JPH06165757A - 検影型他覚眼屈折力測定装置 - Google Patents

検影型他覚眼屈折力測定装置

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JPH06165757A
JPH06165757A JP4320941A JP32094192A JPH06165757A JP H06165757 A JPH06165757 A JP H06165757A JP 4320941 A JP4320941 A JP 4320941A JP 32094192 A JP32094192 A JP 32094192A JP H06165757 A JPH06165757 A JP H06165757A
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JP
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light receiving
light
slit
chopper
scanning
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JP4320941A
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English (en)
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Toru Iwane
透 岩根
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/103Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for determining refraction, e.g. refractometers, skiascopes

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  • Veterinary Medicine (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型且つ低価格の眼屈折率測定装置を低供す
ること。 【構成】 チョッパ3は、互いに垂直な2つの縞を形成
し、各々を走査する。また、受光部7には、同一直線上
にない少なくとも3つ(選択図においては4つ)の受光
素子をに配置する。これにより、縞が各受光素子間を通
過する際の時間差を測定する。制御演算部8は該測定デ
−タを用いて所定の演算を行うことにより、球面度数、
円柱度数、円柱軸度を算出する。 【効果】 イメ−ジロ−テ−タをなくし、小型化および
低価格化を図ることができる。また、測定時間の短縮も
図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検影型他覚式眼屈折力
測定装置の測定方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】他覚的に眼の屈折力を測定する方法とし
て検影法がある。従来、該検影法による屈折率測定装置
としては、図11に示すようなものが使用されていた。
該装置は、光源901と、光源901から出た光束をコ
リメートするレンズ902と、コリメ−トされた光をス
リットで切るチョッパー903と、この像を回転させる
イメージローテータ904とが、まず投影系としてあ
る。一方、観測系としては、被検眼から戻る光(言い替
えれば、被検眼の眼底に投影されている映像)を回転さ
せ像を元へ戻すためのイメージローテータ904と、測
定用光学系であるレンズ905とがある。さらに、該レ
ンス905の後段には絞り906および受光部907が
設けられている。該絞り906は、基準の屈折力を持つ
眼の眼底と共役な位置に配置されており、眼の屈折度に
応じた位相の影を受光部907に出す役割をしている。
受光部907は、所定の間隔をおいて上下に配置された
二つの受光素子907u,dから構成されている。
【0003】ここで、検影法による屈折率測定の原理
を、図12〜図14を用いて簡単に説明する。
【0004】被検眼Eの眼底には、前記した投影系によ
って、縞模様が投影されている。そして、該縞模様は、
一定の方向に一定の速度で動かされている。
【0005】被検眼Eの屈折率が正常な場合には、受光
素子907u,dには、ともに、眼底に映っている縞模
様のうち、同一の位置Eaに映っている縞模様が映しだ
される(図12参照)。従って、受光素子907u,d
の明暗は、常に同じ状態に置かれる。つまり、受光素子
907uが明状態にあるときには受光素子907dも明
状態に、907uが暗状態にあるときには受光素子90
7dも暗状態になる。そして、この状態においては、位
置Eaを通過する縞の明暗に対応して、受光部907に
映しだされる映像が、単に点滅を繰り返す(この場合、
受光部907上に縞模様が映し出され、該縞模様が”移
動”するようなことはない)。
【0006】ところが、被検眼Eが近視あるいは遠視の
場合には、受光素子907uには位置Ebに対応した映
像が、一方、受光素子907dには位置Ecにおける映
像が、映しだされることになる。従って、受光素子90
7uと受光素子907dとの明暗状態は、必ずしも一致
しない(図13,図14参照)。さらに、該眼底に映し
だされている縞模様が、(例えば、上から下に)動かさ
れると、近視の場合には、受光部907に映しだされて
いる縞模様も同じ方向(この場合、上から下)に動く
(図13参照)。逆に、遠視の場合には、反対方向(こ
の場合、下から上)に縞模様が動く(図14参照)。そ
