JP2003156642A - 光導波路およびその製造方法 - Google Patents
光導波路およびその製造方法Info
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Abstract
生じさせることなく、また、帯域の広い曲げ導波路を構
成できる、光導波路およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 1は基板、2はSiO2層、3はSi
層、4、5は格子点列、aは格子定数、Wは単純に格子
を1列抜いた場合の欠陥を挟んだ両側の最近接格子の中
心間距離である。スラブ型2次元フォトニック結晶にお
ける複数の直線状の格子列群から1列格子列を除いて線
欠陥構造とし、格子点1列分の線欠陥幅よりも狭くなる
ように、線欠陥に近接する格子点列を移動させ、また
は、格子点上に配置された構造体を変形させ、導波路幅
を0.7Wとした構造である。この構造の光導波路は、
ライトラインよりも下に大きな群速度を持った単一導波
モードが存在する。
Description
送等に用いられるレーザ、光集積回路等の様々な光デバ
イス等を構成する基本構造および光学部品に用いられ
る、光導波路およびその製造方法に関する。
率で行っている。このため、光の閉じ込め領域を小さく
できないことから、素子を小さく構成することができな
い。さらに、素子の集積度を上げるために急峻な曲げ導
波路を構成すると、散乱損失が生じる。このため、光回
路の小型・集積化が行えず、その大きさは電子デバイス
に比べて非常に大きい。上述の問題を解決することがで
きる光の新素材として、フォトニック結晶が期待されて
いる。フォトニック結晶によれば、従来とはまったく異
なる概念で、光の閉じ込めを行うことができる。
類以上の媒質によって光の波長と同程度の周期性を形成
した、人工的な多次元周期構造であり、電子のバンド構
造に似た光のバンド構造を有する。このため、次のよう
な点が理論的に指摘されている(J.D.Joannopoulos et
al.,Nature386, 143(1997))。つまり、特定の構造
には、光の禁制帯(フォトニックバンドギャップ)が現
れる。このフォトニックバンドギャップを有するフォト
ニック結晶に、周期性を乱す線欠陥を導入する。これに
よって、バンドギャップの周波数領域内に導波モードが
形成され、完全に光を閉じ込める光導波路を実現でき
る。
子定数aの四角格子上に、半導体程度の大きな屈折率を
持つ、半径a/5の円柱を配置した2次元フォトニック
結晶を形成した。この2次元フォトニック結晶中に、円
柱を1列配置しない線欠陥を導入した。この2次元フォ
トニック結晶によって、急角度に曲げた場合でも原理的
に散乱損失が生じない光導波路が構成可能であること
を、J.D.Joannopoulosらは理論的に示した。このような
導波路は、超小型光集積回路を構成する上で、非常に重
要な導波路となり得る。
路を実現するには、フォトニックバンドギャップ周波数
内に、単一の導波モードを実現することが必要である。
これは次のような不都合があるからである。性質の異な
るモードを複数もつマルチモード導波路を用いた場合、
例えば曲げ導波路を構成したとき、伝播しているモード
の一部が曲げ部で異なるモードに変換されてしまう。こ
のために、超小型光集積回路で必要な、高効率の曲げ導
波路を実現できないなどの不都合がある。また、マルチ
モード導波路は高速通信には適さない。
イプのものが作製されている。フルバンドギャップを有
する3次元フォトニック結晶中に導波路を作りこむこと
は、技術的に困難である。このため、2次元フォトニッ
ク結晶を用いて、導波路を作製することが有望である。
いる場合、2次元面に垂直な方向の光閉じ込めが必要に
なる。このために、いくつかの方法が提案されている。
その中で、低屈折率の誘電体(多くの場合、酸化物また
はポリマー、屈折率1.5程度)の上に、高屈折率の半
導体(屈折率3〜3.5程度)の薄膜を付けた構造に2
次元フォトニック結晶を作りこんだ構造(酸化物クラッ
ド2次元スラブ型フォトニック結晶)がある。この構造
によれば、最も容易に大面積のものが作製可能であり、
また、同じ構造に様々な機能素子を付加しやすい。
呼ばれる二酸化珪素(SiO2)上に珪素(Si)薄膜
がついた基板が、LSIに応用されるようになり、非常
に高品質のものが得られるようになっている。この基板
を用いることにより、容易に高品質の酸化物クラッド型
2次元スラブフォトニック結晶を作製できるという利点
もある。このような利点は、他の構造、例えばフォトニ
ック結晶の上下のクラッドを空気にしたエアブリッジ型
2次元スラブフォトニック結晶では得られない。
ブフォトニック結晶は、エアブリッジ型2次元スラブフ
ォトニック結晶等に比べると、作製の面で有利である。
しかし、この構造には次に述べるような問題があり、フ
ォトニックバンドギャップ周波数内に単一の導波モード
を実現する導波路構造は実現できていない。
導波路において、欠陥によって生じる導波モードでは、
上述のように2次元面内に関してフォトニックバンドギ
ャップの存在により、光が強く閉じ込められている。こ
のため、面内の散乱損失は無いが、一般的に、クラッド
