本発明は、インターネットなどのネットワーク回線に接続されたユーザ端末に動画像を配信する動画配信技術に関し、さらに詳しく言えば、ユーザは動画像を無料で視聴でき、動画コンテンツ提供者は、動画像の著作権を確実に保護できる動画配信技術に関する。
インターネットの普及によって、誰でも簡単に必要な情報をコンピュータを介して入手できるようになった。とりわけ、近年ではxDSL(Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber To The Home)といったメガビットクラスの高速回線が一般家庭にも普及しはじめ、従来ではCD−ROMなどの物理的媒体で配信されていたものが、高速回線を介してオンラインで配信されるデジタル媒体に変わりつつある。
この高速インターネットの特長を生かした代表的なサービスの一つとして、動画配信が挙げられる。一般に、動画の配信方法には、全ての動画データをパソコン上に一旦ダウンロードしてから再生するダウンロード型と、動画データをダウンロードしながら、リアルタイムで再生するストリーミング型の2通りがある。
前者、すなわちダウンロード型の場合は、動画データを一度にパソコン内に取り込めるため、動画を途切れること無く再生できるという利点がある反面、一旦配信された動画コンテンツの管理がユーザ側に委ねられるため、動画コンテンツが不正コピーなどによって二次使用されるおそれがあり、動画コンテンツの著作権者が不利になりやすい。
後者、すなわちストリーミング型の場合は、動画コンテンツの格納先などの情報が盛り込まれたキーファイルのみがユーザ端末に残り、動画コンテンツそのものはユーザ端末には残らないため、上述した二次使用を防止できるという利点がある反面、動画データの送信速度を動作の再生速度よりも早くする必要がある。すなわち、送信速度が再生速度を下回った場合、データバッファによって動画が途切れ途切れで再生され、ユーザに不快感を生じさせることがある。
このように、動画配信においてダウンロード型とストリーミング型の配信方法には一長一短がある。そこで、このダウンロード型の利点とストリーミング型の利点を生かした動画配信方法の一例として例えば特許文献1がある。特許文献1には、動画コンテンツを2つの再生不能な動画ファイルに分割し、それらを復号鍵で復号化する方法が示されている。
これによれば、ユーザ側は、分割された動画データをパソコン内に取り込み、認証を得た上で復号鍵をサービス提供者のサーバから受け取って動画データを複合化することで、動画をダウンロード型のようにスムーズ見ることができる。
しかしながら、上述した動画の配信方法は、ダウンロード型配信には適しているが、ストリーミング型配信に適用した場合に、次のような問題も残されている。すなわち、上述した方法では、単に動画ファイルを時間軸に沿って分割したものであるため、動画ファイルを再生不能な状態で配信することはできるが、分割された動画ファイルのファイル容量については考慮されていない。
上述したように、ストリーミング再生は容量の軽い動画ファイルを先にユーザ端末に配信し、重い方の動画ファイルをオンラインで配信しているため、配信時にサーバにかかる負荷が大きく、サーバへのアクセス数が増えれば、増えただけさらに負荷が増す。したがって、上述した方法ではいずれのファイル容量も重いため、配信時にサーバにかかる負荷を低減することはできない。
そもそもダウンロード型配信は、動画ファイルを全てユーザ端末に配信するため、ユーザ端末内のハードディスク(記録装置)内に収納されるファイル数は限られる。そのような観点からも、最近ではダウンロード型よりもストリーミング型の動画配信方法の方が好まれつつある。
また、動画コンテンツを再生する際にユーザ端末には、復号鍵が配信されるが、この復号鍵のコピーデータ(すなわち、復号鍵データを凸としたときの、凹となるデータ)がユーザ端末内の記録装置内(ハードディスクなど)に残るおそれがあり、このコピーデータを基に復号鍵を複製されるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、ユーザは動画コンテンツを無料で視聴でき、動画コンテンツ提供者はその著作権を確実に保護することができる動画配信技術を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、以下に示すいくつかの特徴を備えている。まず、請求項1においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を時間軸に沿って2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段と、分割された上記各動画ファイルのいずれか一方を所定のCM(広告)要素が組み込まれたCMファイルのデータとともに暗号化する暗号化手段と、予めいずれか他方の上記動画ファイルを所有する上記ユーザ端末の再生要求に応じて、上記暗号化手段によって生成された上記いずれか一方の上記動画ファイルを上記CMファイルとともに上記ユーザ端末に配信する動画配信手段と、上記ユーザ端末に配信された2つの上記動画ファイルおよびCMファイルを複合化して再生する再生手段とを備えていることを特徴としている。
請求項2においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段と、上記主動画ファイルを格納する主動画ファイル格納部と、上記従動画ファイルを格納する従動画ファイル格納部と、所定のCM要素が組み込まれたCMファイルを格納するCMファイル格納部と、上記CMファイルのデータを元に上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルのいずれか一方を暗号化する暗号化手段とを有するサービス提供者サーバを有し、上記ユーザ端末から上記サービス提供者サーバに上記動画像の配信要求を行う第1ステップと、上記配信要求を受け、上記主動画ファイル格納部から上記動画像に対応する上記主動画ファイルを呼び出して上記ユーザ端末に配信する第2ステップと、上記ユーザ端末が上記主動画ファイルの再生要求を行う第3ステップと、上記再生要求を受け、上記主動画ファイルに合致する上記従動画ファイルを上記従動画ファイル格納部から呼び出す第4ステップと、上記CMファイル格納部から上記CMファイルを呼び出し、上記CMファイルのデータを元に上記従動画ファイルを暗号化する第5ステップと、上記暗号化された従動画ファイルを上記CMファイルとともに上記ユーザ端末に配信する第6ステップと、上記ユーザ端末に配信された2つの上記動画ファイルおよびCMファイルを所定の再生手段によって複合化して再生する第7ステップとを備えていることを特徴としている。
請求項3においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を有する動画コンテンツ提供者サーバと、所定の広告要素が組み込まれたCMファイルを有するスポンサーサーバと、上記動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段を有するサービス提供者サーバとを含み、上記動画コンテンツ提供サーバは、上記動画分割手段によって分割された主動画ファイルを格納する主動画ファイル格納部を有し、上記サービス提供者サーバは、上記動画分割手段によって分割された従動画ファイルを格納する従動画ファイル格納部と、上記CMファイルのデータを元に上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルのいずれか一方を暗号化する暗号化手段と、上記スポンサーサーバから配信された上記CM動画を格納するCMファイル格納部とを備え、上記ユーザ端末から上記動画コンテンツ提供者サーバに上記動画像の配信要求を行う第1ステップと、上記送信要求を受け、上記主動画ファイル格納部から上記動画像に対応する上記主動画ファイルを呼び出して上記ユーザ端末に配信する第2ステップと、上記ユーザ端末が上記主動画ファイルの再生要求を行う第3ステップと、上記再生要求を受け、上記サービス提供者サーバの上記従動画ファイル格納部から上記主動画ファイルに合致する上記従動画ファイルを呼び出す第4ステップと、上記CMファイル格納部から上記CMファイルを呼び出し、そのデータを元に上記従動画ファイルを上記暗号化手段を介して暗号化する第5ステップと、上記暗号処理された従動画ファイルを上記CMファイルとともに上記ユーザ端末に配信する第6ステップと、上記ユーザ端末に配信された2つの上記動画ファイルおよびCMファイルを所定の再生手段によって複合化して再生する第7ステップとを備えていることを特徴としている。
請求項4において、上記動画分割手段は、上記各動画ファイルのファイル容量の合計が上記動画像のファイル容量よりも小さくなるように圧縮するとともに、上記主動画ファイルのファイル容量が上記従動画ファイルのファイル容量よりも大きくなるなるように分割する。
請求項5において、上記暗号化手段は、上記CMファイルのデータビット列と、上記分割された動画ファイルのデータビット列の排他的論理和(XOR)を取って、上記動画ファイルを暗号化する。
請求項6において、サービス提供者(管理者)、ユーザ、動画コンテンツ提供者およびスポンサーを含む各種ユーザ情報を格納するユーザ情報格納部と、上記ユーザ情報に基づき上記サービス提供者サーバへのアクセスを認証するユーザ認証エンジンとをさらに備え、上記動画分割手段は、上記ユーザ認証エンジンによってサービス提供者または動画コンテンツ提供者と認証された場合にのみ、上記動画像の分割要求を受け付ける。
請求項7において、上記サービス提供者サーバは、上記ユーザ情報に基づいて上記CMファイルを上記CMファイル格納部から呼び出すCMファイル呼出手段をさらに備え、上記CMファイル呼出手段は、上記ユーザ情報に基づいて上記ユーザが好むCMファイルを上記CMファイル格納部から選び出し、上記暗号化手段に提供する。
請求項8において、上記再生手段は、互いに再生不能な上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルを再生可能な上記動画像に復元するデコーダーと、暗号化された上記一方の動画ファイル(従動画ファイル)をCMファイルとともに再び排他的論理和(XOR)処理によって複合化する複合化処理手段とを含み、上記再生手段は、上記CMファイルの再生を確認した上で、上記複合化処理手段によって上記CMファイルと上記動画ファイルを複合化し、上記デコーダを起動して上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルを再生可能な上記動画像に復元する。
請求項9において、上記サービス提供者サーバは、上記再生手段を格納する再生手段格納部を備え、上記ユーザ端末から上記主動画ファイルの再生要求を受けた際に、上記ユーザ端末上に上記再生手段の有無を検索する検索ステップと、同検索ステップにて上記ユーザ端末上に再生手段なしと判断した場合に、上記再生手段を上記ユーザ端末に配信する再生手段配信ステップとを備えている。
請求項10において、上記再生手段は、上記ユーザのユーザ情報を格納するユーザ情報格納部をさらに備え、ユーザ認証エンジンの要求に応じて、上記ユーザ情報を上記サービス提供者サーバの上記ユーザ情報格納部に配信する。
請求項11においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する配信ステップを有する動画配信プログラムにおいて、上記動画像を時間軸に沿って2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割ステップと、分割された上記各動画ファイルのいずれか一方を所定のCM要素が組み込まれたCMファイルのデータを元に暗号化するに暗号化ステップと、予めいずれか他方の上記動画ファイルを所有する上記ユーザ端末の再生要求を受け、上記いずれか一方の上記動画ファイルを上記CM動画とともに上記ユーザ端末に配信する動画配信ステップとを備えていることを特徴としている。
本発明には、動画ファイルを分割するための動画分割システムも含まれる。すなわち、請求項12においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割手段を有する動画分割システムにおいて、上記動画分割手段は、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段と、上記第1フレームを下位7位ビットと最上位ビットとに分割するビット分割手段と、上記第2フレームを、その第2フレーム情報のみで構成される第1コードと、上記第2フレーム情報と1つ前の上記第2フレームのフレーム情報とから構成される第2コードとに分けるコード分割手段と、上記第1コードを離散コサイン変換し、そのAC係数とDC係数とをそれぞれ抽出する係数抽出部と、上記第2コード、上記AC係数および上記第1フレームの下位7ビットを組み合わせて上記主動画ファイルを構築し、上記DC係数および上記第1フレームの最上位ビットを組み合わせて上記従動画ファイルを構築するファイル構築部とを有することを特徴としている。
請求項13においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、
動画コンテンツ提供者から配信された動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割するとともに、いずれか一方の動画ファイルにスポンサーから配信されたCMファイルを組み込む動画分割手段を有するサービス提供者サーバを有し、
上記サービス提供者サーバは、上記動画ファイルを上記ユーザ端末に配信するとともに、上記動画ファイルの配信に伴うCM広告料金を上記スポンサーに提示することを特徴としている。
請求項14においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を有する動画コンテンツ提供者サーバと、所定の広告要素が組み込まれたCMファイルを有するスポンサーサーバと、上記動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段を有するサービス提供者サーバとを含み、上記サービス提供者サーバは、上記主従いずれか一方および/または両方の動画ファイルの配信回数をカウントするカウント部と、上記動画ファイルと共に配信される上記CMファイルの配信履歴を管理するCM配信管理部と、上記CMファイルの配信回数と配信履歴に応じて上記CMファイルの配信情報を演算するCM情報作成部とを含むCM管理エンジンを有し、上記ユーザ端末から配信要求を受け、配信された上記画像コンテンツの配信回数を上記カウント部にてカウントするカウントステップと、上記カウント部からカウント数を呼び出し、上記CM配信管理部から上記配信履歴を呼び出し、上記CM情報作成部にて上記カウント数と上記配信履歴とからCM配信情報を作成するCM情報作成ステップと、上記配信情報を上記動画コンテンツ提供者サーバおよび/または上記スポンサーサーバに通知する配信履歴通知ステップとを備えていること特徴としている。
請求項15においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割ステップを有する動画分割プログラムにおいて、上記動画分割ステップは、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割ステップと、上記第1フレームを下位7位ビットと最上位ビットとに分割するビット分割ステップと、上記第2フレームを、その第2フレーム情報のみで構成される第1コードと、上記第2フレーム情報と1つ前の上記第2フレームのフレーム情報とから構成される第2コードとに分けるコード分割ステップと、上記第1コードを離散コサイン変換し、そのAC係数とDC係数とをそれぞれ抽出する係数抽出ステップと、上記第2コード、上記AC係数および上記第1フレームの下位7ビットを組み合わせて上記主動画ファイルを構築し、上記DC係数および上記第1フレームの最上位ビットを組み合わせて上記従動画ファイルを構築するファイル構築ステップとを有することを特徴としている。
請求項16においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割手段を有する動画分割システムにおいて、上記動画分割手段は、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段と、上記第1フレームからブロックを抽出する第1ブロック抽出手段と、上記第1ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第1係数抽出部と、上記第2フレームからブロックを抽出する第2ブロック抽出手段と、上記第2ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第2係数抽出部と、上記各係数抽出部から抽出された1フレーム前のDC係数を排他的論理和(XOR)処理して、そのビット数の一部をフィルタ係数として取り出すフィルタ処理部と、上記第1係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第1ファイル構築部と、上記第2係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第2ファイル構築部とを有することを特徴としている。
請求項17においては、上記フィルタ係数は下位8ビットからなることを特徴としている。
請求項18においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割ステップを有する動画分割プログラムにおいて、上記動画分割手段は、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割ステップと、上記第1フレームからブロックを抽出する第1ブロック抽出ステップと、上記第1ブロック抽出ステップにて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第1係数抽出ステップと、上記第2フレームからブロックを抽出する第2ブロック抽出ステップと、上記第2ブロック抽出ステップにて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第2係数抽出ステップと、上記各係数抽出ステップから抽出された1フレーム前のDC係数を排他的論理和(XOR)処理して、そのビット数の一部をフィルタ係数として取り出すフィルタ処理ステップと、上記第1係数抽出ステップにて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理ステップで生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第1ファイル構築ステップと、上記第2係数抽出ステップにて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理ステップで生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第2ファイル構築ステップとを有することを特徴としている。
また、請求項19において、本発明には上述した動画配信プログラムおよび/または動画分割プログラムを格納する記録媒体も含まれる。すなわち、記録媒体としては、半導体メモリなどの各種メモリ、磁気ディスク、例えばCD−ROMなどの光学式ディスク、DVD規格ディスクなどの記録媒体に加え、コンピュータ内に格納されている記録装置(例えばハードディスクやRAMディスクなど)、このほかにもプログラムを記録保存しておくことができるものが含まれる。さらには、本発明の動画配信プログラムおよび/または動画分割プログラムをインターネットや衛星通信などのデジタルネットワーク回線で配布してもよく、この記録媒体には、プログラム配信先の端末が保有する記録媒体も含まれる。
請求項1〜3に記載の発明によれば、動画像を再生不能な2つの動画ファイルに分割し、一方の動画ファイルをユーザ端末側に配信した後、他方の動画ファイルを動画を復元するに必要なCMファイルとともに配信することにより、CMファイルが存在して初めて動画像に復元可能となるため、ユーザは、動画の再生時にCM広告を見れば何度でも無料で動画を楽しむことができる。他方、著作権者は、動画の管理を簡単にすることができるとともに、CM広告による広告収入で著作権使用料を得ることができる。
本発明において使用する「ファイル」とは、本発明の各種手段によって使用されるデータをいい、「手段」とは、上記データを所定の演算ステップに沿って実行する実行部をいう。また、「CM」とは、所定の広告要素が組み込まれた情報発信要素をいう。
請求項4に記載の発明によれば、容量の大きい主動画ファイルは予めユーザ端末側にダウンロード配信されているため、サーバ側は、容量の少ない従動画ファイルとCMファイルとをストリーミング配信するだけでよく、サーバの負荷を低減させることができ、ひいては、サーバへのアクセス数が増えても動画の再生速度に支障を来さない。
請求項5に記載の発明によれば、従動画ファイルはCMファイルがないと複合化されないため、確実にCMファイルをユーザの手元に届けることができる。
請求項6に記載の発明によれば、認証エンジンを別途設けて、動画コンテンツ提供者とサービス提供者以外は動画分割エンジンを操作できないようにしたため、よりセキュリティー性を向上することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ユーザの年齢や好みに応じたCMファイルをユーザに効率的に送り届けることができる。
請求項8に記載の発明によれば、CM動画を再生した上で本編の動画が再生されることにより、ユーザに確実にCMを見せることができる。また、この再生手段を無料で配布すれば、本システムを広く頒布することができ、ひいては、大量のユーザを獲得でき、広告収入量の増加も図れる。
請求項9に記載の発明によれば、ユーザ端末に再生手段がインストールされていない場合に、サービス提供者サーバから再生手段を自動的に配布することができる。
請求項10に記載の発明によれば、ユーザの個人情報が再生手段内、すなわちユーザ端末内に保管されているため、個人情報の管理をユーザ自身で行うことができる。
請求項11〜12,15に記載の発明によれば、動画像を時間軸に沿って主従2つの動画ファイルに分割でき、分割された動画ファイルは、主動画ファイルが従動画ファイルよりもファイルの容量が大きくなり、容量の大きい主動画ファイルは予めユーザ端末側にダウンロード配信されているため、サーバ側は、容量の少ない従動画ファイルとCMファイルとをストリーミング配信するだけでよく、サーバの負荷を低減させることができ、ひいては、サーバへのアクセス数が増えても動画の再生速度に支障を来さない。
