JPWO2005000992A1 - セリウム系研摩材およびその原料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、傷の発生がより少ないなど優れた研摩特性を有しており、研摩速度がより高いセリウム系研摩材を提供するものである。希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム(CeO2)、酸化ランタン(La2O3)および酸化ネオジム(Nd2O3)を含み、フッ素(F)を含有するセリウム系研摩材であり、当該研摩材において、全希土類酸化物(TREO)を90wt%以上にすると共に、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO2/TREO)を50wt%〜65wt%にし、さらにTREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd2O3/TREO)を10wt%〜16wt%にする。このようなセリウム系研摩材を用いると研摩傷の発生が少ない研摩面が迅速に得られる。

Description

本発明は、酸化セリウムを主成分とする、いわゆるセリウム系研摩材とその原料に関する。
セリウム系研摩材は、概略的には、例えばバストネサイト精鉱、モナザイト精鉱、中国複雑鉱精鉱等の鉱石原料に、粉砕、乾燥、焼成、粉砕(解砕)、分級等の工程を施すことによって製造される(特開平9−183966号公報、特開2002−97457号公報、特開2002−224949号公報参照)。例示した原料のうちバストネサイト精鉱は、セリウム、ランタン、ネオジムなどの希土類元素およびフッ素を含有しており、セリウム系研摩材の好適な原料の一つと考えられている。
例えば、バストネサイト精鉱の典型的なものは、全希土類酸化物換算重量(以下、TREOと記載することがある)の重量比が68〜73wt%程度、フッ素が6wt%程度で、強熱減量(1000℃)が20wt%程度である。そして、TREO中の内訳は、酸化セリウム(CeO等)が50wt%程度、酸化ランタン(La等)が35wt%程度、酸化ネオジム(Nd等)が11wt%程度、酸化プラセオジム(Pr11等)が4wt%程度である。
ところで、研摩材としては、できるだけ研摩傷が発生しにくいなど研摩特性に優れているものが求められている。また、研摩工程を経て製造される製品を効率良く製造するには、研摩工程に要する時間はできるだけ短い方が好ましい。このようなことから、セリウム系研摩材としては、できるだけ研摩速度の高いもの(研摩値が大きいもの)が求められている。
そして、近年、セリウム系研摩材は、光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板、アクティブマトリックス型LCD(Liquid Crystal Display)、液晶TV用カラーフィルタ、時計、電卓、カメラ用LCD、太陽電池等のディスプレイ用ガラス基板、LSIフォトマスク用ガラス基板あるいは光学用レンズ等のガラス基板や光学用レンズ等の研摩で用いられており、このような分野では、特に、より高精度の表面研摩を行うことができ、且つ研摩速度がより高いセリウム系研摩材が求められている。
ところが、従来のセリウム系研摩材による研摩では、光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板などの研摩において要求される研摩精度を満足しないような大きさの傷が発生した。また、研摩開始後、研摩を続けるに従って急激に研摩速度が低下し、急激に研摩効率が低下した。このように、従来のセリウム系研摩材では、上記したような分野の要求に十分に対応できない。
このような問題点に鑑み、本発明は、傷の発生がより少ないなど優れた研摩特性を有しており、研摩速度がより高いセリウム系研摩材を提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1の発明に係るセリウム系研摩材は、希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオジムを含み、フッ素を含有するセリウム系研摩材であって、全希土類酸化物換算重量(TREO)が90wt%以上であり、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であり、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であることを特徴とするものである。
当該セリウム系研摩材を用いれば、研摩傷の発生が少なく、要求される高精度の研摩面(研摩された面)が得られる。また、研摩開始後に急激に研摩速度が低下するようなことが防止され、より高い研摩速度がより長い間維持される。このように優れた研摩特性を有する理由は必ずしも明確ではないが、研摩材中のネオジム(酸化ネオジム)の割合を増加したことが主要因であると考えられる。従来のセリウム系研摩材は、TREO中の酸化ネオジムの割合が5.0wt%程度であり、このようなセリウム系研摩材を用いて研摩すると、先に説明したように、傷が発生し研摩速度が急激に低下するからである。
セリウム系研摩材においては、一般に、TREOによって研摩材中の希土類元素の量を検討する。本発明に係る研摩材のように、フッ素を含有するものでは、希土類元素は酸化物、オキシフッ化物あるいはフッ化物など種々の形態で研摩材中に存在しているが、TREOを用いれば研摩材中の希土類元素量を比較的簡単に検討できる。
上記発明に係る研摩材において、TREOは90wt%以上であるが、92wt%以上がより好ましい。研摩材中の各希土類元素の割合が一定である場合、TREOの割合が高いほど、希土類酸化物のうち最も研摩に寄与する酸化セリウムの割合が増えることとなり、高い研摩速度を確保できるからである。また、傷発生の原因の一つである不純物の含有率が低いこととなり、傷発生がより確実に防止されるからである。
ただし、TREO中の酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が高くなるほど傷が発生しやすくなり、上記上限値を超えると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。他方、当該割合が低くなるほど、上記したように研摩速度が低下し、上記下限値未満では、十分な研摩速度を確保できない。これら両面を考慮すると、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)は50wt%〜60wt%がより好ましい。
そして、TREO中の酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が高くなるほど研摩速度が低下し、上記上限値を超えると、十分な研摩速度を確保できない。他方、酸化ネオジムの割合が低くなるほど傷が発生しやすく、上記下限値未満では、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。したがって、これら両面を考慮すると、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)は11wt%〜15wt%がより好ましく、12wt%〜14wt%がさらに好ましい。
また、上記発明に係るセリウム系研摩材としては、全希土類酸化物換算重量に占める酸化ランタンの重量の割合(La/TREO)が22wt%〜30wt%であるものが好ましい。酸化ランタンの割合が高くなるほど研摩速度が低下し、上記上限値を超えると十分な研摩速度を確保できないからである。酸化ランタンの割合が増えると、その分、酸化セリウムの割合が低下し、研摩速度が低下すると考えられる。他方、酸化ランタンの割合が低くなるほど傷が発生しやすくなり、上記下限値を下回ると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。これら両面を考慮すると、TREOに占める酸化ランタンの割合は24wt%〜28wt%がより好ましい。
さらに、上記発明に係るセリウム系研摩材としては、酸化プラセオジムを含有しており、TREOに占める酸化プラセオジムの重量の割合(Pr11/TREO)が2.0wt%〜8.0wt%であるものがより好ましい。
ここまでの記載から解るように、研摩材においては、セリウムだけでなく、ランタンさらにはネオジムも研摩に寄与しており、ランタンやネオジムの含有量によって研摩状態に違いが生ずる。そこで、ランタンやネオジムの含有量と研摩との関係についてさらに検討したところ、上記第1の発明とは別の第2の発明に想到するに至った。
