JPWO2005080572A1 - トリテルペン水酸化酵素 - Google Patents

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Abstract

ソヤサポゲノールBは前駆体であるβ-アミリンの2段階の水酸化反応を経て生合成される。しかしながら、この反応に関与する水酸化酵素の遺伝子は明らかにされていなかった。そのため、水酸化酵素についての遺伝子工学的な利用が不可能であった。発明者らは、ダイズ由来のシトクロームP450遺伝子CYP93E1に対応する配列がオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する酵素タンパクをコードしていることを明らかにするとともに、当該遺伝子を遺伝子工学的な手段を用いて利用する方法を提供する。

Description

本発明は、植物由来のソヤサポゲノールB生合成に関与する酵素遺伝子を遺伝子工学的な手法を用いて形質転換した細胞、ならびにその細胞を利用することによりソヤサポゲノールBを製造する方法に関する。
ソヤサポゲノールB(12-oleanene-3,22,24-triol)は、大豆種子より単離、構造決定されたオレアナン骨格を有するトリテルペン(Chem. Pharm. Bull., 24, p121-129, 1976、Chem. Pharm. Bull., 30, p2294-2297, 1982)(非特許文献1および2)であり、その配糖体であるソヤサポニンはマメ科植物に広く分布している。
これまでにソヤサポゲノールBに関しては、抗補体活性、血小板凝集抑制作用(特開昭61-37749)(特許文献1)、抗腫瘍活性(特開平10-234396)(特許文献2)および肝保護作用(Bioorg. Med. Chem. Lett., 7, 85-88,1997)(非特許文献3)などが報告されており、医薬品もしくは医薬品原料としての有用性が期待されている。
ソヤサポゲノールBの製造法としては、大豆種子に含有されるサポニンの糖鎖を加水分解したのち、ソヤサポゲノールBを精製する方法が知られているが、大豆種子に含有されているサポニンの割合は約0.2%(薬学雑誌104,162-168,1984)(非特許文献4)と少なく、より効率的な製造法が求められている。
ソヤサポゲノールBの生合成前駆体であるβ−アミリンは、メバロン酸経路により生成した2,3−オキシドスクアレンが閉環することにより生合成され、その後、2段階の水酸化反応を経てソヤサポゲノールBが生合成されると推定される。
ソヤサポゲノールBと構造的に類似するソフォラジオール(12-oleanene-3,22-diol)は槐花(エンジュ)の成分として報告されている物質(薬学雑誌78,1090-1094,1958)(非特許文献5)であるが、このソフォラジオールの24位を水酸化するとソヤサポゲノールBを生産することが可能である。
実際、カンゾウの培養細胞由来の水酸化酵素を利用して、ソフォラジオールの24位を水酸化することによる、ソヤサポゲノールBの製造法が開示されている。(WO02/086142)(特許文献3)
特開昭61−37749号公報 特開平10−234396号公報 国際公開WO02/086142号公報 Chem. Pharm. Bull., 24, p121-129, 1976 Chem. Pharm. Bull., 30, p2294-2297, 1982 Bioorg.Med.Chem. Lett., 7, 85-88,1997 薬学雑誌104, 162-168,1984 薬学雑誌78, 1090-1094,1958
ソヤサポゲノールBの生合成前駆体であるβ−アミリンは、メバロン酸経路により生成した2,3−オキシドスクアレンが閉環することにより生合成され、その後、2段階の水酸化反応を経てソヤサポゲノールBが生合成される。しかしながら、この反応に関与する水酸化酵素の遺伝子は明らかにされていなかった。そのため、水酸化酵素についての遺伝子工学的な利用が不可能であった。
本発明者らは、β−アミリンからソヤサポゲノールBに至る生合成に関与するシトクロームP450型の酵素の遺伝子が、ソヤサポゲノールBの配糖体であるソヤサポニンを高生産するダイズのEST(Expression Sequence Tags)クローンや機能未同定クローンの中に含まれていると考え、ラノステロール欠損酵母変異株を用いて、これらダイズのクローンの機能解析を行った。解析を行ったクローンのうち配列番号8で表されるポリヌクレオチドを転写及び翻訳させた酵母において本来検出されないオレアナン型トリテルペンの24位の水酸化活性を検出した。水酸化活性を検出した酵素のポリヌクレオチド配列は配列番号8であり、推定されるポリペプチド配列は配列番号9である。配列番号8に類似する配列として、シトクロームP450遺伝子CYP93E1(GenBank Accession Number AF135485、配列番号10、推定されるポリペプチド配列は配列番号11)が知られている。配列番号8で表されるポリヌクレオチドと配列番号10で表されるポリヌクレオチドは、121番目、171番目および1081番目の3箇所が異なる。(以下、配列番号8で表される配列もシトクロームP450遺伝子CYP93E1と呼ぶことがある。)また、配列番号9で表されるポリペプチドと配列番号11で表されるポリペプチドは、41番目および61番目のアミノ酸が異なる。本発明者らは、配列番号8で表されるポリヌクレオチドがオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する酵素タンパクをコードしていることを明らかにした。この知見に基づき、本発明者らは鋭意努力し、本発明を完成させた。
従って、本発明は以下の1〜17に関する。
1. 配列番号8で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する発現ベクター。
2. ポリヌクレオチドが配列番号8で表されるポリヌクレオチドである上記1に記載の発現ベクター。
