JPWO2005083494A1 - ディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

レーザ光のスクリーン以外の領域への照射を防止して安全性を確保した、携帯型のものにも適用可能なレーザディスプレイ装置を提供する。レーザディスプレイ装置(100)において、少なくとも一つのコヒーレント光源と、前記コヒーレント光源からの光を映像に変換する光学系とからなるレーザ投射部(101)と、前記レーザ投射部(101)からの光を投射するスクリーン(103)と、前記スクリーン(103)に取り付けられ、前記レーザ投射部(101)を支持するアーム(102)とを備え、該レーザ投射部(101)からの光が前記スクリーン(103)上にのみ入射するよう、該レーザ投射部(101)の可動範囲及び可動方向を前記アーム(102)により制限した。

Description

本発明は、レーザ光照射による携帯型のディスプレイ装置に関する。
可視域のレーザ光源を用いたディスプレイは、小型化、低消費電力化が可能であり、RGBの3原色レーザを用いることでフルカラーの画像表示が可能になる。また、レーザは広い色度範囲を表現することが可能であり、特許文献1、あるいは特許文献2に示すレーザディスプレイ装置のように、レーザを光源として用いることで、高色彩な画像表示を実現することが出来る。
従来、レーザディスプレイは、固体レーザを光源とする屋外用ディスプレイや映画館などで用いられる比較的大型の表示装置を中心に開発されている。一方で、小型のレーザディスプレイは、光源を半導体レーザとすることで低消費電力化が可能になり、モバイル用途に適している。
しかしながら、レーザディスプレイをモバイル用途で利用するには、安全面において課題がある。一般にレーザ光源はコヒーレンシーが高く、指向性がよいため、集光すると高いパワー密度となるので、安全基準を確保した状態で使用するのが好ましい。光源出力にもよるが、集光したパワー密度の高いレーザ光が周囲の人に直接照射される可能性のある場合には、その利用が厳しく規制されている。
特開2003−279889号公報 特開平10−293268号公報
上述のように、レーザディスプレイをモバイル用途に利用する場合、レーザ照射光が周辺に照射される可能性がある。モバイル用途では、周りの人のことを考えて安全性を十分確保する必要がある。
例えば、ディスプレイ装置により画像を見る場合、画像の照度は重要な要素であり、光源としては10mW〜100mWの強度が必要となる。この場合、レーザ光がコヒーレンシーの高い状態で直接人に当たるのは避けなければならない。すなわち、レーザディスプレイにおいて、コヒーレンシーの高いレーザ光が直接人体に照射されないように、ディスプレイ装置を設計する必要がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、レーザ光がスクリーン以外に直接照射されることを防止し、かつ小型でモバイル用途への応用が可能なディスプレイ装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本願請求項1の発明に係るディスプレイ装置は、可視域の波長を有する少なくとも一つのコヒーレント光源と、前記コヒーレント光源からの光を映像に変換する映像変換光学系を有するレーザ投射部と、前記レーザ投射部からの光を投射するスクリーンと、前記スクリーンに取り付けられ、前記レーザ投射部を支持する支持部材と、を備え、前記レーザ投射部からの光を直接投射する領域を、前記スクリーン上の領域に限定した、ことを特徴とする。
これにより、レーザ光がスクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができ、安全にレーザディスプレイを駆動することが可能になる。
本願請求項2の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記レーザ投射部は、該レーザ投射部からの光が前記スクリーン上にのみ入射するよう、その可動範囲、及び可動方向を前記支持部材により制限したものである、ことを特徴とする。
これにより、レーザ光がスクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができる。
本願請求項3の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記レーザ投射部は、前記スクリーン上の前記レーザ光が照射されている領域と前記レーザ光が照射されていない領域とのレーザ光の強度差に応じて、レーザ光照射の強度を変化させる、ことを特徴とする。
これにより、ディスプレイ装置が使用される環境に応じた最適な画像を得ることができる。
本願請求項4の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記映像変換光学系は、前記コヒーレント光源からの光を空間的に変調する2次元スイッチアレイと、該2次元スイッチアレイの像を拡大投影するレンズ光学系とを有する、ことを特徴とする。
これにより、半導体レーザを光源とする、高精細、かつ高色調な画像を得ることができる。
本願請求項5の発明に係るディスプレイ装置は、前記映像変換光学系は、前記コヒーレント光源からの光を前記スクリーン上に2次元的な画像が形成されるよう走査するビーム走査器を有する、ことを特徴とする。
これにより、前記光学系の小型化が可能となり、ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
本願請求項6の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記コヒーレント光源は、少なくとも3つの光源を有し、それぞれの光源波長が430〜455nm、630〜650nm、及び510〜550nmであることを特徴とする。
これにより、表現色の再現性を高めることができ、かつ低消費電力化を図ることができる。
本願請求項7の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記スクリーンは、その表面積を2倍以上に拡張可能な折り畳み構造としたものである、ことを特徴とする
これにより、ディスプレイ装置の携帯性を高めることができる。
本願請求項8の発明に係るディスプレイ装置は、請求項7に記載のディスプレイ装置において、前記アームは、その長さを伸縮可能な構造としたものであり、前記スクリーン上での前記光学系からの光の投射面積は、前記アームの長さと前記スクリーンの面積とに連動して変化する、ことを特徴とする。
これにより、スクリーンの表面積を変えた場合でも、レーザ光がスクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができ、ディスプレイ装置の安全性を高めることができる。
本願請求項9の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記スクリーンは、拡散板により構成し、前記スクリーンで反射した反射光、または前記スクリーンを透過した透過光の回折角を、該反射光あるいは透過光が指向性を持つよう限定したものである、ことを特徴とする。
これにより、ディスプレイ装置の視野角を、その使用目的に応じて設定することができる。また、視野角を限定することにより、レーザパワーを抑えることができ、消費電力の低減を図ることが可能となる。
本願請求項10の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記スクリーンからの反射光の一部を検出するフォトディテクタを備え、前記レーザ投射部からの光の投射を、前記フォトディテクタが検出した反射光の状態に基づいて制御することを特徴とする。
これにより、画像のフィードバック制御が可能となり、高精細な画像を得ることができる。また、レーザ光の照射状況を検出し、必要な場合にはレーザ照射を停止することが可能となり、ディスプレイ装置の安全性を高めることができる。
本願請求項11の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記コヒーレント光源を前記スクリーンに搭載し、前記コヒーレント光源からの光を、光伝達媒体により前記映像変換光学系へ供給する、ことを特徴とする。
これにより、光学系の小型化を図ることができ、ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
本願請求項12の発明に係るディスプレイ装置は、請求項11に記載のディスプレイ装置において、前記光伝達媒体は、光ファイバであることを特徴とする。
これにより、レーザ投射部以外の場所にコヒーレント光源を配置することができ、光学系の小型化を図ることができる。
本発明によれば、レーザ光を発するレーザ投射部とスクリーンとを、アームを介して連結し、前記アームによりレーザ投射部の角度、位置の調整範囲を限定することとしたので、レーザ投射部から発せられるレーザ光が前記スクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができ、安全にレーザディスプレイを駆動することが可能になる。
また、スクリーンをアームとともに折畳み可能としたので、ディスプレイ装置の携帯性を高めることができる。
図1は本発明の実施の形態1によるレーザディスプレイ装置の概略構成を示す図であり、レーザディスプレイ装置のアームを折り畳んだ状態(図(a))、及びレーザディスプレイ装置の使用時のアームを起こした状態(図(b))を示している。 図2は上記実施の形態1のレーザディスプレイ装置におけるレーザ投射部の構成(図(a))、及びレーザ光源の詳細な構成(図(b))を示す図である。 図3は本発明の実施の形態2によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、レーザ投射部を構成する走査型光学系を示している。 図4は本発明の実施の形態3によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、背面投射型のレーザディスプレイ装置のアームを折り畳んだ状態(図(a))及びその使用時のアームを起こした状態(図(b))を示している。 図5は本発明の実施の形態4によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、背面投射型のレーザディスプレイ装置の、光源を倒した状態(図(a))、及び使用時の光源を起こした状態(図(b))を示している。 図6は本実施の形態5によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、スクリーンを折りたたんだ状態(図(a))、スクリーンを広げた状態(図(b))、及び使用時のアームを起こした状態(図(c))を示している。 図7は上記実施の形態5によるレーザディスプレイ装置の折畳式スクリーンを広げる手順を説明する図であり、スクリーンを折り畳んだ状態(図(a))、スクリーンを広げる途中の状態(図(b))、及びスクリーンを広げた状態(図(c))を示している。 図8は本発明の実施の形態6によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、スクリーンを折り畳んだ状態(図(a))、及びスクリーンを広げた状態(図(b))を示している。
