JP2007148214A - グレイスケールマスク、回折光学素子及びプロジェクタ - Google Patents

グレイスケールマスク、回折光学素子及びプロジェクタ Download PDF

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JP2007148214A JP2005345291A JP2005345291A JP2007148214A JP 2007148214 A JP2007148214 A JP 2007148214A JP 2005345291 A JP2005345291 A JP 2005345291A JP 2005345291 A JP2005345291 A JP 2005345291A JP 2007148214 A JP2007148214 A JP 2007148214A
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Kazuhisa Mizusako
和久 水迫
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Abstract

【課題】高い精度で、かつ簡易な工程により三次元構造物を製造するためのグレイスケー
ルマスクを提供すること。
【解決手段】レジスト層に形成する所望のレジスト形状に対応させて、それぞれ光透過率
が設定された複数の単位セル21を備え、単位セル21は、光を透過させる開口部23と
、光を遮断させる遮光部22とを有し、単位セル21に占める開口部23の面積の割合で
ある面積開口率によって光透過率が決定され、一の単位セル21からの光のうち回折光以
外の光である直接光の強度が所定の範囲となる面積開口率を有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、グレイスケールマスク、回折光学素子及びプロジェクタ、特に、回折光学素
子を製造するためのグレイスケールマスクの技術に関する。
回折光学素子(Diffractive Optical Element;DOE)は、光の回折現象を利用すること
により光を制御する光学素子である。回折光学素子としては、鋸歯形状の断面構成を有す
るブレーズ型回折光学素子の他、階段形状の断面構成を有するバイナリオプティクス(Bi
nary Optics;BO)素子が多用されている。回折光学素子において回折効率の向上を図る
ためには、高い精度で回折光学素子を製造することが必要とされる。階段形状の断面構成
を有する回折光学素子を高い精度で製造するための技術は、例えば、特許文献1〜3に提
案されている。
特開2005−140972号公報 特開平11−174215号公報 特開2003−91066号公報
特許文献1に提案される技術、及び特許文献2に提案される技術は、いずれも、複数枚
のマスクを用意し、レジスト層が形成された基板の露光、現像、及びエッチングを繰り返
すことにより階段形状を形成するものである。かかる技術では、複数枚のマスクを用いる
ことで工程数が増加する他、露光装置におけるマスクの精緻な位置合わせが必要となる。
このことから、微細かつ高精度な回折光学素子を得ることが困難となる上、製造コストが
高騰することが考えられる。特許文献3に提案される技術は、プリベイク温度を異ならせ
たレジスト層を基板に積層させ、電子ビームにより階段形状を形成するものである。かか
る技術の場合、電子ビームを用いて階段形状を形成することにより、加工費用の高騰を引
き起こすと考えられる。このように、従来の技術によると、高い精度で、かつ簡易な工程
により回折光学素子を製造することが困難であるという問題を生じる。本発明は、上述の
問題に鑑みてなされたものであり、高い精度で、かつ簡易な工程により三次元構造物を製
造するためのグレイスケールマスク、そのグレイスケールマスクを用いて製造される回折
光学素子、及びその回折光学素子を用いるプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、レジスト層に形成す
る所望のレジスト形状に対応させて、それぞれ光透過率が設定された複数の単位セルを備
え、単位セルは、光を透過させる開口部と、光を遮断させる遮光部とを有し、単位セルに
占める開口部の面積の割合である面積開口率によって光透過率が決定され、一の単位セル
からの光のうち回折光以外の光である直接光の強度が所定の範囲となる面積開口率を有す
ることを特徴とするグレイスケールマスクを提供することができる。
グレイスケールマスクを用いたレジスト層の露光において、一の単位セルからの直接光
が入射する領域へ周辺からの回折光が入射すると、グレイスケールマスクの光透過率分布
に従って正確な露光を行うことが困難となる。グレイスケールマスクを透過することで生
