JPWO2004071294A1 - 線状デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
このような酵素センサの一例として、体内のグルコース濃度を測定するグルコースセンサがある(従来例1:特開平5−60722号公報、従来例2:W.Kenneth Ward,Lawrence B.Jansen,Ellen Anderson,Gerard Reach,Jean−Claude Klein,George S.Wilson,“A new amperometric glucose microsensor: in vitro and short−term in vivo evaluation”,Biosensors & Bioelectronics 17, 2002,p.181−189)。
従来例1のグルコースセンサは、棒状のチタン電極と、その外周にガラス管によって形成された絶縁層を設け、この絶縁層の外周に銀板を巻きつけて形成された銀板電極とを備えたものであり、チタン電極の表面を酸化させて酸化チタン層を形成し、その酸化チタン層の表面にグルコースオキシダーゼを付着させている。
このため、従来例1のグルコースセンサを、その先端から人体に挿入したり、その先端を血管中の血液に浸漬させて、チタン電極と銀板電極との間に電圧を加えれば、両電極間にグルコースの濃度に応じた電流が流れるので、生体組織や血液中のグルコース濃度を測定することができる。
また、従来例2のグルコースセンサは、棒状の白金イリジウム合金電極の外周にテフロン管によって形成された絶縁層と、この絶縁層の外周に銀線を巻きつけて形成された銀線電極とを備えたものである。この従来例2のグルコースセンサも、白金イリジウム合金電極の表面にタンパク質を吸着させ、そのタンパク質吸着表面に、架橋剤であるグルタルアルデヒドを用いてグルコースオキシダーゼを結合させたものであり、従来例1のグルコースセンサと同様に、生体組織や血液中のグルコース濃度を測定することができる。
しかるに、従来例1のグルコースセンサはその直径が約0.8mmであり、従来例2のグルコースセンサでも少なくとも0.35mmの直径を有している。このため、グルコースセンサを生体に突き刺したときに破壊される細胞等が多くなるし、人体に設置したままにすると、措置された部位に違和感や痛みを感じるという問題がある。
かといって、グルコースセンサの直径を細くすれば、破壊される細胞を少なくでき、違和感や痛みも少なくできるが、グルコースセンサ自体の強度が低下するので、生体に挿入できなかったり、生体内に挿入するときの抵抗でセンサが折れ曲がったりして、所望の位置に措置できない可能性がある。そして、生体内で折れ曲がった場合には、センサがショートや断線して機能を失ったり、生体の損傷が大きくなることによって人に大きな痛みを与える可能性がある。
また、グルコースセンサの直径が大きく、酸化チタン電極も大きいので、微少な領域のグルコースの量の検査、例えば脳内等の局部のグルコース量の変化の測定等には使用できないという問題がある。
第1発明の線状デバイスは、軸方向に沿って延びた、基層から外層に向かって複数の層が形成された線状の部材であって、前記複数の層が、導電層と絶縁層とを備えていることを特徴とする。
第1発明によれば、線状の部材を2本併設し、2本の線状の部材の導電層間に電圧を加えれば、両者の間の物質に電流を流すことができ、電気的な刺激を与えることができる。また、両者の間の物質に応じて2本の線状の部材の導電層間に流れる電流値が変化するので、その電流値から2本の線状の部材の間に存在する物質の種類、量等を検出することができる。
第2発明の線状デバイスは、第1発明において、前記線状の部材の先端が尖っていることを特徴とする。
第2発明によれば、線状の部材の先端部が尖っているから、生体等の対象物に線状の部材を挿入するときの抵抗を少なくすることができる。しかも、線状の部材の導電層と対象物との接触の面積が小さくなるので、局所に電流を流すことができるし、微細な領域に存在する物質を検出計測することができる。
第3発明の線状デバイスは、第1または第2発明において、前記導電層が、基層の側面に形成されており、前記絶縁層が、前記導電層の表面を覆うように形成されており、前記線状の部材の先端部に、前記導電層が露出した接触部が形成されていることを特徴とする。
第3発明によれば、接触部の面積を調整すれば、導電層と対象物との接触の面積を調整することができる。
第4発明の線状デバイスは、第3発明において、前記接触部の表面に、白金層が形成されていることを特徴とする。
第4発明によれば、生体等の対象物には化学的に安定な白金層が接触し、対象物に導電層が直接接触することを防ぐことができる。すると、導電層によって生体等が影響を受けることを防ぐことができるから、導電層の素材に種々の材料を使用することができる。
第5発明の線状デバイスは、第1,2,3または4発明において、前記複数の層が、導電性を有する素材によって形成された複数の導電層と、複数の導電層の間に設けられた絶縁層とを備えていることを特徴とする。
第5発明によれば、線状の部材の他端において、導電層間に電圧をかければ、線状の部材の一端おいて、導電層間に電位差が生じる。このため、線状の部材の他端を、人体等の対象物に挿入したり埋設したりすれば、その部位に電気的な刺激を与えたり、一端部近傍の物質の抵抗値等を測定することができる。しかも、部材が線状、つまり細長いものであり、対象物中に部材を挿入などしたときに、線状の部材が占有するスペースを少なくすることができるから、人体等に挿入埋設するセンサ等に使用した場合、人等が違和感や痛みを感じることを防ぐことができる。
第6発明の線状デバイスは、第1,2,3,4または5発明において、前記複数の層のうち、一の層の素材が超弾性合金であることを特徴とする。
第6発明によれば、トルク伝達性が高くなるので、線状の部材を生体等に挿入するときに、部材が変形したり折れ曲がったりして破損することを防ぐことができる。よって、線状の部材を所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される生体等に損傷を与えることを防ぐことができる。
第7発明の線状デバイスは、第1,2,3,4または5発明において、前記複数の層のうち、一の層の素材が超弾性樹脂であることを特徴とする。
第7発明によれば、トルク伝達性が高くなるので、線状の部材を生体等に挿入するときに、部材が変形したり折れ曲がったりして破損することを防ぐことができる。よって、線状の部材を所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される生体等に損傷を与えることを防ぐことができる。
第8発明の線状デバイスは、第1,2,3,4,5,6または7発明において、前記該複数の層のうち、一の層の素材が形状記憶材料であることを特徴とする。
第8発明によれば、一の層の素材が形状記憶材料であるから、所定の温度になると所定の形状に変形させることができる。このため、例えば線状の部材の素材として、措置される部分と同等の温度において所定の形状となるような材料を使用すれば、部材が措置された場所において、所定の形状に変形させることができ、しかも、その形状に確実に保つことができる。よって、部材の先端を対象物の所定の位置に配置させることもできるから、対象物に対して電気的な刺激を正確な位置に与えたり、所定の位置の物質の抵抗値等を正確に測定することができる。
第9発明の線状デバイスは、第1,2,3,4,5,6,7または8発明において、前記線状の部材の幅が、1〜200μmであることを特徴とする。
第9発明によれば、線状の部材が非常に細いので、部材が措置された部分の周囲の組織や物質に対して部材が与える影響を小さくすることができるし、生体内に措置した場合であっても人が違和感や痛みを感じることを防ぐことができる。
第10発明の線状デバイスは、第1,2,3,4,5,6,7,8または9発明において、前記線状の部材が、その中心に、その軸方向に沿って配置された中心軸部を備えており、該中心軸部が、前記基層であることを特徴とする。
第10発明によれば、線状の部材の中心に中心軸部が形成されているので、線状の部材の強度を高くすることができる。よって、線状の部材を措置するときに部材が変形したり破損したりすることを防ぐことができるから、線状の部材を所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される生体等に損傷を与えることを防ぐことができる。また、中心軸部を中心として、半径方向に沿って同心円状の層、つまりが軸対象な層が形成されるから、線状の部材の中心軸回りの回転角度が変わっても、線状の部材と対象物との接触状態を同じにすることができる。このため、線状の部材の中心軸回りの回転角度に係わらず、正確な位置に電気的な刺激を加えることができるし、正確な位置の抵抗値等を測定することができ、しかも、複数回刺激や測定を行う場合において測定等の再現性を高くすることができる。
