<概要>
本開示における実施形態の概要について説明する。以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用されうる。
本実施形態に係る検眼システム(例えば、検眼システム1)は、被検眼の光学特性を自覚的に測定するための検眼システムである。例えば、被検眼の光学特性は、被検眼の眼屈折力(例えば、球面度数、円柱度数、乱視軸角度、プリズム量、等)、両眼視機能(例えば、プリズム量、立体視機能、等)コントラスト感度、等の少なくともいずれかであってもよい。
検眼システムは、検眼装置(例えば、検眼装置100)を備えてもよい。例えば、検眼装置は、少なくとも、額当て(例えば、額当て121)と、後述の矯正手段と、を有してもよい。なお、額当ては矯正手段に設けられてもよく、被検者の頭部を額当てに当接させることで、被検眼が矯正手段に対する所定の位置に配置される。
検眼システムは、検眼用コントローラを備えてもよい。検眼用コントローラは、第1操作手段(例えば、コントローラ200)により構成されてもよい。また、検眼用コントローラは、第1操作手段と、第2操作手段(例えば、コントローラ400)と、により構成されてもよい。この場合、第1操作手段と第2操作手段とは、一方を、検者が操作する検者用の操作手段とし、他方を、検者または被検者の動作を補助する補助者が操作する補助者用の操作手段としてもよい。
検査装置と操作手段(第1操作手段および第2操作手段の少なくともいずれか)は、通信手段を備えてもよい。例えば、検査装置と操作手段は、通信手段を用いることで直接的に接続され、互いに通信してもよい。また、例えば、検査装置と操作手段は、通信手段を用いることで間接的に接続され、互いに通信してもよい。もちろん、操作手段が第1操作手段と第2操作手段とで構成される場合、各々の操作手段は、通信手段を用いることで直接的または間接的に接続され、互いに通信してもよい。なお、検眼装置と操作手段の間接的な接続、および、第1操作手段と第2操作手段の間接的な接続は、共有サーバ(例えば、共有サーバ300)を介してもよい。
<視標呈示手段>
本実施形態において、検眼システムは、視標呈示手段を備える。視標呈示手段は、被検眼に向けて視標光束を出射する。
視標呈示手段は、ディスプレイ(例えば、ディスプレイ161)であってもよい。この場合、LCOS、LCD、有機EL、等のいずれかを用いることができる。また、視標呈示手段は、光源およびDMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。また、視標呈示手段は、光源および視標板であってもよい。
視標呈示手段からの視標光束は、被検眼に向けて直接的に出射されてもよい。また、視標呈示手段からの視標光束は、投影光学系(例えば、投影光学系160)を介して、被検眼に向けて間接的に導光されてもよい。投影光学系は、視標光束を経由させるための光学部材を、少なくとも1つ有してもよい。例えば、レンズ、ミラー、等を有してもよい。
例えば、検眼システムは、検眼装置とは別に、視標呈示装置として視標呈示手段を有してもよい。また、例えば、検眼システムは、検眼装置を構成する一部の部材として、視標呈示手段を有してもよい。この場合には、検眼装置に視標呈示手段が設けられてもよい。
<矯正手段>
本実施形態において、検眼システムは、矯正手段を備える。矯正手段は、被検眼の眼前に配置され、視標光束の光学特性を変化させる。例えば、視標光束の光学特性は、視標光束の球面度数、円柱度数、乱視軸角度、プリズム量、等の少なくともいずれかであってもよい。例えば、視標呈示手段から出射した視標光束は、矯正手段を介して、被検眼に導光される。
矯正手段は、矯正光学系を備えてもよい。矯正光学系は、視標光束の光学特性を変化させることができる構成であればよい。
一例として、矯正光学系は、光学素子(例えば、光学素子133)を有し、光学素子を制御することによって、視標光束の光学特性を変化させてもよい。例えば、光学素子は、球面レンズ、円柱レンズ、クロスシリンダレンズ、ロータリプリズム、波面変調素子、可変焦点レンズ、等の少なくともいずれかであってもよい。もちろん、光学素子は、これらとは異なってもよい。
また、一例として、矯正光学系は、被検眼に対する視標の呈示位置(呈示距離)を光学的に変化させ、視標光束の光学特性を変化させてもよい。この場合、視標呈示手段を光軸方向に移動させてもよいし、光路中に配置された光学素子(例えば、球面レンズ等)を光軸方向に移動させてもよい。
また、一例として、矯正光学系は、視標呈示手段と、投影光学系から視標光束を被検眼に向けて導光するための光学部材と、の間に光学素子を配置して、光学素子を制御することで、視標光束の光学特性を変化させてもよい。すなわち、矯正光学系は、ファントムレンズ屈折計(ファントム矯正光学系)であってもよい。
本実施形態では、被検眼の眼前に光学素子を配置する眼屈折力測定ユニット(例えば、眼屈折力測定ユニット120)が、矯正手段として用いられる。例えば、眼屈折力測定ユニットは、光学素子として可変焦点レンズを有し、可変焦点レンズの屈折力を変化させることで、被検眼を矯正してもよい。また、例えば、眼屈折力測定ユニットは、同一円周上に複数の光学素子を配置したレンズディスク(例えば、レンズディスク131)と、このレンズディスクを回転させるための駆動手段(例えば、駆動部134)と、を有し、駆動手段を駆動させて光学素子を切り換えることで、被検眼を矯正してもよい。もちろん、眼屈折力測定ユニットは、可変焦点レンズと、レンズディスクおよび駆動手段と、を有し、これらを制御することで、被検眼を矯正してもよい。
<制御手段>
本実施形態において、検眼システムは、制御手段(例えば、制御部170)を備える。制御手段は、操作手段(第1操作手段および第2操作手段の少なくともいずれか)に対する操作が行われることで、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御する。
制御手段は、操作手段から入力される操作信号に基づいて、視標呈示手段に表示させる視標を変更する制御を行ってもよい。例えば、視標の種類、視標の大きさ、視標の位置、等を変更する制御を行ってもよい。また、制御手段は、操作手段から入力される操作信号に基づいて、矯正光学系を変更する制御を行ってもよい。例えば、光学素子や光学部材の配置を変更する制御を行ってもよい。
<取得手段>
本実施形態において、検眼システムは、取得手段(例えば、制御部170)を備える。取得手段は、制御手段が検眼システムを制御した際における、検眼システムの状態を示すデータログを取得する。例えば、取得手段は、制御手段が視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御した際における、検眼システムの状態を示すデータログを取得する。なお、例えば、データログは、検眼システムを制御することによって記録される、時系列の順序性があるデータであればよい。
例えば、取得手段は、制御手段が視標呈示手段を制御した際における、視標呈示手段の状態を示すデータログを取得してもよい。一例としては、後述する視標情報のデータログであってもよい。また、例えば、取得手段は、制御手段が矯正手段を制御した際における、矯正手段の状態を示すデータログを取得してもよい。一例としては、後述する矯正情報のデータログであってもよい。もちろん、データログは、視標呈示手段の状態を示すデータログと、矯正手段の状態を示すデータログと、の双方であってもよい。
検眼システムの状態を示すデータログは、被検眼に呈示した視標に関する視標情報(例えば、視標情報224)と、被検眼の矯正に関する矯正情報(例えば、矯正情報225)と、の少なくともいずれかのデータログを含んでもよい。検者は、これらのデータログを用いることで、被検眼に呈示した視標が適切か否か、あるいは、被検眼の矯正状態が適切か否か、等を容易に判断することができる。
例えば、視標情報のデータログは、視標の種類および視標の視力値の少なくともいずれかのデータログでもよい。例えば、このようなデータログを用いることで、補助者が被検眼にどのような検査を実施したか、等を読み取ることができる。一例として、点群視標を呈示していれば、クロスシリンダテストを実施したと読み取ることができる。また、例えば、このようなデータログを用いることで、視標の種類や視力値の変化、視標の種類や視力値の切り換え回数(頻度)、等を読み取ることができる。
例えば、矯正情報のデータログは、被検眼における自覚式検査の対象眼、被検眼に対して矯正度数を調整した調整項目、被検眼を矯正手段により矯正した矯正度数値、の少なくともいずれかのデータログでもよい。例えば、このようなデータログを用いることで、左眼と右眼のいずれを矯正したか、矯正項目の切り換え回数(頻度)、矯正度数の切り換え回数(頻度)、矯正度数値の変化、等を読み取ることができる。
なお、例えば、調整項目は、矯正手段によって光学素子が制御され、被検眼のいずれの眼屈折力が変化されたかを示す項目である。言い換えると、例えば、調整項目は、矯正手段によって光学素子が制御され、視標光束のいずれの光学特性が変化されたかを示す項目である。一例としては、球面度数、円柱度数、乱視軸角度、プリズム、等のいずれかの項目に該当する。
もちろん、検眼システムの状態を示すデータログは、視標情報および矯正情報とは異なる情報のデータログを含んでもよい。例えば、検眼プログラムの状態を示すデータログを含んでもよい。この場合、検眼プログラムにて進められる各々の検査項目に、視標情報および矯正情報が関連付けられてもよい。つまり、検査項目毎の視標情報および矯正情報が取得されてもよい。また、例えば、被検眼に対する測定の経過状態を示すデータログを含んでもよい。この場合、各々の検査項目における測定を開始してから終了するまでに要した経過時間が取得されてもよい。一例として、このような経過時間を示すログは、被検者に測定時間が延長することによる負担をかけていないか、補助者が測定に慣れた者であるか、補助者が測定に不慣れな者であれば徐々に慣れてきたか、等を判断するために用いられてもよい。
