JP2006113371A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空間変調素子パターンと、第2の光変調素子に設けられたパターンで生ずるモアレを軽減し、高コントラスト映像を表示することを可能とする。
【解決手段】 表示画像データに基づいて光源からの光を変調して画像を表示する画像表示装置であって、前記光源からの光を変調する規則配列された第1の光変調素子と、前記第1の光変調素子からの光を変調する規則配列された第2の光変調素子と、前記光変調素子で変調された光線を第2の光変調素子に導く照明光学系とを有し、前記照明光学系は、前記第1の光変調素子と第2の光変調素子の間に第1の光変調素子の光線を第2の光変調素子の所定位置に分光照明する光学素子を備え、前記光学素子は、少なくとも屈折面を備えるプリズム素子からなるプリズム群を有し、前記屈折面は、前記入射光を所定方向へ屈折する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロジェクタ等の画像表示装置に関する。
近年、映像表示装置の高コントラスト化が要求され、高コントラストプロジェクタヘの期待が高まっている。そこで、高画質高コントラストプロジェクタの実現が急務である。
第1の規則配列された空間変調素子と第2の規則配列された空間変調素子の2つの空間変調素子を有する画像表示装置において課題となる特性に、モアレの発生がある。モアレは、2つ以上の規則パターンの重ね合わせで発生する特徴があり、その一方の規則性を光学的に均一化することで、モアレを回避することができ、その解決手段としてローパスフィルタ(LPF)を設けたものが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)。
特許第3506144号公報 特許第3230225号公報 特開平8−122709号公報 特開平5−307174号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2には、直視型表示装置に関する発明であり、2つの空間光変調装置を用いる表示装置においては、第1の光線強度分布を均一にしつつも、第1の変調光線で変調された光線を第2の空間光変調素子の所定の場所に導くための照明光学系が定められる場合においては、照明光学系で定められるFナンバーにより効果がまばらになり、充分な効果が得られなかったり、プリズムエッジから発生する稜線による回折による影響で第2の空間変調素子に導いた光線がコントラストを低下させる原因となるという問題が有った。
また、特許文献3、特許文献4で定義されているLPFでは前記のような課題が発生することと、更に、回折型光学素子では2次回折、3次回折等の影響で所定の位置以外への照明光でコントラストが低下する。
また、複屈折方式では、偏光成分を伴う照明においては、位相板を組み合わせた後、偏光変換する必要があり、光線利用効率の低下と、構成が複雑となり高価になると共に、表面反射によるコントラストが低下し、問題となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、規則配列された空間光変調素子で変調された映像情報が、投影される第2の光変調素子に規則配置されたパターンが形成されている場合であっても、空間変調素子パターンと、第2の光変調素子に設けられたパターンで生ずるモアレを軽減し、高コントラスト映像が表示できる画像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、表示画像データに基づいて光源からの光を変調して画像を表示する画像表示装置であって、前記光源からの光を変調する規則配列された第1の光変調素子と、前記第1の光変調素子からの光を変調する規則配列された第2の光変調素子と、前記光変調素子で変調された光線を第2の光変調素子に導く照明光学系とを有し、前記照明光学系は、前記第1の光変調素子と第2の光変調素子の間に第1の光変調素子の光線を第2の光変調素子の所定位置に分光照明する光学素子を備え、前記光学素子は、少なくとも屈折面を備えるプリズム素子からなるプリズム群を有し、前記屈折面は、前記入射光を所定方向へ屈折することを特徴とする。
また、前記屈折面は、前記入射光が前記プリズム群を直進した場合の入射位置に隣接する領域へ、前記入射光を導くような向き、及び前記屈折面と光軸に対し略垂直方向に形成される基準面とのなす角度、を有することを特徴とする。
※請求項2と同様の修正となります。
また、前記プリズム群は、第1の方向における断面形状が略台形形状であり、前記第1の方向に略直交する第2の方向に長手方向を有する2組のプリズム素子からなり、前記2組のプリズム素子は、それぞれ前記長手方向どうしが略直交するように設けられ、前記台形形状の斜面は前記屈折面に対応することを特徴とする。
また、前記プリズム素子は、少なくとも4つの前記屈折面を有し、前記屈折面は、それぞれ異なる向きを有し、前記光学素子は、回折条件を満たさないことを特徴とする。
また、前記プリズム群を形成するプリズム素子の形状は、2以上の形状からなることを特徴とする。
また、前記光学素子の画素移動量は所定方向の画素ピッチに対し、1/2以下であることを特徴とする。
また、前記プリズム群上のプリズム素子数は、前記照明光学系のFナンバーに基づいて決定されることを特徴とする。
※手段の欄には請求項を記載しないように修正しました。審査段階で請求項の補正を行った際の修正内容を増加させないためです。
以上説明したように、本発明によれば、規則配列された空間光変調素子で変調された映像情報が、投影される第2の光変調素子に規則配置されたパターンが形成されている場合であっても、空間変調素子で変調された光線を分割投影することで、空間変調素子パターンと、第2の光変調素子に設けられたパターンで生ずるモアレを軽減し、高コントラスト映像が表示できる映像表示システムを提供できる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る画像表示装置に使用される、規則性を持って配置された変調素子である、光変調素子として、自発光型表示装置(例えば有機EL光変調素子、LED型光変調素子)の他、光源で発せられた光線を変調する透過型液晶ライトバルブ、反射型液晶ライトバルブ、ティルトミラーデバイスなどを使用することが可能であるが、本発明の実施形態に係る画像表示装置では、透過型液晶ライトバルブを第1の光変調素子および、第2の光変調素子に用いた場合を例として説明する。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の構成を図1に示す。画像表示装置として本実施形態では、投射型表示装置を例にとり、説明する。
〈第1実施形態〉
図1において、本実施形態に係る投射型表示装置は、光源10と、光源10から入射した光の輝度分布を均一化する均一照明手段20と、均一照明手段20から入射した光の波長領域のうちRGB3原色の輝度をそれぞれ変調する色変調部14と、色変調部14から入射した光をリレーするリレーレンズ1200と、リレーレンズ1200から入射した光の全波長領域の輝度を変調する輝度変調液晶ライトバルブ100と、輝度変調液晶ライトバルブ100からから入射した光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ110とで構成されている。
光源10は、高圧水銀ランプ等のランプ11と、ランプ11からの出射光を反射するリフレクタ12とで構成されている。
均一照明手段20は、2枚のフライアイレンズ21、22と、偏光変換素子23と、集光レンズ24とで構成されている。そして、光源10からの光の輝度分布を2枚のフライアイレンズ21、22により均一化し、均一化した光を偏光変換素子23により色変調ライトバルブの入射可能偏光方向に偏光し、偏光した光を集光レンズ24により集光して色変調部14に出射する。
偏光変換素子23は、例えば、PBSアレイと、1/2波長板とで構成されており、ランダム偏光を特定の直線偏光に変換する機能を有している。
色変調部14は、透過率を独立に制御可能な複数の画素をマトリクス状に配列した第1の光変調素子としての、3枚の透過型液晶ライトバルブ(色変調ライトバルブ)160R,160G,160Bと、8枚のフィールドレンズ41、42、50R、50G、50B、170R、170G、170Bと、2枚のダイクロイックミラー30、35と、3枚のミラー36、45、46と、クロスダイクロイックプリズム80とで構成されている。
