JPH1028872A - 排ガス浄化触媒用金属担体及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス吹き抜けを防止することができる排ガス
浄化触媒用金属担体及びその製造方法を提供することに
ある。 【解決手段】 金属製の平板箔材１６と波板箔材１８と
を重ね、これらを巻芯２０を介して多重に巻回すると共
に巻回後に巻芯２０を引き抜き中心部に空洞部１１を形
成して成る排ガス浄化触媒用金属担体１０において、空
洞部３１には、乱流形成部１５が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排ガス
を浄化する触媒を担持する金属担体及びその製造方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の排ガス浄化触媒用金属担
体としては、例えば、実開平１−１６３４３７号公報に
開示されるものが知られている。これを図１３に基づい
て説明する。図において、１は、排ガス浄化触媒用金属
担体を表す。排ガス浄化触媒用金属担体１は、例えば、
２０Ｃｒ−５Ａｌ−Ｆｅ合金等の金属製の平板箔材２と
波板箔材３とを重ね、これらを多重に巻回してろう付
け、拡散接合等の固着手段により一体化されている。図
中、４は、後述する巻芯５の引き抜き跡に形成される空
洞部である。

【０００３】この排ガス浄化触媒用金属担体１は、例え
ば、下記のようにして製造される。先ず、図１４及び図
１５のように、二つ割りの巻芯５に金属製の平板箔材２
と波板箔材３の端部を挟み込んだ後、巻芯５を回転する
ことにより、金属製の平板箔材２と波板箔材３とを巻芯
５上に多重に巻回し、所定径まで巻回されると、巻回を
停止する。

【０００４】次いで、この状態で、金属製の平板箔材２
と波板箔材３とを仮止めした後、巻芯５を引き抜き、定
法に従ってろう付け、拡散接合等の固着処理を行い、一
体化する。この排ガス浄化触媒用金属担体１は、固着処
理の前又は後で定法に従い触媒付け処理が施される。

【０００５】そして、所望の容器に収納されて触媒コン
バータとして使用される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この種の排ガス浄化触
媒用金属担体１では、高強度性を要求されるため、巻芯
５に巻回する際に、テンションをかけている。

【０００７】図１６及び表３に示すように、強度品質
上、金属製の波板箔材の変形が許される範囲内でテンシ
ョンは大きい程優れているが、同時に巻芯が太くなり、
巻芯抜き跡の空洞部４（図１３参照）のガス吹き抜けが
増加し、浄化性能が低下する。現状では、性能・品質と
の妥協点からφ４ｍｍが最大である。ここで、排ガス浄
化触媒用金属担体１は、金属製の平板箔材２及び波板箔
材３として、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５
Ａｌ−Ｆｅ合金）を用い、排ガス浄化触媒用金属担体１
のサイズは、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リット
ル、使用触媒は、Ｐｔ／Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は
１．４１３ｇ／リットルである。

【０００８】このように、従来の排ガス浄化触媒用金属
担体１の製造方法では、生産性、担体強度の向上に必要
な巻芯径の増大が巻芯抜き跡のガス吹き抜け増加による
浄化性能低下を招くという問題があった。

【表３】 尚、実開平１−１０１６３７号公報には、巻芯の抜き跡
に通気性埋設材を挿入することが開示されているが、排
ガス浄化触媒用金属担体の形成後に、通気性埋設材を挿
入することは困難である。而も、製造工程が巻回行程と
挿入行程の二段階となり煩雑となる。又、金属製の平板
箔材と波板箔材との巻回行程時に通気性埋設材を挿入す
ることは、巻芯が使用できないので、巻回行程での処理
が複雑な処理を必要とし、低廉で多量生産を要求する排
ガス浄化触媒用金属担体製造には不向きである。

【０００９】本発明は斯かる従来の問題点を解決するた
めになされたもので、その目的は、ガス吹き抜けを防止
することができる排ガス浄化触媒用金属担体及びその製
造方法を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、金属
製の平板箔材と波板箔材とを重ね、これらを巻芯を介し
て多重に巻回すると共に巻回後に巻芯を引き抜き中心部
に空洞部を形成して成る排ガス浄化触媒用金属担体にお
いて、空洞部には、乱流形成部が設けられていることを
特徴とするものである。

【００１１】請求項２の発明は、請求項１記載の排ガス
浄化触媒用金属担体において、乱流形成部は、金属製の
平板箔材及び波板箔材又はこれらの何れか一方に穿設し
た多数の孔によって構成されていることを特徴とするも
のである。請求項３の発明は、請求項１記載の排ガス浄
化触媒用金属担体において、乱流形成部は、金属製の平
板箔材及び波板箔材又はこれらの何れか一方に設けた多
数の突起物によって構成されていることを特徴とするも
のである。

【００１２】請求項４の発明は、巻芯に金属製の平板箔
材と波板箔材の端部を挟み込み、巻芯を回転して金属製
の平板箔材と波板箔材とを重ねて巻芯上に多重に所定径
まで巻回し、金属製の平板箔材と波板箔材とを仮止め
し、巻芯を引き抜く排ガス浄化触媒用金属担体の製造方
法において、巻芯に挟み込まれる領域及び巻芯に少なく
とも１周以上巻回される領域に多数の孔を穿設した金属
製の平板箔材及び／又は波板箔材を用いることを特徴と
するものである。

【００１３】請求項５の発明は、巻芯に金属製の平板箔
材と波板箔材の端部を挟み込み、巻芯を回転して金属製
の平板箔材と波板箔材とを重ねて巻芯上に多重に所定径
まで巻回し、金属製の平板箔材と波板箔材とを仮止め
し、巻芯を引き抜く排ガス浄化触媒用金属担体の製造方
法において、巻芯に挟み込まれる領域に多数の突起物を
形成した金属製の平板箔材を用いることを特徴とするも
のである。

【００１４】請求項６の発明は、巻芯に金属製の平板箔
材と波板箔材の端部を挟み込み、巻芯を回転して金属製
の平板箔材と波板箔材とを重ねて巻芯上に多重に所定径
まで巻回し、金属製の平板箔材と波板箔材とを仮止め
し、巻芯を引き抜く排ガス浄化触媒用金属担体の製造方
法において、巻芯に巻回される金属製の平板箔材及び／
又は波板箔材の先端部の少なくとも巻芯一周以上の長さ
に亘り概ね巻芯と直角方向に切り込みを人れ、巻芯に
は、巻芯を引き抜く後端側に巻回した金属製の平板箔材
及び／又は波板箔材に入れた切れ込みを引っかける突起
を設け、金属製の平板箔材と波板箔材を巻回した後、巻
芯を引き抜く際に金属製の平板箔材と波板箔材の切れ込
みを引き起こし巻芯抜き跡内面に突起物を成形すること
を特徴とするものである。

【００１５】（作用）請求項１、請求項２又は請求項４
においては、金属製の平板箔材及び／又は波板箔材は、
巻芯に挟み込まれる領域及び巻芯に少なくとも１周以上
巻回される領域に予め多数の孔を形成しておき、巻芯に
金属製の平板箔材と波板箔材の端部を挟み込み、巻芯を
回転して金属製の平板箔材と波板箔材とを重ねて巻芯上
に多重に所定径まで巻回し、金属製の平板箔材と波板箔
材とを仮止めし、巻芯を引き抜き、以下定法に従って排
ガス浄化触媒用金属担体を成形する。

【００１６】巻芯抜き跡には、多数の孔から成る乱流形
成部が形成され、巻芯跡流路の抵抗を大きくして、乱流
を発生させることができる。請求項１、請求項３又は請
求項５においては、金属製の平板箔材及び／又は波板箔
材は、先端部の巻芯に挟み込まれる領域に多数の突起物
を予め形成しておき、巻芯に金属製の平板箔材と波板箔
材の端部を挟み込み、巻芯を回転して金属製の平板箔材
と波板箔材とを重ねて巻芯上に多重に所定径まで巻回
し、金属製の平板箔材と波板箔材とを仮止めし、巻芯を
引き抜き、以下定法に従って排ガス浄化触媒用金属担体
を成形する。

【００１７】巻芯抜き跡には、多数の突起物から成る乱
流形成部が形成され、巻芯跡流路の抵抗を大きくして、
乱流を発生させることができる。請求項１又は請求項６
においては、巻芯に巻回される金属製の平板箔材と波板
箔材との先端部の少なくとも巻芯一周以上の長さに亘り
概ね巻芯と直角方向に切り込みを人れ、巻芯には、巻芯
を引き抜く後端側に巻回した金属製の平板箔材と波板箔
材とに入れた切れ込みを引っかける突起を設け、金属製
の平板箔材と波板箔材を巻芯に挟み込み、巻芯を回転し
て金属製の平板箔材と波板箔材とを重ねて巻芯上に多重
に所定径まで巻回し、金属製の平板箔材と波板箔材とを
仮止めし、巻芯を引き抜く際に金属製の平板箔材と波板
箔材の切れ込みを引き起こし巻芯抜き跡内面に突起物を
成形し、以下定法に従って排ガス浄化触媒用金属担体を
成形する。

