JPWO2004102043A1 - 作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、負荷制御のための構成部品の劣化をなくし、小型化及び構造の簡素化が可能な、作業車輌用油圧伝動装置のための負荷制御装置を提供する。作業車輌は、エンジン(E)からの動力を作業機系と走行系とに分岐させてこれらを駆動し、走行系に油圧伝動装置(1)を備える。油圧伝動装置(1)は、エンジン(E)によって駆動する油圧ポンプ(2)と油圧ポンプ(2)によって駆動する油圧モータ(4)とが油圧閉回路で接続されている。前記負荷制御装置は、油圧閉回路の前進時高圧側油路(3a)を前進時低圧側油路(3b)またはオイルタンク(T)にバイパスするためのバイパス油路(8)と、バイパス油路(8)を開閉する開閉弁(9)と、作業走行時にエンジンEに作用する負荷を検知して該負荷が大きくなるに従って開閉弁(9)の開度を大きくするよう制御する開閉弁制御手段と、を有する。
Description
本発明は、除雪機や耕耘機等の作業車輌に搭載される油圧伝動装置(HST)の負荷制御装置に関する。
一般的に、除雪機や耕耘機等の作業車輌は、エンジンないしは動力伝達系から分岐させて取り出した動力によって、オーガー等を駆動させる。
例えば、除雪機は、図8に示すように、操作部100、エンジンルーム101、オーガー102、ブロワ103、シューター104、及びクローラ105を備えている。出力軸106の出力は、プーリー107〜110を介して、オーガー102を駆動するPTO軸111(作業機系)とクローラ105の駆動軸112(走行系)に分岐されている。回転駆動力は、駆動軸112からトランスミッション(伝動装置)113を介して車軸114に伝達される。そしてこの種の作業車輌には、油圧伝動装置が変速機構として多用されている。
しかしながら、これら作業車輌の作業中にオーガー等の作業機系が何らかの原因で過負荷を受けると、エンジンが停止することがある。また、エンジンが停止しないまでも作業機を駆動するにあたって理想的な回転でなくなるために作業性能(作業効率)が極端に低下してしまう。
例えば除雪機では、新雪の除雪作業ではオーガー102はスムーズに回転して除雪を行うことができる。しかしながら、春雪の頃の除雪作業では、雪に水分が多く含まれているため、シューター104内に雪が詰まりやすい。そのため、エンジンは、オーガーを通じて過負荷を受け、エンスト状態となることがある。
そのため、従来、油圧伝動装置を搭載した作業車輌では、このような過負荷によるエンジン停止を防止し作業に最も適したエンジン回転数を維持するための手段として、機械的な制御手段と電子制御手段とが知られている。
機械的な制御手段は、例えば特開平10−184906号公報に開示されている。この制御手段は、可変容量油圧ポンプと該ポンプの可変容量を操作する操作部材との間に弾性体を介在させて、過負荷を緩和させる過負荷防止装置を備えている。
また、電子的な制御手段は、例えば特開平9−79375号公報に開示されている。この制御手段は、油圧伝動装置の油圧経路に油圧センサーを設け、該油圧センサーによって検出したポンプ油圧に関する電気的情報に基づき、電子制御手段により油圧ポンプの斜板を電動モータで制御する。
しかしながら、特開平10−184906号公報に開示されている機械的制御手段は、弾性体の径時劣化に伴って制御が困難になる。
また、特開平9−79375号公報に開示されている電子制御手段は、油圧反力に抗して斜板を駆動させる必要があるためにアクチュエータ(電動モータ等)が大型化する。さらに、手元の変速レバーをオペレータが決めた走行位置に置いた状態に維持して、変速レバーと斜板との連動関係を切り離した上で、斜板と制御用アクチュエータとの連動に切り換えなければならず、構成が複雑になる。
例えば、除雪機は、図8に示すように、操作部100、エンジンルーム101、オーガー102、ブロワ103、シューター104、及びクローラ105を備えている。出力軸106の出力は、プーリー107〜110を介して、オーガー102を駆動するPTO軸111(作業機系)とクローラ105の駆動軸112(走行系)に分岐されている。回転駆動力は、駆動軸112からトランスミッション(伝動装置)113を介して車軸114に伝達される。そしてこの種の作業車輌には、油圧伝動装置が変速機構として多用されている。
しかしながら、これら作業車輌の作業中にオーガー等の作業機系が何らかの原因で過負荷を受けると、エンジンが停止することがある。また、エンジンが停止しないまでも作業機を駆動するにあたって理想的な回転でなくなるために作業性能(作業効率)が極端に低下してしまう。
例えば除雪機では、新雪の除雪作業ではオーガー102はスムーズに回転して除雪を行うことができる。しかしながら、春雪の頃の除雪作業では、雪に水分が多く含まれているため、シューター104内に雪が詰まりやすい。そのため、エンジンは、オーガーを通じて過負荷を受け、エンスト状態となることがある。
そのため、従来、油圧伝動装置を搭載した作業車輌では、このような過負荷によるエンジン停止を防止し作業に最も適したエンジン回転数を維持するための手段として、機械的な制御手段と電子制御手段とが知られている。
機械的な制御手段は、例えば特開平10−184906号公報に開示されている。この制御手段は、可変容量油圧ポンプと該ポンプの可変容量を操作する操作部材との間に弾性体を介在させて、過負荷を緩和させる過負荷防止装置を備えている。
また、電子的な制御手段は、例えば特開平9−79375号公報に開示されている。この制御手段は、油圧伝動装置の油圧経路に油圧センサーを設け、該油圧センサーによって検出したポンプ油圧に関する電気的情報に基づき、電子制御手段により油圧ポンプの斜板を電動モータで制御する。
しかしながら、特開平10−184906号公報に開示されている機械的制御手段は、弾性体の径時劣化に伴って制御が困難になる。
また、特開平9−79375号公報に開示されている電子制御手段は、油圧反力に抗して斜板を駆動させる必要があるためにアクチュエータ(電動モータ等)が大型化する。さらに、手元の変速レバーをオペレータが決めた走行位置に置いた状態に維持して、変速レバーと斜板との連動関係を切り離した上で、斜板と制御用アクチュエータとの連動に切り換えなければならず、構成が複雑になる。
そこで、本発明は、負荷制御のための構成部品の劣化による制御不良がなく、しかも、従来に比べて小型化及び構造の簡素化が可能な、作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置は、エンジンからの動力を作業機系と走行系とに分岐させてこれらを駆動し、走行系に油圧伝動装置を備えた作業車輌の負荷制御装置であって、前記油圧伝動装置は、前記エンジンによって駆動する油圧ポンプと該油圧ポンプによって駆動する油圧モータとが油圧閉回路で接続され、前記負荷制御装置は、前記油圧閉回路の前進時高圧側油路を前進時低圧側油路またはオイルタンクにバイパスするためのバイパス油路と、前記バイパス油路を開閉する開閉弁と、作業走行時に前記エンジンに作用する負荷を検知して該負荷が所定値を越えると前記開閉弁を開くよう制御する開閉弁制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、HSTの油圧閉回路の前進時高圧側油路と前進時低圧側油路またはオイルタンクとを開閉弁を介して連結し、エンジンに過負荷がかかった時に、高圧の作動油を低圧側油路又はオイルタンクに逃がす。従って、走行系への動力分配比率を減少させて、作業機への動力配分を高めて、過負荷を取り除く。その結果、従来のような大型の電動モータは不要となり、小型の開閉弁を用いて負荷制御できるし、従来のような緩衝用弾性体を使用しないので、構成部品の径時劣化による制御不能の発生も少なくなる。
エンジンに作用する負荷を検知する手段としては、エンジンの回転数のダウン、エンジンの出力軸に作用する負荷トルクの増加、エンジンから排出される排気の温度上昇、或いは、油圧伝動装置内を流れる圧油の圧力低下を検知する手段がある。
上記目的を達成するため、本発明に係る作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置は、エンジンからの動力を作業機系と走行系とに分岐させてこれらを駆動し、走行系に油圧伝動装置を備えた作業車輌の負荷制御装置であって、前記油圧伝動装置は、前記エンジンによって駆動する油圧ポンプと該油圧ポンプによって駆動する油圧モータとが油圧閉回路で接続され、前記負荷制御装置は、前記油圧閉回路の前進時高圧側油路を前進時低圧側油路またはオイルタンクにバイパスするためのバイパス油路と、前記バイパス油路を開閉する開閉弁と、作業走行時に前記エンジンに作用する負荷を検知して該負荷が所定値を越えると前記開閉弁を開くよう制御する開閉弁制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、HSTの油圧閉回路の前進時高圧側油路と前進時低圧側油路またはオイルタンクとを開閉弁を介して連結し、エンジンに過負荷がかかった時に、高圧の作動油を低圧側油路又はオイルタンクに逃がす。従って、走行系への動力分配比率を減少させて、作業機への動力配分を高めて、過負荷を取り除く。その結果、従来のような大型の電動モータは不要となり、小型の開閉弁を用いて負荷制御できるし、従来のような緩衝用弾性体を使用しないので、構成部品の径時劣化による制御不能の発生も少なくなる。
エンジンに作用する負荷を検知する手段としては、エンジンの回転数のダウン、エンジンの出力軸に作用する負荷トルクの増加、エンジンから排出される排気の温度上昇、或いは、油圧伝動装置内を流れる圧油の圧力低下を検知する手段がある。
図1は、本発明に係る負荷制御装置の第1実施形態を備える油圧伝動装置を示す油圧回路である。
図2は、図1の油圧伝動装置の変更態様を示す油圧回路である。
図3は、図1の油圧回路を備える油圧伝動装置を示す横断面図である。
図4は、図1のA−A線に沿う拡大縦断面図である。
図5は、本発明に係る負荷制御装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
図6は、本発明に係る負荷制御装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
図7は、本発明に係る負荷制御装置の第4実施形態を示す縦断面図である。
図8は、除雪機の全体構成を示す側面図である。
図9は、本発明に係る負荷制御装置の第5実施形態を備える除雪機の全体構成を示す側面図である。
図10(a)は図9の開閉弁制御装置を部分的に拡大して示す横断面図、図10(b)は図10(a)のB−B線に沿う拡大縦断面図、図10(c)は図10(b)の作動態様を示す拡大縦断面図である。
図11は、図9は油圧伝動装置を示す横断面図である。
図12は、図9の油圧伝動装置の油圧回路図である。
図13は、本発明に係る負荷制御装置の第6実施形態を示す油圧回路である。
図14は、本発明に係る負荷制御装置の第6実施形態を一部省略して示す縦断正面図である。
図15は、図9のC−C線に沿う縦断側面図である。
図16は、図9のD線位置でガバナケースを切断してE方向から見た内部構造図である。
図17は、第6実施形態の構成要素である作業機用クラッチ連動系を概念的に示す説明図である。
図18は、図17の作業用躯ラッチ連動系に中間切換機構を追加した説明図である。
図19は、本発明に係る負荷制御装置の第8実施形態の構成要素である可動斜板連動系を概念的に示す説明図である。
図20は、本発明に係る負荷制御装置の第9実施形態を示す油圧回路図である。
図21は、本発明に係る負荷制御装置の第9実施形態を示す縦断側面図である。
図22は、第9実施形態の構成要素である作業機用クラッチ連動系を概念的に示す説明図である。
図23は、本発明に係る負荷制御装置の第10実施形態を示す図4に相当する拡大縦断面図である。
図2は、図1の油圧伝動装置の変更態様を示す油圧回路である。
図3は、図1の油圧回路を備える油圧伝動装置を示す横断面図である。
図4は、図1のA−A線に沿う拡大縦断面図である。
図5は、本発明に係る負荷制御装置の第2実施形態を示す縦断面図である。
図6は、本発明に係る負荷制御装置の第3実施形態を示す縦断面図である。
図7は、本発明に係る負荷制御装置の第4実施形態を示す縦断面図である。
図8は、除雪機の全体構成を示す側面図である。
図9は、本発明に係る負荷制御装置の第5実施形態を備える除雪機の全体構成を示す側面図である。
図10(a)は図9の開閉弁制御装置を部分的に拡大して示す横断面図、図10(b)は図10(a)のB−B線に沿う拡大縦断面図、図10(c)は図10(b)の作動態様を示す拡大縦断面図である。
図11は、図9は油圧伝動装置を示す横断面図である。
図12は、図9の油圧伝動装置の油圧回路図である。
図13は、本発明に係る負荷制御装置の第6実施形態を示す油圧回路である。
図14は、本発明に係る負荷制御装置の第6実施形態を一部省略して示す縦断正面図である。
図15は、図9のC−C線に沿う縦断側面図である。
図16は、図9のD線位置でガバナケースを切断してE方向から見た内部構造図である。
図17は、第6実施形態の構成要素である作業機用クラッチ連動系を概念的に示す説明図である。
図18は、図17の作業用躯ラッチ連動系に中間切換機構を追加した説明図である。
図19は、本発明に係る負荷制御装置の第8実施形態の構成要素である可動斜板連動系を概念的に示す説明図である。
図20は、本発明に係る負荷制御装置の第9実施形態を示す油圧回路図である。
図21は、本発明に係る負荷制御装置の第9実施形態を示す縦断側面図である。
図22は、第9実施形態の構成要素である作業機用クラッチ連動系を概念的に示す説明図である。
図23は、本発明に係る負荷制御装置の第10実施形態を示す図4に相当する拡大縦断面図である。
本発明の好ましい実施形態について以下に図面を参照して説明する。以下の実施形態では、作業車輌として除雪車を例示する。なお、従来技術を含めて全図を通し同様の構成部分には同符号を付し、以下の説明において重複説明を省略する場合がある。
先ず、本発明に係る負荷制御装置の第1実施形態について説明する。図1は、負荷制御装置を備えた油圧伝動装置の油圧回路を示している。油圧伝動装置1は、エンジンEによって駆動する油圧ポンプ2と、油圧閉回路3を構成する油路3a,3bで油圧ポンプ2と接続された油圧モータ4(アクチュエータ)とを有している。
図示例において、油圧ポンプ2は可変容積形油圧ポンプであり、油圧モータ4は定容量モータである。また、油路3aは前進時に高圧側となり、油路3bが前進時に低圧側となる。油路3aと油路3bとは、逆止弁5a,5bを介してオイル補充回路6で接続されている。オイル補充回路6は油路3aと油路3bのいずれかが負圧になったときに、オイルタンクTからフィルター7を介してオイル供給を受け得る。これは自給式の例であるが、油圧ポンプ2と同時駆動されるチャージポンプを設けてこの吐出ポートをオイル補充回路6に接続するのもよい。また、油路3aと油路3bとは、バイパス油路8でバイパスされている。バイパス油路8には、第1開閉弁9、流量制御弁10、逆止弁11が介在している。
油圧モータ4の出力軸4aは、出力ギア12から平歯車機構13を介してクローラの車軸114を駆動する。油圧ポンプ2の入力軸2aはエンジンEの駆動軸112に連結されている。入力軸2aは、ジョイント15を介して入力軸2aと一体回転する回転数検出軸16と連結されている。また、エンジンEの出力は、クラッチを介してPTO軸111とも連結している。
回転数検出軸16には、フライウェイト17が連結されたスライダー18又はスラストベアリングが摺動自在に嵌着されている。スライダー18又はスラストベアリングが、フライウェイト17の変位を伝達する。フィードバックアーム19は、ピボット軸19aに回転可能に軸着され、その一端がスライダー18に当接し、その他端は第1開閉弁9に当接している。
従って、フライウェイト17、スライダー18、及びフィードバックアーム19が、第1開閉弁9を開閉する開閉弁制御手段を構成する遠心式ガバナ機構Gである。そして、遠心式ガバナ機構G、バイパス油路8、及び第1開閉弁9によってエンジンEにかかる負荷を制御する負荷制御装置が構成されている。
第1開閉弁9は、オフセット用コイル形のスプリング9Sを有するスプリングリターン式2ポート3位置切換弁である。この第1開閉弁9は実施例ではスプール式に構成されているがロータリ弁で構成することも可能である。その場合、スプリング9Sはねじり形のものを用いることもできる。エンジン停止時は、第1開閉弁9は、スプリング9Sの作用により図1に示すノーマル位置にオフセットされ、ポートが閉じている。第1開閉弁9の二次側には、流量制御弁10が接続されている。流量制御弁10は、圧力補償弁20と、その二次側に接続した固定絞り21と、を備えている。
上記構成を有する油圧伝動装置は、以下のようにしてエンジンにかかる負荷を制御する。
