JPWO2005004707A1 - 眼調節機能状態測定装置及び眼調節機能状態の測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この眼調節機能状態測定とは、特許文献1によると、従来の眼屈折力測定方法(例えば、特許文献2の方法)と同様の眼屈折力の測定を連続的に行い、複数の屈折力測定値より屈折力の高周波成分の算出処理を行うことで眼調節機能状態を測定するものである。この特許文献1の手法では、高周波成分として1〜2.3Hzでの連続的な眼屈折力測定が必要であり、眼屈折力測定部には1回あたりの測定時間は、例えば1Hzであればそれに見合う測定時間間隔ということで0.1秒間隔で連続的な測定を行なう。この連続的な測定を20秒間程度を1サイクルとして、視標位置を移動しながら複数の位置(例えば8箇所で8サイクル程度)の測定を行うものである。
従来の眼調節機能状態測定では、20秒サイクルの測定を8サイクル行ったとすると、合計で160秒間測定が行われていた。測定中は被検者はその間視標をじっと見すえる必要があり、測定がこのように長時間になると、通常以上に被検者の緊張が増してしまうという問題があった。
また、160秒間見続けること自体も被検者に苦痛を強いるという問題があった。
さらに、従来の装置は、0.1秒間隔で160秒測定すると、屈折力測定データとして、球面、乱視、乱視軸の3種類のデータがあるため、合計で4800データをメモリしておく必要があり、記憶部品の容量も多く必要であるという問題があった。
さらにまた、操作者にとっての問題としては、160秒間測定した後に結果が出てくるために、例えば眼が動いてしまったとか、まばたきが多く行われた等で眼調節機能状態算出に必要なデータに不足があったとしても、途中ではわからないため、最後まで測定を続けてしまい、測定ミスがあった場合には、再度最初から測定をやり直さなければならないという問題があった。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、被検眼に対し画像(62a)を投影する画像投影部(62)と、前記画像の位置を被検眼の光軸方向に沿って移動させる画像移動機構と、を備え、前記画像移動機構により画像を複数位置に配置し、該複数位置における被検眼の調節機能状態を測定する眼調節機能状態測定装置において、測定を休止する測定休止時間(S6〜S10)を設ける制御を行う制御部(65)を備えること、を特徴とする眼調節機能状態測定装置(51)である。
第2の発明は、第1の発明の眼調節機能状態測定装置において、前記制御部(65)は、前記測定休止時間内に眼調節機能状態の算出処理(S7)を行うこと、を特徴とする眼調節機能状態測定装置(51)である。
第3の発明は、第1の発明の眼調節機能状態測定装置において、前記測定休止時間内に眼調節機能状態測定の途中結果を表示(S8)すること、を特徴とする眼調節機能状態測定装置(51)である。
第4の発明は、第1の発明の眼調節機能状態測定装置において、前記測定休止の開始及び/又は終了を表示及び/又は音声によって告知する測定休止告知部(S6)を有すること、を特徴とする眼調節機能状態測定装置(51)である。
第5の発明は、第1の発明の眼調節機能状態測定装置において、前記測定休止時間における前記画像の位置を移動しないで再測定を選択する再測定選択部(68,S11)を備えること、を特徴とする眼調節機能状態測定装置(51)である。
第6の発明は、第1の発明の眼調節機能状態測定装置において、外部記憶部(69)に対して、前記制御部から前記休止時間にデータを送信する(S9)こと、を特徴とする眼調節機能状態測定装置である。
第7の発明は、被検眼に対し画像(62a)を投影する画像投影部(62)と、前記画像の位置を被検眼の光軸方向に沿って移動させる画像移動機構と、を備え、前記画像移動機構により画像を複数位置に配置し、該複数位置における被検眼の調節機能状態を測定する眼調節機能状態測定装置において、少なくとも測定途中において、前記画像の位置情報、測定時間情報の少なくとも一つを表示する(S3)こと、を特徴とする眼調節機能状態測定装置(51)である。
第8の発明は、被検眼に対し投影する画像(62a)の位置を被検眼の光軸方向に沿って移動させて前記画像を複数位置に配置し、該複数位置における被検眼の調節機能状態を測定する眼調節機能状態の測定方法において、測定を休止しながら全ての測定を完了させること、を特徴とする眼調節機能状態の測定方法である。