請求項13に記載の発明によれば、動画像の配信に伴うCM広告料金をスポンサーから徴収することにより、ユーザーは無料で動画像を視聴することができるばかりでなく、動画コンテンツ提供者は著作権料を得ることができる。
請求項14に記載の発明によれば、動画像の配信数をカウントするカウント部と、その配信履歴を管理する配信管理部とを含むCM管理エンジンを備えたことにより、動画の配信数に応じてCMの配信回数を管理することができ、CMの配信状況を把握することができるばかりでなく、CMによる広告収入と支払の管理を行うことができる。
請求項16〜18に記載の発明によれば、圧縮済みの動画であっても、非圧縮の動画であっても簡単に画面を分割できるばかりでなく、フレームのブロックを取り出してブロック単位で分割処理を行うため、分割処理する際の重複作業を減らすことができるため、プロセッサの負担を軽減することができ、処理時間を大幅に短くすることができる。
[図1]本発明の一実施形態に係る動画配信システムのシステム全体の構成図。
[図2]上記動画配信システムのサービス提供者サーバのシステム構成図。
[図3]上記動画配信システムのスポンサーサーバのシステム構成図。
[図4]上記動画配信システムの動画コンテンツ提供者サーバのシステム構成図。
[図5]上記動画配信システムのユーザ端末のシステム構成図。
[図6]本発明の一実施形態に係る動画分割システムの動画分割の流れを示すフローチャート。
[図7]上記動画配信システムのサービス提供者サーバと動画コンテンツ提供者サーバとの動画配信手順の一例を示すフローチャート。
[図8]上記動画配信システムのサービス提供者サーバとスポンサーサーバとの動画配信手順の一例を示すフローチャート。
[図9]上記動画配信システムのサービス提供者サーバ、動画コンテンツ提供者サーバおよびユーザ端末との動画配信手順の一例を説明するフローチャート。
[図10]再生ソフトの配信手順の一例を説明するフローチャート。
[図11]再生ソフトによって表示される再生ウインドウの模式図。
[図12]動画の再生手順とその制限事項の一例を説明する説明図。
[図13]本発明の別の態様の動画分割システムの動画分割の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1 インターネット回線(ネットワーク回線)
2 サービス提供者サーバ
3 スポンサーサーバ
4 動画コンテンツ提供者サーバ
5 ユーザ端末
21,31,41 WWWサーバ
210 ユーザ認証エンジン
220 動画分割エンジン
230 動画配信エンジン
240 CM配信エンジン
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の動画配信システムの接続形態が示されている。図1に示すように、この動画配信システムは、それぞれインターネット回線1に接続された、サービス提供者サーバ2と、スポンサーサーバ3と、動画コンテンツ提供者サーバ4と、ユーザ端末5とが含まれる。
なお、この実施形態において、サービス提供者サーバ2、スポンサーサーバ3および動画コンテンツ提供者サーバ4には、WWWサーバ31,41,51がそれぞれ設けられており、実際には、各WWWサーバ31,41,51がインターネット回線1に接続されている。
この実施形態において、ユーザ端末2および各サーバ同士はインターネット回線1からなるネットワーク回線に接続されているが、ネットワーク回線はこれ以外に、LAN(Local Area Network)で接続されているイントラネット回線なども含まれる。また、回線への接続手段は、xDSL回線や各種ファイバー回線のほかに、電話回線や無線回線などの他、衛星通信などであってもよく、各端末同士がデータを授受可能な環境であれば、特に限定されない。
次に、各端末の具体的な構成について説明する。図2には、サービス提供者サーバ2のシステム構成が示されている。このサービス提供者サーバ2は、インターネット回線1に接続されるWWWサーバ21と、サービス提供者サーバ2に対する接続要求を受け付け、その接続要求に対しての認証を実行するユーザ認証エンジン210と、動画像を主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割エンジン220と、従動画ファイルを配信する動画配信エンジン230と、動画ファイルとともにCMファイルを配信するCM配信エンジン240とを備え、それらが情報伝達路によって接続されている。
ユーザ認証エンジン210は、サービス提供者サーバ2のゲート(入り口)部に設けられている、いわゆるゲートサーバであり、実際にはWWWサーバ21内に格納されている。
ユーザ認証エンジン210のシステム構成は、ユーザ端末5から入力されたユーザ情報を自らが保有する認証データと照らし合わせてユーザ認証ステップを実行するユーザ認証部211と、ユーザの各種アカウント情報を格納するユーザ情報格納部212と、契約したスポンサーの各種アカウント情報を格納するスポンサー情報格納部213と、動画コンテンツの著作権者であるコンテンツ提供者の各種アカウント情報を格納するコンテンツ提供者情報格納部214と、サービス提供者(管理者)の各種アカウント情報を格納する管理者情報格納部215と、ユーザ認証部211が初めてのアクセス(新規ユーザ)であると判断した場合に、新規ユーザの各種アカウント情報を生成し、そのアカウント情報を各格納部212〜215に登録する新規ユーザ登録部216と、各ユーザのユーザIDおよびパスワードを保管するアカウント保管部217と、ユーザ認証エンジン210へのアクセスログを管理するアクセスログ管理部218とを備えている。
ユーザ認証部211は、サービス提供者サーバにアクセスを要求する各種ユーザに対しての認証を実行する演算部であり、認証処理を担うために十分な記録領域とメモリが割り当てられている。
各格納部212〜215およびアカウント保管部217およびログ管理部218は、各種アカウント情報の他、ユーザがサービス提供者サーバにアクセスするに必要な情報ファイルが格納されており、それぞれが十分な記録領域を備えている。各情報ファイルには、それぞれ個別にファイル名や更新日時、リンク情報などが記載され、ユーザ名やその種類によって階層的に保管されている。
ユーザ認証部211は、他の各部と情報伝達路を介して接続されており、ユーザ端末5やコンテンツ提供者サーバ4などからの接続要求を受け付けた場合には、要求先端末(ユーザ端末4など)にユーザー情報の入力を要求する。
要求先端末よりユーザ情報(例えばアカウントIDとパスワード)が入力された場合には、入力情報を基にアカウント保管部217を検索して、該当するアカウント情報が存在する場合には、そのアカウント情報の格納場所(ユーザ情報格納部212など)にアクセスし、ユーザ情報を取得するとともに、利用者の利用環境(例えば利用者の使用するOS(Operating System)やブラウザの種類、接続環境など)を読み出して、これを各エンジン(動画分割エンジン220、動画配信エンジン230、CM配信エンジン240)に配信して、動画の配信準備を整える。
ユーザ認証部211は、接続要求先の端末より入力された入力情報を基にアカウント保管部217を検索して、「該当アカウントなし」と判断した場合には、新規ユーザ登録部216にユーザ登録要求を行い、接続要求先の端末に新規ユーザ情報の入力を要求する。
この例において、ユーザ情報の入力例としては、ユーザ端末5の場合は、氏名、メールアドレスなど簡易なものであり、主な登録データは後述する再生ソフト54内(図5参照)に設けられたユーザ情報格納部543に格納される。また、スポンサーや動画コンテンツ提供者の場合は、担当者氏名、会社名、住所、所属、メールアドレスなどが挙げられる。
要求先端末より新規ユーザ情報が得られた場合には、再びアカウント格納部217を検索してアカウント格納部217内に存在しない新しいアカウントIDおよびパスワードを発行し、その新規ユーザ情報がユーザ端末5に属する場合には、ユーザ情報格納部212にユーザ情報を格納し、契約したスポンサーのアカウント情報である場合には、スポンサー情報格納部213に格納し、動画コンテンツの著作権者である場合には、コンテンツ提供者情報格納部214に格納する。さらにこの実施形態では、サービス提供者(管理者)の各種アカウント情報を格納する管理者情報格納部215も備えている。また、上述した一連のアカウント呼出作業および新規ユーザ登録作業にかかるアクセスログなどをアクセス録管理部218に送達する。
しかる後、ユーザ端末5に対して新規アカウントIDとパスワードの発行完了通知を配信する。なお、この例において、新規ユーザ登録は、ユーザ端末5とユーザ認証エンジン210との間で情報取引がオンデマンド形式で行われるが、ネットワーク上の安全性を考慮し、WWWサーバ21内に専用のメールサーバをさらに設けて、例えば新規ユーザ情報によって得られた情報を元に登録処理を行った後、その新規ユーザ情報をユーザ自身が記載したメールアドレスに送信するようにしてもよい。
また、ユーザ認証エンジン210には、各利用者の利用者情報の漏洩や盗聴といったハッキング行為や、データの偽造や改ざん、システムの破壊などのクラック行為などから防ぐため、セキュリティ手段が内蔵されている。好ましいセキュリティ手段としては、例えば128ビットSSL(Secure Socket Layer)などの高度暗号化技術が挙げられるが、これ以外に外部からの進入を防止する方法があれば適宜選択して用いられる。
次に、動画分割エンジン220は、動画コンテンツ提供者から動画分割処理用に配信された再生可能なオリジナル動画を格納する動画ファイル格納部221と、このオリジナル動画を所定の分割システムによって主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割部222と、動画分割部222によって分割された2つの動画ファイルのうち、容量の大きい主動画ファイル(mainファイル)を格納する主動画ファイル格納部223と、オリジナル動画の作品名や上映時間、年齢制限などの各種動画情報を格納する動画ファイル情報格納部224と、主動画ファイルの分割情報や相手方の従動画ファイルのファイル名、さらにはこれら各動画ファイルをデコードするために必要なデコード情報を格納する主動画ファイル情報格納部225と、オリジナル動画の検索および分割された主従各動画ファイルの検索を実行するコンテンツ情報検索部226と、動画分割部222の分割ログに加え、動画分割エンジン220へのアクセスなどを保管する分割ログ保管部227とを備えている。
動画ファイル格納部221は、例えばデジタルビデオからの映像をキャプチャーしたものやCG(Computer Graphics)動画、映画やビデオクリップなどの各種動画像を多数格納するものであり、動画ファイル格納部221は、多数の動画像を保管できるように十分な記憶領域を有している。
この実施形態において、動画ファイル格納部221は、動画分割エンジン220内に格納されたハードディスクなどの内蔵記録媒体であるが、これ以外にDVD−ROM(RW/RAMを含む)などの外部記録媒体に各種オリジナル動画を多数保管しておき、それを動画分割エンジン220で読み込むようにしてもよい。
この場合、動画ファイル格納部221にさらに外部接続機器から動画像を取り込むための取込手段を設けてもよい。さらには、動画ファイル格納部221内にサービス提供者(管理者)が保有する動画を管理しやすくするため、動画の走り出し部分などが記録されたサムネイル動画が保管されていてもよい。
動画分割部222は、オリジナル動画像を再生不能な主従2つの動画ファイルに分割するための動画分割システムおよび同動画分割システムを駆動する動画分割プログラムを有する演算部であり、動画分割処理を担うために十分な記録領域とメモリが割り当てられている。
動画分割部222は、分割した主従各動画ファイルの合計のファイル容量がオリジナル動画像のファイル容量よりも小さくなるように圧縮し、かつ、主動画ファイルのファイル容量が従動画ファイルのファイル容量よりも大きくなるなるように分割する。
すなわち、この実施形態において、動画分割部222(さらに詳しく言えば、動画分割部222の保有する動画分割システム)は、入力されたオリジナル動画をMPEG形式(Motion Picture Experts Group)に圧縮変換するものであり、MPEG形式への変換途中で所定の演算ステップを実行して、動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する。
これにより、復号された動画像(ユーザに配信される動画像)は、MPEG形式の動画となって再生される。この実施形態において、動画像は、MPEG形式の中でも、もっとも基本的なMPEG−1形式に圧縮されるが、例えばMPEG−2やMPEG−7形式であってもよく、基本的な圧縮形態がMPEG形式であれば、圧縮処理と分割処理とを平行処理できるようになっている。
主動画ファイル格納部223は、上記動画分割部222によって分割された主動画ファイルを多数格納するものであり、多数の主動画ファイルを保管できるように十分な記憶領域を有している。主動画ファイル格納部223に保存される主動画ファイルは、それぞれファイル名などが付与された状態で保管され、動画の内容などに応じて主動画ファイル格納部223内に階層的に保管されている。
動画ファイル情報格納部224は、オリジナル動画の作品名や上映時間、年齢制限などの各種動画情報を多数格納するものであり、十分な記録領域を備えている。
主動画ファイル情報格納部225は、主動画ファイルの分割情報や相手方の従動画ファイルのファイル名、さらにはこれら各動画ファイルをデコードするために必要なデコード情報を格納するものであり、十分な記録領域を備えている。
ここで、動画ファイル情報格納部224に格納された動画ファイル情報と、主動画ファイル情報格納部225に格納された主動画ファイル情報とは、格納するファイル名に互いにリンクが張られており、端末側からの要求に応じて、主動画ファイルの元動画となるのオリジナル動画の作品名や上映時間、年齢制限などの各種動画情報を取り出すことができる。
コンテンツ情報検索部226は、オリジナル動画の検索および分割された主従各動画ファイルのファイル情報検索を実行する実行部であり、動画配信エンジン230およびCM配信エンジン240からの要求に応じて、動画ファイル情報格納部224に格納された動画ファイル情報と、主動画ファイル情報格納部225に格納された情報(特にデコード情報)をそれぞれ検索して動画配信エンジン230およびCM配信エンジン240に送り届ける。
分割ログ管理部227は、本発明の動画分割システムを使用した際に、その使用内容(例えば分割状況や分割したユーザ名など)やアクセス履歴などが記載された履歴(ログ)ファイルを格納する格納部であり、内部が階層的に構築されている。この分割ログ管理部227は、上述したユーザ認証エンジン210と協働して各ファイルに保管されている動画ファイルやユーザ情報を管理するために用いられる。
次に、動画配信エンジン230は、上記動画分割エンジン220によって分割された動画ファイルのうち、ファイル容量の小さい従動画ファイル(smallファイル)を格納する従動画ファイル格納部231と、従動画ファイルのファイル情報を格納する従動画ファイル情報格納部233と、ユーザ端末などからの要求に応じて、従動画ファイル格納部231内に格納された従動画ファイルおよびそのファイル情報を検索する従動画ファイル情報検索部234と、従動画ファイルを配信するために必要なCM動画ファイルのファイル情報を検索するCM情報検索部235と、配信要求を受け、CM動画のデータを元に従動画ファイルを暗号化する暗号処理部236と、動画配信エンジン230の配信ログやアクセスログなどを管理する配信ログ管理部237とを備えている。
従動画ファイル格納部231は、動画分割部222によって分割された従動画ファイルを多数格納するものであり、多数の従動画ファイルを保管できるように十分な記憶領域を有している。
従動画ファイル格納部231に保存される従動画ファイルには、それぞれファイル名などが付与され、動画の内容などに応じて従動画ファイル格納部231内に階層的に保管されている。従動画ファイル格納部231は情報伝達路を介して、動画分割エンジン220とCM配信エンジン240とに接続されている。
従動画ファイル情報格納部232は、情報伝達路を介して動画分割エンジン220に接続され、動画分割エンジン220によって生成された従動画ファイルの分割情報や相手方の主動画ファイルのファイル名、さらにはこれら各動画ファイルをデコードするために必要なデコード情報を格納するものであり、十分な記録領域を備えている。
ファイル情報検索部233は、従動画ファイル格納部231や従動画ファイル情報格納部232と協働して、認証エンジン210などからの配信要求に応じて、従動画ファイルを検索する検索部であり、検索に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。
CM情報検索部234は、従動画ファイルの配信を受け付けた際に、従動画ファイルとともに配信するCM動画(もしくはCM画像)をCM配信エンジン240から検索して、動画配信エンジン230内に取り込むための検索部であり、検索するに必要な十分な記憶領域とメモリとを備えている。
ユーザ情報検索部235は、動画配信要求を受け、認証エンジン210内に格納された配信先のユーザ情報を呼び出し、そのユーザ情報に基づいてユーザに最適なCM動画を配信するためのCM配信情報を検索する検索部であり、検索するに必要な十分な記憶領域とメモリとを備えている。
暗号化処理部236は、ユーザ端末などからの配信要求を受け、CM配信エンジン240からCM動画(もしくは画像)を受け取り、そのCM動画のデータを元に配信要求元の従動画ファイルを暗号化する演算部であり、暗号化するに十分な記録領域とメモリを備えている。
配信ログ管理部237は、本発明の動画分割システムを使用した際に、その使用内容(例えば配信状況や配信した従動画ファイルやCMファイルなど)やアクセス履歴などが記載された履歴(ログ)ファイルを格納する格納部であり、内部が階層的に構築されている。この配信ログ管理部237は、上述したユーザ認証エンジン210と協働して各ファイルに保管されている動画ファイルやユーザ情報を管理するために用いられる。
CM配信エンジン240は、スポンサーから配信されたCM動画を格納するCM動画格納部241と、同じくスポンサーから配信されたCM画像を格納するCM画像格納部242と、CM動画やCM画像の内容、時間、配信希望条件や著作権情報などを格納するCM情報格納部243とを備えている。
CM動画格納部241は、複数のスポンサーから配信された多数のCM動画を格納するため十分な記録領域を有しており、その内部は各スポンサー毎に階層化されており、さらにその内部もCM内容によって階層化されている。この実施形態において、CM動画は、動画ファイルと同じMPEG形式の動画像が格納されているが、これ以外の動画フォーマットであってもよい。
CM画像格納部242も同じく、複数のスポンサーから配信された多数のCM画像を格納するため十分な記録領域を有しており、その内部は各スポンサー毎に階層化されており、さらにその内部もCM内容によって階層化されている。
この実施形態において、CM画像は、例えば所定の大きさのJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やBMP(Bitmap)形式の画像が格納されているが、これ以外の画像フォーマットであってもよい。
CM配信エンジン240には、CMファイルの配信情報を管理するCM管理エンジン250が設けられている。CM管理エンジン250は、主従いずれか一方および/または両方の動画ファイルの配信回数をカウントするカウント部251と、動画ファイルと共に配信されるCMファイルの配信履歴を管理するCM配信管理部252と、CMファイルの配信回数と配信履歴に応じてCMファイルの配信情報を演算するCM情報作成部253とを備えている。
カウント部251は、動画配信エンジン230で受けた動画配信要求に応じて配信された各動画ファイルと、動画ファイルに添付されたCMファイルの配信回数を個別にカウントし、各カウント数を個別に保存しておくため、内部が動画ファイルおよびCMファイル毎に階層化されている。なお、動画ファイルのカウントは、主動画ファイルまたは従動画ファイルのいずれか一方または両方がその対象となる。
CM配信管理部252は、ユーザ端末5に向けて配信された動画ファイルに添付されたCMファイルのファイル情報およびそのカウント数を管理する管理システムであり、その内部はCMファイル毎に階層化され、CMファイルの配信履歴管理を担っている。
CM情報作成部253は、上記カウント部251および上記CM配信管理部252と協働して、CMファイルの配信履歴および、そのCMファイルのスポンサー情報ファイル213を参照して、CMファイルの配信状況、配信回数、広告費用などを算出するとともに、各種情報をサービス提供者サーバ2およびスポンサーサーバ3に配信するCM管理システムである。
このCM管理エンジン250によれば、ユーザ端末から配信要求を受けると、カウント部251によって配信と同時に画像コンテンツの配信回数がカウントされ、さらにそのカウント数と添付されたCMファイルの配信履歴からCM情報生成部253はCM配信情報を作成し、動画コンテンツ提供者サーバ2および/またはスポンサーサーバ3にその配信状況を通知する。ここで言う配信情報とは、CM配信回数や配信対象のほか、CM配信に伴うCM広告料金などが含まれる。
配信方法は、一定カウント数毎に通知することも可能であるし、一定期間毎に配信カウント数をまとめて通知することも可能である。また、その際にCM配信による広告収入や配信手数料金などを同時に算出して通知することもできる。
この実施形態において、サービス提供者サーバ2は、ユーザ認証エンジン210、動画分割エンジン220、動画配信エンジン230およびCM配信エンジン240とを備えているが、これらは本発明の動画配信システムを構築するために最低限必要な構成であり、これ以外に本発明の動画を再生するための再生ソフト(再生手段)をユーザ端末に配信する再生手段配信エンジンなどをさらに設けてもよく、上述した構成を備えるものであれば、その他の付加的な設備は任意に選択可能である。
次に図3を参照して、スポンサーサーバ3の構成について説明する。スポンサーサーバ3は、インターネット回線1に接続されるWWWサーバ21と、CM動画のオリジナル動画を格納するCM動画格納部32と、CM画像のオリジナル画像を格納するCM画像格納部33と、CM動画またはCM画像の動画情報(画像情報)を格納するCM情報格納部34と、スポンサーサーバ3からのCM動画またはCM画像の配信ログを管理する配信情報管理部35とを備えている。
この実施形態において、CM動画格納部32、CM画像格納部33、CM情報格納部34および配信情報管理部35は、実際にはWWWサーバ31内に格納されており、それらは情報伝達路を介して互いに接続され、それぞれが保有する情報の授受が可能となっている。
