JPWO2004113964A1 - フォトニック結晶の構造 - Google Patents

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Abstract

厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する原子誘電体柱6を有し、原子誘電体柱は2次元格子状に配列されて誘電体柱格子を成し、誘電体柱格子が一様、または、ほぼ一様な屈折率分布を有する周囲誘電体8の中に配置され、周囲誘電体の一部として有機樹脂がフォトニック結晶の厚み方向に非対称な位置に配置されている。

Description

本発明はフォトニック結晶の構造に関し、特に疑似2次元フォトニック結晶の構造に関する。
フォトニック結晶は、一般に、誘電率の異なる2種類以上の誘電体媒質を光(一般には電磁波)の波長程度の格子定数を持つように周期的に配列した複合誘電体結晶のことである。フォトニック結晶は、一様な誘電体媒質の場合と異なり、その中を伝搬する光が特異な波長分散特性をもつ。
フォトニック結晶には、誘電体媒質分布が周期性を有する方向の数に応じて、1次元、2次元、3次元の3種類に分類できるが、それぞれの次元数に対して、更に具体的な構造が多く創案されている。下記非特許文献1には、それら幾つかの例が表にまとめられている。
例えば、1次元のフォトニック結晶として、誘電体薄膜を一定間隔ずつ離して重ねた誘電体周期多層膜の構造がある。この例では、屈折率が1より大きい誘電体薄膜と、屈折率が1の空気の2層の誘電体層(空気層を誘電体層と見なしている)が交互に周期的に並べられている。
また、2次元構造の例としては、誘電体基板に正方格子状配列や三角格子状配列に長い縦孔を開けた構造や、逆に長い柱を配列した構造がある。3次元構造の例としては、誘電体基板に斜めの孔を120°の等角度に3回穿孔することによってダイヤモンド格子を実現した構造がある。また、誘電体の棒を等間隔に平行に配置した井桁構造を何層にも積み上げた構造の面心立方格子構造も考案されている。
このように、フォトニック結晶は、その次元数だけでなく、誘電体媒質分布の周期構造によって三角格子、正方格子、ダイヤ格子、面心立方格子など、その格子構造によっても分類することができ、更には、結晶の作製方法によっても具体的な構造が異なるのである。
このようなフォトニック結晶を母材として、光集積回路を実現しようとする各種試みがなされている。それは、フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップという性質を利用すれば、フォトニック結晶の中で光の流れを自由に制御できると考えられているからである。
一般に、光はフォトニック結晶の中を伝搬することができるが、ある特定範囲の周波数の光だけは、フォトニック結晶の中を伝搬できないという性質がある。この特定の周波数範囲のことを「フォトニックバンドギャップ」と呼ぶ。フォトニック結晶の中に欠陥を導入すると、その欠陥は、フォトニックバンドギャップ内にエネルギー準位を有する固有モードを有するようになる。固有モードとは、ある特定のエネルギー(周波数と等価)と電磁界分布のパターンを有し、かつ、それだけで独立した電磁界の状態のことである。欠陥の固有モードを単純に、「欠陥モード」と呼ぶこともある。フォトニックバンドギャップ内の欠陥モードの光は、その光のエネルギーが欠陥の近傍に集中する。そのため、見かけ上、光が欠陥部位に閉じ込められた状態になる。
フォトニック結晶に導入する欠陥が点欠陥であれば、その点欠陥は微小な光共振器と見なすことができる。また、欠陥が線欠陥であれば、欠陥モードの光はその線欠陥に沿って導波されるため、光導波路(光の配線)と見なすことができる。
点欠陥や線欠陥、更には、他の構造の欠陥構造を組み合わせることによって、光回路を構成するために必要な種々の機能素子、即ち、分流・合流器、分・合波器、波長フィルター、光スイッチなどが構成できると考えられているのである。
誘電体周期多層膜のような1次元フォトニック結晶でも、一方向に関する光の透過、反射、波長選択を制御するので、簡単な光機能素子、あるいはそれらの一次元回路を作製することは可能と考えられる。しかし、複雑な光集積回路を構成するには、光機能素子を2次元的あるいは3次元的に配置せねばならず、2次元以上の周期のフォトニック結晶が必要である。
2次元フォトニック結晶は、誘電率が周期的に変化している2方向(例えば、x方向とy方向)に関してはフォトニックバンドギャップの性質を利用できる。しかし、残りの1方向(z方向)に関しては屈折率分布が一様である(変化が無い)ため、フォトニックバンドギャップの性質によって光を閉じ込めることができない。現実の光回路では、光ファイバなどから入力される有限の径を有する光ビームを伝搬させなければならないが、フォトニックバンドギャップの性質を利用できないz方向に、光が漏れてしまうことになる。
他方、3次元フォトニック結晶は、3方向全てに共通するフォトニックバンドギャップを利用できるため、理想的には、全く漏れのない光導波路やその他の光機能素子を実現できると考えられている。しかし、3次元フォトニック結晶は、一般に作製の工程数が1次元構造や2次元構造に比べて格段に多く、実際に作製するのが困難であったり、作製できても製造コストが非常に大きくなってしまったりするという問題がある。光回路を集積化する利点の一つは大幅な製造コストの削減であるため、この利点が得られないことは、3次元フォトニック結晶を光集積回路の母材に用いることの根本的な問題点となっている。
そこで、現実的な光集積回路用フォトニック結晶として利用が検討されているのが、いわゆる「フォトニック結晶スラブ」と呼ばれる構造である。フォトニック結晶スラブは、2次元フォトニック結晶において誘電率変化の無かった方向(前述のz方向)に有限の厚みを切り出した構造ということができる。
フォトニック結晶スラブの具体的な構造は、下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1の図を引用して、本願図15として示しておく。下記特許文献1の第4頁の段落14には、第1図(本願明細書添付図15)の説明として、「基板1の両面を第一のクラッド2及び第二のクラッド3で挟み込んだ構造となっている。そして、基板1は背景媒質4に原始媒質5を2次元三角配置状に周期的に埋め込んだ構造とされている。」と記載されている。この記述において、「基板1」が2次元フォトニック結晶を有限厚みにした構造に相当する。
本明細書でも簡単のため、フォトニック結晶スラブの構造のうち2次元フォトニック結晶から切り出した部分に相当する有限厚みの層を「コア」、コアを両側から挟む誘電体層を「クラッド」と呼ぶことにする。この呼び方は、スラブ導波路のそれに準じている。
フォトニック結晶スラブでは厚み方向の光の閉じ込めを、フォトニックバンドギャップの性質ではなく、屈折率差による全反射の性質を用いて実現する。その仕組みは、以下のようである。
2次元フォトニック結晶で誘電率が周期変化している2方向を含む平面を「周期平面」と呼ぶ。このとき、周期平面と平行な方向に2次元フォトニック結晶に入射した光は、元の光(0次回折光)と多数の高次回折光が一定の割合で結合したブロッホ波となる。このブロッホ波中の何れの回折光(0次回折光を含む)よりも、伝搬中の光の波長が長くなるような誘電体材料をクラッドに用いれば、この2次元フォトニック結晶から切り出した有限厚みの層をコアとするフォトニック結晶スラブは全反射の効果により厚み方向に光を閉じ込めることができる。
コアの誘電率分布に周期性が存在しない従来のスラブ導波路における光の全反射閉じ込めは、上記の全反射の仕組みにおいて、0次回折光しか存在しない場合に相当する。スラブ導波路ではコア層近傍に光を閉じ込めるために、コアの屈折率をクラッドのそれよりも大きくする必要があるが、フォトニック結晶スラブの場合も、個々の回折波に関するコア層の透過屈折率をクラッドの屈折率よりも大きくすることによって全反射を実現していると言える。
このように、フォトニック結晶スラブの場合、厚み方向への光の閉じ込めは屈折率差による全反射によって為されるが、フォトニックバンドギャップの場合と違って、常に全反射が起こるわけではない。フォトニック結晶スラブ中に屈折率分布の周期性が光の伝搬方向において崩れている部分があると、そこでクラッド層中よりも波長の長い回折光が生じる。
そのため、屈折率差による全反射の条件を満たさず、その回折光はクラッド中に散乱されてしまう。この意味で、フォトニック結晶スラブは、3方向全てにおいて常に光の閉じ込めが可能な3次元フォトニック結晶と同等には成り得ない。更に、光の伝搬方向において屈折率分布の周期性が崩れる部分とは、光回路においては線欠陥導波路の曲がり部分や点欠陥による光共振器など、直線の線欠陥導波路を除く全ての光機能素子が該当するため、これらの部分で光がクラッド中に逃げてしまうことは光回路を構成する上での根本的問題ではある。
しかし、設計を工夫することにとって、その漏れによる光の損失をある程度小さくできることが多い。そのため、大規模光集積回路は無理でも、光の導波損失があまり大きくならないような小規模な光集積回路の母材としてフォトニック結晶スラブが使用できると考えられている。
フォトニック結晶スラブは、厚みが有限とはいえ、疑似2次元フォトニック結晶と言える構造である。そのため、光伝搬に関する特性は2次元フォトニック結晶のそれを多分に引き継いでいる。その特性の一つが光の偏向方向に依存した導波モードの分離である。
2次元フォトニック結晶及びその線欠陥導波路の導波モードには、2つの互いに独立したモードが存在する。即ち、任意の周期平面と平行な2方向に磁界成分のみ存在し、周期平面と垂直な1方向には電界成分のみが存在するトランスバース・マグネティック・モード(TMモード)と、逆に、任意の周期平面と平行な2方向に電界成分のみ存在し、周期平面と垂直な1方向には磁界成分のみが存在するトランスバース・エレクトリック・モード(TEモード)である。なお、刊行物等によってはTMモードとTEモードを逆に定義する場合もあるので、注意を要する。本明細書では、一貫して上記の定義を用いる。この2つの導波モードは、例え同じ周波数の光であっても、お互いに干渉しあって結合することはない。導波モードのTMモードとTEモードへの分離は、2次元フォトニック結晶の屈折率分布が周期平面の法線方向に一様であり、結果として任意の周期平面に対して鏡映対称な構造を有していることに起因している。
フォトニック結晶スラブ及びその線欠陥導波路の場合は、その屈折率分布は厚み方向に一様ではない。しかし、もし屈折率分布が厚み方向に鏡映対称ならば、その鏡映対称面上において、電界と磁界が直交関係にある2つの導波モードに分離する。その一つが、TMモードの性質を有するTMライクモードであり、他の一つがTEモードの性質を有するTEライクモードである。TMライクモードとTEライクモードの場合も、同じ周波数の光であっても互いに干渉しあって結合することはない。
