JPWO2005055383A1 - 半導体レーザ装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

量産性等に優れた多波長半導体レーザ装置の製造方法を提供する。半導体基板SUB1上に多層体から成る第1のレーザ発振部1aと金属の接着層とを形成した第1の中間生成体と、支持基板上に第1のレーザ発振部1aより小形の多層体から成る第2のレーザ発振部2aとそれに隣接する溝とを形成して金属から成る接着層を形成した第2の中間生成体とを作製し、導波路1b,2bを近接させて第1,第2の中間生成体の接着層同士を融着させ、一体化した接着層CNTを生じさせることによって、第1,第2のレーザ発振部1a,2aを固着させた後、第2のレーザ発振部2aから支持基板を剥離することにより、接着層CNTを部分的に露出させ、該露出した接着層CNTを共通電極とした半導体レーザ装置LDを製造する。

Description

本発明は、波長の異なる複数のレーザ光を放射する半導体レーザ装置の製造方法に関する。
デジタル放送やブロードバンドの普及により、大量のデジタルコンテンツが家庭等に溢れる時代を目前に控え、さらなる情報記録の高密度化が求められている。光ディスクストレージシステムにおいては、波長780nmの光を用いた容量700MBのCD(Compact Disc)から波長650nmの光を用いた容量4.7GBのDVD(Digital Versatile Disc)へと高密度化が進められてきた。さらに最近になり、容量20GBを超える光ディスクシステムが波長405nmの光を用いて実現されている。
このような高密度記録システムにおいても、これまでに広く普及したDVDに対してコンパチビリティを持たせる必要があるため、ピックアップには波長650nmのレーザも併せて搭載する必要がある。
複数の波長に対応したピックアップでは、その小型化、軽量化のために2波長集積レーザが望まれているが、波長405nm帯のレーザを実現するGaN系半導体と波長650nm帯のレーザを実現するAlGaInP系半導体では物性が大きく異なるため、同一基板上へのモノリシック集積を行うことができない。そのため、ハイブリッド構造による2波長集積レーザが提案されている(特許文献1:特開2001−230502号公報、特許文献2:特開2000−252593号公報、特許文献3:特開2002−118331号公報)。
特許文献1(特開2001−230502号公報)の2波長集積レーザは、第1の基板を有する短波長(例えば、波長405nm帯)のレーザ光を放射する第1の発光素子と、第2の基板を有する長波長(例えば、波長650nm帯)のレーザ光を放射する第2の発光素子を支持基板(いわゆるサブマウント)上に重ねて取り付けることで、ハイブリッド構造の半導体レーザ装置が実現されている。
ここで、第1の発光素子は、第1の基板の支持基板側に発光部が位置するように支持基板上に取り付けられており、更に第2の発光素子は、第2の基板の第1の発光素子側に発光部が位置するように第1の発光素子上に取り付けられている。
特許文献2(特開2000−252593号公報)に開示されているハイブリッド構造の半導体レーザ装置は、第1のレーザ部のp電極とn電極に、第2のレーザ部のn電極とp電極を夫々融着金属を介して電気的に貼り合わせた後、第1のレーザ部側の基板を除去した構造とすることによって、第1のレーザ部と第2のレーザ部とで波長の異なるレーザ光を放射するようにしている。
特許文献3(特開2002−118331号公報)に開示されているハイブリッド構造の半導体レーザ装置は、第1の半導体発光素子と第2の半導体発光素子を直接貼り合わせることで、ハイブリッド構造の半導体レーザ装置が実現されている。ここで、この貼り合わせ面側から電流を供給するために、一方の半導体発光素子を部分的にエッチングすることによってコンタクト層を露出させ、該コンタクト層から電流を注入するようにしている。
ところで、特許文献1の半導体レーザ装置は、上述したように、支持基板上に第1の発光素子と第2の発光素子を重ねて取り付ける構造となっているが、この構造の場合に第1の発光素子と第2の発光素子の重ね合わせ面への電流注入を可能とするためには、それぞれを個別の半導体チップとして製造した後、チップ化された第1の発光素子と第2の発光素子を支持基板上に重ねて取り付けることが必須となる。
2波長集積レーザを光ディスクのピックアップ用光源として用いる場合には、その2つの発光点間隔を高精度(±1μm以下)で制御する必要があるが、チップの状態での位置合わせでは、発光点間隔や放射方向を高精度に制御することは困難である。また全てのチップ毎に位置合わせを行う必要があるため生産性も悪くなる。
また、特許文献1の半導体レーザ装置は、支持基板上に第1の発光素子の発光部が近接して取り付けられ、第1の発光素子に備えられている第1の基板上に、第2の発光素子の発光部が近接して取り付けられている。
しかし、この構造によると、第1の発光素子と第2の発光素子との間に、厚さの大きな第1の基板が介在することとなり、上述の特許文献1にも記載されているように、その第1の基板(GaN基板)は通常100μm程度の厚さを有しているため、第1の発光素子の発光部(発光点の位置)と第2の発光素子の発光部(発光点の位置)とが大きく離れてしまうという問題がある。
このため、例えば、ピックアップにこの半導体レーザ装置を搭載して、情報記録又は情報再生を行う場合、ピックアップを構成している光学系の光軸に対して第1の発光部の放射位置(発光点の位置)を光軸合わせすると、第2の発光部の放射位置が光学系の光軸から大きくずれることとなり、収差等の発生原因となってしまう。
このような光軸ずれによる悪影響は、光ピックアップにプリズム等の光学素子を追加することにより解消することができるが、部品点数、コストの増加等の問題が生じる。
特許文献2の半導体レーザ装置では、第1のレーザ部のp,n電極と第2のレーザ部のn,p電極とが融着金属を介してそれぞれ電気的に接続されているため、第1のレーザ部を発光させるべく、融着金属を通じて第1のレーザ部に対し順方向に駆動電力を供給すると、第2のレーザ部は逆バイアスの状態、第2のレーザ部を発光させるべく、融着金属を通じて第2のレーザ部に対し順方向に駆動電力を供給すると、第1のレーザ部は逆バイアスの状態となる。
このため、第1のレーザ部又は第2のレーザ部の一方を発光させると、他方のレーザ部に逆バイアスがかかり、逆方向耐圧や逆方向リーク電流の問題が生じる。
特許文献3の半導体レーザ装置では、第1の半導体発光素子と第2の半導体発光素子とを直接貼り合わせることにより、2つの半導体レーザの集積を行うため、少なくともどちらか一方が、表面に凹凸を有する半導体発光素子(例えばリッジストライプ型半導体レーザ)の場合には、発光点に近い側の面同士を貼り合わせることができず、発光点間隔を小さくすることができない。また、特許文献3の半導体レーザ装置では、2つのレーザウェハを貼り合わせた後にAlGaInP系レーザ側をGaAs基板も含めて部分的にエッチングしてGaAsコンタクト層を露出させるが、エッチング前の状態でコンタクト層直上に位置する電流狭窄層もGaAsであるため、GaAsコンタクト層でエッチングをストップさせるのは非常に困難である。さらに、貼り合わせ面側から電流を供給するには、コンタクト層に面内方向から電流を流す必要があるが、コンタクト層はGaAs等の半導体で構成されるため、電流の流入経路における電気抵抗が大きくなるという問題がある。