じる回折光が多くなると、レジスト形状の精度が低下することが考えられる。本発明では
、一の単位セルからの光のうち直接光の強度が大きくなる面積開口率を採用することで、
グレイスケールマスクで生じる回折光を少なくし、高精度なレジスト形状の形成を可能と
する。特に、階段形状の断面構成を有する三次元構造物、例えば回折光学素子を形成する
場合、正確な形状及び高さを有する格子を形成することが可能となる。また、1つのグレ
イスケールマスクによる一度の露光によりレジスト形状を形成することが可能であるから
、複数枚のグレイスケールマスクを用いる場合と比較して、使用するグレイスケールマス
クの数を少なくでき、簡易な工程によりレジスト形状を形成することができる。また、通
常の露光工程によりレジスト形状を形成可能であるから、電子ビームを用いた加工を行う
場合と比較して、コストの低減も図れる。これにより、高い精度で、かつ簡易な工程によ
り三次元構造物を製造するためのグレイスケールマスクを得られる。
また、本発明の好ましい態様としては、面積開口率が100パーセントであるときの直
接光の強度I0を1とすると、単位セルは、直接光の強度I0が0.5<I0<1となる
面積開口率を有することが望ましい。一の単位セルからの光のうち直接光の強度を大きく
することで、グレイスケールマスクで生じる回折光を少なくすることができる。これによ
り、高い精度で三次元構造物を形成することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、単位セルは、直接光の強度I0が0.6<I0
<1となる面積開口率を有することが望ましい。これにより、回折光をさらに少なくし、
さらに高い精度で三次元構造物を形成することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、単位セルは、直接光の強度I0が0.7<I0
<1となる面積開口率を有することが望ましい。これにより、回折光をさらに少なくし、
さらに高い精度で三次元構造物を形成することができる。
さらに、本発明によれば、上記のグレイスケールマスクを用いてレジスト層にレジスト
形状を形成し、レジスト形状を他の部材に転写させて作成されることを特徴とする回折光
学素子を提供することができる。レジスト形状の転写は、例えば、エッチングや、レジス
ト形状の型転写により行うことができる。上記のグレイスケールマスクを用いることによ
り、高い精度で回折光学素子を形成することが可能である。これにより、高い回折効率の
回折光学素子を得られる。
さらに、本発明によれば、上記の回折光学素子により略均一にされた光を用いて画像を
表示することを特徴とするプロジェクタを提供することができる。上記の回折光学素子を
用いると、高い回折効率により、良好な光量分布を得ることができる。これにより、良好
な光量分布の画像を表示することが可能なプロジェクタを得られる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るグレイスケールマスク20について説明するものであ
って、グレイスケールマスク20を使用する縮小投影露光装置10の構成を示すものであ
る。縮小投影露光装置10は、所望のレジスト形状に対応させた光透過率分布を有するグ
レイスケールマスク20からの光を縮小させ、材料基板17の露光を行うものである。グ
レイスケールマスク20は、縮小投影露光装置10の光学系の光軸AX上であって、光源
11と投写レンズ13との間に配置されている。光源11からの光は、グレイスケールマ
スク20を透過した後、縮小倍率の投写レンズ13に入射する。投写レンズ13からの光
は、ステージ15上に載置された材料基板17上に入射する。縮小投影露光装置10は、
例えば、435nmの波長を有する光であるg線を用いるg線ステッパである。
図2及び図3は、本発明のグレイスケールマスク20を用いて形成される回折光学素子
30の構成を説明するものである。図2に示すように、回折光学素子30は、正方形形状
の格子31をアレイ状に配置して構成されている。回折光学素子30は、各格子31の高
さを4段階のいずれかとする4レベルのレリーフ型ホログラムである。図3のAA断面に
示すように、上面構成における格子31の一辺dは、例えば1.0μmである。また、各
格子31は、例えば、高さ幅hが0.25μmごとの4段階にて変化するように構成され
る。この場合、回折光学素子30の最上部から最下部までの高さhは、1.0μmとなる
図4は、グレイスケールマスク20の構成を説明するものである。グレイスケールマス
ク20は、一辺の長さmが50μmの正方形形状を有する。例えば、縮小投影露光装置1
0により5分の1の縮小露光を行う場合、一辺の長さmが50μmのグレイスケールマス
ク20により、一辺が10μmの回折光学素子を形成することができる。グレイスケール
マスク20は、一辺の長さが5μmの正方形形状を有する100(=10×10)個の単
