JPWO2005054216A1 - 新規抗癌剤「スルコキシン」 - Google Patents

新規抗癌剤「スルコキシン」 Download PDF

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明人 田中
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鶴紀 田村
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Abstract

細胞質性リンゴ酸脱水素酵素に特異的に結合する化合物を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。細胞質性リンゴ酸脱水素酵素は、抗癌剤の標的タンパク質であり、かかるタンパク質の発現や活性を制御し得る化合物およびそれを含む医薬組成物は抗癌剤として非常に有用である。

Description

本発明は、新規な抗癌剤に関する。より詳しくは、抗癌作用のターゲットとして知られている細胞質性リンゴ酸脱水素酵素(cytosolic malate dehydrogenase)に特異的に結合する化合物に関する。
従来、エネルギー産生回路の一つと考えられてきた細胞質性リンゴ酸脱水素酵素(cytosolic malate dehydrogenase)が抗癌作用のターゲットとなると言う発表が注目を集めている(株式会社エーザイ研究グループによる発表;Analytical Chemistry,75,p.2159−2165(2003)参照)。彼らは自身でランダムスクリーニングから創出したE−7070のターゲットとしてこのタンパク質を同定し、現在頭頸部癌、白血病、腎細胞癌(以上、P2、USA)、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、乳癌、メラノーマ(以上、P2、EU)等の固形癌で開発を進めている。しかしながら、E−7070は新規誘導体であるため、構造に由来する人での認容性、特に毒性についての知見が無いというリスクを保有している状態にあり、副作用の低いより安全性の高い化合物創出に繋がるリード化合物としては有用とは言えない。
抗癌作用のターゲットタンパク質である細胞質性リンゴ酸脱水素酵素へ特異的に結合する、抗癌剤創出のリード化合物を見出し、抗癌作用を有する化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、細胞質性リンゴ酸脱水素酵素をターゲット分子としたスクリーニングを行った結果、このタンパク質が永年抗菌剤として使用されヒトでの安全性が担保されているサルファ剤「スルファチアゾール」に高い親和性で結合することを見出した。このような、より副作用が低く、高い安全性が確立されているリード化合物をベースにして新しい抗癌剤の開発を行い、候補化合物を得て本発明を完成するに至った。
即ち本発明は下記の通りである。
〔1〕一般式(I)で表わされる化合物またはその医薬上許容され得る塩:
Figure 2005054216
〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基、
または式
Figure 2005054216
(式中、Rは置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基である)
で表わされる基であり;
は置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基または飽和もしくは不飽和の複素環基であり;
環Aはさらに1乃至4個の置換基を有していてもよいベンゼン環である〕、但し以下の化合物を除く。
Figure 2005054216
〔2〕一般式(I)が、一般式(I’)である、上記〔1〕記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
Figure 2005054216
(式中、各記号は上記〔1〕で示すのと同義である)
〔3〕Rが水素原子である上記〔1〕または〔2〕記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
〔4〕R
Figure 2005054216
(式中、Rは置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基である)
で表わされる基である上記〔1〕または〔2〕記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
〔5〕Rがカルボキシアルキル基である上記〔4〕記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
〔6〕Rが置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の複素環基である上記〔1〕または〔2〕記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
〔7〕上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物。
〔8〕癌の予防・治療用である、上記〔7〕記載の医薬組成物。
〔9〕一般式(I)で表わされる化合物またはその医薬上許容され得る塩:
Figure 2005054216
〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基、または式
Figure 2005054216
(式中、Rは置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基である)