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたものであり、波長の異なる複数のレーザ光を放射すると共に、発光点間隔が小さく、電気的特性に優れ且つ機械的精度の高い半導体レーザ装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、波長の異なる複数のレーザ光を放射すると共に、発光点間隔が小さく、電気的特性に優れ且つ機械的精度の高い半導体レーザ装置を量産性良く製造するための製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、波長の異なる複数のレーザ光を放射する半導体レーザ装置の製造方法であって、半導体基板上に、第1のレーザ発振部を形成するための半導体を有する第1の多層体を形成するステップを含む、第1の中間生成体を作製する第1の工程と、支持基板上に、第2のレーザ発振部を形成するための半導体から成る第2の多層体を形成するステップと、前記第2の多層体に溝を形成するステップとを含む、第2の中間生成体を作製する第2の工程と、前記第1の中間生成体の前記第1の多層体側の面と前記第2の中間生成体の前記第2の多層体側の面を、導電性の接着層を介して固着することにより貼合体を作製する第3の工程と、前記貼合体の前記支持基板側から前記第2の多層体に光を照射して、前記支持基板と前記第2の多層体を分離する第4の工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の半導体レーザ装置の製造方法であって、前記光は、前記支持基板を透過し、前記支持基板との界面近傍の前記第2の多層体で吸収される光であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、波長の異なる複数のレーザ光を放射する半導体レーザ装置の製造方法であって、半導体基板上に、第1のレーザ発振部を形成するための半導体を有する第1の多層体を形成するステップを含む、第1の中間生成体を作製する第1の工程と、支持基板上に、少なくとも光吸収層を含む層を形成するステップと、前記光吸収層上に第2のレーザ発振部を形成するための半導体から成る第2の多層体を形成するステップと、前記第2の多層体に溝を形成するステップとを含む、第2の中間生成体を作製する第2の工程と、前記第1の中間生成体の前記第1の多層体側の面と前記第2の中間生成体の前記第2の多層体側の面を、導電性の接着層を介して固着することにより貼合体を作製する第3の工程と、前記貼合体の前記支持基板側から前記光吸収層に光を照射することによって前記光吸収層を分解し、前記分解した光吸収層に沿って少なくとも前記支持基板を剥離する第4の工程と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の半導体レーザ装置の製造方法であって、前記第2の工程において、前記溝を前記第2の多層体の表面から前記光吸収層までの深さよりも深く形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の半導体レーザ装置の製造方法であって、前記光は、前記支持基板を透過し、前記光吸収層で吸収される光であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体レーザ装置の製造方法であって、前記第1の工程又は前記第2の工程の少なくとも一方は、前記第1の中間生成体の前記第1の多層体側の面又は前記第2の中間生成体の前記第2の多層体側の面の少なくとも一方に前記接着層を形成する工程を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の半導体レーザ装置の製造方法であって、前記第1の多層体は、V族元素として砒素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)の何れかを含むIII−V族化合物半導体、又はII−VI族化合物半導体を有し、前記第2の多層体は、V族元素が窒素(N)から成る窒化物系III−V族化合物半導体を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載の半導体レーザ装置の製造方法であって、前記接着層は、金属であることを特徴とする。
第1の実施形態により作製される半導体レーザ装置の構造を模式的に表した図である。 第1の実施形態の半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。 第2の実施形態により作製される半導体レーザ装置の構造及びその製造方法を模式的に表した図である。 第1の実施例により作製される半導体レーザ装置の構造を模式的に表した図である。 第1の実施例の半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。 更に図4に示した半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。 更に図4に示した半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。 第2の実施例の半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。 更に第2の実施例の半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。 更に第2の実施例の半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。
以下、発明を実施するための最良の形態として、第1,第2の実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態を図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態の製造方法により作製される半導体レーザ装置の外部構造を表した斜視図、図2は、本実施形態の半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。
図1において、本実施形態により作製される半導体レーザ装置LDは、波長の異なるレーザ光を放射する第1の発光素子1と第2の発光素子2とを備え、金属から成る接着層CNTの融着等によって、第1,第2の発光素子1,2が一体に固着されている。
第1の発光素子1は、III−V族化合物半導体(例えばGaAs)から成る半導体基板SUB1と、半導体基板SUB1上に、III−V族化合物半導体またはII−VI族化合物半導体から成る第1の多層体によって形成された第1のレーザ発振部1aと、第1のレーザ発振部1aの半導体基板SUB1とは反対側の面に形成されたストライプ状の導波路1bと、導波路1b以外の領域を絶縁被覆する絶縁膜1cと、導波路1bに電気的に接続され且つ絶縁膜1c上の全面に形成されたオーミック電極層1dと、半導体基板SUB1の裏面に形成されたオーミック電極層P1とを有しており、第1のレーザ発振部1aから所定波長のレーザ光が放射される。