<抽出手段>
本実施形態において、検眼システムは、抽出手段(例えば、制御部170)を備える。抽出手段は、取得手段が取得した検眼システムの状態を示すデータログから、特定のデータログを抽出する。
例えば、抽出手段は、制御手段が視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御する毎に取得されたデータログの単位で、特定のデータログを抽出してもよい。言い換えると、制御手段が視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御する1操作の単位で、特定のデータログを抽出してもよい。
一例として、視標が所定の視力値(例えば、1.0)に設定された状態から、制御手段によって、第1視力値(例えば、0.8)に切り換えられ、さらに、第2視力値(例えば、0.7)に切り換えられた場合、制御手段による操作は2操作となる。また、一例として、矯正度数値が所定の球面度数値(例えば、−3.5D)、円柱度数値(例えば、−1.0D)、および乱視軸角度に設定された状態から、制御手段によって、第1球面度数値(例えば、−3.25D)に切り換えられ、次いで、第2球面度数値(例えば、−3.0D)に切り換えられ、さらに、第1円柱度数値(例えば、−0.5D)に切り換えられた場合、制御手段による操作は2操作となる。
なお、自覚式検査では、制御手段によって、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかが制御されるため、実際には、視標の種類、視標の視力値、対象眼、調整項目、矯正度数値(球面度数値、円柱度数値、および乱視軸角度)、等の変更が組み合わされた操作となる。
この場合に、特定のデータログは、所定の操作のタイミングから、少なくとも1操作前のデータログを含むものであればよい。つまり、特定のデータログは、1操作前のデータログのみでもよいし、1操作前のログから任意の操作前までのデータログで示される範囲でもよい。
また、例えば、抽出手段は、制御手段が標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御する毎に取得され、自覚式検査の検査項目に関連付けられたデータログの単位で、特定のデータログを抽出してもよい。言い換えると、制御手段が視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御する1検査の単位で、特定のデータログを抽出してもよい。
一例としては、自覚式検査における球面検査の間に制御手段が切り換えた、視標の種類、視標の視力値、対象眼、調整項目、および矯正度数値、等のすべてのデータログを、特定のデータログとして抽出してもよい。また、自覚式検査における乱視検査の間に制御手段が切り換えた、視標の種類、視標の視力値、対象眼、調整項目、および矯正度数値、等のすべてのデータログを、特定のデータログとして抽出してもよい。もちろん、球面検査や乱視検査とは異なる検査の間に切り換えられた各々のすべてのデータログを、特定のデータログとして抽出してもよい。
この場合に、特定のデータログは、所定の検査のタイミングから、少なくとも1検査前のデータログを含むものであればよい。つまり、特定のデータログは、1検査前のデータログのみでもよいし、1検査前のログから任意の検査前までのデータログで示される範囲でもよい。
なお、特定のデータログを、1操作前から任意の操作前、または、1検査前から任意の検査前の範囲におけるデータログとする場合は、操作者がその範囲を任意に指定できてもよいし、予め所定の操作数または検査数が設定されてもよい。
<第1操作手段/第2操作手段>
本実施形態において、検眼システムは、操作手段を備える。操作手段は、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作するための操作手段である。
操作手段は、操作者(例えば、検者または補助者)による入力が可能であればよい。一例として、操作手段は、スイッチ、タッチパネル、マウス、キーボード、等の少なくともいずれかのユーザーインターフェイスであってもよい。なお、操作手段がタッチパネルである場合は、操作手段が表示手段を兼ねる。
操作手段は、視標呈示手段を操作するための操作信号を入力できる。例えば、視標呈示手段に表示させる、視標の種類、視標の視力値、視標の呈示距離、等の少なくともいずれかを変更するための操作信号を入力できる。また、操作手段は、矯正手段を操作するための操作信号を入力できる。例えば、被検眼を矯正する矯正度数、光学素子の配置、等の少なくともいずれかを変更するための操作信号を入力できる。もちろん、操作手段は、視標呈示手段および矯正手段とは異なる手段を操作するための操作信号を入力できてもよい。
本実施形態において、検眼システムは、第1操作手段(例えば、コントローラ200)と、第2操作手段(例えば、コントローラ400)と、を備える。
例えば、第1操作手段は、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作するための操作手段であってもよく、第2操作手段は、第1操作手段とは異なる操作手段であってもよい。この場合、第2操作手段は、第1操作手段と同様に、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作するための操作手段としての機能を有してもよい。また、この場合、第2操作手段は、第1操作手段とは異なり、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作するための操作手段としての機能を有さなくてもよい。
また、例えば、第1操作手段は、第2操作手段とは異なる操作手段であってもよく、第2操作手段は、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作するための操作手段であってもよい。この場合、第1操作手段は、第2操作手段と同様に、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作するための操作手段としての機能を有してもよい。また、この場合、第1操作手段は、第2操作手段とは異なり、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作するための操作手段としての機能を有さなくてもよい。
つまり、第1操作手段と第2操作手段とは、そのいずれか一方のみが、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作可能であってもよい。また、第1操作手段と第2操作手段とは、その双方が、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作可能であってもよい。
第1操作手段は、表示手段(例えば、モニタ220)を有する。表示手段は、第2操作手段の動作を制御するための第1トリガ信号を第2操作手段へ向けて送信するための第1指示画面(例えば第1指示画面222)を表示することができる。
例えば、第2操作手段の動作を制御するためのトリガ信号とは、第2操作手段に後述の第1指示情報を出力させるためのトリガとなる信号であればよい。一例としては、第2操作手段が表示手段(例えば、モニタ420)を有し、表示手段に第1指示情報を表示させるための信号でもよい。また、一例としては、第2操作手段が音声発生手段(例えば、スピーカ)を有し、音声発生手段に第1指示情報を発生させるための信号でもよい。また、一例としては、第2操作手段が印刷手段(例えば、プリンタ)を有し、印刷手段に第1指示情報を印刷させるための信号でもよい。もちろん、これらのとは別の出力方法で、第1指示情報を出力させるための信号でもよい。
本実施形態においては、第1操作手段における第1指示画面に対する操作が行われることで、第1操作手段から第2操作手段に向けて、第1トリガ信号が送信される。すなわち、第2操作手段に後述の第1指示情報を出力させるためのトリガ信号が送信される。 例えば、第1指示画面には、少なくとも1つの標識が表示されてもよい。標識には、第1トリガ信号が対応付けられる。また、標識には、第1トリガ信号の内容を表す、文字、記号、図形、数字、アイコン、等の少なくともいずれかが用いられる。この場合、第1指示画面に対する操作は、第1指示画面の直接的な操作であってもよい。一例としては、指やタッチペン等を用いたタッチパネルの操作が行われてもよい。また、この場合、第1指示画面に対する操作は、指示画面の間接的な操作であってもよい。一例としては、マウス、キーボード、ダイヤル、ジョイスティック、等の少なくともいずれかを用いた操作が行われてもよい。例えば、このように、第1操作手段の第1指示画面が標識を表示する構成であれば、第1操作手段は標識に対する操作に基づいて、第2操作手段に向けて第1トリガ信号を送信することができる。
また、例えば、第1指示画面は、任意に文字等を書き込むことが可能な、書き込み領域を有してもよい。この場合、指やタッチペンにより入力される筆記情報が、第1トリガ信号に変換されてもよい。また、例えば、第1指示画面は、任意に文字等をタイプすることが可能な、タイピング領域を有してもよい。この場合、キーボード等により入力される文字情報が、第1トリガ信号に変換されてもよい。また、例えば、指示画面は、任意の音声を文字として表示することが可能な、音声表示領域を有してもよい。この場合、マイク等により入力された文字情報が、第1トリガ信号に変換されてもよい。例えば、このように、第1操作手段の第1指示画面が各々の領域を有する構成であれば、第1操作手段はこれらの領域に対する操作に基づいて、第2操作手段に向けて第1トリガ信号を送信することができる。
