JPWO2004064508A1 - 釣竿群 - Google Patents

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Abstract

本発明は、長さの異なる釣竿を持ち替えた際の釣竿の操作性の違和感を回避できる一連の釣竿群を提供するものである。この釣竿群は、全長2700mm,3000mm,3300mm,3600mmの4本の釣竿を含む釣竿群である。この4本の釣竿の中の少なくとも3本の釣竿の全長と釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。

Description

本発明は、長さの異なる複数の釣竿から構成される釣竿群、特に、ヘラ鮒釣りに用いられるヘラ竿群に関する。
ヘラ鮒釣りにあっては、天然竹若しくは繊維強化樹脂等の素材からなるヘラ竿が用いられる。一般にヘラ竿は、複数の竿体を並継形式若しくは印籠継ぎ形式で連結して一本の長い釣竿となっている。そして、一本の長い釣竿とされた複数の竿体において、手元側端部にグリップ,穂先側端部に釣糸係止部が設けられる。
このようなヘラ竿においては、釣り場の情況や狙うヘラ鮒に合わせて異なる長さのヘラ竿を用いるため、釣人は異なる長さの複数のヘラ竿を所持してヘラ竿群として利用することが多い。そこで、9尺(2700mm)〜12尺(3600mm)程度の範囲において、1尺毎に長さの異なる複数のヘラ竿が用意され、これらをまとめて1つのシリーズとして製造販売されることも多い。
ところで、ヘラ竿において最も釣人に重視される点の1つに「竿の調子」と呼ばれるものがある。釣竿の特性のみで仕掛けを狙ったポイントに振り込み、リールを用いず魚を釣り上げるヘラ竿においては、竿の重さ・曲がり・撓みの程度等の種々の要素の総合的な特性が重要視されるのである。
しかし、上述のように複数の長さの異なるヘラ竿を用意し、長さの異なるヘラ竿を持ち替えながら釣りをおこなっていると、ヘラ竿毎に「竿の調子」が異なり、竿操作を上手くなしえなくなる場合がある。例えば、従前10尺のヘラ竿で釣りをおこなっていたところ、8尺のヘラ竿に持ち替えると、その重さ・長さ等の変化により、従前のヘラ竿と同様の竿操作では狙ったポイントに仕掛けを入れがたく、仕掛けに係った魚を上手く合わせ難い等の事態が生じる。
そこで、一連のヘラ竿群において、各ヘラ竿の重量及び重量バランスを統一することが提案されている(例えば、日本国:特開2002−058393号公報参照)。ヘラ竿群の重量バランスを統一することで、ヘラ竿を持ち替えた際の上述のような問題を解消するというのである。
確かに、釣竿の重量のバランスが釣竿の操作性を左右する要素の1つとなっているものと考えられる。しかし、重量バランスのみで釣竿の操作性が向上するものではなく、重量バランスのみをもって上記問題点は完全に解消されてはいない。釣竿自体の長さ・素材の弾性・重さなど様々な要因が複合的に作用して、いわゆる「竿の調子」というものが演出されていると考えられる。そこで、さらに、釣竿の持ち替え時の違和感を回避するための技術・手法が研究されている。
本発明の課題は、長さの異なる釣竿を持ち替えた際の釣竿の操作性の違和感を回避できる一連の釣竿群を提供することにある。
本発明者等は、上記問題点に鑑み鋭利研究を重ねた結果、いわゆる「竿の調子」を釣竿の共振振動数から制御するのが有効であることを見いだした。本発明は係る知見に基づくものである。
即ち、本発明に係る釣竿群は、全長2700mm,3000mm,3300mm,3600mmの4本の釣竿を少なくとも含む釣竿群である。この4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。また、この4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。さらに、この4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。
このように釣竿の全長毎にその第1次〜第3次の共振振動数を統一的に設定することで、「竿の調子」を統一化できる。
なお、ここでいう「9尺(2700mm)」〜「12尺(3600mm)」とは、製造上乃至慣習上一定の幅をもって設定される概念である。よって、この「9尺」が実際には2670mm〜2790mm程度の長さとなる場合もある。「10尺」〜「12尺」についても同様に、製造上乃至慣習上一定の幅をもって設定される。
