この発明の実施の形態について携帯電話機を例に、図面を参照して説明する。
本発明の携帯端末は、例えばクラムシェルタイプの携帯電話機であり、第1筐体と、第2筐体と、主表示部と、ヒンジ部と、無線通信手段と、表示制御手段と、状態検知手段と、音声出力手段と、第1音声入力手段と、第2音声入力手段と、音声入力制御手段とから構成され、備える一方の筐体を表裏反転させることができる。
まず図1から図6を参照して本携帯電話機の、回転および折畳み機構について説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態における携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。図2は、図1中の携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。図3は、図2中の矢印IIIから見た携帯電話機を示す斜視図である。
携帯電話機1は、第1筐体2と、第1筐体2に対して回動軸5を中心に回動自在に連結された第2筐体6と備える。第2筐体6を第1筐体2に対して角変位自在に動かすことによって、携帯電話機1の形状は、図1に示す開いた状態と図2および図3に示す閉じた状態との間で変化する。第1筐体2には、キー操作部18が設けられ、第2筐体6には主表示部13が設けられる。
なお、本明細書では説明の便宜上、図1の如く主表示部13とキー操作部18とが同一面側で正常視認可能なように開いた状態を基準とし、Wを第2筐体6(主表示部13)上方、Xを第2筐体6(主表示部13下方)、Yを第1筐体2(キー操作部18)上方、Zを第1筐体2(キー操作部18)下方として説明する。
図1および図2を参照して、第1筐体2は、略矩形形状の表面3aを有するベース部3と、表面3aの所定位置から突出して形成された突出部4とからなる形状を有する。表面3aは、携帯電話機1を開いた状態で外側に面し、閉じた状態で内側に面する表面である。
表面3aには、キー操作部18が設けられる。キー操作部18は、数字および文字を入力するためのキーなどから構成される入力キー群18aと、携帯電話機1における各種設定/機能切換を行うための機能キー群18bとからなる。機能キー群18bには、押下することにより通話可能となるオフフックキーおよび押下することにより通話終了となるオンフックキーなどが割り当てられる。
また表面3aには、キー操作部18下方(Z)に第1音声入力手段である第1マイク41が設けられている。
第2筐体6は、突出部4に隣合って位置する。また第2筐体6は、突出部4に回動自在に設けられたヒンジ部7と、ヒンジ部7に対して回転軸9を中心に回転自在に設けられた筐体8とから構成されている。回転軸9は、突出部4の中心で回動軸5に直交している。
筐体8は、図1の状態ではヒンジ部7の表面7aと隣接する略矩形形状の表面8aを有する。表面8aには主表示部13が設けられている。主表示部13は、液晶ディスプレイやEL(electro luminescent)ディスプレイなどによって構成されており、表示ドライバを介して与えられるデータに基づいて画像および/または文字を表示する。主表示部13は、各種アプリケーションを実行する際の表示部となり、携帯電話機の多機能化に伴って表示領域の拡大が進んでいる。
また、主表示部13は、液晶ディスプレイによって構成されている場合に、発光素子である発光ダイオードなどから構成されるバックライトにより背面から照明される。表面8aには、主表示部13の上方(W)に位置して、音声出力手段であるスピーカ17が設けられている。
また、閉じた状態ではキー操作部18が内側になることから、基本的な各種の操作を行うための簡易操作キー11が、第1筐体2の側面に設けられている。簡易操作キー11には、例えば、押下することにより通話可能となるオフフックキー、再度押下することにより通話終了となるオンフックキーなどが割り当てられる。図では1つの簡易操作キーを示すが、機能に応じて複数設けられても良い。簡易操作キー11はこの位置に限らず、例えば第1筐体2または第2筐体6の他の側面や、主表示部13周囲の第2筐体6表面等に設けられても良い。
図2のごとく、筐体8は表面8aに対向する表面8bを有する。この状態ではヒンジ部7の表面7aに対向する表面7bは表面8bと同一平面に並び、また後述するが、筐体8の回転により表面7bは表面8aと同一平面に並ぶ。そして、ヒンジ部7の表面7bには、第2音声入力手段である第2マイク42が設けられる。
