JPWO2005057051A1 - 電動アクチュエータとその制御装置 - Google Patents
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Abstract
迅速かつ円滑に伝達トルクの切り替えができると共に、装置コストの安価化及び装置のコンパクト化が可能な電動アクチュエータ(10)及びその制御装置を提供する。回転トルクを出力するモータ(40)と、該モータの回転運動を受けて2つの出力軸(53,54)に分配して出力するトルク分配手段(50)と、該トルク分配手段(50)の前記2つの出力軸(53,54)の回転運動を選択的に拘束する回転拘束手段(60)と、前記2つの出力軸(53,54)の一方の前記回転運動受けて往復運動に変換する運動変換手段(70)と、前記他方の出力軸の前記回転運動を受けて回転運動すると共に前記往復運動を受けて往復運動する出力シャフト(80)と、を備えてなる。
Description
本発明は、電動アクチュエータとその制御装置に係り、特に、1つのモータで、1つの出力シャフトを回転運動と往復運動とをさせる電動アクチュエータとその制御装置に関する。
従来、同期噛合い式歯車変速機を用いた車両の変速は、該変速機内の歯車の噛合いを変更(ギヤ比を変更)することによって、行われている。このような変速機は、具体的には、電動アクチュエータを用いることにより、トルク伝達手段である複数ある噛合いクラッチの中から適切なクラッチを選択(セレクト動作)し、選択した該クラッチをスライド(シフト動作)させることで、ギヤ比を変更し、自動変速を行っている。そして、通常、セレクト動作及びシフト動作を行うためには、1つの自動変速機に、その動作数に合わせた複数の電動アクチュエータを必要としている。
これらの問題を解決すべく、特開2000−35127号公報の明細書には、1つの電気モータを用いて、セレクト動作及びシフト動作(2つの動作)を行う電動式セレクトシフト装置が、開示されている。この電動式セレクトシフト装置は、1つの電気モータで、2つの動作を独立的に制御するために、次の2つの構成を設けている。第一に、この装置は、セレクト動作又はシフト動作が可能なように、モータの出力軸を中空にすると共に、該出力軸内に、セレクト・シフト軸を設けている。そして、モータの出力軸とセレクト・シフト軸とは、ボールねじ機構を介して、係合している。第二に、この装置は、駆動力を発生させる電気モータの出力軸と、制御対象にトルク伝達する回転軸との間に電磁クラッチを設置している。そして、この装置は、電磁クラッチを励磁した時は、モータの出力軸とセレクト・シフト軸が同期回転をし、セレクト動作が行われる。一方、電磁クラッチを非励磁にした時は、セレクト・シフト軸の回転が拘束されることでシフト動作が行われる。
しかし、このような機構を用いると、電磁クラッチの摩擦面は、伝達トルクを直接的に受け持つので、大きな電磁クラッチが必要とされる。また、動作の切り替えをする際には、急激なトルク変動が生じるため、装置に振動が発生する。そして、この振動は、制御対象の制御性に影響を与える虞があるので、動作の切り替え時には、一旦モータを停止することが望ましい。このように、モータの起動及び停止を繰返すと過剰な無駄時間が発生してしまう。
さらに、2つの動作に要求されるトルク及び速度は、それぞれ異なるため、この要求されるトルク及び速度に合わせてモータ容量を選定し、制御を行なう必要がある。そして、負荷トルクと要求される動作速度との関係から、必要な駆動条件を満足するように、モータを選定するとモータの体格が大型化してしまう。また、単純に減速装置を用いたとしても、設計段階で、設置スペースを最小限に抑え、最適な減速比率を有した減速装置を選定し、該減速装置に合わせてモータスペックを決定することは困難である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、迅速かつ円滑に伝達トルクの切り替えができると共に、装置コストを低くし、装置のコンパクト化が可能な電動アクチュエータ及びその制御装置を提供することにある。
これらの問題を解決すべく、特開2000−35127号公報の明細書には、1つの電気モータを用いて、セレクト動作及びシフト動作(2つの動作)を行う電動式セレクトシフト装置が、開示されている。この電動式セレクトシフト装置は、1つの電気モータで、2つの動作を独立的に制御するために、次の2つの構成を設けている。第一に、この装置は、セレクト動作又はシフト動作が可能なように、モータの出力軸を中空にすると共に、該出力軸内に、セレクト・シフト軸を設けている。そして、モータの出力軸とセレクト・シフト軸とは、ボールねじ機構を介して、係合している。第二に、この装置は、駆動力を発生させる電気モータの出力軸と、制御対象にトルク伝達する回転軸との間に電磁クラッチを設置している。そして、この装置は、電磁クラッチを励磁した時は、モータの出力軸とセレクト・シフト軸が同期回転をし、セレクト動作が行われる。一方、電磁クラッチを非励磁にした時は、セレクト・シフト軸の回転が拘束されることでシフト動作が行われる。
しかし、このような機構を用いると、電磁クラッチの摩擦面は、伝達トルクを直接的に受け持つので、大きな電磁クラッチが必要とされる。また、動作の切り替えをする際には、急激なトルク変動が生じるため、装置に振動が発生する。そして、この振動は、制御対象の制御性に影響を与える虞があるので、動作の切り替え時には、一旦モータを停止することが望ましい。このように、モータの起動及び停止を繰返すと過剰な無駄時間が発生してしまう。
さらに、2つの動作に要求されるトルク及び速度は、それぞれ異なるため、この要求されるトルク及び速度に合わせてモータ容量を選定し、制御を行なう必要がある。そして、負荷トルクと要求される動作速度との関係から、必要な駆動条件を満足するように、モータを選定するとモータの体格が大型化してしまう。また、単純に減速装置を用いたとしても、設計段階で、設置スペースを最小限に抑え、最適な減速比率を有した減速装置を選定し、該減速装置に合わせてモータスペックを決定することは困難である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、迅速かつ円滑に伝達トルクの切り替えができると共に、装置コストを低くし、装置のコンパクト化が可能な電動アクチュエータ及びその制御装置を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る電動アクチュエータは、回転トルクを出力するモータと、該回転トルクを分配して、回転運動として2つの出力軸に出力するトルク分配手段と、前記2つの出力軸の回転運動を選択的に拘束する回転拘束手段と、前記2つの出力軸の一方の前記回転運動を変換して受けて往復運動すると共に前記他方の出力軸の前記回転運動を受けて回転運動する出力シャフトと、を備えることを特徴としている。また、本発明に係る電動アクチュエータは、前記トルク分配手段が、サンギヤとプラネタリギヤとリングギヤとからなる遊星歯車機構であって、前記サンギヤの回転軸は、前記モータからの出力で回転する軸であり、前記プラネタリギヤの公転軸と、前記リングギヤの回転軸とは、前記2つの出力軸のいずれかであることを特徴としている。また、本発明に係る電動アクチュエータは、前記トルク分配手段が、入力ギヤと、該入力ギヤと噛合して該入力ギヤの入力回転軸と垂直となる自転軸で自転すると共に該入力回転軸で公転する2つのピニオンギヤと、前記2つのピニオンギヤに噛合して前記入力回転軸と同軸で回転する出力ギヤと、前記2つのピニオンギヤを支持して該ピニオンギヤと一体となって回転するリングギヤと、からなるディファレンシャルギヤと、該リングギヤと噛合し、連動して回転するセレクト部材と、を備えており、前記入力ギヤの回転軸は、前記モータからの出力で回転する軸であり、前記出力ギヤの回転軸と、前記セレクト部材の回転軸とは、前記2つの出力軸のいずれかであることを特徴としている。さらに、本発明に係る電動アクチュエータは、前記2つの出力軸の一方の出力軸と前記出力シャフトとは、ねじ係合した機構を介して、前記2つの出力軸の他方の出力軸と前記出力シャフトとは、同調して回転するような機構を介して、連動連結され、前記他方の出力軸を拘束した時は、前記出力シャフトは、前記往復運動し、前記一方の出力軸を拘束した時は、前記出力シャフトは、前記回転運動することを特徴としている。
前記のごとく構成された本発明の電動アクチュエータは、1つのモータに対して、2つの出力軸を持ち、回転拘束手段により、拘束する出力軸を選択することができる。また、回転運動を往復運動に変換するので、1つのモータで、2種類の動作を選択的に行うことが可能になり、装置の小型化、安価化、が実現可能となる。
さらに、モータの回転トルクを、トルク分配しているので、2つの出力軸が同時に作動することが可能であり、このような構成により、滑らかに回転始動することができ、トルク伝達経路を切り替える際の急激な伝達トルクの変動を抑制することができる。また、トルクの分配する比率を適切に選定すれば、モータの出力を大幅に変更するとがないので、容量が異なる2つのモータで個別に制御することはない。遊星歯車、ディファレンシャルギヤを用いた場合は、各ギヤ比を大きくとれることから伝達トルクが大きい場合に好適である。
また、本発明に係る電動アクチュエータは、前記回転拘束手段が、ソレノイドアクチュエータと、該ソレノイドアクチュエータと連動した拘束部材と、を備え、前記ソレノイドアクチュエータの励磁状態により、前記拘束部材は、前記2つの出力軸のいずれかを拘束、及び/又は、非拘束することを特徴としている。また、本発明に係る電動アクチュエータは、前記回転拘束手段が、電磁式又は油圧式の2つのクラッチを備え、該クラッチの締結又は非締結に伴い、前記2つの出力軸のいずれかを拘束、及び/又は、非拘束することを特徴としている。
前記のごとく構成された本発明の電動アクチュエータは、電磁クラッチ又は油圧クラッチを採用することにより回転拘束力を独立して制御できるので、トルク分配手段におけるトルク分配量を細かく制御することができ、前述のシフト動作とセレクト動作におけるトルク配分を制御することが可能となる。
また、本発明に係る電動シフト装置は、前記電動アクチュエータと、前記モータ及び前記回転拘束手段を制御する制御装置と、を備え、この電動シフト装置は、車両の同期噛合い式歯車変速機用として用いられてもよく、このような用途に用いられた場合は、前記変速機が、該変速機を変速させるための変速手段を有し、該変速手段の操作に基づき、前記制御装置によって前記モータ及び前記回転拘束手段を制御する。このように、車両の同期噛合い式歯車変速機に適用した場合も、該変速機の変速動作を円滑かつ迅速に行うことができる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、先に示した電動アクチュエータを制御する制御装置であって、前記モータを制御するモータ制御手段と、前記回転拘束手段を制御する拘束制御手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記拘束制御手段が、2つの出力軸の拘束を選択変更するときは、非拘束の時間を、所定の時間を設けることを特徴としている。
このように、2つの出力軸が、回転拘束手段に拘束されず、同時に回転するような重なり時間を設けることで、モータの出力トルクを適宜配分することが可能となる。ラップする時間を、セレクト動作、シフト動作とも動作の立ち下がり又は立ち上がりに設けると、モータの体格をUPする必要はない。さらに、モータを停止することがないので、トルク伝達経路の切り替え時に生じるムダ時間を短縮することができ、連続したモータの回転も可能となり、一連の変速操作を短時間で行える。
さらに、駆動を切り替える際には、その途中にどちらも回転するような時間が存在するので、モータの回転トルクはスムースに2つの出力軸に伝達切り替えされる。さらに、トルク伝達経路を切り替える際に発生する急激な伝達トルク変動を抑制することができる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記モータ制御手段が、前記モータに要求される回転数が高い時に、前記モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御を行なうことを特徴としている。