で表わされる基であり;
は置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基または飽和もしくは不飽和の複素環基であり;
環Aはさらに1乃至4個の置換基を有していてもよいベンゼン環である〕
を有効成分として含有する癌の予防・治療用医薬組成物。
〔10〕癌が、頭頸部癌、白血病癌、腎細胞癌、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、乳癌およびメラノーマからなる群より選択される少なくとも1種である、上記〔8〕または〔9〕記載の医薬組成物。
図1は、スルファチゾールを固定化したアフィニティー樹脂を用いてスルファチゾールがリンゴ酸脱水素酵素に特異的に結合することを確認したことを示す。
本発明は、抗癌作用のターゲットである細胞質性リンゴ酸脱水素酵素に結合し、抗癌作用を発揮する化合物を提供する。具体的には一般式(I)で表わされる化合物およびその医薬上許容され得る塩を提供する。
Figure 2005054216
〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基、または式
Figure 2005054216
(式中、Rは置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基である)
で表わされる基であり;
は置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基または飽和もしくは不飽和の複素環基であり;
環Aはさらに1乃至4個の置換基を有していてもよいベンゼン環である〕。
好ましくは一般式(I)で表わされる化合物は下記一般式(I’)で表わされる化合物である。
Figure 2005054216
(式中、各記号は前述と同義である)
一般式(I’)で表わされる化合物は一般式(I)で表わされる化合物に包含されるものであるので、以下、一般式(I’)で表わされる化合物も含めて一般式(I)化合物ともいう。
本明細書中、「飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基」としては、例えば、炭素数1乃至10の直鎖状または分枝状鎖式炭化水素基等を示し、具体的には、例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。これらの中で特にアルキル基が好ましい。該「アルキル基」としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル等の炭素数1乃至10のアルキル基等が挙げられる。該「アルケニル基」としては、例えばビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル等の炭素数2乃至10のアルケニル基等が挙げられる。該「アルキニル基」としては、例えばエチニル、1−プロピニル、プロパルギル等の炭素数2乃至10のアルキニル基等が挙げられる。
「置換されていてもよい、飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基」における置換基としては、炭素数6乃至14のアリール基(フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリル等)、カルボキシル基、飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基(前述と同義)等が挙げられる。
本明細書中、「飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基」とは、炭素数3乃至18の飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基、具体的には、例えば、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
該「脂環式炭化水素基」としては、例えば3乃至10個の炭素原子から構成される単環式または縮合多環式の基、具体的にはシクロアルキル基、シクロアルケニル基およびこれらと炭素数6乃至14のアリール基(例えば、ベンゼン等)等との2または3環式縮合環等が挙げられる。該「シクロアルキル基」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の炭素数3乃至6のシクロアルキル基等が、該「シクロアルケニル基」としては、例えばシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等炭素数3乃至6のシクロアルケニル基等が挙げられる。
該「芳香族炭化水素基」としては、例えば6乃至18個の炭素原子から構成される単環式芳香族炭化水素基、縮合多環式芳香族炭化水素基等が挙げられ、具体的には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−インデニル、2−アンスリル等の炭素数6乃至14のアリール基が挙げられる。
「飽和もしくは不飽和の複素環基」とは、例えば窒素原子を1〜2個含む5〜6員単環式の基、窒素原子を1〜2個と酸素原子を1個もしくは硫黄原子を1個含む5〜6員単環式の基、酸素原子を1個もしくは硫黄原子を1個含む5員単環式の基、窒素原子1〜4個を含み、6員環と5または6員環が縮合した二環式の基等が挙げられ、具体的には、例えば、ピリジル、チエニル、オキサジアゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フリル、ピロリル、キノリル、キナゾリニル、プリニル、ピラゾリル、チオフェニル等が挙げられる。