3. 上記1または2記載の発現ベクターで宿主を形質転換した形質転換体。
4. 宿主が微生物である上記3記載の形質転換体。
5. 微生物が酵母である上記4記載の形質転換体。
6. 配列番号8で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびβ−アミリン合成酵素遺伝子を有する発現ベクター。
7. ポリヌクレオチドが配列番号8で表されるポリヌクレオチドである上記6に記載の発現ベクター。
8. 上記6または7記載の発現ベクターで宿主を形質転換した形質転換体。
9. 宿主が微生物である上記8記載の形質転換体。
10. 微生物が酵母である上記9記載の形質転換体。
11. 受託番号FERM BP−10201として寄託されているラノステロール合成酵素欠損酵母変異株。
12. 上記3から5のいずれかに記載の形質転換体を培養して、上記1に記載のポリペプチドを産生する工程を含むオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドを製造する方法。
13. 上記8から10のいずれかに記載の形質転換体を培養して、
1)上記3に記載のポリペプチドを産生する工程および
2)β−アミリン合成酵素を産生する工程
を含むオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドおよびβ−アミリン合成酵素を製造する方法。
14. 上記3から5のいずれかに記載の形質転換体をオレアナン型トリテルペンに作用させる工程を含む24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンの製造方法。
15. 上記8から10のいずれかに記載された形質転換体の培養生産による24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンの製造方法。
16. 上記11に記載の酵母変異株の培養生産による24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンの製造方法。
本発明により、オレアナン型トリテルペンの24位水酸化酵素の遺伝子塩基配列ならびにアミノ酸配列を明らかにすることができた。さらに、当該遺伝子を遺伝子工学的に利用することにより、遺伝子産物である酵素タンパクを大量に生産することができる。
また、生産された酵素タンパク質又は該酵素タンパク質含む形質転換体を用いて、トリテルペンの24位を水酸化することが可能となった。また当該遺伝子とβ−アミリン合成酵素の遺伝子で形質転換体を用いることにより、24位が水酸化されたトリテルペンを直接培養生産することが可能となった。
本発明におけるオレアナン型トリテルペンとしては、β−アミリン、ソフォラジオール、ソヤサポゲノールAおよびBなどが知られているが、本発明におけるオレアナン型トリテルペンは上記に限定されない。
24位が水酸化されるオレアナン型トリテルペンとしては、β−アミリンやソフォラジオールがあげられるが、本発明の方法により24位が水酸化される化合物であれば上記に限定されない。24位が水酸化されたトリテルペンとしては、ソヤサポゲノールAおよびBがあげられるが、本発明による酸化成績体であればソヤサポゲノールAおよびBに限定されない。
本発明によれば、シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチドおよびその均等体の転写・翻訳産物を利用して24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンを製造することができる。なお、均等体とは、同一機能を有し、シトクロームP450遺伝子CYP93E1に記載の配列の相補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を指す。
「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」とは、シトクロームP450遺伝子CYP93E1で表される塩基配列を有するDNAの一部又は全部(又は、その相補鎖)をプローブとして、ハイブリダイズを使用する手法(例えば、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法、サザンブロットハイブリダイゼーション法等)を用いることによりヌクレオチドのハイブリダイゼーションが確認できる。具体的には、0.5mol/lの塩化ナトリウム存在下、55℃でハイブリダイゼーションを行った後、2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150mM NaCl、15mM クエン酸ナトリウム、pH7.0よりなる)を用いる場合が例示される。
ハイブリダイゼーションは、モレキュラー・クローニング、ア・ラボラトリー・マニュアル((Molecular cloning、A Laboratory Manual、 T.マニアティス(T.Maniatis)他著、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、1989年発行)等に記載されている方法に準じて行うことができる。ハイブリダイズ可能なDNAとして具体的には、BLAST (National Center for Biotechnology Information)を用いて計算したときに、シトクロームP450遺伝子CYP93E1で表される塩基配列と少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するDNAを挙げることができる。なお、本発明における相同性は、BLASTのパラメータをWordsize:3、Matrix:BLOSOM62、Gap Costs:Existence:11、Extension:1に設定したときの数値を表す。