のライトラインより高周波数領域はリーキーである。す
なわち、光がクラッド層に漏れやすい。ライトライン
は、その媒質中で光が伝播できる最低周波数を、伝播定
数に対して表示したものである。ライトラインは次の式
で定まる直線で示すことができる。 w=ck/n w:角周波数、c:光速、n:屈折率、k:波数
漏洩しないように、ライトラインより低周波数の領域を
利用することが通例となっている。図11(a)、
(b)は、従来例における典型的な空気孔型の1列抜き
線欠陥フォトニック結晶導波路の構造模式図である。図
11(a)、(b)において、符号101が基板、符号
102がSiO2層、符号103がSi層である。ま
た、符号104が空気孔三角格子の空気孔、符号105
が光導波路である。SiO2層102はクラッド層であ
る。空気孔三角格子の格子定数はaである。
ニック結晶導波路では、空気孔三角格子の空気孔104
がSi層103を貫通する円柱または多角柱である。S
i層103の穴直径が、この例の場合、0.275μmで
ある。空気孔三角格子とは、空気孔104が三角格子の
各格子点に配置された構造であり、三角格子とは格子点
が2次元面を埋め尽くすように配置された正三角形の頂
点に配置された規則格子のことである。また、図11で
は、1列抜き線欠陥の欠陥幅をW0で表している。
つ2次元フォトニック結晶には、空気中に高屈折率の柱
を配置した構造と、前記のように高屈折率板内に空気孔
をあけた構造とがある。前者はJ.D.Joannopoulosらが使
用した構造である。この構造では、高屈折率の柱が自立
できないため、この柱を支えるためのクラッド層が必要
になる。この層は線欠陥導波路のコアとなる空気よりも
屈折率が大きくなる。導波路の上下に光が漏れないよう
にするためには、非常に長い柱を必要とし、作製が非常
に困難となる。一方、後者の空気孔は自立できるため、
クラッド層の選択が自由であり、コアの屈折率をクラッ
ド層のそれより大きくすることが容易である。このため
に、作製上の制限が小さく、上下に光が漏れにくい構造
を選択しやすい。
の二次元配列には、様々なパターンがある。図11
(a)に示したような、三角格子状に孔(円柱または多
角柱)を配置した構造は、広い周波数帯域のフォトニッ
クバンドギャップを有するパターンとして知られてい
る。これは、この構造が光に対する絶縁体として機能す
る周波数帯域が広いことを意味しており、導波路設計の
際の周波数選択範囲を広く取れるため有利である。
き線欠陥フォトニック結晶導波路の導波路モード分散を
示す。酸化物クラッド型フォトニック結晶でこのような
導波路を構成しようとした場合、形成される導波モード
は図12のようなものになる。ここで、角周波数は、 格子定数/波長 で表現される無次元の規格化周波数を用いている。伝播
定数は、 波数・格子定数/2π で表現される無次元の規格化伝播定数を用いている。図
12には、この場合のクラッド(SiO2、屈折率1.
46)のライトラインも示されている。
示した構造では、クラッド層に光が漏洩しないという条
件を満たす導波モードは、図12のライトラインの下部
の楕円で囲まれた領域111のみである。
ドの傾きが非常に小さく、この傾きで大きさが決まる導
波モードの群速度(エネルギー伝播速度)が非常に小さ
い。このような極端に群速度の小さいモードでは、伝播
時間が長くなる。このため、導波路として用いる場合に
は、問題が多く使いにくい。また、現実的な構造では、
若干の構造の不均一性があるため、極端に群速度の小さ
いモードはわずかな不均一性の影響を受けて、伝播しな
くなってしまう。また、ライトラインの上(高周波数領
域側)のモードでは、フォトニック結晶による回折損が
大きすぎて、光が伝播できない。つまり、フォトニック
結晶導波路内の光は、結晶の周期構造から摂動を受けな
がら伝播しており、ライトラインの上のモードでは、回
折損としてクラッド層に漏れてしまう。
導波路を作製したところ、この導波路では、伝播が全く
観測されなかった。この問題の原因は、クラッドが決め
るライトラインよりも下に、現実的に使いやすい、ある
程度の大きさの群速度を持った導波モードが存在しない
ことと、ライトラインよりも上では、回折損が非常に大
きいことにある。
ためには、図12のグラフにおいて、ライトラインを上
げるか、または、導波モードを動かす必要がある。しか
し、酸化物クラッド構造をとる限り、ライトラインの位
置がクラッドの屈折率で制限されるため、大きく変える
ことができない。
プ内で単一の導波モードを得るという条件を課す限り、
図11の構造では、ライトラインの下に、ある程度大き
な群速度を持たせることが困難である。ここでは、三角
格子の場合について説明したが、正方格子など他の結晶
構造の場合には、状況がさらに困難になり、要請を満た
す導波モードはやはり存在しない。このように、ライト
ラインの下のモードを利用することは非常に難しい。
て、幅変化型のフォトニック結晶導波路がある。この構
造では、線欠陥を挟んだ両側の格子の配列全体を平行移
動させて、線欠陥幅を調節する方法がとられている。こ
れより、低損失で長距離伝播が可能なモードが利用可能
となっている(M.Notomi et al.Electron.Lett.37,293