本発明によれば、途中に測定休止時間を持つので、被検者は長い測定時間を我慢することなく、余分な緊張を避けることができる。また、操作者は測定の途中結果を見ることが可能になるため、測定の失敗を途中で見つけることが可能になり、無駄な測定時間を費やすことなく測定を行うことができる。さらに、本発明による装置は、測定休止時間にデータ処理を行うことから、無理に高速なCPUを使わなくてもよいので、装置を安価にすることができる。さらにまた、測定データを途中で外部装置に出力することで、必要以上に大きめのメモリを備えなくてもよく、装置を安価にすることができる。
このように、本発明によれば、被検者にとっても操作者にとっても苦痛となること無く、操作性がよく安価な眼調節機能状態測定装置及び眼調節機能状態の測定方法を提供することができる。
図2は、チョッパ61aの縞模様を示す図である。
図3は、制御部15により実行される動作フローチャートである。
図4は、図3のS3における表示例を示す図である。
図5は、途中結果の表示例を示す図である。
図6は、測定が全て終了した場合の測定結果である。
以下、図面に基づいて本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明の実施例の眼調節機能状態測定装置51の構成図である。本発明で用いる装置の構成は、特許文献1及び特許文献2に記載されているものと同様であり、測定の原理としては検影法を用いている。1回の屈折測定値を得るための基本原理はこれら公報に記載されているものと同様であるので、測定原理の詳細については省略する。
図1に示すように、眼調節機能状態測定装置51には、屈折測定部61、画像投影部62、ダイクロイックミラー63、制御部65、表示部66、音声出力部67、再測定選択部68などが備えられる。眼調節機能状態測定装置51の外部にはデータ記憶のための外部記憶部69が備えられる。
投影部62においては、被検眼60に近い側(近方)から順に、凸レンズ62c、視標62a、及び光源62bが配置される。光源62bによって照明された視標62aからの光束は、凸レンズ62cにおいて平行光束に近い状態に変換されてから被検眼60へ入射するので、被検眼60から見ると、視標62aの位置は、実際の位置よりも遠方にあるように見える。このうち、視標62aと光源62bとは、互いの位置関係を不変にした状態で、共に図示なき視標移動機構及びモータ62dによって被検眼60の光軸方向に移動可能である。
図2は、チョッパ61aの縞模様を示す図である。
屈折測定部61には、スリットが形成されたチョッパ61a、チョッパ61aを回転させるモータ61i、チョッパ61aを照明する光源(赤外光光源)61b、チョッパ61aにより形成される縞模様を被検眼60の眼底に投影するレンズ61d、被検眼60の眼底から戻る光が形成する縞模様の移動速度を検出する受光部61h、レンズ61f、絞り61gなどが備えられる。その他、屈折測定部61には、レンズ61c、ハーフミラー61e等が設けられている。
ダイクロイックミラー63は、屈折測定部61から出射される測定光(赤外光)と、投影部62から出射される測定光(可視光)とを、それぞれ被検眼60へ導き、また、被検眼60から戻る赤外光については、屈折測定部61へ戻す働きをする。ここで、屈折測定部61においては、チョッパ61aが回転するので、被検眼60の眼底に投影される縞模様は移動する。そして、受光部61h上に形成される縞模様の移動速度は、被検眼60の眼屈折力に応じて変化する。チョッパ61aの縞模様として図2のように2種類の方向の縞71a、71bがチョッパ上に形成されており、チョッパが1周すると、2方向の経線方向が測定され、球面度数、乱視度数、乱視軸等の眼屈折力が算出される。
制御部65は、CPU、及び、その動作に使用されるメモリを備えた回路などからなり、受光部61hの出力する信号を参照して、光源62b、61b、モータ62e,61i、及び、表示部66を駆動制御したり演算を行ったりする。具体的には、制御部65は屈折測定部61を駆動しつつその出力を参照する(光源62bを駆動しつつモータ62dを駆動制御する)ことにより、視標62a(視標62a及び光源62b)の配置、及び、位置の走査を行う。
また、制御部65は、光源61b、モータ61i、及び受光部61hを駆動しつつその受光部61hの出力を参照することにより、前述のごとく被検眼60の眼屈折力を測定する。