本実施形態においては、第1操作手段から送信された第1トリガ信号に基づいて、検眼システムの動作を補助するための第1指示情報を、第2操作手段が出力する。すなわち、第2操作手段は、第1操作手段から送信された第1トリガ信号に基づき、第2操作手段の動作を制御することによって、検眼システムの動作を補助するための第1指示情報を出力する。これによって、検者が操作者と離れていても、検者は提案や指示の内容を補助者へ容易に伝えることができ、自覚式検査が精度よく行われる。
例えば、検眼システムの動作を補助するための第1指示情報は、少なくとも、被検者が視標呈示手段により呈示される視標を確認する際の測定姿勢を補助するための情報を含んでもよい。この場合には、被検眼の開瞼状態(一例としては、細目状態)を補助するための情報を含んでもよい。また、この場合には、被検眼に対する矯正手段の位置を補助するための情報を含んでもよい。一例としては、左眼および右眼の瞳孔中心位置と、左眼および右眼に対応する矯正手段の光学素子と、の位置でもよい。また、一例としては、被検眼の角膜頂点位置と、矯正手段の光学素子と、の位置でもよい。また、一例としては、被検者の頭部と額当てとの位置でもよい。例えば、検者は、これらの第1指示情報を確認することで、被検者の測定姿勢の良否を判断して、操作者へ適切な指示を伝えることができる。
また、検眼システムの動作を補助するための指示情報は、少なくとも、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作する手順を補助するための情報を含んでもよい。この場合には、視標呈示手段を操作する手順を補助するための情報を含んでもよい。一例としては、視標呈示手段に呈示する視標の種類の変更、視標の視力値の変更、等の少なくともいずれかでもよい。また、この場合には、矯正手段を操作する手順を補助するための情報を含んでもよい。一例としては、矯正度数の変更、調整項目の変更、等の少なくともいずれかでもよい。検者は、第1指示情報を確認することで、補助者による操作手順の良否を判断して、操作者へ適切な指示を伝えることができる。
もちろん、検眼システムの動作を補助するための第1指示情報は、前述の測定姿勢や操作手順を補助するための情報とは異なる情報を含んでもよい。例えば、操作の再実施、操作の終了、等の少なくともいずれかの情報を含んでもよい。また、例えば、検者または補助者からの要求(例えば、問い合わせ、回答、等)の情報を含んでもよい。
<設定手段>
本実施形態において、検眼システムは、設定手段(例えば、制御部280)を備える。設定手段は、第1操作手段における第1指示画面が有する標識の配列を設定する。言い換えると、設定手段は、第1操作手段における第1指示画面が有する標識の並び順を設定する。これによって、検者は、被検眼に対する検査項目等に応じて、必要な標識を選択しやすくなる。
例えば、標識の配列は手動で設定されてもよい。例えば、設定手段は、操作者が操作手段を操作することで入力される設定信号に基づいて、標識の配列を設定してもよい。この場合、設定手段は、各々の標識と、指示画面における各々の標識の表示位置と、を関連付けて記憶させてもよい。
また、例えば、標識の配列は自動で設定されてもよい。例えば、設定手段は、標識の使用頻度等を検出した検出結果に基づいて、標識の配列を設定してもよい。また、例えば、設定手段は、自覚式検査の検査項目に基づいて、標識の配列を設定してもよい。一例としては、操作者による検査モードの切り換え、プログラム検眼による検査モードの切り換え、等に基づいて、検査モード毎に所定の標識を設定してもよい。
<出力手段>
本実施形態において、検眼システムは、出力手段(例えば、制御部280)を備える。出力手段は、取得手段が取得したデータログを出力する。例えば、出力手段は、取得手段が取得したデータログのすべてを出力させてもよい。また、例えば、出力手段は、抽出手段が抽出した特定のデータログを出力させてもよい。これによって、検者は操作者と離れていても、操作者による自覚式検査の適否を容易に確認することができる。
なお、例えば、出力手段は、取得手段が取得したデータログを、検眼システムの状態を把握することができるように、出力してもよい。すなわち、例えば、出力手段は、視標呈示手段の状態を認識できるように解析されたデータログを出力してもよい。また、例えば、出力手段は、矯正手段の状態を認識できるように解析されたデータログを出力してもよい。
例えば、出力手段は、取得手段が取得したデータログを、外部に出力する構成としてもよい。この場合、出力手段は、表示手段への表示、音声ガイドの発生、メモリやサーバへの保存、プリンタ等への印刷、外部装置への送信、等の少なくともいずれかによって、データログを出力してもよい。
例えば、出力手段は、出力手段による出力形態を切り換える切換信号に応じて、データログの一部を示す第1データログの出力から、データログの一部を示す第1データログとは異なる第2データログを少なくとも含む出力へと、出力を切り換えてもよい。例えば、操作者による操作等によって切換信号が入力され、これに応じて、データログの出力形態が切り換えられてもよい。
例えば、出力手段は、第1データログの出力から、第2データログの出力へと、出力形態を切り換えてもよい。一例としては、操作者によるスクロール操作、スワイプ操作、等の少なくともいずれかによって切換信号が入力され、表示手段の表示画面の外に隠れたデータログが、表示手段の表示画面に表示されてもよい。また、例えば、出力手段は、第1データログの出力から、第1データログおよび第2データログの出力へと、出力形態を切り換えてもよい。一例としては、操作者によるタップ操作等によって切換信号が入力され、表示手段の表示画面において折り畳まれたデータログが、表示手段の表示画面に表示されてもよい。
<表示制御手段>
本実施形態において、検眼システムは、表示制御手段(例えば、制御部280)を備える。表示制御手段は、第1操作手段の表示手段に、第2操作手段の動作を制御するための第1トリガ信号を第2操作手段へ向けて送信するための、前述した第1指示画面を表示させる。
なお、表示制御手段は、第1操作手段の表示手段に、第1指示画面とは異なる画面を表示させてもよい。例えば、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御するための操作信号を送信するための操作画面を表示させてもよい。また、例えば、取得手段が取得したデータログを表示するためのデータログ画面を表示させてもよい。
例えば、表示制御手段は、第1指示画面に標識を表示させてもよい。この場合、表示制御手段は、予め準備されたすべての標識を表示させてもよい。また、この場合、表示制御手段は、予め準備されたすべての標識のうち、所定の標識を表示させてもよい。また、例えば、表示制御手段は、設定手段が設定した配列に基づいて、これらの標識を並び替えてもよい。
また、表示制御手段は、取得手段が取得したデータログを、表示手段に表示させてもよい。この場合、表示制御手段は、取得手段が取得したデータログを、第1操作手段が備える表示手段に表示させてもよい。また、この場合、表示制御手段は、取得手段が取得したデータログを、第1操作手段が備える表示手段とは異なる表示手段に表示させてもよい。
なお、本実施形態においては、第2表示手段が表示手段を有し、第1表示手段と同様にトリガ信号を送信することが可能な構成とされてもよい。より詳細には、表示制御手段が、第2操作手段の表示手段に、第1操作手段の動作を制御するための第2トリガ信号を第1操作手段へ向けて送信するための第2指示画面を表示し、第2操作手段における第2指示画面に対する操作が行われることで、第2操作手段から第1操作手段に向けて第2トリガ信号が送信され、第1操作手段は、第2操作手段から送信された第2トリガ信号に基づいて、検眼システムの動作を補助するための第2指示情報を出力し、第1操作手段と第2操作手段とが、相互に通信可能な構成とされてもよい。
例えば、これによって、検者と補助者は指示情報を送り合うことができる。より詳細には、検者は補助者と離れていても、補助者に指示情報を用いて適切な指示を容易に出すことができるようになる。また、補助者は検者と離れていても、検者に検査の良否等を容易に問うことができるようになる。これによって、検者と補助者は、互いに指示内容や提案内容を伝えやすく、また、互いに確認しながら、自覚式検査を精度よく進めることができる。
なお、本開示は、本実施形態に記載する検眼システムに限定されない。例えば、上記実施形態の機能を行う端末制御ソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種の記憶媒体等を介して、検眼システムに供給し、検眼システムの制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出して実行することも可能である。
<実施例>
本実施形態に関わる検眼システムの一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、検眼システム1の一例である。検眼システム1は、自覚式検眼装置100(以下、検眼装置100)、検者用の検眼用コントローラ200(以下、コントローラ200)、補助者用の検眼用コントローラ400(以下、コントローラ400)、等を備える。検眼装置100、コントローラ200、およびコントローラ400は、図示なき通信部を備え、有線あるいは無線のネットワークを介して、互いに接続される。
例えば、検眼システム1では、検眼装置100、コントローラ200、およびコントローラ400が、共有サーバ300を介して接続される。共有サーバ300は、検眼装置100のから制御指令を受けて、コントローラ200およびコントローラ400の少なくともいずれかを制御する。また、共有サーバ300は、コントローラ200およびコントローラ400の少なくともいずれかから制御指令を受けて、検眼装置100を制御する。また、共有サーバ300は、コントローラ200から制御指令を受けて、コントローラ400を制御する。また、共有サーバ300は、コントローラ400から制御指令を受けて、コントローラ200を制御する。