また、ここでいう「第1次〜第3次の共振振動数」とは、以下のような方法で測定された釣竿の振動数である。まず、釣竿の竿元側端部から80mmの範囲を挟持体で挟持して固定し、釣竿を水平方向に維持する。この挟持体を介して加振器から釣竿に振動を加える(釣竿の振動数)。この加振器における加速度を加速度センサーで検知して入力加速度(A)とする。一方、釣竿の竿元側端部より180mmの位置における加速度を加速度センサーで検知して出力加速度(B)とする(図5参照)。そして、このB/Aの比を釣竿の振動数に対してプロットし、このB/Aの比がピークとなった状態(共振振動状態)の振動数を、釣竿の振動数の小さい方から順に第1次,第2次,第3次の共振振動数とした。このB/Aの比を釣竿の振動数に対してプロットしたグラフの一例を以下に示す(このグラフは一例であって、本件発明における特定の数値を基礎付けるものではない)。
Figure 2004064508
また、本発明の別の釣竿群は、全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群である。そして、この複数の釣竿の全長と釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。また、この複数の釣竿の全長と釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。さらに、この複数の釣竿の全長と釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。
なお、釣竿の全長が2700〜3600mmの範囲中に於ける釣竿の全長と共振振動数との関係を直線化するのは、以下のような趣旨である。
即ち、周知の釣竿において釣竿の全長と共振振動数との関係を調べると、定型的には、表2に示すような反比例関係になる(なお、この表2は一例であって、本件発明における特定の数値を基礎付けるものではない)。この場合、釣竿の素材や径,肉厚等の種々の要因によって多少の相違はあるものの、釣竿の全長が2700〜3600mm程度の範囲で、釣竿の全長と共振振動数との関係は大きく曲線化している。そして、それ以上の全長若しくはそれ以下の全長においては、釣竿の全長と共振振動数との関係はほぼ直線化する。このような両者の関係の曲線化が「竿の調子」に大きな影響を与えているものと考えられるからである。
また、通常用いられるヘラ竿では、この釣竿の全長が2700〜3600mm程度の範囲が一般的に利用される程度が大きい領域であり、長さの異なる釣竿を持ち替えた際の釣竿の操作性の違和感を釣人が覚える領域だからである。
Figure 2004064508
図1:ヘラ竿群を示した図である。
図2:ヘラ竿群を構成する1つのヘラ竿を示した図である。
図3:図2のヘラ竿の中竿2の拡大図である。
図4:図3の中竿2の製造工程を示した図である。
図5:本発明に係る共振振動数の測定状態を示した図である。
図6:有限要素モデルにおける参考図である。
図7:リンクモデルにおける参考図である。
以下、本発明の1つの実施形態を採用したヘラ竿群について説明する。
(ヘラ竿群について)
このヘラ竿群は、全長の異なる複数のヘラ竿の集合体である。ヘラ竿群を構成するヘラ竿の本数自体は任意であるが、例えば、8尺〜14尺程度の範囲で、1尺毎に長さを変化させたヘラ竿を複数本用意してグループ化されている。図1に示すように、少なくとも、9尺(2700mm)のヘラ竿A,10尺(3000mm)のヘラ竿B,11尺(3300mm)のヘラ竿C,12尺(3600mm)のヘラ竿Dの長さを有する4本のヘラ竿は含まれるようにして、ヘラ竿群を構成する。
(ヘラ竿の構造)
上述のヘラ竿群を構成する個々のヘラ竿について説明する。
これらの各ヘラ竿は、複数の竿体を連結して一本の釣竿となっている。ヘラ竿の全長によって異なるが、例えば、3〜5本程度の竿体を連結して釣竿が構成される。手元側に位置する竿体ほど太径である。また、各竿体はそれぞれ先細りテーパの施された筒状体である。
例えば、9尺のヘラ竿Aは、図2に示すように、手元側から順に、元竿1、中竿2、穂先竿3の3本の竿体から構成される。これらの竿体は炭素繊維若しくはガラス繊維などの強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグ素材を焼成して形成されている。後に詳しく説明するように、部分的に高比重プリプレグも積層される。これらの竿体は、それぞれ外観を天然竹に似せて塗装されており、例えば、竹の節や枝跡などを立体的に塗装してもよい(図3参照)。
各竿体は、いわゆる並継形式によって順次連結され、例えば、元竿1の穂先側端部に中竿2の竿元側端部が部分的に挿入され連結される。もっとも、この竿体同士の連結方法は並継形式に限定されるものではなく、周知の手法(例えば、振出形式,インロー継ぎ形式など)を適用することも当然に可能である。また、元竿1の竿元側端部にはウレタン樹脂等を含浸させた紐体を巻回して形成されるグリップ4が設けられ、穂先竿3の穂先側端部には釣糸係止具5が装着されている。なお、これら3本の竿体を順次連結した際のヘラ竿の全長は9尺(2700mm)となる。
次に、図3において、この9尺のヘラ竿Aを構成する竿体の構造を、中竿2を例に説明する。