エンジンEが始動し、エンジンEの回転数上昇に比例して、回転数検出軸16に固着されたフライウェイト17の重心が遠心方向に離れ、その変位がスライダー18に伝達される。スライダー18の軸方向変位に応じてフィードバックアーム19がピボット軸19aを中心として回転し、第1開閉弁9をコイルスプリング9Sに抗して移動させる。エンジンEの回転数検出値が所定値に達するまでは、第1開閉弁9は第1閉ポート9aの位置にある。エンジンEの回転数が増し、エンジンEの回転数検出値が所定値に達すると、第1開閉弁9が開ポート9bに切り換わる。更にエンジンの回転数が増して、回転数検出値が所定の範囲を超えると、第1開閉弁9は第2閉ポート9cに切り換わる。
この油圧伝動装置1では、第1開閉弁9が第2閉ポート9cの位置にあるときのエンジン出力を用いてPTO軸111を駆動する。油圧伝動装置1が搭載されている車輌が除雪車である場合、除雪作業時にPTO軸111に連結されているオーガー102に何らかの要因によって過負荷がかかると、油圧モータ4、油圧ポンプ2を介して入力軸2aの回転数が落ちる。入力軸2aの回転数が所定の範囲内にまで落ちると、遠心式ガバナ機構Gの作動により、第1開閉弁9が開ポート9bの位置に切り替わり、高圧側の油路3aからバイパス油路8の第1開閉弁9、流量制御弁10、逆止弁11を介して低圧側の油路3bへ、高圧の作動油を逃がす。従って、車軸114は低速になり、出力軸106は、車軸114からの吸収トルク(負荷トルク)が減少するので、出力軸106の駆動トルクをPTO軸111(オーガー等)に最大限振り分けることができる。上述のようにして、PTO軸111に最大トルクが与えられるとともに、車軸114の回転数減少又は停止によってオーガーに入る雪の量が減るので、過負荷の原因となっていたオーガー内での雪の詰まりが解消され、PTO軸111の過負荷が解消する。
PTO軸111の過負荷が解消すると、エンジンEの出力軸106は元の回転数へと復帰する。出力軸106の回転数の復帰に伴って遠心式ガバナ機構Gが作動して、第1開閉弁9を再び閉じる。その結果、車軸114が再び元の回転数に戻り、除雪車は、元の速度で前進しながら除雪作業を行う。
圧力補償弁20は、固定絞り21の一次側圧力と二時側圧力との差圧を検知し、一次側圧力が二次側圧力より所定値以上の時に、固定絞り21への流量を制限する。従って、圧力補償弁20は、高圧側の油路3aにある圧油が低圧側の油路3bへ急激に流出するのを防ぎ、車輌が急停止するのを防ぐ。
上記負荷制御装置の油圧回路では、バイパス油路8は低圧側の油路へ高圧側の油路からの作動油を逃がす構成としている。バイパス油路を前進時に高圧側となる油路とオイルタンクTとを接続し、高圧側油路3aの作動油をオイルタンクへ逃がす構成としても良い。このことは、後述の第2〜第6実施形態でも同様である。
また、図2に示すように、フィードバックアームを備えることなく、第1開閉弁9を回転数検出軸16と同軸上もしくは平行状に配置して該回転数検出軸16に設けたスライダー18が第1開閉弁9を直接操作するように構成しても良い。図2の例では、回転数検出軸16は、ジョイント15’を介して駆動軸112に連結されており、回転数検出軸16にベベルギア22を介して油圧ポンプ2の入力軸2aが連結されている。
次に、図1で示した負荷制御装置を備える油圧伝動装置を、図3及び図4を参照しつつ説明する。図3は除雪機に搭載された油圧伝動装置の横断面図であり、図4は図3のA−A線に沿う拡大断面図であって負荷制御装置の縦断面図である。なお、以下の説明において上記油圧回路の説明と重複することがある。
油圧伝動装置1は、図3に示すように、油圧ポンプ2、油圧モータ4等がハウジング30内に納められている。ハウジング30には、油圧ポンプ2の可動斜板31を操作する可動斜板操作軸32が外方へ突き出ている。入力軸2aを駆動するエンジン(図示せず)はハウジングの外部に配置され、出力軸4aには空冷用ファン23が取り付けられている。なお、図示されていないクローラの動力は、油圧モータ4と係合する出力軸4aの出力ギア12を介して取り出される。また前記操作軸32は、アーム、ワイヤーあるいはロッドを介して可動斜板操作レバー(図8及び図13参照)と連係される。
油圧ポンプ2は、入力軸2aの回転に伴って回転するシリンダー群33を備える。シリンダー群33からは、可動斜板31の傾きに応じた容量の作動油が、センタセクション34内の高圧側油路3aを通って油圧モータ4のシリンダー群35に送られる。該作動油は、油圧モータ4を駆動し、再びセンタセクション34内の低圧側油路3bを通って油圧ポンプ2のシリンダー群33に送られる。なお、符号4bは油圧モータの固定斜板を示している。
エンジンEの駆動軸112と車軸114とは、直交配置されている(図8参照)。従って、油圧ポンプ2の入力軸2aをエンジンEの駆動軸112の方向に向け(図1参照)、油圧モータ4の出力軸4aを車軸114の方向に向けるために、センタセクション34は、その油圧ポンプ2の設置面(接合面)と油圧モータ4の設置面(接合面)とが直交するように形成されて、ハウジング30の内部に分離可能に取り付けられている。
ハウジング30は、油圧ポンプ2の入力軸2aが突出する側と反対側の外壁面が、開口している。この開口30aを閉鎖するように、後述するガバナケース41を一体に備えるバルブケース36がハウジング30の外壁面に油密的に付設されている。
一方、図2で示した油圧伝動装置1においては、油圧ポンプ2の入力軸2aは油圧モータ4の出力軸4aと同様に車軸114の方向に向けられた形式をとっている。エンジンの駆動軸と油圧ポンプの入力軸とが直交配置されている。斯かる配置構成の場合には、エンジンEの駆動軸112と連結するため、前述したようにベベルギア22を用いている。該ベベルギアを収容する入力ギアケース22aは、ハウジング30の外壁面に付設してあり、この入力ギアケース22aの外壁面にバルブケース36を付設している。
バルブケース36には、開閉弁、流量制御弁等が納められている(図4参照)。開口30aを通じてバルブケース36とセンタセクション34とを接続している2本の管37、38は、センタセクション34内の油路3a、3bをバイパスするバイパス油路8a、8fの一部を形成している。
バルブケース36は、遠心式ガバナ機構Gが付設されている。油圧ポンプ2の入力軸2aに、ジョイント15を介して回転数検出軸16が連結されている。回転数検出軸16は、入力軸2aと同軸線上に配置され、バルブケース36を貫通し、バルブケースとガバナケース41に設けた軸受け42との間で支持されている。
回転数検出軸16には、ディスク部を有するスリーブ43が固着されている。スリーブ43のディスク部側面上には、複数のフライウェイト17が円周方向に回転自在に軸着されているとともに、スリーブの外周面上にスライダー18が摺動自在に装着されている。フィードバックアーム19は、ガバナケース41において回転数検出軸16と直角方向に支持したピボット軸19aに回転自在に軸着され、一端がフォーク状になってスライダー18に当接し、他端が第1開閉弁9に当接しており全体的に略L字形をなしている。
バルブケース36には、図4に示すように、第1開閉弁9、固定絞り21及び圧力補償弁20、逆止弁11が組み込まれている。第1開閉弁9は、回転数検出軸16に対して直角に配置されオフセット用のコイルスプリング9Sによってフィードバックアーム19の方へ押圧されている。
流量制御弁が、圧力補償弁20と固定絞り21とによって構成されている。圧力補償弁20は、コイルスプリング20aに当接する側の室20bに面する表面積が、その反対側の室20c、20dの側の表面積の和に等しい。室20c、20dは、固定絞り21の一次側油路8cに通じている。室20bは固定絞り21の二次側油路8dに通じている。斯かる流量制御弁10の構成により、固定絞り21を通る圧力降下は常に相対的に一定となる。固定絞り21を可変絞りに代えることにより、可変絞りの流路断面積に比例した圧油を流すこともできる。
回転数検出軸16の回転数が増加するに従ってフライウェイト17が開き、フライウェイト17がスライダー18を回転数検出軸16に沿って変位させる。その変位に応じてフィードバックアーム19がコイルスプリング9Sに抗して第1開閉弁9を押す。回転数検出軸16の回転数が所定範囲内にあるとき、第1開閉弁9がフィードバックアーム19に押されて開ポート9bの位置に切り替わる(図1参照)。第1開閉弁9が開くと、油路8aからの作動油は、第1開閉弁9を通って油路8bに入り、圧力補償弁20、固定絞り21を通過し、油路を二手に分岐して一方は逆止弁11を通過し、他方は油路8eを経て圧力補償弁20のコイルスプリング20a側の室20bに入る。固定絞り21の前後差圧がコイルスプリング20の付勢力相当圧力より小さいときには油路8bから油路8cへの流れを許容し、大きいときには油路8bから油路8cへの流れを制限する。これにより油路3aから油路3bへ急速に高圧油が抜けることはなく第1開閉弁9の作動で作業車輛が急停止することを防止でき、なめらかな減速又は増速が得られる。開ポート位置から更にエンジンの回転数が増加すると、第1開閉弁9が第2閉ポート9cに切り替わる。
第1開閉弁9がどの回転数の範囲で切り換わるようにするかは、エンジンの馬力数や作業車輌の種類等に応じて適宜設定される。例えば、油圧伝動装置1を搭載する作業車輌が除雪機である場合に、オーガーを駆動する作業時のエンジン回転数が2000〜3000rpmであるとすると、路上走行時の0〜1000rpmでは第1開閉弁9が第1閉ポート9aの位置にあって閉じている。回転数検出値が1000〜2000rpmの範囲内にあるときに第1開閉弁9が開くように設定しておけば、除雪作業中にオーガーへの過負荷によって回転数検出軸19の回転数が下がると、油圧伝動装置を構成する油圧閉回路の高圧側の油路から低圧側の油路へ高圧油を逃がすことができ、エンジンの停止を回避し得る。
次に、本発明に係る負荷制御装置の第2実施形態について、図5を参照しつつ説明する。図5に示す負荷制御装置は、図4に示した固定絞り21を、遠心式ガバナ機構Gと連動する可変絞り50に変更した点が相違する。第2実施形態のその他の構成は上記第1実施形態と同様である。
可変絞り50は、第1弁体50a及び第2弁体50bを備える弁本体50cと、第1弁体50aに当接するコイルスプリング50dとを有している。第2フィードバックアーム19’が、弁本体50cに当接している。油路8dがコイルスプリング50dが収容された室50e内に通じており、油路8cが第1弁体50aのコイルスプリング50dと反対側の室50fに通じている。室50eと室50fとの連通路が第1弁体50aによって開閉される。油路8cの流路断面は、第2弁体50bによって絞られる。
第2フィードバックアーム19’は、第1開閉弁9に当接しているフィードバックアーム19が軸着されているピボット軸(不図示。図3のピボット軸19aに相当する。)に、もう一本のアームを固定することによって設けることができる。この場合、第2フィードバックアーム19’は、フィードバックアーム19と一体的に回転する。
可変絞り50の一次側は、圧力補償弁20の二次側の油路8cに接続される。可変絞り50の二次側は、コイルスプリング50dが収容された室50eから油路8dを介して逆止弁11の一次側に接続されるとともに油路8eを介して圧力補償弁20の室20bにも接続されている。
コイルスプリング50dのバネ定数は、エンジン停止状態(図5の状態)から通常走行時に至る回転数(例えば0〜1000rpm)では第1弁体50aが閉じ、作業時の回転数(例えば2000〜3000rpm)に至るまでの回転数(例えば1000〜2000rpm)の範囲では遠心式ガバナ機構Gによる第2フィードバックアーム19’との釣り合いで第2弁体50bが油路8cを徐々に絞り、作業時の回転数で油路8cを閉じるように設定しておくことができる。
そのようなバネ定数とすることで、作業車輌の作業中にオーガー等に過負荷がかかり、エンジンの回転数が減少し、第1開閉弁9が開いて高圧の作動油がバイパス油路8を通じて油圧閉回路の低圧側の油路へ急激に流れようとした場合に、回転数の減少に応じて第2弁体50bが油路8を徐々に開けることによってその急激な流れを防止することができる。このように、第1開閉弁9を通過した作動油が圧力補償弁20を通過する際に一定の圧力降下となるように流量が制限され、さらに可変絞り50の作用により、エンジンの回転数に増減に比例して流路断面積が減増し、なめらかな減速又は増速が達成される。
次に、本発明に係る負荷制御装置の第3実施形態について、図6を参照しつつ説明する。この負荷制御装置は、上記第2実施形態の負荷制御装置から圧力補償弁20を取り去った例を示し、その他の構成は上記第2実施形態と同様である。
圧力補償弁20を備えない場合であっても、圧力降下に多少の変動を生じることがある。しかしながら、遠心式ガバナ機構Gによってエンジン回転数の増減に比例して流量を減増させることができるので、なめらかな減速又は増速が可能となる。
次に、本発明に係る負荷制御装置の第4実施形態について、図7を参照しつつ説明する。上記第1実施形態では第1開閉弁9として2ポート3位置切換弁を採用していた。それに対し、第4実施形態では、2ポート3位置切換弁に代えて可変リリーフ弁60を採用した例を示し、その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
可変リリーフ弁60は、弁本体60a、オフセット用のコイルスプリング60b、及びスプリング受け60cを有している。コイルスプリング60bは、弁本体60aとスプリング受け60cとに当接している。スプリング受け60cには、フィードバックアーム19が当接している。コイルスプリング60bを収容している室60dは油路8bに通じ、コイルスプリング60bと反対側の室60eが油路8aに通じている。室60dは、スプリング受け60cとバルブケース36に固定されたエンドキャップ60fによって封止されている。エンドキャップ60fにはフィードバックアーム19が通る孔が形成されている。なお、図7は、エンジンが停止している状態を示している。
コイルスプリング60bのバネ定数は、遠心式ガバナ機構Gのフィードバックアーム19による押し付け力とコイルスプリング60bによるバネ付勢力との和が、作業車輌の通常作業時において油圧閉回路を流れる作動圧とほぼ等しくなるように設定することができる。コイルスプリング60aのバネ定数をそのように設定しておけば、通常作業時においては、図7に示すように、オーガー等に過負荷がかからない限り、可変リリーフ弁60は閉じている。しかしながら作業車輌が作業中においてオーガー等に何らかの過負荷が生じてエンジンの回転数が減少すると、フィードバックアーム19の押し付け力が弱まるとともに、スプリング受け60fも後退する。スプリング60bの付勢力は弱まるが、その一方で作動油の圧力は上昇する。その結果、可変リリーフ弁60が開き、可変リリーフ弁60は、高圧の作動油を高圧側の油路3aからバイパス油路8を通じて油圧閉回路3の低圧側油路3bへ逃がすことができる。流量制御弁10の作用は、上記第1実施形態と同様である。
なお、上記第4実施形態において、流量制御弁10に関し、固定絞り21に代えて上記第2実施形態で示した可変絞りを採用することができる。さらにその場合に、第3実施形態で示したように圧力補償弁20を無くして可変絞りのみとすることもできるし、或いは、その可変絞りに代えて固定絞りとすることもできる。
次に、本発明に係る作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置の第5実施形態について、以下に図9〜12を参照しつつ説明する。
第5実施形態の作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置は、開閉弁制御手段としてトルクセンシングガバナを採用した例である。図9は、除雪機の全体構成を示す側面図である。図10は、開閉弁制御装置を部分的に拡大して示す横断面図である。図11は油圧伝動装置を示す横断面図であり、図12は油圧回路図である。
図9に示すように、作業車輌としての除雪機は、操作部100、エンジンルーム101、オーガー102、ブロワ103、シューター104、及びクローラ105を備えている。出力軸106の出力は、プーリー108〜110を介して、オーガー102を駆動するPTO軸111(作業機系)と、油圧伝動装置1を介してクローラ105の駆動する走行系に分岐されている。
出力軸106には、出力軸の負荷トルクを検出する機能を有する負荷トルク検出装置70が備えられている。この負荷トルク検出装置70について以下に説明する。
出力軸106には、図10に示すように、出力軸に対し相対回転可能なPTO駆動用プーリー108と、出力軸106に対して相対回転不能に結合されたHST駆動用プーリー107と、スプライン嵌合されたスライダー71と、スライダー71をPTO駆動用プーリー108の側へ押圧付勢する皿バネ72とが装着されている。スライダー71には傾斜凹状(図10(b)参照)のボールポケット71aが形成される一方、PTO駆動用プーリー108には半球状のボールポケット108aが形成されている。これらボールポケット71a、108aにボール73が嵌っている。ボールポケット71aは、その最深部から円周方向一方側に沿って徐々に浅くなるように傾斜が形成されている。
