JPWO2005035122A1 - 3級アミンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として、対応する3級アミンを簡易なプロセスにより高収率で製造する方法、及びそれに用いる触媒を提供する。 本発明は、アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として3級アミンを製造する際に用いられる、3級アミン製造用フィルム型触媒、並びにこのフィルム型触媒の存在下、アルコールと1級もしくは2級アミンとを反応させる、3級アミンの製造方法である。

Description

本発明は、3級アミン製造用フィルム型触媒、及びそれを用いた3級アミンの製造方法に関する。
牛脂、ヤシ油、パーム油等を原料とする脂肪族アミンは、家庭用、工業用分野において重要な中間体である。特に脂肪族3級アミンは、第4級アンモニウム塩等に誘導されて、繊維柔軟仕上げ剤、帯電防止剤、リンス基剤等、幅広い用途に利用されている。
従前より、アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として、対応する3級アミン、すなわち1級もしくは2級アミンの窒素原子に結合する水素原子がアルコール由来のアルキル及び/又はアルケニル基で置換された3級アミンを製造する方法が知られている。その反応機構は複雑で、単なる水素化反応のみならず、アミンの付加や脱水素反応が同時に進行していると考えられている。
例えば、JP−B 3−4534号には、銅−ニッケル−第3成分系触媒を用いて、目的とする3級アミンを高収率で得る方法が開示されている。
固定床方式で用いられる触媒の形態としては、従来からペレット状、ヌードル状、あるいはタブレット状といった成形触媒がよく知られている。触媒活性をもつ粉末状の物質を上記形態に圧縮もしくは押出し等の方法により成形加工する事で、得られた成形体は中に無数の細孔を有する構造となり、バルク形態と高い表面積とを両立させたものである。例えばJP−A 6−211754に開示されている。
固定床方式で用いられる触媒の他の形態として、モノリス状の触媒が知られている。例えば、JP−A 2003−176255には、モノリスの表面上に触媒金属を付着させた反応器が開示されている。
また、上記モノリスあるいはハニカム状の触媒技術として、触媒体の細孔構造についての技術開示が見られる。例えば、JP−A 2002−355554には、フルフリルアルコール含有ポリマーを形成する溶液、またはフルフリルアルコールの重合単位を含有するプレポリマーから形成されるウォッシュコートを含む被覆モノリス基体、及びこれに触媒金属を堆積したモノリス触媒が開示されている。
上記モノリスあるいはハニカム状の触媒技術として、近年特に光触媒の分野で、塗工によって支持体上に触媒活物質を担持させる数多くの検討がなされている。例えばJP−A 9−271676には、酸化チタン粒子を水分散あるいはバインダー溶液で分散したものを支持体に塗布し乾燥させた後、さらにバインダー溶液をこの触媒層に塗布し乾燥させる光触媒粒子の担持方法が開示されている。
また,JP−A 2003−135972には、光触媒活性材料及び/またはその前駆体と昇華剤とを含むコーティング液を支持体に塗布後、前記昇華剤を昇華させることによって空孔を形成させた、多孔性薄膜光触媒が開示されている。
本発明は、アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として3級アミンを製造する際に用いられる、3級アミン製造用フィルム型触媒、並びにこのフィルム型触媒の存在下、アルコールと1級もしくは2級アミンとを反応させる、3級アミンの製造方法を提供する。 上記フィルム型触媒のアルコールと1級もしくは2級アミンとを反応させる3級アミンの製造に用いる用途も提供する。
図1は、実施例1及び比較例1において用いた循環固定床型反応装置の略示図である。 図中、1 反応塔、2 緩衝槽、3 ポンプ、4 導管、5 導管、6 凝縮器。
図2は、実施例2において用いたバブリング槽型反応装置の略示図である。 図中、7 反応槽、8 フィルム型触媒、9 濾過板、10 導管、11 導管、12 凝縮器。
図3は、実施例3において用いた攪拌槽型反応装置の略示図である。 図中、13 反応槽、14 角柱状フィルム型触媒ホルダー、15 攪拌翼、16 導管、17 導管、18 凝縮器。
発明の詳細な説明
JP−B 3−4534号の触媒を用いる場合でも、粉末状の触媒を使った懸濁床方式のプロセスを採用すると、反応物と触媒との混合を効果的に行うための攪拌やガスバブリング等の技術が必要となる。また懸濁床方式のプロセスでは、生成物を濾過によって触媒から分離しなければならない等、設備及び運転が複雑になるという問題があった。
これに対し、攪拌やガスバブリング等による触媒の混合操作を必要とせず、また触媒の濾過分離も不要なプロセスとして、固定床方式が挙げられる。
本反応にJP−A 6−211754の成形触媒を用いて高い反応率で生成物を得ようとすると、望ましくない副生物が少なからず生じる事となる。望ましくない副生物としては、原料であるアルコールの副反応により生じるワックスやアルドール縮合体の他に、1級もしくは2級アミンが不均化して生じたアンモニアや1級もしくは2級アミンから副生する3級アミンが挙げられる。これら副生物を抑えて高選択的に実施するための技術の改良が種々行われてきたが、この反応を簡易なプロセスによって高選択的に実施することは、これまで困難であった。すなわち高い生産性と高い収率を同時に満足する事は不可能であった。
JP−A 2003−176255では、反応剤ガスと反応剤液体との間の水素化反応において、反応器の圧力降下が小さく、ガス及び液体の速度を大きくできるので、物質移動が従来型の固定床充填反応器よりも促進されるといった利点が、指摘されている。しかしながら、窒素原子を含む化合物の反応を意図されてはいるものの、水素化するような単純な機構による反応の場合しか明示されていない。またこれ以外に開示されている例についても、主に水素化反応等の限られた用途になっており、アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として対応する3級アミンを製造するような、極めて複雑な機構を持つ反応に適用して、収率を高めるという例は、これまで全くなかった。
JP−A 2002−355554では、被覆モノリス基体及びモノリス触媒共に0.1〜25m/gの範囲の表面積を有することで、反応活性および触媒金属の保持性が得られると記述されている。しかしながら、ウォッシュコート堆積工程、触媒金属担持工程のような煩雑な工程を経て製造する必要があり、また複雑な工程を経るため多孔構造や表面物性を制御することが困難であり、触媒としての反応活性の発現が容易ではなかった。
