JP4538718B2 - 2次元フォトニック結晶スラブ及び2次元フォトニック結晶導波路 - Google Patents
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Description
この2次元フォトニック結晶導波路は、空気より屈折率が高い材料からなるスラブ材料81に円柱孔86を三角格子状に配列された2次元フォトニック結晶を有し、図44に示すように三角格子状に配列した円柱孔86を一部線状に抜き取ることによりフォトニック結晶に線状欠陥92が導入され、この線状欠陥92が導波路とされたものである。
また、本発明は、TE−like モードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶スラブを備え、低損失の2次元フォトニック結晶導波路を提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、上記の2次元フォトニック結晶導波路が備えられた光デバイスを提供することを目的の一つとする。
高屈折率材料からなるスラブ材に、このスラブ材よりも低屈折率材料からなる領域が周期的に配列されて屈折率分布が形成され、前記スラブ内を通過する光に対してTE−like モードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶スラブであって、前記低屈折率材料領域は、その形状が3回の回転対称とミラー面を3つ有するC3V対称性を有し、中心を結ぶ線が正三角形になるように配置された3つの円柱状領域を一単位としてこの一単位を前記スラブ材に三角格子状に配列されているとともに、
前記スラブ材は、0.15≦t/λ0≦0.19(式中、tは前記スラブ材の厚み、λ0はTE−likeモードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のバンドギャップの中心波長)なる関係を満たし、かつ、Δ=(nH 2−nL 2)/2nH 2(式中、nHは前記高屈折率材料の屈折率、nLは前記低屈折率材料の屈折率を示す。)で定義される比屈折率差Δが0.35より大きくなる関係を満たし、かつ、0.65≦t/a≦1.50(式中、aは前記低屈折率材料領域の周期構造部における最小中心距離又は格子定数)なる関係を満たし、
前記低屈折率材料領域が占める割合は、2次元フォトニック結晶スラブの体積100%に対して25%より多くされたことを特徴とする。
本発明においてC3V対称の形状とは、3回の回転対称形状で、ミラー面を3有するもののことをいう。
上記構成の2次元フォトニック結晶スラブによれば、TE−like モードとTM−like モードの両モードのギャップ周波数帯を一致させることができるので、上記両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有することができ、しかも高次スラブモードが立たないため、スラブ材料面内方向に光が漏れるのを防止でき、低損失とすることができる。
前記において、t/λ0が0.19を超えると、高次スラブモードが発生して光損失が増大し、0.1未満であると、完全バンドギャップが得られない。
前記において、比屈折率差Δが0.35以下であると、TE−like モード、TM−like モードの両方のフォトニックバンドギャップが開かなくなってしまう。
前記において、低屈折率材料領域が占める割合(体積%)が25%以下であると、t/λ0が前記の範囲内であってもTE−like モードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有することができない。
本発明において完全バンドギャップとは、TE−like モードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有することをいう。
この関係を満たすことが導波路モードのシングルモード光の伝搬帯域を確保できる点で好ましい。なお、本発明において導波路幅とは、線状欠陥を中心とした左右の低屈折率材周期構造部中心間の距離のことをいう。
本発明の2次元フォトニック結晶スラブにおいて、t/λ0が0.19を超えると、高次スラブモードが発生して光損失が増大し、0.1未満であると、完全バンドギャップが得られない。よって、0.15≦t/λ0≦0.19(式中、tは前記スラブ材の厚み、λ0はTE−likeモードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のバンドギャップの中心波長)なる関係を満たすことを要する。
本発明において、比屈折率差Δが0.35以下であると、TE−like モード、TM−like モードの両方のフォトニックバンドギャップが開かなくなってしまう。よって、Δ=(nH 2−nL 2)/2nH 2(式中、nHは前記高屈折率材料の屈折率、nLは前記低屈折率材料の屈折率を示す。)で定義される比屈折率差Δが0.35より大きくなる関係を満たすことを要する。
