本発明は、移動通信端末装置に関する。さらに詳しくは、折りたたみ可能なデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置に関する。
従来から、携帯電話等の移動通信端末装置が広く普及している。こうした移動通信端末装置の機能や性能の向上は目覚しく、移動通信端末装置としての必須機能である通話機能やEメールの送受信機能に加えて、デジタルカメラ機能を有するものが登場してきている。こうしたデジタルカメラ機能付携帯電話には、テンキー等が配列された操作部を有する第1部分と、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置等を含む表示部を有する第2部分とを備えているものがある。
このようなデジタルカメラ機能付携帯電話としては、操作部における上記テンキー等の配列される通信用操作面と表示部における表示面とを平行に維持しつつ、当該両面に対して垂直な軸を中心軸として、第1部分に対して第2部分を回転させることにより、第1部分と第2部分とを重ね合わせたり展開したりするリボルバー型のもの(以下、「従来例1」と呼ぶ)がある。このリボルバー型のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分における通信用操作面とは反対側にカメラ用光学系が配置されている。そして、デジタルカメラ動作モードに設定されると、表示部の表示面がファインダとして機能し、カメラ用光学系により撮影された像が表示面に表示されるようになっている。また、第1部分と第2部分とが重なる状態においても、通常の着信やジョグダイアル等からの発信を可能とするため、ファンクションキー等の一部を第2部分に配置している。
また、同様な第1部分と第2部分を備えるデジタルカメラ機能付携帯電話として、通信用操作面と表示面の両面に平行な軸を中心軸として、第1部分に対して第2部分を回転するクラムシェル型のもの(以下、「従来例2」と呼ぶ)もある。このクラムシェル型のデジタルカメラ機能付携帯電話においても、第1部分における通信用操作面とは反対側又は第2部分におけるメインディスプレイの配置面の反対側にカメラ用光学系が配置されている。そして、第1部分に対して第2部分が折りたたまれた状態でデジタルカメラ動作モードに設定されると、第2部分におけるメインディスプレイの配置面とは反対側の面に配置されたサブディスプレイの表示面がファインダとして機能し、カメラ用光学系により撮影された像がサブディスプレイの表示面の長手方向を横方向として表示されるようになっている。なお、このクラムシェル型のデジタルカメラ機能付携帯電話は、第1部分に対して第2部分を展開した状態でもカメラ機能による撮像が可能となっている。この場合には、メインディスプレイの表示面がファインダとして機能する。
上述した従来例1及び従来例2のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分と第2部分が重なった状態において、一方の面側にカメラ用光学系のレンズが配置されているとともに、他方の面側にディスプレイの表示面が配置されることになる。このため、第1部分に対して第2部分が重なった状態で、例えば机上に安定した状態で載置すると、カメラ用光学系のレンズ又はディスプレイの表示面が机の面と接触することになる。これは、カメラ用光学系のレンズやディスプレイの表示面がガラス等で保護されていたとしても、その保護ガラス等に汚れが付着したり傷がはいったりする原因となる。こうした保護ガラス等の汚れや傷は、撮像又は表示された画像の観察に悪影響を及ぼすことになる。
また、従来例1のデジタルカメラ機能付携帯電話では、表示画面が常に外部から見ることができる状態となっている。このため、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性が、クラムシェル型の携帯電話と比べて確保しにくい。さらに、第1部分と第2部分とが重なりあった場合において、通常の着信やジョグダイアル等からの発信を可能とするため、ファンクションキーの一部を第2部分に配置している。そのため、テンキー等を操作するために第1部分と第2部分を重なり合っていない状態としたときに、操作キーが第1部分と第2部分との双方に配置されていることとなるため、操作性がよいとはいい難かった。
また、従来例2のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分に対して第2部分を折りたたんだ状態で、通常のデジタルカメラとして機能することができるが、その場合には、メインディスプレイの反対側の面に配置されたサブディスプレイの表示面がファインダとして機能することになる。このサブディスプレイは、移動通信端末装置が展開された状態において使用されるメインディスプレイと比べて、一般に表示領域の大きさや表示精細度及び動画に対する応答性において劣る。このため、移動通信端末装置が折りたたまれた状態でデジタルカメラとして機能する場合には、撮像画像を決定するためのファインダ表示性能が十分であるとはいい難かった。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、利用者の利便性を向上することができるデジタルカメラ機能付移動通信端末装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1部分と第2部分とが、第1軸を中心軸として相対的に回動可能に結合されることにより、折りたたみ可能に構成されたデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置である。
ここで、前記第1部分は、カメラ用光学系と、前記第1軸と平行であり、折りたたまれた際、第2部分と対向する操作面を有する操作入力部とを備える。また、前記第2部分は、前記第1部分と回動可能に結合されている部分を備える基台部と、表示デバイスを有し、前記表示デバイスの表示面に平行な第2軸を回転軸として、前記基台部に対して少なくとも180度回動可能に前記基台部と結合された表示部を備え、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1軸に沿った少なくとも両外側2箇所で、前記第1部分と、結合されている。
この移動通信端末装置においては、第1部分に対する第2部分の第1軸周りの回転と、第2部分における基台部に対する表示部の第2軸周りの回転という2種類の回転に関するそれぞれ2種類の状態を組み合わせることにより、機構的に4種類の状態を現出させる。
すなわち、この移動通信端末装置は、移動通信端末装置が折りたたまれておらず、かつ、表示部が回転していない(移動通信端末装置を折りたたんだときに表示面が通信用操作面に対向する向きである)第1状態と、移動通信端末装置が折りたたまれており、かつ、表示部が回転していない第2状態と、移動通信端末装置が折りたたまれておらず、かつ、表示部が回転している(移動通信端末装置を折りたたんだときに表示面の反対側の面が通信用操作面に対向する向きである)第3状態と、移動通信端末装置が折りたたまれており、かつ、表示部が回転している第4状態との4種類の状態をとることができる。
このため、上記の4状態それぞれについて、状態の遷移を考慮しつつ、動作モードとしてカメラモードや「待ち受け」や「通話中」等の状態を含む非カメラモードを原則的には自動的に割り振り、必要に応じて動作モードを適宜変更可能とすることとして、利用者による動作モードの設定を最小限とすることができる。
また、上記の第2状態においては、表示部を回転することができるため、表示デバイスの表示面とは反対側の面又は基台部にサブの表示デバイスを配置しない構成とすることができる。この結果、例えば、机上に載置する場合に、この面を机面との接触面とすれば、受光や表示のための部品又はそれらの保護部材に、机面との接触に起因する汚れや傷を防止することができる。
また、第1部分と第2部分とは、クラムシェル型で折りたたみ可能となっているので、通信用の操作キーの全てが第1部分における通信用操作面に配置することができ、操作時の操作性を確保することができる。
さらに、表示部が外面側とはならない上記の第2状態を実現できるので、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性を確保することができる。
また、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1軸に沿った少なくとも両外側2箇所で、前記第1部分と、結合されているため、第2部分は、第1部分との接続部分において、第1軸方向の幅を十分にとることができる。これにより、第2部分に十分な強度を保つことができ、更に第2部分により多くの機能を備えることができる。
ここで、本発明の移動通信端末装置では、第2軸は、第1軸に対して垂直とすることができる。
また、本発明の移動通信端末装置では、第1部分は、通信用操作面の垂直方向に突出し、カメラ用光学系を収納する突出部を更に備えることができる。これにより、第1部分における第2部分との接続部等を利用した通信用操作面に垂直方向に突出した突出部に、より大きなカメラ用光学系を収納するスペースを確保することにより、高性能なカメラを備えることができる。
また、本発明の移動通信端末装置では、カメラ用光学系の光軸は、通信用操作面に平行、または垂直とすることができる。
ここで、カメラ用光軸を通信用操作面に垂直とした場合において、移動通信端末装置は、第2軸を回転軸とする基台部に対する表示部の回転状態を検出する表示部回転状態検出器を備えることができ、更に、その表示部回転状態検出器が、第1軸を回転軸として移動通信端末装置を折りたたんだときに、表示面が通信用操作面に対向しない向きである表示部回転状態となったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとする制御部を備えることができる。この場合には、表示部における表示を見ながら行う通信用操作部のキーを操作して行う通信用操作に適さないが、表示デバイスが外面側となっておりファインダとして有効に機能できる第3状態又は第4状態にあることを表示部回転状態検出器が検出する。そして、この検出結果を受けた制御部が、表示部をファインダとして用いるカメラモードを動作モードに自動的に設定する。
さらに、この移動通信端末装置は、第1軸を回転軸とする移動通信端末装置の折りたたみ状態を検出する折りたたみ状態検出器を更に備えることができる。この場合には、表示部回転状態検出器が第3状態又は第4状態にあることを検出しているとき、折りたたみ状態検出器が、第3状態又は第4状態のいずれにあるかを検出する。そして、第3状態にあると検出されたときには、表示デバイスの表示面とカメラ光軸が同じ方向を向いており、自分自身を撮影するためのカメラモードで動作する。また、第4状態にあると検出されたときには、表示デバイスの表示面とカメラ撮像部の視野方向が反対方向を向いており、相手方を撮影するためのカメラモードで動作する。
ここで、表示部回転状態であって、折りたたみ状態検出器が、移動通信端末装置が展開状態となったことを検出した場合には、前記第1軸に垂直な方向を前記表示デバイスの縦方向としてガイダンス表示を行うことができる。また、表示部回転状態であって、折りたたみ状態検出器が、移動通信端末装置が折りたたみ状態となったことを検出した場合には、前記第1軸に垂直の方向を前記表示デバイスの横方向として、前記ガイダンス表示を行うことができる。更に、制御部は、利用者の指令に応じて、第1軸に垂直の方向を前記表示デバイスの縦方向とするか横方向とするかを変更し、ガイダンス表示を行うことができる。ここで、「ガイダンス表示」とは、表示デバイスに表示される利用者の操作を助けるための表示のことであり、通話着信表示やEメール受信表示等のイベント案内表示も含まれる。カメラモードで移動通信端末装置を使用する場合に、ガイダンス表示を横方向として利用するかは、原則的として、移動通信端末装置の形状により設定されるが、最終的に利用者により決定することができる。したがって、利用者の指令に応じて、制御部はガイダンス表示の縦横を変更することができ、操作性を保つことができる。
また、カメラモードで動作中に、制御部は、前記表示デバイスにガイダンスを透過表示させることができる。この場合には、カメラモードで動作しているときに表示部の表示面の全面をファインダとして利用できるとともに、ファインダ表示画像を大きく損うことなく、利用者に伝達したいガイダンスを表示部に表示することができる。
また、制御部は、カメラモードで動作中に、メール受信があった場合には、メール受信があった旨を利用者に通知し、利用者の指令により、内容を表示することができる。この場合には、カメラモードで動作しているときであっても、メール受信があった際には、その旨を利用者に通知し、利用者の判断により、その受信したメールの内容を確認することができるので、利用者は、受信したメールに対して、簡易に適切な処置をとることができる。
また、制御部は、カメラモードで動作中に、着信があった旨を利用者に通知することができる。この場合には、カメラモードで動作しているときであっても、着信を検出した場合には、着信があった旨を利用者に通知するので、着信に対して適切な処置を利用者が直ちにとることができる。
また、制御部は、展開状態、かつ、表示面が通信用操作面に対向する向きである表示部非回転状態で電源が投入された場合には、制御部は動作モードを非カメラモードとすることができる。この場合には、移動通信端末装置が第1状態であるときに、電源が投入されると、カメラモードではなく非カメラモードで動作する。ここで、「非カメラモード」とは、カメラモード以外のモードを意味し、「待ち受け」や「通話中」の状態だけでなく、メールやゲームのアプリケーションを実行している状態も含まれる。
また、表示部回転状態であり、かつ、展開状態のカメラモードで動作中の場合には、制御部は、画像の左右を反転させて表示させることができる。この場合には、自分を撮影するためのカメラモードであるため、表示デバイスの画面の左右反転を行い、鏡のように右側にあるものは右側、左側にあるものは左側に映る画面で表示することにより、利用者にわかりやすい撮影画面を提供する。
また、制御部は、表示部回転状態検出器が、表示部非回転状態にあることを検出し、かつ、折りたたみ状態検出器が、折りたたみ状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第2状態になったと検出されたとき、非カメラモードとなる。
ここで、制御部は、折りたたみ状態の非カメラモードから、第1軸を回転軸として移動通信端末装置を展開することにより、折りたたみ状態検出器が展開状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第2状態から第1状態になったことが検出されたとき、折りたたみ状態の非カメラモードから、表示部を通信用に用いる展開状態の非カメラモードに動作モードが切り換わる。
また、この移動通信端末装置は、基台部における、折りたたまれた際に操作面に対向する面の裏面側に、折りたたまれた際に操作を行う折りたたみ操作部を備えることができる。この場合には、折りたたまれた状態であっても、操作を行うことを可能としているため、利用者は移動通信端末装置を展開することなく、より簡易に操作を行うことができる。
さらに、制御部は、表示部回転状態かつ折りたたみ状態である場合には、利用者の折りたたみ操作部を介した指令に応じて、音声通信の制御を行う。この場合には、利用者は、折りたたまれた状態のまま、通話を行うことができる。
また、この移動通信端末装置は、表示部の表示面側に表示面操作部を備え、制御部は、表示部回転状態かつ折りたたみ状態である場合に、折りたたみ操作部及び表示面操作部の少なくとも一方を介した利用者の指令に応じて、ゲーム機能を実行する。この場合には、この移動通信端末装置は、表示部の表示面側にも利用者が操作可能な表示面操作部を備え、利用者は、表示面操作部及び折りたたみ操作部を操作することにより、ゲーム機能を利用することができる。
また、制御部は、表示部回転状態で、かつ、展開状態のカメラモードから、表示部が第2軸を回転軸として基台部に対して回転されることにより、表示部回転状態検出器が表示部非回転状態になったことを検出すると、動作モードを、カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第3状態から第1状態になったことが検出されたとき、自分自身を撮影するための第3状態のカメラモードから、表示デバイスの表示面とカメラ撮像部の視野方向が反対方向を向いており、相手方を撮影するための第1状態のカメラモードに動作モードが切り換わる。
また、表示部非回転状態で、かつ、展開状態のカメラモードとなった場合には、第1軸に垂直な方向を表示デバイスの縦方向として、ガイダンス表示を行うことができる。更に、制御部は、表示部非回転状態で、かつ、展開状態のカメラモードの場合には、利用者の指令に応じて、第1軸に垂直方向を表示デバイスの縦方向とするか横方向とするかを変更し、ガイダンス表示を行うことができる。この場合には、カメラモードで移動通信端末装置を使用する場合に、ガイダンス表示を横方向として利用するかは、原則的として、移動通信端末装置の形状により設定されるが、最終的に利用者により決定することができる。したがって、利用者の指令に応じて、制御部はガイダンス表示の縦横を変更することができ、操作性を保つことができる。
また、制御部は、表示部非回転状態であり、かつ、展開状態のカメラモードのカメラモードで動作中に着信し、着信に係る通信処理のために動作モードが非カメラモードとなり、この通信処理が終了した場合には、動作モードをカメラモードにすることができる。この場合には、第1状態のカメラモードで動作しているときに着信を検出し利用者が応答した場合であっても、通信が終了した場合には、カメラモードに戻るので、利用者は引き続きカメラモードでの操作を行うことができる。
[図1A]図1Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図1B]図1Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図1C]図1Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図2]図2は、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の突出部にカメラ用光学系が収納されていることを示す図である。
[図3]図3は、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の機能ブロック図である。
[図4A]図4Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図4B]図4Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図4C]図4Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図5A]図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図5B]図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図5C]図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図6A]図6Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図6B]図6Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図6C]図6Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図7]図7は、本発明の第一の実施形態における第1〜第4状態の相互間の遷移を機能遷移とともに説明するための図である。
[図8A]図8Aは、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおけるガイダンス表示を説明するための図である。
[図8B]図8Bは、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおけるガイダンス表示を説明するための図である。
[図9]図9は、本発明の第一の実施形態における非カメラモードである通信モード時における通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図10]図10は、本発明の第一の実施形態における第1状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図11A]図11Aは、本発明の第一の実施形態における第3状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図11B]図11Bは、本発明の第一の実施形態における第1状態の通信モードにおける着信処理を説明するためのフローチャートである。
[図12]図12は、本発明の第一の実施形態における第3状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
[図13]図13は、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図14]図14は、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
[図15]図15は、本発明の第一の実施形態における非カメラモードである通信モードにおけるEメール着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図16]図16は、本発明の第一の実施形態におけるカメラモードにおけるEメール着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図17A]図17Aは、第1部分における突出部の位置の第1の変形例を示す側面図である。
[図17B]図17Bは、第1部分における突出部の位置の第1の変形例を示す正面図である。
[図18A]図18Aは、第1部分における突出部の位置の第2の変形例を示す側面図である。
[図18B]図18Bは、第1部分における突出部の位置の第2の変形例を示す正面図である。
[図19]図19は、第1部分における突出部の位置の第3の変形例を示す図である。
[図20A]図20Aは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第1の変形例の第4状態を示す図である。
[図20B]図20Bは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第1の変形例の第2状態を示す図である。
[図21A]図21Aは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第2の変形例の第4状態を示す図である。
[図21B]図21Bは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第2の変形例の第2状態を示す図である。
[図22A]図22Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第1の変形例の第4状態を示す図である。
[図22B]図22Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第1の変形例の第2状態を示す図である。
[図23A]図23Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第2の変形例の第4状態を示す図である。
[図23B]図23Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第2の変形例の第2状態を示す図である。
[図24A]図24Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第3の変形例の第4状態を示す図である。
[図24B]図24Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第3の変形例の第2状態を示す図である。
[図25A]図25Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第4の変形例の第4状態を示す図である。
[図25B]図25Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第4の変形例の第2状態を示す図である。
[図26A]図26Aは、カメラ用光学系の光軸が、通信用操作面に垂直である場合における変形例の第4状態を示す側面図である。
[図26B]図26Bは、カメラ用光学系の光軸が、通信用操作面に垂直である場合における変形例の第4状態を示す正面図である。
[図27A]図27Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図27B]図27Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図27C]図27Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図28]図28は、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の機能ブロック図である。
[図29A]図29Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図29B]図29Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図29C]図29Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図30A]図30Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図30B]図30Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図30C]図30Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図31A]図31Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
[図31B]図31Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
[図31C]図31Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
[図32A]図32Aは、本発明の第二の実施形態における、非カメラモード内の状態遷移を説明するための図である。
[図32B]図32Bは、本発明の第二の実施形態における、カメラモード内の状態遷移を説明するための図である。
[図33]図33は、本発明の第二の実施形態における、第1〜第4状態の相互間の状態遷移を説明するための図である。
[図34]図34は、本発明の第二の実施形態における第1状態又は第4状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図35A]図35Aは、本発明の第二の実施形態における第1状態又は第4状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
[図35B]図35Bは、本発明の第二の実施形態における第3状態における通話着信時の表示例を示す図である。
[図36]図36は、本発明の第二の実施形態における第3状態における通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図37]図37は、本発明の第二の実施形態におけるカメラモード時におけるメール受信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
[図38]図38は、本発明の第二の実施形態におけるカメラモード時におけるメール受信時の表示例を示す図である。
≪第一の実施形態≫
以下、本発明の第一の実施形態を、図1A〜図16を参照しつつ説明する。
図1A〜図3には、第一の実施形態に係る移動体端末装置である携帯電話10の構成が概略的に示されている。なお、図1A〜図1Cは、後述する機構的な第1状態における外観構成が示されている。ここで、図1Aには携帯電話10の外観の正面図が示され、図1Bには携帯電話10の外観の右側面図が示され、図1Cには携帯電話10の外観の裏面図が示されている。また、図3には、携帯電話10の機能ブロック構成が示されている。
図1A〜図3において総合的に示されるように、携帯電話10は、第1部分11と、該第1部分11に対して、第1軸としての軸AX1を中心軸として回動可能な第2部分12とを備えている。また、第2部分12は、第1部分11の軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分11と回動可能に結合されている。
そして、第2部分12は、第1部分11側に配置された基台部15と、当該基台部15に対して、第2軸としての軸AX2を中心軸として回動可能な表示部16とを有している。
第1部分11の図1Aに示される通信用操作面側には、(a)テンキー、ファンクションキー等の操作キーが配列された通信用操作部21と、(b)通話時に音声を入力するためのマイクロフォン22とが配置されている。ここで、通信用操作部21には、通話又はEメールの発信時には発信処理開始を指令し、通話着信時には通話処理開始を指令するための発信キーと、通信処理中における短時間の押下により終話を指令し、長時間の押下により電源のオン/オフを指令するための終話/電源キーが含まれているものとする。なお、通話着信から通話開始までの間に終話/電源キーが短時間だけ押下されると、簡易留守録がされるようになっている。
また、第1部分11の通信用操作面を正面としたときの図1Bに示される右側面には、(c)カメラモードで動作しているときに操作が有効となるカメラ用縦方向キー23、カメラ用決定キー25及びシャッタ26からなるカメラ用操作部が配置されている。また、第1部分11の当該通信用操作面を正面としたときの上側面側には、(d)カメラモードで動作しているときに操作が有効となるカメラ用横方向ダイアル24が配置されている。さらに、第1部分11の当該通信用操作面の裏面側には、図1Cに示されるように、(e)後述するメインディスプレイ28が外面とならない後述する機構的な第1状態(図4A〜図4C参照)において、補助的な表示を行うサブディスプレイ31と、(f)着信音や案内音を発生するための案内用スピーカ32と、(g)カメラ用光学系の視野内の像を撮像する撮像部33とが配置されている。撮像部33は、後述する機構的な第2状態にある携帯電話10の斜視図である図2に示されるように、第2部分12と結合するために作られた第1部分11の突出部に収納されている。
第1部分11は、図3に示されるように、上記の要素に加えて、その内部に、(h)中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)等を備え、携帯電話10の全体の動作を統括制御する制御部40、(i)基地局との間で無線信号を授受するための内蔵型アンテナ41と、(j)アンテナ41を介して通信信号の送受信を行う送受信部42と、(k)プログラムやデータを格納する記憶部43とを備えている。また、第1部分11は、その内部に、(l)携帯電話10の折りたたみ状態を検出する折りたたみ状態検出器45を更に備えている。ここで、折りたたみ状態検出器45は、携帯電話10がほぼ完全に折りたたまれているときに折りたたみ状態にあると検出し、完全には折りたたまれていないときには展開状態にあると検出するようになっている。