すなわち、第2の発明に係るセリウム系研摩材とは、希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオジムを含み、フッ素を含有するセリウム系研摩材であって、全希土類酸化物換算重量(TREO)に占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、TREO中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)との重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であることを特徴とするものである。このように、TREO中の酸化ランタンと酸化ネオジムとの重量比が上記範囲である研摩材は、研摩材中のランタンの量とネオジムの量のバランスがよく、その結果、研摩特性に優れると考えられる。
当該発明に係る研摩材では、酸化ランタンと酸化ネオジムの上記重量比(La/Nd)が大きくなり過ぎたり、小さくなり過ぎたりすると研摩速度が低下し、十分な研摩速度を確保できなくなる。このようなことから、当該重量比(La/Nd)としては、1.6〜2.6がより好ましい。
さらに、TREOに占める、酸化ランタンと酸化ネオジムの合計重量の割合((La+Nd)/TREO)が25wt%〜50wt%であるものがより好ましい。酸化ランタンと酸化ネオジムのバランスがよければ、酸化ランタンと酸化ネオジムの合計重量の割合について好適な範囲がより広がる。当該範囲が好ましい理由であるが、割合が高くなるほど研摩速度が低下し、上記上限値を超えると十分な研摩速度を確保できないからである。酸化ランタンの割合が増えると、その分、酸化セリウムの割合が低下し、その結果研摩速度が低下すると考えられる。他方、この割合が低くなるほど傷が発生しやすくなり、上記下限値未満になると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。これら両面を考慮すると、上記割合((La+Nd)/TREO)は30wt%〜45wt%がより好ましい。
そして、ここまでの検討内容を総合すると、次のようなセリウム系研摩材(第3の発明)が好ましい。すなわち、希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオジムを含み、フッ素を含有するセリウム系研摩材であって、全希土類酸化物換算重量(TREO)が90wt%以上であり、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であり、TREO中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)との重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であるものが好ましい。さらにいえば、このような研摩材であって、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であるものがより好ましく、TREOに占める酸化ランタンの重量の割合(La/TREO)が22wt%〜30wt%であるものがさらに好ましく、TREOに占める、酸化ランタンと酸化ネオジムの合計重量の割合((La+Nd)/TREO)が25wt%〜50wt%であるものがさらに好ましい。
また、研摩特性の向上についてさらに検討し、次の結果を得た。すなわち、上記各発明に係る研摩材としては、いずれの発明に係る研摩材であるとに拘わらず、全希土類酸化物換算重量に対するフッ素量の重量比(F/TREO)が4.0wt%〜9.0wt%であるものが好ましい。フッ素の割合が高くなるほど研摩面の状態が荒れた状態になるなど研摩特性が低下し、上記上限値を超えると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できないほど研摩面が荒れるからである。フッ素量が過剰であり、強い化学作用が生じた結果であると考えられる。他方、フッ素の割合が低くなるほど研摩速度が低下し、上記下限値未満では、十分な研摩速度を確保できなくなる。フッ素量が少なく、研摩に寄与する化学作用があまり生じないからであると考えられる。これら両面を考慮すると、TREOに対するフッ素量の重量比(F/TREO)は、5.0wt%〜8.0wt%がより好ましい。なお、フッ素含有セリウム系研摩材では、希土類元素の一部(または全部)は、希土類酸化物としてではなく、オキシフッ化物やフッ化物として存在している。したがって、フッ素含有セリウム系研摩材の全希土類酸化物換算重量(TREO)とは、全ての希土類元素が希土類酸化物として存在すると換算して求まる全希土類酸化物換算重量である。また、ここでいうフッ素量とは、TREOの測定対象であるセリウム系研摩材中のフッ素含有量のことである。
そして、上記各発明に係るセリウム系研摩材としては、全希土類酸化物換算重量に対するウランとトリウムの合計量の重量比((U+Th)/TREO)が0.05wt%以下であるものが好ましい。セリウム系研摩材中に含まれるトリウムやウラン等の放射性物質はできるだけ少ない方が好ましいからである。したがって、当該重量比は0.005wt%以下がより好ましく、0.0005wt%以下がさらに好ましい。
また、上記各発明に係るセリウム系研摩材としては、研摩材重量と、当該研摩材のTREOおよびフッ素含有量の合計重量との重量比((TREO+F)/研摩材重量)が、95wt%〜105wt%であるものが好ましい。当該重量比が高くなるほど研摩面が荒れた状態になるなど研摩特性が低下し、上記上限値を超えると、前述の分野では許容できないほど荒れた研摩面になるからである。当該重量比が高いものはフッ素量が過剰なものであり、強い化学作用が生じた結果研摩面が荒れると考えられる。他方、この重量比が低くなるほど研摩傷が発生し易くなり、上記下限値未満では、前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。上記重量比が低い主な原因としては、不純物が多く含まれていることが考えられ、その結果傷が発生しやすくなると考えられる。これら両面を考慮すると、上記重量比としては、98wt%〜104wt%がより好ましい。
さらに、上記各発明に係るセリウム系研摩材について、X線回折による分析によって検討を行ったところ、次のような結果が得られた。上記各発明に係るセリウム系研摩材としては、X線源としてCu−Kα線またはCu−Kα線を用いたX線回折法による測定により2θ(回折角)=20°〜30°の範囲に出現するX線回折ピークのうち、希土類オキシフッ化物(LnOF)についてのX線回折ピーク強度であって最強のX線回折ピーク強度と、酸化セリウム(CeO)についてのX線回折ピーク強度であって最強のX線回折ピーク強度との強度比(LnOF/CeO)が0.4〜0.7であるものが好ましい。
当該X線回折ピーク強度比が大きくなるほど、研摩傷が発生しやすくなり、上記上限値を超えると、前述の分野では許容できないような研摩傷が発生するようになるからである。他方、X線回折ピーク強度比が小さくなるほど研摩速度が低下し、上記下限値未満では、十分な研摩速度を確保できなくなるからである。これら両面を考慮すると、X線回折ピーク強度比は、0.45〜0.65がより好ましい。
そして、上記各発明に係るセリウム系研摩材としては、X線源としてCu−Kα線またはCu−Kα線を用いたX線回折法による測定により出現するX線回折ピークのうち、2θ=24.2°±0.5°の範囲に出現する希土類フッ化物(LnF)についてのX線回折ピーク強度であって最強のX線回折ピーク強度と、酸化セリウムのX線回折ピーク強度であって最強のX線回折ピーク強度との強度比(LnF/CeO)が0.1以下のものがより好ましい。ここで、希土類フッ化物(LnF)は、例えば、原料が希土類酸化物を含有するものであり、研摩材製造段階で当該原料にフッ化処理が施されたような場合に生成されるものである。