第11発明の線状デバイスは、第1,2,3,4,5,6,7,8,9または10発明において、前記線状の部材の一端部において、前記複数の導電層のうち、一の導電層の表面に、所定の物質と反応して反応物質を形成する検知物質が設けられていることを特徴とする。
第11発明によれば、検知物質が設けられた一の導電層と他の導電層の間に電圧を印加したときに、線状の部材の一端が措置された部分近傍に所定の物質が存在すれば、その物質と検知物質とが反応して反応物質が生成されたり、反応物質の生成に伴って酸素等が減少したりする。すると、反応物質の生成量や生成速度、酸素等の減少量やその減少速度に応じて、一の導電層と他の導電層の間を流れる電流量や電位差が変化する。このため、一の導電層と他の導電層との間に電流量や電位差の変化を測定すれば、所定の物質の存在の有無やその量・濃度を検出することができる。
第12発明の線状デバイスは、第1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11発明において、前記線状の部材の一端部の側面に、該線状の部材の軸方向に沿って、その一端から導電部と絶縁部とが交互に配置された作用領域が設けられており、該作用領域の導電部および絶縁部が、それぞれ前記導電層の外面および前記絶縁層の外面から構成されていることを特徴とする。
第12発明によれば、導電部および絶縁部を部材の側面に形成しているから、導電層や絶縁層の厚さに関係なく、所望の幅の導電部および絶縁部を形成することができる。つまり、導電部および絶縁部の幅を、導電層や絶縁層の厚さに比べて広くしたり狭くしたり自在に調整することができるから、使用目的に最適な作用領域を形成することができる。
第13発明の線状デバイスは、第12発明において、前記線状の部材の一端に、その端面を覆うように、先端保護部材が設けられており、該先端保護部材の素材が、絶縁材料であることを特徴とする。
第13発明によれば、線状の部材の先端部が保護部材によって覆われているので、対象物に挿入する場合に先端部が破損することを防ぐことができる。とくに、先端保護部材の先端を略円錐状等、つまり、先端に向けて細くなるような形状に形成しておけば、対象物に挿入するときの抵抗を少なくできるし、対象物や線状の部材が傷つくことを防ぐことができる。また、絶縁性の素材で形成されているから、線状の部材の導電層に電流を流したときに、線状の部材の先端部に電流が流れることを防ぐことができる。言い換えれば、線状の部材の先端部を介して電圧を加えた導電層間に電流が流れることを防ぐことができる。このため、線状の部材の先端の形状が、例えば製作誤差や製造ロットの違いによりばらついたとしても、各線状の部材の感度や精度がばらつくことを防ぐことができる。
図2は、(A)は処理領域10が形成されていない線状デバイス1Aの概略側面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図である。
図3は、他の実施形態の線状デバイス1Bの概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)は処理領域10の拡大図である。
図4は、本実施形態の線状デバイス1の中心軸部2となる棒状素材100の外周面に層を形成する装置の概略説明図である。
図5は、棒状素材100をその軸まわりに回転させる他の機構の説明図であって、(A)は一本の中心軸部2を回転させる機構であり、(B)は(A)のB−B線矢視図であり、(C)は複数本の棒状素材100を回転させる機構である。
図6は、複数本の棒状素材100を保持する保持ユニット60を使用して、棒状素材100の外周面に層を形成する装置の概略説明図である。
図7は、(A)は図6のVI−VI線矢視図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図であり、(C)は棒状素材100をその軸まわりに回転させる他の機構の説明図である。
図8は、他の実施形態の線状デバイス1Cの概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図であり、(C)は(A)のC−C線断面図である。
図1は本実施形態の線状デバイス1の概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)は処理領域10の拡大図である。図2は(A)は処理領域10が形成されていない線状デバイス1Aの概略側面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図である。図1および図2に示すように、本実施形態の線状デバイス1は、軸方向(図1では左右方向)に沿って延びた線状、つまり細長い部材であって、絶縁性の素材と導電性の素材からなる複数の層が形成されたものであり、特許請求の範囲にいう線状の部材である。
図2(B)において、符号2は、線状デバイス1の軸方向に沿って延びた棒状の部材である中心軸部を示している。この中心軸部2は、その素材が導電性素材であり、その断面が円形に形成されたものである。
この中心軸部2の外周面には、中心軸部2から外層、つまり中心軸部2の半径方向に沿って複数の薄い層が設けられている。この複数の薄い層は、絶縁性素材の絶縁層4A〜4Dと導電性を有する素材の導電層3B〜3Dとから構成されており、絶縁層4A〜4Dと導電層3B〜3Dとが交互に重なり合うように形成されている。つまり、中心軸部2と導電層3Bの間、および隣接する導電層3B〜3Dの間が絶縁層4A〜4Dによって電気的に絶縁されるように、複数の層が形成されているのである。
なお、導電層3B〜3Dおよび絶縁層4A〜4Dは、蒸着法やスパッタリング法等の薄膜法等によって形成されるが、これらの方法に限られず、どのような方法を用いてもよい。とくに、導電層3の素材として白金を使用する場合には、白金の層を形成する前に、下地として他物質の層を形成してからその層の表面に白金からなる導電層3を形成すれば、白金の定着性を向上させることができる。
このため、線状デバイス1の他端において、中心軸部2と導電層3Bの間または隣接する導電層3B〜3Dの間(以下、両方を合わせて導電層間という)に電圧を加えれば、線状デバイス1の一端おいて、導電層間に電位差が生じる。図2のごとき線状デバイス1Aであれば、その軸方向の端面(例えば、図2(A)では右端の端面)における中心軸部2や導電層3B〜3Dに電極を接続して電極間に電圧を加えれば、その軸方向の他の端面(例えば、図2(A)では左端の端面、以下一端面という)において、一端面に露出している導電層間に電位差が生じる。すると、線状デバイス1の一端を、人体等の生体等の対象物に挿入したり埋設したりすれば、一端面近傍の物質、例えば人体等の生体であれば神経や組織等に電気的な刺激を与えることができるし、線状デバイス1の他端において、導電層間に流れる電流値を測定すれば、一端部近傍の物質の抵抗値等を測定することもできる。
しかも、本実施形態の線状デバイス1の直径Dは、1〜200μmであり、従来から使用される電極やグルコースセンサ等に比べて非常に細くすることができるから、線状デバイス1を措置したときに周囲の組織や物質に与える影響を小さくすることができる。例えば、対象物内に線状デバイス1を埋設したときには線状デバイス1が占有するスペースを少なくすることができるし、人体等の生体内に突き刺して挿入した場合には損傷する細胞などを少なくすることができる。よって、線状デバイス1を措置した対象物の損傷を少なくすることができ、人体等の生体に措置しても違和感や痛みを抑えることができる。
そして、対象物において、実際に電気的な刺激が加えられる部分や電流が流れる領域(以下、接触領域という)は、中心軸部2や導電層3が線状デバイス1表面に露出している面積と絶縁層4の厚さによって決定されるが、本実施形態の線状デバイス1は、直径Dが非常に細く、各導電層3B〜3Dおよび各絶縁層4A〜4Dが薄い層であるから、接触領域は非常に小さくなる
このため、非常に微細な領域にのみ電気的な刺激を加えたり、非常に局所の抵抗値等を測定できるから、電気的な刺激が目的とする部位以外に加わることによる悪影響が発生することを防ぐことができるし、測定精度を高めることができる。
