JP2004138131A - 自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置 - Google Patents
自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】出力の小さなモータで、十分なシフト操作力を出せ、かつ短時間に変速操作を行える変速操作装置を提供する。
【解決手段】モータ51の出力をシフトフォーク12に伝達する伝達経路に配置された減速機53において、シフトフォーク12がボーク点位置にあるときの減速比が、シフト操作開始(噛み合い解放)位置またはシフト操作終了(噛み合い締結)位置にあるときの減速比よりも大きくなるようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】モータ51の出力をシフトフォーク12に伝達する伝達経路に配置された減速機53において、シフトフォーク12がボーク点位置にあるときの減速比が、シフト操作開始(噛み合い解放)位置またはシフト操作終了(噛み合い締結)位置にあるときの減速比よりも大きくなるようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワートレーンに設けられ、2つの回転体を同期させて締結するシンクロ機構を操作する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のパワートレーンにおけるユニット、例えば変速機には、遊転ギヤの回転をシャフトに同期させるシンクロ機構が採用されている。シンクロ機構は、シャフト上に回転不能に嵌合されたスリーブと、このスリーブが並進することによって遊転ギヤのコーン面に摩擦接触されるシンクロナイザリング等から構成されている。シフト操作はシフトフォークシャフトを操作し、シフトフォークシャフトの先端のシフトフォークに係合するスリーブを操作して行う。
自動化マニュアルトランスミッション(以下、AMTという)では、シフトフォークシャフトのストローク操作をアクチュエータを用いて行うが、従来のアクチュエータとしては、電気モータの出力を減速機で減速し、シフトフォークシャフトをストロークさせる電動式の変速操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2001−141047号公報(第4頁、図2)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の変速操作装置では、シフト操作を十分な力で行うために減速機の減速比を大きくして、操作力を増幅する必要がある。特にギヤ締結操作時に、シンクロナイザリングを遊転ギヤに押付け、遊転ギヤの回転数とシャフトの回転数を同期させる点(ボーク点)においては強いシフト操作力が必要である。一方、減速機の減速比が大きいと、シフトフォークの操作速度が遅くなり、シフト操作全体にかかる時間が長くなる。このため、必要なシフト操作力を出し、なおかつ許容できる所定の時間内でシフト操作を行うためには電気モータの出力自体を大きくする必要があり、変速操作装置はサイズが大きいものとなる。実際の自動車においては、これらは変速操作にかかる時間の長さ(=自動車の快適性、安全性)と、サイズ(既存のエンジンルームへの搭載性)という問題となって現れる。
【0004】
本発明の目的は、出力の小さなモータで、十分なシフト操作力を出せ、かつ短時間に変速操作を行える変速操作装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では電気的に制御可能な駆動手段と、駆動手段の出力をシフトフォークの動作方向に伝達する伝達経路と、伝達経路上に1つ以上の減速機を有する変速操作を行う装置であって、減速比がシフトフォークの変位に追従して変化するように構成され、シフトフォークがボーク点にある状態での減速比が、シフトフォークがシフト操作開始位置(ニュートラル)またはシフト操作終了位置(ギヤ締結終了)での減速比よりも大きくなる減速機を備える。ここで、ボーク点とは、変速機においてシンクロナイザリングと遊転ギヤのコーン部を押付け合い、摩擦により同期トルクを発生させて遊転ギヤとシャフトの回転同期を行う点である。
【0006】
減速機の駆動軸と被駆動軸上に2つ以上の減速比の異なる歯車対を有し、それらが同時に噛み合わないように配置し、歯車の回転位置に応じて噛み合う歯車対が切り替わるようにするとよい。
減速機の駆動軸と被駆動軸上に2つ以上のピッチ円半径の異なるピニオンギヤと、それらに噛み合うラックを有し、それぞれのラック・ピニオン対が同時に噛み合わないように配置し、ピニオンギヤの回転位置に応じて噛み合うラック・ピニオン対が切り替わるようにするとよい。
減速機は作動歯車を備えた歯車を備え、歯車は全ての区間で噛み合わず、歯車が噛み合わない区間において作動歯が係合して、歯車の回転角度に応じて伝達比が変化するようにするとよい。
減速機は偏心歯車を備え、歯車の回転角度に応じて伝達比が変化するようにするとよい。
駆動手段からシフトフォークまでの力の伝達経路上にエネルギ蓄積手段、(例えばばね)を有するようにするとよい。または装置自体が弾性支持されるとよい。
また、駆動手段からシフトフォークまでの力の伝達経路上にあそびがあり、ギヤ締結操作時とギヤ解放操作時では、シフトフォークの変位に対する減速比が違うようにするとよい。または装置そのものの取付けにあそびがあるようにするとよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、一般に多段変速の変速機では変速操作装置が操作するシフトフォークの選択を行うセレクト機構が設けられているが、本実施例では簡単のため、セレクト機構を省略した2段変速の変速機を用いて説明する。
【0008】
図1は、本発明の変速操作装置を用いた変速機の構成例である。エンジン1は、エンジントルクを調節する電子制御スロットル2と、エンジン1の回転数を計測する回転センサ3を備える。前記エンジン1の出力軸4と変速機50のインプットシャフト6の間にはクラッチ5を設け、エンジン1のトルクをインプットシャフト6に伝達可能にする。前記クラッチ5は、乾式単板方式のものを用い、押付け力の制御には電気モータ、または油圧ピストンを用いたアクチュエータ32を使用する。クラッチ5の押付け力を調節することによって前記エンジン1の出力軸4から前記インプットシャフト6への動力伝達を断続する。
【0009】
インプットシャフト6に固定されたインプットシャフトドライブギヤ6aは、カウンタシャフト7に固定されているカウンタドリブンギヤ7aに噛合されている。カウンタシャフト7には、カウンタギヤ9a、9bが固定されており、カウンタシャフト7に平行に配置されているメインシャフト8には遊転ギヤ10a、10bが空転可能に装着されている。インプットシャフト6に入力されたエンジンの回転トルクはカウンタギヤ9a、9bを介してそれぞれ遊転ギヤ10a、10bに伝達される。遊転ギヤ10a、10bは、メインシャフト8に装着されたシンクロ機構11によって該メインシャフト8と選択的に締結・解放可能に取り付けられている。インプットシャフト6からメインシャフト8に伝達された回転トルクは差動装置33および車軸34を介してタイヤ35に伝達される。
【0010】