位セル21をアレイ状に配置して構成されている。複数の単位セル21は、所望のレジス
ト形状に対応させてそれぞれ光透過率が設定されている。それぞれ光透過率が設定された
単位セル21をアレイ状に配置することで、三次元微細構造を有するレジスト形状を形成
することができる。
図5は、単位セル21の構成を説明するものである。単位セル21は、中央に配置され
た開口部23と、開口部23の周囲に配置された遮光部22とを有する。本実施例におい
て、開口部23は単位セル21の中央に配置することとしているが、単位セル21の中央
以外の位置に配置することとしても良い。開口部23は、縮小投影露光装置10の光源1
1(図1参照。)からの光を透過させる。遮光部22は、光源11からの光を遮断させる
。単位セル21の光透過率は、面積開口率によって決定されている。面積開口率は、単位
セル21に占める開口部23の面積の割合であるとする。
単位セル21の一辺の長さt、開口部23の一辺の長さpを用いると、単位セル21に
おける面積開口率ORは、式(1)により求めることができる。
OR=p2/t2×100(%) (1)
また、単位セル21の幅に対する遮光部22の幅の割合BWは、式(2)により求める
ことができる。
BW=(t−p)/t (2)
図6は、開口部23からの直接光(ゼロ次光)の強度I0、一次回折光の強度I1、及
び二次回折光の強度I2と、遮光部22幅の割合BWとの関係を表すものである。開口部
23の通過により生じる回折光の強度Iは、回折光次数をmとすると、式(3)により求
めることができる。
I=[{sin(BW×mπ)}/mπ]2 (3)
一次回折光の強度I1及び二次回折光の強度I2は、それぞれ式(3)により求めるこ
とができる。直接光の強度I0は、開口部23へ入射する光の強度から各次数の回折光の
強度を差し引くことにより求めることができる。面積開口率ORが100%であるときの
直接光の強度I0を1とする場合に、本実施例のグレイスケールマスク20は、各単位セ
ル21の面積開口率ORが0.5<I0<0.54に対応する範囲となるように構成され
ているとする。なお、面積開口率ORが100%であるとは、開口部23にて回折光が生
じず、開口部23へ入射した光の全てがそのまま直接光として透過する場合である。
ここで、I0=0.5に対応する面積開口率ORを求める。図6に示すグラフより、I
0=0.5であるとき、BW=0.292である。単位セル21の一辺の長さtが5μm
であるとすると、開口部23の一辺の長さpは、式(2)を用いて求めることができる。
p=t−t×BW=5−5×0.292=3.54(μm)
面積開口率ORは、式(1)を用いて求めることができる。
OR=p2/t2×100=(3.54)2/52×100=50.13(%)
次に、I0=0.54に対応する面積開口率ORを求める。図6に示すグラフより、I
0=0.54であるとき、BW=0.262である。開口部23の一辺の長さpは、式(
2)を用いて求めることができる。
p=t−t×BW=5−5×0.262=3.69(μm)
面積開口率ORは、式(1)を用いて求めることができる。
OR=p2/t2×100=(3.69)2/52×100=54.46(%)
よって、本実施例のグレイスケールマスク20は、各単位セル21の面積開口率ORが5
0.13%<OR<54.46%となるように構成することができる。
図7は、γ特性の例を表すものである。γ特性は、面積開口率ORと、露光によってレ
ジスト層に形成されるレジスト形状の深さとの関係を示すものである。ここでレジスト形
状の深さとは、レジスト層の光源11側の表面から最も遠い位置、言い換えると回折光学
素子30(図3参照。)の最下部に相当する位置をゼロとして、光源11側の表面に近く
なるに従い値が大きくなるものとしている。レジスト形状の深さは、レーザ顕微鏡や原子
間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)や干渉型光学測定器、走査電子顕微鏡(Scannin
g Electron Microscope)を用いて測定することができる。γ特性は、各値に面積開口率
ORを設定する場合のレジスト形状の深さをプロットすることにより得られる。ここでは
、レジスト材料として、クラリアントジャパン社製のポジ型レジストAZP4903を使
用する場合の例を説明する。ポジ型レジストは、露光された部分が現像により取り除かれ
る。レジスト形状の深さは、面積開口率ORが大きいほど浅く、面積開口率ORが小さい
ほど深くなる。
グレイスケールマスク20は、各単位セル21の面積開口率ORについて1%刻みの階
調を採用することで、50%から54%において1%ずつ4段階の階調を取ることが可能
である。グレイスケールマスク20は、γ特性と、所望のレジスト形状の深さとの関係か