例えば、本実施形態の線状デバイス1を生体の脳内に挿入すれば、脳内の微小領域に存在する特定の細胞や神経を電気刺激することができるので、その刺激による生体の反応等を確認することによって、脳内の各器官の詳細な機能を解明することができる。
また、特定の神経や筋肉等にのみ刺激を与えれば、他の神経や組織等に影響を与えることなく、特定の神経の成長の誘導や制御、筋肉の動作の回復等が可能となる。
具体的には、本実施形態の線状デバイス1を用いれば、せき髄損傷等により一部の神経が断線した場合、他の正常な神経を刺激することなく、断線した神経に電気刺激を加えることができるので、患者に苦痛等与えることなく、断線した神経の機能低下を抑制することができる。そして、電気刺激を与えておけば、神経細胞の成長が促進されるから、断線した神経の再生を促進させることができる。
同様に、脳波の異常時(発作時)等において、脳内の特定領域のみを刺激することにより脳波の異常を鎮静化・制御することができるし、視覚細胞や視覚神経を電気刺激すれば、視覚機能(視力)の回復・向上も可能であるし、不整脈・心不全・心臓停止等の心臓異常時において心臓の特定神経および筋肉を刺激することにより正常動作に回復させることもできる。そして、血管内に挿入してやれば、電気刺激による血栓の分解にも使用できる。
さらに、本実施形態の線状デバイス1を、電気的な信号に変換された情報を各感覚器官の神経に伝達する刺激デバイス等として使用することができる。例えば、目や耳等の生体の感覚器官を人工的に再生する場合には、音や画像等を捉える、例えばCCDカメラやマイク等で得られた情報を刺激デバイスを介して生体の神経に、その神経を損傷することなく正確に伝達する必要がある。つまり、センサが捉え電気的な信号に変換された情報を、各感覚器官の神経に対して、その神経を損傷することなく正確に伝達する必要がある。かかる刺激デバイスとして本実施形態の線状デバイス1を使用すれば、刺激を加える領域を非常に微細な領域とすることができるから、信号が伝達される神経をほとんど損傷することなく、特定の神経に正確に信号を伝達することができる。
また、線状デバイス1の一端面において、導電層3B〜3Dの露出している表面に、所定の物質と反応して反応物質を生成する検知物質を設けておけば、所定の物質の存在の有無やその量・濃度を検出することができる。
例えば、検知物質としてグルコースオキシダーゼを導電層3Bに付着させておけば、線状デバイス1の一端部の近傍にグルコースが存在すれば、そのグルコースとグルコースオキシダーゼが反応してグルコースの量に応じて過酸化水素が発生する。この状態で中心軸部2と導電層3Bとの間に電圧を印加すれば、導電層3Bにおいて過酸化水素が還元されるため、過酸化水素の量に応じて中心軸部2と導電層3Bとの間に流れる電流量が変化する。つまり、線状デバイス1の一端部の近傍に存在するグルコースの量に応じて、中心軸部2と導電層3Bとの間に流れる電流量が変化するから、グルコースの存在の有無やその量・濃度を検出することができるのである。
なお、検知物質は、例えば、上述したようなグルコースオキシダーゼなどの酵素に限られず、抗原、抗体、ポリペプチド、レセプター、アクセプター、核酸、糖、細胞、微生物、透過選択性膜、非特異吸着防止膜、キレート剤、クラウンエーテル、シクロデキストリン等などでもよく、特に限定はない。
さらになお、中心軸部2と導電層3B〜3Dとの間で検出される物理量は電流に限られず、中心軸部2と導電層3B〜3Dとの間の電位差の変化を検出してもよく、検知物質やその反応物質に応じて最適なものを選択すればよい。
さらになお、導電層3B〜3D毎に付着させる検知物質を変えれば、複数の物質を同時に測定することも可能である。
さらになお、導電層3B〜3Dの表面に、電圧が印加されると所定の波長の光を発する材料、例えばポリシランやカルバゾール誘導体、金属錯体等のエレクトロルミネッセンス材料(以下、EL材料という)を被覆してもよい。この場合、導電層間に電圧を加えれば、線状デバイス1の一端おいて、EL材料から所定の波長の光が発せられるので、その光によって一端部近傍の物質、例えば人体等の生体であれば神経や組織等に光学的な刺激を与えることができる。そして、ポリシラン等近紫外や紫外の波長を有する光を発するEL材料を使用した場合、癌細胞や腫瘍等、生体に悪影響を与える細胞に紫外光を照射して細胞を死滅させることができる。とくに、EL材料とともに酸化チタン等の光触媒材料を導電層3に被覆しておけば、効果的に癌細胞等を死滅させることができる。そして、EL材料が赤外発光材料の場合には、光学的な刺激に加えて対象物を加熱することもできる。
さらになお、中心軸部2と導電層3Bの間、または隣接する導電層3B〜3Dの間を連結するように、例えばチタン−ニッケル合金や白金、炭化珪素、炭素等の電気抵抗発熱体を被覆してもよい。この場合、導電層間に電圧を加えれば、電気抵抗発熱体が発熱するので、一端部近傍の物質に熱的な刺激を与えることができ、癌細胞等を、その周辺の細胞等に影響を与えることなく、加熱によって死滅させることができる。
なお、本実施形態の線状デバイス1の導電層3B〜3Dの表面に、薬理活性物質(薬剤)を、電気的、熱的、または光学的な操作を行うことにより遊離するように付着すれば、癌細胞等の特定微小領域に電極を挿入し、薬剤をピンポイント投与することも可能である。例えば、ポリメタクリル酸はpHが3付近の酸性の時は収縮しているが、pHが6になると広がる性質を持っている。このポリメタクリル酸の膜によって薬剤を包み込み導電層3B〜3Dの表面に付着させておけば、導電層間に電流を流して電解塩基を発生させて導電層3B〜3D近傍のpHを6に変えたときに、ポリメタクリル酸の膜を広げることができる。すると、膜内に包み込まれていた薬剤を遊離させることができるから、導電層間に電流を流すタイミングを調整すれば、所望のタイミングや位置で薬剤を投与することができる。
そして、本実施形態の線状デバイス1はその中心軸部2を中心として、半径方向に沿って同心円状に層が形成されている、つまり各層が軸対象に形成されている。このため、線状デバイス1を回転させながら対象物に挿入する場合であっても、線状デバイス1の接触領域と対象物との接触状態が、線状デバイス1の中心軸回りの回転角度の影響を受けることを防ぐことができるから、電気的な刺激を加えたり抵抗値等を測定したりする位置の正確性を高めることができる。また、中心軸部2を中心として、半径方向に沿って同心円状の層、つまり軸対象な層が形成されるから、線状デバイス1の中心軸回りの回転角度が変わっても、線状デバイス1と対象物との接触状態を同じにすることができる。このため、線状デバイス1の中心軸回りの回転角度に係わらず、正確な位置に電気的な刺激を加えることができるし、正確な位置の抵抗値等を測定することができ、しかも、複数回刺激や測定を行う場合において測定等の再現性を高くすることができる。
図2に示すように、線状デバイス1は、その中心に中心軸部2を有しているので、その強度を高くすることができる。このため、線状デバイス1を対象物に突き刺したりするときに、線状デバイス1に対して軸方向の力が加わっても座屈したり折れたりすることを防ぐことができる。
よって、線状デバイス1を対象物に突き刺して挿入する場合であっても、線状デバイス1の先端を所望の位置に確実に配置することができる
とくに、中心軸部2の素材として、超弾性合金を使用すれば、そのトルク伝達性が高くなるので、線状デバイス1を中心軸周りに回転させながら対象物に突き刺せば、対象物の表面が固い場合であっても線状デバイス1が折れ曲がったりして破損することを防ぐことができ、確実に線状デバイス1を生体等に挿入することができる。
また、超弾性合金を使用した場合には、線状デバイス1の弾性が非常に高くなるから、対象物の変形などへの追従性が高くなる。このため、対象物に線状デバイス1を措置した状態で使用する場合において、措置された対象物が大きく曲がったり変形しても、対象物の変形によって線状デバイス1が破損する可能性を低くすることができる。
なお、中心軸部2の素材は導電性素材に限られず、絶縁性の素材を使用してもよい。この場合に、絶縁性の素材として超弾性樹脂を使用すれば、超弾性合金の場合と同様に、線状デバイス1の弾性が非常に高くなるから、対象物の変形などへの追従性が高くなる。このため、大きく曲がったり変形したりする対象物に使用しても、対象物の変形によって線状デバイス1が破損する可能性を低くすることができる。