図2はシンクロ機構11とその周辺の部品である。シンクロ機構11は遊転ギヤ10aのコーン部101a、スリーブ15、シンクロナイザキー16、シンクロナイザリング17から構成される。スリーブ15はシフトフォーク12に回転自由に係合され、シフトフォーク12はシフトフォークシャフト13に連結されている。シフトフォークシャフト13は並進方向にのみ動作し、シフトフォークシャフト13の操作を行うことによりシフトフォーク12およびスリーブ15を操作できる。
【0011】
図3は、変速操作装置20のブロック線図である。回転トルクを出力する電気的な駆動装置(具体的には、モータ)51はコントロールユニット22によって制御される。駆動装置51で出力される回転トルクは減速機52により増幅され、さらに、変位に追従して減速比の変化する減速機53に伝達される。伝達された回転トルクはシフトフォークの変位に追従して減速比が変化する減速機53によりさらに減速、または増速され、伝達装置54に伝達される。伝達装置54は伝達されたトルクをシフトフォークシャフト13の動作方向の操作力に変換する変換機構であり、操作力はシフトフォークシャフト13を介してシフトフォーク12に伝達される。変速操作装置の近傍にはシフトフォークまたは変速操作装置のストローク変位または速度を検知するためのセンサ55が設けられており、検知した信号は駆動装置51を制御するコントロールユニット22に電気的に接続されている。また、駆動装置51からシフトフォークシャフト13までのいずれかの間に、後から減速比の変化する位置を調整する後調整機構を配置してもよい。ここで、電気的な駆動手段51として例えば電気モータを用い、減速機52として例えば遊星歯車機構を用いることができる。
【0012】
伝達手段54としては、例えば回転運動を直線運動に変換するラックとピニオンの機構や、レバー機構を用いることができる。
【0013】
図4はシフトフォークの変位に追従して減速比の変化する減速機53の構成例を示す。立体図を図4(a)に、正面図を図4(b)に、側面図を図4(c)に、背面図を図4(d)に示す。図4(a)は駆動軸56と被駆動軸57上に減速比の異なる2対の歯車対58、59、60,61を設けた2重歯車の例である。これら歯車対は部分的に噛み合わない区間を有し、2対の歯車対は使用する範囲において互いに同時に噛み合わないように配置されている。駆動手段51を駆動し、前記減速機52を介して駆動軸56が回転すると、駆動軸56がある回転角の範囲においては一つの歯車対(たとえば歯車対58、59)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸57へ伝達する。また、このとき他の歯車対(この場合、歯車対60,61)は噛み合わず、回転トルクの伝達には寄与しない。また、駆動軸56が別の範囲においては、他方の歯車対(この場合、歯車対60,61)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸57へ伝達する。このとき、もう一方の歯車対(この場合、歯車対58、59)は噛み合わず、回転トルクの伝達には寄与しない。歯車対58、59、60、61は減速比が違うので、減速機53の減速比は駆動軸56の回転角に応じて変化する。駆動軸56の回転角は伝達経路の弾性やヒステリシス等を除けば、シフトフォークの変位と1対1に対応するので、減速機53はシフトフォークの変位に追従して減速比が切り替わる構成となっている。図4は減速比が1回切り替わる構成であるが、同様の原理で2回以上減速比を切り替えることもできる。また、駆動軸に歯車を3重以上設け、減速比を更に細かく変化させることもできる。
【0014】
以上の構成による変速機において、低速段から高速段への変速動作を説明する。
【0015】
図1において、エンジン1はエンジン出力軸4、クラッチ5、インプットシャフト6、インプットドライブギヤ6a、カウンタドリブンギヤ7aを通じて、カウンタシャフト7に回転トルクを伝える。低速ギヤ締結時は、遊転ギヤ10bがシンクロ機構によりメインシャフト8に回転不能に締結されており、カウンタシャフト7に伝えられた回転トルクはカウンタギヤ9b、遊転ギヤ10bを介してメインシャフト8に伝達する。このとき、遊転ギヤ10aはメインシャフト2に対して回転可能であり、メインシャフト8に回転トルクを伝達しない。メインシャフト8に伝達した回転トルクは差動装置33および車軸34に伝達して、タイや35を駆動する。
【0016】
変速操作はコントロールユニット22が各アクチュエータを制御して行う。コントロールユニットの指令によりクラッチのアクチュエータ32がクラッチ5を操作し、エンジン1からインプットシャフトへのトルク伝達経路を切断する。次に変速操作装置20でシンクロ機構11を操作し、回転不能に締結された遊転ギヤ10bを解放し、高速段の遊転ギヤ10aをメインシャフト8に回転不能に締結する。最後に電子制御スロットル2で回転数を制御しながらクラッチアクチュエータ32を制御してクラッチ5を繋ぐ。
【0017】
遊転ギヤの締結操作における、シンクロ機構11の動作を図2を用いて説明する。まず、シフトフォーク12がシフト操作開始位置(ニュートラル)からシフト操作終了位置(ギヤ締結位置)へ移動を始めると、スリーブ15はシフトフォーク12に押されて図の右側に移動し、シンクロナイザキー16を介してシンクロナイザリング17を遊転ギヤ10のコーン部101aに押付ける。この押付けはじめるときの位置をインデックス点と称し、このとき、回転するスリーブ15と遊転ギヤ10aの間に弱い摩擦力が発生する。押付け力をさらに強くすると、シンクロナイザキー16からスリーブ15が外れ、スリーブ15が直接シンクロナイザリング17を強い力でコーン部101aに押付ける。このときの点をボーク点と称し、このとき発生する摩擦力によりスリーブ15と遊転ギヤ10aの間に強い同期トルクが発生する。ボーク点においてはスリーブ15と遊転ギヤ10aの回転数差が減少していく現象がみられる。また、ボーク点においては、スリーブ15と遊転ギヤ10aの回転数差が一致するまで、変速操作機構に強い反力が発生する。最終的にスリーブ15と遊転ギヤ10の回転数が一致すると、スリーブは遊転ギヤの噛合歯18を押し分けて入り、両者は噛合する。遊転ギヤ10aがメインシャフト2に対して締結された状態を図14に示す。
【0018】
ボーク点とは、変速機においてシンクロナイザリング17と遊転ギヤ10aのコーン部101aを押付け合い、摩擦により同期トルクを発生させて遊転ギヤ10aとシャフト8の回転同期を行う点である。
【0019】
理想的なギヤ締結操作を考察すると、シンクロ機構の耐久性と車輌の変速ショックを考慮して、 シフト操作開始(=ニュートラル)位置からインデックス点の前までの区間においては、弱い操作力で速やかにシフト操作を行うことが望ましい。また先述のボーク点では緩やかに強い回転同期トルクを発生させるために、遅い速度で強く操作することが望ましい。また、回転同期終了後(ボーク点通過後)からギヤ締結終了位置までは強い操作力は必要でないため、可及的速やかに操作することが望ましい。
【0020】