次にこの構成の装置を用いて、制御部65が調節機能状態測定を行う方法について説明する。
図3は、制御部15により実行される動作フローチャートである。
先ず、本測定に入る前の準備測定として、被検眼60の有している固有の特性の1種である、遠点位置を測定する。遠点位置とは、被検眼にとって最も遠くが見える視標の位置で、本測定手順の内容を、個々の被検眼10の特性に適応させるために行われる。この遠点位置の測定は一般的な眼屈折力測定で行われるものと同じであり、特許文献1にも開示されており、内容は同様であるため詳細は省略する。測定が行われると遠点位置D0をメモリに記憶する(ステップ1:以下、ステップをSと略す)。
続いて行われる本測定手順においては、先ず、視標12aは、その遠点位置D0よりも若干遠方の位置(D0+α´0)に配置される(S2)。なお、位置(D0+α´0)は、被検眼60が調節を行っても視標62aを明視できず、かつ、視標62aがボケ過ぎないような位置である。このような位置(D0+α´0)に配置するのは、被検眼60の余計な動きを抑えるためである。したがって、α´0は、0.5Dp程度であることが好ましい。次に視標の置かれた位置、及び、何回目の測定であるかを表示部66に表示する(S3)。これは、S3以降の測定を8サイクル行うために、測定者や被検者が現在どこの測定を行っているかわかりにくくなるのを避けるためのもので、現在何サイクル目で、残りはどれくらいかを表示するものである。
図4は、図3のS3における表示例を示す図である。
本実施例では、視標がどこの位置にあるのかを示す視標位置情報81(図4の場合は2Dp位置にあることを示す)、8サイクルのうちの何番目のサイクルかを示す測定時間情報82(図4の場合は8サイクルの内の3サイクル目であることを示す)を屈折力測定値83とあわせて表示する。このような指示を液晶画面やCRT等の表示部66で検査者や被検者に測定の目安として表示する。
次に実際に測定に入ることを被検者に指示するために測定開始のブザーを音声出力部67で鳴らす(S4)。ブザー音を鳴らすのは、測定が短い場合はこのようなブザー音は不要であるが、本測定では20秒間と長いために、被検者にまばたきを意図的にしてもらう等の測定準備を行うことができるようにするためである。
その後、視標62aは、同じ位置に所定時間Tだけ連続して配置され、そのときの眼屈折力の経時的な変化が監視される(S5)。時間T(眼屈折力の経時変化データをサンプリングする期間)は、約8秒以上であり、かつ被検眼10が凝視することに対して毛様体筋に負担の少ない約20秒以下である。約8秒以上とするのは、高周波数成分の出現頻度を求める演算(S7)の精度を保つには、十分な量のデータがサンプリングされる必要があるからであり、本装置ではT=20secとする。
20秒間の測定が終了すると、ブザーを鳴らして被検者に1サイクル測定の終了を告知(測定休止告知部としての動作)し、測定を休止する(S6)。被検者は、これ以降休憩が可能になるので緊張を和らげることができる。
次に解析手順に移る。制御部65は、それまでに得られた測定値より高周波成分の頻度を算出する(S7)。測定中は、0.1秒間隔で測定を行うために制御部65も測定値の算出でフル稼働するが、測定休止をすると、制御部65にも稼動の余裕が生じるため、測定休止時間を利用して眼調節機能状態測定のそれまで測定した分の高周波成分の頻度を算出可能になる。
次に結果表示手順に移る。算出が終了すると、それまでの眼調節機能状態測定の途中結果を表示する(S8)。
図5は、途中結果の表示例を示す図である。
図6は、測定が全て終了した場合の測定結果である。
これらの図は、高周波数成分の出現頻度を、視標位置α’i(i=0〜n)毎、及び、区間毎に表している。図5,6の例では、指標位置は+0.5〜−3.0Dpまでを区間毎に表している。出現頻度別に棒グラフを色分け(図5,6では、ハッチングにより表現)ることで、被検者の調節状態を見ることになる。高周波成分頻度が高い場合は濃い色となり、高周波成分頻度が低い場合は薄い色となるため、披検眼の調節状態を色や色の濃さで見ることが可能になる図である。
図5は、測定途中の図であるため、視標位置が−1.0までしか測定してない場合の例である。ここで、例えば、測定ミスがあったという場合は、本来出るべき棒グラフが抜けていることになり(図5のAのように)、測定ミスがあったかどうかの判断が可能になる。