「置換されていてもよい、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基または飽和もしくは不飽和の複素環基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基(前述と同義)、飽和もしくは不飽和の複素環基(前述と同義)、ハロゲン原子(後述)、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいカルボキシル基(アミノアミドカルボキシル基等)、置換アミド基(後述)、置換されていてもよい低級アルキル基(後述)、置換されていてもよいアミノ基(後述)、置換されていてもよい低級アルコキシ基(後述)、等が挙げられる。これらの置換基は、該環状炭化水素基もしくは複素環基上に化学的に許容される範囲において置換される。ただし、置換基の数が2個以上の場合は同一または相異なっていてもよい。
「ハロゲン原子」としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
「置換アミド基」としては、N置換アミド基またはN,N’ジ置換アミド基が挙げられ具体的には低級アルキル基(後述)で置換されたアミド基等が挙げられる。
「置換されていてもよい低級アルキル基」における「低級アルキル基」としては、例えば、炭素数1乃至6の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル等が挙げられる。「置換されていてもよい低級アルキル基」における「置換基」としては、カルボキシル基、置換アミド基(前述と同義)、シアノ基、ハロゲン原子(前述と同義)等が挙げられる。
「置換されていてもよい低級アルコキシ基」における「低級アルコキシ基」としては、例えば、炭素数1乃至6の直鎖状、分枝状または環状のアルコキシ基を示し、具体的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ等が挙げられる。「置換されていてもよい低級アルコキシ基」における「置換基」としては、カルボキシル基、置換アミド基(前述と同義)、シアノ基、ハロゲン原子(前述と同義)等が挙げられる。
ベンゼン環Aが有していてもよい1乃至4の置換基は、化合物が細胞質性リンゴ酸脱水素酵素との結合性を維持し、抗癌作用を示す限りは特に限定されず、同一であっても異なっていてもよい。例えば、飽和もしくは不飽和の炭化水素基(後述)あるいは飽和もしくは不飽和の複素環基(前述と同義)である。
「飽和もしくは不飽和の炭化水素基」としては、飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基(前述と同義)または飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基(前述と同義)が挙げられる。
「置換されていてもよいアミノ基」における「置換基」としては、低級アルキル基(前述と同義)、低級アルカノイル基(例えばホルミル、アセチル、プロピオニル等の炭素数1乃至6のアルカノイル基)等が挙げられる。
本発明の一般式(I)化合物は、その基本骨格あるいは置換基の種類に基づく特徴を利用し、種々の公知の合成方法を適用して製造することができる。例えばアルキル化、アシル化、アミノ化、イミノ化、ハロゲン化、還元、酸化、縮合等が挙げられ、通常当分野で用いられる反応または方法が利用できる。
本発明の一般式(I)(一般式(I’)を含む)で表わされる化合物等の細胞質性リンゴ酸脱水素酵素に特異的に結合する化合物は、ヒトを含め、サル、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ラット、モルモット等の哺乳動物に対して優れた抗癌作用を有し、抗癌剤として有用である。対象となる癌としては、頭頸部癌、白血病癌、腎細胞癌、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、乳癌、メラノーマ等が挙げられる。
同様に、細胞質性リンゴ酸脱水素酵素に特異的に結合し得るスルコキシンも、各種哺乳動物に対して優れた抗癌作用を有し、抗癌剤として有用である。
一般式(I)で表わされる化合物、スルコキシン、それ以外の細胞質性リンゴ酸脱水素酵素に特異的に結合し得る化合物を総称して本発明化合物と称することもある。
尚、本発明化合物が結合する細胞質性リンゴ酸脱水素酵素は、その抗癌作用のターゲットとしての役目を維持し得る限りはアミノ酸配列において、1乃至2以上のアミノ酸の挿入、置換、欠失、付加等の修飾がなされたものであってもよい。
本発明化合物は、医薬上許容され得る塩を形成していてもよく、該塩としては酸付加塩、例えば無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機酸塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等)等が挙げられる。
尚、本発明化合物またはその塩は水和物であってもよい。
本発明化合物は、癌の治療薬として使用される場合には、一般的な医薬製剤として調製され、経口または非経口的に投与される。
経口的に投与する場合、通常当分野で用いられる投与形態で投与することができる。非経口的に投与する場合には、局所投与剤(経皮剤等)、直腸投与剤、注射剤、経鼻剤等の投与形態で投与することができる。
経口剤または直腸投与剤としては、例えばカプセル、錠剤、ピル、散剤、ドロップ、カシェ剤、座剤、液剤等が挙げられる。注射剤としては、例えば、無菌の溶液又は懸濁液等が挙げられる。局所投与剤としては、例えば、クリーム、軟膏、ローション、経皮剤(通常のパッチ剤、マトリクス剤)等が挙げられる。