さらになお、中心軸部2の素材として、光透過性を有するガラスや樹脂、例えば光ファイバ等を使用することもできる。この場合、中心軸部2に光を通せば線状デバイス1の先端から光を出射することができるから、線状デバイス1が措置された部分に光学的な刺激を与えたり、その部分の特性を光学的に検査することができる。
例えば、光ファイバ等によって形成された中心軸部2を通してレーザ光を対象物に照射することができるので、癌や弛緩板ヘルニア等の低侵襲レーザ治療に使用すれば、周囲の細胞等に影響を与えることなく所望の位置に確実にレーザを照射できるので好適である。そして、2本以上の線状デバイス1を使用し、一本から光を照射し、他の線状デバイス1によって生体からの反射光を捉えれば、反射光の強度等の変化によって局所的な温度や生体内圧力の変化も捉えることができる。
なお、中心軸部2として、生体内への光の照射と、その光の反射光を同時に捉えることができるものを使用すれば、一本の線状デバイス1であっても、局所的な温度や生体内圧力の変化を捉えることができる。
また、導電層3B〜3Dの表面に、EL材料を被覆しておけば、導電層間に電圧を印加することによって、EL材料から所定の波長の光を発生させることができる。すると、対象物中にEL材料が発した光によって励起して発光する蛍光物質等が存在すれば、中心軸部2でその光を検出することができるから、その物質の存在の有無や、量を把握することができる。
そして、対象物に線状デバイス1を挿入するときに、中心軸部2の他端からレーザ光を入光し一端面からそのレーザ光を放出すれば、レーザ光によって線状デバイス1が挿入される部分を焼いて穴を形成することができるから、その穴に線状デバイス1を挿入すれば、線状デバイス1をその軸周りに回転させなくても容易に線状デバイス1を対象物に挿入することができる。この場合、レーザによって焼かれて穴が形成された部分に線状デバイス1を挿入することになるから、線状デバイス1を挿入するときに対象物から線状デバイス1に対して力が加わらないので、線状デバイス1が破損することをより確実に防ぐことができる。
また、中心軸部2だけでなく、導電層3の素材として、超弾性合金を使用してもよく、この場合には、線状デバイス1を中心軸周りに回転させながら対象物に突き刺すときに、線状デバイス1が折れ曲がったりして破損することをより確実に防ぐことができ、確実に線状デバイス1を生体等に挿入することができる。
なお、導電層3に超弾性合金を使用し、中心軸部2には他の材料を使用してもよく、この場合にも、確実に線状デバイス1を生体等に挿入することができるという効果が得られる。
上述した中心軸部2や導電層3の素材として使用される超弾性合金は、例えば、チタン−ニッケル合金(Ti−Ni)や、インジウム−タリウム合金(In−Tl)、銅−亜鉛合金(Cu−Zn)、銅−亜鉛−X合金(Cu−Zn−X(Si,Sn,Al,Ga))、銅−アルミニウム−ニッケル合金(Cu−Al−Ni)、銅−金−亜鉛合金(Cu−Au−Zn)、銅−スズ合金(Cu−Sn)、ニッケル−アルミニウム合金(Ni−Al)、鉄−白金合金(Fe−Pt)、インジウム−カドミウム合金(In−Cd)、マンガン−銅合金(Mn−Cu)、銀−カドミウム合金(Ag−Cd)、金−カドミウム合金(Au−Cd)、鉄−パラジウム合金(Fe−Pd)、鉄−ニッケル−コバルト−チタン合金(Fe−Ni−Co−Ti)、鉄−ニッケル−炭素合金(Fe−Ni−C)、鉄−マンガン−珪素合金(Fe−Mn−Si)チタン−アルミニウム−スズ−ジルコニウム−モリブデン合金(Ti−Al−Sn−Zr−Mo)、チタン−アルミニウム−バナジウム合金(Ti−Al−V)、チタン−モリブデン−アルミニウム合金(Ti−Mo−Al)、チタン−ニオビウム合金(Ti−Nb)、チタン−ニオビウム−スズ合金(Ti−Nb−Sn)、チタン−バナジウム−鉄−アルミニウム合金(Ti−V−Fe−Al)等が好適である。
とくに、本実施形態の線状デバイス1が人体等の生体内に措置されるものであれば、生体に有害な銅、ニッケル、カドミウムを含まない合金が好適である。なお、チタン−ニッケル合金は、生体内において溶け出すニッケルの量は、骨折治療に使われるステンレスより少ないので、生体に使用することもできる。
なお、本実施形態の導電層3の素材は超弾性合金に限られず、Au(金)や、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、白金−イリジウム(Pt−Ir)合金等の合金、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、炭素(C)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン等でもよく、とくに限定はない。
さらに、絶縁層4の素材として、超弾性樹脂を使用すれば、超弾性樹脂はその弾性が非常に高いので、線状デバイス1を中心軸周りに回転させながら対象物に突き刺すときに、線状デバイス1が折れ曲がったりして破損することをより確実に防ぐことができ、確実に線状デバイス1を生体等に挿入することができる。
なお、絶縁層4に超弾性樹脂を使用し、中心軸部2や導電層3に超弾性合金以外の材料を使用してもよく、この場合にも、線状デバイス1を生体等に挿入することができるという効果が得られる。
この絶縁層4の素材として使用される超弾性樹脂は、例えば、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエチレン+ナイロン、ポリエチレン+ペルプレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリシロキサン、ケイ素樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、ペルプレン、ポリエチレン+ポリ塩化ビニル、ポリエチレン+フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリシラン等が好適である。
なお、本実施形態の線状デバイス1が生体内に措置されるものであれば、絶縁層4の素材として使用される超弾性樹脂は、生体が拒絶反応を起こしにくい、言い換えれば生体適合性を有するフッ素樹脂、ポリシロキサン等が好適である。
さらになお、本実施形態の絶縁層4の素材は超弾性樹脂に限られず、PET、ポリフェニレンジアミン、ポリウレタン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン、ガラス(SiO2)、ポリプロピレン、ポリチオフェン、ポリエステル、ポリエチレン、尿素樹脂、ポリシラン、ポリアニリン、金属酸化物等でもよく、とくに限定はない。
さらになお、導電層3の素材として使用される上記のごとき超弾性合金には、半導体として使用されるものもある。このため、導電層3の素材として導電性の非常に高い素材を使用すれば、半導体として使用可能な超弾性合金を絶縁層4の素材としても使用することができる。
また、上述した超弾性合金や超弾性樹脂として、所定の温度以上になると超弾性となる材料、いわゆる形状記憶材料を使用してもよい。この場合、線状デバイス1が措置される対象物の温度とほぼ同等の温度で所定の形状になる形状記憶材料を、中心軸部2や導電層3、絶縁層4の素材として使用しておけば、対象物内において、線状デバイス1の形状を確実に所定の形状に変形させることができる。
このため、線状デバイス1を対象物に挿入するまで、例えば保管搬送するときは取り扱いのしやすい形状にしておいても、対象物に挿入するときには所定の形状、例えば真っ直ぐに伸びた状態で挿入することができ、しかも対象物内ではその形状に保つことができるから、線状デバイス1の挿入が容易になる。そして、挿入しているときに、線状デバイス1が折れ曲がったりして破損することを防ぐことができる。よって、線状デバイス1を所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される対象物に損傷を与えることを防ぐことができる。また、対象物内において、線状デバイス1は、常に、所定の形状に保たれるから、線状デバイス1の先端部の位置がずれたりすることを防ぐことができる。
また、線状デバイス1の軸方向の位置によって、形状記憶材料の変形温度を変化させてもよい。例えば、線状デバイス1の先端部のみ対象物の温度より高温で所定の形状となるもの使用し、その先端部に上述したような電気抵抗発熱体を設けておけば、導電層3に通電することによって、線状デバイス1の先端部だけを電気抵抗発熱体によって加熱することができるから、先端部のみを所望の形状に変形させることもできる。すると、線状デバイス1の先端部が、所定の温度において螺旋状になったり屈曲したりするようにしておけば、通電時、つまり線状デバイス1によって刺激を加えたりしているときに、線状デバイス1が対象物から抜けたり移動したりすることをより確実に防ぐことができる。