ら、各単位セル21における面積開口率ORを決定することができる。単位セル21は、
開口部23(図5参照。)の面積に応じて、1%刻みで面積開口率ORを設定することが
できる。
面積開口率ORの変化に対応させて正確な深さのレジスト形状を形成するためには、面
積開口率ORの変化に応じてγ特性が直線状の変化を示す範囲において階調を取ることが
望ましい。また、レジストとして、γ特性が直線状の変化を示すような材料を選定するこ
とが望ましい。このように、γ特性が直線状の変化を示す範囲において階調を取ることに
よりレジスト深さを正確に制御し、高い精度で回折光学素子30を形成することが可能と
なる。
図8は、開口部23からの直接光を一定の範囲で生じさせることによる効果について説
明するものである。一の単位セル21からの直接光(0)は、開口部23への入射時と同
じ方向へ進行し、材料基板17上のレジスト層60へ入射する。複数の開口部23から光
を透過させると、回折現象により回折光、例えば一次回折光(+1、−1)、二次回折光
(+2、−2)が生じる場合がある。一次回折光や二次回折光は、直接光から分岐され、
直接光とは異なる方向へ進行する。この場合、レジスト層60のうち一の単位セル21か
らの直接光が入射する領域ARへは、かかる一の単位セル21の周囲の単位セル21から
の回折光Lが入射することとなる。
グレイスケールマスク20を用いたレジスト層の露光において、一の単位セル21から
の直接光が入射する領域ARへ周辺からの回折光Lが入射すると、グレイスケールマスク
20の光透過率分布に従って正確な露光を行うことが困難となる。このため、グレイスケ
ールマスク20で生じる回折光Lが多くなると、レジスト形状の精度が低下することが考
えられる。回折光学素子30の場合、グレイスケールマスク20の光透過率の分布に応じ
た形状、及び高さを持つ格子31を形成することが困難となることで、所望の光学特性を
備える回折光学素子30を得ることが難しくなる。
本発明では、一の単位セル21からの光のうち直接光の強度が大きくなる面積開口率を
採用することで、グレイスケールマスク20で生じる回折光Lを少なくし、高精度なレジ
スト形状の形成を可能とする。レジスト形状を正確に形成することで、正確な形状、及び
高さの格子31を備える回折光学素子30を形成することが可能となる。また、1つのグ
レイスケールマスク20による一度の露光によりレジスト形状を形成することが可能であ
るから、複数枚のグレイスケールマスクを用いる場合と比較して、使用するグレイスケー
ルマスクの数を少なくでき、簡易な工程によりレジスト形状を形成することができる。ま
た、通常の露光工程によりレジスト形状を形成可能であるから、電子ビームを用いた加工
を行う場合と比較して、コストの低減も図れる。これにより、高い精度で、かつ簡易な工
程により三次元構造物を製造することができるという効果を奏する。
グレイスケールマスク20の作成は、まず、平行平板である透明基板上に遮光膜を形成
することにより行う。透明基板としては、例えば石英基板を用いることができる。本実施
例のグレイスケールマスク20は、遮光性部材であるクロムを用いて遮光膜を形成する。
そして、電子ビーム(EB)描画等により遮光膜を形成した透明基板に、開口部23を形
成する。単位セル21のうち開口部23が形成された部分以外の部分が、遮光部22とな
る。
図9は、本実施例のグレイスケールマスク20を用いて、回折光学素子を製造する手順
を示す。まず、工程aにおいて、石英部材等の透明部材である基板101上にレジスト層
102を形成する。レジスト層102は、基板101上にレジスト材料を塗布し、さらに
プリベイクすることで形成される。次に、工程bにおいて、図1に示した縮小投影露光装
置10であるg線ステッパを用いて、グレイスケールマスク20を介したレジスト層10
2の露光を行う。レジスト層102は、グレイスケールマスク20を透過し略5分の1に
縮小された光によって露光される。なお、大型な基板101上に三次元構造を形成する場
合、基板101を複数のエリアに分割し、エリアごとに露光を行うこととしても良い。
さらに、露光後のレジスト層102を現像液により現像することで、段形状を有するレ
ジスト形状103がレジスト層102に形成される。現像後のレジスト層102は、ポス
トベイクによりさらに硬化させる。このようにして、グレイスケールマスク20の光透過
率分布に対応した所望のレジスト形状103がレジスト層102に形成される。
次に、工程cにおいて、レジスト層102及び基板101のエッチングを行う。レジス
ト層102及び基板101のエッチングにより、レジスト層102のレジスト形状103
を基板101へ転写する。レジスト形状103を基板101へ転写することで、レジスト
形状103と略同一の回折光学素子形状104が基板101に形成された回折光学素子を