そこで、減速機53が図5(a)に示す変位―減速比のマップのようにボーク点において減速比が大きいギヤに切り替わるように構成することにより、変速操作装置はボーク点において大きなシフト操作力を遅い速度で出す。こうすることにより、ボーク点では変速ショックを抑えて回転同期を行う。また、シフト操作開始位置(ギヤ解放位置)からボーク点近傍までと、ボーク点通過後からシフト操作終了位置(ギヤ締結位置)までは減速比を小さくする。こうすることにより、弱いシフト操作力で速く操作するので、変速に要する全体の時間を短くする。結果として出力の小さいモータでも十分なシフト操作力を出し、かつ短時間で変速操作を行う。駆動手段51を一定出力で駆動した場合の、シフト操作力とシフト操作速度の関係を図5(b)、図5(c)に示す。操作開始位置からボーク点の前までは、減速機53は減速比の小さいギヤがトルクを伝達し、変速操作装置の操作力は小さく、操作速度は大きい。また、ボーク点近傍(インデックス点含む)ではシフト操作力が大きく、操作速度は遅い。また、回転同期終了後はシフト操作力が小さく、操作速度は大きい。
【0021】
ボーク点は、スリーブ15がシンクロナイザリング17と嵌合する位置であり、ボーク点に至るときのシフト変位量は概ね一定である。そのため、本発明のように特定のシフト変位(ボーク点)において減速比が変化するように設定して、ボーク点で強い操作力を発生することができる。当然ながら、構成部品の摩耗や変形により、ボーク点の位置は次第に移動することもあるので、減速比の変化する位置はボーク点より多少の余裕を持たせることが望ましい。あるいは、減速比の変化する位置を後から調整する後調整手段を有することも望ましい。
【0022】
図5(a)の減速比は、ボーク点近傍のみ減速比が大きい例を示したが、その前後の減速比は必ずしも小さくなくてもよい。例えばシフト操作開始位置(ギヤ解放位置)からボーク点までの距離が全ストロークに比べ相対的に短い変速機の場合などは、シフト操作開始位置からボーク点までを速く操作することによる操作時間短縮の効果が小さい。そのため、図6(a)に示すようにボーク点通過後のみ減速比を小さくする構成でもよい。シフト操作開始位置からボーク点通過までの減速比を大きくすると、変速操作装置20はシフト操作開始位置からボーク点を通過するまでは遅く、強い力で操作し、ボーク点通過からギヤ締結終了位置までは弱い操作力で速やかに操作を行う。駆動手段51を一定回転で駆動した場合の、シフト操作力とシフト操作速度の関係を図6(b)、図6(c)に示す。操作開始位置(ギヤ解放位置)からボーク点を通過するまではシフト操作力が大きく、操作速度が遅い。また、ボーク点通過後からギヤ締結位置まではシフト操作力が小さく、操作速度は速い。
【0023】
また、図6(a)の場合とは逆に、例えばボーク点からシフト操作終了位置までの距離が全ストロークに比べ相対的に短い変速機の場合などは、ボーク点からシフト操作終了位置(=ギヤ締結)までを速く操作することによる操作時間短縮の影響が小さいため、図7(a)に示すように操作開始位置からボーク点近傍までの減速比を小さくすることでもよい。シフト操作開始位置からボーク点近傍までの減速比を小さくすると、変速操作装置20はシフト操作開始位置からボーク点の近傍までは弱い操作力で速やかに操作し、ボーク点の手前(インデックス点含む)からギヤ締結終了位置までは遅く強い操作力でシフト操作を行う。駆動手段51を一定回転で駆動した場合の、シフト操作力とシフト操作速度の関係を図7(b)、図7(c)に示す。操作開始位置からボーク点前まではシフト操作力が弱く、操作速度が速い。また、ボーク点前から操作終了位置まではシフト操作力が大きく、操作速度は遅い。
【0024】
以上のように、変速操作装置20を構成する減速機53の減速比をシフト位置に追従して変化させることにより、ボーク点近傍で十分なシフト操作力を出し、大きな操作力が必要でない区間では速やかに操作を行い、全体として短時間で変速操作を完了することができる。
【0025】
さらに、変速操作装置20の駆動手段51から、シフトフォーク12までの力の伝達経路上に弾性体を配置することにより、前記と同様な効果が得られる。すなわち、シフトフォーク12はシフト操作開始位置からボーク点手前までは緩やかに、あるいは速やかにストロークし、ボーク点近傍において遅く強いシフト操作力を出す。このとき、弾性体は反力により変形する。回転同期が終了しボーク点を通過すると、シフトフォーク12からの反力が軽くなり、弾性体は復元力により伸び、結果的にボーク点以降は速やかなシフト操作を行う。以上の効果は、変速操作装置20そのものが変速機に対して弾性支持されていても同じ効果が得られる。
【0026】
さらに、変速操作装置20の減速機53からシフトフォーク12までの力の伝達経路上に、意図的にあそびを持たせることにより、ギヤ締結とギヤ解放の操作において、操作力にヒステリシスができる。それにより、ギヤ締結のみならず、ギヤ解放にも適した操作が行えるようになる。図8に示す減速比の例を用いてその説明をする。図8は減速比の変化を示す。ニュートラルからギヤ締結位置まではこれまで示した通りである。ギヤ締結位置からニュートラル位置へシフトフォーク12を戻す操作を行うと、まずあそびの分だけ減速機53の出力回転は空走する。空走区間が終わるとシフトフォーク12へ操作力が伝達されるが、そのときの減速機53の減速比は図8に示すようにギヤ締結操作時と違う。ギヤ解放の位置での減速比は、減速比が大きい区間を通過中、または通過した後であるため、その後のギヤ解放操作は、最初に大きな操作力が働き、すぐに弱い操作力で速やかにニュートラル位置までストロークし、速やかに解放操作を終了する。
【0027】
図3(a)に示した減速機53の他の減速比を切り替える手段の例を図9乃至13を用いて説明する。
【0028】
図9(a)乃至(c)は駆動軸56bにピッチ円半径の異なる2枚のピニオンギヤ58b、60bが取り付けられ、被駆動軸57b上にそれらに噛み合うラック59b、61bが設置されているものの、正面図、側面図、背面図である。伝達比の異なるラックとピニオン対は部分的に噛み合わない区間を有し、2組のラックとピニオン対は、使用する範囲においていずれか一つの対のみが噛み合うように配置されている。駆動手段51が、減速機52を介して駆動軸56bを回転させると、駆動軸のある回転角の範囲においては一方のラックとピニオン対(たとえば58b、59b)が噛み合い、駆動軸56bの回転トルクを直進駆動力として被駆動軸57bへ伝達する。また、このとき他方のラックとピニオン対(この場合、60b、61b)は噛み合わず、動力を伝達しない。別の範囲では、他方の歯車対(この場合、歯車対59b、60b)が噛み合い、駆動軸56bの回転トルクを直進駆動力として被駆動軸57bへ伝達する。このとき、もう一方の歯車対(この場合、歯車対58b、59b)は噛み合わず、動力を伝達しない。このように駆動軸56bの回転角に応じて、動力を伝達する歯車対が切り替わることによって、減速機53の伝達比は変化する。ラックとピニオンギヤ対の数は2対以上でもよい。
【0029】
図10は駆動軸56cと被駆動軸57c上に減速比の異なる2対の傘歯車対58c、59c、60c、61cを設けた2重傘歯車の例である。これら歯車対は部分的に噛み合わない区間を有し、2対の歯車対は使用する回転角の範囲において、常にいずれか一つの歯車対のみが噛み合うように配置されている。駆動手段51が、減速機52を介して2重傘歯車の駆動軸56cを回転させると、駆動軸のある回転角の範囲においては一方の歯車対(たとえば58c、59c)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸58cへ伝達する。また、このとき他の歯車対(この場合、歯車対60c、61c)は噛み合わず、回転トルクを伝達しない。別の範囲では、他方の歯車対(この場合、歯車対60c、61c)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸57へ伝達する。このとき、他の歯車対(この場合、歯車対58c、59c)は噛み合わず、回転トルクを伝達しない。このように駆動軸56cの回転角に応じて、動力を伝達する歯車対が切り替わることによって、減速機53の減速比は変化する。