符号の説明
101、401、501、601 レーザ投射部
102、502、602、801 アーム
103、603 スクリーン
201 光源
202 2次元スイッチ
203 プリズム
204 レンズ
205a〜205c RGB光源
206 回折素子
301a〜301c 光源
302、303 ミラー
502 支持台
602a〜602c 第1〜3の筒状アーム部材
603a〜603d スクリーン片
701a〜701c 軸部材
801a 突起片
802b 嵌合凹部
803、804 支持ピン
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザディスプレイ装置100の概略構成を表す図である。
レーザディスプレイ装置100は、レーザ投射部101と、アーム102と、スクリーン103とを有しており、該レーザ投射部101は、スクリーン103に取り付けられたアーム102により支持されている。
レーザ投射部101は、レーザ光を出射する1つ以上のレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を、画像Iに変換する画像変換光学系とを有している。
アーム102の一端は、スクリーン103に回動可能に取り付けられており、その他端には、レーザ投射部101が回動可能に取り付けられている。ここで、スクリーン103に対するアーム102の起き上がり角度、及びスクリーン102に対するアーム102の水平方向の回転角度は一定範囲に制限されている。また、アー厶102に対するレーザ投射部101の可動範囲及び可動方向も、該レーザ投射部101からの出射光L1がスクリーン103上からはみ出さないよう制限されている。
このレーザディスプレイ装置100は、通常は、図1(a)に示すように、スクリーン103に対してレーザ投射部101とアーム102とを折り畳んだ状態にしておき、ディスプレイとして使用する場合、図1(b)に示すように、アーム102をスクリーン103に対して所定の高さまで起き上がらせ、レーザ投射部101をスクリーン103から一定距離離した状態とする。
このようにレーザディスプレイ装置100の使用時にレーザ投射部101とスクリーン103との間に距離をとることで、レーザ投射部101内の画像変換光学系を簡素化することができる。つまり、レーザ投射部101とスクリーン103との距離が近いと、スクリーン103に拡大する像の拡大率が大きくなるため、画像変換光学系が複雑になり、その小型化が難しい。さらに、画像変換光学系の収差により像がゆがむ場合があり、画像変換光学系に高い精度が要求される。これに対してアーム102によりレーザ投射部101をスクリーン103から離すことで、レーザ投射部101の構成の簡素化が可能となる。
また、アーム102によりレーザ投射部101をスクリーン103上に位置するよう支持することで、スクリーンに対するレーザ投射部101の移動範囲とレーザ投射時の位置を制限することができ、レーザ光L1がスクリーン103以外の部分に直接照射されることを防止することができる。また、レーザ投射を行うときのアーム102の位置と、レーザ駆動とを連動させれば、誤動作によりレーザが照射されることを防ぐことができる。例えば、アーム102にその回転角度を検出するセンサーを取り付けて、スクリーン103に対するアーム102の位置を検出するようにし、アーム102のスクリーンに対する位置が、レーザ照射を行っても安全な位置になるまでは、レーザディスプレイ装置100の電源がONにならないようにすることにより、レーザ光L1の誤照射を防止し、レーザディスプレイ装置100の安全性を高めることができる。
また、アーム102を起こしたときの、スクリーン103とレーザ投射部101との間のスペースは、人の頭部が誤って入り込むことがないような広さにしておく必要があり、具体的には、人の頭部が入らない、15cm以下にすることが望ましい。
次に、レーザ投射部101の詳細について説明する。
図2(a)は、レーザ投射部101の構成を表す図である。
図2(a)に示すように、レーザ投射部101は、レーザ光源201と、2次元スイッチ202と、プリズム203と、レンズ204とを有している。このうち、2次元スイッチ202、プリズム203、及びレンズ204は、レーザ光源201から出射されるレーザ光を画像Iに変換する画像変換光学系200を構成している。レーザ投射部101において、レーザ光源201から出たレーザ光は、画像変換光学系200により画像に変換され、スクリーン103上に照射される。
レーザ光を画像へ変換する方式は幾つかのものがあるが、例えば図2(a)に示すような2次元スイッチ202を利用した方法がある。レーザ光源201から出たレーザ光は、プリズム203を介して2次元スイッチ202上に投射され、2次元スイッチ202の像がレンズ204によってスクリーン103上に拡大投影されることにより画像が表示される。
2次元スイッチ202としては、液晶スイッチを用いる方式と、マイクロマシーンにより構成される2次元ミラースイッチを用いる方式がある。このうち、液晶スイッチは透過型と反射型のものがあり、何れの方式のものを用いてもよい。また、マイクロマシーンを利用する場合は、高い解像度と、高い光の利用効率を実現できる。なお、2次元スイッチ202を用いる場合は、画像変換光学系200によりレーザ光が拡大され、レーザ光のパワー密度が大きく低下するため、レーザディスプレイ装置100はより安全なものとなる。
図2(b)は、レーザ光源201の詳細な構成を表す図である。レーザ光源201は、RGB3色に対応する3原色レーザである光源205a〜205cと、回折素子206とを有している。
レーザ光源201のパッケージ内には、図2(b)に示すようにRGB3原色の面発光レーザ205a〜205cが設置され、それぞれのレーザ205a〜205cからの光は、回折素子206によりコリメートされてレーザ光L2となる。
レーザ205a〜205cとしては、半導体レーザ、または波長変換素子と半導体レーザとを組み合わせたものを用いることができる。例えば、赤色レーザ光は、AlGaAsP半導体レーザにより、青色レーザ光は、GaN半導体レーザにより実現することができる。また、緑色レーザ光は、半導体レーザを波長変換素子により波長変換することで実現できる。このとき、半導体レーザに高周波を重畳することで、光の時間的なコヒーレンスを低減することができる。つまり、半導体レーザに高周波を重畳すると、半導体レーザの発振波長スペクトルが拡大し、コヒーレンスが低下する。これにより、光源の集光特性が劣化し、より安全な光となる。さらに、レーザ光L1の干渉により発生するスペックルノイズを低減できるため、より高精細な画像表示を行うことができる。
以下、本実施の形態1のレーザディスプレイ装置100における、RGB光源の発振波長について簡単に説明する。レーザディスプレイ装置100において、波長と視感度とは密接な関係を有しており、使用する波長と必要な光強度は、視感度への影響を考慮した上で決定され、また波長と色再現性の広さは、色度への影響を考慮した上で決定される。このため、レーザディスプレイ装置100においては、RGB光源の発振波長が重要になる。
例えば、赤色の波長を640nmに固定し、緑色の波長を532nmに固定したとき、青色光は、その波長が430nm以下になると視感度が低下するため、青色を表現するために必要とするパワーが急増する。また、青色光は波長が460nm以上になると緑色の領域に近づくため、青色を表現するための大きなパワーが必用となるのみならず、表現可能な色範囲が狭くなり、さらには、色範囲を広範にするために、赤色のパワーを増大させる結果となる。一方、GaN半導体による青色レーザは、通常410nm近傍で高出力レーザが実現されている。この波長を長波長側にシフトさせるには、Inの添加量を増大させる必要があるが、Inの添加量を増大させると、Inの偏析により結晶組成が悪くなり、半導体レーザの信頼性、及び高出力特性が劣化する。このため、GaNを用いた青色レーザでは波長が455nm以下に設定することが望まれる。また、色再現性の観点からも、波長が短い青色光源を用いる方が、青色領域において表現できる色の範囲が広がるため好ましい。
以上の観点より、青色レーザの波長領域としては、430nm〜455nmとするのが好ましい。さらに好ましくは、440〜450nmが望まれる。この波長領域の青色光を用いることにより、必要パワーの低減による低消費電力化と高い色再現性を実現することができる。
赤色半導体レーザは、AlGaAs系半導体材料またはAlGaInP系半導体材料によって実現できる。その波長領域は、高出力化を実現するには、波長630〜650nmが好ましく、さらには、視感度、及び青色光の使用波長領域を拡大する意味からも640nm±5nmが最も好ましい。
緑色レーザはZnSe系半導体レーザにより実現可能である。ZnSe系半導体レーザは、ファブリペロー型半導体レーザにおいては導波路内の光パワー密度が高いため、信頼性を得るのが難しかった。しかしながら、本発明のような面発光レーザの構成とすることで、結晶内での光パワー密度の低減を図ることができ、高信頼性を確保することができる。色バランスを考慮した波長領域としては、510〜550nmの波長領域が必要であるが、半導体レーザの信頼性を考慮すると510〜520nmの領域において高い信頼性と高出力特性が実現できる。また、緑色半導体レーザは、GaNにInを大量にドーピングすることでも実現可能である。この場合でも波長領域500〜520nmとするのが望ましい。
さらに、色度範囲を拡大するために、上記3原色以外に第4の光を加えることで、色の再現性が大幅に向上する。加える色としては480nm近傍の青緑色である。この領域は、従来の3原色からなる色度範囲では実現出来なかった色の領域であり、表現できる色の範囲を大幅に拡大することが可能となる。
以上のような特性を有する光源205a〜205cの設置場所は、レーザ投射部101内に限らず、アーム102、あるいはスクリーン103に設置しても良い。この場合、光源205a〜205cとレーザ投射部101とを光学系、例えば光ファイバーで繋ぐことで、レーザ投射部101以外からのレーザ光の供給が可能となる。このように光源205a〜205cをレーザ投射部101以外の部分に設置することで、レーザ投射部101の小型化を図ることができ、レーザディスプレイ装置100の携帯性を向上させることができる。
次に、スクリーン103の詳細について説明する。
スクリーン103は、レーザ投射部101からのレーザ光L1を拡散するよう、微細な凹凸パターンが形成されている。この様な構造のスクリーンを使用することは2つの意味をもつ。