透過型液晶ライトバルブ160R,160G,160Bは、画素電極およびこれを駆動するための薄膜トランジスタ素子や薄膜ダイオード等のスイッチング素子がマトリクス状に形成されたガラス基板と、全面にわたって共通電極が形成されたガラス基板との間にTN型液晶を挟み込むとともに、外面に偏光板を配置したアクティブマトリックス型の液晶表示素子である。
透過型液晶ライトバルブ160R,160G,160Bは、電圧非印加状態で白/明(透過)状態、電圧印加状態で黒/暗(非透過)状態となるノーマリーホワイトモードまたはその逆のノーマリーブラックモードで駆動され、与えられた制御値に応じて明暗間の階調がアナログ制御される。
クロスダイクロイックプリズム80は、4つの直角プリズムを貼り合わせてなり、その内部には、青色光を反射する誘電体多層膜81および赤色光を反射する誘電体多層膜82が断面X字状に形成されている。これら誘電体多層膜81、82によってRGB3原色の光を合成することができる。
まず、均一照明手段20からの光をダイクロイックミラー30、35により赤色、緑色および青色のRGB3原色に分光するとともに、フィールドレンズ41、42およびミラー36、45,46を介して透過型液晶ライトバルブ160R,160G,160Bに入射する。そして、分光したRGB3原色の光の輝度を各透過型液晶ライトバルブ160R,160G,160Bにより変調し、変調したRGB3原色の光をクロスダイクロイックプリズム80により合成してリレーレンズ1200に出射する。
リレーレンズ1200は、クロスダイクロイックプリズム80で合成された光を第2の光変調素子としての透過型液晶ライトバルブ(輝度変調液晶ライトバルブ)100の方向へ投写する。図1に示すリレーレンズ1200中には、絞りの共役位置である瞳位置にローパスフィルタであるプリズム群25が配置されている。プリズム群25は、第1の光変調素子(色変調液晶ライトバルブ)160R、160G、160Bと第2の光変調素子(輝度変調液晶ライトバルブ)100との間の光路中に設けられている。プリズム群25の構成の詳細については、後述する。
輝度変調液晶ライトバルブ100は、上述した色変調液晶ライトバルブ160R、160G、160Bと同等のもので、入射した光の全波長領域の輝度を変調して投射レンズ110に出射する。
図2は、第1の光変調素子である透過型液晶ライトバルブ160Rにおける周期構造を示している。透過型液晶ライトバルブ160Rの液晶パネルは、2つの透明基板の間に、画像表示のための液晶層を封入している。液晶層の光入射側には、遮光のためのブラックマトリックス部62が設けられている。ブラックマトリックス部62は、図1における超高圧水銀ランプ等のランプ11から入射したR光を遮光することにより、第2の光変調素子30側へ射出しない。また、ブラックマトリックス部62に囲まれている矩形状の領域は開口部61を形成する。
開口部61は、ランプ11からのR光を通過させる。開口部61を透過するR光は、基板及び液晶層を透過する。透過型液晶ライトバルブ160Rに入射したR光は、液晶層において偏光成分が変調される。このように、投写された画像における画素を形成するのは、液晶層で変調されて開口部61を透過した光である。開口部61は、画素を形成する光を透過する画素部である。空間光変調装置として機能する透過型液晶ライトバルブ160Rには、画素部である開口部61が複数、行列状に配列されている。
透過型液晶ライトバルブ160Rは、開口部61と、開口部61の周辺のブラックマトリックス部62とからなる矩形の周期領域が配列されているとみなすことができる。隣接する周期領域は、隙間なく周期的に繰り返して配列している。
このように、空間光変調装置として機能する透過型液晶ライトバルブ160Rは、変調光の射出側に、規則性を持ったパターンの周期構造を有する。なお、透過型液晶ライトバルブ160G、160Bの構成は、いずれも透過型液晶ライトバルブ160Rと同様である。
透過型液晶ライトバルブ160R、160G、160Bは、いずれも同様の構成を有することから、各透過型液晶ライトバルブ160R、160G、160Bの開口部61からの光は、ちょうど重なり合うようにして投写される。そのため、プリズム群25を設けない場合、各透過型液晶ライトバルブ160R、160G、160Bからの光により、周期領域が繰り返し配列するパターンの像がそのまま第2の光変調素子100に形成される。以下、本発明の構成は、適宜第2の光変調素子100に投写された投写像を用いて説明を行う。
図3は、プリズム群25の斜視構成を示している。複数のプリズム素子71からなるプリズム群25は、硝子又は透明樹脂からなる透明プレート70の射出側表面に形成されている。透過型液晶ライトバルブ160Rとリレーレンズ1200内のプリズム群25とは、図4に示す関係で配置される。理解を容易にするため、図4では、透過型液晶ライトバルブ160Rとプリズム群25とを除く他の構成部の図示を省略している。
一の画素部である開口部61を透過したR光は、円錐形状の発散光となって進行する。そして、このR光は、プリズム群25のうち、少なくとも一部のプリズム群25に入射する。プリズム群25は、少なくとも屈折面72と、平坦部73とを備えるプリズム素子71から構成されている。平坦部73は、開口部61が形成されている面80aに略平行な面である。プリズム素子71は、いずれも、幅PT、屈折面72どうしの稜線から平坦面73までの深さHが略同一である。従って、プリズム群25は、複数のプリズム素子71が一定周期で規則的に配列されて構成されている。
平坦部73は、開口部61からのR光をそのまま透過させる。また、屈折面72は、開口部61からのR光を屈折させて透過させる。屈折面72は、第2の光変調素子30において、開口部61像をブラックマトリックス部62像上へ導くような屈折面72の向き、及び傾斜角度を有する。屈折面72は、一の開口部61からの光をブラックマトリックス部62像上へ導くような所定方向へ屈折する。この結果、第2の光変調素子30において、ブラックマトリックス部62像の領域に重畳的に開口部61像が形成される。
図5、図6、図7は、開口部61とプリズム群25との位置関係を示す平面図である。これらの図において、各プリズム素子71は、図7に示すように、略正方形形状をしている。そして、図5に示す帯状のブラックマトリックス部62の中心線CLの方向に対して、図6に示すように各プリズム素子71の辺部71aに沿った方向とが略45°をなすように構成されている。上述したように、一の開口部61を透過した光は、複数のプリズム素子71からなる一部のプリズム群25へ入射する。
図8は、プリズム群25を拡大して示した図である。プリズム群25と第2の光変調素子100との間の媒質(例えば空気)は屈折率n1、プリズム群25を構成する部材は屈折率n2を有する場合を考える。また、屈折面72は、平坦部73を延長した基準面73aに対して角度θとなるように形成されている。以下、角度θを傾斜角度という。リレーレンズ1200を透過する光のうち、光軸方向の光は、平坦部73に対して略垂直に入射する。平坦部73に対して垂直に入射した光は、平坦部73で屈折作用を受けることなく、そのまま直進して第2の光変調素子100上に投写像を形成する。
これに対して、屈折面72に入射した光は、以下に示す条件式を満足するように屈折される。
n1・sinβ=n2・sinα
ここで、角度αは屈折面72の法線Nを基準とする入射角度、角度βは射出角度である。また、プリズム群25と距離Lだけ離れた第2の光変調素子100において、直進した光の位置と屈折された光の位置との間の距離Sは、次式で表される。
S=L×△β
△β=β−α
このように、屈折面72のプリズム傾斜角度θを制御することで、第2の光変調素子100における開口部像61Pの移動量である距離Sを任意に設定することができる。また、図8から明らかなように、光線LL2が屈折される方向は屈折面72の向きに依存している。換言すると、開口部61に対して屈折面72の向きを制御することで、第2の光変調素子100において開口部像61Pを形成する方向を任意に設定できる。
