JPWO2004059635A1 - 光磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

光磁気記録媒体(D1)は、基板(1)上に、軟磁性層(2)、グルーブ形成層(3)、および光磁気記録層(4)が順次積層された構造を有している。基板(1)は、樹脂製であり、かつこの基板(1)の表面のうち少なくとも軟磁性層(2)と接触する部分の表面粗さは4nm以上とされている。このことにより、基板(1)と軟磁性層(2)との密着性を高めることが可能となる。また、基板(1)を樹脂製とすることにより、製造コストを廉価に抑えることも可能となる。

Description

本発明は、情報の書き換えが可能な光磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
光磁気記録媒体に対する情報の記録方式の一例としては、磁界変調方式がある。この磁界変調方式によって情報の記録を行なう場合には、光磁気記録媒体の記録対象部分にレーザ光を照射し、書き込み情報に対応した磁界を印加する。この方式においては、光磁気記録媒体が磁界を効率的に利用可能な構造を有していることが好ましい。
そこで、磁界変調方式に好適な光磁気記録媒体としては、軟磁性層を有するものがある。このような光磁気記録媒体は、たとえば特開平03−105741号公報に記載されている。上記公報に記載の光磁気記録媒体は、アルミニウム製の基板上に、軟磁性層、グルーブ形成層、光磁気記録層、および保護層が順次積層された構造を有している。上記光磁気記録層は、磁化方向がこの層に垂直となっている層である。情報の記録は、レーザ光の照射および磁界の印加により、上記光磁気記録層の磁化の方向を制御することによって行なわれる。上記軟磁性層は、たとえばNi−Fe合金製であり、上記光磁気記録層とは異なり、磁化方向がこの軟磁性層に平行となっている。この軟磁性層は、スパッタリングにより上記基板上に形成される。
上記従来の光磁気記録媒体においては、たとえば上記保護層に対向配置された磁気ヘッドにより発生された磁界は、上記保護層、上記光磁気記録層および上記グルーブ形成層を透過した後、上記軟磁性層中をこの層と平行な方向に進行し、再度上記グルーブ形成層、上記光磁気記録層および上記保護層を透過して上記磁気ヘッドに戻ることとなる。このように磁界が閉ループを描くことによって、上記磁界が記録対象部分に効率よく作用することとなり、情報の記録を行なうのに好適となる。
しかしながら、上記従来技術においては、上記基板と上記軟磁性層との密着性を高めるなどの理由により、上記基板はアルミニウム製とされていた。一方、アルミニウムは比較的高価な材料である。このため、上記光磁気記録媒体の製造コストは高価となっていた。また、上記軟磁性層の形成はスパッタリングにより行なっていたため、その設備の運転や維持管理コストが高く、上記基板に対する上記軟磁性層の材料の付着率も必ずしもよいとはいえず、効率も悪いものとなっていた。
本発明の目的は、上記した問題点を解消または軽減することが可能な光磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の側面によって提供される光磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分の表面粗さは4nm以上とされていることを特徴としている。
好ましくは、上記軟磁性層、上記グルーブ形成層および上記光磁気記録層は、それぞれ上記基板の両面に設けられている。
好ましくは、上記基板の表面全体が、上記軟磁性層によって被覆されている。
好ましくは、上記軟磁性層の面積は、記録面の面積以上であり、かつ上記基板の表面積の85%以下の範囲内とされている。
本発明の第2の側面によって提供される光磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分には複数のグルーブが形成されているとともに、その部分の表面粗さが2nm以上とされていることを特徴としている。
好ましくは、上記複数のグルーブが上記基板の両面に形成されているとともに、上記軟磁性層および上記光磁気記録層がそれぞれ上記基板の両面に設けられている。
本発明の第3の側面によって提供される光磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体の製造方法であって、表面粗さが4nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴としている。
好ましくは、上記第1の工程は、表面粗さが4nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう。
本発明の第4の側面によって提供される光磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層されており、上記基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分に複数のグルーブが形成されている光磁気記録媒体の製造方法であって、表面粗さが2nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴としている。
好ましくは、上記第1の工程は、表面粗さが2nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう。
本発明の特徴および利点は、以下に述べる発明の実施の形態の説明からより明らかになるであろう。
図1は、本発明に係る光磁気記録媒体の一例を示す断面図である。
図2A、図2Bは、図1に示す光磁気記録媒体の製造方法の工程を説明する断面図である。
図3A、図3Bは、図1に示す光磁気記録媒体の製造方法の工程を説明する断面図である。
図4は、本発明に係る光磁気記録媒体の他の例を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明に係る光磁気記録媒体の一実施形態を示している。本実施形態の光磁気ディスクD1は、基板1の上面1aおよび下面1bに、軟磁性層2と、グルーブ形成層3と、光磁気記録層4と、保護層5と、がそれぞれ順次積層された構造を有している。この光磁気ディスクD1は、基板1の上面1a側の構造と基板1の下面1b側の構造とが基板1を挟んで互いに対称である。
基板1は、たとえばポリカーボネート製であり、ドーナツ円板状を有している。この基板1の上下面1a,1bは、その表面粗さがたとえば5nmとされている。本明細書でいう「表面粗さ」は、2001年度の日本工業規格(JIS)で定義されている「算術平均高さ」のことを意味する。