なお、共有サーバ300は、必ずしも必須の構成ではなく、検眼装置100からの制御指令をコントローラ200およびコントローラ400の少なくともいずれかが受信してもよい。また、コントローラ200およびコントローラ400の少なくともいずれかからの制御指令を検眼装置100が受信してもよい。また、コントローラ200からの制御指令をコントローラ400が受信してもよい。また、コントローラ400からの制御指令をコントローラ200が受信してもよい。
図2は、検眼システム1の使用例である。図2では、被検者Sと、検者Dおよび被検者Sを補助する補助者Aと、が居る検査室R1に、検眼装置100とコントローラ400とを設置し、検者Dが居る観察室R2にコントローラ200を配置する場合を例に挙げる。つまり、補助者Aが、検眼装置100を補助者用に設けられたコントローラ400で操作し、検者Dが、検眼装置100を検者用に設けられたコントローラ200で遠隔操作する場合を例に挙げる。
なお、検眼装置100における各動作に対して、コントローラ200を用いて制御することができる動作と、コントローラ400を用いて制御することができる動作と、は予め割り振られていてもよい。また、検査室R1には、検査室R1内を撮影する撮影カメラ500が設置されてもよい。また、観察室R2には、撮影カメラ500の映像を表示するモニタ600が設置されてもよい。
<検眼装置>
図3は、検眼装置100の概略図である。例えば、検眼装置100は、筐体110、呈示窓111、保持アーム112、観察窓113、眼屈折力測定ユニット120(以下、測定ユニット120)、制御部170(図9参照)、等を備える。
筐体110の正面には、呈示窓111が設けられる。筐体110の内部には、後述する投影光学系160が収納される。筐体110の背面には、観察窓113が設けられる。
呈示窓111は、被検眼に視標を呈示するための窓である。呈示窓111は、投影光学系160における視標光束を透過させ、呈示窓111を介した視標光束を被検眼に投影する。
保持アーム112は、測定ユニット120を保持する。保持アーム112は、測定ユニット120を、所定の位置に配置するように保持する。例えば、本実施例では、筺体2の正面に測定ユニット120を下降させた測定位置、または、筺体2の上部に測定ユニット120を上昇させた待機位置、の少なくともいずれかの位置に配置するように保持される。なお、保持アーム112による測定位置と退避位置との切り換えは、図示なき駆動部の制御により行われる。
観察窓113は、被検眼Eの瞳孔中心と、後述の検眼窓132と、の位置を確認する窓である。観察窓113は、被検眼Eの瞳孔を確認することができる位置に配置される。また、観察窓113は、後述する投影光学系160の視標光束が通過する光路の光路外に配置される。本実施例では、観察窓113を視標光束の光路の上方に配置することで、光路外としている。これにより、ディスプレイ161に表示した視標が欠けることなく被検眼Eに呈示される。
例えば、補助者A(補助者眼AE)は、観察窓113を覗き、筐体110の外部から呈示窓111を介して被検眼Eと検眼窓132との位置を観察することによって、被検眼Eと測定ユニット120との位置関係を把握できる。
<投影光学系>
図4は、投影光学系160の概略図である。例えば、投影光学系160は、ディスプレイ161、平面ミラー162、凹面ミラー163、ハーフミラー164、撮像素子165、等を備える。
ディスプレイ161は、視標(例えば、固視標、検査視標、等)を表示する。ディスプレイ161から出射した視標光束は、被検眼Eに導光される。例えば、ディスプレイ161から出射した視標光束は、被検眼Eの眼前に配置される測定ユニット120を介して、被検眼Eに導光される。ディスプレイ161の表示は、後述の制御部170に制御される。
平面ミラー162は、ディスプレイ161からの視標光束を反射させ、凹面ミラー163へ導光する。なお、平面ミラー162の代わりに、プリズム、ビームスプリッタ、ハーフミラー、等を用いて、ディスプレイ161からの視標光束を凹面ミラー163へ導光する構成としてもよい。
凹面ミラー163は、ディスプレイ161からの視標光束を反射させ、ハーフミラー164へ導光する。例えば、凹面ミラー163の焦点距離は、ディスプレイ161から被検眼Eまでの光学距離が5mとなるように設計されている。なお、凹面ミラー163の代わりに、非球面ミラー、自由曲面ミラー、レンズ、等を用いて、ディスプレイ161からの視標光束をハーフミラー164へ導光する構成としてもよい。
ハーフミラー164は、ディスプレイ161からの視標光束を反射させ、被検眼Eへ導光する。なお、ハーフミラー164の代わりに、プリズム、ビームスプリッタ、平面ミラー、等を用いて、ディスプレイ161からの視標光束を被検眼Eへ導光する構成としてもよい。
撮像素子165は、ハーフミラー164における透過方向に配置される。撮像素子165は、被検眼Eおよび測定ユニット120を、被検眼Eを正面方向から撮像する。例えば、撮像素子165により撮像された撮像画像(第1画像)は、共有サーバ300を経由してコントローラ200へ送信され、コントローラ200が有するモニタ220へ表示されてもよい。例えば、検者Dは、第1画像を用いて被検眼Eと検眼窓132との位置を観察することによって、被検眼Eと測定ユニット120との位置関係を把握できる。撮像素子165による撮影は、制御部170に制御される。
例えば、被検眼Eに対する自覚式検査時は、ディスプレイ161から出射した視標光束が、光軸L1を通過して平面ミラー162に反射され、光軸L2を通過して凹面ミラー163に反射され、光軸L3を通過してハーフミラー164に反射され、光軸L4を通過して被検眼Eに投影される。
<眼屈折力測定ユニット>
図5は、測定ユニット120の概略図である。測定ユニット120は、額当て121、レンズユニット130、移動ユニット140、角膜位置照準ユニット150(以下、照準ユニット150)、等を備える。
額当て121には、被検者の頭部が当接される。額当て121は、駆動部122により、前後方向(Z方向)の位置が調整される。このため、被検眼Eが後述の検眼窓132に対して所定の距離に保たれる。例えば、額当て121の位置は、コントローラ200から操作信号を発し、駆動部122を制御することで、適宜、変更することができる。また、例えば、額当て121の位置は、コントローラ400から操作信号を発し、駆動部122を制御することで、適宜、変更することができる。なお、例えば、駆動部122は、モータ、ソレノイド、等により構成されてもよい。
額当て121には、検出器123が設けられる。検出器123は、被検者の頭部と額当て121との当接を検出する。例えば、検出器123は、光センサ、圧力センサ、荷重センサ、等であってもよい。
レンズユニット130は、左右一対の左レンズユニット130Lと右レンズユニット130Rとを有する。レンズユニット130は、レンズディスク131(左レンズディスク131Lと右レンズディスク131R)、検眼窓132(左検眼窓132Lと右検眼窓132R)、等を備える。
レンズディスク131には、複数の光学素子133(左光学素子133Lと右光学素子133R)が、同一円周上に配置される。例えば、光学素子133は、球面レンズ、円柱レンズ、プリズムレンズ、等である。なお、レンズディスク131と光学素子133の詳細は、例えば、特開2007−68574号公報を参照されたい。
レンズディスク131は、駆動部134(左駆動部134Lと右駆動部134R)によって回転される。例えば、レンズディスク131の回転角度は、コントローラ200から操作信号を発し、駆動部134を制御することで、適宜、変更することができる。また、光学素子133は、駆動部135(左駆動部135Lと右駆動部135R)によって回転される。例えば、光学素子133の回転角度は、コントローラ200から操作信号を発し、駆動部135を制御することで、適宜、変更することができる。なお、例えば、駆動部134と駆動部135は、モータ、ソレノイド、等により構成されてもよい。
検眼窓132には、レンズディスク131の回転にともない、光学素子133が切り換え配置される。このため、被検眼Eの眼前には、検者が所望する光学素子133が、所望する回転角度で配置される。
移動ユニット140は、駆動部141(左駆動部141Lと右駆動部141R)によって、レンズユニット130を左右方向(X方向)へ移動させる。例えば、左駆動部141Lにより左レンズユニット130Lを移動させ、右駆動部141Rにより右レンズユニット130Rを移動させることで、各レンズユニット間の距離が調整される。例えば、レンズユニット130の移動は、コントローラ200から操作信号を発し、駆動部141を制御することで、適宜、変更することができる。なお、例えば、駆動部141は、モータ、スライド機構、等により構成されてもよい。これによって、被検眼Eの瞳孔間距離PDに合わせ、検眼窓132の間隔を調整することができる。
また移動ユニット140は、駆動部142によって、レンズユニット130を輻輳方向へ回転させる。例えば、駆動部142により左レンズユニット130Lと右レンズユニット130Rとをともに回転させることで、各レンズユニットにおける輻輳角度(内寄せ角度)が調整される。例えば、レンズユニット130の回転は、被検眼Eの瞳孔間距離PD、被検眼Eから視標までの距離(すなわち、被検眼Eに視標を呈示する呈示距離)、等に応じて、駆動部142が制御されることで、適宜、変更される。なお、例えば、駆動部141は、モータ、輻輳機構、等により構成されてもよい。
図6は、照準ユニット150の概略図である。図6では、左レンズユニット130Lに設けられる左照準ユニット150Lを図示し、右レンズユニット130Rに設けられる右角照準ユニット150Rは、左右対称な構成であるため省略する。照準ユニット150Lは、照準光学系151を備える。照準光学系151は、第1観察窓152、第2観察窓153、ハーフミラー154、撮像素子155、等を備える。
