JPWO2005082823A1 - 新規分子化合物 - Google Patents

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夏樹 天野倉
佐原 徹哉
徹哉 佐原
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Abstract

本発明の課題は、分子の大きさ、官能基の種類等の制限なしに、有用物物質を固定化できる新たな分子化合物を提供することを目的とする。 少なくとも3成分よりなる分子化合物において、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及び2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を成分として含むことを特徴とする分子化合物である。

Description

本発明は新規分子化合物に関し、更に詳しくは3成分以上より構築される分子化合物に関する。
分子化合物は、2種以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される、比較的弱い相互作用によって結合した化合物である。特に、多分子包接化合物を用いた分子化合物においては、一つの分子が別の分子群の構築する結晶格子の中に閉じ込められることから、不安定化合物の安定化や活性化合物のコントロール、また簡単な操作によってもとの各成分化合物に解離することから、有用物質の選択的分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術分野において応用されている。
また、三成分以上の成分から構成される分子化合物としては、例えば、アントラキノン系化合物、ハイドロキノン、及びベンゼンからなる分子化合物、ピスナフトール、ハイドロキノン、及び種々の芳香族炭化水素化合物、芳香族イミン化合物、ヒドラジン化合物、またはアゾベンゼン化合物からなる分子化合物、アミノ安息香酸、トリニトロベンゼン、及びトリニトロ安息香酸が知られている。(非特許文献1〜3を参照)
また、本出願人によって、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、平均分子量1000のポリエチレングリコール、及びアレスリン又は塩化ベンザルコニウムからなる分子化合物を報告した。(特許文献1を参照)
Tetrehedron Letters,Vol.36,No.33,pp.5947−5950 Chemical Communication,2002,1788−1789 J.Chem.Soc.ChemicalCommunication,1992,300−301 WO01/42366号
しかし、従来の技術では、その結晶格子が比較的小さいため大きな分子は包接されにくく、十分な機能を有した化合物を包接しにくいという問題があった。また、3成分系においても、使用できるゲスト化合物が、ホスト化合物との関係で制限されるという問題があった。また、特許文献1記載の3成分系では、比較的緩やかな空間であり、結晶構造が緻密でないので、徐放性、安定性、不揮発生等の制御が難しいという問題があった。
本発明は、分子の大きさ、官能基の種類等の制限なしに、有用物質を固定化できる新たな分子化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、テトラキスアリール化合物等の3つ以上のフェノール性水酸基を有する自己会合性化合物と、グリコール化合物等の多価水酸基化合物等を組み合わせることにより、新たに第3成分を含む分子化合物を構築できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも3成分よりなる分子化合物において、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及び2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を成分として含むことを特徴とする分子化合物に関し、
(2)水素結合能がある官能基が、水酸基、カルボキシル基、または置換基を有していてもよいアミノ基であることを特徴とする(1)に記載の分子化合物、
(3)水素結合能がある官能基が、フェノール性水酸基であることを特徴とする(1)に記載の分子化合物、
(4)少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物が、式(I)
Figure 2005082823
(式中、Xは(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは0、1、2、又は3であり、Yは水酸基、カルボキシル基、置換基を有してもよいアミノ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、置換基されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の分子化合物、
(5)式(I)で表されるテトラキスアリール系化合物が、式(II)
Figure 2005082823
(式中、R、R、X、及びYは、前記と同じ意味を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする(4)に記載の分子化合物、
(6)2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物が、式(III)〜式(V)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の分子化合物、
Figure 2005082823
(式中、R11は、水素原子、または炭化水素基を表し、n1は、2以上の整数を表し、R11同士は、同一でも相異なっていてもよく、R11同士で結合して環を形成してもよい。)
Figure 2005082823
(式中、R12は、水素原子、または炭化水素基を表し、n2及びn3は、それぞれ独立に、2以上の整数を表し、R12同士、及びn2同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
Figure 2005082823
(式中、R13〜R18は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、R13またはR14とR15またはR16は結合して環を形成してもよく、R19は、水素原子、又は下記式
Figure 2005082823