図3を参照して、第1筐体2の内部には図示しないカメラ部が収納され、表面3aの反対側に位置するベース部3の表面3bには、突出部4の裏側に位置して撮影レンズ10およびフラッシュ15が並んで設けられている。フラッシュ15は、後に説明するカメラ部で撮影する際の補助光源として使われる。
表面3bには、撮影レンズ10の近傍に位置して、副表示部14が設けられている。副表示部14も、液晶ディスプレイやEL(electro luminescent)ディスプレイなどによって構成されており、表示ドライバを介して与えられるデータに基づいて画像および/または文字を表示する。また、副表示部14は、液晶ディスプレイによって構成されている場合に、発光素子である発光ダイオードなどから構成されるバックライトにより背面から照明される。尚、副表示部14はこの位置に限らず、例えばヒンジ部7の表面7aに対向する表面7bや、突出部4に設けてもよいし、副表示部14を設けなくてもよい。
第1筐体2の内部には、アンテナ12が昇降自在に設けられている。図中には、降りた状態のアンテナ12が示されている。
図4から図6は、図1中の主表示部13が設けられた筐体8を回転させた場合の携帯電話機を示す斜視図である。図4を参照して、携帯電話機1を開いた状態とし、筐体8を回転軸9を中心に図1に示す状態から90度だけ回転させる。これにより、筐体8は、主表示部13が設けられた表面8aと、キー操作部18が設けられた第1筐体2の表面3aとが直交するように位置決めされる。
図5を参照して、筐体8を回転軸9を中心に図4に示す状態からさらに90度だけ回転させる。これにより、筐体8は、表面8aと第1筐体2の表面3bとが同一方向を向き、筐体8の表面8bと第1筐体2の表面3aとが同一方向を向くように位置決めされる。なお、図1、図4および図5に示す状態のみならず、筐体8を回転軸9を中心に適当な角度だけ回転させることによって、表面8aに設けられた主表示部13を所望の方向に向けることができる。
この状態で、表面8aの主表示部13と、ヒンジ部7の表面7bが同一平面状に並列配置される。第2マイク42は表面8a(主表示部13)側に露出しており、すなわちスピーカ17と同一平面上で主表示部13を挟んで対向配置される。このように携帯電話機1では、筐体8が回転自在に設けられている。このため、カメラ部を用いて被写体を撮影する場合に、ユーザは、その撮影の条件にあわせて主表示部13の向きを選択することができる。
図6を参照して、筐体8を図5に示す状態に回転させた後、筐体8を回動軸5を中心に回動させる。これにより、携帯電話機1は、表面8aが外側を向いて主表示部13が露出する。そして、主表示部13とヒンジ部7の表面7bが同一平面上に並列配置され、表面8bが内側を向くように閉じられる。そしてこの場合も第2マイク42は露出しており、すなわちスピーカ17と同一平面上で主表示部13を挟んで対向配置される。
再び図1を参照して、本発明の携帯電話機は、第1筐体2および第2筐体6に状態検知手段30を有する。状態検知手段30は、第1筐体2、6の開閉および回転状態の切換えを検知する。本実施形態の状態検知手段30は、例えば第1ホール素子30a、第2ホール素子30b、第3ホール素子30cと、第1マグネット30d、第2マグネット30eとからなる。
第1ホール素子30a、第2ホール素子30bは第1筐体2に設けられる。その位置は、例えば突出部4の逆側となるキー操作部18の下方(Z)である。また第3ホール素子30cは筐体8と接するヒンジ部7の端部に設けられる。
第1マグネット30dおよび第2マグネット30eは筐体8に設けられ、例えば第1マグネット30dはヒンジ部7の逆側となるスピーカ17付近に、そして第2マグネット30eは第3ホール素子30cに近接する筐体8のヒンジ部7側端部に設けられる。第1マグネット30dは、閉じた状態で第1ホール素子30aまたは第2ホール素子30bと近接する位置に配置し、第2マグネット30eは図1のごとく開いた状態で第3ホール素子30cと近接する位置に配置する。
そして、第1および第2ホール素子30a、30bは第1マグネット30dの磁力でオンオフが切り換り、第3ホール素子30cは第2マグネット30eの磁力によりオンオフが切り換わる。尚、各ホール素子はマグネットの磁力が感知できればよいので、状態検知手段30は第1筐体2、第2筐体6表面に露出する必要はなく、第1筐体2、第2筐体6内に設けられてもよい。