第1観察窓152と第2観察窓153は、被検眼Eの角膜頂点位置と、レンズ装用時の基準位置と、の距離を確認する窓である。第1観察窓152は、ハーフミラー154における一方の反射方向に配置される。第1観察窓152には、照準目盛板156(図6参照)が設けられる。第2観察窓153は、ハーフミラー154における他方の反射方向に配置される。第2観察窓153には、レチクル板157(図6参照)が設けられる。なお、照準目盛板156とレチクル板157との詳細な構成については、例えば、特開2004−229769号公報を参照されたい。
ハーフミラー154は、被検眼Eの側方向(X方向)に配置される。ハーフミラー154は、被検眼Eに照射され、被検眼Eにて反射された照明光束を、透過あるいは反射させる。撮像素子155は、ハーフミラー154における透過方向に配置される。
撮像素子155は、ハーフミラー154および第1観察窓152を介して、被検眼Eの角膜を側面方向から撮像する。例えば、撮像素子155により撮像された撮像画像(第2画像)は、共有サーバ300を経由してコントローラ200へ送信され、コントローラ200が有するモニタ220へ表示されてもよい。例えば、検者Dは、第2画像を用いて、被検眼Eと、照準目盛板156が有する図示なき目盛線と、の位置を観察することによって、被検眼Eと測定ユニット120との位置関係を把握できる。撮像素子155による撮影は、制御部170に制御される。
例えば、補助者A(補助者眼AE)は、第2観察窓153を覗き、ハーフミラー154および第1観察窓152を介して、被検眼Eを観察することによって、被検眼Eと測定ユニット120との位置関係を把握できる。
<検者用コントローラ>
例えば、コントローラ200は、スイッチ部210、モニタ220、制御部280(図9参照)、等を備える。
スイッチ部210は、検眼装置100を操作するための操作部である。例えば、ディスプレイ161における視標の表示を変更することができる。また、例えば、測定ユニット120における、額当て121の位置、レンズユニット130の移動、レンズディスク131の回転角度、光学素子133の回転角度、等の少なくともいずれかを変更することができる。スイッチ部210からの操作指示に応じた信号は、共有サーバ300を経由して検眼装置100へ送信される。
モニタ220は、各種の情報を表示する。モニタ220はタッチパネルであってもよく、モニタ220が操作部の機能を兼ねてもよい。モニタ220は、第1操作画面、第1指示画面、データログ画面、等の少なくともいずれかを表示することができる(図7参照)。例えば、第1操作画面は、ディスプレイ161における視標の表示、測定ユニット120におけるレンズディスク131や光学素子133の切り換え、等を制御するための操作信号を入力するために用いられる。また、例えば、第1操作画面は、被検眼Eの測定結果を確認するために用いられる。例えば、第1指示画面は、補助者Aに対する提案や指示を伝達するためのトリガとなるトリガ信号を入力するために用いられる。例えば、データログ画面は、前述の操作信号に基づいてディスプレイ161や測定ユニット120が制御された際における、検眼システム1の状態を示すデータログ(以下、ログと称す)を確認するために用いられる。
なお、モニタ220は、その表示領域に、第1操作画面、第1指示画面、データログ画面、等のすべての画面を表示してもよい。また、モニタ220は、その表示領域に、第1操作画面、第1指示画面、データログ画面、等を1画面ずつ表示してもよい。すなわち、これらの画面を切り換え可能に表示してもよい。もちろん、モニタ220は、その表示領域に、第1操作画面、第1指示画面、データログ画面、等のいずれかの画面を組み合わせて表示してもよい。
図7は、モニタ220の一例である。図7(a)は、第1操作画面221、第1指示画面222、およびデータログ画面223の一例である。図7(b)は、データログ画面223の一例である。例えば、本実施例において、図7(a)のデータログ画面223には一部のログが表示され、図7(b)のデータログ画面223にはすべてのログが表示される。例えば、データログ画面223の表示形態を切り換えることで、ログの部分表示と全表示とを変更することができる(詳細は後述する)。
図7(a)に示す第1操作画面221には、視標切換スイッチ224、結果画像225、第1画像226、第2画像227、第3画像228、等が表示されてもよい。
視標切換スイッチ231は、ディスプレイ161に表示させる視標を変更するためのスイッチである。視標切換スイッチ231から入力される操作信号は、制御部280によって検眼装置100へと送信される。結果画像225は、被検眼Eに対する自覚式検査の検査結果を示す画像である。第1画像226は、投影光学系160が備える撮像素子165が、被検眼Eを正面方向から撮像した画像である。第2画像227は、照準ユニット150が備える撮像素子155が、被検眼Eを側面方向から撮像した画像である。第3画像228は、額当て121に設けられた検出器123が、被検者の頭部と額当て121との接触を検出した検出結果を示す画像である。
図7(a)に示す第1指示画面222には、指示入力スイッチ229が表示されてもよい。指示入力スイッチ229は、補助者Aへの指示を入力するためのスイッチである。指示スイッチ291から入力されるトリガ信号は、制御部280によってコントローラ400へと送信される。
指示入力スイッチ291には、被検者Sが呈示された視標を確認する際の測定姿勢に関する動作を指示するためのスイッチが含まれてもよい。このようなスイッチを用いて、被検眼Eと測定ユニット120とのずれ(例えば、額当て121の位置、レンズユニット130の間隔)、被検眼Eの開瞼状態(例えば、細目)、等を改善させるための指示を入力できてもよい。また、指示スイッチ291には、補助者Aが、視標の表示を変更する手順、レンズディスク131や光学素子133を切り換える手順、等に関する動作を指示するためのスイッチが含まれてもよい。このようなスイッチを用いて、視標の変更、矯正度数の変更、調整項目(後述)の変更、測定のやりなおし、測定のスキップ、測定の終了、等を促すための指示を入力できてもよい。
例えば、各々の指示入力スイッチは、補助者Aへの指示内容を簡単な絵柄や文字で記号化したアイコンで表されてもよい。また、例えば、各々の指示スイッチから入力されるトリガ信号は、後述の指示情報492と対応付けられていてもよい。
図7(b)に示すデータログ画面223には、視標情報230を示すログと、矯正情報231を示すログと、の少なくともいずれかを示すログが含まれてもよい。
視標情報224は、被検眼Eに呈示した視標に関する情報であればよい。例えば、視標情報224は、ディスプレイ161に表示させた視標の種類を示す情報であってもよい。また、例えば、視標情報224は、ディスプレイ161に表示させた視標の視力値を示す情報であってもよい。もちろん、視標情報224は、視標の種類と視標の視力値とをいずれも示す情報であってもよい。
矯正情報225は、被検眼Eの矯正に関する情報であればよい。例えば、矯正情報231は、被検眼Eを光学素子133によって矯正した対象眼(左眼または右眼のいずれか)を示す情報であってもよい。また、例えば、矯正情報231は、被検眼Eに対して矯正度数を調整した調整項目を示す情報であってもよい。また、例えば、矯正情報231は、被検眼Eを矯正した矯正度数を示す情報であってもよい。もちろん、矯正情報225は、対象眼、調整項目、矯正度数、の少なくともいずれかを示す情報であってもよい。
なお、指示情報224や矯正情報225は、強調表示や色分け表示がなされてもよい。例えば、対象眼と調整項目に対応した矯正度数が強調表示されてもよい。一例として、左眼の球面度数を調整した場合は、これに対応する球面度数の値を強調して表示してもよい。また、例えば、視標の種類、調整項目、等で色分け表示されてもよい。一例として、球面度数、円柱度数、乱視軸角度、の各々の調整項目毎に色を分けて表示してもよい。
データログ画面223には、スクロールバー228が表示されてもよい。スクロールバー228は、各々のログが表示領域におさまらない場合に表示される。例えば、スクロールバー228をスライドさせることで、表示領域の外に隠れたログが表示可能になる。
<補助者用コントローラ>
例えば、コントローラ400は、スイッチ部410、モニタ420、制御部450(図9参照)、等を備える。
スイッチ部410は、検眼装置100を操作するための操作部である。例えば、ディスプレイ161における視標の表示を変更することができる。また、例えば、測定ユニット120における、額当て121の位置、レンズユニット130の移動、レンズディスク131の回転角度、光学素子133の回転角度、等の少なくともいずれかを変更することができる。スイッチ部410からの操作指示に応じた信号は、共有サーバ300を経由して検眼装置100へ送信される。
モニタ420は、各種の情報を表示する。モニタ420はタッチパネルであってもよく、モニタ420がスイッチ部410の機能を兼ねてもよい。モニタ420は、第2操作画面、第2指示画面、等の少なくともいずれかを表示することができる(図8参照)。
例えば、第2操作画面は、ディスプレイ161における視標の表示、測定ユニット120におけるレンズディスク131や光学素子133の切り換え、等を制御するための操作信号を入力するために用いられる。また、例えば、第2操作画面は、被検眼Eに対する測定ユニット120の移動、等を制御するための操作信号を入力するために用いられる。また、第2操作画面は、被検眼Eの測定結果を確認するために用いられる。例えば、第2指示画面は、検者Dからの提案や指示を確認するために用いられる。また、例えば、第2指示画面は、補助者Aから検者Dへ問い合わせ等の要求を行うために用いられる。
なお、モニタ420は、その表示領域に、第2操作画面と第2指示画面をいずれも表示してもよい。また、モニタ420は、その表示領域に、第2操作画面と第2指示画面を組み合わせて表示してもよい。すなわち、これらの画面を切り換え可能に表示してもよい。