軟磁性層2は、弱い磁界で磁化が大きく変化する高透磁率材料からなっており、たとえばFe−Co−Ni合金製である。軟磁性層2の磁化方向はこの層に平行であり、軟磁性層2は磁気ヘッドなどによって発生された磁界を光磁気記録層4の記録対象部分に効率よく作用させるのに役立つ。本実施形態においては、軟磁性層2は、基板1の表面全体を覆っており、基板1の上下面1a,1bに加え、基板1の外周面上および内周面上にも形成されている。
グルーブ形成層3は、たとえば紫外線硬化樹脂からなる。このグルーブ形成層3の上面および下面には、円周方向に延びる複数のグルーブ31と複数のランド32とが半径方向に交互に並んで形成されている。本明細書でいう「グルーブ」および「ランド」は、いずれも光磁気記録層4を含まない概念である。グルーブ31の幅は、たとえば0.5μmであり、ランド32の幅は、たとえば0.25μmである。また、グルーブ31の深さは、たとえば40nmである。
光磁気記録層4は、大きな保磁力を有しており、情報を記録する対象となる層である。この光磁気記録層4は、磁化方向が層に対して垂直な垂直磁化層に誘電体層や反射層などを組み合わせた構造を有しており、たとえばAgPdCuSi層、SiN層、AgPdCuSi層、GdFeCo層、TbFeCo層、およびSiN層からなる多層構造とされている。このような多層構造は、情報の記録・再生を適正に行なうのに好適となる。本実施形態においては、光磁気記録層4が基板1の上下面1a,1bに形成されているとともに、グルーブ31上およびランド32上の光磁気記録層4に情報が記録されるようになっており、情報の大容量化が図られている。
保護層5は、たとえば透明な紫外線硬化樹脂製である。この保護層5は、光磁気記録層4の摩耗や腐食を防止するなどの役割を果たすものである。
上記した基板1および各層2〜5の厚みは、たとえば基板1が1.2mm、軟磁性層2が0.8μm、グルーブ形成層3が10μm、光磁気記録層4が125nm、保護層5が15μmとされている。なお、光磁気記録層4の厚みの内訳は、たとえばAgPdCuSi層が10nm、SiN層が5nm、AgPdCuSi層が30nm、GdFeCo層が5nm、TbFeCo層が25nm、およびSiN層が50nmとされている。
次に、光磁気ディスクD1の製造方法の一例について説明する。
まず、基板1を射出成形法により樹脂成形する。この工程では、図2Aに示されているように、たとえばニッケル製の一対のスタンパ6を用いる。スタンパ6は、たとえばガス圧1.5Pa、RF電力1kWの条件下でアルゴンイオンを表面に衝突させるエッチング処理を10分間程度施すことにより、その表面粗さが5nmとなるように形成されたものである。一対のスタンパ6を金型7に取り付けて、これら一対のスタンパ6の間に溶融したポリカーボネートを充填し、その後硬化させることにより基板1を成形することができる。
次に、基板1の表面全体に軟磁性層2を形成する。この工程は、無電解メッキ法により行なう。たとえば、塩化スズ水溶液および塩化パラジウム水溶液に基板1を順次浸漬させた後、図2Bに示されているように、Fe塩,Ni塩,Co塩および還元剤を含む無電解メッキ液Lに20分間程度浸漬させることにより、軟磁性層2を上記した厚みに形成することができる。
次に、基板1の上下面1a,1bに積層された軟磁性層2上にグルーブ形成層3を形成する。この工程においては、図3Aに示されているように、たとえば石英ガラスからなる一対の透明スタンパ8を用いる。透明スタンパ8には、複数のグルーブ31および複数ランド32に対応した所定の凹凸パターンが形成されている。グルーブ形成層3を形成するには、軟磁性層2の表面に接着性をもたせるために、軟磁性層2にシランカップリング剤を塗布し、この軟磁性層2上に未硬化の紫外線硬化樹脂を配する。次いで、軟磁性層2と所定の間隔を隔てるようにして一対の透明スタンパ8を上記紫外線硬化樹脂上に被せる。透明スタンパ8側から紫外線を照射して、上記紫外線硬化樹脂を硬化させる。その後、図3Bに示されているように、透明スタンパ8を取り外す。このような手順を踏むことにより、グルーブ形成層3を形成することができる。
次に、光磁気記録層4をグルーブ形成層3上に形成する。光磁気記録層4を構成する複数の層をたとえばスパッタリングによって順次積層していくことにより、光磁気記録層4を形成することができる。続いて、この光磁気記録層4上に保護層5を形成する。未硬化の紫外線硬化樹脂をたとえばスピンコート法によって光磁気記録層4上に塗布し、その後紫外線を照射して上記紫外線硬化樹脂を硬化させることにより、保護層5を形成することができる。上記した一連の作業工程により、光磁気ディスクD1を得ることができる。
基板1は、樹脂製であるため、本来的には、軟磁性層2との密着性は良好ではない。しかしながら、基板1の表面粗さは5nmであるため、軟磁性層2の一部が基板1の微小な凹部に入り込んだ状態となり、基板1と軟磁性層2との接触面積は大きくなっている。このことにより、基板1と軟磁性層2との密着性は良好なものとなっている。本発明者らは、表面粗さを種々の粗さにしたポリカーボネート製の複数の基板を作製し、基板と軟磁性層との密着具合を調べる実験をしたところ、基板の表面粗さが4nm以上であれば基板と軟磁性層とが適正に密着することが確認された。
基板1は樹脂製であるため、たとえばガラス製やアルミニウム製の基板を用いていた従来技術よりも基板1の材料費は廉価となり、製造コストの低減が可能となる。
また、軟磁性層2は、無電解メッキ法により形成されているため、軟磁性層2をたとえばスパッタリングにより形成する場合よりも、製造設備を簡易化し、ランニングコストを低減させることも可能である。基板1に対する軟磁性層2の材料の付着率が悪いといった不具合もない。このことも、製造コストの低減を図ることに役立っている。
一方、本発明者らは、上記したような両面構造の光磁気ディスクについて、次に述べることを確認している。
すなわち、本発明者らは、ポリカーボネート製の基板に対する軟磁性層の被覆率を変えた後述の第1ないし第5のサンプルを、80℃、85%RHの高温高湿環境下に1000時間放置した耐久性の検査を行なった。この検査では、基板が水分を吸収し、この基板と透水性の低い軟磁性層との間に水分が溜まることにより軟磁性層の表面が膨らみ、略半球状の凸部が形成される欠陥を発見することができる。
本発明者らが行なった検査の結果は、表1に示す通りである。
Figure 2004059635