厚み方向に屈折率分布が鏡映対称であるという条件は、実質的には、導波光の光エネルギーが分布している範囲で満たされていればよい。導波モードの光エネルギーはコアの近傍に閉じ込められているから、コアとその近傍のクラッド層の範囲において屈折率分布が鏡映対称であればよいことになる。従って、そのような鏡映対称な構造が更に別の基板に貼り付けられていても、すなわち、全体構造として鏡映対称性を満たさなくとも、導波光の光エネルギーが分布しているコアの近傍さえ鏡映対称になっていれば、導波光にとってのフォトニック結晶スラブ構造の鏡映対称性は実質的に失われることはない。その都度明示しないが、本明細書では「鏡映対称」という言葉をこの意味で用いる。
フォトニック結晶スラブの導波モードをTMライクモードとTEライクモードに分離できることは、そのフォトニック結晶スラブの線欠陥導波路を利用する上で特段に重要である。それは、フォトニック結晶スラブのフォトニックバンドギャップがTMライクモードとTEライクモードでは一般に異なった周波数帯域に存在していることによる。両者のフォトニックバンドギャップの重なる帯域が存在する場合でも、多くの場合、それは狭い帯域に限られる。そのため、フォトニックバンドギャップの性質を利用してフォトニック結晶スラブの線欠陥を光導波路として用いたいとき、TMライクモードあるいはTEライクモードのどちらか一方を用いたいという要請が生じる。
フォトニック結晶スラブの屈折率分布が厚み方向に鏡映対称でなくなれば、TMライクモードとTEライクモードになるべき2つのモードは結合し、一つのモードになってしまう。その結果、例えば、TMライクモードとして線欠陥導波路に入力したはずの光が線欠陥近傍に閉じ込められることなく漏れていってしまう。
このように、フォトニック結晶スラブの屈折率分布を厚み方向に鏡映対称にすることは、TMライクモードとTEライクモードを分離して用いるために必要な条件なのである。
屈折率分布が鏡映対称なフォトニック結晶スラブを実現することを考えるとき、そのフォトニック結晶スラブの作製の容易さが重要な要素になる。作製が難しいと、屈折率の鏡映対称性が微妙に崩れ易くなり、TMライクモードとTEライクモードの結合が僅かに生じる分だけ、導波光の損失が生じるからである。そこで、より具体的なフォトニック結晶スラブ構造を検討することが必要になる。
屈折率分布が厚み方向に鏡映対称なフォトニック結晶スラブは、コアの原子媒質の屈折率が背景媒質の屈折率よりも小さい場合には作製が容易である。尚、簡単のため、コアの原子媒質の屈折率が背景媒質の屈折率よりも小さい場合の結晶を「孔型結晶」と呼び、後で説明する、原子媒質の屈折率が背景媒質の屈折率よりも大きい場合の結晶を、「柱型結晶」と呼ぶことにする。
孔型フォトニック結晶スラブは、例えば、屈折率が3.5と大きなシリコンやガリウム砒素などの半導体から成るメンブレン(端を支えることによって空中に浮かしたスラブのこと)に、三角格子配列に複数の円孔を開けた構造が該当する。この場合、円孔の中の空気(屈折率=1)が原子媒質であり、半導体が背景媒質としてコアを形成している。また、コアの上下の空気がクラッドの役割を担う誘電体となる。
作製の手順は、例えば次のようである。シリコン酸化膜の上に形成されたシリコン薄膜上に、電子線リソグラフィー技術を用いて三角格子配列に複数の孔の開いたフォトレジストマスクを形成する。
次に、フッ素系ガスを用いた異方性ドライエッチングによって、フォトレジストマスクのパターンをシリコン薄膜に転写する。
その後、フッ酸を用いたウエットエッチングによりシリコン薄膜の下のシリコン酸化膜を除去する。
シリコン薄膜は、垂直に加工しなければならないが、シリコン薄膜の厚みが1μm程度以下であれば比較的容易に行うことができる。また、シリコン薄膜を加工するときに、下層のシリコン酸化膜まで一部エッチングしてしまっても、後でそのシリコン酸化膜の全てをウエットエッチングで取り除くので全く問題が無い。このように、スラブ型の孔型フォトニック結晶スラブの場合は、容易に高い精度で屈折率分布を厚み方向に鏡映対称にすることができる。
柱型フォトニック結晶スラブの場合は、コアの原子媒質である柱を何らかの方法で支える必要から、空気を背景媒質として用いるようなメンブレン構造は実現できない。
そのため、空気の代わりに、強度のある固体の誘電体媒質をコアの背景媒質にすることによってメンブレン構造にするか、あるいは、メンブレン構造をあきらめ、固体の原子媒質を、固体のクラッドで挟んだ構造にする必要がある。前者のメンブレン構造を作製するには、原子媒質を加工した後に、原子媒質の間に背景媒質となる誘電体を充填する工程が新たに必要になる。また、後者の固体のクラッドで挟み込む構造の場合、コア層を形成した後に、その上にクラッド層を形成する工程が新たに必要になる。
以上のように、屈折率分布が厚み方向に鏡映対称のフォトニック結晶スラブを実現する手段が、従来技術によって一応提供されている。
特開2003−043277号公報(第1図) 固体物理Vol.32 No.11 1997、第862頁
しかしながら、実際には、光集積回路用母材として使用に耐えるような、屈折率分布が厚み方向に鏡映対称なフォトニック結晶スラブ構造を、従来技術によって実現することは容易ではない。
孔型フォトニック結晶スラブは、メンブレン構造として比較的容易に実現できると述べたが、光集積回路に用いるには、ある程度の面積が必要になる。その場合、コアが空中に浮いているメンブレン型は、機械強度的に弱く、実際の使用に耐えない。このため、孔型フォトニック結晶スラブであっても、コアが固体のクラッドで挟まれている構造にする必要がある。
柱型フォトニック結晶スラブの場合も同じく、メンブレン型は強度が弱く、コアが固体のクラッドで挟まれた構造が望まれる。
結局、孔型であっても柱型であっても、コアが固体のクラッドで挟まれた構造を実現しなければならないが、このとき、作製精度を十分に得るのが困難なことが問題となる。
例えば、原子媒質の間に背景媒質となるべき誘電体を充填した場合、それがコア層の厚み方向に僅かにあふれたり、あるいは薄くなったりし易い。
そうなると、従来技術のフォトニック結晶スラブの構造に必要な、原子媒質と背景媒質が同じ厚みになったコアを得ることが既にできなくなってしまう。
これは、従来技術では、厚み方向に屈折率の分布が鏡映対称にならないことを意味する。
このように、従来技術によるフォトニック結晶スラブの構造は、実際に精度よく作製することが困難であり、そのために、TMライクモードとTEライクモードが完全に分離されたフォトニック結晶スラブの作製歩留まりが悪い、という課題がある。
また、TMライクモードとTEライクモードが例え完全分離できても、光の進行方向に屈折率分布の周期性が失われている欠陥部分では、光がクラッドの中に散乱され、導波光が減衰してしまう、という課題が残されている。
したがって、本発明の主たる目的は、TMライクモードとTEライクモードが分離され、かつ、作製が容易なフォトニック結晶の構造を提供することにある。
本発明の他の目的は、導波光の減衰を補うか、あるいは導波光の強度の増強を可能とするフォトニック結晶の構造を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の1つのアスペクトに係るフォトニック結晶構造は、厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する原子誘電体柱を有し、前記原子誘電体柱は2次元格子状に配列されて誘電体柱格子を成し、前記誘電体柱格子が、一様、又は、ほぼ一様な屈折率分布を有する周囲誘電体の中に配置されていることを特徴とする。
本発明の他のアスペクトに係るフォトニック結晶構造は、厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する誘電体網を有し、前記原子誘電体網は、2次元格子状に配列されて、かつ厚み方向に鏡映対称な構造の貫通孔を有し、前記誘電体網が一様、又は、ほぼ一様な屈折率分布を有する周囲誘電体の中に配置されていることを特徴とする。
更に、本発明においては、前記周囲誘電体は屈折率が等しい2種類以上の誘電体材料が、厚み方向に非対称に分布して成る(配置されている)。かかる構造とすることによって、上述の2つの構造の加工の容易性を増している。
更に、本発明においては、前記周囲誘電体が有機樹脂(単に樹脂、有機膜、或いはポリマーと呼ぶこともある)から成ることを特徴とする。かかるフォトニック結晶構造とすることによって、成膜の容易性を増すことができる。
また、本発明においては、前記厚み方向に非対称に分布した2種類以上の誘電体材料の内の一種類以上が、有機樹脂から成る。かかるフォトニック結晶の構造によれば、加工と成膜の両方で作製の容易な構造とすることができる。
また、本発明においては、前記有機樹脂として、熱硬化性樹脂、又は、紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする。かかるフォトニック結晶の構造によれば、有機膜の成膜をより容易にすることができる。
また、本発明においては、前記原子誘電体柱がシリコンから成り、前記2種以上の誘電体材料の内の一種類が二酸化シリコンである。かかるフォトニック結晶によれば、作製のために成熟したシリコンプロセス技術を用いることができるフォトニック結晶の構造とすることができる。
また、本発明においては、前記有機樹脂の屈折率をシリコン酸化膜の屈折率の1.45よりも小さくできる。かかるフォトニック結晶によれば、厚み方向に光の閉じ込めが強いフォトニック結晶構造とすることができる。
また、本発明においては、前記原子誘電体柱を化合物半導体で構成してもよい。かかるフォトニック結晶構造によれば、シリコンの場合よりも短波長の光に対して使用できるフォトニック結晶の構造とすることができる。
更に、本発明のさらに別のアスペクトに係るフォトニック結晶構造においては、厚み方向に屈折率分布が鏡映対称であって、かつ材料の分布が厚み方向に鏡映対称ではないフォトニック結晶構造において、前記フォトニック結晶に印加する条件を変化させる構造を備え、前記条件の変化によってTMモードとTEモードの結合を制御する構成とされる。かかる構造とすることによって、フォトニック結晶光機能素子を構成する。
また、本発明においては、前記条件が、フォトニック結晶の導波光の波長や強度、フォトニック結晶に照射する光の波長や強度、フォトニック結晶の温度、フォトニック結晶に印加する電界や電流、フォトニック結晶の全部、又は一部に帯電させる電荷、又はフォトニック結晶に加える外部応力である。かかるフォトニック結晶光機能素子によれば、制御の容易なフォトニック結晶光機能素子とすることができる。
本発明においては、前記フォトニック結晶光機能素子の機能が、光スイッチ、又は共振器、又は波長フィルターである。かかるフォトニック結晶光機能素子とすることによって、光集積回路の主要な機能素子を実現する。
更に、本発明のさらに別のアスペクトに係るフォトニック結晶構造においては、厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する原子誘電体柱を有し、前記原子誘電体柱は2次元格子状に配列されて誘電体柱格子を成し、前記誘電体柱格子が前記誘電体柱と異なる屈折率を有する周囲誘電体の中に配置されているフォトニック結晶の構造において、前記周期誘電体の一部、又は全部に、有機媒質がフォトニック結晶の厚み方向に鏡映対称な位置に配置され、前記有機媒質の一部の屈折率がその周囲の有機媒質と、原子誘電体柱格子の周期面と平行な方向に異なっている欠陥を有する。かかる構成によれば、作製の容易な、欠陥を含むフォトニック結晶構造を実現することができる。