して、該受光部907に映った縞の動く速度が、近視あ
るいは遠視の程度と対応している。従って、ある一つの
縞が、受光素子907uを通過した後、受光素子907
dに到達するまでの時間を測定すれば、眼の屈折率を測
定することができる(図15参照)。以上が検影法の基
本原理である。
【0007】ところが、眼の屈折力を測定する際には、
単なる遠視、近視といったことだけではなく、乱視につ
いても考慮する必要がある。すなわち、眼の屈折力には
方向性があるため、該方向性についても考慮しなければ
正確な測定を行なうことができない。例えば、乱視があ
る場合には、眼底に映った縞が、前記受光部907に到
達する前に回転して図16のごとく斜めの状態で受光素
子907u,dの間を横切る。従って、乱視についての
情報を得るためには、前記受光素子間の時間が最大にな
る角度と、最小となる角度とを知る必要がある。そのた
め、従来は、イメ−ジロ−テ−タ904によって像を回
転させることによって、該時間の最大・最小となる角度
を検出していた。
【0008】
【発明が解決しようとする問題】しかし、前記従来の装
置では、屈折率に関するデ−タ(2次元的な量である球
面度数と、円柱度数と、円柱軸度と、の関数として定義
されるディオプタ(焦点距離の逆数))を求めるために
は、スカラーをベクトルに変換する手段であるイメージ
ローテータを測定の間に少なくとも半回転する必要があ
った。
【0009】ところが、イメージローテータ904は一
般的に、回転軸に対して非対称な、大きなプリズムとミ
ラーとから構成されており、非常にバランスの悪いもの
である。従って、これを測定する度に回転させること
は、装置の構造上、大きな負荷となっていた。また、回
転速度を高めることは困難で、測定時間の短縮化を図る
上で大きな障害となっていた。さらに、製造において
も、イメージローテータ904の回転軸等の調整は非常
に困難であった。また、このような構造上、製造上の制
約は、装置の価格を押し上げていた。このように、イメ
ージローテータは、検影型他覚式眼屈折力測定装置の精
度を低下させ、生産を困難にし、価格を引き上げる原因
となっていた。
【0010】そのため、従来からイメ−ジロ−テ−タを
なくした様々な方式が提案されている。例えば、図17
に示した様なチョッパー912に、直交する2方向から
光束を入れ、そのそれぞれを水平・垂直の走査として、
光束を時分割で取りだすことが考えられたことがある。
しかし、この方式では、チョッパー912は極めて精度
よく製作する必要がある。そのような高い精度を達成す
るためには、金属の削りだしで製造しなければならず、
コスト面で問題があった。また、この方式では、光源を
2つ使用しなければならない。ところが、光源は個々に
光量分布や特性が違うため、該光源のバラツキが測定値
に影響をおよぼし、高精度な測定ができないという欠点
があった。こうした理由から、実用的にはこの方式がイ
メージローテータ方式にかわって採用されることはなか
った。
【0011】昨今、屈折力矯正手術や眼内レンズ手術等
において、即時に眼屈折力を測定したいという要求がま
すます大きくなっている。これに応えるためには、装置
本体を圧倒的に小型化し起動性を高めなければならな
い。しかし、上述したとおり、従来装置では、構造上が
小型化を図ることは極めて困難である。
【0012】本発明は、前記問題点を解決し、小型化、
測定の迅速化、低価格化といった要求に応えた他覚眼屈
折力測定装置。
【0013】
【課題を解決しようとするための手段】本発明は前記目
的を達成するためになされたものでその一態様として
は、光源と、前記光源の光を少なくとも二つの方向へス
リット走査するスリット走査手段と、前記スリット走査
された光を被検眼の眼底に投影する投影光学系と、前記
スリット走査された光が前記眼底に投影されることによ
って、前記眼底に形成された陰影を取り出す測定光学系
と、前記測定光学系により取りだされる陰影の、前記ス
リット走査に伴う移動を観測する、同一直線上にない少
なくとも3つの受光手段と、一の前記陰影が、各受光手
段間を通過するに必要な時間(以下”受光手段間時間”
という)を、前記スリット走査の方向毎に計測する計測
手段と、前記被検眼の球面度数と、円柱度数と、円柱軸
度と、前記各受光手段の位置と、前記走査の方向と、前
記計測結果と、の間に成立する連立方程式を解くことに
よって、球面度数、円柱度数、円柱軸度うち少なくとも
一つを算出する演算手段と、を有することを特徴とする
検影型他覚式眼屈折力測定装置が提供される。
【0014】前記スリット走査手段は、前記複数方向の
スリット走査を同時に行うものであり、前記演算手段
は、前記計時手段の計測結果から各スリット走査の方向
ごとの信号を分離する手段を含んで構成されることが好
ましい。
【0015】前記スリット走査手段は、チョッパと、該
チョッパを回転させる回転手段とを有し、前記チョッパ
は、光を透過する透過部と、前記透過部よりも光の透過
率が低い遮光部とを有し、前記透過部と前記遮光部と
は、下記式 r=EXP(tanφ・θ+K/nπ) r:チョッパの中心からの距離 θ:チョッパ上における角度位置 n:スリットの本数 φ:スリット走査の方向を示す角度 K:0,1,2,… で示される曲線をその境界線とするものであることが好
ましい。
【0016】前記計測手段は、一の前記陰影が、一の前
記受光手段上を通過するに要した時間(以下、”半波長
時間”という)を計測する機能を有し、前記演算手段
は、前記受光手段間時間を前記半波長時間で割った値を
用いて、前記連立方程式を解くものであることが好まし
い。