上述した構成の空間光変調装置(第1の光変調素子)として機能する透過型液晶ライトバルブ160Rを用いた場合に、第2の光変調素子100に投写されるR光による投写像について図9(A)〜図9(D)を参照して説明する。図9(A)は、第2の光変調素子100における一つの周期領域像63Pを示す。プリズム素子71の平坦部73に略垂直に入射した光は、平坦部73で屈折作用を受けずに直進する。直進した光は、第2の光変調素子100で、周期領域像63Pの中央部に開口部像(直接透過像)61Pを形成する。
次に、プリズム素子71の屈折面72aに入射した光を考える。屈折面72aに入射した光は、屈折面72aの向き、傾斜角度θ、面積P1にそれぞれ対応した屈折方向、屈折量、屈折光量による屈折作用を受ける。上述のように、プリズム素子71は、ブラックマトリックス部62の中心線CLに対して辺部71aが略45°をなすように構成されている。このため、例えば、屈折面72aで屈折された光は、図9(A)で示すように、開口部像(直接透過像)61Pから矢印方向に上述した距離Sだけ離れた位置に開口部像61Paを形成する。なお、以下全ての説明において、リレーレンズ1200の結像作用による像の上下左右の反転は無いものとする。
同様に、屈折面72bで屈折された光は、図9(B)で示す位置に開口部像61Pbを形成する。屈折面72cで屈折された光は、図9(C)で示す位置に開口部像61Pcを形成する。屈折面72dで屈折された光は、図9(D)で示す位置に開口部像61Pdを形成する。図9(A)〜図9(D)は、同一の周期領域像63Pについて、各開口部像61Pa、61Pb、61Pc、61Pdを分けて説明したものである。
実際は、これら4つの開口部像61Pa、61Pb、61Pc、61Pdが重なって、図10に示すように投写される。このように、プリズム素子71は、4つの屈折面72a、72b、72c、72dを備えることにより、開口部61の開口部像61Pを4つの開口部像61Pa、61Pb、61Pc、61Pdに分割して第2の光度調素子100に投影する。開口部像61Pを複数に分割することで、行列状に開口部61を配列することによる投写光の周期性を弱めることとなる。また、開口部像61Pを複数に分割することにより、画像における規則的な模様等の周期性を弱めることも可能である。第2の光変調素子100に入射する投写光の周期性を弱めることにより、周期構造を有する第2の光変調素子100を用いる場合であっても光の干渉効果が低減される。
このようにして、ローパスフィルタであるプリズム群25を設けることによって、モアレの発生を低減することができる。第1の光変調素子である透過型液晶ライトバルブ(色変調ライトバルブ)160R、160G、160Bと第2の光変調素子(輝度変調液晶ライトバルブ)100との間の光路中にプリズム群25を設ける構成とすることにより、第2の光変調素子100の構成によらず、光の干渉を低減可能であることから、第2の光変調素子100は、光の干渉を低減するための構成とする必要が無くなる。
第2の光変調素子100は、光の干渉を防止可能とするための構造上の制約を受けること無く、精細な画像の表示や、コストの削減が可能な構成とすることができる。これにより、モアレの発生を低減して精細な画像を表示できるという効果を奏する。
特に、本実施形態では、周期領域像63P内を隙間なく開口部像61Pa、61Pb、61Pc、61Pdで埋めている。このように、プリズム素子71は、プラックマトリックス部像62Pの中心線像CLPの交点CPa、CPb、CPc、CPdと、開口部像(直接透過像) 61Pの一の角部とが略一致するように、屈折面72の向き及び傾斜角度θを設定する。このため、第2の光変調素子100への投写光のムラを低減し、投写光の周期性を低減することができる。
図7に戻って、正方形のプリズム素子71の一辺は長さLa、平坦部73の一辺は長さLbを有するものとする。プリズム群25のうち一のプリズム素子71が占める面積La×Laを単位面積とする。平坦部73は面積FS=Lb×Lbを有する。
また、4つの屈折面72a、72b、72c、72dは各々面積P1、P2、P3、P4を有する。ここで、平坦部73を透過して直進した光の光量は、単位面積に占める平坦部73の面積FSに対応する。
同様に、4つの屈折面72a、72b、72c、72dで屈折される光の総光量は、単位面積に占める屈折面72a、72b、72c、72dの総面積P1+P2+P3+P4に対応する。
ここで、4つの屈折面72a、72b、72c、72dの面積P1、P2、P3、P4はそれぞれ略同一の大きさとすると、総面積P1+P2+P3+P4=4×P1となる。換言すると、平坦部73又は屈折面72の面積を制御することで、直進させる光の光量と、屈折させる光の光量を任意に設定できる。
モアレを効果的に低減するためには、平坦部73を透過して直進した投写像(直接透過像)の光量と、屈折面72で屈折された投写像の光量とが同等であることが望ましい。例えば、長さLa=1.0、長さLb=0.707とすると、プリズム素子71の単位面積は1.0(=1.0×1.0)、平坦部73の面積FSは0.5=(0.707×0.707)となる。また、それぞれ等しい面積を有する4つの屈折面72a、72b、72c、72dを合計した総面積(4×P1)は0.5(=1.0−0.5)である。このようにプリズム素子71を設計すると、平坦部73を透過して直進した光の光量と、4つの屈折面72a、72b、72c、72dで屈折した光の総光量とを等しくすることができる。
このように、プリズム面の面積比を所望の比に設計することで光線強度比を自由に設計できる。
ローパスフィルタであるプリズム群25は、第1の光変調素子(色変調液晶ライトバルブ)160R、160G、160Bと第2の光変調素子(輝度変調液晶ライトバルブ)100との間の光路中に配置する構成であれば良い。例えば、図11に示す投射型表示装置のように、クロスダイクロイックプリズム80の射出面にプリズム群25を設ける構成としても良い。クロスダイクロイックプリズム80で合成した各色光をプリズム群25に入射する構成とすることにより、プリズム群25を1つにでき、投射型表示装置を簡易な構成にできる。
なお、各第1の光変調素子160R、160G、160Bとクロスダイクロイックプリズム18との間に、それぞれプリズム群25を設ける構成としても良い。色光ごとにプリズム群25を設ける構成とすると、各波長に対応した屈折角度設定を行うことができる。
さらに好ましい実施の形態としては、図11に示す通り、光路の瞳位置に挿入することで投写光が高密度に集光する位置にローパスフィルタであるプリズム群25を挿入することでローパスフィルタの小型化と光強度の均一化とを両立できる。
また、光変調素子としては透過型液晶表示装置を用いる場合に限られない。液晶表示装置としては、反射型液晶表示装置を用いても良い。また、他のマイクロデバイスである例えばティルトミラーデバイスであるDMDは、マイクロミラーを行列状に配置する構造を有する。このため、空間光変調装置としてDMDを用いる場合であっても、液晶表示装置を用いる場合と同様にもモアレを低減することができる。また、自発光素子、例えば有機EL素子を用いる場合も、画素の周期構造に起因するモアレの発生を低減することができる。
図12は、プリズム群25を設けることによる投写光の強度分布の変化を説明するものである。図12に示すグラフは、いずれも縦軸を投写光の強度I、横軸をX方向における距離x(I、xはいずれも任意単位)としている。開口部像61Pの移動量である距離S(図8参照)は、プリズム群25の屈折面72の傾斜角度θにより複数の開口部61のピッチの略2分の1以下の距離である。ここで、複数の開口部61のピッチとは、隣り合う開口部61の中心位置間の距離をいう。
第2の光変調素子100においてx=0、20、40のそれぞれの位置を中心として画素部である開口部61の像が3つ配列しているとする。プリズム群25を設けない場合、投写光A1は、開口部61像の中心をピークとする強度分布を示す。また、開口部61像がそのまま第2の光変調素子100に投影されるため、ブラックマトリックス部62の像が形成されるx=10、30の位置は、投写光の強度Iが略ゼロになる。投射光の強度Iの最大値と最小値と差△Iが大きいほど投写光の周期性が強められ、モアレが発生し易い状態になる。