尚、本実施形態では状態検出手段30としてマグネットとホール素子を例に説明したがこれに限らず、磁界の強弱を電気抵抗の変化として取り出す他の磁電変換素子や、開閉時の応力を電気抵抗変化に変換する半導体素子からなる感圧素子または他のスイッチであってもよい。
ホール素子と開閉状態の関係の一例を説明すると、第1ホール素子30aは第1マグネット30dの磁力を感知してオン状態となる。すなわち第1ホール素子30aがオンの場合は、主表示部13が内側になるように閉じた状態であり、これを第1状態と称する(図2参照)。
第1ホール素子30a、第2ホール素子30bが第1マグネット30dと近接せずにオフ状態であり、第3ホール素子30cが第2マグネット30eの磁力を感知してオン状態の場合、キー操作部18と主表示部13を同一面側から視認可能に開いた状態であり、これを第2状態と称する(図1参照)。
また、この状態の(すなわちキー操作部18とともに正常視認が可能な状態の)、筐体8に対する主表示部13の表示向きを正像と称する。つまり主表示部13上方(W)が「天」、主表示部13下方(X)が「地」となる表示向きを正像とする。
第1ホール素子30a、第2ホール素子30b、第3ホール素子30cがすべてオフの場合、第1筐体2および第2筐体6を開いて且つ筐体8を回転した状態であり、これを第3状態と称する。そしてこの場合、主表示部13は図1に示す第2状態から180度回転し、左右が入れ替わっている(図5参照)。
そして、第2ホール素子30bのみオンの場合は、筐体8を回転して第2筐体6を閉じた状態であり、これを第4状態という(図6参照)。尚、この状態では主表示部13が外側に露出した状態で折畳まれ、閉じた状態であっても視認可能である。
そして通常第3状態から第4状態にした場合には、ヒンジ部7が上方、スピーカ17が下方になるようにユーザに保持される。そこで第4状態では、例えば主表示部でメールの閲覧や画像の閲覧等を行う場合に、主表示部13は表示部下方(X)が「天」で表示部上方(W)が「地」となる表示向きで表示する。
このようにヒンジ部7を中心として第2状態と上下が逆転している主表示部13に対して、表示向きも逆転させることにより、第4状態でもユーザは携帯電話機を持ち換えることなく正常視認することができる。この表示向きを正像に対して逆像と称する。
さらに、本実施形態では、図の如く第4状態、すなわち主表示部13が露出するように折畳んだ状態で、第2マイク42およびスピーカ17により通話が可能となる。この場合には、ユーザにはスピーカ17が上方で、第2マイク42が下方となるように携帯電話機1を保持させなければならない。そこで、後に詳述するが第4状態において通話着信を通知する場合、主表示部13には着信通知を逆像ではなく正像で表示する。
このように本実施形態の携帯電話機1の機構によれば主表示部13上方(W)にスピーカを、キー操作部18下方(Z)に第1マイク41を、そしてヒンジ部7に第2マイク42を設けることにより、第2状態および第4状態で通話が可能となる。
つまり、筐体を開いた状態または主表示部13が露出するように折畳んだ状態のいずれでも通話を可能にし、また、持ち運び時(第1状態)では主表示部13が内側になるように折り畳まれるので、主表示部13を破損等するおそれが少なくなる。
図7は、携帯電話機1の構成の概略を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話機器1は、主に、制御部21、メモリ23、表示ドライバ24、主表示部13、副表示部14、無線通信部29、カメラ部27、キー操作部18、第1マイク41、第2マイク42、スピーカ17、アンテナ12、状態検知手段30、表示制御手段35、音声入力制御手段36、音声入出力部33を備えている。
制御部21は、携帯電話機1を構成する各部位の動作を制御し、例えば、カメラ部27、メモリ23、表示ドライバ24、主表示部13及び副表示部14、無線通信部29、音声入出力部33等を制御する。制御部21は、例えばユーザから画像データ表示の指示があると、表示ドライバ24に制御信号を送信するとともに、メモリ23に記憶された所定の画像データを表示ドライバ24に送る。また、第1マイク41、第2マイク42の切り換えの制御やスピーカ17の制御等の信号を音声入出力部33に送信する。