第2の発光素子2は、V族元素が窒素(N)である窒化物系III−V族化合物半導体から成る第2の多層体によって形成された第2のレーザ発振部2aと、第2のレーザ発振部2aの接着層CNT側の面に形成されたストライプ状の導波路2bと、導波路2b以外の少なくとも接着層CNT側に面した領域を絶縁被覆する絶縁膜2cと、導波路2bに電気的に接続され且つ絶縁膜2cの接着層CNT側に面した領域に形成されたオーミック電極層2dと、第2のレーザ発振部2aの表面に形成されたオーミック電極層P2とを有しており、第2のレーザ発振部2aから所定波長のレーザ光が放射される。
そして、後述の製造方法において説明するように、第1の発光素子1を形成するためのウェハ状の中間生成体100と、第2の発光素子2を形成するためのウェハ状の中間生成体200とを予め作製し、中間生成体100に形成したオーミック電極層1dと中間生成体200に形成したオーミック電極層2dとを接着層CNTによって固着することで、中間生成体100,200とが一体化した貼合体を作製した後、該貼合体に所定の加工を施して劈開することによって、第2の発光素子2の形成領域に比して第1の発光素子1の占有面積の方が大きく(別言すれば、第1の発光素子1に比して第2の発光素子2の方が小形で)、且つ接着層CNTが第1の発光素子1の全面に形成されることで、第2の発光素子2の形成領域以外の領域で露出し、該露出した接着層CNTがコモンアノードとして機能する構造を有する半導体レーザ装置LDが形成されている。
更に、第1のレーザ発振部1aには、上記第1の多層体によってIII−V族化合物半導体またはII−VI族化合物半導体から成る歪量子井戸構造の活性層とその活性層を挟むようにして積層されたクラッド層とを有する二重ヘテロ構造(DH)が構成されており、更に導波路1bの長手方向の両側において第1のレーザ発振部1aを劈開することにより形成された劈開面によってレーザ共振器が構成されている。
第2のレーザ発振部2aには、上記第2の多層体によって窒化物系III−V族化合物半導体から成る多重量子井戸構造の活性層とその活性層を挟むようにして積層されたクラッド層とを有する二重ヘテロ構造(DH)が構成されており、更に導波路2bの長手方向の両側において第2のレーザ発振部2aを劈開することにより形成された劈開面によってレーザ共振器が構成されている。
かかる構造を有する半導体レーザ装置LDにおいて、接着層CNTの露出部Pcとオーミック電極層P1間に駆動電流を供給すると、その駆動電流が導波路1bを通じて第1のレーザ発振部1a中の上述の活性層に流入することで光が発生し、その光が上述のレーザ共振器内でキャリア再結合を誘起して誘導放出を行わせることにより、第1のレーザ発振部1aに形成されている劈開面から所定波長(例えば、650nm)のレーザ光が放射される。
また、接着層CNTの露出部Pcとオーミック電極層P2間に駆動電流を供給すると、その駆動電流が導波路2bを通じて第2のレーザ発振部2a中の上述の活性層に流入することで光が発生し、その光が上述のレーザ共振器内でキャリア再結合を誘起して誘導放出を行わせることにより、第2のレーザ発振部2aに形成されている劈開面から所定波長(例えば、405nm)のレーザ光が放射される。
次に、該半導体レーザ装置LDの製造方法を図2を参照して説明する。同図(a)は第1の中間生成体100、同図(b)は第2の中間生成体200の作製工程及び構造を夫々模式的に表した斜視図、同図(c)〜同図(f)は中間生成体100,200によって半導体レーザ装置LDを製造する工程を模式的に表した斜視図である。また、図2(a)〜(f)において、図1と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
図2(a)に示す第1の中間生成体100は、III−V族化合物半導体(例えば、GaAs)から成るウェハ状の半導体基板SUB1上に、III−V族化合物半導体又はII−VI族化合物半導体から成る二重ヘテロ構造を有する第1の多層体X1aを形成した後、ストライプ状の複数のリッジ導波路1bを所定のピッチ間隔で形成し、次に多層体X1aの導波路1b以外の領域を絶縁膜1cで絶縁被覆して、導波路1bに電気的に接続するオーミック電極層1dを絶縁膜1c上に形成し、更に金属から成る接着層CNT1を形成することによって作製されている。
図2(b)に示す第2の中間生成体200は、支持基板SUB2としてのサファイア基板上に、窒化物系III−V属化合物半導体から成る二重ヘテロ構造を有する第2の多層体Y2aを形成した後、ストライプ状の複数のリッジ導波路2bを所定のピッチ間隔で形成し、次に多層体Y2aの各導波路2b間の所定領域を所定の深さまでエッチングすることで、複数の台部と溝Rとが隣接した構造を有する多層体Y2aに加工し、更に多層体Y2aの各導波路2b以外の領域を絶縁膜2cで被覆した後、導波路2bに電気的に接続するオーミック電極層2dと接着層CNT2とを順次形成することによって作製されている。
更に、第1の中間生成体100のリッジ導波路1bのピッチ間隔と、第2の中間生成体200のリッジ導波路2bのピッチ間隔とが共に等しいピッチ間隔となっている。
次に、図2(c)に示すように、第1,第2の中間生成体100,200に形成されているリッジ導波路1b,2bを対向させて接着層CNT1,CNT2を密着させ、密着した部分の接着層CNT1,CNT2同士を融着させることによって、図1に示した一体化した接着層CNTを形成することにより、中間生成体100,200とが一体化した貼合体を作製する。
ここで、図2(b)に示すように多層体Y2aの導波路2bをリッジ構造の導波路で形成した場合、接着層CNT2の表面に凹凸が生じることとなるが、図2(c)に示すように接着層CNT1,CNT2を金属の融着によって貼り合わせるので、上述の凹凸の影響を受けることなく、導波路1b,2bを最適な間隔に近接させて位置合わせすることが可能である。
次に、図2(d)に示すように、支持基板SUB2を透過する所定波長(例えば、360nm以下)のレーザ光を照射する。
これにより、レーザ光は、支持基板SUB2中で殆ど吸収されずに透過し、多層体Y2aには僅かな浸透深さで吸収される。更に、支持基板SUB2と多層体Y2aの間に大きな格子不整合があることから、多層体Y2aにおいて支持基板SUB2に接合している部分(以下「接合部近傍の部分」という)には極めて多くの結晶欠陥が存在する。このため、多層体Y2aの接合部近傍の部分においてレーザ光は殆ど熱に変換され、その接合部近傍の部分が急激に高温加熱されて分解する。そして、予め溝Rが形成されているため、溝Rに面している多層体Y2aの薄い部分がガスの力を受けて崩落等し、複数個の多層体Y2aが溝Rを境にして分割形成される。
次に、貼合体を所定の温度で加熱することによって、分割形成された各多層体Y2aと支持基板SUB2との接合面の結合力を低下させ、その状態で支持基板SUB2を剥離することによって、各多層体Y2aの表面と、溝Rに面した接着層CNTを露出させる。
次に、露出した各多層体Y2aの表面と接着層CNTの表面とを洗浄した後、図2(e)に示すように、半導体基板SUB1の裏面全体にオーミック電極層P1、各多層体Y2aの表面にオーミック電極層P2を夫々形成する。
次に、図2(f)に示すように、第1,第2の中間生成体100,200全体を導波路1b,2bの長手方向に対して直交する方向に沿って劈開すると共に、導波路1b,2bの長手方向と平行な方向に溝Rの部分を劈開することによって、図1に示すような個々の半導体レーザ装置LDを完成している。