【００１８】巻芯抜き跡には、引き起こされた多数の突
起物から成る乱流形成部が形成され、巻芯跡流路の抵抗
を大きくして、乱流を発生させることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。

【００２０】図１及び図２は、請求項１、請求項２及び
請求項４に係る排ガス浄化触媒用金属担体及びその製造
方法の一実施形態を示す。図において、１０は本実施形
態に係る排ガス浄化触媒用金属担体を表す。

【００２１】この排ガス浄化触媒用金属担体１０は、例
えば、下記のようにして製造される。図１３に示す従来
と同様に金属製の平板箔材１６と金属製の波板箔材１８
とは二つ割りの巻芯２０に夫々の端部を従来と同様に挟
み込んだ後、巻芯２０を回転して金属製の平板箔材１６
と波板箔材１８とを重ねて巻芯２０上に多重に所定径ま
で巻回し、金属製の平板箔材１６と波板箔材１８とを仮
止めし、巻芯２０を引き抜き、以下定法に従って成形す
ることにより、排ガス浄化触媒用金属担体１０を得るこ
とができる。

【００２２】この排ガス浄化触媒用金属担体１０は、従
来の排ガス浄化触媒用金属担体における空洞部１１の構
造が異なっている点に特長を有する。この排ガス浄化触
媒用金属担体１０では、金属製の平板箔材１６は、巻芯
２０に挟み込まれる領域及び巻芯２０に少なくとも１周
以上巻回される領域に予め多数の孔１７を形成してい
る。

【００２３】本実施形態においては、巻芯２０を引き抜
くことにより形成させる空洞部１１は、巻芯２０に挟み
込まれた金属製の平板箔材１６と金属製の波板箔材１８
で形成される壁部１２と、金属製の平板箔材１６と金属
製の波板箔材１８を重ねて巻回されたセル１３のうち少
なくとも１周以上のセル１３によって形成される内周面
１４によって空洞部１１内の通気抵抗を高めることがで
きる乱流形成部１５を形成することになる。

【００２４】この乱流形成部１５では、空洞部１１を吹
き抜けようとする排ガスが、金属製の平板箔材１６に穿
設した多数の孔１７によってその進行を妨げられ、従来
素通りしていた排ガスが金属製の平板箔材１６と金属製
波板箔材１８と接触する度合いが高まり、これらに担持
されている触媒によって吹き抜けようとする排ガスの一
部が浄化させることとなる。

【００２５】図３乃至図５は、請求項１、請求項３及び
請求項５に係る排ガス浄化触媒用金属担体及びその製造
方法の一実施形態を示す。図において、３０は本実施形
態に係る排ガス浄化触媒用金属担体を表す。この排ガス
浄化触媒用金属担体３０は、例えば、下記のようにして
製造される。図１３に示す従来と同様に金属製の平板箔
材３６と金属製の波板箔材３８とは二つ割りの巻芯４０
に夫々の端部を従来と同様に挟み込んだ後、巻芯４０を
回転して金属製の平板箔材３６と波板箔材３８とを重ね
て巻芯４０上に多重に所定径まで巻回し、金属製の平板
箔材３６と波板箔材３８とを仮止めし、巻芯４０を引き
抜き、以下定法に従って成形することにより、排ガス浄
化触媒用金属担体３０を得ることができる。

【００２６】この排ガス浄化触媒用金属担体３０は、従
来の排ガス浄化触媒用金属担体における空洞部３１の構
造が異なっている点に特長を有する。この排ガス浄化触
媒用金属担体３０では、金属製の平板箔材３６は、巻芯
４０に挟み込まれる領域に予め多数の突起物３７を形成
してある。この突起物３７は、金属製の平板箔材３６に
ほぼコ字状の切り込みを入れ、その切り込みを同一方向
に起こすことによって形成されている。