(式中、R20及びR21は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、n6は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n6が2以上の場合、R20同士、R21同士は、同一でも相異なっていてもよい。)を表し、n4は、1以上の整数を表し、n5は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n4が2以上の場合、R17同士、R18同士、R19同士、及びn5同士は、同一でも相異なっていてもよく、n5が2以上の場合、R17同士、及びR18同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
(7)式(IV)で表される化合物の分子量が200未満であることを特徴とする(6)に記載の分子化合物、
(8)第3成分として、芳香族炭化水素化合物、またはヘテロ原子含有化合物を含むことを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の分子化合物に関する。
(9)少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及びゲスト化合物を、2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を溶媒として再結晶することを特徴とする分子化合の物製造方法に関し、
(10)水素結合能がある官能基が、水酸基、カルボキシル基、または置換基を有していてもよいアミノ基であることを特徴とする(9)に記載の分子化合物の製造方法、
(11)水素結合能がある官能基が、フェノール性水酸基であることを特徴とする(9)に記載の分子化合物の製造方法、
(12)少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物が、式(I)
Figure 2005082823
(式中、Xは(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは0、1、2、又は3であり、Yは水酸基、カルボキシル基、置換基を有してもよいアミノ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、置換基されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする(9)又は(10)に記載の分子化合物の製造方法、
(13)式(I)で表されるテトラキスアリール系化合物が、式(II)
Figure 2005082823
(式中、R、R、X、及びYは、前記と同じ意味を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする(12)に記載の分子化合物の製造方法、
(14)2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物が、式(III)〜式(V)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(9)〜(13)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法、
Figure 2005082823
(式中、R11は、水素原子、または炭化水素基を表し、n1は、2以上の整数を表し、R11同士は、同一でも相異なっていてもよく、R11同士で結合して環を形成してもよい。)
Figure 2005082823
(式中、R12は、水素原子、または炭化水素基を表し、n2及びn3は、それぞれ独立に2以上の整数を表し、R12同士、及びn2同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
Figure 2005082823
(式中、R13〜R18は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、R13またはR14とR15またはR16は結合して環を形成してもよく、R19は、水素原子、又は下記式
Figure 2005082823
(式中、R20及びR21は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、n6は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n6が2以上の場合、R20同士、R21同士は、同一でも相異なっていてもよい。)を表し、n4は、1以上の整数を表し、n5は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n4が2以上の場合、R17同士、R18同士、R19同士、及びn5同士は、同一でも相異なっていてもよく、n5が2以上の場合、R17同士、及びR18同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
(15)式(IV)で表される化合物の分子量が200未満であることを特徴とする(14)に記載の分子化合物の製造方法、
(16)ゲスト化合物が、芳香族炭化水素化合物、またはヘテロ原子含有化合物であることを特徴とする(9)〜(15)のいずれかに記載の分子化合物の製造方法に関する。
(17)少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及び2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を用いることを特徴とする包接化方法に関し、
(18)水素結合能がある官能基が、水酸基、カルボキシル基、または置換基を有していてもよいアミノ基であることを特徴とする(17)に記載の包接化方法、
(19)水素結合能がある官能基が、フェノール性水酸基であることを特徴とする(17)に記載の包接化方法、
(20)少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物が、式(I)
Figure 2005082823
(式中、Xは(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは0、1、2、又は3であり、Yは水酸基、カルボキシル基、置換基を有してもよいアミノ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、置換基されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする(17)又は(18)に記載の包接化方法、
(21)式(I)で表されるテトラキスアリール系化合物が、式(II)
Figure 2005082823
(式中、R、R、X、及びYは、前記と同じ意味を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする請求項20に記載の包接化方法。