上記の剤形は当分野で通常行われている手法により、薬学的に許容される賦形剤、添加剤とともに製剤化され得る。薬学的に許容される賦形剤、添加剤としては、担体、結合剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられる。
薬学的に許容される担体としては、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等が挙げられる。
さらに、錠剤は必要に応じて通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、腸溶性コーティング錠、フィルムコーティング錠あるいは二層錠、多層錠とすることができる。散剤は、薬学的に許容される散剤の基剤と共に製剤化される。基剤としては、タルク、ラクトース、澱粉等が挙げられる。ドロップは水性又は非水性の基剤と一種またはそれ以上の薬学的に許容される拡散剤、懸濁化剤、溶解剤等と共に製剤化できる。カプセルは、有効成分となる化合物を薬学的に許容される担体と共に中に充填することにより製造できる。当該化合物は薬学的に許容される賦形剤と共に混合し、または賦形剤なしでカプセルの中に充填することができる。カシェ剤も同様の方法で製造できる。本発明を座剤として調製する場合、植物油(ひまし油、オリーブ油、ピーナッツ油等)や鉱物油(ワセリン、白色ワセリン等)、ロウ類、部分合成もしくは全合成グリセリン脂肪酸エステル等の基剤と共に通常用いられる手法によって製剤化される。
注射用液剤としては、溶液、懸濁液、乳剤等が挙げられる。例えば、水溶液、水−プロピレングリコール溶液等が挙げられる。液剤は、水を含んでも良い、ポリエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールの溶液の形で製造することもできる。
経口投与に適切な液剤は、有効成分となる化合物を水に加え、着色剤、香料、安定化剤、甘味剤、溶解剤、増粘剤等を必要に応じて加え製造することができる。また経口投与に適切な液剤は、当該化合物を分散剤とともに水に加え、粘重にすることによっても製造できる。増粘剤としては、例えば、薬学的に許容される天然または合成ガム、レジン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースまたは公知の懸濁化剤等が挙げられる。
局所投与剤としては、上記の液剤および、クリーム、エアロゾル、スプレー、粉剤、ローション、軟膏等が挙げられる。上記の局所投与剤は、有効成分となる化合物と薬学的に許容される希釈剤および担体と混合することによって製造できる。軟膏およびクリームは、例えば、水性または油性の基剤に増粘剤および/またはゲル化剤を加えて製剤化する。該基剤としては、例えば、水、液体パラフィン、植物油等が挙げられる。増粘剤としては、例えばソフトパラフィン、ステアリン酸アルミニウム、セトステアリルアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ラノリン、水素添加ラノリン、蜜蝋等が挙げられる。局所投与剤には、必要に応じて、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロクレゾール、ベンザルコニウムクロリド等の防腐剤、細菌増殖防止剤を添加することもできる。ローションは、水性又は油性の基剤に、一種類またはそれ以上の薬学的に許容される安定剤、懸濁化剤、乳化剤、拡散剤、増粘剤、着色剤、香料等を加えることができる。
投与量、投与回数は使用する化合物の種類、患者の症状、年齢、体重、投与形態等によって異なり、それらに応じて適宜設定する。
以下、実施例(製造例、実験例)により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例;スルファチゾール固定化樹脂の合成
Figure 2005054216
スルファチアゾール(1)(3.8mg,15μmol)、無水コハク酸(15mg,150μmol)、トリエチルアミン(3mg,30μmol)、N,N’−ジメチルアミノピリジン(1.8mg,15μmol)および塩化メチレン−DMF(ジメチルホルムアミド)混合物(5:1,2ml)を混合し、室温にて3日間攪拌した。TLCにて反応終了確認後、飽和NHCO水(1ml)で洗浄し、1N塩酸(1ml)および酢酸エチル(0.6ml)を加え目的物を抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し目的化合物(2)を得た。この化合物(2)は更なる精製を行わず次の固定化反応の原料として用いた。
TOYOパール(AF−Amino)(50μl,5μmol;TOSHO,Cat.NO=08039)、(2)(7.1mg、20μmol)、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;25.2mg,18μmol),N,N−ジイソプロピルエチルアミン(14.0mg,36μmol)、およびDMF(5ml)の混合物を1晩攪拌した。樹脂をDMFで5回洗浄後、20%無水酢酸DMF溶液5mlを加え30分間室温にて攪拌し、残りのアミノ基をアセチル基にてキャッピングした。20%エタノール溶液5mlにて洗浄し、目的化合物(3)を得た。
Figure 2005054216
結合実験
上で合成したアフィニティー樹脂およびヒトの脳から調製されたライセート(COSMO−BIO,Cat.NO=CB−910005,lot.A508453)を用い、下記に示す手順で結合実験を行った。なお、下記の実験は同時に2つ行い、片方が拮抗剤なし、もう一方を拮抗剤有りとして行った(他条件は同じ)。拮抗剤有りの方には7.6mg(30μmol)のスルファチアゾールを共存させ実験を行った。