JP−A 9−271676では、第一の塗布・乾燥により触媒粒子を含む触媒塗膜が得られるが、強度が低く剥離しやすい等製造工程上のトラブル発生が懸念される。第二の塗布・乾燥工程においては、第一の塗布・乾燥工程により得られた触媒塗膜上にさらにバインダー溶液を塗布させるため、該触媒塗膜とバインダーとの界面での密着性が十分に発現できない。密着性を上げるために多くのバインダーを用いると、触媒の露出度が低く触媒活性が低い等の問題があった。
JP−A 2003−135972では、昇華剤を脱離させることにより生成した空孔の直径が触媒層厚みよりも大きくなり、局部的に支持体が露出するため、触媒層の界面隔離が問題になったり、安定的に均一な膜を得ることが難しい。
上記モノリスあるいはハニカム状の触媒技術に関しては、以上のように触媒活性、触媒活物質の保持性または脱落抑制が検討されている。それらの中で、バインダーを使って粉末状触媒を支持体上に固着させる方法においては、粉末状触媒表面のバインダーによる被覆が反応速度を低下させる一方で、バインダー量を減らし過ぎると粉末状触媒の保持性が低下し、塗膜脱落が増加する問題があった。また支持体上で触媒活物質を形成させる方法においては、活物質前駆体を活物質に変換するための焼成処理を施すことが必須であり、複雑な操作の実施や該触媒活物質に適度な触媒活性及び選択性をバランス良く付与するための、調製条件に関する多大なる検討が必要であった。
本発明の課題は、アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として、対応する3級アミンを簡易なプロセスにより高収率で製造する方法、及びそれに用いる触媒を提供することにある。さらには前記目的を達成するための、十分な触媒活性を有し、且つ脱落量の少ないフィルム型触媒およびフィルム型触媒の製造方法を提供することにある。
本発明の3級アミンの製造法に用いられる原料のアルコールとしては、直鎖状又は分岐鎖状の、炭素数8ないし36の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが挙げられる。具体的には、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等や、これらの混合アルコール等、またチーグラー法によって得られるチーグラーアルコールや、オキソ法によって得られるオキソアルコール及びゲルベアルコール等が例示される。
また、本発明の3級アミンの製造法に用いられる原料の1級もしくは2級アミンとしては、脂肪族1級もしくは2級アミンが挙げられ、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン等が例示される。
これら原料となるアルコールと1級もしくは2級アミンから得られる、対応する3級アミンは、1級もしくは2級アミンの窒素原子に結合する水素原子が、アルコール由来のアルキル及び/又はアルケニル基で置換されたものである。例えばラウリルアルコールとジメチルアミンから得られる、対応する3級アミンは、N−ドデシル−N,N−ジメチルアミンであり、ジメチルアミンが不均化して生じたメチルアミン及びアンモニアが反応して副生する3級アミンのN,N−ジドデシル−N−メチルアミン及びN,N,N−トリドデシルアミンと区別される。
本発明に用いられるフィルム型触媒とは、従来型の数mm程度の大きさを持つ不規則充填物タイプとは異なり、厚さ500μm以下の薄いフィルム状の形態の触媒を指す。反応物及び生成物が触媒体内部を移動する過程は拡散支配であり、その距離を500μm以下まで短くする事で、触媒体外部との間での物質移動を促進し、触媒体内部まで有効に活用できると共に、触媒体内部での中間反応物の過反応を抑制する事ができる。後で述べる実施例の結果から明らかなように、特に100μm以下の厚さである事が、触媒重量当りの反応活性が顕著に高くなって好ましく、50μm以下である事がより好ましい。厚さの下限は、触媒層の強度確保及び強度面の耐久性を得るために0.01μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
フィルム型触媒の構造としては、反応器形状に応じて種々の形態のものが挙げられる。例えば、管内壁面上に形成された触媒コーティング層や、管内を複数の軸方向流通路に間仕切る薄板状に成形した触媒等が挙げられ、管状の流通式反応器に好適に用いることができる。また、槽内部に設置された開放型フィン状平板の表面に形成された触媒コーティング層等でもよく、槽型反応器の場合に好適に用いることができる。いずれの場合においても、触媒体に対する反応物の供給と触媒体からの生成物の回収が容易に起こり得る構造をとることが好ましい。また反応物の供給及び生成物の回収が起こる触媒体表面をできるだけ広く設ける事が、反応を効率よく進行させる上で望ましい。上記要件を達成するために、内径数mm〜数十mmの管を束ねた集合体や、セル密度が1平方インチ当り数十〜数百セルのハニカム構造体に対して、その内壁面上にフィルム型触媒を設けたもの等が、好適に用いられる。
フィルム型触媒を上記種々の構造にするためには、例えば触媒活物質そのものを成形してハニカム状の構造体とする方法があるが、薄い触媒層と高い機械的強度を両立する観点からは、フィルム型触媒を支持体表面に固定化する事が好ましい。 フィルム型触媒支持体が金属箔であることが好ましい。 例えば上述のように、金属その他剛性を有する管状、平板状あるいはハニカム状等の支持体表面に、触媒活物質を含むコーティング層を形成してフィルム型触媒とする方法が挙げられる。この時のコーティング方法としては、従来公知の方法を用いる事ができ、例えばスパッタ等の物理蒸着法、化学蒸着法、溶液系からの含浸法の他に、バインダーを使ったブレード、スプレイ、ディップ、スピン、グラビア、ダイコーティング等、各種塗工法が挙げられる。
フィルム型触媒を構成する活物質としては、特に限定されるものではなく、公知のものを利用する事ができるが、一般に銅系の金属等を好適に用いることができ、銅を含有するものが更に好ましい。例えばCu単独あるいはこれにCr、Co、Ni、Fe、Mn等の遷移金属元素を加えた2成分の金属を含むものが挙げられ、CuとNiを含有するものが好ましく用いられる。更に3成分以上の金属を含むものも好ましく用いられる。またこれらをさらにシリカ、アルミナ、チタニア、ゼオライト等の担体に担持させたもの等も用いられる。