【0017】本発明の他の態様としては、下記式 r=EXP(tanφ・θ+K/nπ) r:中心からの距離 θ:角度位置 n:スリットの本数 φ:スリット走査の方向を示す角度 K:0,1,2,… で示される曲線を輪郭として有する遮光部を有すること
を特徴とするスリット部材が提供される。
【0018】本発明の他の態様としては、光を透過する
透過部と、前記透過部よりも光の透過率が低い遮光部
と、を有し、前記透過部と前記遮光部との境界線は、下
記式 r=EXP(tanφ・θ+K/nπ) r:中心からの距離 θ:角度位置 n:スリットの本数 φ:スリット走査の方向を示す角度 K:0,1,2,… で示される曲線であることを特徴とするスリット部材が
提供される。
【0019】この場合、基板部材を有し、前記透過部は
該基板部材により構成され、前記遮光部は、前記基板部
材の表面および/または内部において形成されているこ
とが好ましい。
【0020】
【作用】光源の発した光は、スリット走査手段により少
なくとも二つの方向へスリット走査される。すなわち、
チョッパは、光源の光をスリット光として取り出す。そ
して、該チョッパを回転手段が回転させせることにより
走査が行われる。
【0021】該スリット走査された光は投影光学系によ
り被検眼の眼底に投影され、該眼底には、該スリットの
パタ−ンに応じた明暗、例えば、縞状の陰影が映しださ
れる。測定光学系は該眼底の陰影をとらえ、受光手段に
投影する。
【0022】この場合、検影法の原理により、受光手段
上における陰影の挙動は被検眼の屈折率に応じて異なる
ものとなる。陰影の動きは、基本的には、スリット走査
をおこなっている周波数に等しいが、一の陰影が各受光
手段間を通過するのに要した時間は、被検眼の屈折度
と、光軸に直交する平面上の各受光手段の配置されてい
る位置によって変化する。この場合、各受光手段間の位
置関係は、一旦決めると動くことはないと考えてよいか
ら、該時間は被検眼の屈折度だけに依存することにな
る。従って、あらかじめ決まった受光手段間における前
記時間を検出し、これらの間に成立している連立方程式
を解けば、屈折度を求めることができる。
【0023】そこで、計測手段により、一の陰影が各受
光手段間を通過するに必要な時間を、スリット走査の方
向毎に計測する。そして、演算手段は、分離手段を用い
て前記計時手段の計測結果から各スリット走査の方向ご
との信号を分離するとともに、該分離後の信号を用いて
前記被検眼の球面度数、円柱度数、円柱軸度のうち少な
くとも一つを算出する。この場合、半波長時間で受光手
段間時間を割って位相としてやれば、該位相はチョッパ
の回転速度などに依存しないこととなり制御が容易とな
る。
【0024】なお、チョッパーは、光を透過する例えば
円盤状の基板部材の上に所定の関数型のパターンを描い
て構成されるものである。従って、該チョッパを回転さ
せれば、該回転するパターンが光束を関数に従ってきる
ことに、言い替えれば、スリット走査することになる。
【0025】
【実施例】本発明の一実施例を説明する。
【0026】本実施例は、イメ−ジロ−テ−タをなくし
た点を最大の特徴とする。すなわち、(イメ−ジロ−テ
−タによって)受光部に投影される縞模様の向きを変え
るのではなく、縞模様が(乱視の存在により)受光部に
斜めの向きに投影されているままで屈折力の測定を可能
にしている。
【0027】そして、これを実現するために、本実施例
においては、縞模様の走査(移動)を複数方向(本実施
例では2方向)について行うと共に、受光素子の数を増
やしている(本実施例では4つ)。つまり、測定するデ
−タの種類を増やし、より複雑な連立方程式を解くこと
により、屈折率を算出している(注:このような手法で
屈折率を測定するためには、どのようなデ−タをデ−タ
を少なくともいくつ測定する必要があるのかという点に
ついては、該実施例の説明の最後に述べる。)。
【0028】また、機械的な構造を単純化するために、
一つで、複数方向の走査を行うことのできるチョッパを
採用している。特に、該チョッパーは、該複数方向の走
査を、同時に行うことができるという特徴を有するもの
である。
【0029】以下、図面を用いて構成を詳細に説明す
る。
【0030】本実施例は、図1に示すとおり、光源1
と、レンズ2と、チョッパー3と、ハ−フミラ−4と、
レンズ5と、絞り6と、受光部7と、制御演算部8を含
んで構成される。
【0031】光源1は、測定に必要な光(本実施例では
赤色の光)を発生するものである。本実施例の光源1
は、被検眼の眼底への露光量を減ずるために、チョッパ
ー3による走査に較べて十分に高い周波数で変調をかけ
ておく。こうすることにより、光源1を静的に点灯して
いる場合に比べて、かなり低い光量であっても、電気的
に容易に増幅することができる。もちろん、この光源1
を、静的に点灯しても、測定に何らかの影響をあたえる
ものではない。
【0032】レンズ2は、光源1から発せられる光束を
コリメートするためのものである。これは、基本的には
従来技術と同様のものである。
【0033】ハ−フミラ−4、レンズ5、絞り6につい
ても、基本的には従来技術と同様のものである。
【0034】受光部7について説明する。
【0035】本実施例の受光部7は、図2に示すとお
り、4つの受光素子(71a,71b,71c,71
d)を含んで構成されている。そして、これらは点Pを
中心として上下左右に配置されている。なお、各受光素
子71間の距離は、既知でありさえすればよく特に等間
隔でなくてもよい。また、この例のようにいわゆる十字
になっている必要はなく、T字型に並んでいてもよい。
さらには、上下、左右方向である必要はなく、斜めの角
度で配置されていても構わない。但し、後述する演算の
内容をこれに合わせて変更する必要がある。さらには、
本実施例においては、受光素子71を4つ使用している