ここで、第1のサンプルとは、光磁気ディスクD1と同様に基板の表面全体が軟磁性層によって覆われることにより、上記被覆率が100%とされたものである。第2および第3のサンプルとは、たとえば基板の外周面および内周面を除き、基板の上下面のみに軟磁性層を積層することにより、上記被覆率がそれぞれ95%および90%とされたものである。第4および第5のサンプルは、基板の上下面の外周側縁部分および内周側縁部分を除く部分のみに軟磁性層を積層することにより、上記被覆率がそれぞれ85%および80%とされたものである。表1に示されているように、第1、第4および第5のサンプルにおいては、上記凸部は発見されなかった。これに対し、第3および第4のサンプルにおいては、上記凸部が散見された。この検査結果より、上記した欠陥を防止するには、基板の表面全体を軟磁性層で被覆するか、または軟磁性層の面積(基板と軟磁性層との接触面積)を基板の表面積の85%以下とするのが好適であるということが判明した。軟磁性層の面積を基板の表面積の85%以下とする場合であっても、軟磁性層は情報の記録を効率よく行なうのに役立つものであるため、軟磁性層の面積を光磁気記録層の記録対象部分の面積以上とすることが望ましい。
次に、本発明に係る光磁気記録媒体の他の実施形態について、図4を参照しつつ説明する。なお、図4においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。本実施形態の光磁気ディスクD2は、基板1の形状が上記実施形態とは異なっている。
基板1の上面1aおよび下面1bには、円周方向に延びる複数のグルーブ11および複数のランド12が半径方向に交互に並んで直接形成されている。このため、光磁気ディスクD2においては、上記実施形態のグルーブ形成層3に相当する層は設けられていない。グルーブ11の底面111および側壁面112の表面粗さは、たとえば2nmである。ランド12を構成する平坦面121の表面粗さも、たとえば2nmである。
次に、光磁気ディスクD2の製造方法の一例について説明する。
基板1は、ニッケル製の一対のスタンパを用いた射出成形法により成形する。上記一対のスタンパには、複数のグルーブ11および複数のランド12に対応した所定の凹凸パターンが形成されている。これら一対のスタンパは、ガス圧1.5Pa、RF電力1kWの条件下でアルゴンイオンを表面に衝突させるエッチング処理を5分間程度施すことにより、その表面粗さが2nmとなるように形成されたものである。表面粗さは上記エッチング処理時間によって調整されるものであり、上記エッチング処理時間を短くすれば表面粗さを小さくすることができる。上記一対のスタンパを金型に取り付けて、これら一対のスタンパの間に溶融したポリカーボネートを充填し、その後硬化させることにより基板1を成形することができる。基板1上に順次積層される軟磁性層2、光磁気記録層4、および保護層5は、上記実施形態と同様な作業工程により形成する。このようにして、光磁気ディスクD2を得ることができる。
光磁気ディスクD2においては、基板1の表面粗さはたとえば2nmとされている。本発明者らは、上記と同様な実験において、光磁気ディスクD2の構造の場合には、基板1の表面粗さが2nm以上であれば基板1と軟磁性層2とが適正に密着することを確認しているため、光磁気ディスクD2においても基板1が樹脂製ではあるものの基板1と軟磁性層2との密着性は高いものとなっている。光磁気ディスクD1の場合と比較して、基板1の表面粗さが小さくても基板1と軟磁性層2とが適正に密着するのは、基板1の表面にグルーブ11およびランド12が形成されていることにより、基板1と軟磁性層2との接触面積が大きくなったことに加え、いわゆるアンカ効果を得ることができたためであると考えられる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。本発明に係る光磁気記録媒体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。同様に、本発明に係る光磁気記録媒体の製造方法における各作業工程の具体的な構成も種々に変更自在である。
たとえば、上記した2つの光磁気ディスクのいずれ場合も、基板の上下面に各層がそれぞれ積層された両面構造に限定されず、基板の片面のみに各層が積層された片面構造であってもよい。このような構造の場合には、基板の片面の表面粗さのみを調整すればよい。後者の光磁気ディスクについては、グルーブやランドも基板の片面のみに形成すればよい。基板は、ポリカーボネートから成形されるものでなくてもよく、エポキシなどの他の樹脂から成形されるものであってもよい。また、情報の記録は、グルーブ上およびランド上の光磁気記録層に対して行なわれることに限定されず、それらの一方に対してのみ行なわれてもよい。
【書類名】 明細書
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、
上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分の表面粗さは4nm以上とされていることを特徴とする、光磁気記録媒体。
【請求項2】 上記軟磁性層、上記グルーブ形成層および上記光磁気記録層は、それぞれ上記基板の両面に設けられている、請求項1に記載の光磁気記録媒体。
【請求項3】 上記基板の表面全体が、上記軟磁性層によって被覆されている、請求項1に記載の光磁気記録媒体。
【請求項】 基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体の製造方法であって、
表面粗さが4nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、
上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴とする、光磁気記録媒体の製造方法。
【請求項】 基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層されており、上記基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分に複数のグルーブが形成されている光磁気記録媒体の製造方法であって、
表面粗さが2nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、
上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴とする、光磁気記録媒体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、情報の書き換えが可能な光磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