PTO軸111に過負荷が生じていない時は、ボール73は、図10(b)に示すようにボールポケット71aの最深部にあって、スライダー71とPTO駆動用プーリー108とは、図10(b)に示す矢印方向に、共に一体となって回転している。
PTO軸111に過負荷が生じて、PTO駆動用プーリー108の負荷トルクが皿バネ72の弾性力を上回ると、該プーリー108と出力軸106との間に相対回転差が生じてボール73がボールポケット73aの最浅部に向かってその傾斜面に乗り上げることにより、スライダー71がPTO駆動用プーリー108から離反する方向へ移動させられる。このようにして、過負荷によってPTO駆動用プーリー108に作用する負荷トルクが、スライダー71の出力軸106に沿った変位に変換されて検出される。
上記トルク検出機能付き負荷トルク検出装置70によって検出された負荷トルクは、スライダー71に係合された揺動部材74を介してワイヤー75に伝達される。ワイヤー75は、図11に示すように機枠(図示せず)に枢支されたL形のフィードバックアーム19”をピボット軸19a”回りに揺動させ、第1開閉弁9を開閉操作する。
こうしてPTO駆動用プーリー108の過負荷による負荷トルクを検出すると、揺動部材74、ワイヤー75、フィードバックアーム19”を通じて、バルブケース36の第1開閉弁9を押圧し、第1開閉弁9を開く。バルブケース36の内部構造は、図4に示すものと同様であるので図示説明を省略する。なお、図12に示すように、本例において第1開閉弁9は2位置切換弁を採用している。
上記のように、トルク検出機能付き負荷トルク検出装置70によって負荷トルクを検出し、出力軸106に作用する負荷トルクの増加に応じて第1開閉弁9を開くように操作するトルクセンシングガバナが構成されている。
トルクセンシングガバナが作動する負荷トルクの範囲は、エンジンの種類、大きさ等によって適宜設定され、皿バネ72のバネ定数によって決定されるが、少なくともエンジンストップとなる前に第1開閉弁9を開くように設定する。なお、第5実施形態の負荷制御装置は、上記第2〜第4実施形態の負荷制御装置に応用可能である。
次に、本発明に係る作業車両用油圧伝動装置の負荷制御装置の第6実施形態について、以下に図13〜図18を参照しつつ説明する。なお、第6実施形態では、第1実施形態と同様の遠心式ガバナを有する例を示すが、第5実施形態で示したトルクセンシングガバナを適用することもできる。
図13は、第6実施形態の負荷制御装置を備えた油圧伝動装置の油圧回路を示している。油圧伝動装置1は、エンジンEによって駆動する油圧ポンプ2と、油圧閉回路3を構成する油路3a,3bで油圧ポンプ2と接続された油圧モータ4(アクチュエータ)とを有している。なお、図13において、オイルタンク、及びオイルタンクからオイルを供給するチャージポンプ等は図示省略している。
図示例において、油圧ポンプ2は可変容積形油圧ポンプであり、油圧モータ4は定容量モータである。また、油路3aは前進時に高圧側となり、油路3bが前進時に低圧側となる。油路3aと油路3bとは、逆止弁5a,5bを介してオイル補充回路6で接続されている。オイル補充回路6は油路3aと油路3bのいずれかが負圧になったときに、オイルタンクTからフィルター7を介してオイル供給を受け得る。また、油路3aと油路3bとは、バイパス油路8でバイパスされている。バイパス油路8には、第1開閉弁9、流量制御弁10、逆止弁11が介在している。
油圧モータ4の出力軸4aは、出力ギア12から平歯車機構13を介してクローラの車軸114を駆動する。油圧ポンプ2の入力軸2aの一端は、エンジンEの駆動軸112にテンションベルト115を介して駆動連結されている。また、入力軸2aの他端は、ジョイント15を介して入力軸2aと一体回転する回転数検出軸16と連結されている。また、エンジンEの出力は、テンションベルト116、作業機用クラッチ117を介してPTO軸111とも連結している。
図14にて詳細に示されるように、バルブケース36とガバナケース41との間で軸受支持された回転数検出軸16には、フライウェイト17を揺動自在に複数個、円周方向に枢支したディスク部16aを設置すると共にディスク部16aと隣接してスライダー18が軸方向摺動自在に嵌着されている。スライダー18は、フライウェイト17の変位をフィードバックアーム19へ伝達する。
フィードバックアーム19は、ガバナケース41内において回転数検出軸16と直角方向に支持されたピボット軸19aに回転可能に軸着され、その一端がフォーク状をなしてスライダー18に当接し、その他端は、バルブケース36に空けた開口36a内に延伸してこの開口36aに臨む第1開閉弁9の下端に当接している。開口36aは、最下位置にある第1開閉弁9の下方に位置する縦穴36bと連通され、これによりスライダー18の変位に伴うフィードバックアーム19の他端の揺動がバルブケース36内で許容されるようになっている。
第1開閉弁9の二次側に、外部操作によりバイパス油路8を開閉する第2開閉弁24が更に設けられている。第2開閉弁24は、エンジン負荷制御のオンオフを切換えるために設けられ、遠心式ガバナGとは連動せず運転部に設けた操作レバー(図示せず)によって手動で任意に切換えるように構成する。
なお、負荷制御するときには通常、作業状態、即ち、作業機が駆動しているので、作業機用クラッチ連動系25によって、作業機用クラッチ117を操作するための作業機用クラッチレバー118と連動するのも良い。作業機用クラッチ連動系25は、作業機用クラッチ117の切位置において第2開閉弁24を閉じ、作業機用クラッチの入位置において第2開閉弁24を開くように構成する。作業機用クラッチ連動系25の詳細については、後述する。
あるいは、負荷制御するときには通常、作業車輛が作業速度で走行しているので、可動斜板連動系や歯車変速連動系によって、可動斜板操作レバー32aや歯車変速レバー140と連動するのも良い。これらの連動系は、可動斜板操作レバー32aや歯車変速レバー140の非作業速度位置において第2開閉弁24を閉じ、作業速度位置において第2開閉弁24を開くように構成する。可動斜板連動系や歯車変速連動系の詳細についても、後述する。
第1開閉弁9は、オフセット用コイル形のスプリング9Sを有するスプリングリターン式2ポート2位置切換弁である。また、第1開閉弁9は、可変絞りを備え、通過流量を調節できるようになっている。エンジン停止時は、第1開閉弁9は、図13に示す開度を最大にした絞り位置にある。第1開閉弁9の二次側には、流量制御弁10が接続されている。流量制御弁10は、圧力補償弁20と、その一次側に接続した固定絞り21と、を備えている。
上記構成要素のうち、フライウェイト17、スライダー18、及びフィードバックアーム19が、第1開閉弁9を開閉する開閉弁制御手段を構成する遠心式ガバナ機構Gである。そして、遠心式ガバナ機構G、バイパス油路8、及び第1開閉弁9によってエンジンEにかかる負荷を制御する負荷制御装置が構成されている。第2開閉弁24及び作業機用クラッチ連動系25は、負荷制御装置を手動でかつ、作業機の作業/非作業状態に連動してオンオフする機能を提供する。
次に、図13で示した油圧回路を備える油圧伝動装置を、図14〜図18を参照して説明する。図14は、油圧伝動装置の一部を切り欠いて示す縦断正面図であり、図15は図14のB−B線に沿う縦断側面図であり、図16は、図14のC−C線に沿ってガバナケース41を切り取ってD方向から視た正面図であり、図17は、作業用クラッチ連動系を概略的に示す説明図である。なお、図14は、図3のF−F断面に類似する。
油圧伝動装置1は、図14に示すように、油圧ポンプ2、油圧モータ(図示省略)等がハウジング30内に納められている。なお、ハウジング30の内部構造は、図3に示したものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
ハウジング30は、油圧ポンプ2の入力軸2aが突出する側と反対側の外壁面が、開口している。この開口30aを閉鎖するように、後述するガバナケース41を一体に備えるバルブケース36がハウジング30の外壁面に油密的に付設されている。
バルブケース36には、遠心式ガバナ機構Gが付設されている。ガバナケース41は、図14及び図16に示すように、バルブケース36に取り付けられ、遠心式ガバナ機構Gを密閉するように構成され、その密閉室内に、各被潤滑部位に対する潤滑油Fが貯油されている。勿論、各被潤滑部位が耐熱グリスなどで機能が満足する場合には潤滑油Fを貯めなくてよい。潤滑油Fの油面レベルは、回転数検出軸16とともにフライウェイト17が回転し、フライウェイト17が遠心力によって揺動して開いた時に、フライウェイト17が油面に接触するように調節されている。フライウェイト17が開いた状態(図14の二点鎖線で示す状態)で回転しつつ油面と接触することで、潤滑油がガバナケース41内において飛散し、遠心式ガバナ機構Gに注油する仕組みになっている。
バルブケース36には、図15に示すように、第1開閉弁9、固定絞り21及び圧力補償弁20、第2開閉弁24、及び、逆止弁11が組み込まれている。
第1開閉弁9は、スプールがオフセット用のコイル形のスプリング9Sによってフィードバックアーム19の方へ押圧されている。スプリング9Sの第1開閉弁9に対する付勢力は、調節ネジ26によって調節することができる。なお、遠心式ガバナ機構Gで発生するガバナ力は慣性力の影響を受けやすいためエンジン回転数が下がってもガバナ力がある程度残ってしまい、これにより第1開閉弁9の応答が遅れることがある。この応答遅れを改善するために、本実施例においては、スプリング9Sは付勢力に強弱の差を持たせた2重コイル形のものを採用している。
流量制御弁10は、圧力補償弁20と固定絞り21とを一体的に構成する。固定絞り21は、通過流量を制限している。圧力補償弁20は、コイルスプリング20aによって常時全開状態にあって、油路8b内の圧油がコイルスプリング20aの付勢力相当の圧力を超過した場合に流路を絞り、バイパス油路8を通って高圧の圧油が油路3aから油路3bに急激に流れないようにしている。
第2開閉弁24は、図示例では、ロータリー式の2位置切換バルブを採用している。第2開閉弁24は、上記したように操作レバー(図示せず)によって手動で任意に切換えるように構成する。或いは、作業機用クラッチレバー118と連動するのも良い。これについて、以下に図17を参照しつつ説明する。
作業機(図示例では、オーガー)は、テンションベルト116を介してエンジンEから駆動力を伝達される。テンションベルト116には、テンションを付与又は除去するテンションクラッチ119が取り付けられている。テンションクラッチ119は、作業機用クラッチレバー118の操作によって、クラッチを入り切りされる。
テンションクラッチ119は、第1揺動アーム120に回転自在に軸着されたテンションローラ121と、作業機用クラッチレバー118と、作業機用クラッチレバー118の回動軸118aに固定された第2揺動アーム122と、第1揺動アーム120と第2揺動アーム122とを接続するワイヤー123とを有している。テンションローラ121は、スプリング124によって常時テンション付与されており、作業機用クラッチレバー118を切位置に操作すると、テンションローラ121をテンションベルト116から離してテンションを緩める。
一方、第2開閉弁24には、第2開閉弁24を構成するロータリー式2位置切換バルブを回転操作する第3揺動アーム125が固定され、第3揺動アーム125と第2揺動アーム122とがワイヤー126によって接続されている。作業機用クラッチレバー118が、図示の「作業」位置にあるときに、第2開閉弁24は開位置にある。作業機用クラッチレバー118を「非作業」位置(図の一点鎖線位置)にシフトさせると、第2揺動アーム122、ワイヤー126を介して、第3揺動アーム125を揺動させることにより、第2開閉弁24を構成するロータリー式2位置切換バルブが回転し、第2開閉弁24が閉位置となる。
上記構成を有する油圧伝動装置の作動について、以下に説明する。
エンジンEが停止しているときは、第1開閉弁9は開度を最大にした状態の絞り位置にあるが、作業機用クラッチレバー118は切位置にあるため、第2開閉弁24は閉位置にある。従って、バイパス油路8は閉じている。
エンジンEが始動し、エンジンEの回転数上昇に比例して、回転数検出軸16に固着されたフライウェイト17の重心が遠心方向に離れ、その変位がスライダー18に伝達される。スライダー18の変位に応じてフィードバックアーム19がピボット軸19aを中心として回転し、第1開閉弁9のスプールをコイルスプリング9Sに抗して移動させる。
エンジンEの回転数が増し、エンジンEの回転数検出値が、所定値、即ち作業機を駆動する回転域値に達すると、第1開閉弁9が閉位置に切り換わる。
第1開閉弁9がどの回転数の範囲で切り換わるようにするかは、エンジンの馬力数や作業車輌の種類等に応じて適宜設定され、調節ネジ26によって調節される。
例えば、油圧伝動装置1を搭載する作業車輌が除雪機である場合に、作業機であるオーガーを駆動する作業走行時のエンジン回転数が2000〜3000rpm、非作業での路上走行時の回転数が0〜1000rpmであるとすると、回転数が2000〜3000rpmの範囲内にあるときに第1開閉弁9を閉じるように設定する。除雪作業中は、作業機用クラッチレバー118は入位置にあり、第2開閉弁24は開位置にある。従って、作業走行時の2000〜3000rpmでは、第1開閉弁9によってバイパス油路8は閉じられている。除雪作業中に、オーガーへの過負荷によって回転数検出軸19の回転数が2000rpmを下回ると、第1開閉弁9が絞り状態で開き、第2開閉弁24は既に開いているので、油圧伝動装置を構成する油圧閉回路の高圧側の油路3aから低圧側の油路3bへ高圧油の一部を逃がす。
従って、車軸114は一旦、回転速度を落とし、出力軸106の駆動トルクをPTO軸111(オーガー等)に最大限振り分けることができる。出力軸106は、車軸114からの吸収トルク(負荷トルク)が減少するか或いは殆ど無くなり、PTO軸111に最大トルクが与えられることにより、車軸114の回転数減少によってオーガーに入る雪の量が減るとともに、過負荷の原因となっていたオーガー内での雪の詰まりが解消され、PTO軸111の過負荷が解消する。
PTO軸111の過負荷が解消すると、エンジンEの出力軸106は元の回転数へと復帰する。出力軸106の回転数の復帰に伴って遠心式ガバナ機構Gが作動して、第1開閉弁9を再び閉じる。その結果、車軸114が再び元の回転数に戻り、除雪車は、元の速度で前進しながら除雪作業を行う。こうして、過負荷によるエンジンの停止を回避し、除雪作業を円滑に行うことができる。
上記した第6実施形態では、第2開閉弁24が、作業機用クラッチレバー118と連動して外部操作可能である。そのため、例えば、エンジンEを低速回転状態にしておいて、作業機用クラッチレバー118を入側に操作すれば、該操作と連動して第2開閉弁24が開くため(低速回転域では第1開閉弁9は略全開状態で開いている。)、バイパス油路8を開通させてしまい油圧伝動装置1の効率が極端に落ちて油圧モータ4が駆動できない
そこで、図18に示すように、作業機用クラッチ連動系25の途中、具体的には、第2揺動アーム122と第3揺動アーム125を接続するワイヤー126の途中に、作業機用クラッチレバー118の入位置において第2開閉弁の開閉切換操作を可能とする中間切換機構130を介在させることができる。
中間切換機構130は、回動自在に支持された手動切換レバー131と、手動切換レバー131の回転軸132に固定された第4揺動アーム133と、手動切換レバー131の回動軸132に揺動自在に遊嵌されたL型揺動アーム134とを有し、L型揺動アーム134の一端部に形成された長孔134aに第4揺動アーム133に固定されたピン133aが挿入され、ピン133aは第3揺動アーム125とワイヤー126aで接続され、L型揺動アーム134の他端に形成されたピン134bは第2揺動アーム122の一端に固定されたピン122aとワイヤー126bによって連結されている。
図18は、作業機用クラッチ117が作業位置にある状態を示しており、この状態において、第4揺動アーム133のピン133aは、揺動アーム134の長孔134aの上端に当接しており、手動切換レバー131は、第2開閉弁24を開く位置にある。この状態では、ピン133aを長孔134aに沿って移動(下降)させることができ、従って、手動切換レバー131を紙面反時計方向へ回動させて、第2開閉弁24を閉位置に切り換えることができる。よって作業時において任意に、第1開閉弁9を介しての油路3aからの油リークを阻止して油圧伝動装置1を効率の良い状態にして走行することができる。
図18の状態から作業機用クラッチレバー118を図に一点鎖線で示す非作業位置にシフトさせると、第2揺動アーム122が揺動し、ワイヤー126bを介してL型揺動アーム134を揺動させ、ピン133aを通じて手動切換レバー131とともに第4揺動アーム133を回動させ、図18に一点鎖線で示す第2開閉弁24を閉位置に移動させる。