フィルム型触媒の内部には、それ単独では活物質として作用しないが、活物質を固定化してフィルム型の触媒休を形成するためのバインダーを含有していてもよい。バインダーとしては、活物質どうしまたは支持体表面への結着性の他に、反応環境に耐え、なおかつ反応系に悪影響しないような、耐薬品性や耐熱性等の性質を有する高分子あるいは無機化合物が挙げられる。例えば、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリ四フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂等の高分子化合物、あるいはシリカ、アルミナ等の無機化合物ゾル等が挙げられる。
フィルム型触媒の内部構造は、触媒体を構成する活物質の種類や触媒体の作製方法等に大きく依存するが、緻密な連続相を形成していてもよいし、多孔質であってもよい。例えば、スパッタ法や化学蒸着法等により支持体表面上に形成した薄膜である場合は緻密な連続相とする事ができ、粉末状の活物質を使って湿式あるいは乾式の塗工等の方法により支持体表面上に形成した場合は多孔質とする事が可能である。
フィルム型触媒を製造する方法として、粉末状の触媒活物質とこれを固定化するためのバインダーとを含有する塗料を、支持体の上に成膜する方法が、好適に用いられる。特に、合成樹脂をバインダーとして使用し、これと粉末状触媒とを含有する塗料を支持体上に成膜して得られるフィルム型触媒、およびその製造方法において、粉末状触媒と合成樹脂の配合比率を適正な範囲にすることで、粉末状触媒の露出度と、粉末間および支持体−粉末間の結合力をコントロールすることができる。
上記成膜法においては、粉末状触媒100質量部に対し、合成樹脂20〜80質量部が好ましい配合比率の範囲である。さらに支持体面積あたりの細孔容量を0.5〜30mL/mの範囲にコントロールすることによって、フィルム型触媒としての特に有効な反応活性の発現と塗膜脱落量の少ないフィルム型触媒が得られる。
上記成膜法により得られるフィルム型触媒の内部構造としては、粉末状触媒の表面全体あるいは一部を合成樹脂が被覆した状態であり、粉末状触媒どうしは合成樹脂を介して結着しており、厚み方向に多数の粉末状触媒が堆積して構成される。この堆積した多数の粉末状触媒は合成樹脂を介して3次元的にネットワーク構造を形成し、粉末状触媒粒子同士の隙間に空気層が散在し、合成樹脂自体も多孔構造を有していることが好ましい。また粉末状触媒と合成樹脂の存在割合が厚さ方向に変化した、いわゆる傾斜構造をとることができ、さらには粉末状触媒と合成樹脂の配合割合の異なる2層以上の触媒層、あるいは細孔構造の異なる2層以上の触媒層からなるフィルム型触媒層を形成してもよい。
上記成膜法により得られるフィルム型触媒においては、粉末状触媒100質量部に対し、合成樹脂を好ましくは20〜80質量部含有することで、触媒活性および粉末状触媒どうしまたは粉末状触媒−支持体間の結着力を有効に発現させることができる。フィルム型触媒は、支持体表面積あたりの触媒層の細孔容量が0.5〜30mL/mであることが望ましく、好ましくは1〜20mL/m、より好ましくは1〜4mL/mである。細孔容量が0.5mL/m以上である場合には、触媒層内部の拡散速度が高まり、フィルム状触媒を反応プロセスに適用した際に大きな反応速度が得られるようになる。細孔容量が大きくなりすぎると触媒層は高度に多孔状態となり、粉末状触媒どうし及び/又は粉末状触媒−支持体間の結着力が低下し、触媒層としての機械的強度が小さくなるが、30mL/m以下である場合には触媒層の多孔度が適切となり、粉末状触媒どうし及び/又は粉末状触媒−支持体間の密着性が強まる。その結果、触媒層としての機械的強度が高くなると共に、反応物及び生成物の物質移動性は良好な状態で保持することができる。
上記成膜法により得られるフィルム型触媒の細孔構造は、粉末状触媒100質量部に対し、合成樹脂を好ましくは20〜80質量部の範囲で含有する塗料を支持体上に塗布したのち、揮発成分の脱離過程および合成樹脂の絡み合い構造の形成過程において決定される。合成樹脂が熱硬化性樹脂である場合には、揮発成分の脱離過程の他に、硬化・架橋反応が進行して形成される架橋構造(ネットワーク構造)の形成時に細孔構造が決定される。さらに縮合反応を伴う場合には、縮合生成物の脱離過程にも細孔構造は影響を受ける。鋭意研究した結果、形成された細孔構造を特徴づける指標として、支持体表面積あたりの細孔容量を0.5〜30mL/mとすることで、反応プロセスにおけるフィルム型触媒としての十分な反応速度と、粉末状触媒の保持性が好適に維持できることを見出した。
上記成膜法で用いる粉末状触媒は、縣濁床プロセス用に性能が確立されたものを好適に用いることができる。その場合、支持体上に固定化された触媒活物質前駆体を焼成等の処理により触媒活物質に変換する方法に比べ、反応プロセスにおける反応特性が担保できるため開発時間が短縮される。また焼成処理といった反応活性発現の煩雑な製造プロセスが不要となるため、製造プロセスが簡略化できる。
上記成膜法に用いられる粉末状触媒は、平均粒径で0.01〜500μm、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μmの粒子径を有しており、その分布がシャープなものが好ましく、BET法による比表面積は0.1〜500m/g、好ましくは1〜200m/g、より好ましくは10〜100m/gである。例えば、下記の触媒担体と触媒活物質前駆体を用いて調製できる。
上記成膜法に用いられる粉末状触媒を調製するための触媒担体としては、活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニア、シリカ−アルミナ、珪藻土等の担体が挙げられ、これらより選ばれる一種以上の担体が好ましく使用できる。より好ましくは高表面積を有する多孔質担体が使用され、その他にもモレキュラーシーブ等の触媒担体が使用できる。
上記成膜法に用いられる粉末状触媒を調製するための触媒活物質前駆体としては、Cu、Ni、Zn、Co、Fe、Cr等の第4周期遷移金属元素、Pt、Pd、Ru等の白金族元素等の、金属の硫酸塩、硝酸塩、アンモニウム錯塩、酢酸塩、シュウ酸塩、アセチルアセトナート塩及び塩化物等が挙げられる。
上記成膜法に用いられる粉末状触媒を、上記触媒担体と上記触媒活物質前駆体から調製する方法としては、通常の含浸法、共含浸法、共沈法、イオン交換法等の公知の方法が適用できる。