22.2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物が、式(III)〜式(V)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(17)〜(21)のいずれかに記載の包接化方法、
Figure 2005082823
(式中、R11は、水素原子、または炭化水素基を表し、n1は、2以上の整数を表し、R11同士は、同一でも相異なっていてもよく、R11同士で結合して環を形成してもよい。)
Figure 2005082823
(式中、R12は、水素原子、または炭化水素基を表し、n2及びn3は、それぞれ独立に、2以上の整数を表し、R12同士、及びn2同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
Figure 2005082823
(式中、R13〜R18は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、R13またはR14とR15またはR16は結合して環を形成してもよく、R19は、水素原子、又は下記式
Figure 2005082823
(式中、R20及びR21は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、n6は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n6が2以上の場合、R20同士、R21同士は、同一でも相異なっていてもよい。)を表し、n4は、1以上の整数を表し、n5は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n4が2以上の場合、R17同士、R18同士、R19同士、及びn5同士は、同一でも相異なっていてもよく、n5が2以上の場合、R17同士、及びR18同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
(23)式(IV)で表される化合物の分子量が200未満であることを特徴とする(22)に記載の包接化方法。
(24)第3成分として、芳香族炭化水素化合物、またはヘテロ原子含有化合物を含むことを特徴とする(17)〜(23)のいずれかに記載の包接化方法に関する。
本発明の分子化合物は、少なくとも3成分から構成されており、そのうちの2成分として、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及び2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を含むことを特徴とする。
水素結合能がある官能基は、他の成分分子、または自己と水素結合を介して相互作用できる官能基であれば特に限定されないが、具体的には、水酸基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアミノ基を好ましく例示することができ、特にフェノール性水酸基を好ましく例示することができる。少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物の形状は特に限定されないが、具体的には、水素結合能がある官能基が、拡散方向、放射線方向に位置する化合物を特に好ましく例示することができる。
そのような化合物として、具体的には、式(I)で表されるテトラキスアリール化合物を例示することができる。式(I)中、Xは(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは0、1、2、又は3であり、Yは水酸基;カルボキシル基;アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基等の置換基を有してもよいアミノ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等の低級アルキル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−クロルフェニル基等の置換されていてもよいフェニル基、フッ素原子、クロル原子、臭素原子等のハロゲン原子、又はメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基等の低級アルコキシ基を表す。式(I)において、Y、R、及びRの置換位置は特に制限されないが、式(II)で表されるように、Yの置換位置が特定の場所である場合を好ましく例示することができる。
式(I)で表される化合物として具体的には1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,4,4−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,5,5−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5,−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5,−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、1,1,2,2−テトラキス(4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−(3−メチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−(3−クロロ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−(3−メチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−(3−クロロ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−アミノフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−アミノフェニル)エタン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−メチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−クロロ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−カルボキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−メチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−(3−クロロ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジクロロ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジブロモ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジ−t−ブチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフルオロ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジメトキシ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3,5−ジフェニル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フルオロ−5−メチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−メチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−ブロモ−5−メチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−メトキシ−5−メチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−t−ブチル−5−メチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−フェニル−5−メチル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−ブロモ−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−アミノフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラキス(3−クロロ−5−フェニル−4−アミノフェニル)−p−キシレン等を例示することができる。
中でも、空間性、立体性の点で、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(3、5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1,2,2−テトラキス(4−カルボキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラキス(4−アミノフェニル)エタン等を好ましく例示することができる。
本発明で用いられるテトラキスアリール化合物等に代表される少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物は、通常結晶性固体であるが、アモルファス或いは油状の場合もある。また結晶多形を取ることもあるが、これら形態に係りなく用いることができる。
本発明に用いられる第2成分は、分子内に2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物であれば特に制限されないが、具体的には、式(III)〜式(V)で表される化合物を例示することができる。
式(III)中、R11は、水素原子または、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基等の炭化水素基を表し、n1は、2以上の整数のいずれかを表し、R11同士は、同一でも相異なっていてもよく、R11同士で結合して環を形成してもよい。式(III)で表される化合物として、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール等を例示することができる。これらの中でも、より構造が緻密で結晶性のよい化合物が得られる観点から分子量が200未満であるのが特に好ましい。
式(IV)中、R12は、R11と同様の意味を表し、n2及びn3は、それぞれ独立に2以上の整数を表し、R12同士、n2同士は、同一でも相異なっていてもよい。式(IV)で表される化合物として具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール等を例示することができる。これらの中でも、より構造が緻密で結晶性のよい化合物が得られる観点から分子量が200未満であるのが特に好ましい。
式(V)中、R13〜R18は、R11と同様の意味を表し、R13またはR14とR15またはR16は結合して環を形成してもよく、n4は、1以上の整数を表し、n5は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n4が2以上の場合、R17同士、R18同士、R19同士、及びn5同士は、同一でも相異なっていてもよく、n5が2以上の場合、R17同士、及びR18同士は、同一でも相異なっていてもよい。式(V)で表される化合物として具体的には、グリセリン、ペンタエリスリトール等を例示することができる。これらの中でも、より構造が緻密で結晶性のよい化合物が得られる観点から分子量が200未満であるのが特に好ましい。
本発明に用いられる第3の成分としては、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物と、2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物により形成される結晶格子の空隙に、水素結合、π−π相互作用、σ−π相互作用等の弱い相互作用により捕捉され得る化合物であれば、特に制限されないが、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン骨格、ピレン骨格を有する芳香族炭化水素化合物、またはヘテロ原子化合物等を好ましく例示することができる。
ヘテロ原子含有化合物としては、分子内にヘテロ原子を有する化合物であれば特に制限されないが、具体的には、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−イミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト等を例示することができる。