【００２７】本実施形態においては、巻芯４０を引き抜
くことにより形成させる空洞部３１は、巻芯４０に挟み
込まれた金属製の平板箔材３６と金属製の波板箔材３８
で形成される壁部３２に、空洞部３１内の通気抵抗を高
めることができる乱流形成部３５を形成することにな
る。この乱流形成部３５では、空洞部３１を吹き抜けよ
うとする排ガスが、金属製の平板箔材３６に穿設した多
数の突起物３７によってその進行を妨げられ、従来素通
りしていた排ガスが金属製の平板箔材３６と金属製波板
箔材３８と接触する度合いが高まり、これらに担持され
ている触媒によって吹き抜けようとする排ガスの一部が
浄化させることとなる。

【００２８】図６乃至図９は、請求項１、請求項３及び
請求項６に係る排ガス浄化触媒用金属担体及びその製造
方法の一実施形態を示す。図において、５０は本実施形
態に係る排ガス浄化触媒用金属担体を表す。

【００２９】この排ガス浄化触媒用金属担体５０は、例
えば、下記のようにして製造される。巻芯６０に巻回さ
れる金属製の平板箔材５６と波板箔材５８との先端部の
少なくとも巻芯６０の一周以上の長さに亘り概ね巻芯６
０と直角方向に切り込み５７，５９を人れ、巻芯６０に
は、巻芯６０を引き抜く後端側に巻回した金属製の平板
箔材５６と波板箔材５８とに入れた切れ込み５７，５９
を引っかける突起６１を設け、金属製の平板箔材５６と
波板箔材５８を巻芯６０に挟み込み、巻芯６０を回転し
て金属製の平板箔材５６と波板箔材５８とを重ねて巻芯
６０上に多重に所定径まで巻回し、金属製の平板箔材５
６と波板箔材５８とを仮止めし、巻芯６０を引き抜く際
に突起６１によって金属製の平板箔材５６と波板箔材５
８の切れ込み５７，５９を引き起こし巻芯抜き跡内面に
突起物５１を成形し、以下定法に従って成形することに
より、排ガス浄化触媒用金属担体５０を得ることができ
る。

【００３０】巻芯抜き跡には、多数の突起物５１から成
る乱流形成部５２が形成され、巻芯跡流路の抵抗を大き
くして、乱流を発生させることができる。図１０乃至図
１２は、請求項１、請求項３及び請求項６に係る排ガス
浄化触媒用金属担体及びその製造方法の別の実施形態を
示す。本実施形態は、図６乃至図９に示す実施形態の変
形例であり、図６に示す排ガス浄化触媒用金属担体５０
と同様の排ガス浄化触媒用金属担体７０を得ることがで
きる。

【００３１】本実施形態では、先ず、図７と同様に、巻
回する金属製の平板箔材７６の先端約４０ｍｍにピッチ
約１０ｍｍの概ね巻芯８０と直角方向に切り込み７７を
入れ、更にこの切れ込み７７の直角方向に深さ２ｍｍピ
ッチ４ｍｍの切れ込み７８を入れる。次いで、巻芯８０
には巻芯８０を抜く後端側に突起８１を設け、金属製の
平板箔材７６と波板箔材７９を巻回した後、金属製の平
板箔材７６の切れ込み７７，７８を引き起こし巻芯抜き
跡内面に乱流形成部５１と成る突起物５２を成形し、以
下定法に従って成形する。

【００３２】

【実施例】

実施例１ 図２に示すように、金属製の平板箔材１６の巻込み箔先
端より４０ｍｍに開口率３０％でφ３ｍｍの孔１７を開
け、外径φ８ｍｍの巻芯２０で巻き上げた。ここで、金
属製の平板箔材１６及び波板箔材１８は、川崎製鉄製の
Ｒ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５Ａｌ−Ｆｅ合金）を用い、
排ガス浄化触媒用金属担体１０のサイズは、φ９７ｍｍ
−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リットル、使用触媒は、Ｐｔ／
Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は１．４１３ｇ／リットル
である。

【００３３】得られた排ガス浄化触媒用金属担体１０の
押出し強度を測定した。その結果を表１に示す。得られ
た排ガス浄化触媒用金属担体１０を定法によって触媒化
し、８５０℃・１００時間の台上エンジン耐久を行い触
媒性能を評価した。その結果を表２に示す。