(2001))。
構成され、光集積回路に必要な曲げ導波路の実現が不可
能となる。さらに、フォトニック結晶の周期性がずれて
いるため、同一フォトニック結晶内に配置されたフォト
ニック結晶デバイスとの整合が取れなくなる可能性があ
る。
ニック結晶導波路のこのような問題点を解決し、フォト
ニック結晶全体に渡る周期性のずれを生じさせることな
く、また、帯域の広い曲げ導波路を構成できる、光導波
路およびその製造方法を提供することを目的とする。
みが構成されることやフォトニック結晶全体に渡る周期
性のずれを生じさせることなく、幅変化型と同等の光導
波路およびその作製方法を提供することを目的とし、こ
の目的を達成するために、請求項1の発明は、スラブ型
2次元フォトニック結晶の格子点に配列された構造体の
一部を除いて形成された格子点1列分の線欠陥構造を有
し、前記線欠陥が単一モード条件を満足するように、そ
れに近接する複数列の格子点上の構造体を移動させ、ま
たは変形させたことを特徴とする光導波路である。
波路において、前記線欠陥構造は、格子点1列分の線欠
陥を挟む最近接格子の中心間幅よりも狭くなるように線
欠陥に近接する格子点列を移動、または、格子点1列分
の線欠陥を挟む最近接格子の線欠陥側端間幅よりも狭く
なるように格子点上に配置された構造体を変形させた構
造であり、クラッドのライトラインより低周波数側で単
一モード条件を満足することを特徴とする。
波路の前記線欠陥構造において、移動または変形させら
れた格子点上の構造体のうち一列以上を大きな形状に変
形させたことを特徴とする。請求項4の発明は、請求項
2に記載の光導波路の前記線欠陥構造において、線欠陥
に最近接する格子点列を移動させる方向にその外側の格
子点列上の構造体を引き伸ばすように大きく変形させる
ことを特徴とする。請求項5の発明は、請求項2に記載
の光導波路の前記線欠陥構造において、移動させた格子
点列は線欠陥から2列目までとすることを特徴とする。
波路において、前記線欠陥構造は、格子点1列分の線欠
陥を挟む最近接格子の中心間幅よりも広くなるように線
欠陥に近接する格子点列を移動、または、格子点1列分
の線欠陥を挟む最近接格子の線欠陥側端間幅よりも広く
なるように格子点上に配置された構造体を変形させた構
造であり、クラッドのライトラインより高周波数側で単
一モード条件を満足することを特徴とする。
波路の前記線欠陥構造において、線欠陥に最近接する格
子点上の構造体を小さく変形させたことを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6に記載の光導波路におい
て、前記線欠陥構造における変形された構造体は、円筒
の線欠陥側を削りとった形状であることを特徴とする。
ニック結晶の格子の一部を導波路方向に直線状に除いて
形成された線欠陥構造を有し、前記線欠陥構造の線欠陥
中の屈折率の大きな領域の面積が狭くなるように、この
欠陥を挟む両側の格子上に配置された構造体を移動さ
せ、または変形させることにより、クラッドのライトラ
インより低周波数側に群速度の大きなモードを有するこ
とを特徴とする光導波路である。
導波路において、前記線欠陥を挟む両側の格子上に配置
された構造体を、欠陥の中央に向かって引き伸ばした形
状に変形して、変形構造体を形成したことを特徴とす
る。請求項11の発明は、請求項10に記載の光導波路
において、前記線欠陥を挟む両側の格子上に配置された
構造体を、欠陥の中央に向かい先細りの形状として、変
形構造体を形成したことを特徴とする。
光導波路において、前記線欠陥を挟む両側の格子上に配
置された前記変形構造体の、前記線欠陥の中央に近い側
を第1の円形にし、前記線欠陥を挟んで互いに向かい合
う前記変形構造体の第1の円形の中心間距離を導波路幅
として、この導波路幅を第1の幅とし、スラブ型2次元
フォトニック結晶の格子の1列を除いただけの、通常の
線欠陥構造における欠陥部分の、両側の格子間の幅であ
る第2の幅より、前記第1の幅を狭くしたことを特徴と
する。
光導波路において、単一モード条件を満足するために、
前記変形構造体の、前記欠陥から遠い側を第2の円形に
し、前記第1の円形の半径が、前記第2の円形の半径よ
り小さな、前記線欠陥の中央に向かい先細りの形状とし
たことを特徴とする。請求項14の発明は、請求項12
に記載の光導波路において、前記第1の幅を、前記第2
の幅の0.7倍以下の値としたことを特徴とする。請求
項15の発明は、請求項13に記載の光導波路におい
て、0.01[c/a]以上の単一モード周波数帯域を
得るために、前記第2の円の半径を格子定数の0.45
倍より小さな値で、かつ、前記第1の幅を前記第2の幅
の0.4倍以下の値としたことを特徴とする。請求項1
6の発明は、請求項1〜15のいずれか1項に記載の光
導波路において、前記格子は空気孔型三角格子であるこ
とを特徴とする。請求項17の発明は、請求項1〜16
のいずれか1項に記載の光導波路において、前記スラブ
型2次元フォトニック結晶が、酸化物クラッドまたはポ
リマークラッドを有することを特徴とする。請求項18
の発明は、請求項1〜17のいずれか1項に記載の光導
波路において、前記スラブ型2次元フォトニック結晶