作業機用クラッチレバー118が非作業位置にあるときは、手動切換レバー131は回動させることができない。即ち、作業機用クラッチレバー118の非作業位置においては第2開閉弁24を閉位置に固定し、作業機用クラッチレバー118が手動切換レバー131に優先するようになっている。
上記第6実施形態においては、第2開閉弁24を作業機用クラッチと連動させた例について説明したが、第2開閉弁24を歯車変速変速レバー140(図8及び図13参照)と連動させた第7実施形態、又は第2開閉弁24を可動斜板操作レバー32a(図8及び図13参照)と連動させた第8実施形態を採用することもできる。第7実施形態の詳細について、以下に説明する。なお、以下の説明において上記第6実施形態の場合と同様の部分については、同符号を付して図示省略する。
歯車変速機は、歯車機構を介して、走行速度を作業速度と非作業速度とに切り換える変速機であり、歯車変速レバー140により操作される。歯車変速機には、油圧クラッチ式変速装置(パワーシフトクラッチ式変速機)も含む。
可動斜板操作レバー32aは、油圧ポンプ2の可動斜板31(図3参照)を操作する操作レバーである。なお、図示例の油圧伝動装置では、油圧ポンプが可変容量式であるため、可動斜板が油圧ポンプに備えられているが、油圧ポンプに代えて、油圧モータを可変容量式とすることもでき、その場合、可動斜板操作レバーは、油圧モータの可動斜板を操作する。
歯車変速レバー140と第2開閉弁とを連動させる歯車変速連動系は、歯車変速レバー140の作業速度位置において第2開閉弁24を絞り状態で開き、歯車変速レバー140の非作業速度位置において第2開閉弁24を閉じるように構成する。
斯かる構成とすることにより、歯車変速レバー140を作業速度位置にしておいて作業機102,103を駆動するときは、第2開閉弁24は歯車変速連動系との連動下で開いているが、エンジンEの回転数は作業出力を得るためにアクセル操作により高回転域(例えば、2000〜3000rpm)にあって遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9を閉じている。従って、作業速度で走行しつつ作業機を駆動することができる。作業速度走行の作業中に過負荷が生じると、上記第6実施形態の場合と同様に、遠心式ガバナ機構Gの作動により、第1開閉弁9を絞り状態で開き、作業機の駆動を優先させて、エンジンストップを回避する。
一方、非作業走行時は、歯車変速レバー140を非作業速度位置とし、エンジンEは通常走行時の所定回転数域(例えば、1000rpm)にアクセル操作してあって、遠心式ガバナ機構Gは、第1開閉弁9を、絞り状態での開位置に維持している。このとき、第2開閉弁24は、歯車変速レバー140との連動により閉じているので、油圧伝動装置1を効率の良い状態にして走行可能である。
油圧伝動装置1を中立位置としエンジンEが低回転状態にあるときは、歯車変速レバー140を作業速度位置とすると第2開閉弁24は開いており、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9も開度が略最大の状態で開いている。この場合、作業機用クラッチレバー118を入操作すれば、エンジンEの低回転状態で作業機102,103を駆動することができる。
しかしながら、エンジンEの低回転状態で作業機を駆動している状態から、油圧伝動装置1を変速位置に切換え作業機を駆動しつつ走行に入ろうとするとしても第1開閉弁9及び第2開閉弁24が開いているため、走行に入れない。そこで、第7実施形態においても、上記第6実施形態の場合と同様の中間切換機構を歯車変速連動係に介在させ、作業速度位置において第2開閉弁24を任意に開閉操作できるようにしておくことが好ましい。斯かる中間切換機構を介在させることで、上記第6実施形態と同様に、遠心式ガバナ機構Gが第1開閉弁9を閉位置にするに足りないエンジン回転数の状態において、作業機を駆動しつつ走行に入ることが可能となる。
上記第7実施形態では、第2開閉弁24と歯車変速レバーとを連動させた例を説明したが、第2開閉弁24と可動斜板操作レバー32a(図3及び図13参照)とを連動させる第8実施形態を採用することもできる。第8実施形態の詳細について、以下に説明する。なお、以下の説明において上記第6実施形態の場合と同様の部分については、同符号を付して図示省略する。
可動斜板操作レバー32aは、油圧ポンプ2の可動斜板31の傾斜角度を変更し、吐出油量を変更することによって油圧モータ4の回転数を無段変速するものである。
可動斜板操作レバー32aと第2開閉弁24とを連動させる可動斜板連動系は、図19に示すように、可動斜板操作レバー32aが作業速度位置にあるときに第2開閉弁24を開き、可動斜板操作レバー32aが非作業速度位置にあるときに前記第2開閉弁を閉じるように構成することができる。以下、可動斜板連動系について説明する。
可動斜板操作レバー32aは、支軸150上に回転自在に設置されるボス部を備え、そこから更にレバー反対側へ延びる揺動バー151が一体的に形成されている。揺動バー151の先には紙面裏側に延びるピン152が固定されている。支軸150には揺動プレート153がレバー32aと一体回動自在に取り付けられ、揺動プレート153には、ピン152が移動し得る円弧状孔154が形成されている。揺動プレート153の下端には、紙面上方に延びるピン155が固定されている。可動斜板操作レバー32aは図示位置で油圧伝動装置1を中立とし、紙面右側へ傾動させると後進(R)となり、紙面左側に傾動させると前進(F1,F2)となる。前進には可動斜板操作レバー32aの傾動角度に応じて2領域あり、傾動前半領域F1が作業速度であり、傾動後半領域F2が非作業速度である。
第2開閉弁24を構成するロータリー式2位置切換バルブを回転(開閉)させるための第3揺動アーム125と揺動プレート153との間に、軸156回りに揺動可能な中間揺動バー157がワイヤー158、159によって連結されている。中間揺動バー157には、上端に長孔157aが形成されていて、その長孔157a内を摺動可能なピン160が収容されている。ピン155とピン160とがワイヤー158によって連結されている。中間揺動バー157の下端と第3揺動アーム125の上端とがワイヤー159によって連結されている。なお、図中、161は戻し用バネ、162はロストモーション用バネを示している。
可動斜板操作レバー32aは、図19に示す中立位置にあるとき、第2開閉弁24は開位置にあり、遠心式ガバナ機構Gによる負荷制御が可能な状態にある。可動斜板操作レバー32aを後進(R)位置に傾動させた場合も、ピン152が円弧状孔154に沿って移動するだけで、揺動プレート153は揺動せず、第3揺動アーム125を揺動させないので、第2開閉弁は開状態を維持する。
可動斜板操作レバー32aを作業速度位置(F1)に傾動させると、揺動プレート153が揺動するが、ピン160が中間揺動バー157の長孔157a内を移動するだけで、中間揺動プレート157は揺動しない。従って、この場合も、第2開閉弁24は開状態である。
可動斜板操作レバー32aを更に傾動させて非作業速度位置(F2)に位置させると、揺動プレート153、ワイヤー158、ピン160、中間揺動バー157、ワイヤー159を介して、第3揺動アーム125を図の一点鎖線で示す位置に揺動させ、第2開閉弁24を閉じる。
上記のようにして、可動斜板操作レバー32aの無段変速操作を、第2開閉弁24の開閉操作に連動させることができる。
上記の可動斜板連動系を備える第8実施形態では、エンジンEを駆動して、可動斜板操作レバー32aを作業速度位置(F1)に設定すれば第2開閉弁24が開くが、エンジンEを、アクセル操作により作業時の所定回転数(例えば、2000〜3000rpm)とすることにより、遠心式ガバナ機構Gが作動して第1開閉弁9を閉じるので、作業機用クラッチ117を入れ、歯車変速レバー140を走行速度位置に設定すれば、低速で前進しつつ作業機102,103を駆動する。作業機102,103に過負荷が生じ、エンジンEの回転数が減少して、遠心式ガバナ機構Gの作動によって第1開閉弁9が開くと、バイパス油路8を開通させ、高圧側の油路3aから低圧側の油路3bに高圧油の一部を逃がし、それによって、一旦、車速を落として作業機102,103へエンジンEの駆動力を振り分け、過負荷を解消させるとともに、エンジンストップを回避する。
可動斜板操作レバー32aを作業速度位置(F1)から走行速度位置(F2)に傾動操作すると、第2開閉弁24が閉じるため、バイパス油路8が閉じられて負荷制御機能は働かないが、非作業走行時は、作業機102,103を駆動しないので負荷制御機能は不要である。
次に、本発明に係る作業車両用油圧伝動装置の負荷制御装置の第9実施形態について、以下に図20〜図21を参照して説明する。
第9実施形態は、上記第6実施形態の流量制御弁、第2開閉弁24、及び固定逆止弁11に替えて、前記バイパス油路内において前記第1開閉弁の二次側からの圧油の一方向流れのみを許容する一方で外部操作により前記一方向流れをも阻止可能な設定圧調節機能付き逆止弁27を、第1開閉弁9の二次側に設け、設定圧調節機能付き逆止弁27をクラッチ−逆止弁連動系によって作業機用クラッチレバーと連動させた点が相違し、その他の構成は、上記第6実施形態と同様である。
設定圧調節機能付き逆止弁27は、図21に示すように、弁本体27a、バネ27b、及び可動バネ受け部27cを有している。設定圧調節機能付き逆止弁27は、図示例では、ポペット形チェック弁であり、バネ27bの通常設定圧では一方向(図の矢印方向)流れを許容しその逆方向への流れを阻止するが、可動バネ受け部27cを弁本体27aの側へ移動させてバネ27bの弾性力を高めることで、前記一方向流れをも阻止し得る構造を有している。
可動バネ受け部27cは、図外の手動操作レバーと連係されるが、作業機用クラッチレバー118と連動するようにしても良い。作業機用クラッチレバー118と可動バネ受け部27cとを連動させるクラッチ−逆止弁連動系28は、図22に示されている。図22(a)は、クラッチ−逆止弁連動系28を分解して示す斜視図であり、図22(b)は、クラッチ−逆止弁連動系28の部分断面図である。
クラッチ−逆止弁連動系28は、図18に示された連動系と類似し、中間切換機構が開から閉までの無段階位置を維持するためのフリクション機構を備えている。具体的には、第4揺動アーム133にも、L型揺動アーム134に形成されている長孔134aと同形状をした円弧状の長孔133bが形成されており、この長孔133b、134aにピン133aが摺動自在に挿入されている。更に、切換レバー131の回転軸132には、摩擦板135a、135b及び摩擦板135a、135b間に挟まれた皿バネ136a、136bを有するフリクション機構を備えている。なお、図22(b)中、137は、摩擦板135aが当接する固定面である。
可動バネ受け部27cは、一端部でバネ27bを受け、他端部がバルブケース36から突き出している。可動バネ受け部27cの前記他端部は、軸29a回りに揺動し得るL形アーム29の一端とピン27dを介して係合している。L形アーム29の他端は、ワイヤー126aによって第4揺動アーム133のピン133aと連結されている。
図22(a)は、作業機用クラッチレバー118が作業位置にあり、ピン133aが長孔134a及び長孔133bの上端に当接している状態を示している。この状態において、ピン133aが第4揺動アーム133の長孔133b内を揺動可能であるため、中間切換レバー131は、バネ27bの最高付勢力に打ち勝つ摩擦力をもってシフト操作可能であり、阻止機能付き逆止弁27の設定圧を最低圧から最高圧までの無段階調節してその位置を維持することができる。また、可動バネ受け部27cを弁本体27aに対し機械的に当接させて弁本体27aをロックさせて油の流れを完全に不能にすることもできる。
図22(a)に示す状態から、作業機用クラッチレバー118を持ち上げて一点鎖線位置にシフトさせると、第1揺動アーム120の作動によりテンションクラッチ119が切れるとともに、第2揺動アーム122、ワイヤー126b、L形揺動アーム134aを介して、ピン133aを図の下方に移動させ、ワイヤー126aを引いてL形アーム29を揺動させ、バネ27bの設定圧を、油路3aを流れる圧油よりも高い状態にして圧油の前記一方向流れを阻止する。なお、この状態においても中間切換レバー131のシフト操作は可能であるが、ピン133aは、長孔133b内にあって位置が変わらないから、設定圧調節機能付き逆止弁27を操作することはない。
上記構成を有する第9実施形態では、作業走行に入って作業機用クラッチレバー8を入れると、中間切換レバー131により設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を調節することができる。負荷制御を行うには、設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を弱める方向に中間切換レバー131を適宜セットしておく。
作業機102,103を駆動し、過負荷が生じた場合は、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9が絞り状態で開き、バイパス油路8が開通するが、中間切換レバー131を操作してその位置でのバネ27bの付勢力をもって、バイパス油路8を流れる流量を制限し、作業機102,103への動力分配を高めることにより、車体を止めることなく作業機102,103の作業を促進させ、エンジンストップも回避することができる。
エンジンが低回転状態であっても、作業機用クラッチレバー118を入側にシフトすることにより作業可能である。この作業状態を維持して走行に入る場合は、中間切換レバー131を閉位置にシフトさせて設定圧調節機能付き逆止弁27の前記一方向流れを遮断するように設定圧を高めれば、油圧伝動装置1の効率は落ちず走行可能となる。
非作業で移動走行する場合は、作業機用クラッチレバーを図22(a)の一点鎖線位置にシフトさせれば、作業機系のテンションクラッチ119が切れるとともに、作業機用クラッチレバー118に、133a、ワイヤー126a、L形アーム29、可動バネ受け部27cが連動し、設定圧調節機能付き逆止弁27が、最大設定圧となってバイパス油路8を閉じる。従って、油圧ポンプ2によって油圧モータ4が駆動され、走行可能となる。
上記第9実施形態では、上記したように、上記第6実施形態に比較して部品点数が少なく構造が簡素化されているため、バルブケース36を小型化可能で負荷制御装置を低コストで製作可能である。
上記第9実施形態では、設定圧調節機能付き逆止弁を作業機用クラッチレバー118と連動させる例について説明したが、設定圧調節機能付き逆止弁27は、上記第7実施形態及び第8実施形態で示したのと同様に、歯車変速レバー140又は可動斜板操作レバー32aと連動させる構成としてもよい。
なお、設定圧調節機能付き逆止弁27を歯車変速レバー140と連動させる場合の歯車変速−逆止弁連動系は、歯車変速レバー140の非作業速度位置において可動バネ受け部27cを弁本体27a側へ移動させることによってバネ27bの設定圧を上昇させ、バイパス油路8の前記一方向流れを阻止するように構成し、前記歯車変速−逆止弁連動系に、前記歯車変速レバーの作業速度位置において前記前記設定圧調節機能付き逆止弁の設定圧を調節可能とする中間切換機構を介在させることができる。この場合の中間切換機構は図22に示した機構と同様の機構を採用できる。
斯かる構成により、上記第9実施形態と同様の機能を発揮することができ、歯車変速レバー140が作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27は前記一方向流れを許容するが、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9が閉じており、作業走行可能である。過負荷によりエンジンEの回転数が減少すると遠心式ガバナ機構Gがこれを検知して、第1開閉弁9を絞り状態で開いて負荷制御する。また、歯車変速レバー140が作業速度位置にある時に、中間切換レバー131を手動操作することにより、設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を調節し、負荷制御をオンオフすることができる。歯車変速レバー140が非作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27の一方向の流れを阻止するので、走行可能となる。
また、設定圧調節機能付き逆止弁27を可動斜板操作レバー32aと連動させる場合の可動斜板−逆止弁連動系は、可動斜板操作レバー32aを非作業速度位置から作業速度位置へ変速する操作に伴って前記可動バネ受け部を前記弁本体側へ移動させることによって前記バネの設定圧を上昇させ、バイパス油路8の前記一方向流れを阻止するように構成し、前記可動斜板−逆止弁連動系に、前記可動斜板操作レバーの作業速度位置において前記設定圧調節機能付き逆止弁の設定圧を階調節可能とする中間切換機構を介在させることができる。この場合の中間切換機構も図22に示した機構と同様の機構を採用することができ、上記第9実施形態と同様の機能を発揮し得る。
