JP5311883B2 - フィルム状触媒構造体の中間体 - Google Patents

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Description

本発明は、気液反応用等の触媒として適しているフィルム状触媒構造体の製造に使用できるフィルム状触媒構造体の中間体、前記中間体の製造方法、前記中間体を用いたフィルム状触媒構造体の製造方法に関する。
フィルム状基材に触媒を担持させたフィルム状触媒が知られており(特許文献1〜3)、これらのフィルム状触媒は、表面積を増加させる目的や原料の流路を形成する目的で、波形やハニカム状に加工成形して使用されることがある。
特許文献4には、平板状帯材と波板状帯材からなる巻回タイプのハニカム・ブロック体がメタルケーシング内に収容された、自動車の排ガス浄化用となるメタルハニカム体が記載されている。
特許文献5には、平板素材と波板素材に所定の張力を掛けながら芯材に巻き付けて大口径金属触媒担体を製造する方法が記載されている。
WO2005/035122号 特開8−141393号公報 特開2000−189814号公報 特開平6−205989号公報 特開平8−80440号公報
特許文献4、5に記載の発明では、製造時に平板と波板がずれを生じることから、作業性が悪かったり、目的とするものが得られないという課題がある。
本発明は、上記した課題を解決でき、筒状ケース内にフィルム状触媒集合体が収容されており、フィルム状触媒構造体の製造用として使用できる、フィルム状触媒構造体の中間体及びフィルム状触媒構造体を提供することを課題とする。
本発明は、更に上記したフィルム状触媒構造体の中間体の製造方法、前記中間体を用いて得られるフィルム状触媒構造体の製造方法を提供することを他の課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、下記の各発明を提供する。
(1)筒状ケース内にフィルム状触媒集合体が収容されたフィルム状触媒構造体の中間体であって、
前記フィルム状触媒集合体が、シート状のフィルム状触媒と波形状のフィルム状触媒が交互に所望数積層され、前記シート状のフィルム状触媒と前記波形状のフィルム状触媒の凸部との接触部の全部又は一部が仮止めされたものである、フィルム状触媒構造体の中間体。
(2)前記フィルム状触媒集合体の1つを1ユニットとして、筒状ケース内に1又は複数ユニットが収容されている、請求項1記載のフィルム状触媒構造体の中間体。
(3)前記集合体が、その筒状ケースの軸に垂直な断面形状が、前記筒状ケースの断面形状と同じか又は前記断面形状を複数に分割したそれぞれの形状と同じになるように仮止めされたものである、請求項1又は2記載のフィルム状触媒構造体の中間体。
(4)前記集合体が、その筒状ケースの軸に垂直な断面形状が扇形になるように仮止めされたものである、請求項1又は2記載のフィルム状触媒構造体の中間体。
(5)前記集合体が、その筒状ケースの軸に垂直な断面形状が円形になるように仮止めされたものである、請求項1又は2記載のフィルム状触媒構造体の中間体。
(6)前記集合体が、毎葉の波形状フィルム状触媒とシート状フィルム状触媒とを、平板状にして交互に積層し仮止めされたものである、請求項1又は2記載のフィルム状触媒構造体の中間体。
(7)請求項1〜6のいずれか1項記載のフィルム状触媒構造体の中間体の製造方法であって、
前記シート状のフィルム状触媒と前記波形状のフィルム状触媒の凸部との接触部を仮止めした後又は仮止めしながら、所望数だけ積層して集合体を成形する工程、
前記集合体の1つを1ユニットとして、1又は複数ユニットを筒状ケースに収容する工程、
を有するフィルム状触媒構造体の中間体の製造方法。
(8)請求項1〜6のいずれか1項記載のフィルム状触媒構造体の中間体を用いたフィルム状触媒構造体の製造方法であって、フィルム状触媒構造体の中間体の仮止めを除去する工程を有するフィルム状触媒構造体の製造方法。
(9)請求項1〜6のいずれか1項記載のフィルム状触媒構造体の中間体の仮止めが除去されたフィルム状触媒構造体であって、前記フィルム状触媒集合体が、前記筒状ケースの内壁面を外側方向に押圧するように収容されているフィルム状触媒構造体。
本発明のフィルム状触媒構造体の中間体は、筒状ケース内に、シート状のフィルム状触媒と波形状のフィルム状触媒が交互に積層され、それらが接触部において仮止めされた集合体が収容されたものである。