得られる。レジスト形状103の基板101への転写は、エッチングにより行うことがで
きる。レジスト層102及び基板101のエッチングは、反応性イオンエッチング(Reac
tive Ion Etching;RIE)等のドライエッチング、若しくはドライエッチングとウェットエ
ッチングとの組合せによって行う。
さらに、工程cで得られた回折光学素子形状104を金型とし、他の部材へ型転写する
ことで回折光学素子を形成することとしても良い。工程dでは、回折光学素子形状104
が形成された基板101上に透明樹脂層105を積層させる。工程eにおいて基板101
を取り除くことにより、回折光学素子形状104が転写された回折光学素子106を得ら
れる。この他、工程bにおいてレジスト層102に形成されたレジスト形状103を用い
た型転写により、回折光学素子を形成することとしても良い。このように、回折光学素子
形状104又はレジスト形状103による他の部材への型転写により、簡便に大量のレプ
リカを製造できる。
図10は、本実施例のグレイスケールマスク20を用いて形成された回折光学素子30
と、設計上の回折光学素子の形状とを比較するものである。実線で示す曲線Cは、本実施
例のグレイスケールマスク20を用いて形成された回折光学素子30の形状を示している
。破線で示す曲線Eは、設計上の回折光学素子の形状を示している。グラフから、本実施
例のグレイスケールマスク20を用いることによって、設計上の回折光学素子の形状を高
い精度で再現できることがわかる。
本実施例との比較例として、図11には、各単位セル21の面積開口率ORを0.4<
I0<0.44とする場合、図12には、各単位セル21の面積開口率ORを0.2<I
0<0.24とする場合について表している。直接光の強度I0が0.5から小さくなる
に従い、回折光学素子の形状Cは、設計上の形状Eとの差異が大きくなる。よって、高い
回折効率の回折光学素子30を形成するには、各単位セル21の面積開口率ORは、直接
光の強度I0が0.5より大きくなる範囲とすることが望ましい。
図13は、各単位セル21の面積開口率ORについての、好ましい範囲について説明す
るものである。各単位セル21の面積開口率ORは、直接光の強度I0の下限が0.5で
あって、図中両矢印(1)で示す0.5<I0<1である場合に、回折光学素子30を高
い精度で形成することができる。直接光の強度I0が大きく回折光の影響を少ないほど、
回折光学素子30の形状の精度は向上する。好ましくは、グレイスケールマスク20は、
両矢印(2)で示すように、各単位セル21が0.6<I0<1.0に対応する範囲の面
積開口率ORを有する構成であることが望ましい。これにより、回折光をさらに少なくし
、回折光学素子30をさらに高い精度で形成することができる。さらに好ましくは、グレ
イスケールマスク20は、両矢印(3)で示すように、各単位セル21が0.7<I0<
1.0に対応する範囲の面積開口率ORを有する構成であることが望ましい。これにより
、回折光をさらに少なくし、回折光学素子30をさらに高い精度で形成することができる
本実施例のグレイスケールマスク20を用いて製造された回折光学素子30は、例えば
、均一な強度分布や目的に応じた任意の強度分布の光を供給する光学系に用いる場合に有
用である。例えば、回折光学素子30をプロジェクタの光学系に用いることで、良好な光
量分布の画像を表示することができる。また、レーザシステムのホモジナイザ光学系に回
折光学素子30を用いることにより、矩形ビームやラインビーム等、目的に応じて強度を
均一化させたレーザ光を得ることができる。
グレイスケールマスク20は、図5に示す正方形形状の単位セル21を配列させる構成
とする場合に限られない。例えば、図14に示す長方形形状の単位セル25を配列させる
構成としても良い。単位セル25は、縦ty、横tx(但し、ty<tx。)の長方形形
状を有する。単位セル25は、中央に配置された開口部27と、開口部27の周囲に配置
された遮光部26とを有する。開口部27は、縦py、横px(但し、py<px。)の
長方形形状を有する。グレイスケールマスク20は、図5に示す場合と同様の正方形形状
とするほか、単位セル25の形状に相似するような長方形形状としても良い。
単位セル25における面積開口率ORは、式(4)により求めることができる。
OR=(py×px)/(ty×tx)×100(%) (4)
縦方向について、単位セル25の幅に対する遮光部26の幅の割合BWyは、式(5)に
より求めることができる。横方向について、単位セル25の幅に対する遮光部26の幅の
割合BWxは、式(6)により求めることができる。
BWy=(ty−py)/ty (5)
BWx=(tx−px)/tx (6)
上述の場合と同様に、各単位セル25の面積開口率ORが0.5<I0<0.54に対
応する範囲となるようにグレイスケールマスク20が構成されているとする。I0=0.