その他、第3の成分として、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,3,3−トリヨードアリルアルコール等のアルコール類;4−クロロフェニル=(3−ヨード)プロパルギル=エーテル、4−クロロフェニル=(3−ヨード)プロパルギルオキシメチル=エーテル等のエーテル類;2−ブロモ−4’−ヒドロキシアセトフェノン等のケトン類;2,2−ジブロモメチルグルタルニトリル、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、5−クロロ−2,4,6−トリフルオロイソフタロニトリル、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン等のニトリル類;ジブロムニトリルプロピオンアミド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド、N,N−ジエチル−m−トルアミド、3−ヨードプロパルギル=N−ブチルカーバメート等のアミド類;p−クロロ−m−クレゾール等のフェノール類;N,N−ジメチルジクロロフェニル尿素等の尿素;テトラメチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類;フェニル−(2−シアノ−2−クロロピニル)スルホン、ヘキサブロモジメチルスルホン、ジヨードメチルパラトリルスルホン等のスルホン類;チオシアン酸メチルエステル、イソチオシアン酸メチルエステル等のチオシアン酸類及びイソチオシアン酸類;メチレンビスチオシアネート、メチレンビスイソチオシアネート等のチオシアネート類及びイソチオシアネート類;トリス(ヒドロキシメチル)ニトロメタン等のニトロ化合物類;2,3,5,6−テトラクロロ−4−メタンスルホニルピリジン、2,2−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)、N−メチルピロリドン、2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、2−メトキシカルボニルベンズイミダゾール、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド等の含窒素複素環化合物;5−メチルオキサゾリジン、4−(2−ニトロブチル)モルホリン、4,4’−(2−エチル−2−ニトロトリメチレン)ジモルホリン等の含窒素及び酸素複素環化合物;3,3,4,4−テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキサイド、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオラン−3−オン、5−クロロ−4−フェニル−1,2−ジチオラン−3−オン、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド等の含硫黄複素環化合物;5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−3−n−オクチルイソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルベンゾチアゾール等の含窒素及び硫黄複素環化合物;
コレステロール等のステロイド類;ブルシン、キニン、テオフィリン等のアルカロイド類;シネオール、ヒノキチオール、メントール、テルピネオール、ボルネオール、ノポール、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、ゲラニオール、メントン、オイゲノール、リナロール、ジメチルオクタノール、キンモクセイ、ジャスミン、レモン、アスコルビン酸、ニコチン酸、ニコチン酸アミド;
エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、アルキル−t−モノアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレンジアミン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノール等の脂肪族アミン類;ピペリジン、ピペラジン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7等の脂環式及び複素環式アミン類;o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルメチルアミン、ジメチルベンジルアミン、m−キシレンジアミン、ピリジン、ピコリン等の芳香族アミン類;エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミン等の変成ポリアミン類;ジシアンジアミド、グアニジン、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、アミンイミド、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体;2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;ダイマー酸とポリアミンとの縮合により得られるポリアミド等のアミド系化合物;カルボン酸のアリール及びチオアリールエステルのような活性カルボニル化合物等のエステル系化合物;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ポリオール、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2−(ジメチルアミノメチルフェノール)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル塩酸塩;ブチル化尿素、ブチル化メラミン、ブチル化チオ尿素、三フッ化ホウ素;エチルホスフィン、ブチルホスフィン等のアルキルホスフィン;フェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジプロピルホスフィン等のジアルキルホスフィン;ジフェニルホスフィン、メチルエチルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等の第3ホスフィン;無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラメチレン無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等の酸無水物系化合物;アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリフェニルシラノール−アルミニウム錯体、トリフェニルメトキシシラン−アルミニウム錯体、シリルペルオキシド−アルミニウム錯体、トリフェニルシラノール−トリス(サリシルアルデヒダート)アルミニウム錯体;等が挙げられる。