は、SOI基板を用いて製造したこを特徴とする。
トニック結晶の格子点に配置された構造体の一部を除き
線欠陥構造とする光導波路の製造方法において、前記ス
ラブ型2次元フォトニック結晶をSOI基板を用いて作
製し、格子点列を1列分抜いて線欠陥を形成し、その線
欠陥に近接する複数の格子点列を移動させ、または格子
点上に配置された構造体を変形し、クラッドのライトラ
インより低周波数側または高周波数側で単一モード条件
を満足させることを特徴とする光導波路の製造方法であ
る。
トニック結晶の格子の一部を導波路方向に直線状に除い
て線欠陥構造とした光導波路の製造方法において、前記
線欠陥構造の線欠陥中の屈折率の大きな領域の面積が狭
くなるように、この欠陥を挟む両側の格子上に配置され
た構造体を移動または変形を行い、前記構造体を移動ま
たは変形によって、クラッドのライトラインより低周波
数側に群速度の大きなモードを有することを特徴とする
光導波路の製造方法である。
晶の格子の一列を導波路方向に直線状に除き欠陥構造と
したスラブ型2次元フォトニック結晶導波路において、
欠陥中の屈折率の大きな領域の面積が狭くなるように、
欠陥を挟む両側の格子上に配置された構造体を移動・変
形させることにより、クラッドのライトラインより低周
波数側に群速度の大きなモードを有する。これにより、
ライトラインよりも下に大きな群速度をもった単一導波
モードが形成可能な構造の光導波路を提供することがで
きる。さらに、フォトニック結晶全体に渡る周期性のず
れが生じないため、直線だけでなく曲げ導波路も提供す
ることができる。
ことができ、前記スラブ型2次元フォトニック結晶が、
酸化物クラッド又はポリマークラッドを有するように構
成できる。さらに、前記スラブ型2次元フォトニック結
晶は、SOI基板を用いて製造することもできる。
いて説明する。
波路は、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子点に配
置された構造体の一部を除き欠陥構造とした光導波路に
おいて、格子点1列分の線欠陥と、その線欠陥が単一モ
ード条件を満足するようにそれに近接する複数の格子点
列を移動させ、または、格子点上に配置された構造体を
変形させた構造とを有するものである。
電体薄膜スラブに誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率の
円柱状または多角柱状の低屈折率柱を、適当な2次元周
期間隔で設け、さらに、誘電体薄膜スラブの上下を誘電
体薄膜スラブよりも小さい屈折率を持つ上部クラッド層
と下部クラッド層とで挟んだフォトニック結晶のことで
ある。
ニック結晶導波路からなる光導波路の模式図である。図
1において、符号1が基板、符号2がSiO2層、符号
3がSi層である。また、空気孔三角格子の格子定数が
aである。本実施の形態では、空気三角格子上に円形の
空気孔3Aが構造体として配列されている。
元スラブフォトニック結晶に線欠陥を形成する場合に、
線欠陥に最近接の格子点列4をお互いに近づくように移
動させる。さらに、格子点列4の外側の格子点列5上の
空気孔5Aの大きさを、格子点列4の移動距離分伸ば
す。本実施の形態では、空気孔5Aが変形構造体であ
る。これによって、クラッドのライトラインよりも下に
大きな群速度をもった単一導波モードを形成する。
に最近接の格子点列の中心距離として定義し、中心距離
W0の定数倍で表現する。中心距離W0は、単純に格子
を1列抜いた線欠陥を挟む最近接格子の中心間隔であ
る。
Si層3のSOI基板上に、電子線露光とドライエッチ
ングとによって、格子定数a=0.39μmよりなる三
角格子を空気孔で構成したフォトニック結晶を作製す
る。さらに、格子点1列分の空気孔がない線欠陥領域を
光導波路として導入する。その際、お互いが近づくよう
に線欠陥を挟む最近接の格子点列を移動させ、さらに、
その外側の格子点列上の空気孔を、線欠陥に最近接の格
子点列の移動距離方向に、移動距離分だけ引き伸ばした
形に変形する。こうして、空気孔5Aが形成される。
様々に変化させた導波路の透過率測定を行った結果、単
純な格子1列抜きでは、バンドギャップの波長領域内で
観測ができなかった光の透過が、幅を0.7W0にした
ものでは、ギャップ内のある波長域で明確な透過光が観
測された。
ード分散である。本計算は、3μm厚のSiO2層2上
の0.2μm厚のSi層3の等価屈折率を2.8とみな
し、2次元で行われている。ここで、角周波数は、 格子定数/波長 で表現される無次元の規格化周波数を用いており、伝播
定数は、 波数・格子定数/2π で表現される無次元の規格化伝播定数を用いている。図
2中には、クラッド(屈折率1.46)のライトライン
を重ねて示してある。
トラインよりも下側に大きな群速度を持った導波モード
が存在している。また、その周波数領域では、単一モー
ド条件を満たしていることも明らかである。
欠陥を挟んだ両側の格子全体をずらした幅変調型光導波
路と同等の特徴を有することを示している。本実施の形
態の導波路構造を用いることで、フォトニック結晶全体
に渡る周期性のずれを生じさせることなく、導波路を構
成することが可能となり、曲げ導波路の実現が可能とな
る。