以上説明したように本実施形態の製造方法及び該製造方法により作製される半導体レーザ装置LDによれば、接着層CNTによって、第1,第2の発光素子1,2を複数個形成することが可能な中間生成体100,200をいわゆるウェハの状態で貼り合わせてから、劈開によって個々の半導体レーザ装置LDを完成するので、導波路1bと2bの高精度での位置決めと、第1,第2の発光素子1,2の発光点間隔の最適化制御とを1回の貼り合わせによって行うことができ、量産性の向上を図ることができる。
また、接着層CNTに貼り合わされた第1,第2の発光素子1,2のオーミック電極層1d,2dは共にp側電極となることから、接着層CNTは、オーミック電極層1d,2dを通じて第1,第2のレーザ発振部1a,2aに順バイアスの駆動電流を供給するためのコモンアノードとして機能する。このため、例えば駆動用電流源と接着層CNTとの間に1個のスイッチング素子を接続するだけで、該スイッチング素子を介して第1,第2のレーザ発振部1a,2aに駆動電流を供給することが可能となる等、駆動回路の構成を簡素化することが可能となる。
また、接着層CNTとオーミック電極層P1間にのみ駆動電流を供給すれば第1の発光素子1のみを発光させ、接着層CNTとオーミック電極層P2間にのみ駆動電流を供給すれば第2の発光素子2のみを発光させ、更にまた、接着層CNTとオーミック電極層P1間、及び接着層CNTとオーミック電極層P2間に同時に駆動電流を供給すると、第1,第2の発光素子1,2を同時に発光させることができるため、極めて多様な使用形態を提供することができる。
また、特開2000−252593号公報に記載されている多波長型の半導体レーザでは、一方のレーザ素子を駆動すると他方のレーザ素子が逆バイアスとなるため、逆方向耐圧を考慮する必要上、大電流で駆動することができず、更に逆方向リーク電流も存在するため消費電力が大きくなるという問題があるが、本実施形態により作製される半導体レーザ装置LDでは、上述したように接着層CNTとオーミック電極層P1間、又は接着層CNTとオーミック電極層P2間に夫々独立に駆動電流を供給することで、第1,第2の発光素子1,2を独立に発光させることができる。このため、本実施形態により作製される半導体レーザ装置LDによれば、第1,第2の発光素子1,2を夫々大電流で駆動することができると共に、逆方向リーク電流の問題がないことから、消費電力を低減することができる。
また、製造工程において、第1,第2の中間生成体100,200に形成した接着層CNT1,CNT2を貼り合わすことで一体化した接着層CNTを介して第1,第2の中間生成体100,200を一体に固着させるので、ストライプ状のリッジ構造を有する導波路1b,2bを形成してオーミック電極層1d,2dの夫々の表面に凹凸が生じても、導波路1b,2bの対向間隔を狭くして容易に貼り付けることができる。このため、発光点間隔が非常に小さく且つ歩留りのよい半導体レーザ装置を実現することができる。
また、製造工程において、図2(b)に示したように第2の中間生成体200側に予め溝Rを形成しておくので、図2(c)に示したように第1,第2の中間生成体100,200の接着層CNT1,CNT2を貼り合わせると、第1の中間生成体100側の接着層CNT1が溝Rに面して露出する。したがって、例えば上述の支持基板SUB2の剥離後に個々の半導体レーザ装置に何らかの加工処理を施さなくとも、支持基板SUB2を剥離するだけで接着層CNT1をコモンアノードとして容易に露出させることができ、製造工程の簡素化等を実現することが可能である。
なお、以上に説明した本実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法では、第1の中間生成体100に接着層CNT1、第2の中間生成体200に接着層CNT2を形成し、接着層CNT1,CNT2を接着することによって、第1,第2の中間生成体100,200を固着することとしているが、この製造方法に限定されるものではなく、第1の中間生成体100又は第2の中間生成体200の何れか一方に接着層を形成しておき、当該接着層を介して第1の中間生成体100と第2の中間生成体200を固着するようにしてもよい。
また、支持基板SUB2としてサファイア基板を用いた場合について説明したが、AlN基板、SiC基板、AlGaN基板を用いるようにしてもよい。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態を図3を参照して説明する。図3は、本実施形態の製造方法を模式的に表した図であり、図2と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
本実施形態により作製される半導体レーザ装置は、基本的に図1に示した半導体レーザ装置と同じ構造を有している。ただし、次に述べるように製造方法が異なっている。
すなわち、本製造方法を述べると、まず、図3(a)(b)に示す第1の中間生成体100と第2の中間生成体200を予め作製する。ここで、図3(a)に示す第1の中間生成体100は、図2(a)に示した中間生成体100と同じ構造に作製する。
図3(b)に示す第2の中間生成体200については、図2(b)に示した中間生成体200とは異なり、支持基板SUB2と第2のレーザ発振部2aを形成するための多層体Y2aとの間に、後述の支持基板SUB2を剥離する際に照射されるレーザ光を吸収する光吸収層STPが予め形成されている。
より具体的には、図3(b)において、支持基板SUB2上に例えばn型GaN等から成る下地層2abと、例えばInGaN等から成る光吸収層STPとを積層し、その光吸収層STP上に、窒化物系III−V族化合物半導体から成る二重ヘテロ構造を有する多層体Y2aを形成し、多層体Y2aにストライプ状の複数の導波路2bを第1の中間生成体100の導波路1bと同じピッチ間隔で形成する。次に、多層体Y2aの各導波路2b間の所定領域を少なくとも下地層2abに到達する深さまでエッチングすることによって複数の溝Rを形成すると共に、多層体Y2aを複数個に分割する。次に、導波路2b以外の表面領域に絶縁膜2cを形成した後、導波路2b及び絶縁膜2cの表面全体にオーミック電極層2dを形成することによって、オーミック電極2dと導波路2dとを電気的に接続させ、更にオーミック電極層2d上に接着層CNT2を形成することによって、図3(b)に示す第2の中間生成体200を作製する。
次に、図3(c)に示すように、第1,第2の中間生成体100,200に形成されている導波路1b,2bを対向させて接着層CNT1,CNT2を密着させ、密着した部分の接着層CNT1,CNT2同士を融着させて一体化した接着層CNTを形成することによって、第1,第2の中間生成体100,200を一体に固着した貼合体を作製する。
次に、図3(d)に示すように、支持基板SUB2と下地層2abを透過する所定波長のレーザ光を支持基板SUB2の裏面側から照射する。これにより、レーザ光は支持基板SUB2と下地層2ab中を透過して光吸収層STPに到達し、レーザ光によって光吸収層STPが加熱分解されることにより、下地層2abと第2のレーザ発振部2a間の結合力が低下する。
そこで、光吸収層STPを境にして多層体Y2aから支持基板SUB2を剥離することにより、下地層2abと、溝Rに形成されている接着層CNT2とオーミック電極層2dと絶縁膜2cとを支持基板SUB2に付随させて取り除き、各多層体Y2aの表面と溝Rに面している接着層CNTとを露出させる。