1つは、ディスプレイの視野角の制御である。レーザディスプレイ装置100の利用者は、スクリーン103上の画像を、レーザ投射部101からのレーザ光L1の反射光により認識する。このため反射光が拡散される範囲が視野角となる。スクリーン103の発散角度が広いほど、視野角は広くなるが、ディスプレイの明るさは低下する。このため、スクリーン103上に微細な凹凸パターンを形成して回折角を制限することにより、レーザパワーを抑えることができ、消費電力の低減を図ることが可能となる。また、拡散角度を変えることで、例えば視野角が狭い個人専用のものから、視野角が広い複数人観賞用のものに変換することも可能である。
さらに、回折素子を利用すれば、レーザ光L1の反射、または透過の方向に指向性を持たせることができる。レーザ光L1の照射方向とスクリーン103を見る人の位置関係は、レーザディスプレイ装置100の構成、例えばアーム102とスクリーン103の連結位置により複数のパターンが考えられる。スクリーン103上に現れる像をより明るく鮮明に見るためには、観察者の方向にレーザ光L1の反射光を効率よく集める必要がある。この機能を実現するために、回折素子は重要となる。レーザ光源は、コヒーレンスの高い光源であるため、レーザ光L2の波長スペクトルは非常に狭い。このため、回折素子の設計が非常に容易となる。また回折素子を、液晶等を用いて回折方向、回折角などを可変とした構造にすることで、レーザ光L1の回折方向、回折角等を自由に制御することが可能となる。例えば、明るい場所や、窓から入る明光が存在する場合には、レーザ光L1の回折方向を周辺の光の方向と異なる方向に指向性を持たせることで、より明るい画像を得ることができる。
スクリーン103に微細な凹凸パターンを形成するもう一つの理由は、安全性の確保である。レーザ光L1はコヒーレンスが高いため、スクリーン103からの反射光が何らかのレンズ作用により集光された場合に、高いパワー密度となる可能性がある。この問題を解決するためには、レーザ光L1のコヒーレンスを下げるのが有効である。コヒーレンスが低下すれば集光特性が劣化し、通常のランプ光と同様の環境で使用することが可能となる。これを実現するために、スクリーン103に微細な凹凸パターンを形成し、スクリーン103を拡散板として用いる。拡散板で反射または拡散板を透過したレーザ光L1は空間的なコヒーレンスが大きく低下するため、集光特性が大幅に低下する。これによって、高いパワー密度に集光されることが無くなり、安全性が向上する。
このように、本実施の形態1では、レーザ投射部101と、スクリーン103と、アーム102を備え、スクリーン103に対するレーザ投射部101の位置、及びレーザ投射部101からの光出射方向を、アーム102により制限することとしたので、レーザ投射部101から出射されるレーザ光L1が、スクリーン103以外の部分を直接照射することを防止することができ、これにより、レーザディスプレイ装置の安全性を確保することができる。
また、光源として半導体レーザを使用することとしたので、レーザディスプレイ装置の小型化を図ることができ、また、所定の波長範囲で半導体レーザを駆動することとしたので、低電力化を図ることが可能となる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、レーザディスプレイ装置におけるレーザ照射部の構成を示している。
この実施の形態2のレーザディスプレイ装置は、上記実施の形態1のレーザ投射部101における、2次元スイッチを用いた画像変換光学系200に代わる走査型光学系300を備えたものである。
図3において、301a〜301cは、RGBの3原色光源であり、302、及び303は、RGBの3原色光源361a〜301cから出射されたレーザ光を走査するミラーである。
走査型光学系300は、コリメートされたRGBの3原色光源301a〜301cから出たレーザ光を、ミラー302で水平方向に走査し、さらに、ミラー303で垂直方向に走査することで、スクリーン上に2次元の画像を表示するものである。走査ミラー302,303は光のロスが非常に小さく、効率よく光を利用することができるものである。
このような走査型光学系300を用いたレーザディスプレイ装置では、光ビームはコリメートされており、高いパワー密度を有するため、安全性により配慮する必要がある。
この安全性を高めるためには、スクリーン103に拡散機能を持たせ、スクリーン103から反射した光のコヒーレンスを大幅に低減することが好ましい。また、走査型光学系300内のレーザ光の走査が停止した場合に、自動的にレーザ光の照射を停止する安全装置を設けることが好ましい。なお、走査型光学系300において、レーザ光走査の方法としては、ポリゴンミラーを用いる方法や、マイクロマシーンを利用した方法などが利用可能である。特に、マイクロマシーンを利用すれば、超小型のレーザ投射部を実現することが可能となる。
また、レーザ投射部101を複数設けることにより、スクリーン103上におけるレーザ光L1の干渉を防止することができ、スペックルノイズをさらに低減することが可能となる。
このように本実施の形態2では、実施の形態1の2次元スイッチを用いた映像変換光学系に代わる、前記コヒーレント光源からの光を前記スクリーン上に2次元的な画像が形成されるよう走査するビーム走査器を備えたので、前記光学系の小型化が可能となり、ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、図4(a)はレーザディスプレイ装置400のアームを折り畳んだ状態、図4(b)はレーザディスプレイ装置400の使用時のアームを起こした状態を示している。
この実施の形態3のレーザディスプレイ装置400は、背面投写型のレーザディスプレイ装置400である。
このレーザディスプレイ装置400は、レーザ投射部401と、アーム402と、透過型スクリーン403とを有しており、該レーザ投射部401は、スクリーン403に取り付けられたアーム402により、スクリーン403の背面側に位置するよう支持されている。
ここで、レーザ投射部401は、実施の形態1のレーザ投射部101と同様、レーザ光を出射する1つ以上のレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を、画像Iに変換する画像変換光学系とを有している。
アーム402の一端は、スクリーン403に回動可能に取り付けられており、その他端には、レーザ投射部401が回動可能に取り付けられている。ここで、スクリーン403に対するアーム402の起き上がり角度、及びスクリーン402に対するアーム402の水平方向の回転角度は一定範囲に制限されており、また、アーム402に対するレーザ投射部401の可動範囲及び可動方向も一定範囲に制限されている。このように、アーム402とレーザ投射部401の可動範囲を一定の範囲に制限することにより、レーザ投射部401からの出射光L1の照射領域を、スクリーン403上の領域に限定することができる。
この実施の形態3のレーザディスプレイ装置400は、図1に示す実施の形態1の反射型のレーザディスプレイ装置100とは、アーム402を、スクリーン403の裏面側に起き上がらせ、レーザ光L1をスクリーン403の裏面から投射する点で大きく異なる。
レーザ投射部401から出たレーザ光L1は、スクリーン403に照射され、スクリーン403を透過したレーザ光L1が、画像Iとしてスクリーン403上に表示される。スクリーン403には、微細な凹凸が形成されており、レーザ光L1はスクリーン403上で拡散される。
このような構成の実施の形態3の背面投射型のレーザディスプレイ装置400では、上記実施の形態1の反射型のものと比べて、より安全性を高めることが可能である。例えば、レーザディスプレイ装置400において、スクリーン403の裏面側をカバー等で覆うことにより、スクリーン403に照射されるレーザ光を外部と完全に遮断することが可能となる。この場合、レーザ光L1が直接外部に照射される可能性は皆無となり、安全性は確実に確保される。また、スクリーン403に照射されたレーザ光L1は拡散されているため、空間コヒーレンシーが低下しており、通常のランプ光等と同様の安全基準で利用することが可能となる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、図5(a)はレーザディスプレイ装置500の、レーザ投射部の支持台を倒した状態を、図5(b)はレーザディスプレイ装置500の使用時の、レーザ投射部の支持台を起立させた状態を示している。
このレーザディスプレイ装置500は、レーザ投射部501と、支持台502と、スクリーン503とを有しており、該レーザ投射部501は、スクリーン503に取り付けられた回動可能に取り付けられた支持台502により、スクリーン503表面側に位置するよう支持されている。
ここで、レーザ投射部501は支持台502に固定されており、さらに支持台502は、スクリーン503に対して垂直に起立するようヒンジ等を用いて固定されている。スクリーン503は、拡散板としての機能と、回折効果とを得るために、周期的な凹凸構造が形成されている。
このレーザディスプレイ装置500は、図1に示す実施の形態1のレーザディスプレイ装置100で、レーザ照射部101を長尺のアーム102により支持し、スクリーン103の上方からレーザ光L1の照射を行うのとは異なり、レーザ照射部501を、スクリーン503に対して垂直に起立可能となるよう取り付けられた背の低い支持台502により支持し、レーザ投射部501の支持台502を起立させて、スクリーン503に対して側面近傍側からレーザ光の照射を行う。
この実施の形態4のレーザディスプレイ装置500では、レーザ投射部501から出たレーザ光L1は、スクリーン503により拡散、及び回折されて、スクリーン503に垂直な方向に反射する。これによって、スクリーン503を正面から見る人に向かって、画像変換された光を照射することができる。
このような構成の実施の形態4によれば、非常にコンパクトなレーザディスプレイ装置が実現できる。
なお、本実施の形態4では、反射型のレーザディスプレイ装置について説明したが、透過型のスクリーンを使用することにより、アーム起立型の背面投射型レーザディスプレイ装置を構成することが可能である。
また、レーザ投射部501の画像光学系は、図3に示すような走査型のものを用いるのが好ましい。これは、図2に示すようなレンズを用いる光学系では、レーザ投射部501からスクリーン103までの距離に応じた画像の歪みが生じ、かかる歪みを補正するための機構が別途必要となるためである。
さらに、上述した各実施の形態に係るレーザディスプレイ装置100,400,500は、そのレーザ投射部を、フォトディテクタ(図示せず)を有するものとしてもよい。このようにフォトディテクタを備えることで、レーザディスプレイの機能を大幅に向上することができる。例えば、フォトディテクタを備えることにより、スクリーン103上の画像Iをモニターすることができ、画像Iの色彩や明暗等をフィードバックすることで、より美しい画像を再現できる。
具体的には、画像の明るさや色調を検知することで、照射するレーザ光L1の強度や比率を制御し、いかなる場合においても最適な色調を再現することが可能となる。また、スクリーン103上に配置した画像情報を含む部材、例えば、文字が記載された原稿、にレーザ光L1を照射し、その反射光をフォトディテクタにより検知することで、画像情報を読みとるコピー機としても利用することが可能となる。特に、レーザ光源として、3原色レーザを用いれば、簡易なカラーコピー機を実現することができる。