したがって、当該X線回折ピーク強度比が上記上限値を超える場合とは、焙焼不足のため希土類フッ化物から希土類オキシフッ化物への転換がほとんど進行せず希土類フッ化物が残ってしまった場合、または焙焼は十分であるが希土類フッ化物から希土類オキシフッ化物への転換には限界があり希土類元素に対してフッ素量が過剰であるため希土類フッ化物が残ってしまった場合である。焙焼不足の研摩材は十分な研摩速度を確保できず好ましくない。他方、十分焙焼されたがフッ素量が過剰な研摩材は、研摩傷の原因となる粗粒子を比較的多く含んでおり、やはり好ましくない。含有するフッ素量が相対的に過剰である研摩材は、研摩材製造時の焙焼段階においてフッ素による化学作用が進みやすかったものであり、研摩材粒子の焼結の進み過ぎによって研摩傷の原因となる粗粒子が発生したと考えられる。なお、当該研摩材は、フッ素量が相対的に過剰であることから、仮に焙焼後粉砕や分級によって粗粒子を十分に低減したとしても、当該研摩材を用いた研摩では、研摩面は過剰のフッ素の化学作用を受けることとなり、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できないほど研摩面が荒れると考えられる。
なお、上記ピーク強度比の算出に用いられる酸化セリウム(CeO)についてのX線回折ピークとは、セリウムを主成分とする希土類酸化物のX線回折ピークであって、2θ=28.1°±1.0°の範囲に出現したX線回折ピークのことである。
また、ここでいう酸化セリウム(CeO)のX線回折ピーク強度とは、より具体的には、セリウムを主成分とする立方晶希土類酸化物(Ln)の回折X線回折ピーク強度のことである。Lnは、通常1.5≦y/x≦2であり、例えばCeO,Ce0.5Nd0.51.75あるいはCe0.75Nd0.251. 875と同定される。ただし、Nd/TREOが小さい研摩材であってもCe−Nd−O系化合物と同定されることがあることからCeやNd以外の希土類元素(La等)をも含有する酸化物と推定される。以上のことから解るように、X線回折に関して酸化セリウム(CeO)という場合は、例えば、TREO中のCeOの場合にはCeOは純粋な酸化セリウムを意味しているのとは異なり、純粋な酸化セリウムでなくてもよい。
そして、上記各発明に係るセリウム系研摩材中の研摩材粒子の平均粒径(D50)としては、0.7μm〜1.6μmが好ましい。なお、ここでは、平均粒径(D50)として次の値を用いた。すなわち、レーザ回折・散乱法粒度分布測定法によって測定したセリウム系研摩材の粒度分布における、小粒径側からの累積体積が50wt%になる粒子の粒径である。平均粒径(D50)が大きくなるほど研摩傷が発生しやすくなり、上記上限値を超えると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。他方、平均粒径(D50)が小さくなるほど研摩速度が低下し、上記下限値未満では、十分な研摩速度を確保できない。これら両面を考慮すると、平均粒径(D50)としては、0.8μm〜1.4μmがより好ましい。
さらに、上記各発明に係るセリウム系研摩材としては、BET法比表面積は、2.0m/g〜5.0m/gが好ましい。BET法比表面積が大きくなるほど研摩速度が低下し、上記上限値を超えると十分な研摩速度を確保できないからである。他方、BET法比表面積が小さくなるほど傷が発生しやすくなり、上記下限値未満になると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。これら両面を考慮すると、BET法比表面積は、2.5m/g〜4.0m/gがより好ましい。
次にセリウム系研摩材用の原料について検討した。
上記発明に係る研摩材のうち、全希土類酸化物換算重量(TREO)の重量比が90wt%以上であり、TREOに占める酸化セリウムの割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であり、TREOに占める酸化ネオジムの割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であるセリウム系研摩材(第1の発明)について、その原料(第4の発明)としては、希土類元素として少なくともセリウム、ランタンおよびネオジムを含有するセリウム系研摩材用原料であって、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であり、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であり、TREOに対するウランとトリウムの合計量の重量比((U+Th)/TREO)が0.05wt%以下であるものが好ましい。
当該セリウム系研摩材用原料では、TREO中の酸化セリウムの割合(CeO/TREO)が高くなるに連れて、製造される研摩材は傷が発生しやすいものとなり、上記上限値を上回ると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすくなる。他方、酸化セリウムの割合が低くなるほど、製造される研摩材の研摩速度が低下し、上記下限値未満では、十分な研摩速度を確保することが難しくなる。したがって、これら両面を考慮すると、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)は50wt%〜60wt%がより好ましい。他方、酸化ネオジムの場合、その重量の割合が高くなるほど製造される研摩材の研摩速度が低下し、上記上限値を超えると、十分な研摩速度を確保することが難しくなる。他方、酸化ネオジムの割合が低くなるほど製造される研摩材は傷が発生しやすいものとなり、上記下限値未満では、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすい。したがって、これら両面を考慮すると、TREOの含有量に占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)は11wt%〜15wt%がより好ましく、12wt%〜14wt%がさらに好ましい。
そして、TREOとウランおよびトリウムの合計重量との重量比((U+Th)/TREO)が上記範囲内であるのが好ましい理由は、ウランやトリウムといった放射性物質はできるだけ少ない方が好ましいからである。バストネサイト精鉱、モナザイト精鉱、中国複雑鉱精鉱等の鉱石(特に、モナザイト精鉱および中国複雑鉱精鉱)は、トリウムを多く含有しており、ウランおよびトリウムを除去しないで研摩材用原料として使用することは好ましくない。したがって、当該重量比((U+Th)/TREO)が0.005wt%以下である原料がより好ましく、0.0005wt%以下である原料がさらに好ましい。
また、TREOに占める酸化ランタンの重量の割合(La/TREO)が22wt%〜30wt%であるものがより好ましい。そして、当該割合が24wt%〜28wt%であるものがさらに好ましい。酸化ランタンの割合が低くなるほど焙焼時のフッ素の放出量が大きくなりやすく、上記下限値未満では、放出されやすくなり過ぎ、セリウム系研摩材中のフッ素量の制御を焙焼時に行うことが困難になるからである。
上記発明に係る研摩材のうち、全希土類酸化物換算重量(TREO)に対する酸化セリウム(CeO)の重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、TREO中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)との重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であるセリウム系研摩材(第2の発明)について、その原料(第5の発明)としては、希土類元素として少なくともセリウム、ランタンおよびネオジムを含有するセリウム系研摩材用原料であって、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、TREO中の酸化ランタンと酸化ネオジムとの重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であるものが好ましい。
当該セリウム系研摩材用原料では、TREO中の酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が高くなると、製造される研摩材は傷が発生しやすいものとなり、上記上限値を上回ると、高精度の研摩が要求される前述の分野では許容できない研摩傷が発生しやすい。他方、酸化セリウムの割合が低くなるほど製造される研摩材の研摩速度が低下してしまい、上記下限値未満では、十分な研摩速度を確保することが難しい。したがって、これら両面を考慮すると、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)は50wt%〜60wt%がより好ましい。また、酸化ランタンと酸化ネオジムとの重量比(La/Nd)が大きくなり過ぎても、また小さくなり過ぎても、製造される研摩材の研摩速度が低下し、十分な研摩速度を確保できなくなる。したがって、TREO中の酸化ランタンと酸化ネオジムの重量比(La/Nd)は、1.6〜2.6がより好ましい。