【0030】
図11(a)乃至(c)は駆動軸56dと被駆動軸57d上に減速比の異なる2対の内歯車対58d、59d、60d、61dを設けた2重内歯車の正面図、断面図、背面図である。前述までと同様にして、駆動軸56dの回転角に応じて、動力を伝達する歯車対が切り替わることによって、減速機53の減速比が変化する。
【0031】
以上、図9乃至11において、変位により減速比が変化する減速機53を構成する手段を示した。これらは減速比を特定の位置で不連続に切り替えられるため、変速操作時間の短縮に有利である。噛み合う歯車が切り替わる点において2重噛み合いや空転がおこらないように、歯車が切り替わる点の近傍の歯を、他の周上と違う歯の形状・材質で構成する等の対策も有効である。
【0032】
図12は駆動軸56eと被駆動軸57e上にそれぞれ歯車58e、59eと、作動歯60e、61eが設けられており、歯車対は部分的に歯が噛み合わない区間があり、歯車対が噛み合わない区間においては、作動歯が係合し動力を伝達する。歯車の回転トルクの伝達比と、作動歯の回転トルクの伝達比は違い、歯車の回転角に応じて回転トルクの伝達比が切り替わることによって、減速機53の減速比は変化する。この構成は、上記の歯車のようにモジュールの制限を受けずに作動歯の伝達比を設定できる利点がある。
【0033】
図13は駆動軸56fと被駆動軸57f上にそれぞれ回転中心が偏心している偏心歯車が設けられており、歯車58、59の回転角に対応して減速比は変化する。偏心歯車は、円形の歯車であるため、非円形歯車や2重歯車に比べて製作が容易で、コストが安い利点がある。
【0034】
図9乃至図13に説明したシフトフォークの変位に追従して減速比が変化する減速機53の他にも、従来例との組み合わせで減速比を変化させる手段を構成することができる。いずれの手段であっても、減速比が変る位置を、シフトフォーク12のシフト操作開始位置、ボーク点、ギヤ締結位置等に対応する駆動軸56のある回転角に対応して、前述のようなプロファイルに調整すれば、本発明の変速操作装置を構成することができる。
【0035】
変速操作装置20の動作は変速機の種類によって違う。例えば一般的なFR車の場合、シフト操作はシフトシャフトを並進方向に操作することにより行い、セレクト操作はシフトシャフトを回転操作させることにより行うタイプのものが多い。また、一般的にFF車の場合では、シフト操作はシフトシャフトを回転方向に操作することにより行い、セレクト操作はシフトシャフトを並進させることにより行うものが多い。いずれの場合においても、動力伝達経路上の運動変換機で駆動力をシフト操作方向へ変換すれば本発明を適用することができる。
【0036】
本実施例は自動車の変速機を操作する装置を実施例で示したが、同様のシンクロ機構を備えた4輪・2輪駆動切り替えや、高速・低速切り替えを行うトランスファの操作機構にも適用することができる。また、オートマチックトランスミッションのセレクト機構のように、シンクロ機構はないが操作の一部分でのみ大きな操作力が要求される機構の操作機構にも適用して、同様の効果を得ることができる。
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、出力トルクの小さなモータでも十分なシフト操作力を出せ、かつ短時間に変速操作を行える変速操作装置を実現することができる。
実際の自動車においては、搭載性がよく、変速操作にかかる時間が短く快適で、安全な乗り心地を実現できる変速操作装置を実現できる。また、モータの出力を小さくできるので変速操作装置のコスト低減にも効果がある。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、出力トルクの小さなモータでも十分なシフト操作力を出せ、かつ短時間に変速操作を行える変速操作装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変速操作装置を適用した変速機の一実施例を示す説明図。
【図2】変速機のシンクロ機構とその周辺を示す部分図。
【図3】本発明の変速機構の一実施例を示すブロック線図。
【図4】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図5】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図6】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図7】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図8】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図9】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図10】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図11】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図12】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図13】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図14】変速機のシンクロ機構とその周辺を示す部分図。
【符号の説明】
1…エンジン、6…インプットシャフト,7…カウンタシャフト、9…カウンタギヤ、10a…遊転ギヤ、10b…遊転ギヤ、11…シンクロ機構、12…シフトフォーク、13…シフトフォークシャフト、15…スリーブ、16…シンクロナイザキー、17…シンクロナイザリング、20…変速操作装置、22…コントロールユニット、51…駆動装置、52…減速機、53…減速機、54…伝達機構、56…駆動軸、57…被駆動軸、50…変速機。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のパワートレーンに設けられ、2つの回転体を同期させて締結するシンクロ機構を操作する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のパワートレーンにおけるユニット、例えば変速機には、遊転ギヤの回転をシャフトに同期させるシンクロ機構が採用されている。シンクロ機構は、シャフト上に回転不能に嵌合されたスリーブと、このスリーブが並進することによって遊転ギヤのコーン面に摩擦接触されるシンクロナイザリング等から構成されている。シフト操作はシフトフォークシャフトを操作し、シフトフォークシャフトの先端のシフトフォークに係合するスリーブを操作して行う。