また、安全性の観点からもフォトディテクタは有効である。例えば、レーザ投射部101とスクリーン103との間に異物が存在する場合や、レーザ投射部101内のレーザ光の走査が何らかの原因で止まった場合等に、フォトディテクタによりこれらの異常を検知して、レーザ照射を停止することができる。また、フォトディテクタによりレーザ光L1の反射光を検出することで、レーザ光L1の照射領域がスクリーン103から外れたことを検出することができ、レーザ光L1がスクリーン103以外を照射する場合に、レーザ光L1の照射を停止することにより、より安全性を向上することができる。このようにフォトディテクタを用いてレーザ光L1の誤照射を検知するようにすれば、安全性を確保するために必要な限定、例えば、アーム102の形状や硬度、あるいはレーザ投射部101の固定位置等、を緩和することができ、レーザディスプレイ装置の設計の自由度を大幅に拡大することができる。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係るレーザディスプレイ装置を説明する図である。
本実施の形態5に係るレーザディスプレイ装置600は、上記実施の形態1のレーザディスプレイ装置100において、アームを収縮可能とし、さらにスクリーンを折畳み可能とすることにより、安全性の確保を図ると共に、その携帯性を高めたものである。
図6(a)は、レーザディスプレイ装置600を折り畳んだ状態を、図6(b)はスクリーンを広げた状態を示し、図6(c)は、レーザディスプレイ装置600のアーム602を起こして使用する時の状態を示している。
レーザディスプレイ装置600は、図6(a)に示すように、レーザ投射部601と、アーム602と、スクリーン603とを有しており、レーザ投射部601は、スクリーン603に取り付けられたアーム602により支持されている。なお、レーザ投射部601は、上記実施の形態1と同じものである。
スクリーン603は、折り畳み式になっており、図6(a)に示す収納時の状態から、図6(b)あるいは図6(c)に示すように、拡大することが可能である。以下、このようなスクリーン603の構造について説明する。
図7は、スクリーン603の構造を説明するための図である。図7(a)は、スクリーン603を収納した状態を示し、図7(b)は、スクリーン603を拡大する途中の状態を示し、図7(c)は、スクリーン603を拡大した状態を示している。
スクリーン603は、図7に示すように、4枚のスクリーン片603a〜603dからなり、スクリーン片603aとスクリーン片603bとが軸部701aにより、スクリーン片603bとスクリーン片603cとが軸部701bにより、また、スクリーン片603cとスクリーン片603dとが軸部701cにより、これら4枚のスクリーン片からなる1つのスクリーン603が形成されるよう連結されている。
スクリーン603は、かかる構成により、図7(a)に示すように折畳んだ形態や、図7(c)に示すように拡大した形態をとることが可能となる。
なお、スクリーン603を拡大する機構は、上述のものに限らず、例えば、複数の薄いスクリーン片を蛇腹状に折畳み可能となるよう連結したものや、個々のスクリーン片をその側面に連結突起と連結溝を形成したものとし、個々のスクリーン片を、その連結突起と連結溝を用いて複数連結して、1つのスクリーンを組み立てるものであってもよい。また、スクリーン603の材質としては、硬質材料の他、形状記憶の材料などを利用することができる。
アーム602は、図6(b)に示すように、第1の筒状アーム部材602aと第2の筒状アーム部材602bと第3の筒状アーム部材602cとからなる。第2の筒状アーム部材602bは、第1の筒状アーム部材602aの内部に摺動可能に挿入されており、同様に、第3の筒状アーム部材602cは、第2の筒状アーム部材602bの内部に摺動可能に挿入されている。第1の筒状アーム部材602a、第2の筒状アーム部材602b、及び第3の筒状アーム部材602cのそれぞれには、係合片(図示せず)が設けられており、これらが互いに係合することにより、第2の筒状アーム部材602b、及び第3の筒状アーム部材602cが所定の長さ以上に伸長しないよう規制されている。このように、各筒状アーム部材のそれぞれが所定長以上に伸張することを防止することにより、レーザ光L1がスクリーン603以外の領域に直接照射されることを防止することができる。
次に、作用効果について説明する。
図6(a)に示す収納状態でレーザディスプレイ装置600を使用する場合は、アーム602を伸張させずにスクリーン603に対して所定の高さまで起き上がらせ、レーザ投射部601を所定の位置に固定し、レーザ光L1を照射する。
なお、スクリーン603の拡大とアーム602の伸張とをそれぞれ検出するセンサを設け、スクリーン603が拡大されていない状態でアーム602が伸張された場合に、レーザ光L1の照射を停止するよう、レーザ投射部601を制御することにより、レーザ光L1がスクリーン603以外を照射することを防止することができる。
また、レーザディスプレイ装置600を拡大して使用する場合は、図6(a)に示す状態から、図6(b)に示すように、スクリーン603を拡大し、アーム602を伸張する。さらに、図6(c)に示すように、アーム602をスクリーン603に対して所定の高さまで起立させ、レーザ投射部601を所定の位置に固定する。
ここで、レーザディスプレイ装置600は、アーム602の伸張にともない、レーザ光L1の投射面積を自動的に切り替えるようにしてもよい。このように、スクリーン603の大きさ、あるいはアーム602の長さに応じて、レーザ光L1の投射面積を自動的に調整することにより、レーザ光L1がスクリーン603以外の部分を直接照射することを防止することができる。
また、アーム602は、図6に示すものに限らず、図8に示すように、1つのアーム部材の一端を他のアーム部材の一端に嵌め込んで長さを変える嵌合式にしたものでも良い。以下、このような嵌合式のアームについて説明する。
図8(a)、及び図8(b)は、嵌合式のアームを説明するための図である。図8(a)は、スクリーン603を折畳んだ状態を示す側面図、図8(b)は、スクリーン603を拡大した状態を示す側面図である。
第1のアーム部材801と第2のアーム部材802とは、1つの長尺アーム810を構成するものであり、第1のアーム部材801、及び第2のアーム部材802のそれぞれは、支持ピン803,804により、スクリーン603に回転可能に取り付けられている。図8(a)に示すように、第1のアーム部材801の一端には、突起片801aが設けられ、第2のアーム部材802の一端には、該突起片801aと嵌合する嵌合凹部802bが形成されている。
レーザディスプレイ装置800を、スクリーン603を折り畳んだ状態で使用する場合は、図8(a)に示すように、第1のアーム部材801を、支持ピン803を支点として起き上がらせて、レーザ投射部601からレーザ光L1を、図6(a)に示す折り畳んだ状態603のスクリーンの表面(スクリーン片603aの表面)上に照射する。
一方、スクリーン603を拡大した状態で使用する場合は、図8(b)に示すように、第1のアーム部材801から支持ピン803を抜き取って第1のアーム部材801をスクリーン603から外し、第2のアーム部材802の一端の嵌合凹部802bを、第1のアーム部材801の一端の突起片801aに嵌め込む。そして、第2のアーム部材802を支持する支持ピン803を支点として、アーム602を所定の高さまで起き上がらせて、レーザ光L1を、広げたスクリーン603上に照射する。このようにアーム602を嵌合式にすることで、レーザ光L1の照射時のアーム長は、スクリーン603の大きさに応じたものとなり、レーザ光L1がスクリーン603以外の領域に直接照射されることを防止することができる。
以上のように、本実施の形態6のレーザディスプレイ装置600によれば、アーム602を伸縮可能な構造とし、スクリーン603を折畳み可能な構造としたので、レーザディスプレイ装置600の携帯性を大幅に向上させることが可能となる。
また、アーム602の長さやスクリーン603の大きさに合わせて、レーザ投射部601から投射されるレーザ光L1の投射範囲が、スクリーン603上の領域に限定されるよにしたので、レーザ光L1がスクリーン603以外の領域を直接照射することを防止することができ、携帯型のレーザディスプレイ装置600の安全性をより高めることが可能となる。
なお、本実施の形態6のレーザディスプレイ装置600は、上記実施の形態3の装置の様に、背面投射型のものとすることも可能であり、また、フォトディテクタを設けることにより、上述したように、レーザディスプレイ装置600の機能性、及び安全性を高めることができる。
本発明に係るレーザディスプレイ装置は、レーザ光をスクリーン上に投射して画像表示するレーザディスプレイ装置において、レーザ光がスクリーン以外に直接照射されるのを防止したもので、安全性に優れ、小型化によりモバイル用途への応用が可能なものであり、次世代の携帯用レーザディスプレイを実現する上で有用なものである。
本発明は、レーザ光照射による携帯型のディスプレイ装置に関する。
可視域のレーザ光源を用いたディスプレイは、小型化、低消費電力化が可能であり、RGBの3原色レーザを用いることでフルカラーの画像表示が可能になる。また、レーザは広い色度範囲を表現することが可能であり、特許文献1、あるいは特許文献2に示すレーザディスプレイ装置のように、レーザを光源として用いることで、高色彩な画像表示を実現することが出来る。
従来、レーザディスプレイは、固体レーザを光源とする屋外用ディスプレイや映画館などで用いられる比較的大型の表示装置を中心に開発されている。一方で、小型のレーザディスプレイは、光源を半導体レーザとすることで低消費電力化が可能になり、モバイル用途に適している。
しかしながら、レーザディスプレイをモバイル用途で利用するには、安全面において課題がある。一般にレーザ光源はコヒーレンシーが高く、指向性がよいため、集光すると高いパワー密度となるので、安全基準を確保した状態で使用するのが好ましい。光源出力にもよるが、集光したパワー密度の高いレーザ光が周囲の人に直接照射される可能性のある場合には、その利用が厳しく規制されている。
特開2003−279889号公報 特開平10−293268号公報
上述のように、レーザディスプレイをモバイル用途に利用する場合、レーザ照射光が周辺に照射される可能性がある。モバイル用途では、周りの人のことを考えて安全性を十分確保する必要がある。