る線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の模
式図であり、(a)はその上面図、(b)は(a)のII
−II´断面を示す断面図である。図2において、符号1
1が基板、符号12がSiO2層、符号13がSi層で
ある。また、空気孔三角格子の格子定数がaである。
元スラブフォトニック結晶に線欠陥を形成する場合に、
単一線欠陥に最近接の格子点列14の大きさを小さくす
ることで導波路幅を調整し、クラッドのライトラインよ
りも上に大きな群速度をもった単一導波モードを形成す
る。欠陥導波路の幅調整は、単一線欠陥に最近接の格子
点列14の位置を固定したまま、円筒の線欠陥側を削り
とった半月型とすることで行っている。図3に示すよう
に、導波路の幅を、半月の直線部の間隔として定義し、
中心距離W0の定数倍で表現する。中心距離W0は、単
純に格子を1列抜いた線欠陥を挟む最近接格子の中心間
隔である。
のSi層13のSOI基板上に、電子線露光とドライエ
ッチングとによって、格子定数a=0.39μmよりな
る三角格子を空気孔で構成したフォトニック結晶を作製
する。さらに、格子点1列分の空気孔がない線欠陥領域
を光導波路として導入する。その際、線欠陥を挟む最近
接の格子点列の位置を固定したまま、空気孔の線欠陥側
をエッチングしないことにより、半月型をした空気孔1
4Aを作製する。
り、半月の直線部分の間隔を様々に変化させた導波路を
作製する。それぞれの透過率測定を行った結果、単純な
格子1列抜きでは、バンドギャップの波長領域内で観測
ができなかった光の透過が、幅を1.1W0にしたもの
では、ギャップ内のある波長域で明確な透過光が観測さ
れた。
ド分散である。本計算は、SiO2層12の屈折率を
1.46とみなし、Si層13の屈折率を3.4とみなし
て、3次元で行われている。
て示してある。図4中の楕円部19に示されるように、
本発明ではライトラインよりも上側に大きな群速度を持
った導波モードが存在している。また、その周波数領域
では、単一モード条件を満たしていることも図4より明
らかである。通常の単純な格子1列抜きによる導波路で
は、この周波数領域の伝播損失が100dB/mm以上
と非常に大きく、利用することが不可能であった。しか
し、本実施の形態の構造を用いることにより、伝播損失
を15dB/mmにまで改善でき、十分利用に耐える導
波路を構成できる。
様に、本発明の導波路が欠陥を挟んだ両側の格子全体を
ずらした幅変調型光導波路と同等の特徴を有することを
示しており、本発明の導波路構造を用いることで、フォ
トニック結晶全体に渡る周期性のずれを生じさせること
なく、導波路を構成することが可能となり、曲げ導波路
の実現が可能となる。
波路は、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の一列
を直線状に除き欠陥構造とした光導波路において、欠陥
に最近接の格子線上に配置された構造体を移動・変形す
ることにより、欠陥中の屈折率の大きな領域の面積を狭
くした構造である。
ドのライトラインより低周波数側に群速度の大きなモー
ドを励起し、従来技術で説明したようなフォトニックバ
ンドギャップおよび屈折率差による光閉じ込め方法を用
いながら、低損失で群速度の大きな構造を実現する。さ
らに、欠陥に最近接の格子線上に配置された構造体を、
欠陥の中央に向かって先細りになるように引き伸ばした
形状に変形し、導波路幅を格子の配列の1列分の幅より
狭くした構造とすることにより、単一モード条件を満足
する。このような構造には、フォトニック結晶全体に渡
る周期性のずれを生じないので、直線だけでなく、曲げ
導波路も提供することができる。
電体薄膜スラブに、誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率
の円柱状または多角柱状の低屈折率柱を適当な2次元周
期間隔で設け、さらに、誘電体薄膜スラブの上下を誘電
体薄膜スラブよりも小さい屈折率を持つ上部クラッド層
と下部クラッド層とで挟んだフォトニック結晶のことで
ある。
は、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の1列を除
いただけの通常の構造における欠陥部分の両側の格子間
の幅である。
陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の模式図で
ある。図5において、符号21が基板、符号22がSi
O2層、符号23がSi層、符号24が空気孔である。
元フォトニック結晶に単一線欠陥を形成する場合に、そ
の欠陥を挟む両側の格子上に配置された構造体を欠陥の
中央に向かって引き伸ばした形状に変形し、導波路幅を
狭く調整する。これによって、クラッドのライトライン
よりも下に大きな群速度を持った単一導波モードを形成
する。
2μm厚のSi層2のSOI基板上に、電子線露光とド
ライエッチングとによって、格子定数a=0.39μmの
空気孔三角格子フォトニック結晶を作製する。その際
に、様々な幅の1列抜き欠陥を導入した。
いた後の構造において、その欠陥を挟む両側の格子上に
配置された空気孔を、導波路の中心方向に先細りになる