本発明の分子化合物の製造方法は、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物及び第3成分を直接混合するか、溶媒中で混合することにより得ることができるし、また第3成分として低沸点の物質、または蒸気圧の高い物質を用いる場合には、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物に、これらの物質の蒸気を作用させることにより製造することができるが、特に、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物と第3成分を、2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を溶媒として再結晶する方法を好ましく例示することができる。
各成分の混合比率は、形成する分子化合物の結晶状態により、適宜選択することができる。
本発明の分子化合物は、有用物質の選択分離、化学的安定化、不揮発化、粉末化等の機能の点及び一定の組成の分子化合物を安定的に製造するなどの目的から、特に結晶性であることが好ましい。この際、同一の分子化合物であっても結晶多形を取ることがある。結晶性の確認は主にX線回折パターンを調べることによりできる。また結晶多形の存在は熱分析、X線回折パターン、固体NMRスペクトル等で確認できる。
本発明の分子化合物の使用形態には特に制限はなく、例えばそれぞれ異なる成分化合物で構成された2種類以上の分子化合物を混合して使用することもできる。また本発明の分子化合物は目的とする機能を損なわない限り、他の物質を併用して使用することができる。本発明の分子化合物に賦形剤等を与え、顆粒や錠剤を成型して使用することもできる。更に樹脂、塗料、並びにそれらの原料や原料組成物中に添加して使用することもできる。本発明の分子化合物はそのまま有機合成の原料として使用したり、分子化合物の特異的な反応場として使用することもできる。
図1は、実施例1において得られた結晶のTG−DTAを示す図である。
図2は、実施例1において得られた結晶のXRDを示す図である。
図3は、実施例1において得られた結晶の1H−NMRを示す図である。
図4は、実施例2において得られた結晶のTG−DTAを示す図である。
図5は、実施例2において得られた結晶のXRDを示す図である。
図6は、実施例2において得られた結晶の1H−NMRを示す図である。
図7は、実施例3において得られた結晶のTG−DTAを示す図である。
図8は、実施例3において得られた結晶のXRDを示す図である。
図9は、実施例3において得られた結晶の1H−NMRを示す図である。
図10は、実施例4において得られた結晶のTG−DTAを示す図である。
図11は、実施例4において得られた結晶のXRDを示す図である。
図12は、実施例4において得られた結晶の1H−NMRを示す図である。
図13は、実施例5において得られた結晶のTG−DTAを示す図である。
図14は、実施例5において得られた結晶のXRDを示す図である。
図15は、実施例5において得られた結晶の1H−NMRを示す図である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例によってなんら限定されるものではない。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TEP)とエチレングリコール、ナフタレンからなる三成分系分子化合物
200mlナスフラスコに室温でナフタレン(0.5g、0.0039mol)とTEP(3.11g、0.0078mol)を秤とり、そこにエチレングリコール70mlを加え、30分100℃で攪拌、溶解した。溶解30分後、一晩室温にて放置し結晶を析出させた。得られた結晶を濾別し、真空乾燥機で乾燥させ結晶を得た。得られた結晶は1H−NMRスペクトルよりTEP:エチレングリコール:ナフタレン=1:4:1の包接比であり、TG−DTA、粉末X線回折パターンで3成分より構成される包接体であることを確認した。
得られた結晶のTG−DTAを図1に、粉末X線回折パターン(XRD)を図2に、1HNMRを図3に示した。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TEP)とエチレングリコール、1−ナフトールからなる三成分系分子化合物
100mlナスフラスコに室温で1−ナフトール(1g、0.00694mol)とTEP(2.76g、0.0139mol)を秤取り、そこにエチレングリコール(33ml)を加え、30分100℃で攪拌し溶解させた。溶解30分後、一晩室温にて放置し結晶を析出させた。得られた結晶を濾別し、真空乾燥機で乾燥させ結晶を得た。得られた結晶は1H−NMRスペクトルよりTEP:エチレングリコール:1−ナフトール=1:4:1の包接比であり、TG−DTA、粉末X線回折パターンで3成分より構成される包接体であることを確認した。
得られた結晶のTG−DTAを図4に、粉末X線回折パターン(XRD)を図5に、1HNMRを図6に示した。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TEP)とエチレングリコール、2−ナフトールからなる三成分系分子化合物
100mlナスフラスコに室温で2−ナフトール(1g、0.00694mol)とTEP(2.76g、0.0139mol)を秤取り、そこにエチレングリコール(33ml)を加え、30分100℃で攪拌し溶解させた。溶解30分後、一晩室温にて放置し結晶を析出させた。得られた結晶を濾別し、真空乾燥機で乾燥させ結晶を得た。得られた結晶は1H−NMRスペクトルよりTEP:エチレングリコール:2−ナフトール=1:4:1の包接比であり、TG−DTA、粉末X線回折パターンで3成分より構成される包接体であることを確認した。
得られた結晶のTG−DTAを図7に、粉末X線回折パターン(XRD)を図8に、1HNMRを図9に示した。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TEP)とエチレングリコール、1−メトキシナフタレンからなる三成分系分子化合物
100mlナスフラスコに1−メトキシナフタレン(1.09g、0.00689mol)とTEP(2.76g、0.00689mol)を秤取り、そこにエチレングリコール(33ml)を加え、100℃で30分間加熱溶解させた。その後室温にて冷却し析出した結晶を濾過し、真空乾燥することにより生成物を得た。得られた結晶は1H−NMRスペクトルよりTEP:エチレングリコール:1−メトキシナフタレン=1:5:1の包接比であり、TG−DTA、粉末X線回折パターンで3成分より構成される包接体であることを確認した。
得られた結晶のTG−DTAを図10に、粉末X線回折パターン(XRD)を図11に、1HNMRを図12に示した。