例えば、ディスプレイ装置により画像を見る場合、画像の照度は重要な要素であり、光源としては10mW〜100mWの強度が必要となる。この場合、レーザ光がコヒーレンシーの高い状態で直接人に当たるのは避けなければならない。すなわち、レーザディスプレイにおいて、コヒーレンシーの高いレーザ光が直接人体に照射されないように、ディスプレイ装置を設計する必要がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、レーザ光がスクリーン以外に直接照射されることを防止し、かつ小型でモバイル用途への応用が可能なディスプレイ装置を得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、本願請求項1の発明に係るディスプレイ装置は、可視域の波長を有する少なくとも一つのコヒーレント光源と、前記コヒーレント光源からの光を映像に変換する映像変換光学系を有するレーザ投射部と、前記レーザ投射部からの光を投射するスクリーンと、前記スクリーンに取り付けられ、前記レーザ投射部を支持する支持部材と、を備え、前記レーザ投射部からの光を直接投射する領域を、前記スクリーン上の領域に限定した、ことを特徴とする。
これにより、レーザ光がスクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができ、安全にレーザディスプレイを駆動することが可能になる。
本願請求項2の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記レーザ投射部は、該レーザ投射部からの光が前記スクリーン上にのみ入射するよう、その可動範囲、及び可動方向を前記支持部材により制限したものである、ことを特徴とする。
これにより、レーザ光がスクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができる。
本願請求項3の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記レーザ投射部は、前記スクリーン上の前記レーザ光が照射されている領域と前記レーザ光が照射されていない領域とのレーザ光の強度差に応じて、レーザ光照射の強度を変化させる、ことを特徴とする。
これにより、ディスプレイ装置が使用される環境に応じた最適な画像を得ることができる。
本願請求項4の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記映像変換光学系は、前記コヒーレント光源からの光を空間的に変調する2次元スイッチアレイと、該2次元スイッチアレイの像を拡大投影するレンズ光学系とを有する、ことを特徴とする。
これにより、半導体レーザを光源とする、高精細、かつ高色調な画像を得ることができる。
本願請求項5の発明に係るディスプレイ装置は、前記映像変換光学系は、前記コヒーレント光源からの光を前記スクリーン上に2次元的な画像が形成されるよう走査するビーム走査器を有する、ことを特徴とする。
これにより、前記光学系の小型化が可能となり、ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
本願請求項6の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記コヒーレント光源は、少なくとも3つの光源を有し、それぞれの光源波長が430〜455nm、630〜650nm、及び510〜550nmであることを特徴とする。
これにより、表現色の再現性を高めることができ、かつ低消費電力化を図ることができる。
本願請求項7の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記スクリーンは、その表面積を2倍以上に拡張可能な折り畳み構造としたものである、ことを特徴とする
これにより、ディスプレイ装置の携帯性を高めることができる。
本願請求項8の発明に係るディスプレイ装置は、請求項7に記載のディスプレイ装置において、前記アームは、その長さを伸縮可能な構造としたものであり、前記スクリーン上での前記光学系からの光の投射面積は、前記アームの長さと前記スクリーンの面積とに連動して変化する、ことを特徴とする。
これにより、スクリーンの表面積を変えた場合でも、レーザ光がスクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができ、ディスプレイ装置の安全性を高めることができる。
本願請求項9の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記スクリーンは、拡散板により構成し、前記スクリーンで反射した反射光、または前記スクリーンを透過した透過光の回折角を、該反射光あるいは透過光が指向性を持つよう限定したものである、ことを特徴とする。
これにより、ディスプレイ装置の視野角を、その使用目的に応じて設定することができる。また、視野角を限定することにより、レーザパワーを抑えることができ、消費電力の低減を図ることが可能となる。
本願請求項10の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記スクリーンからの反射光の一部を検出するフォトディテクタを備え、前記レーザ投射部からの光の投射を、前記フォトディテクタが検出した反射光の状態に基づいて制御することを特徴とする。
これにより、画像のフィードバック制御が可能となり、高精細な画像を得ることができる。また、レーザ光の照射状況を検出し、必要な場合にはレーザ照射を停止することが可能となり、ディスプレイ装置の安全性を高めることができる。
本願請求項11の発明に係るディスプレイ装置は、請求項1に記載のディスプレイ装置において、前記コヒーレント光源を前記スクリーンに搭載し、前記コヒーレント光源からの光を、光伝達媒体により前記映像変換光学系へ供給する、ことを特徴とする。
これにより、光学系の小型化を図ることができ、ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
本願請求項12の発明に係るディスプレイ装置は、請求項11に記載のディスプレイ装置において、前記光伝達媒体は、光ファイバであることを特徴とする。
これにより、レーザ投射部以外の場所にコヒーレント光源を配置することができ、光学系の小型化を図ることができる。
本発明によれば、レーザ光を発するレーザ投射部とスクリーンとを、アームを介して連結し、前記アームによりレーザ投射部の角度、位置の調整範囲を限定することとしたので、レーザ投射部から発せられるレーザ光が前記スクリーン以外の部分に直接照射されることを防止することができ、安全にレーザディスプレイを駆動することが可能になる。
また、スクリーンをアームとともに折畳み可能としたので、ディスプレイ装置の携帯性を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るレーザディスプレイ装置100の概略構成を表す図である。
レーザディスプレイ装置100は、レーザ投射部101と、アーム102と、スクリーン103とを有しており、該レーザ投射部101は、スクリーン103に取り付けられたアーム102により支持されている。
レーザ投射部101は、レーザ光を出射する1つ以上のレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を、画像Iに変換する画像変換光学系とを有している。
アーム102の一端は、スクリーン103に回動可能に取り付けられており、その他端には、レーザ投射部101が回動可能に取り付けられている。ここで、スクリーン103に対するアーム102の起き上がり角度、及びスクリーン102に対するアーム102の水平方向の回転角度は一定範囲に制限されている。また、アーム102に対するレーザ投射部101の可動範囲及び可動方向も、該レーザ投射部101からの出射光L1がスクリーン103上からはみ出さないよう制限されている。
このレーザディスプレイ装置100は、通常は、図1(a)に示すように、スクリーン103に対してレーザ投射部101とアーム102とを折り畳んだ状態にしておき、ディスプレイとして使用する場合、図1(b)に示すように、アーム102をスクリーン103に対して所定の高さまで起き上がらせ、レーザ投射部101をスクリーン103から一定距離離した状態とする。
このようにレーザディスプレイ装置100の使用時にレーザ投射部101とスクリーン103との間に距離をとることで、レーザ投射部101内の画像変換光学系を簡素化することができる。つまり、レーザ投射部101とスクリーン103との距離が近いと、スクリーン103に拡大する像の拡大率が大きくなるため、画像変換光学系が複雑になり、その小型化が難しい。さらに、画像変換光学系の収差により像がゆがむ場合があり、画像変換光学系に高い精度が要求される。これに対してアーム102によりレーザ投射部101をスクリーン103から離すことで、レーザ投射部101の構成の簡素化が可能となる。
また、アーム102によりレーザ投射部101をスクリーン103上に位置するよう支持することで、スクリーンに対するレーザ投射部101の移動範囲とレーザ投射時の位置を制限することができ、レーザ光L1がスクリーン103以外の部分に直接照射されることを防止することができる。また、レーザ投射を行うときのアーム102の位置と、レーザ駆動とを連動させれば、誤動作によりレーザが照射されることを防ぐことができる。例えば、アーム102にその回転角度を検出するセンサーを取り付けて、スクリーン103に対するアーム102の位置を検出するようにし、アーム102のスクリーンに対する位置が、レーザ照射を行っても安全な位置になるまでは、レーザディスプレイ装置100の電源がONにならないようにすることにより、レーザ光L1の誤照射を防止し、レーザディスプレイ装置100の安全性を高めることができる。
また、アーム102を起こしたときの、スクリーン103とレーザ投射部101との間のスペースは、人の頭部が誤って入り込むことがないような広さにしておく必要があり、具体的には、人の頭部が入らない、15cm以下にすることが望ましい。
次に、レーザ投射部101の詳細について説明する。
図2(a)は、レーザ投射部101の構成を表す図である。
図2(a)に示すように、レーザ投射部101は、レーザ光源201と、2次元スイッチ202と、プリズム203と、レンズ204とを有している。このうち、2次元スイッチ202、プリズム203、及びレンズ204は、レーザ光源201から出射されるレーザ光を画像Iに変換する画像変換光学系200を構成している。レーザ投射部101において、レーザ光源201から出たレーザ光は、画像変換光学系200により画像に変換され、スクリーン103上に照射される。
レーザ光を画像へ変換する方式は幾つかのものがあるが、例えば図2(a)に示すような2次元スイッチ202を利用した方法がある。レーザ光源201から出たレーザ光は、プリズム203を介して2次元スイッチ202上に投射され、2次元スイッチ202の像がレンズ204によってスクリーン103上に拡大投影されることにより画像が表示される。
2次元スイッチ202としては、液晶スイッチを用いる方式と、マイクロマシーンにより構成される2次元ミラースイッチを用いる方式がある。このうち、液晶スイッチは透過型と反射型のものがあり、何れの方式のものを用いてもよい。また、マイクロマシーンを利用する場合は、高い解像度と、高い光の利用効率を実現できる。なお、2次元スイッチ202を用いる場合は、画像変換光学系200によりレーザ光が拡大され、レーザ光のパワー密度が大きく低下するため、レーザディスプレイ装置100はより安全なものとなる。