中竿2は、本層11と、本層11の外周層として軸方向の一定の範囲において積層されている重量層12と、これら本層11と重量層12との周面に積層される塗料層13とを有する。
本層11は、プリプレグ素材を積層してなる層である。プリプレグ素材は同一のものを積層する場合や、異なる種類のものを積層する場合がある。例えば、炭素繊維が周方向乃至周方向から一定の角度をもった方向に配向されるようにしてエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ素材をテープ状に加工したものや、炭素繊維を軸方向に配向しエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ素材をシート状に加工したものなどが例示できる。
重量層12は、比重の大きな高比重プリプレグ素材から構成される。高比重プリプレグ素材とは、例えば、ガラススクリームにエポキシ樹脂を含浸させてさらにタングステンなどの金属粉末を混入したものである。そして、この高比重プリプレグは500〜600g/m、厚さ0.100〜0.150mm程度のものである。この高比重プリプレグ素材を、後述のように計算して得る所定の軸方向位置において、上述の本層11上に積層する。
塗料層13は、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の合成樹脂塗材を塗布して形成される。本層11と重量層12との段差はこの塗料層13によって解消される。また、図2に示すように、中竿2を天然竹のような外観を有するように、竹の節などを形成する場合には、プリプレグ素材を部分的に巻回して焼成し、若しくは部分的にエポキシ樹脂を厚塗りして、所定の形状に削って竹の節などを形成する。なお、他の竿体もその径等を異にするが同様の構造であり、その説明は省略する。
(ヘラ竿毎の関係について)
上述の4本のヘラ竿A〜Dは、これらのヘラ竿の全長とヘラ竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にあるように調整されている。例えば、9尺(2700mm)のヘラ竿Aの第1次の共振振動数を1.90Hz,10尺(3000mm)のヘラ竿Bの第1次の共振振動数を1.75Hz,11尺(3300mm)のヘラ竿Cの第1次の共振振動数を1.60Hz,12尺(3600mm)のヘラ竿Dの第1次の共振振動数を1.45Hzとなるように調整する。このように第1次の共振振動数を設定することで、以下の表3に示すように、ヘラ竿群を構成する各ヘラ竿の全長とその第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において直線化する。ここでは、4本の釣竿の中の4本全てにおいて、それぞれのヘラ竿の全長とこれらの第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において直線化するように設定しているが、4本の釣竿の中の任意に選択した3本において係る関係を維持しても良い。
Figure 2004064508
また、この実施形態では、4本の釣竿の全長を所定の長さに特定しているが、全長2700〜3600mmの範囲中の任意の長さの釣竿を適宜選択して製造し、製造した複数の釣竿間において(少なくとも、3本以上の全長の異なる釣竿において)、それぞれのヘラ竿の全長とこれらの第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において直線化するように設定してもよい。
それぞれのヘラ竿の第1次の共振振動数の設定調整は、具体的には、以下のようにしておこなう。例えば、9尺(2700mm)のヘラ竿Aで、元竿1〜穂先竿3を連結して一本のヘラ竿とした際の第1次の共振振動数が1.90Hzとなるようにする場合、まず、竿体上の重量バランスを計算する。即ち、予定する元竿1〜穂先竿3の径・長さ・プリプレグ素材・高比重プリプレグ素材の弾性・重さなどから、第1次の共振振動となる際の釣竿の振動数(共振振動数)が1.90Hzとなるような各竿体における重量分布をシミュレートし、上述の高比重プリプレグ素材を積層するべき軸方向範囲を個々の竿体毎に算出する。このような重量分布をシミュレートするには、有限要素法あるいはリンクモデル等の手法を用いることが出来る。
例えば、有限要素法による解析としては、図6に示すように、釣竿を節点で並進方向と回転方向との2つの自由度を有するN個の一次元のはり要素から構成される片持ちの弾性はりでモデル化する。各はり要素では要素内で一様断面であると仮定する。一端を固定端とし、他端を自由端としての境界条件のもとで共振振動数それに対応するモード形状を計算する。