また、第2部分12の表示部16は、図1Aに示されるように、制御部40の指令に応じて、通信用操作部21の操作結果等を表示するメインディスプレイ28と、通話時に通信相手から送られてきた音声信号を再生する通話用スピーカ29とを備えている。
一方、同じく第2部分12である基台部15は、図3に示されるように、その内部に、基台部15に対する表示部16の回転状態を検出する表示部回転状態検出器46を更に備えている。ここで、表示部回転状態検出器46は、図1A〜図1Cにおける基台部15と表示部16との位置関係、すなわち、携帯電話10を折りたたんだ場合に通信用操作面とメインディスプレイ28の表示面とが対向する位置関係にある表示部非回転状態にあることを制御部40へ通知する。また、表示部回転状態検出器46は、表示部非回転状態から軸AX2回りに表示部16が180度回転した状態である表示部回転状態にある場合には、表示部回転状態であることを制御部40へ通知する。
なお、表示部非回転状態から表示部回転状態となるまでの間は、表示部回転状態検出器46は表示部非回転状態にあると制御部40へ通知するようになっている。また、表示部回転状態から表示部非回転状態となるまでの間は、表示部回転状態検出器46は表示部回転状態にあると制御部40へ通知するようになっている。
以上のように構成されている携帯電話10では、(i)図1A〜図1Cに典型的に示されるような、携帯電話10が展開状態であり、かつ、表示部非回転状態である機構的な第1状態、(ii)図4A〜図4Cに典型的に示されるような、携帯電話10が折りたたみ状態であり、かつ、表示部非回転状態である機構的な第2状態、(iii)図5A〜図5Cに典型的に示されるような、携帯電話10が展開状態であり、かつ、表示部回転状態である機構的な第3状態、(iv)図6A〜図6Cに典型的に示されるような、携帯電話10が折りたたみ状態であり、かつ、表示部回転状態である機構的な第4状態という4つの状態を機構的に取り得る。
ここで、機構的な第2状態では、図4A〜図4Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21が内側に隠れている。このことを考慮して、制御部40は、機構的な第2状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、非カメラモードである通信モードとしている。この通信モードでは、上述したカメラ用操作部の各キーはキーロックされるようになっている。なお、第2部分12において光学的な機能を有する部品が一切配置されていない面が外面を構成しているので(図4A参照)、この面を接触面として机や台の上へ携帯電話10を置いたとしても、携帯電話10の光学的な機能を有するディスプレイ面、撮像部33のカメラ用光学系又はこれらの保護用の透明部材の傷をつけたり、汚れを付着させたりすることがない。
また、機構的な第3状態では、図5A〜図5Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21は表に表れているが、互いに反対の方向を向いている。このため、メインディスプレイ28の表示面を見ながら通信用操作部21を操作することができない。一方、機構的な第3状態では、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向に撮像部33の視野方向が向いており、メインディスプレイ28の表示面をファインダとして、自分自身を撮影することが可能な状態となっている。これらを考慮して、制御部40は、機構的な第3状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、メインディスプレイ28のガイダンスの表示が軸AX2方向を縦方向とする第3状態のカメラモードとしている。このガイダンス表示の向きは、利用者がカメラ用操作部を操作することにより、軸AX2方向を横方向とすることができる。また、この第3状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転してメインディスプレイ28に表示するようになっている。なお、第3状態のカメラモードでは、終話/電源キーを除く通信用操作部21のキーはキーロックされるようになっている。
また、機構的な第4状態では、図6A〜図6Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面は表に表れているが、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向とは反対方向に撮像部33の視野方向が向いた状態の通常のデジタルカメラと同様の形態となっている。これを考慮して、制御部40は、機構的な第4状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、メインディスプレイ28のガイダンスの表示が軸AX2方向を横方向とする第4状態のカメラモードとしている。このガイダンス表示の向きは、第3状態のカメラモードの場合と同様に、利用者がカメラ用操作部を操作することにより、軸AX2方向を縦方向とする向きとすることができる。なお、この第4状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転せずにメインディスプレイ28に表示するようになっている。
ところで、機構的な第1状態では、図1A〜図1Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21の通信用操作面は、共に表に現れている。このため、メインディスプレイ28の表示面を見ながら通信用操作部21を操作することができる。また、機構的な第1状態では、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向とは反対側に撮像部33の視野方向が向いており、メインディスプレイ28の表示面をファインダとして、通常の撮像(利用者の視野方向を撮影方向とする撮像)が可能な状態となっている。これらを考慮して、制御部40は、機構的な第1状態にあることを認識すると、発着信動作が可能な通信モード、又は、メインディスプレイ28の表示面をファインダとしたカメラモードのいずれの動作モードでも動作可能としている。なお、この第1状態のカメラモードでは、ガイダンス表示の向きは、軸AX2方向を縦方向としている。このガイダンス表示の向きは、第3状態及び第4状態のカメラモードの場合と同様に、利用者がカメラ用操作を操作することにより、軸AX2方向を縦方向とする向きとすることができる。なお、第1状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転せずにメインディスプレイ28に表示するようになっている。
なお、以下の説明においては、機構的な第1状態において、通信モードで動作する状態を「第1a状態」と、カメラモードで動作する状態を「第1b状態」とも呼ぶものとする。
次に、上述した各状態相互間の状態遷移について、図7を参照して説明する。
電源をオン又はオフとすることは、通信用操作部21の操作が可能な機構的な第1状態又は第3状態でのみ可能ある。機構的な第1状態で電源がオンとされた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態にあることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。すなわち、第1a状態となる。一方、機構的な第3状態で電源がオンとされた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態にあることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードをカメラモードに設定する。
第1a状態から携帯電話10が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部非回転状態の機構的な第2状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。また、機構的な第1状態から携帯電話10が展開された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46が、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。
また、第1a状態から、表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。そして、機構的な第3状態から第1部分11に対して第2部分12が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部回転状態の機構的な第4状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。
機構的な第4状態から携帯電話10が展開された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。そして、通話着信処理時に、機構的な第3状態から表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードを展開時通信モードに設定する。すなわち、第1a状態となる。
一方、通話着信処理時以外に、機構的な第3状態から表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46が、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。すなわち、第1b状態となる。そして、第1b状態から携帯電話10が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部非回転状態の機構的な第2状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードを通信モードに設定する。
また、第1a状態と第1b状態との間では機構的な状態が変化しないが、通信用操作部21を操作することにより、相互間での状態遷移が可能である。すなわち、第1a状態において、通信用操作部21の操作により、カメラモード動作の指令がされると、この指令を受けた制御部40が、カメラモードを動作モードに設定する。この結果、第1a状態から第1b状態へ状態が遷移する。
一方、第1b状態において、通信用操作部21の操作により、通信モード動作の指令がされると、この指令を受けた制御部40が、通信モードを動作モードとして設定する。この結果、第1b状態から第1a状態へ状態が遷移する。
以上のように相互間で遷移する状態のうちで、本実施形態では、発信動作は第1a状態でのみ可能としている。第1a状態では、メインディスプレイ28に表示される通信用画面をみながら、利用者により行われる通信用操作部21の操作に従って、通話発信やEメールの送信を実行する。また、メインディスプレイ28の通信用表示を見ながら行う送信用Eメールの作成、受信したEメールの表示やブラウザ機能の実行等も第1a状態でのみ可能としている。
また、撮像動作は、第1b状態、第3状態又は第4状態においてのみ可能である。第1b状態においては、ズーム等のカメラ機能設定や変更は、通信用操作部21の操作によって行われる。また、第3状態又は第4状態においては、カメラ機能の設定や変更は、メインディスプレイ28に表示されるガイダンスを見つつ行われるカメラ用操作部の操作によって行われる。
また、先に述べたとおり、携帯電話10の機構的な状態が変化して、変化後の状態がカメラモードである場合には、制御部40は、メインディスプレイ28に表示されるガイダンス表示を軸AX2方向の横方向とするか縦方向とするかを判断し、ガイダンスを表示する。ここで、利用者はカメラ用操作部の操作により、このガイダンス表示の向きの変更をすることができる。機構的な第3状態から第4状態に変化した場合を例に説明すると、図8A及び図8Bに示すように、第3状態から第4状態への変化を認識した制御部40は、図8Aに示すように、メインディスプレイ28に、軸AX2方向を横方向とするガイダンス表示を行う。利用者はカメラ用操作部を操作して、軸AX2方向を縦方向とするガイダンス表示の指令を行うことにより、図8Bに示すような軸AX2方向を縦方向とするガイダンス表示に切り替えることができる。
なお、こうしたメインディスプレイ28に表示されるカメラ機能の設定や変更のガイダンスは、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
カメラ機能の設定や変更の後、シャッタ26の操作により、撮像を行うことができる。そして、撮像結果は、上述した記憶部43に格納される。
ところで、通話着信の通知処理やEメールの受信処理は、上記のすべての状態で可能となっている。ここで、これらの受信処理は、主に制御部40によって行われる。
これらの処理のうち、まず、通話着信の通知処理に始まる通話着信関連処理について説明する。
上記の第1a状態又は第2状態の通信モード動作中に通話着信があったときの処理を、図9を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS11において、現在の状態が第1a状態であるか否かが判定される。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS14へ移行する。
一方、現在の状態が第2状態であり、ステップS11の判定が否定的であった場合には、処理はステップS12へ移行する。このステップS12では、メインディスプレイ28以外によって通話着信表示が行われる。すなわち、案内用スピーカ32により呼び出し音を発生させたり、サブディスプレイ31に通話着信表示をしたりする。なお、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生に代えて、携帯電話10を振動させるようにしてもよい。
引き続き、ステップS13において、第2状態から第1部分11に対して第2部分12が展開されて第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS13の処理が繰り返される。そして、ステップS13において肯定的な判定がされると、処理はステップS14へ移行する。
ステップS14では、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
次に、ステップS15において、利用者により発信キーが押下され、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS15の処理が繰り返される。そして、ステップS15において肯定的な判定がされると、処理はステップS16へ移行する。
ステップS16では、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。このステップS16では、通話処理と並行して、利用者により終話キーが押下され、通話終了指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS16の処理が繰り返される。
そして、ステップS16において通話終了指令がなされたか否かに関して肯定的な判定がされると、通話処理は中止される。そして、着信前と同様の第1a状態の通信モードとなる。
次に、上記の第1b状態のカメラモードで動作中に通話着信があったときの処理を、図10を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS21において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップS22において、利用者により発信キーが押下され、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS23へ移行する。ステップS23では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS22へ移行する。そして、ステップS22又はステップS23において肯定的な判定がなされるまで、ステップS22及びステップS23の処理が繰り返される。
ステップS22において肯定的な判定がされると、処理はステップS25へ移行する。ステップS25では、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。このステップS25では、通話処理と並行して、利用者により終話キーが押下され、通話終了指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS25の処理が繰り返される。
ステップS25において通話終了指令がなされたか否かに関して肯定的な判定がされると、通話処理は中止される。そして、着信前と同様の第1b状態のカメラモードの処理が再開される。
一方、ステップS23において肯定的な判定がされると、処理はステップS24へ移行する。このステップS24では、留守番電話録音と、録音終了後の留守録があることを示す表示(例えば、留守録有を示すピクトグラムの表示)という簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、着信前と同様の第1b状態のカメラモードの処理が再開される。
次に、上記の第3状態のカメラモード動作中に通話着信があったときの処理を、図11Aを参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS31において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップ32において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のためのガイダンスを表示する。このガイダンス表示においては、図12に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するためには画面を回転すべきことついても表示する。また、簡易留守録処理を行うためには終話/電源キーを短時間だけ押下すべきこと等を表示してもよい。なお、このガイダンス表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
次いで、ステップS33において、利用者により表示部16が基台部15に対して180度回転されて第1a状態となったか、すなわち利用者が通話するか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS34へ移行する。ステップS34では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS33へ移行する。そして、ステップS33又はステップS34において肯定的な判定がなされるまで、ステップS33及びステップS34の処理が繰り返される。
ステップS33において肯定的な判定がされると、処理はステップS36へ移行する。ステップS36は、第1a状態の着信処理として、図11Bを参照して説明する。図11BのステップS71において、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS72へ移行する。
ステップS72では、利用者により発信キー押下等により、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的な場合には、ステップS71に戻り、ステップS71及びステップS72の判定が繰り返される。ステップS72の判定が肯定的な場合には、ステップS73に移行し、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。ここでは、ステップS25と同様に、ステップS74において、通話終了指令がなされたか否かが判定される。
ここでの判定が、否定的な場合には通話処理が続行され、ステップS73及びステップS74の処理が繰り返される。ステップS74において、肯定的な判定がされると、通話処理は中止され、第1a状態の着信処理であるS36は終了する。一方、ステップ71における判定が、肯定的である場合には、上述したステップS24と同様の簡易留守録処理が行われる。簡易留守録処理が終了すると、第1a状態の着信処理であるS36は終了する。
そして、ステップS36の第1a状態の着信処理が終了すると、図11Aに戻り、第1a状態の通信モードとなる。
一方、ステップS34において肯定的な判定がされると、処理はステップS35へ移行する。このステップS35では、上述したステップS24と同様の簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、着信前と同様の第3状態のカメラモードの処理が再開される。
次に、上記の第4状態のカメラモード動作中に通話着信があったときの処理を、図13を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS41において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップS42において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のための第1段階のガイダンスを表示する。この第1段階のガイダンス表示においては、図14に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するために携帯電話10を展開すべきことについても表示する。なお、このガイダンス表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
次いで、ステップS43において、利用者により携帯電話10が展開されて第3状態となったか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS43の処理が繰り返される。そして、ステップS43において肯定的な判定がされると、処理はステップS44へ移行する。
引き続き、ステップS44において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のための第2段階のガイダンスを表示する。この第2段階のガイダンス表示においては、上述したステップS32の場合と同様に、図12に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するためには画面を回転すべきことについても表示する。
次いで、ステップS45において、利用者により表示部16を基台部15に対して180度回転されて第1a状態となったか、すなわち利用者が通話を行うか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS46へ移行する。ステップS46では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS45へ移行する。そして、ステップS45又はステップS46において肯定的な判定がなされるまで、ステップS45及びステップS46の処理が繰り返される。
ステップS45において肯定的な判定がされると、処理はステップS36へ移行する。第1a状態の着信処理であるステップS36は、上述したように、図11Bにおいて、利用者により通話処理または簡易留守録処理の選択が行われ、通話処理及び簡易留守録処理のいずれか一つが実行される。その処理が終了すると、ステップS36が終了し、図13の第1a状態における通信モードとなる。
一方、ステップS46において肯定的な判定がされると、処理はステップS47へ移行する。このステップS47では、上述したステップS24やステップS35の場合と同様の簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、第3状態のカメラモードへ移行する。
次に、上記の各状態におけるEメール受信処理に始まるEメール着信関連処理について説明する。
上記の第1a状態又は第2状態の通信モード動作中にEメール受信があったときの処理を、図15を参照して、説明する。まず、ステップS51において、現在の状態が第1a状態であるか否かが判定される。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS54へ移行する。
一方、現在の状態が第2状態であり、ステップS51の判定が否定的であった場合には、処理はステップS52へ移行する。このステップS52では、サブディスプレイ31へのEメール受信表示が行われる。
引き続き、ステップS53において、第2状態から第1部分11に対して第2部分12が展開されて第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS53の処理が繰り返される。そして、ステップS53において肯定的な判定がされると、処理はステップS54へ移行する。
ステップS54では、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が行われる。このメインディスプレイ28へのEメール受信表示がされた第1a状態において、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作により、受信メールの表示が可能となる。
上記の第1b状態、第3状態又は第4状態のカメラモード動作中にEメール受信があったときの処理を説明する。この場合には、図16に示されるように、まず、ステップS61において、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が一時的に行われ、利用者にEメールを受信したことについて注意が喚起される。なお、このEメール受信表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
こうしたメインディスプレイ28への一時的なEメール受信表示が終了すると、ステップS62において、各状態に応じた処理が再開される。このステップS62では、各状態の処理と並行して、第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間は、ステップS62の処理が繰り返される。そして、ステップS62において第1a状態に遷移したか否かに関して肯定的な判定がされるまで、ステップS62の処理が繰り返される。なお、ステップS62の処理の繰り返し中に異なる動作モードの状態(第1a状態を除く)に変化したときには、ステップS62では変化後の動作モードに応じた動作が行われる。
そして、動作モードの状態が第1a状態となり、ステップS62において第1a状態に遷移したか否かに関して肯定的な判定がされると、処理はステップS64へ移行する。このステップS64では、上述したステップS54の場合と同様に、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が行われる。このメインディスプレイ28へのEメール受信表示がされた第1a状態において、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作により、受信メールの表示や、メールサーバからの受信メールの取得が可能となる。そして、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作に従って、受信メールの表示や、メールサーバからの受信メールの取得が行われる。
以上説明したように、第一の実施形態では、第1部分11に対する第2部分12の軸AX1回りの回転と、第2部分12における基台部15に対する表示部16の第2軸回りの回転という2種類の回転に関するそれぞれ2種類の状態の組み合わせとして、4種類の機構的な状態を現出させるとともに、これら4種類の機構的な状態を検出することができる。そして、これら4状態それぞれについて、状態の遷移を考慮しつつ、動作モードとして通信モードやカメラモードを原則的には自動的に割り振り、必要に応じて動作モードを適宜変更可能とすることとして、利用者による動作モードの設定を最小限とすることができる。
また、上述した第2状態においては、表示部16の表示面とは反対側の面又は当該面と同一側の基台部15の面には光学的部品を配置してない。このため、机上に載置する場合に、この面を机面との接触面とすれば、受光や表示のための部品又はそれらの保護部材に、机面との接触に起因する汚れの付着や傷がつくことを防止することができる。
また、通信用の操作キーの全てが第1部分11における通信用操作部21に配置されている。このため、リボルバー型のように第1部分11及び第2部分12の両部分にわたって操作キーが配置されることがないので、通常の従来の移動通信端末装置における通信用操作時の操作性を確保することができる。
また、第1部分11と第2部分12とは、いわゆるクラムシェル型で折りたたみ可能となっている。このため、メインディスプレイ28が外面側とはならない上記の第2状態を実現できるので、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性を、通常の従来の携帯電話の場合と同様の程度で確保することができる。
また、カメラモードが動作モードとして設定されているときであっても、通話着信やEメール受信が検出された場合には、当該イベントを利用者に通知するので、当該イベントに対して適切な処置を利用者が直ちにとることができる。
また、カメラモードが動作モードとして設定されているときに表示部のメインディスプレイ28における表示面の全面をファインダとして利用できるとともに、ファインダ表示画像を大きくは損なわずに利用者に伝達したい各種のガイダンスをメインディスプレイ28に表示することができる。
また、第2部分12は、第1部分11の第1軸AX1に沿った少なくとも両外側2箇所で、第1部分11と、結合されているため、第2部分12は、第1部分11との接続部分において、第1軸AX1方向の幅を十分にとることができ、第2部分12に十分な強度を保つことができる。
また、第1部分11の突出部にカメラ光学系を収納することにより、より高性能なカメラ機能を備えることができる。
なお、上記第一の実施形態では、第3状態(又は第4状態)における通話着信関連処理において、図11A(又は図13)のステップS33(又はステップS45)において第1a状態となったと判定されると、発信キー等が押下され、通話指令がされた後にステップS36の通話処理に移行することとした。これに対して、第1a状態となったと判定された後、直ちに通話処理に移行することとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1b状態(又は第3状態若しくは第4状態)における通話着信関連処理において、図10(又は図11A及び図13)のステップS23(又はステップS34及びステップS46)において終話/電源キーが押下されたときに留守録処理の指令がなされたと判定することとした。これに対し、通信用操作部21のいずれの操作キーが押下されたときにも、留守録処理の指令がなされたと判定することとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第4状態における着信があった場合には、第3状態に形状を変更した後に簡易留守録処理S47を行うこととしたが、機構的な第4状態の形状のまま、カメラ用操作部等の所定キーが操作されることにより、簡易留守録処理を行うこととしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1部分11における第2部分12との接続部分に突出部があることとしたが、携帯電話10を折りたたんだときに重ならない部分で、図17A及び図17Bに示すように、第1部分11における第2部分12の基台部15側にあることとしてもよいし、図18A及び図18Bに示すように、第1部分11における第2部分12の表示部16側にあることとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1部分11の突出部における中央部に撮像部33を収納することとしたが、図19に示すように、突出部における端部にカメラ用光学系を収納してもよい。