図2(b)は、レーザ光源201の詳細な構成を表す図である。レーザ光源201は、RGB3色に対応する3原色レーザである光源205a〜205cと、回折素子206とを有している。
レーザ光源201のパッケージ内には、図2(b)に示すようにRGB3原色の面発光レーザ205a〜205cが設置され、それぞれのレーザ205a〜205cからの光は、回折素子206によりコリメートされてレーザ光L2となる。
レーザ205a〜205cとしては、半導体レーザ、または波長変換素子と半導体レーザとを組み合わせたものを用いることができる。例えば、赤色レーザ光は、AlGaAsP半導体レーザにより、青色レーザ光は、GaN半導体レーザにより実現することができる。また、緑色レーザ光は、半導体レーザを波長変換素子により波長変換することで実現できる。このとき、半導体レーザに高周波を重畳することで、光の時間的なコヒーレンスを低減することができる。つまり、半導体レーザに高周波を重畳すると、半導体レーザの発振波長スペクトルが拡大し、コヒーレンスが低下する。これにより、光源の集光特性が劣化し、より安全な光となる。さらに、レーザ光L1の干渉により発生するスペックルノイズを低減できるため、より高精細な画像表示を行うことができる。
以下、本実施の形態1のレーザディスプレイ装置100における、RGB光源の発振波長について簡単に説明する。レーザディスプレイ装置100において、波長と視感度とは密接な関係を有しており、使用する波長と必要な光強度は、視感度への影響を考慮した上で決定され、また波長と色再現性の広さは、色度への影響を考慮した上で決定される。このため、レーザディスプレイ装置100においては、RGB光源の発振波長が重要になる。
例えば、赤色の波長を640nmに固定し、緑色の波長を532nmに固定したとき、青色光は、その波長が430nm以下になると視感度が低下するため、青色を表現するために必要とするパワーが急増する。また、青色光は波長が460nm以上になると緑色の領域に近づくため、青色を表現するための大きなパワーが必用となるのみならず、表現可能な色範囲が狭くなり、さらには、色範囲を広範にするために、赤色のパワーを増大させる結果となる。一方、GaN半導体による青色レーザは、通常410nm近傍で高出力レーザが実現されている。この波長を長波長側にシフトさせるには、Inの添加量を増大させる必要があるが、Inの添加量を増大させると、Inの偏析により結晶組成が悪くなり、半導体レーザの信頼性、及び高出力特性が劣化する。このため、GaNを用いた青色レーザでは波長が455nm以下に設定することが望まれる。また、色再現性の観点からも、波長が短い青色光源を用いる方が、青色領域において表現できる色の範囲が広がるため好ましい。
以上の観点より、青色レーザの波長領域としては、430nm〜455nmとするのが好ましい。さらに好ましくは、440〜450nmが望まれる。この波長領域の青色光を用いることにより、必要パワーの低減による低消費電力化と高い色再現性を実現することができる。
赤色半導体レーザは、AlGaAs系半導体材料またはAlGaInP系半導体材料によって実現できる。その波長領域は、高出力化を実現するには、波長630〜650nmが好ましく、さらには、視感度、及び青色光の使用波長領域を拡大する意味からも640nm±5nmが最も好ましい。
緑色レーザはZnSe系半導体レーザにより実現可能である。ZnSe系半導体レーザは、ファブリペロー型半導体レーザにおいては導波路内の光パワー密度が高いため、信頼性を得るのが難しかった。しかしながら、本発明のような面発光レーザの構成とすることで、結晶内での光パワー密度の低減を図ることができ、高信頼性を確保することができる。色バランスを考慮した波長領域としては、510〜550nmの波長領域が必要であるが、半導体レーザの信頼性を考慮すると510〜520nmの領域において高い信頼性と高出力特性が実現できる。また、緑色半導体レーザは、GaNにInを大量にドーピングすることでも実現可能である。この場合でも波長領域500〜520nmとするのが望ましい。
さらに、色度範囲を拡大するために、上記3原色以外に第4の光を加えることで、色の再現性が大幅に向上する。加える色としては480nm近傍の青緑色である。この領域は、従来の3原色からなる色度範囲では実現出来なかった色の領域であり、表現できる色の範囲を大幅に拡大することが可能となる。
以上のような特性を有する光源205a〜205cの設置場所は、レーザ投射部101内に限らず、アーム102、あるいはスクリーン103に設置しても良い。この場合、光源205a〜205cとレーザ投射部101とを光学系、例えば光ファイバーで繋ぐことで、レーザ投射部101以外からのレーザ光の供給が可能となる。このように光源205a〜205cをレーザ投射部101以外の部分に設置することで、レーザ投射部101の小型化を図ることができ、レーザディスプレイ装置100の携帯性を向上させることができる。
次に、スクリーン103の詳細について説明する。
スクリーン103は、レーザ投射部101からのレーザ光L1を拡散するよう、微細な凹凸パターンが形成されている。この様な構造のスクリーンを使用することは2つの意味をもつ。
1つは、ディスプレイの視野角の制御である。レーザディスプレイ装置100の利用者は、スクリーン103上の画像を、レーザ投射部101からのレーザ光L1の反射光により認識する。このため反射光が拡散される範囲が視野角となる。スクリーン103の発散角度が広いほど、視野角は広くなるが、ディスプレイの明るさは低下する。このため、スクリーン103上に微細な凹凸パターンを形成して回折角を制限することにより、レーザパワーを抑えることができ、消費電力の低減を図ることが可能となる。また、拡散角度を変えることで、例えば視野角が狭い個人専用のものから、視野角が広い複数人観賞用のものに変換することも可能である。
さらに、回折素子を利用すれば、レーザ光L1の反射、または透過の方向に指向性を持たせることができる。レーザ光L1の照射方向とスクリーン103を見る人の位置関係は、レーザディスプレイ装置100の構成、例えばアーム102とスクリーン103の連結位置により複数のパターンが考えられる。スクリーン103上に現れる像をより明るく鮮明に見るためには、観察者の方向にレーザ光L1の反射光を効率よく集める必要がある。この機能を実現するために、回折素子は重要となる。レーザ光源は、コヒーレンスの高い光源であるため、レーザ光L2の波長スペクトルは非常に狭い。このため、回折素子の設計が非常に容易となる。また回折素子を、液晶等を用いて回折方向、回折角などを可変とした構造にすることで、レーザ光L1の回折方向、回折角等を自由に制御することが可能となる。例えば、明るい場所や、窓から入る明光が存在する場合には、レーザ光L1の回折方向を周辺の光の方向と異なる方向に指向性を持たせることで、より明るい画像を得ることができる。
スクリーン103に微細な凹凸パターンを形成するもう一つの理由は、安全性の確保である。レーザ光L1はコヒーレンスが高いため、スクリーン103からの反射光が何らかのレンズ作用により集光された場合に、高いパワー密度となる可能性がある。この問題を解決するためには、レーザ光L1のコヒーレンスを下げるのが有効である。コヒーレンスが低下すれば集光特性が劣化し、通常のランプ光と同様の環境で使用することが可能となる。これを実現するために、スクリーン103に微細な凹凸パターンを形成し、スクリーン103を拡散板として用いる。拡散板で反射または拡散板を透過したレーザ光L1は空間的なコヒーレンスが大きく低下するため、集光特性が大幅に低下する。これによって、高いパワー密度に集光されることが無くなり、安全性が向上する。
このように、本実施の形態1では、レーザ投射部101と、スクリーン103と、アーム102を備え、スクリーン103に対するレーザ投射部101の位置、及びレーザ投射部101からの光出射方向を、アーム102により制限することとしたので、レーザ投射部101から出射されるレーザ光L1が、スクリーン103以外の部分を直接照射することを防止することができ、これにより、レーザディスプレイ装置の安全性を確保することができる。
また、光源として半導体レーザを使用することとしたので、レーザディスプレイ装置の小型化を図ることができ、また、所定の波長範囲で半導体レーザを駆動することとしたので、低電力化を図ることが可能となる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、レーザディスプレイ装置におけるレーザ照射部の構成を示している。
この実施の形態2のレーザディスプレイ装置は、上記実施の形態1のレーザ投射部101における、2次元スイッチを用いた画像変換光学系200に代わる走査型光学系300を備えたものである。
図3において、301a〜301cは、RGBの3原色光源であり、302、及び303は、RGBの3原色光源301a〜301cから出射されたレーザ光を走査するミラーである。
走査型光学系300は、コリメートされたRGBの3原色光源301a〜301cから出たレーザ光を、ミラー302で水平方向に走査し、さらに、ミラー303で垂直方向に走査することで、スクリーン上に2次元の画像を表示するものである。走査ミラー302,303は光のロスが非常に小さく、効率よく光を利用することができるものである。
このような走査型光学系300を用いたレーザディスプレイ装置では、光ビームはコリメートされており、高いパワー密度を有するため、安全性により配慮する必要がある。
この安全性を高めるためには、スクリーン103に拡散機能を持たせ、スクリーン103から反射した光のコヒーレンスを大幅に低減することが好ましい。また、走査型光学系300内のレーザ光の走査が停止した場合に、自動的にレーザ光の照射を停止する安全装置を設けることが好ましい。なお、走査型光学系300において、レーザ光走査の方法としては、ポリゴンミラーを用いる方法や、マイクロマシーンを利用した方法などが利用可能である。特に、マイクロマシーンを利用すれば、超小型のレーザ投射部を実現することが可能となる。
また、レーザ投射部101を複数設けることにより、スクリーン103上におけるレーザ光L1の干渉を防止することができ、スペックルノイズをさらに低減することが可能となる。
このように本実施の形態2では、実施の形態1の2次元スイッチを用いた映像変換光学系に代わる、前記コヒーレント光源からの光を前記スクリーン上に2次元的な画像が形成されるよう走査するビーム走査器を備えたので、前記光学系の小型化が可能となり、ディスプレイ装置の小型化が可能となる。
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、図4(a)はレーザディスプレイ装置400のアームを折り畳んだ状態、図4(b)はレーザディスプレイ装置400の使用時のアームを起こした状態を示している。
この実施の形態3のレーザディスプレイ装置400は、背面投写型のレーザディスプレイ装置400である。
このレーザディスプレイ装置400は、レーザ投射部401と、アーム402と、透過型スクリーン403とを有しており、該レーザ投射部401は、スクリーン403に取り付けられたアーム402により、スクリーン403の背面側に位置するよう支持されている。