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TEP)とエチレングリコール、2−メトキシナフタレンからなる三成分系分子化合物
100mlナスフラスコに2−メトキシナフタレン(1.09g、0.00689mol)とTEP(2.76g、0.00689mol)を秤取り、そこにエチレングリコール(33ml)を加え、100℃で30分間加熱溶解させた。その後室温にて冷却し析出した結晶を濾過し、真空乾燥することにより生成物を得た。得られた結晶は1H−NMRスペクトルよりTEP:エチレングリコール:2−メトキシナフタレン=1:5:1の包接比であり、TG−DTA、粉末X線回折パターンで3成分より構成される包接体であることを確認した。
得られた結晶のTG−DTAを図13に、粉末X線回折パターン(XRD)を図14に、1HNMRを図15に示した。
本発明の分子化合物を用いることにより、困難であったサイズの大きな分子や、極性分子を、固定化、または包接化することができるようになり、かつ結晶性がよく緻密であることから、有用物質の選択的分離、化学的安定化、不揮発化、徐放化、粉末化などの技術分野において応用範囲が広がり、産業上の利用価値は高いといえる。

Claims (24)

  1. 少なくとも3成分よりなる分子化合物において、少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及び2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を成分として含むことを特徴とする分子化合物。
  2. 水素結合能がある官能基が、水酸基、カルボキシル基、または置換基を有していてもよいアミノ基であることを特徴とする請求項1に記載の分子化合物。
  3. 水素結合能がある官能基が、フェノール性水酸基であることを特徴とする請求項1に記載の分子化合物。
  4. 少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物が、式(I)
    Figure 2005082823
    (式中、Xは(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは0、1、2、又は3であり、Yは水酸基、カルボキシル基、置換基を有してもよいアミノ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、置換基されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分子化合物。
  5. 式(I)で表されるテトラキスアリール系化合物が、式(II)
    Figure 2005082823
    (式中、R、R、X、及びYは、前記と同じ意味を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする請求項4に記載の分子化合物。
  6. 2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物が、式(III)〜式(V)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の分子化合物。
    Figure 2005082823
    (式中、R11は、水素原子、または炭化水素基を表し、n1は、2以上の整数を表し、R11同士は、同一でも相異なっていてもよく、R11同士で結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2005082823
    (式中、R12は、水素原子、または炭化水素基を表し、n2及びn3は、それぞれ独立に、2以上の整数を表し、R12同士、及びn2同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
    Figure 2005082823
    (式中、R13〜R18は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、R13またはR14とR15またはR16は結合して環を形成してもよく、R19は、水素原子、又は下記式
    Figure 2005082823
    (式中、R20及びR21は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、n6は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n6が2以上の場合、R20同士、R21同士は、同一でも相異なっていてもよい。)を表し、n4は、1以上の整数を表し、n5は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n4が2以上の場合、R17同士、R18同士、R19同士、及びn5同士は、同一でも相異なっていてもよく、n5が2以上の場合、R17同士、及びR18同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
  7. 式(IV)で表される化合物の分子量が200未満であることを特徴とする請求項6に記載の分子化合物。
  8. 第3成分として、芳香族炭化水素化合物、またはヘテロ原子含有化合物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の分子化合物。
  9. 少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及びゲスト化合物を、2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を溶媒として再結晶することを特徴とする分子化合の物製造方法。
  10. 水素結合能がある官能基が、水酸基、カルボキシル基、または置換基を有していてもよいアミノ基であることを特徴とする請求項9に記載の分子化合物の製造方法。
  11. 水素結合能がある官能基が、フェノール性水酸基であることを特徴とする請求項9に記載の分子化合物の製造方法。
  12. 少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物が、式(I)
    Figure 2005082823
    (式中、Xは(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは0、1、2、又は3であり、Yは水酸基、カルボキシル基、置換基を有してもよいアミノ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、置換基されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする請求項9又は10に記載の分子化合物の製造方法。