そして、TREOとウランおよびトリウムの合計重量との重量比((U+Th)/TREO)が0.05wt%以下であるものが好ましい。ウランやトリウムといった放射性物質はできるだけ少ない方が好ましいからである。バストネサイト精鉱、モナザイト精鉱、中国複雑鉱精鉱等の鉱石(特に、モナザイト精鉱および中国複雑鉱精鉱)は、トリウムを多く含有しており、ウランおよびトリウムを除去しないで研摩材用原料として使用することは好ましくない。したがって、当該重量比((U+Th)/TREO)が0.005wt%以下である原料がより好ましく、0.0005wt%以下である原料がさらに好ましい。
また、TREOに占める、酸化ランタンと酸化ネオジムの合計重量の割合((La+Nd)/TREO)が25wt%〜50wt%であるものものがより好ましい。当該割合が低くなるほど焙焼時のフッ素の放出量が大きくなりやすく、上記下限値未満では、放出されやすくなり過ぎ、セリウム系研摩材中のフッ素量の制御を焙焼時に行うことが困難になるからである。
さらに、上記発明に係る研摩材のうち、希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオジムを含み、フッ素を含有するセリウム系研摩材であって、全希土類酸化物換算重量(TREO)が90wt%以上であり、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であり、TREO中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)との重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であるセリウム系研摩材(第3の発明)について、その原料(第6の発明)としては、希土類元素として少なくともセリウム、ランタンおよびネオジムを含有するセリウム系研摩材用原料であって、TREOが90wt%以上であり、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であり、TREO中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)との重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であるものが好ましい。さらにいえば、このような原料であって、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であるものがより好ましく、TREOに占める酸化ランタンの重量の割合(La/TREO)が22wt%〜30wt%であるものがさらに好ましく、TREOに占める、酸化ランタンと酸化ネオジムの合計重量の割合((La+Nd)/TREO)が25wt%〜50wt%であるものがさらに好ましい。また、この原料においても、上記理由と同様の理由で、TREOとウランおよびトリウムの合計重量との重量比((U+Th)/TREO)が0.05wt%以下であるものが好ましく、0.005wt%以下である原料がより好ましく、0.0005wt%以下である原料がさらに好ましい。
さらに、上記発明に係るセリウム系研摩材用原料としては、いずれの発明に係る原料であるとに拘わらず、TREOに占める酸化プラセオジムの重量の割合(Pr11/TREO)が2.0wt%〜8.0wt%であるものがさらに好ましい。
また、先に、原料に含まれることがあるウランやトリウムといった放射性物質について言及したが、研摩材用原料となる鉱石には、これら以外にも、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、鉄(Fe)、リン(P)等の元素を多く含有していることがある。このような多くの元素を含有する鉱石(原料)から製造された研摩材は、これらの成分を不純物として多く含有している。これらの不純物を多く含有する研摩材を用いると研摩傷が発生しやすく、さらには研摩速度が低下することがある。そして、これらの不純物(特に鉄)が研摩面等に残留すると、研摩対象物の電気的または磁気的特性を低下させることがある。その意味では、上記原料に係る発明のいずれであるとに拘わらず、本発明に係るセリウム系研摩材用原料およびセリウム系研摩材としては、TREOと、カルシウム、バリウム、鉄、リンの合計重量との重量比((Ca+Ba+Fe+P)/TREO)が2.0wt%以下が好ましく、1.0wt%以下がより好ましく、0.5wt%以下がさらに好ましく、その原料としても、当該重量比((Ca+Ba+Fe+P)/TREO)が2.0wt%以下が好ましく、1.0wt%以下がより好ましく、0.5wt%以下がさらに好ましい。
セリウム系研摩材用原料の製造方法としては、概略的には、次のような方法(原料の第1製造方法)がある。
まず、バストネサイト精鉱などの精鉱を硫酸分解法やアルカリ分解法によって分解し、分別沈澱や分別溶解等の処理を行ってウラン、トリウム、カルシウム、バリウム、鉄、リン等の不純物を低減・除去することにより希土類溶液を得る。そして、得られた希土類溶液の希土類成分の組成を調整する(希土類組成調整)。その後、組成が調整された希土類溶液と沈澱剤(例えば、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水、しゅう酸、しゅう酸アンモニウム、しゅう酸ナトリウム、尿素等)を混合して希土類化合物(例えば、炭酸塩、塩基性炭酸塩、モノオキシ炭酸塩、水酸化物、しゅう酸塩等)の沈澱を生成し、これを濾過・水洗して本発明に係るセリウム系研摩材用原料を得るという方法である。
セリウム系研摩材用原料製造時、不純物の低減・除去後に行われる希土類溶液の組成調整方法としては、溶媒抽出法と添加法がある。溶媒抽出法では、適用方法によっては希土類元素以外の不純物の低減もある程度可能である。また、溶媒抽出法と添加法は組合せて実施してもよい。
まず、溶媒抽出法について説明する。例えば、溶媒抽出前の溶液中のネオジムの割合(Nd/TREO)が高い場合や、当該溶液中の酸化ランタンと酸化ネオジムとの重量比(La/Nd)が小さい場合に用いる溶媒抽出法としては、次の2つの方法を挙げることができる。すなわち、希土類水溶液から有機溶媒にネオジムの一部を抽出する方法や、有機溶媒に希土類元素のほぼ全量を抽出した後、当該有機溶媒と逆抽出用の水溶液とを接触させ、有機溶媒中にネオジムの一部を残して他の大部分の希土類元素を水溶液中に逆抽出する方法である。このような方法によってネオジムの割合を低減して本発明に適合する割合に調整する。反対に、溶媒抽出前の溶液中のネオジムの割合(Nd/TREO)が低い場合や、当該溶液中の酸化ランタンと酸化ネオジムとの重量比(La/Nd)が大きい場合に用いる溶媒抽出法としては、次の方法を挙げることができる。すなわち、水溶液中にランタンやセリウムの一部を残して他の希土類元素を有機溶媒に抽出させた後、逆抽出用の水溶液と接触させ、有機溶媒に抽出した希土類元素のほぼ全量を水溶液中に逆抽出方法である。このような方法によってネオジムの割合を高めて本発明に適合する割合に調整する。
なお、ここで説明した各溶媒抽出法は、有機溶媒として重希土元素ほど抽出しやすい有機溶媒を使用した場合の方法であるが、軽希土元素ほど抽出しやすい有機溶媒も使用可能である。また、上記溶媒抽出法の各抽出工程や逆抽出工程における対象物質の抽出量や逆抽出量は、製造しようとしている研摩材用原料が、いずれの発明に係る原料であるか、などの条件によって適宜定められる。
次に、添加法について説明する。希土類組成調整前の溶液中のネオジムの割合(Nd/TREO)が高い場合や、溶媒抽出前の溶液中の酸化ランタンと酸化ネオジムとの重量比(La/Nd)が小さい場合に用いる添加法とは、希土類元素としてランタンやセリウムを多く含む化合物の水溶液(例えば、炭酸塩、水酸化物、塩化物、酸化物等を塩酸等の酸(塩化物は水でも可)にて溶解した液)を添加し混合してネオジムの割合を低減して本発明に適合する割合に調整するという方法である。反対に、希土類組成調整前の溶液中のネオジムの割合(Nd/TREO)が低い場合や、溶媒抽出前の溶液中の酸化ランタンと酸化ネオジムとの重量比(La/Nd)が大きい場合に用いる添加法とは、希土類元素としてネオジムを多く含む化合物の水溶液を添加し混合してネオジムの割合を高めて本発明に適合する割合に調整するという方法である。