5であるとき、BWx=BWy=0.292である。単位セル25の縦の長さtyが2μ
m、横の長さtxが2.5μmであるとすると、開口部27の縦の長さpyは式(5)、
横の長さpxは式(6)を用いて求めることができる。
py=ty−ty×BWy=2−2×0.292=1.416(μm)
px=tx−tx×BWx=2.5−2.5×0.292=1.77(μm)
面積開口率ORは、式(4)を用いて求めることができる。
OR=(py×px)/(ty×tx)×100=(1.416×1.77)/(2×2
.5)×100=50.13(%)
I0=0.54であるとき、BWx=BWy=0.262である。開口部27の縦の長
さpyは式(5)、横の長さpxは式(6)を用いて求めることができる。
py=ty−ty×BWy=2−2×0.262=1.476(μm)
px=tx−tx×BWx=2.5−2.5×0.262=1.845(μm)
面積開口率ORは、式(4)を用いて求めることができる。
OR=(py×px)/(ty×tx)×100=(1.476×1.845)/(2×
2.5)×100=54.46(%)
よって、長方形形状を有する単位セル25を備えるグレイスケールマスク20を用いる
場合も、各単位セル25の面積開口率ORが50.13%<OR<54.46%と、正方
形形状の単位セル21を用いる場合と同様の構成とすることができる。なお、開口部は、
図5で説明する正方形、及び図14で説明する長方形とする他、六角形等の多角形や円形
、楕円形としても良い。
図15は、本発明の実施例2に係るプロジェクタ160の概略構成を示す。プロジェク
タ160は、上記実施例1のグレイスケールマスクを用いて製造された回折光学素子16
2R、162G、162Bを備えることを特徴とする。プロジェクタ160は、観察者側
に設けられたスクリーン166に光を供給し、スクリーン166で反射する光を観察する
ことで画像を鑑賞する、いわゆるフロント投写型のプロジェクタである。
プロジェクタ160は、5つの赤色(R)光用光源部161R、5つの緑色(G)光用
光源部161G、及び、5つの青色(B)光用光源部161Bを有する。R光用光源部1
61Rは、赤色レーザ光を供給する。G光用光源部161Gは、緑色レーザ光を供給する
。B光用光源部161Bは、青色レーザ光を供給する。各色光用光源部161R、161
G、161Bとしては、例えば、半導体レーザを用いることができる。
R光用光源部161RからのR光は、R光用回折光学素子162Rにて光量分布が均一
化された後、空間光変調装置163Rへ入射する。空間光変調装置163Rは、R光を画
像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。空間光変調装置163Rで変調さ
れたR光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム164へ入射する。G光
用光源部161GからのG光は、G光用回折光学素子162Gにて光量分布が均一化され
た後、空間光変調装置163Gへ入射する。空間光変調装置163Gは、G光を画像信号
に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。空間光変調装置163Gで変調されたG
光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム164へ入射する。
B光用光源部161BからのB光は、B光用回折光学素子162Bにて光量分布が均一
化された後、空間光変調装置163Bへ入射する。空間光変調装置163Bは、B光を画
像信号に応じて変調する透過型の液晶表示装置である。空間光変調装置163Bで変調さ
れたB光は、色合成光学系であるクロスダイクロイックプリズム164へ入射する。色合
成光学系であるクロスダイクロイックプリズム164は、2つのダイクロイック膜164
a、164bをX字型に直交して配置して構成されている。ダイクロイック膜164aは
、R光を反射し、G光及びB光を透過する。ダイクロイック膜164bは、B光を反射し
、G光及びR光を透過する。このように、クロスダイクロイックプリズム164は、各空
間光変調装置163R、163G、163Bでそれぞれ変調されたR光、G光及びB光を
合成する。投写光学系165は、クロスダイクロイックプリズム164で合成された光を
スクリーン166に投写する。
なお、光源部としては、レーザ光を供給する複数の発光部を備えるアレイレーザ光源を
用いても良い。また、光源部として半導体レーザを用いる構成に限られない。例えば、他