CM動画格納部32は、スポンサーが作製したオリジナルのCM動画が多数格納できるよう十分な記録領域を備え、各CM動画の内容毎に内部が階層化されている。この実施形態において、CM動画格納部32には動画ファイルと同じMPEG形式の動画ファイルとして保管されているが、これ以外の動画フォーマットであってもよい。
CM画像格納部33も同じく、スポンサーが作製した多数のオリジナルCM画像を格納するため十分な記録領域を有しており、その内部は各CM動画毎に階層化されている。この実施形態において、CM画像は、例えば所定の大きさのJPEG形式やBMP形式の画像が格納されているが、これ以外の画像フォーマットであってもよい。
この実施形態において、CM動画とCM画像はWWWサーバ31によりネットワーク回線1を介してサービス提供者サーバ2に配信されるようになっているが、例えばCD−ROMドライブなどの外出出力機器をさらに設けて、CM動画やCM画像を物理媒体にコピーして頒布するようにしてもよい。
CM情報格納部34は、CM動画やCM画像のファイル情報や動画情報などを多数格納できるよう十分な記録領域を有し、各情報が、CM動画格納部32やCM画像格納部33と同様に階層化されている。このCM情報格納部34は、CM動画(もしくは画像)の配信要求に応じて、CM動画(CM画像)とともに配信先端末へと送られる。
配信情報管理部35は、スポンサーサーバ3からのCM配信履歴や、サービス提供者サーバ2から送られてきたCMの使用内容(例えばCM配信回数や配信条件、広告費用など)などを管理する管理部であり、内部がCMファイル毎に階層的に構築されている。この配信情報管理部35は、サービス提供者サーバ2と協働してCMの配信状況を把握するために用いられる。
この実施形態において、スポンサーサーバ3は、WWWサーバ21内にCM動画格納部32、CM画像格納部33、CM情報格納部34および配信情報管理部35とを備えているが、これらは本発明の動画配信システムを構築するのに必要最低限な構成であり、これ以外にCM動画や画像を作り出すCM作製エンジンなどを別途設けて一体化してもよい。また、WWWサーバ21外に設けてもよい。
次に、図4を参照して、コンテンツ提供者サーバ4の具体的な構成について説明する。コンテンツ提供者サーバ4は、インターネット回線1に接続されるWWWサーバ41と、コンテンツ提供者サーバ4に対する接続要求を受け付け、その接続要求に対しての認証を実行するユーザ認証エンジン42と、動画像のオリジナルコンテンツを格納する動画ファイル格納部43と、サービス提供者サーバ2で分割された動画ファイルのうち、主動画ファイル(mainファイル)を格納する主動画ファイル格納部44と、ユーザ端末に配信可能な動画ファイルの走り出し部分を抜粋したサムネイル動画(もしくはサムネイル画像)を格納するサムネイル動画格納部45と、オリジナル動画の作品名や時間などの動画情報を格納する動画ファイル情報格納部46と、主動画ファイルのファイル情報に加え、相手方の従動画ファイル情報などを格納する主動画ファイル情報格納部47と、動画ファイルの配信要求を受け、要求された動画ファイルとそのファイル情報を主動画ファイル格納部44および主動画ファイル情報格納部47内から検索して要求先に配信するファイル情報検索部48と、主動画ファイルの配信履歴などを管理する配信ログ管理部49とを備えており、それらは互いに情報伝達路を介して接続されている。
ここで、WWWサーバ41、ユーザ認証エンジン42、動画ファイル格納部43、主動画ファイル44、動画ファイル情報格納部46および主動画ファイル情報格納部47は、上述したサービス提供者サーバ2のものと基本的に同じ構成であってよため、その説明は省略する。
サムネイル動画格納部45は、サムネイル動画(もしくはサムネイル画像)を多数保管できるよう十分な記録領域を有し、ユーザからの配信要求に応じて、各サムネイル動画や画像をユーザー端末に配信する。この実施形態において、サムネイル動画(画像)は、MPEG形式やJPEG形式などで保管され、ユーザ端末で表示可能なHTML形式に乗せて配信される。
ファイル情報検索部48は、動画の配信要求を受け、要求元の主動画ファイルとそのファイル情報を検索する検索部であるとともに、検索した動画ファイルとファイル情報を要求先に配信する配信部も兼ねており、検索および配信に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。このファイル情報検索部48は、配信ログ管理部49にその配信ログを配信する。
配信ログ管理部49は、ユーザ端末への配信履歴や、サービス提供者サーバ2から送られてきた主動画ファイルの配信内容(例えばファイル名や分割状態など)などを管理する管理部であり、内部が各ファイル毎に階層的に構築されている。この配信情報管理部35は、ユーザ認証部42と協働して動画ファイルの配信状況を把握するために用いられる。
この実施形態において、ユーザ認証エンジン42、動画ファイル格納部43、主動画ファイル格納部44、サムネイル動画格納部45、動画ファイル情報格納部46、主動画ファイル情報格納部47、ファイル情報検索部48および配信ログ管理部49は、本発明の動画配信システムを構築するに最小限のシステムであるが、これ以外に付加的なシステムをさらに追加してもよい。また、これらは全てWWWサーバ41内に構築されているが、WWWサーバ41外に独立して構築してもよい。
次に、図5を参照してユーザ端末5の構成について説明する。ユーザ端末5は、内部に記憶部としてハードディスク52を有する端末本体51と、同端末本体51に入力信号を入力する入力部としてのキーボード52と、端末本体51からの出力信号を表示する出力部としてのモニタ53とを備えた、いわゆるパーソナルコンピュータである。
なお、端末本体51内には、入力信号を所定の処理ステップに沿って処理する演算部と、これらシステム全体を制御する制御部(ともに図示しない)とが設けられている。
端末本体51のハードディスク52内には、配信された主従の各動画ファイル同士をデコードし、CM動画とともに再生する動画再生ソフト54と、インターネット回線1によって配信された例えばHTML形式のファイルをモニタ53に表示させるブラウザ55と、コンテンツ提供者サーバ2から提供された主動画ファイル561およびそのファイル情報562を格納する動画ファイル格納部56とを備えている。
なお、端末本体51のハードディスク52内には、ユーザ端末5自体を制御するとともに、各ソフトやシステムを制御するOSがインストールされている。なお、OSの種類は、仕様に応じて任意に変更可能であり、本発明では特に限定されない。
再生ソフト54は、デコードした各動画ファイル(CM動画を含む)をモニタ53上に再生表示する動画再生部541と、主動画ファイルの再生要求を受け、サービス提供者サーバ2からこれと合致する従動画ファイルをCM動画とともに配信を受け、再生可能な動画ファイルにデコードするデコーダ542と、ユーザの各種個人情報を格納するユーザ情報格納部543とを備えている。
動画再生部541は、入力された動画ファイルを所定の処理ステップに沿って演算処理する演算部であり、演算に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。動画再生部541に入力された動画ファイルは、所定の演算処理を経てビデオ信号に変換され、端末本体51内に格納された図示しない出力部を経てモニタ53に表示される。
デコーダ542は、主動画ファイルと従動画ファイルとを所定のデコード情報を元にデコード処理(復号化処理)する演算部であり、演算処理に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。このデコーダ542は、動画再生部541と協働して、CM動画の再生を確認した上で、CM動画内に格納されているデコード情報を抽出し、このデコード情報を元に主動画ファイルおよび従動画ファイルを再生可能な動画像に復元する。
デコーダ542は、主動画ファイルを従動画ファイルをデコードするとともに、CM動画によって暗号化された従動画ファイルを複合化する複合化処理も兼ねる。すなわち、デコーダ542は、CM動画と従動画ファイルを受信し、その排他的論理和(XOR)を用いてデータを再び正常なCM動画と従動画ファイルとに複合化する。この複合化された従動画ファイルを主動画ファイルとデコードすることにより、再生することができる。
ユーザ情報格納部543は、ユーザの各種情報、例えばメールアドレスや年齢、名前など個人情報が格納されているとともに、初期登録時に配信を望むCM動画の種別などの情報も併せて格納されている。
これによれば、個人情報がユーザ端末5内に格納されていることにより、個人情報の管理をユーザ端末5側で行うことができ、要求に応じて個人情報を配信先サーバに配信するため、第三者への個人情報の流出を防止することができる。
ブラウザ55は、ユーザー端末5がインターネット回線1を介して接続する相手先のホームページを表示するために必要な閲覧ソフトであり、相手先端末から送信されたHTML形式の表示データをデコードして、ユーザ端末5のモニタ53に表示する。
動画ファイル格納部56は、主動画ファイルを格納する主動画ファイル格納部561と、主動画ファイルの属性情報などが記載されたファイル情報を格納する主動画ファイル情報格納部562とを備えている。
主動画ファイル格納部561は、多数の主動画ファイルを格納できるように十分な記録領域を有し、それらが階層的に保管されている。主動画ファイル情報格納部562も、多数の主動画ファイル情報を格納するため十分な記録領域を有し、それらが階層的に保管されている。
この実施形態において、動画ファイル格納部56は、ユーザ端末5内のハードディスク領域内に構築されたものからなるが、例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの物理媒体によって配布されたもの中に格納されていてもよく、主動画ファイルとそのファイル情報を格納可能なものであれば、その形態は任意である。
本発明には、動画ファイルを分割するための動画分割システムおよびそのプログラムも含まれる。この動画分割システム(プログラム)は、サービス提供者サーバ2の動画配信エンジン221内に格納された動画分割部222に格納されている。
動画分割部222の基本的な構成は、入力された動画像をMPEG形式の動画像に圧縮する動画圧縮エンジンであるが、その一部に本発明の分割システムを組み込むことにより、動画を圧縮しながら時間軸に沿って各フレームを主従2つの再生不能な動画に分割する。
動画分割手段222は、動画像を各フレーム毎に取り込み、各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段(フレーム分割ステップ)と、第1フレームを下位7位ビットと最上位ビットとに分割するビット分割手段(ビット分割ステップ)と、第2フレームを、その第2フレーム情報のみで構成される第1コードと、第2フレーム情報と1つ前の上記第2フレームのフレーム情報とから構成される第2コードとに分けるコード分割手段(コード分割ステップ)と、第1コードを離散コサイン変換し、そのAC係数とDC係数とをそれぞれ抽出する係数抽出部(係数抽出ステップ)と、第2コード、AC係数および上記第1フレームの下位7ビットを組み合わせて主動画ファイルを構築し、DC係数および第1フレームの最上位ビットを組み合わせて従動画ファイルを構築する動画ファイル構築手段(動画ファイル構築ステップ)とを有している。
この動画分割システムは所定の演算ステップを経て実行される。図6にその演算ステップの一例を示す。まず、動画分割エンジン220が動画分割要求を受けると、動画分割エンジン220は、内部の動画ファイル格納部221から指定された動画ファイルを呼び出し、その動画のフレームを取り込む(ステップST101)。
次に、取り込まれたフレームのRGB情報を抽出し(ステップST102)、RGBで読み込んだフレームをG成分を基準とした輝度情報(Y)、R成分とY成分の色差情報(C)、B成分とY成分の色差情報を(C)に置き換える(ステップST103)。
上記YCC変換したフレームから輝度情報Yと、B成分の色差情報Cbと、R成分の色差情報Cr情報をそれぞれ抽出し(ステップST104)、視覚上認識できない色の情報をある程度圧縮し、容量を初期の約四分の一程度にまでダウンサンプリング(圧縮)する(ステップST105)。
ステップST105によってダウンサンプリングされたフレームをそのフレームの時間軸に沿った直前フレームと比較して、その最小二乗誤差を取得し(ステップST106)、フレーム内の情報のみからなるI−Frame(第1フレーム)と、直前フレームとの最小二乗誤差によって取得された情報からなるP−Frame(第2フレーム)とに分割する。なお、前後のフレーム情報を対象とするB−Frameを有するような場合においても、P−Frameと同様に分割処理する対象としてもよい。
なお、一番最初に取り込まれたフレーム(先頭フレーム)は、直前フレームの情報がないため、全てI−Frameとなる。この実施形態において、I−FrameおよびP−Frameは、それぞれ8ビット列のデータである。
分割された各フレームのうち、I−Frameは、まず、そのI−Frameヘッダが主動画ファイルに追加され(ステップST107)、そのフレーム情報を下位7ビットと最上位ビットとに分ける(ステップST108)。
ステップST108によって分けられた下位7ビットは、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)によって量子化され(ステップST109)、その各ブロックごとのDCT係数が量子化テーブルでさらに量子化され(ステップST110)、さらに量子化した各ブロックを符号表に基づきエントロピー符号化する(ステップST111)。これにより符号化されたものが主動画ファイルの一部となる。
他方の最上位ビットは、行単位で可逆圧縮される。まず、1行目がランレングス法によって圧縮・符号化され、残りの2行目以降がREADにより圧縮・符号化されたものが従動画ファイルの一部となる(ステップST112)。
分割された各フレームのうち、P−Frameは、まず、そのI−Frameヘッダを主動画ファイルに追加し(ステップST113)する。
次に、マクロブロックに分解され(ステップST114)、そのマクロブロックを時間軸に沿った直前フレームのマクロブロックと比較して、モーションベクトル(フレーム間の動きの変化量)を検索し(ステップST115)、フレーム内の情報のみからなるI(Intra)−Code(第1コード)と、直前フレームとのモーションベクトルによって取得された情報からなるP(Predictive)−Code(第2コード)とに分割する。
ステップST115によって分割された各コードのうち、I−Codeは、まず、そのヘッダが主動画ファイルに追加され(ステップST116)、各ブロック毎に離散コサイン変換によって量子化され(ステップST117)、その各ブロックのAC係数とDC係数をそれぞれ抽出する(ステップST118)。
一方のAC係数は、一旦行列の中間符号に置き換えられ、さらにランレングス法によって符号化される(ステップST119)。これにより符号化されたものが、主動画ファイルの一部となる。他方のDC係数は、符号表に基づきエントロピー符号化され(ステップST120)、これにより符号化されたものが、従動画ファイルの一部となる。
ステップST115によって分割された各コードのうち、P−Codeは、まず、そのヘッダ情報が主動画ファイルに追加され(ステップST121)、各ブロック毎に離散コサイン変換によって量子化され(ステップST122)、さらに量子化されたDCT係数は量子化テーブルで各ブロック毎に量子化される(ステップST123)。最後に量子化された各ブロックを符号表に基づきエントロピー符号化したものを主動画ファイルの一部とする(ステップST124)。
上記の分割方法では、動画フレームを圧縮しながら分割処理しているが、これ以外に既に圧縮された動画を分割する方法として次のような態様もある。すなわち、この動画分割手段222は、動画像を各フレーム毎に取り込み、各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段(フレーム分割ステップ)と、第1フレームからブロックを抽出する第1ブロック抽出手段(第1ブロック抽出ステップ)と、第1ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第1係数抽出部(第1係数抽出ステップ)と、第2フレームからブロックを抽出する第2ブロック抽出手段(第2ブロック抽出ステップ)と、第2ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第2係数抽出部(第2係数抽出ステップ)と、各係数抽出部から抽出された1フレーム前のDC係数を排他的論理和(XOR)処理して、そのビット数の一部をフィルタ係数として取り出すフィルタ処理部(フィルタ処理ステップ)と、第1係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第1ファイル構築部(第1ファイル構築ステップ)と、第2係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第2ファイル構築部(第2ファイル構築ステップ)とを備えている。
この例においても動画分割システムは所定の演算ステップを経て実行される。図にその演算ステップの一例を示す。まず、動画分割エンジン220が動画分割要求を受けると、動画分割エンジン220は、内部の動画ファイル格納部221から指定された動画ファイルを呼び出し、その動画のフレームを取り込む(ステップST401)。
次に、ステップST401によってサンプリングされたフレームをそのフレーム内の情報のみからなるI−Frame(第1フレーム)と、直前フレームとの最小二乗誤差によって取得された情報からなるP−Frame(第2フレーム)とに分割する。なお、前後のフレーム情報を対象とするB−Frameを有するような場合においても、P−Frameと同様に分割処理する対象としてもよい。
分割された各フレームのうち、I−Frameは、まず、第1フレーム抽出手段によってフレームを構成するブロックが抽出される(ステップST402)。次にステップST402にて抽出されたブロックからDC係数を取り出し、これを従動画ファイルの一部とする(ステップST403)。
残ったAC係数は、フィルタ処理部によって生成されたフィルタ係数とともに排他的論理和(XOR)処理された後、主動画ファイルの一部として保存される(ステップST404)。なお、DC係数とAC係数以外の例えばスケールファクタなどのブロック構成要素は、AC係数とともに主動画ファイルに保存される。
動画分割手段222はI−Frameから取り出されたブロックが残っている場合には、再度ステップST402から一連の作業を繰り返して、フレーム内の全てのブロックについて分割処理を実行する(ステップST405)。
他方、P−Frameは、まず、第2フレーム抽出手段によってフレームを構成するブロックが抽出される(ステップST406)。次に、抽出されたブロックがIntra−Codeブロック(イントラコードブロック)の場合には、次のステップにそのまま進み。Inter−Codeブロック(インターコードブロック)の場合には、以後の処理ステップを飛ばして、Intra−Codeブロック(イントラコードブロック)が現れるまで繰り返す(ステップST407)。
これは、すなわち、Inter−Codeブロック(インターコードブロック)はIntra−Codeブロック(イントラコードブロック)を参照して生成されるため、イントラコードブロックを分割してInter−Codeブロック(インターコードブロック)を分割すると二度手間になり、処理速度が低下するおそれがあるためである。
次にステップST407によって抽出されたIntra−CodeブロックからDC係数を取り出し、これを従動画ファイルの一部として保存する(ステップST408)。
残ったAC係数は、フィルタ処理部によって生成されたフィルタ係数とともに排他的論理和(XOR)処理された後、主動画ファイルの一部として保存される(ステップST409)。なお、DC係数とAC係数以外の例えばスケールファクタなどのブロック構成要素は、AC係数とともに主動画ファイルに保存される。
次に、P−Frameから取り出されたブロックが残っている場合には、再度ステップST408から一連の作業を繰り返して、フレーム内の全てのブロックについて分割処理を実行する(ステップST410)。
P−FlameおよびI−Frameの全ブロックの処理が終了すると、動画分割手段222は、今まで処理した各ブロックの全DC係数を読み出し、それらについて排他的論理和(XOR)処理を行い、その下位8ビットを抽出して、それをフィルタ係数とし、次のフレームを分割処理する際に用いる(ステップST411)。なお、最初のフレームを処理する際は、直前フレームが無いためフィルタ係数は「0(ゼロ)」として処理される。
ここで、ステップST411にて全てのDC係数を処理する目的としては、DC係数はそれぞれの値が近似しており、処理速度に負荷がかかりにくいためである。また、全てのDC係数を排他的論理和(XOR)処理する目的としては、値が近似している分各フレーム毎のフィルタ係数が十分に異なるようにするためである。
フィルタ係数と算出した後、動画分割手段222は、次のフレームありと判断した場合には、再度ステップST401にてフレームを取り込み、1フレーム前で計算したフィルタ係数を元に分割処理を実行するとともに、全フレームを処理した時点で一連の分割処理を終了する。
これによれば、予め圧縮された動画を分割処理することができるため、圧縮処理と分割処理とを同時並行で実行するよりもさらに処理速度を向上することができる。また、Inter−Codeブロック(インターコードブロック)は未処理にことで二度手間を省き、より処理速度を早くすることができる。
次に、本発明の動画配信システムのサービス提供者サーバ2と、動画コンテンツ提供者サーバ4との間で行われる動画分割手順の一例を図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、動画コンテンツ提供者がブラウザを起動させて、サービス提供者側のホームページのアドレスを入力するなどしてホームページにアクセスすると、WWWサーバ21は、ホームページを表示するための情報や画像、それにアカウント情報の入力画面をHTML形式に乗せて送信し、受け取った動画コンテンツ提供者のディスプレイ(表示手段)上にホームページとアカウントIDおよびパスワードの入力画面が表示される(ステップST301)。
動画コンテンツ提供者は、この入力画面に予め取得してあるアカウントIDとパスワードを入力して送信指定を出すと、入力されたアカウントIDとパスワードがサービス提供者サーバのユーザ認証エンジン210に通知され、これを受けてユーザ認証エンジン210は、認証処理を行う(ステップST302)。