音声入出力部33は、制御部21からの信号に応じて第1マイク41、第2マイク42の切り換えや、第1マイク41、第2マイク42から入力された音声のモノラル信号またはステレオ信号への変換処理、スピーカ17から出力する音声の処理等を行う。
表示ドライバ24は、制御部21からの信号を受信し、主表示部13及び副表示部14に表示しようとする例えば画像データに従って、主表示部13及び副表示部14の各画素電極に対して駆動電圧を印加する。
カメラ部27は、撮像レンズ10と、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサあるいはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子と、RGBの3色のカラーフィルタとを備える。被写体で反射されて撮像レンズ10に入射した光を、カラーフィルタを通してRGBの3色光にし、RGBの3色光をそれぞれ撮像素子によって電気信号に変換する。
また、カメラ部27では、RGBに対応した電気信号を増幅し、増幅されたRGBに対応した電気信号(アナログ)をデジタル信号に変換して画像データを出力し、その画像データに対して、画素の補間処理などの信号処理を行う。そして、制御部21から送られてくる制御信号に基づいて、信号処理を施した画像データをメモリ23に送る。
キー操作部18は、上述の如く、十字キー数字キー、また押下することにより通話を可能とするオフフックキー、押下することにより通話終了するオンフックキーなどから構成される。
アンテナ12は、無線電波を介して基地局と無線通信を行うときに、音声データ、文字データおよび画像データなどを送受信する。無線通信部29は、無線部と通信制御部からなり、無線部は、受信時は、基地局からアンテナ22を介して受信したデータを復調し、送信時は、通信制御部26から送られてくる文字データおよび画像データなどを変調して増幅し、アンテナ12を介して基地局に送信する。通信制御部26は、無線部が復調した文字データおよび画像データなどの受信データを所定の通信プロトコルに基づいて制御部21に送る。無線部、通信制御部を介して受信した相手先からの受信データは、メモリ23に記憶される。
状態検知手段30は、上述の如く、ホール素子30a〜30cと、マグネット30d、30eにより、第1状態から第4状態を検知する。
また、本実施形態の制御部21は、音声入力制御手段36を有する。音声入力制御手段36は、状態検知手段30で検知された第1筐体2、第2筐体6の状態に応じて、第1マイク41のオンオフ、および第2マイク42のオンオフの切り換えを制御し、音声入出力部33に制御信号を送信する。
例えば、第2状態で通話する場合、スピーカ17と第1マイク41を使用するので、第1マイク41をオンし、第2マイク42をオフする。第4状態では、第2マイク42とスピーカ41を使用するので、第1マイク41をオフして第2マイク42をオンする。ユーザは、第2状態であればキー操作部18の、また第4状態であれば簡易操作キー11の、オフフックキーを押下することで、通話が可能となる。以下、ユーザによるオフフックキーの押下をオフフック操作、オンフックキーの押下をオンフック操作と称する。
尚、第1状態では第1マイク41よび第2マイク42ともオフとする。第1状態では携帯電話機1を使用していない状態と考えられるので、着信音等により通話着信が通知された場合第1筐体2および第2筐体6を開いてオフフック操作および通話を行えばよい。
また第3状態においても通話はしないこととする。第3状態では着信通知により、第2筐体6を折畳んで第4状態にするか、第2筐体6を回転させて第2状態として通話すればよいからである。
また、音声入力制御手段36は、携帯電話機1の機能によっても、第1マイク41および第2マイク42のオンオフの切り換えを制御する。
例えば上記のごとく通話の場合は第1または第2のいずれか一方のマイクをオンすればよいが、動画撮影等で音声も記録する場合には、第1および第2マイク共にオンすることができる。第4状態で動画撮影をする場合、一般には携帯電話機1の主表示部13の上下(W、X)方向が左右になるように保持して撮影する。このとき本実施形態では第1マイク41と第2マイク42が携帯電話機1の左右に位置することになるので、共にオン状態にすることでステレオモードで音声を録音できる。更にこの場合ユーザ操作により、ステレオ録音とモノラル録音の切り換えができることとする。