前記シート状のフィルム状触媒と前記波形状のフィルム状触媒の凸部との接触部は、全部又は一部が仮止めされたものである。このため、波形状のフィルム状触媒と、それと接する両側のシート状フィルム状触媒が共に仮止めされている場合、集合体を1つの成形体として取り扱うことができるので、筒状ケース内への収容作業性が非常に良い。
また、中間体を筒状ケース内に入るような略円柱形にするときの巻き取り作業を行う際、巻き取る前に一組の波形状フィルム状触媒とシート状フィルム状触媒が仮止めされている場合には、張力調整が容易となる。特に、波形状のフィルム状触媒では、低張力による作業となるため、巻き乱れが生じやすく、本発明のような仮止めを行うことで、巻き乱れが防止することができる。
<フィルム状触媒構造体の中間体で用いるフィルム状触媒とその製造方法>
本発明で用いるフィルム状触媒は、特許文献1等に記載された公知のものを用いることができる。
シート状のフィルム状触媒は、支持体(例えば、銅箔、ステンレス箔、アルミニウム箔等からなる長尺状の支持体)上に触媒粉末を含む塗料組成物を塗布・製膜して触媒中間体を得た後、乾燥及び硬化させて得ることができる。塗料組成物は、触媒活物質(Ag,Au,Cu,Ni,Fe,Al等)を多孔性材料(活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト、チタニア、シリカ−アルミナ、珪藻土等)に担持させた粉末状触媒、バインダー、溶媒のほか、必要に応じて分散助剤(界面活性剤、カップリング剤等)、滑剤(無機粒子、繊維状物質等)、多孔化助剤(高沸点溶剤)等をミル等で塗料化したものである。
波形状のフィルム状触媒は、前記のシート状触媒を波形状に加工して得ることができる。波形状に加工する方法は特に制限されず、特許文献2、3に記載の方法のほか、図5に示された下記の方法にて加工することもできる。
図5では、保護材111及びフィルム状触媒100がそれぞれ送り出しロール103、102、101から送り出され、支えロール104で方向が変えられ、保護材とフィルム状触媒が重ねられた状態で、加工用歯車115及び116の間を通ることで、波形状に加工された長尺状のフィルム状触媒100’となる。波形状に加工された長尺状のフィルム状触媒100’は、2つの歯車115、116による押出作用で矢印方向に押し出されていき、2枚の保護材111は、それぞれ巻き取りロール102’、103’で巻き取られる。
前工程で波形状に加工された長尺状のフィルム状触媒100’は、必要に応じて、所望形状及び大きさに切断することができる。
<フィルム状触媒構造体の中間体>
まず、図1により、フィルム状触媒構造体の中間体に用いる集合体について説明する。図1は前記集合体の部分断面図である。
集合体10は、シート状のフィルム状触媒11と波形状のフィルム状触媒12が交互に所望数積層されている。積層数は、目的とする中間体に応じて適宜調整する。フィルム状触媒の構成としては、例えば厚み40μmの銅箔の両面にそれぞれ厚み5〜100μmの触媒層塗膜を塗工したものを用いることができる。波形状フィルム状触媒の波形状としては、例えばピッチ1〜30mm、山高さ0.2〜30mm、山部頂点には半径0.3mm以上の丸みを有したものを用いることができる。
集合体10は、シート状のフィルム状触媒11と波形状のフィルム状触媒面12の凸部(又は凹凸部)との接触部13の全部又は一部が仮止めされている。波形状のフィルム状触媒と、それと接する両側のシート状フィルム状触媒が共に仮止めされている場合、全体が一体となった状態(1ユニット)のものとなる。このように接触部13を仮止めされた集合体10は、全体が一体となった状態であるから、筒状ケース内に集合体10ごと、即ち、1ユニットごとに収容するときの作業性が向上される。
仮止め手段としては、接触部13を一時的に固定でき、かつ後に仮止めを除去できる手段であればよく、低沸点乃至は低融点のワックス、熱可塑性接着剤等を用いることができる。
全ての接触部13を仮止めする必要はなく、例えば、仮止め部は波形状凸部において断続的でもよく、1つおきに接触部13を仮止めするようにしてもよい。
集合体10の形態は特に制限されず、図2に示す筒状ケース(15a〜15d)の軸に垂直な断面形状が円形、楕円形、扇形、多角形等のものがある。また、積層形態としては、波形状フィルム状触媒とシート状フィルム状触媒とを、交互に巻回したものでもよいし、毎葉の平板状にして交互に積層したものでもよい。ここで、積層したシート間の圧力は、例えば感圧シート等を集合体10と集合体10を収容する容器内表面との間に挿入して圧力を測定することにより、外側方向の圧力分布を確認できる