また、「シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」は、具体的には、シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチド配列において、1若しくは複数のヌクレオチドが欠失、置換、挿入若しくは付加され、かつ、オレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。シトクロームP450遺伝子CYP93E1のヌクレオチド配列において置換されるヌクレオチドの個数は、上記の相同性を満たし、かつ、オレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードする数であれば特に限定されない。
シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチドに対する変異は、自然界において生じる変異のほかに、人為的な変異も含む。人為的に変異させる手段としては、シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチドを用いて、ランダム変異あるいは部位特異的変異を導入し、遺伝子工学的に、1又は複数のヌクレオチド残基が欠失、置換、挿入、付加の少なくとも1つがなされているポリヌクレオチドを得る方法が挙げられる。こうして得られた変異ポリヌクレオチドを利用することにより、本酵素の活性の至適温度、熱安定性、至適pH、pH安定性、基質特異性等の性質が異なったポリペプチドを得ることが可能となる。
さらに、24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンを産生し得る他の微生物、植物、及び、動物(好ましくはオレアナン型トリテルペン産生し得る、植物、より好ましくはマメ科植物、最も好ましくは大豆)に対してシトクロームP450遺伝子CYP93E1の塩基配列を有するヌクレオチドの一部又は全部(又は、その相補鎖)をプローブとして、ハイブリダイズを使用する手法(例えば、コロニー・ハイブリダイゼーション法、プラーク・ハイブリダイゼーション法)、または、シトクロームP450遺伝子CYP93E1の塩基配列を有するヌクレオチドの一部又は全部(又は、その相補鎖)をプライマーとしてPCRを行う手法等によって、シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを得ることもできる。
また、上記ポリヌクレオチドは、ヌクレオチド配列の情報を基にして、化学合成によって得ることもできる。この方法は、ジーン(Gene)、第60(1)巻、第115-127頁(1987)の記載を参照して行うことができる。
さらに、本発明は、シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチドおよびその均等体を保持する、及び/又は、発現するための自立複製可能なベクター(好ましくは発現ベクター)で宿主を形質転換した形質転換体に関する。該ベクターは、シトクロームP450遺伝子CYP93E1のポリヌクレオチドおよびその均等体に加え、さらにβ−アミリン合成酵素遺伝子を含んで良い。
宿主の例としては、特に限定されないが、微生物、植物、動物等が挙げられる。微生物としては、酵母、大腸菌等が挙げられ、好ましくは酵母が用いられる。動物としてはカイコがあげられる。植物としては大豆があげられる。植物に本発明のベクターを導入する事で、24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンの含量の増加した植物を提供可能である。
形質転換する酵母の例としては、ラノステロールシンターゼを欠いた酵母GIL77(Kushiro, T. et al., Eur. J. Biochem., 256, 238-244, 1998)がある。上記シトクロームP450遺伝子CYP93E1に対応するcDNA及びエンドウ由来β−アミリン合成酵素遺伝子を酵母発現ベクターpESC−ERA(Stratagene社製)に組込み、ラノステロール合成酵素を欠いた酵母GIL77を形質転換し、2種の遺伝子を共発現させることにより、24位が水酸化されたトリテルペンを培養生産することが可能となる。
発現ベクターとしては、宿主細胞において自立複製可能ないしは染色体中への組込みが可能で、本発明のポリヌクレオチドを転写できる位置にプロモーターを含有しているものが用いられる。
宿主細胞が微生物である場合、発現ベクターとしては、例えば、pBluescript (STRATAGENE社製)、pUC18 (タカラバイオ社製)、pUC118 (タカラバイオ社製)、pUC19 (タカラバイオ社製)、pUC119 (タカラバイオ社製)等を例示することができる。
プロモーターとしては、大腸菌、糸状菌等の宿主細胞中で発現できるものであればいかなるものでもよい。例えば、trpプロモーター(Ptrp)、lacプロモーター(Plac)等の、大腸菌やファージ等に由来するプロモーター、タカアミラーゼ遺伝子プロモーター、TEF1遺伝子プロモーター等の麹菌等に由来するプロモーター等を挙げることができる。
また、人為的に設計改変されたプロモーター等も用いることができる。
組換えベクターの導入方法としては、上記宿主細胞へポリヌクレオチドを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、カルシウムイオンを用いる方法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 69, 2110 (1972) 〕等を挙げることができる。
酵母菌株が宿主細胞である場合には、発現ベクターとして、例えばpAUR101(タカラバイオ社製)、pAUR112 (タカラバイオ社製)、pI-RED1(東洋紡績社製)等を例示することができる。
プロモーターとしては、酵母菌株中で発現できるものであればいかなるものでもよい。
例えば、解糖系酵素遺伝子プロモーター、Galプロモーター等のプロモーターを挙げることができる。