すなわち、可動斜板操作レバー32aが作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27は前記一方向流れを許容するが、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9が閉じており、作業走行可能である。過負荷によりエンジンEの回転数が減少すると遠心式ガバナ機構Gがこれを検知して、第1開閉弁9の開度を調整し負荷制御する。また、可動斜板操作レバー32aが作業速度位置にある時に、中間切換レバー131を手動操作することにより、設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を調節し、負荷制御をオンオフすることができる。可動斜板操作レバー32aが非作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27の前記一方向流れを阻止するので、走行可能となる。
次に本発明に係る負荷制御装置の第10実施形態について図23を参照しつつ説明する。第6実施形態では、開閉弁制御手段は、エンジンに作用する負荷を検知する手段としては、エンジンから排出される排気の温度上昇を検知し、排気温の上昇に応じて開閉弁を開く構成のものである。
図6に示すように、第1開閉弁9は電磁弁であり、第1開閉弁9は可動鉄心80に連結され、比例ソレノイドコイル81への通電により駆動する。第1開閉弁9の駆動は、コントローラ82によって行われ、コントローラ82は排気温センサー83の温度信号を受ける。排気温センサー83は、エンジンEのマニフォールド(不図示)の内部に配置されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。図示例では、排気温センサー83が検知する排気温度が、例えば600℃以上に上昇したことを検知すると、コントローラ82が第1開閉弁9を開くようになっている。また、エンジンのオイルパン等に貯留した作動油の温度を検出し、その油温上昇に応じて第1開閉弁9を開くように制御することも可能である。この第6実施形態の負荷制御装置も上記第2〜第4実施形態の負荷制御装置に応用可能である。
なお、図示しないが、上記排気温センサーに代えて、エンジンに作用する過負荷を前進時高圧側油路の油圧を検知することによって検出し、油圧低下に応じてコントローラにより開閉弁(電磁弁)を開くように構成することもできる。この場合、検知された油圧が、例えば100Kg/cm2を下回った時に第1開閉弁9を開くように制御することができる。
先ず、本発明に係る負荷制御装置の第1実施形態について説明する。図1は、負荷制御装置を備えた油圧伝動装置の油圧回路を示している。油圧伝動装置1は、エンジンEによって駆動する油圧ポンプ2と、油圧閉回路3を構成する油路3a,3bで油圧ポンプ2と接続された油圧モータ4(アクチュエータ)とを有している。
図示例において、油圧ポンプ2は可変容積形油圧ポンプであり、油圧モータ4は定容量モータである。また、油路3aは前進時に高圧側となり、油路3bが前進時に低圧側となる。油路3aと油路3bとは、逆止弁5a,5bを介してオイル補充回路6で接続されている。オイル補充回路6は油路3aと油路3bのいずれかが負圧になったときに、オイルタンクTからフィルター7を介してオイル供給を受け得る。これは自給式の例であるが、油圧ポンプ2と同時駆動されるチャージポンプを設けてこの吐出ポートをオイル補充回路6に接続するのもよい。また、油路3aと油路3bとは、バイパス油路8でバイパスされている。バイパス油路8には、第1開閉弁9、流量制御弁10、逆止弁11が介在している。
油圧モータ4の出力軸4aは、出力ギア12から平歯車機構13を介してクローラの車軸114を駆動する。油圧ポンプ2の入力軸2aはエンジンEの駆動軸112に連結されている。入力軸2aは、ジョイント15を介して入力軸2aと一体回転する回転数検出軸16と連結されている。また、エンジンEの出力は、クラッチを介してPTO軸111とも連結している。
回転数検出軸16には、フライウェイト17が連結されたスライダー18又はスラストベアリングが摺動自在に嵌着されている。スライダー18又はスラストベアリングが、フライウェイト17の変位を伝達する。フィードバックアーム19は、ピボット軸19aに回転可能に軸着され、その一端がスライダー18に当接し、その他端は第1開閉弁9に当接している。
従って、フライウェイト17、スライダー18、及びフィードバックアーム19が、第1開閉弁9を開閉する開閉弁制御手段を構成する遠心式ガバナ機構Gである。そして、遠心式ガバナ機構G、バイパス油路8、及び第1開閉弁9によってエンジンEにかかる負荷を制御する負荷制御装置が構成されている。
第1開閉弁9は、オフセット用コイル形のスプリング9Sを有するスプリングリターン式2ポート3位置切換弁である。この第1開閉弁9は実施例ではスプール式に構成されているがロータリ弁で構成することも可能である。その場合、スプリング9Sはねじり形のものを用いることもできる。エンジン停止時は、第1開閉弁9は、スプリング9Sの作用により図1に示すノーマル位置にオフセットされ、ポートが閉じている。第1開閉弁9の二次側には、流量制御弁10が接続されている。流量制御弁10は、圧力補償弁20と、その二次側に接続した固定絞り21と、を備えている。
上記構成を有する油圧伝動装置は、以下のようにしてエンジンにかかる負荷を制御する。
エンジンEが始動し、エンジンEの回転数上昇に比例して、回転数検出軸16に固着されたフライウェイト17の重心が遠心方向に離れ、その変位がスライダー18に伝達される。スライダー18の軸方向変位に応じてフィードバックアーム19がピボット軸19aを中心として回転し、第1開閉弁9をコイルスプリング9Sに抗して移動させる。エンジンEの回転数検出値が所定値に達するまでは、第1開閉弁9は第1閉ポート9aの位置にある。エンジンEの回転数が増し、エンジンEの回転数検出値が所定値に達すると、第1開閉弁9が開ポート9bに切り換わる。更にエンジンの回転数が増して、回転数検出値が所定の範囲を超えると、第1開閉弁9は第2閉ポート9cに切り換わる。
この油圧伝動装置1では、第1開閉弁9が第2閉ポート9cの位置にあるときのエンジン出力を用いてPTO軸111を駆動する。油圧伝動装置1が搭載されている車輌が除雪車である場合、除雪作業時にPTO軸111に連結されているオーガー102に何らかの要因によって過負荷がかかると、油圧モータ4、油圧ポンプ2を介して入力軸2aの回転数が落ちる。入力軸2aの回転数が所定の範囲内にまで落ちると、遠心式ガバナ機構Gの作動により、第1開閉弁9が開ポート9bの位置に切り替わり、高圧側の油路3aからバイパス油路8の第1開閉弁9、流量制御弁10、逆止弁11を介して低圧側の油路3bへ、高圧の作動油を逃がす。従って、車軸114は低速になり、出力軸106は、車軸114からの吸収トルク(負荷トルク)が減少するので、出力軸106の駆動トルクをPTO軸111(オーガー等)に最大限振り分けることができる。上述のようにして、PTO軸111に最大トルクが与えられるとともに、車軸114の回転数減少又は停止によってオーガーに入る雪の量が減るので、過負荷の原因となっていたオーガー内での雪の詰まりが解消され、PTO軸111の過負荷が解消する。
PTO軸111の過負荷が解消すると、エンジンEの出力軸106は元の回転数へと復帰する。出力軸106の回転数の復帰に伴って遠心式ガバナ機構Gが作動して、第1開閉弁9を再び閉じる。その結果、車軸114が再び元の回転数に戻り、除雪車は、元の速度で前進しながら除雪作業を行う。
圧力補償弁20は、固定絞り21の一次側圧力と二時側圧力との差圧を検知し、一次側圧力が二次側圧力より所定値以上の時に、固定絞り21への流量を制限する。従って、圧力補償弁20は、高圧側の油路3aにある圧油が低圧側の油路3bへ急激に流出するのを防ぎ、車輌が急停止するのを防ぐ。
上記負荷制御装置の油圧回路では、バイパス油路8は低圧側の油路へ高圧側の油路からの作動油を逃がす構成としている。バイパス油路を前進時に高圧側となる油路とオイルタンクTとを接続し、高圧側油路3aの作動油をオイルタンクへ逃がす構成としても良い。このことは、後述の第2〜第6実施形態でも同様である。
また、図2に示すように、フィードバックアームを備えることなく、第1開閉弁9を回転数検出軸16と同軸上もしくは平行状に配置して該回転数検出軸16に設けたスライダー18が第1開閉弁9を直接操作するように構成しても良い。図2の例では、回転数検出軸16は、ジョイント15’を介して駆動軸112に連結されており、回転数検出軸16にベベルギア22を介して油圧ポンプ2の入力軸2aが連結されている。
次に、図1で示した負荷制御装置を備える油圧伝動装置を、図3及び図4を参照しつつ説明する。図3は除雪機に搭載された油圧伝動装置の横断面図であり、図4は図3のA−A線に沿う拡大断面図であって負荷制御装置の縦断面図である。なお、以下の説明において上記油圧回路の説明と重複することがある。
油圧伝動装置1は、図3に示すように、油圧ポンプ2、油圧モータ4等がハウジング30内に納められている。ハウジング30には、油圧ポンプ2の可動斜板31を操作する可動斜板操作軸32が外方へ突き出ている。入力軸2aを駆動するエンジン(図示せず)はハウジングの外部に配置され、出力軸4aには空冷用ファン23が取り付けられている。なお、図示されていないクローラの動力は、油圧モータ4と係合する出力軸4aの出力ギア12を介して取り出される。また前記操作軸32は、アーム、ワイヤーあるいはロッドを介して可動斜板操作レバー(図8及び図13参照)と連係される。
油圧ポンプ2は、入力軸2aの回転に伴って回転するシリンダー群33を備える。シリンダー群33からは、可動斜板31の傾きに応じた容量の作動油が、センタセクション34内の高圧側油路3aを通って油圧モータ4のシリンダー群35に送られる。該作動油は、油圧モータ4を駆動し、再びセンタセクション34内の低圧側油路3bを通って油圧ポンプ2のシリンダー群33に送られる。なお、符号4bは油圧モータの固定斜板を示している。
エンジンEの駆動軸112と車軸114とは、直交配置されている(図8参照)。従って、油圧ポンプ2の入力軸2aをエンジンEの駆動軸112の方向に向け(図1参照)、油圧モータ4の出力軸4aを車軸114の方向に向けるために、センタセクション34は、その油圧ポンプ2の設置面(接合面)と油圧モータ4の設置面(接合面)とが直交するように形成されて、ハウジング30の内部に分離可能に取り付けられている。
ハウジング30は、油圧ポンプ2の入力軸2aが突出する側と反対側の外壁面が、開口している。この開口30aを閉鎖するように、後述するガバナケース41を一体に備えるバルブケース36がハウジング30の外壁面に油密的に付設されている。
一方、図2で示した油圧伝動装置1においては、油圧ポンプ2の入力軸2aは油圧モータ4の出力軸4aと同様に車軸114の方向に向けられた形式をとっている。エンジンの駆動軸と油圧ポンプの入力軸とが直交配置されている。斯かる配置構成の場合には、エンジンEの駆動軸112と連結するため、前述したようにベベルギア22を用いている。該ベベルギアを収容する入力ギアケース22aは、ハウジング30の外壁面に付設してあり、この入力ギアケース22aの外壁面にバルブケース36を付設している。
バルブケース36には、開閉弁、流量制御弁等が納められている(図4参照)。開口30aを通じてバルブケース36とセンタセクション34とを接続している2本の管37、38は、センタセクション34内の油路3a、3bをバイパスするバイパス油路8a、8fの一部を形成している。
バルブケース36は、遠心式ガバナ機構Gが付設されている。油圧ポンプ2の入力軸2aに、ジョイント15を介して回転数検出軸16が連結されている。回転数検出軸16は、入力軸2aと同軸線上に配置され、バルブケース36を貫通し、バルブケースとガバナケース41に設けた軸受け42との間で支持されている。
回転数検出軸16には、ディスク部を有するスリーブ43が固着されている。スリーブ43のディスク部側面上には、複数のフライウェイト17が円周方向に回転自在に軸着されているとともに、スリーブの外周面上にスライダー18が摺動自在に装着されている。フィードバックアーム19は、ガバナケース41において回転数検出軸16と直角方向に支持したピボット軸19aに回転自在に軸着され、一端がフォーク状になってスライダー18に当接し、他端が第1開閉弁9に当接しており全体的に略L字形をなしている。
バルブケース36には、図4に示すように、第1開閉弁9、固定絞り21及び圧力補償弁20、逆止弁11が組み込まれている。第1開閉弁9は、回転数検出軸16に対して直角に配置されオフセット用のコイルスプリング9Sによってフィードバックアーム19の方へ押圧されている。
流量制御弁が、圧力補償弁20と固定絞り21とによって構成されている。圧力補償弁20は、コイルスプリング20aに当接する側の室20bに面する表面積が、その反対側の室20c、20dの側の表面積の和に等しい。室20c、20dは、固定絞り21の一次側油路8cに通じている。室20bは固定絞り21の二次側油路8dに通じている。斯かる流量制御弁10の構成により、固定絞り21を通る圧力降下は常に相対的に一定となる。固定絞り21を可変絞りに代えることにより、可変絞りの流路断面積に比例した圧油を流すこともできる。
回転数検出軸16の回転数が増加するに従ってフライウェイト17が開き、フライウェイト17がスライダー18を回転数検出軸16に沿って変位させる。その変位に応じてフィードバックアーム19がコイルスプリング9Sに抗して第1開閉弁9を押す。回転数検出軸16の回転数が所定範囲内にあるとき、第1開閉弁9がフィードバックアーム19に押されて開ポート9bの位置に切り替わる(図1参照)。第1開閉弁9が開くと、油路8aからの作動油は、第1開閉弁9を通って油路8bに入り、圧力補償弁20、固定絞り21を通過し、油路を二手に分岐して一方は逆止弁11を通過し、他方は油路8eを経て圧力補償弁20のコイルスプリング20a側の室20bに入る。固定絞り21の前後差圧がコイルスプリング20の付勢力相当圧力より小さいときには油路8bから油路8cへの流れを許容し、大きいときには油路8bから油路8cへの流れを制限する。これにより油路3aから油路3bへ急速に高圧油が抜けることはなく第1開閉弁9の作動で作業車輛が急停止することを防止でき、なめらかな減速又は増速が得られる。開ポート位置から更にエンジンの回転数が増加すると、第1開閉弁9が第2閉ポート9cに切り替わる。
第1開閉弁9がどの回転数の範囲で切り換わるようにするかは、エンジンの馬力数や作業車輌の種類等に応じて適宜設定される。例えば、油圧伝動装置1を搭載する作業車輌が除雪機である場合に、オーガーを駆動する作業時のエンジン回転数が2000〜3000rpmであるとすると、路上走行時の0〜1000rpmでは第1開閉弁9が第1閉ポート9aの位置にあって閉じている。回転数検出値が1000〜2000rpmの範囲内にあるときに第1開閉弁9が開くように設定しておけば、除雪作業中にオーガーへの過負荷によって回転数検出軸19の回転数が下がると、油圧伝動装置を構成する油圧閉回路の高圧側の油路から低圧側の油路へ高圧油を逃がすことができ、エンジンの停止を回避し得る。
次に、本発明に係る負荷制御装置の第2実施形態について、図5を参照しつつ説明する。図5に示す負荷制御装置は、図4に示した固定絞り21を、遠心式ガバナ機構Gと連動する可変絞り50に変更した点が相違する。第2実施形態のその他の構成は上記第1実施形態と同様である。
可変絞り50は、第1弁体50a及び第2弁体50bを備える弁本体50cと、第1弁体50aに当接するコイルスプリング50dとを有している。第2フィードバックアーム19’が、弁本体50cに当接している。油路8dがコイルスプリング50dが収容された室50e内に通じており、油路8cが第1弁体50aのコイルスプリング50dと反対側の室50fに通じている。室50eと室50fとの連通路が第1弁体50aによって開閉される。油路8cの流路断面は、第2弁体50bによって絞られる。
第2フィードバックアーム19’は、第1開閉弁9に当接しているフィードバックアーム19が軸着されているピボット軸(不図示。図3のピボット軸19aに相当する。)に、もう一本のアームを固定することによって設けることができる。この場合、第2フィードバックアーム19’は、フィードバックアーム19と一体的に回転する。
可変絞り50の一次側は、圧力補償弁20の二次側の油路8cに接続される。可変絞り50の二次側は、コイルスプリング50dが収容された室50eから油路8dを介して逆止弁11の一次側に接続されるとともに油路8eを介して圧力補償弁20の室20bにも接続されている。
コイルスプリング50dのバネ定数は、エンジン停止状態(図5の状態)から通常走行時に至る回転数(例えば0〜1000rpm)では第1弁体50aが閉じ、作業時の回転数(例えば2000〜3000rpm)に至るまでの回転数(例えば1000〜2000rpm)の範囲では遠心式ガバナ機構Gによる第2フィードバックアーム19’との釣り合いで第2弁体50bが油路8cを徐々に絞り、作業時の回転数で油路8cを閉じるように設定しておくことができる。
