JPWO2005061163A1 - ソーチェーンの目立て機 - Google Patents

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ハンディタイプの電動モータの前方に支持させた保持板でソーチェーンの両端部を挟み付けて目立て姿勢を安定させた状態で、電動モータ先端に装着した丸棒状の研削具や丸棒状と石などの研削具を高速回転させて、その側部でソーチェーンの目立てを効率良く行なうソーチェーンの目立て機を提供することにある。ハンディタイプの電動モータの駆動軸先端に研削用の丸軸状の研削具が取り付けられた目立て機本体の前方に向けて支持部材を突出させ、支持部材の前端部に装着された取付板に、ソーチェーンの上部に跨支可能な形状を有し中央に研削個所が上方から可視できる開口が形成されソーチェーンに沿う方向に長く形成された保持板が、一定幅をもってソーチェーンの左右個所に位置するカッター刃の目立て角に合わせた向きになるように水平回転自在に支持され、取付板には刃先を固定して正確な刃先角を決めるための突出部が設けられている。

Description

本発明は、電動モータの先端に取り付けた丸棒状の研削具を回転させてその側部でソーチェーンのカッター刃の刃先を目立てするソーチェーンの目立て機に関する。
ソーチェーンの目立て機の従来技術として、例えば、日本実開昭61−24121号公報に記載のチェーンソー用上刃研削装置が挙げられる。この研削装置は、小型モータよりなるホルダ9と、ホルダ9先端のチャック10に取り付けられたモータ回転自在な棒状砥石11と、ホルダ9先端部の取付部12に取り付けられる環体部14と、該環体部14より前記と石11の両端で該砥石11と平行に延設した当板16を有する保持本体13と、該保持本体13の当板先端部に止具15によって固着され、前記砥石11に対向し、自由な位置で砥ししと同一軸心上に固着される保持棒20を有する砥石保持19とを備えている。
このチェーンソー用上刃研削装置の使用は、ホルダ9を手で持ち、モータの駆動により棒状砥石11を回転させて、保持本体13の当板18をチェーン主体1上に添え、カッター刃リンク2の上刃と上刃8に保持棒8に保持棒20を当てて目立て角度を決めた後、装置全体を目立て角度に沿って前方にずらした位置で、回転する棒状砥石11による研削によって上刃の前端部及び上刃8の目立てを行なうという手順で行なわれる。
また、別の公知技術として、日本実開昭57−186227号公報に記載の研削具のいらないソーチェーンの目立て機が挙げられる。この目立て機は、モートル2の駆動軸先端部に筒状のと石(砥石)3が取り付けられ、このモートル2の前下部に、平面視略5角形状を有し前端の2斜辺は直角下方に折曲して前板部分が形成された角度調整板1が取り付けられ、この角度調整板1の各前板部分の前端に、深さ調整板6が上下方向の調整が自在に枢支されたもので構成されている。
この目立て機の使用は、モートルでと石3を回転させて、角度調整板1の各前面のいずれか一方をソーチェーンの側部に沿わせてと石3の向きを上刃の目立て角に揃えるとともに、深さ調整板6の下面をソーチェーンの上端に当てて付加さ調整板6の高さ調整を行なって、と石3を目立てに最適な高さに設定して、と石3の研削により目立てを行なうという手順で行なわれる。
しかしながら、上述した研削装置及び目立て機は、その使用に際し、ホルダやモートル2を手で持って、当板16や角度調整板1をソーチェーン上に置いて使用するものであるが、ホルダやモートル2を手で持つこと自体、不安定になり易いのにもかかわらず、何の支えも無く、当板16や角度調整板1をソーチェーン上に置くだけでは、研削装置や目立て機の姿勢を安定させるには不十分であるという課題があった。
このため、従来では、精度の高い目立てや目立て角に合った目立てがし難く、手が疲れ、作業効率が次第に低下するなどの課題があった。
本発明は、従来技術が有していた上記課題を解決しようとするものであり、ソーチェーンの一部を構成するカッター刃の刃先の目立て作業を、ハンディタイプの電動モータの前方に支持させた保持板でソーチェーンの両端部を挟み付けて目立て姿勢を安定させた状態で、電動モータ先端に装着した丸棒状の研削具や丸棒状と石などの研削具を高速回転させて、その側部でソーチェーンの目立てを効率良く行なうソーチェーンの目立て機を提供することを目的とする。