また、リンクモデルによる解析としては、釣竿は使用中に大きな変形を起こすので大変形(幾何学的非線形性)に対応したマルチボディダイナミクスによるモデル化を行う。図7に示すように、ここでは、節点に回転バネを有するN個の剛体リンクからなるマルチボディを用いてモデル化する。リンクモデルを用いて釣竿をモデル化することにより、隣り合う剛体リンク同士の姿勢角に制限がなくなるので、どのような大変形でも記述することができる。拘束条件付きの釣竿の運動方程式は、式1として導出できる。
Figure 2004064508
次に、図4(a)に示すように、それぞれの竿体(元竿1〜穂先竿3の何れか)の径乃至テーパ変化にあわせて設けられているマンドレル100に必要なプリプレグ素材P1を巻回し(上述のように、テープ状のものやシート状のものを巻回できる)、上記算出した所定の軸方向範囲には高比重プリプレグ素材P2を巻回する(図4(b))。重量を十分に演出するために高比重プリプレグ素材P2を数プライ巻回してもよい。また、図4(b)では一枚の高比重プリプレグ素材P2のみをプリプレグ素材P1上に巻回しているが、軸方向に間隔を隔てて2以上の高比重プリプレグ素材P2を巻回してもよい。
さらに、周面にエポキシ樹脂を塗布して、元竿1〜穂先竿3に相当する竿素材をそれぞれ作成し、これらを炉内において焼成する。焼成後、周面を研磨加工し、両端を切断して所定の軸方向長さとして、各竿体を製造し、ヘラ竿Aとする。また、同様にしてヘラ竿B〜ヘラ竿Dも製造する。
このようにヘラ竿群を構成する各ヘラ竿の全長とその第1次の共振振動数との関係を、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において直線化させると、情況にあわせてヘラ竿群内でヘラ竿を持ち替えても、違和感が無くなる。例えば、情況に応じて、ヘラ竿Aから全長の長いヘラ竿Dに持ち替えて、振り込みやあわせ等の釣り操作をおこなっても、ヘラ竿を把持して操作する感覚が変化することなく、釣り操作を行える。
なお、この実施形態では、第1次の共振振動数を統一化した場合を例示しているが、第2次、第3次の共振振動数を統一化したヘラ竿群においても、同様にヘラ竿の持ち替えに伴う違和感を抑えられる。
また、この実施形態では、竿体の重量バランスを調整するにあたって、高比重プリプレグ素材を部分的に積層する手法を例示しているが、これに限定されるものではなく、竿体に付属する部品(例えば、釣糸ガイドを装着するような釣竿にあっては、この釣糸ガイドなど)を用いて、重量バランスを図ることも可能である。
さらに、この実施形態では、竿体の重量バランスに着目として釣竿群を構成するそれぞれの釣竿の共振振動数の統一化を図っているが、釣竿を構成する竿体の軸方向における径の変化率(テーパ),竿体を構成する繊維強化樹脂の引張弾性率,竿体の軸方向における肉厚変化,などの観点から、共振振動数を制御することも考えられる。
以上のように、本発明に係る釣竿群によれば、異なる釣竿を持ち替えた際の釣竿の操作性の違和感を回避できる。
【書類名】 明細書
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全長2700mm, 3000mm, 3300mm, 3600mmの4本の釣竿を含む釣竿群であって、
前記4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
【請求項2】
全長2700mm, 3000mm, 3300mm, 3600mmの4本の釣竿を含む釣竿群であって、
前記4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
【請求項3】
全長2700mm, 3000mm, 3300mm, 3600mmの4本の釣竿を含む釣竿群であって、
前記4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
【請求項4】
全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群であって、
前記複数の釣竿の全長と釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
【請求項5】
全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群であって、
前記複数の釣竿の全長と釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
【請求項6】
全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群であって、
前記複数の釣竿の全長と釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長さの異なる複数の釣竿から構成される釣竿群、特に、ヘラ鮒釣りに用いられるヘラ竿群に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘラ鮒釣りにあっては、天然竹若しくは繊維強化樹脂等の素材からなるヘラ竿が用いられる。一般にヘラ竿は、複数の竿体を並継形式若しくは印籠継ぎ形式で連結して一本の長い釣竿となっている。そして、一本の長い釣竿とされた複数の竿体において、手元側端部にグリップ,穂先側端部に釣糸係止部が設けられる。