なお、以下の説明においては、ユーザ認証エンジン210によってアカウント情報がサービス提供者であると認証された場合について説明する。動画コンテンツ提供者のアカウント情報が無い、新規ユーザの場合には、上述した新規ユーザ登録部216によって新規ユーザ登録ステップが実行される。また、入力されたアカウント情報が間違っていると判断された場合には、認証エラー画面を動画コンテンツ提供者に送信する。
ユーザ認証エンジン210によって認証されると、サービス提供者サーバ2は、今までの利用履歴や既に分割処理した動画などの各種ユーザ情報が記載された利用者画面を動画コンテンツ提供者に送信する(ステップST303)。
利用者画面が表示された状態で、動画コンテンツ提供者は分割配信を要求する。分割配信供給を受けたサービス提供者サーバ2は、利用者の今までの分割配信履歴やその配信方法などを検索し(ステップST304)、配信履歴や配信方法などの各種配信条件が記載された配信条件入力画面を動画コンテンツ提供者に送信する。
動画コンテンツ提供者は、配信条件入力画面を表示し(ステップST305)、今回配信する予定の動画ファイル名やその配信方法を指定し、サービス提供者サーバ2に送信すると、サービス提供者サーバ2は、配信内容を再確認するとともに、配信許諾文が記載された画面を動画コンテンツ提供者に送信する。
ここで、配信条件の一例としては、分割後の主動画ファイルおよび従動画ファイルのファイル管理方法、すなわち、主動画ファイルは動画コンテンツ提供者が管理するか、主従両方の動画ファイルをサービス提供者に委ねるかなどや、従動画ファイルに添付するCM動画の種別や、著作権料の受け取り方などが挙げられる。
これを受けた動画コンテンツ提供者は、再確認画面を表示し(ステップST306)し、画面上に表示された分割配信の了承ボタンを押すことで、その了承信号がサービス提供者サーバ2に送信され、これを受けたサービス提供者サーバ2は、分割配信する動画ファイルのダウンロードを要求する。
ダウンロード要求を受けた動画コンテンツ提供者サーバ4は、WWWサーバ41内の動画ファイル格納部43と動画ファイル情報格納部44を検索して該当する動画ファイルを呼び出し(ステップST307)、動画ファイル情報とともにサービス提供者サーバ2に送信する。併せて、動画コンテンツ提供者サーバ4は、その配信履歴を配信ログ管理部49に保存する。
この実施形態において、動画コンテンツ提供者は、分割配信する予定の動画ファイルをサービス提供者サーバ2に対してインターネット回線1を介してオンラインで配信するようにしているが、DVD−ROMなどの物理媒体で配信してもよい。
動画ファイルを受け取ったサービス提供者サーバ2は、まず、その動画ファイルとファイル情報のバックアップをそれぞれファイル名を付けて動画分割エンジン220の動画ファイル格納部221と、動画ファイル情報格納部222に互いにリンクを張った状態で格納する(ステップST308)。
次に、サービス提供者サーバ2は動画ファイルを動画分割エンジン220に配信して、これを受けた動画分割エンジン20は、内蔵する動画分割部222にて上述した図6の各ステップに基づき動画ファイルを主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する(ステップST309)。
分割処理された主動画ファイルおよび従動画ファイルは、それぞれそのファイル情報が新たに加えられ、主動画ファイルは、動画分割エンジンの主動画ファイル格納部223に格納され、従動画ファイルは動画配信エンジン230内の従動画ファイル格納部231にそれぞれ保管される(ステップST310)。併せて、そのファイル情報も主動画ファイル情報格納部224と、従動画ファイル情報部232に送られて保管される。
動画分割エンジン220は、生成された主動画ファイルをその主動画ファイル情報を添付して、動画コンテンツ提供者に送信する。最後に、動画ファイルの分割履歴を分割ログ管理部228に送信して、分割ログを管理する。以上により、一連の動画分割ステップが完了する。
この実施形態において、生成された主動画ファイルは動画コンテンツ提供者にインターネット回線1を介してオンライン配信されるが、よりセキュリティー性を挙げるため、例えば電子メールなど添付して配信してもよいし、オンラインではなく、DVD−ROMなどの物理媒体を介してオフラインで配信してもよい。
次に、本発明の動画配信システムのサービス提供者サーバ2とスポンサーサーバ3との間で行われるCM配信手順の一例を図8のフローチャートを参照して説明する。なお、利用者画面に至るまでのステップは、上述した動画コンテンツ提供者の場合とほぼ同様であるため、簡略して説明する。
まず、スポンサーがブラウザを起動させて、サービス提供者側のホームページにアクセスすると、WWWサーバ21は、ホームページを送信し、スポンサーのディスプレイ上にホームページを表示する(ステップST320)。
次に、スポンサーは、入力画面にアカウントIDとパスワードを入力して送信すると、これを受けたユーザ認証エンジン210が認証処理を行い(ステップST321)、認証されると、サービス提供者サーバ2は、今までの利用履歴や既存のCM情報などの各種ユーザ情報が記載された利用者画面をスポンサーに送信する。
利用者画面からスポンサーがCM配信要求を出すと、サービス提供者サーバ2は、利用者の今までの配信履歴やその配信条件などを検索し(ステップST323)、それら各種配信条件が記載された配信条件入力画面をスポンサー側に送信する。
スポンサー側には、配信条件入力画面が表示され(ステップST324)、配信予定のCM動画ファイル名やその配信方法を指定してサービス提供者サーバ2に送信する。これを受けて、サービス提供者サーバ2は、CM配信内容を再確認し、配信許諾文が記載された画面をスポンサーに送信する。CM配信条件の一例としては、希望する動画コンテンツの種類やCM動画の配信先(ユーザ)の性別や年代などが挙げられる。
スポンサーサーバ3は、再確認画面をモニタ上に表示し(ステップST306)し、配信内容を再確認した上で、今回のCM配信にかかる費用の見積もりを要求する。見積もり要求を受け、サービス提供者サーバ2は、配信条件などに基づいて所定の見積もりステップを行い(ステップST326)、その見積もり画面をスポンサーサーバ3に送信する。
スポンサーサーバ3は、配信された見積もり画面を表示し(ステップST327)、提示した広告料金でよければ、画面上に表示された配信了承ボタンを押すことで、その了承信号がサービス提供者サーバ2に送信され(ステップST828)、その受託情報を例えばユーザ認証エンジン210のスポンサー情報格納部213に保存する(ステップST829)。
広告料金が妥当でないと判断した場合には、再度ステップST324に戻りCM動画の配信条件や配信方法などを設定し直して、新しく見積もりを取る。
サービス提供者サーバ2は、配信するCM動画ファイルのダウンロードを要求する。ダウンロード要求を受けたスポンサーサーバ3は、まず、次に、WWWサーバ31内のCM動画格納部32とCM情報格納部34を検索して該当するCM動画ファイルを呼び出し(ステップST330)、動画ファイル情報とともにサービス提供者サーバ2に送信する。併せて、スポンサーサーバ3は、その配信履歴を配信情報管理部35に保存する。
この実施形態において、スポンサーは、配信するCM動画ファイルをサービス提供者サーバ2に対してインターネット回線1を介してオンラインで配信するようにしているが、DVD−ROMなどの物理媒体で配信してもよい。
CM動画を受け取ったサービス提供者サーバ2は、まず、そのCM動画ファイルとCMファイル情報のバックアップをそれぞれファイル名を付けてCM配信エンジン240のCM動画格納部241と、CM動画情報格納部243に互いにリンクを張った状態で格納する(ステップST331)。最後に、CM動画の受託情報をスポンサーサーバ3に送信する。送信方法としては、ホームページ上で行ってもよいし、電子メールで送信するなどしてもよい。
次に、本発明の動画配信システムのサービス提供者サーバ2、動画コンテンツ提供者サーバ4、ユーザー端末5との間で行われる動画配信手順の一例を図9のフローチャートを参照して説明する。
まず、ユーザ端末5が動画コンテンツ提供者のホームページにアクセスすると、動画コンテンツ提供者サーバ3は、内蔵するWWWサーバ31からホームページ画面を送信し、ユーザ端末5のモニタ上にホームページが表示される(ステップST340)。
ユーザはさらに、ホームページを見て、配信可能な動画が記載された画面を要求する。これを受け、動画コンテンツ提供者サーバ3は、ファイル情報検索部48に指令を出し、配信可能な動画コンテンツを検索し(ステップST341)、配信一覧をサムネイル形式で表示した画面をユーザ端末4に配信する。
このとき、配信可能な動画画面を送信する前に、動画コンテンツ提供者サーバ3は、ユーザ認証エンジン42を駆動して、ユーザの認証を実行するようにしてもよい。その具体的な認証方法に関しては、上述したものと同様のものが用いられる。
端末5上に表示されたサムネイル画面を見て、ユーザは、閲覧したい動画の配信要求を動画コンテンツ提供者サーバ3に出す(ステップST342)。配信要求を受けた動画コンテンツ提供者サーバ3は、再度ファイル情報検索部48に指令を出し、主動画ファイル格納部44と主動画ファイル情報格納部47から配信要求が出された動画元の主動画ファイルとそのファイル情報を検索し(ステップST343)、該当する主動画ファイルの存在を確信した上で呼び出し(ステップST344)、ユーザ端末5に配信する。
併せて、動画コンテンツ提供者サーバ3は、今回配信した主動画ファイルの配信履歴や配信先ユーザの情報などを配信ログ管理部に保存する(ステップST345)。さらに、別の動画の配信要求がある場合には、ステップST341に戻り、別の動画を検索してユーザ端末5に配信する。要求がない場合は、動画コンテンツ提供者サーバ3の配信ステップは、終了する。
ユーザ端末5は、配信された主動画ファイルとファイル情報をハードディスク52内の主動画ファイル格納部561と主動画ファイル情報格納部562とにそれぞれファイル名を付けて保存する(ステップST347)。
次に、ユーザは、画面上に表示された主動画ファイルのアイコンをマウスでクリック(もしくはダブルクリック)することにより、主動画ファイルの情報が端末5内部の演算部によって起動される(ステップST348)。主動画ファイルが起動されると、そのファイル内に格納されている再生ソフト情報に基づき、演算部は、再生ソフト54がインストールされているかどうかハードディスク52内を検索する(ステップST349)。
演算部によって再生ソフト54のインストールなしと判断された場合、図10に示すように、まず、ファイル情報に記載されたネットワーク情報を元にユーザ端末5のブラウザ55が自動的に起動し(ステップST380)、そのネットワーク情報に記載されたホームページ(この実施形態では、サービス提供者サーバ2)にアクセスし、サービス提供者サーバ2より送信された再生ソフトのダウンロードホームページ画面を表示する(ステップST381)。
ユーザは、ホームページに表示された内容に沿って再生ソフトのダウンロード要求を出すと、サービス提供者サーバ2は、図示しない再生ソフト格納部から再生ソフトを呼び出し(ステップST382)、ユーザ端末5に送信する。
再生ソフト54をダウンロードしたユーザ端末5は、その再生ソフト54をハードディスク52内に保存する。この実施形態において、再生ソフト54は、ダウンロードされた時点ですぐに起動可能な状態のものが配信されるが、部とインストール作業を必要とするタイプのファイルであってもよく、再生ソフト54の配信形態については任意である。
次に、ユーザ端末5は保存された再生ソフト54を起動する(ステップST385)。起動指令を受けた再生ソフト54は、一旦内容を初期化し、自己の保有するユーザ情報格納部543にアクセスしてユーザ情報を取り出す(ステップST386)。そこで、ユーザ情報ありと判断された場合、すなわち、再生ソフト54を再インストールした場合には図9のステップST349に戻り、動画配信準備を整える。
ユーザ情報なし、すなわち新規ユーザと判断した場合には、新規ユーザ登録ステップに移行する。新規ユーザ登録ステップは、まず、画面上に表示された記入欄に沿ってユーザ情報を埋めてゆき、最後に登録完了ボタンを押す。これにより、新規ユーザ情報が再生ソフト54内のユーザ情報格納部543内に格納される(ステップST388)。
再生ソフト54は、ユーザ登録が完了されたことを確認すると、その登録完了通知をサービス提供者サーバ2のユーザ認証エンジン210に送信する。登録完了通知を受け、ユーザ認証エンジン210は、新規ユーザ登録部216に指令を出し、アカウント情報格納部217を検索して新しいアカウントIDとパスワードを発行し(ステップST390)、ユーザ認証エンジン210を介して再生ソフト54に送信する。
ユーザ認証エンジン210は、発行したアカウント情報をアカウント情報格納部217に格納し、その配信ログをアクセスログ管理部218に保存する。これにより、サービス提供者サーバ2の再生ソフト配信ステップが完了する。なお、アカウント情報の配信は、再生ソフト上でオンデマンド形式で行ってもよいし、ユーザ情報に記載したメールアドレスに送信するなどしてもよい。
アカウント情報を受け取ったユーザは、再生ソフト内に設けられたアカウント情報入力部にアカウント情報を入力すると(ステップST392)、再生ソフトは、図示しないアカウント判定部を使って入力されたアカウント情報が有効かどうかを判定し、有効と判断した場合には、再生ソフトにかけられた使用制限を解除する(ステップST393)。無効であると判断した場合には、使用制限を継続する。なお、使用制限の一例としては、再生回数の制限や主動画ファイルの保存制限などが挙げられる。
使用制限が解除されると、再生ソフト54は、ユーザに配信を希望するCMの種類やジャンルなどの設定画面を表示し、これに添ってユーザは希望するCM情報を設定するとともに(ステップST395)、その設定条件をユーザ情報格納部543に保存する(ステップST396)。さらに、設定する条件がある場合には、再度ステップST394に戻り条件を設定する。設定無しと判断した場合には、一連のユーザ登録ステップを終了して、図9のステップST349に戻り、動画の配信準備を整える。
以下においては、演算部が再生ソフト54がハードディスク52内にインストールされていると判断した場合について説明を行う。再び図9を参照して、再生ソフト54がハードディスク52内にインストール済みと確認されると、演算部は自動的にその再生ソフト54を起動し、主動画ファイル情報を再生ソフト54に読み込ませる(ステップST350)。
再生ソフト4は、主動画ファイル情報を読み込むと、そのファイル情報内に組み込まれたサービス提供者サーバのネットワーク接続情報(例えばTCP/IPなど)や従動画ファイルのファイル情報を元に、サービス提供者サーバ2の動画配信エンジン230にアクセスし、再生要求の出た主動画ファイル情報を動画配信エンジン230に送信する。
動画配信エンジン230は、受信した主動画ファイル情報をファイル情報検索部233に送り、ファイル情報検索部233は、それに合致する従動画ファイルを従動画ファイル格納部231を検索し、併せて従動画ファイル情報格納部232も検索を行い、従動画ファイル情報も検索して、動画の配信準備を整える。
配信準備が整うと、動画配信エンジン230は、ユーザ端末5の再生ソフト54に向けてユーザ情報の送信要求を出す。これを受けて、再生ソフト54は、ユーザ情報格納部543からユーザ情報を動画配信エンジン230に送信する。
ユーザ情報を受け取った動画配信エンジン230は、そのユーザ情報とファイル情報をユーザ情報検索部235に送信し、受け取ったユーザ情報検索部235は、ユーザ情報に適したCM動画をCM配信エンジン230を使って検索するとともに、選択されたCM動画が動画ファイルに添付可能な内容のCM動画かどうかを判断する(ステップST352)。
配信可能なCM動画が見つかると、ユーザ情報検索部235はCM配信エンジン240に配信指令を出し、CM動画を動画配信エンジン230内に取り込む。同時に、CM配信エンジン240は、配信履歴をCM情報格納部243内に書き込む(ステップST353)。
また、ユーザ情報検索部235は、合致する従動画ファイルを従動画ファイル格納部231から呼び出す(ステップST354)。呼び出された従動画ファイルは、暗号化処理部236に配信され、そこでCM動画情報を元に暗号化処理される(ステップST355)。なお、CM動画は暗号化されず、常に再生可能な状態となっている。
この実施形態において、暗号化処理は、各ファイル同士を排他的論理和(XOR)処理によって符号化する。生成されたCMファイルと従動画ファイルは、動画配信エンジン230からユーザ端末5に配信される。配信作業を終えた動画配信エンジン230は、最後にCMファイルの配信履歴を配信ログ管理部237に保管し(ステップST356)、併せて従動画ファイルの配信履歴も配信ログ管理部237に保管し、一連の作業を終える。
従動画ファイルとCMファイルを受け取った再生ソフトは、まず、先に配信されてきたCM動画を再生ソフト541で再生して、ユーザ端末5のモニタ53に表示する(ステップST358)。
CM動画を再生しながら、同時に再生ソフト54は、CM情報と従動画ファイル情報をデコーダ542に送信し、CM動画のファイル情報を元に従動画ファイルを排他的論理和(XOR)によって復号する(ステップST359)。
CM動画の再生が終了すると、再生ソフト54は、主動画ファイルと従動画ファイルをデコーダ542に送信し、これを受けて、デコーダ542は主動画ファイルと従動画ファイルを再生可能な動画ファイルに復号する(ステップST360)。
再生ソフト54は、複合化された動画を順次再生部541に送り、これを受け動画再生部541は、動画像をストリーミング再生する(ステップST361)。再生ソフト54は、動画を再生し続け、所定の配信終了条件を満足した場合には、動画の再生を終えるとともに(ステップST362)、再度CM動画363を再生して、一連の動画再生ステップを終える。
他方において、終了条件を満たしていないと判断した場合には、ステップST359に戻り動画のストリーミング再生を続ける。終了条件の一例としては、動画の最終フレームを再生したかどうかなどが挙げられる。
なお、この実施形態において、動画の再生終了後に再生されるCM動画は、最初に再生されたCM動画を再再生するようにしているが、最初のCM動画とは異なるものをあとからストリーミング再生するようにしてもよい。
この実施形態において、主動画ファイルは、予めユーザ端末5に格納され、従動画ファイルをストリーミング配信しながらストリーミング再生するようにしているが、主従両方の動画ファイルを同時にストリーミング配信しながら、再生するようにしてもよい。
また、この実施形態では、主動画ファイルは動画コンテンツ提供者サーバ3内に格納され、その管理を動画コンテンツ提供者が行うようにしているが、主従両方の動画ファイルをサービス提供者サーバ2内に格納して、サービス提供者が動画を一括管理するようにしてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
次に、再生ソフト45のより具体的な構成について説明する。図11に示すように、再生ソフト54を起動すると、モニタ上には、再生ウインドウ60が表示される。再生ウインドウ60は、中央に動画を再生する表示部61を備え、表示部61の下には、動画の再生をコントロールするコントロール部62が設けられている。
この実施形態において、コントロール部62には、再生ボタン、停止ボタン、一時停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンおよび音量調節レバーが設けられている。
表示部61の隣には、表示中の動画に関する情報などが記載されるマルチウインドウ63が設けられている。マルチウインドウ63には、現在再生中の動画に関する情報(タイトルや著作権など)が表示されるとともに、CM動画再生中には、CM内容に関するホームページ先のリンクボタンなどが表示される。このようにマルチウインドウ63には、動画に関するあらゆる情報を表示することができる。
この実施形態において、再生ウインドウ60は、ユーザ端末5のモニタ53のデスクトップ上に独立して形成されたウインドウからなるが、本発明の動画配信プログラムを例えばWWWブラウザのプラグインとして、WWWブラウザ内に組み込むようにしてもよい。この場合、再生ウインドウ60は、ブラウザの表示ウインドウ内に表示される。このような態様も本発明に含まれる。
次に、図12を参照して動画の再生方法について説明する。この実施形態では2本の動画「動画1」、「動画2」と、3本のCM「CM1」、「CM2」、「CM3」を再生する場合について説明する。ユーザが「動画1」および「動画2」を無料で視聴するためには、必ずCMを視聴する必要がある。
そこで、通常の動画再生の流れとしては、図12(a)に示すように、まず最初に「CM1」を再生してから「動画1」を再生し、「動画1」の再生終了後には「CM2」が再生される。続けて、「CM2」の再生後に「動画2」が再生され、「動画2」の再生終了後、最後に「CM3」を再生して動画再生を終える。これにより、ユーザは動画の最初と最後で必ずCM動画を視聴しなくてはならない。
図12(b)に示すように、CM動画の再生中は、再生ウインドウ60のコントロール部62内の早送りボタンは操作不能になることが好ましい。これによれば、CM動画をスキップして直接動画を再生するのを防止できる。
また、図12(c)に示すように、「動画1」から「動画2」に跨るように早送りボタンを操作した場合には、必ず「動画2」の先頭の「CM2」の頭に戻って再生を開始すさせることがスポンサーにとって好ましい。
逆に、図12(d)に示すように、「動画2」から「動画1」に跨って戻る場合も同様に、「動画1」先頭の「CM1」から再生を開始させることがスポンサーにとって好ましい。
「動画1」や「動画2」の再生途中に動画再生を終えると最後に流れる「CM3」が視聴されないことになる。そこで、図12(d)に示すように、動画の再生途中で停止ボタンが操作された場合には、強制的に「CM3」を再生する。
具体的には、これら各制限事項は、上述した図9のステップST362内に設定することにより、動画の再生条件を指定することができる。
なお、再生ウインドウ60を強制終了させることにより、「CM3」の再生を待たず再生ソフトを終了させることも可能である。このような場合には、「CM3」の内容を再生ソフト内にバッファしておき、次回の再生時に「CM1」として再生するようにしてもよい。
この実施形態において、ユーザ端末5は、パーソナルコンピュータを例にとって説明したが、ユーザ端末5は、パーソナルコンピュータに限らず、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)、自動車や電車などに組み込まれた各種情報端末、さらにはゲーム機やテレビなどのオーディオビジュアル機器などネットワークに接続可能なものであれば、その種類に制限なく適用できる。