本発明において、低屈折率材料領域が占める割合(体積%)が25%以下であると、t/λ0が前記の範囲内であってもTE−like モードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有することができない。よって、低屈折率材料領域が占める割合は、2次元フォトニック結晶スラブの体積100%に対して25%より多くなることを要する。
以下に述べる実施の形態では本発明の光デバイスを波長分波器に適用した場合について説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではないことは勿論であるとともに、以下の図面においては各構成部分の縮尺について図面に表記することが容易となるように構成部分毎に縮尺を変えて記載している。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の波長分波器の概略構成を示す斜視図であり、図2は図1の波長分波器に備えられた2次元フォトニック結晶導波路を示す概略平面図であり、図3は図2の2次元フォトニック結晶導波路に備えられた2次元フォトニック結晶スラブに形成された複数の低屈折率材料領域を示す拡大平面図である。
本実施形態の波長分波器は、本発明の実施形態の2次元フォトニック結晶導波路10が主体として備えられたものである。
この2次元フォトニック結晶導波路10は、本発明の実施形態の2次元フォトニック結晶スラブ10aに、このフォトニック結晶の周期的配列を乱す線状の欠陥(線状欠陥)22がΓ‐J方向(言い換えればΓ−K方向)に形成され、この線状欠陥22が光を通過させる導波路とされたものである。ここでのΓ‐J方向とは、本実施形態のように平面視三角状の低屈折率材料領域15が三角格子状に配列されている場合、この低屈折率材料領域15のいずれか一辺と平行な方向であり、図2に示す矢印A1、A2、A3で示される方向はいずれもΓ−J方向である。上記導波路22は矢印A1で示される方向に形成されているが、矢印A2や矢印A3で示される方向に形成されていてもよい。なお、図2中、矢印Bで示される方向は、Γ‐X方向(言い換えればΓ−M方向)である。
この2次元フォトニック結晶スラブ10aの具体的な構造としては、高屈折率材料からなるスラブ材11に、このスラブ材11よりも低屈折率材料からなる領域(低屈折率材料領域)15が三角格子状に配列されることにより、スラブ材11に低屈折率材料領域15が周期的に配列されて屈折率分布が形成されたものである。
低屈折率材料領域15に用いる材料は、スラブ材11を構成する高屈折率材料よりも屈折率が低い低屈折率材料が用いられ、本実施形態では空気が用いられている。
低屈折率材料領域15の一辺の長さLは、中心波長1.55μmとした場合、0.3μm〜0.4μm程度とされる。隣合う低屈折率材料領域15と15のピッチaは0.35μm〜0.55μm程度とされる。
本実施形態では低屈折率材料領域15は正三角柱状であるので、隣合う低屈折率材料領域15と15のピッチaは、低屈折率材料領域15が周期的に配置された低屈折率材周期構造部における最小中心距離aと同じ大きさとなっている。
さらに、0.7<L/a<1.0(式中、Lは低屈折率材料領域15の一辺の長さ、aは上記低屈折率材周期構造部における最小中心距離又は格子定数)なる関係を満たすように構成されていることが先に述べた理由により好ましい。
なお、図45に示すようにスラブ材11の少なくとも一方の面(図面では下面側)に補強層11aが設けられたものを使用すれば、隣接する低屈折率材料領域15、15の一部が重なった構造や隣接する低屈折率材料領域15、15が接触した構造もとることができるので、0.7<L/a≦1.0であってもよい。上記補強層11aには、上記低屈折率材料領域は形成しない。
スラブ材11の上面にも、図45の二点鎖線で示したように補強層11aが形成されていてもよい。このようなスラブ材11の両面に補強層11aが設けられた材料としては、例えば、シリコン基板のようにSi層の両面にそれぞれSiO2層を有するものを挙げることができる。
なお、図3は、複数の正三角柱状低屈折率材料領域15が一群の平行線Mの方向に対して0度の傾斜角度で配置されている場合である。
また、実施形態の2次元フォトニック結晶導波路10では、導波路幅Wを調整することにより、ドナー型導波路とされている。本発明において導波路幅とは、線状欠陥22を中心とした左右(両側)の低屈折率材周期構造部中心間の距離のことをいい、本実施形態では各低屈折率材料領域15は正三角柱状であるので線状欠陥22を中心とした左右の低屈折率材料領域15、15の中心間の距離ということもできる。