が、実際には、同一直線上にない3つの受光素子があれ
ば円柱度等を算出することができる。この点について
は、最後に説明する。
【0036】当然ながら、これらの受光素子7は、少な
くとも前記チョッパ3により形成される縞の明部と暗部
との間での光の強さの変化を検出するに十分な能力を有
するものである。
【0037】チョッパー3は、光を部分的に遮って、縞
模様を形成するとともに、該縞模様を移動(走査)させ
るためのものである。本実施例のチョッパー3は、所定
のパターンの遮光部を有するディスクをモ−タ38で回
転させる構成になっている。該遮光部を構成するスリッ
トパタ−ンを図3に示す。該パタ−ンの中心領域からう
ずを巻くようにして出ている部分(30a〜d、32a
〜f)の各々が、一つの縞(の暗部)を形成するスリッ
トになっている(注:各スリット内に、縞模様になって
いる部分と黒塗りになっている部分とがあるが、これら
は、単に透過率の違いを、該図面上示すためのものであ
って、該縞模様自体には特に意味はない。)。4本のス
リット30a〜dが水平方向に走査される縞に、6本の
スリット32a〜fが垂直方向に走査される縞に対応す
るものである(以下、スリット30a〜dを”水平スリ
ット”と、また、スリット32a〜fを”垂直スリッ
ト”と呼ぶ)。また、チョッパ3の外周縁部分には、チ
ョッパー3の回転速度を検出するためのパターン34が
設けられている。
【0038】水平スリット30と、垂直スリット32と
で本数を変えているのは、これらおのおのの走査に対応
した信号の分離をおこない易くするためである。つま
り、ある周波数fを発生する装置は、周波数2f,4f
等の2次、4次の高周波を同時に発生する性質がある。
従って、例えば、水平方向を周波数で、垂直方向を2f
で走査すると、両者の分離が困難だからである。そのた
め、各走査方向毎のスリットの本数は、n本と、n・
((2K+1)/2)本と、することが望ましい。
【0039】該スリット30,32のパタ−ンについて
さらに詳細に説明する。
【0040】水平スリット30a〜d、垂直スリット3
2a〜fは、それぞれ透過率が50パーセントとなって
いる。また、これらスリット(30a〜d,32a〜
f)の間部分36(つまり、縞模様のなかの”明部”を
形成する部分)は、光の透過率が約100パーセントと
なっている。そして、水平スリット30a〜dと、垂直
スリット32a〜fとが交わった地点では、透過率が0
パーセントになるようにしてある。これは、本実施例で
は、該交点において2つの変調(水平方向の変調、垂直
方向の変調)が加算的におこなわれているものとみなし
ているからである。なお、乗算的に変調がおこなわれて
いるとしたほうがよい場合には、両スリットの重なって
いる部分の透過率を(本実施例の場合については)25
パーセントとすればよい。但し、該透過率の具体的な数
値はこれに限定されるものではない。上述の受光素子7
1が縞の明部と暗部とを識別できる程度の光の強度差を
実現できれば十分である。
【0041】該パターンの形成に際し採用した関数は
【0042】
【数1】r=EXP(θ+K/4π) r:チョッパの中心からの距離 θ:チョッパ上における角度位置 (図2の右上45°方向を基準とする) K:0,1,2,… および
【0043】
【数2】r=EXP(−θ+K/6π) である。
【0044】図2の右上45度方向を考えてみれば、容
易にこれが水平方向の走査と、垂直方向の走査とで、等
価であることが分かる。すなわち、被検眼の屈折力が正
常な場合、受光部7に投影された水平スリット30の作
り出す縞模様が、常に、受光素子71cと受光素子71
dとを結ぶ直線と、垂直になるようになっている。ま
た、同様に、垂直スリット32の作り出す縞模様が、常
に、受光素子71aと受光素子71bとを結ぶ直線と、
垂直になるようになっている。
【0045】なお、スリットの数を増やす場合、もしく
は、走査の向きを変える場合には、走査の向きをφと
し、スリットの本数をnとすると、下記数3で示される
パタ−ンに従ってスリットを形成すればよい。
【0046】
【数3】r=EXP(tanφ・θ+K/nπ) r:チョッパの中心からの距離 θ:チョッパ上における角度位置 (図2の右上45°方向を基準とする) n:一走査方向についてのスリットの本数 φ:受光部上における走査の方向を示す角度 (図2の右上45°方向を基準とする) K:0,1,2,… 走査方向数を増やす場合には、(スリットの交点におけ
る)透過率についても乗算型のほうが有利である。例え
ば、走査方向が3種類ある場合には、スリット1本が単
独で存在する部分の透過率を50パーセントに、スリッ
トが2本重なった部分の透過率を25パーセントに、さ
らに、スリットが3本重なった部分の透過率を12.5
パーセントにすればよい。
【0047】なお、スリット自体は、微細な線の集合あ
るいは、あるいは、微細な点の集合により形成すればよ
い。ただし、これに限定されるものではなく、予め決め
られた透過率を実現できればいかなる手法で形成しても
構わない。
【0048】本実施例ではチョッパー3を、ガラス等か
らなる透明な基板部材の表面に、上述したスリットパタ
−ンの印刷を施すことによって実現している。従って、
その精度も高く、且つ、製造コストも安価にできるとい
う利点がある。しかし、同様のパタ−ンのスリットを実
現できれば、具体的な構成はこれに限定されるものでは
ない。例えば、透明な基板部材の内部(あるいは、2枚
の透明基板部材の間)にスリットパタ−ンを設けてもよ
い。あるいは、光を透過しない基板部材を上述のスリッ
トパタ−ンに従ってくり抜いて構成してもよい。
【0049】また、本実施例では機構の単純化のために