また、動画の配信を終えた後、配信ログ管理部237と協働してスポンサーに広告料金を請求する課金システムを別途設けてもよく。この場合、動画の配信回数や総再生時間などをカウントしておき、先にスポンサーに提示した見積もり案に沿って料金を自動で課金できるようしてもよい。
本発明は、インターネットなどのネットワーク回線に接続されたユーザ端末に動画像を配信する動画配信技術に関し、さらに詳しく言えば、ユーザは動画像を無料で視聴でき、動画コンテンツ提供者は、動画像の著作権を確実に保護できる動画配信技術に関する。
インターネットの普及によって、誰でも簡単に必要な情報をコンピュータを介して入手できるようになった。とりわけ、近年ではxDSL(Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber To The Home)といったメガビットクラスの高速回線が一般家庭にも普及しはじめ、従来ではCD−ROMなどの物理的媒体で配信されていたものが、高速回線を介してオンラインで配信されるデジタル媒体に変わりつつある。
この高速インターネットの特長を生かした代表的なサービスの一つとして、動画配信が挙げられる。一般に、動画の配信方法には、全ての動画データをパソコン上に一旦ダウンロードしてから再生するダウンロード型と、動画データをダウンロードしながら、リアルタイムで再生するストリーミング型の2通りがある。
前者、すなわちダウンロード型の場合は、動画データを一度にパソコン内に取り込めるため、動画を途切れること無く再生できるという利点がある反面、一旦配信された動画コンテンツの管理がユーザ側に委ねられるため、動画コンテンツが不正コピーなどによって二次使用されるおそれがあり、動画コンテンツの著作権者が不利になりやすい。
後者、すなわちストリーミング型の場合は、動画コンテンツの格納先などの情報が盛り込まれたキーファイルのみがユーザ端末に残り、動画コンテンツそのものはユーザ端末には残らないため、上述した二次使用を防止できるという利点がある反面、動画データの送信速度を動作の再生速度よりも早くする必要がある。すなわち、送信速度が再生速度を下回った場合、データバッファによって動画が途切れ途切れで再生され、ユーザに不快感を生じさせることがある。
このように、動画配信においてダウンロード型とストリーミング型の配信方法には一長一短がある。そこで、このダウンロード型の利点とストリーミング型の利点を生かした動画配信方法の一例として例えば特許文献1がある。特許文献1には、動画コンテンツを2つの再生不能な動画ファイルに分割し、それらを復号鍵で復号化する方法が示されている。
これによれば、ユーザ側は、分割された動画データをパソコン内に取り込み、認証を得た上で復号鍵をサービス提供者のサーバから受け取って動画データを復号化することで、動画をダウンロード型のようにスムーズ見ることができる。
しかしながら、上述した動画の配信方法は、ダウンロード型配信には適しているが、ストリーミング型配信に適用した場合に、次のような問題も残されている。すなわち、上述した方法では、単に動画ファイルを時間軸に沿って分割したものであるため、動画ファイルを再生不能な状態で配信することはできるが、分割された動画ファイルのファイル容量については考慮されていない。
上述したように、ストリーミング再生は容量の軽い動画ファイルを先にユーザ端末に配信し、重い方の動画ファイルをオンラインで配信しているため、配信時にサーバにかかる負荷が大きく、サーバへのアクセス数が増えれば、増えただけさらに負荷が増す。したがって、上述した方法ではいずれのファイル容量も重いため、配信時にサーバにかかる負荷を低減することはできない。
そもそもダウンロード型配信は、動画ファイルを全てユーザ端末に配信するため、ユーザ端末内のハードディスク(記録装置)内に収納されるファイル数は限られる。そのような観点からも、最近ではダウンロード型よりもストリーミング型の動画配信方法の方が好まれつつある。
また、動画コンテンツを再生する際にユーザ端末には、復号鍵が配信されるが、この復号鍵のコピーデータ(すなわち、復号鍵データを凸としたときの、凹となるデータ)がユーザ端末内の記録装置内(ハードディスクなど)に残るおそれがあり、このコピーデータを基に復号鍵を複製されるおそれがある。
そこで、本発明の課題は、ユーザは動画コンテンツを無料で視聴でき、動画コンテンツ提供者はその著作権を確実に保護することができる動画配信技術を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、以下に示すいくつかの特徴を備えている。まず、請求項1においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を時間軸に沿って2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段と、分割された上記各動画ファイルのいずれか一方を所定のCM(広告)要素が組み込まれたCMファイルのデータとともに暗号化する暗号化手段と、予めいずれか他方の上記動画ファイルを所有する上記ユーザ端末の再生要求に応じて、上記暗号化手段によって生成された上記いずれか一方の上記動画ファイルを上記CMファイルとともに上記ユーザ端末に配信する動画配信手段と、上記ユーザ端末に配信された2つの上記動画ファイルおよびCMファイルを復号化して再生する再生手段とを備えていることを特徴としている。
請求項2においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段と、上記主動画ファイルを格納する主動画ファイル格納部と、上記従動画ファイルを格納する従動画ファイル格納部と、所定のCM要素が組み込まれたCMファイルを格納するCMファイル格納部と、上記CMファイルのデータを元に上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルのいずれか一方を暗号化する暗号化手段とを有するサービス提供者サーバを有し、上記サービス提供者サーバは、上記ユーザ端末からの上記動画像の配信要求を受け、上記主動画ファイル格納部から上記動画像に対応する上記主動画ファイルを呼び出して上記ユーザ端末に配信し、上記サービス提供者サーバは、上記ユーザ端末からの上記主動画ファイルの再生要求を受けて、上記主動画ファイルに合致する上記従動画ファイルを上記従動画ファイル格納部から呼び出すとともに、上記CMファイル格納部から上記CMファイルを呼び出し、上記CMファイルのデータを元に上記従動画ファイルを暗号化し、上記暗号化された従動画ファイルを上記CMファイルとともに上記ユーザ端末に配信し、上記ユーザ端末は、配信された2つの上記動画ファイルおよびCMファイルを所定の再生手段によって復号化して再生することを特徴としている。
請求項3においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を有する動画コンテンツ提供者サーバと、所定の広告要素が組み込まれたCMファイルを有するスポンサーサーバと、上記動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段を有するサービス提供者サーバとを含み、上記動画コンテンツ提供サーバは、上記動画分割手段によって分割された主動画ファイルを格納する主動画ファイル格納部を有し、上記サービス提供者サーバは、上記動画分割手段によって分割された従動画ファイルを格納する従動画ファイル格納部と、上記CMファイルのデータを元に上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルのいずれか一方を暗号化する暗号化手段と、上記スポンサーサーバから配信された上記CM動画を格納するCMファイル格納部とを備え、上記動画コンテンツ提供者サーバは、上記ユーザ端末からの上記動画像の送信要求を受け、上記主動画ファイル格納部から上記動画像に対応する上記主動画ファイルを呼び出して上記ユーザ端末に配信し、上記サービス提供者サーバは、上記ユーザ端末からの上記主動画ファイルの再生要求を受けて、上記サービス提供者サーバの上記従動画ファイル格納部から上記主動画ファイルに合致する上記従動画ファイルを呼び出すとともに、上記CMファイル格納部から上記CMファイルを呼び出し、そのデータを元に上記従動画ファイルを上記暗号化手段を介して暗号化し、上記暗号処理された従動画ファイルを上記CMファイルとともに上記ユーザ端末に配信し、上記ユーザ端末は、配信された2つの上記動画ファイルおよびCMファイルを所定の再生手段によって復号化して再生することを特徴としている。
請求項4において、上記動画分割手段は、上記各動画ファイルのファイル容量の合計が上記動画像のファイル容量よりも小さくなるように圧縮するとともに、上記主動画ファイルのファイル容量が上記従動画ファイルのファイル容量よりも大きくなるなるように分割する。
請求項5において、上記暗号化手段は、上記CMファイルのデータビット列と、上記分割された動画ファイルのデータビット列の排他的論理和(XOR)を取って、上記動画ファイルを暗号化する。
請求項6において、サービス提供者(管理者)、ユーザ、動画コンテンツ提供者およびスポンサーを含む各種ユーザ情報を格納するユーザ情報格納部と、上記ユーザ情報に基づき上記サービス提供者サーバへのアクセスを認証するユーザ認証エンジンとをさらに備え、上記動画分割手段は、上記ユーザ認証エンジンによってサービス提供者または動画コンテンツ提供者と認証された場合にのみ、上記動画像の分割要求を受け付ける。
請求項7において、上記サービス提供者サーバは、上記ユーザ情報に基づいて上記CMファイルを上記CMファイル格納部から呼び出すCMファイル呼出手段をさらに備え、上記CMファイル呼出手段は、上記ユーザ情報に基づいて上記ユーザが好むCMファイルを上記CMファイル格納部から選び出し、上記暗号化手段に提供する。
請求項8において、上記再生手段は、互いに再生不能な上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルを再生可能な上記動画像に復元するデコーダーと、暗号化された上記一方の動画ファイル(従動画ファイル)をCMファイルとともに再び排他的論理和(XOR)処理によって復号化する復号化処理手段とを含み、上記再生手段は、上記CMファイルの再生を確認した上で、上記復号化処理手段によって上記CMファイルと上記動画ファイルを復号化し、上記デコーダを起動して上記主動画ファイルおよび上記従動画ファイルを再生可能な上記動画像に復元する。
請求項9において、上記サービス提供者サーバは、上記再生手段を格納する再生手段格納部を備え、上記ユーザ端末から上記主動画ファイルの再生要求を受けると、上記ユーザ端末内に上記再生手段の有無を検索し、上記ユーザ端末内に再生手段なしと判断した場合に、上記再生手段を上記ユーザ端末に配信する。
請求項10において、上記再生手段は、上記ユーザのユーザ情報を格納するユーザ情報格納部をさらに備え、ユーザ認証エンジンの要求に応じて、上記ユーザ情報を上記サービス提供者サーバの上記ユーザ情報格納部に配信する。
請求項11においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する配信ステップを有する動画配信プログラムにおいて、上記動画像を時間軸に沿って2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割ステップと、分割された上記各動画ファイルのいずれか一方を所定のCM要素が組み込まれたCMファイルのデータを元に暗号化するに暗号化ステップと、予めいずれか他方の上記動画ファイルを所有する上記ユーザ端末の再生要求を受け、上記いずれか一方の上記動画ファイルを上記CM動画とともに上記ユーザ端末に配信する動画配信ステップとを備えていることを特徴としている。
本発明には、動画ファイルを分割するための動画分割システムも含まれる。すなわち、請求項12においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割手段を有する動画分割システムにおいて、上記動画分割手段は、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段と、上記第1フレームを下位7位ビットと最上位ビットとに分割するビット分割手段と、上記第2フレームを、その第2フレーム情報のみで構成される第1コードと、上記第2フレーム情報と1つ前の上記第2フレームのフレーム情報とから構成される第2コードとに分けるコード分割手段と、上記第1コードを離散コサイン変換し、そのAC係数とDC係数とをそれぞれ抽出する係数抽出部と、上記第2コード、上記AC係数および上記第1フレームの下位7ビットを組み合わせて上記主動画ファイルを構築し、上記DC係数および上記第1フレームの最上位ビットを組み合わせて上記従動画ファイルを構築するファイル構築部とを有することを特徴としている。
請求項13においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、
動画コンテンツ提供者から配信された動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割するとともに、いずれか一方の動画ファイルにスポンサーから配信されたCMファイルを組み込む動画分割手段を有するサービス提供者サーバを有し、
上記サービス提供者サーバは、上記動画ファイルを上記ユーザ端末に配信するとともに、上記動画ファイルの配信に伴うCM広告料金を上記スポンサーに提示することを特徴としている。
請求項14においては、インターネットなどのネットワーク回線を介して接続されたユーザ端末に所定の動画像を配信する動画配信システムにおいて、上記動画像を有する動画コンテンツ提供者サーバと、所定の広告要素が組み込まれたCMファイルを有するスポンサーサーバと、上記動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割手段を有するサービス提供者サーバとを含み、上記サービス提供者サーバは、上記主従いずれか一方および/または両方の動画ファイルの配信回数をカウントするカウント部と、上記動画ファイルと共に配信される上記CMファイルの配信履歴を管理するCM配信管理部と、上記CMファイルの配信回数と配信履歴に応じて上記CMファイルの配信情報を演算するCM情報作成部とを含むCM管理エンジンを有し、上記カウント部は、上記ユーザ端末からの配信要求を受け、配信された上記画像コンテンツの配信回数をカウントし、上記CM情報作成部は、上記カウント部からカウント数を呼び出すとともに、上記CM配信管理部から上記配信履歴を呼び出し、上記カウント数と上記配信履歴とからCM配信情報を作成し、上記CM配信情報を上記動画コンテンツ提供者サーバおよび/または上記スポンサーサーバに通知すること特徴としている。
請求項15においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割ステップを有する動画分割プログラムにおいて、上記動画分割ステップは、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割ステップと、上記第1フレームを下位7位ビットと最上位ビットとに分割するビット分割ステップと、上記第2フレームを、その第2フレーム情報のみで構成される第1コードと、上記第2フレーム情報と1つ前の上記第2フレームのフレーム情報とから構成される第2コードとに分けるコード分割ステップと、上記第1コードを離散コサイン変換し、そのAC係数とDC係数とをそれぞれ抽出する係数抽出ステップと、上記第2コード、上記AC係数および上記第1フレームの下位7ビットを組み合わせて上記主動画ファイルを構築し、上記DC係数および上記第1フレームの最上位ビットを組み合わせて上記従動画ファイルを構築するファイル構築ステップとを有することを特徴としている。
請求項16においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割手段を有する動画分割システムにおいて、上記動画分割手段は、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段と、上記第1フレームからブロックを抽出する第1ブロック抽出手段と、上記第1ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第1係数抽出部と、上記第2フレームからブロックを抽出する第2ブロック抽出手段と、上記第2ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第2係数抽出部と、上記各係数抽出部から抽出された1フレーム前のDC係数を排他的論理和(XOR)処理して、そのビット数の一部をフィルタ係数として取り出すフィルタ処理部と、上記第1係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第1ファイル構築部と、上記第2係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第2ファイル構築部とを有することを特徴としている。
請求項17においては、上記フィルタ係数は下位8ビットからなることを特徴としている。
請求項18においては、再生可能な動画像を時間軸に沿って再生不能な主従2つの動画ファイルに分割する動画分割ステップを有する動画分割プログラムにおいて、上記動画分割手段は、上記動画像を各フレーム毎に取り込み、上記各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割ステップと、上記第1フレームからブロックを抽出する第1ブロック抽出ステップと、上記第1ブロック抽出ステップにて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第1係数抽出ステップと、上記第2フレームからブロックを抽出する第2ブロック抽出ステップと、上記第2ブロック抽出ステップにて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第2係数抽出ステップと、上記各係数抽出ステップから抽出された1フレーム前のDC係数を排他的論理和(XOR)処理して、そのビット数の一部をフィルタ係数として取り出すフィルタ処理ステップと、上記第1係数抽出ステップにて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理ステップで生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第1ファイル構築ステップと、上記第2係数抽出ステップにて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理ステップで生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第2ファイル構築ステップとを有することを特徴としている。
また、請求項19において、本発明には上述した動画配信プログラムおよび/または動画分割プログラムを格納する記録媒体も含まれる。すなわち、記録媒体としては、半導体メモリなどの各種メモリ、磁気ディスク、例えばCD−ROMなどの光学式ディスク、DVD規格ディスクなどの記録媒体に加え、コンピュータ内に格納されている記録装置(例えばハードディスクやRAMディスクなど)、このほかにもプログラムを記録保存しておくことができるものが含まれる。さらには、本発明の動画配信プログラムおよび/または動画分割プログラムをインターネットや衛星通信などのデジタルネットワーク回線で配布してもよく、この記録媒体には、プログラム配信先の端末が保有する記録媒体も含まれる。
請求項1〜3に記載の発明によれば、動画像を再生不能な2つの動画ファイルに分割し、一方の動画ファイルをユーザ端末側に配信した後、他方の動画ファイルを動画を復元するに必要なCMファイルとともに配信することにより、CMファイルが存在して初めて動画像に復元可能となるため、ユーザは、動画の再生時にCM広告を見れば何度でも無料で動画を楽しむことができる。他方、著作権者は、動画の管理を簡単にすることができるとともに、CM広告による広告収入で著作権使用料を得ることができる。
本発明において使用する「ファイル」とは、本発明の各種手段によって使用されるデータをいい、「手段」とは、上記データを所定の演算ステップに沿って実行する実行部をいう。また、「CM」とは、所定の広告要素が組み込まれた情報発信要素をいう。
請求項4に記載の発明によれば、容量の大きい主動画ファイルは予めユーザ端末側にダウンロード配信されているため、サーバ側は、容量の少ない従動画ファイルとCMファイルとをストリーミング配信するだけでよく、サーバの負荷を低減させることができ、ひいては、サーバへのアクセス数が増えても動画の再生速度に支障を来さない。
請求項5に記載の発明によれば、従動画ファイルはCMファイルがないと復号化されないため、確実にCMファイルをユーザの手元に届けることができる。
請求項6に記載の発明によれば、認証エンジンを別途設けて、動画コンテンツ提供者とサービス提供者以外は動画分割エンジンを操作できないようにしたため、よりセキュリティー性を向上することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ユーザの年齢や好みに応じたCMファイルをユーザに効率的に送り届けることができる。
請求項8に記載の発明によれば、CM動画を再生した上で本編の動画が再生されることにより、ユーザに確実にCMを見せることができる。また、この再生手段を無料で配布すれば、本システムを広く頒布することができ、ひいては、大量のユーザを獲得でき、広告収入量の増加も図れる。
請求項9に記載の発明によれば、ユーザ端末に再生手段がインストールされていない場合に、サービス提供者サーバから再生手段を自動的に配布することができる。
請求項10に記載の発明によれば、ユーザの個人情報が再生手段内、すなわちユーザ端末内に保管されているため、個人情報の管理をユーザ自身で行うことができる。
請求項11〜12,15に記載の発明によれば、動画像を時間軸に沿って主従2つの動画ファイルに分割でき、分割された動画ファイルは、主動画ファイルが従動画ファイルよりもファイルの容量が大きくなり、容量の大きい主動画ファイルは予めユーザ端末側にダウンロード配信されているため、サーバ側は、容量の少ない従動画ファイルとCMファイルとをストリーミング配信するだけでよく、サーバの負荷を低減させることができ、ひいては、サーバへのアクセス数が増えても動画の再生速度に支障を来さない。
請求項13に記載の発明によれば、動画像の配信に伴うCM広告料金をスポンサーから徴収することにより、ユーザーは無料で動画像を視聴することができるばかりでなく、動画コンテンツ提供者は著作権料を得ることができる。