上記成膜法で用いる合成樹脂は、粉末状触媒どうし及び支持体表面への結着性に優れ、且つ反応環境に耐え、反応系に悪影響を与えないものが好ましい。このような合成樹脂としては、前述のバインダーの例の中で挙げた高分子化合物等、種々の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が用いられ、これら合成樹脂に硬化剤による架橋反応を導入することでより高分子化が図られるものも用いることができる。なかでもフェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく、より好ましくは、硬化時に縮合反応を伴う熱硬化性樹脂を用いることができる。このような熱硬化性樹脂を用いると、硬化反応により架橋密度が向上して塗膜強度、結着性が向上し、さらに縮合反応により触媒塗膜が多孔化して粉末状触媒のもつ触媒活性を有効に引き出すことができる。
上記成膜法によりフィルム型触媒を製造する場合、粉末状触媒と合成樹脂との好ましい組合せの一例として、銅−ニッケル−ルテニウム3元系の粉末状触媒とフェノール樹脂との組合せが挙げられる。
上記成膜法における粉末状触媒と合成樹脂との配合割合は、粉末状触媒100質量部に対して、合成樹脂20〜80質量部が望ましく、より好ましくは30〜70質量部であり、さらに好ましくは40〜60質量部である。粉末状触媒と合成樹脂との配合割合を前記範囲内とすることにより、粉末状触媒の露出度をコントロールして、その触媒活性能を有効に引き出すことができ、塗膜脱落性も改善することができる。合成樹脂の配合量が80質量部以下であると、粉末状触媒の表面を覆う合成樹脂の厚みあるいは合成樹脂による被覆率が適度となり、粉末状触媒のもつ触媒活性が十分に発揮されて、高い触媒活性を発現させることができる。合成樹脂の配合量が20質量部以上であると、触媒活性が十分に発現し、粉末状触媒どうしまたは粉末状触媒−支持体間の結着力が向上し、フィルム型触媒の製造プロセス中および反応運転中に、触媒層が剥離したり一部が脱落する量が抑制される。
上記成膜法において、塗料を調製するために粉末状触媒と合成樹脂に加えて第3成分である溶媒を好適に用いることができる。溶媒は、粉末状触媒の反応活性に悪影響を与えないものであればよく、使用される合成樹脂の種類に応じて、水溶性または非水溶性の各種のものを選択することができるとともに、この溶媒の選択によってフィルム型触媒の細孔構造をコントロールすることができる。例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル等のグリコールないしその誘導体類;グリセロール、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のグリセロールないしその誘導体類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類;流動パラフィン、デカン、デセン、メチルナフタレン、デカリン、ケロシン、ジフェニルメタン、トルエン、ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、シクロヘキサン、部分水添されたトリフェニル等の炭化水素類、ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン、フルオロシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフェニル、クロロジフェニルメタン等のハロゲン化炭化水素類、ダイルロル(ダイキン工業(株)製)、デムナム(ダイキン工業(株)製)等のふっ化物類、安息香酸エチル、安息香酸オクチル、フタル酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、セバシン酸ジブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル等のエステル化合物類、そのほかジメチルホルムアミド、N−メチル−ピロリドン、アセトニトリル、エチルアセテート等が挙げられる。合成樹脂の溶解性が良好なものが好ましく、また2種以上の溶媒を組み合わせて使用しても良い。この合成樹脂の選択に合わせた溶媒の選択によって、細孔構造を制御することができる。
上記成膜法において、粉末状触媒と合成樹脂を含む塗料の調製は、常法により行うことができ、固練工程、溶解工程、サンドミル等による分散工程、濾過工程等を種々選択して調製できる。分散工程では、ペイントシェーカー、バスケットミル、グレンミル、ダイノミル、アジテートミル等により塗料化する。
上記成膜法の塗料調製において、分散時間等の適切な条件選択により、最終的に得られるフィルム型触媒の反応特性および塗膜(触媒層)強度、塗膜(フィルム型触媒層乃至粉末状触媒)脱落性を改善できることが判っている。特に塗料分散度と関連して前記特性がコントロールできる。塗料分散度の目安としては、光沢度、粒ゲージ、粘性、レオロジー特性等の手法により数値化することができる。分散工程において、塗料固形分が高い状態で実施することで効率よく分散化処理を実施することができ、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは25〜65質量%である。また塗料の粘度は、好ましくは5〜10,000mPa・s、より好ましく20〜5000mPa・s、さらに好ましく50〜1000mPa・sである。例えば、粉末状触媒と合成樹脂、及び溶媒をステンレス製バットに加え、粉末状触媒の目視で確認できるような塊が無くなるまでディスパにて混合攪拌した後、バスケットミルのベッセルに移し、所定の回転数で混合分散処理を行い、精密濾過により凝集物または異物を除去して、目的とする塗料を調製することができる。塗料の調製における分散処理は、例えば容量20Lのバスケットミルの混合槽中に、塗料原料10,000g(粉末状触媒、合成樹脂及び溶媒の合計量)を入れたとき、800〜3000r/minで30〜600分間攪拌することが望ましい。その他、光沢度で判断するときは、例えば経時的に確認した評価値が最大値をとるまで分散処理することが望ましい。粒ゲージで判断するときは、粉末状触媒の一次粒子径をもとに二次凝集が少なくなる状態まで分散処理することが望ましい。
上記成膜法の塗料調製においては、粉末状触媒、合成樹脂、溶媒の他に、分散助剤として界面活性剤やカップリング剤、骨材として無機粒子、繊維状物質等、多孔化助剤として高沸点溶媒等を配合することができる。カップリング剤は、無機フィラーと有機のポリマーマトリックスとの間の界面に分子架橋を行い、物性を改善する効果がある。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびアルミネート系カップリング剤として一般に知られたものが使用でき、複数のカップリング剤を組み合わせて配合してよく、濃度調整のために相溶性のある有機溶媒で希釈して用いてもよい。繊維状物質としては、有機繊維又は無機繊維が用いられる。有機繊維としては、ポリアミド系のナイロン6、ナイロン66、やアラミッド繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系のポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアリレート繊維、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル系、ポリオレフィン系のポリエチレンやポリプロピレン繊維等が挙げられる。また有機繊維には、有機再生繊維が含まれ、セルロース系のレーヨン、アセテート等が挙げられる。無機繊維としては、ガラス繊維や炭素繊維、活性炭素繊維、セラミック繊維、石綿等が用いられ、骨材効果の発現により触媒塗膜の機械強度の向上が可能になる。