前記のごとく構成された本発明の電動アクチュエータ制御装置は、2つ制御対象に要求される負荷トルクと応答速度との関係から設定された弱め界磁制御に移行することにより1つのモータでも必要な速度トルク特性を得ることができ、最適なアクチュエータの応答性を得ることができる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記モータの制御手段が、前記モータの容量を、2つの出力軸のうち要求トルクが最大となる出力軸に合わせて、選定することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の電動アクチュエータ制御装置は、弱め界磁制御に加えて、モータを適切に選定することでモータ体格を大きくする必要はなく、さらに、装置自体の安価化、コンパクト化が図れる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記モータの回転角度を検出するモータ角度検出手段を備え、前記モータ制御手段は、該検出したモータ検出角度と、前記モータの回転数及び前記出力軸の回転数の回転比と、前記トルク分配手段で分配されたトルク分配量と、から前記2つの出力軸の変位量を演算し、前記算出した変位量が目標値と一致するように制御することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の電動アクチュエータ制御装置は、1つの回転位置検出センサのみで2つの制御対象の変位を検出して制御することが可能となり、省スペース化及び低コスト化が可能となる。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、先に示した電動アクチュエータの制御方法であって、前記モータの前記回転トルクを制御すると共に、前記出力軸の回転運動を選択的に拘束することで、前記出力シャフトの回転運動、及び/又は、往復運動を制御することを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、2つの軸の拘束を選択変更するときは、非拘束の時間を、所定の時間を設けることを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、前記モータに要求される回転数が高い時に、前記モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御を行なうことを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、前記モータの回転角度を検出すると共に、該モータ検出角度と、前記モータの回転数及び前記出力軸の回転数の回転比と、前記トルク分配手段で分配されたトルク分配量と、から前記2つの出力軸の変位量を演算し、前記変位量が目標値と一致するように制御することを特徴としている。
前記のごとく構成された本発明の電動アクチュエータは、1つのモータに対して、2つの出力軸を持ち、回転拘束手段により、拘束する出力軸を選択することができる。また、回転運動を往復運動に変換するので、1つのモータで、2種類の動作を選択的に行うことが可能になり、装置の小型化、安価化、が実現可能となる。
さらに、モータの回転トルクを、トルク分配しているので、2つの出力軸が同時に作動することが可能であり、このような構成により、滑らかに回転始動することができ、トルク伝達経路を切り替える際の急激な伝達トルクの変動を抑制することができる。また、トルクの分配する比率を適切に選定すれば、モータの出力を大幅に変更するとがないので、容量が異なる2つのモータで個別に制御することはない。遊星歯車、ディファレンシャルギヤを用いた場合は、各ギヤ比を大きくとれることから伝達トルクが大きい場合に好適である。
また、本発明に係る電動アクチュエータは、前記回転拘束手段が、ソレノイドアクチュエータと、該ソレノイドアクチュエータと連動した拘束部材と、を備え、前記ソレノイドアクチュエータの励磁状態により、前記拘束部材は、前記2つの出力軸のいずれかを拘束、及び/又は、非拘束することを特徴としている。また、本発明に係る電動アクチュエータは、前記回転拘束手段が、電磁式又は油圧式の2つのクラッチを備え、該クラッチの締結又は非締結に伴い、前記2つの出力軸のいずれかを拘束、及び/又は、非拘束することを特徴としている。
前記のごとく構成された本発明の電動アクチュエータは、電磁クラッチ又は油圧クラッチを採用することにより回転拘束力を独立して制御できるので、トルク分配手段におけるトルク分配量を細かく制御することができ、前述のシフト動作とセレクト動作におけるトルク配分を制御することが可能となる。
また、本発明に係る電動シフト装置は、前記電動アクチュエータと、前記モータ及び前記回転拘束手段を制御する制御装置と、を備え、この電動シフト装置は、車両の同期噛合い式歯車変速機用として用いられてもよく、このような用途に用いられた場合は、前記変速機が、該変速機を変速させるための変速手段を有し、該変速手段の操作に基づき、前記制御装置によって前記モータ及び前記回転拘束手段を制御する。このように、車両の同期噛合い式歯車変速機に適用した場合も、該変速機の変速動作を円滑かつ迅速に行うことができる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、先に示した電動アクチュエータを制御する制御装置であって、前記モータを制御するモータ制御手段と、前記回転拘束手段を制御する拘束制御手段と、を備えることを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記拘束制御手段が、2つの出力軸の拘束を選択変更するときは、非拘束の時間を、所定の時間を設けることを特徴としている。
このように、2つの出力軸が、回転拘束手段に拘束されず、同時に回転するような重なり時間を設けることで、モータの出力トルクを適宜配分することが可能となる。ラップする時間を、セレクト動作、シフト動作とも動作の立ち下がり又は立ち上がりに設けると、モータの体格をUPする必要はない。さらに、モータを停止することがないので、トルク伝達経路の切り替え時に生じるムダ時間を短縮することができ、連続したモータの回転も可能となり、一連の変速操作を短時間で行える。
さらに、駆動を切り替える際には、その途中にどちらも回転するような時間が存在するので、モータの回転トルクはスムースに2つの出力軸に伝達切り替えされる。さらに、トルク伝達経路を切り替える際に発生する急激な伝達トルク変動を抑制することができる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記モータ制御手段が、前記モータに要求される回転数が高い時に、前記モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御を行なうことを特徴としている。
前記のごとく構成された本発明の電動アクチュエータ制御装置は、2つ制御対象に要求される負荷トルクと応答速度との関係から設定された弱め界磁制御に移行することにより1つのモータでも必要な速度トルク特性を得ることができ、最適なアクチュエータの応答性を得ることができる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記モータの制御手段が、前記モータの容量を、2つの出力軸のうち要求トルクが最大となる出力軸に合わせて、選定することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の電動アクチュエータ制御装置は、弱め界磁制御に加えて、モータを適切に選定することでモータ体格を大きくする必要はなく、さらに、装置自体の安価化、コンパクト化が図れる。
また、本発明に係る電動アクチュエータ制御装置は、前記モータの回転角度を検出するモータ角度検出手段を備え、前記モータ制御手段は、該検出したモータ検出角度と、前記モータの回転数及び前記出力軸の回転数の回転比と、前記トルク分配手段で分配されたトルク分配量と、から前記2つの出力軸の変位量を演算し、前記算出した変位量が目標値と一致するように制御することを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の電動アクチュエータ制御装置は、1つの回転位置検出センサのみで2つの制御対象の変位を検出して制御することが可能となり、省スペース化及び低コスト化が可能となる。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、先に示した電動アクチュエータの制御方法であって、前記モータの前記回転トルクを制御すると共に、前記出力軸の回転運動を選択的に拘束することで、前記出力シャフトの回転運動、及び/又は、往復運動を制御することを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、2つの軸の拘束を選択変更するときは、非拘束の時間を、所定の時間を設けることを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、前記モータに要求される回転数が高い時に、前記モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御を行なうことを特徴としている。
また、本発明に係る電動アクチュエータの制御方法は、前記モータの回転角度を検出すると共に、該モータ検出角度と、前記モータの回転数及び前記出力軸の回転数の回転比と、前記トルク分配手段で分配されたトルク分配量と、から前記2つの出力軸の変位量を演算し、前記変位量が目標値と一致するように制御することを特徴としている。
図1は、本発明の一実施形態の電動アクチュエータとその制御装置を車両の同期噛合い式歯車変速機に適用したときの車両全体の概略図である。
図2は、図1に示す電動アチュエータのトルク分配手段の一構成要素である遊星歯車機構の動作を説明するための図であり、(a)は、遊星歯車機構を正面からみた装置構成図であり、(b)は、回転拘束手段が、キャリアを拘束したときを表わす概念図であり、(c)は、回転拘束手段が、リングを拘束したときを表わす概念図であり、(d)は、(b)及び(c)の状態における遊星歯車の共線図である。
図3は、図1に示す電動シフト装置の位置制御について説明するための図であり、(a)は、車両のマニュアル式のシフトノブを示した図であり、(b)は、シフトアームのシフト動作を説明するための図であり、(c)は、シフトアームのセレクト動作を説明するための図であり、(d)は、図1に示す電動アクチュエータのシフト動作及びセレクト動作と、回転拘束と、の関係を示したものであり、(e)は、(a)を用いて操作したときのシフト動作及びセレクト動作のタイミングチャートである。
図4は、図1の実施形態における電動アクチュエータのモータ特性を示す図である。
図5は、本発明の第二実施形態を示す図である。
図6は、本発明の第三実施形態を示す図である。
図2は、図1に示す電動アチュエータのトルク分配手段の一構成要素である遊星歯車機構の動作を説明するための図であり、(a)は、遊星歯車機構を正面からみた装置構成図であり、(b)は、回転拘束手段が、キャリアを拘束したときを表わす概念図であり、(c)は、回転拘束手段が、リングを拘束したときを表わす概念図であり、(d)は、(b)及び(c)の状態における遊星歯車の共線図である。
図3は、図1に示す電動シフト装置の位置制御について説明するための図であり、(a)は、車両のマニュアル式のシフトノブを示した図であり、(b)は、シフトアームのシフト動作を説明するための図であり、(c)は、シフトアームのセレクト動作を説明するための図であり、(d)は、図1に示す電動アクチュエータのシフト動作及びセレクト動作と、回転拘束と、の関係を示したものであり、(e)は、(a)を用いて操作したときのシフト動作及びセレクト動作のタイミングチャートである。
図4は、図1の実施形態における電動アクチュエータのモータ特性を示す図である。
図5は、本発明の第二実施形態を示す図である。
図6は、本発明の第三実施形態を示す図である。
〔第一実施形態〕
以下に添付の図面を参照して本発明の電動アクチュエータのいくつかの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態の電動アクチュエータ10を含む電動シフト装置100を車両の同期噛合い式歯車変速機(自動変速機20)に適用した車両の全体概略図である。
図1に示す電動シフト装置100は、電動アクチュエータ10と、該アクチュエータ10を制御する電動アクチュエータ制御装置90と、からなる。
そして、本実施形態に係る電動シフト装置100は、電動アクチュエータ制御装置90によって、電動アクチュエータ10を制御することで、シフトセレクタ30,31を選択(セレクト)して、シフトさせ、車両の変速機の変速を行う。
自動変速機20の構成並びにその動作についてについて以下に説明する。自動変速機20は、動力を伝達させるための軸として、入力軸4、カウンタ軸5、及び出力軸6を備え、これらの軸4,5,6にトルクを伝達させるために、各軸には、複数の歯車21〜28と、その歯車21〜28を選択して繋ぐための噛合いクラッチ30A,31Aと、を備えている。
入力軸4は、エンジン(原動機)1からのトルクが入力される軸であり、ドライブ歯車21が固定されている。また、カウンタ軸5は、入力軸4及び出力軸6に並設されている。このカウンタ軸5には、カウンタ歯車22が設けられており、ドライブ歯車21と噛合している。この他にも、カウンタ軸5には、第一ドライブ歯車23、第二ドライブ歯車24、第三ドライブ歯車25が固定されている。