あるいは、本発明のさらに別のアスペクトに係るフォトニック結晶構造においては、厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する誘電体網を有し、前記原子誘電体網は、2次元格子状に配列されて、かつ厚み方向に鏡映対称な構造の貫通孔を有し、前記誘電体網が前記誘電体網と異なる屈折率を有する周囲誘電体の中に配置されているフォトニック結晶の構造において、前記周期誘電体の一部又は全部に、有機媒質がフォトニック結晶の厚み方向に鏡映対称な位置に配置され、前記有機媒質の一部の屈折率がその周囲の有機媒質と、原子誘電体網の周期面と平行な方向に異なっている欠陥を有する。かかるフォトニック結晶とすることによって、作製の容易な、欠陥を含むフォトニック結晶構造を実現することができる。
更に、本発明のさらに別のアスペクトに係るフォトニック結晶構造においては、一種類以上の材料から成る厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する原子媒質が二次元平面内に格子状に配置されて構成される原子媒質格子を、他の一種類以上の材料からなる背景媒質が包む構造であって、その屈折率分布が厚み方向に鏡映対称であるフォトニック結晶スラブにおいて、原子媒質と背景媒質の全部、又は一部に光増幅媒質が添加されている。かかる構成のフォトニック結晶スラブとすることによって、一度減衰した導波光や閉じ込め光でも増幅することができる。
または、本発明のさらに別のアスペクトに係るフォトニック結晶構造においては、一種類以上の材料から成る厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する媒質網が二次元格子状に配置された貫通孔を有し、その媒質網を他の一種類以上の材料からなる背景媒質が包む構造であって、その屈折率分布が厚み方向に鏡映対称であるフォトニック結晶スラブにおいて、原子媒質と背景媒質の全部、又は一部に光増幅媒質が添加されている。かかる構成とすることによって、一度減衰した導波光や閉じ込め光でも増幅できるフォトニック結晶構造とする。
更に、本発明のさらに別のアスペクトに係るフォトニック結晶構造においては、前記原子媒質がシリコンと二酸化シリコンの多層構造であり、前記二酸化シリコンには光増幅媒質が添加されており、前記原子媒質は2次元格子状に配列されて原子媒質格子を形成し、前記原子媒質格子は第1の二酸化シリコン膜と第2の二酸化シリコン膜に挟まれて成る。かかる構成のフォトニック結晶の構造とすれば、作製のために成熟したシリコンプロセスを用いることができるフォトニック結晶構造とすることができる。
また、本発明においては、前記媒質網がシリコンと二酸化シリコンの多層構造であり、前記二酸化シリコンには光増幅媒質が添加されており、前記媒質網は2次元格子状に配列されて原子媒質格子を形成し、前記媒質網は第1の二酸化シリコン膜と第2の二酸化シリコン膜に挟まれて成る。かかる構成のフォトニック結晶の構造とすることによっても、作製のために、成熟したシリコンプロセスを用いることができるフォトニック結晶構造とすることができる。
更に、本発明においては、前記光増幅媒質は好ましくは希土類元素である。かかる構成とすることによって、光通信に用いられる波長の光を増幅できるフォトニック結晶の構造とする。
更に、本発明においては、前記希土類元素がエルビウム、ツリウム又はプラセオジウムである。かかる構成とすることによって、C帯、S帯、更には1.3μm帯の光通信波長を特に効率良く増幅できるフォトニック結晶構造とする。
更に、本発明においては、前記原子媒質がシリコンであり、前記背景媒質の一部が二酸化シリコン膜であり、前記二酸化シリコン膜は前記原子媒質格子に格子の片面で接しており、前記背景媒質の他の部分は有機樹脂から成る。かかる構成のフォトニック結晶構造とすることにより、作製の容易化と、増幅作用を兼ね備えたフォトニック結晶構造を実現している。
本発明によれば、原子誘電体柱格子や誘電体網を包む背景誘電体が一様な屈折率分布を有するという基本構成要素に基づき、TMライクモードとTEライクモードの分離に必要とされる、厚み方向の屈折率の鏡映対称性を備えた疑似2次元フォトニック結晶を、従来技術によるフォトニック結晶スラブの場合に比べて、格段に容易、また安価に作製できるフォトニック結晶の構造が提供される。
また、本発明によれば、フォトニック結晶構造の一部に有機樹脂を用いるという基本構成要素に基づき、作製が格段に容易な、欠陥を含むフォトニック結晶の構造が提供される。
また、本発明によれば、フォトニック結晶の一部に光増幅媒質を用いるという基本構成要素に基づき、光の減衰を補償、更には増幅できるフォトニック結晶の構造が提供される。
[図1]本発明の第1の実施の形態を説明する、フォトニック結晶構造を斜めから見た模式図である。
[図2]図1のフォトニック結晶の構成要素の一部を斜めから見た模式図である。
[図3]図3(a)は、本発明の第一の実施の形態の第1の実施例を説明する模式図であり、フォトニック結晶を斜めから見た図である。図3(b)は、図3(a)のフォトニック結晶を横からみた断面を模式的に示す図である。
[図4]図4(a)は、本発明の第一の実施の形態の第2の実施例を説明する模式図であり、フォトニック結晶を斜めから見た図である。図4(b)は、図4(a)のフォトニック結晶を横から見た断面を模式的に示す図である。
[図5]本発明の第1の実施の形態の第3の実施例を説明するフォトニック結晶の断面を模式的に示す図である。
[図6]本発明の第1の実施の形態の第4の実施例を説明するフォトニック結晶の断面を模式的に示す図である。
[図7]本発明の第1の実施の形態の第5の実施例を説明するフォトニック結晶スラブの断面を模式的に示す図である。
[図8]欠陥を有するフォトニック結晶スラブの断面を模式的に示す図であり、本発明の第1の実施の形態の第6の実施例を説明するための図である。
[図9]本発明の第2の実施の形態の第1の実施例を説明するフォトニック結晶スラブの断面を模式的に示す図である。
[図10]本発明の第2の実施の形態の第2の実施例を説明するフォトニック結晶の断面を模式的に示す図である。
[図11]本発明の第2の実施の形態の第3の実施例を説明するフォトニック結晶スラブの構造断面を模式的に示す図である。
[図12]本発明の第2の実施の形態の第4の実施例を説明するフォトニック結晶の断面を模式的に示す図である。
[図13]本発明の第2の実施の形態の第5の実施例を説明するフォトニック結晶の断面を模式的に示す図である。
[図14]本発明の第2の実施の形態の第6の実施例を説明するフォトニック結晶の断面を模式的に示す図である。
[図15]従来技術によるフォトニック結晶スラブの構造を説明する模式図である。
符号の説明
1 周囲誘電体
2 原子誘電体柱
3、8 フォトニック結晶
4 誘電体柱格子
5、11、26、28 有機樹脂
6、10 シリコン円柱
7、9、12 二酸化シリコン膜
13 フォトニック結晶スラブ
33 シリコン円柱上層
34 二酸化シリコン増幅層
35 シリコン円柱下層
本発明の上記および他の目的、特徴および利点を明確にすべく、添付した図面を参照しながら、本発明の実施の形態を以下に詳述する。
図1は、本発明の第1の実施の形態を説明する図であり、フォトニック結晶構造を斜めから見た模式図である。また、図2は、図1のフォトニック結晶の構成要素の一部を斜めから見た模式図である。
図1及び図2を参照すると、原子誘電体柱2(原子媒質)は、屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な誘電体柱であり、一つ以上の複数の材料から成っていてもよい。原子誘電体柱2の厚み方向に垂直な平面における断面形状は任意である。また、原子誘電体柱2の厚み方向における断面形状も、鏡映対称でありさえすれば任意である。原子誘電体柱2は2次元格子状に配列され、誘電体柱格子4(背景媒質)を成している。誘電体柱格子4は、一様(即ち、任意の場所で同じ値)、又は、ほぼ一様な屈折率分布を有する周囲誘電体1の中に配置されている。即ち、周囲誘電体1は、原子誘電体柱2の格子の間、及び上下に存在している。周囲誘電体1の屈折率分布は、厚み方向に鏡映対称であるが、それを構成する材料は任意である。即ち、単一の材料から成っていてもよいし、複数の材料から成る複合構造体であってもよい。誘電体柱格子4の格子の型は任意である。即ち、正方格子、三角格子、蜂の巣格子などの他、並進対称を持たないが回転対称性の存在する準結晶格子、更には、全く規則性を持たない格子であってもよい。
原子誘電体柱2の屈折率分布の厚み方向の鏡映対称性の条件と、周囲誘電体1の屈折率分布の一様、又は、ほぼ一様の条件は、ある特定の条件下のみで成り立つものであってもよい。ここで言う、ある特定の条件とは、
・フォトニック結晶を伝搬する光の波長や強度、
・フォトニック結晶スラブに照射される光の波長や強度、
・フォトニック結晶スラブの温度、
・フォトニック結晶スラブに印加される、電界、電流、電荷、内部応力、外部応力等、あらゆる条件を含む。
原子誘電体柱2が2次元格子状に配列されているフォトニック結晶構造は、柱型のフォトニック結晶構造に相当する。孔型フォトニック結晶に対応する本発明の第1の実施の形態は、次のようになる。
即ち、屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な誘電体網を有し、その原子誘電体網は、2次元格子状に配列された厚み方向に鏡映対称な構造の貫通孔を有している。
そして、本実施の形態のフォトニック結晶は、このような誘電体網が、一様、又はほぼ一様な屈折率分布を有する周囲誘電体の中に配置された構造とされる。
本発明の第1の実施の形態によるフォトニック結晶では、屈折率分布の厚み方向の鏡映対称性のみを規定(定義)し、それを構成する媒質として複数の材料の複合体を許容していることが、最大の特徴である。これは、従来技術のフォトニック結晶スラブの構造では、媒質となる材料の分布(配置)が規定されていることと、大きく異なる。
この定義(本発明:屈折率分布の厚み方向の鏡映対称性、従来技術:媒質となる材料の分布)の差異によって、従来技術の課題がどのように解決されるかを次に説明する。なお、以下の実施例の説明は、上述の柱型結晶に相当する実施の形態に対してのみ行うが、孔型結晶に相当する実施の形態についての実施例も、基本的に同じである。
図3(a)は、本発明の第一の実施の形態の第1の実施例を説明する模式図であり、フォトニック結晶を斜めから見た模式図である。また、図3(b)は、図3(a)のフォトニック結晶を横からみた断面を示す図である。二酸化シリコン膜7の上に、直径0.2μm、高さ0.5μmのシリコン円柱6が正方格子状に配列されている。格子定数は0.4μmである。正方格子を成す多数のシリコン円柱6の間と上部には、ポリメチルメタクリレートをベースにした有機樹脂5が充填されている。二酸化シリコン膜7の屈折率は1.45であるが、有機樹脂5の屈折率も同じ1.45である。
フォトニック結晶8の材料分布は、厚み方向に非対称であるにもかかわらず、屈折率分布は、厚み方向に鏡映対称になっているため、フォトニック結晶8の導波モードはTMライクモードとTEライクモードに分離する。