組換えベクターの導入方法としては、酵母にポリヌクレオチドを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、エレクトロポレーション法〔Methods. Enzymol., 194, 182 (1990)〕、スフェロプラスト法〔Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84, 1929 (1978) 〕、酢酸リチウム法〔ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J. Bacteriol.)、153, 163 (1983)〕等を挙げることができる。
宿主細胞の培地、培養条件については、公知の方法に従って適宜選択することが可能である。微生物を宿主細胞とする場合、得られた形質転換体を培養する培地は、該微生物が資化しうる炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。
炭素源としては、ポテトデキストロース、グルコース、スクロース、可溶性デンプン、グリセリン、デキストリン、糖蜜、有機酸等を用いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の無機塩若しくは有機酸のアンモニウム塩その他の窒素化合物、ペプトン、酵母エキス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物、肉エキスを用いることができる。無機塩類としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
宿主細胞がカイコである場合、例えばバキュロウィルス発現系を用いた公知の方法により、本発明のポリペプチドを発現させることができる。[Appl. Microbiol. Biotechnol., 62, 1-20(2003)]また、植物細胞を宿主として本発明のポリペプチドを形質転換した植物を得る場合、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンスのTiプラスミドまたはバイナリ−プラスミド系、アグロバクテリウム・リゾジェネスのRiプラスミド、ポリエチレングリコールを用いる直接的な遺伝子伝達またはエレクトロポレーション法が有効である。[Methods in Molecular Biology, 267, Recombinant Gene Expression 329-50(2004)]
また、誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターを導入した形質転換体を培養する場合には、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、lacプロモーターを用いた場合はイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド等を、trpプロモーターを用いた場合はインドールアクリル酸等を培地に添加することができる。
なお、本発明のポリペプチドの発現方法としては、直接発現以外に、モレキュラー・クローニング 第2版に記載されている方法等に準じて行うことができる。
上記3〜5記載の形質転換体を使用してオレアナン型トリテルペン24位水酸化体を製造する場合、形質転換体の培養液に基質となるオレアナン型トリテルペンを添加して培養し、得られた24位水酸化体を酢酸エチルやエーテルなどの有機溶媒で抽出後、シリカゲルやODSを用いて精製する。
また、形質転換体の培養液から無細胞抽出液を調製してオレアナン型トリテルペン24位水酸体を製造することもできる。この場合、収穫した細胞を懸濁液に懸濁し、ホモジナイザー、超音波破砕機あるいはフレンチプレス等により細胞を破砕後、遠心分離して無細胞抽出液を得る。緩衝液には、ポリペプチドの失活を防ぐため、抗酸化剤、酵素の安定化剤、ポリフェノール吸着剤、金属配位子などを添加することができる。さらに比活性を高めるにはポリペプチドを精製することが有効であり、超遠心機による遠心分離法、硫安等による塩析方、ゲル濾過法、イオン交換クロマトグラフィー法、アフィニティクロマトグラフィー法、電気泳動法などの手法を単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。
得られたポリペプチドを含む緩衝液に、基質となるオレアナン型トリテルペンならびに補酵素を添加して、15〜40℃、好ましくは20〜37℃でインキュベートする。補酵素としてはNADHあるいはNADPHが利用でき、グルコース-6-リン酸とグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼを用いたNADPH再構成系も併用できる。また、形質転換細胞が産生するNADPH-P450リダクターゼ以外のNADPH-P450リダクターゼを外部から加えて水酸化反応を行うことも可能である。
上記8〜10記載の形質転換体を使用する場合、形質転換細胞自身が産生する2,3-オキシドスクアレンを利用してオレアナン型トリテルペンが産生されるため、外部からオレアナン型トリテルペンを添加せずに、オレアナン型トリテルペン24位水酸化体を製造することができる。得られた24位水酸化体は酢酸エチルやエーテルなどの有機溶媒で抽出後、シリカゲルやODSを用いて精製する。

以下に本発明の実施例の概略を記載する。
ダイズ由来のEST及び機能未同定でかつ全長の塩基配列が報告されているシトクロームP450クローンを7種(GenBank Accesion Number:AF135485、Y10491、Y10982、Y10983、Y10493、AF022459、及び、TIGR Accesion Number:TC100921)選択した。このうち、本活性を示したCYP93E1(GenBank Accession Number AF135485)に高い相同性を示した配列番号8のポリヌクレオチドについて、以下に記す。ダイズ芽生えより調製したmRNAから、RT−PCR法によりCYP93E1に対応するcDNA(配列番号8)を増幅し、酵母発現ベクターpESC−ERA(Stratagene社製)に組込み、ラノステロールシンターゼを欠いた酵母GIL77(Kushiro, T. et al., Eur. J. Biochem., 256, 238-244, 1998)を形質転換し機能解析を行った。形質転換酵母の無細胞抽出液とβ−アミリンを反応させ、生成物をアセチル化し、GCMSで解析した。その結果、3,24−ジアセトキシ−12−オレアネンを検出した。