なお、上添加法における水溶液の添加量は、製造しようとしている研摩材用原料が、上記いずれの発明に係る原料であるか、などの条件によって適宜定められる。
セリウム系研摩材用原料の製造方法としては、次のような方法(原料の第2製造方法)もある。
例えば、上記発明に係る研摩材のうち、全希土類酸化物換算重量(TREO)が90wt%以上であり、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であり、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であるセリウム系研摩材(第1の発明)を製造する場合であれば、まず、研摩材用原料の原料として次のようなものを用意する。具体的には、ウラン、トリウム、カリウム、バリウム、鉄、リン等の元素の含有率は十分に低減されているが、「CeO/TREO」や「Nd/TREO」の値は必ずしも上述の好適範囲内にないもの(例えば、炭酸塩、塩基性炭酸塩、モノオキシ炭酸塩、水酸化物、しゅう酸塩、酸化物等)を複数用意する。そして、これら複数のもの(研摩材用原料の原料)を混合してセリウムやネオジムの含有率を調整することにより(混合工程)、本発明に係るセリウム系研摩材用原料を製造する。
また、例えば、上記発明に係る研摩材のうち、全希土類酸化物換算重量(TREO)に対する酸化セリウム(CeO)の重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、TREO中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)の重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であるセリウム系研摩材(第2の発明)を製造する場合であれば、まず、研摩材用原料の原料として次のようなものを用意する。具体的には、ウラン、トリウム、カリウム、バリウム、鉄、リン等の元素の含有率は十分に低減されているが、「CeO/TREO」や「La/Nd」の値は必ずしも上述の好適範囲内にないもの(例えば、炭酸塩、塩基性炭酸塩、モノオキシ炭酸塩、水酸化物、しゅう酸塩、酸化物等)を複数用意する。そして、これら複数のもの(研摩材用原料の原料)を混合してセリウムやネオジムの含有率を調整することにより(混合工程)、本発明に係るセリウム系研摩材用原料を製造する。
なお、当該第2製造方法で説明した混合工程は、セリウム系研摩材の製造で行われる焙焼工程の前までに行われていればよいものである。すなわち、当該混合工程は、セリウム系研摩材用原料の製造過程のどの段階で行われても良い工程である。例えば、上述したような複数の原料(研摩材用原料の原料)を、別々に粉砕し、フッ化処理した後に混合工程を行ってもよい。また、混合に供用する複数の原料(研摩材用原料の原料)として、TREO中の1種類の希土類酸化物の割合が99wt%以上である高純度のものが1つ以上あってもよい。高純度のものを用いると組成の調整を容易に行うことができるが、高純度のものは高価である。
ここまで種々の研摩材用原料について説明したが、上記セリウム系研摩材用原料を仮焼して得られる焼成物(例えば、希土類炭酸塩、塩基性炭酸塩、モノオキシ炭酸塩、水酸化物、しゅう酸塩等の原料を仮焼して得られる酸化物や、当該酸化物とその原料との中間体)も、本発明に係るセリウム系研摩材用原料とすることができる。ここでいう研摩材用原料とは、それを原料として研摩材を製造するためには研摩材製造時に焙焼工程が必要となるもののことである。つまり、ここでいうセリウム系研摩材用原料には、研摩材製造時の初期段階に行われる粉砕工程前の原料をはじめとして、セリウム系研摩材製造時の焙焼工程に供される前の原料(中間原料)が含まれる。したがって、ここまでに説明した上記研摩材用原料に粉砕処理および/またはフッ化処理を施したものや、さらに乾燥処理および/または粉砕処理を施したものであっても、焙焼されてはじめてセリウム系研摩材となるもの(すなわち研摩材製造における焙焼工程前のもの)は、ここでいうセリウム系研摩材用原料(中間原料)である。
また、上記各発明に係るセリウム系研摩材用原料やセリウム系研摩材において、「F/TREO」、「(U+Th)/TREO」、「(Ca+Ba+Fe+P)/TREO」は、研摩材用原料や研摩材についての全希土類酸化物換算重量(TREO)に対する「F」の重量、「U+Th」の重量または「Ca+Ba+Fe+P」の重量の重量比であり、「TREO」に占める「F」の重量、「U+Th」の重量または「Ca+Ba+Fe+P」の重量の割合ではない。「TREO」は、「F」、「U+Th」、「Ca+Ba+Fe+P」を含有しないものであり、「TREO」に占める「F」の重量、「U+Th」の重量または「Ca+Ba+Fe+P」の重量の割合は基本的に0重量%である。したがって、研摩材用原料や研摩材の「F/TREO」、「(U+Th)/TREO」または「(Ca+Ba+Fe+P)/TREO」を求める場合は、研摩材用原料や研摩材の「TREO(全希土類酸化物換算重量)」、「F」の重量、「U+Th」の重量および「(Ca+Ba+Fe+P)」の重量を別々に測定し、計算によって「TREO」を100wt%に換算する。例えば、研摩材の「TREO」が90.0wt%で、研摩材の「F」が6.3wt%の場合、当該研摩材の「F/TREO」は、6.3(wt%)÷90.0(wt%)×100(wt%)=7.0(wt%)となる。
以下、本発明に係るセリウム系研摩材の好適な実施形態について説明する。
第1実施形態
まず、塩化希土(インド産)を用意した。なお、その組成は、全希土類酸化物換算重量(以下、TREO)が46.0wt%、CeO/TREOが50.3wt%、La/TREOが23.7wt%、Nd/TREOが20.0wt%、Pr11/TREOが5.2wt%、(U+Th)/TREOが0.0005wt%未満、(Ca+Ba+Fe+P)/TREOが0.6wt%であった。また、この塩化希土は、モナザイト精鉱(インド産)に対して粉砕、濃NaOH水溶液を用いたアルカリ分解(140℃、3時間)、燐酸成分を水溶液に溶かし出す熱水処理、濾過、pH3.5〜4.0に調整された塩酸を用いた分別溶解(希土類元素を溶解し、ウラン(U),トリウム(Th)を水酸化物沈澱中に残した)、濾過、溶媒抽出、蒸発濃縮、そして放冷固化の各工程を順次行って得たものとされている。
実施例1:用意した塩化希土を用いてセリウム系研摩材用原料(中間原料)を製造した。まず、用意した塩化希土と0.1mol/L希塩酸とを混合・溶解して塩化希土溶液を調製し、調製した溶液について濾過を行い、濾過後の溶液について溶媒抽出を行った。当該溶媒抽出では、有機溶媒として、重希土類元素ほど抽出されやすい抽出剤(PC−88A:大八化学工業所製)と希釈剤(イプゾール:出光石油化学製)を液量比(抽出剤/希釈剤)が1/2になる割合で混合したものを用いた。そして、当該有機溶媒と塩化希土溶解液(TREO210g/L)とを流量比(有機溶媒/塩化希土溶解液)が8/1になる状態で向流多段接触(30段)させて希土類元素を有機溶媒に抽出した。なお、当該工程では、供用する有機溶媒との向流多段抽出の途中に、塩化希土溶液中の希土類元素のほぼ全量が抽出されるのに必要十分な量の水酸化ナトリウム水溶液を添加した。この後、希土類元素を含む有機溶媒と3mol/L塩酸水溶液とを流量比(有機溶媒/塩酸水溶液)が8/1.4になる状態で向流多段接触(30段)させ、プラセオジムおよびネオジムの一部ならびにネオジムよりも有機溶媒に抽出されやすい希土類元素(サマリウム(Sm)から重希土およびイットリウム(Y))の大半を有機溶媒に残し、ランタン、セリウムの大部分と、プラセオジムおよびネオジムの一部を塩酸水溶液中に逆抽出して希土類溶液(精製液)を得た。
溶媒抽出後、得られた希土類溶液と炭酸水素アンモニウム水溶液(沈澱剤)を混合して希土類炭酸塩の沈澱を生成した後、遠心分離機を用いて濾過、洗浄(水洗)を行って、セリウム系研摩材用原料(中間原料)である希土類炭酸塩を得た。その組成は、TREOが44wt%というものであった。なお、TREO中の各希土類元素の重量の割合は得られたセリウム系研摩材と同じであった(表1参照)。また、F/TREOは0.1wt%未満、(U+Th)/TREOは0.0005wt%未満、(Ca+Ba+Fe+P)/TREOは0.4wt%未満であった。