光磁気記録媒体に対する情報の記録方式の一例としては、磁界変調方式がある。この磁界変調方式によって情報の記録を行なう場合には、光磁気記録媒体の記録対象部分にレーザ光を照射し、書き込み情報に対応した磁界を印加する。この方式においては、光磁気記録媒体が磁界を効率的に利用可能な構造を有していることが好ましい。
【0003】
そこで、磁界変調方式に好適な光磁気記録媒体としては、軟磁性層を有するものがある。このような光磁気記録媒体は、たとえば特開平03−105741号公報に記載されている。上記公報に記載の光磁気記録媒体は、アルミニウム製の基板上に、軟磁性層、グルーブ形成層、光磁気記録層、および保護層が順次積層された構造を有している。上記光磁気記録層は、磁化方向がこの層に垂直となっている層である。情報の記録は、レーザ光の照射および磁界の印加により、上記光磁気記録層の磁化の方向を制御することによって行なわれる。上記軟磁性層は、たとえばNi−Fe合金製であり、上記光磁気記録層とは異なり、磁化方向がこの軟磁性層に平行となっている。この軟磁性層は、スパッタリングにより上記基板上に形成される。
【0004】
上記従来の光磁気記録媒体においては、たとえば上記保護層に対向配置された磁気ヘッドにより発生された磁界は、上記保護層、上記光磁気記録層および上記グルーブ形成層を透過した後、上記軟磁性層中をこの層と平行な方向に進行し、再度上記グルーブ形成層、上記光磁気記録層および上記保護層を透過して上記磁気ヘッドに戻ることとなる。このように磁界が閉ループを描くことによって、上記磁界が記録対象部分に効率よく作用することとなり、情報の記録を行なうのに好適となる。
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、上記基板と上記軟磁性層との密着性を高めるなどの理由により、上記基板はアルミニウム製とされていた。一方、アルミニウムは比較的高価な材料である。このため、上記光磁気記録媒体の製造コストは高価となっていた。また、上記軟磁性層の形成はスパッタリングにより行なっていたため、その設備の運転や維持管理コストが高く、上記基板に対する上記軟磁性層の材料の付着率も必ずしもよいとはいえず、効率も悪いものとなっていた。
【0006】
【発明の開示】
本発明の目的は、上記した問題点を解消または軽減することが可能な光磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される光磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分の表面粗さは4nm以上とされていることを特徴としている。
【0008】
好ましくは、上記軟磁性層、上記グルーブ形成層および上記光磁気記録層は、それぞれ上記基板の両面に設けられている。
【0009】
好ましくは、上記基板の表面全体が、上記軟磁性層によって被覆されている。
【0010】
好ましくは、上記軟磁性層の面積は、記録面の面積以上であり、かつ上記基板の表面積の85%以下の範囲内とされている。
【0011】
本発明の第2の側面によって提供される光磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分には複数のグルーブが形成されているとともに、その部分の表面粗さが2nm以上とされていることを特徴としている。
【0012】
好ましくは、上記複数のグルーブが上記基板の両面に形成されているとともに、上記軟磁性層および上記光磁気記録層がそれぞれ上記基板の両面に設けられている。
【0013】
本発明の第3の側面によって提供される光磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体の製造方法であって、表面粗さが4nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴としている。
【0014】
好ましくは、上記第1の工程は、表面粗さが4nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう。
【0015】
本発明の第4の側面によって提供される光磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層されており、上記基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分に複数のグルーブが形成されている光磁気記録媒体の製造方法であって、表面粗さが2nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴としている。
【0016】
好ましくは、上記第1の工程は、表面粗さが2nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう。
【0017】
本発明の特徴および利点は、以下に述べる発明の実施の形態の説明からより明らかになるであろう。
【0018】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る光磁気記録媒体の一実施形態を示している。本実施形態の光磁気ディスクD1は、基板1の上面1aおよび下面1bに、軟磁性層2と、グルーブ形成層3と、光磁気記録層4と、保護層5と、がそれぞれ順次積層された構造を有している。この光磁気ディスクD1は、基板1の上面1a側の構造と基板1の下面1b側の構造とが基板1を挟んで互いに対称である。
【0020】
基板1は、たとえばポリカーボネート製であり、ドーナツ円板状を有している。この基板1の上下面1a,1bは、その表面粗さがたとえば5nmとされている。本明細書でいう「表面粗さ」は、2001年度の日本工業規格(JIS)で定義されている「算術平均高さ」のことを意味する。
【0021】
軟磁性層2は、弱い磁界で磁化が大きく変化する高透磁率材料からなっており、たとえばFe−Co−Ni合金製である。軟磁性層2の磁化方向はこの層に平行であり、軟磁性層2は磁気ヘッドなどによって発生された磁界を光磁気記録層4の記録対象部分に効率よく作用させるのに役立つ。本実施形態においては、軟磁性層2は、基板1の表面全体を覆っており、基板1の上下面1a,1bに加え、基板1の外周面上および内周面上にも形成されている。
【0022】
グルーブ形成層3は、たとえば紫外線硬化樹脂からなる。このグルーブ形成層3の上面および下面には、円周方向に延びる複数のグルーブ31と複数のランド32とが半径方向に交互に並んで形成されている。本明細書でいう「グルーブ」および「ランド」は、いずれも光磁気記録層4を含まない概念である。グルーブ31の幅は、たとえば0.5μmであり、ランド32の幅は、たとえば0.25μmである。また、グルーブ31の深さは、たとえば40nmである。