次に、図3(e)に示すように、半導体基板SUB1の裏面全体にオーミック電極層P1、各多層体Y2aの表面にオーミック電極層P2を夫々形成した後、図3(f)に示すように、第1,第2の中間生成体100,200全体を導波路1b,2bの長手方向に対して直交する方向に沿って劈開すると共に、導波路1b,2bの長手方向と平行な方向に溝Rの部分を劈開することにより、図1に示すような個々の半導体レーザ装置LDを完成させている。
以上説明したように本実施形態の製造方法及び該製造方法により作製される半導体レーザ装置LDによれば、上述した第1の実施形態と同様の効果が得られる他、製造工程において、第2の中間生成体200側に予め光吸収層STPを形成しておき、支持基板SUB2の裏面側から所定波長のレーザ光を照射して光吸収層STPを分解させるので、支持基板SUB2と共に下地層2abを除去することができる。
これにより、多層体Y2aにおける活性層及びガイド層への光の閉じ込めが向上し、レーザ光の放射ビームの品質が向上する。
また、支持基板SUB2の裏面側から照射するレーザ光には、下地層2abを透過するようなレーザ光を用いるため、支持基板SUB2は下地層2abと同一の材料、例えばGaNを用いることができる。このため、さらに高品質な多層体Y2aを形成することが可能となる。
また、図3(b)に示した第2の中間生成体200に予め溝Rを形成する際、支持基板SUB2から光吸収層STPまでの厚みに較べて、支持基板SUB2から溝Rの底面までの厚みの方が小さくなるように、溝Rの深さを調整しておくと、その溝Rによって薄くなった下地層2abの部分から光吸収層STPが予め取り除かれることとなる。このため、支持基板SUB2の裏面側からの所定波長のレーザ光の照射及び支持基板SUB2の剥離工程において、溝Rにおける下地層2abを破砕等することなく、溝Rに面している接着層CNT1を露出させることができるため、歩留まりの向上を図ることができる等の効果が得られる。
なお、以上に説明した第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法では、支持基板SUB2と光吸収層STPの間に下地層2abを形成しているが、下地層2abを形成せず、支持基板SUB2上に光吸収層STPを直接形成してもよい。かかる製造方法によっても、図1に示したものと同じ構造の半導体レーザ装置を作製することが可能である。
ただし、支持基板SUB2と光吸収層STPの間に下地層2abを形成すると、結晶欠陥の少ない高品質な多層体Y2aを形成することが可能となり、支持基板SUB2と光吸収層STPの間に下地層2abを形成することが望ましい。
また、以上に説明した第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の製造方法では、第1の中間生成体100に接着層CNT1、第2の中間生成体200に接着層CNT2を形成し、接着層CNT1,CNT2を接着することによって、第1,第2の中間生成体100,200とを固着した貼合体を作製することとしているが、この製造方法に限定されるものではなく、第1の中間生成体100又は第2の中間生成体200の何れか一方に接着層を形成しておき、当該接着層を介して第1の中間生成体100と第2の中間生成体200を固着するようにしてもよい。
次に、第1の実施形態に係るより具体的な実施例を図4〜図7を参照して説明する。図4は、本実施例により作製される半導体レーザの構造を模式的に表した断面図、図5〜図7は、本実施例の半導体レーザ装置の製造方法を模式的に表した図である。また、図4〜図7において、図1及び図2と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
図4において、本実施例により作製される半導体レーザ装置LDは、半導体基板SUB1上に形成された第1のレーザ発振部1aを有する第1の発光素子1と、第2のレーザ発振部2aを有する第2の発光素子2とを備え、第1,第2の発光素子2が融着金属(例えばSn)から成る接着層CNTによって一体に固着されている。
第1のレーザ発振部1aは、III−V族化合物半導体(本実施例では、GaAs)から成る半導体基板SUB1上に積層された、n型バッファ層1aaと、n型クラッド層1abと、n型ガイド層1acと、歪量子井戸構造を有した活性層1adと、p型ガイド層1aeと、p型クラッド層1afと、p型クラッド層1afに形成されたリッジ導波路1bの頂部に形成されたp型通電層1agとp型コンタクト層1ahを備えた構造となっている。
また、p型コンタクト層1ah以外のp型クラッド層1af(7)領域に絶縁膜1cが形成されると共に、p型コンタクト層1ahに電気的に接続するオーミック電極層1dが絶縁膜1c上に形成され、更に半導体基板SUB1の裏面にオーミック電極層P1が形成されている。
第2のレーザ発振部2aは、n型下地層2abと、n型クラッド層2acと、n型ガイド層2adと、多重量子井戸構造を有する活性層2aeと、電子障壁層2afと、p型ガイド層2agと、p型クラッド層2ahと、p型クラッド層2ahに形成された導波路2bの頂部に形成されたp型コンタクト層2aiとを備えた多層体によって形成されている。
また、p型コンタクト層2ai以外のp型クラッド層2ahの領域に絶縁膜2cが形成されると共に、p型コンタクト層2aiに電気的に接続するオーミック電極層2dが絶縁膜1c上に形成され、更にn型下地層2abの表面にオーミック電極層P2が形成されている。
そして、第1のレーザ発振部1a側のオーミック電極層1dと第2のレーザ発振部2a側のオーミック電極2dが融着金属からなる接着層CNTによって固着されることによって第1,第2の発光素子1,2とが一体化されており、更に第2の発光素子2の形成領域に比して第1の発光素子1の占有面積の方が大きく、且つ接着層CNTが第1の発光素子1上の全面に形成されることで、第2の発光素子の形成領域以外の領域で露出し、該露出した接着層CNTがコモンアノードとして機能する構造を有する半導体レーザ装置LDが形成されている。
次に、図5〜図7を参照して、本半導体レーザ装置LDの製造方法を説明する。なお、図5(a)は第1の中間生成体100の作製工程を模式的に表した断面図、図5(b)〜(d)は第2の中間生成体200の作製工程を模式的に表した断面図、図6(a)〜(c)と図7(a)(b)は、第1,第2の中間生成体100,200から該半導体レーザ装置LDを製造する工程を表した断面図と斜視図である。
図5(a)に基づいて第1の中間生成体100の作製工程を述べると、MOCVD法等により、ウェハ状のGaAs(001)基板から成る半導体基板SUB1上に、珪素(Si)をドーピングしてn型化したn型GaAsから成るバッファ層1aaを厚さ約0.5μmで積層し、次にn型Al0.35Ga0.15In0.5Pから成るn型クラッド層1abを厚さ約1.2μmで積層し、次にAlGaInPから成るガイド層1acを厚さ0.05μmで積層し、次にGaInPとAlGaInPとから成る歪量子井戸構造を有した活性層1adを約数十nmの厚さで積層し、次にAlGaInPから成るガイド層1aeを厚さ0.05μmで積層し、次に亜鉛(Zn)をドーピングしてp型化したAl0.35Ga0.15In0.5Pから成るp型クラッド層1afを厚さ約1.2μmで積層し、次にp型Ga0.51In0.49Pから成るp型通電層1agを厚さ約0.05μmで積層し、次にp型GaAsから成るp型コンタクト層1ahを厚さ約0.2μmで積層することによって、AlGaInP系半導体から成る多層体X1aを形成する。