また、上記第一の実施形態では、基台部15と表示部16との接点は軸AX2上で一つであったが、図20A及び図20Bに示すように、基台部15の形状を表示部16の一部を囲むような形状としたり、図21A及び図21Bに示すように、表示部16の全部を囲むような形状とし、軸AX2上の2点で基台部15と表示部16とが接するような構造としてもよい。
また、上記第一の実施形態では、軸AX2は、軸AX1に垂直であったが、軸AX2を軸AX1と平行とすることもできる。例えば、基台部15と表示部16の接点を一つとした構造では、図22A及び図22Bに示すように、基台部15をL字型形状としたり、図23A及び図23Bに示すように、基台部15を表示部16の一部を囲むような形状とすることができる。また、基台部15と表示部16の接点を二つとした構造では、図24A及び図24Bに示すように、基台部15の形状を表示部16の一部を囲むような形状としたり、図25A及び図25Bに示すように、表示部16の全部を囲むような形状とすることができる。
また、上記第一の実施形態では、カメラ用光学系の光軸は、通信用操作面に平行であることとしたが、図26A及び図26Bに示すように、通信用操作面に垂直であるとすることができる。
また、上記第一の実施形態では、第2部分12は、第1部分11の第1軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分11と結合されているが、両外側2箇所の他に結合箇所を設けることもできる。
また、上記第一の実施形態では、本発明を携帯電話に適用したが、携帯電話以外の移動通信端末装置に本発明を適用することができるのは勿論である。
≪第二の実施形態≫
以下、本発明の第二の実施形態を、図27A〜図38を参照しつつ説明する。
ここで、第一の実施形態と同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図27A〜図28には、第二の実施形態に係る移動体端末装置である携帯電話100の構成が概略的に示されている。図27A〜図27Cは、機構的な第1状態における外観構成が示されており、図27Aには携帯電話100の外観の正面図が示され、図27Bには携帯電話100の外観の右側面図が示され、図27Cには携帯電話100の外観の裏面図が示されている。また、図28には、携帯電話100の機能ブロック構成が示されている。
第一の実施形態の携帯電話10の場合と同様に、携帯電話100は、第1部分111と、該第1部分111に対して、軸AX1を中心軸として回動可能な第2部分112とを備えている。また、第2部分112は、第1部分111の軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分111と回動可能に結合されている。そして、第2部分112は、第1部分111側に配置された基台部115と、当該基台部115に対して、軸AX2を中心軸として回動可能な表示部116とを有している。したがって、第一の実施形態と同様に機構的な第1状態、図29A〜図29Cに示される第2状態、図30A〜図30Cに示される第3状態及び図31A〜図31Cに示される第4状態の状態遷移が可能となっている。
第1部分111は、図27A〜図27C、及び、図28に示されるように、第一の実施形態の場合と同様に、通信用操作部21と、マイクロフォン22と、カメラ用縦方向キー23と、カメラ用横方向ダイアル24と、カメラ用決定キー25と、シャッタ26と、サブディスプレイ31と、案内用スピーカ32と、撮像部33と、アンテナ41と、送受信部42と、記憶部43と、折りたたみ状態検出器45とを備えている。そして、第1部分111は、(a)第4状態での通話に使用するためのマイクロフォン103(図29A参照)と、(b)第一の実施形態の制御部40とは、制御アルゴリズムを異にする制御部140(図28参照)とを更に備えている。
なお、制御部140は、ガイダンス表示の方向制御、及び、カメラ用光学系による撮影結果の表示については、上述した第一の実施形態における制御部14と同様の制御を行うようになっている。
また、表示部116は、図27Aに示されるように、第一の実施形態と同等の機能である、メインディスプレイ28と、通話用スピーカ29とを備え、更に、ゲーム機能使用時等に使用するボタンAとボタンBの2つから構成される表示面操作部101とを備えている。
基台部115は、図28に示されるように、第一の実施形態と同様に、表示部回転状態検出器46を備える。そして、基台部15の折りたたまれた際に第1部分111と対向する面の裏面側には、主に折りたたまれた状態での操作に用いられ、上下左右の4方向と中央の計5ヶ所で使用者の入力を感知することができる十字型キーである折りたたみ操作部102が配置されている。
携帯電話100は、電話機能及びカメラ機能の他に、メール機能、音楽やビデオを再生するマルチメディア機能、インターネットに接続して情報を取得するブラウザ機能、及び、ゲーム機能の利用が可能であるため、図32Aに示すように、非カメラモードには、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能及びゲーム機能が含まれている。そして、どの機能で動作するかは利用者の指令によって切り替えられる。また、カメラ機能においては、図32Bに示すように、音声着信時に、留守番電話機能を実行する留守録機能、及び、メール受信時に受信メールの内容を確認するメール内容確認機能を含んでいる。ここでは、音声着信時又はメール受信時のガイダンス表示に従って、利用者が操作することにより、各機能を切り替える。
次に、制御部140によって制御される状態遷移について、図33を参照しつつ、説明する。
上述した機構的な第1状態(図27A〜図27C参照)では、機構的な第2状態から第1状態に移行した場合、及び、第1状態で電源をONした場合には、第一の実施形態と同様に、動作モードを非カメラモードとしている。また、機構的な第3状態のカメラモードから第1状態に移行した場合には、第一の実施形態と同様に、カメラモードとしている。第1状態での、非カメラモードとカメラモードは通信用操作部21の操作により、相互に移行が可能である。また、第1状態の非カメラモードでは、図32Aに示されるように、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能及びゲーム機能が、利用できる。これらの機能は、利用者が、通信用操作部21を操作することにより、実行される。
上述した機構的な第2状態(図29A〜図29C参照)では、第一の実施形態と同様に、動作モードを非カメラモードとしている。この場合には、非カメラモードであるが、メインディスプレイ28が内側に折りたたまれてなり、不可視であるために、通話その他の機能は利用できない。なお、第一の実施形態と同様に、第2部分112において光学的な機能を有する部品が一切配置されていない面が外面を構成しているので(図29A参照)、この面を接触面として机の上へ置いたとしても、携帯電話100の光学的な機能を有する部材を傷をつけたり、汚れを付着させたりすることがない。
また、上述した機構的な第3状態(図30A〜図30C参照)では、第一の実施形態と同様に、動作モードをカメラモードとしている。しかし、後述するように、例外的に、第1状態又は第4状態で、アプリケーション実行中又は通信中のまま、第3状態に移行した場合には、非カメラモードのまま、第3状態になることを可能としている。この場合には、更に、第4状態又は第1状態に移行するまでは操作不可となる。
また、上述した機構的な第4状態(図31A〜図31C参照)では、第一の実施形態と同様に、第3状態から第4状態に変形させたときの動作モードをカメラモードとしている。しかし、図31Aに示されるように、メインディスプレイ28だけでなく、表示面操作部101、及び、折りたたみ操作部102が、表面に出ているので、操作が可能となっている。そのため、利用者が、折りたたみ操作部102の十字型キーを操作して非カメラモードに移行し、更に、図32Aに示すような、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能、及び、ゲーム機能の利用を可能としている。
第4状態の電話機能では、利用者は、着信時には、発信元の電話番号をメインディスプレイ28により確認し、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央を押下することにより、応答する。通話は、通話用スピーカ29及びマイクロフォン103を用いて行なわれる。また、発信時には、折りたたみ操作部102の十字型キーの上下を押下することにより、発信履歴及び着信履歴を参照することができ、また、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央を押下することにより、電話帳の参照が可能となっている。利用者は、これらの参照された電話番号から選択することにより、発信を行う。なお、新規に電話番号を入力したい場合には、第1状態に変形し、通信用操作部21のテンキーを使用して入力する。
第4状態のメール機能では、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。利用者は、当該十字型キーを操作することにより、携帯電話100の記憶部43に保存された受信メールを選択し、選択された受信メールの内容を、メインディスプレイ28を介して、確認する。新しい内容のメールを作成する場合には、携帯電話100の形状を第1状態に変えて、通信用操作部21のテンキーを使用して作成する必要があるが、作成済みのメールを送信するのみ等のテンキーを使用しないで行える操作は、第4状態のまま行うことができる。
第4状態のマルチメディア機能では、携帯電話100の記憶部43に保存された音楽ファイルやビデオファイルを再生する機能であり、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。利用者は、当該十字型キーを操作することにより、携帯電話100の記憶部43に保存された音楽ファイルやビデオファイルを選択し、再生を指令する。なお、音楽ファイルやビデオファイルの名称を変更するなどのテンキーを必要とする操作の場合には、第1状態に変形し、通信用操作部21のテンキーで操作する必要がある。
第4状態のブラウザ機能では、メール機能、マルチメディア機能と同様、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。ブラウザ起動後は、当該十字型キーの上下左右の適切な部分の押下を繰り返すことにより、画面に表示されたリンク先を示す文字列にカーソルを合わせ、当該十字型キーの中央を押下することにより、当該リンク先にジャンプする。なお、文字列の入力等、テンキーによる入力が必要な場合には、第1状態に変形して、通信用操作部21のテンキーを用いて入力する必要がある。
第4状態のゲーム機能では、メインディスプレイ28、折りたたみ操作部102の十字型キー、及び、表示面操作部101のAボタンとBボタンを使用する。携帯電話100の記憶部43に保存されたゲームのアプリケーションを実行すると、十字型キー、及び、AボタンとBボタンの機能が、ゲームのアプリケーションにより割り当てられる。利用者は、ゲームのアプリケーションにおいて所望の動作をさせるために、割り当てられた機能のキー又はボタンの操作を行う。
ここで、携帯電話100では、第4状態で非カメラモードとなることが可能であるため、利用者は、第4状態でアプリケーションの実行中、又は、通信中に、通信用操作部21のテンキーを使用したい場合がある。そこで、利用者の便宜を図るため、図33に示すように、アプリケーションの実行中、又は、通信中の場合には、第4状態から第3状態を経て、第1状態に移行することを可能としている。この場合、アプリケーション実行中又は通信中のまま、第3状態に移行した場合には、アプリケーション実行中又は通信中の状態は維持され、第3状態での操作は不可としている。また、逆に、第1状態で音楽等を再生した後に、第4状態のように折りたたまれた小さな状態で視聴したい場合もあることから、アプリケーションの実行中、又は、通信中の場合に、第1状態から第3状態を経て、第4状態に移行することも可能としている。
次に、携帯電話100がカメラモードで動作中に着信があった場合について説明する。
まず、第1状態又は第4状態のカメラモードで、着信があった場合について、図34のフローチャートにしたがって説明する。第1状態又は第4状態のカメラモードで着信があると、ステップS101において、メインディスプレイ28に通話着信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示は図35Aに示すように、通話、転送、拒否、保留及び留守録が、折りたたみ操作部102の十字型キーにより選択できる旨を示している。図34に戻り、ステップS102において、利用者が通話を選択した場合には、ステップS103において、制御部140は、動作モードを非カメラモードへと移行する。引き続き、制御部140は、ステップS104において、着信応答、通話及び切断までを実行する通話処理を行う。通話が終了し、切断されると、制御部140は、ステップS105において、カメラモードに移行し、元の状態へ戻る。
一方、ステップS102において、転送、拒否及び留守録が選択された場合には、ステップS106において、それぞれ、転送、拒否及び留守録の処理が行われる。この場合には、非カメラモードへの移行は行われない。また、ステップS102において、保留が選択された場合には、制御部140は、ステップS107において、保留処理を行う。利用者が通話できる状態になり、ステップ108において、通話指令が行われたか否かが判定がされる。この判定結果が肯定的な場合には、ステップS103〜ステップS105の処理を行うこととなる。
また、ステップS108における判定結果が否定的な場合には、ステップS109へ移行し、発呼側から切断された場合、つまり携帯電話10に電話をかけてきた側から、通信網を介して携帯電話10に保留された呼の切断を通知された場合、及び、着呼側で切断された場合、つまり携帯電話10で保留された呼を切断した場合、のいずれかの場合であるかどうかが判定される。ステップS109での判定が肯定的な場合には、元の状態である第1状態、第4状態のカメラモードへ移行する。一方、否定的な場合には、ステップS108及びステップS109の処理を繰り返す。
次に、第3状態のカメラモードで、着信があった場合について、図36のフローチャートにしたがって説明する。第3状態のカメラモードで着信があった場合には、制御部140は、ステップS201において、メインディスプレイ28に通話着信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示では、図35Bに示すように、転送、拒否、保留及び留守録の選択が折りたたみ操作部102の十字型キーにより選択できる旨、及び、通話の場合には形状を変更する必要がある旨が示される。
引き続き、ステップS202において、利用者が、転送、拒否、留守録の選択した場合には、制御部140は、ステップS205において、それぞれ、転送、拒否及び留守録の処理を行う。また、ステップS202において、指令がない場合には、制御部140は、ステップS203において、携帯電話100の形状を確認する。利用者が、携帯電話100を変形して、第1状態又は第4状態になっていた場合には、制御部140は、図34のステップS100である「第1状態又は第4状態のカメラモードの着信」と同じ処理を行う。変形せずに第3状態を維持している場合には、S202及びS203の処理を繰り返す。
また、ステップS202において、保留の選択をした場合には、制御部140は、メインディスプレイ28からガイダンス表示を消去し、ステップS202及びステップS203の処理を繰り返す。利用者が通話できる状態になったところで、形状を変更することにより、制御部140は、ステップS203から、図34のステップS100である「第1状態又は第4状態のカメラモードの着信」の処理を行うことにより、通話を可能とする。
次に、カメラモードで動作中に、メールの受信があった場合の処理について、図37に従って、説明する。制御部140は、ステップS301において、メインディスプレイ28にメール受信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示では、図38に示すように、受信メールの表示を行うかどうかの選択が、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央の押下により選択できる旨が示される。ここで、利用者は、ステップS302において、受信メールの表示を行うかどうかの選択を行う。この選択が肯定的な場合には、制御部140は、ステップS303において、受信メール表示処理をおこなう。否定的な場合には、受信メールの表示処理はおこなわず、メール受信時の処理を終了する。
以上説明したように、第二の実施形態では、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
更に、第二の実施形態では、カメラモードで動作しているときであっても、メール受信があった際には、その旨を利用者に通知し、利用者は、携帯電話の形状を変えずに、その受信したメールの内容を確認することができるので、利用者は、受信したメールに対して、簡易に適切な処置をとることができる。
また、カメラモードで動作しているときであっても、通話着信があった際には、利用者は携帯電話の形状を変えずに、切断や留守録等の措置を行え、更に、第1状態及び第4状態のどちらの形状であっても、通話することが可能なため、利用者は、より簡易な操作で、通話着信に対して、適切な処理を行うことができる。
また、第2部分112は、第1部分111の第1軸AX1に沿った少なくとも両外側2箇所で、第1部分111と、結合されているため、第2部分112は、第1部分111との接続部分において、第1軸AX1方向の幅を十分にとることができる。これにより、第2部分112に十分な強度を保つことができ、更に第2部分112により多くの機能を備えることができる。
なお、上記第二の実施形態においては、表示される通話着信ガイダンス及びメール受信ガイダンスは、メインディスプレイ28に単に表示されることとしたが、第一の実施形態と同様、透過表示されることとしてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、表示面操作部はゲーム機能にのみ使用していたが、他の機能に使用することとしてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、折りたたみ操作部及び表示面操作部は、それぞれ十字型キー及びボタンとしていたが、他の形状や他の機能をもつ入力装置としてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、第2状態及び第3状態において通話できないこととしたが、第2状態及び第3状態においても通話可能としてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、上述した第一の実施形態に対する変形例と同等の変形例を適宜行うことがきる。
以上のように、本発明は、移動通信端末装置におけるデジタルカメラ機能の実装に際して有用である。特に、デジタルカメラ機能付移動通信端末装置におけるデジタルカメラを利用する際の利用者の利便性を向上に適している。
本発明は、移動通信端末装置に関する。さらに詳しくは、折りたたみ可能なデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置に関する。
従来から、携帯電話等の移動通信端末装置が広く普及している。こうした移動通信端末装置の機能や性能の向上は目覚しく、移動通信端末装置としての必須機能である通話機能やEメールの送受信機能に加えて、デジタルカメラ機能を有するものが登場してきている。こうしたデジタルカメラ機能付携帯電話には、テンキー等が配列された操作部を有する第1部分と、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置等を含む表示部を有する第2部分とを備えているものがある。
このようなデジタルカメラ機能付携帯電話としては、操作部における上記テンキー等の配列される操作面と表示部における表示面とを平行に維持しつつ、当該両面に対して垂直な軸を回転軸として、第1部分に対して第2部分を回転させることにより、第1部分と第2部分とを重ね合わせたり展開したりするリボルバー型のもの(以下、「従来例1」と呼ぶ)がある。このリボルバー型のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分における操作面とは反対側にカメラ用光学系が配置されている。そして、デジタルカメラ動作モードに設定されると、表示部の表示面がファインダとして機能し、カメラ用光学系により撮影された像が表示面に表示されるようになっている。また、第1部分と第2部分とが重なる状態においても、通常の着信やジョグダイアル等からの発信を可能とするため、ファンクションキー等の一部を第2部分に配置している。
また、同様な第1部分と第2部分を備えるデジタルカメラ機能付携帯電話として、操作面と表示面の両面に平行な軸を回転軸として、第1部分に対して第2部分を回転するクラムシェル型のもの(以下、「従来例2」と呼ぶ)もある。このクラムシェル型のデジタルカメラ機能付携帯電話においても、第1部分における操作面とは反対側又は第2部分におけるメインディスプレイの配置面の反対側にカメラ用光学系が配置されている。そして、第1部分に対して第2部分が折りたたまれた状態でデジタルカメラ動作モードに設定されると、第2部分におけるメインディスプレイの配置面とは反対側の面に配置されたサブディスプレイの表示面がファインダとして機能し、カメラ用光学系により撮影された像がサブディスプレイの表示面の長手方向を横方向として表示されるようになっている。なお、このクラムシェル型のデジタルカメラ機能付携帯電話は、第1部分に対して第2部分を展開した状態でもカメラ機能による撮像が可能となっている。この場合には、メインディスプレイの表示面がファインダとして機能する。
上述した従来例1及び従来例2のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分と第2部分が重なった状態において、一方の面側にカメラ用光学系のレンズが配置されているとともに、他方の面側にディスプレイの表示面が配置されることになる。このため、第1部分に対して第2部分が重なった状態で、例えば机上に安定した状態で載置すると、カメラ用光学系のレンズ又はディスプレイの表示面が机の面と接触することになる。これは、カメラ用光学系のレンズやディスプレイの表示面がガラス等で保護されていたとしても、その保護ガラス等に汚れが付着したり傷がはいったりする原因となる。こうした保護ガラス等の汚れや傷は、撮像又は表示された画像の観察に悪影響を及ぼすことになる。
また、従来例1のデジタルカメラ機能付携帯電話では、表示画面が常に外部から見ることができる状態となっている。このため、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性が、クラムシェル型の携帯電話と比べて確保しにくい。さらに、第1部分と第2部分とが重なりあった場合において、通常の着信やジョグダイアル等からの発信を可能とするため、ファンクションキーの一部を第2部分に配置している。そのため、テンキー等を操作するために第1部分と第2部分を重なり合っていない状態としたときに、操作キーが第1部分と第2部分との双方に配置されていることとなるため、操作性がよいとはいい難かった。
また、従来例2のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分に対して第2部分を折りたたんだ状態で、通常のデジタルカメラとして機能することができるが、その場合には、メインディスプレイの反対側の面に配置されたサブディスプレイの表示面がファインダとして機能することになる。このサブディスプレイは、移動通信端末装置が展開された状態において使用されるメインディスプレイと比べて、一般に表示領域の大きさや表示精細度及び動画に対する応答性において劣る。このため、移動通信端末装置が折りたたまれた状態でデジタルカメラとして機能する場合には、撮像画像を決定するためのファインダ表示性能が十分であるとはいい難かった。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、利用者の利便性を向上することができるデジタルカメラ機能付移動通信端末装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の観点からすると、第1部分と第2部分とが、第1軸を回転軸として相対的に回動可能に結合されることにより、折りたたみ可能に構成されたデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置である。
ここで、前記第1部分は、カメラ用光学系と、前記第1軸と平行であり、折りたたまれた際、第2部分と対向する操作面を有する操作入力部とを備える。また、前記第2部分は、前記第1部分と回動可能に結合されている部分を備える基台部と、表示デバイスを有し、前記表示デバイスの表示面に平行な第2軸を回転軸として、前記基台部に対して少なくとも180度回動可能に前記基台部と結合された表示部を備え、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1軸に沿った少なくとも両外側2箇所で、前記第1部分と、結合されている。
この移動通信端末装置においては、第1部分に対する第2部分の第1軸周りの回転と、第2部分における基台部に対する表示部の第2軸周りの回転という2種類の回転に関するそれぞれ2種類の状態を組み合わせることにより、機構的に4種類の状態を現出させる。
すなわち、この移動通信端末装置は、移動通信端末装置が折りたたまれておらず、かつ、表示部が回転していない(移動通信端末装置を折りたたんだときに表示面が操作面に対向する向きである)第1状態と、移動通信端末装置が折りたたまれており、かつ、表示部が回転していない第2状態と、移動通信端末装置が折りたたまれておらず、かつ、表示部が回転している(移動通信端末装置を折りたたんだときに表示面の反対側の面が操作面に対向する向きである)第3状態と、移動通信端末装置が折りたたまれており、かつ、表示部が回転している第4状態との4種類の状態をとることができる。
このため、上記の4状態それぞれについて、状態の遷移を考慮しつつ、動作モードとしてカメラモードや「待ち受け」や「通話中」等の状態を含む非カメラモードを原則的には自動的に割り振り、必要に応じて動作モードを適宜変更可能とすることとして、利用者による動作モードの設定を最小限とすることができる。
また、上記の第2状態においては、表示部を回転することができるため、表示デバイスの表示面とは反対側の面又は基台部にサブの表示デバイスを配置しない構成とすることができる。この結果、例えば、机上に載置する場合に、この面を机面との接触面とすれば、受光や表示のための部品又はそれらの保護部材に、机面との接触に起因する汚れや傷を防止することができる。
また、第1部分と第2部分とは、クラムシェル型で折りたたみ可能となっているので、通信用の操作キーの全てが第1部分における操作面に配置することができ、操作時の操作性を確保することができる。
さらに、表示部が外面側とはならない上記の第2状態を実現できるので、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性を確保することができる。
また、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1軸に沿った少なくとも両外側2箇所で、前記第1部分と、結合されているため、第2部分は、第1部分との接続部分において、第1軸方向の幅を十分にとることができる。これにより、第2部分に十分な強度を保つことができ、更に第2部分により多くの機能を備えることができる。
ここで、本発明の移動通信端末装置では、第2軸は、第1軸に対して垂直とすることができる。
また、本発明の移動通信端末装置では、第1部分は、操作面の垂直方向に突出し、カメラ用光学系を収納する突出部を更に備えることができる。これにより、第1部分における第2部分との接続部等を利用した操作面に垂直方向に突出した突出部に、より大きなカメラ用光学系を収納するスペースを確保することにより、高性能なカメラを備えることができる。
また、本発明の移動通信端末装置では、カメラ用光学系の光軸は、操作面に平行、または垂直とすることができる。
ここで、カメラ用光軸を操作面に垂直とした場合において、移動通信端末装置は、第2軸を回転軸とする基台部に対する表示部の回転状態を検出する表示部回転状態検出器を備えることができ、更に、表示面が前記操作面に対向しない向きである表示部回転状態となったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとする制御部を備えることができる。この場合には、表示部における表示を見ながら行う通信用操作部のキーを操作して行う通信用操作に適さないが、表示デバイスが外面側となっておりファインダとして有効に機能できる第3状態又は第4状態にあることを表示部回転状態検出器が検出する。そして、この検出結果を受けた制御部が、表示部をファインダとして用いるカメラモードを動作モードに自動的に設定する。
さらに、この移動通信端末装置は、第1軸を回転軸として折りたたまれた状態である折りたたみ状態、又は、展開された状態である展開状態を検出する折りたたみ状態検出器を更に備えることができる。この場合には、表示部回転状態検出器が第3状態又は第4状態にあることを検出しているとき、折りたたみ状態検出器が、第3状態又は第4状態のいずれにあるかを検出する。そして、第3状態にあると検出されたときには、表示デバイスの表示面とカメラ光軸が同じ方向を向いており、自分自身を撮影するためのカメラモードで動作する。また、第4状態にあると検出されたときには、表示デバイスの表示面とカメラ撮像部の視野方向が反対方向を向いており、相手方を撮影するためのカメラモードで動作する。
ここで、表示部回転状態であって、折りたたみ状態検出器が、移動通信端末装置が展開状態となったことを検出した場合には、前記第1軸に垂直な方向を前記表示デバイスの縦方向としてガイダンス表示を行うことができる。また、表示部回転状態であって、折りたたみ状態検出器が、移動通信端末装置が折りたたみ状態となったことを検出した場合には、前記第1軸に垂直の方向を前記表示デバイスの横方向として、前記ガイダンス表示を行うことができる。更に、制御部は、利用者の指令に応じて、第1軸に垂直の方向を前記表示デバイスの縦方向とするか横方向とするかを変更し、ガイダンス表示を行うことができる。ここで、「ガイダンス表示」とは、表示デバイスに表示される利用者の操作を助けるための表示のことであり、通話着信表示やEメール受信表示等のイベント案内表示も含まれる。カメラモードで移動通信端末装置を使用する場合に、ガイダンス表示を横方向として利用するかは、原則的として、移動通信端末装置の形状により設定されるが、最終的に利用者により決定することができる。したがって、利用者の指令に応じて、制御部はガイダンス表示の縦横を変更することができ、操作性を保つことができる。