次にこのデータを制御部65から外部記憶部69にデータが送信される(S9)。こうすることで、メモリには1サイクル測定分のデータを記憶できればよいことになり、装置内に持つメモリ等の記憶部品は最小で済み、容量の大きなメモリを搭載する必要がなくなる。以上で測定休止を終了する(S10)
次に視標を1ステップ動かす前に、視標を動かさずに再測定するかどうかを検査者に問う(S11)。これは、前述の途中結果の表示(図5)を操作者が見て、再測定の必要があると判断すれば、途中で再測定を可能にするものである。操作者が再測定を選択(再測定選択部68によって選択)すれば(S11のYES)再度ステップ3に戻って測定が行われる。また、再測定を選ばずに、視標を進める選択がなされた場合(S11のNO)は、S12に進む。
次に制御部65は、視標位置がD0+α´nまで進んだかどうか(この場合はnが8ステップまで進んだかどうか)を判定し、NOであれば視標を1ステップ(例えば0.5Dp)進める(S13)。そして前の回と同様にS3に戻って測定を行う。YESであればすべての測定を終了する。
なお、高周波成分の頻度算出の方法、眼調節機能状態測定の表示方法については特許文献1に詳細が記述されており、基本的に同じであるため説明は省略した。
以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、本実施例において、外部記憶部69は、専門の装置である例を示したが、これに限らず、例えば、パーソナルコンピュータ等のCPUとメモリの両者を備えたものでもよい。なお、この場合は、制御部65での眼調節機能状態算出より先にS9のデータ送信を行い、眼調節機能状態算出をパーソナルコンピュータ側で実施してもよい。本発明の目的は、測定休止中に算出処理及びデータ送信を行って、眼調節機能状態測定装置内の制御部には、できるだけ負担をかけないことが目的であるため、測定休憩時間内にデータ送信及び算出処理が行われれば、どの制御部で行われてもまたデータ送信と算出処理の順番が逆になっても構わないものである。
Claims (8)
- 被検眼に対し画像を投影する画像投影部と、
前記画像の位置を被検眼の光軸方向に沿って移動させる画像移動機構と、
を備え、
前記画像移動機構により画像を複数位置に配置し、該複数位置における被検眼の調節機能状態を測定する眼調節機能状態測定装置において、
測定を休止する測定休止時間を設ける制御を行う制御部を備えること、
を特徴とする眼調節機能状態測定装置。 - 請求の範囲1に記載の眼調節機能状態測定装置において、
前記制御部は、前記測定休止時間内に眼調節機能状態の算出処理を行うこと、
を特徴とする眼調節機能状態測定装置。 - 請求の範囲1に記載の眼調節機能状態測定装置において、
前記測定休止時間内に眼調節機能状態測定の途中結果を表示すること、
を特徴とする眼調節機能状態測定装置。 - 請求の範囲1に記載の眼調節機能状態測定装置において、
前記測定休止の開始及び/又は終了を表示及び/又は音声によって告知する測定休止告知部を有すること、
を特徴とする眼調節機能状態測定装置。 - 請求の範囲1に記載の眼調節機能状態測定装置において、
前記測定休止時間における前記画像の位置を移動しないで再測定を選択する再測定選択部を備えること、
を特徴とする眼調節機能状態測定装置。 - 請求の範囲1に記載の眼調節機能状態測定装置において、
外部記憶部に対して、前記制御部から前記休止時間にデータを送信すること、
を特徴とする眼調節機能状態測定装置。 - 被検眼に対し画像を投影する画像投影部と、
前記画像の位置を被検眼の光軸方向に沿って移動させる画像移動機構と、
を備え、
前記画像移動機構により画像を複数位置に配置し、該複数位置における被検眼の調節機能状態を測定する眼調節機能状態測定装置において、
少なくとも測定途中において、前記画像の位置情報、測定時間情報の少なくとも一つを表示すること、
を特徴とする眼調節機能状態測定装置。 - 被検眼に対し投影する画像の位置を被検眼の光軸方向に沿って移動させて前記画像を複数位置に配置し、該複数位置における被検眼の調節機能状態を測定する眼調節機能状態の測定方法において、
測定を休止しながら全ての測定を完了させること、
を特徴とする眼調節機能状態の測定方法。
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