以上の課題を達成する本発明によるソーチェーンの目立て機は、ハンディタイプの電動モータの駆動軸先端に研削用の丸軸状の研削具が取り付けられた目立て機本体からその前方に向けて支持部材を突出させ、当該支持部材の前端部又はその前端部に装着された取付板には、ソーチェーンの上部に跨支可能な形状を有し中央に研削個所が上方から可視できる開口が形成されソーチェーンに沿う方向に長く形成された保持板が、一定幅をもってソーチェーンの左右個所に位置するカッター刃の目立て角に合わせた向きになるように水平回転自在に支持され、前記支持板の前端部又は前記取付板には刃先を固定して正確な刃先角を決めるための突出部が設けられていることを特徴としている。
本発明の目立て機による目立ては、先ず、ソーチェーンのカッター刃の目立て角に合うように、保持板を目立て機本体に対して左右いずれかの方向の規制された位置まで水平回動させ、続いて、保持板をソーチェーンの上部に上方から跨支(上方から嵌め入れて置く)させて、ソーチェーンのカッター刃の目立て上刃が保持板の開口上方から見えるように位置合わせを行なって、研削具の側部を上刃の目立て角に沿わせ、水平方向に力を保持板に加え続け、保持板の前後の面でソーチェーンを挟み付けることにより目立て機の位置と姿勢と向きを確保した状態で、電動モータで高速回転させた研削具の側部をカッター刃の刃先に沿わせて研削して行なう。
ここにいう刃先は、上刃前端の刃先と湾曲部の後縁に形成されている刃先を合わせたものを指し、目立ては、カッター刃の目立て角と刃先角に対応した刃先の研削をいう。
電動モータは各国及び各地域に対応した家庭用交流電源又は二次電池により駆動するものが用いられる。研削具は電動モータの先端に取り付けられた、丸棒状のヤスリ、又は金属軸の周囲に砥石などの粒子を固定させたものが用いられ、目立ては研削具を高速回転させてその側部を刃先に接触させることにより行なう。
目立てを行なうときには、保持板を目立て機本体に対して水平回動が規制される停止位置まで水平回動操作した状態にする。このようにすると、目立て機を安定させることができ、特に本発明では左右に長い保持板を用いているため、目立て時における目立て機のブレが少なく、目立て角及び刃先角の位置合わせの誤差が少なくなる。このため、正確な目立て角が確保できる。そして目立てを行なうときには、支持部材の前端部又はその前端部に装着された取付板に設けられた突出部の側縁をカッター刃の刃先角に合わせて目立てを行ない、このようにすると更に正確な目立て作業ができる。
なお、保持板は支持部材の先端に装着した取付板に水平回動自在に支持されたものを最適とするが、支持部材の先端を側方に折曲させて、この折曲させた部分に保持板を水平回動自在に装着してもよい。このため、前記突出部は取付板又は支持部材の先端から研削具の側縁に沿った目立てを行なう正確な位置関係のある位置に向けて設けられている。
本発明によるソーチェーンの目立て機によれば、ハンディタイプの電動モータを利用した高品質な目立てができ、特に、保持板をソーチェーンの上部の跨支させて、手で持ってイる電動モータを左右何れかの水平方向に振り向けて、保持板の前後の面でソーチェーンの両側部を挟み付けた姿勢で目立てができるようにした結果、目立て機全体の姿勢を安定させてブレが殆ど無い状態で目立てができるようになった。
また、左右のカッター刃の目立て角の向きが左右対称になっていることに対応させて、目立て機本体に対して保持板を左右何れか幅いっぱいの方向に振り向けるだけで、これらの刃先の研磨や研削、すなわち目立てに対応させることができるようになった。
更に、支持板の前端部に、又は支持板の前端部に取付板が装着された構造のものについてはこの取付板に、刃先を固定して正確な刃先角を決めるための突出部を設けたことによって、この突出部の側縁をカッター刃の目立て角に合わせる微調整の操作を行なうことができ、この結果、更に正確なカッター刃の目立てができるようになった。
図1は、本発明実施例によるソーチェーンの目立て機を示した斜視図である。
図2(a)は、同じくその主要部を示した平面図、図2(b)は同じくその主要部の底面図である。
図3(a)は本発明実施例の目立て機を示した側面断面図、図3(b)は保持板を示した側面断面図である。
図4(a)は目立て機本体を水平回転方向の一方の向きに振り向けた状態示した平面図、図4(b)はその使用状態における要部を示した平面図、図4(c)は研削具を水平回動してソーチェーンの刃先に向けた状態を示した簡略断面図である。
図5(a)は目立て機本体を他方の向きに振り向けた状態を示した平面図、図5(b)はその使用状態における要部を示した平面図である。
図6は、本発明実施例の目立て機に拡大レンズを取り付けた状態を示した斜視図である。
本発明を実施するための最良の形態は次の基本構造を備えている。