開口部61のピッチの略2分の1の距離の位置に開口部61像を形成するプリズム群25を設ける場合、開口部61からの光は、屈折する光と直進する光とに分離される。開口部61から直進する光B2の強度は、光A1と比較して、一部の光を分離した分弱められる。プリズム群25で屈折した光は、半ピッチずれた位置であるx=10、30の位置をピークとする強度の光C2となる。プリズム群25を直進する光B2と屈折する光C2を合わせた光A2は、光A1と比較して強度差△Iを小さくすることができる。
開口部61のピッチの略4分の1の距離の位置に開口部像を形成するプリズム群25を設ける場合、開口部61からの光は、直進する光B3と、4分の1ピッチずれた位置をピークとする光C3、D3とに分離される。光B3、C3、D3を合わせた光A3は、光A1と比較して強度差△Iを小さくすることができる。強度差△Iを小さくすると、画素構造に起因する投写光の規則性を弱め、第2の光変調素子100の周期構造における光の干渉を低減できる。
また、投射型表示装置における周期構造と、画像の模様との重なり合いによる光の干渉も低減できる。このように、画素部である開口部61のピッチの略2分の1以下の距離の位置へ開口部61の投影像を導くようなプリズム群25を設けることにより、モアレの発生を低減することができる。
ここでは、開口部61の投影像をX方向にシフトする例を用いて説明したが、X方向に限らず、Y方向についても、開口部61のピッチの略2分の1以下の距離の位置へ開口部61の投影像を導くこととしても良い。さらに、開口部61の投影像を斜め方向の位置にシフトする場合において、複数の開口部61の斜め方向のピッチの略2分の1以下の距離の位置へ投写像を導くこととしても良い。
プリズム群25は、プリズム素子71の屈折面72の向きや傾斜角度に応じて開口部61像の位置を適宜設定することができる。例えば、図13に示すように、開口部像151Pを矢印で示す斜め45°方向に距離Sだけ離れた位置に分離する。そして、4つの開口部像151Pa、151Pb、151Pc、151Pdにより新たな開口部像150Pを形成しても良い。
また、図14に示すように、開口部像152Pを距離Sだけ離れた位置に分離し、2つの開口部像152Pa、152Pdを重ね合わせることで新たな開口部像153Pを形成しても良い。
図15(A)〜15(F)は、プリズム素子の形状の様々なバリエーションの例を示す。例えば、図15(A)は、屈折面161aと平坦部161bとを有する台形形状のプリズム素子が所定の間隔で設けられたプリズム群161を示している。
図15(B)は、屈折面162aと平坦部162bとを有し、台形形状のプリズム素子が隙間無く設けられたプリズム群162を示している。
図15(C)は、屈折面163aと平坦部163bとを有し、三角形形状のプリズム素子が所定の間隔で設けられたプリズム群163を示している。
図15(D)は、屈折面164aのみからなるブレーズ型のプリズム群164を示している。
図15(E)は、平坦部の高さおよびプリズムピッチがランダムであり、プリズムエッジによる回折を発生させる周期性が略無い状態のプリズム群165を示している。
また、図15(F)は、平坦部は共通の高さであるが、プリズムピッチがランダムであり、回折発生条件である周期性を抑制し回折の影響を低減できるプリズム群166を示している。
このように、屈折面の向き、傾斜角度、面積をパラメータとして様々なバリエーションをとることができる。
図16は、プリズム群の他の形態の一部を拡大した概略構成を示す。プリズム群210は、四角錐形状の第1のプリズム素子211と、四角錐形状の第2のプリズム素子212とから構成されている。第1のプリズム素子211は、その一辺が中心線CLに略45°をなすように形成されている。第2のプリズム素子212は、その一辺が中心線CLに略平行となるように形成されている。さらに、第1のプリズム素子211と、第2のプリズム素子212との周囲には平坦部215が設けられている。
図17に示すように、平坦部215を透過した光により、開口部像(直接透過像)220Pが形成される。そして、第1のプリズム素子211の屈折面213により、中心線像CLPに対して45°方向へ開口部像213Pが形成される。第2のプリズム素子212の屈折面214により、中心線像CLPに平行な方向へ開口部像214Pが形成される。そして、これらの投写像がブラックマトリックス部62像を隙間なく埋めるように屈折面の向き、傾斜角度を設定する。
これにより、投写像の強度ムラを少なくすることができる。
また、プリズム群210と同様の屈折作用を生じさせるプリズム群の形状は様々な変形をとることができる。例えば、図18に示すような屈折面231と平坦部232とを有するプリズム群230を用いることもできる。このように、プリズム屈折面と平坦面を所望の面積比で任意の形状で形成することが可能である。
〈第2実施形態〉
次に、本発明の第2実施形態に係る画像表示装置について説明する。画像表示装置の概略構成は基本的に第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
また、記述した図19は、本発明の第2実施形態に係る画像表示装置における、ローパスフィルタとして機能するプリズム群240の要部斜視構成を示す。
プリズム群240は、2組のプリズム素子241a、241bとから構成されている。プリズム素子241aは、第1の方向であるy軸方向における断面形状が略台形形状である。また、プリズム素子241aは、第1の方向であるy軸方向に略直交する第2の方向であるx軸方向に長手方向を有している。
プリズム素子241aのy軸方向における断面形状の台形形状のうち、2つの斜面Y1、Y2は屈折面として機能する。また、プリズム素子241aのy軸方向における断面形状のうち、上面Y0は平坦部として機能する。このため、斜面Y1又は斜面Y2に入射した光は、斜面の角度に対応する方向へ屈折する。屈折した光により屈折透過像が形成される。また、上面Y0に入射した光は、そのまま透過する。そのまま透過した光により直接透過像が形成される。
プリズム素子241bは、プリズム素子241aと同様の構成である。プリズム素子241bのx軸方向における断面形状のうち、2つの斜面X1、X2は屈折面として機能する。また、プリズム素子241bのx軸方向における断面形状のうち、上面X0は平坦部として機能する。そして、2組のプリズム素子241a、241bは、それぞれの長手方向どうしが略直交するように設けられている。
本実施形態に係る画像表示装置におけるプリズム群240は、プリズム素子241aの平面側と、プリズム素子241bの平面側とを向かい合わせて固着している。しかし、これに限られず、以下の(1)〜(3)のいずれの構成でも良い。
(1)プリズム素子241aの斜面Y1、Y2等が形成されている面と、プリズム素子241bの斜面X1、X2等が形成されている面とを向かい合わせて固着する構成。
(2)プリズム素子241aの斜面Y1、Y2等が形成されている面と、プリズム素子241bの平面側とを向かい合わせて固着する構成。
(3)プリズム素子241aの平面側と、プリズム素子241bの斜面X1、X2等が形成されている面とを向かい合わせて固着する構成。
なお、図19ではプリズム面が接する構成で説明しているが、両面が空気と接する構成でもよい。
図20は、プリズム群240による入射光の分岐を示す。図20において、向かって左側から方側へ向かって入射光XYが進行する。なお、図20の一部では、説明の便宜上、斜面Y0、Y1、Y2の符号を用いて光線を特定する。入射光XYは、点線で示すプリズム素子241aにより、斜面で屈折する光線Y1、Y2と、上面をそのまま透過する光線Y0との3つの光線に分岐される。分岐された3つの光線Y0、Y1、Y2は、さらにプリズム素子241bにより、それぞれ3つの光線に分岐される。この結果、入射光XYは、9つの光線Y1X1、Y1X0、Y1X2、Y0X1、Y0X0、Y0X2、Y2X1、Y2X0、Y2X2に分岐される。
次に、分岐された9つの光線の投影面における位置を、図21を用いて説明する。光線Y0X0による直接透過像の領域を太い枠で囲って示す。屈折した光による画素部の投影像は、プリズム素子241a、241bの長手方向に対してそれぞれ直交する方向へ形成することができる。プリズム群240は、2組のプリズム素子241a、241bの長手方向どうしが略直交するように構成されている。これにより、光線Y0X0による直接透過像の領域の周辺に、8つの光線Y1X1、Y1X0、Y1X2、Y0X1、Y0X2、Y2X1、Y2X0、Y2X2による屈折透過像の領域が形成される。図26では、それぞれの領域に光線の符号を付して示す。また、光線Y0X0による直接透過像は、第1の光変調素子(図2、図4、図5)における複数の開口部61の位置に対応して周期的に隣接して形成される。プリズム群240は、プリズム素子241a、241bにより、光線Y0X0による直接透過像どうしの間の領域に屈折透過像を形成する。これにより、投写光の周期性を低減することができる。