図8は、モニタ440の一例である。例えば、本実施例では、モニタ420の表示領域に、第2操作画面421と第2指示画面422とがともに表示される。
第2操作画面421には、前述の、視標切換スイッチ224、結果画像225、第1画像226、第2画像227、第3画像228、等が表示されてもよい。第2操作画面421には、さらに、ユニット調整スイッチ423と、額当て調整スイッチ424と、が表示されてもよい。ユニット調整スイッチ423は、レンズユニット130の間隔を変更するためのスイッチである。額当て調整スイッチ424は、額当て121の位置を変更するためのスイッチである。これらのスイッチからから入力される操作信号は、制御部450によって検眼装置100へと送信される。
指示情報画面422は、要求スイッチ425、指示情報426、等が表示されてもよい。要求スイッチ425は、検者Dからの補助を要求するためのスイッチである。言い換えると、要求スイッチ425は、検者用コントローラ200に、補助者用コントローラ400から入力したトリガ信号に対応する指示情報を出力させるためのスイッチである。要求スイッチ425から入力されるトリガ信号は、制御部450によってコントローラ200へと送信される。
指示情報426は、指示入力スイッチ291から入力されるトリガ信号と対応付けられた、被検者Sの測定姿勢および補助者Aの測定手順の少なくともいずれかの動作に対する指示内容を示す情報である。例えば、指示情報426は、検者Dからの指示内容を簡単な絵柄や文字で記号化したアイコンで表されてもよい。また、例えば、指示情報426は、検者Dからの指示内容を示すメッセージで表されてもよい。もちろん、指示情報426は、これらの組み合わせであってもよい。
<制御系>
図9は、検眼システム1の制御系を示す図である。例えば、共有サーバ300は、制御部301、メモリ302、等を備える。
制御部301は、一般的なCPU、RAM、ROM、等で構成される。例えば、CPUは、検眼装置100に対するコントローラ200およびコントローラ400からの通信、コントローラ200に対する検眼装置100およびコントローラ400からの通信、コントローラ400に対する検眼装置100およびコントローラ200からの通信、等を制御してもよい。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶してもよい。例えば、ROMには、検眼装置100の動作を制御するためのプログラム、コントローラ200の動作を制御するためのプログラム、等が記憶されてもよい。
制御部301には、検眼装置100における制御部170、コントローラ200における制御部280、コントローラ400における制御部450、等が電気的に接続される。制御部170には、投影光学系160における、ディスプレイ161、撮像素子165、等が電気的に接続される。また、制御部170には、測定ユニット120における、各々の駆動部(駆動部122、駆動部134、駆動部135、駆動部141、駆動部142)、検出器123、撮像素子155、等が電気的に接続される。制御部280には、スイッチ部210、モニタ220、等が電気的に接続される。制御部450には、スイッチ部410、モニタ420、等が電気的に接続される。もちろん、制御部301には、コントローラ400が有する各部材、撮影カメラ500が有する各部材、モニタ600が有する各部材、等が電気的に接続されてもよい。
メモリ302は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる、非一過性の記憶媒体である。例えば、メモリ302としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、USBメモリ、等を使用することができる。例えば、メモリ302には、ディスプレイ161に表示させる視標のデータ、撮像素子165に撮像された第1画像260、撮像素子155に撮像された第2画像270、等が記憶されてもよい。
<動作>
上記の検眼システム1を用いて、被検者S(被検眼E)に対して補助者Aが自覚式検査を行う動作について説明する。
<被検眼と測定ユニットの位置合わせ>
被検眼Eの自覚式検査を開始する際には、被検眼Eと測定ユニット120の位置合わせが行われる。補助者Aは、被検者Sに、顔を額当て121に当接させ、検眼窓132と呈示窓111を介して、ディスプレイ161を観察するように指示を出す。
このとき、検眼装置100の制御部170は、被検眼Eを正面方向から撮像した第1画像226、被検眼Eを側面方向から撮像した第2画像227、および検出器123の検出結果を示す第3画像228を、コントローラ200の制御部280と、コントローラ400の制御部450と、へそれぞれ送信する。制御部280は、各々の画像を受信してモニタ220へ表示する。また、制御部450は、各々の画像を受信してモニタ420(第2操作画面421)へ表示する。これにより、検者Dと補助者Aとは、第1画像226、第2画像227、および第3画像228を確認できるようになる。
補助者Aは、被検者Sの瞳孔間距離を予め測定しておき、コントローラ400を用いて、その値を入力する。検眼装置100の制御部170は、駆動部141を駆動させてレンズユニット130を左右方向(X方向)へ移動させる。ここで、補助者Aは、第1画像226を確認するか、あるいは観察窓113を覗いて、被検眼Eの瞳孔中心位置と、検眼窓132の位置と、を確認する。また、補助者Aは、必要に応じてユニット調整スイッチ423を操作し、被検眼Eの瞳孔中心位置に対するレンズユニット130の間隔を調整する。これによって、被検眼Eの瞳孔間距離に、検眼窓132が合わせられる。
さらに、補助者Aは、第2画像227を確認するか、または第2観察窓153を覗いて、被検眼Eの角膜頂点位置と、検眼窓132の位置と、を確認する。また、補助者Aは、必要に応じて額当て調整スイッチ424を操作し、額当て121の位置を調整する。検眼装置100の制御部170は、駆動部122を駆動させて額当て121を前後方向(Z方向)へ移動させ、検眼窓132に対する額当て121の位置を変更する。これによって、被検眼Eの角膜頂点位置が、レンズ装用時の基準位置に合わせられる。
<被検眼に対する自覚式検査>
被検眼Eと測定ユニット120との位置合わせが完了すると、被検眼Eの自覚式検査が開始される。補助者Aは、スイッチ部410およびモニタ420(第2操作画面421)の少なくともいずれかを操作し、所定の視標と、所望の矯正度数と、をそれぞれ設定する。例えば、補助者Aは、視標切換スイッチ231を操作し、視標の種類と、視標の視力値と、をそれぞれ設定してもよい。また、例えば、補助者Aは、スイッチ部410を操作し、所望の矯正度数(例えば、0D)を設定してもよい。コントローラ400の制御部450は、スイッチ部410およびモニタ420(第2操作画面421)の少なくともいずれかから入力された操作信号を、検眼装置100へと送信する。検眼装置100の制御部170は、操作信号に基づいて、測定ユニット120を制御する。
例えば、制御部170は、駆動部134を制御してレンズディスク131の回転角度を変更し、所定の球面度数をもつ光学素子133を検眼窓132に配置する。また、例えば、制御部170は、駆動部134を制御してレンズディスク131の回転角度を変更し、所定の円柱度数をもつ光学素子133を検眼窓132に配置する。また、例えば、制御部170は、駆動部135を制御して、所定の円柱度数をもつ光学素子133を、所定の回転角度で検眼窓132に配置する。これによって、ディスプレイ161からの視標光束が光学素子133を介して網膜上で集光するように(すなわち、被検眼Eの眼屈折度が0Dとなるように)、被検眼Eが矯正される。
補助者Aは、視標切換スイッチ231を操作し、被検眼Eに呈示する視標を切り換えながら、被検眼Eを矯正する矯正度数が適切であるかを確認する。被検眼Eを矯正する矯正度数が不適切であった場合等には、被検眼Eの眼屈折度を0Dとは異なる値で矯正し、再度、矯正度数が適切であるかを確認してもよい。このとき、補助者Aが被検眼Eに呈示した視標の種類と視力値、被検眼Eに付加した矯正度数、矯正度数の調整項目、測定の対象眼、等を示すログは、逐次、メモリ302に記憶(蓄積)される。
<検者と補助者のコミュニケーション>
例えば、補助者Aが自覚式検査に不慣れな場合、補助者Aは検者Dからの補助を要求することがあり、検者Dは補助者Aに測定状況を確認することがある。しかし、補助者Aと検者Dとは別室に居るため、互いにコミュニケーションをとることが難しい。
このため、本実施例では、検者Dが操作するコントローラ200から、補助者Aが操作するコントローラ400に向けて、指示情報426を送信できるように、検眼システムが構築される。これによって、補助者Aと検者Dが離れていても、補助の要求、測定状況の把握、情報の共有、次に行う動作の指示、等が容易に行われる。
補助者Aは、コントローラ400を操作し、検者Dからの補助が必要なときに、要求スイッチ425を選択する。コントローラ400の制御部450は、要求スイッチ425から入力されたトリガ信号を、コントローラ200の制御部280へと送信する。例えば、制御部280は、トリガ信号に基づいて、図示なきスピーカから、補助者Aが補助を要求している旨の指示情報を、音声ガイドとして発生させる。
検者Dは、補助者Aからの要求に応じ、被検眼Eの測定状況を把握するために、第1操作画面221およびデータログ画面223を確認する。例えば、検者Dは、被検者Sが呈示された視標を確認する際の測定姿勢を把握するため、第1操作画面221における第1画像226、第2画像227、および第3画像228の少なくともいずれかを確認する。また、例えば、検者Dは、補助者Aが視標や光学素子133を切り換えた手順を把握するため、データログ画面223における視標情報224と矯正情報225との少なくともいずれかを確認する。また、検者Dは、補助者Aが行う次の動作等を被検眼Eの測定状況に応じて判断し、適宜、第1指示画面222を操作して補助者Aに指示を出す。