勿論、有機樹脂5の代わりに、二酸化シリコン膜7と同じ二酸化シリコンを用いれば、材料の分布も対称になる。しかし、二酸化シリコンの成膜には、熱CVD(化学気層成長)やプラズマCVD、或いはスパッタリングといった方法を用いるしかないため、これらの方法で、0.4μm間隔のシリコン円柱の間に隙間無く二酸化シリコンを充填することは困難である。
これに対し、有機樹脂は、液状でスピンコートし、その後の加熱、あるいは紫外線照射によって硬化させることができるので、シリコン円柱6の間へ、隙間無く充填することが、簡単に行える。
更に、有機樹脂5を、スピンコートにより塗布する代わりに、二酸化シリコン膜7の上に、シリコン円柱6を形成した構造を、先に別の基板上に塗布した液状の有機樹脂膜に貼り付け、しかる後に、熱や紫外線により硬化させることも可能である。
このように、本発明の第1の実施の形態によるフォトニック結晶の構造は、TMライクモードとTEライクモードの確実な分離と、作製の大幅な容易化を同時に実現できる。
フォトニック結晶8において、一部のシリコン円柱6の直径を他よりも大きく、又は小さくすることによって、点欠陥や線欠陥などを導入できることは言うまでもない。
有機樹脂5には、屈折率調整さえできれば、制限は無く、ポリメチルメタクリレート以外にも、より耐熱性の高いエポキシ樹脂やポリイミドなどを用いてもよい。
シリコン円柱6は、二酸化シリコンとの接着性が良く加工もし易いが、シリコンが透過できる波長よりも、より短い波長の光を用いるのであれば、ガリウムヒ素やアルミヒ素やアルミガリウムヒ素やガリウムナイトライドやインジウムガリウムヒ素リンやインジウムリンなどによりバンドギャップ(フォトニックバンドギャップではない)が大きい化合物半導体材料を用いることもできる。
また、フォトニック結晶8の二酸化シリコン7を、フッ酸でエッチングして取り除き、その後に、有機樹脂5と同じ樹脂を塗布、硬化させることによって、シリコン円柱6が、屈折率の一様な有機樹脂内に配置されたフォトニック結晶構造を作製することも可能である。
そのよう構造の利点は、有機樹脂として、二酸化シリコン(屈折率=1.45)よりも屈折率の小さい有機樹脂を用いることができるようになることであり、それによって原子誘電体柱の近傍により強く光を閉じ込められるようになる。なお、図3(b)において、孔型フォトニック結晶の場合、符号6は誘電体網の断面を表し、誘電体網断面の間が孔に対応し有機樹脂5が充填されている。
ところで、図3(a)に示したフォトニック結晶8では、シリコン円柱6が二酸化シリコン膜7と片端でのみ接している。シリコン円柱6は、有機樹脂5に埋め込まれているものの、有機樹脂は、二酸化シリコン膜よりも強度が劣るため、フォトニック結晶構造全体としての強度が不足する場合がある。このような場合に適用できる実施例を次に説明する。
図4(a)は、本発明の第一の実施の形態の第2の実施例を説明する模式図であり、フォトニック結晶を斜めから見た模式図である。また、図4(b)は、図4(a)のフォトニック結晶の横断面を示す図である。
二酸化シリコン膜12の上に、直径0.2μm、高さ0.7μmのシリコン円柱10が正方格子状に配列されている。格子定数は0.4μmである。またシリコン円柱10の間には、ポリメチルメタクリレートをベースとする有機樹脂11がシリコン円柱10と同じ厚み(高さ)だけ充填されている。
更に、シリコン円柱10と有機樹脂11の上には、二酸化シリコン膜9が配置されている。有機樹脂11の屈折率は、二酸化シリコン膜12と二酸化シリコン膜9の屈折率と同じ、1.45である。
フォトニック結晶スラブ13は、シリコン円柱10が、有機樹脂11よりも、強度の高い二酸化シリコン膜9と12によって、上下から固定されているため、シリコン円柱の一端のみ二酸化シリコンで固定されている図3(a)のフォトニック結晶8よりも、機械的強度が高い。
実は、図4(a)に示したフォトニック結晶スラブ13は、図15に示した従来技術によるフォトニック結晶スラブにおいて、コアの背景媒質と、上下のクラッドを同じ屈折率を有する媒質にした場合に相当する。その意味で、フォトニック結晶スラブ13の構造は、従来技術によるフォトニック結晶スラブの構造において媒質の屈折率が限定された構造ということができる。
図4(a)に示したフォトニック結晶スラブ13では、二酸化シリコン膜12と二酸化シリコン膜9を同じ材料としたため、屈折率分布だけでなく、材料分布についても、厚み方向に鏡映対称である。そのため、フォトニック結晶スラブ13に電圧を印加したとき、屈折率の変化の仕方が材料によって異なっていても、フォトニック結晶スラブ13の屈折率分布の厚み方向の鏡映対称性は失われない。
それに対して、図3(a)に示したフォトニック結晶8は、屈折率分布が厚み方向に鏡映対称ではあっても、材料の分布が鏡映対称ではない。このため、有機樹脂5の屈折率が、例えば印加電圧で変化した場合、フォトニック結晶8の屈折率分布は厚み方向に鏡映対称ではなくなる。その結果、屈折率の変化前には分離していたTMライクモードとTEライクモードの結合が起こる。この現象を利用すれば、TMモードとTEモードの結合がフォトニック結晶に与える電圧などの条件によって制御する光機能素子を構成できる。
即ち、ある特定の条件下で厚み方向に屈折率分布が鏡映対称であるフォトニック結晶スラブであって、材料の分布が厚み方向に鏡映対称ではないフォトニック結晶スラブにおいて、フォトニック結晶の導波光の波長や強度、フォトニック結晶に照射する光の波長や強度、フォトニック結晶の温度、フォトニック結晶に印加する電界や電流、フォトニック結晶の全部又は一部に帯電させる電荷、フォトニック結晶に加える外部応力などの条件を変化させることによってTMライクモードとTEライクモードの結合を生じさせ、TMライクモードのみ、あるいはTEライクモードのみで利用できるフォトニックバンドギャップの性質や導波モードを消失させ、それによって、TMライクモードとTEライクモードが分離していたときにはオン状態であった光の導波をオフにする光スイッチが構成できる。また、同じ動作原理を用いて、Q値の制御できる共振器や波長フィルターも構成できる。
図4(a)に示した強度の高いフォトニック結晶スラブ13では、有機樹脂11の厚みがシリコン円柱10の高さと同じである。この構造の作製工程において、有機樹脂11を最初からシリコン円柱10と同じ厚みだけ塗布することは困難であるため、図3(b)のように、有機樹脂を一旦、シリコン円柱の高さよりも厚く形成した上で、酸素プラズマによるエッチバックにより、シリコン円柱と同じ高さまで厚みを減少させる方法によって作製することになる。
しかし、この場合も、エッチバック後に有機樹脂の厚みを精確にシリコン円柱の高さとそろえることは必ずしも容易ではない。特に、基板上に凹凸がある場合に、有機樹脂を均一の厚みに塗布することは極めて困難である。
その結果、図4(a)に示したフォトニック結晶スラブ13を作製する過程で、場所によって、図5の断面を有する部分や図6の断面を有する部分が生じることがある。
フォトニック結晶スラブ13が、従来技術の限定的な構造であることは既に述べたが、このように、作製のばらつきによって、必ずしも構造が実現できないことが、従来技術の構造の最大の問題点である。
しかし、本発明の第1の実施の形態に従った構造であれば、図4(a)に示した構造でも、図5乃至図7に示す構造でも、全てが光学的に等しい構造と見なせる。どの構造においてもTMライクモードとTEライクモードが分離されるのである。この点を個々の実施例について更に詳しく説明する。なお、図4(b)において、孔型フォトニック結晶の場合、符号10が誘電体網の断面を表わしている。
図5は、本発明の第1の実施の形態の第3の実施例を説明するフォトニック結晶の断面図である。また、図6は、本発明の第1の実施の形態の第4の実施例を説明するフォトニック結晶の断面図である。
図5に示したフォトニック結晶は、図4(a)に示したフォトニック結晶スラブ13を作製工程において、有機樹脂膜の厚みがシリコン円柱よりも薄くなってしまった場合に、結果として作製されるフォトニック結晶の構造である。即ち、有機樹脂16の膜厚が、シリコン円柱15の高さよりも、薄い。
図6に示したフォトニック結晶は、逆に、図4(a)に示したフォトニック結晶スラブ13を作製工程において、有機樹脂膜の厚みがシリコン円柱よりも厚くなっている。即ち、有機樹脂20の膜厚がシリコン円柱19の高さよりも厚い。
図5に示したフォトニック結晶と、図6に示したフォトニック結晶のどちらの場合でも、誘電体材料の分布は厚み方向に鏡映対称にはなってはいない。これらの構造が、図15に示された従来技術によるフォトニック結晶スラブの構造と異なることは明白である。
図5の場合、二酸化シリコン膜14と二酸化シリコン膜17の屈折率が有機樹脂16の屈折率ともし異なっていたら、図5に示した断面を持つフォトニック結晶の屈折率分布は厚み方向に鏡映対称ではなくなってしまう。
同様に、図6の場合、二酸化シリコン膜18と二酸化シリコン膜21の屈折率が有機樹脂20の屈折率ともし異なっていたら、図6に示したフォトニック結晶の屈折率分布は厚み方向に鏡映対称ではなくなってしまう。
しかし、本発明の第1の実施の形態によれば、図5において、二酸化シリコン膜14と二酸化シリコン膜17の屈折率は、有機樹脂16の屈折率と等しく、図5のフォトニック結晶の周囲誘電体(二酸化シリコン膜14と二酸化シリコン膜17、有機樹脂16)の屈折率分布は、厚み方向に一様になる。結果として、フォトニック結晶全体の屈折率分布は、厚み方向に鏡映対称となる。図5において、孔型フォトニック結晶の場合、符号15が誘電体網の断面である。
同様に、図6において、二酸化シリコン膜18と二酸化シリコン膜21の屈折率は、有機樹脂20の屈折率と等しく、図6のフォトニック結晶の周囲誘電体(二酸化シリコン膜18と二酸化シリコン膜21、有機樹脂20)の屈折率分布は、厚み方向に一様になる。結果として、フォトニック結晶全体の屈折率分布は、厚み方向に鏡映対称となる。なお、図6において、孔型フォトニック結晶の場合、符号19は誘電体網の断面である。
屈折率分布だけを見れば、図5および図6のフォトニック結晶が図4(a)フォトニック結晶スラブ13と等価であることは明らかである。このことは、フォトニック結晶スラブの作製歩留まりを飛躍的に高めることになる。光通信波長帯である波長1.5μmや1.3μmの光に対して用いられるフォトニック結晶スラブの場合、シリコン円柱の高さは0.5μm程度以下になることが多い。
有機樹脂の屈折率が上下の二酸化シリコンの屈折率と異なる場合、TMライクモードとTEライクモードの分離を十分確保するには、充填する有機樹脂の厚みの制御を、シリコン円柱の高さの少なくとも±3%以下にすることが必要であり、絶対値として、±15nm以下の厚みの制御が必要になる。
しかし、樹脂を塗布する基板には高さ0.5μmのシリコン円柱が形成されているために、平坦ではない。このような凹凸がある基板に、±15nmの膜厚精度で有機樹脂膜を形成することが不可能に近いことを考えれば、フォトニック結晶スラブと同等の性能の実現が、本発明によって、実質的に初めて可能になることがわかる。
充填する有機樹脂の膜厚制御の問題以外に対しても、本発明は有効である。