また、プリズム群240は、平坦面であるプリズム素子241aの上面Y0、プリズム素子241bの上面X0を経由した光強度の総和をPW0、屈折面である斜面Y1、Y2、X1、X2を経由した光強度の総和をPW1とそれぞれしたとき、
PW0≧PW1
を満足している。なお、PW0、PW1は、いずれも第2の光変調素子100における光強度である。
光線Y0X0による直接透過像の光強度の総和は、平坦部である上面Y0、X0の面積に対応する。また、光線Y1X1、Y1X0、Y1X2、Y0X1、Y0X2、Y2X1、Y2X0、Y2X2による屈折透過像の光強度の総和は、屈折面である斜面Y1、Y2、X1、X2の面積に対応する。ここで、光線Y1X1、Y1X0、Y1X2、Y0X1、Y0X2、Y2X1、Y2X0、Y2X2による屈折透過像の光強度の総和PW1が、直接透過像の光強度の総和PW0よりも大きくなってしまうと、観察者は、例えばゴーストのような二重の画像を認識する場合がある。
本実施形態では、PW0≧PW1を満足するように構成されている。このため、上記第1実施形態と同様にモアレの発生を低減することができる。
また、好ましくは、PW0>PW1を満足することが望ましい。さらに好ましくは、PW0>0.9×PW1を満足することが望ましい。これにより、画素配列による光強度分布を均一化しつつ元の画素情報を維持できることで、モアレを低減でき、さらに高精細な投写像が得られる。
図22(A)は、第2の光変調素子100における投写像の光強度分布を示している。図22(A)の横幅は第2の光変調素子100上の位置座標、縦軸は任意の強度単位をそれぞれ示す。説明の簡単のため、図21に示す直接透過像の領域Iと、隣接する直接透過像の領域Kと、これらの領域の間の領域Jとの3つの領域の略中心を通るBB断面について説明する。即ち、図22(A)の横軸の符号Iで示す部分は図21の領域Iに相当し、符号Jで示す部分は図21の領域Jに相当し、符号Kで示す部分は図26の領域Kに相当する。
図22(A)に示すように、第2の光変調素子100において、平坦部である上面Y0、X0からの光により形成される第1の光変調素子160Rにおける開口部61の投影像の領域I、領域Kの強度分布の第1のピーク値Paは、屈折面である斜面Y1、Y2、X1、X2を経由した光により形成される開口部61の投影像の領域Jの強度分布の第2のピーク値Pbよりも大きい。
例えば、第2のピーク値Pbは、第1のピーク値Paの略半分のパワー配分に設定する。この光強度のパワー配分は、プリズム素子241a、241bの上面Y0、X0と、斜面Y1、Y2、X1、X2との面積比に応じて制御できる。
さらに、第1のピーク値Paと第2のピーク値Pbとの間の領域については、所定の強度分布曲線CVに応じた光強度となる。これにより、投写光の周期性を低減し、モアレの発生を低減することができる。
光強度分布の変形例を図22(B)、22(C)、22(D)にそれぞれ示す。図22(B)において、領域I、領域Kの光強度分布のそれぞれ2つの第1のピーク値Pcは、領域Jの第2のピーク値Pdよりも大きい。図22(C)において、領域I、領域Kの光強度分布の第1のピーク値Peは、領域Jの2つの第2のピーク値Pfよりも大きい。図22(D)において、領域I、領域Kの光強度分布のそれぞれの第1のピーク値Pgは、領域Jの第2のピーク値Pgと略同じ大きさである。これらのパワー配分のとき、投写光の周期性を低減し、モアレの発生を低減することができる。
〈第3実施形態〉
次に、本発明の第3実施形態に係る画像表示装置について説明する。本発明の第3実施形態に係る画像表示装置の概略構成は、第1実施形態と基本的には同様であるので、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図23は、本発明の第3実施形態に係る画像表示装置における、ローパスフィルタとして機能するプリズム群280の要部断面構成を示す。
プリズム群280は、2つの屈折面280aが周期的なV字形状の溝を形成している。屈折面280aと光軸AXとの交点で平坦部280bから最も離れた位置において光軸AXに略垂直方向に形成される基準面281と、平坦部280bとは距離dだけ離れている。距離dはV字形状の溝の深さに対応する。以下、適宜、距離dのことを深さdと呼ぶ。そして、距離dは、条件式(1)又は(2)を満足している。
d<0.95×λ/{2×(n−1)} (1)
d>1.05×λ/{2×(n−1)} (2)
ここで、プリズム群280を構成する部材の屈折率をn、プリズム群280へ入射する光の波長をλとそれぞれする。本実施形態では、距離d(深さ)を1100nmとしている。
V字形状の溝の深さが条件式(A)、
d=λ/{2×(n−1)} (A)
の条件を満足すると、プリズム群280による回折効果が向上してしまう。
本実施形態では、入射光として超高圧水銀ランプ等のランプ11からの光のうち可視光領域の光を用いる。例えば、入射光の波長λ=480nm、プリズム群280の屈折率n=1.46の場合、条件式(A)より、
d=480/{2×(1.46−1)}
=522nm
となる。
同様に、入射光の波長λ=650nm、プリズム群280の屈折率n=1.46の場合、条件式(A)より、
d=650/{2×(1.46−1)}
=707nm
となる。
このように、入射光の波長λが480nmの場合、V字形状の溝の深さdが522nmの時に回折光が有効に生じてしまう。また、入射光の波長λが650nmの場合、V字形状の溝の深さdが707nmの時に回折光が有効に生じてしまう。回折光は、周期構造を有する第2の光変調素子100で光が干渉することにより、モアレを引き起こす場合がある。
本実施形態では、V字溝の深さdが回折光を生じさせないこと、又は回折光が生じても観察者が認識しない程度であることが望ましい。
このため、本実施形態では、条件式(1)又は(2)を満足することで、条件式(A)で規定される距離d(深さ)と異ならせることができる。例えば、本実施形態において、波長λ=480nmの場合、条件式(1)より、
d<0.95×λ/{2×(n−1)}
=0.95×480/{2×(1.46−1)}
=496nm
条件式(2)より、
d>1.05×λ/{2×(n−1)}
=1.05×480/{2×(1.46−1)}
=548nm
となる。
さらに、波長λ=650nmで、同様の計算を行うと、条件式(1)より、
d<0.95×λ/{2×(n−1)}
=0.95×650/{2×(1. 46−1)}
=671nm
条件式(2)より、
d>1.05×λ/{2×(n−1)}
=1.05×650/{2×(1.46−1)}
=742nm
となる。
本実施形態では、上述のように深さd=1100nmとしている。これにより、何れの波長λにおいても条件式(2)を満足するため、プリズム群における回折光の発生を低減することができる。これにより、モアレの発生を低減することができるという効果を奏する。
本実施形態において、好ましくは、以下の条件式(3)又は(4)を満足することが望ましい。
d<0.9×λ/{2×(n−1)} (3)
d>1.1×λ/{2×(n−1)} (4)
さらに好ましくは、以下の条件式(5)又は(6)を満足することが望ましい。
d<0.7×λ/{2×(n−1)} (5)
d>1.3×λ/{2×(n−1)} (6)
上記条件式(3)〜(6)のいずれかを満足することで、プリズム群280からの回折光の強度をさらに小さくすることができる。これにより、さらにモアレの発生を低減することができる。
図24は、本実施形態の変形例1に係る画像表示装置において、ローパスフィルタとして機能するプリズム群290の要部断面構成を示す。上記のプリズム群280と同一の部分については、重複する説明を省略する。本変形例では、基準面291から平坦部290bまでの距離d1、d3、d5と、基準面291から屈折面290a上の所定位置までの距離d2、d4、d6と、がそれぞれ非周期的となるように形成されている。基準面291は、光軸AXに対し略垂直でありプリズム群290が形成されている基板の一方の面である。ここで、屈折面290a上の所定位置とは、屈折面290aのうち最も基準面291に近い位置をいう。