一方第3または第2状態で動画を撮影する場合には、シングルモードの切り換えを可能とする。シングルモードとは第2または第3状態においてオンするマイクを選択するモードであり、ユーザが所定のキーを押下することにより設定できる。シングルモードがオンとは第2マイク42のみオン状態とすることをいい、第3状態であれば撮影者側、第2状態であれば被写体側に向いている第2マイク42で録音することができる。
一方、シングルモードオフとは、第1マイク41および第2マイク42共にオンすることをいう。これにより特に第2状態では、被写体側に第2マイク42、撮影者側に第1マイク41が位置するので両者の音声を録音できる。
このように、音声入力制御手段36は、第1筐体2および第2筐体6の状態と、携帯電話機1の機能に応じて、第1マイク41及び/または第2マイク42のオンオフを切り替えるものである。
更に、本実施形態の制御部21は、表示制御手段35を有する。表示制御手段35は、状態検知手段30により検知された第1筐体2、第2筐体6の開閉および回転状態を取得し、その状態に応じて、主表示部13に表示する画像および/または文字の正像と逆像の切換等の処理を行い、表示ドライバ24に制御信号を送信する。
また、筐体が同じ状態であってもその機能により正像と逆像の切り換えを行う。例えば、ユーザが携帯電話機1を第3状態から第4状態にした場合には、主表示部13の下方(X)が「天」、上方(W)が「地」となる向きで携帯電話機1が保持される場合が多いため、表示制御手段35は第4状態でメール閲覧または画像閲覧等を行う場合は、表示データに基づく文字および/または画像を逆像で表示する。
しかし、この状態ではスピーカ17が主表示部13上方(W)に、第2マイク42が主表示部13下方(X)に位置するため、通話時には携帯電話機1を持ち換える必要がある。
第2マイク42とスピーカ17の上下を逆に保持しても通話自体は可能であるが、当然ながらスピーカ17からの音声が遠くなる。つまりユーザは、携帯電話機1の保持を誤っているのか、受信した通話音量が小さいのかの判断が付きにくい。したがって、本実施形態では主表示部13への通話着信通知を、第2マイク42およびスピーカ17が正常に使用できる状態すなわち正像表示することでユーザに携帯電話機1の持ち替えを促し、通話前に正常な状態で携帯電話機1を保持させることができる。
また、この場合着信通知は逆像表示とし、オフフック操作を行うことで正像表示に切り換えるようにしても良い。例えばメール閲覧中に着信通知があった場合、そのままの状態(逆像)で相手先を確認し、通話する場合、すなわちオフフック操作をした場合に天地を逆転させて正像表示する。オフフック操作後に表示が切り換われば、通話する場合にのみ携帯電話機1を正常に持ち換えることができる。
このように、表示制御手段35は、第1筐体2、第2筐体6の状態と携帯電話機1の機能に応じて表示データの正像と逆像を切り替えるものである。
図8および図9を参照して、まず本実施形態の通話着信時およびメール着信時に着信通知を行う場合の表示制御フローの一例を説明する。
図8はフロー図であり、図9は各状態における主表示部13および携帯電話機1の外観図の一例である。尚、副表示部14は主表示部13の補助的な役割を果たし、筐体の開閉の状態に応じて表示内容が変化する。また、副表示部14の配置によってもそれらは異なるため、本フローにおいては説明を省略する。
まず、制御部21は、通話着信を判断し(ステップS1)、通話着信があった場合、着信メロディを再生(あるいはバイブレータON、以下同様)する(ステップS2)。その後制御部21は、第1ホール素子の状態を判断する(ステップS3)。第1ホール素子がオンの場合は第1状態なので、表示制御手段35は、主表示部13をオフするよう表示ドライバ24に制御信号を送信する(ステップS14)(図9(A))。
第1ホール素子がオフの場合(ステップS3)は第2〜第4状態のいずれかであるので、制御部21はメモリ内に格納されている着信表示を再生する(ステップS4)。そして表示制御手段35は主表示部13をオンし着信表示を正像で表示する(ステップS5)。ここで、通話の場合には、第2状態ではスピーカ17と第1マイク41の上下と主表示部13の上(W)方向および下(X)方向が一致する。また第4状態でもスピーカ17と第2マイク42の上下と主表示部13の上(W)方向および下(X)方向が一致する。したがって、表示制御手段35は、着信表示を主表示部13に正像で表示させる。これにより特に第4状態では、ユーザは通話に正常な向きで携帯電話機1を保持することができる(図9(B)(C))。