図7は、本発明の第1の実施の形態の第5の実施例を説明するフォトニック結晶スラブの断面である。図7のフォトニック結晶は、図4(a)のフォトニック結晶スラブ13を作製する過程において、シリコン円柱を加工する工程の不具合によって結果的に作製されるフォトニック結晶の構造を示している。
図4(a)に示したフォトニック結晶スラブ13では、二酸化シリコン膜12の上にシリコン円柱10が配置されている。このシリコン円柱を形成するには、二酸化シリコン膜上に積層されたシリコン薄膜の上に、電子線リソグラフィーを用いて三角格子や正方格子のレジストパターンを形成し、その後、異方性ドライエッチングによってレジストパターンをシリコン薄膜に転写するという作製工程を行う。シリコン薄膜の異方性ドライエッチングの最終段階に、下層の二酸化シリコン膜の表面が露出するが、その二酸化シリコン膜は本来、エッチングされてはならない。
しかし、実際には、下層の二酸化シリコン膜が、僅かにエッチングされてしまうことがある。それは、エッチング装置が元々有するエッチング特性の面内不均一性や、エッチング速度やエッチング選択比が被エッチング面積に依存するいわゆるローディング効果やマイクロローディング効果によって起こる。
図7のフォトニック結晶の二酸化シリコン膜25は、その状態になったものであり、シリコン円柱23の下端の周囲において、二酸化シリコン膜25がエッチングされてしまっている。この場合、上層クラッドとして、二酸化シリコン膜22を、たとえ完全に平坦に形成しても、フォトニック結晶スラブを形成する材料の厚み方向の分布は鏡映対称ではなくなる。
しかし、本発明の第1の実施の形態に従い、シリコン円柱間の媒質24として、同じく二酸化シリコンを使用するか、又は、二酸化シリコンと同じ屈折率を有する材料の媒質を充填すれば、屈折率分布は厚み方向に鏡映対称にできる。シリコン円柱間の媒質24として、有機樹脂を用いることができることは勿論である。
なお、上記実施例では、シリコン円柱の間に充填する材料として、有機樹脂について主に述べてきたが、有機樹脂以外の材料、例えば、二酸化シリコンより屈折率が高く強度も同程度ある酸化窒化シリコンや、屈折率が二酸化シリコンよりも小さいフッ素化酸化シリコンなどを充填してもよい。有機樹脂以外の材料を充填するときも、上記実施例で説明してきたような、従来の課題が解決される仕組みは、同じである。
さて、既に説明したように、図4(a)を参照して説明したフォトニック結晶スラブ13では、原子誘電体柱10の間に充填されているのは有機樹脂11である。有機樹脂は、一般に、エックス線やガンマー線などの高エネルギー線を照射すると、樹脂を構成する原子間の結合が一部破壊されたり、又は未結合であった結合手同士が結合したりする性質がある。
この性質を利用すると、フォトニック結晶スラブ13の有機樹脂11の屈折率を、高エネルギー線の照射部位のみ低下させたり、又は高くしたりすることができる。即ち、エックス線リソグラフィーなどによって、欠陥を含まなかった完全なフォトニック結晶スラブ13に欠陥を書き込むことができる。なお、図7において、孔型フォトニック結晶の場合、符号23は誘電体網の断面である。
図8に示したのはこのような方法で作製される、欠陥を有するフォトニック結晶スラブの断面図であり、本発明の第1の実施の形態の第6の実施例を説明する図である。
図8に示すように、二酸化シリコン膜30の上にシリコン円柱29の正方格子が配置されており、シリコン円柱29の間には有機樹脂28が充填されている。シリコン円柱29と有機樹脂28の層の上には、別の二酸化シリコン膜27が配置されている。有機樹脂28の屈折率は、二酸化シリコン膜30や二酸化シリコン膜27の屈折率の1.45と同じであるが、有機樹脂26の屈折率は、1.25と低くなっている。
図8のフォトニック結晶スラブは、欠陥を含んでいるが、その欠陥部分を含めて、フォトニック結晶スラブの屈折率分布は、厚み方向に鏡映対称になっている。
有機樹脂26は、有機樹脂28にエックス線リソグラフィーによって上部からエックス線を照射した部位である。上部から照射されたエックス線は、照射位置において、二酸化シリコン膜27とシリコン円柱29と有機樹脂28と二酸化シリコン膜30の全てを散乱されることなく透過する。その際、有機樹脂28の屈折率は変化して有機樹脂26になるが、二酸化シリコン膜27と二酸化シリコン膜30はそれを構成する原子間の結合が強固であるために屈折率は変化しない。そのため、結果として、図8に示した断面構成を有するフォトニック結晶スラブを作製することができる。
図8の欠陥を有するフォトニック結晶の場合、有機樹脂28の屈折率は二酸化シリコン30と二酸化シリコン27の屈折率と同じである必要は必ずしも無い。有機樹脂26が、有機樹脂28と異なる屈折率を有していることが、本質的である。
従って、図8に示す欠陥を有するフォトニック結晶は、厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する原子誘電体柱を有し、原子誘電体柱は2次元格子状に配列されて誘電体柱格子を成し、誘電体柱格子が誘電体柱と異なる屈折率を有する周囲誘電体の中に配置されているフォトニック結晶の構造において、周期誘電体の一部又は全部に、有機媒質がフォトニック結晶の厚み方向に鏡映対称な位置に配置され、前記有機媒質の一部の屈折率が、その周囲の有機媒質と、原子誘電体柱格子の周期面と平行な方向に異なっている欠陥を有する構成とされる。
これは、柱型結晶の場合の定義であるが、同様に、孔型結晶であれば、厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する誘電体網を有し、前記原子誘電体網は、2次元格子状に配列されて、かつ厚み方向に鏡映対称な構造の貫通孔を有し、前記誘電体網が前記誘電体網と異なる屈折率を有する周囲誘電体の中に配置されているフォトニック結晶の構造において、前記周期誘電体の一部又は全部に、有機媒質がフォトニック結晶の厚み方向に鏡映対称な位置に配置され、前記有機媒質の一部の屈折率がその周囲の有機媒質と、原子誘電体網の周期面と平行な方向に異なっていることを特徴とする欠陥を有する。図8において、孔型フォトニック結晶の場合、符号29は誘電体網を表わしている。
上記からもわかるように、二酸化シリコン27と二酸化シリコン30の代わりに、別の無機材料からなる誘電体媒質を用いてもよい。無機媒質ならば、通常、高エネルギー線の照射によって、屈折率が変化することは無い。
逆に、二酸化シリコン27と二酸化シリコン30の代わりに別の有機樹脂を用いてもよい。このときも、その有機樹脂の屈折率は有機樹脂28のそれと必ずしも同じである必要は無い。
欠陥の種類は任意である。従って、点欠陥や線欠陥、又は、それらを組み合わせた構造でもよい。
二酸化シリコン27と二酸化シリコン30の代わりに用いる有機樹脂を、有機樹脂28と同じ屈折率を有し、かつ、高エネルギー線の照射によって、有機樹脂28と同じ屈折率の変化を示す有機樹脂にしておけば、作製工程のばらつきが生じた場合でも、屈折率分布の厚み方向の鏡映対称性が容易に得られることは、前に説明した通りである。
完全なフォトニック結晶スラブを最初に用意しておき、後にエックス線リソグラフィーなどの高エネルギー線照射リソグラフィーによって欠陥を書き込むという作製手順が可能になることにより、集積回路のゲートアレーと同じ利点を得ることができる。即ち、作製したい光回路によらず、共通のフォトニック結晶スラブを用いることが可能になり、製造コストの大幅な低減につながる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
フォトニック結晶スラブの屈折率分布が厚み方向に鏡映対称でなければならないのは、導波モードをTMライクモードとTEライクモードに分離するためであることは、既に説明した。TMライクモードとTEライクモードの結合が起こると、例えば、TMライクモードだけでフォトニックバンドギャップによる欠陥部への光の閉じ込めが可能であったのが、光の閉じ込めの起こらないTEライクモードに光が漏れていってしまう。そのため、TMライクモードで線欠陥導波路を伝搬、或いは欠陥に閉じ込められていた光が損失のために減衰してしまう。
フォトニック結晶スラブに関する本発明の第1の実施の形態では、TMライクモードとTEライクモードの分離を実現したフォトニック結晶の構造を提供するのに対し、本発明の第2の実施の形態では、減衰してしまった導波光、あるいは閉じ込め光を、再度、増幅できるフォトニック結晶の構造を提供する。
即ち、本発明によるフォトニック結晶の構造の第2の実施の形態は、一種類以上の材料から成る厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する原子媒質が二次元平面内に格子状に配置されて構成される原子媒質格子を、他の一種類以上の材料からなる背景媒質が包む構造であって、その屈折率分布が厚み方向に鏡映対称であるフォトニック結晶スラブにおいて、原子媒質と背景媒質の全部、又は一部に光増幅媒質が添加された構造である。
上記は、柱型結晶についてであるが、孔型結晶については、一種類以上の材料から成る厚み方向に鏡映対称な屈折率分布と構造を有する媒質網が二次元格子状に配置された貫通孔を有し、その媒質網を他の一種類以上の材料からなる背景媒質が包む構造であって、その屈折率分布が厚み方向に鏡映対称であるフォトニック結晶スラブにおいて、原子媒質と背景媒質の全部、又は一部に光増幅媒質が添加された構造からなる。
本発明の第2の実施の形態の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図9は、本発明の第2の実施の形態の第1の実施例を説明するフォトニック結晶スラブの断面図である。
原子媒質柱は、シリコン円柱上層33と、二酸化シリコン増幅層34と、シリコン円柱下層35の三層から成る。シリコン円柱上層33と、シリコン円柱下層35の高さは、同じで0.3μmである。二酸化シリコン増幅層34の厚みは、0.1μmである。原子媒質柱の断面は円形であり、その直径は、0.2μmである。この原子媒質柱は、格子定数0.4μmの正方格子状に配列されており、原子媒質柱格子を形成している。原子媒質柱格子は、二酸化シリコン膜32と二酸化シリコン膜36に挟まれている。原子媒質柱の間には有機樹脂31が充填されている。二酸化シリコン膜32と、二酸化シリコン膜36と、二酸化シリコン増幅層34の屈折率は1.45である。二酸化シリコン増幅層34には、光増幅媒質として、希土類元素であるツリウムが5%添加されている。有機樹脂31の屈折率は、1.30に調製されている。なお、孔型フォトニック結晶の場合、図9の符号35は、誘電体網の断面を表わしている。
図9のフォトニック結晶スラブの屈折率分布は厚み方向に鏡映対称の条件を満たしている。
図9の断面を有するフォトニック結晶スラブの導波モードの光エネルギーは、原子媒質柱格子の近傍に集中している。一部の原子媒質柱の直径を小さくするなどの方法によって、図9に示す断面構成を有するフォトニック結晶スラブに点欠陥や線欠陥などが導入できるが、その場合も、厚み方向に関しては、それらの欠陥に閉じ込められた光のエネルギーは原子媒質柱格子の近傍に集中する。従って、フォトニック結晶スラブ自身の導波モードとして光が伝搬する場合も、フォトニック結晶スラブの欠陥部分に光が閉じ込められる場合も、光エネルギーは原子誘電体柱近傍に集中していることになる。二酸化シリコン増幅層34は、このように光エネルギーが集中している場所に位置しており、導波光や閉じ込め光と効率的に相互作用する。