また、カメラモードで動作中に、制御部は、前記表示デバイスにガイダンスを透過表示させることができる。この場合には、カメラモードで動作しているときに表示部の表示面の全面をファインダとして利用できるとともに、ファインダ表示画像を大きく損うことなく、利用者に伝達したいガイダンスを表示部に表示することができる。
また、制御部は、カメラモードで動作中に、メール受信があった場合には、メール受信があった旨を利用者に通知し、利用者の指令により、内容を表示することができる。この場合には、カメラモードで動作しているときであっても、メール受信があった際には、その旨を利用者に通知し、利用者の判断により、その受信したメールの内容を確認することができるので、利用者は、受信したメールに対して、簡易に適切な処置をとることができる。
また、制御部は、カメラモードで動作中に、着信があった旨を利用者に通知することができる。この場合には、カメラモードで動作しているときであっても、着信を検出した場合には、着信があった旨を利用者に通知するので、着信に対して適切な処置を利用者が直ちにとることができる。
また、制御部は、展開状態、かつ、表示面が操作面に対向する向きである表示部非回転状態で電源が投入された場合には、制御部は動作モードを非カメラモードとすることができる。この場合には、移動通信端末装置が第1状態であるときに、電源が投入されると、カメラモードではなく非カメラモードで動作する。ここで、「非カメラモード」とは、カメラモード以外のモードを意味し、「待ち受け」や「通話中」の状態だけでなく、メールやゲームのアプリケーションを実行している状態も含まれる。
また、表示部回転状態であり、かつ、展開状態のカメラモードで動作中の場合には、制御部は、画像の左右を反転させて表示させることができる。この場合には、自分を撮影するためのカメラモードであるため、表示デバイスの画面の左右反転を行い、鏡のように右側にあるものは右側、左側にあるものは左側に映る画面で表示することにより、利用者にわかりやすい撮影画面を提供する。
また、制御部は、表示部非回転状態にあるときに、折りたたみ状態検出器が、折りたたみ状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第2状態になったと検出されたとき、非カメラモードとなる。
ここで、制御部は、折りたたみ状態の非カメラモードから、第1軸を回転軸として移動通信端末装置を展開することにより、折りたたみ状態検出器が展開状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第2状態から第1状態になったことが検出されたとき、折りたたみ状態の非カメラモードから、表示部を通信用に用いる展開状態の非カメラモードに動作モードが切り換わる。
また、この移動通信端末装置は、基台部における、折りたたまれた際に操作面に対向する面の裏面側に、折りたたまれた際に操作を行う折りたたみ操作部を備えることができる。この場合には、折りたたまれた状態であっても、操作を行うことを可能としているため、利用者は移動通信端末装置を展開することなく、より簡易に操作を行うことができる。
さらに、制御部は、表示部回転状態かつ折りたたみ状態である場合には、利用者の折りたたみ操作部を介した指令に応じて、音声通信の制御を行う。この場合には、利用者は、折りたたまれた状態のまま、通話を行うことができる。
また、この移動通信端末装置は、表示部の表示面側に表示面操作部を備え、制御部は、表示部回転状態かつ折りたたみ状態である場合に、折りたたみ操作部及び表示面操作部の少なくとも一方を介した利用者の指令に応じて、ゲーム機能を実行する。この場合には、この移動通信端末装置は、表示部の表示面側にも利用者が操作可能な表示面操作部を備え、利用者は、表示面操作部及び折りたたみ操作部を操作することにより、ゲーム機能を利用することができる。
また、制御部は、展開状態のカメラモードのときに、表示部回転状態検出器が表示部非回転状態になったことを検出すると、動作モードを、カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第3状態から第1状態になったことが検出されたとき、自分自身を撮影するための第3状態のカメラモードから、表示デバイスの表示面とカメラ撮像部の視野方向が反対方向を向いており、相手方を撮影するための第1状態のカメラモードに動作モードが切り換わる。
また、表示部非回転状態で、かつ、展開状態のカメラモードとなった場合には、第1軸に垂直な方向を表示デバイスの縦方向として、ガイダンス表示を行うことができる。更に、制御部は、表示部非回転状態で、かつ、展開状態のカメラモードの場合には、利用者の指令に応じて、第1軸に垂直方向を表示デバイスの縦方向とするか横方向とするかを変更し、ガイダンス表示を行うことができる。この場合には、カメラモードで移動通信端末装置を使用する場合に、ガイダンス表示を横方向として利用するかは、原則的として、移動通信端末装置の形状により設定されるが、最終的に利用者により決定することができる。したがって、利用者の指令に応じて、制御部はガイダンス表示の縦横を変更することができ、操作性を保つことができる。
また、制御部は、表示部非回転状態であり、かつ、展開状態のカメラモードのカメラモードで動作中に着信し、着信に係る通信処理のために動作モードが非カメラモードとなり、この通信処理が終了した場合には、動作モードをカメラモードにすることができる。この場合には、第1状態のカメラモードで動作しているときに着信を検出し利用者が応答した場合であっても、通信が終了した場合には、カメラモードに戻るので、利用者は引き続きカメラモードでの操作を行うことができる。
本発明は、第2の観点からすると、第1部分と第2部分とが、第1軸を回転軸として相対的に回動可能に結合されることにより、折りたたみ可能に構成され、第1部分の第2部分に対する回動の状態、及び、表示部の基台部に対する回動の状態に応じて、動作モードの切替えを行うデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置である。
ここで、前記第1部分は、カメラ用光学系と、前記第1軸と平行であり、折りたたまれた際、第2部分と対向する操作面を有する操作入力部とを備える。また、前記第2部分は、前記第1部分と回動可能に結合されている部分を備える基台部と、表示デバイスを有し、前記表示デバイスの表示面に平行な第2軸を回転軸として、前記基台部に対して少なくとも180度回動可能に前記基台部と結合された表示部を備える。
この移動通信端末装置においては、第1の観点と同様に、機構的に第1状態から第4状態までの4種類の状態を現出させられるため、各状態に応じて適切な動作モードを割り当てることにより、より利便性の高い移動通信端末装置を提供することができる。
また、第2軸を回転軸とする基台部に対する表示部の回転状態を検出する表示部回転状態検出器と、第1軸を回転軸として折りたたまれた状態である折りたたみ状態、又は、展開された状態である展開状態を検出する折りたたみ状態検出器と、表示面が操作面に対向しない向きである表示部回転状態であるときに、折りたたみ状態検出器が、折りたたみ状態となったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとする制御部とを更に備えることができる。
この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により、移動通信端末装置は、機構的な4つの状態の変化を認識することができる。更に、表示部回転状態であるときに、折りたたみ状態となったことを検出した場合、すなわち、第3状態から第4状態に変化した際には、外側に現れた表示面をファインダとするカメラモードとなることにより、利用者は形状を変化させることのみの操作で、即座にカメラとして使用することができる。
また、制御部は、表示部回転状態検出器が、表示部回転状態となったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとすることができる。この場合には、第4状態まで変形しなくとも、第3状態に変形したときにカメラモードと設定される。カメラ撮像部の視野方向と表示部の表示面の方向が同じ場合には、自分自身を撮影するためのカメラとして即座に使用することができる。
また、制御部は、表示面が操作面に対向する向きである表示部非回転状態にあるときに、折りたたみ状態検出器が、折りたたみ状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとし、制御部は、表示部非回転状態であるときに、折りたたみ状態検出器が、展開状態となったことを検出した場合には、動作モードを非カメラモードとすることができる。
更に、制御部は、展開状態のカメラモードのときに、表示部回転状態検出器が、表示面が操作面に対向する向きである表示部非回転状態になったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとすることができる。この場合には、第3状態のカメラモードで使用しているときに、第1状態に変形した場合、非カメラモードにするのではなく引き続きカメラモードで動作させることにより、カメラモードを再び設定することなく、引き続きカメラモードとしての使用が可能となる。
≪第一の実施形態≫
以下、本発明の第一の実施形態を、図1A〜図16を参照しつつ説明する。
図1A〜図3には、第一の実施形態に係る移動体端末装置である携帯電話10の構成が概略的に示されている。なお、図1A〜図1Cは、後述する機構的な第1状態における外観構成が示されている。ここで、図1Aには携帯電話10の外観の正面図が示され、図1Bには携帯電話10の外観の右側面図が示され、図1Cには携帯電話10の外観の裏面図が示されている。また、図3には、携帯電話10の機能ブロック構成が示されている。
図1A〜図3において総合的に示されるように、携帯電話10は、第1部分11と、該第1部分11に対して、第1軸としての軸AX1を回転軸として回動可能な第2部分12とを備えている。また、第2部分12は、第1部分11の軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分11と回動可能に結合されている。
そして、第2部分12は、第1部分11側に配置された基台部15と、当該基台部15に対して、第2軸としての軸AX2を回転軸として回動可能な表示部16とを有している。
第1部分11の図1Aに示される操作面側には、(a)テンキー、ファンクションキー等の操作キーが配列された通信用操作部21と、(b)通話時に音声を入力するためのマイクロフォン22とが配置されている。ここで、通信用操作部21には、通話又はEメールの発信時には発信処理開始を指令し、通話着信時には通話処理開始を指令するための発信キーと、通信処理中における短時間の押下により終話を指令し、長時間の押下により電源のオン/オフを指令するための終話/電源キーが含まれているものとする。なお、通話着信から通話開始までの間に終話/電源キーが短時間だけ押下されると、簡易留守録がされるようになっている。
また、第1部分11の操作面を正面としたときの図1Bに示される右側面には、(c)カメラモードで動作しているときに操作が有効となるカメラ用縦方向キー23、カメラ用決定キー25及びシャッタ26からなるカメラ用操作部が配置されている。また、第1部分11の当該操作面を正面としたときの上側面側には、(d)カメラモードで動作しているときに操作が有効となるカメラ用横方向ダイアル24が配置されている。さらに、第1部分11の当該操作面の裏面側には、図1Cに示されるように、(e)後述するメインディスプレイ28が外面とならない後述する機構的な第1状態(図4A〜図4C参照)において、補助的な表示を行うサブディスプレイ31と、(f)着信音や案内音を発生するための案内用スピーカ32と、(g)カメラ用光学系の視野内の像を撮像する撮像部33とが配置されている。撮像部33は、後述する機構的な第2状態にある携帯電話10の斜視図である図2に示されるように、第2部分12と結合するために作られた第1部分11の突出部に収納されている。
第1部分11は、図3に示されるように、上記の要素に加えて、その内部に、(h)中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)等を備え、携帯電話10の全体の動作を統括制御する制御部40、(i)基地局との間で無線信号を授受するための内蔵型アンテナ41と、(j)アンテナ41を介して通信信号の送受信を行う送受信部42と、(k)プログラムやデータを格納する記憶部43とを備えている。また、第1部分11は、その内部に、(l)携帯電話10の折りたたみ状態を検出する折りたたみ状態検出器45を更に備えている。ここで、折りたたみ状態検出器45は、携帯電話10がほぼ完全に折りたたまれているときに折りたたみ状態にあると検出し、完全には折りたたまれていないときには展開状態にあると検出するようになっている。
また、第2部分12の表示部16は、図1Aに示されるように、制御部40の指令に応じて、通信用操作部21の操作結果等を表示するメインディスプレイ28と、通話時に通信相手から送られてきた音声信号を再生する通話用スピーカ29とを備えている。
一方、同じく第2部分12である基台部15は、図3に示されるように、その内部に、基台部15に対する表示部16の回転状態を検出する表示部回転状態検出器46を更に備えている。ここで、表示部回転状態検出器46は、図1A〜図1Cにおける基台部15と表示部16との位置関係、すなわち、携帯電話10を折りたたんだ場合に操作面とメインディスプレイ28の表示面とが対向する位置関係にある表示部非回転状態にあることを制御部40へ通知する。また、表示部回転状態検出器46は、表示部非回転状態から軸AX2回りに表示部16が180度回転した状態である表示部回転状態にある場合には、表示部回転状態であることを制御部40へ通知する。
なお、表示部非回転状態から表示部回転状態となるまでの間は、表示部回転状態検出器46は表示部非回転状態にあると制御部40へ通知するようになっている。また、表示部回転状態から表示部非回転状態となるまでの間は、表示部回転状態検出器46は表示部回転状態にあると制御部40へ通知するようになっている。
以上のように構成されている携帯電話10では、(i)図1A〜図1Cに典型的に示されるような、携帯電話10が展開状態であり、かつ、表示部非回転状態である機構的な第1状態、(ii)図4A〜図4Cに典型的に示されるような、携帯電話10が折りたたみ状態であり、かつ、表示部非回転状態である機構的な第2状態、(iii)図5A〜図5Cに典型的に示されるような、携帯電話10が展開状態であり、かつ、表示部回転状態である機構的な第3状態、(iv)図6A〜図6Cに典型的に示されるような、携帯電話10が折りたたみ状態であり、かつ、表示部回転状態である機構的な第4状態という4つの状態を機構的に取り得る。
ここで、機構的な第2状態では、図4A〜図4Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21が内側に隠れている。このことを考慮して、制御部40は、機構的な第2状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、非カメラモードである通信モードとしている。この通信モードでは、上述したカメラ用操作部の各キーはキーロックされるようになっている。なお、第2部分12において光学的な機能を有する部品が一切配置されていない面が外面を構成しているので(図4A参照)、この面を接触面として机や台の上へ携帯電話10を置いたとしても、携帯電話10の光学的な機能を有するディスプレイ面、撮像部33のカメラ用光学系又はこれらの保護用の透明部材の傷をつけたり、汚れを付着させたりすることがない。
また、機構的な第3状態では、図5A〜図5Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21は表に表れているが、互いに反対の方向を向いている。このため、メインディスプレイ28の表示面を見ながら通信用操作部21を操作することができない。一方、機構的な第3状態では、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向に撮像部33の視野方向が向いており、メインディスプレイ28の表示面をファインダとして、自分自身を撮影することが可能な状態となっている。これらを考慮して、制御部40は、機構的な第3状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、メインディスプレイ28のガイダンスの表示が軸AX2方向を縦方向とする第3状態のカメラモードとしている。このガイダンス表示の向きは、利用者がカメラ用操作部を操作することにより、軸AX2方向を横方向とすることができる。また、この第3状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転してメインディスプレイ28に表示するようになっている。なお、第3状態のカメラモードでは、終話/電源キーを除く通信用操作部21のキーはキーロックされるようになっている。
また、機構的な第4状態では、図6A〜図6Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面は表に表れているが、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向とは反対方向に撮像部33の視野方向が向いた状態の通常のデジタルカメラと同様の形態となっている。これを考慮して、制御部40は、機構的な第4状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、メインディスプレイ28のガイダンスの表示が軸AX2方向を横方向とする第4状態のカメラモードとしている。このガイダンス表示の向きは、第3状態のカメラモードの場合と同様に、利用者がカメラ用操作部を操作することにより、軸AX2方向を縦方向とする向きとすることができる。なお、この第4状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転せずにメインディスプレイ28に表示するようになっている。
ところで、機構的な第1状態では、図1A〜図1Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21の操作面は、共に表に現れている。このため、メインディスプレイ28の表示面を見ながら通信用操作部21を操作することができる。また、機構的な第1状態では、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向とは反対側に撮像部33の視野方向が向いており、メインディスプレイ28の表示面をファインダとして、通常の撮像(利用者の視野方向を撮影方向とする撮像)が可能な状態となっている。これらを考慮して、制御部40は、機構的な第1状態にあることを認識すると、発着信動作が可能な通信モード、又は、メインディスプレイ28の表示面をファインダとしたカメラモードのいずれの動作モードでも動作可能としている。なお、この第1状態のカメラモードでは、ガイダンス表示の向きは、軸AX2方向を縦方向としている。このガイダンス表示の向きは、第3状態及び第4状態のカメラモードの場合と同様に、利用者がカメラ用操作を操作することにより、軸AX2方向を縦方向とする向きとすることができる。なお、第1状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転せずにメインディスプレイ28に表示するようになっている。
なお、以下の説明においては、機構的な第1状態において、通信モードで動作する状態を「第1a状態」と、カメラモードで動作する状態を「第1b状態」とも呼ぶものとする。
次に、上述した各状態相互間の状態遷移について、図7を参照して説明する。
電源をオン又はオフとすることは、通信用操作部21の操作が可能な機構的な第1状態又は第3状態でのみ可能ある。機構的な第1状態で電源がオンとされた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態にあることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。すなわち、第1a状態となる。一方、機構的な第3状態で電源がオンとされた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態にあることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードをカメラモードに設定する。
第1a状態から携帯電話10が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部非回転状態の機構的な第2状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。また、機構的な第1状態から携帯電話10が展開された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46が、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。
また、第1a状態から、表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。そして、機構的な第3状態から第1部分11に対して第2部分12が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部回転状態の機構的な第4状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。
機構的な第4状態から携帯電話10が展開された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。そして、通話着信処理時に、機構的な第3状態から表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードを展開時通信モードに設定する。すなわち、第1a状態となる。
一方、通話着信処理時以外に、機構的な第3状態から表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46が、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。すなわち、第1b状態となる。そして、第1b状態から携帯電話10が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部非回転状態の機構的な第2状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードを通信モードに設定する。
また、第1a状態と第1b状態との間では機構的な状態が変化しないが、通信用操作部21を操作することにより、相互間での状態遷移が可能である。すなわち、第1a状態において、通信用操作部21の操作により、カメラモード動作の指令がされると、この指令を受けた制御部40が、カメラモードを動作モードに設定する。この結果、第1a状態から第1b状態へ状態が遷移する。
一方、第1b状態において、通信用操作部21の操作により、通信モード動作の指令がされると、この指令を受けた制御部40が、通信モードを動作モードとして設定する。この結果、第1b状態から第1a状態へ状態が遷移する。
以上のように相互間で遷移する状態のうちで、本実施形態では、発信動作は第1a状態でのみ可能としている。第1a状態では、メインディスプレイ28に表示される通信用画面をみながら、利用者により行われる通信用操作部21の操作に従って、通話発信やEメールの送信を実行する。また、メインディスプレイ28の通信用表示を見ながら行う送信用Eメールの作成、受信したEメールの表示やブラウザ機能の実行等も第1a状態でのみ可能としている。
また、撮像動作は、第1b状態、第3状態又は第4状態においてのみ可能である。第1b状態においては、ズーム等のカメラ機能設定や変更は、通信用操作部21の操作によって行われる。また、第3状態又は第4状態においては、カメラ機能の設定や変更は、メインディスプレイ28に表示されるガイダンスを見つつ行われるカメラ用操作部の操作によって行われる。
また、先に述べたとおり、携帯電話10の機構的な状態が変化して、変化後の状態がカメラモードである場合には、制御部40は、メインディスプレイ28に表示されるガイダンス表示を軸AX2方向の横方向とするか縦方向とするかを判断し、ガイダンスを表示する。ここで、利用者はカメラ用操作部の操作により、このガイダンス表示の向きの変更をすることができる。機構的な第3状態から第4状態に変化した場合を例に説明すると、図8A及び図8Bに示すように、第3状態から第4状態への変化を認識した制御部40は、図8Aに示すように、メインディスプレイ28に、軸AX2方向を横方向とするガイダンス表示を行う。利用者はカメラ用操作部を操作して、軸AX2方向を縦方向とするガイダンス表示の指令を行うことにより、図8Bに示すような軸AX2方向を縦方向とするガイダンス表示に切り替えることができる。
なお、こうしたメインディスプレイ28に表示されるカメラ機能の設定や変更のガイダンスは、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
カメラ機能の設定や変更の後、シャッタ26の操作により、撮像を行うことができる。そして、撮像結果は、上述した記憶部43に格納される。
ところで、通話着信の通知処理やEメールの受信処理は、上記のすべての状態で可能となっている。ここで、これらの受信処理は、主に制御部40によって行われる。
これらの処理のうち、まず、通話着信の通知処理に始まる通話着信関連処理について説明する。
上記の第1a状態又は第2状態の通信モード動作中に通話着信があったときの処理を、図9を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS11において、現在の状態が第1a状態であるか否かが判定される。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS14へ移行する。
一方、現在の状態が第2状態であり、ステップS11の判定が否定的であった場合には、処理はステップS12へ移行する。このステップS12では、メインディスプレイ28以外によって通話着信表示が行われる。すなわち、案内用スピーカ32により呼び出し音を発生させたり、サブディスプレイ31に通話着信表示をしたりする。なお、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生に代えて、携帯電話10を振動させるようにしてもよい。
引き続き、ステップS13において、第2状態から第1部分11に対して第2部分12が展開されて第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS13の処理が繰り返される。そして、ステップS13において肯定的な判定がされると、処理はステップS14へ移行する。
ステップS14では、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
次に、ステップS15において、利用者により発信キーが押下され、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS15の処理が繰り返される。そして、ステップS15において肯定的な判定がされると、処理はステップS16へ移行する。
ステップS16では、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。このステップS16では、通話処理と並行して、利用者により終話キーが押下され、通話終了指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS16の処理が繰り返される。
そして、ステップS16において通話終了指令がなされたか否かに関して肯定的な判定がされると、通話処理は中止される。そして、着信前と同様の第1a状態の通信モードとなる。
次に、上記の第1b状態のカメラモードで動作中に通話着信があったときの処理を、図10を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS21において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップS22において、利用者により発信キーが押下され、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS23へ移行する。ステップS23では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS22へ移行する。そして、ステップS22又はステップS23において肯定的な判定がなされるまで、ステップS22及びステップS23の処理が繰り返される。
ステップS22において肯定的な判定がされると、処理はステップS25へ移行する。ステップS25では、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。このステップS25では、通話処理と並行して、利用者により終話キーが押下され、通話終了指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS25の処理が繰り返される。
ステップS25において通話終了指令がなされたか否かに関して肯定的な判定がされると、通話処理は中止される。そして、着信前と同様の第1b状態のカメラモードの処理が再開される。
一方、ステップS23において肯定的な判定がされると、処理はステップS24へ移行する。このステップS24では、留守番電話録音と、録音終了後の留守録があることを示す表示(例えば、留守録有を示すピクトグラムの表示)という簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、着信前と同様の第1b状態のカメラモードの処理が再開される。
次に、上記の第3状態のカメラモード動作中に通話着信があったときの処理を、図11Aを参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS31において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップ32において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のためのガイダンスを表示する。このガイダンス表示においては、図12に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するためには画面を回転すべきことついても表示する。また、簡易留守録処理を行うためには終話/電源キーを短時間だけ押下すべきこと等を表示してもよい。なお、このガイダンス表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
次いで、ステップS33において、利用者により表示部16が基台部15に対して180度回転されて第1a状態となったか、すなわち利用者が通話するか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS34へ移行する。ステップS34では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS33へ移行する。そして、ステップS33又はステップS34において肯定的な判定がなされるまで、ステップS33及びステップS34の処理が繰り返される。
ステップS33において肯定的な判定がされると、処理はステップS36へ移行する。ステップS36は、第1a状態の着信処理として、図11Bを参照して説明する。図11BのステップS71において、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS72へ移行する。