そのようなバネ定数とすることで、作業車輌の作業中にオーガー等に過負荷がかかり、エンジンの回転数が減少し、第1開閉弁9が開いて高圧の作動油がバイパス油路8を通じて油圧閉回路の低圧側の油路へ急激に流れようとした場合に、回転数の減少に応じて第2弁体50bが油路8を徐々に開けることによってその急激な流れを防止することができる。このように、第1開閉弁9を通過した作動油が圧力補償弁20を通過する際に一定の圧力降下となるように流量が制限され、さらに可変絞り50の作用により、エンジンの回転数に増減に比例して流路断面積が減増し、なめらかな減速又は増速が達成される。
次に、本発明に係る負荷制御装置の第3実施形態について、図6を参照しつつ説明する。この負荷制御装置は、上記第2実施形態の負荷制御装置から圧力補償弁20を取り去った例を示し、その他の構成は上記第2実施形態と同様である。
圧力補償弁20を備えない場合であっても、圧力降下に多少の変動を生じることがある。しかしながら、遠心式ガバナ機構Gによってエンジン回転数の増減に比例して流量を減増させることができるので、なめらかな減速又は増速が可能となる。
次に、本発明に係る負荷制御装置の第4実施形態について、図7を参照しつつ説明する。上記第1実施形態では第1開閉弁9として2ポート3位置切換弁を採用していた。それに対し、第4実施形態では、2ポート3位置切換弁に代えて可変リリーフ弁60を採用した例を示し、その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
可変リリーフ弁60は、弁本体60a、オフセット用のコイルスプリング60b、及びスプリング受け60cを有している。コイルスプリング60bは、弁本体60aとスプリング受け60cとに当接している。スプリング受け60cには、フィードバックアーム19が当接している。コイルスプリング60bを収容している室60dは油路8bに通じ、コイルスプリング60bと反対側の室60eが油路8aに通じている。室60dは、スプリング受け60cとバルブケース36に固定されたエンドキャップ60fによって封止されている。エンドキャップ60fにはフィードバックアーム19が通る孔が形成されている。なお、図7は、エンジンが停止している状態を示している。
コイルスプリング60bのバネ定数は、遠心式ガバナ機構Gのフィードバックアーム19による押し付け力とコイルスプリング60bによるバネ付勢力との和が、作業車輌の通常作業時において油圧閉回路を流れる作動圧とほぼ等しくなるように設定することができる。コイルスプリング60aのバネ定数をそのように設定しておけば、通常作業時においては、図7に示すように、オーガー等に過負荷がかからない限り、可変リリーフ弁60は閉じている。しかしながら作業車輌が作業中においてオーガー等に何らかの過負荷が生じてエンジンの回転数が減少すると、フィードバックアーム19の押し付け力が弱まるとともに、スプリング受け60fも後退する。スプリング60bの付勢力は弱まるが、その一方で作動油の圧力は上昇する。その結果、可変リリーフ弁60が開き、可変リリーフ弁60は、高圧の作動油を高圧側の油路3aからバイパス油路8を通じて油圧閉回路3の低圧側油路3bへ逃がすことができる。流量制御弁10の作用は、上記第1実施形態と同様である。
なお、上記第4実施形態において、流量制御弁10に関し、固定絞り21に代えて上記第2実施形態で示した可変絞りを採用することができる。さらにその場合に、第3実施形態で示したように圧力補償弁20を無くして可変絞りのみとすることもできるし、或いは、その可変絞りに代えて固定絞りとすることもできる。
次に、本発明に係る作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置の第5実施形態について、以下に図9〜12を参照しつつ説明する。
第5実施形態の作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置は、開閉弁制御手段としてトルクセンシングガバナを採用した例である。図9は、除雪機の全体構成を示す側面図である。図10は、開閉弁制御装置を部分的に拡大して示す横断面図である。図11は油圧伝動装置を示す横断面図であり、図12は油圧回路図である。
図9に示すように、作業車輌としての除雪機は、操作部100、エンジンルーム101、オーガー102、ブロワ103、シューター104、及びクローラ105を備えている。出力軸106の出力は、プーリー108〜110を介して、オーガー102を駆動するPTO軸111(作業機系)と、油圧伝動装置1を介してクローラ105の駆動する走行系に分岐されている。
出力軸106には、出力軸の負荷トルクを検出する機能を有する負荷トルク検出装置70が備えられている。この負荷トルク検出装置70について以下に説明する。
出力軸106には、図10に示すように、出力軸に対し相対回転可能なPTO駆動用プーリー108と、出力軸106に対して相対回転不能に結合されたHST駆動用プーリー107と、スプライン嵌合されたスライダー71と、スライダー71をPTO駆動用プーリー108の側へ押圧付勢する皿バネ72とが装着されている。スライダー71には傾斜凹状(図10(b)参照)のボールポケット71aが形成される一方、PTO駆動用プーリー108には半球状のボールポケット108aが形成されている。これらボールポケット71a、108aにボール73が嵌っている。ボールポケット71aは、その最深部から円周方向一方側に沿って徐々に浅くなるように傾斜が形成されている。
PTO軸111に過負荷が生じていない時は、ボール73は、図10(b)に示すようにボールポケット71aの最深部にあって、スライダー71とPTO駆動用プーリー108とは、図10(b)に示す矢印方向に、共に一体となって回転している。
PTO軸111に過負荷が生じて、PTO駆動用プーリー108の負荷トルクが皿バネ72の弾性力を上回ると、該プーリー108と出力軸106との間に相対回転差が生じてボール73がボールポケット73aの最浅部に向かってその傾斜面に乗り上げることにより、スライダー71がPTO駆動用プーリー108から離反する方向へ移動させられる。このようにして、過負荷によってPTO駆動用プーリー108に作用する負荷トルクが、スライダー71の出力軸106に沿った変位に変換されて検出される。
上記トルク検出機能付き負荷トルク検出装置70によって検出された負荷トルクは、スライダー71に係合された揺動部材74を介してワイヤー75に伝達される。ワイヤー75は、図11に示すように機枠(図示せず)に枢支されたL形のフィードバックアーム19”をピボット軸19a”回りに揺動させ、第1開閉弁9を開閉操作する。
こうしてPTO駆動用プーリー108の過負荷による負荷トルクを検出すると、揺動部材74、ワイヤー75、フィードバックアーム19”を通じて、バルブケース36の第1開閉弁9を押圧し、第1開閉弁9を開く。バルブケース36の内部構造は、図4に示すものと同様であるので図示説明を省略する。なお、図12に示すように、本例において第1開閉弁9は2位置切換弁を採用している。
上記のように、トルク検出機能付き負荷トルク検出装置70によって負荷トルクを検出し、出力軸106に作用する負荷トルクの増加に応じて第1開閉弁9を開くように操作するトルクセンシングガバナが構成されている。
トルクセンシングガバナが作動する負荷トルクの範囲は、エンジンの種類、大きさ等によって適宜設定され、皿バネ72のバネ定数によって決定されるが、少なくともエンジンストップとなる前に第1開閉弁9を開くように設定する。なお、第5実施形態の負荷制御装置は、上記第2〜第4実施形態の負荷制御装置に応用可能である。
次に、本発明に係る作業車両用油圧伝動装置の負荷制御装置の第6実施形態について、以下に図13〜図18を参照しつつ説明する。なお、第6実施形態では、第1実施形態と同様の遠心式ガバナを有する例を示すが、第5実施形態で示したトルクセンシングガバナを適用することもできる。
図13は、第6実施形態の負荷制御装置を備えた油圧伝動装置の油圧回路を示している。油圧伝動装置1は、エンジンEによって駆動する油圧ポンプ2と、油圧閉回路3を構成する油路3a,3bで油圧ポンプ2と接続された油圧モータ4(アクチュエータ)とを有している。なお、図13において、オイルタンク、及びオイルタンクからオイルを供給するチャージポンプ等は図示省略している。
図示例において、油圧ポンプ2は可変容積形油圧ポンプであり、油圧モータ4は定容量モータである。また、油路3aは前進時に高圧側となり、油路3bが前進時に低圧側となる。油路3aと油路3bとは、逆止弁5a,5bを介してオイル補充回路6で接続されている。オイル補充回路6は油路3aと油路3bのいずれかが負圧になったときに、オイルタンクTからフィルター7を介してオイル供給を受け得る。また、油路3aと油路3bとは、バイパス油路8でバイパスされている。バイパス油路8には、第1開閉弁9、流量制御弁10、逆止弁11が介在している。
油圧モータ4の出力軸4aは、出力ギア12から平歯車機構13を介してクローラの車軸114を駆動する。油圧ポンプ2の入力軸2aの一端は、エンジンEの駆動軸112にテンションベルト115を介して駆動連結されている。また、入力軸2aの他端は、ジョイント15を介して入力軸2aと一体回転する回転数検出軸16と連結されている。また、エンジンEの出力は、テンションベルト116、作業機用クラッチ117を介してPTO軸111とも連結している。
図14にて詳細に示されるように、バルブケース36とガバナケース41との間で軸受支持された回転数検出軸16には、フライウェイト17を揺動自在に複数個、円周方向に枢支したディスク部16aを設置すると共にディスク部16aと隣接してスライダー18が軸方向摺動自在に嵌着されている。スライダー18は、フライウェイト17の変位をフィードバックアーム19へ伝達する。
フィードバックアーム19は、ガバナケース41内において回転数検出軸16と直角方向に支持されたピボット軸19aに回転可能に軸着され、その一端がフォーク状をなしてスライダー18に当接し、その他端は、バルブケース36に空けた開口36a内に延伸してこの開口36aに臨む第1開閉弁9の下端に当接している。開口36aは、最下位置にある第1開閉弁9の下方に位置する縦穴36bと連通され、これによりスライダー18の変位に伴うフィードバックアーム19の他端の揺動がバルブケース36内で許容されるようになっている。
第1開閉弁9の二次側に、外部操作によりバイパス油路8を開閉する第2開閉弁24が更に設けられている。第2開閉弁24は、エンジン負荷制御のオンオフを切換えるために設けられ、遠心式ガバナGとは連動せず運転部に設けた操作レバー(図示せず)によって手動で任意に切換えるように構成する。
なお、負荷制御するときには通常、作業状態、即ち、作業機が駆動しているので、作業機用クラッチ連動系25によって、作業機用クラッチ117を操作するための作業機用クラッチレバー118と連動するのも良い。作業機用クラッチ連動系25は、作業機用クラッチ117の切位置において第2開閉弁24を閉じ、作業機用クラッチの入位置において第2開閉弁24を開くように構成する。作業機用クラッチ連動系25の詳細については、後述する。
あるいは、負荷制御するときには通常、作業車輛が作業速度で走行しているので、可動斜板連動系や歯車変速連動系によって、可動斜板操作レバー32aや歯車変速レバー140と連動するのも良い。これらの連動系は、可動斜板操作レバー32aや歯車変速レバー140の非作業速度位置において第2開閉弁24を閉じ、作業速度位置において第2開閉弁24を開くように構成する。可動斜板連動系や歯車変速連動系の詳細についても、後述する。
第1開閉弁9は、オフセット用コイル形のスプリング9Sを有するスプリングリターン式2ポート2位置切換弁である。また、第1開閉弁9は、可変絞りを備え、通過流量を調節できるようになっている。エンジン停止時は、第1開閉弁9は、図13に示す開度を最大にした絞り位置にある。第1開閉弁9の二次側には、流量制御弁10が接続されている。流量制御弁10は、圧力補償弁20と、その一次側に接続した固定絞り21と、を備えている。
上記構成要素のうち、フライウェイト17、スライダー18、及びフィードバックアーム19が、第1開閉弁9を開閉する開閉弁制御手段を構成する遠心式ガバナ機構Gである。そして、遠心式ガバナ機構G、バイパス油路8、及び第1開閉弁9によってエンジンEにかかる負荷を制御する負荷制御装置が構成されている。第2開閉弁24及び作業機用クラッチ連動系25は、負荷制御装置を手動でかつ、作業機の作業/非作業状態に連動してオンオフする機能を提供する。
次に、図13で示した油圧回路を備える油圧伝動装置を、図14〜図18を参照して説明する。図14は、油圧伝動装置の一部を切り欠いて示す縦断正面図であり、図15は図14のB−B線に沿う縦断側面図であり、図16は、図14のC−C線に沿ってガバナケース41を切り取ってD方向から視た正面図であり、図17は、作業用クラッチ連動系を概略的に示す説明図である。なお、図14は、図3のF−F断面に類似する。
油圧伝動装置1は、図14に示すように、油圧ポンプ2、油圧モータ(図示省略)等がハウジング30内に納められている。なお、ハウジング30の内部構造は、図3に示したものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
ハウジング30は、油圧ポンプ2の入力軸2aが突出する側と反対側の外壁面が、開口している。この開口30aを閉鎖するように、後述するガバナケース41を一体に備えるバルブケース36がハウジング30の外壁面に油密的に付設されている。
バルブケース36には、遠心式ガバナ機構Gが付設されている。ガバナケース41は、図14及び図16に示すように、バルブケース36に取り付けられ、遠心式ガバナ機構Gを密閉するように構成され、その密閉室内に、各被潤滑部位に対する潤滑油Fが貯油されている。勿論、各被潤滑部位が耐熱グリスなどで機能が満足する場合には潤滑油Fを貯めなくてよい。潤滑油Fの油面レベルは、回転数検出軸16とともにフライウェイト17が回転し、フライウェイト17が遠心力によって揺動して開いた時に、フライウェイト17が油面に接触するように調節されている。フライウェイト17が開いた状態(図14の二点鎖線で示す状態)で回転しつつ油面と接触することで、潤滑油がガバナケース41内において飛散し、遠心式ガバナ機構Gに注油する仕組みになっている。
バルブケース36には、図15に示すように、第1開閉弁9、固定絞り21及び圧力補償弁20、第2開閉弁24、及び、逆止弁11が組み込まれている。
第1開閉弁9は、スプールがオフセット用のコイル形のスプリング9Sによってフィードバックアーム19の方へ押圧されている。スプリング9Sの第1開閉弁9に対する付勢力は、調節ネジ26によって調節することができる。なお、遠心式ガバナ機構Gで発生するガバナ力は慣性力の影響を受けやすいためエンジン回転数が下がってもガバナ力がある程度残ってしまい、これにより第1開閉弁9の応答が遅れることがある。この応答遅れを改善するために、本実施例においては、スプリング9Sは付勢力に強弱の差を持たせた2重コイル形のものを採用している。
流量制御弁10は、圧力補償弁20と固定絞り21とを一体的に構成する。固定絞り21は、通過流量を制限している。圧力補償弁20は、コイルスプリング20aによって常時全開状態にあって、油路8b内の圧油がコイルスプリング20aの付勢力相当の圧力を超過した場合に流路を絞り、バイパス油路8を通って高圧の圧油が油路3aから油路3bに急激に流れないようにしている。
第2開閉弁24は、図示例では、ロータリー式の2位置切換バルブを採用している。第2開閉弁24は、上記したように操作レバー(図示せず)によって手動で任意に切換えるように構成する。或いは、作業機用クラッチレバー118と連動するのも良い。これについて、以下に図17を参照しつつ説明する。
作業機(図示例では、オーガー)は、テンションベルト116を介してエンジンEから駆動力を伝達される。テンションベルト116には、テンションを付与又は除去するテンションクラッチ119が取り付けられている。テンションクラッチ119は、作業機用クラッチレバー118の操作によって、クラッチを入り切りされる。
テンションクラッチ119は、第1揺動アーム120に回転自在に軸着されたテンションローラ121と、作業機用クラッチレバー118と、作業機用クラッチレバー118の回動軸118aに固定された第2揺動アーム122と、第1揺動アーム120と第2揺動アーム122とを接続するワイヤー123とを有している。テンションローラ121は、スプリング124によって常時テンション付与されており、作業機用クラッチレバー118を切位置に操作すると、テンションローラ121をテンションベルト116から離してテンションを緩める。