次に、導波路1bを形成するための所定領域をマスキングして、p型コンタクト層1ah側からウェットエッチングすることにより、p型クラッド層1afが約0.2μm程度の厚さとなるまでエッチングし、AlGaInP系半導体から成る多層体X1aに、〈110〉方向に沿ったストライプ状のリッジ構造を有する導波路1bを複数形成する。
次に、各導波路1b上に形成されたp型コンタクト層1ah以外のp型クラッド層1afの領域に、SiOから成る絶縁膜1cを形成した後、p型コンタクト層1ahと絶縁膜1cの全面に、クロム(Cr)又は金(Au)若しくはこれらの積層から成るオーミック電極層1cを厚さ約200nmで形成することによって、p型コンタクト層1ahとオーミック電極層1cとを電気的に接続させ、次に、オーミック電極層1cの全面に、融着金属として錫(Sn)から成る接着層CNT1を形成することによって、第1の中間生成体100を作製する。
次に、図5(b)〜(d)に基づいて第2の中間生成体200の作製工程を述べると、サファイア基板から成る支持基板SUB2上に、MOCVD法等により、組成と膜厚等の異なったGaN系半導体より成る複数の半導体薄膜を積層することで、多重量子井戸構造の活性層とクラッド層とを有したGaN系半導体から成る多層体Y2aを形成する。
より具体的には、サファイア(0001)基板SUB2上に、GaN又はAlNから成るn型バッファ層2aaを厚さ約数十nm程度で積層し、次に珪素(Si)をドーピングしてn型化したn型GaNから成るn型下地層2abを厚さ約5〜15μmで積層し、次にn型Al0.08Ga0.92Nから成るn型クラッド層2acを厚さ約0.8μmで積層し、次にn型GaNから成るn型ガイド層2adを厚さ約0.2μmで積層し、次に、組成の異なるInGa1−xN(但し、0≦x)、例えばIn0.08Ga0.92NとIn0.01Ga0.99Nから成る井戸層とバリア層との多重量子井戸構造を有する活性層2aeを約数十nmの厚さで積層し、次に、Al0.2Ga0.8Nから成る電子障壁層2afを厚さ約0.02μmで積層し、次に、マグネシウム(Mg)をドーピングしてp型化したp型GaNから成るp型ガイド層2agを厚さ約0.2μmで積層し、次に、p型Al0.08Ga0.92Nから成るp型クラッド層2ahを厚さ約0.4μmで積層し、次にp型GaNから成るp型コンタクト層2aiを厚さ約0.1μmで形成することによって、GaN系半導体から成る多層体Y2aを形成する。
次に、反応性イオンエッチング(RIE)によって、ストライプ状の導波路2bを形成するための領域を除いて多層体Y2aをエッチングし、p型クラッド層2ahが約0.05μm程度の厚さとなる深さまでエッチングすることによって、〈11−20〉方向に沿ったストライプ状のリッジ構造を有する導波路2bを複数個形成する。
次に、多層体Y2aの各導波路2b間の所定領域を約5μmの深さまでエッチングすることにより、図5(c)に示すようなn型下地層2abに達する溝Rを形成した後、p型コンタクト層2ai以外の領域にSiOから成る絶縁膜2cを形成して絶縁被覆する。
次に、図5(d)に示すように、p型コンタクト層2aiと絶縁膜2cの全面に、パラジウム(Pd)又は金(Au)若しくはこれらの積層から成るオーミック電極層2dを厚さ約200nmで形成することによって、オーミック電極層2dをp型コンタクト層2ahと電気的に接続させ、次に、オーミック電極層2dの全面に、融着金属として金(Au)から成る接着層CNT2を形成することによって、第2の中間生成体200を作製する。
次に、図6及び図7に示す工程により、予め作製した中間生成体100,200から本半導体レーザ装置LDを製造する。
まず、図6(a)に示すように、第1,第2の中間生成体100,200に形成されている導波路1b,2bを対向させて接着層CNT1,CNT2を密着させる。ここで、AlGaInP系半導体から成る多層体X1aの劈開面(110)とGaN系半導体から成る多層体Y2aの劈開面(1−100)とが一致し、且つAlGaInP系半導体から成る多層体X1aの導波路1bとGaN系半導体から成る多層体Y2aの導波路1bとが近接するようにして、接着層CNT1,CNT2を密着させる。
次に、約300°Cのフォーミングガス雰囲気中で、第1,第2の中間生成体100,200全体を加熱することにより、接着層CNT1,CNT2の密着している部分を融着させ、一体化した接着層CNTにする。
次に、図6(b)に示すように、360nm以下の波長のレーザ光を支持基板SUB2の裏面側より照射する。より好ましくはYAGレーザの4倍波(波長266nm)を所定の集光レンズで絞り、高エネルギーの光にし、説明の便宜上、多数の矢印で示されているように、支持基板SUB2の裏面側より照射する。
波長266nmのレーザ光は、支持基板(サファイア基板)SUB2中で殆ど吸収されずに透過し、GaNには僅かな浸透深さで吸収される。更に、支持基板SUB2とGaNの間に大きな格子不整合があることから、GaNの接合部近傍の部分には極めて多くの結晶欠陥が存在する。このため、吸収された光はGaNの接合部近傍の部分で殆ど熱に変換され、接合部近傍の部分のGaNが急激に高温加熱されて、金属ガリウムと窒素ガスに分解する。
そして、予め溝Rが形成されているため、溝RにおけるGaN系半導体から成る多層体Y2aの薄い部分が上述のガスの力を受けて崩落等し、溝Rを境にして分割された複数個のGaN系半導体から成る多層体Y2aが形成される。
次に、図6(c)に示すように、ガリウムの融点温度より高い約40°Cに第1,第2の中間生成体100,200全体を加熱し、支持基板SUB2を各多層体Y2aから剥離する。
すなわち、上述した高エネルギーの光を支持基板SUB2の裏面側より照射した段階では、多層体Y2aと支持基板SUB2は、金属ガリウムによる弱い結合状態にあるため、ガリウムの融点温度より高い約40°Cの温度で全体的に加熱することでその結合状態を更に弱めて、支持基板SUB2を各多層体Y2aから剥離する。
このように支持基板SUB2を剥離すると、図6(c)に示すように、各多層体Y2aの表面と、溝Rに面する接着層CNTが露出する。
次に、純水中で超音波洗浄することによって、上述の崩落等した部分を除去した後、約3分間、希塩酸中に浸すことで、各多層体Y2aの露出した表面に残留している金属ガリウムを除去する。
次に、図7(a)に示すように、各多層体Y2aの表面(n型GaNの面)に、チタン(Ti)又はAu若しくはこれらの積層から成るオーミック電極層P2、n型GaAs基板SUB1の裏面に、AuGeの合金(金とゲルマニウムの合金)から成るオーミック電極層P1を蒸着等によって夫々形成する。
次に、図7(b)に示すように、GaN系半導体から成る多層体Y2aの劈開面である(1−100)面に沿って、図7(a)に示されている一体化した中間生成体100,200を劈開することによってレーザ共振器を形成し、更に溝Rの部分で、レーザ共振器面と垂直な方向に二次劈開することによって、図4に示したように、異なる波長のレーザ光を発する第1,第2の発光素子1a,2aを有し、第2の発光素子2の形成領域に比して第1の発光素子1の占有面積の方が大きく、且つ接着層CNTが第1,第2の発光素子1,2から露出して延在することでコモンアノードとして機能する構造を有する個々の半導体レーザ装置LDを完成する。