まず、被検者Sの測定姿勢の把握と次の動作の指示について説明する。
一例として、検者Dは、第1画像226を用いて被検眼Eの開瞼状態を確認し、被検眼Eが細目になっていれば、指示入力スイッチ229から該当するアイコンを選択する。例えば、細目になっていることを報知する内容を表すアイコン229a(図8参照)を選択する。また、一例として、検者Dは、第1画像226を用いて被検眼Eの瞳孔中心位置と検眼窓132の中心位置とが略一致するかを確認し、これらが一致しない場合は、指示スイッチ291から該当するアイコンを選択する。例えば、レンズユニット130の間隔を狭くする内容を表すアイコン229b(図8参照)を選択する。
コントローラ200の制御部280は、アイコン229aおよびアイコン229bから入力されたトリガ信号を、コントローラ400の制御部450へと送信する。制御部450は、これらのトリガ信号に対応付けられた、検者Dからの指示内容を示す指示情報426を、指示情報画面422へ表示させる。例えば、アイコン229aと同一のイラストと、細目になっている旨を表すメッセージと、を表示させてもよい。また、例えば、アイコン229bと同一のイラストと、レンズユニット130の間隔を狭くする旨を表すメッセージと、を表示させてもよい。
補助者Aは、指示情報426を確認することで、被検者Sの測定姿勢が不適切であることを認識できる。また、補助者Aは、被検者Sに適切な指示を出して細目を改善させたり、被検者S(被検眼E)に対して測定ユニット120を適切な位置に配置させたりできる。
なお、上記では、検者Dが、第1画像226を用いて被検眼Eと検眼窓132との左右方向(X方向)のずれを判断する場合を例に挙げたが、これに限定されない。検者Dは、第2画像227を用いて被検眼Eと検眼窓132との前後方向(Z方向)のずれを判断してもよい。また、検者Dは、第3画像228を用いて被検者の頭部と額当て121とが当接しているか否かを判断してもよい。例えば、これらの場合においても、検者Dは所定のアイコンを選択することで、補助者Aにその旨を報知するとともに、補助者Aの次の動作を指示することができる。
次に、補助者Aによる視標や光学素子を切り換える手順の把握と次の動作の指示について説明する。
一例として、検者Dは、視標情報224を用いて、被検眼Eに呈示された視標の種類や視力値の推移を確認し、これらが不適切であれば、指示入力スイッチ229から該当するアイコンを選択する。例えば、視標の変更を促す内容を表すアイコン229cを選択する。また、一例として、検者Dは、矯正情報225を用いて、被検眼Eが矯正された矯正度数の推移を確認し、これが不適切であれば、指示入力スイッチ229から該当するアイコンを選択する。例えば、矯正度数の変更を促す内容を表すアイコン229dを選択する。
コントローラ200の制御部280は、アイコン229cおよびアイコン229dから入力されたトリガ信号を、コントローラ400の制御部450へと送信する。制御部450は、これらのトリガ信号に対応付けられた、検者Dからの指示内容を示す指示情報426を、指示情報画面422へ表示させる。例えば、アイコン229cと同一のイラストと、視標を変更する旨を表すメッセージと、を表示させてもよい。また、例えば、アイコン229dと同一のイラストと、矯正度数を変更する旨を表すメッセージと、を表示させてもよい。
補助者Aは、指示情報426を確認することで、補助者Aによる視標や矯正度数の設定が不適切であったことを認識できる。また、補助者Aは、視標や矯正度数を適宜変更し、再度、測定を実施したりできる。
<検者によるデータログの確認>
検者Dは、被検眼Eの測定状況によっては、補助者Aが測定をどのように進めたかを、補助者Aに確認することがある。例えば、被検眼Eの自覚値の変化が徐々に小さくならない場合等に、補助者Aによる一連の測定の流れを確認することがある。しかし、検者Dと補助者Aとは別室に居り、検者Dは補助者Aの測定の動作を把握することが難しい。
このため、本実施例では、検者Dが操作するコントローラ200に、検眼システムの状態を示すログを表示できるように、検眼システムが構築される。例えば、検眼システムの状態を示すログは、検眼装置100の制御部170によって、ディスプレイ161の表示が制御された際のシステムの状態を示すログでもよい。また、検眼システムの状態を示すログは、制御部170によって、レンズディスク131の回転角度、光学素子133の回転角度、等の少なくともいずれかが制御された際の状態を示すログでもよい。なお、これらのログは、各々の状態が容易に認識できるよう、解析されてもよい。
例えば、本実施例では、図7(a)に示すデータログ画面223に、制御部170が所定の制御を実行する前の検眼システムの状態(すなわち、1操作前の状態)を示すログと、所定の制御を実行した後の検眼システムの状態を示すログと、が表示される。なお、これらのログは、視標情報224に含まれる情報と、矯正情報225に含まれる情報と、における一部のログであってもよい。例えば、本実施例では、視標情報224として、視標の種類と視力値がいずれも表示されるが、矯正情報225として、対象眼と調整項目に対応した矯正度数値(つまり、球面度数値、円柱度数値、乱視軸角度のいずれか)のみが表示されてもよい。
検者Dは、このようなデータログ画面223を用いて、視標情報224および矯正情報225を示すログを確認し、補助者Aが被検眼Eに呈示した視標の種類と視力値、被検眼Eに付加した矯正度数値、矯正度数値を調整した調整項目、測定の対象眼、等の情報から、被検眼Eの測定状況を把握する。例えば、検者Dは、第1操作画面221と合わせてデータログ画面223を確認することで、補助者Aが呈示した視標の適否、設定した矯正度数の適否、等を把握することができる。
なお、例えば、検者Dは、スイッチ部210またはモニタ220のいずれかを操作し、画面切換スイッチ229を選択してもよい。コントローラ200の制御部280は、画面切換スイッチ229から入力された切換信号に基づき、モニタ220におけるデータログ画面223の表示モードを切り換える。例えば、図7(a)に示すような、視標情報224および矯正情報225に含まれる情報の一部を表示させる折り畳み表示モードと、図7(b)に示すような、視標情報224および矯正情報225に含まれる情報のすべてを表示させる全表示モードと、を切り換える。一例として、全表示モードでは、左眼と右眼のそれぞれに対する球面度数値、円柱度数値、乱視軸角度がすべて表示される。
検者Dは、スクロールバー228を操作して、視標情報224および矯正情報225を示すログを全体的に確認し、被検眼Eの測定状況を把握してもよい。例えば、検者Dは、補助者Aが呈示した視標の適否や設定した矯正度数の適否に加えて、視標や矯正度数を切り換える手順の適否、視標や矯正度数を切り換えたタイミングや頻度、等を把握することができる。検者Dは、前述の指示入力スイッチ229から該当するアイコンを選択し、補助者Aに、視標や矯正度数の変更、再測定、等を指示してもよい。
以上、説明したように、例えば、本実施例における検眼システムは、第1操作手段における第1指示画面に対する操作が行われることで、第1操作手段から第2操作手段に向けて第1トリガ信号が送信され、第1操作手段から送信された第1トリガ信号に基づいて、検眼システムの動作を補助するための第1指示情報を第2操作手段が出力する。これによって、検者が操作者(補助者)と離れていても、提案や指示の内容を容易に伝えることができ、自覚式検査が精度よく行われる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、第1指示情報として、少なくとも、被検者が視標呈示手段により呈示される視標を確認する際の測定姿勢を補助する指示情報を、第2操作手段が出力する。検者は、第1指示情報を確認することで、被検者の測定姿勢の良否を判断して、操作者へ適切な指示を伝えることができる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、第1指示情報として、少なくとも、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを操作する手順を補助するための指示情報を、第2操作手段が出力する。検者は、第1指示情報を確認することで、補助者による操作手順の良否を判断して、操作者へ適切な指示を伝えることができる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、第1指示画面に、第1トリガ信号が対応付けられた少なくとも1つの標識が表示され、この少なくとも1つの標識に対する操作に基づいて、第1操作手段から第2操作手段に向けて、標識に応じた第1トリガ信号が送信される。例えば、検者は、標識と第1トリガ信号とが対応付けられていることによって、標識を選択するのみで、適切なトリガ信号を容易に送信することができる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、第2操作手段に第2指示画面が表示され、第2操作手段における第2指示画面に対する操作が行われることで、第2操作手段から第1操作手段に向けて第2トリガ信号が送信され、第1操作手段と前第2操作手段とが相互に通信する。これによって、検者と操作者(補助者)は、指示情報を送り合い、互いに提案や指示の内容を容易に伝えることができる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、視標呈示手段および矯正手段の少なくともいずれかを制御した際における検眼システムの状態を示すデータログを取得して、これを出力させる。検者は、不慣れな操作者(補助者)と離れていても、操作者による自覚式検査の適否を容易に確認することができる。また、検者は、検査の再実施等を判断しやすくなる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、被検眼に呈示した視標に関する視標情報と、被検眼の矯正に関する矯正情報と、の少なくともいずれかのデータログを取得する。これによって、検者は、被検眼に呈示した視標が適切か否か、あるいは、被検眼の矯正状態が適切か否か、等を容易に判断できる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、被検眼に呈示した視標に関する視標情報として、視標の種類および視標の視力値の少なくともいずれかのデータログを取得する。これによって、検者は、被検眼に呈示した視標の種類や視力値が適切か否かを、容易に判断できる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、被検眼の矯正に関する矯正情報として、自覚式検査の対象眼、被検眼に対して矯正度数を調整した調整項目、被検眼を矯正手段により矯正した矯正度数値、の少なくともいずれかのデータログを取得する。これによって、検者は、左眼および右眼に対して、各々の調整項目をどの矯正度数値に設定したかを、容易に判断できる。