【0003】
このようなヘラ竿においては、釣り場の情況や狙うヘラ鮒に合わせて異なる長さのヘラ竿を用いるため、釣人は異なる長さの複数のヘラ竿を所持してヘラ竿群として利用することが多い。そこで、9尺(2700mm)〜12尺(3600mm)程度の範囲において、1尺毎に長さの異なる複数のヘラ竿が用意され、これらをまとめて1つのシリーズとして製造販売されることも多い。
【0004】
ところで、ヘラ竿において最も釣人に重視される点の1つに「竿の調子」と呼ばれるものがある。釣竿の特性のみで仕掛けを狙ったポイントに振り込み、リールを用いず魚を釣り上げるヘラ竿においては、竿の重さ・曲がり・撓みの程度等の種々の要素の総合的な特性が重要視されるのである。
【0005】
しかし、上述のように複数の長さの異なるヘラ竿を用意し、長さの異なるヘラ竿を持ち替えながら釣りをおこなっていると、ヘラ竿毎に「竿の調子」が異なり、竿操作を上手くなしえなくなる場合がある。例えば、従前10尺のヘラ竿で釣りをおこなっていたところ、8尺のヘラ竿に持ち替えると、その重さ・長さ等の変化により、従前のヘラ竿と同様の竿操作では狙ったポイントに仕掛けを入れがたく、仕掛けに係った魚を上手く合わせ難い等の事態が生じる。
【0006】
そこで、一連のヘラ竿群において、各ヘラ竿の重量及び重量バランスを統一することが提案されている(特許文献1参照)。ヘラ竿群の重量バランスを統一することで、ヘラ竿を持ち替えた際の上述のような問題を解消するというのである。
【0007】
【特許文献1】特開2002−058393号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、釣竿の重量のバランスが釣竿の操作性を左右する要素の1つとなっているものと考えられる。しかし、重量バランスのみで釣竿の操作性が向上するものではなく、重量バランスのみをもって上記問題点は完全に解消されてはいない。釣竿自体の長さ・素材の弾性・重さなど様々な要因が複合的に作用して、いわゆる「竿の調子」というものが演出されていると考えられる。そこで、さらに、釣竿の持ち替え時の違和感を回避するための技術・手法が研究されている。
【0009】
本発明の課題は、長さの異なる釣竿を持ち替えた際の釣竿の操作性の違和感を回避できる一連の釣竿群を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点に鑑み鋭利研究を重ねた結果、いわゆる「竿の調子」を釣竿の共振振動数から制御するのが有効であることを見いだした。本発明は係る知見に基づくものである。
【0011】
即ち、本発明に係る釣竿群は、全長2700mm, 3000mm, 3300mm, 3600mmの4本の釣竿を少なくとも含む釣竿群である。この4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。また、この4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。さらに、この4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。
【0012】
このように釣竿の全長毎にその第1次〜第3次の共振振動数を統一的に設定することで、「竿の調子」を統一化できる。
【0013】
なお、ここでいう「9尺(2700mm)」〜「12尺(3600mm)」とは、製造上乃至慣習上一定の幅をもって設定される概念である。よって、この「9尺」が実際には2670mm〜2790mm程度の長さとなる場合もある。「10尺」〜「12尺」についても同様に、製造上乃至慣習上一定の幅をもって設定される。
【0014】
また、ここでいう「第1次〜第3次の共振振動数」とは、以下のような方法で測定された釣竿の振動数である。まず、釣竿の竿元側端部から80mmの範囲を挟持体で挟持して固定し、釣竿を水平方向に維持する。この挟持体を介して加振器から釣竿に振動を加える(釣竿の振動数)。この加振器における加速度を加速度センサーで検知して入力加速度(A)とする。一方、釣竿の竿元側端部より180mmの位置における加速度を加速度センサーで検知して出力加速度(B)とする(図5参照)。そして、このB/Aの比を釣竿の振動数に対してプロットし、このB/Aの比がピークとなった状態(共振振動状態)の振動数を、釣竿の振動数の小さい方から順に第1次,第2次,第3次の共振振動数とした。このB/Aの比を釣竿の振動数に対してプロットしたグラフの一例を以下に示す(このグラフは一例であって、本件発明における特定の数値を基礎付けるものではない)。
【0015】
【表1】
Figure 2004064508