上記成膜法で用いる支持体は、耐久性を有し且つ本発明のフィルム型触媒が用いられる反応系に悪影響を与えない材質のものであればよい。また目的とするフィルム型触媒の形態に応じて適宜選択することができ、平板状、管状、ハニカム状、モノリス形状等を用いることができる。
上記成膜法で用いる平板状の支持体として、適度な加工性を有するものは成膜後の形状加工が可能になって、好適に利用することができる。例えば、銅箔、ステンレス箔、アルミ箔等が挙げられる。好ましくは加工性および耐食性から銅箔、ステンレス箔を用いることができる。
上記成膜法で用いるハニカム又はモノリス形状の支持体としては、コーディエライト、炭素コンポジット、ムライト、粘土、マグネシア、タルク、ジルコニア、スピネル、アルミナ、シリカ、セリア、チタニア、タングステン、クロム、ステンレス鋼、銅、アルミおよびニッケルを含むものが挙げられるが、これらに限定されない。ここでハニカム形状とは薄壁で仕切られた蜂の巣状の構造をなす、多数のセルが集積した形状のことである。ハニカム形状にすると単位体積当りの表面積を大きくとれるため、フィルム型触媒を構成する支持体として好ましい。またセルは正三角形,正五角形,正六角形を用いると隙間なく集積できるため好ましく、異形状物セルや多角形セルの組み合わせによって構成することもできる。例えばハニカム形状の支持体として、押し出し成形によって作成された一体構造物、あるいは平板状素材と平板状素材を形状加工して得られた波板状素材(コルゲート)を何層も積み重ねて形成された支持体も好ましく利用できる。
上記成膜法で用いる支持体の表面は、触媒層との密着性を向上させる観点から、粗面化処理またはカップリング処理されていることが望ましい。このカップリング処理は前述したカップリング剤が使用でき、好ましく塗料調製に用いたものと同種のものが使用できる。
上記成膜法の具体的な方法として、上記した支持体表面に、粉末状触媒を含む塗料を塗布・成膜する方法が挙げられる。この成膜方法は従来公知の方法を用いることができ、ブレード、ロール、ナイフ、バー、スプレイ、ディップ、スピン、コンマ、キス、グラビア、ダイコーティング等、各種塗工法が挙げられる。成膜された触媒層からの溶媒等揮発分の脱離時に細孔構造が制御されるため、成膜時の塗料固形分は細孔構造の形成に影響を与える。成膜時の塗料固形分は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは25〜65質量%の範囲で調整される。また成膜時の塗料粘度は、上記塗工方式によって種々好ましい範囲で選択され、好ましくは5〜10,000mPa・s、より好ましくは20〜5000mPa・s、さらに好ましくは50〜1000mPa・sである。
上記塗布による成膜法において、粉末状触媒を含む塗料を支持体表面に塗布した後、乾燥および硬化処理を実施することができる。乾燥および硬化処理工程は、加熱された空気、水蒸気または窒素、アルゴン等の不活性ガス等の雰囲気中で行う、もしくはこれら熱媒体を吹き付ける方法が好ましく用いられ、その他、赤外線や遠赤外線等輻射熱を利用する方法、電磁波による誘導電流を用いた加熱方式等種々の手段を用いることができる。またこれらを組み合わせた方法あるいは、常温における自然乾燥(風乾)による方法も用いることができる。この工程において脱離する揮発成分としては、溶媒の他に硬化反応生成物及び未反応のモノマー成分等が含まれる。
上記塗布による成膜法での乾燥条件は、塗料に含まれる合成樹脂および溶媒を主とする揮発成分の物性に応じて調整することが必要であり、溶媒の選択と乾燥及び硬化条件の設定によってフィルム型触媒層の多孔構造(細孔容量)を制御することができる。すなわち塗料からの溶媒等揮発分の揮発段階の他に、硬化・架橋反応が進行して形成される架橋構造(ネットワーク構造)の形成時、さらに縮合反応を伴う場合には縮合生成物の脱離段階に細孔構造が決定される。一般に熱風による加熱処理においては、温度が高く、風量が大きいほど、触媒層からの前記成分の揮発が早く、細孔構造(孔径、容量)が大きくなる。また温度が低く、風量が小さいほど細孔構造が小さくなる。
上記塗布による成膜法において、乾燥及び硬化処理は、粉末状触媒が本来有する触媒活性に悪影響を与えない方法および条件を採用し、細孔容量を0.5〜30mL/mに制御できる。目的とするフィルム型触媒を得るための熱風による代表的な乾燥および硬化条件としては、50〜400℃、好ましくは70〜250℃、より好ましくは80〜150℃の温度で、好ましくは0.5〜30m/sec、より好ましくは1〜20m/secの風速にて、好ましくは1秒以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは30分以上、乾燥および硬化処理を実施することが望ましい。
上記塗布による成膜法においては、塗料を支持体に塗布後、速やかに乾燥することが好ましく、このときの乾燥条件を調整することで、塗膜の多孔構造をコントロールすることができる。そのため支持体上に触媒層を成膜してから、溶媒等揮発成分を脱離させるまでの時間は、より短いほうが望ましく、好ましく2時間以内、より好ましくは30分以内である。
上記塗布による成膜法において、合成樹脂として熱硬化性樹脂を用いたり、架橋反応によって合成樹脂の可塑性を減じたりする場合には、塗布乾燥して得られた塗膜を未硬化物が残った状態(プレポリマーの状態)で形状加工した後に、最終加熱処理してフィルム型触媒にすることが望ましい。
上記最終加熱処理する成膜法において、最終加熱処理を実施する前に行う乾燥処理は、合成樹脂を未硬化物が残った状態で終了させる。形状加工時のハンドリングが実施できるまで一部が硬化しており、触媒層の保持性、機械的強度が塗布時に比べ向上していることが望ましく、塗膜内部に溶媒等揮発分が数%のオーダーで残留していてもよい。目的とするフィルム型触媒を得るための最終加熱処理前の乾燥は、熱風による代表的な条件としては、50〜400℃、好ましくは70〜250℃、より好ましくは80〜150℃の温度で、好ましくは0.5〜30m/sec、より好ましくは1〜20m/secの風速にて、好ましくは0.5〜300秒間、より好ましくは1〜100秒間、処理をすることが望ましい。