一方、自動変速機20の出力軸6は、入力軸4と同軸に設けられており、第一ドリブン歯車26、第二ドリブン歯車27、及び第三ドリブン歯車28が回転自在に設けられている。この第一ドリブン歯車26は、第一ドライブ歯車23と噛合しており、第二ドリブン歯車27は、第二ドライブ歯車24と噛合しており、第三ドリブン歯車28は、第三ドライブ歯車25と噛合している。
そして、第一ドリブン歯車26と第二ドライブ歯車23の間には、第一ドリブン歯車26を出力軸6に係合させる、若しくは第二ドリブン歯車27を出力軸6に係合させるために、シンクロナイザ機構を有した噛合いクラッチ31Aが軸支されている。
また同様に、第三ドリブン歯車28とドライブ歯車21の間には、第三ドリブン歯車28を出力軸6に係合させる、若しくは入力軸4を出力軸6に係合させるために、シンクロナイザ機構を有した噛合いクラッチ30Aが軸支されている。
ここで、自動変速機20のトルク伝達及びその動作について説明する。自動変速機20へ入力されるトルクは、次のように伝達される。エンジン1の出力軸であるエンジン軸2には、第一摩擦クラッチ3が設けられている。この第一摩擦クラッチ3は、該第一摩擦クラッチ3に発生する押付け力によって、エンジン軸2を自動変速機20の入力軸4に連結する。そして、この連結に伴いエンジン1のトルクが、自動変速機20の入力軸4に伝達される。また、図示していない第一クラッチ駆動装置を用いることによって、第一摩擦クラッチ3に発生する押付け力(クラッチ伝達トルク)の制御を行い、トルク調整を行う。すなわち、この第一クラッチ駆動装置の操作による押付け力の調整に伴い、エンジン1のエンジン軸2から入力軸4への動力伝達の断、接及び伝達させるトルク量の調整を行うことが可能となる。
自動変速機20の入力軸4に入力されたトルクは、ドライブ歯車21とカウンタ歯車22との噛合いにより、カウンタ軸5に伝達される。ここで、噛合いクラッチ30A,31Aのいずれか一方が出力軸方向に移動することにより、カウンタ軸5のトルクは、出力軸6に伝達される。
具体的には、噛合いクラッチ31Aを介してカウンタ軸5の回転トルクを出力軸6へ伝達する場合は、噛合いクラッチ31Aを出力軸6の軸方向に移動させ、噛合いクラッチ31Aを第一ドリブン歯車26又は第二ドリブン歯車27に係合させる。
また、噛合いクラッチ30Aを介して入力軸4の回転トルクを出力軸6へ伝達する場合は、噛合いクラッチ30Aを出力軸6の軸方向に移動させ、噛合いクラッチ30Aを第三ドリブン歯車28又は入力軸4に係合させる。
そして、第一ドライブ歯車23、第二ドライブ歯車24、又は第三ドライブ歯車25から、第一ドリブン歯車26、第二ドリブン歯車27、又は第三ドリブン歯車28を介して得られた回転トルク、若しくは、直接的に出力軸6に伝達された入力軸4の回転トルクは、ディファレンシャル歯車7を介して車軸8に伝達され、駆動輪9を回転させる。
このように、噛合いクラッチ30A,31Aを移動させるための装置として、後述する電動シフト装置100があり、いずれかのシフトセレクタ30,31を選択(セレクト)し、シフトセレクタ30,31とシフトシャフト30B,31Bとシフトフォーク30C,31Cをスライドさせて、噛合いクラッチ30A,31Aを作動させる。
尚、上に説明した図1の自動変速機20は1速から4速ギヤまでに相当する変速機を示しているが、5速ギヤとバックギヤの機能が追加された場合には、更に、第四と第五のドライブ歯車と、第四と第五のドライブ歯車にそれぞれ噛合する第四と第五のドリブン歯車と、第四ドリブン歯車と第五ドリブン歯車の間で軸支された噛合いクラッチと、が、自動変速機20に追加される。また、これらの歯車及び噛合いクラッチの動作は、上述した歯車21〜28及び噛合いクラッチ30A,31Aと動作と同様の動作をする。
次に、電動シフト装置100について説明する。電動シフト装置100は、モータ40、トルク分配手段50、回転拘束手段60、運動変換手段70、シフトアーム(出力シャフト)80、からなる電動アクチュエータ10と、該電動アクチュエータ10を制御する電動アクチュエータ制御装置90と、を備えている。
まず、モータ40は、電動アクチュエータ制御装置90の動力信号dを受けて、電動アクチュエータ10のシフトアーム80を、回転運動、及び/又は、往復運動させるための動力源である。図1に示すように、モータ40は、モータシャフト41、ロータ42、ステータ43、及び回転位置検出センサ45を備えたブラシレスモータである。該モータ40は、ロータ42に永久磁石を用い、ステータ43に三相の巻線44を巻回したものが用られている。
このモータ40を回転させるために、ロータ42の回転位置に応じて三相の巻線44に電流を通電する。具体的には、モータ40は、ロータ42の回転位置検出センサ45から出力される位置信号aを電動アクチュエータ制御装置90に出力し、該電動アクチュエータ制御装置90からモータ40を駆動させるための動力信号dが入力される。そして、図示していない三相交流を発生させるためのインバータ回路を介して、三相の巻線44が、通電される。このことにより、モータ40の回転トルクが、モータシャフト41に出力される。
尚、モータ40に、ブラシレスDCモータを適用したが、該ブラシレスDCモータに限定するものではなく、DCモータ、ステッピングモータ、又はインダクションモータなど動力源であっても差し支えない。
次に、トルク分配手段50について説明する。トルク分配手段50は、差動機構の1つである遊星歯車機構(図2を用いて詳細を後述する)を備え、モータ40の回転トルクの分配と、減速機構によるトルク増幅を行うものである。
このトルク分配手段50は、サンギヤ51と、3つのプラネタリギヤ52A,52B,52Cと、リングギヤ53Bと、キャリア54と、を備えている。サンギヤ51は、モータ40からの回転トルクが入力され、モータシャフト41の先端を歯切りして形成されている。そして、サンギヤ51の周りには、3つのプラネタリギヤ52A,52B,52Cが、サンギヤ51と噛合するように等間隔に配設され、その周りにさらにリング53の内側に一体に支持されているリングギヤ53Bが、前記3つのプラネタリギヤ52A,52B,52Cと噛合するように配設されている。また、プラネタリギヤ52A,52B,52Cは、回転(自転)可能に、キャリア54に軸支されている。さらに、プラネタリギヤ52A,52B,52Cが、サンギヤ51の回転駆動により該サンギヤ51の周りを公転したときには、キャリア54が、回転するような機構となっている。
ここで、トルク分配機構の構造について簡単に説明する。一般的に、遊星機構となるサンギヤ、プラネタリギヤ、リングギヤの組み合わせにはいろいろな形態があるが、本実施形態では、(1)入力軸、2つの出力軸の一方が出力軸、他方が運動を拘束する軸(これを補助軸と呼ぶ)の3個の軸があること、(2)補助軸の拘束を解けばその機構の自由度は少なくとも2であること、の2点が満足しなければならない。先に述べたサンギヤ51を歯切したモータシャフト41が入力軸に該当し、出力軸と補助軸とには、リングギヤ53Bを支持するリング53と、プラネタリギヤ52A,52B,52Cの公転軸であるキャリア54とのいずれかが該当することになる。そして、後述する回転拘束手段60が、リング53とキャリア54とのいずれかの回転を拘束することよって、リング53とキャリア54のいずれか一方が出力軸、他方が補助軸として機能する。
このように、1つの入力軸(サンギヤ)に対して、2つの出力軸(リング53及びキャリア54)を持つことにより、2つの制御対象物を選択制御(2通りの動作)することが可能となる。尚、ここでは、遊星歯車機構を説明しているが、このような構成は、歯車でなくても、互いに回転し合うような円盤などでも可能であり、歯車機構に限定するものではない。
次に、回転拘束手段60について説明する。回転拘束手段60は、これまでに説明した2つの出力軸のうち1つを選択的に拘束し、結果として、出力シャフトであるシフトアーム80を回転運動又は往復運動させるためのものである。
具体的には、回転拘束手段60は、ソレノイドコイル61、戻りバネ62、及び吸引プレート63からなるソレノイドアクチュエータと、ソレノイドアーム64と、拘束部材65と、キャリア拘束プレート66と、を備えている。この回転拘束手段60は、ソレノイドコイル61を通電制御(励磁)することで、適切な磁気吸引力を発生させることができ、この磁気吸引力により吸引プレート63を吸引駆動させる。一方、ソレノイドコイル61が通電されていない非励磁のときは、吸引プレート63は、戻りバネ62の復元力により初期位置に戻る。ここでは、戻りバネ62をソレノイドアクチュエータに実装しているが、拘束部材65に設けてもよい。また、キャリア拘束プレート66は、先に示したプラネタリギヤ52A,52B,52Cを軸支し、キャリア54と一体となって回転する。
ここで、この回転拘束手段60の拘束の動作を説明する。まず、吸引プレート63が磁気吸引力によって駆動されると、ソレノイドアーム64が、梃子の原理によって拘束部材65を駆動させる。この駆動により、拘束部材65に形成された噛合い歯65Aと、リング53の外周に形成されたリング噛合い歯53Aとが噛合し、リング53の回転を拘束する。そして、ソレノイドコイル61が励磁されている間は、リング53は、回転拘束された状態となっている。
また、ソレノイドコイル61の状態が、励磁から非励磁になると、磁気吸引力がなくなるので、戻りバネ62の復元力により、拘束部材65は、初期位置に戻される。この時は、噛合い歯65Aとリング噛合い歯53Aとの噛合が外れ、リング53の回転拘束は解除されると共に、今度は、噛合い歯65Aと、キャリア拘束プレート66の噛合い歯66Aが噛合する。その結果、キャリア拘束プレート66と一体に連結されているキャリア54の回転が拘束される。このように、回転拘束手段60を設けることで、トルク分配手段50のリング53とキャリア54との回転を直接かつ選択的に拘束することが可能となる。
次に、運動変換手段70を説明する。運動変換手段70は、一方の出力軸であるキャリア54の回転運動を変換し、出力シャフト80を往復運動させる、若しくは、他方の出力軸であるリング53の回転運動に連動して出力シャフトを回転運動させるものである。
具体的には、運動変換手段70は、回転−往復運動変換ギヤ部71、回転拘束溝部72、及び回転拘束突起部73からなる。回転−往復運動変換ギヤ部71は、キャリア54の先端雄ねじ部と、該先端雄ねじ部と同軸に内設されたシフトアーム80の基端雌ねじ部と、を備えている。シフトアーム80(の基端部)が回転拘束溝部72と回転拘束突起部73とにより、リング53の回転が拘束されることでキャリア54の回転運動を受けて、シフトアーム80が往復運動するような形態となっている。
この運動変換手段70の動作としては、回転拘束手段60によりリング53の回転が拘束されると、シフトシアーム80の回転も拘束され、キャリア54のみが回転することになり、このキャリア54の回転運動が、回転−往復運動変換ギヤ部71を介して往復運動に変換され、シフトアーム80を軸方向にスライド移動させ、自動変速機20のシフト操作を可能とする。
また、回転拘束手段60によりキャリア54の回転が拘束されると、リング53の回転が回転拘束溝部72と回転拘束突起部73とを介して、シフトアーム80に伝わり該シフトアーム80を回転させ、自動変速機20のセレクト操作を可能にする。
このように、回転拘束手段60を用いてリング53とキャリア54とを、選択して、いずれか一方の回転を拘束することにより、1つのモータ40で、シフトアーム80は、回転運動と往復運動の2つの動作を行うことが可能になり、装置の小型化及び安価化が実現される。
次に、電動アクチュエータ制御装置90を説明する。電動アクチュエータ制御装置90は、モータ40及び回転拘束手段60を制御することで、先に示したトルク分配手段50を操作して、運動変換手段70を適切に動作させて、結果として、自動変速機20のセレクト動作とシフト動作とを制御するものである。
電動アクチュエータ制御装置90は、モータ制御手段と拘束制御手段とを有するアクチュエータ制御手段91、変位検出手段92、及び変速設定手段93を備えている。まず、モータ40の回転位置検出センサ45からのモータ検出角度を含む位置信号aが、変位検出手段92に入力される。この変位検出手段92は、この位置信号aに基づいて、シフトアーム80のシフト位置とセレクト位置を演算する。具体的には、モータ検出角度と、モータ40の回転数及び出力軸(リング53又はキャリア54)の出力回転数の回転比と、トルク分配手段50で分配されたトルク分配量と、から、変位検出手段92は、シフトアーム80の変位量を演算する。この演算結果に基づいて、算出した変位量が目標量と一致するように、モータ制御手段は、モータ40を制御し、拘束制御手段は、回転拘束手段60を制御する。
また、変速設定手段93は、操作者が操作するシフト・セレクトの操作に合わせて、その操作量に相当する変位・トルク指令bを出力する。そして、アクチュエータ制御手段91は、変位・トルク指令bの指令値に一致するように、モータ40及び回転拘束手段60を制御する。
