.33とする場合に、約33%の光
利用効率Eを得ることができ、従来のカラーフィルタに
比較すると十分に高い光利用効率を得られているといえ
る。また、さらにf/Hの値を高くすれば、より高い光
利用効率Eを得ることができる。
以下とする条件では、実用上問題のない色再現性が得ら
れるが、この条件下において十分に高い光利用効率Eを
得ることができる。
ように、上記シミュレーションにおいては、G光の入射
角として50度、60度、70度の条件を選択したが、
第1の実施の形態においても言及したように、本願発明
者等のこれまでの検討によれば、G光の入射角を50度
以上70度以下、好ましくは60度とすれば、p波回折
効率に対して、高いs波回折効率を得ることができる。
このように回折効率が偏光波の種類に対し選択性を有す
る空間光変調素子を反射型の液晶表示装置に使用する場
合において、読み出し光中のs偏光成分を回折して画素
電極8上に集光させるとともに、液晶層7で変調され、
戻って来るp偏光成分についてはほとんど回折させずに
ホログラムレンズ層4を透過させ、投写光として利用で
きるので、高い光利用効率と高いコントラスト比を得る
ことが可能となる。
と、ホログラムレンズに対し水平に近い角度から光源の
光が入射されることとなりホログラムレンズ表面での反
射率が増大するため、照明効率そのものが低下し、実用
上使用に適さない。
ストを得るには、入射光の入射角条件を一定範囲とする
ことが望ましいが、上述した関係式(1)(2)から導
かれるように、単位ホログラムレンズの回折格子のピッ
チPや回折格子の傾き角θを一定範囲に定めることによ
り、入射角条件を規定することができる。
子のピッチを約0.42μmとすれば、G光の入射角を
60度とすることができる。また、回折格子のピッチを
約0.38μmとすれば、G光の入射角を70度とする
ことができる。このように単位ホログラムレンズの回折
格子のピッチを0.38μm以上0.42μm以下に定
めれば、高い光利用効率と高いコントラスト比を得るこ
とができる入射光の入射条件を導くことができる。ま
た、単位ホログラムレンズ中心での各回折格子の傾き角
θを25度以上35度以下とすることによっても高い光
利用効率と高いコントラスト比を得ることができる入射
光の入射条件を導くことができる。
実際に作製した空間光変調素子においてもほぼ同様の結
果を得ることができた。
下とする条件で作製した単一ホログラム層を有する空間
光変調素子は、構成が簡易で,製造コストが安価である
ばかりでなく、良好な光利用率と色再現性を充足する。
さらに、単位ホログラムレンズの回折格子のピッチを
0.38μm以上0.42μm以下、あるいは、単位ホ
ログラムレンズ中心での各回折格子の傾き角θを25度
以上35度以下とする条件で空間光変調素子を作製すれ
ば、より高い光利用効率と高いコントラスト比を得るこ
ともできる。
たようなシミュレーションから得られた結果は、実際に
作製した空間光変調素子でもほぼ一致することが確認さ
れた。
は、第1の実施の形態にかかる単一のホログラムレンズ
層を有する空間光変調素子において、良好な光利用効率
を確保しうる具体的な条件に関する。特にここでは、ホ
ログラムレンズ層に注目し、高い光利用効率を得るため
の屈折率差△nと層の厚みの適切な条件について説明す
る。
ムレンズ層は、図5(b)に示すように、屈折率の異な
る2種の透明材質4a、4bを交互に配置した回折格子
からなるいわゆる体積ホログラムである。このホログラ
ムレンズ層の回折特性は、2種の透明材質の屈折率差△
nおよびホログラムレンズ層の厚みにも依存する。
調素子の光利用効率が、ホログラムレンズ層の厚みと屈
折率差△nを変化させた場合どのような影響を受けるか
をシミュレーションし、高い光利用効率を得るための最
適なホログラムレンズ層の条件を求めた。なお、このシ
ミュレーションにおいて、空間光変調素子の構成や入射
光の条件、回折格子のピッチPや回折格子の傾き角度θ
等は、第1、第2の実施の形態を参考に所定の値に固定
した。
nをパラメータにとり、各ホログラムレンズ層における
層の厚みと光利用効率の関係を示したグラフである。
レンズ層の厚みの増大に対し山なりの変化を示し、各屈
折率差に応じてある厚みで最大値をとることがわかる。
なお、グラフ中の光利用効率の値は、屈折率差△nが