この構造のフォトニック結晶スラブは、次のように光増幅動作を行う。図9のフォトニック結晶スラブに励起光として、波長1.4μmの光を厚み方向の上部から照射すると、照射光は、二酸化シリコン増幅層34に添加されたツリウムのイオンのエネルギー準位に反転分布を形成する。フォトニック結晶スラブの導波光や欠陥に閉じ込められた光が、このツリウムイオンと相互作用すると、波長が1.48〜1.51μmの場合に高効率な増幅動作が得られる。
光増幅媒質としては、ツリウムのほか、他の希土類元素、例えばエルビウムやプラセオジウムなどを用いてもよい。
有機樹脂31の屈折率を二酸化シリコン膜32や二酸化シリコン膜36と同じ1.45にしてもよい。この場合、本発明の第1の実施の形態の構造に光増幅媒質を添加した構造となり、TMライクモードとTEライクモードの分離と光強度の増幅を同時に容易に実現することができる。
図9のフォトニック結晶スラブの場合、原子媒質柱には、一層の二酸化シリコン増幅層34が上下のシリコン円柱で挟まれているが、かかる構成に限定されるものでない。原子媒質柱の屈折率分布が厚み方向に鏡映対称でありさえすれば、原子媒質柱には、二酸化シリコン増幅層が二層以上であってもよい。
ツリウムの添加は、光通信波長帯で言うところのSバンド(波長1460〜1530nm)の光を増幅したい場合に用いられる。Sバンドよりも長波長側のCバンド(波長1530〜1565nm)の光を増幅したい場合にはエルビウムを添加する。エルビウムの場合は、励起光の波長として0.98μmを用いることがあるが、このとき、図9の構造のフォトニック結晶スラブのように二酸化シリコン増幅層34がシリコンに挟まれていると、問題が生じる。即ち、シリコンは波長0.98μmの励起光を透過させないので、二酸化シリコン増幅層34への励起光の供給がうまく行われない。この問題を解決できるフォトニック結晶の構造を次に説明する。
図10は、本発明の第2の実施の形態の第2の実施例を説明するフォトニック結晶の断面を模式的に示す図である。図10のフォトニック結晶の構造は、基本的には、図3に示したフォトニック結晶の構造と同じである。即ち、二酸化シリコン膜39の上に、シリコン円柱38が正方格子状に配列されている。正方格子を成す多数のシリコン円柱38の間と上部には、二酸化シリコン膜39の屈折率の1.45と同じ屈折率に調整された有機樹脂37が充填されている。有機樹脂37には、屈折率調整さえできれば、ポリメチルメタクリレートやエポキシ、ポリイミドなど、どのような材料を用いてもよい。
図10に示したフォトニック結晶は、先に述べた光増幅媒質を含むフォトニック結晶の構成からすると、原子媒質がシリコンであり、背景媒質の一部が二酸化シリコン膜であり、その二酸化シリコン膜は原子媒質格子に格子の片面で接しており、背景媒質の他の部分は有機樹脂から成っていると言うことができる。
図10のフォトニック結晶の構造が、図3のフォトニック結晶の構造と異なるのは、二酸化シリコン膜39にエルビウムが5%添加されていることである。二酸化シリコン膜39の側からフォトニック結晶の厚み方向に波長0.98μmの励起光を照射することによって効率的にエルビウムイオンのエネルギー準位に反転分布を形成することができる。
フォトニック結晶スラブを伝搬する導波光は、そのエネルギーの多くが、シリコン円柱38が成す格子の層に集中しているが、一部は二酸化シリコン膜39の中にしみ出している。そのため、反転分布したエルビウムイオンと相互作用した導波光は増幅される。なお、図10において、孔型フォトニック結晶の場合、符号38は誘電体網の断面を表わしている。
二酸化シリコン膜39へのエルビウム添加の替わりに、有機樹脂37へエルビウムを5%添加してもよい。この場合、エルビウムは金属錯体として有機樹脂37に均質に混入することができる。この構造は作製が容易であるという利点がある。
もちろん、有機樹脂37と二酸化シリコン膜39の両方にエルビウムを添加して、導波光がエルビウムと相互作用する断面積を増やし、増幅効率高めても良い。有機樹脂は低温で成膜できるので、有機樹脂37に添加する光増幅媒質として、ローダミン系色素に代表されるような高温で分解してしまう有機色素を用いることもできる。
同様に、図11は、本発明の第2の実施の形態の第3の実施例を説明するフォトニック結晶スラブの構造の断面を模式的に示す図である。図11のフォトニック結晶スラブの構造は、基本的には、図4のフォトニック結晶スラブの構造と同じである。即ち、二酸化シリコン膜43の上にシリコン円柱41が正方格子状に配列されている。シリコン円柱41の間には有機樹脂42がシリコン円柱41と同じ厚み(高さ)だけ充填されている。更に、シリコン円柱41と有機樹脂42の上には二酸化シリコン膜40が配置されている。
図11のフォトニック結晶スラブの構造が図4のフォトニック結晶スラブの構造と異なるのは、二酸化シリコン膜43と二酸化シリコン膜40の少なくとも一方にエルビウムが5%添加されていることである。両方にエルビウムがドープされていれば、二酸化シリコン膜40と二酸化シリコン膜43の両方の側からフォトニック結晶スラブの厚み方向に波長0.98μmの励起光を照射することによってより効率的に導波光を増幅できる。
もちろん、同時に、有機樹脂42にもエルビウムを添加すれば、更に効率的に増幅が行える。有機樹脂42にのみエルビウムを添加すれば、十分な増復効率が得られると同時に作製が容易になるという利点がある。
有機樹脂42に添加する光増幅媒質として、ローダミン系色素に代表される有機色素を用いてもよい。
構造は複雑になるが、機械的強度の点で、図11のフォトニック結晶の構造は図10の構造に勝る。
図4のフォトニック結晶の場合と異なって、有機樹脂42の屈折率は、必ずしも、二酸化シリコン膜43や二酸化シリコン膜40の屈折率と同じである必要は無い。ただし、屈折率を同じにしておけば、本発明の第一の実施の形態を併用することになり、作製を容易にできるという点でより優れている。なお、図11において、孔型フォトニック結晶の場合、符号41は誘電体網の断面を表わしている。
図12と図13と図14は、それぞれ、本発明の第2の実施の形態の第4の実施例と第5の実施例と第6の実施例を説明するフォトニック結晶の断面図である。それらのフォトニック結晶の構造は、基本的には、それぞれ、図5と図6と図7のフォトニック結晶の構造と同じではあるが、二酸化シリコン膜にエルビウムが添加されている点が異なる。
即ち、図12の構造では、二酸化シリコン膜47と二酸化シリコン膜44の少なくとも一方にエルビウムがドープされている。同時に、有機樹脂46にもエルビウムを添加すれば、更に効率的に増幅が行える。有機樹脂46にのみエルビウムを添加する場合は作製が容易になる。
有機樹脂46に添加する光増幅媒質として、有機色素を用いることもできる。
図13の構造では、二酸化シリコン膜51と二酸化シリコン膜48の少なくとも一方にエルビウムがドープされている。同時に、有機樹脂50にもエルビウムをドープすれば、更に効率的に増幅が行える。有機樹脂50にのみエルビウムを添加する場合は作製が容易になる。やはり、有機樹脂50に添加する光増幅媒質として、有機色素を用いることもできる。
また、図14の構造では、二酸化シリコン膜55と二酸化シリコン膜52の少なくとも一方にエルビウムがドープされている。同時に、有機樹脂54にもエルビウムをドープすれば、更に効率的に増幅が行える。有機膜54にのみエルビウムを添加する場合は作製が容易になる。有機樹脂54に添加する光増幅媒質として、有機色素を用いることもできることは言うまでもない。
図12、図13、図14の構造は、図11の構造の作製工程に関わる変形であることは、本発明の第1の実施例(図5、図6、図7参照)で説明した通りである。なお、孔型フォトニック結晶の場合、図12、図13、図14において、符号45、49、53は誘電体網の断面を表わしている。
図10、図11、図12、図13及び図14のフォトニック結晶の構造の説明においては、添加する希土類元素の例としてエルビウムを用いたが、ツリウムやプラセオジウムなどの他の希土類元素であってもよい。
なお、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施例は適宜変更され得ることは明らかである。
また、本明細書において屈折率が「鏡映対称」である、あるいは屈折率の「鏡映対称性」を有するというときは、厳密な意味に加えて、±3%の誤差(6%の幅の誤差)を含むものとする。これは、製造上の制約で、フォトニック結晶を構成する材料の屈折率や形状自体がその程度の誤差を含むことがあるが、その場合でも、本発明の効果が十分発揮されるからである。
同様に、本明細書で「一様」な屈折率分布というときは、屈折率分布が±3%の誤差(6%の幅の誤差)を含むことを意味している。また、「ほぼ一様」な屈折率分布というときは、屈折率分布が±5%の誤差(10%の幅の誤差)を含むことを意味している。屈折率分布が±5%の誤差を含む場合は、やや落ちるものの本発明の効果が現れる。

Claims (75)

  1. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な原子誘電体柱を有し、
    前記原子誘電体柱は、2次元格子状に配列されて誘電体柱格子を成し、
    前記誘電体柱格子は、少なくとも厚み方向に一様な屈折率分布を有する周囲誘電体の中に配置されている、ことを特徴とするフォトニック結晶。
  2. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な誘電体網を有し、
    前記誘電体網は、2次元格子状に配列された厚み方向に鏡映対称な構造の複数の貫通孔を有し、
    前記誘電体網は、少なくとも厚み方向に一様な屈折率分布を有する周囲誘電体の中に配置されている、ことを特徴とするフォトニック結晶。
  3. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な原子誘電体柱を有し、
    前記原子誘電体柱は、2次元格子状に配列されて誘電体柱格子を成し、
    前記誘電体柱格子は、少なくとも厚み方向にほぼ一様な屈折率分布を有する周囲誘電体の中に配置されている、ことを特徴とするフォトニック結晶。
  4. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な誘電体網を有し、
    前記誘電体網は、2次元格子状に配列された厚み方向に鏡映対称な構造の複数の貫通孔を有し、
    前記誘電体網は、少なくとも厚み方向にほぼ一様な屈折率分布を有する周囲誘電体の中に配置されている、ことを特徴とするフォトニック結晶。
  5. 前記周囲誘電体は、屈折率が等しい2種類以上の誘電体材料が、厚み方向に非対称に分布して成る、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のフォトニック結晶。
  6. 前記周囲誘電体が、有機樹脂から成る、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のフォトニック結晶。
  7. 前記2種以上の誘電体材料の内の少なくとも一種が、有機樹脂から成る、ことを特徴とする請求項5に記載のフォトニック結晶。