そして、アクチュエータ制御手段91は、モータ40に、動力信号dを出力し、回転拘束手段60に、ソレノイド駆動信号cを出力して、制御を行なうことにより、シフトアーム80を操作者が望む適切な位置に制御する。
さらに、吸引プレート63を駆動するソレノイド駆動信号cは、パルス幅が変調された駆動信号であり、この駆動信号cの変調率を変えることで磁気吸引力の大きさを制御すると共に、電流の応答を検出することでソレノイドコイル61のインダクタンスの変化、すなわち吸引プレート63の位置を検出するので、拘束部材65の応答速度と位置とを制御することができる。
また、モータ40に取り付けた1つの回転位置検出センサ45を用いてその位置を演算することで、シフトアーム80の回転角度を検出するセンサと、ストロークを検出するセンサと、を省略することが可能となり、省スペースでかつ低コストな電動シフト装置を提供することができる。
このようにして、電動アクチュエータ制御装置90は、シフトアーム80でシフトシャフト30B、31Bをセレクトすると共に、シフトアーム80でセレクトしたシフトシャフト30B、31Bのいずれか一方をスライドさせることで、円滑かつ迅速な自動変速が可能となる。
さらに、トルク分配手段50と回転拘束手段60との組み合わせにより、キャリア54又はリング53のどちらも拘束しないように制御することが可能で、キャリア54とリング53の両方を同時に回転させ、セレクト作動とシフト動作とを同時に行うことができる。このような同時動作手段を設けることにより、セレクト動作とシフト動作の切り替え時にトルク変動が発生しないので、切り替えがスムースになる。また、重複して動作を行えるので、電動アクチュエータ10の制御時間を短縮することもできる。
また、回転拘束手段60、運動変換手段70の機械的な構成を一部設計変更することで、キャリア54の回転とリング53の機械的機能を入れ替えることは設計上可能であるが、トルク分配手段50の減速比の選定としては、キャリア54に減速比の大きい方、すなわち要求トルクの大きい方を接続するのが好ましい。しかし、2つの出力軸によるシフト動作とセレクト動作が逆となるようにこれらの構成を設計変更しても動作上は大きな問題ではない。
さらに、セレクト動作によるシフトアーム80の回転角度位置を検出するセンサと、シフト動作によるシフトアーム80のストローク位置を検出するセンサを個別に設け、電動シフト装置100の位置制御を行ってもよい。ここで重要なのは、電源投入時のシフトアーム80の初期位置である。電源ダウン時には必ずニュートラル(N)位置でセルフシャットダウンするハード構成と、電源投入時にシフトアーム80を正逆に回転させ、その動作範囲の変位量とモータ40の負荷電流の変動とから初期位置を同定し、ニュートラル位置補正するソフト構成と、を用いることで、正しいシフトアーム80の位置を検出することができる。さらに、ニュートラル位置センサを設置すればさらにシフトアーム80の位置検出精度を向上することができる。
図2は、図1に示すトルク分配手段50に用いた遊星歯車機構の動作を説明するための図であり、(a)は、遊星歯車機構を正面からみた装置構成図であり、(b)は、回転拘束手段60が、キャリア54を拘束したときを示す概念図であり、(c)は、回転拘束手段60が、リング53を拘束したときを示す概念図である。さらに、図2の(d)は、(b)及び(c)の状態における遊星歯車の共線図を示している。
図2の(a)に示すように、先に図1にも簡単に説明した遊星歯車は、モータ40からの回転トルクが入力されるサンギヤ51と、該サンギヤ51と噛合しその周りを回転するプラネタリギヤ52A,52B,52Cと、該プラネタリギヤ52A,52B,52Cと噛合し回転可能なリングギヤ53Bからなる。
図2の(b)、(c)は(a)のギヤを側面から示した概念図であり、回転拘束手段60の拘束位置も同時に示している。本実施形態では、常に入力軸はサンギヤ51であり、出力軸をキャリア54又はリング53のいずれにするかの選択は、回転拘束手段60によって決定されるものである。出力軸をリング53に選択した場合は、図2の(b)に示すように、キャリア拘束プレート66の噛合い歯66Aと、拘束部材65の噛合い歯65Aと、が噛合うことによりキャリア54の回転の拘束をする。
また、出力軸をキャリア54に選定した場合は、図2の(c)に示すように、リング53の外周にあるリング噛合い歯53Aと、拘束部材65の噛合い歯65Aと、が噛合うことによりによってリング53の回転の拘束をする。
図2の(d)には、遊星歯車のリング53とキャリア54とをそれぞれ拘束した時の遊星歯車の速度比が示されており、サンギヤ51の回転速度ωs、リング53の回転速度ωr、キャリア54の自転運動を中心軸の回転として取り出した回転速度をキャリア54の回転速度ωcとし、ギヤ比をβとすると、下記に示す式(1)で表わされ、
ωc=β・ωs+(1−β)ωr …(1)
遊星歯車を構成する各歯車の中心距離が満足しなければならない条件からβの取り得る値は、0<β<0.5の範囲となる。ここで、ギヤ比の設計自由度を向上させる手法としてダブルピニオン(ダブルプラネタリ)遊星機構も必要に応じて採用でき、この場合、電動アクチュエータ10の減速比の設計自由度が向上できる。
さらに、図2の(d)の遊星歯車の共線図に示すように、リング53を固定(ωr=0)した場合を実線で、キャリア54を固定(ωr=0)した場合を一点鎖線で、リング53とキャリア54が回転している(ωr≠0、ωc≠0)場合を破線で示しており、実際には遊星歯車の取り得るギヤ比には制限があり、運動変換手段70の回転−往復変換ギヤ部71のギヤ比を再度調整することで電動アクチュエータ10のギヤ比の最適化を図っている。
図3は、図1に示す電動シフト装置100の位置制御を説明するための図であり、(a)は、車両のマニュアル式のシフトノブを示した図であり、(b)は、シフトアーム80のシフト動作を説明するための図であり、(c)は、シフトアーム80のセレクト動作を説明するための図である。さらに図3の(d)は、図1に示す電動アクチュエータ10のシフト動作及びセレクト動作と、回転拘束と、の関係を示したものであり、(e)は、(a)を用いて操作したときのシフト動作及びセレクト動作のタイミングチャートを示している。
図3の(a)に示すように、電動シフト装置100を用いて車両の同期噛合い式歯車変速機の変速操作を制御しようとした場合、通常のマニュアル式のシフトノブ(変速手段)は、1速から5速までのギヤと、さらにR(バック)ギヤと、を選択する操作パターンが存在する。この操作を同期噛合い式歯車変速機の変速を行う場合には、図3の(b)及び(c)に示すように、まず、シフトアーム80をセレクト動作させる。すなわち、1−2速のシフトセレクタ30(回転角度位置α)、3−4速のシフトセレクタ32(回転角度位置0)、又は、5−R速のシフトセレクタ31(回転角度位置−α)、を選択し、シフトアーム80を回転させる。そして、セレクト動作終了後にシフト位置をストローク(シフト動作)すればストローク方向によって噛合いクラッチが移動し、出力軸6にトルク伝達が行われる。例えば、1−2速セレクト動作によりシフトセレクタ31を選択し、シフト動作によりシフトシャフト31Bを噛合いクラッチ30Aが噛合う所定の量だけ移動させれば1速ギヤに変速が可能である。
次に電動シフト装置100の重なり(ラップ)制御について説明する。図3の(d)に示すように、電動シフト装置100は、リング53とキャリア54の回転運動の拘束を選択的に解除する。すなわち、この回転運動の拘束との拘束解除により、シフトアーム80のシフト動作及びセレクト動作を選択的に行うことができる。また、リング53とキャリア54との回転拘束の切り替え時には、リング53とキャリア54の両方の回転拘束を解除した状態が存在し、この状態を保持することによって、セレクト動作及びシフト動作を同時に行うことも可能である。
一方、セレクトとシフトを協働させるには、モータ40の出力がセレクトとシフトの両動作が同時に行えるトルクが必要となる。このようなトルクを常時発生させるためには、モータ40の体格が大きくってしまう。
しかし、このようなトルクを発生させるタイミングとしては、セレクト動作からシフト(ギヤイン)動作に移行する時か、シフト(ニュートラル)からセレクト動作に移行する時である。
よって、モータ40は、常に先に示したトルクを常時必要とするわけではなく、モータ体格が大きくならない程度に、モータ40は、先のトルクを所定の時間発生させればよい。本実施形態では、作動させるセレクト動作とシフト動作の移行時間は、セレクトからシフトに移行してギヤインするまでの全行程の1/10以下の時間で設定される。この設定により、セレクト動作とシフト動作とを所定時間ラップさせることが可能となる。
具体的には、図3の(e)に示すように、変速時の時間経過を横軸に、アクチュエータの位置(シフトアーム80の位置)を縦軸にとると、ニュートラル(N)から1速にシフトチェンジする時には、時間的余裕があり、ラップ動作をさせる必要はない。よって、セレクト動作後にモータ40は、一度停止し、その後シフト動作に移行して所定のアクチュエータ位置で1速にギヤインする。
次に、1速から4速にシフトチェンジする際には迅速にシフトチェンジされることが望ましい。この時、1速ギヤ抜きのシフト動作の時間とラップするように所定の時間からセレクト動作を開始させる。このようにラップさせると、モータ40の回転を落とすことなくセレクト動作に移行できる。同様に、セレクト動作の時間とラップするように所定の時間にシフト動作を開始させ、4速にギヤインする。
このように、リング53、及びキャリア54が、同時に回転する重なり時間を設けることで、モータ40の出力トルクを適宜配分することが可能となる。ラップする時間は、セレクト動作、シフト動作とも動作の立ち下がり又は立ち上がりであるため前述したようなモータ40の体格をUPする必要はなく、さらに、モータ40を停止することがないので、トルク伝達経路の切り替え時に生じるムダ時間を短縮することができ、連続したモータ40の回転も可能となり、一連の変速操作を短時間で行える。
さらに、駆動中のリング53からキャリア54へ、又は駆動中のキャリア54からリング53へ、駆動を切り替える際には、その途中にどちらも回転するような時間が存在するので、モータ40の回転トルクはスムースに2つの出力軸に伝達切り替えされる。さらに、トルク伝達経路を切り替える際に発生する急激な伝達トルク変動を抑制することができる。この他に、車両の同期噛合い式歯車変速機に適用した場合も、該変速機の変速動作を円滑かつ迅速に行うことができる。
尚、動作説明のために1速から4速に飛び変速しているが、変速時には、シフト動作とセレクト動作の連携動作となるため、通常の1速ずつの変速をした時も上述した効果と同様の効果が得られる。
図4は、図1に示すモータ40のモータ特性を示した図である。モータ40の速度−トルク特性は、電動シフト装置に求められる要求特性に相当する。図4に示すように、シフト動作時に要求されたときのモータ特性は、シフト時特性MA(実線)で表わされる。このシフト時特性MAは、速度=0の時に、モータロックトルクMAt、無負荷時に、モータ回転速度MAsとなる。シフト動作は、比較的大きな操作力を必要とすると共に、シンクロナイザ機構でギヤ間の同期を取る際には大きなシフト力が必要とされる。
一方、セレクト動作時に要求されるモータ特性は、セレクト時特性MB(一点鎖線)で表わされる。このセレクト時特性MBは、速度=0の時にモータロックトルクMBt、無負荷時にモータ回転速度MBsとなる。
そして、この2つの特性(セレクト時特性MBとシフト時特性MA)を満足させるためのモータ特性は、共用特性MC(破線)で表わされる。そして、共用特性MCは、速度=0の時にモータロックトルクMAt、無負荷時にモータ回転速度MCsとなり、この共用特性MCを満足するには、消費電力を大きくしたモータ設計となり、モータ容量が増えるため、モータ40の体格が大きくなってしまう。
そこで、電動アクチュエータ装置そのものの大きさと、消費電流と、を極力小さくするためには共用特性MCを満足するモータを適用するのではなく、シフト時特性MAとセレクト時特性MBとで示される動作領域ACTを満足するようモータ制御を行って、モータ特性を変更することが望ましい。
このモータ特性を得るために、電動アクチュエータ制御装置90は、ロックトルクMAtとなるようにシフト時特性MAを満足し、軽負荷時の回転速度ではセレクト時特性MBを満足するように弱め界磁制御を行う。このようにして、弱め界磁制御による弱め界磁制御特性MDで、モータ制御をすることで2つ制御対象に要求される特性を満足することができる。
図4に示すように、モータ40は、負荷トルクと応答速度との関係から設定された弱め界磁移行ポイントMPで弱め界磁制御に移行される。すなわち、弱め界磁移行ポイントMPよりも、要求トルクが大きいとき(主にシフト動作時)は、シフト時特性MAとなるとうにする。一方、弱め界磁移行ポイントMPよりも要求トルクが小さいとき(主にセレクト動作時)は、セレクト時特性MBとなるようにする。