同様に、形質転換酵母の無細胞抽出液とソフォラジオールを反応させ、生成物をアセチル化し、GCMSで解析した。その結果、トリアセチルソヤサポゲノールBを検出した。
形質転換酵母の培養にβ−アミリンを投与し、反応後、細胞を収穫した。脂溶性画分を抽出し、アセチル化後、GCMSで解析した。その結果、3,24−ジアセトキシ−12−オレアネンを検出した。
上記配列番号8のcDNA及びエンドウ由来β−アミリン合成酵素遺伝子を酵母発現ベクターpESC−ERA(Stratagene社製)に組込み、ラノステロール合成酵素を欠いた酵母GIL77を形質転換し、2種の遺伝子を共発現させた。この形質転換酵母をGIL77/pESC・PSY・CYP93E1と命名し、平成16年2月6日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(〒305-8566 茨城県つくば市東1-1-1 中央第6)に受託番号FERM P-19675として寄託した(平成17年1月6日にFERM BP-10201に移管)。
形質転換酵母を培養し、細胞を収穫した。脂溶性画分を抽出し、アセチル化後、GCMSで解析した。その結果、3,24−ジアセトキシ−12−オレアネンを検出した。
同様に、上記配列番号8のcDNA及びシロイヌナズナ由来混合トリテルペン合成酵素遺伝子を酵母発現ベクターpESC−ERA(Stratagene社製)に組込み、ラノステロールシンターゼを欠いた酵母GIL77を形質転換し、2種の遺伝子を共発現させた。
形質転換酵母を培養し、細胞を収穫した。脂溶性画分を抽出し、アセチル化後、GCMSで解析した。その結果、3,24−ジアセトキシ−12−オレアネンを検出した。他のジアセトキシトリテルペンは検出限界以下であった。
以上の結果、該酵母において本来検出されないソフォラジオール及びβ−アミリンの24位に対する水酸化活性が認められたことから、配列番号8はオレアナン型トリテルペンの24位水酸化酵素をコードする遺伝子であると明らかにすることができた。一方、同様に活性を調べた他の6種のP450遺伝子においては、本活性を検出することはできなかった。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)ダイズ芽生えのcDNAの調製
水浸14日後のダイズ(早生枝豆、アタリヤ農園)幼葉から、フェノール/クロロフォルム法により全RNAを抽出した。これを鋳型として、逆転写酵素SuperscriptII(GIBCOBRL製)と、配列番号1に示すプライマーを用いてcDNAを調製した。
(2)配列番号8のポリヌクレオチドの増幅
上記(1)で調製したcDNAを鋳型とし、配列番号2と3に示す、ポリペプチドのN末端とC末端に相当する箇所のオリゴDNAをプライマーとして、アニール温度65℃でPCR(30サイクル、宝酒造社製Ex Taq DNAポリメラーゼ)を行い、CYP93E1(配列番号8)の全長クローンを得た。
(3)pESC−CYP93E1の構築及び形質転換酵母の作成
上記(2)で得られた全長クローンを制限酵素SpeIとClaIで処理し、酵母発現ベクターpESC−URA(Stratagene社製)のSpeIとClaIサイトに組み込んだ。これをpESC−CYP93Eとした。pESC−CYP93Eを、酵母INVSC2株(Invitrogen社)にFrozen−EZ Yeast Transformation II(Zymo Reaseach 社)を用いて導入した。
(4)in vitro酵素活性試験
グルコースの代わりに2%ラフィノースを含むSC−U培地(Methods in Yeast Genetics, A Laboratory Course Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press,1990)20mlに形質転換酵母を植菌し、30℃、220rpmで18時間培養した。ヘミン(最終濃度13μg/ml)とガラクトース(最終濃度2%)を加え、同条件でさらに20時間培養した。遠心により細胞を収穫し、2mlのスクリューバイアルへと移し、100μlの抽出緩衝液(pH7.5の50mMリン酸―カリウム緩衝液に10%スクロース、1mM EDTA及び14mMの2−メルカプトエタノールを加えたもの)を加え、再懸濁した。ここに希塩酸にて洗浄した0.4−0.6mm径のガラスビーズ(井内盛栄堂)を適量加えた。4℃に冷却し、MINI−BEADBEADER(BIOSPEC社)を用いて細胞の破砕を行った。ここにさらに400μlの抽出緩衝液を加えよく攪拌した後、4℃に冷却しながら3500gで5分間遠心分離を行い、約400μlの上清を粗酵素液として回収した。それに対し、100μlの濃縮反応緩衝液(抽出緩衝液に10mM NADPH、75mM グルコース−6−リン酸(G6P)、2.5U/ml グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PDH)を加えたもの)および5μlの10mMのβ−アミリン・メタノール溶液を加えた。これを30℃、6時間反応させた。12N塩酸10μlを添加した後、500μlの酢酸エチルを用いて脂溶性成分の抽出を2回行い濃縮した。20μlのピリジン及び無水酢酸を加えて一晩放置することにより抽出物のアセチル化を行った。これに200μlの50%メタノール水溶液を加えて反応を停止し、200μlのヘキサンを用いて抽出を2回行い濃縮した(1))。