なお第3状態では第2または第4状態にすることで通話が可能となるので主表示部13への表示は正像でよい。また、第4状態では、通話指示(オフフック操作)があってから、主表示部13の表示を正像に切り換えるようにしてもよく、この正像に切り換える前の逆像では、着信表示と筐体を持ち替える必要がある旨のメッセージの表示とを行うとよい。
通話着信がない場合、制御部21はメール着信の有無を判断し(ステップS6)、メール着信があった場合、着信メロディを再生する(ステップS7)。その後制御部21は、第1ホール素子の状態を判断する(ステップS8)。第1ホール素子がオンの場合は第1状態なので、表示制御手段35は、主表示部13をオフするよう表示ドライバ24に制御信号を送信する(ステップS14)(図9(A))。
第1ホール素子がオフの場合(ステップS8)は、第2〜第4状態のいずれかであるので、制御部21はメモリ内に格納されているメール着信表示を再生する(ステップS9)。そしてメール着信の場合は第2ホール素子の状態を判断する(ステップS10)。第2ホール素子がオンの場合、第4状態であるので表示制御手段35は主表示部13をオンし着信表示を逆像で表示する(ステップS11)。ここで、メール着信の場合には、第1または第2マイク及びスピーカ17の上下方向はいずれでもよい。そして、通常第3状態を経て第4状態となっているので、ユーザは主表示部13下方(X)が「天」、上方(W)が「地」となる向きで携帯電話機1を保持していると考えられる。そこで着信表示を逆像表示することにより、ユーザは携帯電話機を持ち替えずにメール着信を確認することができる(図9(D))。
通話着信もなく、メール着信もない場合、制御部21はホール素子の変化を判断し(ステップS12)、変化がない場合は、着信待機となる。ここでホール素子の変化を判断する理由は、例えばメール閲覧後メール送信者に返信する場合には、筐体を開き第2状態にするため、この状態の検知が必要となるからである。その場合表示データは正像とすべきなので、ここでホール素子の変化を判断し、以下のステップとなる。
すなわち、ホール素子に変化がある場合、第1ホール素子の状態を判断し(ステップS13)、第1ホール素子がオフの場合、第2ホール素子の状態を判断する(ステップS10)。第2ホール素子もオフの場合には第2または第3状態、すなわち第1筐体2と第2筐体6を開いた状態であるので、表示制御手段35は主表示部13をオンして正像で表示する(ステップS5)(図9(B))。
第2ホール素子がオンの場合(ステップS10)は第4状態であり、かつ通話着信ではないので表示制御手段35は主表示部13をオンして逆像表示する(ステップS11)(図9(D))。
第1ホール素子がオンの場合(ステップS13)は第1状態であるので、表示制御手段35は主表示部13をオフし、待機状態となる(図9(A)。
次に、図10を参照して通話着信時に第1マイク41および第2マイクの切り換えを行う音声入力制御フローを説明する。
制御部21は、オフフック操作の有無を判断し(ステップ21)、オフフック操作がある場合は、第2ホール素子の状態を判断する(ステップS22)。第2ホール素子がオンの場合第4状態であるので、音声入力制御手段36は、第1マイク41をオフし(ステップS23)、第2マイク42をオンする(ステップS24)(図6参照)。これにより、主表示部13が露出するように折り畳んだ状態で、第2マイク42とスピーカ17により通話が可能となる。
オフフック操作があり(ステップS21)、第2ホール素子がオフの場合(ステップS22)、第2状態または第3状態であるので、第2状態での通話を可能にするために音声入力制御手段36は第1マイク41をオンし(ステップS26)、第2マイク42をオフする(ステップS27)。第3状態は、第2または第4状態にすることで通話できればよく、第3状態での通話はないためである。