自動化マニュアルトランスミッション(以下、AMTという)では、シフトフォークシャフトのストローク操作をアクチュエータを用いて行うが、従来のアクチュエータとしては、電気モータの出力を減速機で減速し、シフトフォークシャフトをストロークさせる電動式の変速操作装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2001−141047号公報(第4頁、図2)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の変速操作装置では、シフト操作を十分な力で行うために減速機の減速比を大きくして、操作力を増幅する必要がある。特にギヤ締結操作時に、シンクロナイザリングを遊転ギヤに押付け、遊転ギヤの回転数とシャフトの回転数を同期させる点(ボーク点)においては強いシフト操作力が必要である。一方、減速機の減速比が大きいと、シフトフォークの操作速度が遅くなり、シフト操作全体にかかる時間が長くなる。このため、必要なシフト操作力を出し、なおかつ許容できる所定の時間内でシフト操作を行うためには電気モータの出力自体を大きくする必要があり、変速操作装置はサイズが大きいものとなる。実際の自動車においては、これらは変速操作にかかる時間の長さ(=自動車の快適性、安全性)と、サイズ(既存のエンジンルームへの搭載性)という問題となって現れる。
【0004】
本発明の目的は、出力の小さなモータで、十分なシフト操作力を出せ、かつ短時間に変速操作を行える変速操作装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では電気的に制御可能な駆動手段と、駆動手段の出力をシフトフォークの動作方向に伝達する伝達経路と、伝達経路上に1つ以上の減速機を有する変速操作を行う装置であって、減速比がシフトフォークの変位に追従して変化するように構成され、シフトフォークがボーク点にある状態での減速比が、シフトフォークがシフト操作開始位置(ニュートラル)またはシフト操作終了位置(ギヤ締結終了)での減速比よりも大きくなる減速機を備える。ここで、ボーク点とは、変速機においてシンクロナイザリングと遊転ギヤのコーン部を押付け合い、摩擦により同期トルクを発生させて遊転ギヤとシャフトの回転同期を行う点である。
【0006】
減速機の駆動軸と被駆動軸上に2つ以上の減速比の異なる歯車対を有し、それらが同時に噛み合わないように配置し、歯車の回転位置に応じて噛み合う歯車対が切り替わるようにするとよい。
減速機の駆動軸と被駆動軸上に2つ以上のピッチ円半径の異なるピニオンギヤと、それらに噛み合うラックを有し、それぞれのラック・ピニオン対が同時に噛み合わないように配置し、ピニオンギヤの回転位置に応じて噛み合うラック・ピニオン対が切り替わるようにするとよい。
減速機は作動歯車を備えた歯車を備え、歯車は全ての区間で噛み合わず、歯車が噛み合わない区間において作動歯が係合して、歯車の回転角度に応じて伝達比が変化するようにするとよい。
減速機は偏心歯車を備え、歯車の回転角度に応じて伝達比が変化するようにするとよい。
駆動手段からシフトフォークまでの力の伝達経路上にエネルギ蓄積手段、(例えばばね)を有するようにするとよい。または装置自体が弾性支持されるとよい。
また、駆動手段からシフトフォークまでの力の伝達経路上にあそびがあり、ギヤ締結操作時とギヤ解放操作時では、シフトフォークの変位に対する減速比が違うようにするとよい。または装置そのものの取付けにあそびがあるようにするとよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。なお、一般に多段変速の変速機では変速操作装置が操作するシフトフォークの選択を行うセレクト機構が設けられているが、本実施例では簡単のため、セレクト機構を省略した2段変速の変速機を用いて説明する。
【0008】
図1は、本発明の変速操作装置を用いた変速機の構成例である。エンジン1は、エンジントルクを調節する電子制御スロットル2と、エンジン1の回転数を計測する回転センサ3を備える。前記エンジン1の出力軸4と変速機50のインプットシャフト6の間にはクラッチ5を設け、エンジン1のトルクをインプットシャフト6に伝達可能にする。前記クラッチ5は、乾式単板方式のものを用い、押付け力の制御には電気モータ、または油圧ピストンを用いたアクチュエータ32を使用する。クラッチ5の押付け力を調節することによって前記エンジン1の出力軸4から前記インプットシャフト6への動力伝達を断続する。
【0009】
インプットシャフト6に固定されたインプットシャフトドライブギヤ6aは、カウンタシャフト7に固定されているカウンタドリブンギヤ7aに噛合されている。カウンタシャフト7には、カウンタギヤ9a、9bが固定されており、カウンタシャフト7に平行に配置されているメインシャフト8には遊転ギヤ10a、10bが空転可能に装着されている。インプットシャフト6に入力されたエンジンの回転トルクはカウンタギヤ9a、9bを介してそれぞれ遊転ギヤ10a、10bに伝達される。遊転ギヤ10a、10bは、メインシャフト8に装着されたシンクロ機構11によって該メインシャフト8と選択的に締結・解放可能に取り付けられている。インプットシャフト6からメインシャフト8に伝達された回転トルクは差動装置33および車軸34を介してタイヤ35に伝達される。
【0010】
図2はシンクロ機構11とその周辺の部品である。シンクロ機構11は遊転ギヤ10aのコーン部101a、スリーブ15、シンクロナイザキー16、シンクロナイザリング17から構成される。スリーブ15はシフトフォーク12に回転自由に係合され、シフトフォーク12はシフトフォークシャフト13に連結されている。シフトフォークシャフト13は並進方向にのみ動作し、シフトフォークシャフト13の操作を行うことによりシフトフォーク12およびスリーブ15を操作できる。
【0011】
図3は、変速操作装置20のブロック線図である。回転トルクを出力する電気的な駆動装置(具体的には、モータ)51はコントロールユニット22によって制御される。駆動装置51で出力される回転トルクは減速機52により増幅され、さらに、変位に追従して減速比の変化する減速機53に伝達される。伝達された回転トルクはシフトフォークの変位に追従して減速比が変化する減速機53によりさらに減速、または増速され、伝達装置54に伝達される。伝達装置54は伝達されたトルクをシフトフォークシャフト13の動作方向の操作力に変換する変換機構であり、操作力はシフトフォークシャフト13を介してシフトフォーク12に伝達される。変速操作装置の近傍にはシフトフォークまたは変速操作装置のストローク変位または速度を検知するためのセンサ55が設けられており、検知した信号は駆動装置51を制御するコントロールユニット22に電気的に接続されている。また、駆動装置51からシフトフォークシャフト13までのいずれかの間に、後から減速比の変化する位置を調整する後調整機構を配置してもよい。ここで、電気的な駆動手段51として例えば電気モータを用い、減速機52として例えば遊星歯車機構を用いることができる。
【0012】
伝達手段54としては、例えば回転運動を直線運動に変換するラックとピニオンの機構や、レバー機構を用いることができる。
【0013】