また、図1に示すように、線状デバイス1の一端部に処理領域10を形成すれば、より局所的かつ精密に電気刺激を与えたり、一端部近傍の物質をより正確に検出することができる。
処理領域10は、線状デバイス1の外周面に先端がその軸方向に沿って導電部13A〜13Dと絶縁部14A〜14Dが交互に形成されたものである。
この処理領域10の導電部13A〜13Dは前記中心軸部2および導電層3A〜3Dの外周面によって形成されており、絶縁部14A〜14Dは前記絶縁層4A〜4Dの外面によって形成されている。つまり、処理領域10は、中心軸部2の外周面に形成されている複数の層の外面を露出させることによって形成されているのである。
すると、導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dは線状デバイス1の一端部の側面に形成しているから、導電層3A〜3Dの厚さや絶縁層4A〜4Dの厚さに関係なく、所望の幅、つまり所望の露出面積の導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dを形成することができる。
よって、導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dの幅を、導電層3A〜3Dの厚さや絶縁層4A〜4Dの厚さに比べて広くしたり狭くしたり自在に調整することができるから、線状デバイス1の使用目的に応じて、最適な作用領域10を形成することができる。
なお、この処理領域10の各導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dは、例えば、図2の線状デバイス1Aの一端部の導電層3A〜3Dや絶縁層4A〜4Dをフォトリソエッチング法などによって除去して形成したり、また、最初から導電部13A〜13Dや絶縁部14A〜14Dが形成される部分に、導電部13A〜13D等を構成する導電層3A〜3D等よりも外方の層、つまり表面側の層の材料が付着しないようにマスクしておく等の方法によって形成されたものであるが、処理領域10を形成する方法はとくに上記のごとき方法に限定されず、どのような方法を用いてもよい。
また、処理領域10を形成した場合には、線状デバイス1の一端、つまり対象物に挿入するときに先端となる部分に、先端保護部材11を設けておけば、対象物に挿入する場合に線状デバイス1の一端が破損し、処理領域10が破損することを防ぐことができる。
とくに、先端保護部材11の先端を略円錐状等、つまり、先端に向けて細くなるような形状に形成しておけば、対象物に挿入する場合に、挿入するときの抵抗を少なくでき、挿入時の抵抗による対象物および線状デバイス1の損傷を少なくすることができる。
そして、先端保護部材11として、絶縁性素材によって形成されたものを使用すれば、導電層3に電流を流したときに電流密度が高くなる線状デバイス1の一端、つまり線状デバイス1の先端に電流が流れることを防ぐことができる。すると、線状デバイス1の先端の形状が、例えば製作誤差や製造ロットの違いによりばらついたとしても、各線状デバイス1の感度や精度がばらつくことを防ぐことができる。
なお、図1に示すように、線状デバイス1の他端部に処理領域10と実質同様の構成を有する連結領域20を形成してもよい。この場合、連結領域20の電源接続部23A〜23Dや絶縁部24A〜24Dの面積を、導電層3A〜3Dの厚さや絶縁層4A〜4Dの厚さに比べて広くすることができるので、線状デバイス1の導電層3A〜3Dに、電源等の電極を容易に接続することができるし、連結領域20における導電層間の短絡が発生することを確実に防ぐことができるので、好適である。
なお、上述した線状デバイス1は、その中心軸部2として断面形状が円形のものを示したが、中心軸部2の断面形状は円形に限られず、例えば四角形や三角形等、どのような形状でもよく、特に限定はない。
さらになお、線状デバイス1は、図3に示すように、中心軸部2をに代えて、基層となる細長い板2Bの表面に、導電層3と絶縁層4を積層したものでもよい。
さらになお、図8に示すように、線状デバイス1Cは、基層となる中心軸部2の表面に、導電層3と絶縁層4を一層ずつ備えたものでもよい。この線状デバイス1は、中心軸部2の外周面に導電層3が形成されており、この導電層3を覆うように絶縁層4が形成されている。そして、先端部には導電層3が露出した接触部TFが設けられている。このため、本願の線状デバイス1Cを2本併設し、2本の線状デバイスの導電層3間に電圧を加えれば、両者の間の物質に応じて接触部TF間に電流を流すことができ、電気的な刺激を与えることができる。そして、両者の間の物質に応じて2本の線状デバイス1Cの接触部TF間に流れる電流値が変化するので、その電流値から2本の線状デバイス1Cの接触部TF間に存在する物質の種類、量等を検出することができる。
また、線状デバイス1Cは、その先端部が、基端から先端に向ってその軸径が細くなるように尖っている。このため、生体等に挿入するときの抵抗を少なくすることができるし、接触部TFの面積が小さくなるので、局所に電気的刺激を加えることができ、微細な領域に存在する物質を検出計測することができる。接触部TFの面積を調整すれば、導電層3と対象物との接触の面積を調整することができるから、電気的刺激を与える領域や、測定領域を調整することができる。
さらに、図8に示すように、接触部TFの表面に、化学的に安定な白金からなる白金層PTを形成すれば、生体等の測定対象に導電層3が直接接触することを防ぐことができる。すると、導電層3によって生体等が影響を受けることを防ぐことができるから、導電層3の素材に種々の材料を使用することができる。
なお、接触部TFの表面に形成する層は白金に限られず、金やチタン等の生体等に影響を与えない安定した物質であればよく、特に限定はない。
さらになお、白金PTによって導電層3を形成してもよいが、この場合には、下地として中心軸部2の表面に他物質の層を形成してからその層の表面に白金からなる導電層3を形成すれば、白金の定着性を向上させることができる。
また、本実施形態の線状デバイス1が人体等の生体内に措置されるものであれば、先端部と処理領域10を除いて、線状デバイス1が生体と接触する全ての領域を、生体が拒絶反応を示さない、フッ素樹脂、ポリウレタン、ポリシロキサン、ケイ素樹脂、リン脂質類似ポリマー等の薄膜で被覆することが好適である。すると、線状デバイス1が生体等と直接接触することがないので、線状デバイス1を生体に措置したときに生体が拒絶反応を示すことを防ぐことができる。
そして、薄膜を、その厚さが1ミクロン以下となるように形成したり多孔質構造に形成すれば、先端部や処理領域10も薄膜等で被覆することも可能である。この場合、薄膜は絶縁層としては機能しないのに対して、電導部の絶縁等の障害となるタンパク質等が線状デバイス1の表面に付着することを抑制する機能性膜として働くので、好適である。
つぎに、本実施形態の線状デバイス1の製造方法について説明する。
図4は本実施形態の線状デバイス1の中心軸部2となる棒状素材100の外周面に層を形成する装置の概略説明図である。図5は棒状素材100をその軸まわりに回転させる他の機構の説明図であって、(A)は一本の棒状素材100を回転させる機構であり、(B)は(A)のB−B線矢視図であり、(C)は複数本の棒状素材100を回転させる機構である。
図4において符号SPは、スパッタリングを行うスパッタリング装置の真空室を示しており、符号Tはターゲットを示している。また、符号TBは、中心軸部2が載せられるテーブルを示している。
なお、図示しないが、真空室SPには、その内部を真空にするための真空ポンプ等が接続されている。
図4および図5において、符号100は、本実施形態の線状デバイス1の中心軸部2となる棒状素材を示している。棒状素材100の一端は、例えば、3つの爪を有する公知のチャック等である把持部材52によって把持されている。この把持部材52には、その後端に、把持部材52が棒状素材100を把持したときに棒状素材100と同軸になる回転軸52aが設けられている。そしてこの回転軸52aは、減速機等を介して図示しないモータに連結されている。また、この棒状素材100の他端は前記テーブルTB上に設けられた軸受51によって、回転自在に保持されている。