上記最終加熱処理する成膜法において、塗膜層が完全に硬化反応する前に形状加工することで、支持体の塑性変形に塗膜層が追従し、形状加工性が向上する。また加工終了後に加熱処理して完全に硬化させることで、製造プロセスの最終段階で触媒層の架橋構造を固定化することができ、触媒層内の残留応力が緩和され、フィルム型触媒の触媒層あるいは粉末状触媒の脱落への影響が改善できる。また合成樹脂に熱可塑性樹脂を含有する場合、塗布乾燥して得られた塗膜を形状加工した後、最終加熱することが望ましい。塗膜に熱可塑性樹脂を含有する場合には、形状加工を実施した際の支持体の塑性変形に伴い、塗膜内部に残留応力が発生し、塗膜の保持性に悪影響を与えることが懸念される。そのため最終加熱処理することにより、該応力を緩和させることができると共に、熱可塑性樹脂の絡み合い構造が強まることで、フィルム型触媒の触媒層あるいは粉末状触媒の脱落への影響が改善できる。最終加熱処理の条件は、合成樹脂の種類により異なるが、本発明においては、好ましくは80〜400℃、より好ましくは100〜200℃で、好ましくは5〜600分間、より好ましくは10〜100分間、処理をすることが望ましい。
フィルム型触媒を装填した反応器の形式は、従来公知のものを含めて種々のものを採用する事ができる。例えば既に上述の通り、管状の流通式反応器や、槽型反応器等が挙げられる。管状の場合、管内部のフィルム型触媒に反応物を供給しながら生成物を連続的に回収する流通方式によって、単回流通もしくは循環供給して連続あるいはバッチ式で反応を進行させる事ができる。また槽型の場合、やはり内部のフィルム型触媒に反応物を槽内部で循環供給して、連続あるいはバッチ式で反応を進行させる事ができる。
フィルム型触媒の存在下にアルコールと1級もしくは2級アミンを反応させる条件は、反応物、生成物及び触媒の種類により異なる。反応物は気相に存在してもよいし、液相でもよい。反応系に気相が存在する場合、水素、窒素及び/又は希ガス雰囲気下で反応させる事が、触媒の活性を保つ上で好ましい。気液2相の反応系において、アルコールと1級もしくは2級アミンとがそれぞれ異なる相に存在する場合、液中へのガスバブリング等によって相間での物質移動を促進する事が望ましい。またフィルム型触媒によって径数mm以下程度の細い流通路が形成された反応場に、気液混相で反応物を供給する事により、上記物質移動促進効果を得る事もできる。系内の圧力は常圧を超えて著しく高くならないことが望ましい。反応温度は触媒の種類により異なるが、150〜300℃の温度で反応させる事が好ましい。また反応の過程で副生する水分を反応系外に排出する事で、反応の進行を促進し、触媒の活性を保つ事ができる。
本発明の方法により、アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として3級アミンを製造することで、対応する3級アミンを簡易なプロセスにより高収率で得ることが可能になる。
本発明の方法によれば、特別な混合操作や触媒の分離操作を必要としない簡易なプロセスにより、目的とする3級アミンを高収率で得ることができる。また本発明のフィルム型触媒、即ち本発明の製造方法により得られたフィルム型触媒は、十分な触媒活性を有し、且つ触媒の脱落量も少ない。
次の実施例は本発明の実施について述べる。 実施例は本発明の例示について述べるものであり、本発明を限定するためではない。
以下の実施例及び比較例においては、図1に示す循環固定床型反応装置、図2に示すバブリング槽型反応装置、及び図3に示す攪拌槽型反応装置を用いた。
図1において、反応塔1は、直立円管型固定床反応器で、内部に触媒が装填され、外部からの加熱によってその温度を制御できる。緩衝槽2は、液状の反応物、及び/又は生成物の混合物の貯槽であり、ポンプ3によって反応塔1との間でこれらを循環させる。導管4を通じて反応塔1の下端から反応物、及び/又は生成物の混合物と、ガス状の1級もしくは2級アミン及び水素ガスを連続的に供給し、上端から未反応物、及び/又は生成物の混合物と水素ガスを連続的に回収して、緩衝槽2に導入する。導管5を通して未反応のガス状1級もしくは2級アミン、及び水分を連続的に排出する。導管5から排出される成分中には、上記の他にアルコール、及び/又は生成3級アミンの蒸気もしくはミスト状成分等が含まれることがあり、凝縮器6にてこれらを液化させて緩衝槽2に戻し、残りのガス成分を系外に排出する。反応系内はほぼ常圧に保たれる。
図2において、反応槽7は、バブリング槽型固定床反応器で、内部にフィルム型触媒8が装填される。反応槽7内部に反応物、及び/又は生成物の混合物が収容され、外部からの加熱によってその温度を制御できる。反応槽7の底部に設けられたガラス濾過板(2G)9を通して、導管10よりガス状の1級もしくは2級アミン及び水素ガスを連続的に供給する。導管11を通して未反応のガス状1級もしくは2級アミン、及び水分を連続的に排出する。導管11から排出される成分中には、上記の他にアルコール、及び/又は生成3級アミンの蒸気もしくはミスト状成分等が含まれることがあり、凝縮器12にてこれらを液化させて反応槽7に戻し、残りのガス成分を系外に排出する。反応系内はほぼ常圧に保たれる。
図3において、反応槽13は、攪拌槽型固定床反応器で、内部にフィルム型触媒の入った角柱状ホルダー14が装填される。反応槽13内部に反応物、及び/又は生成物の混合物が収容され、モーターで駆動された攪拌翼15により攪拌混合され、外部からの加熱によってその温度を制御できる。導管16を通じて反応槽13底部より、ガス状の1級もしくは2級アミン及び水素ガスを連続的に供給する。導管17を通して未反応のガス状1級もしくは2級アミン、及び水分を連続的に排出する。導管17から排出される成分中には、上記の他にアルコール、及び/又は生成3級アミンの蒸気もしくはミスト状成分等が含まれることがあり、凝縮器18にてこれらを液化させて反応槽13に戻し、残りのガス成分を系外に排出する。反応系内はほぼ常圧に保たれる。
製造例1:フィルム型触媒の製造
ヒドロキシエチルセルロースをバインダとして粉末状触媒を固定化した、フィルム型触媒Aを以下のように調製した。
容量1Lのフラスコに合成ゼオライトを仕込み、次いで硝酸銅と硝酸ニッケル及び塩化ルテニウムを各金属原子のモル比でCu:Ni:Ru=4:1:0.01となるように水に溶かしたものを入れ、撹拌しながら昇温した。90℃で10質量%炭酸ナトリウム水溶液をpH9〜10にコントロールしながら徐々に滴下した。1時間の熟成後、沈殿物を濾過・水洗後80℃で10時間乾燥し、600℃で3時間焼成して粉末状触媒を得た。得られた粉末状触媒における金属酸化物の割合は50質量%、合成ゼオライトの割合は50質量%であった。