本実施例により作製される半導体レーザ装置LDによれば、上述のコモンアノードとして機能する接着層CNTの露出部分とオーミック電極層P1間に駆動電流を供給すると、第1のレーザ発振部1aに形成されたレーザ共振器の劈開面から波長650nmのレーザ光が放射され、接着層CNTの露出部分とオーミック電極層P2間に駆動電流を供給すると、第2のレーザ発振部2aに形成されたレーザ共振器の劈開面から波長405nmのレーザ光が放射される。
そして、第1,第2のレーザ発振部1a,2aを、融着金属から成る接着層CNT1,CNT2によって融着するので、導波路1b,2bを極めて狭い間隔で近接させることができ、発光点間隔の極めて小さい半導体レーザ装置LDを提供することができる。
また、図5(d)に示したように、第2の中間生成体200の作製工程において、完成時に第2のレーザ発振部2aとなる台状の多層体Y2aの部分と、その台状の多層体Y2aに隣接する溝Rとを予め形成しておくので、第1,第2の中間生成体100,200を接着層CNT1,CNT2によって融着させた後、図6(b)(c)に示したように、所定波長のレーザ光を照射して支持基板SUB2を剥離するだけで、接着層CNTの溝Rに面した部分を露出させることができる。
このため、仮に溝Rを形成しておかないで、第1,第2の中間生成体100,200を接着層CNT1,CNT2によって融着させた後、所定波長のレーザ光を照射して支持基板SUB2を剥離した場合には、融着後の接着層CNTを電極として利用するために、例えば多層体Y2a側をエッチングして接着層CNTを部分的に露出させる等の極めて困難な処理工程を必要とするのに対し、本実施例の製造方法によれば、極めて容易に接着層CNTを部分的に露出させることができ、歩留まりの向上、量産性の向上等を実現することができる。
また、図6(b)に模式的に示したように、支持基板SUB2の裏面側から所定波長のレーザ光を照射した際に崩落等する多層体2aの部分が薄くなることから、複数分割される各多層体Y2aに与える機械的ダメージを低減させることができる。
このように、第2の中間生成体200に予め溝Rを形成しておくことにより多くの効果が得られる。
なお、本実施例では、導波路1b,2bをリッジ導波路としているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の構造であってもよい。
また、支持基板SUB2としてサファイア基板を用いた場合について説明したが、AlN基板、SiC基板、AlGaN基板を用いるようにしてもよい。
また、絶縁膜1c,2cとして、SiO、ZrO、AlN等の絶縁材料によって適宜形成するようにしてもよい。
また、融着金属CNT1,CNT2として、Au、In、Pdを適宜組み合わせて形成するようにしてもよい。
次に、第2の実施形態に係るより具体的な実施例を図8〜図10を参照して説明する。なお、図8(a)は第1の中間生成体100の作製工程を模式的に表した断面図、図8(b)〜(d)は第2の中間生成体200の作製工程を模式的に表した断面図、図9(a)〜(c)と図10(a)(b)は、第1,第2の中間生成体100,200から半導体レーザ装置LDを製造する工程を表した断面図と斜視図である。また、図8〜図10において、図4及び図5〜図7と同一又は相当する部分を同一符号で示している。
本実施例により作製される半導体レーザ装置LDは、基本的に図5から図7に示した実施例により作製される半導体レーザ装置と同様の構造を有している。ただし、次に述べるように製造方法が異なっている。
すなわち、本実施例の半導体レーザ装置LDの製造方法を述べると、まず、図8(a)に示す第1の中間生成体100と図8(d)に示す第2の中間生成体200を予め作製する。ここで、図8(a)に示す第1の中間生成体100は、図5(a)に示した中間生成体100と同じ構造に作製する。
一方、第2の中間生成体200の作製工程を述べると、GaN基板から成る支持基板SUB2上に、MOCVD法等により、n型GaN又はAlNから成るn型バッファ層2aa及びn型GaNから成るn型下地層2abと、InGaNから成る光吸収層STPとを積層し、その光吸収層STP上に、組成と膜厚等の異なったGaN系半導体より成る複数の半導体薄膜を積層することで、上述の多重量子井戸構造の活性層とクラッド層とを有したGaN系半導体から成る多層体Y2aを形成する。
より具体的には、GaN(0001)基板SUB2上に、GaN又はAlNから成るn型バッファ層2aaを厚さ約数十nm程度で積層し、次に珪素(Si)をドーピングしてn型化したn型GaNから成るn型下地層2abを厚さ約5〜15μmで積層し、次に、非発光性再結合中心として、カーボン(C)をドーピングしたIn0.5Ga0.5Nから成る光吸収層STPを積層し、次にn型Al0.08Ga0.92Nから成るn型クラッド層2acを厚さ約0.8μmで積層し、次にn型GaNから成るn型ガイド層2adを厚さ約0.2μmで積層し、次に、組成の異なるInGa1−xN(但し、0≦x)、例えばIn0.08Ga0.92NとIn0.01Ga0.99Nから成る井戸層とバリア層との多重量子井戸構造を有する活性層2aeを約数十nmの厚さで積層し、次に、Al0.2Ga0.8Nから成る電子障壁層2afを厚さ約0.02μmで積層し、次に、マグネシウム(Mg)をドーピングしてp型化したp型GaNから成るp型ガイド層2agを厚さ約0.2μmで積層し、次に、p型Al0.08Ga0.92Nから成るp型クラッド層2ahを厚さ約0.4μmで積層し、次にp型GaNから成るp型コンタクト層2aiを厚さ約0.1μmで形成することによって、GaN系半導体から成る多層体Y2aを形成する。
次に、反応性イオンエッチング(RIE)によって、ストライプ状の導波路2bを形成するための領域を除いて多層体Y2aをエッチングし、p型クラッド層2ahが約0.05μm程度の厚さとなる深さまでエッチングすることによって、〈1−100〉方向に沿ったストライプ状のリッジ構造を有する導波路2bを複数個形成する。
次に、多層体Y2aの各導波路2b間の所定領域をエッチングすることにより、図8(c)に示すように、光吸収層STPが除かれてn型下地層2abに達する溝Rを形成し、次に、p型コンタクト層2ai以外の領域にSiOから成る絶縁膜2cを形成して絶縁被覆する。
次に、図8(d)に示すように、p型コンタクト層2aiと絶縁膜2cの全面に、パラジウム(Pd)又は金(Au)若しくはこれらの積層から成るオーミック電極層2dを厚さ約200nmで形成することによって、p型コンタクト層1ahとオーミック電極層1cとを電気的に接続させ、次に、オーミック電極層2dの全面に、融着金属として金(Au)から成る接着層CNT2を形成することによって、第2の中間生成体200を作製する。
次に、図9及び図10に示す工程により、予め作製した中間生成体100,200から半導体レーザ装置LDを製造する。
まず、図9(a)に示すように、第1,第2の中間生成体100,200に形成されている導波路1b,2bを対向させて接着層CNT1,CNT2を密着させる。ここで、AlGaInP系半導体から成る多層体X1aの劈開面(110)とGaN系半導体から成る多層体Y2aの劈開面(1−100)とが一致し、且つ多層体X1aの導波路1bと多層体Y2aの導波路2bとが近接するようにして、接着層CNT1,CNT2を密着させる。
次に、約300°Cのフォーミングガス雰囲気中で、第1,第2の中間生成体100,200全体を加熱することにより、接着層CNT1,CNT2の密着している部分を融着させ、一体化した接着層CNTを生じさせる。