(1)ハンディタイプの電動モータの駆動軸先端に研削用の丸軸状の研削具が取り付けられて目立て機本体が構成されている。
(2)電動モータの前部側方から前方に向けて支持部材を突出させてある。
(3)支持部材の前端下部に、ソーチェーンの上部に跨支可能な形状を有し中央に研削個所が上方から可視できる開口が形成されソーチェーンに沿う方向に長く形成された保持板が一定幅をもって水平回転自在に支持されている。
(4)保持板を幅いっぱいに水平回転させてソーチェーンにセットさせると、研削具がソーチェーンの左右何れかのカッター刃の目立て角に合う向きになっている。
(5)支持部材の前端又はこの前端に装着した取付板に研削具と正確な位置関係にある突出部が設けられている。
図1は本発明実施例によるソーチェーンの目立て機を斜視図で示し、図2(a)はその主要部を平面図で示し、(b)は同じくその主要部を底面図で示し、図3(a)は実施例1の目立て機を側面断面図で示し、(b)は保持板を側面断面図で示している。
これら各図に示す本発明実施例の目立て機1は、各国及び各地域に対応した家庭用交流電源で駆動するハンディタイプの電動モータ2の駆動軸先端にチャック3を利用して丸棒状の研削具4を取り付けた目立て機本体1aと、目立て機本体1aをソーチェーン側に固定させる保持板5と、電動モータ2と保持板5とを水平回動可能に連結する支持部材6とを備えている。
支持部材6は、電動モータ2のケース部2aの前部2bに固定した環状肉厚形状の基部7と、基部7前面の上側個所から前方に突出させたロッド8と、ロッド8の先端部分から研削具4前方位置に突出固定させた取付板9とが組み付けられて一体となっており、この取付板9の後端の略中央個所から後方に向けて、細幅形状の突出部9aを突出させた形状を有しており、この突出部9a一方の側縁は、研削具4の側縁に沿う正確な目立て角に合わせた位置にある。
そして、この取付板9の下面に、保持板5の取付用板面52aがビス10で留められて、保持板5全体が一定幅をもって水平回動自在に支持されている。
保持板5は、左右に長い形成を持つ立板面51と、立板面51の上端を前方直角方向に折曲させて形成した上板面52と、上板面5先端の左右寄りの各一部分を下方に折曲させて形成した対向立板面53L,53Rとを有し、上板面52は保持板5をソーチェーンの向こう側の側部を押える立設部分になっている。そして、立板面51に沿った下部面51aが若干前方に段差してソーチェーンの手前側の側部に沿わせる面になっている。そして、更に、その上方に位置する側部視コ字形状の手前側に後退している空間54が、カッター刃14の上刃14aの外側に若干膨らんでいる部分14cの逃げ場になっている。
上板面52の中央部分は、略山形を有する取付用板面52aとなって前方に突出しており、この取付用板面52aの中央面手前には、上方からカッター刃14が見えるようにするための開口55が形成されている。
取付板9のビス留めされた個所の前方個所には、ビス19の軸からなる突起19aが下方に向けて突出固定されており、この突起19aは保持板5の取付用板面52aの先端に形成されている円弧形状の切欠部52b内に突出している。切欠部52bの円弧方向の長さ(一定幅)は、保持板5をソーチェーンの上部に跨支したまま目立て機本体1aを左右何れかの方向に回動操作して左右のカッター刃の刃先を目立てすることができる範囲内にしてあり、目立て機本体1aの左右回動に伴って突起19aは切欠部52b内を移動する。切欠部52bの両側は突起19aの移動を規制するストッパーとしての機能をもち、突起19aがストッパーに接当したときに、研削具4の向きが目立て角と一致する。
研削具4の大部分は保持板5の手前側から前方の開口55内に向けて(上板面52に対して)水平に突入しており、保持板5をソーチェーンに嵌め入れたときに、保持板5の側部がソーチェーンのカッター刃の目立てが出切る高さになる。そして、前記突出部9aが、保持板5の上板面52と高さを揃えて、開口55内の研削具5に近接して沿う右側上方に位置している。
左右のカッター刃の目立て角は左右対称な形状になっており、切削角も左右対称な向きになっており、実施例1の目立て機1は、これらの向きの違いに対しても、目立て機本体1aを左右何れかの方向に振り向けて目立てできるようになっている。図4及び図5の各図は、いずれもその使用状態を平面図で示している。
図4(a)は目立て機本体1aを水平回転方向の一方の向きに振り向けた状態を示した平面図であり、(b)はその使用状態における要部を示した平面図、(c)は研削具を水平回動してソーチェーンの刃先に向けた状態を示した簡略断面図である。