ステップS72では、利用者により発信キー押下等により、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的な場合には、ステップS71に戻り、ステップS71及びステップS72の判定が繰り返される。ステップS72の判定が肯定的な場合には、ステップS73に移行し、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。ここでは、ステップS25と同様に、ステップS74において、通話終了指令がなされたか否かが判定される。
ここでの判定が、否定的な場合には通話処理が続行され、ステップS73及びステップS74の処理が繰り返される。ステップS74において、肯定的な判定がされると、通話処理は中止され、第1a状態の着信処理であるS36は終了する。一方、ステップ71における判定が、肯定的である場合には、上述したステップS24と同様の簡易留守録処理が行われる。簡易留守録処理が終了すると、第1a状態の着信処理であるS36は終了する。
そして、ステップS36の第1a状態の着信処理が終了すると、図11Aに戻り、第1a状態の通信モードとなる。
一方、ステップS34において肯定的な判定がされると、処理はステップS35へ移行する。このステップS35では、上述したステップS24と同様の簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、着信前と同様の第3状態のカメラモードの処理が再開される。
次に、上記の第4状態のカメラモード動作中に通話着信があったときの処理を、図13を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS41において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップS42において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のための第1段階のガイダンスを表示する。この第1段階のガイダンス表示においては、図14に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するために携帯電話10を展開すべきことについても表示する。なお、このガイダンス表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
次いで、ステップS43において、利用者により携帯電話10が展開されて第3状態となったか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS43の処理が繰り返される。そして、ステップS43において肯定的な判定がされると、処理はステップS44へ移行する。
引き続き、ステップS44において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のための第2段階のガイダンスを表示する。この第2段階のガイダンス表示においては、上述したステップS32の場合と同様に、図12に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するためには画面を回転すべきことについても表示する。
次いで、ステップS45において、利用者により表示部16を基台部15に対して180度回転されて第1a状態となったか、すなわち利用者が通話を行うか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS46へ移行する。ステップS46では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS45へ移行する。そして、ステップS45又はステップS46において肯定的な判定がなされるまで、ステップS45及びステップS46の処理が繰り返される。
ステップS45において肯定的な判定がされると、処理はステップS36へ移行する。第1a状態の着信処理であるステップS36は、上述したように、図11Bにおいて、利用者により通話処理または簡易留守録処理の選択が行われ、通話処理及び簡易留守録処理のいずれか一つが実行される。その処理が終了すると、ステップS36が終了し、図13の第1a状態における通信モードとなる。
一方、ステップS46において肯定的な判定がされると、処理はステップS47へ移行する。このステップS47では、上述したステップS24やステップS35の場合と同様の簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、第3状態のカメラモードへ移行する。
次に、上記の各状態におけるEメール受信処理に始まるEメール着信関連処理について説明する。
上記の第1a状態又は第2状態の通信モード動作中にEメール受信があったときの処理を、図15を参照して、説明する。まず、ステップS51において、現在の状態が第1a状態であるか否かが判定される。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS54へ移行する。
一方、現在の状態が第2状態であり、ステップS51の判定が否定的であった場合には、処理はステップS52へ移行する。このステップS52では、サブディスプレイ31へのEメール受信表示が行われる。
引き続き、ステップS53において、第2状態から第1部分11に対して第2部分12が展開されて第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS53の処理が繰り返される。そして、ステップS53において肯定的な判定がされると、処理はステップS54へ移行する。
ステップS54では、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が行われる。このメインディスプレイ28へのEメール受信表示がされた第1a状態において、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作により、受信メールの表示が可能となる。
上記の第1b状態、第3状態又は第4状態のカメラモード動作中にEメール受信があったときの処理を説明する。この場合には、図16に示されるように、まず、ステップS61において、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が一時的に行われ、利用者にEメールを受信したことについて注意が喚起される。なお、このEメール受信表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
こうしたメインディスプレイ28への一時的なEメール受信表示が終了すると、ステップS62において、各状態に応じた処理が再開される。このステップS62では、各状態の処理と並行して、第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間は、ステップS62の処理が繰り返される。そして、ステップS62において第1a状態に遷移したか否かに関して肯定的な判定がされるまで、ステップS62の処理が繰り返される。なお、ステップS62の処理の繰り返し中に異なる動作モードの状態(第1a状態を除く)に変化したときには、ステップS62では変化後の動作モードに応じた動作が行われる。
そして、動作モードの状態が第1a状態となり、ステップS62において第1a状態に遷移したか否かに関して肯定的な判定がされると、処理はステップS64へ移行する。このステップS64では、上述したステップS54の場合と同様に、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が行われる。このメインディスプレイ28へのEメール受信表示がされた第1a状態において、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作により、受信メールの表示や、メールサーバからの受信メールの取得が可能となる。そして、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作に従って、受信メールの表示や、メールサーバからの受信メールの取得が行われる。
以上説明したように、第一の実施形態では、第1部分11に対する第2部分12の軸AX1回りの回転と、第2部分12における基台部15に対する表示部16の第2軸回りの回転という2種類の回転に関するそれぞれ2種類の状態の組み合わせとして、4種類の機構的な状態を現出させるとともに、これら4種類の機構的な状態を検出することができる。そして、これら4状態それぞれについて、状態の遷移を考慮しつつ、動作モードとして通信モードやカメラモードを原則的には自動的に割り振り、必要に応じて動作モードを適宜変更可能とすることとして、利用者による動作モードの設定を最小限とすることができる。
また、上述した第2状態においては、表示部16の表示面とは反対側の面又は当該面と同一側の基台部15の面には光学的部品を配置してない。このため、机上に載置する場合に、この面を机面との接触面とすれば、受光や表示のための部品又はそれらの保護部材に、机面との接触に起因する汚れの付着や傷がつくことを防止することができる。
また、通信用の操作キーの全てが第1部分11における通信用操作部21に配置されている。このため、リボルバー型のように第1部分11及び第2部分12の両部分にわたって操作キーが配置されることがないので、通常の従来の移動通信端末装置における通信用操作時の操作性を確保することができる。
また、第1部分11と第2部分12とは、いわゆるクラムシェル型で折りたたみ可能となっている。このため、メインディスプレイ28が外面側とはならない上記の第2状態を実現できるので、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性を、通常の従来の携帯電話の場合と同様の程度で確保することができる。
また、カメラモードが動作モードとして設定されているときであっても、通話着信やEメール受信が検出された場合には、当該イベントを利用者に通知するので、当該イベントに対して適切な処置を利用者が直ちにとることができる。
また、カメラモードが動作モードとして設定されているときに表示部のメインディスプレイ28における表示面の全面をファインダとして利用できるとともに、ファインダ表示画像を大きくは損なわずに利用者に伝達したい各種のガイダンスをメインディスプレイ28に表示することができる。
また、第2部分12は、第1部分11の第1軸AX1に沿った少なくとも両外側2箇所で、第1部分11と、結合されているため、第2部分12は、第1部分11との接続部分において、第1軸AX1方向の幅を十分にとることができ、第2部分12に十分な強度を保つことができる。
また、第1部分11の突出部にカメラ光学系を収納することにより、より高性能なカメラ機能を備えることができる。
なお、上記第一の実施形態では、第3状態(又は第4状態)における通話着信関連処理において、図11A(又は図13)のステップS33(又はステップS45)において第1a状態となったと判定されると、発信キー等が押下され、通話指令がされた後にステップS36の通話処理に移行することとした。これに対して、第1a状態となったと判定された後、直ちに通話処理に移行することとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1b状態(又は第3状態若しくは第4状態)における通話着信関連処理において、図10(又は図11A及び図13)のステップS23(又はステップS34及びステップS46)において終話/電源キーが押下されたときに留守録処理の指令がなされたと判定することとした。これに対し、通信用操作部21のいずれの操作キーが押下されたときにも、留守録処理の指令がなされたと判定することとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第4状態における着信があった場合には、第3状態に形状を変更した後に簡易留守録処理S47を行うこととしたが、機構的な第4状態の形状のまま、カメラ用操作部等の所定キーが操作されることにより、簡易留守録処理を行うこととしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1部分11における第2部分12との接続部分に突出部があることとしたが、携帯電話10を折りたたんだときに重ならない部分で、図17A及び図17Bに示すように、第1部分11における第2部分12の基台部15側にあることとしてもよいし、図18A及び図18Bに示すように、第1部分11における第2部分12の表示部16側にあることとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1部分11の突出部における中央部に撮像部33を収納することとしたが、図19に示すように、突出部における端部にカメラ用光学系を収納してもよい。
また、上記第一の実施形態では、基台部15と表示部16との接点は軸AX2上で一つであったが、図20A及び図20Bに示すように、基台部15の形状を表示部16の一部を囲むような形状としたり、図21A及び図21Bに示すように、表示部16の全部を囲むような形状とし、軸AX2上の2点で基台部15と表示部16とが接するような構造としてもよい。
また、上記第一の実施形態では、軸AX2は、軸AX1に垂直であったが、軸AX2を軸AX1と平行とすることもできる。例えば、基台部15と表示部16の接点を一つとした構造では、図22A及び図22Bに示すように、基台部15をL字型形状としたり、図23A及び図23Bに示すように、基台部15を表示部16の一部を囲むような形状とすることができる。また、基台部15と表示部16の接点を二つとした構造では、図24A及び図24Bに示すように、基台部15の形状を表示部16の一部を囲むような形状としたり、図25A及び図25Bに示すように、表示部16の全部を囲むような形状とすることができる。
また、上記第一の実施形態では、カメラ用光学系の光軸は、操作面に平行であることとしたが、図26A及び図26Bに示すように、操作面に垂直であるとすることができる。
また、上記第一の実施形態では、第2部分12は、第1部分11の第1軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分11と結合されているが、両外側2箇所の他に結合箇所を設けることもできる。
また、上記第一の実施形態では、本発明を携帯電話に適用したが、携帯電話以外の移動通信端末装置に本発明を適用することができるのは勿論である。
≪第二の実施形態≫
以下、本発明の第二の実施形態を、図27A〜図38を参照しつつ説明する。
ここで、第一の実施形態と同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図27A〜図28には、第二の実施形態に係る移動体端末装置である携帯電話100の構成が概略的に示されている。図27A〜図27Cは、機構的な第1状態における外観構成が示されており、図27Aには携帯電話100の外観の正面図が示され、図27Bには携帯電話100の外観の右側面図が示され、図27Cには携帯電話100の外観の裏面図が示されている。また、図28には、携帯電話100の機能ブロック構成が示されている。
第一の実施形態の携帯電話10の場合と同様に、携帯電話100は、第1部分111と、該第1部分111に対して、軸AX1を回転軸として回動可能な第2部分112とを備えている。また、第2部分112は、第1部分111の軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分111と回動可能に結合されている。そして、第2部分112は、第1部分111側に配置された基台部115と、当該基台部115に対して、軸AX2を回転軸として回動可能な表示部116とを有している。したがって、第一の実施形態と同様に機構的な第1状態、図29A〜図29Cに示される第2状態、図30A〜図30Cに示される第3状態及び図31A〜図31Cに示される第4状態の状態遷移が可能となっている。
第1部分111は、図27A〜図27C、及び、図28に示されるように、第一の実施形態の場合と同様に、通信用操作部21と、マイクロフォン22と、カメラ用縦方向キー23と、カメラ用横方向ダイアル24と、カメラ用決定キー25と、シャッタ26と、サブディスプレイ31と、案内用スピーカ32と、撮像部33と、アンテナ41と、送受信部42と、記憶部43と、折りたたみ状態検出器45とを備えている。そして、第1部分111は、(a)第4状態での通話に使用するためのマイクロフォン103(図29A参照)と、(b)第一の実施形態の制御部40とは、制御アルゴリズムを異にする制御部140(図28参照)とを更に備えている。
なお、制御部140は、ガイダンス表示の方向制御、及び、カメラ用光学系による撮影結果の表示については、上述した第一の実施形態における制御部14と同様の制御を行うようになっている。
また、表示部116は、図27Aに示されるように、第一の実施形態と同等の機能である、メインディスプレイ28と、通話用スピーカ29とを備え、更に、ゲーム機能使用時等に使用するボタンAとボタンBの2つから構成される表示面操作部101とを備えている。
基台部115は、図28に示されるように、第一の実施形態と同様に、表示部回転状態検出器46を備える。そして、基台部15の折りたたまれた際に第1部分111と対向する面の裏面側には、主に折りたたまれた状態での操作に用いられ、上下左右の4方向と中央の計5ヶ所で使用者の入力を感知することができる十字型キーである折りたたみ操作部102が配置されている。
携帯電話100は、電話機能及びカメラ機能の他に、メール機能、音楽やビデオを再生するマルチメディア機能、インターネットに接続して情報を取得するブラウザ機能、及び、ゲーム機能の利用が可能であるため、図32Aに示すように、非カメラモードには、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能及びゲーム機能が含まれている。そして、どの機能で動作するかは利用者の指令によって切り替えられる。また、カメラ機能においては、図32Bに示すように、音声着信時に、留守番電話機能を実行する留守録機能、及び、メール受信時に受信メールの内容を確認するメール内容確認機能を含んでいる。ここでは、音声着信時又はメール受信時のガイダンス表示に従って、利用者が操作することにより、各機能を切り替える。
次に、制御部140によって制御される状態遷移について、図33を参照しつつ、説明する。
上述した機構的な第1状態(図27A〜図27C参照)では、機構的な第2状態から第1状態に移行した場合、及び、第1状態で電源をONした場合には、第一の実施形態と同様に、動作モードを非カメラモードとしている。また、機構的な第3状態のカメラモードから第1状態に移行した場合には、第一の実施形態と同様に、カメラモードとしている。第1状態での、非カメラモードとカメラモードは通信用操作部21の操作により、相互に移行が可能である。また、第1状態の非カメラモードでは、図32Aに示されるように、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能及びゲーム機能が、利用できる。これらの機能は、利用者が、通信用操作部21を操作することにより、実行される。
上述した機構的な第2状態(図29A〜図29C参照)では、第一の実施形態と同様に、動作モードを非カメラモードとしている。この場合には、非カメラモードであるが、メインディスプレイ28が内側に折りたたまれてなり、不可視であるために、通話その他の機能は利用できない。なお、第一の実施形態と同様に、第2部分112において光学的な機能を有する部品が一切配置されていない面が外面を構成しているので(図29A参照)、この面を接触面として机の上へ置いたとしても、携帯電話100の光学的な機能を有する部材を傷をつけたり、汚れを付着させたりすることがない。
また、上述した機構的な第3状態(図30A〜図30C参照)では、第一の実施形態と同様に、動作モードをカメラモードとしている。しかし、後述するように、例外的に、第1状態又は第4状態で、アプリケーション実行中又は通信中のまま、第3状態に移行した場合には、非カメラモードのまま、第3状態になることを可能としている。この場合には、更に、第4状態又は第1状態に移行するまでは操作不可となる。
また、上述した機構的な第4状態(図31A〜図31C参照)では、第一の実施形態と同様に、第3状態から第4状態に変形させたときの動作モードをカメラモードとしている。しかし、図31Aに示されるように、メインディスプレイ28だけでなく、表示面操作部101、及び、折りたたみ操作部102が、表面に出ているので、操作が可能となっている。そのため、利用者が、折りたたみ操作部102の十字型キーを操作して非カメラモードに移行し、更に、図32Aに示すような、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能、及び、ゲーム機能の利用を可能としている。
第4状態の電話機能では、利用者は、着信時には、発信元の電話番号をメインディスプレイ28により確認し、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央を押下することにより、応答する。通話は、通話用スピーカ29及びマイクロフォン103を用いて行なわれる。また、発信時には、折りたたみ操作部102の十字型キーの上下を押下することにより、発信履歴及び着信履歴を参照することができ、また、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央を押下することにより、電話帳の参照が可能となっている。利用者は、これらの参照された電話番号から選択することにより、発信を行う。なお、新規に電話番号を入力したい場合には、第1状態に変形し、通信用操作部21のテンキーを使用して入力する。
第4状態のメール機能では、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。利用者は、当該十字型キーを操作することにより、携帯電話100の記憶部43に保存された受信メールを選択し、選択された受信メールの内容を、メインディスプレイ28を介して、確認する。新しい内容のメールを作成する場合には、携帯電話100の形状を第1状態に変えて、通信用操作部21のテンキーを使用して作成する必要があるが、作成済みのメールを送信するのみ等のテンキーを使用しないで行える操作は、第4状態のまま行うことができる。
第4状態のマルチメディア機能では、携帯電話100の記憶部43に保存された音楽ファイルやビデオファイルを再生する機能であり、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。利用者は、当該十字型キーを操作することにより、携帯電話100の記憶部43に保存された音楽ファイルやビデオファイルを選択し、再生を指令する。なお、音楽ファイルやビデオファイルの名称を変更するなどのテンキーを必要とする操作の場合には、第1状態に変形し、通信用操作部21のテンキーで操作する必要がある。
第4状態のブラウザ機能では、メール機能、マルチメディア機能と同様、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。ブラウザ起動後は、当該十字型キーの上下左右の適切な部分の押下を繰り返すことにより、画面に表示されたリンク先を示す文字列にカーソルを合わせ、当該十字型キーの中央を押下することにより、当該リンク先にジャンプする。なお、文字列の入力等、テンキーによる入力が必要な場合には、第1状態に変形して、通信用操作部21のテンキーを用いて入力する必要がある。
第4状態のゲーム機能では、メインディスプレイ28、折りたたみ操作部102の十字型キー、及び、表示面操作部101のAボタンとBボタンを使用する。携帯電話100の記憶部43に保存されたゲームのアプリケーションを実行すると、十字型キー、及び、AボタンとBボタンの機能が、ゲームのアプリケーションにより割り当てられる。利用者は、ゲームのアプリケーションにおいて所望の動作をさせるために、割り当てられた機能のキー又はボタンの操作を行う。
ここで、携帯電話100では、第4状態で非カメラモードとなることが可能であるため、利用者は、第4状態でアプリケーションの実行中、又は、通信中に、通信用操作部21のテンキーを使用したい場合がある。そこで、利用者の便宜を図るため、図33に示すように、アプリケーションの実行中、又は、通信中の場合には、第4状態から第3状態を経て、第1状態に移行することを可能としている。この場合、アプリケーション実行中又は通信中のまま、第3状態に移行した場合には、アプリケーション実行中又は通信中の状態は維持され、第3状態での操作は不可としている。また、逆に、第1状態で音楽等を再生した後に、第4状態のように折りたたまれた小さな状態で視聴したい場合もあることから、アプリケーションの実行中、又は、通信中の場合に、第1状態から第3状態を経て、第4状態に移行することも可能としている。
次に、携帯電話100がカメラモードで動作中に着信があった場合について説明する。
まず、第1状態又は第4状態のカメラモードで、着信があった場合について、図34のフローチャートにしたがって説明する。第1状態又は第4状態のカメラモードで着信があると、ステップS101において、メインディスプレイ28に通話着信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示は図35Aに示すように、通話、転送、拒否、保留及び留守録が、折りたたみ操作部102の十字型キーにより選択できる旨を示している。図34に戻り、ステップS102において、利用者が通話を選択した場合には、ステップS103において、制御部140は、動作モードを非カメラモードへと移行する。引き続き、制御部140は、ステップS104において、着信応答、通話及び切断までを実行する通話処理を行う。通話が終了し、切断されると、制御部140は、ステップS105において、カメラモードに移行し、元の状態へ戻る。
一方、ステップS102において、転送、拒否及び留守録が選択された場合には、ステップS106において、それぞれ、転送、拒否及び留守録の処理が行われる。この場合には、非カメラモードへの移行は行われない。また、ステップS102において、保留が選択された場合には、制御部140は、ステップS107において、保留処理を行う。利用者が通話できる状態になり、ステップ108において、通話指令が行われたか否かが判定がされる。この判定結果が肯定的な場合には、ステップS103〜ステップS105の処理を行うこととなる。
また、ステップS108における判定結果が否定的な場合には、ステップS109へ移行し、発呼側から切断された場合、つまり携帯電話10に電話をかけてきた側から、通信網を介して携帯電話10に保留された呼の切断を通知された場合、及び、着呼側で切断された場合、つまり携帯電話10で保留された呼を切断した場合、のいずれかの場合であるかどうかが判定される。ステップS109での判定が肯定的な場合には、元の状態である第1状態、第4状態のカメラモードへ移行する。一方、否定的な場合には、ステップS108及びステップS109の処理を繰り返す。
次に、第3状態のカメラモードで、着信があった場合について、図36のフローチャートにしたがって説明する。第3状態のカメラモードで着信があった場合には、制御部140は、ステップS201において、メインディスプレイ28に通話着信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示では、図35Bに示すように、転送、拒否、保留及び留守録の選択が折りたたみ操作部102の十字型キーにより選択できる旨、及び、通話の場合には形状を変更する必要がある旨が示される。
引き続き、ステップS202において、利用者が、転送、拒否、留守録の選択した場合には、制御部140は、ステップS205において、それぞれ、転送、拒否及び留守録の処理を行う。また、ステップS202において、指令がない場合には、制御部140は、ステップS203において、携帯電話100の形状を確認する。利用者が、携帯電話100を変形して、第1状態又は第4状態になっていた場合には、制御部140は、図34のステップS100である「第1状態又は第4状態のカメラモードの着信」と同じ処理を行う。変形せずに第3状態を維持している場合には、S202及びS203の処理を繰り返す。
また、ステップS202において、保留の選択をした場合には、制御部140は、メインディスプレイ28からガイダンス表示を消去し、ステップS202及びステップS203の処理を繰り返す。利用者が通話できる状態になったところで、形状を変更することにより、制御部140は、ステップS203から、図34のステップS100である「第1状態又は第4状態のカメラモードの着信」の処理を行うことにより、通話を可能とする。
次に、カメラモードで動作中に、メールの受信があった場合の処理について、図37に従って、説明する。制御部140は、ステップS301において、メインディスプレイ28にメール受信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示では、図38に示すように、受信メールの表示を行うかどうかの選択が、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央の押下により選択できる旨が示される。ここで、利用者は、ステップS302において、受信メールの表示を行うかどうかの選択を行う。この選択が肯定的な場合には、制御部140は、ステップS303において、受信メール表示処理をおこなう。否定的な場合には、受信メールの表示処理はおこなわず、メール受信時の処理を終了する。
以上説明したように、第二の実施形態では、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
更に、第二の実施形態では、カメラモードで動作しているときであっても、メール受信があった際には、その旨を利用者に通知し、利用者は、携帯電話の形状を変えずに、その受信したメールの内容を確認することができるので、利用者は、受信したメールに対して、簡易に適切な処置をとることができる。
また、カメラモードで動作しているときであっても、通話着信があった際には、利用者は携帯電話の形状を変えずに、切断や留守録等の措置を行え、更に、第1状態及び第4状態のどちらの形状であっても、通話することが可能なため、利用者は、より簡易な操作で、通話着信に対して、適切な処理を行うことができる。
また、第2部分112は、第1部分111の第1軸AX1に沿った少なくとも両外側2箇所で、第1部分111と、結合されているため、第2部分112は、第1部分111との接続部分において、第1軸AX1方向の幅を十分にとることができる。これにより、第2部分112に十分な強度を保つことができ、更に第2部分112により多くの機能を備えることができる。
なお、上記第二の実施形態においては、表示される通話着信ガイダンス及びメール受信ガイダンスは、メインディスプレイ28に単に表示されることとしたが、第一の実施形態と同様、透過表示されることとしてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、表示面操作部はゲーム機能にのみ使用していたが、他の機能に使用することとしてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、折りたたみ操作部及び表示面操作部は、それぞれ十字型キー及びボタンとしていたが、他の形状や他の機能をもつ入力装置としてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、第2状態及び第3状態において通話できないこととしたが、第2状態及び第3状態においても通話可能としてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、上述した第一の実施形態に対する変形例と同等の変形例を適宜行うことがきる。