対照実験として、2)pESC−URAを用いた形質転換体由来の粗酵素液を用いたもの、3)基質であるβ−アミリンを加えなかったもの、4)100℃、5分で熱処理した粗酵素液で反応を行ったもの、5)pESC−CYP93E1のGAL1プロモーター抑制のためガラクトースの代わりに同量のグルコースを加えたものについても同様の手法でサンプルを調製した。これを20μlのヘキサンに溶解し、1μlをGC−MS分析(島津製作所 ガスクロマトグラフ質量分析計 GCMS−QP2010, カラム:RESTEK社 Rtx−5MS,内径0.25mm 膜厚0.25μm 長さ30m, 昇温プログラム:230℃で3分間ホールド、 10℃/分で昇温、 330℃で8分間ホールド)に供した。全イオンモニター(TIM)、及び、m/z=218(3β,24−ジアセトキシ−12−オレアネンのベースピーク)のマスクロマトグラムで生成物の有無を解析した。TIMでは、3β,24−ジアセトキシ−12−オレアネンの生成は認められなかった(結果未記載)。しかしながら、m/Z=218のマスクロマトグラムにおいて3β,24−ジアセトキシ−12−オレアネンが、1)の条件で観測された(図1)。この結果よりCYP93E1翻訳産物はβ−アミリンへの24位水酸化活性を有することを確認した。
次に、ソフォラジオールに対する反応性を検討するために、ソフォラジオール(5μl 10mM)を基質として、同様に酵素反応を行い、上記と同様にGCMS解析を行った。上記の1)の反応条件の生成物のマスクロマトグラム解析(m/Z=216 トリアセチルソヤサポゲノールBのベースピーク)において、トリアセチルソヤサポゲノールBのピークが観測された(図2)。これより、CYP93E1翻訳産物は、β−アミリンのみならず、ソフォラジオールに対しても、24位水酸化活性を有することが明らかとなった。
(5)in vivo酵素活性試験
グルコースの代わりに2%ラフィノースを含むSC−U培地20mlに形質転換酵母を植菌し、30℃、220rpmで18時間培養した。ヘミン(最終濃度13μg/ml)とガラクトース(最終濃度2%)を加え、さらに基質として10μlの10mMのβ−アミリン・メタノール溶液を加えた。酸素を供給するために、ファルコンチューブの上部を綿栓で封じ、無菌的かつ好気的にさらに24時間培養した。遠心により細胞を収穫し、2mlのスクリューバイアルへ移した。これに250μlの40%水酸化カリウム水溶液及び250μlのメタノールを加え、十分に攪拌し、100℃、5分で熱処理した。500μlのヘキサンを用いて脂溶性成分の抽出を2回行い濃縮した。20μlのピリジン及び無水酢酸を加えて一晩放置することにより抽出物のアセチル化を行った。これに200μlの50%メタノール水溶液を加えて反応を停止し、200μlのヘキサンを用いて抽出を2回行い濃縮した(1))。対照実験として、2)pESC−URAを用いた形質転換体を用いたもの、3)基質であるβ−アミリンを加えなかったもの、4)pESC−CYP93E1のGAL1プロモーター抑制のためガラクトースの代わりに同量のグルコースをくわえたものについても同様の手法でサンプルを調製した。これを10μlのヘキサンに溶解し、1μlを(4)における条件と同条件でGC−MS分析に供した(条件は(4)の実験と同じ)。1)の条件において3β,24−ジアセトキシ−12−オレアネンのピークがTIMで観測され(図3)、かつ、そのピークのMS開裂パターンは標品と一致した(図4)。TIMのピーク面積比による定量結果から、本条件と同一の条件で1L培養した場合(約2mgのβ−アミリンを投与)、数μgの3β,24−ジヒドロキシ−12−オレアネンが得られることになる。
(6)発現プラスミドpESC−PSYの構築
エンドウ由来のβ−アミリン合成酵素PSY(AB034802、Eur.J.Biochem.267,3543−3460,2000)を組み込んだプラスミドを鋳型に、配列番号4、5に示す、ポリペプチドのN末端とC末端に対応するオリゴDNAをプライマーとして、アニール温度58℃でPCR(30サイクル、宝酒造社製Ex Taq DNAポリメラーゼ)を行い、SalI及びNheIサイトをそれぞれN末、C末に導入したPSYの断片を得た。これをpESC−URAのSalIおよびNheIサイトに導入し、pESC−PSYを作成し、既知の手法(Eur.J.Biochem., 267,3543−3460,2000)によりβ−アミリン合成酵素活性を確認した。
(7)発現プラスミドpESC−PSY−CYP93E1の構築および形質転換酵母の作成
pESC−PSY及びpESC−CYP93E1をSalI及びClaIで消化した。得られたPSYを含む断片とCYP93E1を含む断片を連結することにより、PSYとCYP93E1の共発現プラスミドpESC−PSY−CYP93E1を構築した。これを酵母GIL77株にFrozen−EZ Yeast Transformation IIを用いて導入し、形質転換体を得た。
(8)PSYおよびCYP93E1の共発現実験
炭素源として2%グルコースを含むSC−U培地20mlにヘミン(最終濃度13μg/ml)、エルゴステロール(最終濃度20μg/ml)、Tween80(最終濃度5mg/ml)を加えた培地へ形質転換した酵母を植菌し、30℃、220rpmで1日半培養した。培地を炭素源として2%ガラクトースを含むSC−U培地20mlにヘミン(最終濃度13μg/ml)、エルゴステロール(最終濃度20μg/ml)、Tween80(最終濃度5mg/ml)を加えた培地へと交換した後、さらに30℃、220rpmで1日培養した。細胞をpH7.5の50mMリン酸−カリウム緩衝液へ移し、ヘミン(最終濃度13μg/ml)及びグルコース(最終濃度3%)を加え、さらに30℃、220rpmで1日インキュベートした。(4)における実験手法と同様にアセチル化したGC−MS分析用サンプルを調製した。対照実験として、pESC−URAを用いた形質転換体、pESC−PSY、pESC−CYP93E1を用いた形質転換体を用いた形質転換体についても同様の手法でサンプルを調製した。これを1000μlのヘキサンに溶解し、1μlをGC−MS分析に供した(条件は(4)実験に同じ)。図5に示すようにpESC−PSY−CYP93E1形質転換酵母を用いた場合のみ3β,24−ジアセトキシ−12−オレアネンに対応するピークがTIMで観測された。ピーク面積比による定量解析の結果、本条件で1L培養した場合、数百μgの3β,24−ジヒドロキシ−12−オレアネンが得られることになる。