手前側のカッター刃14Rの目立てを行なうときには、電動モータ2のケース部2aを手で持って、保持板5を図2の各図に示す向きから、図4(a)に示すように、矢(A)方向に向け、この姿勢で、保持板5をソーチェーン11の上方から嵌め入れてソーチェーン11上に置き、開口55上方から上刃14aの刃先14eの目立て角に合わせる位置合わせを行なって、目立て機本体1aを、突起19aが切欠部52bの一方の端部に接当するまで、矢(A)方向に回動操作する。
このようにすると、保持板5には水平回動方向の力が加わって、保持板5の立板面51の下部面51aと対向立板面53Lとによってソーチェーン11の両側を挟み付けて、保持板5をソーチェーン11に固定させることができる。このとき、図4(c)に示すように、研削具5の側部の高さはカッター刃14Rの刃先14e,14fの研削角に合った高さにあるため、目立て機本体1イの向きを図4(a)に示す矢(A)方向に向けるだけで、高速回転する研削具4の側部で刃先14e,14fを研削する目立てができる。
図5(a)は目立て機本体1aを他方の向きに振り向けた状態を示した平面図であり、同(b)図はその使用状態における要部を示した平面図である。
図5(a)及び(b)に示すように、向こう側(ソーチェーン側から見ると左側)のカッター刃14Lの目立てを行なう場合には、保持板5を図5(a)に示す矢(B)方向に向け、この姿勢で、保持板5をソーチェーン11の上方から嵌め入れてソーチェーン11上に置く。この後は図4(a)により前述した同じ目立て方法で目立てする。なお、ソーチェーン11の左右の刃先を交互に目立てするときは、ソーチェーン11上に嵌め込んでいる保持板5を若干浮かせて、保持板5中央の開口55上方からカッター刃14Lの上刃14aが見える位置まで保持板5の位置をずらし、この位置で保持板5をソーチェーン11上に置いて、突起19aが切欠部52bの他方の端部に接当するまで、目立て機本体1aを矢(B)方向に操作する。
このようにすると、保持板5に同方向の力が加わり、図4(a)及び(b)に示す方向と左右対称となる方向に研削具4を向けることができ、この姿勢で高速回転する研削具4の側部をカッター刃4の刃先14e,14fに接触させて研削する目立てを行なう。
目立て作業は、左右のカッター刃14L,14Rを交互に行なってもよく、また、左右いずれかのカッター刃14L(14R)毎に行なってもよい。
目立ては、高速回転する研削具4をカッター刃14の刃先14e,14fに接触させて行なうため、上刃14dにビビリやブレが生じ易くなるが、前記突出部9aによってカッター刃14を上方から押えているので、上刃14dのビビリ、ブレは殆ど防がれる。
この突出部9aは、研削によって発生する火花や金属粉が上方に飛散するのを受け止める機能も有し、作業性及び安全性を高めるようにしてある。
図6は本発明実施例の目立て機1に拡大レンズを取り付けた状態を斜視図で示している。図6に示すように、拡大レンズ17は電動モータ2の先端部に取り付けられている支持部材6の基部7に取付用アーム18を介して着脱可能且つ横方向に移動可能に取り付けられており、このように拡大レンズ17を設けると、刃先を拡大して見ながら目立てできる。
本発明によるソーチェーンの目立て機は、チェーンソーに設けられているソーチェーンの刃先を研磨や研削による目立てをするもので、小型で使い易く、片手で持っている電動モータの向きを左右いずれかの水平方向に向きを変える操作だけでソーチェーンの左右の刃を研磨でき、研磨する角度の位置決めが容易で、研磨作業中にブレが生じ難い構造になっている。このため、熟練者だけでなく目立ての経験の無い方でも、上手く目立てでき、新規の需要だけでなく、従来品からの買い替えが期待できる。

Claims (1)

  1. ハンディタイプの電動モータの駆動軸先端に研削用の丸軸状の研削具が取り付けられた目立て機本体からその前方に向けて支持部材を突出させ、当該支持部材の前端部又はその前端部に装着された取付板には、ソーチェーンの上部に跨支可能な形状を有し中央に研削個所が上方から可視できる開口が形成されソーチェーンに沿う方向に長く形成された保持板が、一定幅をもってソーチェーンの左右個所に位置するカッター刃の目立て角に合わせた向きになるように水平回転自在に支持され、前記支持板の前端部又は前記取付板には刃先を固定して正確な刃先角を決めるための突出部が設けられていることを特徴とするソーチェーンの目立て機。
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