次に、図2(A)〜(D)により、形態の異なる集合体10a〜10dを用いたフィルム状触媒構造体の中間体について説明する。図2(A)〜(D)は、フィルム状触媒構造体の中間体20(20a〜20d)の筒状ケースの軸に垂直な断面図である。なお、仮止め部分は図示されていない。
中間体20(20a〜20d)は、筒状ケース15(15a〜15d)内に所望数の集合体10(10a〜10d)が収容されたものである。筒状ケース15(15a〜15d)の軸に垂直な断面形状は特に制限されず、円形、楕円形、多角形等にすることができ、円形や楕円形の一部が曲面ではなく平面であるものでもよいし、多角形の一部が平面ではなく曲面であるものでもよい。
図2(A)に示す中間体20aは、筒状ケース15a内に前記断面形状が扇形である4つの集合体10aが、全体が円形になるようにして、即ち、筒状ケース15aの前記断面形状と一致するようにして収容されている。図2(A)では、筒状ケース15aは、内部が十字状に仕切られた構造になっているが、このように各集合体10aの間は仕切り部材で仕切られていてもよいし、仕切られず、各集合体10aが接触した状態で収容されていてもよい。中間体20aでは、1つの集合体10aが1ユニットとなり、図2(A)では、計4ユニットが収容されている。
図2(B)に示す中間体20bは、筒状ケース15b内に前記断面形状が円形である多数の集合体10bが、全体が円形になるようにして、即ち、筒状ケース15bの前記断面形状と一致するようにして収容されている。中間体20bでは、1つの集合体10bが1ユニットとなり、図2(B)では、多数のユニットが収容されている。
図2(C)に示す中間体20cは、筒状ケース15c内に平板状の多数の集合体10cが、全体が円形になるようにして、即ち、筒状ケース15cの前記断面形状と一致するようにして収容されている。このとき、集合体10cは全体として1ユニットでもよいし、長さ(図2(C)の平面に現れた長さ)の異なる複数のユニットの組み合わせでもよい。
図2(D)に示す中間体20dは、筒状ケース15d内に複数の仕切り板16が配置されており、筒状ケース15dと複数の仕切り板16で囲まれた空間内に、平板状の多数の集合体10dが収容されている。このとき、集合体10dは、前記の各空間内に収容されているもの全体を1ユニットとしてもよいし、前記の各空間内に複数ユニットが収容されるようにしてもよい。
<フィルム状触媒構造体の中間体の製造方法>
(1)中間体の製造方法の一実施形態
本発明の中間体の製造方法の一実施形態を図3(A)〜(D)により説明する。
図3(A)に示す工程は、シート状のフィルム状触媒11と波形状のフィルム状触媒12の凸部との接触部13が接着剤で仮止めされた状態のものを、棒状の芯材30の周囲に巻き付けて、最終的に円柱状の集合体10を得る工程である。
図3(A)で用いた芯材30は断面が円形であるが、断面が三角形、四角形又はそれ以上多角形、楕円形、扇形のものでもよい。これらの芯材を用いる場合には、角を丸くしたものを用いることが好ましい。
棒状の芯材30の周囲に巻きつけるときの張力は、目的とする中間体20となるように適宜調整する。例えば、予め設定された触媒としての有効面積(実質的に集合体10の全表面積)が得られ、かつ次工程で使用する筒状ケース15内に収容できる大きさの集合体10(好ましくは筒状ケース15の内径よりもやや小さめの外径の集合体10)が得られるように張力を加える。
ここで、波形状のフィルム状触媒をシート状フィルム触媒と固定せずに巻き取る場合、波形状を維持して巻き取ろうとすると、低張力による作業となるため、巻き乱れが生じやすい。そのため、本発明のような仮止めを行うことで、所望の張力を掛けることが可能となり、巻き乱れを防止することができ、さらに波形状フィルム触媒を変形させながら巻き取ることができる。このようにして張力を掛けて巻き取られた集合体10は、ケース内において張力が解放された状態になることにより、波形状のフィルム状触媒がその形状を復元しようとして集合体10の外径が膨張し、筒状ケース外側方向へ押圧状態となることができる。この結果、ケース収納後の応力緩和やケース内の応力分布均一化が図られる。
仮止めは、例えば、図3(A)に示すようにして、芯材30に巻き付ける前の所望段階において、接着剤塗布装置40により、波形状のフィルム状触媒12の凸部12aに接着剤を塗布する方法を適用できる。
図3(B)に示す工程は、作業台50上に置かれた筒状ケース15内に、芯材30と共に集合体10を収容する工程である。