プリズム群290により回折光が生ずる構造の一つとして、プリズム素子の周期的な構造を挙げることができる。本実施形態では上述の非周期的な構成により、プリズム素子の周期的構造に起因する回折光の発生を低減することができる。プリズム群における回折光の発生を低減することにより、モアレの発生を低減することができる。また、図15Fに示すような屈折面が形成される溝深さと平坦部のピッチをランダム化する事でも、モアレの原因となる回折光を低減できる。
図25は、本実施形態の変形例2に係る画像表示装置において、ローパスフィルタとして機能するプリズム群300の要部斜視構成を示す。上記のプリズム群280と同一の部分については、重複する説明を省略する。本変形例では、プリズム群300のプリズム素子301は、略直線La1、La2、La3、La4、La5の形状に沿って、透明プレート302上に配列されている。そして、略直線La1、La2、La3、La4、La5の数が単位面積aφあたりに5本である。なお、略直線La1、La2、La3、La4、La5の数は、単位面積あたり15本以下であれば良い。プリズム素子301は、単位面積あたり15周回以下の周期で設けられている。単位面積aφの説明は、後述する。
図26は、単位面積aφ近傍の正面図である。略直線La1、La2、La3、La4、La5に略直交して、略直線Lb1、Lb2、Lb3、Lb4、Lb5、Lb6の6つの直線が形成されている。直線Lb1、Lb2、Lb3、Lb4、Lb5、Lb6についても、単位面積あたり15本以下であれば良い。このように、プリズム群300のプリズム素子301は、略直交する格子状に形成されている。
図27は、単位面積aφを説明するための超高圧水銀ランプ等のランプ11から第2の光変調素子100までの光路を示す。図27では、説明の簡便のため、光学系としては、照明系ILLを構成するランプ11とインテグレータ13、及びリレー系PLを構成するリレーレンズ1200のみを示し、他の色分解光学系などの図示を省略する。また、便宜上、リレーレンズ1200は、両凸形状の単レンズとして示している。図27において、リレーレンズ1200とリレー系PLとは一致している。また、便宜上、第1の光変調素子(空間光変調装置)160Rを透過する光について示している。
ランプ11からの照明光はインテグレータ13に入射する。インテグレータ13は、ランプ11からの照明光を重畳させて第1の光変調素子(空間光変調装置)160Rを照明する。インテグレータ13からの照明光は、所定の角度分布をもって第1の光変調素子(空間光変調装置)160Rに入射する。第1の光変調素子(空間光変調装置)160R上の位置OBJは、様々な入射角度の光により重畳的に照明される。そして、位置OBJからの光は、照明系ILLのFナンバーで空間的に拡がりながらプリズム群300に入射する。第1の光変調素子(空間光変調装置)160Rを射出した光は、プリズム群300を透過してリレーレンズ1200へ入射する。
第1の光変調素子(空間光変調装置)160Rの変調面と第2の光変調素子100とは共役関係にある。このため、第1の光変調素子(空間光変調装置)160R上の位置OBJは、第2の光変調素子100上の位置IMGに結像する。このとき、第1の光変調素子(空間光変調装置)160R上の位置OBJからの光は、リレーレンズ1200のFナンバーと同一、又は小さいFナンバーの光が、投写レンズ20により第2の光変調素子100に投写される。照明系ILLのFナンバーとリレー系PLのFナンバーとは、以下の3通りの関係(B)、(C)、(D)が考えられる。
(B) 照明系ILLのFナンバー>リレー系PLのFナンバー
(C) 照明系ILLのFナンバー=リレー系PLのFナンバー
(D) 照明系ILLのFナンバー<リレー系PLのFナンバー
※ここの「投写系」という文言は見過ごせなかったため、「リレー系」のように修正いたしました。
何れの関係においても、第1の光変調素子(空間光変調装置)160R上で、照明系ILL又はリレー系PLの小さいほうのFナンバーで規定される角度範囲の光だけが有効に第2の光変調素子100に投写される。例えば、関係(B)又は(C)の場合、次式が成立する。
1/(2FILL)=sinθa
ここで、FILLはリレー系PLのFナンバー、θaは位置OBJから射出した光の光軸とのなす角度である。
第1の光変調素子(空間光変調装置)160Rから空間的な拡がり角度θaで射出した光は、プリズム群300上の円形領域である単位面積aφを照射する。このように、プリズム群300上の単位面積aφからの光は、全てリレーレンズ1200で第2の光変調素子100に投写される。また、これに対して、上記関係条件式(D)の場合、照明系ILLのFナンバーで第2の光変調素子100に有効に投写されるプリズム群300上の単位面積aφが規定される。
従って、何れの関係(B)、(C)、(D)においても、プリズム群300上の単位面積aφからの光は、リレーレンズ1200により有効に第2の光変調素子100に投写される。上述したように、プリズム群300により回折光が生ずる構造の一つとして、プリズム素子の配列の周期的な構造を挙げることができる。本変形例では、プリズム群300が単位面積aφあたりに略直線La1〜La5、Lb1〜Lb6の形状に沿って配列されている。このため、略直線の数が単位面積aφあたりに15本以下である。これにより、プリズム素子の配列の周期的構造に起因する回折光の発生を低減し、モアレの発生を低減することができる。
また、プリズム素子は、単位面積aφ内に少なくとも1周期以上好ましくは、3周期以上の周期で設けることで、略均一な画像を得ることができる。
さらに、単位面積aφあたりの、所定の方向に屈折させる屈折面72の面積の総和、及び平坦部73の面積の総和は、何れの単位面積においても同一の値としても良い。これにより、投写される画像は回折光が低減され、かつ、プリズム群300から所定距離だけ離れた第2の光変調素子100において、ブラックマトリックス部62の投影像の領域に重畳的に開口部61の投影像が形成される。従って、第2の光変調素子100への投写光のムラを低減し、投写光の周期性を低減することができる。
図32を参照してローパスフィルタとして機能するプリズム群を構成するプリズム群の形態を更に説明すると、照明光学系で規定される直径φで規定される領域を単位面積φSとした場合、図32に示す領域φS内には、上、下、左、右、に屈折させるプリズム素子2310と右上、右下、左上、左下の四方向に屈折させるプリズム素子2311が配置され、領域MS内に所定の割合で配置されている。このように異なったプリズム素子を、複数個配列することで透過光線の回折を回避しつつ、領域MS内で光線を所定の方向に所定の比率で所定の方向に屈折させることができる。
このとき図32に示す任意の直線の1つである、直径φに接するプリズム素子は2個であり、この直径直線(矢印線)上での回折の原因となりうる矢印線に垂直なプリズム素子の境界のエッジ数は4である。
次に、図33を参照して別のプリズム群を構成するプリズム群の形態を更に説明すると、照明光学系で規定される直径φで規定される領域を単位面積φSとした場合、図33に示す領域φS内の矢印方向のプリズム素子の周期数は4であり、回折の原因となりうる矢印線に垂直なプリズム素子の境界のエッジ数は11である。
このように単位面積内の任意の直径直線上にプリズム素子が少なくとも1個(周期)以上配置されることが望ましい。これにより、第2の光変調素子100に入射する光線の均一化が図れ、モアレを有効に低減することができる。
また、単位面積内の直径直線に垂直なプリズム素子の境界のエッジ数は50以下であることが望ましい。照明光学系で定められる単位面積内の直径直線に垂直なプリズム素子の境界のエッジ数が50以下であることにより、プリズム群のエッジ部で発生する回折の影響を抑制し、回折光によるコントラストの低下を低減することができる。
更に、照明光学系で定められる単位面積内の直径直線に略垂直なプリズム素子の境界のエッジ数は30以下であることが望ましい。