水平スリットと、垂直スリットとを一つのチョッパ3上
に設けている。しかし、必ずしも、一つのチョッパ上に
両スリットを形成する必要はない。水平スリットのみを
設けたチョッパと、垂直スリットを設けたチョッパとを
別々に形成し、これを重ねて配置しても構わない。
【0050】さらには、本実施例では、水平スリット、
垂直スリットは、おのおの等角度で配置されているため
チョッパ3を回転させた場合、エンドレスに走査を繰り
返すことができる。従って、測定、演算系の処理速度が
遅いこと等の理由により一定時間以上走査を連続して行
う必要がある場合にも、何の問題もなく適用可能であ
る。
【0051】但し、これに限定されるものではない。例
えば、図4に示すように、一つのチョッパ上において、
水平方向のスリットと、垂直方向のスリットとを、別々
の領域に分けて設けても構わない。この場合には、水平
スリットと垂直スリットとが、同時に重畳されることは
ないため後述する信号分離器83は不要となる。また、
スリットの本数についても各走査方向ごとに変える必要
はない。
【0052】また、本実施例においてスリットの走査方
向として、水平方向と、垂直方向とを採用したのは、単
に、後述する受光素子71a〜dが水平、垂直に配列さ
れていることに対応させたためである。従って、受光素
子71a〜dが、これ以外の斜め方向に配列されていれ
ば、もちろんその配列に対応したパタ−ンを採用する。
ただし、スリットのパタ−ンと受光素子の配列とを対応
させているは、単に、演算処理の単純化を図るためであ
る。より複雑な演算処理を行うのであれば、両者が対応
していなくても屈折率を算出することは可能である。
【0053】チョッパ3により形成される縞は直線では
なく、上述の数1、数2などにより表される曲線であ
る。また、チョッパの構造上、受光素子71cを通過す
る縞の縁部分が、そのまま受光素子71dを通過するわ
けではない。縞は、その走査方向と垂直な方向にスライ
ドしつつ進んでゆく(図5参照)。ここでは、受光素子
71cと受光素子71dとの間についてのみ述べたが、
他の受光素子71a,bとの間においても同様である。
そのため、受光素子71間で測定される時間差には、屈
折力に起因した成分のみならず、該縞が曲線であること
に起因する成分も含まれ、測定誤差となる。しかし、該
誤差は、設計上予め計算・予測できるものであるため後
述する信号処理において補正を行うことにより十分対処
可能である。なお、このような補正を行うことなく、測
定の精度を高めるためには、なるべく曲率の小さいスリ
ット部分(すなわち、チョッパ3のなるべく外周側の領
域にあるスリット部分)によって形成される縞を用いて
測定を行うこと、また、受光素子71間の距離をできる
だけ短くすればよい。
【0054】以上のような構成を採ることにより、本実
施例のチョッパー3をモ−タ38により回転させれば、
複数の方向(本実施例では、垂直方向と、水平方向)の
縞模様を、眼底上に重畳して形成し、両方向について同
時に走査することができる。例えば、チョッパー3を6
000rpmで回転させるとすると、縞は水平方向を4
00hzで、垂直方向を600hzで走査する。
【0055】さて、上述のチョッパー3により形成され
る縞が受光部7上では、どのようにふるまうであろう
か。上述したとおり、屈折力が負の時(つまり、遠視の
場合)には受光素子上で縞は逆行し、屈折力が正の時
(つまり、近視の場合)は順行する。また、屈折力が0
(つまり、正常な場合)のときには全体が点滅するとい
う具合になる。
【0056】次に、ある一つの縞が、受光素子間を通過
するのに必要とした時間(測定デ−タ)に対して、実際
にディオプター、屈折度がどのように寄与するかを説明
する。なお、本明細書中においては、後述する理由によ
り、この時間のことを”位相差”と称している。
【0057】位相差は、被検眼の屈折度とほぼ線形であ
る。従って、位相差に定数を乗ずることで、スカラー的
な屈折度は算出できる。
【0058】屈折度は一次変換の2×2の行列で表すこ
とができるから、このことに適用できるように拡張し
て、
【0059】
【数4】
【0060】と表すことができる。
【0061】なお、該数4中において、phxは水平方
向の走査についての位相、phyは垂直方向走査につい
ての位相である。sは球面度数、cは円柱度数、θは円
柱軸度である。また、x,yは、受光素子の位置であ
り、光軸上の点(つまり、図4の点P)を原点(0,
0)として決められる。kは装置に固有の定数である。
【0062】従って、各受光素子71a〜dにおける水
平走査の位相は定数部を略した場合、以下のようにな
る。なお、ここでは、受光素子71aの座標を(1,
0)、受光素子71bの座標を(−1,0)、受光素子
71cの座標を(0,1)、受光素子71dの座標を
(0,−1)とする。
【0063】
【数5】受光素子71aの位相 : s+c・(1+
cos2θ)/2
【0064】
【数6】受光素子71bの位相 : −s−c・(1+
cos2θ)/2
【0065】
【数7】受光素子71cの位相 : (c・sin2
θ)/2
【0066】
【数8】受光素子71dの位相 : −(c・sin2
θ)/2 同様に、垂直走査の位相についても以下のように表され
る。
【0067】
【数9】受光素子71aの位相 : (c・sin2
θ)/2
【0068】
【数10】受光素子71bの位相 : −(c・sin
2θ)/2
【0069】
【数11】受光素子71cの位相 : s+c・(1
−cos2θ)/2
【0070】
【数12】受光素子71dの位相 : −s−c・(1
−cos2θ)/2 ここで、受光素子71aと受光素子71bとの間におけ
る水平方向の位相差をdx、垂直方向の位相差をdd2