ように、引き伸ばした形状に変形することによって行っ
ている。こうして、空気孔25が形成される。ここで、
空気孔25の形状は、図5(c)に示される円25A、
25Bの半径R1、R2で定義する。導波路の幅Wは半
径R2の中心間距離として定義する。
波路における欠陥の幅は、単純に格子を1列抜いた場合
の欠陥を挟んだ両側の最近接格子4の中心間の距離とし
て定義される。本実施の形態による欠陥の幅は、通常の
場合の欠陥幅をW0とし、その定数倍で表現される。こ
のフォトニック結晶自体は、波長1.35μmから1.5
7μmの間にフォトニックバンドギャップを持ち、この
波長範囲内で無欠陥部分の結晶に、光透過は観測されな
かった。つぎに、各欠陥導波路の透過スペクトルを測定
した。単純な格子1列抜き(幅1.0W0のもの)で
は、バンドギャップの波長領域内で光の透過が全く観測
されなかった。一方、図5(c)に示される空気孔25
を導波路の両脇に配置し、幅Wを0.25W0にしたも
のでは、バンドギャップ内のある波長領域で明確な光透
過が観測された。
欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の導波モ
ード分散である。本計算はSiO2層22の屈折率を
1.46とみなし、Si層23の屈折率を3.4とみなし
て、3次元で行われている。図12に示す従来のもので
は、ライトラインより下側の伝播モードの傾きが小さい
のに対し、本実施の形態では、図6内の楕円部29に示
すように、ライトラインよりも下側に大きな傾きを持っ
た、つまり、大きな群速度を持った導波モード(偶モー
ド)が存在している。また、その領域では、単一モード
条件を満たしていることも、図6より明らかである。
られる理由は次の通りである。問題を簡単にするため、
以降の導波モード計算は2次元(コアとなるSi層の膜
厚が無限大)で行われている。
す。従来の技術で説明したように、図12に示される典
型的な1列抜き線欠陥の状態では、フォトニックバンド
ギャップ内でかつライトラインより低周波数領域(以
下、この領域をα領域という)のモード(図中丸部)
は、群速度が非常に小さなものであり、実用的ではな
い。そこで、図7のバンドギャップの外にある一番下の
群速度の大きなモード31に注目する。導波路幅を狭く
すると、等価的に屈折率が下がり、この一番下のモード
31を高周波数側にシフトさせることができる。したが
って、α領域で群速度の大きなモードを実現することが
可能となる。
て、導波路部に屈折率の小さな媒質を利用する方法や、
導波路部の厚さを薄くして、等価的に屈折率を下げる方
法などがある。ここでは、導波路部に近接する孔を大き
くすることで、等価的に屈折率を下げる方法を使用す
る。
1を導波路の中心方向に向かい引き伸ばしたときのモー
ド曲線である。図8は空気孔41を大きくすることで、
図7の一番下のモード31をバンドギャップ領域にシフ
トさせ、図6のように群速度の大きな右肩下がりの分散
曲線を持つモード42をα領域で実現できることを示し
ている。これにより、低損失の直線導波路を実現でき
る。ただし、このモード42は左肩下がりの特性も有
し、これらの特性がほぼ同じ周波数領域に現れるため、
単一モード領域が非常に狭く、曲げ導波路に適さないこ
とは明白である。
りの領域におけるモード特性の違いを利用し、お互いが
現れる周波数領域をずらしたものを図8(b)に示す。
図8(a)で注目したモード42は、左肩下がりの領域
でフォトニックバンドギャップの効果でコアに光を閉じ
込められたモードの特性を示し、一方、右肩下がりの領
域でフォトニック結晶部の平均的な屈折率がコア部より
も小さいことにより、光をコア閉じ込めたモードの特性
を示す。これらのモードフィールドは分布形状が異な
り、前者は後者に比べ、導波路幅方向の分布が広い。こ
のため、導波路の中央付近の屈折率を大きく、中央から
少し離れた場所の屈折率を小さくすることで、前者に対
する導波路の有効屈折率を後者のそれより小さくし、前
者を高周波数側にシフトさせることが可能である。屈折
率の調整には、直接媒質の屈折率を変える方法や、Si
層の厚さを調節することで有効屈折率を調節する方法な
どがあるが、ここでは、図8(b)に示すように、導波
路に最近接の空気孔42の幅を、導波路の中央に向かい
狭くなるように形状を変化させ、有効屈折率を調節する
方法を採用した。
れたところの屈折率に差をつけるために、空気孔の形状
を調節することが、本発明の目的達成のための重要なポ
イントであることがわかる。
との関係について示す。図9(a)は、空気孔をR1=
0.275aで固定し、空気孔のR2を小さくしていっ
たときの、導波路幅Wと単一モード帯域幅の関係とを示
している。さらに、図9(b)は、図9(a)において
単一モード帯域が最大になる導波路幅と帯域との関係
を、それぞれのR2について抜き出し、1つにまとめた
ものである。図9(a)、(b)より、R2が小さくW
が狭くなるに伴い、単一モード領域が広くなることがわ
かる。
R1、R2(R1>R2)の組み合わせを考察する。図
10は図9(b)を様々なR1について計算したときの
導波路幅と最大単一モード帯域幅との関係を示してい
る。実線はR1=0.275a、0.30a、0.35