上記粉末状触媒90重量部に対して、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル化学工業製SP−500)10重量部をバインダとして加え、水300重量部と共にボールミル(メディア:ジルコニアボール)混合して塗料化した。ステンレス箔(厚さ20μm、10cm×30cm×5枚)を支持体とし、上記塗料をバーコータにより塗工後、50℃で10分間乾燥してからロールプレス機により圧着して、フィルム型触媒を上記ステンレス箔の両面に固定化した。このフィルム型触媒の厚さを接触式膜厚計(ミツトヨ製レーザーホロゲージLGH−110)を用いて測定した結果、銅箔を除いて片面当り20μmであった。このステンレス箔の両面に固定化されたフィルム型触媒のうち一部を波板状に折り曲げ加工し、残りの平板状のものと交互に重ねて捲回した。ステンレス箔を除いたフィルム型触媒の重量は7.5gであった。
製造例2:フィルム型触媒の製造
フェノール樹脂をバインダとして粉末状触媒を固定化した、フィルム型触媒B〜Eを以下のように調製した。
製造例1に準じて製造した粉末状触媒に、バインダとしてフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−9480、不揮発分58%)を加え、フェノール樹脂の不揮発分が下記表2に示す割合になるようにした。さらに溶剤として2−ブタノンを加え、固形分(粉末状触媒及びフェノール樹脂の不揮発分)の割合が55%となるようにした。これをディスパにて10分間予備混合した後、バスケットミル(浅田鉄工製SS−3、1.4mm径のチタニアビーズ800mL、1900gを充填)にて1500rpmで70分間混合分散処理して塗料化した。銅箔(厚さ40μm、6.5cm×18cm×20枚)を支持体とし、上記塗料をバーコータにより両面に塗工後、150℃で30秒間乾燥した。乾燥したもののうちの半数を波板状に折り曲げ加工し、残りの平板状のものと重ねて捲回した後、150℃で90分間硬化処理して、フィルム型触媒を上記銅箔の両面に固定化した。得られたフィルム型触媒について、その銅箔を除いた片面当りの厚さ及び銅箔を除いた全重量は、それぞれ表2に示す通りであった。
製造例3:フィルム型触媒の製造
フェノール樹脂をバインダとして粉末状触媒を固定化した、パイロットスケール反応用のフィルム型触媒Fを以下のように調製した。
製造例1に準じて製造した粉末状触媒100重量部に、バインダとしてフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−9480、不揮発分58%)を加え、フェノール樹脂の不揮発分が47.7重量部になるようにした。さらに溶剤として4−メチル−2−ペンタノンを加え、固形分(粉末状触媒及びフェノール樹脂の不揮発分)の割合が55%となるようにした。これをディスパにて10分間予備混合した後、バスケットミル(浅田鉄工製SS−3)にて70分間混合分散処理して塗料化した。銅箔(厚さ40μm、0.3m×36m)を支持体とし、上記塗料をグラビアコータにより両面に塗工後、150℃で30秒間乾燥した。乾燥したものを30cm×6cm×600枚に裁断し、うち半数を波板状に折り曲げ加工し、残りの平板状のものと交互に重ねて、攪拌槽型固定床反応器で用いる角柱状ホルダーに装填した後、150℃で90分間硬化処理して、フィルム型触媒を上記銅箔の両面に固定化した。得られたフィルム型触媒について、その銅箔を除いた片面当りの厚さは4.9μm、銅箔を除いた全重量は202gであった。
比較製造例1:ペレット型触媒の製造
打錠成形により触媒活物質を固定化した、ペレット型触媒を以下のように調製した。
製造例1の粉末状触媒を調製する過程で得られた焼成前の粉末を、3mmφ×3mmの円柱状に打錠成形した後、600℃で3時間焼成して、ペレット型触媒を得た。このペレット型触媒の嵩密度は1.5g/mLであった。またこのペレット型触媒の外表面基準の相当厚みは、体積Vを外表面積Sで除した値V/Sで表され、500μmであった。
[実施例1及び比較例1]
図1に示す循環固定床型反応装置を用いて、ラウリルアルコールとジメチルアミンとを原料としてN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンを製造した。
[実施例1]
製造例1で得たフィルム型触媒Aを、反応塔1の内部に装填した。フィルム型触媒の装填された部分の体積は170mLで、反応塔1の軸方向に連通した、断面積0.1cm程度の複数の流路がフィルム型触媒によって形成された。ラウリルアルコール(花王(株)製カルコール20)600gを緩衝槽2に仕込み、水素ガスを標準状態体積換算で0.3L/minの流量で供給しながら、緩衝槽2と反応塔1との間での液循環を流量2L/minで行った。反応塔1内部の温度を210℃まで昇温した後、ジメチルアミンの供給によって210℃にて反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整し、反応時間平均で0.8g/minであった。反応開始から5時間後にジメチルアミンの供給を停止し、緩衝槽2及び反応塔1内部の液全量を抜き出した。ガスクロマトグラフにて分析を行い、面積百分率法にて定量した結果、未反応のラウリルアルコールは1%、生成したN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンは95%、副生3級アミンであるN,N−ジドデシル−N−メチルアミンは4%であった。N,N,N−トリドデシルアミンは検出されなかった。
比較例1
比較製造例1で得たペレット型触媒250gを、反応塔1の内部に充填した。触媒の充填された部分の体積は170mLであった。実施例1と同様の操作により反応塔1内部の温度を210℃まで昇温した後、ジメチルアミンの供給によって反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整し、反応時間平均で0.8g/minであった。反応開始から5時間後にジメチルアミンの供給を停止し、緩衝槽2及び反応塔1内部の液全量を抜き出した。実施例1と同様にガスクロマトグラフにより分析した結果、未反応のラウリルアルコールは30%、生成したN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンは60%、副生3級アミンであるN,N−ジドデシル−N−メチルアミンが5%、その他5%であった。すなわち下記表1に示すごとく、実施例1に比べて未反応率が高く、同時に副生物が多くて収率の低い結果であった。