一方、第2開閉弁24には、第2開閉弁24を構成するロータリー式2位置切換バルブを回転操作する第3揺動アーム125が固定され、第3揺動アーム125と第2揺動アーム122とがワイヤー126によって接続されている。作業機用クラッチレバー118が、図示の「作業」位置にあるときに、第2開閉弁24は開位置にある。作業機用クラッチレバー118を「非作業」位置(図の一点鎖線位置)にシフトさせると、第2揺動アーム122、ワイヤー126を介して、第3揺動アーム125を揺動させることにより、第2開閉弁24を構成するロータリー式2位置切換バルブが回転し、第2開閉弁24が閉位置となる。
上記構成を有する油圧伝動装置の作動について、以下に説明する。
エンジンEが停止しているときは、第1開閉弁9は開度を最大にした状態の絞り位置にあるが、作業機用クラッチレバー118は切位置にあるため、第2開閉弁24は閉位置にある。従って、バイパス油路8は閉じている。
エンジンEが始動し、エンジンEの回転数上昇に比例して、回転数検出軸16に固着されたフライウェイト17の重心が遠心方向に離れ、その変位がスライダー18に伝達される。スライダー18の変位に応じてフィードバックアーム19がピボット軸19aを中心として回転し、第1開閉弁9のスプールをコイルスプリング9Sに抗して移動させる。
エンジンEの回転数が増し、エンジンEの回転数検出値が、所定値、即ち作業機を駆動する回転域値に達すると、第1開閉弁9が閉位置に切り換わる。
第1開閉弁9がどの回転数の範囲で切り換わるようにするかは、エンジンの馬力数や作業車輌の種類等に応じて適宜設定され、調節ネジ26によって調節される。
例えば、油圧伝動装置1を搭載する作業車輌が除雪機である場合に、作業機であるオーガーを駆動する作業走行時のエンジン回転数が2000〜3000rpm、非作業での路上走行時の回転数が0〜1000rpmであるとすると、回転数が2000〜3000rpmの範囲内にあるときに第1開閉弁9を閉じるように設定する。除雪作業中は、作業機用クラッチレバー118は入位置にあり、第2開閉弁24は開位置にある。従って、作業走行時の2000〜3000rpmでは、第1開閉弁9によってバイパス油路8は閉じられている。除雪作業中に、オーガーへの過負荷によって回転数検出軸19の回転数が2000rpmを下回ると、第1開閉弁9が絞り状態で開き、第2開閉弁24は既に開いているので、油圧伝動装置を構成する油圧閉回路の高圧側の油路3aから低圧側の油路3bへ高圧油の一部を逃がす。
従って、車軸114は一旦、回転速度を落とし、出力軸106の駆動トルクをPTO軸111(オーガー等)に最大限振り分けることができる。出力軸106は、車軸114からの吸収トルク(負荷トルク)が減少するか或いは殆ど無くなり、PTO軸111に最大トルクが与えられることにより、車軸114の回転数減少によってオーガーに入る雪の量が減るとともに、過負荷の原因となっていたオーガー内での雪の詰まりが解消され、PTO軸111の過負荷が解消する。
PTO軸111の過負荷が解消すると、エンジンEの出力軸106は元の回転数へと復帰する。出力軸106の回転数の復帰に伴って遠心式ガバナ機構Gが作動して、第1開閉弁9を再び閉じる。その結果、車軸114が再び元の回転数に戻り、除雪車は、元の速度で前進しながら除雪作業を行う。こうして、過負荷によるエンジンの停止を回避し、除雪作業を円滑に行うことができる。
上記した第6実施形態では、第2開閉弁24が、作業機用クラッチレバー118と連動して外部操作可能である。そのため、例えば、エンジンEを低速回転状態にしておいて、作業機用クラッチレバー118を入側に操作すれば、該操作と連動して第2開閉弁24が開くため(低速回転域では第1開閉弁9は略全開状態で開いている。)、バイパス油路8を開通させてしまい油圧伝動装置1の効率が極端に落ちて油圧モータ4が駆動できない
そこで、図18に示すように、作業機用クラッチ連動系25の途中、具体的には、第2揺動アーム122と第3揺動アーム125を接続するワイヤー126の途中に、作業機用クラッチレバー118の入位置において第2開閉弁の開閉切換操作を可能とする中間切換機構130を介在させることができる。
中間切換機構130は、回動自在に支持された手動切換レバー131と、手動切換レバー131の回転軸132に固定された第4揺動アーム133と、手動切換レバー131の回動軸132に揺動自在に遊嵌されたL型揺動アーム134とを有し、L型揺動アーム134の一端部に形成された長孔134aに第4揺動アーム133に固定されたピン133aが挿入され、ピン133aは第3揺動アーム125とワイヤー126aで接続され、L型揺動アーム134の他端に形成されたピン134bは第2揺動アーム122の一端に固定されたピン122aとワイヤー126bによって連結されている。
図18は、作業機用クラッチ117が作業位置にある状態を示しており、この状態において、第4揺動アーム133のピン133aは、揺動アーム134の長孔134aの上端に当接しており、手動切換レバー131は、第2開閉弁24を開く位置にある。この状態では、ピン133aを長孔134aに沿って移動(下降)させることができ、従って、手動切換レバー131を紙面反時計方向へ回動させて、第2開閉弁24を閉位置に切り換えることができる。よって作業時において任意に、第1開閉弁9を介しての油路3aからの油リークを阻止して油圧伝動装置1を効率の良い状態にして走行することができる。
図18の状態から作業機用クラッチレバー118を図に一点鎖線で示す非作業位置にシフトさせると、第2揺動アーム122が揺動し、ワイヤー126bを介してL型揺動アーム134を揺動させ、ピン133aを通じて手動切換レバー131とともに第4揺動アーム133を回動させ、図18に一点鎖線で示す第2開閉弁24を閉位置に移動させる。
作業機用クラッチレバー118が非作業位置にあるときは、手動切換レバー131は回動させることができない。即ち、作業機用クラッチレバー118の非作業位置においては第2開閉弁24を閉位置に固定し、作業機用クラッチレバー118が手動切換レバー131に優先するようになっている。
上記第6実施形態においては、第2開閉弁24を作業機用クラッチと連動させた例について説明したが、第2開閉弁24を歯車変速変速レバー140(図8及び図13参照)と連動させた第7実施形態、又は第2開閉弁24を可動斜板操作レバー32a(図8及び図13参照)と連動させた第8実施形態を採用することもできる。第7実施形態の詳細について、以下に説明する。なお、以下の説明において上記第6実施形態の場合と同様の部分については、同符号を付して図示省略する。
歯車変速機は、歯車機構を介して、走行速度を作業速度と非作業速度とに切り換える変速機であり、歯車変速レバー140により操作される。歯車変速機には、油圧クラッチ式変速装置(パワーシフトクラッチ式変速機)も含む。
可動斜板操作レバー32aは、油圧ポンプ2の可動斜板31(図3参照)を操作する操作レバーである。なお、図示例の油圧伝動装置では、油圧ポンプが可変容量式であるため、可動斜板が油圧ポンプに備えられているが、油圧ポンプに代えて、油圧モータを可変容量式とすることもでき、その場合、可動斜板操作レバーは、油圧モータの可動斜板を操作する。
歯車変速レバー140と第2開閉弁とを連動させる歯車変速連動系は、歯車変速レバー140の作業速度位置において第2開閉弁24を絞り状態で開き、歯車変速レバー140の非作業速度位置において第2開閉弁24を閉じるように構成する。
斯かる構成とすることにより、歯車変速レバー140を作業速度位置にしておいて作業機102,103を駆動するときは、第2開閉弁24は歯車変速連動系との連動下で開いているが、エンジンEの回転数は作業出力を得るためにアクセル操作により高回転域(例えば、2000〜3000rpm)にあって遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9を閉じている。従って、作業速度で走行しつつ作業機を駆動することができる。作業速度走行の作業中に過負荷が生じると、上記第6実施形態の場合と同様に、遠心式ガバナ機構Gの作動により、第1開閉弁9を絞り状態で開き、作業機の駆動を優先させて、エンジンストップを回避する。
一方、非作業走行時は、歯車変速レバー140を非作業速度位置とし、エンジンEは通常走行時の所定回転数域(例えば、1000rpm)にアクセル操作してあって、遠心式ガバナ機構Gは、第1開閉弁9を、絞り状態での開位置に維持している。このとき、第2開閉弁24は、歯車変速レバー140との連動により閉じているので、油圧伝動装置1を効率の良い状態にして走行可能である。
油圧伝動装置1を中立位置としエンジンEが低回転状態にあるときは、歯車変速レバー140を作業速度位置とすると第2開閉弁24は開いており、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9も開度が略最大の状態で開いている。この場合、作業機用クラッチレバー118を入操作すれば、エンジンEの低回転状態で作業機102,103を駆動することができる。
しかしながら、エンジンEの低回転状態で作業機を駆動している状態から、油圧伝動装置1を変速位置に切換え作業機を駆動しつつ走行に入ろうとするとしても第1開閉弁9及び第2開閉弁24が開いているため、走行に入れない。そこで、第7実施形態においても、上記第6実施形態の場合と同様の中間切換機構を歯車変速連動係に介在させ、作業速度位置において第2開閉弁24を任意に開閉操作できるようにしておくことが好ましい。斯かる中間切換機構を介在させることで、上記第6実施形態と同様に、遠心式ガバナ機構Gが第1開閉弁9を閉位置にするに足りないエンジン回転数の状態において、作業機を駆動しつつ走行に入ることが可能となる。
上記第7実施形態では、第2開閉弁24と歯車変速レバーとを連動させた例を説明したが、第2開閉弁24と可動斜板操作レバー32a(図3及び図13参照)とを連動させる第8実施形態を採用することもできる。第8実施形態の詳細について、以下に説明する。なお、以下の説明において上記第6実施形態の場合と同様の部分については、同符号を付して図示省略する。
可動斜板操作レバー32aは、油圧ポンプ2の可動斜板31の傾斜角度を変更し、吐出油量を変更することによって油圧モータ4の回転数を無段変速するものである。
可動斜板操作レバー32aと第2開閉弁24とを連動させる可動斜板連動系は、図19に示すように、可動斜板操作レバー32aが作業速度位置にあるときに第2開閉弁24を開き、可動斜板操作レバー32aが非作業速度位置にあるときに前記第2開閉弁を閉じるように構成することができる。以下、可動斜板連動系について説明する。
可動斜板操作レバー32aは、支軸150上に回転自在に設置されるボス部を備え、そこから更にレバー反対側へ延びる揺動バー151が一体的に形成されている。揺動バー151の先には紙面裏側に延びるピン152が固定されている。支軸150には揺動プレート153がレバー32aと一体回動自在に取り付けられ、揺動プレート153には、ピン152が移動し得る円弧状孔154が形成されている。揺動プレート153の下端には、紙面上方に延びるピン155が固定されている。可動斜板操作レバー32aは図示位置で油圧伝動装置1を中立とし、紙面右側へ傾動させると後進(R)となり、紙面左側に傾動させると前進(F1,F2)となる。前進には可動斜板操作レバー32aの傾動角度に応じて2領域あり、傾動前半領域F1が作業速度であり、傾動後半領域F2が非作業速度である。
第2開閉弁24を構成するロータリー式2位置切換バルブを回転(開閉)させるための第3揺動アーム125と揺動プレート153との間に、軸156回りに揺動可能な中間揺動バー157がワイヤー158、159によって連結されている。中間揺動バー157には、上端に長孔157aが形成されていて、その長孔157a内を摺動可能なピン160が収容されている。ピン155とピン160とがワイヤー158によって連結されている。中間揺動バー157の下端と第3揺動アーム125の上端とがワイヤー159によって連結されている。なお、図中、161は戻し用バネ、162はロストモーション用バネを示している。
可動斜板操作レバー32aは、図19に示す中立位置にあるとき、第2開閉弁24は開位置にあり、遠心式ガバナ機構Gによる負荷制御が可能な状態にある。可動斜板操作レバー32aを後進(R)位置に傾動させた場合も、ピン152が円弧状孔154に沿って移動するだけで、揺動プレート153は揺動せず、第3揺動アーム125を揺動させないので、第2開閉弁は開状態を維持する。
可動斜板操作レバー32aを作業速度位置(F1)に傾動させると、揺動プレート153が揺動するが、ピン160が中間揺動バー157の長孔157a内を移動するだけで、中間揺動プレート157は揺動しない。従って、この場合も、第2開閉弁24は開状態である。
可動斜板操作レバー32aを更に傾動させて非作業速度位置(F2)に位置させると、揺動プレート153、ワイヤー158、ピン160、中間揺動バー157、ワイヤー159を介して、第3揺動アーム125を図の一点鎖線で示す位置に揺動させ、第2開閉弁24を閉じる。
上記のようにして、可動斜板操作レバー32aの無段変速操作を、第2開閉弁24の開閉操作に連動させることができる。
上記の可動斜板連動系を備える第8実施形態では、エンジンEを駆動して、可動斜板操作レバー32aを作業速度位置(F1)に設定すれば第2開閉弁24が開くが、エンジンEを、アクセル操作により作業時の所定回転数(例えば、2000〜3000rpm)とすることにより、遠心式ガバナ機構Gが作動して第1開閉弁9を閉じるので、作業機用クラッチ117を入れ、歯車変速レバー140を走行速度位置に設定すれば、低速で前進しつつ作業機102,103を駆動する。作業機102,103に過負荷が生じ、エンジンEの回転数が減少して、遠心式ガバナ機構Gの作動によって第1開閉弁9が開くと、バイパス油路8を開通させ、高圧側の油路3aから低圧側の油路3bに高圧油の一部を逃がし、それによって、一旦、車速を落として作業機102,103へエンジンEの駆動力を振り分け、過負荷を解消させるとともに、エンジンストップを回避する。
可動斜板操作レバー32aを作業速度位置(F1)から走行速度位置(F2)に傾動操作すると、第2開閉弁24が閉じるため、バイパス油路8が閉じられて負荷制御機能は働かないが、非作業走行時は、作業機102,103を駆動しないので負荷制御機能は不要である。
次に、本発明に係る作業車両用油圧伝動装置の負荷制御装置の第9実施形態について、以下に図20〜図21を参照して説明する。
第9実施形態は、上記第6実施形態の流量制御弁、第2開閉弁24、及び固定逆止弁11に替えて、前記バイパス油路内において前記第1開閉弁の二次側からの圧油の一方向流れのみを許容する一方で外部操作により前記一方向流れをも阻止可能な設定圧調節機能付き逆止弁27を、第1開閉弁9の二次側に設け、設定圧調節機能付き逆止弁27をクラッチ−逆止弁連動系によって作業機用クラッチレバーと連動させた点が相違し、その他の構成は、上記第6実施形態と同様である。
設定圧調節機能付き逆止弁27は、図21に示すように、弁本体27a、バネ27b、及び可動バネ受け部27cを有している。設定圧調節機能付き逆止弁27は、図示例では、ポペット形チェック弁であり、バネ27bの通常設定圧では一方向(図の矢印方向)流れを許容しその逆方向への流れを阻止するが、可動バネ受け部27cを弁本体27aの側へ移動させてバネ27bの弾性力を高めることで、前記一方向流れをも阻止し得る構造を有している。
可動バネ受け部27cは、図外の手動操作レバーと連係されるが、作業機用クラッチレバー118と連動するようにしても良い。作業機用クラッチレバー118と可動バネ受け部27cとを連動させるクラッチ−逆止弁連動系28は、図22に示されている。図22(a)は、クラッチ−逆止弁連動系28を分解して示す斜視図であり、図22(b)は、クラッチ−逆止弁連動系28の部分断面図である。
クラッチ−逆止弁連動系28は、図18に示された連動系と類似し、中間切換機構が開から閉までの無段階位置を維持するためのフリクション機構を備えている。具体的には、第4揺動アーム133にも、L型揺動アーム134に形成されている長孔134aと同形状をした円弧状の長孔133bが形成されており、この長孔133b、134aにピン133aが摺動自在に挿入されている。更に、切換レバー131の回転軸132には、摩擦板135a、135b及び摩擦板135a、135b間に挟まれた皿バネ136a、136bを有するフリクション機構を備えている。なお、図22(b)中、137は、摩擦板135aが当接する固定面である。
可動バネ受け部27cは、一端部でバネ27bを受け、他端部がバルブケース36から突き出している。可動バネ受け部27cの前記他端部は、軸29a回りに揺動し得るL形アーム29の一端とピン27dを介して係合している。L形アーム29の他端は、ワイヤー126aによって第4揺動アーム133のピン133aと連結されている。