とし、また、受光素子71cと受光素子71dとの間に
おける垂直方向の位相差をdy、水平方向の位相差をd
d1とすると、各々は以下のように表される。
【0071】
【数13】dx=2・s+c・(1+cos2θ)
【0072】
【数14】dy=2・s+c・(1−cos2θ)
【0073】
【数15】dd=dd1=dd2=c・sin2θとい
うことになる。
【0074】従って、これらの数13,数14,数15
を用いて以下の数16,数17,数18の演算を行え
ば、屈折度は容易に求めることができる。
【0075】
【数16】円柱度数c=1/2・sqr(2(dx−d
y)+4dd)
【0076】
【数17】 球面度数s=1/4・(dx+dy−2・c)
【0077】
【数18】 円柱軸度θ=tan~1(2・dd/(dx−dy)) このように、各受光素子(71a〜d)間の位相差を測
定すれば、該測定結果を用いて屈折力を算出することが
できる。
【0078】次に、制御演算部8について説明する。
【0079】制御演算部8は、受光素子71で検出した
信号に対して上述した処理を行い位相、位相差、屈折率
を算出する機能を有している。また、モ−タ38、光源
1等の各部の動作を制御・監視するものである。その内
部構成は、図6に示すとおり、信号増幅器82、信号分
離器83、位相差検出器85、演算部86、モ−タ38
等の制御を行う制御部87を含んで構成される。
【0080】信号増幅器82a〜dは、各受光素子71
a〜dの出力信号を増幅するものである。
【0081】本実施例では、水平方向と垂直方向との走
査を同時に行っているため、各受光素子71a〜dから
は、各走査に対応した信号が重畳されてでてくる。その
ため、この信号を成分毎に分離する必要がある。信号分
離器83a〜dは、この走査方向毎の成分の分離を電気
的に行なう機能を有する。そして、水平方向走査につい
ての位相信号84ax〜84dxを位相差検出器85x
に、また、垂直方向走査についての位相信号84ay〜
84dyを位相差検出器85yに出力する構成となって
いる。信号分離器83a〜dの具体的構成は特に限定さ
れず、例えば、フィルターや同調増幅であってもよい。
【0082】なお、位相信号84axの位相は前述の数
5に、また、位相信号84bxの位相は前述の数6に示
されるとおりである。同様に、位相信号84cx、84
dxの位相は、数7、数8に示されるとおりである。位
相信号84ay〜84dyの位相は、数9〜数12に示
されるとおりである。
【0083】位相差の測定は、これらの信号が十分増幅
され波形整形された後、各信号の立ち上がり等の時間差
を検出することで可能である。例えば、受光素子71a
と受光素子71bとの間における水平方向の位相差は、
位相信号84axの信号の立ち上がりから、位相信号8
4bxの信号の立ち上がりまでの信号の遅れと考えるこ
とができる。この2つのタイミングをカウンター等で計
測してやれば、その位相差を示す値を得ることができ
る。
【0084】しかし、該信号の遅れ(Δt0)をそのま
ま測定することは、実際の回路構成上、また、信号処理
の関係上好ましくない。これは、目の乱視成分の内容に
よって、受光部7上に投影される縞の回転する向きが異
なるからである。その結果、例えば、図7(a)のよう
に縞が回転している場合と、図7(b)のように縞が回
転している場合とでは、測定値(Δt0)の符号が変わ
ってしまう。また、この時間差が小さい場合には測定が
困難になる場合もあるからである。なお、信号の遅れΔ
t0は、図7との関係においては、下記数19で示され
る意味を有する。
【0085】
【数19】Δt0=Tza0−Tzb0 なお、該数19において、Tza0は、受光素子71aが
縞の縁部Za0による信号の立上りを検出する時刻、Tz
b0は、受光素子71bが縞の縁部Zb0による信号の立上
りを検出する時刻である。
【0086】そのため、本実施例では、図8の縞の縁部
Zb0を受光素子71bが検出する時刻Tzb0と、縁部
a1を受光素子71aが検出する(Δt0+Δtπ)を
測定している。また、時刻Tza0と時刻Tza1の間の時
間差(Δtπ)を測定している。 この様にして測定し
た測定値(Δt0+Δtπ)は、縞の回転の向きによっ
て測定値の符号が変わることがなくカウンターを使用す
る上で便利である。また、計測したときの実際の半波長
πに相当する時間(Δtπ)により、他の時間差を割っ
てやれば、チョッパー3の製造誤差や、モ−タ38の回
転の変動等の要素を除外した真の位相差を計測すること
ができる。この意味において、本明細書中、各受光素子
71間における時間差のことを、”位相差”と称してき
た。
【0087】実際には、図9に示すように位相信号84
axを反転させた信号と、位相信号84bxとの間の、
立上りの時間差を測定することにより測定を行ってい
る。ここでは、位相信号84axと位相信号84bxと
の間の時間差の測定についてのみ述べたが、他の受光素
子間についても同様にして行う。
【0088】この測定値を用いると、先に述べた変数
(数13〜数15)は次のように表すことができる。
【0089】
【数20】 dx=α(τx!ab−τx!aa)/τx!aa
【0090】
【数21】dy=α(τy!ad−τy!ac−τy!
aa)/τy!aa
【0091】
【数22】dd1=α(τx!ad−τx!ac−τx
!aa)/τx!aa
【0092】
【数23】 dd2=α(τy!ab−τy!aa)/τy!aa 数20〜数23において、αは装置固有の定数である。
また、aは位相信号84axまたは位相信号84ay
を、bは位相信号84bxまたは位相信号84byを表
すものである。c,dについても同様である。また、!