【００３４】実施例２ 図２に示すように、金属製の平板箔材１６の巻込み箔先
端より４０ｍｍに開口率４０％でφ３ｍｍの孔１７を開
け、外径φ８ｍｍの巻芯２０で巻き上げた。ここで、金
属製の平板箔材１６及び波板箔材１８は、川崎製鉄製の
Ｒ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５Ａｌ−Ｆｅ合金）を用い、
排ガス浄化触媒用金属担体１０のサイズは、φ９７ｍｍ
−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リットル、使用触媒は、Ｐｔ／
Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は１．４１３ｇ／リットル
である。

【００３５】得られた排ガス浄化触媒用金属担体を定法
によって触媒化し、８５０℃・１００時間の台上エンジ
ン耐久を行い触媒性能を評価した。その結果を表２に示
す。 実施例３ 図２に示すように、金属製の平板箔材１６の巻込み箔先
端より５０ｍｍに開口率４０％でφ４ｍｍの孔１７を開
け、外径φ１０ｍｍの巻芯２０で巻き上げた。

【００３６】ここで、金属製の平板箔材１６及び波板箔
材１８は、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５Ａ
ｌ−Ｆｅ合金）を用い、排ガス浄化触媒用金属担体１０
のサイズは、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リット
ル、使用触媒は、Ｐｔ／Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は
１．４１３ｇ／リットルである。得られた排ガス浄化触
媒用金属担体の押出し強度を測定した。その結果を表１
に示す。

【００３７】得られた排ガス浄化触媒用金属担体を定法
によって触媒化し、８５０℃・１００時間の台上エンジ
ン耐久を行い触媒性能を評価した。その結果を表２に示
す。 実施例４ 図５に示すと同様に、外径φ１０ｍｍ、内径φ６ｍｍの
二分割中空の巻芯４０に挟み込まれる金属製の平板箔材
３６にプレス成形にり上下交互に５ｍｍビッチで半径３
ｍｍのコ字状突起物３７を設け巻き上げた。

【００３８】ここで、金属製の平板箔材３６及び波板箔
材３８は、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５Ａ
ｌ−Ｆｅ合金）を用い、排ガス浄化触媒用金属担体３０
のサイズは、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リット
ル、使用触媒は、Ｐｔ／Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は
１．４１３ｇ／リットルである。得られた排ガス浄化触
媒用金属担体３０の押出し強度を測定した。その結果を
表１に示す。

【００３９】得られた排ガス浄化触媒用金属担体を定法
によって触媒化し、８５０℃・１００時間の台上エンジ
ン耐久を行い触媒性能を評価した。触媒仕様はＰｔ／Ｒ
ｈ＝５／１ １．４１３ｇ／リットルである。その結果
を、表２に示す。 実施例５ 全体構成を図７に示すように、巻回する金属製の平板箔
材７６の先端約４０ｍｍにピッチ約１０ｍｍの概ね巻芯
８０と直角方向に切り込み７７を入れ、更にこの切れ込
み７７の直角方向に深さ２ｍｍピッチ４ｍｍの切れ込み
７８を入れ、φ８ｍｍの巻芯８０には図１１及び図１２
に示すように、巻芯８０を抜く後端側に突起８１を設
け、金属製の平板箔材７６と波板箔材７９を巻回した
後、平板箔材７６の切れ込み７７，７８を引き起こし巻
芯８０の抜き跡内面に、図６に示すように、突起物５１
から成る乱流形成部５２を成形する。

【００４０】巻上げ後の半製品は、真空中１２５０℃・
３０ｍｉｎ熱処理した。ここで、金属製の平板箔材７６
及び波板箔材７８は、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０
Ｃｒ−５Ａｌ−Ｆｅ合金）を用い、排ガス浄化触媒用金
属担体１０のサイズは、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、
１．０リットル、使用触媒は、Ｐｔ／Ｒｈ＝５／１、貴
金属担持量は１．４１３ｇ／リットルである。

【００４１】得られた排ガス浄化触媒用金属担体の押出
し強度を測定した。その結果を表１に示す。得られた排
ガス浄化触媒用金属担体を定法によって触媒化し、８５
０℃・１００時間の台上エンジン耐久を行い触媒性能を
評価した。その結果を表２に示す。 比較例１ 巻芯径φ６ｍｍの図１４及び図１５に示す製法により半
製品を得、更に実施例１〜５と同法にて排ガス浄化触媒
用金属担体を得た。

【００４２】ここで、金属製の平板箔材２及び波板箔材
３は、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５Ａｌ−
Ｆｅ合金）を用い、排ガス浄化触媒用金属担体１０のサ
イズは、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リットル、
使用触媒は、Ｐｔ／Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は１．
４１３ｇ／リットルである。得られた排ガス浄化触媒用
金属担体の押出し強度を測定した。その結果を表１に示
す。