a、0.40aの場合を示し、一点鎖線はR1=0.45
aの場合を示している。これらの曲線は、円51で示す
ように、W>0.4W0でほぼ同じ直線状(点線)に収
束しており、この直線がW=0.7W0付近でW軸と交
差する。このことから、単一モード領域を得るために
は、導波路の幅をW<0.7W0にする必要があること
がわかる。
がW<0.4W0で減少していることがわかる。これ
は、導波路の有効屈折率を小さくしすぎたため、バンド
ギャップの下に隠れていたモードがギャップ中に現れ、
単一モード領域が減少したために起こった現象である。
これより、広い単一モード帯域幅(>0.01[c/
a])を得るためには、W<0.4W0、かつ、R1<
0.45aとする必要があることがわかる。
が、前記各実施の形態に限定されることなく、特許請求
の範囲内で種々変更・応用が可能である。また、具体的
な構成は前記各実施の形態に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても
本発明に含まれる。
してSiおよびSiO2を用いたが、本発明の効果はこ
の材料に限定されないことは明らかである。一般に、高
屈折率の媒質の薄膜の下に低屈折率の誘電体を配置した
スラブ型のフォトニック結晶を用いて欠陥導波路を構成
する際に、実施の形態1、2と同様に導波路幅を調整す
ることにより、ライトラインより下に単一モード条件を
満たす導波路や、ライトラインより上に単一モード条件
を満たす導波路を形成することが一般的に可能である。
GaAs、InGaAsP、InP等の半導体を用いた
構造、または、SiO2の代わりにポリマー、アルミナ
等の物質を用いた構造でも、全く同じ効果が期待される
ことは明らかである。また、ここでは、下部クラッドに
誘電体を配置した場合についてのみ述べたが、上下共に
誘電体クラッドを配置した構造でも、同様の効果が期待
できることは明らかである。
光導波路およびその製造方法は、フォトニック結晶全体
に渡る周期性のずれを生じさせることなく、欠陥を挟ん
だ両側の格子全体をずらした幅変調型光導波路と同等の
特徴を提供することができる。
一部を直線状に除き線欠陥構造とした光導波路におい
て、格子点1列分の線欠陥幅よりも狭くなるように、線
欠陥に近接する格子点列を移動または格子点上に配置さ
れた構造体を変形させることにより、クラッドのライト
ラインより低周波数側で単一モードが形成可能な構造の
光導波路およびその製造方法を提供することができる。
一部を直線状に除き線欠陥構造とした光導波路におい
て、格子点1列分の線欠陥幅よりも広くなるように、線
欠陥に近接する格子点列を移動または格子点上に配置さ
れた構造体を変形させることにより、クラッドのライト
ラインより高周波数側で単一モードが形成可能な構造の
光導波路およびその製造方法を提供することができる。
元フォトニック結晶の格子の一部を直線状に除き線欠陥
構造とした光導波路において、その欠陥を挟む両側の穴
形状を欠陥の中心に向かい先細りとなるように引き伸ば
すことにより導波路幅を狭くしたので、ライトラインよ
りも下に大きな群速度を持った単一モードが形成可能な
構造の光導波路を提供することができる。
上し、曲げ導波路が構成でき、損失の少ない超小型光導
波路を提供することができる。
波路からなる光導波路の模式図であり、(a)は上面
図、(b)は(a)のI−I´断面を示す断面図であ
る。
路からなる光導波路の導波モード分散を説明する図であ
る。
波路からなる光導波路の模式図であり、(a)は上面
図、(b)は(a)のII−II´断面を示す断面図であ
る。
波路からなる光導波路の導波モード分散を説明する図で
ある。
ク結晶導波路からなる光導波路の模式図であり、(a)
は上面図、(b)は(a)のIII−III´断面を示す断面
図である。
ク結晶導波路からなる光導波路の導波モード分散を説明
する図である。
ニック結晶導波路の導波モード分散を説明する図であ
る。
曲線の関係とを説明する図である。
を説明する図である。
係を説明する図である。
トニック結晶導波路の構造模式図であり、(a)は上面
図、(b)は(a)のIV−IV´断面図断面を示す断面図
である。
トニック結晶導波路の導波モード分散を説明する図であ
る。
Claims (20)
- 【請求項1】 スラブ型2次元フォトニック結晶の格子
点に配列された構造体の一部を除いて形成された格子点
1列分の線欠陥構造を有し、前記線欠陥が単一モード条
件を満足するように、それに近接する複数列の格子点上
の構造体を移動させ、または変形させたことを特徴とす
る光導波路。 - 【請求項2】 前記線欠陥構造は、 格子点1列分の線欠陥を挟む最近接格子の中心間幅より
も狭くなるように線欠陥に近接する格子点列を移動、 または、格子点1列分の線欠陥を挟む最近接格子の線欠
陥側端間幅よりも狭くなるように格子点上に配置された
構造体を変形させた構造であり、 クラッドのライトラインより低周波数側で単一モード条
件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光導波
路。 - 【請求項3】 前記線欠陥構造において、 移動または変形させられた格子点上の構造体のうち一列