(9)GIL77/pESC−PSY−CYP93E1の大量培養(1L)
500mlの三角フラスコに250mlの炭素源として2%ラフィノースを含むSC−U培地250mlにヘミン(最終濃度13μg/ml)、エルゴステロール(最終濃度20μg/ml)、Tween80(最終濃度5mg/ml)を加えた培地へ形質転換した酵母を植菌した。これを4本作成し、全量で1Lの培養を行った。30℃、220rpmで20時間培養したのち、ガラクトースを加え(最終濃度2%)、さらに30℃、220rpmで20時間培養した。細胞全量を100mlのpH7.5の50mMリン酸―カリウム緩衝液へ移し、ヘミン(最終濃度13μg/ml)及びグルコース(最終濃度3%)を加え、さらに30℃、220rpmで1日インキュベートした。
(10)GIL77/pESC−PSY−CYP93E1の1L培養から生成物の単離
(9)で得た培養から遠心により細胞を収穫し、50mlの40%水酸化カリウム水溶液及び50mlのメタノールを加え、1時間加熱還流を行った。50mlのヘキサンを用い脂溶性画分の抽出を行った。ヘキサン画分は50mlの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回十分に洗浄した。この操作を3回繰り返し抽出を行い、約23mgの脂溶性画分を得た。
これを2段階のシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。まず、上記脂溶性画分をベンゼンに溶解し、シリカゲルFC−40(4g、和光純薬)、ヘキサン・酢酸エチル溶媒系を用いて精製した。次に、当該画分をシリカゲルFC−40(2g)及びベンゼン・酢酸エチル溶媒系を用いて精製し、0.55mgの3β,24−ジヒドロキシ−12−オレアネンを得た。
(11)発現プラスミドpESC−YUP43の構築
シロイヌナズナ由来のβ−アミリンを含む9種のトリテルペンを与える多機能型トリテルペン合成酵素YUP43(Tetrahedron lett., 41,7705−7710,2000)を組み込んだプラスミドを鋳型とし、配列番号6、7に示す、ポリペプチドのN末端とC末端に相当するオリゴDNAをプライマーとして、PCR(アニール温度58℃、30サイクル、宝酒造社製Ex Taq DNAポリメラーゼ)を行い、SalI及びNheIサイトをそれぞれN末、C末に含むYUP43の断片を得た。これをpESC−URAのSalIおよびNheIサイトに導入し、pESC−YUP43を作成し、既知の手法(Tetrahedron lett., 41,7705−7710,2000)により多機能型トリテルペン合成酵素活性を確認した。
(12)発現プラスミドpESC−YUP43−CYP93E1の構築および形質転換酵母の作成
pESC−YUP43及びpESC−CYP93E1をSalI及びClaIで消化した。YUP43を含む断片とCYP93E1を含む断片を連結することによりYUP43とCYP93E1を共発現させるプラスミドpESC−YUP43−CYP93E1を構築した。これを酵母GIL77株にFrozen−EZ Yeast Transformation IIを用いて導入し、形質転換体を得た。
(13)YUP43および配列番号8のポリヌクレオチドの転写・翻訳産物のポリペプチドの共発現実験
(8)と同様の手法により、pESC−URA、pESC−YUP43、pESC−CYP93E1、pESC−YUP43−CYP93E1、それぞれによる形質転換体ついてサンプルを調製した。これらを1000μlのヘキサンに溶解し、1μlをGC−MS分析に供した(条件は(4)実験に同じ)。図7に示すようにpESC−YUP43−CYP93E1形質転換酵母を用いた場合のみ、TIMにおいて3β,24−ジアセトキシ−12−オレアネンのピークが観測された。YUP43におけるβ−アミリンの生産量がPSYのものより低いため、3β,24−ジアセトキシ−12−オレアネンの産生量はpESC−PSY−CYP93E1形質転換体と比較して低下した。一方、他のトリテルペン(ルペオール、ブチロスペルモール、チルカラジエノール、タラキサステロール、シュードタラキサステロール、バウレエレノール、α−アミリン、マルチフロレノール)の水酸化体と考えられるピークは検出限界以下であった。

本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2004年2月25日出願の日本特許出願(特願2004-049123)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明により、オレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する酵素を遺伝子工学的に取り扱うことが可能となった。従って、当該水酸化酵素遺伝子を組み込んだ細胞を用い、例えば酵母などによる水酸化酵素の生産、水酸化反応の利用、植物トリテルペンの微生物生産などに利用可能である。また、水酸化酵素の遺伝子を植物に組み込むことによりソヤサポゲノールなどのトリテルペンの生産を増大させる等、農業分野での利用可能性がある。