このようにして用意した希土類炭酸塩(中間原料)と当該原料重量の2倍の重量の純水とを混合し、湿式ボールミル(粉砕媒体は直径5mmのジルコニアボール)にて8時間湿式粉砕を行って原料スラリーを得た。得られた粉砕品のD50は、0.8μmであった。そして、得られたスラリーに10wt%フッ化水素酸を添加して、スラリー中のフッ素成分の重量比(F/TREO)を調製し、このスラリーを30分間撹拌処理を行った(以下、単にフッ化処理という)。フッ化処理後の「F/TREO」は8.0wt%であった。なお、フッ素濃度の測定には、アルカリ溶融・温湯抽出・フッ素イオン電極法を用いた。その後、固形分を沈降させて上澄み液を抜出し、純水を加えるという、いわゆるリパルプ洗浄を行い、洗浄後のスラリーをフィルタプレス法にて濾過した。そして、得られた濾過ケーキを140℃にて48時間乾燥した。さらに、得られた乾燥ケーキをサンプルミルで粉砕し、得られた粉砕品を焙焼した(焙焼温度1000℃、焙焼時間12時間)。焙焼後、得られた焙焼品を、さらにサンプルミルで粉砕し、ターボクラシファイア(分級点を5μmに設定)にて分級してセリウム系研摩材を得た。
実施例2,3:これらの実施例では、希土類元素を含む有機溶媒と3mol/L塩酸水溶液とを向流多段接触させてランタン等の希土類元素を塩酸水溶液中に逆抽出する工程における有機溶媒と塩酸水溶液との流量比(有機溶媒/塩酸水溶液)が実施例1と異なる。なお、実施例2における流量比(有機溶媒/塩酸水溶液)は、8/1.3であり、実施例3における流量比(有機溶媒/塩酸水溶液)は、8/1.2であった。これ以外の条件は、実施例1と同じであるので、説明を省略する。なお、実施例2で製造された希土類炭酸塩(中間原料)のTREOは46wt%であり、実施例3で製造された希土類炭酸塩(中間原料)のTREOは43wt%であった。そして、TREO中の各希土類元素の重量の割合は、いずれの実施例とも、最終的に製造されたセリウム系研摩材と同じであった(表1参照)。また、いずれの実施例とも、F/TREOは0.1wt%未満であり、(U+Th)/TREOは0.0005wt%未満であり、(Ca+Ba+Fe+P)/TREOは0.4wt%未満であった。
比較例1:原料として米国産のバストネサイト精鉱を用意した。その組成(重量比)は、TREOが70wt%、CeO/TREOが49.3wt%、La/TREOが34.0wt%、Nd/TREOが11.3wt%、Pr11/TREO4.0wt%、F/TREOが8.0wt%、(U+Th)/TREO)が0.1wt%、(Ca+Ba+Fe+P)/TREOが6.8wt%であった。そして、用意した原料(バストネサイト精鉱)と当該原料重量の2倍の重量の純水とを混合し、湿式ボールミル(粉砕媒体は直径5mmのジルコニアボール)にて8時間湿式粉砕を行って原料スラリーを得た。そして、得られた原料スラリーに対して、リパルプ洗浄、濾過、乾燥、焙焼、粉砕、分級の各工程を順次行ってセリウム系研摩材を得た。なお、リパルプ洗浄以降の各工程の条件は実施例1と同じであった。
比較例2,3:これらの比較例は、希土類元素を含む有機溶媒と3mol/L塩酸水溶液とを向流多段接触させてランタン等の希土類元素を塩酸水溶液中に逆抽出する工程の条件が実施例1とは異なる。比較例2では、有機溶媒と塩酸水溶液との流量比(有機溶媒/塩酸水溶液)が8/1.6であり、また有機溶媒中の希土類元素のほぼ全量を塩酸水溶液中に逆抽出して希土類溶液(精製液)を得た。そして、比較例3における流量比(有機溶媒/塩酸水溶液)は、8/1.1であった。これ以外の条件は、実施例1と同じであった。なお、比較例2で製造された希土類炭酸塩(中間原料)のTREOは42wt%であり、比較例3で製造された希土類炭酸塩(中間原料)のTREOは46wt%であった。そして、TREO中の各希土類元素の重量の割合は、いずれの比較例とも、最終的に製造されたセリウム系研摩材と同じであった(表1参照)。また、いずれの比較例とも、F/TREOは0.1wt%未満であり、(U+Th)/TREOは0.0005wt%未満であり、(Ca+Ba+Fe+P)/TREOは0.4wt%未満であった。
実施例4〜7:各実施例では、フッ化処理の条件が異なること以外、実施例2と同じ条件でセリウム系研摩材を製造した。なお、フッ化処理後の「F/TREO」は、実施例4では4.0wt%、実施例5では5.5wt%、実施例6では、11wt%、実施例7では15wt%であった。
実施例8,9:各実施例では、焙焼工程における焙焼温度が異なること以外、実施例2と同じ条件でセリウム系研摩材を製造した。なお、焙焼温度は、実施例8では850℃であり、実施例9では、1100℃であった。
上記各実施例および各比較例で得られたセリウム系研摩材の、フッ素含有率、TREO、TREO中の各希土類酸化物の重量の割合などの値を表1に示す。なお、(Ca+Ba+Fe+P)/TREOは、比較例1の研摩材が6.2wt%で、その他の研摩材は0.4wt%未満であった。
Figure 2005000992
各実施例および比較例で得られたセリウム系研摩材を用いて、平均粒径(D )、BET法比表面積(BET)および回折X線強度(Intensity)を測定した。また、各実施例および比較例で得られたセリウム系研摩材を用いて研摩試験を行い、研摩値(研摩速度)、得られた研摩面の傷評価および付着性(洗浄性)について評価を行った。測定方法、研摩試験方法、各種研摩特性の評価方法を次に説明する。なお、測定値および評価結果については後掲の表2に示す。
平均粒径(D 50 )の測定
レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置((株)島津製作所製:SALD−2000A)を使用してセリウム系研摩材の粒度分布を測定し、平均粒径(D50:小粒径側からの累積体積50wt%における粒径)を求めた。
BET法比表面積(BET):JIS R 1626−1996(ファインセラミックス粉体の気体吸着BET法による比表面積の測定方法)の「6.2流動法の(3.5)一点法」に準拠して測定を行った。その際、キャリアガスであるヘリウムと、吸着質ガスである窒素の混合ガスを使用した。
X線回折測定
X線回折装置(マックサイエンス(株)製、MXP18)を用いて、セリウム系研摩材についてX線回折分析を行い、回折X線強度を測定した。本測定では、銅(Cu)ターゲットを使用しており、Cu−Kα線を照射して得られたCu−Kα線による回折X線パターンのうち回折角(2θ)が20°〜30°に出現したピークについて解析した。なお、その他の測定条件は、管電圧40kV、管電流150mA、測定範囲2θ=5°〜80°、サンプリング幅0.02°、走査速度4°/minであった。そして、得られたX線回折測定結果から、酸化セリウム(CeO)のX線回折ピーク強度、ランタノイドオキシフッ化物(LnOF)のX線回折ピーク強度およびランタノイドフッ化物(LnF)のX線回折ピーク強度を読み取り、各X線回折ピーク強度比(LnOF/CeO、LnF/CeO)を求めた。
研摩試験
研摩機として、研摩試験機(HSP−2I型、台東精機(株)製)を用意した。この研摩試験機は、研摩対象面に研摩材スラリーを供給しながら研摩パッドで研摩対象面を研摩するものである。研摩パッドはポリウレタン製のものであり、当該研摩試験では1回(24時間程度の研摩時間)毎に新品に交換した。そして、研摩対象物として65mmφの平面パネル用ガラスの用意した。また、粉末状のセリウム系研摩材粉末と純水を混合して、固形分濃度が15重量wt%である研摩材スラリーを50L調製した。この研摩材スラリーを用いて平面パネル用ガラスの表面を研摩した。本研摩試験では、研摩材スラリーを5リットル/分の割合で供給することとし、研摩材スラリーを循環使用した。また、研摩面に対する研摩パッドの圧力を9.8kPa(100g/cm)とし、研摩試験機の回転速度を100rpmに設定した。
研摩値(研摩速度)の評価
研摩開始30分後、研摩対象の平面パネル用ガラスを交換した。なお、交換した平面パネル用ガラスは重量測定済みのものである。そして、平面パネル用ガラス交換後10分間研摩を行って、研摩によるガラス重量の減少量を求め、この値に基づき「研摩値1」を求めた。なお、比較例1の研摩材の研摩値を基準(100)とした。
最初の30分間とその後の10分間の合計40分間の研摩終了後、新しい平面パネル用ガラスに交換して、23時間20分(合計24時間)の間、研摩を行い、その後、研摩対象の平面パネル用ガラスを交換した。なお、交換した平面パネル用ガラスは重量測定済みのものである。そして、平面パネル用ガラス交換後10分間研摩を行って、研摩によるガラス重量の減少量を求め、この値に基づき「研摩値2」を求めた。ここでは、比較例1の研摩材の研摩値1を基準(100)として研摩値2を求めた。