この工程では、集合体10を構成するシート状のフィルム状触媒11と波形状のフィルム状触媒12が仮止めされているため、集合体10全体が1つの成形体の形態となっている。このため、集合体10が取り扱いやすく、筒状ケース15内の収容作業が容易である。また、集合体10を、張力を解放せずに中心方向に押し縮めた状態で収容すると、その後、張力が解放された状態になると自ら外側方向に拡がるため、集合体10の外表面は筒状ケース15の内表面に密着された状態になる。このため、中間体20の保管や運搬時において、集合体10が筒状ケース15内でがたつくことがない。なお、集合体10を拡がらないようにする手段として、プラスチックや不織布等の締め付けバンドを使用することもできる。
(2)中間体の製造方法の別実施形態
本発明の中間体の製造方法の別実施形態を図4(A)、(B)により説明する。図4(B)に示す中間体20eは、筒状ケース15e内に最大径の筒状集合体10e、筒状集合体10eの内側に収容された中間径の筒状集合体10e’、更に筒状集合体10e’の内側に収容された最小径の筒状集合体10e”の組み合わせからなるものである。
筒状集合体10e、10e’、10e”は、図3(A)に示す工程において、それぞれ異なる外径の芯材30を用い、10e、10e’に関しては、各々の内側の筒状集合体の外径に適合する内径を持った芯材を用いて得ることができる。そして、図4(A)に示すように、筒状ケース15e内に、まず最大径の筒状集合体10eを入れ、次に中間径の筒状集合体10e’を入れ、最後に最小径の筒状集合体10e”を入れることで、図4(B)に示す中間体20eを得ることができる。また、筒状集合体10e、10e’、10e”を組み合わせた状態のものを一纏めにして筒状ケース15e内に収容するようにしてもよい。
ここで、一対の波形状及びシート形状のフィルム触媒を巻き取る際、シート状フィルム触媒を外側にして巻き取る場合、最大径の筒状集合体10eの外周面には、シート状のフィルム状触媒11(図1参照)が位置し、内周面には波形状のフィルム状触媒12(図1参照)が位置する。そして、中間径の筒状集合体10e’の外周面には、シート状のフィルム状触媒11が位置し、内周面には波形状のフィルム状触媒12が位置する。更に最小径の筒状集合体10e”の外周面には、シート状のフィルム状触媒11が位置し、内周面には波形状のフィルム状触媒12が位置する。一方、シート状フィルム触媒を内側にして巻き取る場合、それぞれの筒状集合体の外周面には、波形状フィルム状触媒が位置し、内周面にはシート状フィルム触媒が位置する。
図4(B)に示す形態では、筒状集合体10e、10e’、10e”は、張力が解放された状態では、いずれも自ら外側に拡がるため、筒状ケース15eの内表面と最大径の筒状集合体10eの外表面は密着されており、最大径の筒状集合体10eの芯材内表面と中間径の筒状集合体10e’の外表面は密着されており、中間径の筒状集合体10e’の芯材内表面と最小径の筒状集合体e”の外表面は密着されている。このため、中間体20eの保管、運搬、使用時において、集合体10e、10e’、10e”が筒状ケース15e内でがたつくことがない。
<フィルム状触媒構造体の製造方法>
本発明のフィルム状触媒構造体は、上記した中間体の仮止めを除去する工程を経て製造することができる。
仮止めの除去方法としては、仮止め手段として低沸点乃至は低融点の接着剤を用いた場合には、前記接着剤の沸点乃至は融点以上に加熱して除去する方法、前記接着剤を溶解できる溶剤中に中間体を浸漬する方法、前記した2つの方法を組み合わせる方法等を適用することができる。
この仮止めの除去工程により、層間に接着部が無く、触媒露出面積がより広いフィルム状触媒構造体を得ることができる。
<フィルム状触媒構造体>
フィルム状触媒構造体は、前記中間体の仮止めが除去されたものであり、筒状ケース内のフィルム状触媒集合体が、筒状ケースの内壁面を外側方向に押圧する状態であるものである。なお、本発明のフィルム状触媒構造体は、両端が開口部を有した筒状ケース内にフィルム状触媒集合体が収容された構造で、フィルム状触媒集合体は、一方の開口部から他方の開口部へ通じた空間を有している。
<フィルム状触媒の製造例>
(粉末状触媒の製造)
合成ゼオライトに担持させた銅・ニッケル・ルテニウム3元系の触媒活物質よりなる粉末状触媒を、以下のように調製した。