の固体光源、例えば、固体レーザ、発光ダイオード素子(LED)、EL素子のほか、液
体レーザや気体レーザ、超高圧水銀ランプ等を用いても良い。また、プロジェクタ160
は、3つの透過型液晶表示装置を設けた、いわゆる3板式のプロジェクタに限らず、例え
ば、1つの透過型液晶表示装置を設けたプロジェクタや、反射型液晶表示装置を用いたプ
ロジェクタとしても良い。さらに、フロント投写型のプロジェクタ160に限らず、スク
リーンの一方の面にレーザ光を供給し、スクリーンの他方の面から出射される光を観察す
ることで画像を鑑賞する、いわゆるリアプロジェクタとしても良い。
以上のように、本発明に係るグレイスケールマスクは、階段形状の断面構成を有する回
折光学素子を製造する場合に適している。
グレイスケールマスクを使用する縮小投影露光装置の構成を示す図。 回折光学素子の要部平面構成を示す図。 回折光学素子の要部断面の斜視構成を示す図。 グレイスケールマスクの構成を示す図。 単位セルの構成を示す図。 直接光の強度、回折光の強度、遮光部幅の割合の関係を表す図。 γ特性の例を表す図。 直接光を一定の範囲で生じさせることによる効果を説明する図。 回折光学素子を製造する手順を説明する図。 製造された回折光学素子の形状と設計上の形状とを比較する図。 比較例について説明する図。 他の比較例について説明する図。 面積開口率の好ましい範囲について説明する図。 長方形形状の単位セルについて説明する図。 本発明の実施例2に係るプロジェクタの概略構成を示す図。
符号の説明
10 縮小投影露光装置、11 光源、13 投写レンズ、15 ステージ、17 材
料基板、20 グレイスケールマスク、AX 光軸、30 回折光学素子、31 格子、
21 単位セル、22 遮光部、23 開口部、60 レジスト層、AR 領域、101
基板、102 レジスト層、103 レジスト形状、104 回折光学素子形状、10
5 透明樹脂層、106 回折光学素子、25 単位セル、26 遮光部、27 開口部
、160 プロジェクタ、161R R光用光源部、161G G光用光源部、161B
B光用光源部、162R、162G、162B 回折光学素子、163R、163G、
163B 空間光変調装置、164 クロスダイクロイックプリズム、164a、164
b ダイクロイック膜、165 投写光学系、166 スクリーン

Claims (6)

  1. レジスト層に形成する所望のレジスト形状に対応させて、それぞれ光透過率が設定され
    た複数の単位セルを備え、
    前記単位セルは、光を透過させる開口部と、光を遮断させる遮光部とを有し、前記単位
    セルに占める前記開口部の面積の割合である面積開口率によって前記光透過率が決定され

    一の単位セルからの光のうち回折光以外の光である直接光の強度が所定の範囲となる前
    記面積開口率を有することを特徴とするグレイスケールマスク。
  2. 前記面積開口率が100パーセントであるときの前記直接光の強度I0を1とすると、
    前記単位セルは、前記直接光の強度I0が0.5<I0<1となる前記面積開口率を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載のグレイスケールマスク。
  3. 前記単位セルは、前記直接光の強度I0が0.6<I0<1となる前記面積開口率を有
    することを特徴とする請求項2に記載のグレイスケールマスク。
  4. 前記単位セルは、前記直接光の強度I0が0.7<I0<1となる前記面積開口率を有
    することを特徴とする請求項3に記載のグレイスケールマスク。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のグレイスケールマスクを用いてレジスト層にレジ
    スト形状を形成し、前記レジスト形状を他の部材に転写させて作成されることを特徴とす
    る回折光学素子。
  6. 請求項5に記載の回折光学素子により略均一にされた光を用いて画像を表示することを
    特徴とするプロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009058607A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタ及びその製造方法とフォトマスク
JPWO2019009260A1 (ja) * 2017-07-03 2020-04-30 大日本印刷株式会社 回折光学素子、光照射装置、照射パターンの読取り方法

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