第1または第2マイクをオンした後は、制御部21はオンフック操作の有無を判断し(ステップS25)、オンフック操作がある場合には音声入力制御手段36は第1マイク41をオフし(ステップS28)、第2マイク42もオフする(ステップS29)。オンフック操作がない場合には(ステップS25)、引き続きホール素子の変化を判断する(ステップS22)。
次に、図11および図12を参照して動画撮影機能の場合に第1マイク41、第2マイク42のオンオフを切り換える音声入力制御フローの一例を示す。なお図11は制御フロー図であり、図12は各状態における携帯電話機1の外観図である。
制御部21は、動画撮影開始操作の有無を判断し(ステップS31)、なければ待機状態となる。動画撮影操作がある場合は、第2ホール素子の状態を判断する(ステップS32)。第2ホール素子がオンの場合は第4状態であり、第2マイク42はヒンジ部7にあり、第1マイク41はキー操作部18下方(Z)に位置する。すなわち主表示部13の両端となる位置に2つのマイクが配置される。そして、第4状態で動画撮影を行う場合は、第1マイク41および第2マイク42が左右となるように携帯電話機1を保持すると考えられ、本実施形態では2つのマイクによるステレオ録音が可能となっている。
そこで、第1および第2マイクを使用するステレオモードであるか否かを判断する(ステップS33)。ステレオモードは、ユーザのキー操作により設定され、ステレオモードである場合は音声入力制御手段36は第1マイク41をオンし(ステップS34)、第2マイク42をオンする(ステップS35)。そして第1マイク41および第2マイク42をそれぞれ左用または右用マイクに割り当てて、音声入出力部33を介してステレオ録音する(ステップS36)(図12(A))。
次に制御部21は動画撮影終了操作の有無を判断し(ステップS37)、操作がない場合は、再び第2ホール素子の状態を判断する(ステップS32)。操作があった場合は、音声入力制御手段36は第1マイク41をオフして(ステップS38)、第2マイク42もオフする(ステップS39)。
第4状態で(ステップS32)ステレオモードでない場合(ステップS33)は、モノラル録音となる。すなわち音声入力制御手段36は、第1マイク41をオンし(ステップS40)、第2マイク42をオンする(ステップS41)。そして音声入出力部33は第1および第2マイク42から録音した音声をモノラル信号に補正して録音する(ステップS42)。その後、制御部21は、動画撮影終了操作の有無を判断する(ステップS37)。
携帯電話機1が第4状態でない場合、すなわち第2ホール素子がオフの場合(ステップS32)、第2または第3状態であるので、制御部21は、シングルモードであるか否かを判断する(ステップS43)。
シングルモードはユーザのキー操作により設定されており、シングルモードがオンの場合は音声入力制御手段36は、第1マイク41をオフし(ステップS44)、第2マイク42をオンする(ステップS45)。したがって、携帯電話機1が第2状態であれば、被写体側に向けられた第2マイク42がオンして録音される(図12(B))。また携帯電話機1が第3状態であれば、撮影者が被写体となるような場合であり、撮影者側に向いている第2マイク42がオンして録音される(図12(C))。
第2マイク42で集音された音声は音声入出力部33を介してモノラル録音される(ステップS46)。そして、制御部21は、動画撮影終了操作の有無の判断を行う(ステップS37)。
一方シングルモードがオフの場合(ステップS43)は、音声入力制御手段36は第1マイク41をオンし(ステップS47)、第2マイク42もオンする(ステップS48)。これにより、第2状態であれば撮影者側に向いた第1マイク41および被写体側に向いた第2マイク42が共にオンし、両者の音声が録音できる(図12(B))。また第3状態では撮影者側が被写体側となるが、撮影者側に向いた第1マイク41だけでなく第2マイク42もオンするので周囲の音声も同時に録音できる。2つのマイクで録音された音声は、音声入出力部33でモノラル信号に補正され、録音される(ステップS49)。そして、動画撮影終了操作の有無の判断を行う(ステップS37)。
以上、本実施の形態では、クラムシェルタイプの携帯電話機について説明を行なったが、本発明による携帯端末はこれに限定されない。たとえば、表示部が露出するように折り畳み可能で動画撮影機能を有する携帯情報端末(PDA:personal digital assistants)等であってもよい。