これにより、さらにプリズム群のエッジ部で発生する回折の影響を抑制し、回折光によるコントラストの低下を低減することができる。
更に好ましくは、照明光学系で定められる単位面積内の直径直線に垂直なプリズム素子の境界のエッジ数は15以下であることが望ましい。
これにより、更に高品質な画像を記録可能な画像表示装置を得られる。更に好ましくは、エッジ数は10以下である。また、図32に示すような、異なった方向に導く屈折面を備えるプリズム2310およびプリズム2311をφS内に織り交ぜて配置することにより、φS内の任意の直径の線上で交わる略垂直なプリズムエッジの数が抑制できることから、プリズムエッジに起因する回折を抑制し高コントラストの映像表示が可能となる。
図28(A)は、プリズム群330を硝子で構成する場合の要部断面構成を示す。この場合、深さd1=約30nm、基準面331に対する角度θ1=約0.06°である。また、図28(B)は、プリズム群330をアクリル又はゼオネックス(商品名)で構成する場合の要部断面構成を示す。プリズム群330上には、さらに光学的に透明な樹脂基板332と硝子基板333とを形成する。この場合、深さd2=約1μm、角度θ2=約0.97°である。このように、図28(A)の構成に比較して、深さ、角度ともに大きくなるため、プリズム群330の製造が容易となる。
図29は、本実施形態の変形例3に係る画像表示装置において、ローパスフィルタとして機能するプリズム群340の要部断面構成を示す。上記のプリズム群280と同一の部分については、重複する説明を省略する。本変形例のプリズム群340は、3つのプリズム素子341a、341b、341cを交互に配列して光学的接着剤で固着して構成されている。図30に示すように、プリズム素子341a、341cは、互いに屈折面351a、352cの傾斜する方向が反対に形成されている帯状のプリズム素子である。また、プリズム素子341bは、平坦部351bが形成されている平行平板である。そして、プリズム素子341a、341b、341cを一組として、複数の組を配列してプリズム群340を構成する。さらに、プリズム群340を略直交する2方向に重ねて設ける。これにより、平坦部351bと、略直交する2方向に屈折させる屈折面351a、351cとを有するプリズム群と同様の機能を有する。
本変形例では、略平板状のプリズム素子341a、341b、341cを製造すれば良い。このため、極めて簡便にプリズム群340を製造することができる。また、単位面積aφあたりに、プリズム素子341a、341b、341cを15本以下配列することで、回折光を低減できる。
図31は、本実施形態の変形例4に係る画像表示装置における、ローパスフィルタとして機能するプリズム群360の要部上面構成を示す。上記のプリズム群280と同一の部分については、重複する説明を省略する。本変形例のプリズム群360は、プリズム素子361a、361b、361cの位置、深さ、がそれぞれ非周期(ランダム)に単位面積aφ内に配列されている。これにより、回折光を低減できる。
また、単位面積aφあたりの、所定の方向に屈折させる屈折面362の面積の総和、及び平坦部363の面積の総和は、何れの単位面積aφにおいても同一の値としても良い。
なお、本発明は、本発明の各実施形態で述べた各構成に限られない。プリズム群が、回折光を生じさせない構成、又は回折光を生じていても観察者が認識しない構成は、本発明の各実施形態の構成を任意に組み合わせる構成でも良い。
(プリズム群の製造方法)
次に、図3に戻ってプリズム群71の製造方法を説明する。プリズム群71は、射出側防塵透明プレート70の射出面に一体的に形成されている。射出側防塵透明プレート70は、透明な平行平板硝子である。平行平板硝子の一方の面にプリズム群71をフォトリソグラフィ技術により形成する。具体的には、フォトレジスト層を平行平板硝子上に、グレースケール法を用いて所望のプリズム形状、例えば四角錐形状となるようにパターニングしてマスクを形成する。そして、CHF3等のフッ素系ガスを用いたRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)法によりプリズム群71を形成する。
また、プリズム群71は、フッ酸を用いるウェットエッチング法によっても形成することができる。このように、一方の面にプリズム群71が形成された平行平板硝子である射出側防塵透明プレート70は、液晶パネルの製造工程において、最も射出側に組み込まれる。
さらに、プリズム群71の他の製造方法を説明する。平行平板硝子の一方の面に光学エポキシ樹脂を塗布する。次に、所望のプリズム形状とは凹凸が反転しているパターンを有する金型を準備する。そして、この金型をエポキシ樹脂に押圧することで型転写する。最後に、紫外線を光学エポキシ樹脂に照射して硬化させて、プリズム群71を形成する。
また、型転写する場合に他の方法を採用することもできる。平行平板硝子を加熱して型転写に必要な程度に軟化させる。そして、軟化した平行平板硝子の一方の表面に、上述の金型を押圧させて型転写する。これによっても、平行平板硝子にプリズム群71を形成できる。
なお、プリズム群71は、射出側防塵透明プレート70に一体的に形成する場合に限られない。例えば、所望のプリズム形状のプリズム群71をホットプレス法で別途パターンシートとして製造しておく。そして、パターンシートを必要な大きさに裁断する。次に、裁断されたパターンシートを平行平板硝子の射出面側に光学的に透明な接着剤を用いて貼付する。これによっても、平行平板硝子にプリズム群71を形成できる。
さらに好ましくは、プリズム群71の表面に塵等が付着することを防止することが望ましい。このために、プリズム群71の射出側面に対して低屈折率の透明樹脂等からなるコーティング層を形成する。例えば、プリズム群71は屈折率n=1.56の光学エポキシ高屈折率樹脂で形成する。コーティング層は、例えば屈折率n=1.38の光学エポキシ低屈折率樹脂で形成する。また、プリズム群71を構成する部材の屈折率と、コーティング層の屈折率とを略一致させることもできる。これにより、屈折面25の製造誤差のばらつき等に起因する屈折された光の第2の光変調素子100上での位置ずれを低減できる。
(波長とプリズム素子形状との関係)
上記説明では、R光を代表例に説明しているが、G光に関する第2色光用空間光変調装置の液晶パネル、B光に関する第3色光用空間光変調装置の液晶パネルについても基本的な構成は、R光の場合と同一である。具体的には、第1の光変調素子である第1色光用空間光変調装置と、第2色光用空間光変調装置と、第3色光用空間光変調装置とが、それぞれ屈折部であるプリズム群を有している。
ここで、屈折面で屈折する角度は、光の波長により異なる。このため、第2の光変調素子において、屈折して投写される像の位置を正確に制御する場合は、屈折される光の波長を考慮することが望ましい。例えば、光源部である超高圧水銀ランプは、発光スペクトル分布を有する。の横軸は波長、縦軸は任意の強度で示した場合。そして、輝線スペクトルのピーク波長が略440nm近傍の光をB光、略550nm近傍の光をG光として用いる。また、光量積分値の中央波長である略650nm近傍の光をR光として用いる。これらの波長の光が、屈折面で屈折されたときに、第2の光変調素子上で所定の投写像を形成するように、屈折面の傾斜角度θ等を制御する。これにより、第2の光変調素子上で、色ずれの少ない高品質な画像を得ることができる。
(数値例)
具体的には、図8で示すプリズム素子のピッチPTを1mmとした場合最適高さ(深さ)Hは、略1.7μmである。
さらに、液晶パネルの射出側面、例えば石英基板面上にそれぞれプリズム群を形成した場合、プリズム素子の傾斜角度θについて数値例を掲げる。例えば、第2の光変調素子上における移動量である距離S=8.5μmとする。この時、R光、G光、B光における各プリズム素子の傾斜角度θは、それぞれ0.31°、0.31°、0.30°である。各色で傾斜角度が異なるのは、上述したように、プリズム群を構成する部材の屈折率は、波長に依存して異なるためである。
また、各色用のプリズム群を、クロスダイクロイックプリズムの各色光の入射面に設ける場合は、R光、G光、B光における各プリズム素子の傾斜角度θは、それぞれ0.10°、0.10°、0.099°である。
このように、傾斜角度θは小さい値であるため、例えば、切削加工でプリズム群を形成する場合は困難なことがある。そこで、プリズム群の界面にプリズム群を構成する部材の屈折率と近い屈折率を有する材料をモールドで形成する。