0.06の場合における最大光利用効率を1に正規化し
たものである。
加に従い、回折効率の値は波うちの変化を示すことが予
想されるため、光利用効率もこれに伴い、さらに層の厚
みを増せば、再び上昇することが考えられる。しかし、
ホログラムレンズ層が厚くなると、ホログラムレンズ層
の作製工程に伴う露光、加熱工程において、厚み方向に
均一なホログラムレンズ層の作製が困難になる等のプロ
セス上の問題が生じやすい。また、厚いホログラムレン
ズ層は好ましくない多次モード光の発生等により実質的
な回折効率の低下も予想される。よって、グラフ中に示
すようなホログラムレンズ層の厚み範囲で最も高い光利
用効率を示すホログラムレンズ層の厚みとすることが好
ましいと考えられる。
い程、高い最大光利用効率を示す傾向にあることがわか
る。例えば、屈折率差△nが0.06のときの最大光利
用効率を1とすると屈折率差△nが0.035と小さい
場合の最大光利用効率は約0.8程度となる。よって、
高い光利用効率を得るためには、屈折率差△nが大きい
ホログラムレンズ層を用いるほど好ましいと言える。ま
た、0.035以上の△nにおいて高い光利用効率を得
るにはホログラムレンズ層の厚みを5μm以下にするこ
とが望ましい。
層の材料となるフォトポリマーの組成により決まり、材
料の作り易さ等の点から実質的に限界があるのでむやみ
に大きい値を求めても実現できない。例えば、屈折率差
△nが大きい程、光利用効率が最大値をとるホログラム
レンズ層の最適厚みは薄くなる傾向にあるが、薄過ぎる
ホログラムレンズ層は、厚み方向のフォトポリマーの色
素量が少ない等の理由によりプロセスの困難性が増して
しまう。よって、実用上使用できるホログラムレンズの
屈折率差△nはここに示すような0.06またはせいぜ
い0.1以下に留まるだろう。
は屈折率差△nが0.04以上で実用的な範囲のホログ
ラム材料を使用することが好ましい。また、この場合、
ホログラムレンズ層の厚みを4.4μm以下の条件を目
安として用いるのが望ましい。この条件下であれば、光
利用効率を最大とする最適なホログラムレンズ層の厚み
条件を見いだすことができる。
利用効率とホログラムレンズ層の厚みの関係を屈折率差
△nの範囲をより細分化して、各屈折率差△nごとに示
したものである。それぞれのグラフで、最大光利用効率
を1に正規化した。
差△nが0.04以上0.045未満のときは、光利用
効率が最大となるのはホログラムレンズ層の厚みを約3
〜3.5μmとした場合である。この場合、良好な光利
用効率といえる最大光利用効率の0.9以上の効率を達
成しうるホログラムレンズ層の厚み条件は約2.4μm
以上4.4μm以下である。
が0.045以上0.5未満のときは、光利用効率が最
大となるのはホログラムレンズ層の厚みを約3.0μm
とした場合であり、この最大光利用効率の0.9以上の
効率を達成するにはホログラムレンズ層の厚みを約2.
2μm以上4.0μm以下とすればよいことがわかる。
差△nが0.05以上0.055未満のときは、光利用
効率が最大となるのはホログラムレンズ層の厚みを約
2.8〜2.9μmとした場合であり、この最大光利用
効率の0.9以上の効率を達成しうるホログラムレンズ
層の厚み条件は約2.0μm以上3.6μm以下であ
る。
が0.055以上0.06未満のときは、光利用効率が
最大となるのはホログラムレンズ層の厚みが約2.5μ
mの場合であり、この最大光利用効率の0.9以上の効
率を達成するにはホログラムレンズ層の厚みを約1.9
μm以上3.4μm以下とすればよい。なお、屈折率差
△nが0.06以上のときは、最大光利用効率の0.9
以上の効率を達成するにはホログラムレンズ層の厚みを
3.2μm以下とすればよい。
ムレンズ層の屈折率差△nとホログラムレンズ層の厚み
の最適化を図ることにより、高い光利用効率を得ること
ができる。特に、当該ホログラムレンズ層として屈折率
差△nが0.04以上の体積ホログラムを用いるとき
は、ホログラムレンズ層の厚みを4.4μm以下の範囲
で高い光利用効率を得る最適なホログラムレンズの厚み
条件を得ることができる。
図9のグラフからもわかるように、0.05以上0.0
6以下の実用的な範囲における高い屈折率差△nを有す
るホログラムレンズ層を用いるのが好ましい。また、こ
れらのホログラムレンズ層を用いる場合は、図11