請求項14に記載の発明によれば、動画像の配信数をカウントするカウント部と、その配信履歴を管理する配信管理部とを含むCM管理エンジンを備えたことにより、動画の配信数に応じてCMの配信回数を管理することができ、CMの配信状況を把握することができるばかりでなく、CMによる広告収入と支払の管理を行うことができる。
請求項16〜18に記載の発明によれば、圧縮済みの動画であっても、非圧縮の動画であっても簡単に画面を分割できるばかりでなく、フレームのブロックを取り出してブロック単位で分割処理を行うため、分割処理する際の重複作業を減らすことができるため、プロセッサの負担を軽減することができ、処理時間を大幅に短くすることができる。
本発明の一実施形態に係る動画配信システムのシステム全体の構成図。
上記動画配信システムのサービス提供者サーバのシステム構成図。
上記動画配信システムのスポンサーサーバのシステム構成図。
上記動画配信システムの動画コンテンツ提供者サーバのシステム構成図。
上記動画配信システムのユーザ端末のシステム構成図。
本発明の一実施形態に係る動画分割システムの動画分割の流れを示すフローチャート。
上記動画配信システムのサービス提供者サーバと動画コンテンツ提供者サーバとの動画配信手順の一例を示すフローチャート。
上記動画配信システムのサービス提供者サーバとスポンサーサーバとの動画配信手順の一例を示すフローチャート。
上記動画配信システムのサービス提供者サーバ、動画コンテンツ提供者サーバおよびユーザ端末との動画配信手順の一例を説明するフローチャート。
再生ソフトの配信手順の一例を説明するフローチャート。
再生ソフトによって表示される再生ウインドウの模式図。
動画の再生手順とその制限事項の一例を説明する説明図。
本発明の別の態様の動画分割システムの動画分割の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1 インターネット回線(ネットワーク回線)
2 サービス提供者サーバ
3 スポンサーサーバ
4 動画コンテンツ提供者サーバ
5 ユーザ端末
21,31,41 WWWサーバ
210 ユーザ認証エンジン
220 動画分割エンジン
230 動画配信エンジン
240 CM配信エンジン
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の動画配信システムの接続形態が示されている。図1に示すように、この動画配信システムは、それぞれインターネット回線1に接続された、サービス提供者サーバ2と、スポンサーサーバ3と、動画コンテンツ提供者サーバ4と、ユーザ端末5とが含まれる。
なお、この実施形態において、サービス提供者サーバ2、スポンサーサーバ3および動画コンテンツ提供者サーバ4には、WWWサーバ31,41,51がそれぞれ設けられており、実際には、各WWWサーバ31,41,51がインターネット回線1に接続されている。
この実施形態において、ユーザ端末2および各サーバ同士はインターネット回線1からなるネットワーク回線に接続されているが、ネットワーク回線はこれ以外に、LAN(Local Area Network)で接続されているイントラネット回線なども含まれる。また、回線への接続手段は、xDSL回線や各種ファイバー回線のほかに、電話回線や無線回線などの他、衛星通信などであってもよく、各端末同士がデータを授受可能な環境であれば、特に限定されない。
次に、各端末の具体的な構成について説明する。図2には、サービス提供者サーバ2のシステム構成が示されている。このサービス提供者サーバ2は、インターネット回線1に接続されるWWWサーバ21と、サービス提供者サーバ2に対する接続要求を受け付け、その接続要求に対しての認証を実行するユーザ認証エンジン210と、動画像を主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割エンジン220と、従動画ファイルを配信する動画配信エンジン230と、動画ファイルとともにCMファイルを配信するCM配信エンジン240とを備え、それらが情報伝達路によって接続されている。
ユーザ認証エンジン210は、サービス提供者サーバ2のゲート(入り口)部に設けられている、いわゆるゲートサーバであり、実際にはWWWサーバ21内に格納されている。
ユーザ認証エンジン210のシステム構成は、ユーザ端末5から入力されたユーザ情報を自らが保有する認証データと照らし合わせてユーザ認証ステップを実行するユーザ認証部211と、ユーザの各種アカウント情報を格納するユーザ情報格納部212と、契約したスポンサーの各種アカウント情報を格納するスポンサー情報格納部213と、動画コンテンツの著作権者であるコンテンツ提供者の各種アカウント情報を格納するコンテンツ提供者情報格納部214と、サービス提供者(管理者)の各種アカウント情報を格納する管理者情報格納部215と、ユーザ認証部211が初めてのアクセス(新規ユーザ)であると判断した場合に、新規ユーザの各種アカウント情報を生成し、そのアカウント情報を各格納部212〜215に登録する新規ユーザ登録部216と、各ユーザのユーザIDおよびパスワードを保管するアカウント保管部217と、ユーザ認証エンジン210へのアクセスログを管理するアクセスログ管理部218とを備えている。
ユーザ認証部211は、サービス提供者サーバにアクセスを要求する各種ユーザに対しての認証を実行する演算部であり、認証処理を担うために十分な記録領域とメモリが割り当てられている。
各格納部212〜215およびアカウント保管部217およびログ管理部218は、各種アカウント情報の他、ユーザがサービス提供者サーバにアクセスするに必要な情報ファイルが格納されており、それぞれが十分な記録領域を備えている。各情報ファイルには、それぞれ個別にファイル名や更新日時、リンク情報などが記載され、ユーザ名やその種類によって階層的に保管されている。
ユーザ認証部211は、他の各部と情報伝達路を介して接続されており、ユーザ端末5やコンテンツ提供者サーバ4などからの接続要求を受け付けた場合には、要求先端末(ユーザ端末4など)にユーザー情報の入力を要求する。
要求先端末よりユーザ情報(例えばアカウントIDとパスワード)が入力された場合には、入力情報を基にアカウント保管部217を検索して、該当するアカウント情報が存在する場合には、そのアカウント情報の格納場所(ユーザ情報格納部212など)にアクセスし、ユーザ情報を取得するとともに、利用者の利用環境(例えば利用者の使用するOS(Operating System)やブラウザの種類、接続環境など)を読み出して、これを各エンジン(動画分割エンジン220、動画配信エンジン230、CM配信エンジン240)に配信して、動画の配信準備を整える。
ユーザ認証部211は、接続要求先の端末より入力された入力情報を基にアカウント保管部217を検索して、「該当アカウントなし」と判断した場合には、新規ユーザ登録部216にユーザ登録要求を行い、接続要求先の端末に新規ユーザ情報の入力を要求する。
この例において、ユーザ情報の入力例としては、ユーザ端末5の場合は、氏名、メールアドレスなど簡易なものであり、主な登録データは後述する再生ソフト54内(図5参照)に設けられたユーザ情報格納部543に格納される。また、スポンサーや動画コンテンツ提供者の場合は、担当者氏名、会社名、住所、所属、メールアドレスなどが挙げられる。
要求先端末より新規ユーザ情報が得られた場合には、再びアカウント格納部217を検索してアカウント格納部217内に存在しない新しいアカウントIDおよびパスワードを発行し、その新規ユーザ情報がユーザ端末5に属する場合には、ユーザ情報格納部212にユーザ情報を格納し、契約したスポンサーのアカウント情報である場合には、スポンサー情報格納部213に格納し、動画コンテンツの著作権者である場合には、コンテンツ提供者情報格納部214に格納する。さらにこの実施形態では、サービス提供者(管理者)の各種アカウント情報を格納する管理者情報格納部215も備えている。また、上述した一連のアカウント呼出作業および新規ユーザ登録作業にかかるアクセスログなどをアクセス録管理部218に送達する。
しかる後、ユーザ端末5に対して新規アカウントIDとパスワードの発行完了通知を配信する。なお、この例において、新規ユーザ登録は、ユーザ端末5とユーザ認証エンジン210との間で情報取引がオンデマンド形式で行われるが、ネットワーク上の安全性を考慮し、WWWサーバ21内に専用のメールサーバをさらに設けて、例えば新規ユーザ情報によって得られた情報を元に登録処理を行った後、その新規ユーザ情報をユーザ自身が記載したメールアドレスに送信するようにしてもよい。
また、ユーザ認証エンジン210には、各利用者の利用者情報の漏洩や盗聴といったハッキング行為や、データの偽造や改ざん、システムの破壊などのクラック行為などから防ぐため、セキュリティ手段が内蔵されている。好ましいセキュリティ手段としては、例えば128ビットSSL(Secure Socket Layer)などの高度暗号化技術が挙げられるが、これ以外に外部からの進入を防止する方法があれば適宜選択して用いられる。
次に、動画分割エンジン220は、動画コンテンツ提供者から動画分割処理用に配信された再生可能なオリジナル動画を格納する動画ファイル格納部221と、このオリジナル動画を所定の分割システムによって主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する動画分割部222と、動画分割部222によって分割された2つの動画ファイルのうち、容量の大きい主動画ファイル(mainファイル)を格納する主動画ファイル格納部223と、オリジナル動画の作品名や上映時間、年齢制限などの各種動画情報を格納する動画ファイル情報格納部224と、主動画ファイルの分割情報や相手方の従動画ファイルのファイル名、さらにはこれら各動画ファイルをデコードするために必要なデコード情報を格納する主動画ファイル情報格納部225と、オリジナル動画の検索および分割された主従各動画ファイルの検索を実行するコンテンツ情報検索部226と、動画分割部222の分割ログに加え、動画分割エンジン220へのアクセスなどを保管する分割ログ保管部227とを備えている。
動画ファイル格納部221は、例えばデジタルビデオからの映像をキャプチャーしたものやCG(Computer Graphics)動画、映画やビデオクリップなどの各種動画像を多数格納するものであり、動画ファイル格納部221は、多数の動画像を保管できるように十分な記憶領域を有している。
この実施形態において、動画ファイル格納部221は、動画分割エンジン220内に格納されたハードディスクなどの内蔵記録媒体であるが、これ以外にDVD−ROM(RW/RAMを含む)などの外部記録媒体に各種オリジナル動画を多数保管しておき、それを動画分割エンジン220で読み込むようにしてもよい。
この場合、動画ファイル格納部221にさらに外部接続機器から動画像を取り込むための取込手段を設けてもよい。さらには、動画ファイル格納部221内にサービス提供者(管理者)が保有する動画を管理しやすくするため、動画の走り出し部分などが記録されたサムネイル動画が保管されていてもよい。
動画分割部222は、オリジナル動画像を再生不能な主従2つの動画ファイルに分割するための動画分割システムおよび同動画分割システムを駆動する動画分割プログラムを有する演算部であり、動画分割処理を担うために十分な記録領域とメモリが割り当てられている。
動画分割部222は、分割した主従各動画ファイルの合計のファイル容量がオリジナル動画像のファイル容量よりも小さくなるように圧縮し、かつ、主動画ファイルのファイル容量が従動画ファイルのファイル容量よりも大きくなるなるように分割する。
すなわち、この実施形態において、動画分割部222(さらに詳しく言えば、動画分割部222の保有する動画分割システム)は、入力されたオリジナル動画をMPEG形式(Motion Picture Experts Group)に圧縮変換するものであり、MPEG形式への変換途中で所定の演算ステップを実行して、動画像を時間軸に沿って主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する。
これにより、復号された動画像(ユーザに配信される動画像)は、MPEG形式の動画となって再生される。この実施形態において、動画像は、MPEG形式の中でも、もっとも基本的なMPEG−1形式に圧縮されるが、例えばMPEG−2やMPEG−7形式であってもよく、基本的な圧縮形態がMPEG形式であれば、圧縮処理と分割処理とを平行処理できるようになっている。
主動画ファイル格納部223は、上記動画分割部222によって分割された主動画ファイルを多数格納するものであり、多数の主動画ファイルを保管できるように十分な記憶領域を有している。主動画ファイル格納部223に保存される主動画ファイルは、それぞれファイル名などが付与された状態で保管され、動画の内容などに応じて主動画ファイル格納部223内に階層的に保管されている。
動画ファイル情報格納部224は、オリジナル動画の作品名や上映時間、年齢制限などの各種動画情報を多数格納するものであり、十分な記録領域を備えている。
主動画ファイル情報格納部225は、主動画ファイルの分割情報や相手方の従動画ファイルのファイル名、さらにはこれら各動画ファイルをデコードするために必要なデコード情報を格納するものであり、十分な記録領域を備えている。
ここで、動画ファイル情報格納部224に格納された動画ファイル情報と、主動画ファイル情報格納部225に格納された主動画ファイル情報とは、格納するファイル名に互いにリンクが張られており、端末側からの要求に応じて、主動画ファイルの元動画となるのオリジナル動画の作品名や上映時間、年齢制限などの各種動画情報を取り出すことができる。
コンテンツ情報検索部226は、オリジナル動画の検索および分割された主従各動画ファイルのファイル情報検索を実行する実行部であり、動画配信エンジン230およびCM配信エンジン240からの要求に応じて、動画ファイル情報格納部224に格納された動画ファイル情報と、主動画ファイル情報格納部225に格納された情報(特にデコード情報)をそれぞれ検索して動画配信エンジン230およびCM配信エンジン240に送り届ける。
分割ログ管理部227は、本発明の動画分割システムを使用した際に、その使用内容(例えば分割状況や分割したユーザ名など)やアクセス履歴などが記載された履歴(ログ)ファイルを格納する格納部であり、内部が階層的に構築されている。この分割ログ管理部227は、上述したユーザ認証エンジン210と協働して各ファイルに保管されている動画ファイルやユーザ情報を管理するために用いられる。
次に、動画配信エンジン230は、上記動画分割エンジン220によって分割された動画ファイルのうち、ファイル容量の小さい従動画ファイル(smallファイル)を格納する従動画ファイル格納部231と、従動画ファイルのファイル情報を格納する従動画ファイル情報格納部233と、ユーザ端末などからの要求に応じて、従動画ファイル格納部231内に格納された従動画ファイルおよびそのファイル情報を検索する従動画ファイル情報検索部234と、従動画ファイルを配信するために必要なCM動画ファイルのファイル情報を検索するCM情報検索部235と、配信要求を受け、CM動画のデータを元に従動画ファイルを暗号化する暗号処理部236と、動画配信エンジン230の配信ログやアクセスログなどを管理する配信ログ管理部237とを備えている。
従動画ファイル格納部231は、動画分割部222によって分割された従動画ファイルを多数格納するものであり、多数の従動画ファイルを保管できるように十分な記憶領域を有している。
従動画ファイル格納部231に保存される従動画ファイルには、それぞれファイル名などが付与され、動画の内容などに応じて従動画ファイル格納部231内に階層的に保管されている。従動画ファイル格納部231は情報伝達路を介して、動画分割エンジン220とCM配信エンジン240とに接続されている。
従動画ファイル情報格納部232は、情報伝達路を介して動画分割エンジン220に接続され、動画分割エンジン220によって生成された従動画ファイルの分割情報や相手方の主動画ファイルのファイル名、さらにはこれら各動画ファイルをデコードするために必要なデコード情報を格納するものであり、十分な記録領域を備えている。
ファイル情報検索部233は、従動画ファイル格納部231や従動画ファイル情報格納部232と協働して、認証エンジン210などからの配信要求に応じて、従動画ファイルを検索する検索部であり、検索に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。
CM情報検索部234は、従動画ファイルの配信を受け付けた際に、従動画ファイルとともに配信するCM動画(もしくはCM画像)をCM配信エンジン240から検索して、動画配信エンジン230内に取り込むための検索部であり、検索するに必要な十分な記憶領域とメモリとを備えている。
ユーザ情報検索部235は、動画配信要求を受け、認証エンジン210内に格納された配信先のユーザ情報を呼び出し、そのユーザ情報に基づいてユーザに最適なCM動画を配信するためのCM配信情報を検索する検索部であり、検索するに必要な十分な記憶領域とメモリとを備えている。
暗号化処理部236は、ユーザ端末などからの配信要求を受け、CM配信エンジン240からCM動画(もしくは画像)を受け取り、そのCM動画のデータを元に配信要求元の従動画ファイルを暗号化する演算部であり、暗号化するに十分な記録領域とメモリを備えている。
配信ログ管理部237は、本発明の動画分割システムを使用した際に、その使用内容(例えば配信状況や配信した従動画ファイルやCMファイルなど)やアクセス履歴などが記載された履歴(ログ)ファイルを格納する格納部であり、内部が階層的に構築されている。この配信ログ管理部237は、上述したユーザ認証エンジン210と協働して各ファイルに保管されている動画ファイルやユーザ情報を管理するために用いられる。
CM配信エンジン240は、スポンサーから配信されたCM動画を格納するCM動画格納部241と、同じくスポンサーから配信されたCM画像を格納するCM画像格納部242と、CM動画やCM画像の内容、時間、配信希望条件や著作権情報などを格納するCM情報格納部243とを備えている。
CM動画格納部241は、複数のスポンサーから配信された多数のCM動画を格納するため十分な記録領域を有しており、その内部は各スポンサー毎に階層化されており、さらにその内部もCM内容によって階層化されている。この実施形態において、CM動画は、動画ファイルと同じMPEG形式の動画像が格納されているが、これ以外の動画フォーマットであってもよい。
CM画像格納部242も同じく、複数のスポンサーから配信された多数のCM画像を格納するため十分な記録領域を有しており、その内部は各スポンサー毎に階層化されており、さらにその内部もCM内容によって階層化されている。
この実施形態において、CM画像は、例えば所定の大きさのJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式やBMP(Bitmap)形式の画像が格納されているが、これ以外の画像フォーマットであってもよい。
CM配信エンジン240には、CMファイルの配信情報を管理するCM管理エンジン250が設けられている。CM管理エンジン250は、主従いずれか一方および/または両方の動画ファイルの配信回数をカウントするカウント部251と、動画ファイルと共に配信されるCMファイルの配信履歴を管理するCM配信管理部252と、CMファイルの配信回数と配信履歴に応じてCMファイルの配信情報を演算するCM情報作成部253とを備えている。
カウント部251は、動画配信エンジン230で受けた動画配信要求に応じて配信された各動画ファイルと、動画ファイルに添付されたCMファイルの配信回数を個別にカウントし、各カウント数を個別に保存しておくため、内部が動画ファイルおよびCMファイル毎に階層化されている。なお、動画ファイルのカウントは、主動画ファイルまたは従動画ファイルのいずれか一方または両方がその対象となる。
CM配信管理部252は、ユーザ端末5に向けて配信された動画ファイルに添付されたCMファイルのファイル情報およびそのカウント数を管理する管理システムであり、その内部はCMファイル毎に階層化され、CMファイルの配信履歴管理を担っている。
CM情報作成部253は、上記カウント部251および上記CM配信管理部252と協働して、CMファイルの配信履歴および、そのCMファイルのスポンサー情報ファイル213を参照して、CMファイルの配信状況、配信回数、広告費用などを算出するとともに、各種情報をサービス提供者サーバ2およびスポンサーサーバ3に配信するCM管理システムである。
このCM管理エンジン250によれば、ユーザ端末から配信要求を受けると、カウント部251によって配信と同時に画像コンテンツの配信回数がカウントされ、さらにそのカウント数と添付されたCMファイルの配信履歴からCM情報生成部253はCM配信情報を作成し、動画コンテンツ提供者サーバ2および/またはスポンサーサーバ3にその配信状況を通知する。ここで言う配信情報とは、CM配信回数や配信対象のほか、CM配信に伴うCM広告料金などが含まれる。
配信方法は、一定カウント数毎に通知することも可能であるし、一定期間毎に配信カウント数をまとめて通知することも可能である。また、その際にCM配信による広告収入や配信手数料金などを同時に算出して通知することもできる。
この実施形態において、サービス提供者サーバ2は、ユーザ認証エンジン210、動画分割エンジン220、動画配信エンジン230およびCM配信エンジン240とを備えているが、これらは本発明の動画配信システムを構築するために最低限必要な構成であり、これ以外に本発明の動画を再生するための再生ソフト(再生手段)をユーザ端末に配信する再生手段配信エンジンなどをさらに設けてもよく、上述した構成を備えるものであれば、その他の付加的な設備は任意に選択可能である。
次に図3を参照して、スポンサーサーバ3の構成について説明する。スポンサーサーバ3は、インターネット回線1に接続されるWWWサーバ21と、CM動画のオリジナル動画を格納するCM動画格納部32と、CM画像のオリジナル画像を格納するCM画像格納部33と、CM動画またはCM画像の動画情報(画像情報)を格納するCM情報格納部34と、スポンサーサーバ3からのCM動画またはCM画像の配信ログを管理する配信情報管理部35とを備えている。
この実施形態において、CM動画格納部32、CM画像格納部33、CM情報格納部34および配信情報管理部35は、実際にはWWWサーバ31内に格納されており、それらは情報伝達路を介して互いに接続され、それぞれが保有する情報の授受が可能となっている。
CM動画格納部32は、スポンサーが作製したオリジナルのCM動画が多数格納できるよう十分な記録領域を備え、各CM動画の内容毎に内部が階層化されている。この実施形態において、CM動画格納部32には動画ファイルと同じMPEG形式の動画ファイルとして保管されているが、これ以外の動画フォーマットであってもよい。