この上記の2次元フォトニック結晶スラブ10aに外部からTE−like モード又はTM−like モードの光R1を入射させると、フォトニック結晶内では、面内方向にはフォトニックバンドギャップにより伝搬を禁じられ、面直方向には上下の低屈折率材料による全反射により閉じこめられる。
また、シングルモードの光の伝搬帯域を確保できる点では、(√3)a×(2/16)≦W≦(√3)a×(18/16)(式中、Wは導波路幅、aは上記低屈折率材周期構造部における最小中心距離又は格子定数)なる関係を満たすことが好ましい。Wが(√3)a×(2/16)未満であると、導波路モードが消失し、(√3)a×(18/16)を超えると、シングルモードを確保できなくなる。
なお、スラブ材11に低屈折率材料領域15が三角格子状に配列された場合は、60度曲げ導波路を容易に形成することも可能である。
図5は、第2の実施形態の波長分波器の概略構成を示す斜視図である。
第2の実施形態の波長分波器が第1の実施形態の波長分波器と異なるところは、2次元フォトニック結晶導波路50が備えられている点であり、詳しくは、この2次元フォトニック結晶導波路50に備えられる2次元フォトニック結晶スラブ50aを構成するスラブ材11に形成された低屈折率材料領域65の形状と配列状態が異なることと、線状欠陥(導波路)22の形成方向が異なる点である。
本実施形態ではスラブ材11に複数の円形孔64が形成されている。この円形孔64は正方格子の格子点に相当する位置に形成されたものである。そして、複数の円形孔64のそれぞれに低屈折率材料としての空気が充填されて円柱状の低屈折率材料領域65が複数形成されることにより、フォトニック結晶の周期的配列が形成されている。
また、本実施形態では、先に述べた理由により、0.1≦t/λ0≦0.3(式中、tは上記スラブ材11の厚み、λ0はバンドギャップの中心波長)なる条件を満たしている。
また、0.4≦r/a<0.50(式中、rは上記低屈折率材料領域65の半径の長さ、aは上記低屈折率材周期構造部における最小中心距離又は格子定数)なる関係を満たすことが先に述べた理由により好ましい。
また、低屈折率材料領域65が占める割合は、2次元フォトニック結晶スラブの体積100%(ここでは線状欠陥22が形成されている部分は除く)に対して25%より多くされている。
また、本実施形態では上記の複数の低屈折率材料領域65は図5に示すように導波路22の中心に対して左右対称になるように配置されている。
また、スラブ材11に低屈折率材料領域65が正方格子状に配置された場合は、直角曲げ導波路を容易に形成することも可能である。
なお、本実施形態では低屈折率材料領域65が円柱状である場合について説明したが、三角柱状、四角柱状、五角柱状、六角柱状等の多角柱状、楕円柱状のいずれかの形状であってもよい。
また、上記の第1〜第2の実施形態においては、線状欠陥が一づつ形成された2次元フォトニック結晶導波路について説明したが、線状欠陥は1以上設けられていてもよい。
スラブ材11に形成する複数の三角柱状低屈折率材料領域15の一群の平行線Mに対する傾斜角度θを−30度〜+30度の範囲で変更した以外は図1乃至図3に示したものと同様の各種の2次元フォトニック結晶スラブ作製した。なお、ここで作製した2次元フォトニック結晶スラブは、Δ=0.46、L/a=0.85、t/a=0.80なる条件とした。
作製した各種の2次元フォトニック結晶スラブに外部からλ=1.55μmの光を入射し、バンドギャップの低屈折率材料領域傾斜角依存性についで調べた。その結果を図6に示す。なお、図7は傾斜角度θが30度の場合の三角柱状低屈折率材料領域の配列状態を示しており、図8は傾斜角度θが15度の場合の三角柱状低屈折率材料領域の配列状態を示しており、図9は傾斜角度θが0度の場合の三角柱状低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図6に示す結果から複数の三角柱状低屈折率材料領域は一群の平行線Mに対する傾斜角度θが−30度と+30度のときはΔωg/ωgが0であり、フォトニックバンドギャップが現れていない。−30度<θ<+30度の範囲のときに、フォトニックバンドギャップが存在し、特に、傾斜角度θが0度のときは、Δωg/ωgが最大値を示しており、フォトニックバンドギャップを示す周波数幅が非常に広いことがわかる。
スラブ材11の厚みtと、三角柱状低屈折率材料領域15の割合(開口率)を変更した以外は図1乃至図3に示したものと同様の各種の2次元フォトニック結晶スラブ作製した。なお、ここで作製した2次元フォトニック結晶スラブは、Δ=0.46なる条件とした。
作製した各種の2次元フォトニック結晶スラブに外部からTE−like モードとTM−like モードの光をそれぞれ入射したときの2次元完全フォトニックバンドギャップ(2次元完全PBG)のスラブ材厚さ依存性についで調べた。その結果を図10乃至図15に示す。なお、図10乃至図15に作製した2次元フォトニック結晶スラブのt/aの値とt/λ0の値も合わせて示した。