【００４３】得られた排ガス浄化触媒用金属担体を定法
によって触媒化し、８５０℃・１００時間の台上エンジ
ン耐久を行い触媒性能を評価した。その結果を表２に示
す。 比較例２ 巻芯径φ８ｍｍの図１４及び図１５に示す製法により半
製品を得、更に実施例１〜５と同法にて排ガス浄化触媒
用金属担体を得た。

【００４４】ここで、金属製の平板箔材２及び波板箔材
３は、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５Ａｌ−
Ｆｅ合金）を用い、排ガス浄化触媒用金属担体１０のサ
イズは、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リットル、
使用触媒は、Ｐｔ／Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は１．
４１３ｇ／リットルである。得られた排ガス浄化触媒用
金属担体の押出し強度を測定した。その結果を表１に示
す。

【００４５】得られた排ガス浄化触媒用金属担体を定法
によって触媒化し、８５０℃・１００時間の台上エンジ
ン耐久を行い触媒性能を評価した。その結果を表２に示
す。 比較例３ 巻芯径φ１０ｍｍの図１４及び図１５に示す製法により
半製品を得、更に実施例１〜５と同法にて排ガス浄化触
媒用金属担体を得た。

【００４６】ここで、金属製の平板箔材２及び波板箔材
３は、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５Ａｌ−
Ｆｅ合金）を用い、排ガス浄化触媒用金属担体１０のサ
イズは、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リットル、
使用触媒は、Ｐｔ／Ｒｈ＝５／１、貴金属担持量は１．
４１３ｇ／リットルである。得られた排ガス浄化触媒用
金属担体の押出し強度を測定した。その結果を表１に示
す。

【００４７】得られた排ガス浄化触媒用金属担体を定法
によって触媒化し、８５０℃・１００時間の台上エンジ
ン耐久を行い触媒性能を評価した。その結果を表２に示
す。

【表１】

【表２】 尚、上記各実施例において、金属製の平板箔材及び波板
箔材として、川崎製鉄製のＲ２０５ＳＲ（２０Ｃｒ−５
Ａｌ−Ｆｅ合金）を用いたが、本発明は、これに限定す
るものではなく、排ガス浄化触媒用金属担体に用いられ
る材料であれば任意である。又、担持触媒として、Ｐｔ
／Ｒｈを用いたが、本発明は、これに限定するものでは
なく、排ガス浄化触媒用金属担体に用いられる触媒であ
れば任意である。更に、排ガス浄化触媒用金属担体のサ
イズとして、φ９７ｍｍ−Ｌ１３５ｍｍ、１．０リット
ルについて説明したが、本発明は、これに限定するもの
ではなく、排ガス浄化触媒用金属担体に用いられるサイ
ズであれば任意である。

【００４８】

【発明の効果】以上のように、請求項１乃至請求項６の
発明によれば、巻芯の抜き跡に乱流形成部を形成するの
で、従来素通りしていた排ガスに乱流を起こし、担持さ
れる触媒との接触を可能とし、浄化性能を向上すること
が可能となる。又、巻芯の抜き跡に乱流形成部を形成す
るので、巻芯径を太くすることが可能となり、巻上げテ
ンションを大きくすることができ、巻芯の捻れが少な
く、早く寸法精度の良く巻上げることができ、高強度の
体が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１、請求項２及び請求項４に係る排ガス
浄化触媒用金属担体の一実施形態を示す端面図である。