【0016】
また、本発明の別の釣竿群は、全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群である。そして、この複数の釣竿の全長と釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。また、この複数の釣竿の全長と釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。さらに、この複数の釣竿の全長と釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にある。
【0017】
なお、釣竿の全長が2700〜3600mmの範囲中に於ける釣竿の全長と共振振動数との関係を直線化するのは、以下のような趣旨である。
【0018】
即ち、周知の釣竿において釣竿の全長と共振振動数との関係を調べると、定型的には、表2に示すような反比例関係になる(なお、この表2は一例であって、本件発明における特定の数値を基礎付けるものではない)。この場合、釣竿の素材や径,肉厚等の種々の要因によって多少の相違はあるものの、釣竿の全長が2700〜3600mm程度の範囲で、釣竿の全長と共振振動数との関係は大きく曲線化している。そして、それ以上の全長若しくはそれ以下の全長においては、釣竿の全長と共振振動数との関係はほぼ直線化する。このような両者の関係の曲線化が「竿の調子」に大きな影響を与えているものと考えられるからである。
【0019】
また、通常用いられるヘラ竿では、この釣竿の全長が2700〜3600mm程度の範囲が一般的に利用される程度が大きい領域であり、長さの異なる釣竿を持ち替えた際の釣竿の操作性の違和感を釣人が覚える領域だからである。
【0020】
【表2】
Figure 2004064508
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1つの実施形態を採用したヘラ竿群について説明する。
【0022】
(ヘラ竿群について)
このヘラ竿群は、全長の異なる複数のヘラ竿の集合体である。ヘラ竿群を構成するヘラ竿の本数自体は任意であるが、例えば、8尺〜14尺程度の範囲で、1尺毎に長さを変化させたヘラ竿を複数本用意してグループ化されている。図1に示すように、少なくとも、9尺(2700mm)のヘラ竿A,10尺(3000mm)のヘラ竿B,11尺(3300mm)のヘラ竿C,12尺(3600mm)のヘラ竿Dの長さを有する4本のヘラ竿は含まれるようにして、ヘラ竿群を構成する。
【0023】
(ヘラ竿の構造)
上述のヘラ竿群を構成する個々のヘラ竿について説明する。
【0024】
これらの各ヘラ竿は、複数の竿体を連結して一本の釣竿となっている。ヘラ竿の全長によって異なるが、例えば、3〜5本程度の竿体を連結して釣竿が構成される。手元側に位置する竿体ほど太径である。また、各竿体はそれぞれ先細りテーパの施された筒状体である。
【0025】
例えば、9尺のヘラ竿Aは、図2に示すように、手元側から順に、元竿1、中竿2、穂先竿3の3本の竿体から構成される。これらの竿体は炭素繊維若しくはガラス繊維などの強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグ素材を焼成して形成されている。後に詳しく説明するように、部分的に高比重プリプレグも積層される。これらの竿体は、それぞれ外観を天然竹に似せて塗装されており、例えば、竹の節や枝跡などを立体的に塗装してもよい(図3参照)。
【0026】
各竿体は、いわゆる並継形式によって順次連結され、例えば、元竿1の穂先側端部に中竿2の竿元側端部が部分的に挿入され連結される。もっとも、この竿体同士の連結方法は並継形式に限定されるものではなく、周知の手法(例えば、振出形式,インロー継ぎ形式など)を適用することも当然に可能である。また、元竿1の竿元側端部にはウレタン樹脂等を含浸させた紐体を巻回して形成されるグリップ4が設けられ、穂先竿3の穂先側端部には釣糸係止具5が装着されている。なお、これら3本の竿体を順次連結した際のヘラ竿の全長は9尺(2700mm)となる。
【0027】
次に、図3において、この9尺のヘラ竿Aを構成する竿体の構造を、中竿2を例に説明する。
【0028】
中竿2は、本層11と、本層11の外周層として軸方向の一定の範囲において積層されている重量層12と、これら本層11と重量層12との周面に積層される塗料層13とを有する。
【0029】
本層11は、プリプレグ素材を積層してなる層である。プリプレグ素材は同一のものを積層する場合や、異なる種類のものを積層する場合がある。例えば、炭素繊維が周方向乃至周方向から一定の角度をもった方向に配向されるようにしてエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ素材をテープ状に加工したものや、炭素繊維を軸方向に配向しエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグ素材をシート状に加工したものなどが例示できる。