次に、図9(b)に示すように、YAGレーザの2倍波(波長532nm)を所定の集光レンズで絞り、高エネルギーの光にして、説明の便宜上、多数の矢印で示されているように、支持基板SUB2の裏面側より照射する。
波長532nmのレーザ光は、支持基板SUB2とバッファ層2aa及びn型下地層2ab中を透過して光吸収層STPに到達し、レーザ光によって光吸収層STPが加熱分解されることにより、n型下地層2abと各多層体Y2a間の結合力が低下する。
そこで、図9(c)に示すように、光吸収層STPを境にして支持基板SUB2を剥離することにより、バッファ層2aa及びn型下地層2abと、溝Rにおける接着層CNT2とオーミック電極層2dと絶縁膜2cとを支持基板SUB2に付随させて取り除き、各多層体Y2aの表面と溝Rに面している接着層CNTとを露出させる。
次に、図10(a)に示すように、蒸着等によって、各多層体Y2aの表面(n型GaNの面)に、チタン(Ti)又はAu若しくはこれらの積層から成るオーミック電極層P2を形成すると共に、n型GaAs基板SUB1の裏面に、AuGeの合金(金とゲルマニウムの合金)から成るオーミック電極層P1を形成する。
次に、図10(b)に示すように、GaN系半導体から成る多層体Y2aの劈開面である(1−100)面に沿って、図10(a)に示されている一体化した中間生成体100,200を劈開することによってレーザ共振器を形成し、更に溝Rの部分で、レーザ共振器面と垂直な方向に二次劈開することによって、基本的図4に示したのと同様の構造を有する個々の半導体レーザ装置LDを完成する。
以上説明したように本実施例の製造方法及び該製造方法により作製される半導体レーザ装置LDによれば、上述した第1の実施形態と同様の効果が得られる他、製造工程において、第2の中間生成体200側に予め光吸収層STPを形成しておき、支持基板SUB2の裏面側から所定波長のレーザ光を照射して光吸収層STPを分解させるので、支持基板SUB2と共に下地層2abを除去することができる。
これにより、多層体Y2aにおける活性層及びガイド層への光の閉じ込めが向上し、レーザ光の放射ビームの品質が向上する。
また、支持基板SUB2の裏面側から照射するレーザ光には、下地層2abを透過するようなレーザ光を用いるため、支持基板SUB2は下地層2abと同一の材料、例えばGaNを用いることができる。このため、さらに高品質な多層体Y2aを形成することが可能となる。
また、図8(d)に示した第2の中間生成体200に予め溝Rを形成する際、支持基板SUB2から光吸収層STPまでの厚みに較べて、支持基板SUB2から溝Rの底面までの厚みの方が小さくなるように、溝Rの深さを調整しておくと、その溝Rによって薄くなった下地層2abの部分から光吸収層STPが予め取り除かれることとなる。このため、支持基板SUB2の裏面側から所定波長のレーザ光の照射及び支持基板SUB2の剥離工程において、溝Rにおける下地層2abを破砕等することなく、溝Rに面している接着層CNT1を露出させることができるため、歩留まりの向上を図ることができる等の効果が得られる。
なお、本実施例では、導波路1b,2bをリッジ導波路としているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他の構造であってもよい。
また、支持基板SUB2としてGaN基板を用いた場合について説明したが、サファイア基板、AlN基板、SiC基板、AlGaN基板を用いるようにしてもよい。
また、絶縁膜1c,2cとして、SiO、ZrO、AlN等の絶縁材料によって適宜形成するようにしてもよい。
また、融着金属CNT1,CNT2として、Au、In、Pdを適宜組み合わせて形成するようにしても良い。

Claims (8)

  1. 波長の異なる複数のレーザ光を放射する半導体レーザ装置の製造方法であって、
    半導体基板上に、第1のレーザ発振部を形成するための半導体を有する第1の多層体を形成するステップを含む、第1の中間生成体を作製する第1の工程と、
    支持基板上に、第2のレーザ発振部を形成するための半導体から成る第2の多層体を形成するステップと、前記第2の多層体に溝を形成するステップとを含む、第2の中間生成体を作製する第2の工程と、
    前記第1の中間生成体の前記第1の多層体側の面と前記第2の中間生成体の前記第2の多層体側の面を、導電性の接着層を介して固着することにより貼合体を作製する第3の工程と、
    前記貼合体の前記支持基板側から前記第2の多層体に光を照射して、前記支持基板と前記第2の多層体を分離する第4の工程と、を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 前記光は、前記支持基板を透過し、前記支持基板との界面近傍の前記第2の多層体で吸収される光であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  3. 波長の異なる複数のレーザ光を放射する半導体レーザ装置の製造方法であって、
    半導体基板上に、第1のレーザ発振部を形成するための半導体を有する第1の多層体を形成するステップを含む、第1の中間生成体を作製する第1の工程と、
    支持基板上に、少なくとも光吸収層を含む層を形成するステップと、前記光吸収層上に第2のレーザ発振部を形成するための半導体から成る第2の多層体を形成するステップと、前記第2の多層体に溝を形成するステップとを含む、第2の中間生成体を作製する第2の工程と、
    前記第1の中間生成体の前記第1の多層体側の面と前記第2の中間生成体の前記第2の多層体側の面を、導電性の接着層を介して固着することにより貼合体を作製する第3の工程と、
    前記貼合体の前記支持基板側から前記光吸収層に光を照射することによって前記光吸収層を分解し、前記分解した光吸収層に沿って少なくとも前記支持基板を剥離する第4の工程と、を有することを特徴とする半導体レーザ装置の製造方法。
  4. 前記第2の工程において、前記溝を前記第2の多層体の表面から前記光吸収層までの深さよりも深く形成することを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  5. 前記光は、前記支持基板を透過し、前記光吸収層で吸収される光であることを特徴とする請求項3又は4に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  6. 前記第1の工程又は前記第2の工程の少なくとも一方は、前記第1の中間生成体の前記第1の多層体側の面又は前記第2の中間生成体の前記第2の多層体側の面の少なくとも一方に前記接着層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  7. 前記第1の多層体は、V族元素として砒素(As)、リン(P)、アンチモン(Sb)の何れかを含むIII−V族化合物半導体、又はII−VI族化合物半導体を有し、
    前記第2の多層体は、V族元素が窒素(N)から成る窒化物系III−V族化合物半導体を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  8. 前記接着層は、金属であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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