以上のように、本発明は、移動通信端末装置におけるデジタルカメラ機能の実装に際して有用である。特に、デジタルカメラ機能付移動通信端末装置におけるデジタルカメラを利用する際の利用者の利便性を向上に適している。
図1Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図1Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図1Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図2は、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の突出部にカメラ用光学系が収納されていることを示す図である。
図3は、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の機能ブロック図である。
図4Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図4Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図4Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図6Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図6Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図6Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図7は、本発明の第一の実施形態における第1〜第4状態の相互間の遷移を機能遷移とともに説明するための図である。
図8Aは、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおけるガイダンス表示を説明するための図である。
図8Bは、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおけるガイダンス表示を説明するための図である。
図9は、本発明の第一の実施形態における非カメラモードである通信モード時における通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図10は、本発明の第一の実施形態における第1状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図11Aは、本発明の第一の実施形態における第3状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図11Bは、本発明の第一の実施形態における第1状態の通信モードにおける着信処理を説明するためのフローチャートである。
図12は、本発明の第一の実施形態における第3状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
図13は、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図14は、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
図15は、本発明の第一の実施形態における非カメラモードである通信モードにおけるEメール着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図16は、本発明の第一の実施形態におけるカメラモードにおけるEメール着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図17Aは、第1部分における突出部の位置の第1の変形例を示す側面図である。
図17Bは、第1部分における突出部の位置の第1の変形例を示す正面図である。
図18Aは、第1部分における突出部の位置の第2の変形例を示す側面図である。
図18Bは、第1部分における突出部の位置の第2の変形例を示す正面図である。
図19は、第1部分における突出部の位置の第3の変形例を示す図である。
図20Aは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第1の変形例の第4状態を示す図である。
図20Bは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第1の変形例の第2状態を示す図である。
図21Aは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第2の変形例の第4状態を示す図である。
図21Bは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第2の変形例の第2状態を示す図である。
図22Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第1の変形例の第4状態を示す図である。
図22Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第1の変形例の第2状態を示す図である。
図23Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第2の変形例の第4状態を示す図である。
図23Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第2の変形例の第2状態を示す図である。
図24Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第3の変形例の第4状態を示す図である。
図24Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第3の変形例の第2状態を示す図である。
図25Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第4の変形例の第4状態を示す図である。
図25Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第4の変形例の第2状態を示す図である。
図26Aは、カメラ用光学系の光軸が、操作面に垂直である場合における変形例の第4状態を示す側面図である。
図26Bは、カメラ用光学系の光軸が、操作面に垂直である場合における変形例の第4状態を示す正面図である。
図27Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図27Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図27Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図28は、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の機能ブロック図である。
図29Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図29Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図29Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図30Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図30Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図30Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図31Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図31Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図31Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図32Aは、本発明の第二の実施形態における、非カメラモード内の状態遷移を説明するための図である。
図32Bは、本発明の第二の実施形態における、カメラモード内の状態遷移を説明するための図である。
図33は、本発明の第二の実施形態における、第1〜第4状態の相互間の状態遷移を説明するための図である。
図34は、本発明の第二の実施形態における第1状態又は第4状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図35Aは、本発明の第二の実施形態における第1状態又は第4状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
図35Bは、本発明の第二の実施形態における第3状態における通話着信時の表示例を示す図である。
図36は、本発明の第二の実施形態における第3状態における通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図37は、本発明の第二の実施形態におけるカメラモード時におけるメール受信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図38は、本発明の第二の実施形態におけるカメラモード時におけるメール受信時の表示例を示す図である。
本発明は、移動通信端末装置に関する。さらに詳しくは、折りたたみ可能なデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置に関する。
従来から、携帯電話等の移動通信端末装置が広く普及している。こうした移動通信端末装置の機能や性能の向上は目覚しく、移動通信端末装置としての必須機能である通話機能やEメールの送受信機能に加えて、デジタルカメラ機能を有するものが登場してきている。こうしたデジタルカメラ機能付携帯電話には、テンキー等が配列された操作部を有する第1部分と、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置等を含む表示部を有する第2部分とを備えているものがある。
このようなデジタルカメラ機能付携帯電話としては、操作部における上記テンキー等の配列される操作面と表示部における表示面とを平行に維持しつつ、当該両面に対して垂直な軸を回転軸として、第1部分に対して第2部分を回転させることにより、第1部分と第2部分とを重ね合わせたり展開したりするリボルバー型のもの(以下、「従来例1」と呼ぶ)がある。このリボルバー型のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分における操作面とは反対側にカメラ用光学系が配置されている。そして、デジタルカメラ動作モードに設定されると、表示部の表示面がファインダとして機能し、カメラ用光学系により撮影された像が表示面に表示されるようになっている。また、第1部分と第2部分とが重なる状態においても、通常の着信やジョグダイアル等からの発信を可能とするため、ファンクションキー等の一部を第2部分に配置している。
また、同様な第1部分と第2部分を備えるデジタルカメラ機能付携帯電話として、操作面と表示面の両面に平行な軸を回転軸として、第1部分に対して第2部分を回転するクラムシェル型のもの(以下、「従来例2」と呼ぶ)もある。このクラムシェル型のデジタルカメラ機能付携帯電話においても、第1部分における操作面とは反対側又は第2部分におけるメインディスプレイの配置面の反対側にカメラ用光学系が配置されている。そして、第1部分に対して第2部分が折りたたまれた状態でデジタルカメラ動作モードに設定されると、第2部分におけるメインディスプレイの配置面とは反対側の面に配置されたサブディスプレイの表示面がファインダとして機能し、カメラ用光学系により撮影された像がサブディスプレイの表示面の長手方向を横方向として表示されるようになっている。なお、このクラムシェル型のデジタルカメラ機能付携帯電話は、第1部分に対して第2部分を展開した状態でもカメラ機能による撮像が可能となっている。この場合には、メインディスプレイの表示面がファインダとして機能する。
上述した従来例1及び従来例2のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分と第2部分が重なった状態において、一方の面側にカメラ用光学系のレンズが配置されているとともに、他方の面側にディスプレイの表示面が配置されることになる。このため、第1部分に対して第2部分が重なった状態で、例えば机上に安定した状態で載置すると、カメラ用光学系のレンズ又はディスプレイの表示面が机の面と接触することになる。これは、カメラ用光学系のレンズやディスプレイの表示面がガラス等で保護されていたとしても、その保護ガラス等に汚れが付着したり傷がはいったりする原因となる。こうした保護ガラス等の汚れや傷は、撮像又は表示された画像の観察に悪影響を及ぼすことになる。
また、従来例1のデジタルカメラ機能付携帯電話では、表示画面が常に外部から見ることができる状態となっている。このため、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性が、クラムシェル型の携帯電話と比べて確保しにくい。さらに、第1部分と第2部分とが重なりあった場合において、通常の着信やジョグダイアル等からの発信を可能とするため、ファンクションキーの一部を第2部分に配置している。そのため、テンキー等を操作するために第1部分と第2部分を重なり合っていない状態としたときに、操作キーが第1部分と第2部分との双方に配置されていることとなるため、操作性がよいとはいい難かった。
また、従来例2のデジタルカメラ機能付携帯電話では、第1部分に対して第2部分を折りたたんだ状態で、通常のデジタルカメラとして機能することができるが、その場合には、メインディスプレイの反対側の面に配置されたサブディスプレイの表示面がファインダとして機能することになる。このサブディスプレイは、移動通信端末装置が展開された状態において使用されるメインディスプレイと比べて、一般に表示領域の大きさや表示精細度及び動画に対する応答性において劣る。このため、移動通信端末装置が折りたたまれた状態でデジタルカメラとして機能する場合には、撮像画像を決定するためのファインダ表示性能が十分であるとはいい難かった。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、利用者の利便性を向上することができるデジタルカメラ機能付移動通信端末装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の観点からすると、第1部分と第2部分とが、第1軸を回転軸として相対的に回動可能に結合されることにより、折りたたみ可能に構成されたデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置である。
ここで、前記第1部分は、前記第1軸と平行であり、折りたたまれた際、第2部分と対向する操作面を有する操作入力部と、前記操作面に垂直な光軸を有するカメラ用光学系とを備える。また、前記第2部分は、前記第1部分と回動可能に結合されている部分を備える基台部と、表示デバイスを有し、前記表示デバイスの表示面に平行な第2軸を回転軸として、前記基台部に対して少なくとも180度回動可能に前記基台部と結合された表示部を備え、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1軸に沿った少なくとも両外側2箇所で、前記第1部分と、結合されている。
また、本発明の移動通信端末装置は、前記第2軸を回転軸とする前記基台部に対する前記表示部の回転状態を検出する表示部回転状態検出器と;表示部回転状態検出器が、折りたたまれた際に前記表示面が前記操作面に対向しない向きである表示部回転状態となったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとする制御部と;を更に備えている。
この移動通信端末装置においては、第1部分に対する第2部分の第1軸周りの回転と、第2部分における基台部に対する表示部の第2軸周りの回転という2種類の回転に関するそれぞれ2種類の状態を組み合わせることにより、機構的に4種類の状態を現出させる。
すなわち、この移動通信端末装置は、移動通信端末装置が折りたたまれておらず、かつ、表示部が回転していない(移動通信端末装置を折りたたんだときに表示面が操作面に対向する向きである)第1状態と、移動通信端末装置が折りたたまれており、かつ、表示部が回転していない第2状態と、移動通信端末装置が折りたたまれておらず、かつ、表示部が回転している(移動通信端末装置を折りたたんだときに表示面の反対側の面が操作面に対向する向きである)第3状態と、移動通信端末装置が折りたたまれており、かつ、表示部が回転している第4状態との4種類の状態をとることができる。
このため、上記の4状態それぞれについて、状態の遷移を考慮しつつ、動作モードとしてカメラモードや「待ち受け」や「通話中」等の状態を含む非カメラモードを原則的には自動的に割り振る。具体的には、表示部における表示を見ながら行う通信用操作部のキーを操作して行う通信用操作に適さないが、表示デバイスが外面側となっておりファインダとして有効に機能できる第3状態又は第4状態にあることを表示部回転状態検出器が検出する。そして、この検出結果を受けた制御部が、表示部をファインダとして用いるカメラモードを動作モードに自動的に設定する。そして、必要に応じて動作モードを適宜変更可能とすることとして、利用者による動作モードの設定を最小限とすることができる。
また、上記の第2状態においては、表示部を回転することができるため、表示デバイスの表示面とは反対側の面又は基台部にサブの表示デバイスを配置しない構成とすることができる。この結果、例えば、机上に載置する場合に、この面を机面との接触面とすれば、受光や表示のための部品又はそれらの保護部材に、机面との接触に起因する汚れや傷を防止することができる。
また、第1部分と第2部分とは、クラムシェル型で折りたたみ可能となっているので、通信用の操作キーの全てが第1部分における操作面に配置することができ、操作時の操作性を確保することができる。
さらに、表示部が外面側とはならない上記の第2状態を実現できるので、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性を確保することができる。
また、前記第2部分は、前記第1部分の前記第1軸に沿った少なくとも両外側2箇所で、前記第1部分と、結合されているため、第2部分は、第1部分との接続部分において、第1軸方向の幅を十分にとることができる。これにより、第2部分に十分な強度を保つことができ、更に第2部分により多くの機能を備えることができる。
ここで、本発明の移動通信端末装置では、第2軸は、第1軸に対して垂直とすることができる。
また、本発明の移動通信端末装置では、第1部分は、操作面の垂直方向に突出し、カメラ用光学系を収納する突出部を更に備えることができる。これにより、第1部分における第2部分との接続部等を利用した操作面に垂直方向に突出した突出部に、より大きなカメラ用光学系を収納するスペースを確保することにより、高性能なカメラを備えることができる。
さらに、この移動通信端末装置では、第1軸を回転軸として折りたたまれた状態である折りたたみ状態、又は、展開された状態である展開状態を検出する折りたたみ状態検出器を更に備えることができる。この場合には、表示部回転状態検出器が第3状態又は第4状態にあることを検出しているとき、折りたたみ状態検出器が、第3状態又は第4状態のいずれにあるかを検出する。そして、第3状態にあると検出されたときには、表示デバイスの表示面とカメラ光軸が同じ方向を向いており、自分自身を撮影するためのカメラモードで動作する。また、第4状態にあると検出されたときには、表示デバイスの表示面とカメラ撮像部の視野方向が反対方向を向いており、相手方を撮影するためのカメラモードで動作する。
ここで、表示部回転状態であって、折りたたみ状態検出器が、移動通信端末装置が展開状態となったことを検出した場合には、前記第1軸に垂直な方向を前記表示デバイスの縦方向としてガイダンス表示を行うことができる。また、表示部回転状態であって、折りたたみ状態検出器が、移動通信端末装置が折りたたみ状態となったことを検出した場合には、前記第1軸に垂直の方向を前記表示デバイスの横方向として、前記ガイダンス表示を行うことができる。更に、制御部は、利用者の指令に応じて、第1軸に垂直の方向を前記表示デバイスの縦方向とするか横方向とするかを変更し、ガイダンス表示を行うことができる。ここで、「ガイダンス表示」とは、表示デバイスに表示される利用者の操作を助けるための表示のことであり、通話着信表示やEメール受信表示等のイベント案内表示も含まれる。カメラモードで移動通信端末装置を使用する場合に、ガイダンス表示を横方向として利用するかは、原則的として、移動通信端末装置の形状により設定されるが、最終的に利用者により決定することができる。したがって、利用者の指令に応じて、制御部はガイダンス表示の縦横を変更することができ、操作性を保つことができる。
また、カメラモードで動作中に、制御部は、前記表示デバイスにガイダンスを透過表示させることができる。この場合には、カメラモードで動作しているときに表示部の表示面の全面をファインダとして利用できるとともに、ファインダ表示画像を大きく損うことなく、利用者に伝達したいガイダンスを表示部に表示することができる。
また、制御部は、カメラモードで動作中に、メール受信があった場合には、メール受信があった旨を利用者に通知し、利用者の指令により、内容を表示することができる。この場合には、カメラモードで動作しているときであっても、メール受信があった際には、その旨を利用者に通知し、利用者の判断により、その受信したメールの内容を確認することができるので、利用者は、受信したメールに対して、簡易に適切な処置をとることができる。
また、制御部は、カメラモードで動作中に、着信があった旨を利用者に通知することができる。この場合には、カメラモードで動作しているときであっても、着信を検出した場合には、着信があった旨を利用者に通知するので、着信に対して適切な処置を利用者が直ちにとることができる。
また、制御部は、展開状態、かつ、表示面が操作面に対向する向きである表示部非回転状態で電源が投入された場合には、制御部は動作モードを非カメラモードとすることができる。この場合には、移動通信端末装置が第1状態であるときに、電源が投入されると、カメラモードではなく非カメラモードで動作する。ここで、「非カメラモード」とは、カメラモード以外のモードを意味し、「待ち受け」や「通話中」の状態だけでなく、メールやゲームのアプリケーションを実行している状態も含まれる。
また、表示部回転状態であり、かつ、展開状態のカメラモードで動作中の場合には、制御部は、画像の左右を反転させて表示させることができる。この場合には、自分を撮影するためのカメラモードであるため、表示デバイスの画面の左右反転を行い、鏡のように右側にあるものは右側、左側にあるものは左側に映る画面で表示することにより、利用者にわかりやすい撮影画面を提供する。
また、制御部は、表示部非回転状態にあるときに、折りたたみ状態検出器が、折りたたみ状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第2状態になったと検出されたとき、非カメラモードとなる。
ここで、制御部は、折りたたみ状態の非カメラモードから、第1軸を回転軸として移動通信端末装置を展開することにより、折りたたみ状態検出器が展開状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第2状態から第1状態になったことが検出されたとき、折りたたみ状態の非カメラモードから、表示部を通信用に用いる展開状態の非カメラモードに動作モードが切り換わる。
また、この移動通信端末装置は、基台部における、折りたたまれた際に操作面に対向する面の裏面側に、折りたたまれた際に操作を行う折りたたみ操作部を備えることができる。この場合には、折りたたまれた状態であっても、操作を行うことを可能としているため、利用者は移動通信端末装置を展開することなく、より簡易に操作を行うことができる。
さらに、制御部は、表示部回転状態かつ折りたたみ状態である場合には、利用者の折りたたみ操作部を介した指令に応じて、音声通信の制御を行う。この場合には、利用者は、折りたたまれた状態のまま、通話を行うことができる。
また、この移動通信端末装置は、表示部の表示面側に表示面操作部を備え、制御部は、表示部回転状態かつ折りたたみ状態である場合に、折りたたみ操作部及び表示面操作部の少なくとも一方を介した利用者の指令に応じて、ゲーム機能を実行する。この場合には、この移動通信端末装置は、表示部の表示面側にも利用者が操作可能な表示面操作部を備え、利用者は、表示面操作部及び折りたたみ操作部を操作することにより、ゲーム機能を利用することができる。
また、制御部は、展開状態のカメラモードのときに、表示部回転状態検出器が表示部非回転状態になったことを検出すると、動作モードを、カメラモードとする。この場合には、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により第3状態から第1状態になったことが検出されたとき、自分自身を撮影するための第3状態のカメラモードから、表示デバイスの表示面とカメラ撮像部の視野方向が反対方向を向いており、相手方を撮影するための第1状態のカメラモードに動作モードが切り換わる。
また、表示部非回転状態で、かつ、展開状態のカメラモードとなった場合には、第1軸に垂直な方向を表示デバイスの縦方向として、ガイダンス表示を行うことができる。更に、制御部は、表示部非回転状態で、かつ、展開状態のカメラモードの場合には、利用者の指令に応じて、第1軸に垂直方向を表示デバイスの縦方向とするか横方向とするかを変更し、ガイダンス表示を行うことができる。この場合には、カメラモードで移動通信端末装置を使用する場合に、ガイダンス表示を横方向として利用するかは、原則的として、移動通信端末装置の形状により設定されるが、最終的に利用者により決定することができる。したがって、利用者の指令に応じて、制御部はガイダンス表示の縦横を変更することができ、操作性を保つことができる。
また、制御部は、表示部非回転状態であり、かつ、展開状態のカメラモードのカメラモードで動作中に着信し、着信に係る通信処理のために動作モードが非カメラモードとなり、この通信処理が終了した場合には、動作モードをカメラモードにすることができる。この場合には、第1状態のカメラモードで動作しているときに着信を検出し利用者が応答した場合であっても、通信が終了した場合には、カメラモードに戻るので、利用者は引き続きカメラモードでの操作を行うことができる。
本発明は、第2の観点からすると、第1軸を回転軸として相対的に回動可能に結合されることにより、折りたたみ可能に構成された第1部分と第2部分とを備え、前記第1部分が、カメラ用光学系と;前記第1軸と平行であり、折りたたまれた際、第2部分と対向する操作面を有する操作入力部と;を備え、前記第2部分が、前記第1部分と回動可能に結合されている部分を備える基台部と;表示デバイスを有し、前記表示デバイスの表示面に平行な第2軸を回転軸として、前記基台部に対して少なくとも180度回動可能に前記基台部と結合された表示部と;を備え、前記第1部分の前記第2部分に対する回動の状態、及び、前記表示部の前記基台部に対する回動の状態に応じて、動作モードの切替えを行うデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置であって、前記第2軸を回転軸とする前記基台部に対する前記表示部の回転状態を検出する表示部回転状態検出器と;前記第1軸を回転軸として折りたたまれた状態である折りたたみ状態、又は、展開された状態である展開状態を検出する折りたたみ状態検出器と;前記表示面が前記操作面に対向しない向きである表示部回転状態であるときに、前記折りたたみ状態検出器が、前記折りたたみ状態となったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとする制御部と;を更に備えることを特徴とする移動通信端末装置である。
この移動通信端末装置においては、第1の観点と同様に、機構的に第1状態から第4状態までの4種類の状態を現出させられるため、各状態に応じて適切な動作モードを割り当てることにより、より利便性の高い移動通信端末装置を提供することができる。
また、表示部回転状態検出器及び折りたたみ状態検出器により、移動通信端末装置は、機構的な4つの状態の変化を認識することができる。更に、表示部回転状態であるときに、折りたたみ状態となったことを検出した場合、すなわち、第3状態から第4状態に変化した際には、外側に現れた表示面をファインダとするカメラモードとなることにより、利用者は形状を変化させることのみの操作で、即座にカメラとして使用することができる。
また、制御部は、表示部回転状態検出器が、表示部回転状態となったことを検出した場合、すなわち、第4状態まで変形しなくとも、第3状態に変形したときに動作モードをカメラモードとする。このため、カメラ撮像部の視野方向と表示部の表示面の方向が同じ場合には、自分自身を撮影するためのカメラとして即座に使用することができる。
また、制御部は、表示面が操作面に対向する向きである表示部非回転状態にあるときに、折りたたみ状態検出器が、折りたたみ状態になったことを検出すると、動作モードを非カメラモードとし、制御部は、表示部非回転状態であるときに、折りたたみ状態検出器が、展開状態となったことを検出した場合には、動作モードを非カメラモードとすることができる。
更に、制御部は、展開状態であって、かつ、カメラモードのときに、表示部回転状態検出器が、表示面が操作面に対向する向きである表示部非回転状態になったことを検出した場合には、動作モードをカメラモードとすることができる。この場合には、第3状態のカメラモードで使用しているときに、第1状態に変形した場合、非カメラモードにするのではなく引き続きカメラモードで動作させることにより、カメラモードを再び設定することなく、引き続きカメラモードとしての使用が可能となる。
本発明は、第3の観点からすると、第1部分と第2部分とが、第1軸を回転軸として相対的に回動可能に結合されることにより、折りたたみ可能に構成されたデジタルカメラ機能付の移動通信端末装置であって、前記第1部分は、第1軸と平行であり、折りたたまれた際、第2部分と対向する操作面を有する操作入力部と;前記操作面の垂直方向に突出した突出部と;前記突出部に収納され、前記操作面と直交する光軸を有するカメラ用光学系と;を備え、前記第2部分は、前記第1部分と回動可能に結合されている部分を備える基台部と;表示デバイスを有し、前記表示デバイスの表示面に平行な第2軸を回転軸として、前記基台部に対して少なくとも180度回動可能に前記基台部と結合された表示部と;を備え、前記第2部分は、前記突出部の前記第1軸に沿った少なくとも両外側2箇所で、前記第1部分と結合されている、ことを特徴とする移動通信端末装置である。
≪第一の実施形態≫
以下、本発明の第一の実施形態を、図1A〜図16を参照しつつ説明する。
図1A〜図3には、第一の実施形態に係る移動体端末装置である携帯電話10の構成が概略的に示されている。なお、図1A〜図1Cは、後述する機構的な第1状態における外観構成が示されている。ここで、図1Aには携帯電話10の外観の正面図が示され、図1Bには携帯電話10の外観の右側面図が示され、図1Cには携帯電話10の外観の裏面図が示されている。また、図3には、携帯電話10の機能ブロック構成が示されている。