aはaを反転した信号を示す。τx!abは、位相信号
84axの反転信号と、位相信号84bxとの間の時間
差を示す。τx!aaは、位相信号84axの反転信号
と位相信号84axとの間の時間差(、つまり半波長π
に相当する時間(Δtπ))を示す。同様に、τy!a
dは、位相信号84ayの反転信号と、位相信号84d
yとの間の時間差を示す。τy!aaは、位相信号84
ayの反転信号と位相信号84ayとの間の時間差(、
つまり半波長πに相当する時間(Δtπ))を示す。他
についても同様である。
【0093】なお、この例では!a基準とし、すべての
時間差はこの!aとの関係においてのみ定義し測定して
いる。従って、数21中の(τy!ad−τy!ac)
は、位相信号84cyと位相信号84dyとの間の時間
差(つまり、τy!dc、あるいは、τy!cd)に対
応するものである。同様に、数22中の(τx!ad−
τx!ac)は、位相信号84cxと位相信号84dx
との間の時間差(つまり、τx!dc、あるいは、τx
!cd)に対応するものである。
【0094】このようにして求められた変数(数20〜
数23)を用いて前述の数16〜数18を演算してやれ
ば、被検眼の屈折力をもとめることができる。該演算
は、演算部86等により行われる。
【0095】最後に、本発明の手法により屈折力を求め
る際に必要となるデ−タについて説明する。
【0096】位置X(x1,y1)に設けられた受光素
子が、信号を検出する時刻T(tx1,ty1)は、下記数
24で示される。
【0097】
【数24】
【0098】該数24におけるDは、下記数25で示さ
れる行列である。
【0099】
【数25】
【0100】数24におけるφは、下記数26で示され
る角度φの回転変換である。
【0101】
【数26】
【0102】数24におけるX1は、受光素子の位置を
示すものであり、数27で示される。
【0103】
【数27】
【0104】数24におけるTは、信号を検出する時刻
を示すものであり、数28で示される。
【0105】
【数28】
【0106】ここで、二つの走査が直交する場合、つま
り、φ=0の場合を考えると、数26は、数29のよう
になる。
【0107】
【数29】
【0108】従って、数24は、数30のようになる。
【0109】
【数30】
【0110】該数30には、あらかじめ直交する2つの
走査成分が含まれており、水平方向走査の時間(位相)
がtx1、垂直方向走査の時間(位相)がty1になる。
【0111】ここで、数30の水平方向走査についての
み考えてみると、数31が得られる。
【0112】
【数31】
【0113】また、位置X2(x2,y2)に存在する第
2の受光素子を考えると同様に数32が得られる。
【0114】
【数32】
【0115】数31、数32より、Pxを除去した数3
3が得られる。
【0116】
【数33】
【0117】但し、この数33中、x’=x1−x2、
y’=y1−y2、t’=tx1−tx2である。
【0118】ここで、第3の受光素子が存在すると考え
ると、数33と同様に、Pxを除去した式をもう一つ得
ることができる。つまり、水平走査について式を2つ得
ることができる。だたし、該第3の受光素子は、第1、
第2の受光素子と同一直線上にないことが必要である。
第3の受光素子が同一直線上にあると、得られる式は、
数33と実質的に同じものになってしまうからである。
【0119】垂直方向走査についても同様に、式を二つ
得ることができる。
【0120】すなわち、未知数が3つ(s、c、θ)に
対し、式を4つを得ることになるから、これらの式を連
立すれば、該未知数を算出することができる。
【0121】次に、数28において、走査が直交しない
場合、つまり、φ=φ1,φ2 (ただし、φ1≠0、φ2≠
0)である場合について考える。
【0122】この場合には、数28は、下記数34、数
35のようになる。
【0123】
【数34】
【0124】
【数35】
【0125】これらの式を用いて、同様に演算を行え
ば、未知数を求めることができる。
【0126】前記実施例においては受光素子を4つ設け
ていたが、ここで説明したとおり、少なくとも、2方向
の走査と、同一直線上にない3つの受光素子があれば、
球面度数、円柱度数、円柱軸度を求めることができる。
従って、受光部における受光素子の配列は、図10のよ
うなものでもよい。
【0127】以上説明したとおり、前記実施例おいて
は、イメ−ジロ−テ−タが不要で、装置の小型化が可能
になる。また、複数方向の走査を同時に行うことができ
ることなどの理由により、検査に要する時間を短くする
ことができる。また、前記演算を行うに際し、位相を用
いていることにより、モ−タの精密な制御が不要になり
制御面での制約が減少する。また、前記チョッパを高精
度に製造することも容易である。従って、装置の低コス
ト化も図ることができる。
【0128】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、他覚式眼屈
折力測定装置の構造を単純にするとともに、測定時間を
短くすることができるので、装置の単価のみならず、そ
のサイズをコンパクトにする上でも、非常に効果があ
る。こうした装置の簡潔化は、同時に装置の機動性を高
め、この種の装置が活躍できる場を拡大する。例えば、
装置を圧倒的に小型化すれば、眼屈折力を測定するとい
う機能を要素化した部材として、眼科手術の現場で利用
することができ、また、寝たきりで、従来の装置で使用
していた活動台方式では、測定に適さなかった人、乳幼
児や実験動物等の明確な意志を持ち得ないものの屈折度
の測定にも適用することができる。