樹脂(10μl)とライセート(1ml)を4℃で約1時間、静かに振とうし、樹脂を分離後、樹脂を混合液A(1.5mM MgCl,10mM KCl,1mM EDTA,2% グリセロール,0.5% デオキシコール酸ナトリウム,1% NP40,20mM HEPES pH7.9)にて5回程度丁寧に洗浄し、樹脂上に結合するタンパク質以外を出来る限り除いた。こうして得られた各化合物結合樹脂に25μlのSDS用loading buffer(nakalai Cat.NO=30566−22、電気泳動用sample buffer solution with 2−ME(2−mercaptoethanol)(2x)for SDS PAGE)を加え、25℃で10分間撹拌した。こうして得られたサンプル液を市販のSDSゲル(BioRad readyGel J,10%SDS,Cat.NO=161−J321)で分離し、そのSDSゲルを解析した(図1)。
その結果、スルファチアゾールを固定化したアフィニティー樹脂に細胞質性リンゴ酸脱水素酵素が結合し、しかもその結合は遊離のスルファチアゾールによって拮抗されることから特異性が高いことが示された。
永年の臨床利用によってその副作用の低さがヒトにおいて証明されている化合物をリード化合物とすることにより得られた一連の抗癌剤は、より安全性の高い化合物であり得る。
本出願は、日本で出願された特願2003−401122(出願日:2003年12月1日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (10)

  1. 一般式(I)で表わされる化合物またはその医薬上許容され得る塩:
    Figure 2005054216
    〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基、または式
    Figure 2005054216
    (式中、Rは置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基である)
    で表わされる基であり;
    は置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基または飽和もしくは不飽和の複素環基であり;
    環Aはさらに1乃至4個の置換基を有していてもよいベンゼン環である〕、但し以下の化合物を除く。
    Figure 2005054216
  2. 一般式(I)が、一般式(I’)である、請求の範囲1記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
    Figure 2005054216
    (式中、各記号は請求の範囲1と同義である)
  3. が水素原子である請求の範囲1または請求の範囲2記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。

  4. Figure 2005054216
    (式中、Rは置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基である)
    で表わされる基である請求の範囲1または請求の範囲2記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
  5. がカルボキシアルキル基である請求の範囲4記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
  6. が置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の複素環基である請求の範囲1または請求の範囲2記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩。
  7. 請求の範囲1〜6のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬上許容され得る塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  8. 癌の予防・治療用である、請求の範囲7記載の医薬組成物。
  9. 一般式(I)で表わされる化合物またはその医薬上許容され得る塩:
    Figure 2005054216
    〔式中、Rは水素原子、置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基、または式
    Figure 2005054216
    (式中、Rは置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の鎖状炭化水素基である)
    で表わされる基であり;
    は置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の環状炭化水素基または飽和もしくは不飽和の複素環基であり;
    環Aはさらに1乃至4個の置換基を有していてもよいベンゼン環である〕
    を有効成分として含有する癌の予防・治療用医薬組成物。
  10. 癌が、頭頸部癌、白血病癌、腎細胞癌、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、乳癌およびメラノーマからなる群より選択される少なくとも1種である、請求の範囲8または請求の範囲9記載の医薬組成物。
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