図1A〜図3において総合的に示されるように、携帯電話10は、第1部分11と、該第1部分11に対して、第1軸としての軸AX1を回転軸として回動可能な第2部分12とを備えている。また、第2部分12は、第1部分11の軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分11と回動可能に結合されている。
そして、第2部分12は、第1部分11側に配置された基台部15と、当該基台部15に対して、第2軸としての軸AX2を回転軸として回動可能な表示部16とを有している。
第1部分11の図1Aに示される操作面側には、(a)テンキー、ファンクションキー等の操作キーが配列された通信用操作部21と、(b)通話時に音声を入力するためのマイクロフォン22とが配置されている。ここで、通信用操作部21には、通話又はEメールの発信時には発信処理開始を指令し、通話着信時には通話処理開始を指令するための発信キーと、通信処理中における短時間の押下により終話を指令し、長時間の押下により電源のオン/オフを指令するための終話/電源キーが含まれているものとする。なお、通話着信から通話開始までの間に終話/電源キーが短時間だけ押下されると、簡易留守録がされるようになっている。
また、第1部分11の操作面を正面としたときの図1Bに示される右側面には、(c)カメラモードで動作しているときに操作が有効となるカメラ用縦方向キー23、カメラ用決定キー25及びシャッタ26からなるカメラ用操作部が配置されている。また、第1部分11の当該操作面を正面としたときの上側面側には、(d)カメラモードで動作しているときに操作が有効となるカメラ用横方向ダイアル24が配置されている。さらに、第1部分11の当該操作面の裏面側には、図1Cに示されるように、(e)後述するメインディスプレイ28が外面とならない後述する機構的な第2状態(図4A〜図4C参照)において、補助的な表示を行うサブディスプレイ31と、(f)着信音や案内音を発生するための案内用スピーカ32と、(g)カメラ用光学系の視野内の像を撮像する撮像部33とが配置されている。撮像部33は、後述する機構的な第2状態にある携帯電話10の斜視図である図2に示されるように、第2部分12と結合するために作られた第1部分11の突出部に収納されている。
第1部分11は、図3に示されるように、上記の要素に加えて、その内部に、(h)中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)等を備え、携帯電話10の全体の動作を統括制御する制御部40、(i)基地局との間で無線信号を授受するための内蔵型アンテナ41と、(j)アンテナ41を介して通信信号の送受信を行う送受信部42と、(k)プログラムやデータを格納する記憶部43とを備えている。また、第1部分11は、その内部に、(l)携帯電話10の折りたたみ状態を検出する折りたたみ状態検出器45を更に備えている。ここで、折りたたみ状態検出器45は、携帯電話10がほぼ完全に折りたたまれているときに折りたたみ状態にあると検出し、完全には折りたたまれていないときには展開状態にあると検出するようになっている。
また、第2部分12の表示部16は、図1Aに示されるように、制御部40の指令に応じて、通信用操作部21の操作結果等を表示するメインディスプレイ28と、通話時に通信相手から送られてきた音声信号を再生する通話用スピーカ29とを備えている。
一方、同じく第2部分12である基台部15は、図3に示されるように、その内部に、基台部15に対する表示部16の回転状態を検出する表示部回転状態検出器46を更に備えている。ここで、表示部回転状態検出器46は、図1A〜図1Cにおける基台部15と表示部16との位置関係、すなわち、携帯電話10を折りたたんだ場合に操作面とメインディスプレイ28の表示面とが対向する位置関係にある表示部非回転状態にあることを制御部40へ通知する。また、表示部回転状態検出器46は、表示部非回転状態から軸AX2回りに表示部16が180度回転した状態である表示部回転状態にある場合には、表示部回転状態であることを制御部40へ通知する。
なお、表示部非回転状態から表示部回転状態となるまでの間は、表示部回転状態検出器46は表示部非回転状態にあると制御部40へ通知するようになっている。また、表示部回転状態から表示部非回転状態となるまでの間は、表示部回転状態検出器46は表示部回転状態にあると制御部40へ通知するようになっている。
以上のように構成されている携帯電話10では、(i)図1A〜図1Cに典型的に示されるような、携帯電話10が展開状態であり、かつ、表示部非回転状態である機構的な第1状態、(ii)図4A〜図4Cに典型的に示されるような、携帯電話10が折りたたみ状態であり、かつ、表示部非回転状態である機構的な第2状態、(iii)図5A〜図5Cに典型的に示されるような、携帯電話10が展開状態であり、かつ、表示部回転状態である機構的な第3状態、(iv)図6A〜図6Cに典型的に示されるような、携帯電話10が折りたたみ状態であり、かつ、表示部回転状態である機構的な第4状態という4つの状態を機構的に取り得る。
ここで、機構的な第2状態では、図4A〜図4Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21が内側に隠れている。このことを考慮して、制御部40は、機構的な第2状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、非カメラモードである通信モードとしている。この通信モードでは、上述したカメラ用操作部の各キーはキーロックされるようになっている。なお、第2部分12において光学的な機能を有する部品が一切配置されていない面が外面を構成しているので(図4A参照)、この面を接触面として机や台の上へ携帯電話10を置いたとしても、携帯電話10の光学的な機能を有するディスプレイ面、撮像部33のカメラ用光学系又はこれらの保護用の透明部材の傷をつけたり、汚れを付着させたりすることがない。
また、機構的な第3状態では、図5A〜図5Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21は表に表れているが、互いに反対の方向を向いている。このため、メインディスプレイ28の表示面を見ながら通信用操作部21を操作することができない。一方、機構的な第3状態では、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向に撮像部33の視野方向が向いており、メインディスプレイ28の表示面をファインダとして、自分自身を撮影することが可能な状態となっている。これらを考慮して、制御部40は、機構的な第3状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、メインディスプレイ28のガイダンスの表示が軸AX2方向を縦方向とする第3状態のカメラモードとしている。このガイダンス表示の向きは、利用者がカメラ用操作部を操作することにより、軸AX2方向を横方向とすることができる。また、この第3状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転してメインディスプレイ28に表示するようになっている。なお、第3状態のカメラモードでは、終話/電源キーを除く通信用操作部21のキーはキーロックされるようになっている。
また、機構的な第4状態では、図6A〜図6Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面は表に表れているが、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向とは反対方向に撮像部33の視野方向が向いた状態の通常のデジタルカメラと同様の形態となっている。これを考慮して、制御部40は、機構的な第4状態にあることを認識すると、携帯電話10の動作モードを、メインディスプレイ28のガイダンスの表示が軸AX2方向を横方向とする第4状態のカメラモードとしている。このガイダンス表示の向きは、第3状態のカメラモードの場合と同様に、利用者がカメラ用操作部を操作することにより、軸AX2方向を縦方向とする向きとすることができる。なお、この第4状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転せずにメインディスプレイ28に表示するようになっている。
ところで、機構的な第1状態では、図1A〜図1Cに示されるように、メインディスプレイ28の表示面及び通信用操作部21の操作面は、共に表に現れている。このため、メインディスプレイ28の表示面を見ながら通信用操作部21を操作することができる。また、機構的な第1状態では、メインディスプレイ28の表示面を利用者が見ている状態では利用者側方向とは反対側に撮像部33の視野方向が向いており、メインディスプレイ28の表示面をファインダとして、通常の撮像(利用者の視野方向を撮影方向とする撮像)が可能な状態となっている。これらを考慮して、制御部40は、機構的な第1状態にあることを認識すると、発着信動作が可能な通信モード、又は、メインディスプレイ28の表示面をファインダとしたカメラモードのいずれの動作モードでも動作可能としている。なお、この第1状態のカメラモードでは、ガイダンス表示の向きは、軸AX2方向を縦方向としている。このガイダンス表示の向きは、第3状態及び第4状態のカメラモードの場合と同様に、利用者がカメラ用操作を操作することにより、軸AX2方向を縦方向とする向きとすることができる。なお、第1状態のカメラモードでは、カメラ用光学系による撮影結果を左右反転せずにメインディスプレイ28に表示するようになっている。
なお、以下の説明においては、機構的な第1状態において、通信モードで動作する状態を「第1a状態」と、カメラモードで動作する状態を「第1b状態」とも呼ぶものとする。
次に、上述した各状態相互間の状態遷移について、図7を参照して説明する。
電源をオン又はオフとすることは、通信用操作部21の操作が可能な機構的な第1状態又は第3状態でのみ可能ある。機構的な第1状態で電源がオンとされた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態にあることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。すなわち、第1a状態となる。一方、機構的な第3状態で電源がオンとされた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態にあることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードをカメラモードに設定する。
第1a状態から携帯電話10が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部非回転状態の機構的な第2状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。また、機構的な第1状態から携帯電話10が展開された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46が、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40は、動作モードを通信モードに設定する。
また、第1a状態から、表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。そして、機構的な第3状態から第1部分11に対して第2部分12が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部回転状態の機構的な第4状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。
機構的な第4状態から携帯電話10が展開された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部回転状態の機構的な第3状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。そして、通話着信処理時に、機構的な第3状態から表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードを展開時通信モードに設定する。すなわち、第1a状態となる。
一方、通話着信処理時以外に、機構的な第3状態から表示部16が基台部15に対して回転された場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46が、展開状態かつ表示部非回転状態の機構的な第1状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードをカメラモードに設定する。すなわち、第1b状態となる。そして、第1b状態から携帯電話10が折りたたまれた場合には、折りたたみ状態検出器45及び表示部回転状態検出器46は、折りたたみ状態かつ表示部非回転状態の機構的な第2状態であることを検出する。この検出結果を受けた制御部40が、動作モードを通信モードに設定する。
また、第1a状態と第1b状態との間では機構的な状態が変化しないが、通信用操作部21を操作することにより、相互間での状態遷移が可能である。すなわち、第1a状態において、通信用操作部21の操作により、カメラモード動作の指令がされると、この指令を受けた制御部40が、カメラモードを動作モードに設定する。この結果、第1a状態から第1b状態へ状態が遷移する。
一方、第1b状態において、通信用操作部21の操作により、通信モード動作の指令がされると、この指令を受けた制御部40が、通信モードを動作モードとして設定する。この結果、第1b状態から第1a状態へ状態が遷移する。
以上のように相互間で遷移する状態のうちで、本実施形態では、発信動作は第1a状態でのみ可能としている。第1a状態では、メインディスプレイ28に表示される通信用画面をみながら、利用者により行われる通信用操作部21の操作に従って、通話発信やEメールの送信を実行する。また、メインディスプレイ28の通信用表示を見ながら行う送信用Eメールの作成、受信したEメールの表示やブラウザ機能の実行等も第1a状態でのみ可能としている。
また、撮像動作は、第1b状態、第3状態又は第4状態においてのみ可能である。第1b状態においては、ズーム等のカメラ機能設定や変更は、通信用操作部21の操作によって行われる。また、第3状態又は第4状態においては、カメラ機能の設定や変更は、メインディスプレイ28に表示されるガイダンスを見つつ行われるカメラ用操作部の操作によって行われる。
また、先に述べたとおり、携帯電話10の機構的な状態が変化して、変化後の状態がカメラモードである場合には、制御部40は、メインディスプレイ28に表示されるガイダンス表示を軸AX2方向の横方向とするか縦方向とするかを判断し、ガイダンスを表示する。ここで、利用者はカメラ用操作部の操作により、このガイダンス表示の向きの変更をすることができる。機構的な第3状態から第4状態に変化した場合を例に説明すると、図8A及び図8Bに示すように、第3状態から第4状態への変化を認識した制御部40は、図8Aに示すように、メインディスプレイ28に、軸AX2方向を横方向とするガイダンス表示を行う。利用者はカメラ用操作部を操作して、軸AX2方向を縦方向とするガイダンス表示の指令を行うことにより、図8Bに示すような軸AX2方向を縦方向とするガイダンス表示に切り替えることができる。
なお、こうしたメインディスプレイ28に表示されるカメラ機能の設定や変更のガイダンスは、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
カメラ機能の設定や変更の後、シャッタ26の操作により、撮像を行うことができる。そして、撮像結果は、上述した記憶部43に格納される。
ところで、通話着信の通知処理やEメールの受信処理は、上記のすべての状態で可能となっている。ここで、これらの受信処理は、主に制御部40によって行われる。
これらの処理のうち、まず、通話着信の通知処理に始まる通話着信関連処理について説明する。
上記の第1a状態又は第2状態の通信モード動作中に通話着信があったときの処理を、図9を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS11において、現在の状態が第1a状態であるか否かが判定される。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS14へ移行する。
一方、現在の状態が第2状態であり、ステップS11の判定が否定的であった場合には、処理はステップS12へ移行する。このステップS12では、メインディスプレイ28以外によって通話着信表示が行われる。すなわち、案内用スピーカ32により呼び出し音を発生させたり、サブディスプレイ31に通話着信表示をしたりする。なお、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生に代えて、携帯電話10を振動させるようにしてもよい。
引き続き、ステップS13において、第2状態から第1部分11に対して第2部分12が展開されて第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS13の処理が繰り返される。そして、ステップS13において肯定的な判定がされると、処理はステップS14へ移行する。
ステップS14では、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
次に、ステップS15において、利用者により発信キーが押下され、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS15の処理が繰り返される。そして、ステップS15において肯定的な判定がされると、処理はステップS16へ移行する。
ステップS16では、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。このステップS16では、通話処理と並行して、利用者により終話キーが押下され、通話終了指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS16の処理が繰り返される。
そして、ステップS16において通話終了指令がなされたか否かに関して肯定的な判定がされると、通話処理は中止される。そして、着信前と同様の第1a状態の通信モードとなる。
次に、上記の第1b状態のカメラモードで動作中に通話着信があったときの処理を、図10を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS21において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップS22において、利用者により発信キーが押下され、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS23へ移行する。ステップS23では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS22へ移行する。そして、ステップS22又はステップS23において肯定的な判定がなされるまで、ステップS22及びステップS23の処理が繰り返される。
ステップS22において肯定的な判定がされると、処理はステップS25へ移行する。ステップS25では、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。このステップS25では、通話処理と並行して、利用者により終話キーが押下され、通話終了指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS25の処理が繰り返される。
ステップS25において通話終了指令がなされたか否かに関して肯定的な判定がされると、通話処理は中止される。そして、着信前と同様の第1b状態のカメラモードの処理が再開される。
一方、ステップS23において肯定的な判定がされると、処理はステップS24へ移行する。このステップS24では、留守番電話録音と、録音終了後の留守録があることを示す表示(例えば、留守録有を示すピクトグラムの表示)という簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、着信前と同様の第1b状態のカメラモードの処理が再開される。
次に、上記の第3状態のカメラモード動作中に通話着信があったときの処理を、図11Aを参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS31において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップ32において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のためのガイダンスを表示する。このガイダンス表示においては、図12に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するためには画面を回転すべきことついても表示する。また、簡易留守録処理を行うためには終話/電源キーを短時間だけ押下すべきこと等を表示してもよい。なお、このガイダンス表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
次いで、ステップS33において、利用者により表示部16が基台部15に対して180度回転されて第1a状態となったか、すなわち利用者が通話するか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS34へ移行する。ステップS34では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS33へ移行する。そして、ステップS33又はステップS34において肯定的な判定がなされるまで、ステップS33及びステップS34の処理が繰り返される。
ステップS33において肯定的な判定がされると、処理はステップS36へ移行する。ステップS36は、第1a状態の着信処理として、図11Bを参照して説明する。図11BのステップS71において、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS72へ移行する。
ステップS72では、利用者により発信キー押下等により、通話指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的な場合には、ステップS71に戻り、ステップS71及びステップS72の判定が繰り返される。ステップS72の判定が肯定的な場合には、ステップS73に移行し、通話処理が行われ、利用者と相手方との通話が行われる。ここでは、ステップS25と同様に、ステップS74において、通話終了指令がなされたか否かが判定される。
ここでの判定が、否定的な場合には通話処理が続行され、ステップS73及びステップS74の処理が繰り返される。ステップS74において、肯定的な判定がされると、通話処理は中止され、第1a状態の着信処理であるS36は終了する。一方、ステップ71における判定が、肯定的である場合には、上述したステップS24と同様の簡易留守録処理が行われる。簡易留守録処理が終了すると、第1a状態の着信処理であるS36は終了する。
そして、ステップS36の第1a状態の着信処理が終了すると、図11Aに戻り、第1a状態の通信モードとなる。
一方、ステップS34において肯定的な判定がされると、処理はステップS35へ移行する。このステップS35では、上述したステップS24と同様の簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、着信前と同様の第3状態のカメラモードの処理が再開される。
次に、上記の第4状態のカメラモード動作中に通話着信があったときの処理を、図13を参照して、説明する。この場合には、まず、ステップS41において、メインディスプレイ28への表示を含む通話着信表示が行われる。この結果、メインディスプレイ28への表示に加えて、案内用スピーカ32による呼び出し音の発生等により通話着信表示が行われる。
引き続き、ステップS42において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のための第1段階のガイダンスを表示する。この第1段階のガイダンス表示においては、図14に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するために携帯電話10を展開すべきことについても表示する。なお、このガイダンス表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
次いで、ステップS43において、利用者により携帯電話10が展開されて第3状態となったか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS43の処理が繰り返される。そして、ステップS43において肯定的な判定がされると、処理はステップS44へ移行する。
引き続き、ステップS44において、上記の通話着信表示に加えて、メインディスプレイ28に着信処理のための第2段階のガイダンスを表示する。この第2段階のガイダンス表示においては、上述したステップS32の場合と同様に、図12に示すように、相手先電話番号とともに、着信に応答するためには画面を回転すべきことについても表示する。
次いで、ステップS45において、利用者により表示部16を基台部15に対して180度回転されて第1a状態となったか、すなわち利用者が通話を行うか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS46へ移行する。ステップS46では、利用者により終話/電源キーが短時間押下され、簡易留守録処理の指令がなされたか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理は、ステップS45へ移行する。そして、ステップS45又はステップS46において肯定的な判定がなされるまで、ステップS45及びステップS46の処理が繰り返される。
ステップS45において肯定的な判定がされると、処理はステップS36へ移行する。第1a状態の着信処理であるステップS36は、上述したように、図11Bにおいて、利用者により通話処理または簡易留守録処理の選択が行われ、通話処理及び簡易留守録処理のいずれか一つが実行される。その処理が終了すると、ステップS36が終了し、図13の第1a状態における通信モードとなる。
一方、ステップS46において肯定的な判定がされると、処理はステップS47へ移行する。このステップS47では、上述したステップS24やステップS35の場合と同様の簡易留守録処理が行われる。こうした簡易留守録処理が終了すると、第3状態のカメラモードへ移行する。
次に、上記の各状態におけるEメール受信処理に始まるEメール着信関連処理について説明する。
上記の第1a状態又は第2状態の通信モード動作中にEメール受信があったときの処理を、図15を参照して、説明する。まず、ステップS51において、現在の状態が第1a状態であるか否かが判定される。この判定が肯定的であった場合には、処理はステップS54へ移行する。
一方、現在の状態が第2状態であり、ステップS51の判定が否定的であった場合には、処理はステップS52へ移行する。このステップS52では、サブディスプレイ31へのEメール受信表示が行われる。
引き続き、ステップS53において、第2状態から第1部分11に対して第2部分12が展開されて第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間はステップS53の処理が繰り返される。そして、ステップS53において肯定的な判定がされると、処理はステップS54へ移行する。
ステップS54では、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が行われる。このメインディスプレイ28へのEメール受信表示がされた第1a状態において、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作により、受信メールの表示が可能となる。
上記の第1b状態、第3状態又は第4状態のカメラモード動作中にEメール受信があったときの処理を説明する。この場合には、図16に示されるように、まず、ステップS61において、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が一時的に行われ、利用者にEメールを受信したことについて注意が喚起される。なお、このEメール受信表示は、メインディスプレイ28の表示面の全域を使用して行われるファインダ画像上に透過表示されるようになっている。
こうしたメインディスプレイ28への一時的なEメール受信表示が終了すると、ステップS62において、各状態に応じた処理が再開される。このステップS62では、各状態の処理と並行して、第1a状態に遷移したか否かが判定される。この判定が否定的である間は、ステップS62の処理が繰り返される。そして、ステップS62において第1a状態に遷移したか否かに関して肯定的な判定がされるまで、ステップS62の処理が繰り返される。なお、ステップS62の処理の繰り返し中に異なる動作モードの状態(第1a状態を除く)に変化したときには、ステップS62では変化後の動作モードに応じた動作が行われる。
そして、動作モードの状態が第1a状態となり、ステップS62において第1a状態に遷移したか否かに関して肯定的な判定がされると、処理はステップS64へ移行する。このステップS64では、上述したステップS54の場合と同様に、メインディスプレイ28へのEメール受信表示が行われる。このメインディスプレイ28へのEメール受信表示がされた第1a状態において、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作により、受信メールの表示や、メールサーバからの受信メールの取得が可能となる。そして、利用者のメインディスプレイ28を見ながらの通信用操作部21の操作に従って、受信メールの表示や、メールサーバからの受信メールの取得が行われる。
以上説明したように、第一の実施形態では、第1部分11に対する第2部分12の軸AX1回りの回転と、第2部分12における基台部15に対する表示部16の第2軸回りの回転という2種類の回転に関するそれぞれ2種類の状態の組み合わせとして、4種類の機構的な状態を現出させるとともに、これら4種類の機構的な状態を検出することができる。そして、これら4状態それぞれについて、状態の遷移を考慮しつつ、動作モードとして通信モードやカメラモードを原則的には自動的に割り振り、必要に応じて動作モードを適宜変更可能とすることとして、利用者による動作モードの設定を最小限とすることができる。
また、上述した第2状態においては、表示部16の表示面とは反対側の面又は当該面と同一側の基台部15の面には光学的部品を配置してない。このため、机上に載置する場合に、この面を机面との接触面とすれば、受光や表示のための部品又はそれらの保護部材に、机面との接触に起因する汚れの付着や傷がつくことを防止することができる。
また、通信用の操作キーの全てが第1部分11における通信用操作部21に配置されている。このため、リボルバー型のように第1部分11及び第2部分12の両部分にわたって操作キーが配置されることがないので、通常の従来の移動通信端末装置における通信用操作時の操作性を確保することができる。