このため、図示しないモータを駆動させれば、回転軸52aを介して把持部材52が回転軸52aまわりに回転するから、把持部材52とともに棒状素材100を、その軸まわりに回転させることができる。
よって、棒状素材100をその軸まわりに回転させながらターゲットTからターゲット素材を照射すれば、棒状素材100の外周面に順次ターゲット素材を付着させることができる。しかも、棒状素材100の外周面は、順次ターゲットT側に配置されることになるから、棒状素材100の外周面に切れ目や境界のないターゲット素材の層を形成することができる。
そして、所望の厚さの層が形成されれば、ターゲットTを交換するだけで異なる素材をその層の表面に付着させることができる。つまり、ターゲットTを交換するだけで、棒状素材100の外周面に複数の層を形成することができるから、本実施形態の線状デバイス1を形成することができる。
なお、棒状素材100を回転させる構成は上記の構成に限られず、どのような構成としてもよい。
例えば、図5(A),(B)のごとき構成としてもよい。図5(A),(B)において、符号53は,互いに平行な回転軸を有する一対のローラ53,53を示している。この一対のローラ53,53は、その外周面間の間隔Dが棒状素材100の軸径よりも狭くなるように配設されている。このため、一対のローラ53,53の間に形成される隙間Aに棒状素材100の一端を配置して、一対のローラ53,53を同じ方向に回転させれば、棒状素材100を、ローラ53と逆方向に回転させることができる。この場合には、軸受51は、一対のローラ53,53の間に形成される隙間Aに棒状素材100の一端を配置した状態で棒状素材100の他端を保持すると、棒状素材100の軸がローラ53の回転軸と平行となる位置に配設されるのはいうまでもないが、棒状素材100がその軸方向に移動しないように保持する機構を備えていれば好適である。
さらになお、図5(C)に示すように、前記ローラ53を複数設けた場合には、複数本の棒状素材100を同時に処理することができるから、作業能率を向上させることができる。
また、図6および図7に示すように、複数本の棒状素材100を、素材保持具60によって保持した状態で、その表面に層を形成するようにしてもよい。
図6および図7において、符号61および符号62は、複数本の棒状素材100を端部を保持する、素材保持具60の軸支持部を示している。
一方の軸支持部61は、棒状素材100の一端をその軸回りに回転自在かつその軸方向には移動しないように支持するものである。
他方の軸支持部62は、棒状素材100の他端を回転自在に支持するものである。この軸保持部62は、棒状素材100を、その他端を軸保持部62よりも外方に突出させた状態で支持するが、その理由は後述する。
この一対の軸支持部61,62の間には、一対の連結部材63,63が設けられており、棒状素材100を取り付けた状態において一対の軸支持部61,62の間が離間しないように連結されている。
図6に示すように、テーブルTBには、前記素材保持具60の一対の軸支持部61,62を支持する支持部材Ta,Tbが設けられている。
そして、軸保持部62から突出している棒状素材100端部が配置される位置の下方には、エンドレスベルトを備えたコンベア機構65が設けられている。このコンベア機構65は、素材保持具60の一対の軸支持部61,62を一対の支持部材Ta,Tbに取り付けたときにおいて、そのエンドレスベルトの上面が、棒状素材100の端部の下面に接触するように配設されている。
このため、素材保持具60の一対の軸支持部61,62を一対の支持部材Ta,Tbに取り付けた状態でコンベア機構65を駆動すれば、エンドレスベルトの移動方向と逆方向に棒状素材100を回転させることができる(図7)。よって、棒状素材100を回転させながらターゲットTからターゲット素材を照射すれば、棒状素材100の外周面に順次ターゲット素材を付着させることができる。
しかも、複数の棒状素材100を素材保持具60に取り付けた状態で棒状素材100を取り扱うことができるから、棒状素材100の取り扱いが容易になり、破損や紛失を防ぐことができる。
なお、棒状素材100の端部を回転させる方法は上記のごときコンベア機構に限られず、どのような方法を使用してもよい。例えば、図7(C)に示すように、棒状素材100の端部の上面に接触する板状の部材66を設け、この板状の部材66を左右に往復移動させて棒状素材100を時計回り・反時計回りに交互に回転させるような機構でもよい(図7(C))。
つぎに、本発明の線状デバイス1の一例を、より具体的に説明する。
中心軸部2には直径0.08mm以下の超弾性合金(Ni−Ti合金)を用い、スパッタリング法による白金の導電層3の形成と、電着塗装法によるポリイミドの絶縁層4の形成を交互に3回繰り返す。すると、導電層3および絶縁層4がそれぞれ3層交互に積層された同心電線状の線状デバイス1が形成される。
この同心電線状の線状デバイス1の一端部を、クロロホルムと王水に所望の範囲だけ交互に浸漬すると、ポリイミドの絶縁層4はクロロホルムによって溶解され、また白金の導電層3は王水によって溶解されるので、線状デバイス1の一端部に、3ヶ所の導電部13を有する処理領域10が形成される。
そして、処理領域10が形成された線状デバイス1において、1ヶ所の導電部13に対して電解メッキ法により銀メッキを行い、続いて塩酸溶液中で電解酸化することにより塩化銀膜を被覆させて参照電極を形成した。
また、他の導電部13に対して、ピロール誘導体、グルコースオキシダーゼ(GOD)および過塩素酸リチウムを含むリン酸緩衝溶液(pH7.4)中に浸し、十分脱気したのち氷温下、1.2V(vs.Ag/AgCl)で定電位電解重合することにより測定電極を形成した。
そして、残りの一カ所の導電部13には何も処理を行わず、対極とした。
また、線状デバイス1の一端の端面には、シリコンゴムによって先端保護部材11を形成し、線状デバイス1全体をポリウレタンで被覆した。
このようにして製造された線状デバイス1の一端部を、ラットの両肩胛骨の間に埋め込み、測定電極、参照電極および対極を構成する導電層3の他端部を、それぞれ電気化学アナライザーに接続し、測定電極に1.2V(vs.Ag/AgCl)を印加した。すると、ラットの体内のグルコース濃度に対応した電流が検出された。
グルコース濃度を測定することができる。
また、従来例2のグルコースセンサは、棒状の白金イリジウム合金電極の外周にテフロン管によって形成された絶縁層と、この絶縁層の外周に銀線を巻きつけて形成された銀線電極とを備えたものである。この従来例2のグルコースセンサも、白金イリジウム合金電極の表面にタンパク質を吸着させ、そのタンパク質吸着表面に、架橋剤であるグルタルアルデヒドを用いてグルコースオキシダーゼを結合させたものであり、従来例1のグルコースセンサと同様に、生体組織や血液中のグルコース濃度を測定することができる。
しかるに、従来例1のグルコースセンサはその直径が約0.8mmであり、従来例2のグルコースセンサでも少なくとも0.35mmの直径を有している。このため、グルコースセンサを生体に突き刺したときに破壊される細胞等が多くなるし、人体に設置したままにすると、措置された部位に違和感や痛みを感じるという問題がある。
かといって、グルコースセンサの直径を細くすれば、破壊される細胞を少なくでき、違和感や痛みも少なくできるが、グルコースセンサ自体の強度が低下するので、生体に挿入できなかったり、生体内に挿入するときの抵抗でセンサが折れ曲がったりして、所望の位置に措置できない可能性がある。そして、生体内で折れ曲がった場合には、センサがショートや断線して機能を失ったり、生体の損傷が大きくなることによって人に大きな痛みを与える可能性がある。
また、グルコースセンサの直径が大きく、酸化チタン電極も大きいので、微少な領域のグルコースの量の検査、例えば脳内等の局部のグルコース量の変化の測定等には使用できないという問題がある。
【発明の開示】
本発明はかかる事情に鑑み、小型化することができ、対象物の所望の位置に挿入することができ、対象物の損傷を防ぐことができる線状デバイスを提供することを目的とする。
第1発明の線状デバイスは、軸方向に沿って延びた線状の部材からなる基層を有し、該基層の側面に、該基層から外層に向かって、導電性を有する素材からなる導電層と絶縁性を有する素材からなる絶縁層とを交互に配設して形成された複数の層を備えた線状デバイスであって、該線状デバイスにおける軸方向の一端部に、該線状デバイスの軸方向に沿って交互に配置された導電部と絶縁部とを備