図4はシフトフォークの変位に追従して減速比の変化する減速機53の構成例を示す。立体図を図4(a)に、正面図を図4(b)に、側面図を図4(c)に、背面図を図4(d)に示す。図4(a)は駆動軸56と被駆動軸57上に減速比の異なる2対の歯車対58、59、60,61を設けた2重歯車の例である。これら歯車対は部分的に噛み合わない区間を有し、2対の歯車対は使用する範囲において互いに同時に噛み合わないように配置されている。駆動手段51を駆動し、前記減速機52を介して駆動軸56が回転すると、駆動軸56がある回転角の範囲においては一つの歯車対(たとえば歯車対58、59)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸57へ伝達する。また、このとき他の歯車対(この場合、歯車対60,61)は噛み合わず、回転トルクの伝達には寄与しない。また、駆動軸56が別の範囲においては、他方の歯車対(この場合、歯車対60,61)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸57へ伝達する。このとき、もう一方の歯車対(この場合、歯車対58、59)は噛み合わず、回転トルクの伝達には寄与しない。歯車対58、59、60、61は減速比が違うので、減速機53の減速比は駆動軸56の回転角に応じて変化する。駆動軸56の回転角は伝達経路の弾性やヒステリシス等を除けば、シフトフォークの変位と1対1に対応するので、減速機53はシフトフォークの変位に追従して減速比が切り替わる構成となっている。図4は減速比が1回切り替わる構成であるが、同様の原理で2回以上減速比を切り替えることもできる。また、駆動軸に歯車を3重以上設け、減速比を更に細かく変化させることもできる。
【0014】
以上の構成による変速機において、低速段から高速段への変速動作を説明する。
【0015】
図1において、エンジン1はエンジン出力軸4、クラッチ5、インプットシャフト6、インプットドライブギヤ6a、カウンタドリブンギヤ7aを通じて、カウンタシャフト7に回転トルクを伝える。低速ギヤ締結時は、遊転ギヤ10bがシンクロ機構によりメインシャフト8に回転不能に締結されており、カウンタシャフト7に伝えられた回転トルクはカウンタギヤ9b、遊転ギヤ10bを介してメインシャフト8に伝達する。このとき、遊転ギヤ10aはメインシャフト2に対して回転可能であり、メインシャフト8に回転トルクを伝達しない。メインシャフト8に伝達した回転トルクは差動装置33および車軸34に伝達して、タイや35を駆動する。
【0016】
変速操作はコントロールユニット22が各アクチュエータを制御して行う。コントロールユニットの指令によりクラッチのアクチュエータ32がクラッチ5を操作し、エンジン1からインプットシャフトへのトルク伝達経路を切断する。次に変速操作装置20でシンクロ機構11を操作し、回転不能に締結された遊転ギヤ10bを解放し、高速段の遊転ギヤ10aをメインシャフト8に回転不能に締結する。最後に電子制御スロットル2で回転数を制御しながらクラッチアクチュエータ32を制御してクラッチ5を繋ぐ。
【0017】
遊転ギヤの締結操作における、シンクロ機構11の動作を図2を用いて説明する。まず、シフトフォーク12がシフト操作開始位置(ニュートラル)からシフト操作終了位置(ギヤ締結位置)へ移動を始めると、スリーブ15はシフトフォーク12に押されて図の右側に移動し、シンクロナイザキー16を介してシンクロナイザリング17を遊転ギヤ10のコーン部101aに押付ける。この押付けはじめるときの位置をインデックス点と称し、このとき、回転するスリーブ15と遊転ギヤ10aの間に弱い摩擦力が発生する。押付け力をさらに強くすると、シンクロナイザキー16からスリーブ15が外れ、スリーブ15が直接シンクロナイザリング17を強い力でコーン部101aに押付ける。このときの点をボーク点と称し、このとき発生する摩擦力によりスリーブ15と遊転ギヤ10aの間に強い同期トルクが発生する。ボーク点においてはスリーブ15と遊転ギヤ10aの回転数差が減少していく現象がみられる。また、ボーク点においては、スリーブ15と遊転ギヤ10aの回転数差が一致するまで、変速操作機構に強い反力が発生する。最終的にスリーブ15と遊転ギヤ10の回転数が一致すると、スリーブは遊転ギヤの噛合歯18を押し分けて入り、両者は噛合する。遊転ギヤ10aがメインシャフト2に対して締結された状態を図14に示す。
【0018】
ボーク点とは、変速機においてシンクロナイザリング17と遊転ギヤ10aのコーン部101aを押付け合い、摩擦により同期トルクを発生させて遊転ギヤ10aとシャフト8の回転同期を行う点である。
【0019】
理想的なギヤ締結操作を考察すると、シンクロ機構の耐久性と車輌の変速ショックを考慮して、 シフト操作開始(=ニュートラル)位置からインデックス点の前までの区間においては、弱い操作力で速やかにシフト操作を行うことが望ましい。また先述のボーク点では緩やかに強い回転同期トルクを発生させるために、遅い速度で強く操作することが望ましい。また、回転同期終了後(ボーク点通過後)からギヤ締結終了位置までは強い操作力は必要でないため、可及的速やかに操作することが望ましい。
【0020】
そこで、減速機53が図5(a)に示す変位―減速比のマップのようにボーク点において減速比が大きいギヤに切り替わるように構成することにより、変速操作装置はボーク点において大きなシフト操作力を遅い速度で出す。こうすることにより、ボーク点では変速ショックを抑えて回転同期を行う。また、シフト操作開始位置(ギヤ解放位置)からボーク点近傍までと、ボーク点通過後からシフト操作終了位置(ギヤ締結位置)までは減速比を小さくする。こうすることにより、弱いシフト操作力で速く操作するので、変速に要する全体の時間を短くする。結果として出力の小さいモータでも十分なシフト操作力を出し、かつ短時間で変速操作を行う。駆動手段51を一定出力で駆動した場合の、シフト操作力とシフト操作速度の関係を図5(b)、図5(c)に示す。操作開始位置からボーク点の前までは、減速機53は減速比の小さいギヤがトルクを伝達し、変速操作装置の操作力は小さく、操作速度は大きい。また、ボーク点近傍(インデックス点含む)ではシフト操作力が大きく、操作速度は遅い。また、回転同期終了後はシフト操作力が小さく、操作速度は大きい。
【0021】
ボーク点は、スリーブ15がシンクロナイザリング17と嵌合する位置であり、ボーク点に至るときのシフト変位量は概ね一定である。そのため、本発明のように特定のシフト変位(ボーク点)において減速比が変化するように設定して、ボーク点で強い操作力を発生することができる。当然ながら、構成部品の摩耗や変形により、ボーク点の位置は次第に移動することもあるので、減速比の変化する位置はボーク点より多少の余裕を持たせることが望ましい。あるいは、減速比の変化する位置を後から調整する後調整手段を有することも望ましい。
【0022】
図5(a)の減速比は、ボーク点近傍のみ減速比が大きい例を示したが、その前後の減速比は必ずしも小さくなくてもよい。例えばシフト操作開始位置(ギヤ解放位置)からボーク点までの距離が全ストロークに比べ相対的に短い変速機の場合などは、シフト操作開始位置からボーク点までを速く操作することによる操作時間短縮の効果が小さい。そのため、図6(a)に示すようにボーク点通過後のみ減速比を小さくする構成でもよい。シフト操作開始位置からボーク点通過までの減速比を大きくすると、変速操作装置20はシフト操作開始位置からボーク点を通過するまでは遅く、強い力で操作し、ボーク点通過からギヤ締結終了位置までは弱い操作力で速やかに操作を行う。駆動手段51を一定回転で駆動した場合の、シフト操作力とシフト操作速度の関係を図6(b)、図6(c)に示す。操作開始位置(ギヤ解放位置)からボーク点を通過するまではシフト操作力が大きく、操作速度が遅い。また、ボーク点通過後からギヤ締結位置まではシフト操作力が小さく、操作速度は速い。
【0023】