【0030】
重量層12は、比重の大きな高比重プリプレグ素材から構成される。高比重プリプレグ素材とは、例えば、ガラススクリームにエポキシ樹脂を含浸させてさらにタングステンなどの金属粉末を混入したものである。そして、この高比重プリプレグは500〜600g/m2、厚さ0.100〜0.150mm程度のものである。この高比重プリプレグ素材を、後述のように計算して得る所定の軸方向位置において、上述の本層11上に積層する。
【0031】
塗料層13は、エポキシ樹脂やウレタン樹脂等の合成樹脂塗材を塗布して形成される。本層11と重量層12との段差はこの塗料層13によって解消される。また、図2に示すように、中竿2を天然竹のような外観を有するように、竹の節などを形成する場合には、プリプレグ素材を部分的に巻回して焼成し、若しくは部分的にエポキシ樹脂を厚塗りして、所定の形状に削って竹の節などを形成する。なお、他の竿体もその径等を異にするが同様の構造であり、その説明は省略する。
【0032】
(ヘラ竿毎の関係について)
上述の4本のヘラ竿A〜Dは、これらのヘラ竿の全長とヘラ竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において、直線化する関係にあるように調整されている。例えば、9尺(2700mm)のヘラ竿Aの第1次の共振振動数を1.90Hz,10尺(3000mm)のヘラ竿Bの第1次の共振振動数を1.75Hz,11尺(3300mm)のヘラ竿Cの第1次の共振振動数を1.60Hz,12尺(3600mm)のヘラ竿Dの第1次の共振振動数を1.45Hzとなるように調整する。このように第1次の共振振動数を設定することで、以下の表3に示すように、ヘラ竿群を構成する各ヘラ竿の全長とその第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において直線化する。ここでは、4本の釣竿の中の4本全てにおいて、それぞれのヘラ竿の全長とこれらの第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において直線化するように設定しているが、4本の釣竿の中の任意に選択した3本において係る関係を維持しても良い。
【0033】
【表3】
Figure 2004064508


【0034】
また、この実施形態では、4本の釣竿の全長を所定の長さに特定しているが、全長2700〜3600mmの範囲中の任意の長さの釣竿を適宜選択して製造し、製造した複数の釣竿間において(少なくとも、3本以上の全長の異なる釣竿において)、それぞれのヘラ竿の全長とこれらの第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において直線化するように設定してもよい。
【0035】
それぞれのヘラ竿の第1次の共振振動数の設定調整は、具体的には、以下のようにしておこなう。例えば、9尺(2700mm)のヘラ竿Aで、元竿1〜穂先竿3を連結して一本のヘラ竿とした際の第1次の共振振動数が1.90Hzとなるようにする場合、まず、竿体上の重量バランスを計算する。即ち、予定する元竿1〜穂先竿3の径・長さ・プリプレグ素材・高比重プリプレグ素材の弾性・重さなどから、第1次の共振振動となる際の釣竿の振動数(共振振動数)が1.90Hzとなるような各竿体における重量分布をシミュレートし、上述の高比重プリプレグ素材を積層するべき軸方向範囲を個々の竿体毎に算出する。このような重量分布をシミュレートするには、有限要素法あるいはリンクモデル等の手法を用いることが出来る。
【0036】
例えば、有限要素法による解析としては、図6に示すように、釣竿を節点で並進方向と回転方向との2つの自由度を有するN個の一次元のはり要素から構成される片持ちの弾性はりでモデル化する。各はり要素では要素内で一様断面であると仮定する。一端を固定端とし、他端を自由端としての境界条件のもとで共振振動数それに対応するモード形状を計算する。
【0037】
また、リンクモデルによる解析としては、釣竿は使用中に大きな変形を起こすので大変形(幾何学的非線形性)に対応したマルチボディダイナミクスによるモデル化を行う。図7に示すように、ここでは、節点に回転バネを有するN個の剛体リンクからなるマルチボディを用いてモデル化する。リンクモデルを用いて釣竿をモデル化することにより、隣り合う剛体リンク同士の姿勢角に制限がなくなるので、どのような大変形でも記述することができる。拘束条件付きの釣竿の運動方程式は、式1として導出できる。
【0038】
【式1】
Figure 2004064508
【0039】