このような速度−トルク特性を得ることで、最適な電動アクチュエータの応答性を得ることができると共に、モータ容量を大きくする必要はなく、さらに、装置自体の安価化、コンパクト化が図れる。
尚、シフト時特性MAと一致するモータ特性の場合、弱め界磁を必要とするのはセレクト動作時のみであるが、要求されるシフト時特性MAによってはシフト動作時も弱め界磁制御を行うことにより、より好適な電動シフト装置を提供することができる。
〔第二実施形態〕
図5は、本発明の第二実施形態の電動アクチュエータ10’を示した図である。図5において、図1〜4の第一実施形態と同一のものは、同一符号を付し、詳細の説明は、省略する。第二実施形態では、図1に示した回転拘束手段60の具体的構成を電磁クラッチとした点が異なる構成となっている。
図5に示すように、電動アクチュエータ10’は、回転拘束手段に電磁クラッチを用い、この電磁クラッチを動作させることにより、リング53及びキャリア54の回転が、拘束される。具体的には、キャリア54の回転を拘束するために、第一の電磁クラッチ61Aとクラッチパッド62Aが、キャリア拘束プレート66’に配設されており、第一の電磁クラッチ61Aの励磁により発生する磁気吸引力は、クラッチパッド62Aを介して、キャリア拘束プレート66’の回転を拘束するように配設されている。また、リング53の回転を拘束するために、第二の電磁クラッチ61B及びクラッチパッド62Bが、リング53に配設されており、第二の電磁クラッチ61Bの励磁により発生する磁気吸引力は、クラッチパッド62Bを介して、リング53の回転を拘束するように配設されている。
それぞれのクラッチ61A,61Bは、クラッチ押し付けバネ(図示しない)が装備されている。電磁クラッチに電流が通電されていない非励磁のときは、このクラッチ押しつけバネにより、クラッチが連結状態となる。すなわち、第一の電磁クラッチ61Aが非励磁の時に、キャリア54の回転が拘束され、第二の電磁クラッチ61Bが非励磁の時に、リング53の回転が拘束される。また、クラッチ押し付けバネの力以上の吸引力が発生するように、電磁クラッチに電流を通電(励磁)すると、クラッチが開放され、各々の電磁クラッチ61A,61Bに対応したキャリア54及びリング53の回転の拘束が、解除される。
以上のように、電磁クラッチを採用することによりキャリア54とリング53の回転の拘束を独立して制御できるので、トルク分配手段50’におけるトルク分配量を細かく制御することができ、前述のシフト動作とセレクト動作とのラップ動作期間のトルク配分を制御することが可能となる。
この他にも、1個の電磁クラッチと戻りバネとの併用により同様の動作をすることが可能である。このような場合は、電動シフト装置の低コスト化が図れ、好適である。また、回転拘束手段はウォーム・ホイール機構を用いても実現可能である。さらに、後述のような湿式あるいは乾式の多板クラッチを用いることもでき、キャリア54あるいはリング53の回転トルクを拘束することができるものであればどのような構成であってもよい。
〔第三実施形態〕
図6は、本発明の第三実施形態の電動アクチュエータ10”のを示した図である。図6において、第二実施形態と同一のものは、同一符号を付し、詳細の説明は、省略する。第三実施形態では、第二実施形態と比べて、トルク分配手段にディファレンシャルギヤを適用した点と、回転拘束手段として湿式多板クラッチを用いた点とが、異なる構成となっている。
まずトルク分配手段50”について説明する。図6に示すように、トルク分配手段50”は、入力サイドギヤ51’、ピニオン52A’,52B’、ピニオンシャフト52C’、リングギヤ(リング)53’、及び出力サイドギヤ54’とからなるディファレンシャルギヤと、その附帯部材として、セレクト部材55’と、を備えている。
具体的には、各々の配置を説明すると、入力サイドギヤ51’は、モータ40と連結しており、ピニオン52A’,52B’と噛合している。そして、ピニオン52A’,52B’は、入力サイドギヤ51’の回転軸と垂直となる自転軸で自転可能に配置されている。そして、出力サイドギヤ54’は、2つのピニオン52A’,52B’に噛合し、ピニオン52A’,52B’の自転に伴い回転するように配置されている。
一方、2つのピニオン52A’,52B’は、ピニオンシャフト52C’と、先の自転可能なように軸支されており、入力サイドギヤ51’の回転軸を軸心として公転可能に配設されている。そして、リング53’は、ピニオンシャフト52C’を介して、2つのピニオン52A’,52B’を支持して、該2つのピニオン52A’,52B’と一体となって回転する機構となっている。さらに、リング53’の外周にはリング噛合い歯53A’があり、モータセレクト部材55’のセレクト噛合い歯55A’と噛合している。また、セレクト部材55’の他端には、シフトアーム80のスライド噛合い歯80Aと噛合したセレクトレールギヤ55B’を有し、このセレクトレールギヤ55B’は、シフトアーム80が軸方向にストローク可能となる幅で歯切りされている。
ここでディファレンシャルギヤを用いた機構によるトルク伝達を説明すると、モータ40の回転トルクは、入力サイドギヤ51’に入力される。この入力により、入力サイドギヤ51’と噛合したピニオン52A’,52B’が回転する。該ピニオン52A’,52B’に伝達されたトルクは、リング53’と出力サイドギヤ54’に分配される。そして、リング53’に伝達されたトルクは、セレクト部材55’に伝達され、シフトアーム80を回転させる。このようにしてアクチュエータ10”のセレクト動作が可能となる。
一方、ピニオン52A’,52B’を介して出力サイドギヤ54’も、回転する。そして、該出力サイドギヤ54’の出力端には回転−往復変換ギヤ部71があり、シフトアーム80を軸方向にストロークさせる。このようにして、アクチュエータ10”のシフト動作が可能となる。
次に、回転拘束手段について説明する。回転拘束手段は、湿式多板クラッチ61A”,61B”、プレッシャプレート62A”,62B”、及び固定体63A”,63B”を備えている。
図6に示すように、セレクト動作を拘束する湿式多板クラッチ61A”は、モータ40の外部と固着した固定体63A”と、外力が作用するプレッシャプレート62A”の間に挿入されており、シフト動作を拘束する湿式多板クラッチ61B”は、装置外部の非駆動部(図示していない)と固着された固定体63A”と、外力が作用するプレッシャプレート62B”の間に挿入されている。また、プレッシャプレート62A”,62B”が作用する外力は図示していないが、ソレノイドコイル、油圧が挙げられる。
この回転拘束手段の動作を説明すると、セレクト動作を拘束する湿式多板クラッチ61A”は、プレッシャプレート62A”に外力が作用することによりクラッチ締結し、固定体63A”により固定されて、リング53’の回転を拘束する。そして、リング53’の回転拘束に伴い、セレクトレールギヤ55B’が回転を拘束されるため、シフトアーム80のスライドギヤ80Aは、セレクトレールギヤ55B’をスライドし、シフト動作が可能となる。
同様に、シフト動作を拘束する湿式多板クラッチ61B”は、プレッシャプレート62B”に外力が作用することによりクラッチ締結し、固定体63B”により固定されて、出力サイドギヤ54’の回転を拘束する。そして、出力サイドギヤ54’の回転を拘束することで、シフト部材55’の回転と連動してシフトアーム80が回転するので、セレクト動作が可能となる。
このように、ディファレンシャルギヤを用いた電動アクチュエータ10”は、先に示した効果ばかりでなく、各ギヤを大きくとれることから伝達トルクが大きい場合に好適である。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
尚、上記のように、2つの制御対象を制御する場合について説明し、トルクを分配する手段として、遊星歯車、ディファレンシャルギヤなどの機構を用いた例を示したが、このような機構を複数個備えることにより2つ以上の制御対象にトルクを分配することが可能であるので、2つの制御対象のみに制限されるものではない。
また、本発明では自動車用に限定して説明したが、自動車以外に用いられる自動変速機に適用してもよい。また、第一の摩擦クラッチには、一般に乾式単板クラッチが用いられるが、湿式多板クラッチや電磁クラッチなどのいかなる摩擦クラッチを用いてもよい。
以下に添付の図面を参照して本発明の電動アクチュエータのいくつかの実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第一実施形態の電動アクチュエータ10を含む電動シフト装置100を車両の同期噛合い式歯車変速機(自動変速機20)に適用した車両の全体概略図である。
図1に示す電動シフト装置100は、電動アクチュエータ10と、該アクチュエータ10を制御する電動アクチュエータ制御装置90と、からなる。
そして、本実施形態に係る電動シフト装置100は、電動アクチュエータ制御装置90によって、電動アクチュエータ10を制御することで、シフトセレクタ30,31を選択(セレクト)して、シフトさせ、車両の変速機の変速を行う。
自動変速機20の構成並びにその動作についてについて以下に説明する。自動変速機20は、動力を伝達させるための軸として、入力軸4、カウンタ軸5、及び出力軸6を備え、これらの軸4,5,6にトルクを伝達させるために、各軸には、複数の歯車21〜28と、その歯車21〜28を選択して繋ぐための噛合いクラッチ30A,31Aと、を備えている。
入力軸4は、エンジン(原動機)1からのトルクが入力される軸であり、ドライブ歯車21が固定されている。また、カウンタ軸5は、入力軸4及び出力軸6に並設されている。このカウンタ軸5には、カウンタ歯車22が設けられており、ドライブ歯車21と噛合している。この他にも、カウンタ軸5には、第一ドライブ歯車23、第二ドライブ歯車24、第三ドライブ歯車25が固定されている。
一方、自動変速機20の出力軸6は、入力軸4と同軸に設けられており、第一ドリブン歯車26、第二ドリブン歯車27、及び第三ドリブン歯車28が回転自在に設けられている。この第一ドリブン歯車26は、第一ドライブ歯車23と噛合しており、第二ドリブン歯車27は、第二ドライブ歯車24と噛合しており、第三ドリブン歯車28は、第三ドライブ歯車25と噛合している。
そして、第一ドリブン歯車26と第二ドライブ歯車23の間には、第一ドリブン歯車26を出力軸6に係合させる、若しくは第二ドリブン歯車27を出力軸6に係合させるために、シンクロナイザ機構を有した噛合いクラッチ31Aが軸支されている。
また同様に、第三ドリブン歯車28とドライブ歯車21の間には、第三ドリブン歯車28を出力軸6に係合させる、若しくは入力軸4を出力軸6に係合させるために、シンクロナイザ機構を有した噛合いクラッチ30Aが軸支されている。
ここで、自動変速機20のトルク伝達及びその動作について説明する。自動変速機20へ入力されるトルクは、次のように伝達される。エンジン1の出力軸であるエンジン軸2には、第一摩擦クラッチ3が設けられている。この第一摩擦クラッチ3は、該第一摩擦クラッチ3に発生する押付け力によって、エンジン軸2を自動変速機20の入力軸4に連結する。そして、この連結に伴いエンジン1のトルクが、自動変速機20の入力軸4に伝達される。また、図示していない第一クラッチ駆動装置を用いることによって、第一摩擦クラッチ3に発生する押付け力(クラッチ伝達トルク)の制御を行い、トルク調整を行う。すなわち、この第一クラッチ駆動装置の操作による押付け力の調整に伴い、エンジン1のエンジン軸2から入力軸4への動力伝達の断、接及び伝達させるトルク量の調整を行うことが可能となる。
自動変速機20の入力軸4に入力されたトルクは、ドライブ歯車21とカウンタ歯車22との噛合いにより、カウンタ軸5に伝達される。ここで、噛合いクラッチ30A,31Aのいずれか一方が出力軸方向に移動することにより、カウンタ軸5のトルクは、出力軸6に伝達される。
具体的には、噛合いクラッチ31Aを介してカウンタ軸5の回転トルクを出力軸6へ伝達する場合は、噛合いクラッチ31Aを出力軸6の軸方向に移動させ、噛合いクラッチ31Aを第一ドリブン歯車26又は第二ドリブン歯車27に係合させる。
また、噛合いクラッチ30Aを介して入力軸4の回転トルクを出力軸6へ伝達する場合は、噛合いクラッチ30Aを出力軸6の軸方向に移動させ、噛合いクラッチ30Aを第三ドリブン歯車28又は入力軸4に係合させる。
そして、第一ドライブ歯車23、第二ドライブ歯車24、又は第三ドライブ歯車25から、第一ドリブン歯車26、第二ドリブン歯車27、又は第三ドリブン歯車28を介して得られた回転トルク、若しくは、直接的に出力軸6に伝達された入力軸4の回転トルクは、ディファレンシャル歯車7を介して車軸8に伝達され、駆動輪9を回転させる。
このように、噛合いクラッチ30A,31Aを移動させるための装置として、後述する電動シフト装置100があり、いずれかのシフトセレクタ30,31を選択(セレクト)し、シフトセレクタ30,31とシフトシャフト30B,31Bとシフトフォーク30C,31Cをスライドさせて、噛合いクラッチ30A,31Aを作動させる。