  13. 式(I)で表されるテトラキスアリール系化合物が、式(II)
    Figure 2005082823
    (式中、R、R、X、及びYは、前記と同じ意味を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする請求項12に記載の分子化合物の製造方法。
  14. 2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物が、式(III)〜式(V)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
    Figure 2005082823
    (式中、R11は、水素原子、または炭化水素基を表し、n1は、2以上の整数を表し、R11同士は、同一でも相異なっていてもよく、R11同士で結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2005082823
    (式中、R12は、水素原子、または炭化水素基を表し、n2及びn3は、それぞれ独立に2以上の整数を表し、R12同士、及びn2同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
    Figure 2005082823
    (式中、R13〜R18は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、R13またはR14とR15またはR16は結合して環を形成してもよく、R19は、水素原子、又は下記式
    Figure 2005082823
    (式中、R20及びR21は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、n6は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n6が2以上の場合、R20同士、R21同士は、同一でも相異なっていてもよい。)を表し、n4は、1以上の整数を表し、n5は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n4が2以上の場合、R17同士、R18同士、R19同士、及びn5同士は、同一でも相異なっていてもよく、n5が2以上の場合、R17同士、及びR18同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
  15. 式(IV)で表される化合物の分子量が200未満であることを特徴とする請求項14に記載の分子化合物の製造方法。
  16. ゲスト化合物が、芳香族炭化水素化合物、またはヘテロ原子含有化合物であることを特徴とする請求項9〜15のいずれかに記載の分子化合物の製造方法。
  17. 少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物、及び2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物を用いることを特徴とする包接化方法。
  18. 水素結合能がある官能基が、水酸基、カルボキシル基、または置換基を有していてもよいアミノ基であることを特徴とする請求項17に記載の包接化方法。
  19. 水素結合能がある官能基が、フェノール性水酸基であることを特徴とする請求項17に記載の包接化方法。
  20. 少なくとも3以上の水素結合能がある官能基を有する化合物が、式(I)
    Figure 2005082823
    (式中、Xは(CH)n又はp−フェニレン基を表し、nは0、1、2、又は3であり、Yは水酸基、カルボキシル基、置換基を有してもよいアミノ基を表し、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、低級アルキル基、置換基されていてもよいフェニル基、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする請求項17又は18に記載の包接化方法。
  21. 式(I)で表されるテトラキスアリール系化合物が、式(II)
    Figure 2005082823
    (式中、R、R、X、及びYは、前記と同じ意味を表す。)で表されるテトラキスアリール系化合物であることを特徴とする請求項20に記載の包接化方法。
  22. 2以上の水酸基を有する鎖状または環状脂肪族化合物が、式(III)〜式(V)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載の包接化方法。
    Figure 2005082823
    (式中、R11は、水素原子、または炭化水素基を表し、n1は、2以上の整数を表し、R11同士は、同一でも相異なっていてもよく、R11同士で結合して環を形成してもよい。)
    Figure 2005082823
    (式中、R12は、水素原子、または炭化水素基を表し、n2及びn3は、それぞれ独立に、2以上の整数を表し、R12同士、及びn2同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
    Figure 2005082823
    (式中、R13〜R18は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、R13またはR14とR15またはR16は結合して環を形成してもよく、R19は、水素原子、又は下記式
    Figure 2005082823
    (式中、R20及びR21は、それぞれ独立に水素原子、または炭化水素基を表し、n6は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n6が2以上の場合、R20同士、R21同士は、同一でも相異なっていてもよい。)を表し、n4は、1以上の整数を表し、n5は、0または1以上のいずれかの整数を表し、n4が2以上の場合、R17同士、R18同士、R19同士、及びn5同士は、同一でも相異なっていてもよく、n5が2以上の場合、R17同士、及びR18同士は、同一でも相異なっていてもよい。)
  23. 式(IV)で表される化合物の分子量が200未満であることを特徴とする請求項22に記載の包接化方法。
  24. 第3成分として、芳香族炭化水素化合物、またはヘテロ原子含有化合物を含むことを特徴とする請求項17〜23のいずれかに記載の包接化方法。
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