これに対して図11〜図14のt/a=0.65〜1.50の場合は、TM−like modeとTE−like modeの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有することができ、2次元完全フォトニックバンドギャップが存在していることがわかる。2次元完全フォトニックバンドギャップとはTE−like modeとTM−like modeの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有することをいう。
図12のt/a=0.80の場合は2次元完全フォトニックバンドギャップを示す周波数幅が広いことがわかる。
スラブ材11の厚みtと、L/aを変更した以外は図1乃至図3に示したものと同様の各種の2次元フォトニック結晶スラブ作製した。ここではλ0=1550nm付近がバンドギャップの中心波長になるようにaの値を変更することにより、L/aの値を変更した。
作製した各種の2次元フォトニック結晶スラブに外部からλ0=1550nmの光を入射し、スラブ材11の厚みtと完全バンドギャップの有無との関係を調べた。また、高次スラブモードの発生の有無も調べた。これらの結果を図16と図17に示す。なお、図16と図17のグラフにおいて、横軸はスラブ材の厚みt(μm)、縦軸はTE、TM−like mode共通フォトニックバンドギャップの波長帯幅Δλ(nm)である。
図16〜図17の結果から0.70<L/a<1.0なる条件と、0.1≦t/λ0 ≦0.3なる条件を満たすことにより、TE−like モードとTM−like モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有することができ、高次スラブモードの発生を防止できることがわかる。
スラブ材11の導波路幅Wを変更した以外は図1乃至図3に示したものと同様の各種の2次元フォトニック結晶導波路を作製した。なお、ここで作製した2次元フォトニック結晶スラブ導波路に備えられた2次元フォトニック結晶スラブのt/a=0.80、L/a=0.85と一定とした。また、導波路幅Wは、W0=(√3)aを基準とし、W−16=(√3)a×(0/16)〜W+4=(√3)a×(20/16)の範囲で変更した。
作製した各種の2次元フォトニック結晶導波路に外部からTE−like modeの光を入射したときのモードの分散関係とモードの周波数の領域について調べた。その結果を図18(a)〜図33(a)に示し、また、図18(b)〜図33(b)に各導波路幅のときの2次元フォトニック結晶導波路に形成される導波路の一部分を示した。なお、図29(b)は、W−16=0の場合であるので導波路は消失している。
また、導波路幅WがW−16では、導波路が消失し、また、W+2を超えた場合では導波路モードのシングルモード条件が成り立たなくなってしまう。
従って、W−14=(√3)a×(2/16)以上で、W+2=(√3)a×(18/16)(式中、Wは導波路幅、aは上記低屈折率材周期構造部における最小中心距離又は格子定数)以下の範囲とすれば、シングルモードの光の伝搬帯域を確保できることがわかる。
図18〜図33の結果から、導波路幅Wを変更することにより、ドナー型からアクセプタ型に亘ってTE−like modeの分散状態と周波数の領域を制御でき、TE−like modeをバンドギャップの下限から上限まで動かすことができることがわかった。
なお、作製した各種の2次元フォトニック結晶導波路に外部からTM−like modeの光を入射した場合も、導波路幅Wを変更することにより、ドナー型からアクセプタ型に亘ってTM−like modeの分散状態と周波数の領域を制御でき、TM−like modeをバンドギャップの下限から上限まで動かすことができることを確認した。
以上の導波路幅Wを変更することにより、ドナー型からアクセプタ型に亘ってTE−like modeやTM−like modeの分散状態と周波数の領域を制御でき、所望のモードの分散関係とモードの周波数の領域を有した2次元フォトニック結晶導波路を得ることが可能であることがわかる。
スラブ材11の導波路幅Wを変更し、スラブ材11に形成する孔を円形孔にし、該円形孔内に空気からなる円柱状の低屈折率材料領域を形成した以外は実験例4と同様の各種の2次元フォトニック結晶導波路を作製した。本実験例で作製した2次元フォトニック結晶導波路は、円柱状の低屈折率材料領域が三角格子状に配置され、これら低屈折率材料領域が導波路の中心に対して左右対称に配置された構成としたものである。
なお、ここで作製した2次元フォトニック結晶スラブ導波路に備えられた2次元フォトニック結晶スラブのt/a=0.60、r/a=0.29(式中、rは低屈折率材料領域の半径、aは低屈折率材周期構造部における最小中心距離又は格子定数)と一定とした。また、導波路幅Wは、W0=(√3)aを基準とし、W0=(√3)a〜W−16=(√3)a×(0/16)の範囲で変更した。