尚、上に説明した図1の自動変速機20は1速から4速ギヤまでに相当する変速機を示しているが、5速ギヤとバックギヤの機能が追加された場合には、更に、第四と第五のドライブ歯車と、第四と第五のドライブ歯車にそれぞれ噛合する第四と第五のドリブン歯車と、第四ドリブン歯車と第五ドリブン歯車の間で軸支された噛合いクラッチと、が、自動変速機20に追加される。また、これらの歯車及び噛合いクラッチの動作は、上述した歯車21〜28及び噛合いクラッチ30A,31Aと動作と同様の動作をする。
次に、電動シフト装置100について説明する。電動シフト装置100は、モータ40、トルク分配手段50、回転拘束手段60、運動変換手段70、シフトアーム(出力シャフト)80、からなる電動アクチュエータ10と、該電動アクチュエータ10を制御する電動アクチュエータ制御装置90と、を備えている。
まず、モータ40は、電動アクチュエータ制御装置90の動力信号dを受けて、電動アクチュエータ10のシフトアーム80を、回転運動、及び/又は、往復運動させるための動力源である。図1に示すように、モータ40は、モータシャフト41、ロータ42、ステータ43、及び回転位置検出センサ45を備えたブラシレスモータである。該モータ40は、ロータ42に永久磁石を用い、ステータ43に三相の巻線44を巻回したものが用られている。
このモータ40を回転させるために、ロータ42の回転位置に応じて三相の巻線44に電流を通電する。具体的には、モータ40は、ロータ42の回転位置検出センサ45から出力される位置信号aを電動アクチュエータ制御装置90に出力し、該電動アクチュエータ制御装置90からモータ40を駆動させるための動力信号dが入力される。そして、図示していない三相交流を発生させるためのインバータ回路を介して、三相の巻線44が、通電される。このことにより、モータ40の回転トルクが、モータシャフト41に出力される。
尚、モータ40に、ブラシレスDCモータを適用したが、該ブラシレスDCモータに限定するものではなく、DCモータ、ステッピングモータ、又はインダクションモータなど動力源であっても差し支えない。
次に、トルク分配手段50について説明する。トルク分配手段50は、差動機構の1つである遊星歯車機構(図2を用いて詳細を後述する)を備え、モータ40の回転トルクの分配と、減速機構によるトルク増幅を行うものである。
このトルク分配手段50は、サンギヤ51と、3つのプラネタリギヤ52A,52B,52Cと、リングギヤ53Bと、キャリア54と、を備えている。サンギヤ51は、モータ40からの回転トルクが入力され、モータシャフト41の先端を歯切りして形成されている。そして、サンギヤ51の周りには、3つのプラネタリギヤ52A,52B,52Cが、サンギヤ51と噛合するように等間隔に配設され、その周りにさらにリング53の内側に一体に支持されているリングギヤ53Bが、前記3つのプラネタリギヤ52A,52B,52Cと噛合するように配設されている。また、プラネタリギヤ52A,52B,52Cは、回転(自転)可能に、キャリア54に軸支されている。さらに、プラネタリギヤ52A,52B,52Cが、サンギヤ51の回転駆動により該サンギヤ51の周りを公転したときには、キャリア54が、回転するような機構となっている。
ここで、トルク分配機構の構造について簡単に説明する。一般的に、遊星機構となるサンギヤ、プラネタリギヤ、リングギヤの組み合わせにはいろいろな形態があるが、本実施形態では、(1)入力軸、2つの出力軸の一方が出力軸、他方が運動を拘束する軸(これを補助軸と呼ぶ)の3個の軸があること、(2)補助軸の拘束を解けばその機構の自由度は少なくとも2であること、の2点が満足しなければならない。先に述べたサンギヤ51を歯切したモータシャフト41が入力軸に該当し、出力軸と補助軸とには、リングギヤ53Bを支持するリング53と、プラネタリギヤ52A,52B,52Cの公転軸であるキャリア54とのいずれかが該当することになる。そして、後述する回転拘束手段60が、リング53とキャリア54とのいずれかの回転を拘束することよって、リング53とキャリア54のいずれか一方が出力軸、他方が補助軸として機能する。
このように、1つの入力軸(サンギヤ)に対して、2つの出力軸(リング53及びキャリア54)を持つことにより、2つの制御対象物を選択制御(2通りの動作)することが可能となる。尚、ここでは、遊星歯車機構を説明しているが、このような構成は、歯車でなくても、互いに回転し合うような円盤などでも可能であり、歯車機構に限定するものではない。
次に、回転拘束手段60について説明する。回転拘束手段60は、これまでに説明した2つの出力軸のうち1つを選択的に拘束し、結果として、出力シャフトであるシフトアーム80を回転運動又は往復運動させるためのものである。
具体的には、回転拘束手段60は、ソレノイドコイル61、戻りバネ62、及び吸引プレート63からなるソレノイドアクチュエータと、ソレノイドアーム64と、拘束部材65と、キャリア拘束プレート66と、を備えている。この回転拘束手段60は、ソレノイドコイル61を通電制御(励磁)することで、適切な磁気吸引力を発生させることができ、この磁気吸引力により吸引プレート63を吸引駆動させる。一方、ソレノイドコイル61が通電されていない非励磁のときは、吸引プレート63は、戻りバネ62の復元力により初期位置に戻る。ここでは、戻りバネ62をソレノイドアクチュエータに実装しているが、拘束部材65に設けてもよい。また、キャリア拘束プレート66は、先に示したプラネタリギヤ52A,52B,52Cを軸支し、キャリア54と一体となって回転する。
ここで、この回転拘束手段60の拘束の動作を説明する。まず、吸引プレート63が磁気吸引力によって駆動されると、ソレノイドアーム64が、梃子の原理によって拘束部材65を駆動させる。この駆動により、拘束部材65に形成された噛合い歯65Aと、リング53の外周に形成されたリング噛合い歯53Aとが噛合し、リング53の回転を拘束する。そして、ソレノイドコイル61が励磁されている間は、リング53は、回転拘束された状態となっている。
また、ソレノイドコイル61の状態が、励磁から非励磁になると、磁気吸引力がなくなるので、戻りバネ62の復元力により、拘束部材65は、初期位置に戻される。この時は、噛合い歯65Aとリング噛合い歯53Aとの噛合が外れ、リング53の回転拘束は解除されると共に、今度は、噛合い歯65Aと、キャリア拘束プレート66の噛合い歯66Aが噛合する。その結果、キャリア拘束プレート66と一体に連結されているキャリア54の回転が拘束される。このように、回転拘束手段60を設けることで、トルク分配手段50のリング53とキャリア54との回転を直接かつ選択的に拘束することが可能となる。
次に、運動変換手段70を説明する。運動変換手段70は、一方の出力軸であるキャリア54の回転運動を変換し、出力シャフト80を往復運動させる、若しくは、他方の出力軸であるリング53の回転運動に連動して出力シャフトを回転運動させるものである。
具体的には、運動変換手段70は、回転−往復運動変換ギヤ部71、回転拘束溝部72、及び回転拘束突起部73からなる。回転−往復運動変換ギヤ部71は、キャリア54の先端雄ねじ部と、該先端雄ねじ部と同軸に内設されたシフトアーム80の基端雌ねじ部と、を備えている。シフトアーム80(の基端部)が回転拘束溝部72と回転拘束突起部73とにより、リング53の回転が拘束されることでキャリア54の回転運動を受けて、シフトアーム80が往復運動するような形態となっている。
この運動変換手段70の動作としては、回転拘束手段60によりリング53の回転が拘束されると、シフトシアーム80の回転も拘束され、キャリア54のみが回転することになり、このキャリア54の回転運動が、回転−往復運動変換ギヤ部71を介して往復運動に変換され、シフトアーム80を軸方向にスライド移動させ、自動変速機20のシフト操作を可能とする。
また、回転拘束手段60によりキャリア54の回転が拘束されると、リング53の回転が回転拘束溝部72と回転拘束突起部73とを介して、シフトアーム80に伝わり該シフトアーム80を回転させ、自動変速機20のセレクト操作を可能にする。
このように、回転拘束手段60を用いてリング53とキャリア54とを、選択して、いずれか一方の回転を拘束することにより、1つのモータ40で、シフトアーム80は、回転運動と往復運動の2つの動作を行うことが可能になり、装置の小型化及び安価化が実現される。
次に、電動アクチュエータ制御装置90を説明する。電動アクチュエータ制御装置90は、モータ40及び回転拘束手段60を制御することで、先に示したトルク分配手段50を操作して、運動変換手段70を適切に動作させて、結果として、自動変速機20のセレクト動作とシフト動作とを制御するものである。
電動アクチュエータ制御装置90は、モータ制御手段と拘束制御手段とを有するアクチュエータ制御手段91、変位検出手段92、及び変速設定手段93を備えている。まず、モータ40の回転位置検出センサ45からのモータ検出角度を含む位置信号aが、変位検出手段92に入力される。この変位検出手段92は、この位置信号aに基づいて、シフトアーム80のシフト位置とセレクト位置を演算する。具体的には、モータ検出角度と、モータ40の回転数及び出力軸(リング53又はキャリア54)の出力回転数の回転比と、トルク分配手段50で分配されたトルク分配量と、から、変位検出手段92は、シフトアーム80の変位量を演算する。この演算結果に基づいて、算出した変位量が目標量と一致するように、モータ制御手段は、モータ40を制御し、拘束制御手段は、回転拘束手段60を制御する。
また、変速設定手段93は、操作者が操作するシフト・セレクトの操作に合わせて、その操作量に相当する変位・トルク指令bを出力する。そして、アクチュエータ制御手段91は、変位・トルク指令bの指令値に一致するように、モータ40及び回転拘束手段60を制御する。
そして、アクチュエータ制御手段91は、モータ40に、動力信号dを出力し、回転拘束手段60に、ソレノイド駆動信号cを出力して、制御を行なうことにより、シフトアーム80を操作者が望む適切な位置に制御する。
さらに、吸引プレート63を駆動するソレノイド駆動信号cは、パルス幅が変調された駆動信号であり、この駆動信号cの変調率を変えることで磁気吸引力の大きさを制御すると共に、電流の応答を検出することでソレノイドコイル61のインダクタンスの変化、すなわち吸引プレート63の位置を検出するので、拘束部材65の応答速度と位置とを制御することができる。
また、モータ40に取り付けた1つの回転位置検出センサ45を用いてその位置を演算することで、シフトアーム80の回転角度を検出するセンサと、ストロークを検出するセンサと、を省略することが可能となり、省スペースでかつ低コストな電動シフト装置を提供することができる。
このようにして、電動アクチュエータ制御装置90は、シフトアーム80でシフトシャフト30B、31Bをセレクトすると共に、シフトアーム80でセレクトしたシフトシャフト30B、31Bのいずれか一方をスライドさせることで、円滑かつ迅速な自動変速が可能となる。
さらに、トルク分配手段50と回転拘束手段60との組み合わせにより、キャリア54又はリング53のどちらも拘束しないように制御することが可能で、キャリア54とリング53の両方を同時に回転させ、セレクト作動とシフト動作とを同時に行うことができる。このような同時動作手段を設けることにより、セレクト動作とシフト動作の切り替え時にトルク変動が発生しないので、切り替えがスムースになる。また、重複して動作を行えるので、電動アクチュエータ10の制御時間を短縮することもできる。
また、回転拘束手段60、運動変換手段70の機械的な構成を一部設計変更することで、キャリア54の回転とリング53の機械的機能を入れ替えることは設計上可能であるが、トルク分配手段50の減速比の選定としては、キャリア54に減速比の大きい方、すなわち要求トルクの大きい方を接続するのが好ましい。しかし、2つの出力軸によるシフト動作とセレクト動作が逆となるようにこれらの構成を設計変更しても動作上は大きな問題ではない。
さらに、セレクト動作によるシフトアーム80の回転角度位置を検出するセンサと、シフト動作によるシフトアーム80のストローク位置を検出するセンサを個別に設け、電動シフト装置100の位置制御を行ってもよい。ここで重要なのは、電源投入時のシフトアーム80の初期位置である。電源ダウン時には必ずニュートラル(N)位置でセルフシャットダウンするハード構成と、電源投入時にシフトアーム80を正逆に回転させ、その動作範囲の変位量とモータ40の負荷電流の変動とから初期位置を同定し、ニュートラル位置補正するソフト構成と、を用いることで、正しいシフトアーム80の位置を検出することができる。さらに、ニュートラル位置センサを設置すればさらにシフトアーム80の位置検出精度を向上することができる。