また、図6(a)の場合とは逆に、例えばボーク点からシフト操作終了位置までの距離が全ストロークに比べ相対的に短い変速機の場合などは、ボーク点からシフト操作終了位置(=ギヤ締結)までを速く操作することによる操作時間短縮の影響が小さいため、図7(a)に示すように操作開始位置からボーク点近傍までの減速比を小さくすることでもよい。シフト操作開始位置からボーク点近傍までの減速比を小さくすると、変速操作装置20はシフト操作開始位置からボーク点の近傍までは弱い操作力で速やかに操作し、ボーク点の手前(インデックス点含む)からギヤ締結終了位置までは遅く強い操作力でシフト操作を行う。駆動手段51を一定回転で駆動した場合の、シフト操作力とシフト操作速度の関係を図7(b)、図7(c)に示す。操作開始位置からボーク点前まではシフト操作力が弱く、操作速度が速い。また、ボーク点前から操作終了位置まではシフト操作力が大きく、操作速度は遅い。
【0024】
以上のように、変速操作装置20を構成する減速機53の減速比をシフト位置に追従して変化させることにより、ボーク点近傍で十分なシフト操作力を出し、大きな操作力が必要でない区間では速やかに操作を行い、全体として短時間で変速操作を完了することができる。
【0025】
さらに、変速操作装置20の駆動手段51から、シフトフォーク12までの力の伝達経路上に弾性体を配置することにより、前記と同様な効果が得られる。すなわち、シフトフォーク12はシフト操作開始位置からボーク点手前までは緩やかに、あるいは速やかにストロークし、ボーク点近傍において遅く強いシフト操作力を出す。このとき、弾性体は反力により変形する。回転同期が終了しボーク点を通過すると、シフトフォーク12からの反力が軽くなり、弾性体は復元力により伸び、結果的にボーク点以降は速やかなシフト操作を行う。以上の効果は、変速操作装置20そのものが変速機に対して弾性支持されていても同じ効果が得られる。
【0026】
さらに、変速操作装置20の減速機53からシフトフォーク12までの力の伝達経路上に、意図的にあそびを持たせることにより、ギヤ締結とギヤ解放の操作において、操作力にヒステリシスができる。それにより、ギヤ締結のみならず、ギヤ解放にも適した操作が行えるようになる。図8に示す減速比の例を用いてその説明をする。図8は減速比の変化を示す。ニュートラルからギヤ締結位置まではこれまで示した通りである。ギヤ締結位置からニュートラル位置へシフトフォーク12を戻す操作を行うと、まずあそびの分だけ減速機53の出力回転は空走する。空走区間が終わるとシフトフォーク12へ操作力が伝達されるが、そのときの減速機53の減速比は図8に示すようにギヤ締結操作時と違う。ギヤ解放の位置での減速比は、減速比が大きい区間を通過中、または通過した後であるため、その後のギヤ解放操作は、最初に大きな操作力が働き、すぐに弱い操作力で速やかにニュートラル位置までストロークし、速やかに解放操作を終了する。
【0027】
図3(a)に示した減速機53の他の減速比を切り替える手段の例を図9乃至13を用いて説明する。
【0028】
図9(a)乃至(c)は駆動軸56bにピッチ円半径の異なる2枚のピニオンギヤ58b、60bが取り付けられ、被駆動軸57b上にそれらに噛み合うラック59b、61bが設置されているものの、正面図、側面図、背面図である。伝達比の異なるラックとピニオン対は部分的に噛み合わない区間を有し、2組のラックとピニオン対は、使用する範囲においていずれか一つの対のみが噛み合うように配置されている。駆動手段51が、減速機52を介して駆動軸56bを回転させると、駆動軸のある回転角の範囲においては一方のラックとピニオン対(たとえば58b、59b)が噛み合い、駆動軸56bの回転トルクを直進駆動力として被駆動軸57bへ伝達する。また、このとき他方のラックとピニオン対(この場合、60b、61b)は噛み合わず、動力を伝達しない。別の範囲では、他方の歯車対(この場合、歯車対59b、60b)が噛み合い、駆動軸56bの回転トルクを直進駆動力として被駆動軸57bへ伝達する。このとき、もう一方の歯車対(この場合、歯車対58b、59b)は噛み合わず、動力を伝達しない。このように駆動軸56bの回転角に応じて、動力を伝達する歯車対が切り替わることによって、減速機53の伝達比は変化する。ラックとピニオンギヤ対の数は2対以上でもよい。
【0029】
図10は駆動軸56cと被駆動軸57c上に減速比の異なる2対の傘歯車対58c、59c、60c、61cを設けた2重傘歯車の例である。これら歯車対は部分的に噛み合わない区間を有し、2対の歯車対は使用する回転角の範囲において、常にいずれか一つの歯車対のみが噛み合うように配置されている。駆動手段51が、減速機52を介して2重傘歯車の駆動軸56cを回転させると、駆動軸のある回転角の範囲においては一方の歯車対(たとえば58c、59c)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸58cへ伝達する。また、このとき他の歯車対(この場合、歯車対60c、61c)は噛み合わず、回転トルクを伝達しない。別の範囲では、他方の歯車対(この場合、歯車対60c、61c)が噛み合い、駆動軸56の回転トルクを被駆動軸57へ伝達する。このとき、他の歯車対(この場合、歯車対58c、59c)は噛み合わず、回転トルクを伝達しない。このように駆動軸56cの回転角に応じて、動力を伝達する歯車対が切り替わることによって、減速機53の減速比は変化する。
【0030】
図11(a)乃至(c)は駆動軸56dと被駆動軸57d上に減速比の異なる2対の内歯車対58d、59d、60d、61dを設けた2重内歯車の正面図、断面図、背面図である。前述までと同様にして、駆動軸56dの回転角に応じて、動力を伝達する歯車対が切り替わることによって、減速機53の減速比が変化する。
【0031】
以上、図9乃至11において、変位により減速比が変化する減速機53を構成する手段を示した。これらは減速比を特定の位置で不連続に切り替えられるため、変速操作時間の短縮に有利である。噛み合う歯車が切り替わる点において2重噛み合いや空転がおこらないように、歯車が切り替わる点の近傍の歯を、他の周上と違う歯の形状・材質で構成する等の対策も有効である。
【0032】
図12は駆動軸56eと被駆動軸57e上にそれぞれ歯車58e、59eと、作動歯60e、61eが設けられており、歯車対は部分的に歯が噛み合わない区間があり、歯車対が噛み合わない区間においては、作動歯が係合し動力を伝達する。歯車の回転トルクの伝達比と、作動歯の回転トルクの伝達比は違い、歯車の回転角に応じて回転トルクの伝達比が切り替わることによって、減速機53の減速比は変化する。この構成は、上記の歯車のようにモジュールの制限を受けずに作動歯の伝達比を設定できる利点がある。
【0033】
図13は駆動軸56fと被駆動軸57f上にそれぞれ回転中心が偏心している偏心歯車が設けられており、歯車58、59の回転角に対応して減速比は変化する。偏心歯車は、円形の歯車であるため、非円形歯車や2重歯車に比べて製作が容易で、コストが安い利点がある。
【0034】
図9乃至図13に説明したシフトフォークの変位に追従して減速比が変化する減速機53の他にも、従来例との組み合わせで減速比を変化させる手段を構成することができる。いずれの手段であっても、減速比が変る位置を、シフトフォーク12のシフト操作開始位置、ボーク点、ギヤ締結位置等に対応する駆動軸56のある回転角に対応して、前述のようなプロファイルに調整すれば、本発明の変速操作装置を構成することができる。