そして、「研摩値1」および「研摩値2」に基づいて「研摩値比(研摩値2/研摩値1)」を求め、「研摩値1」、「研摩値2」および「研摩値比」を用いてセリウム系研摩材の研摩値(研摩速度)を評価した。
研摩傷の評価
また、研摩終了後、研摩した平面パネル用ガラスを、純水で洗浄し、無塵状態で乾燥させた研摩面について傷評価を行った。傷評価は、30万ルクスのハロゲンランプを光源として用いる反射法でガラス表面を観察し、大きな傷および微細な傷の数を点数化し、100点を満点として減点評価する方式で行った。この傷評価では、ハードディスク用あるいはLCD用のガラス基板の仕上げ研摩で要求される研摩精度を判断基準とした。具体的には表2および表5中、「◎」は、98点以上(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に非常に好適)であることを、「○」は、98点未満95点以上(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に好適)であることを、「△」は、95点未満90点以上(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に使用可能)であることを、そして「×」は、90点未満(HD用・LCD用ガラス基板の仕上げ研摩に使用不可)であることを示す。
付着性試験
また、研摩材の付着性(洗浄性)について試験を行った。試験では、まず、洗浄・乾燥された光学顕微鏡観察用のスライドグラスを、研摩材スラリー中に浸漬すると共に引き上げて50℃で一旦乾燥させ、その後、純水入りの容器に浸漬させて超音波洗浄を5分間行い、超音波洗浄後、容器から取り出したスライドグラスを純水で流水洗して観察対象のスライドグラスを得た。その後、スライドグラス表面に残存する研摩材粒子の残存量を光学顕微鏡で観察することで付着性を評価した。具体的には、表2および表5中、「○」は、研摩材粒子の残存が観察されず仕上げ研摩用として非常に好適であることを、「△」は、研摩材粒子の残存が観察されたがわずかであり仕上げ研摩用として好適であることを、「×」は、研摩材粒子の残存が非常に多く観察され仕上げ研摩用として不適であることを示す。
Figure 2005000992
表2に示されるように、実施例1〜3の研摩材は、研摩開始直後(30分後)の研摩値(研摩値1)が高く、そして、長時間循環使用した後においても比較的高い研摩値(研摩値2)を有しており、使用による研摩値の低下が比較的小さかった(研摩値比=0.66〜0.78)。つまり、研摩開始後の急激な研摩値(研摩速度)の低下が防止され、より高い研摩値がより長い間維持された。そして、実施例1〜3の研摩材とも、研摩傷が発生しにくく、研摩面に付着しにくいという点で優れていた。また、表2に示されるように、実施例の研摩材は、全て研摩特性に優れていたが、中でも実施例2の研摩材が最も研摩特性に優れていた。これに対し、比較例1〜3の研摩材は、研摩値2が著しく低く、使用により急激に研摩力が低下した(研摩値比=0.23〜0.32)。また、研摩傷が発生しやすく、研摩面に付着しやすいという不具合が見られた。
そこで、表1に示されるデータについて各実施例と比較例のデータについて検討したところ、次のようなことが解った。
セリウム系研摩材としては、TREOが90wt%以上のものが好ましく、92wt%以上がより好ましい。そして、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%以上であるものが好ましい。また、各実施例と比較例2から、セリウム系研摩材としては、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が16wt%以下が好ましい。さらに、各実施例と比較例3から、セリウム系研摩材としては、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が少なくとも10wt%以上が好ましい。
そして、セリウム系研摩材としては、TREOに占める酸化ランタンの重量の割合(La/TREO)が30wt%以下が好ましい。
また、各実施例および比較例のデータ(表1)について別の観点で比較したところ、セリウム系研摩材としては、酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)との重量比(La/Nd)が1.4以上のものが好ましく(各実施例と比較例2との比較)、2.8以下のものが好ましい(各実施例と比較例1,3との比較)。
さらに、セリウム系研摩材としては、TREOに占める酸化ランタンおよび酸化ネオジムの合計重量の割合((La+Nd)/TREO)が25wt%〜50wt%であるものが好ましい。また、実施例2および実施例4〜7を比較したところ、セリウム系研摩材としては、TREOと、フッ素含有量の重量比(F/TREO)が4.0wt%〜9.0wt%であるものがより好ましい。
また、セリウム系研摩材としては、TREOと、ウランおよびトリウムの合計重量の重量比((U+Th)/TREO)が0.05wt%以下のものが好ましい。そして、実施例1〜3と比較例1〜3を比較したところ、上記X線回折ピーク強度比(LnOF/CeO)は0.4〜0.7が好ましい。
さらに、各実施例から、研摩材粒子の平均粒径(D50)が0.7μm〜1.6μmであるものがより好ましく、BET法比表面積が2.0m/g〜5.0m/gであることがより好ましい。
また、表2に示されるように、実施例2および実施例4〜7の研摩材は、いずれも、研摩値1が高く、且つ比較的高い研摩値2を有しており、使用による研摩値の低下が比較的小さかった(研摩値比=0.66〜0.78)。つまり、研摩開始後に急激に研摩値(研摩速度)が低下するようなことが防止されており、より高い研摩値がより長い間維持されていた。ただし、実施例4の研摩材は、実施例2などと比べると、やや研摩値1および研摩値2が低く、付着性が若干あった。これは、実施例2などと比べて、TREO量とフッ素量の重量比(F/TREO)が小さく、またX線回折ピーク強度比(LnOF/CeO)が小さいからであると考えられる。また、実施例7の研摩材は、実施例2などと比べると、やや研摩傷が発生しやすく付着性が若干あった。これは、実施例2などと比べて、X線回折ピーク強度比(LnOF/CeOやLnF/CeO)が大きいからであると考えられる。
そして、表2に示されるように、実施例2、8および9研摩材は、研摩値1が高く、そして研摩値2も比較的高く、使用による研摩値の低下が比較的小さかった(研摩値比=0.72〜0.78)。つまり、研摩開始後に急激に研摩値(研摩速度)が低下するようなことが防止されており、より高い研摩値がより長い間維持されていた。この結果、本発明の研摩材用原料を用いて研摩材を製造する場合、焙焼温度が800℃〜1200℃(より好ましくは850℃〜1100℃)であれば、研摩値(研摩速度)の低下が少ない(研摩値比が大きい)研摩材を製造できることが解った。
第2実施形態
次に、炭酸セリウム、炭酸ランタン、炭酸プラセオジム、炭酸ネオジムを各々個別に仮焼(焙焼)した後、混合して原料を調製し、調製した原料を用いてセリウム系研摩材を製造した実施例および比較例について説明する。
まず、高純度の炭酸セリウム(TREO:45wt%、CeO/TREO:99.9wt%以上)、炭酸ランタン(TREO:が45wt%、La/TREO:99.9wt%以上)、炭酸プラセオジム(TREO:45wt%、Pr11/TREO:99.9wt%以上)、炭酸ネオジム(TREO:45wt%、Nd/TREO:99.9wt%以上)を用意して、各々別個に仮焼(焙焼)した。仮焼温度は600℃、仮焼時間は12時間であった。そして、仮焼によって、炭酸セリウム仮焼品(TREO:83wt%、CeO/TREO:99.9wt%以上、強熱減量:17wt%)、炭酸ランタン仮焼品(TREO:85wt%、La/TREO:99.9wt%以上、強熱減量:15wt%)、炭酸プラセオジム仮焼品(TREO:86wt%、Pr11/TREO:99.9wt%以上、強熱減量:14wt%)、炭酸ネオジム仮焼品(TREO:82wt%、Nd/TREO:99.9wt%以上、強熱減量:18wt%)を得た。
そして、このようにして得られた各仮焼品を混合して、次に説明する各実施例および各比較例で用いるセリウム系研摩材原料(中間原料)を調製した。各実施例および比較例で用いたセリウム系研摩材原料(中間原料)の組成を表3に示す。また、これらの混合して調製した中間原料5種類の(U+Th)/TREO重量比は、いずれも0.0005wt%未満であり、(Ca+Ba+Fe+P)/TREO重量比は、0.1wt%未満であった。