図2は、図1に示すトルク分配手段50に用いた遊星歯車機構の動作を説明するための図であり、(a)は、遊星歯車機構を正面からみた装置構成図であり、(b)は、回転拘束手段60が、キャリア54を拘束したときを示す概念図であり、(c)は、回転拘束手段60が、リング53を拘束したときを示す概念図である。さらに、図2の(d)は、(b)及び(c)の状態における遊星歯車の共線図を示している。
図2の(a)に示すように、先に図1にも簡単に説明した遊星歯車は、モータ40からの回転トルクが入力されるサンギヤ51と、該サンギヤ51と噛合しその周りを回転するプラネタリギヤ52A,52B,52Cと、該プラネタリギヤ52A,52B,52Cと噛合し回転可能なリングギヤ53Bからなる。
図2の(b)、(c)は(a)のギヤを側面から示した概念図であり、回転拘束手段60の拘束位置も同時に示している。本実施形態では、常に入力軸はサンギヤ51であり、出力軸をキャリア54又はリング53のいずれにするかの選択は、回転拘束手段60によって決定されるものである。出力軸をリング53に選択した場合は、図2の(b)に示すように、キャリア拘束プレート66の噛合い歯66Aと、拘束部材65の噛合い歯65Aと、が噛合うことによりキャリア54の回転の拘束をする。
また、出力軸をキャリア54に選定した場合は、図2の(c)に示すように、リング53の外周にあるリング噛合い歯53Aと、拘束部材65の噛合い歯65Aと、が噛合うことによりによってリング53の回転の拘束をする。
図2の(d)には、遊星歯車のリング53とキャリア54とをそれぞれ拘束した時の遊星歯車の速度比が示されており、サンギヤ51の回転速度ωs、リング53の回転速度ωr、キャリア54の自転運動を中心軸の回転として取り出した回転速度をキャリア54の回転速度ωcとし、ギヤ比をβとすると、下記に示す式(1)で表わされ、
ωc=β・ωs+(1−β)ωr …(1)
遊星歯車を構成する各歯車の中心距離が満足しなければならない条件からβの取り得る値は、0<β<0.5の範囲となる。ここで、ギヤ比の設計自由度を向上させる手法としてダブルピニオン(ダブルプラネタリ)遊星機構も必要に応じて採用でき、この場合、電動アクチュエータ10の減速比の設計自由度が向上できる。
さらに、図2の(d)の遊星歯車の共線図に示すように、リング53を固定(ωr=0)した場合を実線で、キャリア54を固定(ωr=0)した場合を一点鎖線で、リング53とキャリア54が回転している(ωr≠0、ωc≠0)場合を破線で示しており、実際には遊星歯車の取り得るギヤ比には制限があり、運動変換手段70の回転−往復変換ギヤ部71のギヤ比を再度調整することで電動アクチュエータ10のギヤ比の最適化を図っている。
図3は、図1に示す電動シフト装置100の位置制御を説明するための図であり、(a)は、車両のマニュアル式のシフトノブを示した図であり、(b)は、シフトアーム80のシフト動作を説明するための図であり、(c)は、シフトアーム80のセレクト動作を説明するための図である。さらに図3の(d)は、図1に示す電動アクチュエータ10のシフト動作及びセレクト動作と、回転拘束と、の関係を示したものであり、(e)は、(a)を用いて操作したときのシフト動作及びセレクト動作のタイミングチャートを示している。
図3の(a)に示すように、電動シフト装置100を用いて車両の同期噛合い式歯車変速機の変速操作を制御しようとした場合、通常のマニュアル式のシフトノブ(変速手段)は、1速から5速までのギヤと、さらにR(バック)ギヤと、を選択する操作パターンが存在する。この操作を同期噛合い式歯車変速機の変速を行う場合には、図3の(b)及び(c)に示すように、まず、シフトアーム80をセレクト動作させる。すなわち、1−2速のシフトセレクタ30(回転角度位置α)、3−4速のシフトセレクタ32(回転角度位置0)、又は、5−R速のシフトセレクタ31(回転角度位置−α)、を選択し、シフトアーム80を回転させる。そして、セレクト動作終了後にシフト位置をストローク(シフト動作)すればストローク方向によって噛合いクラッチが移動し、出力軸6にトルク伝達が行われる。例えば、1−2速セレクト動作によりシフトセレクタ31を選択し、シフト動作によりシフトシャフト31Bを噛合いクラッチ30Aが噛合う所定の量だけ移動させれば1速ギヤに変速が可能である。
次に電動シフト装置100の重なり(ラップ)制御について説明する。図3の(d)に示すように、電動シフト装置100は、リング53とキャリア54の回転運動の拘束を選択的に解除する。すなわち、この回転運動の拘束との拘束解除により、シフトアーム80のシフト動作及びセレクト動作を選択的に行うことができる。また、リング53とキャリア54との回転拘束の切り替え時には、リング53とキャリア54の両方の回転拘束を解除した状態が存在し、この状態を保持することによって、セレクト動作及びシフト動作を同時に行うことも可能である。
一方、セレクトとシフトを協働させるには、モータ40の出力がセレクトとシフトの両動作が同時に行えるトルクが必要となる。このようなトルクを常時発生させるためには、モータ40の体格が大きくってしまう。
しかし、このようなトルクを発生させるタイミングとしては、セレクト動作からシフト(ギヤイン)動作に移行する時か、シフト(ニュートラル)からセレクト動作に移行する時である。
よって、モータ40は、常に先に示したトルクを常時必要とするわけではなく、モータ体格が大きくならない程度に、モータ40は、先のトルクを所定の時間発生させればよい。本実施形態では、作動させるセレクト動作とシフト動作の移行時間は、セレクトからシフトに移行してギヤインするまでの全行程の1/10以下の時間で設定される。この設定により、セレクト動作とシフト動作とを所定時間ラップさせることが可能となる。
具体的には、図3の(e)に示すように、変速時の時間経過を横軸に、アクチュエータの位置(シフトアーム80の位置)を縦軸にとると、ニュートラル(N)から1速にシフトチェンジする時には、時間的余裕があり、ラップ動作をさせる必要はない。よって、セレクト動作後にモータ40は、一度停止し、その後シフト動作に移行して所定のアクチュエータ位置で1速にギヤインする。
次に、1速から4速にシフトチェンジする際には迅速にシフトチェンジされることが望ましい。この時、1速ギヤ抜きのシフト動作の時間とラップするように所定の時間からセレクト動作を開始させる。このようにラップさせると、モータ40の回転を落とすことなくセレクト動作に移行できる。同様に、セレクト動作の時間とラップするように所定の時間にシフト動作を開始させ、4速にギヤインする。
このように、リング53、及びキャリア54が、同時に回転する重なり時間を設けることで、モータ40の出力トルクを適宜配分することが可能となる。ラップする時間は、セレクト動作、シフト動作とも動作の立ち下がり又は立ち上がりであるため前述したようなモータ40の体格をUPする必要はなく、さらに、モータ40を停止することがないので、トルク伝達経路の切り替え時に生じるムダ時間を短縮することができ、連続したモータ40の回転も可能となり、一連の変速操作を短時間で行える。
さらに、駆動中のリング53からキャリア54へ、又は駆動中のキャリア54からリング53へ、駆動を切り替える際には、その途中にどちらも回転するような時間が存在するので、モータ40の回転トルクはスムースに2つの出力軸に伝達切り替えされる。さらに、トルク伝達経路を切り替える際に発生する急激な伝達トルク変動を抑制することができる。この他に、車両の同期噛合い式歯車変速機に適用した場合も、該変速機の変速動作を円滑かつ迅速に行うことができる。
尚、動作説明のために1速から4速に飛び変速しているが、変速時には、シフト動作とセレクト動作の連携動作となるため、通常の1速ずつの変速をした時も上述した効果と同様の効果が得られる。
図4は、図1に示すモータ40のモータ特性を示した図である。モータ40の速度−トルク特性は、電動シフト装置に求められる要求特性に相当する。図4に示すように、シフト動作時に要求されたときのモータ特性は、シフト時特性MA(実線)で表わされる。このシフト時特性MAは、速度=0の時に、モータロックトルクMAt、無負荷時に、モータ回転速度MAsとなる。シフト動作は、比較的大きな操作力を必要とすると共に、シンクロナイザ機構でギヤ間の同期を取る際には大きなシフト力が必要とされる。
一方、セレクト動作時に要求されるモータ特性は、セレクト時特性MB(一点鎖線)で表わされる。このセレクト時特性MBは、速度=0の時にモータロックトルクMBt、無負荷時にモータ回転速度MBsとなる。
そして、この2つの特性(セレクト時特性MBとシフト時特性MA)を満足させるためのモータ特性は、共用特性MC(破線)で表わされる。そして、共用特性MCは、速度=0の時にモータロックトルクMAt、無負荷時にモータ回転速度MCsとなり、この共用特性MCを満足するには、消費電力を大きくしたモータ設計となり、モータ容量が増えるため、モータ40の体格が大きくなってしまう。
そこで、電動アクチュエータ装置そのものの大きさと、消費電流と、を極力小さくするためには共用特性MCを満足するモータを適用するのではなく、シフト時特性MAとセレクト時特性MBとで示される動作領域ACTを満足するようモータ制御を行って、モータ特性を変更することが望ましい。
このモータ特性を得るために、電動アクチュエータ制御装置90は、ロックトルクMAtとなるようにシフト時特性MAを満足し、軽負荷時の回転速度ではセレクト時特性MBを満足するように弱め界磁制御を行う。このようにして、弱め界磁制御による弱め界磁制御特性MDで、モータ制御をすることで2つ制御対象に要求される特性を満足することができる。
図4に示すように、モータ40は、負荷トルクと応答速度との関係から設定された弱め界磁移行ポイントMPで弱め界磁制御に移行される。すなわち、弱め界磁移行ポイントMPよりも、要求トルクが大きいとき(主にシフト動作時)は、シフト時特性MAとなるとうにする。一方、弱め界磁移行ポイントMPよりも要求トルクが小さいとき(主にセレクト動作時)は、セレクト時特性MBとなるようにする。
このような速度−トルク特性を得ることで、最適な電動アクチュエータの応答性を得ることができると共に、モータ容量を大きくする必要はなく、さらに、装置自体の安価化、コンパクト化が図れる。
尚、シフト時特性MAと一致するモータ特性の場合、弱め界磁を必要とするのはセレクト動作時のみであるが、要求されるシフト時特性MAによってはシフト動作時も弱め界磁制御を行うことにより、より好適な電動シフト装置を提供することができる。
〔第二実施形態〕
図5は、本発明の第二実施形態の電動アクチュエータ10’を示した図である。図5において、図1〜4の第一実施形態と同一のものは、同一符号を付し、詳細の説明は、省略する。第二実施形態では、図1に示した回転拘束手段60の具体的構成を電磁クラッチとした点が異なる構成となっている。
図5に示すように、電動アクチュエータ10’は、回転拘束手段に電磁クラッチを用い、この電磁クラッチを動作させることにより、リング53及びキャリア54の回転が、拘束される。具体的には、キャリア54の回転を拘束するために、第一の電磁クラッチ61Aとクラッチパッド62Aが、キャリア拘束プレート66’に配設されており、第一の電磁クラッチ61Aの励磁により発生する磁気吸引力は、クラッチパッド62Aを介して、キャリア拘束プレート66’の回転を拘束するように配設されている。また、リング53の回転を拘束するために、第二の電磁クラッチ61B及びクラッチパッド62Bが、リング53に配設されており、第二の電磁クラッチ61Bの励磁により発生する磁気吸引力は、クラッチパッド62Bを介して、リング53の回転を拘束するように配設されている。
それぞれのクラッチ61A,61Bは、クラッチ押し付けバネ(図示しない)が装備されている。電磁クラッチに電流が通電されていない非励磁のときは、このクラッチ押しつけバネにより、クラッチが連結状態となる。すなわち、第一の電磁クラッチ61Aが非励磁の時に、キャリア54の回転が拘束され、第二の電磁クラッチ61Bが非励磁の時に、リング53の回転が拘束される。また、クラッチ押し付けバネの力以上の吸引力が発生するように、電磁クラッチに電流を通電(励磁)すると、クラッチが開放され、各々の電磁クラッチ61A,61Bに対応したキャリア54及びリング53の回転の拘束が、解除される。
以上のように、電磁クラッチを採用することによりキャリア54とリング53の回転の拘束を独立して制御できるので、トルク分配手段50’におけるトルク分配量を細かく制御することができ、前述のシフト動作とセレクト動作とのラップ動作期間のトルク配分を制御することが可能となる。
この他にも、1個の電磁クラッチと戻りバネとの併用により同様の動作をすることが可能である。このような場合は、電動シフト装置の低コスト化が図れ、好適である。また、回転拘束手段はウォーム・ホイール機構を用いても実現可能である。さらに、後述のような湿式あるいは乾式の多板クラッチを用いることもでき、キャリア54あるいはリング53の回転トルクを拘束することができるものであればどのような構成であってもよい。
〔第三実施形態〕