は配列番号8の翻訳産物によるβ−アミリンの24位水酸化活性(in vitro)を示す。さらに詳しくは、生成物をアセチル化後GCMSで解析したm/Z=218をモニターしたマスクロマトグラムを表す。A〜Fは以下の結果を示す。 A:3β,24-ジアセトキシ-12-オレアネンの標品 B:pESC-CYP93E1による形質転換酵母から調製した粗酵素液とβ-アミリンをNADPH再生システム共存下反応させて得られる生成物 C:Bの反応系からβ-アミリンを除いて反応させた生成 D:Bの反応において、熱変性させた粗酵素液を用いて反応させた生成物 E:pESC-CYP93E1による形質転換酵母を、グルコースを添加して培養。他はBと同一条件。 F:ボイドベクターpESC-URAによる形質転換酵母から調製した粗酵素液を使用。他はBと同一条件。 は配列番号8の翻訳産物によるソフォラジオール24位水酸化活性(in vitro)を表す。さらに詳しくは、生成物をアセチル化後GCMSで解析したm/Z=216をモニターしたマスクロマトグラムを表す。A〜Fは以下の結果を示す。 A:トリアセチルソヤサポゲノールBの標品 B:pESC-CYP93E1による形質転換酵母から調製した粗酵素液とβアミリンをNADPH再生システム共存下反応させて得られた生成物 C:Bの反応系からソフォラジオールを除いて反応させた生成 D:Bの反応において、熱変性させた粗酵素液を用いて反応させた生成物 E:pESC-CYP93E1による形質転換酵母を、グルコースを添加して培養。他はBと同一条件。 F:ボイドベクターpESC-URAによる形質転換酵母から調製した粗酵素液を使用。他はBと同一条件。 は配列番号8の翻訳産物によるβ−アミリンに対する24位水酸化活性(in vivo)生成物を示す。さらに詳しくは、生成物をアセチル化後GC-MSで解析したTIMによるクロマトグラムを示す。A〜Eは以下の結果を示す。 A:3β,24-ジアセトキシ-12-オレアネンの標品(20pmol) B:pESC-CYP93E1による形質転換酵母にβ-アミリンを投与して得られた生成物 C:β-アミリンを投与しない場合。他はBと同じ。 D:形質転換酵母を、グルコースを添加して培養。他はBと同一条件。 E:ボイドベクターpESC-URAによる形質転換酵母β-アミリンを投与。他はBと同一条件。 は、配列番号8の翻訳産物のβ−アミリン24位水酸化活性(in vivo)を示す。AおよびBは以下の結果を示す。 A:図3のBにおいて検出した保持時間15.35分のピークのマススペクトル B:図3のA(3β,24-ジアセトキシ-12-オレアネンの標品)のマススペクトル はCYP93E1とβ−アミリン合成酵素(PSY)の共発現による3β,24−ジヒドロキシ−12−オレアネンの生産を示す。さらに詳しくは、各形質転換酵母(GIL77)から得られた脂溶性画分をアセチル化し、GCMS解析によるTIMによるクロマトグラムを示す。A〜Eは以下の結果を示す。 A:3β,24-ジアセトキシ-12-オレアネンの標品(20pmol) B:pESC-PSY-CYP93E1による形質転換酵母の抽出物 C:pESC-PSYによる形質転換酵母の抽出物 D:pESC-CYP93E1による形質転換酵母の抽出物 E:pESC-URAによる形質転換酵母の抽出物 はGIL77/pESC−PSY−CYP93E1の1L培養から得た生成物の1H−NMRを示す。 は配列番号8の翻訳産物と多機能型トリテルペン合成酵素(YUP43)の共発現による3β,24−ジヒドロキシ−12−オレアネンの生産を示す。さらに詳しくは、各形質転換酵母(GIL77)から得られた脂溶性画分をアセチル化し、GCMS解析におけるTIMによるクロマトグラムを示す。A〜Eは以下の結果を示す。 A:3β,24-ジアセトキシ-12-オレアネンの標品(20pmol) B:pESC−YUP43−CYP93E1による形質転換酵母の抽出物 C:pESC−YUP43による形質転換酵母の抽出物 D:pESC−CYP93E1による形質転換酵母の抽出物 E:pESC−Uraによる形質転換酵母の抽出物

Claims (16)

  1. 配列番号8で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを有する発現ベクター。
  2. ポリヌクレオチドが配列番号8で表されるポリヌクレオチドである請求項1に記載の発現ベクター。
  3. 請求項1または2記載の発現ベクターで宿主を形質転換した形質転換体。
  4. 宿主が微生物である請求項3記載の形質転換体。
  5. 微生物が酵母である請求項4記載の形質転換体。
  6. 配列番号8で表されるポリヌクレオチドの相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびβ−アミリン合成酵素遺伝子を有する発現ベクター。
  7. ポリヌクレオチドが配列番号8で表されるポリヌクレオチドである請求項6に記載の発現ベクター。
  8. 請求項6または7記載の発現ベクターで宿主を形質転換した形質転換体。
  9. 宿主が微生物である請求項8記載の形質転換体。
  10. 微生物が酵母である請求項9記載の形質転換体。
  11. 受託番号FERM BP−10201として寄託されているラノステロール合成酵素欠損酵母変異株。
  12. 請求項3から5のいずれかに記載の形質転換体を培養して、請求項1に記載のポリペプチドを産生する工程を含むオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドを製造する方法。
  13. 請求項8から10のいずれかに記載の形質転換体を培養して、
    1)請求項3に記載のポリペプチドを産生する工程および
    2)β−アミリン合成酵素を産生する工程
    を含むオレアナン型トリテルペンの24位を水酸化する活性を有するポリペプチドおよびβ−アミリン合成酵素を製造する方法。
  14. 請求項3から5のいずれかに記載の形質転換体をオレアナン型トリテルペンに作用させる工程を含む24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンの製造方法。
  15. 請求項8から10のいずれかに記載された形質転換体の培養生産による24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンの製造方法。
  16. 請求項11に記載の酵母変異株の培養生産による24位が水酸化されたオレアナン型トリテルペンの製造方法。
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