ここで、レーザ投射部401は、実施の形態1のレーザ投射部101と同様、レーザ光を出射する1つ以上のレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されるレーザ光を、画像Iに変換する画像変換光学系とを有している。
アーム402の一端は、スクリーン403に回動可能に取り付けられており、その他端には、レーザ投射部401が回動可能に取り付けられている。ここで、スクリーン403に対するアーム402の起き上がり角度、及びスクリーン402に対するアーム402の水平方向の回転角度は一定範囲に制限されており、また、アーム402に対するレーザ投射部401の可動範囲及び可動方向も一定範囲に制限されている。このように、アーム402とレーザ投射部401の可動範囲を一定の範囲に制限することにより、レーザ投射部401からの出射光L1の照射領域を、スクリーン403上の領域に限定することができる。
この実施の形態3のレーザディスプレイ装置400は、図1に示す実施の形態1の反射型のレーザディスプレイ装置100とは、アーム402を、スクリーン403の裏面側に起き上がらせ、レーザ光L1をスクリーン403の裏面から投射する点で大きく異なる。
レーザ投射部401から出たレーザ光L1は、スクリーン403に照射され、スクリーン403を透過したレーザ光L1が、画像Iとしてスクリーン403上に表示される。スクリーン403には、微細な凹凸が形成されており、レーザ光L1はスクリーン403上で拡散される。
このような構成の実施の形態3の背面投射型のレーザディスプレイ装置400では、上記実施の形態1の反射型のものと比べて、より安全性を高めることが可能である。例えば、レーザディスプレイ装置400において、スクリーン403の裏面側をカバー等で覆うことにより、スクリーン403に照射されるレーザ光を外部と完全に遮断することが可能となる。この場合、レーザ光L1が直接外部に照射される可能性は皆無となり、安全性は確実に確保される。また、スクリーン403に照射されたレーザ光L1は拡散されているため、空間コヒーレンシーが低下しており、通常のランプ光等と同様の安全基準で利用することが可能となる。
(実施の形態4)
図5は、本発明の実施の形態4によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、図5(a)はレーザディスプレイ装置500の、レーザ投射部の支持台を倒した状態を、図5(b)はレーザディスプレイ装置500の使用時の、レーザ投射部の支持台を起立させた状態を示している。
このレーザディスプレイ装置500は、レーザ投射部501と、支持台502と、スクリーン503とを有しており、該レーザ投射部501は、スクリーン503に回動可能に取り付けられた支持台502により、スクリーン503表面側に位置するよう支持されている。
ここで、レーザ投射部501は支持台502に固定されており、さらに支持台502は、スクリーン503に対して垂直に起立するようヒンジ等を用いて固定されている。スクリーン503は、拡散板としての機能と、回折効果とを得るために、周期的な凹凸構造が形成されている。
このレーザディスプレイ装置500は、図1に示す実施の形態1のレーザディスプレイ装置100で、レーザ照射部101を長尺のアーム102により支持し、スクリーン103の上方からレーザ光L1の照射を行うのとは異なり、レーザ照射部501を、スクリーン503に対して垂直に起立可能となるよう取り付けられた背の低い支持台502により支持し、レーザ投射部501の支持台502を起立させて、スクリーン503に対して側面近傍側からレーザ光の照射を行う。
この実施の形態4のレーザディスプレイ装置500では、レーザ投射部501から出たレーザ光L1は、スクリーン503により拡散、及び回折されて、スクリーン503に垂直な方向に反射する。これによって、スクリーン503を正面から見る人に向かって、画像変換された光を照射することができる。
このような構成の実施の形態4によれば、非常にコンパクトなレーザディスプレイ装置が実現できる。
なお、本実施の形態4では、反射型のレーザディスプレイ装置について説明したが、透過型のスクリーンを使用することにより、アーム起立型の背面投射型レーザディスプレイ装置を構成することが可能である。
また、レーザ投射部501の画像光学系は、図3に示すような走査型のものを用いるのが好ましい。これは、図2に示すようなレンズを用いる光学系では、レーザ投射部501からスクリーン103までの距離に応じた画像の歪みが生じ、かかる歪みを補正するための機構が別途必要となるためである。
さらに、上述した各実施の形態に係るレーザディスプレイ装置100,400,500は、そのレーザ投射部を、フォトディテクタ(図示せず)を有するものとしてもよい。このようにフォトディテクタを備えることで、レーザディスプレイの機能を大幅に向上することができる。例えば、フォトディテクタを備えることにより、スクリーン103上の画像Iをモニターすることができ、画像Iの色彩や明暗等をフィードバックすることで、より美しい画像を再現できる。
具体的には、画像の明るさや色調を検知することで、照射するレーザ光L1の強度や比率を制御し、いかなる場合においても最適な色調を再現することが可能となる。また、スクリーン103上に配置した画像情報を含む部材、例えば、文字が記載された原稿、にレーザ光L1を照射し、その反射光をフォトディテクタにより検知することで、画像情報を読みとるコピー機としても利用することが可能となる。特に、レーザ光源として、3原色レーザを用いれば、簡易なカラーコピー機を実現することができる。
また、安全性の観点からもフォトディテクタは有効である。例えば、レーザ投射部101とスクリーン103との間に異物が存在する場合や、レーザ投射部101内のレーザ光の走査が何らかの原因で止まった場合等に、フォトディテクタによりこれらの異常を検知して、レーザ照射を停止することができる。また、フォトディテクタによりレーザ光L1の反射光を検出することで、レーザ光L1の照射領域がスクリーン103から外れたことを検出することができ、レーザ光L1がスクリーン103以外を照射する場合に、レーザ光L1の照射を停止することにより、より安全性を向上することができる。このようにフォトディテクタを用いてレーザ光L1の誤照射を検知するようにすれば、安全性を確保するために必要な限定、例えば、アーム102の形状や硬度、あるいはレーザ投射部101の固定位置等、を緩和することができ、レーザディスプレイ装置の設計の自由度を大幅に拡大することができる。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5に係るレーザディスプレイ装置を説明する図である。
本実施の形態5に係るレーザディスプレイ装置600は、上記実施の形態1のレーザディスプレイ装置100において、アームを収縮可能とし、さらにスクリーンを折畳み可能とすることにより、安全性の確保を図ると共に、その携帯性を高めたものである。
図6(a)は、レーザディスプレイ装置600を折り畳んだ状態を、図6(b)はスクリーンを広げた状態を示し、図6(c)は、レーザディスプレイ装置600のアーム602を起こして使用する時の状態を示している。
レーザディスプレイ装置600は、図6(a)に示すように、レーザ投射部601と、アーム602と、スクリーン603とを有しており、レーザ投射部601は、スクリーン603に取り付けられたアーム602により支持されている。なお、レーザ投射部601は、上記実施の形態1と同じものである。
スクリーン603は、折り畳み式になっており、図6(a)に示す収納時の状態から、図6(b)あるいは図6(c)に示すように、拡大することが可能である。以下、このようなスクリーン603の構造について説明する。
図7は、スクリーン603の構造を説明するための図である。図7(a)は、スクリーン603を収納した状態を示し、図7(b)は、スクリーン603を拡大する途中の状態を示し、図7(c)は、スクリーン603を拡大した状態を示している。
スクリーン603は、図7に示すように、4枚のスクリーン片603a〜603dからなり、スクリーン片603aとスクリーン片603bとが軸部701aにより、スクリーン片603bとスクリーン片603cとが軸部701bにより、また、スクリーン片603cとスクリーン片603dとが軸部701cにより、これら4枚のスクリーン片からなる1つのスクリーン603が形成されるよう連結されている。
スクリーン603は、かかる構成により、図7(a)に示すように折畳んだ形態や、図7(c)に示すように拡大した形態をとることが可能となる。
なお、スクリーン603を拡大する機構は、上述のものに限らず、例えば、複数の薄いスクリーン片を蛇腹状に折畳み可能となるよう連結したものや、個々のスクリーン片をその側面に連結突起と連結溝を形成したものとし、個々のスクリーン片を、その連結突起と連結溝を用いて複数連結して、1つのスクリーンを組み立てるものであってもよい。また、スクリーン603の材質としては、硬質材料の他、形状記憶の材料などを利用することができる。
アーム602は、図6(b)に示すように、第1の筒状アーム部材602aと第2の筒状アーム部材602bと第3の筒状アーム部材602cとからなる。第2の筒状アーム部材602bは、第1の筒状アーム部材602aの内部に摺動可能に挿入されており、同様に、第3の筒状アーム部材602cは、第2の筒状アーム部材602bの内部に摺動可能に挿入されている。第1の筒状アーム部材602a、第2の筒状アーム部材602b、及び第3の筒状アーム部材602cのそれぞれには、係合片(図示せず)が設けられており、これらが互いに係合することにより、第2の筒状アーム部材602b、及び第3の筒状アーム部材602cが所定の長さ以上に伸長しないよう規制されている。このように、各筒状アーム部材のそれぞれが所定長以上に伸張することを防止することにより、レーザ光L1がスクリーン603以外の領域に直接照射されることを防止することができる。
次に、作用効果について説明する。
図6(a)に示す収納状態でレーザディスプレイ装置600を使用する場合は、アーム602を伸張させずにスクリーン603に対して所定の高さまで起き上がらせ、レーザ投射部601を所定の位置に固定し、レーザ光L1を照射する。
なお、スクリーン603の拡大とアーム602の伸張とをそれぞれ検出するセンサを設け、スクリーン603が拡大されていない状態でアーム602が伸張された場合に、レーザ光L1の照射を停止するよう、レーザ投射部601を制御することにより、レーザ光L1がスクリーン603以外を照射することを防止することができる。
また、レーザディスプレイ装置600を拡大して使用する場合は、図6(a)に示す状態から、図6(b)に示すように、スクリーン603を拡大し、アーム602を伸張する。さらに、図6(c)に示すように、アーム602をスクリーン603に対して所定の高さまで起立させ、レーザ投射部601を所定の位置に固定する。