図6は、本発明の第三実施形態の電動アクチュエータ10”のを示した図である。図6において、第二実施形態と同一のものは、同一符号を付し、詳細の説明は、省略する。第三実施形態では、第二実施形態と比べて、トルク分配手段にディファレンシャルギヤを適用した点と、回転拘束手段として湿式多板クラッチを用いた点とが、異なる構成となっている。
まずトルク分配手段50”について説明する。図6に示すように、トルク分配手段50”は、入力サイドギヤ51’、ピニオン52A’,52B’、ピニオンシャフト52C’、リングギヤ(リング)53’、及び出力サイドギヤ54’とからなるディファレンシャルギヤと、その附帯部材として、セレクト部材55’と、を備えている。
具体的には、各々の配置を説明すると、入力サイドギヤ51’は、モータ40と連結しており、ピニオン52A’,52B’と噛合している。そして、ピニオン52A’,52B’は、入力サイドギヤ51’の回転軸と垂直となる自転軸で自転可能に配置されている。そして、出力サイドギヤ54’は、2つのピニオン52A’,52B’に噛合し、ピニオン52A’,52B’の自転に伴い回転するように配置されている。
一方、2つのピニオン52A’,52B’は、ピニオンシャフト52C’と、先の自転可能なように軸支されており、入力サイドギヤ51’の回転軸を軸心として公転可能に配設されている。そして、リング53’は、ピニオンシャフト52C’を介して、2つのピニオン52A’,52B’を支持して、該2つのピニオン52A’,52B’と一体となって回転する機構となっている。さらに、リング53’の外周にはリング噛合い歯53A’があり、モータセレクト部材55’のセレクト噛合い歯55A’と噛合している。また、セレクト部材55’の他端には、シフトアーム80のスライド噛合い歯80Aと噛合したセレクトレールギヤ55B’を有し、このセレクトレールギヤ55B’は、シフトアーム80が軸方向にストローク可能となる幅で歯切りされている。
ここでディファレンシャルギヤを用いた機構によるトルク伝達を説明すると、モータ40の回転トルクは、入力サイドギヤ51’に入力される。この入力により、入力サイドギヤ51’と噛合したピニオン52A’,52B’が回転する。該ピニオン52A’,52B’に伝達されたトルクは、リング53’と出力サイドギヤ54’に分配される。そして、リング53’に伝達されたトルクは、セレクト部材55’に伝達され、シフトアーム80を回転させる。このようにしてアクチュエータ10”のセレクト動作が可能となる。
一方、ピニオン52A’,52B’を介して出力サイドギヤ54’も、回転する。そして、該出力サイドギヤ54’の出力端には回転−往復変換ギヤ部71があり、シフトアーム80を軸方向にストロークさせる。このようにして、アクチュエータ10”のシフト動作が可能となる。
次に、回転拘束手段について説明する。回転拘束手段は、湿式多板クラッチ61A”,61B”、プレッシャプレート62A”,62B”、及び固定体63A”,63B”を備えている。
図6に示すように、セレクト動作を拘束する湿式多板クラッチ61A”は、モータ40の外部と固着した固定体63A”と、外力が作用するプレッシャプレート62A”の間に挿入されており、シフト動作を拘束する湿式多板クラッチ61B”は、装置外部の非駆動部(図示していない)と固着された固定体63A”と、外力が作用するプレッシャプレート62B”の間に挿入されている。また、プレッシャプレート62A”,62B”が作用する外力は図示していないが、ソレノイドコイル、油圧が挙げられる。
この回転拘束手段の動作を説明すると、セレクト動作を拘束する湿式多板クラッチ61A”は、プレッシャプレート62A”に外力が作用することによりクラッチ締結し、固定体63A”により固定されて、リング53’の回転を拘束する。そして、リング53’の回転拘束に伴い、セレクトレールギヤ55B’が回転を拘束されるため、シフトアーム80のスライドギヤ80Aは、セレクトレールギヤ55B’をスライドし、シフト動作が可能となる。
同様に、シフト動作を拘束する湿式多板クラッチ61B”は、プレッシャプレート62B”に外力が作用することによりクラッチ締結し、固定体63B”により固定されて、出力サイドギヤ54’の回転を拘束する。そして、出力サイドギヤ54’の回転を拘束することで、シフト部材55’の回転と連動してシフトアーム80が回転するので、セレクト動作が可能となる。
このように、ディファレンシャルギヤを用いた電動アクチュエータ10”は、先に示した効果ばかりでなく、各ギヤを大きくとれることから伝達トルクが大きい場合に好適である。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
尚、上記のように、2つの制御対象を制御する場合について説明し、トルクを分配する手段として、遊星歯車、ディファレンシャルギヤなどの機構を用いた例を示したが、このような機構を複数個備えることにより2つ以上の制御対象にトルクを分配することが可能であるので、2つの制御対象のみに制限されるものではない。
また、本発明では自動車用に限定して説明したが、自動車以外に用いられる自動変速機に適用してもよい。また、第一の摩擦クラッチには、一般に乾式単板クラッチが用いられるが、湿式多板クラッチや電磁クラッチなどのいかなる摩擦クラッチを用いてもよい。
以上の説明のように、本発明の電動アクチュエータ及びその制御装置は、1つのモータに対して、2つの出力軸を持ち、回転拘束手段により、拘束する出力軸を選択することができる。また、1つのモータで、出力シャフトに対して2種類の動作を選択的に実行することが可能になるので、装置の小型化、安価化、が実現可能となる。また、駆動すべき制御対象の回転拘束を共に解除することで回転要素が滑らかに回転始動することができ、トルク伝達経路を切り替える際の急激な伝達トルクの変動を抑制することができる。
また、トルクを分配して制御することによりトルク伝達の経路を変更する際に、回転拘束を解除された2つの回転要素が同時に回転可能となるような所定のラップ期間を設けることにより、トルク伝達経路の切り替え時に生じるムダ時間を短縮することができる。
また、駆動モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御することにより、1つのモータを最適化して、2つ制御対象に要求される負荷トルクと応答速度とを考慮した速度トルク特性を得ることができるので、モータの体格を大きくしなくてもよい。
また、トルクを分配して制御することによりトルク伝達の経路を変更する際に、回転拘束を解除された2つの回転要素が同時に回転可能となるような所定のラップ期間を設けることにより、トルク伝達経路の切り替え時に生じるムダ時間を短縮することができる。
また、駆動モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御することにより、1つのモータを最適化して、2つ制御対象に要求される負荷トルクと応答速度とを考慮した速度トルク特性を得ることができるので、モータの体格を大きくしなくてもよい。
Claims (20)
- 回転トルクを出力するモータと、該回転トルクを分配して、回転運動として2つの出力軸に出力するトルク分配手段と、前記2つの出力軸の回転運動を選択的に拘束する回転拘束手段と、前記2つの出力軸の一方の前記回転運動を変換して受けて往復運動すると共に前記他方の出力軸の前記回転運動を受けて回転運動する出力シャフトと、を備えることを特徴とする電動アクチュエータ。
- 前記トルク分配手段は、サンギヤとプラネタリギヤとリングギヤとからなる遊星歯車機構であって、
前記サンギヤの回転軸は、前記モータからの出力で回転する軸であり、前記プラネタリギヤの公転軸と、前記リングギヤの回転軸とは、前記2つの出力軸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。 - 前記トルク分配手段は、入力ギヤと、該入力ギヤと噛合して該入力ギヤの入力回転軸と垂直となる自転軸で自転すると共に該入力回転軸で公転する2つのピニオンギヤと、前記2つのピニオンギヤに噛合して前記入力回転軸と同軸で回転する出力ギヤと、前記2つのピニオンギヤを支持して該ピニオンギヤと一体となって回転するリングギヤと、からなるディファレンシャルギヤと、該リングギヤと噛合し、連動して回転するセレクト部材と、を備えており、
前記入力ギヤの回転軸は、前記モータからの出力で回転する軸であり、前記出力ギヤの回転軸と、前記セレクト部材の回転軸とは、前記2つの出力軸のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。 - 前記2つの出力軸の一方の出力軸と前記出力シャフトとは、ねじ係合した機構を介して、前記2つの出力軸の他方の出力軸と前記出力シャフトとは、同調して回転するような機構を介して、連動連結され、
前記他方の出力軸を拘束した時は、前記出力シャフトは、前記往復運動し、前記一方の出力軸を拘束した時は、前記出力シャフトは、前記回転運動することを特徴とする請求項1に記載の電動アクチュエータ。 - 前記回転拘束手段は、ソレノイドアクチュエータと、該ソレノイドアクチュエータと連動した拘束部材と、を備え、前記ソレノイドアクチュエータの励磁状態により、前記拘束部材は、前記2つの出力軸のいずれかを拘束、及び/又は、非拘束することを特徴とする請求項2に記載の電動アクチュエータ。
- 前記回転拘束手段は、電磁式又は油圧式の2つのクラッチを備え、該クラッチの締結又は非締結に伴い、前記2つの出力軸のいずれかを拘束、及び/又は、非拘束することを特徴とする請求項2に記載の電動アクチュエータ。
- 前記回転拘束手段は、電磁式又は油圧式の2つのクラッチを備え、該クラッチの締結又は非締結に伴い、前記2つの出力軸のずれかを拘束、及び/又は、非拘束することを特徴とする請求項3に記載の電動アクチュエータ。
- 請求項1に記載の電動アクチュエータと、前記モータ及び前記回転拘束手段を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする電動シフト装置。
- 前記電動シフト装置は、車両の同期噛合い式歯車変速機用であることを特徴とする請求項8に記載の電動シフト装置。
- 前記変速機は、該変速機を変速させるための変速手段を有し、該変速手段の操作に基づき、前記制御装置によって前記モータ及び前記回転拘束手段を制御することを特徴とする請求項9に記載の電動シフト装置。
- 請求項2に記載の電動アクチュエータを制御する制御装置であって、
該制御装置は、前記モータを制御するモータ制御手段と、前記回転拘束手段を制御する拘束制御手段と、を備えることを特徴とする電動アクチュエータの制御装置。 - 請求項3に記載の電動アクチュエータを制御する制御装置であって、
該制御装置は、前記モータを制御するモータ制御手段と、前記回転拘束手段を制御する拘束制御手段と、を備えることを特徴とする電動アクチュエータの制御装置。 - 前記拘束制御手段は、2つの出力軸の拘束を選択変更するときは、非拘束の時間を、所定の時間を設けることを特徴とする請求項11に記載の電動アクチュエータの制御装置。
- 前記モータ制御手段は、前記モータに要求される回転数が高い時には、前記モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御を行なうことを特徴とする請求項11に記載の電動アクチュエータの制御装置。
- 前記モータの制御手段は、前記モータの容量を、2つの出力軸のうち要求トルクが最大となる出力軸に合わせて、選定することを特徴とする請求項11に記載の電動アクチュエータの制御装置。
- 前記モータの回転角度を検出するモータ角度検出手段を備え、前記モータ制御手段は、該検出したモータ検出角度と、前記モータの回転数及び前記出力軸の回転数の回転比と、前記トルク分配手段で分配されたトルク分配量と、から前記2つの出力軸の変位量を演算し、前記算出した変位量が目標値と一致するように制御することを特徴とする請求項11に記載の電動アクチュエータの制御装置。
- 請求項1に記載の電動アクチュエータの制御方法であって、
前記モータの前記回転トルクを制御すると共に、前記出力軸の回転運動を選択的に拘束することで、前記出力シャフトの回転運動、及び/又は、往復運動を制御することを特徴とする電動アクチュエータの制御方法。 - 前記2つの出力軸の拘束を選択変更するときは、非拘束の時間を、所定の時間を設けることを特徴とする請求項17に記載の電動アクチュエータの制御方法。
- 前記モータに要求される回転数が高い時には、前記モータに通電する電流の位相を制御して弱め界磁制御を行なうことを特徴とする請求項17に記載の電動アクチュエータの制御方法。
- 前記モータの回転角度を検出すると共に、該モータ検出角度と、前記モータの回転数及び前記出力軸の回転数の回転比と、前記トルク分配手段で分配されたトルク分配量と、から前記2つの出力軸の変位量を演算し、前記変位量が目標値と一致するように制御することを特徴とする請求項17に記載の電動アクチュエータの制御方法。
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