次に、図4(a)に示すように、それぞれの竿体(元竿1〜穂先竿3の何れか)の径乃至テーパ変化にあわせて設けられているマンドレル100に必要なプリプレグ素材P1を巻回し(上述のように、テープ状のものやシート状のものを巻回できる)、上記算出した所定の軸方向範囲には高比重プリプレグ素材P2を巻回する(図4(b))。重量を十分に演出するために高比重プリプレグ素材P2を数プライ巻回してもよい。また、図4(b)では一枚の高比重プリプレグ素材P2のみをプリプレグ素材P1上に巻回しているが、軸方向に間隔を隔てて2以上の高比重プリプレグ素材P2を巻回してもよい。
【0040】
さらに、周面にエポキシ樹脂を塗布して、元竿1〜穂先竿3に相当する竿素材をそれぞれ作成し、これらを炉内において焼成する。焼成後、周面を研磨加工し、両端を切断して所定の軸方向長さとして、各竿体を製造し、ヘラ竿Aとする。また、同様にしてヘラ竿B〜ヘラ竿Dも製造する。
【0041】
このようにヘラ竿群を構成する各ヘラ竿の全長とその第1次の共振振動数との関係を、一方の軸を全長,他方の軸を共振振動数とした座標軸において直線化させると、情況にあわせてヘラ竿群内でヘラ竿を持ち替えても、違和感が無くなる。例えば、情況に応じて、ヘラ竿Aから全長の長いヘラ竿Dに持ち替えて、振り込みやあわせ等の釣り操作をおこなっても、ヘラ竿を把持して操作する感覚が変化することなく、釣り操作を行える。
【0042】
なお、この実施形態では、第1次の共振振動数を統一化した場合を例示しているが、第2次、第3次の共振振動数を統一化したヘラ竿群においても、同様にヘラ竿の持ち替えに伴う違和感を抑えられる。
【0043】
また、この実施形態では、竿体の重量バランスを調整するにあたって、高比重プリプレグ素材を部分的に積層する手法を例示しているが、これに限定されるものではなく、竿体に付属する部品(例えば、釣糸ガイドを装着するような釣竿にあっては、この釣糸ガイドなど)を用いて、重量バランスを図ることも可能である。
【0044】
さらに、この実施形態では、竿体の重量バランスに着目として釣竿群を構成するそれぞれの釣竿の共振振動数の統一化を図っているが、釣竿を構成する竿体の軸方向における径の変化率(テーパ),竿体を構成する繊維強化樹脂の引張弾性率,竿体の軸方向における肉厚変化,などの観点から、共振振動数を制御することも考えられる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る釣竿群によれば、異なる釣竿を持ち替えた際の釣竿の操作性の違和感を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
ヘラ竿群を示した図である。
【図2】
ヘラ竿群を構成する1つのヘラ竿を示した図である。
【図3】
図2のヘラ竿の中竿2の拡大図である。
【図4】
図3の中竿2の製造工程を示した図である。
【図5】
本発明に係る共振振動数の測定状態を示した図である。
【図6】
有限要素モデルにおける参考図である。
【図7】
リンクモデルにおける参考図である。

Claims (6)

  1. 全長2700mm,3000mm,3300mm,3600mmの4本の釣竿を含む釣竿群であって、
    前記4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
  2. 全長2700mm,3000mm,3300mm,3600mmの4本の釣竿を含む釣竿群であって、
    前記4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
  3. 全長2700mm,3000mm,3300mm,3600mmの4本の釣竿を含む釣竿群であって、
    前記4本の釣竿中の少なくとも3本の釣竿の全長とこれらの釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
  4. 全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群であって、
    前記複数の釣竿の全長と釣竿の第1次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
  5. 全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群であって、
    前記複数の釣竿の全長と釣竿の第2次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
  6. 全長2700〜3600mmの範囲中の異なる長さを有する複数の釣竿を含む釣竿群であって、
    前記複数の釣竿の全長と釣竿の第3次の共振振動数との関係が、一方の軸を全長,他方の軸を共有振動数とした座標軸において、直線化する関係にある釣竿群。
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