ここで、レーザディスプレイ装置600は、アーム602の伸張にともない、レーザ光L1の投射面積を自動的に切り替えるようにしてもよい。このように、スクリーン603の大きさ、あるいはアーム602の長さに応じて、レーザ光L1の投射面積を自動的に調整することにより、レーザ光L1がスクリーン603以外の部分を直接照射することを防止することができる。
また、アーム602は、図6に示すものに限らず、図8に示すように、1つのアーム部材の一端を他のアーム部材の一端に嵌め込んで長さを変える嵌合式にしたものでも良い。以下、このような嵌合式のアームについて説明する。
図8(a)、及び図8(b)は、嵌合式のアームを説明するための図である。図8(a)は、スクリーン603を折畳んだ状態を示す側面図、図8(b)は、スクリーン603を拡大した状態を示す側面図である。
第1のアーム部材801と第2のアーム部材802とは、1つの長尺アーム810を構成するものであり、第1のアーム部材801、及び第2のアーム部材802のそれぞれは、支持ピン803,804により、スクリーン603に回転可能に取り付けられている。図8(a)に示すように、第1のアーム部材801の一端には、突起片801aが設けられ、第2のアーム部材802の一端には、該突起片801aと嵌合する嵌合凹部802bが形成されている。
レーザディスプレイ装置800を、スクリーン603を折り畳んだ状態で使用する場合は、図8(a)に示すように、第1のアーム部材801を、支持ピン803を支点として起き上がらせて、レーザ投射部601からレーザ光L1を、図6(a)に示す折り畳んだ状態603のスクリーンの表面(スクリーン片603aの表面)上に照射する。
一方、スクリーン603を拡大した状態で使用する場合は、図8(b)に示すように、第1のアーム部材801から支持ピン803を抜き取って第1のアーム部材801をスクリーン603から外し、第2のアーム部材802の一端の嵌合凹部802bを、第1のアーム部材801の一端の突起片801aに嵌め込む。そして、第2のアーム部材802を支持する支持ピン803を支点として、アーム602を所定の高さまで起き上がらせて、レーザ光L1を、広げたスクリーン603上に照射する。このようにアーム602を嵌合式にすることで、レーザ光L1の照射時のアーム長は、スクリーン603の大きさに応じたものとなり、レーザ光L1がスクリーン603以外の領域に直接照射されることを防止することができる。
以上のように、本実施の形態6のレーザディスプレイ装置600によれば、アーム602を伸縮可能な構造とし、スクリーン603を折畳み可能な構造としたので、レーザディスプレイ装置600の携帯性を大幅に向上させることが可能となる。
また、アーム602の長さやスクリーン603の大きさに合わせて、レーザ投射部601から投射されるレーザ光L1の投射範囲が、スクリーン603上の領域に限定されるよにしたので、レーザ光L1がスクリーン603以外の領域を直接照射することを防止することができ、携帯型のレーザディスプレイ装置600の安全性をより高めることが可能となる。
なお、本実施の形態6のレーザディスプレイ装置600は、上記実施の形態3の装置の様に、背面投射型のものとすることも可能であり、また、フォトディテクタを設けることにより、上述したように、レーザディスプレイ装置600の機能性、及び安全性を高めることができる。
本発明に係るレーザディスプレイ装置は、レーザ光をスクリーン上に投射して画像表示するレーザディスプレイ装置において、レーザ光がスクリーン以外に直接照射されるのを防止したもので、安全性に優れ、小型化によりモバイル用途への応用が可能なものであり、次世代の携帯用レーザディスプレイを実現する上で有用なものである。
図1は本発明の実施の形態1によるレーザディスプレイ装置の概略構成を示す図であり、レーザディスプレイ装置のアームを折り畳んだ状態(図(a))、及びレーザディスプレイ装置の使用時のアームを起こした状態(図(b))を示している。 図2は上記実施の形態1のレーザディスプレイ装置におけるレーザ投射部の構成(図(a))、及びレーザ光源の詳細な構成(図(b))を示す図である。 図3は本発明の実施の形態2によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、レーザ投射部を構成する走査型光学系を示している。 図4は本発明の実施の形態3によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、背面投射型のレーザディスプレイ装置のアームを折り畳んだ状態(図(a))及びその使用時のアームを起こした状態(図(b))を示している。 図5は本発明の実施の形態4によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、背面投射型のレーザディスプレイ装置の、光源を倒した状態(図(a))、及び使用時の光源を起こした状態(図(b))を示している。 図6は本実施の形態5によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、スクリーンを折りたたんだ状態(図(a))、スクリーンを広げた状態(図(b))、及び使用時のアームを起こした状態(図(c))を示している。 図7は上記実施の形態5によるレーザディスプレイ装置の折畳式スクリーンを広げる手順を説明する図であり、スクリーンを折り畳んだ状態(図(a))、スクリーンを広げる途中の状態(図(b))、及びスクリーンを広げた状態(図(c))を示している。 図8は本発明の実施の形態6によるレーザディスプレイ装置を説明する図であり、スクリーンを折り畳んだ状態(図(a))、及びスクリーンを広げた状態(図(b))を示している。
符号の説明
101、401、501、601 レーザ投射部
102、502、602、801 アーム
103、603 スクリーン
201 光源
202 2次元スイッチ
203 プリズム
204 レンズ
205a〜205c RGB光源
206 回折素子
301a〜301c 光源
302、303 ミラー
502 支持台
602a〜602c 第1〜3の筒状アーム部材
603a〜603d スクリーン片
701a〜701c 軸部材
801a 突起片
802b 嵌合凹部
803、804 支持ピン

Claims (12)

  1. 可視域の波長を有する少なくとも一つのコヒーレント光源と、
    前記コヒーレント光源からの光を映像に変換する映像変換光学系を有するレーザ投射部と、
    前記レーザ投射部からの光を投射するスクリーンと、
    前記スクリーンに取り付けられ、前記レーザ投射部を支持する支持部材と、を備え、
    前記レーザ投射部からの光を直接投射する領域を、前記スクリーン上の領域に限定した、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  2. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記レーザ投射部は、該レーザ投射部からの光が前記スクリーン上にのみ入射するよう、その可動範囲、及び可動方向を前記支持部材により制限したものである、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  3. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記レーザ投射部は、前記スクリーン上の前記レーザ光が照射されている領域と前記レーザ光が照射されていない領域とのレーザ光の強度差に応じて、レーザ光照射の強度を変化させる、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  4. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記映像変換光学系は、前記コヒーレント光源からの光を空間的に変調する2次元スイッチアレイと、該2次元スイッチアレイの像を拡大投影するレンズ光学系とを有する、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  5. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記映像変換光学系は、前記コヒーレント光源からの光を前記スクリーン上に2次元的な画像が形成されるよう走査するビーム走査器を有する、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  6. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記コヒーレント光源は、少なくとも3つの光源を有し、それぞれの光源波長が430〜455nm、630〜650nm、及び510〜550nmである、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  7. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記スクリーンは、その表面積を2倍以上に拡張可能な折り畳み構造としたものである、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  8. 請求項7に記載のディスプレイ装置において、
    前記アームは、その長さを伸縮可能な構造としたものであり、
    前記スクリーン上での前記光学系からの光の投射面積は、前記アームの長さと前記スクリーンの面積とに連動して変化する、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  9. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記スクリーンは、拡散板により構成し、前記スクリーンで反射した反射光、または前記スクリーンを透過した透過光の回折角を、該反射光あるいは透過光が指向性を持つよう限定したものである、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  10. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記スクリーンからの反射光の一部を検出するフォトディテクタを備え、
    前記レーザ投射部からの光の投射を、前記フォトディテクタが検出した反射光の状態に基づいて制御する、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  11. 請求項1に記載のディスプレイ装置において、
    前記コヒーレント光源を前記スクリーンに搭載し、前記コヒーレント光源からの光を、光伝達媒体により前記映像変換光学系へ供給する、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
  12. 請求項11に記載のディスプレイ装置において、
    前記光伝達媒体は、光ファイバである、
    ことを特徴とするディスプレイ装置。
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