【0023】
光磁気記録層4は、大きな保磁力を有しており、情報を記録する対象となる層である。この光磁気記録層4は、磁化方向が層に対して垂直な垂直磁化層に誘電体層や反射層などを組み合わせた構造を有しており、たとえばAgPdCuSi層、SiN層、AgPdCuSi層、GdFeCo層、TbFeCo層、およびSiN層からなる多層構造とされている。このような多層構造は、情報の記録・再生を適正に行なうのに好適となる。本実施形態においては、光磁気記録層4が基板1の上下面1a,1bに形成されているとともに、グルーブ31上およびランド32上の光磁気記録層4に情報が記録されるようになっており、情報の大容量化が図られている。
【0024】
保護層5は、たとえば透明な紫外線硬化樹脂製である。この保護層5は、光磁気記録層4の摩耗や腐食を防止するなどの役割を果たすものである。
【0025】
上記した基板1および各層2〜5の厚みは、たとえば基板1が1.2mm、軟磁性層2が0.8μm、グルーブ形成層3が10μm、光磁気記録層4が125nm、保護層5が15μmとされている。なお、光磁気記録層4の厚みの内訳は、たとえばAgPdCuSi層が10nm、SiN層が5nm、AgPdCuSi層が30nm、GdFeCo層が5nm、TbFeCo層が25nm、およびSiN層が50nmとされている。
【0026】
次に、光磁気ディスクD1の製造方法の一例について説明する。
【0027】
まず、基板1を射出成形法により樹脂成形する。この工程では、図2Aに示されているように、たとえばニッケル製の一対のスタンパ6を用いる。スタンパ6は、たとえばガス圧1.5Pa、RF電力1kWの条件下でアルゴンイオンを表面に衝突させるエッチング処理を10分間程度施すことにより、その表面粗さが5nmとなるように形成されたものである。一対のスタンパ6を金型7に取り付けて、これら一対のスタンパ6の間に溶融したポリカーボネートを充填し、その後硬化させることにより基板1を成形することができる。
【0028】
次に、基板1の表面全体に軟磁性層2を形成する。この工程は、無電解メッキ法により行なう。たとえば、塩化スズ水溶液および塩化パラジウム水溶液に基板1を順次浸漬させた後、図2Bに示されているように、Fe塩,Ni塩,Co塩および還元剤を含む無電解メッキ液Lに20分間程度浸漬させることにより、軟磁性層2を上記した厚みに形成することができる。
【0029】
次に、基板1の上下面1a,1bに積層された軟磁性層2上にグルーブ形成層3を形成する。この工程においては、図3Aに示されているように、たとえば石英ガラスからなる一対の透明スタンパ8を用いる。透明スタンパ8には、複数のグルーブ31および複数ランド32に対応した所定の凹凸パターンが形成されている。グルーブ形成層3を形成するには、軟磁性層2の表面に接着性をもたせるために、軟磁性層2にシランカップリング剤を塗布し、この軟磁性層2上に未硬化の紫外線硬化樹脂を配する。次いで、軟磁性層2と所定の間隔を隔てるようにして一対の透明スタンパ8を上記紫外線硬化樹脂上に被せる。透明スタンパ8側から紫外線を照射して、上記紫外線硬化樹脂を硬化させる。その後、図3Bに示されているように、透明スタンパ8を取り外す。このような手順を踏むことにより、グルーブ形成層3を形成することができる。
【0030】
次に、光磁気記録層4をグルーブ形成層3上に形成する。光磁気記録層4を構成する複数の層をたとえばスパッタリングによって順次積層していくことにより、光磁気記録層4を形成することができる。続いて、この光磁気記録層4上に保護層5を形成する。未硬化の紫外線硬化樹脂をたとえばスピンコート法によって光磁気記録層4上に塗布し、その後紫外線を照射して上記紫外線硬化樹脂を硬化させることにより、保護層5を形成することができる。上記した一連の作業工程により、光磁気ディスクD1を得ることができる。
【0031】
基板1は、樹脂製であるため、本来的には、軟磁性層2との密着性は良好ではない。しかしながら、基板1の表面粗さは5nmであるため、軟磁性層2の一部が基板1の微小な凹部に入り込んだ状態となり、基板1と軟磁性層2との接触面積は大きくなっている。このことにより、基板1と軟磁性層2との密着性は良好なものとなっている。本発明者らは、表面粗さを種々の粗さにしたポリカーボネート製の複数の基板を作製し、基板と軟磁性層との密着具合を調べる実験をしたところ、基板の表面粗さが4nm以上であれば基板と軟磁性層とが適正に密着することが確認された。
【0032】
基板1は樹脂製であるため、たとえばガラス製やアルミニウム製の基板を用いていた従来技術よりも基板1の材料費は廉価となり、製造コストの低減が可能となる。
【0033】
また、軟磁性層2は、無電解メッキ法により形成されているため、軟磁性層2をたとえばスパッタリングにより形成する場合よりも、製造設備を簡易化し、ランニングコストを低減させることも可能である。基板1に対する軟磁性層2の材料の付着率が悪いといった不具合もない。このことも、製造コストの低減を図ることに役立っている。
【0034】
一方、本発明者らは、上記したような両面構造の光磁気ディスクについて、次に述べることを確認している。
【0035】
すなわち、本発明者らは、ポリカーボネート製の基板に対する軟磁性層の被覆率を変えた後述の第1ないし第5のサンプルを、80℃、85%RHの高温高湿環境下に1000時間放置した耐久性の検査を行なった。この検査では、基板が水分を吸収し、この基板と透水性の低い軟磁性層との間に水分が溜まることにより軟磁性層の表面が膨らみ、略半球状の凸部が形成される欠陥を発見することができる。
【0036】
本発明者らが行なった検査の結果は、表1に示す通りである。
【0037】
【表1】
Figure 2004059635
【0038】
ここで、第1のサンプルとは、光磁気ディスクD1と同様に基板の表面全体が軟磁性層によって覆われることにより、上記被覆率が100%とされたものである。第2および第3のサンプルとは、たとえば基板の外周面および内周面を除き、基板の上下面のみに軟磁性層を積層することにより、上記被覆率がそれぞれ95%および90%とされたものである。第4および第5のサンプルは、基板の上下面の外周側縁部分および内周側縁部分を除く部分のみに軟磁性層を積層することにより、上記被覆率がそれぞれ85%および80%とされたものである。表1に示されているように、第1、第4および第5のサンプルにおいては、上記凸部は発見されなかった。これに対し、第3および第4のサンプルにおいては、上記凸部が散見された。この検査結果より、上記した欠陥を防止するには、基板の表面全体を軟磁性層で被覆するか、または軟磁性層の面積(基板と軟磁性層との接触面積)を基板の表面積の85%以下とするのが好適であるということが判明した。軟磁性層の面積を基板の表面積の85%以下とする場合であっても、軟磁性層は情報の記録を効率よく行なうのに役立つものであるため、軟磁性層の面積を光磁気記録層の記録対象部分の面積以上とすることが望ましい。