【図２】図１の排ガス浄化触媒用金属担体の製造工程を
示す説明図である。

【図３】請求項１、請求項３及び請求項５に係る排ガス
浄化触媒用金属担体の一実施形態を示す端面図である。

【図４】図３に用いる平板箔材を示す斜視図である。

【図５】図３の排ガス浄化触媒用金属担体の製造工程を
示す説明図である。

【図６】請求項１、請求項３及び請求項６に係る排ガス
浄化触媒用金属担体の一実施形態を示す端面図である。

【図７】図６の排ガス浄化触媒用金属担体の製造工程を
示す説明図である。

【図８】図６の排ガス浄化触媒用金属担体の製造工程を
示す説明図である。

【図９】図６の排ガス浄化触媒用金属担体の製造工程を
示す説明図である。

【図１０】請求項１、請求項３及び請求項６に係る排ガ
ス浄化触媒用金属担体の別の実施形態における製造工程
を示す説明図である。

【図１１】図１０に用いる巻芯の端面図である。

【図１２】図１０に用いる巻芯の側面図である。

【図１３】従来の排ガス浄化触媒用金属担体を示す斜視
図である。

【図１４】図１３の排ガス浄化触媒用金属担体の製造方
法を示す斜視図である。

【図１５】図１３の排ガス浄化触媒用金属担体の製造方
法に用いる巻芯を示す端面図である。

【図１６】図１３の排ガス浄化触媒用金属担体の巻芯の
径と転化率との関係を示すグラフである。

【符号の説明】

１０，３０，５０，７０ 排ガス浄化触媒用金属担体 １１，３１ 空洞部 １２，３２ 壁部 １３ セル １５，３５，３２，５２ 乱流形成部 １６，３６，５６，７６ 金属製の平板箔材 １７ 孔 １８，３８，５８，７９ 金属製の波板箔材 ２０，４０，６０，８０ 二つ割りの巻芯 ３７ 突起物 ５７，５９，７７，７８ 切り込み ５１ 突起物 ６１，８１ 突起

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製の平板箔材と波板箔材とを重ね、
   これらを巻芯を介して多重に巻回すると共に巻回後に巻
   芯を引き抜き中心部に空洞部を形成して成る排ガス浄化
   触媒用金属担体において、 空洞部には、乱流形成部が設けられていることを特徴と
   する排ガス浄化触媒用金属担体。
2. 【請求項２】 請求項１記載の排ガス浄化触媒用金属担
   体において、 乱流形成部は、金属製の平板箔材及び波板箔材又はこれ
   らの何れか一方に穿設した多数の孔によって構成されて
   いることを特徴とする排ガス浄化触媒用金属担体。
3. 【請求項３】 請求項１記載の排ガス浄化触媒用金属担
   体において、 乱流形成部は、金属製の平板箔材及び波板箔材又はこれ
   らの何れか一方に設けた多数の突起物によって構成され
   ていることを特徴とする排ガス浄化触媒用金属担体。
4. 【請求項４】 巻芯に金属製の平板箔材と波板箔材の端
   部を挟み込み、巻芯を回転して金属製の平板箔材と波板
   箔材とを重ねて巻芯上に多重に所定径まで巻回し、金属
   製の平板箔材と波板箔材とを仮止めし、巻芯を引き抜き
   排ガス浄化触媒用金属担体の製造方法において、 巻芯に挟み込まれる領域及び巻芯に少なくとも１周以上
   巻回される領域に多数の孔を穿設した金属製の平板箔材
   及び／又は波板箔材を用いることを特徴とする排ガス浄
   化触媒用金属担体の製造方法。
5. 【請求項５】 巻芯に金属製の平板箔材と波板箔材の端
   部を挟み込み、巻芯を回転して金属製の平板箔材と波板
   箔材とを重ねて巻芯上に多重に所定径まで巻回し、金属
   製の平板箔材と波板箔材とを仮止めし、巻芯を引き抜き
   排ガス浄化触媒用金属担体の製造方法において、 巻芯に挟み込まれる領域に多数の突起物を形成した金属
   製の平板箔材を用いることを特徴とする排ガス浄化触媒
   用金属担体の製造方法。
6. 【請求項６】 巻芯に金属製の平板箔材と波板箔材の端
   部を挟み込み、巻芯を回転して金属製の平板箔材と波板
   箔材とを重ねて巻芯上に多重に所定径まで巻回し、金属
   製の平板箔材と波板箔材とを仮止めし、巻芯を引き抜き
   排ガス浄化触媒用金属担体の製造方法において、 巻芯に巻回される金属製の平板箔材及び／又は波板箔材
   の先端部の少なくとも巻芯一周以上の長さに亘り概ね巻
   芯と直角方向に切り込みを人れ、巻芯には、巻芯を引き
   抜く後端側に巻回した金属製の平板箔材及び／又は波板
   箔材に入れた切れ込みを引っかける突起を設け、金属製
   の平板箔材と波板箔材を巻回した後、巻芯を引き抜く際
   に金属製の平板箔材と波板箔材の切れ込みを引き起こし
   巻芯抜き跡内面に突起物を成形することを特徴とする排
   ガス浄化触媒用金属担体の製造方法。