なお、三角柱状の低屈折率材料領域が三角格子状に配置され、しかもこれら低屈折率材料領域が導波路の中心に対して左右対称に配置された場合においても導波路幅を変更することによりTE−like modeどうしは交差することを確認した。
L/aを変更した以外は図1乃至図3に示したものと同様の各種の2次元フォトニック結晶スラブ作製した。ここではλ0=1550nm付近がバンドギャップの中心波長になるようにaの値、Lの値を変更することにより、L/aの値を変更した。
図49は、L/a=0.85、Δ=0.15a、f=0.36(fは2次元フォトニック結晶スラブ全体に対する低屈折率材料領域が占める割合、即ち、本実験例では開口割合である)とした場合の三角柱状低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図50は、L/a=1、Δ=0a、f=0.5とした場合の三角柱状低屈折率材料領域の配列状態を示している。
作製した各種の2次元フォトニック結晶スラブに外部からλ0=1550nmの光を入射し、二次元完全バンドギャップ幅を調べた。結果を図45〜図50に合わせて示す。
図49〜図50中、ΔλTMは、TM−like modeのフォトニックバンドギャップの波長帯幅(単位はnm)であり、ΔλTEは、TE−like modeのフォトニックバンドギャップの波長帯幅(単位はnm)である。
図49〜図50に示した結果から、L/a=0.85の場合のTE、TM−like mode共通フォトニックバンドギャップの波長帯幅Δλは59nmであったが、L/a=1の場合のΔλは176nmであり、L/a=1の場合の方が二次元完全バンドギャップ幅が広いことがわかる。
低屈折率材料領域の形状を三角柱の各側面に凸部を設けた形状(三角柱の各角部が凹状にカットにされた形状)になるようにしたことと、L/aを変更した以外は実験例6と同様の各種の2次元フォトニック結晶スラブ作製した。ここではλ0=1550nm付近がバンドギャップの中心波長になるようにaの値、Lの値を変更することにより、L/aの値を変更した。
図51は、L/a=0.6、M=0.1a(Lは凸部の長さ、Mは凸部の高さ、aは低屈折率材周期構造部における最小中心距離である。)、f=0.39とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図52は、L/a=0.7、M=0.1a、f=0.49とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図53は、L/a=0.8、M=0.1a、f=0.6とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
作製した各種の2次元フォトニック結晶スラブに外部からλ0=1550nmの光を入射し、二次元完全バンドギャップ幅を調べた。結果を図51〜図53に合わせて示す。
低屈折率材料領域の形状を、横断面の形状がY字状(プロペラ状)になるようにした(三角柱の各角部に凸部を設けるようにした)ことと、L/aを変更した以外は実験例6と同様の各種の2次元フォトニック結晶スラブ作製した。ここではλ0=1550nm付近がバンドギャップの中心波長になるようにaの値、Lの値を変更することにより、L/aの値を変更した。
図54は、L/a=0.3、M=0.3a、Δ=0.156a、f=0.39とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図55は、L/a=0.34、M=0.34a、Δ=0.006a、f=0.46とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図56は、L/a=0.366、M=0.366a、Δ=0a、f=0.53とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
作製した各種の2次元フォトニック結晶スラブに外部からλ0=1550nmの光を入射し、二次元完全バンドギャップ幅を調べた。結果を図54〜図56に合わせて示す。
中心を結ぶ線が正三角形になるように配置された3つの円柱状領域を一単位とした形状の低屈折率材料領域を三角格子状に配列して屈折率分布を形成したことと、L/aを変更した以外は実験例6と同様の各種の2次元フォトニック結晶スラブ作製した。ここではλ0=1550nm付近がバンドギャップの中心波長になるようにaの値、Lの値を変更することにより、L/aの値を変更した。
図57は、L/a=0.425、r=L/2(Lは円柱状領域の中心間距離、rは円柱状領域の半径である。)、Δ=0.15a、f=0.49とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図58は、L/a=0.45、r=L/2、Δ=0.1a、f=0.55とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