また、例えば、本実施例における検眼システムは、出力手段による出力形態を切り換える切換信号に応じて、データログの一部である第1データログの出力から、第1データログとは異なる第2データログを少なくとも含む出力へと切り換える。これによって、例えば、検者は、表示画面の外に隠れたデータログ、折り畳まれて表示されたデータログ、等を容易に確認することができる。
<変容例>
なお、本実施例では、検者Dが操作するコントローラ200から補助者Aが操作するコントローラ400へ指示情報426を送信でき、コントローラ400からコントローラ200へ指示情報(ここでは、補助者Aが補助を要求している旨の音声ガイド)を送信できる構成としたが、これに限定されない。例えば、本実施例では、少なくとも、コントローラ200からコントローラ400へ指示情報を送信できる構成であればよい。
また、本実施例では、検者Dが操作するコントローラ200に、検者Dから補助者Aへの指示の入力に用いる第1指示画面222を表示し、補助者Aが操作するコントローラ400に、検者Dからの指示情報426の出力に用いる第2指示画面422が表示される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、コントローラ200には、第1指示画面222とともに、補助者Aからの指示情報の出力に用いる指示画面が表示されてもよい。また、例えば、コントローラ400には、第2指示画面422とともに、補助者Aから検者Dへの指示の入力に用いる指示画面が表示されてもよい。つまり、コントローラ200とコントローラ400とには、それぞれ、相手への指示の入力に用いる指示画面と、相手からの指示の出力に用いる指示画面と、が設けられてもよい。
例えば、上記のような構成とした場合、検者Dおよび補助者Aは、各々のコントローラの画面に表示された相手への指示内容を示すアイコンを選択することによって、相手のコントローラの画面へ、所定の指示情報を表示させることができる。一例として、検者Dは、補助者Aが次に行う動作を指示するための指示情報等を表示させることができる。また、一例として、補助者Aは、補助者Aの動作が適切か否かを検者に問うための指示情報等を表示させることができる。
なお、本実施例では、検者Dが第1指示画面222を直接的に操作することで(より詳細には、第1指示画面222に表示された指示入力スイッチ229を選択することで)、トリガ信号がコントローラ400へ送信される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施例では、検者Dが第1指示画面222を間接的に操作することで、トリガ信号がコントローラ400へ送信される構成としてもよい。
この場合、第1指示画面222には、指やタッチペンで任意に文字を書き込むことが可能な、書き込み領域が設けられてもよい。また、この場合、第1指示画面222には、キーボード等で任意に文字をタイプすることが可能な、タイピング領域が設けられてもよい。また、この場合、第1指示画面222には、マイク等からの音声を文字に変換して表示する音声変換領域が設けられてもよい。例えば、制御部280は、例えば、制御部280は、書き込み領域、タイピング領域、および音声変換領域に入力された文字を識別し、これを操作信号としてコントローラ400へ送信してもよい。
なお、本実施例では、第1指示画面222に、指示入力スイッチ229として予め準備されたアイコンを表示させる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施例では、第1指示画面222に、指示入力スイッチ229として予め準備されたアイコンのうち、所定のアイコンのみを表示させる構成としてもよい。この場合、検者Dが任意に指定したアイコンのみを表示させてもよい。また、この場合、被検眼Eに対する各々の測定内容に合わせてアイコンを表示させてもよい。一例としては、検者Dまたは補助者Aによる検査モードの切り換え、プログラム検眼による検査モードの切り換え、等に応じて、検査モード毎に予め設定されたアイコンを表示させてもよい。
また、本実施例では、指示入力スイッチ229として準備されたアイコンの並び順を設定することが可能であってもよい。例えば、アイコンの並びは手動で設定されてもよい。この場合、検者Dが、各々の指示内容を表すアイコンと、第1指示画面222におけるアイコンの表示位置と、を予め対応付けてメモリ302に記憶させておくことで、アイコンの並びが設定されてもよい。また、例えば、アイコンの並びは自動的に設定されてもよい。この場合、アイコンの使用頻度等に基づいて、アイコンの並びが設定されてもよい。
例えば、本実施例では、このように、第1指示画面222の標識の表示内容や表示の並び順を設定することができる。これによって、検者は、被検眼に対する検査項目、使用頻度、等に応じて必要な標識を選択しやすくなり、操作性が向上される。
なお、本実施例では、データログ画面223に、視標情報224と矯正情報225が表示される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。本実施例では、補助者Aが被検眼Eに対して実施した検査項目名を示すログが、これらの情報とともに表示されてもよい。例えば、補助者Aが被検眼Eに対してプログラム検眼を実施した場合、予め設定された検査項目が順に進められる。このとき、検眼装置100の制御部170は、各々の検査項目名と、各々の検査項目にて変更された視標や矯正度数と、を対応付けてメモリ302に記憶させる。例えば、コントローラ200の制御部280は、検査項目名を示すログとともに、視標情報224や矯正情報225を示すログをメモリ302から呼び出して、データログ画面223へ表示させてもよい。なお、検眼プログラムにおいて、検査項目名と、各々の検査項目を進める順番と、が対応付けられている場合には、検査番号を示すログが表示されてもよい。
なお、本実施例では、被検眼Eに対して、球面度数、円柱度数、および乱視軸角度、の少なくともいずれかが調整され、これらに対応する記号が、矯正情報225における調整項目の情報として表示される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。もちろん、被検眼Eに対して、これらとは異なる項目が調整され、対応する記号が調整項目の情報として表示されてもよい。一例としては、被検眼Eに対してプリズム値が調整され、プリズム値に対応する「P」等の記号が、調整項目の情報として表示されてもよい。このとき、矯正情報225における矯正度数の情報としては球面度数等とともにプリズム値が表示されてもよいし、プリズム値のみが表示されてもよい。
なお、本実施例では、補助者Aの操作によって、ディスプレイ161の表示、レンズディスク131の回転角度、光学素子133の回転角度、等の少なくともいずれかが制御された際の状態を示すログが、すべてデータログ画面223に表示される構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、このようなログから特定のログが抽出され、特定のログのみがデータログ画面223に表示される構成としてもよい。
特定のログは、補助者Aによる1操作の単位で示されるログでもよい。例えば、補助者Aが、視標の種類、視標の視力値、矯正度数(球面度数、円柱度数、乱視軸角度)、等のいずれかを切り換える1操作の単位で示されるログでもよい。すなわち、制御部170が、ディスプレイ161の表示、レンズディスク131の回転角度、光学素子133の回転角度、等のいずれかを制御する毎に得られるログでもよい。
また、特定のログは、補助者Aによる1検査の単位で示されるログでもよい。例えば、補助者Aが所定の検査項目(例えば、球面検査、乱視検査、等)の開始から終了までに行った操作を含む1検査の単位で示されるログでもよい。すなわち、所定の検査項目の開始から終了までにおいて、ディスプレイ161の表示、レンズディスク131の回転角度、光学素子133の回転角度、等のいずれかを制御する毎に得られるログの集合でもよい。
特定のログは、補助者Aが検者Dに補助を要求したタイミングでの操作(または検査項目)から、少なくとも1操作前(または1検査項目前)のログを含むものであればよい。つまり、特定のログは、1操作前(または1検査項目前)のログのみでもよいし、1操作前(または1検査項目前)のログから任意の操作前(または検査項目前)までのログで示される範囲でもよい。この場合、特定のログの範囲は、検者Dが任意に指定できてもよいし、予め所定の操作数(または検査項目数)に設定されていてもよい。
例えば、このように、特定のログを抽出してモニタ220へ表示可能な構成とすることで、検者は、被検眼の球面情報(一例として、球面度数等)や乱視情報(例えば、円柱度数、乱視軸角度、等)の適否、あるいは、球面情報を得るための球面検査や乱視情報を得するための乱視検査の適否、等に確認することができる。