また、第1部分11と第2部分12とは、いわゆるクラムシェル型で折りたたみ可能となっている。このため、メインディスプレイ28が外面側とはならない上記の第2状態を実現できるので、個人情報である通信関連の情報や利用者の個人的な趣味感により設定される壁紙模様等の秘匿性を、通常の従来の携帯電話の場合と同様の程度で確保することができる。
また、カメラモードが動作モードとして設定されているときであっても、通話着信やEメール受信が検出された場合には、当該イベントを利用者に通知するので、当該イベントに対して適切な処置を利用者が直ちにとることができる。
また、カメラモードが動作モードとして設定されているときに表示部のメインディスプレイ28における表示面の全面をファインダとして利用できるとともに、ファインダ表示画像を大きくは損なわずに利用者に伝達したい各種のガイダンスをメインディスプレイ28に表示することができる。
また、第2部分12は、第1部分11の第1軸AX1に沿った少なくとも両外側2箇所で、第1部分11と、結合されているため、第2部分12は、第1部分11との接続部分において、第1軸AX1方向の幅を十分にとることができ、第2部分12に十分な強度を保つことができる。
また、第1部分11の突出部にカメラ光学系を収納することにより、より高性能なカメラ機能を備えることができる。
なお、上記第一の実施形態では、第3状態(又は第4状態)における通話着信関連処理において、図11A(又は図13)のステップS33(又はステップS45)において第1a状態となったと判定されると、発信キー等が押下され、通話指令がされた後にステップS36の通話処理に移行することとした。これに対して、第1a状態となったと判定された後、直ちに通話処理に移行することとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1b状態(又は第3状態若しくは第4状態)における通話着信関連処理において、図10(又は図11A及び図13)のステップS23(又はステップS34及びステップS46)において終話/電源キーが押下されたときに留守録処理の指令がなされたと判定することとした。これに対し、通信用操作部21のいずれの操作キーが押下されたときにも、留守録処理の指令がなされたと判定することとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第4状態における着信があった場合には、第3状態に形状を変更した後に簡易留守録処理S47を行うこととしたが、機構的な第4状態の形状のまま、カメラ用操作部等の所定キーが操作されることにより、簡易留守録処理を行うこととしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1部分11における第2部分12との接続部分に突出部があることとしたが、携帯電話10を折りたたんだときに重ならない部分で、図17A及び図17Bに示すように、第1部分11における第2部分12の基台部15側にあることとしてもよいし、図18A及び図18Bに示すように、第1部分11における第2部分12の表示部16側にあることとしてもよい。
また、上記第一の実施形態では、第1部分11の突出部における中央部に撮像部33を収納することとしたが、図19に示すように、突出部における端部にカメラ用光学系を収納してもよい。
また、上記第一の実施形態では、基台部15と表示部16との接点は軸AX2上で一つであったが、図20A及び図20Bに示すように、基台部15の形状を表示部16の一部を囲むような形状としたり、図21A及び図21Bに示すように、表示部16の全部を囲むような形状とし、軸AX2上の2点で基台部15と表示部16とが接するような構造としてもよい。
また、上記第一の実施形態では、軸AX2は、軸AX1に垂直であったが、軸AX2を軸AX1と平行とすることもできる。例えば、基台部15と表示部16の接点を一つとした構造では、図22A及び図22Bに示すように、基台部15をL字型形状としたり、図23A及び図23Bに示すように、基台部15を表示部16の一部を囲むような形状とすることができる。また、基台部15と表示部16の接点を二つとした構造では、図24A及び図24Bに示すように、基台部15の形状を表示部16の一部を囲むような形状としたり、図25A及び図25Bに示すように、表示部16の全部を囲むような形状とすることができる。
また、上記第一の実施形態では、カメラ用光学系の光軸は、操作面に平行であることとしたが、図26A及び図26Bに示すように、操作面に垂直であるとすることができる。
また、上記第一の実施形態では、第2部分12は、第1部分11の第1軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分11と結合されているが、両外側2箇所の他に結合箇所を設けることもできる。
また、上記第一の実施形態では、本発明を携帯電話に適用したが、携帯電話以外の移動通信端末装置に本発明を適用することができるのは勿論である。
≪第二の実施形態≫
以下、本発明の第二の実施形態を、図27A〜図38を参照しつつ説明する。
ここで、第一の実施形態と同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図27A〜図28には、第二の実施形態に係る移動体端末装置である携帯電話100の構成が概略的に示されている。図27A〜図27Cは、機構的な第1状態における外観構成が示されており、図27Aには携帯電話100の外観の正面図が示され、図27Bには携帯電話100の外観の右側面図が示され、図27Cには携帯電話100の外観の裏面図が示されている。また、図28には、携帯電話100の機能ブロック構成が示されている。
第一の実施形態の携帯電話10の場合と同様に、携帯電話100は、第1部分111と、該第1部分111に対して、軸AX1を回転軸として回動可能な第2部分112とを備えている。また、第2部分112は、第1部分111の軸AX1に沿った両外側2箇所で、第1部分111と回動可能に結合されている。そして、第2部分112は、第1部分111側に配置された基台部115と、当該基台部115に対して、軸AX2を回転軸として回動可能な表示部116とを有している。したがって、第一の実施形態と同様に機構的な第1状態、図29A〜図29Cに示される第2状態、図30A〜図30Cに示される第3状態及び図31A〜図31Cに示される第4状態の状態遷移が可能となっている。
第1部分111は、図27A〜図27C、及び、図28に示されるように、第一の実施形態の場合と同様に、通信用操作部21と、マイクロフォン22と、カメラ用縦方向キー23と、カメラ用横方向ダイアル24と、カメラ用決定キー25と、シャッタ26と、サブディスプレイ31と、案内用スピーカ32と、撮像部33と、アンテナ41と、送受信部42と、記憶部43と、折りたたみ状態検出器45とを備えている。そして、第1部分111は、(a)第4状態での通話に使用するためのマイクロフォン103(図29A参照)と、(b)第一の実施形態の制御部40とは、制御アルゴリズムを異にする制御部140(図28参照)とを更に備えている。
なお、制御部140は、ガイダンス表示の方向制御、及び、カメラ用光学系による撮影結果の表示については、上述した第一の実施形態における制御部14と同様の制御を行うようになっている。
また、表示部116は、図27Aに示されるように、第一の実施形態と同等の機能である、メインディスプレイ28と、通話用スピーカ29とを備え、更に、ゲーム機能使用時等に使用するボタンAとボタンBの2つから構成される表示面操作部101とを備えている。
基台部115は、図28に示されるように、第一の実施形態と同様に、表示部回転状態検出器46を備える。そして、基台部15の折りたたまれた際に第1部分111と対向する面の裏面側には、主に折りたたまれた状態での操作に用いられ、上下左右の4方向と中央の計5ヶ所で使用者の入力を感知することができる十字型キーである折りたたみ操作部102が配置されている。
携帯電話100は、電話機能及びカメラ機能の他に、メール機能、音楽やビデオを再生するマルチメディア機能、インターネットに接続して情報を取得するブラウザ機能、及び、ゲーム機能の利用が可能であるため、図32Aに示すように、非カメラモードには、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能及びゲーム機能が含まれている。そして、どの機能で動作するかは利用者の指令によって切り替えられる。また、カメラ機能においては、図32Bに示すように、音声着信時に、留守番電話機能を実行する留守録機能、及び、メール受信時に受信メールの内容を確認するメール内容確認機能を含んでいる。ここでは、音声着信時又はメール受信時のガイダンス表示に従って、利用者が操作することにより、各機能を切り替える。
次に、制御部140によって制御される状態遷移について、図33を参照しつつ、説明する。
上述した機構的な第1状態(図27A〜図27C参照)では、機構的な第2状態から第1状態に移行した場合、及び、第1状態で電源をONした場合には、第一の実施形態と同様に、動作モードを非カメラモードとしている。また、機構的な第3状態のカメラモードから第1状態に移行した場合には、第一の実施形態と同様に、カメラモードとしている。第1状態での、非カメラモードとカメラモードは通信用操作部21の操作により、相互に移行が可能である。また、第1状態の非カメラモードでは、図32Aに示されるように、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能及びゲーム機能が、利用できる。これらの機能は、利用者が、通信用操作部21を操作することにより、実行される。
上述した機構的な第2状態(図29A〜図29C参照)では、第一の実施形態と同様に、動作モードを非カメラモードとしている。この場合には、非カメラモードであるが、メインディスプレイ28が内側に折りたたまれてなり、不可視であるために、通話その他の機能は利用できない。なお、第一の実施形態と同様に、第2部分112において光学的な機能を有する部品が一切配置されていない面が外面を構成しているので(図29A参照)、この面を接触面として机の上へ置いたとしても、携帯電話100の光学的な機能を有する部材を傷をつけたり、汚れを付着させたりすることがない。
また、上述した機構的な第3状態(図30A〜図30C参照)では、第一の実施形態と同様に、動作モードをカメラモードとしている。しかし、後述するように、例外的に、第1状態又は第4状態で、アプリケーション実行中又は通信中のまま、第3状態に移行した場合には、非カメラモードのまま、第3状態になることを可能としている。この場合には、更に、第4状態又は第1状態に移行するまでは操作不可となる。
また、上述した機構的な第4状態(図31A〜図31C参照)では、第一の実施形態と同様に、第3状態から第4状態に変形させたときの動作モードをカメラモードとしている。しかし、図31Aに示されるように、メインディスプレイ28だけでなく、表示面操作部101、及び、折りたたみ操作部102が、表面に出ているので、操作が可能となっている。そのため、利用者が、折りたたみ操作部102の十字型キーを操作して非カメラモードに移行し、更に、図32Aに示すような、電話機能、メール機能、マルチメディア機能、ブラウザ機能、及び、ゲーム機能の利用を可能としている。
第4状態の電話機能では、利用者は、着信時には、発信元の電話番号をメインディスプレイ28により確認し、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央を押下することにより、応答する。通話は、通話用スピーカ29及びマイクロフォン103を用いて行なわれる。また、発信時には、折りたたみ操作部102の十字型キーの上下を押下することにより、発信履歴及び着信履歴を参照することができ、また、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央を押下することにより、電話帳の参照が可能となっている。利用者は、これらの参照された電話番号から選択することにより、発信を行う。なお、新規に電話番号を入力したい場合には、第1状態に変形し、通信用操作部21のテンキーを使用して入力する。
第4状態のメール機能では、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。利用者は、当該十字型キーを操作することにより、携帯電話100の記憶部43に保存された受信メールを選択し、選択された受信メールの内容を、メインディスプレイ28を介して、確認する。新しい内容のメールを作成する場合には、携帯電話100の形状を第1状態に変えて、通信用操作部21のテンキーを使用して作成する必要があるが、作成済みのメールを送信するのみ等のテンキーを使用しないで行える操作は、第4状態のまま行うことができる。
第4状態のマルチメディア機能では、携帯電話100の記憶部43に保存された音楽ファイルやビデオファイルを再生する機能であり、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。利用者は、当該十字型キーを操作することにより、携帯電話100の記憶部43に保存された音楽ファイルやビデオファイルを選択し、再生を指令する。なお、音楽ファイルやビデオファイルの名称を変更するなどのテンキーを必要とする操作の場合には、第1状態に変形し、通信用操作部21のテンキーで操作する必要がある。
第4状態のブラウザ機能では、メール機能、マルチメディア機能と同様、メインディスプレイ28、及び、折りたたみ操作部102の十字型キーを使用する。ブラウザ起動後は、当該十字型キーの上下左右の適切な部分の押下を繰り返すことにより、画面に表示されたリンク先を示す文字列にカーソルを合わせ、当該十字型キーの中央を押下することにより、当該リンク先にジャンプする。なお、文字列の入力等、テンキーによる入力が必要な場合には、第1状態に変形して、通信用操作部21のテンキーを用いて入力する必要がある。
第4状態のゲーム機能では、メインディスプレイ28、折りたたみ操作部102の十字型キー、及び、表示面操作部101のAボタンとBボタンを使用する。携帯電話100の記憶部43に保存されたゲームのアプリケーションを実行すると、十字型キー、及び、AボタンとBボタンの機能が、ゲームのアプリケーションにより割り当てられる。利用者は、ゲームのアプリケーションにおいて所望の動作をさせるために、割り当てられた機能のキー又はボタンの操作を行う。
ここで、携帯電話100では、第4状態で非カメラモードとなることが可能であるため、利用者は、第4状態でアプリケーションの実行中、又は、通信中に、通信用操作部21のテンキーを使用したい場合がある。そこで、利用者の便宜を図るため、図33に示すように、アプリケーションの実行中、又は、通信中の場合には、第4状態から第3状態を経て、第1状態に移行することを可能としている。この場合、アプリケーション実行中又は通信中のまま、第3状態に移行した場合には、アプリケーション実行中又は通信中の状態は維持され、第3状態での操作は不可としている。また、逆に、第1状態で音楽等を再生した後に、第4状態のように折りたたまれた小さな状態で視聴したい場合もあることから、アプリケーションの実行中、又は、通信中の場合に、第1状態から第3状態を経て、第4状態に移行することも可能としている。
次に、携帯電話100がカメラモードで動作中に着信があった場合について説明する。
まず、第1状態又は第4状態のカメラモードで、着信があった場合について、図34のフローチャートにしたがって説明する。第1状態又は第4状態のカメラモードで着信があると、ステップS101において、メインディスプレイ28に通話着信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示は図35Aに示すように、通話、転送、拒否、保留及び留守録が、折りたたみ操作部102の十字型キーにより選択できる旨を示している。図34に戻り、ステップS102において、利用者が通話を選択した場合には、ステップS103において、制御部140は、動作モードを非カメラモードへと移行する。引き続き、制御部140は、ステップS104において、着信応答、通話及び切断までを実行する通話処理を行う。通話が終了し、切断されると、制御部140は、ステップS105において、カメラモードに移行し、元の状態へ戻る。
一方、ステップS102において、転送、拒否及び留守録が選択された場合には、ステップS106において、それぞれ、転送、拒否及び留守録の処理が行われる。この場合には、非カメラモードへの移行は行われない。また、ステップS102において、保留が選択された場合には、制御部140は、ステップS107において、保留処理を行う。利用者が通話できる状態になり、ステップ108において、通話指令が行われたか否かが判定がされる。この判定結果が肯定的な場合には、ステップS103〜ステップS105の処理を行うこととなる。
また、ステップS108における判定結果が否定的な場合には、ステップS109へ移行し、発呼側から切断された場合、つまり携帯電話10に電話をかけてきた側から、通信網を介して携帯電話10に保留された呼の切断を通知された場合、及び、着呼側で切断された場合、つまり携帯電話10で保留された呼を切断した場合、のいずれかの場合であるかどうかが判定される。ステップS109での判定が肯定的な場合には、元の状態である第1状態、第4状態のカメラモードへ移行する。一方、否定的な場合には、ステップS108及びステップS109の処理を繰り返す。
次に、第3状態のカメラモードで、着信があった場合について、図36のフローチャートにしたがって説明する。第3状態のカメラモードで着信があった場合には、制御部140は、ステップS201において、メインディスプレイ28に通話着信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示では、図35Bに示すように、転送、拒否、保留及び留守録の選択が折りたたみ操作部102の十字型キーにより選択できる旨、及び、通話の場合には形状を変更する必要がある旨が示される。
引き続き、ステップS202において、利用者が、転送、拒否、留守録の選択した場合には、制御部140は、ステップS205において、それぞれ、転送、拒否及び留守録の処理を行う。また、ステップS202において、指令がない場合には、制御部140は、ステップS203において、携帯電話100の形状を確認する。利用者が、携帯電話100を変形して、第1状態又は第4状態になっていた場合には、制御部140は、図34のステップS100である「第1状態又は第4状態のカメラモードの着信」と同じ処理を行う。変形せずに第3状態を維持している場合には、S202及びS203の処理を繰り返す。
また、ステップS202において、保留の選択をした場合には、制御部140は、メインディスプレイ28からガイダンス表示を消去し、ステップS202及びステップS203の処理を繰り返す。利用者が通話できる状態になったところで、形状を変更することにより、制御部140は、ステップS203から、図34のステップS100である「第1状態又は第4状態のカメラモードの着信」の処理を行うことにより、通話を可能とする。
次に、カメラモードで動作中に、メールの受信があった場合の処理について、図37に従って、説明する。制御部140は、ステップS301において、メインディスプレイ28にメール受信ガイダンスを表示する。ガイダンスの表示では、図38に示すように、受信メールの表示を行うかどうかの選択が、折りたたみ操作部102の十字型キーの中央の押下により選択できる旨が示される。ここで、利用者は、ステップS302において、受信メールの表示を行うかどうかの選択を行う。この選択が肯定的な場合には、制御部140は、ステップS303において、受信メール表示処理をおこなう。否定的な場合には、受信メールの表示処理はおこなわず、メール受信時の処理を終了する。
以上説明したように、第二の実施形態では、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
更に、第二の実施形態では、カメラモードで動作しているときであっても、メール受信があった際には、その旨を利用者に通知し、利用者は、携帯電話の形状を変えずに、その受信したメールの内容を確認することができるので、利用者は、受信したメールに対して、簡易に適切な処置をとることができる。
また、カメラモードで動作しているときであっても、通話着信があった際には、利用者は携帯電話の形状を変えずに、切断や留守録等の措置を行え、更に、第1状態及び第4状態のどちらの形状であっても、通話することが可能なため、利用者は、より簡易な操作で、通話着信に対して、適切な処理を行うことができる。
また、第2部分112は、第1部分111の第1軸AX1に沿った少なくとも両外側2箇所で、第1部分111と、結合されているため、第2部分112は、第1部分111との接続部分において、第1軸AX1方向の幅を十分にとることができる。これにより、第2部分112に十分な強度を保つことができ、更に第2部分112により多くの機能を備えることができる。
なお、上記第二の実施形態においては、表示される通話着信ガイダンス及びメール受信ガイダンスは、メインディスプレイ28に単に表示されることとしたが、第一の実施形態と同様、透過表示されることとしてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、表示面操作部はゲーム機能にのみ使用していたが、他の機能に使用することとしてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、折りたたみ操作部及び表示面操作部は、それぞれ十字型キー及びボタンとしていたが、他の形状や他の機能をもつ入力装置としてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、第2状態及び第3状態において通話できないこととしたが、第2状態及び第3状態においても通話可能としてもよい。
また、上記第二の実施形態においては、上述した第一の実施形態に対する変形例と同等の変形例を適宜行うことがきる。
以上のように、本発明は、移動通信端末装置におけるデジタルカメラ機能の実装に際して有用である。特に、デジタルカメラ機能付移動通信端末装置におけるデジタルカメラを利用する際の利用者の利便性を向上に適している。
図1Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図1Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図1Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図2は、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の突出部にカメラ用光学系が収納されていることを示す図である。
図3は、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の機能ブロック図である。
図4Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図4Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図4Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図5Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図6Aは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図6Bは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図6Cは、本発明の第一の実施形態に係るデジタルカメラ機能付携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図7は、本発明の第一の実施形態における第1〜第4状態の相互間の遷移を機能遷移とともに説明するための図である。
図8Aは、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおけるガイダンス表示を説明するための図である。
図8Bは、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおけるガイダンス表示を説明するための図である。
図9は、本発明の第一の実施形態における非カメラモードである通信モード時における通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図10は、本発明の第一の実施形態における第1状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図11Aは、本発明の第一の実施形態における第3状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図11Bは、本発明の第一の実施形態における第1状態の通信モードにおける着信処理を説明するためのフローチャートである。
図12は、本発明の第一の実施形態における第3状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
図13は、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図14は、本発明の第一の実施形態における第4状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
図15は、本発明の第一の実施形態における非カメラモードである通信モードにおけるEメール着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図16は、本発明の第一の実施形態におけるカメラモードにおけるEメール着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図17Aは、第1部分における突出部の位置の第1の変形例を示す側面図である。
図17Bは、第1部分における突出部の位置の第1の変形例を示す正面図である。
図18Aは、第1部分における突出部の位置の第2の変形例を示す側面図である。
図18Bは、第1部分における突出部の位置の第2の変形例を示す正面図である。
図19は、第1部分における突出部の位置の第3の変形例を示す図である。
図20Aは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第1の変形例の第4状態を示す図である。
図20Bは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第1の変形例の第2状態を示す図である。
図21Aは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第2の変形例の第4状態を示す図である。
図21Bは、第2軸が、第1軸に垂直である場合における第2の変形例の第2状態を示す図である。
図22Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第1の変形例の第4状態を示す図である。
図22Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第1の変形例の第2状態を示す図である。
図23Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第2の変形例の第4状態を示す図である。
図23Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第2の変形例の第2状態を示す図である。
図24Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第3の変形例の第4状態を示す図である。
図24Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第3の変形例の第2状態を示す図である。
図25Aは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第4の変形例の第4状態を示す図である。
図25Bは、第2軸が、第1軸に平行である場合における第4の変形例の第2状態を示す図である。
図26Aは、カメラ用光学系の光軸が、操作面に垂直である場合における変形例の第4状態を示す側面図である。
図26Bは、カメラ用光学系の光軸が、操作面に垂直である場合における変形例の第4状態を示す正面図である。
図27Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図27Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図27Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第1状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図28は、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の機能ブロック図である。
図29Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図29Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図29Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第2状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図30Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図30Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図30Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第3状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図31Aは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す正面図である。
図31Bは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す側面図である。
図31Cは、本発明の第二の実施形態に係る携帯電話の第4状態における外観構成を概略的に示す背面図である。
図32Aは、本発明の第二の実施形態における、非カメラモード内の状態遷移を説明するための図である。
図32Bは、本発明の第二の実施形態における、カメラモード内の状態遷移を説明するための図である。
図33は、本発明の第二の実施形態における、第1〜第4状態の相互間の状態遷移を説明するための図である。
図34は、本発明の第二の実施形態における第1状態又は第4状態のカメラモードにおける通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図35Aは、本発明の第二の実施形態における第1状態又は第4状態のカメラモードにおける通話着信時の表示例を示す図である。
図35Bは、本発明の第二の実施形態における第3状態における通話着信時の表示例を示す図である。
図36は、本発明の第二の実施形態における第3状態における通話着信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図37は、本発明の第二の実施形態におけるカメラモード時におけるメール受信に対する処理を説明するためのフローチャートである。
図38は、本発明の第二の実施形態におけるカメラモード時におけるメール受信時の表示例を示す図である。