【0035】
変速操作装置20の動作は変速機の種類によって違う。例えば一般的なFR車の場合、シフト操作はシフトシャフトを並進方向に操作することにより行い、セレクト操作はシフトシャフトを回転操作させることにより行うタイプのものが多い。また、一般的にFF車の場合では、シフト操作はシフトシャフトを回転方向に操作することにより行い、セレクト操作はシフトシャフトを並進させることにより行うものが多い。いずれの場合においても、動力伝達経路上の運動変換機で駆動力をシフト操作方向へ変換すれば本発明を適用することができる。
【0036】
本実施例は自動車の変速機を操作する装置を実施例で示したが、同様のシンクロ機構を備えた4輪・2輪駆動切り替えや、高速・低速切り替えを行うトランスファの操作機構にも適用することができる。また、オートマチックトランスミッションのセレクト機構のように、シンクロ機構はないが操作の一部分でのみ大きな操作力が要求される機構の操作機構にも適用して、同様の効果を得ることができる。
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、出力トルクの小さなモータでも十分なシフト操作力を出せ、かつ短時間に変速操作を行える変速操作装置を実現することができる。
実際の自動車においては、搭載性がよく、変速操作にかかる時間が短く快適で、安全な乗り心地を実現できる変速操作装置を実現できる。また、モータの出力を小さくできるので変速操作装置のコスト低減にも効果がある。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、出力トルクの小さなモータでも十分なシフト操作力を出せ、かつ短時間に変速操作を行える変速操作装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変速操作装置を適用した変速機の一実施例を示す説明図。
【図2】変速機のシンクロ機構とその周辺を示す部分図。
【図3】本発明の変速機構の一実施例を示すブロック線図。
【図4】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図5】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図6】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図7】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図8】本発明の減速比のプロファイルの一実施例を示すグラフ。
【図9】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図10】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図11】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図12】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図13】本発明の減速機の構成例を示す説明図。
【図14】変速機のシンクロ機構とその周辺を示す部分図。
【符号の説明】
1…エンジン、6…インプットシャフト,7…カウンタシャフト、9…カウンタギヤ、10a…遊転ギヤ、10b…遊転ギヤ、11…シンクロ機構、12…シフトフォーク、13…シフトフォークシャフト、15…スリーブ、16…シンクロナイザキー、17…シンクロナイザリング、20…変速操作装置、22…コントロールユニット、51…駆動装置、52…減速機、53…減速機、54…伝達機構、56…駆動軸、57…被駆動軸、50…変速機。
Claims (7)
- 電気的に制御可能な駆動手段と該駆動手段の出力をシフトフォークに伝達する伝達経路と該伝達経路に配置された減速機とを有し、自動車のパワートレーンに設けられ2つの回転体を締結するシンクロ機構を操作するシンクロ機構の操作装置であって、前記減速機はシフトフォークの変位に追従して減速比が変化して、シフトフォークがボーク点位置にあるときの減速比が、シフト操作開始位置またはシフト操作終了位置にあるときの減速比よりも大きくなることを特徴とする自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置。
- 請求項1に記載の自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置において、前記減速機は2つ以上の減速比の異なる歯車対を有し、前記歯車対は互いに同時に噛み合わないように配置し、歯車が回転して噛み合う歯車対が切り替わることにより減速比が変化することを特徴とする自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置。
- 請求項1に記載の自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置において、前記減速機は2つ以上のピッチ円半径の異なるピニオンギヤとそれらに噛み合うラックとを有し、前記ラック・ピニオン対は互いに同時に噛み合わないように配置し、前記ピニオンギヤが回転して噛み合う前記ラック・ピニオン対が切り替わることにより減速比が変化することを特徴とする自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置。
- 請求項1に記載の自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置において、前記減速機は歯車対と、前記歯車対と伝達比の異なる作動歯対とを有し、前記歯車対と前記作動歯対は互いに同時に係合せず、前記歯車が回転して前記作動歯対と歯車対の係合が切り替わることにより減速比が変化することを特徴とする自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置。
- 請求項1に記載の自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置において、前記減速機は偏心歯車対を有し、前記偏心歯車対が回転して歯車対の減速比が変化することにより減速比が変化することを特徴とする自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置。
- 請求項1に記載の自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置において、シフトフォークへ加えるエネルギを蓄積するためのエネルギ蓄積手段を備えたことを特徴とする自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置。
- 請求項1に記載の自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置において、前記伝達経路または該操作装置を支持する部分にあそびがあり、ギヤ締結操作とギヤ解放操作では、シフトフォークの変位に対する前記減速機の減速比が切り替わる位置が移動することを特徴とする自動車のパワートレーンにおけるシンクロ機構の操作装置。
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