【0039】
次に、本発明に係る光磁気記録媒体の他の実施形態について、図4を参照しつつ説明する。なお、図4においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。本実施形態の光磁気ディスクD2は、基板1の形状が上記実施形態とは異なっている。
【0040】
基板1の上面1aおよび下面1bには、円周方向に延びる複数のグルーブ11および複数のランド12が半径方向に交互に並んで直接形成されている。このため、光磁気ディスクD2においては、上記実施形態のグルーブ形成層3に相当する層は設けられていない。グルーブ11の底面111および側壁面112の表面粗さは、たとえば2nmである。ランド12を構成する平坦面121の表面粗さも、たとえば2nmである。
【0041】
次に、光磁気ディスクD2の製造方法の一例について説明する。
【0042】
基板1は、ニッケル製の一対のスタンパを用いた射出成形法により成形する。上記一対のスタンパには、複数のグルーブ11および複数のランド12に対応した所定の凹凸パターンが形成されている。これら一対のスタンパは、ガス圧1.5Pa、RF電力1kWの条件下でアルゴンイオンを表面に衝突させるエッチング処理を5分間程度施すことにより、その表面粗さが2nmとなるように形成されたものである。表面粗さは上記エッチング処理時間によって調整されるものであり、上記エッチング処理時間を短くすれば表面粗さを小さくすることができる。上記一対のスタンパを金型に取り付けて、これら一対のスタンパの間に溶融したポリカーボネートを充填し、その後硬化させることにより基板1を成形することができる。基板1上に順次積層される軟磁性層2、光磁気記録層4、および保護層5は、上記実施形態と同様な作業工程により形成する。このようにして、光磁気ディスクD2を得ることができる。
【0043】
光磁気ディスクD2においては、基板1の表面粗さはたとえば2nmとされている。本発明者らは、上記と同様な実験において、光磁気ディスクD2の構造の場合には、基板1の表面粗さが2nm以上であれば基板1と軟磁性層2とが適正に密着することを確認しているため、光磁気ディスクD2においても基板1が樹脂製ではあるものの基板1と軟磁性層2との密着性は高いものとなっている。光磁気ディスクD1の場合と比較して、基板1の表面粗さが小さくても基板1と軟磁性層2とが適正に密着するのは、基板1の表面にグルーブ11およびランド12が形成されていることにより、基板1と軟磁性層2との接触面積が大きくなったことに加え、いわゆるアンカ効果を得ることができたためであると考えられる。
【0044】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。本発明に係る光磁気記録媒体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。同様に、本発明に係る光磁気記録媒体の製造方法における各作業工程の具体的な構成も種々に変更自在である。
【0045】
たとえば、上記した2つの光磁気ディスクのいずれ場合も、基板の上下面に各層がそれぞれ積層された両面構造に限定されず、基板の片面のみに各層が積層された片面構造であってもよい。このような構造の場合には、基板の片面の表面粗さのみを調整すればよい。後者の光磁気ディスクについては、グルーブやランドも基板の片面のみに形成すればよい。基板は、ポリカーボネートから成形されるものでなくてもよく、エポキシなどの他の樹脂から成形されるものであってもよい。また、情報の記録は、グルーブ上およびランド上の光磁気記録層に対して行なわれることに限定されず、それらの一方に対してのみ行なわれてもよい。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本発明に係る光磁気記録媒体の一例を示す断面図である。
【図2】
図2A、図2Bは、図1に示す光磁気記録媒体の製造方法の工程を説明する断面図である。
【図3】
図3A、図3Bは、図1に示す光磁気記録媒体の製造方法の工程を説明する断面図である。
【図4】
図4は、本発明に係る光磁気記録媒体の他の例を示す断面図である。
本発明は、情報の書き換えが可能な光磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
光磁気記録媒体に対する情報の記録方式の一例としては、磁界変調方式がある。この磁界変調方式によって情報の記録を行なう場合には、光磁気記録媒体の記録対象部分にレーザ光を照射し、書き込み情報に対応した磁界を印加する。この方式においては、光磁気記
録媒体が磁界を効率的に利用可能な構造を有していることが好ましい。
そこで、磁界変調方式に好適な光磁気記録媒体としては、軟磁性層を有するものがある。このような光磁気記録媒体は、たとえば特開平03−105741号公報に記載されている。上記公報に記載の光磁気記録媒体は、アルミニウム製の基板上に、軟磁性層、グルーブ形成層、光磁気記録層、および保護層が順次積層された構造を有している。上記光磁気記録層は、磁化方向がこの層に垂直となっている層である。情報の記録は、レーザ光の照射および磁界の印加により、上記光磁気記録層の磁化の方向を制御することによって行なわれる。上記軟磁性層は、たとえばNi−Fe合金製であり、上記光磁気記録層とは異なり、磁化方向がこの軟磁性層に平行となっている。この軟磁性層は、スパッタリングにより上記基板上に形成される。
上記従来の光磁気記録媒体においては、たとえば上記保護層に対向配置された磁気ヘッドにより発生された磁界は、上記保護層、上記光磁気記録層および上記グルーブ形成層を透過した後、上記軟磁性層中をこの層と平行な方向に進行し、再度上記グルーブ形成層、上記光磁気記録層および上記保護層を透過して上記磁気ヘッドに戻ることとなる。このように磁界が閉ループを描くことによって、上記磁界が記録対象部分に効率よく作用することとなり、情報の記録を行なうのに好適となる。
しかしながら、上記従来技術においては、上記基板と上記軟磁性層との密着性を高めるなどの理由により、上記基板はアルミニウム製とされていた。一方、アルミニウムは比較的高価な材料である。このため、上記光磁気記録媒体の製造コストは高価となっていた。また、上記軟磁性層の形成はスパッタリングにより行なっていたため、その設備の運転や維持管理コストが高く、上記基板に対する上記軟磁性層の材料の付着率も必ずしもよいとはいえず、効率も悪いものとなっていた。