図59は、L/a=0.5、r=L/2、Δ=0a、f=0.68とした場合の低屈折率材料領域の配列状態を示している。
作製した各種の2次元フォトニック結晶スラブに外部からλ0=1550nmの光を入射し、二次元完全バンドギャップ幅を調べた。結果を図57〜図58に合わせて示す。
Claims (8)
- 高屈折率材料からなるスラブ材に、このスラブ材よりも低屈折率材料からなる領域が周期的に配列されて屈折率分布が形成され、前記スラブ内を通過する光に対してTE−like モードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶スラブであって、前記低屈折率材料領域は、その形状が3回の回転対称とミラー面を3つ有するC3V対称性を有し、中心を結ぶ線が正三角形になるように配置された3つの円柱状領域を一単位としてこの一単位を前記スラブ材に三角格子状に配列されているとともに、
前記スラブ材は、0.15≦t/λ0≦0.19(式中、tは前記スラブ材の厚み、λ0はTE−likeモードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のバンドギャップの中心波長)なる関係を満たし、かつ、Δ=(nH 2−nL 2)/2nH 2(式中、nHは前記高屈折率材料の屈折率、nLは前記低屈折率材料の屈折率を示す。)で定義される比屈折率差Δが0.35より大きくなる関係を満たし、かつ、0.65≦t/a≦1.50(式中、aは前記低屈折率材料領域の周期構造部における最小中心距離又は格子定数)なる関係を満たし、
前記低屈折率材料領域が占める割合は、2次元フォトニック結晶スラブの体積100%に対して25%より多くされたことを特徴とする2次元フォトニック結晶スラブ。 - 高屈折率材料からなるスラブ材に、このスラブ材よりも低屈折率材料からなる領域が周期的に配列されて屈折率分布が形成され、前記スラブ内を通過する光に対してTE−like モードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のフォトニックバンドギャップを有する2次元フォトニック結晶スラブであって、前記低屈折率材料領域は、その形状が3回の回転対称とミラー面を3つ有するC3V対称性を有するY字状のプロペラ形状をなし、前記スラブ材に三角格子状に配列されているとともに、
前記スラブ材は、0.15≦t/λ0≦0.19(式中、tは前記スラブ材の厚み、λ0はTE−likeモードとTM−like モードの両モードの光に対して共通のバンドギャップの中心波長)なる関係を満たし、かつ、Δ=(nH 2−nL 2)/2nH 2(式中、nHは前記高屈折率材料の屈折率、nLは前記低屈折率材料の屈折率を示す。)で定義される比屈折率差Δが0.35より大きくなる関係を満たし、かつ、0.65≦t/a≦1.50(式中、aは前記低屈折率材料領域の周期構造部における最小中心距離又は格子定数)なる関係を満たし、
前記低屈折率材料領域が占める割合は、2次元フォトニック結晶スラブの体積100%に対して25%より多くされたことを特徴とする2次元フォトニック結晶スラブ。 - 前記スラブ材の少なくとも一方の面に前記低屈折率材料領域が形成されていない補強層が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の2次元フォトニック結晶スラブ。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の2次元フォトニック結晶スラブに、前記フォトニック結晶の周期的配列を乱す線状欠陥がΓ‐J方向に形成され、該線状欠陥はTE−like モードとTM−like モードの両モードの光を通過可能な導波路とされたことを特徴とする2次元フォトニック結晶導波路。
- 前記低屈折率材料領域は前記導波路を中心とした左右非対称になるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の2次元フォトニック結晶導波路。
- 前記低屈折率材料からなる領域は導波路を中心とした左右対称になるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の2次元フォトニック結晶導波路。
- (√3)a×(2/16)≦W≦(√3)a×(18/16)(式中、Wは導波路幅、aは前記低屈折率材周期構造部における最小中心距離又は格子定数)なる関係を満たすことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の2次元フォトニック結晶導波路。
- 請求項4乃至7のいずれか一項に記載の2次元フォトニック結晶導波路が備えられたことを特徴とする光デバイス。
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