以上を大きな形状に変形させたことを特徴とする請求項
2に記載の光導波路。 - 【請求項4】 前記線欠陥構造において、 線欠陥に最近接する格子点列を移動させる方向にその外
側の格子点列上の構造体を引き伸ばすように大きく変形
させることを特徴とする請求項2に記載の光導波路。 - 【請求項5】 前記線欠陥構造において、 移動させた格子点列は線欠陥から2列目までとすること
を特徴とする請求項2に記載の光導波路。 - 【請求項6】 前記線欠陥構造は、 格子点1列分の線欠陥を挟む最近接格子の中心間幅より
も広くなるように線欠陥に近接する格子点列を移動、 または、格子点1列分の線欠陥を挟む最近接格子の線欠
陥側端間幅よりも広くなるように格子点上に配置された
構造体を変形させた構造であり、 クラッドのライトラインより高周波数側で単一モード条
件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光導波
路。 - 【請求項7】 前記線欠陥構造において、線欠陥に最近
接する格子点上の構造体を小さく変形させたことを特徴
とする請求項6に記載の光導波路。 - 【請求項8】 前記線欠陥構造における変形された構造
体は、円筒の線欠陥側を削りとった形状であることを特
徴とする請求項6に記載の光導波路。 - 【請求項9】 スラブ型2次元フォトニック結晶の格子
の一部を導波路方向に直線状に除いて形成された線欠陥
構造を有し、前記線欠陥構造の線欠陥中の屈折率の大き
な領域の面積が狭くなるように、この欠陥を挟む両側の
格子上に配置された構造体を移動させ、または変形させ
ることにより、クラッドのライトラインより低周波数側
に群速度の大きなモードを有することを特徴とする光導
波路。 - 【請求項10】 前記線欠陥を挟む両側の格子上に配置
された構造体を、欠陥の中央に向かって引き伸ばした形
状に変形して、変形構造体を形成したことを特徴とする
請求項9に記載の光導波路。 - 【請求項11】 前記線欠陥を挟む両側の格子上に配置
された構造体を、欠陥の中央に向かい先細りの形状とし
て、変形構造体を形成したことを特徴とする請求項10
に記載の光導波路。 - 【請求項12】 前記線欠陥を挟む両側の格子上に配置
された前記変形構造体の、前記線欠陥の中央に近い側を
第1の円形にし、 前記線欠陥を挟んで互いに向かい合う前記変形構造体の
第1の円形の中心間距離を導波路幅として、この導波路
幅を第1の幅とし、 スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の1列を除いた
だけの、通常の線欠陥構造における欠陥部分の、両側の
格子間の幅である第2の幅より、前記第1の幅を狭くし
たことを特徴とする請求項10に記載の光導波路。 - 【請求項13】 単一モード条件を満足するために、前
記変形構造体の、前記欠陥から遠い側を第2の円形に
し、 前記第1の円形の半径が、前記第2の円形の半径より小
さな、前記線欠陥の中央に向かい先細りの形状としたこ
とを特徴とする請求項11に記載の光導波路。 - 【請求項14】 前記第1の幅を、前記第2の幅の0.
7倍以下の値としたことを特徴とする請求項12に記載
の光導波路。 - 【請求項15】 0.01[c/a]以上の単一モード
周波数帯域を得るために、前記第2の円の半径を格子定
数の0.45倍より小さな値で、かつ、前記第1の幅を
前記第2の幅の0.4倍以下の値としたことを特徴とす
る請求項13に記載の光導波路。 - 【請求項16】 前記格子は空気孔型三角格子であるこ
とを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の
光導波路。 - 【請求項17】 前記スラブ型2次元フォトニック結晶
が、酸化物クラッドまたはポリマークラッドを有するこ
とを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の
光導波路。 - 【請求項18】 前記スラブ型2次元フォトニック結晶
は、SOI基板を用いて製造したこを特徴とする請求項
1〜17のいずれか1項に記載の光導波路。 - 【請求項19】 スラブ型2次元フォトニック結晶の格
子点に配置された構造体の一部を除き線欠陥構造とする
光導波路の製造方法において、 前記スラブ型2次元フォトニック結晶をSOI基板を用
いて作製し、 格子点列を1列分抜いて線欠陥を形成し、 その線欠陥に近接する複数の格子点列を移動させ、また
は格子点上に配置された構造体を変形し、 クラッドのライトラインより低周波数側または高周波数
側で単一モード条件を満足させることを特徴とする光導
波路の製造方法。 - 【請求項20】 スラブ型2次元フォトニック結晶の格
子の一部を導波路方向に直線状に除いて線欠陥構造とし
た光導波路の製造方法において、 前記線欠陥構造の線欠陥中の屈折率の大きな領域の面積
が狭くなるように、この欠陥を挟む両側の格子上に配置
された構造体を移動または変形を行い、 前記構造体を移動または変形によって、クラッドのライ
トラインより低周波数側に群速度の大きなモードを有す
ることを特徴とする光導波路の製造方法。
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