本発明の目的は、上記した問題点を解消または軽減することが可能な光磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の側面によって提供される光磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分の表面粗さは4nm以上とされていることを特徴としている。
好ましくは、上記軟磁性層、上記グルーブ形成層および上記光磁気記録層は、それぞれ上記基板の両面に設けられている。
好ましくは、上記基板の表面全体が、上記軟磁性層によって被覆されている。
好ましくは、上記軟磁性層の面積は、記録面の面積以上であり、かつ上記基板の表面積の85%以下の範囲内とされている。
本発明の第2の側面によって提供される光磁気記録媒体は、基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分には複数のグルーブが形成されているとともに、その部分の表面粗さが2nm以上とされていることを特徴としている。
好ましくは、上記複数のグルーブが上記基板の両面に形成されているとともに、上記軟
磁性層および上記光磁気記録層がそれぞれ上記基板の両面に設けられている。
本発明の第3の側面によって提供される光磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体の製造方法であって、表面粗さが4nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴としている。
好ましくは、上記第1の工程は、表面粗さが4nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう。
本発明の第4の側面によって提供される光磁気記録媒体の製造方法は、基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層されており、上記基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分に複数のグルーブが形成されている光磁気記録媒体の製造方法であって、表面粗さが2nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴としている。
好ましくは、上記第1の工程は、表面粗さが2nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう。
本発明の特徴および利点は、以下に述べる発明の実施の形態の説明からより明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明に係る光磁気記録媒体の一実施形態を示している。本実施形態の光磁気ディスクD1は、基板1の上面1aおよび下面1bに、軟磁性層2と、グルーブ形成層3と、光磁気記録層4と、保護層5と、がそれぞれ順次積層された構造を有している。この光磁気ディスクD1は、基板1の上面1a側の構造と基板1の下面1b側の構造とが基板1を挟んで互いに対称である。
基板1は、たとえばポリカーボネート製であり、ドーナツ円板状を有している。この基板1の上下面1a,1bは、その表面粗さがたとえば5nmとされている。本明細書でいう「表面粗さ」は、2001年度の日本工業規格(JIS)で定義されている「算術平均高さ」のことを意味する。
軟磁性層2は、弱い磁界で磁化が大きく変化する高透磁率材料からなっており、たとえばFe−Co−Ni合金製である。軟磁性層2の磁化方向はこの層に平行であり、軟磁性層2は磁気ヘッドなどによって発生された磁界を光磁気記録層4の記録対象部分に効率よく作用させるのに役立つ。本実施形態においては、軟磁性層2は、基板1の表面全体を覆っており、基板1の上下面1a,1bに加え、基板1の外周面上および内周面上にも形成されている。
グルーブ形成層3は、たとえば紫外線硬化樹脂からなる。このグルーブ形成層3の上面および下面には、円周方向に延びる複数のグルーブ31と複数のランド32とが半径方向に交互に並んで形成されている。本明細書でいう「グルーブ」および「ランド」は、いずれも光磁気記録層4を含まない概念である。グルーブ31の幅は、たとえば0.5μmであり、ランド32の幅は、たとえば0.25μmである。また、グルーブ31の深さは、
たとえば40nmである。
光磁気記録層4は、大きな保磁力を有しており、情報を記録する対象となる層である。この光磁気記録層4は、磁化方向が層に対して垂直な垂直磁化層に誘電体層や反射層などを組み合わせた構造を有しており、たとえばAgPdCuSi層、SiN層、AgPdCuSi層、GdFeCo層、TbFeCo層、およびSiN層からなる多層構造とされている。このような多層構造は、情報の記録・再生を適正に行なうのに好適となる。本実施形態においては、光磁気記録層4が基板1の上下面1a,1bに形成されているとともに、グルーブ31上およびランド32上の光磁気記録層4に情報が記録されるようになっており、情報の大容量化が図られている。
保護層5は、たとえば透明な紫外線硬化樹脂製である。この保護層5は、光磁気記録層4の摩耗や腐食を防止するなどの役割を果たすものである。
上記した基板1および各層2〜5の厚みは、たとえば基板1が1.2mm、軟磁性層2が0.8μm、グルーブ形成層3が10μm、光磁気記録層4が125nm、保護層5が15μmとされている。なお、光磁気記録層4の厚みの内訳は、たとえばAgPdCuSi層が10nm、SiN層が5nm、AgPdCuSi層が30nm、GdFeCo層が5nm、TbFeCo層が25nm、およびSiN層が50nmとされている。
次に、光磁気ディスクD1の製造方法の一例について説明する。
まず、基板1を射出成形法により樹脂成形する。この工程では、図2Aに示されているように、たとえばニッケル製の一対のスタンパ6を用いる。スタンパ6は、たとえばガス圧1.5Pa、RF電力1kWの条件下でアルゴンイオンを表面に衝突させるエッチング処理を10分間程度施すことにより、その表面粗さが5nmとなるように形成されたものである。一対のスタンパ6を金型7に取り付けて、これら一対のスタンパ6の間に溶融したポリカーボネートを充填し、その後硬化させることにより基板1を成形することができる。
次に、基板1の表面全体に軟磁性層2を形成する。この工程は、無電解メッキ法により行なう。たとえば、塩化スズ水溶液および塩化パラジウム水溶液に基板1を順次浸漬させた後、図2Bに示されているように、Fe塩,Ni塩,Co塩および還元剤を含む無電解メッキ液Lに20分間程度浸漬させることにより、軟磁性層2を上記した厚みに形成することができる。