Figure 2005000992
実施例10〜14および比較例6〜9:調製したセリウム系研摩材用原料(中間原料=希土類炭酸塩仮焼品(混合品))と当該原料重量の2倍の重量の純水とを混合し、湿式ボールミル(粉砕媒体は直径5mmのジルコニアボール)にて8時間湿式粉砕を行って原料スラリーを得た。得られた粉砕品のD50は、0.8μmであった。そして得られたスラリーに対してフッ化処理(実施例1での処理と同じ)を行った。フッ化処理後の「F/TREO」は8.0wt%であった。その後、固形分を沈降させて上澄み液を抜出し、純水を加えるという、いわゆるリパルプ洗浄を行い、洗浄後のスラリーをフィルタプレス法にて濾過した。そして、得られた濾過品に対して、乾燥、焙焼、粉砕、分級の各工程を順次行ってセリウム系研摩材を得た。なお、乾燥以降の各工程の条件は実施例1と同じであった。
上記実施例10〜14および比較例6〜9で得られたセリウム系研摩材のフッ素含有率、TREO、TREO中の各希土類酸化物の重量の割合などの値を表4に示す。また、これらの研摩材の(Ca+Ba+Fe+P)/TREO重量比は、0.1wt%未満であった。
Figure 2005000992
各実施例および比較例で得られたセリウム系研摩材を用いて、平均粒径(D )、BET法比表面積(BET)および回折X線強度(Intensity)を測定した。また、各実施例および比較例で得られたセリウム系研摩材を用いて研摩試験を行い、研摩値(研摩速度)、得られた研摩面の傷評価および付着性(洗浄性)について評価を行った。測定法および試験法は先に説明した通りである。測定値および評価結果を表5に示す。
Figure 2005000992
表5に示されるように、各実施例の研摩材は、未使用状態での研摩値(研摩値1)が高く、そして、使用済み状態においても比較的高い研摩値(研摩値2)を有しており、使用による研摩値の低下が比較的小さかった(研摩値比=0.67〜0.79)。また、各実施例の研摩材とも、研摩傷が発生しにくく、研摩面に付着しにくいという点で優れていた。なお、実施例10〜14の中では、実施例11の研摩材が最も研摩特性に優れていた。これに対し、各比較例の研摩材は、研摩値2が著しく低く、使用により急激に研摩値(研摩速度)が低下した(ただし比較例9は除く)。また、研摩傷が発生しやすく、研摩面に付着しやすいという不具合が見られた。
そして、表4に示されるデータについて、各実施例と比較例8、9とを比較したところ、セリウム系研摩材としては、TREOに占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であるものが好ましいことが解った。また、各実施例と比較例6、7とを比較したところ、セリウム系研摩材としては、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であるものが好ましいことが解った。また、表5に示されるように、セリウム系研摩材としては、X線回折ピーク強度比(LnOF/CeO)が0.4〜0.7であるものがより好ましいことが解った。
また、表4に示される実施例と比較例のデータを別の観点で比較したところ、TREO中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)の重量比(La/Nd)については、実施例と比較例7との比較から1.4以上が好ましく、各実施例と比較例6との比較から2.8以下が好ましいことが解った。そして、実施例13,14から、酸化ランタンと酸化ネオジムの重量バランスを整えると、TREOに占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が9wt%や17wt%であっても実用的な研摩材が得られることが解った。
産業上の利用の可能性
以上の説明から解るように、本発明に係るセリウム系研摩材は、傷の発生が少なく、また高い研摩力が長い間維持されるものである。したがって、本発明に係るセリウム系研摩材を用いれば、傷が少なく研摩材の付着が少ない高品質の研摩面をより短時間で得ることができる。つまり、本発明によれば、光ディスクや磁気ディスク用ガラス基板の研摩など、高精度の表面研摩性能が要求される分野において好適なセリウム系研摩材を提供できる。

Claims (11)

  1. 希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオ ジムを含み、フッ素を含有するセリウム系研摩材において、
    全希土類酸化物換算重量(TREO)が90wt%以上であり、全希土類酸化物換算重量に占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であり、全希土類酸化物換算重量に占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であることを特徴とするセリウム系研摩材。
  2. 全希土類酸化物換算重量に占める酸化ランタンの重量の割合(La/TREO)が22wt%〜30wt%である請求の範囲1に記載のセリウム系研摩材。
  3. 希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオジムを含み、フッ素を含有するセリウム系研摩材において、
    全希土類酸化物換算重量(TREO)に占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、全希土類酸化物換算重量中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)の重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であることを特徴とするセリウム系研摩材。
  4. 全希土類酸化物換算重量に占める、酸化ランタンと酸化ネオジムの合計重量の割合((La+Nd)/TREO)が25wt%〜50wt%である請求の範囲3に記載のセリウム系研摩材。
  5. 全希土類酸化物換算重量に対するフッ素量の重量比(F/TREO)が4.0wt%〜9.0wt%である請求の範囲1から請求の範囲4のいずれか一に記載のセリウム系研摩材。
  6. 全希土類酸化物換算重量に対するウランとトリウムの合計量の重量比((U+Th)/TREO)が0.05wt%以下である請求の範囲1から請求の範囲5のいずれか一に記載のセリウム系研摩材。
  7. X線源としてCu−Kα線またはCu−Kα線を用いたX線回折法による測定により2θ(回折角)=20°〜30°の範囲に出現するX線回折ピークのうち、希土類オキシフッ化物(LnOF)についてのX線回折ピーク強度であって最強のX線回折ピーク強度と、酸化セリウム(CeO)についてのX線回折ピーク強度であって最強のX線回折ピーク強度との強度比(LnOF/CeO)が0.4〜0.7である請求の範囲1から請求の範囲6のいずれか一に記載のセリウム系研摩材。
  8. 研摩材粒子の平均粒径(D50)は、0.7μm〜1.6μmである請求の範囲1から請求の範囲7のいずれか一に記載のセリウム系研摩材。
  9. BET法比表面積は、2.0m/g〜5.0m/gである請求の範囲1から請求の範囲8のいずれか一に記載のセリウム系研摩材。
  10. 希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオジムを含有するセリウム系研摩材用の原料であって、
    全希土類酸化物換算重量に占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が50wt%〜65wt%であり、全希土類酸化物換算重量に占める酸化ネオジムの重量の割合(Nd/TREO)が10wt%〜16wt%であり、全希土類酸化物換算重量に対するウランとトリウムの合計量の重量比((U+Th)/TREO)が0.05wt%以下であるセリウム系研摩材用原料。
  11. 希土類酸化物として少なくとも酸化セリウム、酸化ランタンおよび酸化ネオジムを含有するセリウム系研摩材用の原料であって、
    全希土類酸化物換算重量に占める酸化セリウムの重量の割合(CeO/TREO)が45wt%〜70wt%であり、全希土類酸化物換算重量中の酸化ランタン(La)と酸化ネオジム(Nd)の重量比(La/Nd)が1.4〜2.8であるセリウム系研摩材用原料。
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