えた処理領域が設けられており、該処理領域の導電部および絶縁部が、それぞれ前記導電層の側面および前記絶縁層の側面から構成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、一対の導電層間に電圧を加えれば、その一対の導電層から形成される一対の導電部間に導電層間に電位差が生じる。このため、線状デバイスの処理領域を、人体等の対象物に挿入したり埋設したりすれば一対の導電部間の物質に電流を流すことができ、電気的な刺激を与えることができる。また、両者の間の物質に応じて一対の導電部間に流れる電流値が変化するので、その電流値から一対の導電部間に存在する物質の種類、量等を検出することができる。しかも、線状デバイスは細長いものであり、対象物中に線状デバイスを挿入などしたときに、線状デバイスが占有するスペースを少なくすることができるから、人体等に挿入埋設するセンサ等に使用した場合、人等が違和感や痛みを感じることを防ぐことができる。さらに、導電部および絶縁部を線状デバイスの側面に形成しているから、導電層や絶縁層の厚さに関係なく、所望の幅の導電部および絶縁部を形成することができる。つまり、導電部および絶縁部の幅を、導電層や絶縁層の厚さに比べて広くしたり狭くしたり自在に調整することができるから、使用目的に最適な処理領域を形成することができる。そして、線状デバイスの中心に、その軸方向に沿って中心軸部を基層として設ければ、線状デバイスの強度を高くすることができる。よって、線状デバイスを措置するときに線状デバイスが変形したり破損したりすることを防ぐことができるから、線状デバイスを所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される生体等に損傷を与えることを防ぐことができる。とくに、中心軸部を円筒状とし、その半径方向に沿って同心円状の層、つまりが軸対象な層を形成すれば、線状デバイスの中心軸回りの回転角度が変わっても、線状デバイスと対象物との接触状態を同じにすることができる。このため、線状デバイスの中心軸回りの回転角度に係わらず、正確な位置に電気的な刺激を加えることができるし、正確な位置の抵抗値等を測定することができ、しかも、複数回刺激や測定を行う場合において測定等の再現性を高くすることができる。
第2発明の線状デバイスは、軸方向に沿って延びた線状の部材からなる基層を有し、該基層の側面に、該基層から外層に向かって、導電性を有する素材からなる導電層と絶縁性を有する素材からなる絶縁層とを交互に配設して形成された複数の層を備えた線状デバイスであって、該線状デバイスにおける軸方向の一端面に、前記導電層における軸方向の端面からなる導電部と前記絶縁層における軸方向の端面からなる絶縁部とが交互に形成されており、前記導電層および前記絶縁層が、該線状デバイスの外径が1〜200μmとなるように、薄膜法によって形成された層であることを特徴とする。
第2発明によれば、一対の導電層間に電圧を加えれば、その一対の導電層から形成される一対の導電部間に導電層間に電位差が生じる。このため、線状デバイスを、人体等の対象物に挿入したり埋設したりすれば一対の導電部間の物質に電流を流すことができ、電気的な刺激を与えることができる。また、両者の間の物質に応じて一対の導電部間に流れる電流値が変化するので、その電流値から一対の導電部間に存在する物質の種類、量等を検出することができる。しかも、線状デバイスは細長いものであり、導電層および絶縁層が薄膜法によって形成されその外径が1〜200μmとなっている。よって、線状デバイスが非常に細く対象物中に線状デバイスを挿入などしたときに線状デバイスが占有するスペースを少なくすることができるから、部材が措置された部分の周囲の組織や物質に対して部材が与える影響を小さくすることができるし、生体内に措置した場合であっても人が違和感や痛みを感じることを防ぐことができる。また、線状デバイスの中心に、その軸方向に沿って中心軸部を基層として設ければ、線状デバイスの強度を高くすることができる。よって、線状デバイスを措置するときに線状デバイスが変形したり破損したりすることを防ぐことができるから、線状デバイスを所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される生体等に損傷を与えることを防ぐことができる。とくに、中心軸部を円筒状とし、その半径方向に沿って同心円状の層、つまりが軸対象な層を形成すれば、線状デバイスの中心軸回りの回転角度が変わっても、線状デバイスと対象物との接触状態を同じにすることができる。このため、線状デバイスの中心軸回りの回転角度に係わらず、正確な位置に電気的な刺激を加えることができるし、正確な位置の抵抗値等を測定することができ、しかも、複数回刺激や測定を行う場合において測定等の再現性を高くすることができる。
第3発明の線状デバイスは、第1発明において、前記線状デバイスの一端に、その端面を覆うように、先端保護部材が設けられており、該先端保護部材の素材が、絶縁材料であることを特徴とする。
第3発明によれば、線状デバイスの先端部が保護部材によって覆われているので、対象物に挿入する場合に先端部が破損することを防ぐことができる。とくに、先端保護部材の先端を略円錐状等、つまり、先端に向けて細くなるような形状に形成しておけば、対象物に挿入するときの抵抗を少なくできるし、対象物や線状デバイスが傷つくことを防ぐことができる。また、絶縁性の素材で形成されているから、線状デバイスの導電層に電流を流したときに、線状デバイスの先端部に電流が流れることを防ぐことができる。言い換えれば、線状デバイスの先端部を介して電圧を加えた導電層間に電流が流れることを防ぐことができる。このため、線状デバイスの先端の形状が、例えば製作誤差や製造ロットの違いによりばらついたとしても、各線状デバイスの感度や精度がばらつくことを防ぐことができる。
第4発明の線状デバイスは、第1または第2発明において、前記導電部の表面に、白金層が形成されていることを特徴とする。
第4発明によれば、生体等の対象物には化学的に安定な白金層が接触し、対象物に導電層が直接接触することを防ぐことができる。すると、導電層によって生体等が影響を受けることを防ぐことができるから、導電層の素材に種々の材料を使用することができる。
第6発明の線状デバイスは、第1または第2発明において、前記複数の層のうち、一の層の素材が超弾性合金であることを特徴とする。
第6発明によれば、トルク伝達性が高くなるので、線状デバイスを生体等に挿入するときに、部材が変形したり折れ曲がったりして破損することを防ぐことができる。よって、線状デバイスを所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される生体等に損傷を与えることを防ぐことができる。
第7発明の線状デバイスは、第1または第2発明において、前記複数の層のうち、一の層の素材が超弾性樹脂であることを特徴とする。
第7発明によれば、トルク伝達性が高くなるので、線状デバイスを生体等に挿入するときに、部材が変形したり折れ曲がったりして破損することを防ぐことができる。よって、線状デバイスを所望の位置に確実に措置することができ、しかも、措置される生体等に損傷を与えることを防ぐことができる。
第8発明の線状デバイスは、第1または第2発明において、前記該複数の層のうち、一の層の素材が形状記憶材料であることを特徴とする。
第8発明によれば、一の層の素材が形状記憶材料であるから、所定の温度になると所定の形状に変形させることができる。このため、例えば線状デバイスの素材として、措置される部分と同等の温度において所定の形状となるような材料を使用すれば、部材が措置された場所において、所定の形状に変形させることができ、しかも、その形状に確実に保つことができる。よって、部材の先端を対象物の所定の位置に配置させることもできるから、対象物に対して電気的な刺激を正確な位置に与えたり、所定の位置における物質の抵抗値等を正確に測定することができる。
第11発明の線状デバイスは、第1または第2発明において、前記複数の導電部のうち、一の導電部の表面に、所定の物質と反応して反応物質を形成する検知物質が設けられていることを特徴とする。
第11発明によれば、検知物質が設けられた一の導電部と他の導電部の間に電圧を印加したときに、線状デバイスの一端が措置された部分近傍に所定の物質が存在すれば、その物質と検知物質とが反応して反応物質が生成されたり、反応物質の生成に伴って酸素等が減少したりする。すると、反応物質の生成量や生成速度、酸素等の減少量やその減少速度に応じて、一の導電部と他の導電部の間を流れる電流量や電位差が変化する。このため、一の導電部と他の導電部との間に電流量や電位差の変化を測定すれば、所定の物質の存在の有無やその量・濃度を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本実施形態の線状デバイス1の概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)は処理領域10の拡大図である。