(a)、図11(b)のグラフからわかるように、ホロ
グラムレンズ層の厚みを1.9μm以上3.6μm以下
とすれば、良好な光利用効率を得ることができる。
発明の内容について説明したが、本発明は上述の実施の
形態に限定されるものではない。例えば、上述の空間光
変調素子では反射型を例示しているが、透過型の空間光
変調素子の場合についても応用できる。また、光源から
発せられた光をRGB三原色に分光する手段として、上
述の例ではダイクロイックミラーを使用しているが、こ
れをホログラムレンズ等で置き換えることも可能であ
る。さらに、画素電極の平面配置については、特に図示
していないが、一般に用いられているようなストライプ
型やモザイク型の種々の配列を採用することもできる。
また、画素サイズ等についてもシミュレーションで用い
たサイズに限定されるものではない。
をその入射角度と波長帯域に応じて所定方向に回折出射
する単一のホログラムレンズ層と、前記ホログラムレン
ズ層を介して入射する光に対応色の映像信号に係わる光
変調を与えて出射する光変調層とを有することを特徴と
する。
る本発明の空間光変調素子に加え、白色光を出射する光
源と、前記白色光を赤色(R)光、緑色(G)光、青色
(B)光の各色光成分に分光する分光手段とを有してお
り、前記分光手段を介して前記空間光変調素子に入射さ
れるR光、G光、B光の各色光成分が、各色光ごとに異
なる入射角で前記ホログラムレンズ層に入射されること
を特徴とする。
カラー表示装置によれば、ホログラムレンズ層が、入射
する光をその入射角度と波長帯域に応じた所定方向に回
折出射するので、前記分光手段により、三原色に係るR
光、G光、B光がそれぞれ異なる入射角度で前記ホログ
ラムレンズ層に入射されることにより、単一層のホログ
ラムレンズでありながら、R光、G光、B光の各色光を
入射角に応じ所定方向に色分解し、従来のホログラムカ
ラーフィルタと同様の機能を発揮することが可能であ
る。ホログラムレンズ層が単一層で構成されるため、従
来のように三層で構成する場合に較べ、積層に際する各
層のアライメント作業が不要となり、作製工程が大幅に
簡易化され、プロセスコストを安価にすることが可能と
なる。よって、カラー表示装置全体のコストとしても安
価なものを提供できる。
な単位ホログラムレンズを面上に連続配列したものであ
り、前記単位ホログラムレンズの焦点距離をf、隣接す
る単位ホログラムレンズの中心間距離をHとするとき、
焦点距離fと距離Hとの比f/Hを1.5以上2.5以
下とすれば、高い光利用効率と良好な色再現性を得るこ
とができる。
nが0.04以上の体積ホログラムを用いるときは、ホ
ログラムレンズ層の厚みを4.4μm以下とすること
で、高い光利用効率を得ることができる。
置の構成を簡易に示した構成図である。
子における光分解原理を示す図である。
ンズ層における入射光の各入射角に対する回折効率の波
長依存性を示すグラフである。
子における光分解原理を示す図である。
ムのレンズ中央の部分拡大図である。
ョンに使用する入射光の条件を示すグラフである。
ョン結果を示す表である。
ョン結果を示すグラフである。
ンズ層の厚みと光利用効率の関係を示すグラフである。
率差を有するホログラムレンズ層におけるその厚みと光
利用効率の関係を示すグラフである。
率差を有するホログラムレンズ層におけるその厚みと光
利用効率の関係を示すグラフである。
間光変調素子の構成を示す装置断面図である。
説明するための構成図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 白色光を出射する光源と、 前記白色光を赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)
光の各色光成分に分光し、各色光ごとに異なる角度で射
出するダイクロイックミラーと、 空間光変調素子とを有し、 前記空間光変調素子が、 入射する光をその入射角度と波長帯域に応じて所定方向
に回折出射する単一のホログラムレンズ層と、前記ホロ
グラムレンズ層を介して入射する光に対応色の映像信号
に係わる光変調を与えて出射する光変調層とを有するも
のであり、 前記ダイクロイックミラーを介して前記空間光変調素子
に入射されるR光、G光、B光の各色光成分が、各色光
ごとに異なる入射角で前記ホログラムレンズ層に入射さ