容量1Lのフラスコに合成ゼオライト(平均粒径6μm)を仕込み、次いで硝酸銅、硝酸ニッケル及び塩化ルテニウムを、各金属原子のモル比でCu:Ni:Ru=4:1:0.01となるように水に溶かしたものを入れ、攪拌しながら昇温した。90℃で10質量%炭酸ナトリウム水溶液をpH9〜10にコントロールしながら徐々に滴下した。1時間の熟成後、沈殿物を濾過・水洗後80℃で10時間乾燥し、600℃で3時間焼成して、粉末状触媒を得た。得られた粉末状触媒における、金属酸化物の割合は50質量%、合成ゼオライトの割合は50質量%であった。
(シート状のフィルム状触媒の製造)
溶媒としてMIBK、バインダーとしてフェノール樹脂(住友ベークライト製PR−9480)、製造例1で調製した粉末状触媒の順に、250mlの広口ポリエチレン製ビンに入れた。粉末状触媒80質量部(65g)に対し、フェノール樹脂の不揮発分が20質量部となる配合比率とし、MIBKの配合量は、配合物の固形分が60質量%となる量とした。さらに分散メディアとして、直径1mmのガラスビーズ(見かけ容積65ml)を広口ポリエチレン製ビンに入れた。
広口ポリエチレン製ビンをペイントシェーカーにセットし、30分間混合分散処理を行い、塗料組成物を得た。
長尺状の銅箔(厚さ40μm、秤量310g/m)を支持体とし、前記塗料組成物を銅箔の両面にコンマコーターにより塗布した。塗工機付帯の乾燥炉では100℃で120秒間処理を行い、シート状のフィルム状触媒を得た。
(波形状のフィルム状触媒の製造)
上記の製造方法で得られたシート状のフィルム状触媒を用い、図5に示す装置を用い、波板状のフィルム状触媒を製造した。送り速度は2m/minとした。
実施例1
(フィルム状触媒構造体の中間体の製造)
上記の製造例で得たシート状のフィルム状触媒(幅500mm)と波形状のフィルム状触媒(幅500mm)を用い、図3(A)に示す製造方法にて、直径が約900mmの円柱状の集合体10を得た。仮止め用の接着剤としてマイクロクリスタリンワックス(融点60℃)を用いた。得られた集合体10は、バンドを用いて周囲を固定した。
次に、図3(B)に示すようにして、内径910mm、高さ550mmの筒状ケース内に集合体10の先端部を入れながら、途中でバンドを外した後、全体を収容して中間体20を得た。
(フィルム状触媒構造体の製造)
中間体20に対して130℃の空気中で、90分間硬化処理を行った。その後、130℃に加熱した高級アルコール(C1021OHが主成分)浴中に中間体20を浸漬し、窒素を吹き込むことにより浴を撹拌しながら5時間維持した。その後、浴から引き上げて乾燥することにより、仮止め用の接着剤が除去されたフィルム状触媒構造体を得た。
フィルム状触媒構造体の中間体に使用されるフィルム状触媒集合体の部分断面図。 フィルム状触媒構造体の中間体(又はフィルム状触媒構造体)の平面図。 フィルム状触媒構造体の中間体の製造方法の説明図。 フィルム状触媒構造体の中間体の別実施形態である製造方法の説明図。 波形状のフィルム状触媒の製造方法を説明するための概念図。
符号の説明
10、10a〜10e フィルム状触媒構造体の集合体
15、15a〜15e 筒状ケース
20、20a〜20e フィルム状触媒構造体の中間体
30 芯材

Claims (3)

  1. 筒状ケース内にフィルム状触媒集合体が収容されたフィルム状触媒構造体の製造方法であって、
    シート状のフィルム状触媒と波形状のフィルム状触媒の凸部との接触部を仮止めした後、棒状の芯材の周囲に対して、予め設定された触媒としての有効面積が得られ、かつ次工程で使用する筒状ケース内に収容できる大きさの集合体が得られるように張力を加えながら巻き付けて集合体を得る工程、
    前記集合体の1つを1ユニットとして、1又は複数ユニットを筒状ケースに収容する工程、
    シート状のフィルム状触媒と波形状のフィルム状触媒の凸部との接触部の仮止めを除去する工程、
    を有するフィルム状触媒構造体の製造方法。
  2. シート状のフィルム状触媒と波形状のフィルム状触媒の凸部との接触部の仮止め手段として接着剤を用い、
    仮止めを除去する工程において、前記接着剤の沸点乃至は融点以上に加熱して仮止めを除去する、請求項1記載のフィルム状触媒構造体の製造方法。
  3. シート状のフィルム状触媒と波形状のフィルム状触媒の凸部との接触部の仮止め手段として接着剤を用い、
    仮止めを除去する工程において、前記接着剤を溶解できる溶媒中に浸漬して仮止めを除去する、請求項1記載のフィルム状触媒構造体の製造方法。
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