図2は、(A)は処理領域10が形成されていない線状デバイス1Aの概略側面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図である。
図3は、他の実施形態の線状デバイス1Bの概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)は処理領域10の拡大図である。
図4は、本実施形態の線状デバイス1の中心軸部2となる棒状素材100の外周面に層を形成する装置の概略説明図である。
図5は、棒状素材100をその軸まわりに回転させる他の機構の説明図であって、(A)は一本の中心軸部2を回転させる機構であり、(B)は(A)のB−B線矢視図であり、(C)は複数本の棒状素材100を回転させる機構である。
図6は、複数本の棒状素材100を保持する保持ユニット60を使用して、棒状素材100の外周面に層を形成する装置の概略説明図である。
図7は、(A)は図6のVI−VI線矢視図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図であり、(C)は棒状素材100をその軸まわりに回転させる他の機構の説明図である。
図8は、他の実施形態の線状デバイス1Cの概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)は(A)のB−B線断面図であり、(C)は(A)のC−C線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の線状デバイス1の概略説明図であって、(A)は側面図であり、(B)は処理領域10の拡大図である。図2は(A)は処理領域10が形成されていない線状デバイス1Aの概略側面図であり、(B)は(A)のB−B線矢視図である。図1および図2に示すように、本実施形態の線状デバイス1は、軸方向(図1では左右方向)に沿って延びた線状、つまり細長い部材であって、絶縁性の素材と導電性の素材からなる複数の層が形成されたものであり、特許請求の範囲にいう線状デバイスである。
図2(B)において、符号2は、線状デバイス1の軸方向に沿って延びた棒状の部材である中心軸部を示している。この中心軸部2は、その素材が導電性素材であり、その断面が円形に形成されたものである。
この中心軸部2の外周面には、中心軸部2から外層、つまり中心軸部2の半径方向に沿って複数の薄い層が設けられている。この複数の薄い層は、絶縁性素材の絶縁層4A〜4Dと導電性を有する素材の導電層3B〜3Dとから構成されて
の外周面によって形成されており、絶縁部14A〜14Dは前記絶縁層4A〜4Dの外面によって形成されている。つまり、処理領域10は、中心軸部2の外周面に形成されている複数の層の外面を露出させることによって形成されているのである。
すると、導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dは線状デバイス1の一端部の側面に形成しているから、導電層3A〜3Dの厚さや絶縁層4A〜4Dの厚さに関係なく、所望の幅、つまり所望の露出面積の導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dを形成することができる。
よって、導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dの幅を、導電層3A〜3Dの厚さや絶縁層4A〜4Dの厚さに比べて広くしたり狭くしたり自在に調整することができるから、線状デバイス1の使用目的に応じて、最適な処理領域10を形成することができる。
なお、この処理領域10の各導電部13A〜13Dおよび絶縁部14A〜14Dは、例えば、図2の線状デバイス1Aの一端部の導電層3A〜3Dや絶縁層4A〜4Dをフォトリソエッチング法などによって除去して形成したり、また、最初から導電部13A〜13Dや絶縁部14A〜14Dが形成される部分に、導電部13A〜13D等を構成する導電層3A〜3D等よりも外方の層、つまり表面側の層の材料が付着しないようにマスクしておく等の方法によって形成されたものであるが、処理領域10を形成する方法はとくに上記のごとき方法に限定されず、どのような方法を用いてもよい。
また、処理領域10を形成した場合には、線状デバイス1の一端、つまり対象物に挿入するときに先端となる部分に、先端保護部材11を設けておけば、対象物に挿入する場合に線状デバイス1の一端が破損し、処理領域10が破損することを防ぐことができる。
とくに、先端保護部材11の先端を略円錐状等、つまり、先端に向けて細くなるような形状に形成しておけば、対象物に挿入する場合に、挿入するときの抵抗を少なくでき、挿入時の抵抗による対象物および線状デバイス1の損傷を少なくすることができる。
そして、先端保護部材11として、絶縁性素材によって形成されたものを使用すれば、導電層3に電流を流したときに電流密度が高くなる線状デバイス1の一端、つまり線状デバイス1の先端に電流が流れることを防ぐことができる。すると、線
Claims (13)
- 軸方向に沿って延びた、基層から外層に向かって複数の層が形成された線状の部材であって、前記複数の層が、導電層と絶縁層とを備えていることを特徴とする線状デバイス。
- 前記線状の部材の先端が尖っていることを特徴とする請求項1記載の線状デバイス。
- 前記導電層が、基層の側面に形成されており、前記絶縁層が、前記導電層の表面を覆うように形成されており、前記線状の部材の先端部に、前記導電層が露出した接触部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の線状デバイス。
- 前記接触部の表面に、白金層が形成されていることを特徴とする請求項3記載の線状デバイス。
- 前記複数の層が、導電性を有する素材によって形成された複数の導電層と、複数の導電層の間に設けられた絶縁層とを備えていることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の線状デバイス。
- 前記複数の層のうち、一の層の素材が超弾性合金であることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の線状デバイス。
- 前記複数の層のうち、一の層の素材が超弾性樹脂であることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載の線状デバイス。
- 前記該複数の層のうち、一の層の素材が形状記憶材料であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記載の線状デバイス。
- 前記線状の部材の幅が、1〜200μmであることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7または8記載の線状デバイス。
- 前記線状の部材が、その中心に、その軸方向に沿って配置された中心軸部を備えており、該中心軸部が、前記基層であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の線状デバイス。
- 前記線状の部材の一端部において、前記複数の導電層のうち、一の導電層の表面に、所定の物質と反応して反応物質を形成する検知物質が設けられていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10記載の線状デバイス。
- 前記線状の部材の一端部の側面に、該線状の部材の軸方向に沿って、その一端から導電部と絶縁部とが交互に配置された作用領域が設けられており、該作用領域の導電部および絶縁部が、それぞれ前記導電層の外面および前記絶縁層の外面から構成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11記載の線状デバイス。
- 前記線状の部材の一端に、その端面を覆うように、先端保護部材が設けられており、該先端保護部材の素材が、絶縁材料であることを特徴とする請求項12記載の線状デバイス。
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