  8. 前記有機樹脂が、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂である、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のフォトニック結晶。
  9. 前記原子誘電体柱が、シリコンから成り、
    前記2種以上の誘電体材料の内の一種類が、二酸化シリコンである、ことを特徴とする請求項7に記載のフォトニック結晶。
  10. 前記有機樹脂の屈折率が、1.45よりも小さい、ことを特徴とする請求項6に記載のフォトニック結晶。
  11. 前記原子誘電体柱が、化合物半導体から成る、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトニック結晶。
  12. 厚み方向に屈折率分布が鏡映対称であって、かつ、材料の分布は厚み方向に非対称な構成のフォトニック結晶を有し、
    前記フォトニック結晶に対して設定する所定の条件を変化させ、前記条件の変化によって、TMライクモードとTEライクモードの結合が制御される、ことを特徴とするフォトニック結晶光機能素子。
  13. 前記条件が、前記フォトニック結晶の導波光の波長と強度、
    前記フォトニック結晶に照射する光の波長と強度、
    前記フォトニック結晶の温度、
    前記フォトニック結晶に印加する電界と電流、
    前記フォトニック結晶の全部又は一部に帯電させる電荷、及び、
    前記フォトニック結晶に加える外部応力、
    のうちの少なくとも一つを含む、ことを特徴とする請求項12に記載のフォトニック結晶光機能素子。
  14. 前記フォトニック結晶光機能素子が、光スイッチ、共振器、及び、波長フィルターのうちの一つとして機能する、ことを特徴とする請求項12に記載のフォトニック結晶光機能素子。
  15. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な原子誘電体柱を有し、
    前記原子誘電体柱は、2次元格子状に配列されて誘電体柱格子を成し、
    前記誘電体柱格子は、前記誘電体柱と異なる屈折率を有する周囲誘電体の中に配置されているフォトニック結晶であって、
    前記周囲誘電体の一部又は全部に、前記フォトニック結晶の厚み方向に鏡映対称な位置に配置された有機媒質を備え、
    前記有機媒質の一部の屈折率が、前記一部の周囲の前記有機媒質と、前記誘電体柱格子の周期面と平行な方向に、異なっている欠陥を有する、
    ことを特徴とするフォトニック結晶。
  16. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な誘電体網を有し、
    前記誘電体網は、2次元格子状に配列された厚み方向に鏡映対称な構造の貫通孔を有し、
    前記誘電体網が、前記誘電体網と異なる屈折率を有する周囲誘電体の中に配置されているフォトニック結晶であって、
    前記周囲誘電体の一部又は全部に、フォトニック結晶の厚み方向に鏡映対称な位置に配置された有機媒質を備え、
    前記有機媒質の一部の屈折率が、前記一部の周囲の有機媒質と、原子誘電体網の周期面と平行な方向に異なっている欠陥を有する、
    ことを特徴とするフォトニック結晶。
  17. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な原子媒質を有し、前記原子媒質は一種類以上の材料を含み、前記原子媒質は2次元平面内に格子状に配列されて原子媒質格子を構成し、前記原子媒質格子を他の一種類以上の材料からなる背景媒質が包み、全体の屈折率分布が厚み方向に鏡映対称である、ことを特徴とするフォトニック結晶スラブ構造を有し、
    前記原子媒質と前記背景媒質の全部又は一部に、光増幅媒質が添加されている、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  18. 屈折率分布と構造が共に厚み方向に鏡映対称な媒質網を有し、前記媒質網は一種類以上の材料を含み、前記媒質網は2次元格子状に配列された複数の貫通孔を有し、前記媒質網を他の一種類以上の材料からなる背景媒質が包み、全体の屈折率分布が厚み方向に鏡映対称である、ことを特徴とするフォトニック結晶スラブ構造を有し、
    前記媒質網と前記背景媒質の全部、又は一部に光増幅媒質が添加されている、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  19. 前記原子媒質が、シリコンと二酸化シリコンの多層構造であり、
    前記二酸化シリコンには光増幅媒質が添加されており、
    前記原子媒質は、2次元格子状に配列されて原子媒質格子を形成し、
    前記原子媒質格子が、第1の二酸化シリコン膜と第2の二酸化シリコン膜に挟まれて成る、ことを特徴とする請求項17に記載のフォトニック結晶構造。
  20. 前記媒質網が、シリコンと二酸化シリコンの多層構造であり、
    前記二酸化シリコンには光増幅媒質が添加されており、
    前記媒質網は、2次元格子状に配列された複数の貫通孔を有し、
    前記媒質網は、第1の二酸化シリコン膜と第2の二酸化シリコン膜に挟まれて成る、ことを特徴とする請求項18に記載のフォトニック結晶構造。
  21. 前記光増幅媒質が、希土類元素である、ことを特徴とする請求項19又は20に記載のフォトニック結晶構造。
  22. 前記希土類元素が、エルビウム、ツリウム、プラセオジウムの内の少なくとも一つである、ことを特徴とする請求項21に記載のフォトニック結晶構造。
  23. 前記原子媒質が、シリコンであり、
    前記背景媒質の一部が二酸化シリコン膜であり、
    前記二酸化シリコン膜は、前記原子媒質格子に格子の片面で接しており、
    前記背景媒質の他の部分は有機樹脂から成る、ことを特徴とする請求項17に記載のフォトニック結晶構造。
  24. 前記媒質網が、シリコンであり、
    前記背景媒質の一部が二酸化シリコン膜であり、
    前記二酸化シリコン膜は、前記媒質網に片面で接しており、
    前記背景媒質の他の部分は有機樹脂から成る、ことを特徴とする請求項18に記載のフォトニック結晶構造。
  25. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられている複数の誘電体柱が2次元格子状に配列されてなる誘電体柱格子と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記誘電体柱の間に充填されている第2の誘電体層と、
    を含み、
    前記第2の誘電体層が有機樹脂を含む、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  26. 前記第2の誘電体層の上に、第3の誘電体層を備えている、ことを特徴とする請求項25記載のフォトニック結晶構造。
  27. フォトニック結晶全体の厚み方向の屈折率の分布が鏡映対称である、ことを特徴とする請求項25又は26記載のフォトニック結晶構造。
  28. 前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とする請求項25又は26記載のフォトニック結晶構造。
  29. 前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層と前記第3の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とする請求項26記載のフォトニック結晶構造。
  30. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられている複数の誘電体柱が2次元格子状に配列されてなる誘電体柱格子と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記誘電体柱の間に充填されている第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の上に設けられている第3の誘電体層と、
    を含み、
    フォトニック結晶全体の厚み方向の屈折率の分布が鏡映対称である、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  31. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられている複数の誘電体柱が2次元格子状に配列されてなる誘電体柱格子と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記誘電体柱の間に充填されている第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の上に設けられている第3の誘電体層と、
    を含み、
    前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  32. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられている複数の誘電体柱が2次元格子状に配列されてなる誘電体柱格子と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記誘電体柱の間に充填されている第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の上に設けられている第3の誘電体層と、
    を含み、