図22(a)は、作業機用クラッチレバー118が作業位置にあり、ピン133aが長孔134a及び長孔133bの上端に当接している状態を示している。この状態において、ピン133aが第4揺動アーム133の長孔133b内を揺動可能であるため、中間切換レバー131は、バネ27bの最高付勢力に打ち勝つ摩擦力をもってシフト操作可能であり、阻止機能付き逆止弁27の設定圧を最低圧から最高圧までの無段階調節してその位置を維持することができる。また、可動バネ受け部27cを弁本体27aに対し機械的に当接させて弁本体27aをロックさせて油の流れを完全に不能にすることもできる。
図22(a)に示す状態から、作業機用クラッチレバー118を持ち上げて一点鎖線位置にシフトさせると、第1揺動アーム120の作動によりテンションクラッチ119が切れるとともに、第2揺動アーム122、ワイヤー126b、L形揺動アーム134aを介して、ピン133aを図の下方に移動させ、ワイヤー126aを引いてL形アーム29を揺動させ、バネ27bの設定圧を、油路3aを流れる圧油よりも高い状態にして圧油の前記一方向流れを阻止する。なお、この状態においても中間切換レバー131のシフト操作は可能であるが、ピン133aは、長孔133b内にあって位置が変わらないから、設定圧調節機能付き逆止弁27を操作することはない。
上記構成を有する第9実施形態では、作業走行に入って作業機用クラッチレバー8を入れると、中間切換レバー131により設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を調節することができる。負荷制御を行うには、設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を弱める方向に中間切換レバー131を適宜セットしておく。
作業機102,103を駆動し、過負荷が生じた場合は、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9が絞り状態で開き、バイパス油路8が開通するが、中間切換レバー131を操作してその位置でのバネ27bの付勢力をもって、バイパス油路8を流れる流量を制限し、作業機102,103への動力分配を高めることにより、車体を止めることなく作業機102,103の作業を促進させ、エンジンストップも回避することができる。
エンジンが低回転状態であっても、作業機用クラッチレバー118を入側にシフトすることにより作業可能である。この作業状態を維持して走行に入る場合は、中間切換レバー131を閉位置にシフトさせて設定圧調節機能付き逆止弁27の前記一方向流れを遮断するように設定圧を高めれば、油圧伝動装置1の効率は落ちず走行可能となる。
非作業で移動走行する場合は、作業機用クラッチレバーを図22(a)の一点鎖線位置にシフトさせれば、作業機系のテンションクラッチ119が切れるとともに、作業機用クラッチレバー118に、133a、ワイヤー126a、L形アーム29、可動バネ受け部27cが連動し、設定圧調節機能付き逆止弁27が、最大設定圧となってバイパス油路8を閉じる。従って、油圧ポンプ2によって油圧モータ4が駆動され、走行可能となる。
上記第9実施形態では、上記したように、上記第6実施形態に比較して部品点数が少なく構造が簡素化されているため、バルブケース36を小型化可能で負荷制御装置を低コストで製作可能である。
上記第9実施形態では、設定圧調節機能付き逆止弁を作業機用クラッチレバー118と連動させる例について説明したが、設定圧調節機能付き逆止弁27は、上記第7実施形態及び第8実施形態で示したのと同様に、歯車変速レバー140又は可動斜板操作レバー32aと連動させる構成としてもよい。
なお、設定圧調節機能付き逆止弁27を歯車変速レバー140と連動させる場合の歯車変速−逆止弁連動系は、歯車変速レバー140の非作業速度位置において可動バネ受け部27cを弁本体27a側へ移動させることによってバネ27bの設定圧を上昇させ、バイパス油路8の前記一方向流れを阻止するように構成し、前記歯車変速−逆止弁連動系に、前記歯車変速レバーの作業速度位置において前記前記設定圧調節機能付き逆止弁の設定圧を調節可能とする中間切換機構を介在させることができる。この場合の中間切換機構は図22に示した機構と同様の機構を採用できる。
斯かる構成により、上記第9実施形態と同様の機能を発揮することができ、歯車変速レバー140が作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27は前記一方向流れを許容するが、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9が閉じており、作業走行可能である。過負荷によりエンジンEの回転数が減少すると遠心式ガバナ機構Gがこれを検知して、第1開閉弁9を絞り状態で開いて負荷制御する。また、歯車変速レバー140が作業速度位置にある時に、中間切換レバー131を手動操作することにより、設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を調節し、負荷制御をオンオフすることができる。歯車変速レバー140が非作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27の一方向の流れを阻止するので、走行可能となる。
また、設定圧調節機能付き逆止弁27を可動斜板操作レバー32aと連動させる場合の可動斜板−逆止弁連動系は、可動斜板操作レバー32aを非作業速度位置から作業速度位置へ変速する操作に伴って前記可動バネ受け部を前記弁本体側へ移動させることによって前記バネの設定圧を上昇させ、バイパス油路8の前記一方向流れを阻止するように構成し、前記可動斜板−逆止弁連動系に、前記可動斜板操作レバーの作業速度位置において前記設定圧調節機能付き逆止弁の設定圧を階調節可能とする中間切換機構を介在させることができる。この場合の中間切換機構も図22に示した機構と同様の機構を採用することができ、上記第9実施形態と同様の機能を発揮し得る。
すなわち、可動斜板操作レバー32aが作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27は前記一方向流れを許容するが、遠心式ガバナ機構Gの作動により第1開閉弁9が閉じており、作業走行可能である。過負荷によりエンジンEの回転数が減少すると遠心式ガバナ機構Gがこれを検知して、第1開閉弁9の開度を調整し負荷制御する。また、可動斜板操作レバー32aが作業速度位置にある時に、中間切換レバー131を手動操作することにより、設定圧調節機能付き逆止弁27の設定圧を調節し、負荷制御をオンオフすることができる。可動斜板操作レバー32aが非作業速度位置にあるときは、設定圧調節機能付き逆止弁27の前記一方向流れを阻止するので、走行可能となる。
次に本発明に係る負荷制御装置の第10実施形態について図23を参照しつつ説明する。第6実施形態では、開閉弁制御手段は、エンジンに作用する負荷を検知する手段としては、エンジンから排出される排気の温度上昇を検知し、排気温の上昇に応じて開閉弁を開く構成のものである。
図6に示すように、第1開閉弁9は電磁弁であり、第1開閉弁9は可動鉄心80に連結され、比例ソレノイドコイル81への通電により駆動する。第1開閉弁9の駆動は、コントローラ82によって行われ、コントローラ82は排気温センサー83の温度信号を受ける。排気温センサー83は、エンジンEのマニフォールド(不図示)の内部に配置されている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。図示例では、排気温センサー83が検知する排気温度が、例えば600℃以上に上昇したことを検知すると、コントローラ82が第1開閉弁9を開くようになっている。また、エンジンのオイルパン等に貯留した作動油の温度を検出し、その油温上昇に応じて第1開閉弁9を開くように制御することも可能である。この第6実施形態の負荷制御装置も上記第2〜第4実施形態の負荷制御装置に応用可能である。
なお、図示しないが、上記排気温センサーに代えて、エンジンに作用する過負荷を前進時高圧側油路の油圧を検知することによって検出し、油圧低下に応じてコントローラにより開閉弁(電磁弁)を開くように構成することもできる。この場合、検知された油圧が、例えば100Kg/cm2を下回った時に第1開閉弁9を開くように制御することができる。
Claims (21)
- エンジンからの動力を作業機系と走行系とに分岐させてこれらを駆動し、走行系に油圧伝動装置を備えた作業車輌の負荷制御装置であって、
前記油圧伝動装置は、前記エンジンによって駆動する油圧ポンプと該油圧ポンプによって駆動する油圧モータとが油圧閉回路で接続され、
前記負荷制御装置は、前記油圧閉回路の前進時高圧側油路を前進時低圧側油路またはオイルタンクにバイパスするためのバイパス油路と、前記バイパス油路を開閉する第1開閉弁と、作業走行時に前記エンジンに作用する負荷を検知して該負荷が所定値を越えると前記第1開閉弁を開くよう制御する開閉弁制御手段と、を有することを特徴とする、作業車輌用油圧伝動装置の負荷制御装置。 - 前記開閉弁制御手段は、エンジンの出力軸又は該出力軸に連結された回転数検出軸の回転数を検出し、回転数の値に応じて前記第1開閉弁を開く遠心式ガバナ機構によって構成されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の負荷制御装置。
- 前記開閉弁制御手段は、エンジンの出力軸に作用する負荷トルクを検出し、検出した負荷トルクの値に応じて前記第1開閉弁を開くトルクセンシングガバナであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の負荷制御装置。
- 前記第1開閉弁の二次側に、外部操作により前記バイパス油路を開閉する第2開閉弁が更に設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の負荷制御装置。
- 前記作業車輌は、前記エンジンから前記作業機系への動力の伝達を断続する作業機用クラッチと、該作業機用クラッチを操作するための作業機用クラッチレバーと、前記作業機用クラッチレバーを前記第2開閉弁と連動させる作業機用クラッチ連動系と、を有し、
前記作業機用クラッチ連動系は、前記作業機用クラッチレバーの入位置において前記第2開閉弁を開き、前記作業機用クラッチレバーの切位置において前記第2開閉弁を閉じるように構成されていることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の負荷制御装置。 - 前記作業機用クラッチレバーの入位置において前記第2開閉弁の開閉操作を可能とする中間切換機構が、前記作業機用クラッチ連動系に介在されていることを特徴とする請求の範囲第5項記載の負荷制御装置。
- 前記作業車輌は、前記走行系に走行速度を作業速度と非作業速度に切り換えるための歯車変速機と、該歯車変速機を操作する歯車変速レバーと、前記歯車変速レバーと前記第2開閉弁とを連動させる歯車変速連動系と、を有し、
前記歯車変速連動系は、前記歯車変速レバーの作業速度位置において前記第2開閉弁を開き、前記歯車変速レバーの非作業速度位置において前記第2開閉弁を閉じるように構成されていることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の負荷制御装置。 - 前記歯車変速レバーの作業速度位置において前記第2開閉弁の開閉操作を可能とする中間切換機構が、前記歯車変速連動系に介在されていることを特徴とする請求の範囲第7項記載の負荷制御装置。
- 前記油圧ポンプ又は前記油圧モータの何れか一方が可動斜板を有し、前記可動斜板の傾斜角度を変更操作する可動斜板操作レバーと、該可動斜板操作レバーと前記第2開閉弁とを連動させる可動斜板連動系と、を有し、
前記可動斜板連動系は、前記可動斜板操作レバーが作業速度位置にあるときに前記第2開閉弁を開き、前記可動斜板操作レバーが非作業速度位置にあるときに前記第2開閉弁を閉じるように構成されていることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の負荷制御装置。 - 前記可動斜板操作レバーが作業速度位置にあるときに前記第2開閉弁の開閉操作を可能とする中間切換機構が、前記可動斜板連動系に介在されていることを特徴とする請求の範囲第9項記載の負荷制御装置。
- 前記第1開閉弁と前記第2開閉弁との間に流量制御弁を設けたことを特徴とする請求の範囲第4項記載の負荷制御装置。
- 前記バイパス油路内において前記第1開閉弁の二次側からの圧油の一方向流れのみを許容する一方で外部操作により前記一方向流れをも阻止可能な設定圧調節機能付き逆止弁が、前記第1開閉弁の二次側に設けられていることを特徴とする請求の範囲1項記載の負荷制御装置。
- 前記設定圧調節機能付き逆止弁は、弁本体、バネ、及び可動バネ受け部を有し、
前記作業車輌は、前記エンジンから前記作業機系への動力の伝達を断続する作業機用クラッチと、該作業機用クラッチを操作するための作業機用クラッチレバーと、該作業機用クラッチレバーと前記可動バネ受け部とを連動させるクラッチ−逆止弁連動系と、を有し、
前記クラッチ−逆止弁連動系は、前記作業機用クラッチレバーの切操作に伴って前記可動バネ受け部を前記弁本体側へ移動させることによって前記バネの設定圧を上昇させ、作業機用クラッチの切り位置において前記バイパス油路の一方向流れを阻止するように構成されており、
前記作業機用クラッチ連動系に、前記作業機用クラッチの入位置において前記前記設定圧調節機能付き逆止弁の設定圧を調節可能とする中間切換機構が、介在されていることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の負荷制御装置。 - 前記設定圧調節機能付き逆止弁は、弁本体、バネ、及び可動バネ受け部を有し、
前記作業車輌は、前記走行系に走行速度を作業速度と非作業速度に切り換える歯車変速機と、該歯車変速機を操作する歯車変速レバーと、該歯車変速レバーと前記可動バネ受け部とを連動させる歯車変速−逆止弁連動系と、を有し、
前記歯車変速−逆止弁連動系は、前記歯車変速レバーの走行速度位置において前記可動バネ受け部を前記弁本体側へ移動させることによって前記バネの設定圧を上昇させ、前記一方向流れを阻止するように構成され、
前記歯車変速−逆止弁連動系に、前記歯車変速レバーの作業速度位置において前記前記設定圧調節機能付き逆止弁の設定圧を調節可能とする中間切換機構が、介在されていることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の負荷制御装置。 - 前記設定圧調節機能付き逆止弁は、弁本体、バネ、及び可動バネ受け部を有し、
前記作業車輌は、前記油圧伝動装置の前記油圧ポンプを無段変速する可動斜板操作レバーと、該可動斜板操作レバーと前記可動バネ受け部とを連動させる可動斜板−逆止弁連動系と、を有し、
前記可動斜板−逆止弁連動系は、前記可動斜板操作レバーが非作業速度位置にあるときに前記可動バネ受け部を前記弁本体側へ移動させることによって前記バネの設定圧を上昇させ、前記一方向流れを阻止するように構成され、
前記可動斜板−逆止弁連動系に、前記可動斜板操作レバーの作業速度位置において前記前記設定圧調節機能付き逆止弁の設定圧を調節可能とする中間切換機構が、介在されていることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の負荷制御装置。 - 前記遠心式ガバナ機構が前記油圧伝動装置の油圧ポンプと協働する回転軸上に設置され、前記負荷制御装置と共に前記油圧伝動装置に搭載されていることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の負荷制御装置。
- 前記遠心式ガバナ機構が前記負荷制御装置に隣接した密閉室内に収容され、該密閉室内に潤滑油が貯油され、前記遠心式ガバナ機構はフライウェイトを有し、該潤滑油の油面が、前記フライウェイトが開いた時に該フライウェイトと接触するように構成されていることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の負荷制御装置。
- 前記開閉弁の二次側に、前記バイパス油路の流量を制御する流量制御弁が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の負荷制御装置。
- 前記開閉弁と前記流量制御弁とが共通のバルブケースに収容されていることを特徴とする請求の範囲第18項に記載の負荷制御装置。
- 前記開閉弁が電磁弁であり、前記開閉弁制御手段は、エンジンの排気温度を検知する温度センサーと、該温度センサーが検知した排気温度の値に応じて前記開閉弁を開くコントローラと、を有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の負荷制御装置。
- 前記開閉弁が電磁弁であり、前記開閉弁制御手段は、前記油圧閉回路の前進時高圧側油路内の油圧を検知する圧力センサーと、該圧力センサーの検知した油圧の値に応じて前記開閉弁を開くコントローラと、を有することを特徴とする請求の範囲第項1項に記載の負荷制御装置。
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