CM画像格納部33も同じく、スポンサーが作製した多数のオリジナルCM画像を格納するため十分な記録領域を有しており、その内部は各CM動画毎に階層化されている。この実施形態において、CM画像は、例えば所定の大きさのJPEG形式やBMP形式の画像が格納されているが、これ以外の画像フォーマットであってもよい。
この実施形態において、CM動画とCM画像はWWWサーバ31によりネットワーク回線1を介してサービス提供者サーバ2に配信されるようになっているが、例えばCD−ROMドライブなどの外出出力機器をさらに設けて、CM動画やCM画像を物理媒体にコピーして頒布するようにしてもよい。
CM情報格納部34は、CM動画やCM画像のファイル情報や動画情報などを多数格納できるよう十分な記録領域を有し、各情報が、CM動画格納部32やCM画像格納部33と同様に階層化されている。このCM情報格納部34は、CM動画(もしくは画像)の配信要求に応じて、CM動画(CM画像)とともに配信先端末へと送られる。
配信情報管理部35は、スポンサーサーバ3からのCM配信履歴や、サービス提供者サーバ2から送られてきたCMの使用内容(例えばCM配信回数や配信条件、広告費用など)などを管理する管理部であり、内部がCMファイル毎に階層的に構築されている。この配信情報管理部35は、サービス提供者サーバ2と協働してCMの配信状況を把握するために用いられる。
この実施形態において、スポンサーサーバ3は、WWWサーバ21内にCM動画格納部32、CM画像格納部33、CM情報格納部34および配信情報管理部35とを備えているが、これらは本発明の動画配信システムを構築するのに必要最低限な構成であり、これ以外にCM動画や画像を作り出すCM作製エンジンなどを別途設けて一体化してもよい。また、WWWサーバ21外に設けてもよい。
次に、図4を参照して、コンテンツ提供者サーバ4の具体的な構成について説明する。コンテンツ提供者サーバ4は、インターネット回線1に接続されるWWWサーバ41と、コンテンツ提供者サーバ4に対する接続要求を受け付け、その接続要求に対しての認証を実行するユーザ認証エンジン42と、動画像のオリジナルコンテンツを格納する動画ファイル格納部43と、サービス提供者サーバ2で分割された動画ファイルのうち、主動画ファイル(mainファイル)を格納する主動画ファイル格納部44と、ユーザ端末に配信可能な動画ファイルの走り出し部分を抜粋したサムネイル動画(もしくはサムネイル画像)を格納するサムネイル動画格納部45と、オリジナル動画の作品名や時間などの動画情報を格納する動画ファイル情報格納部46と、主動画ファイルのファイル情報に加え、相手方の従動画ファイル情報などを格納する主動画ファイル情報格納部47と、動画ファイルの配信要求を受け、要求された動画ファイルとそのファイル情報を主動画ファイル格納部44および主動画ファイル情報格納部47内から検索して要求先に配信するファイル情報検索部48と、主動画ファイルの配信履歴などを管理する配信ログ管理部49とを備えており、それらは互いに情報伝達路を介して接続されている。
ここで、WWWサーバ41、ユーザ認証エンジン42、動画ファイル格納部43、主動画ファイル44、動画ファイル情報格納部46および主動画ファイル情報格納部47は、上述したサービス提供者サーバ2のものと基本的に同じ構成であってよため、その説明は省略する。
サムネイル動画格納部45は、サムネイル動画(もしくはサムネイル画像)を多数保管できるよう十分な記録領域を有し、ユーザからの配信要求に応じて、各サムネイル動画や画像をユーザー端末に配信する。この実施形態において、サムネイル動画(画像)は、MPEG形式やJPEG形式などで保管され、ユーザ端末で表示可能なHTML形式に乗せて配信される。
ファイル情報検索部48は、動画の配信要求を受け、要求元の主動画ファイルとそのファイル情報を検索する検索部であるとともに、検索した動画ファイルとファイル情報を要求先に配信する配信部も兼ねており、検索および配信に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。このファイル情報検索部48は、配信ログ管理部49にその配信ログを配信する。
配信ログ管理部49は、ユーザ端末への配信履歴や、サービス提供者サーバ2から送られてきた主動画ファイルの配信内容(例えばファイル名や分割状態など)などを管理する管理部であり、内部が各ファイル毎に階層的に構築されている。この配信情報管理部35は、ユーザ認証部42と協働して動画ファイルの配信状況を把握するために用いられる。
この実施形態において、ユーザ認証エンジン42、動画ファイル格納部43、主動画ファイル格納部44、サムネイル動画格納部45、動画ファイル情報格納部46、主動画ファイル情報格納部47、ファイル情報検索部48および配信ログ管理部49は、本発明の動画配信システムを構築するに最小限のシステムであるが、これ以外に付加的なシステムをさらに追加してもよい。また、これらは全てWWWサーバ41内に構築されているが、WWWサーバ41外に独立して構築してもよい。
次に、図5を参照してユーザ端末5の構成について説明する。ユーザ端末5は、内部に記憶部としてハードディスク52を有する端末本体51と、同端末本体51に入力信号を入力する入力部としてのキーボード52と、端末本体51からの出力信号を表示する出力部としてのモニタ53とを備えた、いわゆるパーソナルコンピュータである。
なお、端末本体51内には、入力信号を所定の処理ステップに沿って処理する演算部と、これらシステム全体を制御する制御部(ともに図示しない)とが設けられている。
端末本体51のハードディスク52内には、配信された主従の各動画ファイル同士をデコードし、CM動画とともに再生する動画再生ソフト54と、インターネット回線1によって配信された例えばHTML形式のファイルをモニタ53に表示させるブラウザ55と、コンテンツ提供者サーバ2から提供された主動画ファイル561およびそのファイル情報562を格納する動画ファイル格納部56とを備えている。
なお、端末本体51のハードディスク52内には、ユーザ端末5自体を制御するとともに、各ソフトやシステムを制御するOSがインストールされている。なお、OSの種類は、仕様に応じて任意に変更可能であり、本発明では特に限定されない。
再生ソフト54は、デコードした各動画ファイル(CM動画を含む)をモニタ53上に再生表示する動画再生部541と、主動画ファイルの再生要求を受け、サービス提供者サーバ2からこれと合致する従動画ファイルをCM動画とともに配信を受け、再生可能な動画ファイルにデコードするデコーダ542と、ユーザの各種個人情報を格納するユーザ情報格納部543とを備えている。
動画再生部541は、入力された動画ファイルを所定の処理ステップに沿って演算処理する演算部であり、演算に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。動画再生部541に入力された動画ファイルは、所定の演算処理を経てビデオ信号に変換され、端末本体51内に格納された図示しない出力部を経てモニタ53に表示される。
デコーダ542は、主動画ファイルと従動画ファイルとを所定のデコード情報を元にデコード処理(復号化処理)する演算部であり、演算処理に必要な十分な記憶領域とメモリを備えている。このデコーダ542は、動画再生部541と協働して、CM動画の再生を確認した上で、CM動画内に格納されているデコード情報を抽出し、このデコード情報を元に主動画ファイルおよび従動画ファイルを再生可能な動画像に復元する。
デコーダ542は、主動画ファイルを従動画ファイルをデコードするとともに、CM動画によって暗号化された従動画ファイルを復号化する復号化処理も兼ねる。すなわち、デコーダ542は、CM動画と従動画ファイルを受信し、その排他的論理和(XOR)を用いてデータを再び正常なCM動画と従動画ファイルとに復号化する。この復号化された従動画ファイルを主動画ファイルとデコードすることにより、再生することができる。
ユーザ情報格納部543は、ユーザの各種情報、例えばメールアドレスや年齢、名前など個人情報が格納されているとともに、初期登録時に配信を望むCM動画の種別などの情報も併せて格納されている。
これによれば、個人情報がユーザ端末5内に格納されていることにより、個人情報の管理をユーザ端末5側で行うことができ、要求に応じて個人情報を配信先サーバに配信するため、第三者への個人情報の流出を防止することができる。
ブラウザ55は、ユーザー端末5がインターネット回線1を介して接続する相手先のホームページを表示するために必要な閲覧ソフトであり、相手先端末から送信されたHTML形式の表示データをデコードして、ユーザ端末5のモニタ53に表示する。
動画ファイル格納部56は、主動画ファイルを格納する主動画ファイル格納部561と、主動画ファイルの属性情報などが記載されたファイル情報を格納する主動画ファイル情報格納部562とを備えている。
主動画ファイル格納部561は、多数の主動画ファイルを格納できるように十分な記録領域を有し、それらが階層的に保管されている。主動画ファイル情報格納部562も、多数の主動画ファイル情報を格納するため十分な記録領域を有し、それらが階層的に保管されている。
この実施形態において、動画ファイル格納部56は、ユーザ端末5内のハードディスク領域内に構築されたものからなるが、例えばCD−ROMやDVD−ROMなどの物理媒体によって配布されたもの中に格納されていてもよく、主動画ファイルとそのファイル情報を格納可能なものであれば、その形態は任意である。
本発明には、動画ファイルを分割するための動画分割システムおよびそのプログラムも含まれる。この動画分割システム(プログラム)は、サービス提供者サーバ2の動画配信エンジン221内に格納された動画分割部222に格納されている。
動画分割部222の基本的な構成は、入力された動画像をMPEG形式の動画像に圧縮する動画圧縮エンジンであるが、その一部に本発明の分割システムを組み込むことにより、動画を圧縮しながら時間軸に沿って各フレームを主従2つの再生不能な動画に分割する。
動画分割手段222は、動画像を各フレーム毎に取り込み、各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段(フレーム分割ステップ)と、第1フレームを下位7位ビットと最上位ビットとに分割するビット分割手段(ビット分割ステップ)と、第2フレームを、その第2フレーム情報のみで構成される第1コードと、第2フレーム情報と1つ前の上記第2フレームのフレーム情報とから構成される第2コードとに分けるコード分割手段(コード分割ステップ)と、第1コードを離散コサイン変換し、そのAC係数とDC係数とをそれぞれ抽出する係数抽出部(係数抽出ステップ)と、第2コード、AC係数および上記第1フレームの下位7ビットを組み合わせて主動画ファイルを構築し、DC係数および第1フレームの最上位ビットを組み合わせて従動画ファイルを構築する動画ファイル構築手段(動画ファイル構築ステップ)とを有している。
この動画分割システムは所定の演算ステップを経て実行される。図6にその演算ステップの一例を示す。まず、動画分割エンジン220が動画分割要求を受けると、動画分割エンジン220は、内部の動画ファイル格納部221から指定された動画ファイルを呼び出し、その動画のフレームを取り込む(ステップST101)。
次に、取り込まれたフレームのRGB情報を抽出し(ステップST102)、RGBで読み込んだフレームをG成分を基準とした輝度情報(Y)、R成分とY成分の色差情報(C)、B成分とY成分の色差情報を(C)に置き換える(ステップST103)。
上記YCC変換したフレームから輝度情報Yと、B成分の色差情報Cbと、R成分の色差情報Cr情報をそれぞれ抽出し(ステップST104)、視覚上認識できない色の情報をある程度圧縮し、容量を初期の約四分の一程度にまでダウンサンプリング(圧縮)する(ステップST105)。
ステップST105によってダウンサンプリングされたフレームをそのフレームの時間軸に沿った直前フレームと比較して、その最小二乗誤差を取得し(ステップST106)、フレーム内の情報のみからなるI−Frame(第1フレーム)と、直前フレームとの最小二乗誤差によって取得された情報からなるP−Frame(第2フレーム)とに分割する。なお、前後のフレーム情報を対象とするB−Frameを有するような場合においても、P−Frameと同様に分割処理する対象としてもよい。
なお、一番最初に取り込まれたフレーム(先頭フレーム)は、直前フレームの情報がないため、全てI−Frameとなる。この実施形態において、I−FrameおよびP−Frameは、それぞれ8ビット列のデータである。
分割された各フレームのうち、I−Frameは、まず、そのI−Frameヘッダが主動画ファイルに追加され(ステップST107)、そのフレーム情報を下位7ビットと最上位ビットとに分ける(ステップST108)。
ステップST108によって分けられた下位7ビットは、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)によって量子化され(ステップST109)、その各ブロックごとのDCT係数が量子化テーブルでさらに量子化され(ステップST110)、さらに量子化した各ブロックを符号表に基づきエントロピー符号化する(ステップST111)。これにより符号化されたものが主動画ファイルの一部となる。
他方の最上位ビットは、行単位で可逆圧縮される。まず、1行目がランレングス法によって圧縮・符号化され、残りの2行目以降がREADにより圧縮・符号化されたものが従動画ファイルの一部となる(ステップST112)。
分割された各フレームのうち、P−Frameは、まず、そのI−Frameヘッダを主動画ファイルに追加し(ステップST113)する。
次に、マクロブロックに分解され(ステップST114)、そのマクロブロックを時間軸に沿った直前フレームのマクロブロックと比較して、モーションベクトル(フレーム間の動きの変化量)を検索し(ステップST115)、フレーム内の情報のみからなるI(Intra)−Code(第1コード)と、直前フレームとのモーションベクトルによって取得された情報からなるP(Predictive)−Code(第2コード)とに分割する。
ステップST115によって分割された各コードのうち、I−Codeは、まず、そのヘッダが主動画ファイルに追加され(ステップST116)、各ブロック毎に離散コサイン変換によって量子化され(ステップST117)、その各ブロックのAC係数とDC係数をそれぞれ抽出する(ステップST118)。
一方のAC係数は、一旦行列の中間符号に置き換えられ、さらにランレングス法によって符号化される(ステップST119)。これにより符号化されたものが、主動画ファイルの一部となる。他方のDC係数は、符号表に基づきエントロピー符号化され(ステップST120)、これにより符号化されたものが、従動画ファイルの一部となる。
ステップST115によって分割された各コードのうち、P−Codeは、まず、そのヘッダ情報が主動画ファイルに追加され(ステップST121)、各ブロック毎に離散コサイン変換によって量子化され(ステップST122)、さらに量子化されたDCT係数は量子化テーブルで各ブロック毎に量子化される(ステップST123)。最後に量子化された各ブロックを符号表に基づきエントロピー符号化したものを主動画ファイルの一部とする(ステップST124)。
上記の分割方法では、動画フレームを圧縮しながら分割処理しているが、これ以外に既に圧縮された動画を分割する方法として次のような態様もある。すなわち、この動画分割手段222は、動画像を各フレーム毎に取り込み、各フレームを、そのフレーム情報のみで構成される第1フレームと、上記フレーム情報と1つ前のフレームのフレーム情報とから構成される第2フレームとに分けるフレーム分割手段(フレーム分割ステップ)と、第1フレームからブロックを抽出する第1ブロック抽出手段(第1ブロック抽出ステップ)と、第1ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第1係数抽出部(第1係数抽出ステップ)と、第2フレームからブロックを抽出する第2ブロック抽出手段(第2ブロック抽出ステップ)と、第2ブロック抽出手段にて抽出されたブロックからDC係数およびAC係数を取り出す第2係数抽出部(第2係数抽出ステップ)と、各係数抽出部から抽出された1フレーム前のDC係数を排他的論理和(XOR)処理して、そのビット数の一部をフィルタ係数として取り出すフィルタ処理部(フィルタ処理ステップ)と、第1係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第1ファイル構築部(第1ファイル構築ステップ)と、第2係数抽出部にて抽出されたAC係数と上記フィルタ処理部で生成されたフィルタ係数とを排他的論理和(XOR)処理する第2ファイル構築部(第2ファイル構築ステップ)とを備えている。
この例においても動画分割システムは所定の演算ステップを経て実行される。図にその演算ステップの一例を示す。まず、動画分割エンジン220が動画分割要求を受けると、動画分割エンジン220は、内部の動画ファイル格納部221から指定された動画ファイルを呼び出し、その動画のフレームを取り込む(ステップST401)。
次に、ステップST401によってサンプリングされたフレームをそのフレーム内の情報のみからなるI−Frame(第1フレーム)と、直前フレームとの最小二乗誤差によって取得された情報からなるP−Frame(第2フレーム)とに分割する。なお、前後のフレーム情報を対象とするB−Frameを有するような場合においても、P−Frameと同様に分割処理する対象としてもよい。
分割された各フレームのうち、I−Frameは、まず、第1フレーム抽出手段によってフレームを構成するブロックが抽出される(ステップST402)。次にステップST402にて抽出されたブロックからDC係数を取り出し、これを従動画ファイルの一部とする(ステップST403)。
残ったAC係数は、フィルタ処理部によって生成されたフィルタ係数とともに排他的論理和(XOR)処理された後、主動画ファイルの一部として保存される(ステップST404)。なお、DC係数とAC係数以外の例えばスケールファクタなどのブロック構成要素は、AC係数とともに主動画ファイルに保存される。
動画分割手段222はI−Frameから取り出されたブロックが残っている場合には、再度ステップST402から一連の作業を繰り返して、フレーム内の全てのブロックについて分割処理を実行する(ステップST405)。
他方、P−Frameは、まず、第2フレーム抽出手段によってフレームを構成するブロックが抽出される(ステップST406)。次に、抽出されたブロックがIntra−Codeブロック(イントラコードブロック)の場合には、次のステップにそのまま進み。Inter−Codeブロック(インターコードブロック)の場合には、以後の処理ステップを飛ばして、Intra−Codeブロック(イントラコードブロック)が現れるまで繰り返す(ステップST407)。
これは、すなわち、Inter−Codeブロック(インターコードブロック)はIntra−Codeブロック(イントラコードブロック)を参照して生成されるため、イントラコードブロックを分割してInter−Codeブロック(インターコードブロック)を分割すると二度手間になり、処理速度が低下するおそれがあるためである。
次にステップST407によって抽出されたIntra−CodeブロックからDC係数を取り出し、これを従動画ファイルの一部として保存する(ステップST408)。
残ったAC係数は、フィルタ処理部によって生成されたフィルタ係数とともに排他的論理和(XOR)処理された後、主動画ファイルの一部として保存される(ステップST409)。なお、DC係数とAC係数以外の例えばスケールファクタなどのブロック構成要素は、AC係数とともに主動画ファイルに保存される。
次に、P−Frameから取り出されたブロックが残っている場合には、再度ステップST408から一連の作業を繰り返して、フレーム内の全てのブロックについて分割処理を実行する(ステップST410)。
P−FlameおよびI−Frameの全ブロックの処理が終了すると、動画分割手段222は、今まで処理した各ブロックの全DC係数を読み出し、それらについて排他的論理和(XOR)処理を行い、その下位8ビットを抽出して、それをフィルタ係数とし、次のフレームを分割処理する際に用いる(ステップST411)。なお、最初のフレームを処理する際は、直前フレームが無いためフィルタ係数は「0(ゼロ)」として処理される。
ここで、ステップST411にて全てのDC係数を処理する目的としては、DC係数はそれぞれの値が近似しており、処理速度に負荷がかかりにくいためである。また、全てのDC係数を排他的論理和(XOR)処理する目的としては、値が近似している分各フレーム毎のフィルタ係数が十分に異なるようにするためである。
フィルタ係数と算出した後、動画分割手段222は、次のフレームありと判断した場合には、再度ステップST401にてフレームを取り込み、1フレーム前で計算したフィルタ係数を元に分割処理を実行するとともに、全フレームを処理した時点で一連の分割処理を終了する。
これによれば、予め圧縮された動画を分割処理することができるため、圧縮処理と分割処理とを同時並行で実行するよりもさらに処理速度を向上することができる。また、Inter−Codeブロック(インターコードブロック)は未処理にことで二度手間を省き、より処理速度を早くすることができる。
次に、本発明の動画配信システムのサービス提供者サーバ2と、動画コンテンツ提供者サーバ4との間で行われる動画分割手順の一例を図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、動画コンテンツ提供者がブラウザを起動させて、サービス提供者側のホームページのアドレスを入力するなどしてホームページにアクセスすると、WWWサーバ21は、ホームページを表示するための情報や画像、それにアカウント情報の入力画面をHTML形式に乗せて送信し、受け取った動画コンテンツ提供者のディスプレイ(表示手段)上にホームページとアカウントIDおよびパスワードの入力画面が表示される(ステップST301)。
動画コンテンツ提供者は、この入力画面に予め取得してあるアカウントIDとパスワードを入力して送信指定を出すと、入力されたアカウントIDとパスワードがサービス提供者サーバのユーザ認証エンジン210に通知され、これを受けてユーザ認証エンジン210は、認証処理を行う(ステップST302)。
なお、以下の説明においては、ユーザ認証エンジン210によってアカウント情報がサービス提供者であると認証された場合について説明する。動画コンテンツ提供者のアカウント情報が無い、新規ユーザの場合には、上述した新規ユーザ登録部216によって新規ユーザ登録ステップが実行される。また、入力されたアカウント情報が間違っていると判断された場合には、認証エラー画面を動画コンテンツ提供者に送信する。