    前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層と前記第3の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  33. 前記誘電体柱が、シリコンの柱である、ことを特徴とする請求項25乃至32のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  34. 前記誘電体柱が、化合物半導体の柱である、ことを特徴とする請求項25乃至32のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  35. 前記第1の誘電体層が、二酸化シリコン膜を含む、ことを特徴とする請求項25乃至34のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  36. 前記第2の誘電体層と前記第3の誘電体層の少なくとも一方が、熱硬化あるいは紫外線硬化型の有機樹脂よりなる、ことを特徴とする請求項26又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  37. 前記第1の誘電体層の上に前記誘電体柱を形成後、前記第1の誘電体層が除去され、前記誘電体柱底面側に塗布され硬化させてなる有機樹脂層を、新たに前記第1の誘電体層として有する、ことを特徴とする請求項25又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  38. 前記第1及び第3の誘電体層が、二酸化シリコン膜を含む、ことを特徴とする請求項26又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  39. 前記第2の誘電体層の屈折率は、前記第1の誘電体層の屈折率よりも小さい、ことを特徴とする請求項25又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  40. 前記第1乃至第3の誘電体層が同一の屈折率である、ことを特徴とする請求項26又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  41. 前記第1及び第3の誘電体層の少なくとも1つが、無機材料の誘電体膜を含む、ことを特徴とする請求項26又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  42. 前記誘電体柱は、前記第1の誘電体層側と反対側の端部が前記第3の誘電体層内にまで延在されているか、又は、前記端部が前記第2の誘電体層内に留まる、ことを特徴とする請求項26又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  43. 前記誘電体柱の前記第1の誘電体層側の端部は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との界面と面一とされるか、あるいは、前記界面よりも上側に位置する、ことを特徴とする請求項25又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  44. 前記第2の誘電体層が、柱状の欠陥を有し、前記欠陥の屈折率は、前記欠陥を囲繞する前記第2の誘電体層の屈折率と異なった値である、ことを特徴とする請求項25又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  45. 前記誘電体柱が、光増幅媒質を含む、ことを特徴とする請求項25又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  46. 前記第1の誘電体層が、光増幅媒質を含む、ことを特徴とする請求項25又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  47. 前記第1の誘電体層及び/又は前記第3の誘電体層が、光増幅媒質を含む、ことを特徴とする請求項26又は30に記載のフォトニック結晶構造。
  48. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、2次元格子状に配列された複数の貫通孔を有する誘電体網と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記貫通孔に充填されている第2の誘電体層と、
    を含み、
    前記第2の誘電体層が有機樹脂を含む、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  49. 前記第2の誘電体層の上に、第3の誘電体層を備えている、ことを特徴とする請求項48記載のフォトニック結晶構造。
  50. フォトニック結晶全体の厚み方向の屈折率の分布が鏡映対称である、ことを特徴とする請求項48又は49記載のフォトニック結晶構造。
  51. 前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とする請求項48又は49記載のフォトニック結晶構造。
  52. 前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層と前記第3の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とする請求項49記載のフォトニック結晶構造。
  53. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、2次元格子状に配列された複数の貫通孔を有する誘電体網と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記貫通孔に充填されている第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の上に設けられている第3の誘電体層と、
    を含み、
    フォトニック結晶全体の厚み方向の屈折率の分布が鏡映対称である、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  54. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、2次元格子状に配列された複数の貫通孔を有する誘電体網と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記貫通孔に充填されている第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の上に設けられている第3の誘電体層と、
    を含み、
    前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  55. 第1の誘電体層と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、2次元格子状に配列された複数の貫通孔を有する誘電体網と、
    前記第1の誘電体層上に設けられ、少なくとも前記貫通孔に充填されている第2の誘電体層と、
    前記第2の誘電体層の上に設けられている第3の誘電体層と、
    を含み、
    前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層と前記第3の誘電体層の屈折率が同じである、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  56. 前記誘電体網が、シリコンの網である、ことを特徴とする請求項48乃至55のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  57. 前記誘電体網が、化合物半導体の網である、ことを特徴とする請求項48乃至55のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  58. 前記第1の誘電体層が、二酸化シリコン膜を含む、ことを特徴とする請求項48乃至57のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  59. 前記第2の誘電体層と前記第3の誘電体層の少なくとも一方が、熱硬化あるいは紫外線硬化型の有機樹脂よりなる、ことを特徴とする請求項49又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  60. 前記第1の誘電体層の上に前記誘電体網を形成後、前記第1の誘電体層が除去され、前記誘電体網底面側に塗布され硬化させてなる有機樹脂層を、新たに前記第1の誘電体層として有する、ことを特徴とする請求項48又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  61. 前記第1及び第3の誘電体層が、二酸化シリコン膜を含む、ことを特徴とする請求項49又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  62. 前記第2の誘電体層の屈折率は、前記第1の誘電体層の屈折率よりも小さい、ことを特徴とする請求項48又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  63. 前記第1乃至第3の誘電体層が同一の屈折率である、ことを特徴とする請求項49又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  64. 前記第1及び第3の誘電体層の少なくとも1つが、無機材料の誘電体膜を含む、ことを特徴とする請求項49又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  65. 前記誘電体網は、前記第1の誘電体層側と反対側の端部が前記第3の誘電体層内にまで延在されているか、又は、前記端部が前記第2の誘電体層内に留まる、ことを特徴とする請求項49又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  66. 前記誘電体網の前記第1の誘電体層側の端部は、前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との界面と面一とされるか、あるいは、前記界面よりも上側に位置する、ことを特徴とする請求項48又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  67. 前記第2の誘電体層が、柱状の欠陥を有し、前記欠陥の屈折率は、前記欠陥を囲繞する前記第2の誘電体層の屈折率と異なった値である、ことを特徴とする請求項48又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  68. 前記誘電体網が、光増幅媒質を含む、ことを特徴とする請求項48又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  69. 前記第1の誘電体層が、光増幅媒質を含む、ことを特徴とする請求項48又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  70. 前記第1の誘電体層及び/又は前記第3の誘電体層が、光増幅媒質を含む、ことを特徴とする請求項48又は53に記載のフォトニック結晶構造。
  71. 背景媒質中に配設された柱状又は孔型の原子媒質を複数有し、複数の前記原子媒質は2次元平面内に格子状に配列されて原子媒質格子を構成し、
    屈折率分布が厚み方向に関して鏡映対称である、ことを特徴とするフォトニック結晶構造。
  72. 前記屈折率分布が厚み方向に関して、少なくとも導波光の光エネルギーが分布している範囲で鏡映対称である、ことを特徴とする請求項71記載のフォトニック結晶構造。
  73. 前記有機樹脂に、光増幅媒質が添加されている、ことを特徴とする請求項6、7、8、10、23、24、36、37、48、59、60のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  74. 前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層、前記第3の誘電体層が、光増幅媒質を含む、ことを特徴とする請求項26、30、49、53のいずれか一に記載のフォトニック結晶構造。
  75. 前記光増幅媒質が、希土類元素、又は有機色素である、ことを特徴とする請求項73又は74に記載のフォトニック結晶構造。
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