[実施例2〜5]
図2に示すバブリング槽型反応装置を用いて、ラウリルアルコールとジメチルアミンとを原料としてN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンを製造した。
[実施例2]
製造例2で得たフィルム型触媒Bを、反応槽7の内部に装填した。フィルム型触媒の装填された部分の体積は276mLで、反応槽7の上下方向に連通した、断面積0.1cm程度の複数の流路がフィルム型触媒によって形成された。ラウリルアルコール(花王(株)製カルコール20)1000gを反応槽7に仕込み、水素ガスを標準状態体積換算で0.33L/minの流量で供給しながら、反応槽7内部の温度を220℃まで昇温した後、ジメチルアミンの供給によって220℃にて反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整し、総計で300gであった。反応槽7内部の液を経時でサンプリングして、ガスクロマトグラフにより分析し、面積百分率法で成分の定量を行った。未反応のラウリルアルコールが1%となった時点でジメチルアミンの供給を停止して反応を終了し、反応槽7内部の液全量を抜き出した。反応終了時より0.5Hr前の未反応アルコール濃度C[%]、フィルム型触媒の重量w[g]及びフィルム型触媒中のフェノール樹脂不揮発分配合量p[重量部 対 粉末状触媒100重量部]を用いて、次式(1)に従って触媒活物質重量当りの反応活性α[/Hr/%−活物質]を求めたところ、3.5[/Hr/%−活物質]であった。
Figure 2005035122
抜出した液をガスクロマトグラフにより定量分析した結果、生成したN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンは92.1%、副生3級アミンであるN,N−ジドデシル−N−メチルアミンは5.7%であった。N,N,N−トリドデシルアミンは検出されなかった。また抜出した液全量をメンブレンフィルター(PTFE製、孔径0.2μm)で濾過し、メンブレンフィルター上に残った固形分をアセトンで洗浄後、乾燥して秤量し、フィルム型触媒からの微粉発生量とした。微粉発生量は0.13gであった。
(細孔容量の測定)
島津製作所製の水銀圧入式細孔分布測定装置(ポアサイザー9320)を用いて細孔径10nm〜5μmの範囲の細孔容量を測定した。測定した細孔容量V[mL]、測定に使用したフィルム型触媒の支持体表面積S[m]から、本発明における支持体表面積あたりの細孔容量V[mL/m]は、V=V/Sにて算出される。例えば20mm×20mmサイズの平板状支持体の両面に固定化されたフィルム型触媒試料の場合、表面積Sは8×10−4、また同じサイズの平板状支持体の片面に固定化されたフィルム型触媒試料の場合、表面積Sは4×10−4となる。測定の結果、細孔容量Vは2.9mL/mであった。
[実施例3〜5]
下記表2に示す条件に従って、実施例2と同様の方法により、ラウリルアルコールとジメチルアミンとを原料としてN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンを製造した。触媒活物質重量当りの反応活性、抜出した液のガスクロマトグラフによる定量分析結果、フィルム型触媒からの微粉発生量、及び細孔容量は、それぞれ表2に示す通りであった。
[実施例6]
図3に示す攪拌槽型反応装置を用いて、ラウリルアルコールとジメチルアミンとを原料としてN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンを製造した。
製造例3で得たフィルム型触媒Fを、角柱状ホルダー14に装填された状態で、反応槽13の内部に装填した。フィルム型触媒の装填された部分の体積は10.4Lで、反応槽13の上下方向に連通した、断面積0.1cm程度の複数の流路がフィルム型触媒によって形成された。ラウリルアルコール(花王(株)製カルコール20)46.1kgを反応槽13に仕込み、水素ガスを標準状態体積換算で25L/minの流量で供給しながら、回転数550rpmのコンケーブタービン翼で液を攪拌し、反応槽13内部の温度を225℃まで昇温した後、時メチルアミンの供給によって225℃にて反応を開始した。ジメチルアミン供給量は反応の進行に合わせて調整し、反応時間平均で50g/minであった。反応開始から4.8時間後にジメチルアミンの供給を停止し、反応槽13内部の液全量を抜き出した。ガスクロマトグラフにて分析を行い、面積百分率法にて定量した結果、未反応のラウリルアルコールは1%、生成したN−ドデシル−N,N−ジメチルアミンは92.4%、副生3級アミンであるN,N−ジドデシル−N−メチルアミンは5.1%であった。N,N,N−トリドデシルアミンは検出されなかった。
Figure 2005035122
Figure 2005035122

Claims (11)

  1. アルコールと1級もしくは2級アミンとを原料として3級アミンを製造する際に用いられる、3級アミン製造用フィルム型触媒。
  2. 厚さが100μm以下である請求項1記載のフィルム型触媒。
  3. 銅を含有する請求項1又は2記載のフィルム型触媒。
  4. 支持体表面に固定化されている請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム型触媒。
  5. 細孔容量が0.5〜30mL/mであり、原料基準で、粉末状触媒100質量部に対して、合成樹脂20〜80質量部を含有している、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム型触媒。
  6. 合成樹脂が熱硬化性樹脂を含む請求項5記載のフィルム型触媒。
  7. 合成樹脂がフェノール樹脂を含む請求項5又は6記載のフィルム型触媒。
  8. 支持体が金属箔である請求項1〜7のいずれかに記載のフィルム型触媒。
  9. 支持体がハニカム構造物である請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム型触媒。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のフィルム型触媒の存在下、アルコールと1級もしくは2級アミンとを反応させる、3級アミンの製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載のフィルム型触媒のアルコールと1級もしくは2級アミンとを反応させる3級アミンの製造に用いる用途。
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