ユーザ認証エンジン210によって認証されると、サービス提供者サーバ2は、今までの利用履歴や既に分割処理した動画などの各種ユーザ情報が記載された利用者画面を動画コンテンツ提供者に送信する(ステップST303)。
利用者画面が表示された状態で、動画コンテンツ提供者は分割配信を要求する。分割配信供給を受けたサービス提供者サーバ2は、利用者の今までの分割配信履歴やその配信方法などを検索し(ステップST304)、配信履歴や配信方法などの各種配信条件が記載された配信条件入力画面を動画コンテンツ提供者に送信する。
動画コンテンツ提供者は、配信条件入力画面を表示し(ステップST305)、今回配信する予定の動画ファイル名やその配信方法を指定し、サービス提供者サーバ2に送信すると、サービス提供者サーバ2は、配信内容を再確認するとともに、配信許諾文が記載された画面を動画コンテンツ提供者に送信する。
ここで、配信条件の一例としては、分割後の主動画ファイルおよび従動画ファイルのファイル管理方法、すなわち、主動画ファイルは動画コンテンツ提供者が管理するか、主従両方の動画ファイルをサービス提供者に委ねるかなどや、従動画ファイルに添付するCM動画の種別や、著作権料の受け取り方などが挙げられる。
これを受けた動画コンテンツ提供者は、再確認画面を表示し(ステップST306)し、画面上に表示された分割配信の了承ボタンを押すことで、その了承信号がサービス提供者サーバ2に送信され、これを受けたサービス提供者サーバ2は、分割配信する動画ファイルのダウンロードを要求する。
ダウンロード要求を受けた動画コンテンツ提供者サーバ4は、WWWサーバ41内の動画ファイル格納部43と動画ファイル情報格納部44を検索して該当する動画ファイルを呼び出し(ステップST307)、動画ファイル情報とともにサービス提供者サーバ2に送信する。併せて、動画コンテンツ提供者サーバ4は、その配信履歴を配信ログ管理部49に保存する。
この実施形態において、動画コンテンツ提供者は、分割配信する予定の動画ファイルをサービス提供者サーバ2に対してインターネット回線1を介してオンラインで配信するようにしているが、DVD−ROMなどの物理媒体で配信してもよい。
動画ファイルを受け取ったサービス提供者サーバ2は、まず、その動画ファイルとファイル情報のバックアップをそれぞれファイル名を付けて動画分割エンジン220の動画ファイル格納部221と、動画ファイル情報格納部222に互いにリンクを張った状態で格納する(ステップST308)。
次に、サービス提供者サーバ2は動画ファイルを動画分割エンジン220に配信して、これを受けた動画分割エンジン20は、内蔵する動画分割部222にて上述した図6の各ステップに基づき動画ファイルを主従2つの再生不能な動画ファイルに分割する(ステップST309)。
分割処理された主動画ファイルおよび従動画ファイルは、それぞれそのファイル情報が新たに加えられ、主動画ファイルは、動画分割エンジンの主動画ファイル格納部223に格納され、従動画ファイルは動画配信エンジン230内の従動画ファイル格納部231にそれぞれ保管される(ステップST310)。併せて、そのファイル情報も主動画ファイル情報格納部224と、従動画ファイル情報部232に送られて保管される。
動画分割エンジン220は、生成された主動画ファイルをその主動画ファイル情報を添付して、動画コンテンツ提供者に送信する。最後に、動画ファイルの分割履歴を分割ログ管理部228に送信して、分割ログを管理する。以上により、一連の動画分割ステップが完了する。
この実施形態において、生成された主動画ファイルは動画コンテンツ提供者にインターネット回線1を介してオンライン配信されるが、よりセキュリティー性を挙げるため、例えば電子メールなど添付して配信してもよいし、オンラインではなく、DVD−ROMなどの物理媒体を介してオフラインで配信してもよい。
次に、本発明の動画配信システムのサービス提供者サーバ2とスポンサーサーバ3との間で行われるCM配信手順の一例を図8のフローチャートを参照して説明する。なお、利用者画面に至るまでのステップは、上述した動画コンテンツ提供者の場合とほぼ同様であるため、簡略して説明する。
まず、スポンサーがブラウザを起動させて、サービス提供者側のホームページにアクセスすると、WWWサーバ21は、ホームページを送信し、スポンサーのディスプレイ上にホームページを表示する(ステップST320)。
次に、スポンサーは、入力画面にアカウントIDとパスワードを入力して送信すると、これを受けたユーザ認証エンジン210が認証処理を行い(ステップST321)、認証されると、サービス提供者サーバ2は、今までの利用履歴や既存のCM情報などの各種ユーザ情報が記載された利用者画面をスポンサーに送信する。
利用者画面からスポンサーがCM配信要求を出すと、サービス提供者サーバ2は、利用者の今までの配信履歴やその配信条件などを検索し(ステップST323)、それら各種配信条件が記載された配信条件入力画面をスポンサー側に送信する。
スポンサー側には、配信条件入力画面が表示され(ステップST324)、配信予定のCM動画ファイル名やその配信方法を指定してサービス提供者サーバ2に送信する。これを受けて、サービス提供者サーバ2は、CM配信内容を再確認し、配信許諾文が記載された画面をスポンサーに送信する。CM配信条件の一例としては、希望する動画コンテンツの種類やCM動画の配信先(ユーザ)の性別や年代などが挙げられる。
スポンサーサーバ3は、再確認画面をモニタ上に表示し(ステップST306)し、配信内容を再確認した上で、今回のCM配信にかかる費用の見積もりを要求する。見積もり要求を受け、サービス提供者サーバ2は、配信条件などに基づいて所定の見積もりステップを行い(ステップST326)、その見積もり画面をスポンサーサーバ3に送信する。
スポンサーサーバ3は、配信された見積もり画面を表示し(ステップST327)、提示した広告料金でよければ、画面上に表示された配信了承ボタンを押すことで、その了承信号がサービス提供者サーバ2に送信され(ステップST828)、その受託情報を例えばユーザ認証エンジン210のスポンサー情報格納部213に保存する(ステップST829)。
広告料金が妥当でないと判断した場合には、再度ステップST324に戻りCM動画の配信条件や配信方法などを設定し直して、新しく見積もりを取る。
サービス提供者サーバ2は、配信するCM動画ファイルのダウンロードを要求する。ダウンロード要求を受けたスポンサーサーバ3は、まず、次に、WWWサーバ31内のCM動画格納部32とCM情報格納部34を検索して該当するCM動画ファイルを呼び出し(ステップST330)、動画ファイル情報とともにサービス提供者サーバ2に送信する。併せて、スポンサーサーバ3は、その配信履歴を配信情報管理部35に保存する。
この実施形態において、スポンサーは、配信するCM動画ファイルをサービス提供者サーバ2に対してインターネット回線1を介してオンラインで配信するようにしているが、DVD−ROMなどの物理媒体で配信してもよい。
CM動画を受け取ったサービス提供者サーバ2は、まず、そのCM動画ファイルとCMファイル情報のバックアップをそれぞれファイル名を付けてCM配信エンジン240のCM動画格納部241と、CM動画情報格納部243に互いにリンクを張った状態で格納する(ステップST331)。最後に、CM動画の受託情報をスポンサーサーバ3に送信する。送信方法としては、ホームページ上で行ってもよいし、電子メールで送信するなどしてもよい。
次に、本発明の動画配信システムのサービス提供者サーバ2、動画コンテンツ提供者サーバ4、ユーザー端末5との間で行われる動画配信手順の一例を図9のフローチャートを参照して説明する。
まず、ユーザ端末5が動画コンテンツ提供者のホームページにアクセスすると、動画コンテンツ提供者サーバ3は、内蔵するWWWサーバ31からホームページ画面を送信し、ユーザ端末5のモニタ上にホームページが表示される(ステップST340)。
ユーザはさらに、ホームページを見て、配信可能な動画が記載された画面を要求する。これを受け、動画コンテンツ提供者サーバ3は、ファイル情報検索部48に指令を出し、配信可能な動画コンテンツを検索し(ステップST341)、配信一覧をサムネイル形式で表示した画面をユーザ端末4に配信する。
このとき、配信可能な動画画面を送信する前に、動画コンテンツ提供者サーバ3は、ユーザ認証エンジン42を駆動して、ユーザの認証を実行するようにしてもよい。その具体的な認証方法に関しては、上述したものと同様のものが用いられる。
端末5上に表示されたサムネイル画面を見て、ユーザは、閲覧したい動画の配信要求を動画コンテンツ提供者サーバ3に出す(ステップST342)。配信要求を受けた動画コンテンツ提供者サーバ3は、再度ファイル情報検索部48に指令を出し、主動画ファイル格納部44と主動画ファイル情報格納部47から配信要求が出された動画元の主動画ファイルとそのファイル情報を検索し(ステップST343)、該当する主動画ファイルの存在を確信した上で呼び出し(ステップST344)、ユーザ端末5に配信する。
併せて、動画コンテンツ提供者サーバ3は、今回配信した主動画ファイルの配信履歴や配信先ユーザの情報などを配信ログ管理部に保存する(ステップST345)。さらに、別の動画の配信要求がある場合には、ステップST341に戻り、別の動画を検索してユーザ端末5に配信する。要求がない場合は、動画コンテンツ提供者サーバ3の配信ステップは、終了する。
ユーザ端末5は、配信された主動画ファイルとファイル情報をハードディスク52内の主動画ファイル格納部561と主動画ファイル情報格納部562とにそれぞれファイル名を付けて保存する(ステップST347)。
次に、ユーザは、画面上に表示された主動画ファイルのアイコンをマウスでクリック(もしくはダブルクリック)することにより、主動画ファイルの情報が端末5内部の演算部によって起動される(ステップST348)。主動画ファイルが起動されると、そのファイル内に格納されている再生ソフト情報に基づき、演算部は、再生ソフト54がインストールされているかどうかハードディスク52内を検索する(ステップST349)。
演算部によって再生ソフト54のインストールなしと判断された場合、図10に示すように、まず、ファイル情報に記載されたネットワーク情報を元にユーザ端末5のブラウザ55が自動的に起動し(ステップST380)、そのネットワーク情報に記載されたホームページ(この実施形態では、サービス提供者サーバ2)にアクセスし、サービス提供者サーバ2より送信された再生ソフトのダウンロードホームページ画面を表示する(ステップST381)。
ユーザは、ホームページに表示された内容に沿って再生ソフトのダウンロード要求を出すと、サービス提供者サーバ2は、図示しない再生ソフト格納部から再生ソフトを呼び出し(ステップST382)、ユーザ端末5に送信する。
再生ソフト54をダウンロードしたユーザ端末5は、その再生ソフト54をハードディスク52内に保存する。この実施形態において、再生ソフト54は、ダウンロードされた時点ですぐに起動可能な状態のものが配信されるが、部とインストール作業を必要とするタイプのファイルであってもよく、再生ソフト54の配信形態については任意である。
次に、ユーザ端末5は保存された再生ソフト54を起動する(ステップST385)。起動指令を受けた再生ソフト54は、一旦内容を初期化し、自己の保有するユーザ情報格納部543にアクセスしてユーザ情報を取り出す(ステップST386)。そこで、ユーザ情報ありと判断された場合、すなわち、再生ソフト54を再インストールした場合には図9のステップST349に戻り、動画配信準備を整える。
ユーザ情報なし、すなわち新規ユーザと判断した場合には、新規ユーザ登録ステップに移行する。新規ユーザ登録ステップは、まず、画面上に表示された記入欄に沿ってユーザ情報を埋めてゆき、最後に登録完了ボタンを押す。これにより、新規ユーザ情報が再生ソフト54内のユーザ情報格納部543内に格納される(ステップST388)。
再生ソフト54は、ユーザ登録が完了されたことを確認すると、その登録完了通知をサービス提供者サーバ2のユーザ認証エンジン210に送信する。登録完了通知を受け、ユーザ認証エンジン210は、新規ユーザ登録部216に指令を出し、アカウント情報格納部217を検索して新しいアカウントIDとパスワードを発行し(ステップST390)、ユーザ認証エンジン210を介して再生ソフト54に送信する。
ユーザ認証エンジン210は、発行したアカウント情報をアカウント情報格納部217に格納し、その配信ログをアクセスログ管理部218に保存する。これにより、サービス提供者サーバ2の再生ソフト配信ステップが完了する。なお、アカウント情報の配信は、再生ソフト上でオンデマンド形式で行ってもよいし、ユーザ情報に記載したメールアドレスに送信するなどしてもよい。
アカウント情報を受け取ったユーザは、再生ソフト内に設けられたアカウント情報入力部にアカウント情報を入力すると(ステップST392)、再生ソフトは、図示しないアカウント判定部を使って入力されたアカウント情報が有効かどうかを判定し、有効と判断した場合には、再生ソフトにかけられた使用制限を解除する(ステップST393)。無効であると判断した場合には、使用制限を継続する。なお、使用制限の一例としては、再生回数の制限や主動画ファイルの保存制限などが挙げられる。
使用制限が解除されると、再生ソフト54は、ユーザに配信を希望するCMの種類やジャンルなどの設定画面を表示し、これに添ってユーザは希望するCM情報を設定するとともに(ステップST395)、その設定条件をユーザ情報格納部543に保存する(ステップST396)。さらに、設定する条件がある場合には、再度ステップST394に戻り条件を設定する。設定無しと判断した場合には、一連のユーザ登録ステップを終了して、図9のステップST349に戻り、動画の配信準備を整える。
以下においては、演算部が再生ソフト54がハードディスク52内にインストールされていると判断した場合について説明を行う。再び図9を参照して、再生ソフト54がハードディスク52内にインストール済みと確認されると、演算部は自動的にその再生ソフト54を起動し、主動画ファイル情報を再生ソフト54に読み込ませる(ステップST350)。
再生ソフト4は、主動画ファイル情報を読み込むと、そのファイル情報内に組み込まれたサービス提供者サーバのネットワーク接続情報(例えばTCP/IPなど)や従動画ファイルのファイル情報を元に、サービス提供者サーバ2の動画配信エンジン230にアクセスし、再生要求の出た主動画ファイル情報を動画配信エンジン230に送信する。
動画配信エンジン230は、受信した主動画ファイル情報をファイル情報検索部233に送り、ファイル情報検索部233は、それに合致する従動画ファイルを従動画ファイル格納部231を検索し、併せて従動画ファイル情報格納部232も検索を行い、従動画ファイル情報も検索して、動画の配信準備を整える。
配信準備が整うと、動画配信エンジン230は、ユーザ端末5の再生ソフト54に向けてユーザ情報の送信要求を出す。これを受けて、再生ソフト54は、ユーザ情報格納部543からユーザ情報を動画配信エンジン230に送信する。
ユーザ情報を受け取った動画配信エンジン230は、そのユーザ情報とファイル情報をユーザ情報検索部235に送信し、受け取ったユーザ情報検索部235は、ユーザ情報に適したCM動画をCM配信エンジン230を使って検索するとともに、選択されたCM動画が動画ファイルに添付可能な内容のCM動画かどうかを判断する(ステップST352)。
配信可能なCM動画が見つかると、ユーザ情報検索部235はCM配信エンジン240に配信指令を出し、CM動画を動画配信エンジン230内に取り込む。同時に、CM配信エンジン240は、配信履歴をCM情報格納部243内に書き込む(ステップST353)。
また、ユーザ情報検索部235は、合致する従動画ファイルを従動画ファイル格納部231から呼び出す(ステップST354)。呼び出された従動画ファイルは、暗号化処理部236に配信され、そこでCM動画情報を元に暗号化処理される(ステップST355)。なお、CM動画は暗号化されず、常に再生可能な状態となっている。
この実施形態において、暗号化処理は、各ファイル同士を排他的論理和(XOR)処理によって符号化する。生成されたCMファイルと従動画ファイルは、動画配信エンジン230からユーザ端末5に配信される。配信作業を終えた動画配信エンジン230は、最後にCMファイルの配信履歴を配信ログ管理部237に保管し(ステップST356)、併せて従動画ファイルの配信履歴も配信ログ管理部237に保管し、一連の作業を終える。
従動画ファイルとCMファイルを受け取った再生ソフトは、まず、先に配信されてきたCM動画を再生ソフト541で再生して、ユーザ端末5のモニタ53に表示する(ステップST358)。
CM動画を再生しながら、同時に再生ソフト54は、CM情報と従動画ファイル情報をデコーダ542に送信し、CM動画のファイル情報を元に従動画ファイルを排他的論理和(XOR)によって復号する(ステップST359)。
CM動画の再生が終了すると、再生ソフト54は、主動画ファイルと従動画ファイルをデコーダ542に送信し、これを受けて、デコーダ542は主動画ファイルと従動画ファイルを再生可能な動画ファイルに復号する(ステップST360)。
再生ソフト54は、復号化された動画を順次再生部541に送り、これを受け動画再生部541は、動画像をストリーミング再生する(ステップST361)。再生ソフト54は、動画を再生し続け、所定の配信終了条件を満足した場合には、動画の再生を終えるとともに(ステップST362)、再度CM動画363を再生して、一連の動画再生ステップを終える。
他方において、終了条件を満たしていないと判断した場合には、ステップST359に戻り動画のストリーミング再生を続ける。終了条件の一例としては、動画の最終フレームを再生したかどうかなどが挙げられる。
なお、この実施形態において、動画の再生終了後に再生されるCM動画は、最初に再生されたCM動画を再再生するようにしているが、最初のCM動画とは異なるものをあとからストリーミング再生するようにしてもよい。
この実施形態において、主動画ファイルは、予めユーザ端末5に格納され、従動画ファイルをストリーミング配信しながらストリーミング再生するようにしているが、主従両方の動画ファイルを同時にストリーミング配信しながら、再生するようにしてもよい。
また、この実施形態では、主動画ファイルは動画コンテンツ提供者サーバ3内に格納され、その管理を動画コンテンツ提供者が行うようにしているが、主従両方の動画ファイルをサービス提供者サーバ2内に格納して、サービス提供者が動画を一括管理するようにしてもよい。このような態様も本発明に含まれる。
次に、再生ソフト45のより具体的な構成について説明する。図11に示すように、再生ソフト54を起動すると、モニタ上には、再生ウインドウ60が表示される。再生ウインドウ60は、中央に動画を再生する表示部61を備え、表示部61の下には、動画の再生をコントロールするコントロール部62が設けられている。
この実施形態において、コントロール部62には、再生ボタン、停止ボタン、一時停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンおよび音量調節レバーが設けられている。
表示部61の隣には、表示中の動画に関する情報などが記載されるマルチウインドウ63が設けられている。マルチウインドウ63には、現在再生中の動画に関する情報(タイトルや著作権など)が表示されるとともに、CM動画再生中には、CM内容に関するホームページ先のリンクボタンなどが表示される。このようにマルチウインドウ63には、動画に関するあらゆる情報を表示することができる。
この実施形態において、再生ウインドウ60は、ユーザ端末5のモニタ53のデスクトップ上に独立して形成されたウインドウからなるが、本発明の動画配信プログラムを例えばWWWブラウザのプラグインとして、WWWブラウザ内に組み込むようにしてもよい。この場合、再生ウインドウ60は、ブラウザの表示ウインドウ内に表示される。このような態様も本発明に含まれる。
次に、図12を参照して動画の再生方法について説明する。この実施形態では2本の動画「動画1」、「動画2」と、3本のCM「CM1」、「CM2」、「CM3」を再生する場合について説明する。ユーザが「動画1」および「動画2」を無料で視聴するためには、必ずCMを視聴する必要がある。
そこで、通常の動画再生の流れとしては、図12(a)に示すように、まず最初に「CM1」を再生してから「動画1」を再生し、「動画1」の再生終了後には「CM2」が再生される。続けて、「CM2」の再生後に「動画2」が再生され、「動画2」の再生終了後、最後に「CM3」を再生して動画再生を終える。これにより、ユーザは動画の最初と最後で必ずCM動画を視聴しなくてはならない。
図12(b)に示すように、CM動画の再生中は、再生ウインドウ60のコントロール部62内の早送りボタンは操作不能になることが好ましい。これによれば、CM動画をスキップして直接動画を再生するのを防止できる。
また、図12(c)に示すように、「動画1」から「動画2」に跨るように早送りボタンを操作した場合には、必ず「動画2」の先頭の「CM2」の頭に戻って再生を開始すさせることがスポンサーにとって好ましい。
逆に、図12(d)に示すように、「動画2」から「動画1」に跨って戻る場合も同様に、「動画1」先頭の「CM1」から再生を開始させることがスポンサーにとって好ましい。
「動画1」や「動画2」の再生途中に動画再生を終えると最後に流れる「CM3」が視聴されないことになる。そこで、図12(d)に示すように、動画の再生途中で停止ボタンが操作された場合には、強制的に「CM3」を再生する。
具体的には、これら各制限事項は、上述した図9のステップST362内に設定することにより、動画の再生条件を指定することができる。
なお、再生ウインドウ60を強制終了させることにより、「CM3」の再生を待たず再生ソフトを終了させることも可能である。このような場合には、「CM3」の内容を再生ソフト内にバッファしておき、次回の再生時に「CM1」として再生するようにしてもよい。
この実施形態において、ユーザ端末5は、パーソナルコンピュータを例にとって説明したが、ユーザ端末5は、パーソナルコンピュータに限らず、例えば携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)、自動車や電車などに組み込まれた各種情報端末、さらにはゲーム機やテレビなどのオーディオビジュアル機器などネットワークに接続可能なものであれば、その種類に制限なく適用できる。
また、動画の配信を終えた後、配信ログ管理部237と協働してスポンサーに広告料金を請求する課金システムを別途設けてもよく。この場合、動画の配信回数や総再生時間などをカウントしておき、先にスポンサーに提示した見積もり案に沿って料金を自動で課金できるようしてもよい。