れることを特徴とするカラー表示装置。 - 【請求項2】 前記空間光変調素子に備えられた光変調
層は、 透明電極が形成された透明な一方の基板と、画素電極及
び駆動回路層が形成された他方の基板との間に保持され
ていることを特徴とする請求項1に記載のカラー表示装
置。 - 【請求項3】 前記空間光変調素子に備えられた前記画
素電極が、 赤色対応画素電極、緑色対応画素電極、青色対応画素電
極を規則的に繰り返し配置せしめた平面構成を有するも
のであり、 前記画素電極が、前記ホログラムレンズ層を介して出射
される回折光の波長分散と、前記画素電極の対応色の並
びとが、波長について同位相となるように配置されてい
ることを特徴とする請求項2に記載のカラー表示装置。 - 【請求項4】 R光、G光、B光の各色光成分が、前記
ホログラムレンズ層に入射するに際し、 前記R光、G光、B光の入射光の前記ホログラムレンズ
層面法線からの倒れ角の絶対値がR光>G光>B光の関
係であることを特徴とする請求項3に記載のカラー表示
装置。 - 【請求項5】 前記空間光変調素子に備えられた前記ホ
ログラムレンズ層が、 入射する光のs偏光波もしくはp偏光波の内の一方の偏
光波の回折効率を略最大としながら他方の偏光波の回折
効率を低くするように、その回折効率が偏光成分に対し
選択性を有することを特徴とする請求項1から4のいず
れか1に記載のカラー表示装置。 - 【請求項6】 さらに、投写レンズ系と、 前記投写レンズ系を透過する光を写す投写面とを有し、 前記ホログラムレンズで回折され、前記光変調層に入射
し、ここで変調を受けた後、前記画素電極で反射され、
再び前記ホログラムレンズ層に入射する光のうち前記ホ
ログラムレンズ層で再び回折されずにそのまま透過した
光を前記投写レンズ系により前記投写面に写し出すこと
を特徴とする請求項2〜5のいずれか1に記載のカラー
表示装置。 - 【請求項7】入射する光をその入射角度と波長帯域に応
じて所定方向に回折出射する単一のホログラムレンズ層
と、 前記ホログラムレンズ層を介して入射する光に対応色の
映像信号に係わる光変調を与えて出射する光変調層と前
記光変調層を通過した光が到達する画素電極とを有し、 前記画素電極は、赤色対応画素電極、緑色対応画素電
極、および青色対応画素電極を規則的に繰り返し配置せ
しめる平面構成を有し、前記ホログラムレンズ層を介し
て出射される回折光の波長分散と、前記画素電極の対応
色の並びとが、波長について同位相となるように配置さ
れており、 前記単一のホログラムレンズ層は、 単位ホログラムレンズを面上に規則的に配列させたもの
であり、 前記単位ホログラムレンズの焦点距離をf、隣接する単
位ホログラムレンズの中心間距離をHとするとき、前記
距離Hは、同一色光対応の画素電極ピッチと同一であ
り、該焦点距離fと該距離Hとの比f/Hが、1.5以
上2.5以下である空間光変調素子。 - 【請求項8】 前記各単位ホログラムレンズは、 屈折率の異なる第1の層と第2の層とを面上に交互に配
列した回折格子で形成され、 レンズ中心表面での前記回折格子のピッチpが、0.3
8μm以上0.48μm以下である請求項7に記載の空
間光変調素子。 - 【請求項9】 該単位ホログラムレンズの面法線に対す
る前記回折格子の傾き角θが、25度以上35度以下で
ある請求項7に記載の空間光変調素子。 - 【請求項10】 入射する光をその入射角度と波長帯域
に応じて所定方向に回折出射する単一のホログラムレン
ズ層と、 前記ホログラムレンズ層を介して入射する光に対応色の
映像信号に係わる光変調を与えて出射する光変調層とを
有し、 前記ホログラムレンズ層は、 屈折率の異なる第1の層と第2の層とを面上に交互に配
列した回折格子で形成される体積ホログラムであり、 前記屈折率が異なる第1の層と第2の層の屈折率差が
0.04以上であり、前記ホログラムレンズ層の厚みが
4.4μm以下であることを特徴とする空間光変調素
子。 - 【請求項11】 前記屈折率が異なる第1の層と第2の
層の屈折率差が0.05以上0.06以下であり、ホロ
グラムレンズ層の厚みが1.9μm以上3.6μm以下
であることを特徴とする請求項10に記載の空間光変調
素子。
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