これにより、傾斜角度θを大きくして、プリズム群を製造容易にすることができる。
例えば、プリズム群を構成する部材とモールドする材料との屈折率差を0.3とする。この時、液晶パネルの射出側面上にそれぞれプリズム群を形成した場合、第2の光変調素子上における移動量が距離S=8.5μmとして、R光、G光、B光におけるその傾斜角度θは、それぞれ1.16°、1.17°、1.18°である。
また、この場合に、各色用のプリズム群を、クロスダイクロイックプリズムの各色光の入射面に設ける場合は、R光、G光、B光における各プリズム素子の傾斜角度θは、それぞれ0.31°、0.31°、0.31°である。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置の概略構成図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置における第1の光変調素子における周期構造を示す説明図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置におけるプリズム群の斜視構成を示す図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置における第1の光変調素子とリレーレンズに含まれるプリズム群との位置関係を示す説明図。 第1の光変調素子における開口部とリレーレンズに含まれるプリズム群との位置関係を示す平面図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置の第1の光変調素子における開口部とリレーレンズに含まれるプリズム群との位置関係を示す平面図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置の第1の光変調素子における開口部とリレーレンズに含まれるプリズム群との位置関係を示す平面図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置におけるリレーレンズに含まれるプリズム群の拡大図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置における第2の光変調素子に投写される投写像の位置をプリズム素子の屈折面への入射光に応じて分けて示す説明図。 図1に示した本発明の実施形態に係る画像表示装置における第2の光変調素子に投写される投写像がプリズム素子により分割投影された状態を示す説明図。 本発明の第1実施形態の変形例に係る画像表示装置の概略構成図。 第2の光変調素子表面における投写光の強度分布を示す図。 第1の変調素子と第2の変調素子との間の光路中に設けられるプリズム素子の屈折面の向きや傾斜角を変更することにより第2の変調素子上における第1の光変調素子の開口部像位置を適宜、設定できる状態を示す説明図。 第1の変調素子と第2の変調素子との間の光路中に設けられるプリズム素子の屈折面の向きや傾斜角を変更することにより第2の変調素子上における第1の光変調素子の開口部像位置を適宜、設定できる状態を示す説明図。 第1の変調素子と第2の変調素子との間の光路中に設けられるプリズム群のプリズム素子の形状を示す断面概略図。 プリズム群の他の形態を示す概略構成図。 図16に示すプリズム群のプリズムにより第2の光変調素子上に形成される投写像の位置関係を示す説明図。 プリズム群のさらに他の形態を示す概略構成図。 本発明の第2実施形態に係る画像表示装置におけるプリズム群の要部の斜視構成を示す図。 図19に示したプリズム群による入射光の分岐状態を示す説明図。 図20において、分岐された光線の投影面における位置関係を示す説明図。 第2の光変調素子上における投写像の光強度分布の一例を示す図。 本発明の第3実施形態に係る画像表示装置におけるプリズム群の要部断面構成を示す図。 本発明の第3実施形態の変形例1に係る画像表示装置におけるプリズム群の要部断面構成を示す図。 本発明の第3実施形態の変形例2に係る画像表示装置におけるプリズム群の要部斜視構成を示す図。 図25に示したプリズム群上における単位面積aφ近傍を示す正面図。 本発明の第3実施形態に係る画像表示装置の光源から第2の光変調素子までの光路を示す説明図。 プリズム群を硝子で構成する場合の要部断面構成、及びプリズム群をアクリルまたはゼオネックス(商品名)で構成する場合の要部断面構成を示す図。 本発明の第3実施形態の変形例3に係る画像表示装置におけるプリズム群の要部断面構成を示す図。 図29に示したプリズム群を構成する各プリズム素子の形状を示す説明図。 本発明の第3実施形態の変形例4に係る画像表示装置におけるプリズム群の要部上面構成を示す図。 ローパスフィルタとして機能するプリズム群を構成するプリズム素子の配列状態の一例を示す説明図。 ローパスフィルタとして機能する他のプリズム群を構成するプリズム素子の配列状態の一例を示す説明図。
符号の説明
10…光源、11…ランプ、12…リフレクタ、14…色変調部、20…均一照明手段、21、22…フライアイレンズ、23…偏光変換素子、24…集光レンズ、25…プリズム群、30、35…ダイクロイックミラー、36、45、46…ミラー、41、42、50R、50G、50B、170R、170G、170B…フィールドレンズ、71…プリズム素子、80…クロスダイクロイックプリズム、100…輝度変調液晶ライトバルブ(第2の光変調素子)、110…投射レンズ、160R、160G、160B…透過型液晶ライトバルブ(第1の光変調素子)、1200…リレーレンズ

Claims (7)

  1. 表示画像データに基づいて光源からの光を変調して画像を表示する画像表示装置であって、
    前記光源からの光を変調する規則配列された第1の光変調素子と、
    前記第1の光変調素子からの光を変調する規則配列された第2の光変調素子と、
    前記光変調素子で変調された光線を第2の光変調素子に導く照明光学系とを有し、
    前記照明光学系は、前記第1の光変調素子と第2の光変調素子の間に第1の光変調素子の光線を第2の光変調素子の所定位置に分光照明する光学素子を備え、
    前記光学素子は、少なくとも屈折面を備えるプリズム素子からなるプリズム群を有し、前記屈折面は、前記入射光を所定方向へ屈折することを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記屈折面は、前記入射光が前記プリズム群を直進した場合の入射位置に隣接する領域へ、前記入射光を導くような向き、及び前記屈折面と光軸に対し略垂直方向に形成される基準面とのなす角度、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記プリズム群は、第1の方向における断面形状が略台形形状であり、前記第1の方向に略直交する第2の方向に長手方向を有する2組のプリズム素子からなり、
    前記2組のプリズム素子は、それぞれ前記長手方向どうしが略直交するように設けられ、前記台形形状の斜面は前記屈折面に対応することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の画像表示装置。
  4. 前記プリズム素子は、少なくとも4つの前記屈折面を有し、前記屈折面は、それぞれ異なる向きを有し、
    前記光学素子は、回折条件を満たさないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像表示装置。
  5. 前記プリズム群を形成するプリズム素子の形状は、2以上の形状からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像表示装置。
  6. 前記光学素子の画素移動量は所定方向の画素ピッチに対し、1/2以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 前記プリズム群上のプリズム素子数は、前記照明光学系のFナンバーに基づいて決定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像表示装置。

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