【0129】このように、本発明を、利用すればこの種
の装置に新たな地平を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である屈折力測定装置の構成
図である。
【図2】本実施例のチョッパー3を示す説明図である。
【図3】チョッパーの別の例を示す説明図である。
【図4】受光部7の構成を示す説明図である。
【図5】縞模様の進み方を示す説明図である。
【図6】演算制御部の構成図である。
【図7】縞模様の回転方向と受光素子との関係を示す説
明図である。
【図8】縞模様と受光素子との関係を示す説明図であ
る。
【図9】受光素子71における検出信号を示す説明図で
ある。
【図10】受光素子を3つにした場合の配置例を示す説
明図である。
【図11】従来技術を示す説明図である。
【図12】正常な屈折率を有する目に対して検影法を適
用した様子を示す説明図である。
【図13】近視の目に対して検影法を適用した様子を示
す説明図である。
【図14】遠視の目に対して検影法を適用した様子を示
す説明図である。
【図15】被検眼が乱視でない場合における、縞模様の
走査の様子を示す説明図である。
【図16】被検眼が乱視である場合における、縞模様の
走査の様子を示す説明図である。
【図17】従来のチョッパを示す説明図である。
【符号の説明】
1…光源、 2…コリメ−タレンズ、 3…チョッパ
ー、 4…ハ−フミラ−、 5…レンズ、 6…絞り、
7…受光部、 8…制御演算部、 30…水平スリッ
ト、 32…垂直スリット、 34…パタ−ン、 38
…モ−タ、 71a〜d…受光素子、 82…信号増幅
器、 83…信号分離器、 84…位相信号、 85x
…水平方向位相差検出器、 85x…垂直方向位相差検
出器、 86…屈折率算出器、 901…光源、 90
2…コリメ−タレンズ、 903…チョッパー、 90
4…イメ−ジロ−テ−タ、 905…レンズ、 906
…絞り、 907…受光部、 912…チョッパー、
938…モ−タ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、 前記光源の光を少なくとも二つの方向へスリット走査す
    るスリット走査手段と、 前記スリット走査された光を被検眼の眼底に投影する投
    影光学系と、 前記スリット走査された光が前記眼底に投影されること
    によって、前記眼底に形成された陰影を取り出す測定光
    学系と、 前記測定光学系により取りだされる陰影の、前記スリッ
    ト走査に伴う移動を観測する、同一直線上にない少なく
    とも3つの受光手段と、 一の前記陰影が、各受光手段間を通過するに必要な時間
    (以下”受光手段間時間”という)を、前記スリット走
    査の方向毎に計測する計測手段と、 前記被検眼の球面度数と、円柱度数と、円柱軸度と、前
    記各受光手段の位置と、前記走査の方向と、前記計測結
    果と、の間に成立する連立方程式を解くことによって、
    球面度数、円柱度数、円柱軸度うち少なくとも一つを算
    出する演算手段と、 を有することを特徴とする検影型他覚式眼屈折力測定装
    置。
  2. 【請求項2】前記スリット走査手段は、前記複数方向の
    スリット走査を同時に行うものであり、 前記演算手段は、前記計時手段の計測結果から各スリッ
    ト走査の方向ごとの信号を分離する手段を含んで構成さ
    れること、 を特徴とする請求項1記載の検影型他覚式眼屈折力測定
    装置。
  3. 【請求項3】前記スリット走査手段は、チョッパと、該
    チョッパを回転させる回転手段とを有し、 前記チョッパは、 光を透過する透過部と、 前記透過部よりも光の透過率が低い遮光部と、を有し前
    記透過部と前記遮光部とは、下記式 r=EXP(tanφ・θ+K/nπ) r:チョッパの中心からの距離 θ:チョッパ上における角度位置 n:スリットの本数 φ:スリット走査の方向を示す角度 K:0,1,2,… で示される曲線をその境界線とするものであること、 を特徴とする請求項1記載の検影型他覚式眼屈折力測定
    装置。
  4. 【請求項4】前記計測手段は、一の前記陰影が、一の前
    記受光手段上を通過するに要した時間(以下、”半波長
    時間”という)を計測する機能を有し、 前記演算手段は、前記受光手段間時間を前記半波長時間
    で割った値を用いて、前記連立方程式を解くものである
    こと、 を特徴とする請求項1記載の検影型他覚式眼屈折力測定
    装置。
  5. 【請求項5】下記式 r=EXP(tanφ・θ+K/nπ) r:中心からの距離 θ:角度位置 n:スリットの本数 φ:スリット走査の方向を示す角度 K:0,1,2,… で示される曲線を輪郭として有する遮光部を有するこ
    と、 を特徴とするスリット部材。
  6. 【請求項6】光を透過する透過部と、 前記透過部よりも光の透過率が低い遮光部と、を有し前
    記透過部と前記遮光部との境界線は、下記式 r=EXP(tanφ・θ+K/nπ) r:中心からの距離 θ:角度位置 n:スリットの本数 φ:スリット走査の方向を示す角度 K:0,1,2,… で示される曲線であること、 を特徴とするスリット部材。
  7. 【請求項7】基板部材を有し、 前記透過部は該基板部材により構成され、 前記遮光部は、前記基板部材の表面および/または内部
    において形成されていること、 を特徴とする請求項6記載のスリット部材。
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