次に、基板1の上下面1a,1bに積層された軟磁性層2上にグルーブ形成層3を形成する。この工程においては、図3Aに示されているように、たとえば石英ガラスからなる一対の透明スタンパ8を用いる。透明スタンパ8には、複数のグルーブ31および複数ランド32に対応した所定の凹凸パターンが形成されている。グルーブ形成層3を形成するには、軟磁性層2の表面に接着性をもたせるために、軟磁性層2にシランカップリング剤を塗布し、この軟磁性層2上に未硬化の紫外線硬化樹脂を配する。次いで、軟磁性層2と所定の間隔を隔てるようにして一対の透明スタンパ8を上記紫外線硬化樹脂上に被せる。透明スタンパ8側から紫外線を照射して、上記紫外線硬化樹脂を硬化させる。その後、図3Bに示されているように、透明スタンパ8を取り外す。このような手順を踏むことにより、グルーブ形成層3を形成することができる。
次に、光磁気記録層4をグルーブ形成層3上に形成する。光磁気記録層4を構成する複数の層をたとえばスパッタリングによって順次積層していくことにより、光磁気記録層4を形成することができる。続いて、この光磁気記録層4上に保護層5を形成する。未硬化
の紫外線硬化樹脂をたとえばスピンコート法によって光磁気記録層4上に塗布し、その後紫外線を照射して上記紫外線硬化樹脂を硬化させることにより、保護層5を形成することができる。上記した一連の作業工程により、光磁気ディスクD1を得ることができる。
基板1は、樹脂製であるため、本来的には、軟磁性層2との密着性は良好ではない。しかしながら、基板1の表面粗さは5nmであるため、軟磁性層2の一部が基板1の微小な凹部に入り込んだ状態となり、基板1と軟磁性層2との接触面積は大きくなっている。このことにより、基板1と軟磁性層2との密着性は良好なものとなっている。本発明者らは、表面粗さを種々の粗さにしたポリカーボネート製の複数の基板を作製し、基板と軟磁性層との密着具合を調べる実験をしたところ、基板の表面粗さが4nm以上であれば基板と軟磁性層とが適正に密着することが確認された。
基板1は樹脂製であるため、たとえばガラス製やアルミニウム製の基板を用いていた従来技術よりも基板1の材料費は廉価となり、製造コストの低減が可能となる。
また、軟磁性層2は、無電解メッキ法により形成されているため、軟磁性層2をたとえばスパッタリングにより形成する場合よりも、製造設備を簡易化し、ランニングコストを低減させることも可能である。基板1に対する軟磁性層2の材料の付着率が悪いといった不具合もない。このことも、製造コストの低減を図ることに役立っている。
一方、本発明者らは、上記したような両面構造の光磁気ディスクについて、次に述べることを確認している。
すなわち、本発明者らは、ポリカーボネート製の基板に対する軟磁性層の被覆率を変えた後述の第1ないし第5のサンプルを、80℃、85%RHの高温高湿環境下に1000時間放置した耐久性の検査を行なった。この検査では、基板が水分を吸収し、この基板と透水性の低い軟磁性層との間に水分が溜まることにより軟磁性層の表面が膨らみ、略半球状の凸部が形成される欠陥を発見することができる。
本発明者らが行なった検査の結果は、表1に示す通りである。
Figure 2004059635
ここで、第1のサンプルとは、光磁気ディスクD1と同様に基板の表面全体が軟磁性層によって覆われることにより、上記被覆率が100%とされたものである。第2および第3のサンプルとは、たとえば基板の外周面および内周面を除き、基板の上下面のみに軟磁性層を積層することにより、上記被覆率がそれぞれ95%および90%とされたものであ
る。第4および第5のサンプルは、基板の上下面の外周側縁部分および内周側縁部分を除く部分のみに軟磁性層を積層することにより、上記被覆率がそれぞれ85%および80%とされたものである。表1に示されているように、第1、第4および第5のサンプルにおいては、上記凸部は発見されなかった。これに対し、第3および第4のサンプルにおいては、上記凸部が散見された。この検査結果より、上記した欠陥を防止するには、基板の表面全体を軟磁性層で被覆するか、または軟磁性層の面積(基板と軟磁性層との接触面積)を基板の表面積の85%以下とするのが好適であるということが判明した。軟磁性層の面積を基板の表面積の85%以下とする場合であっても、軟磁性層は情報の記録を効率よく行なうのに役立つものであるため、軟磁性層の面積を光磁気記録層の記録対象部分の面積以上とすることが望ましい。
次に、本発明に係る光磁気記録媒体の他の実施形態について、図4を参照しつつ説明する。なお、図4においては、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。本実施形態の光磁気ディスクD2は、基板1の形状が上記実施形態とは異なっている。
基板1の上面1aおよび下面1bには、円周方向に延びる複数のグルーブ11および複数のランド12が半径方向に交互に並んで直接形成されている。このため、光磁気ディスクD2においては、上記実施形態のグルーブ形成層3に相当する層は設けられていない。グルーブ11の底面111および側壁面112の表面粗さは、たとえば2nmである。ランド12を構成する平坦面121の表面粗さも、たとえば2nmである。
次に、光磁気ディスクD2の製造方法の一例について説明する。
基板1は、ニッケル製の一対のスタンパを用いた射出成形法により成形する。上記一対のスタンパには、複数のグルーブ11および複数のランド12に対応した所定の凹凸パターンが形成されている。これら一対のスタンパは、ガス圧1.5Pa、RF電力1kWの条件下でアルゴンイオンを表面に衝突させるエッチング処理を5分間程度施すことにより、その表面粗さが2nmとなるように形成されたものである。表面粗さは上記エッチング処理時間によって調整されるものであり、上記エッチング処理時間を短くすれば表面粗さを小さくすることができる。上記一対のスタンパを金型に取り付けて、これら一対のスタンパの間に溶融したポリカーボネートを充填し、その後硬化させることにより基板1を成形することができる。基板1上に順次積層される軟磁性層2、光磁気記録層4、および保護層5は、上記実施形態と同様な作業工程により形成する。このようにして、光磁気ディスクD2を得ることができる。
光磁気ディスクD2においては、基板1の表面粗さはたとえば2nmとされている。本発明者らは、上記と同様な実験において、光磁気ディスクD2の構造の場合には、基板1の表面粗さが2nm以上であれば基板1と軟磁性層2とが適正に密着することを確認しているため、光磁気ディスクD2においても基板1が樹脂製ではあるものの基板1と軟磁性層2との密着性は高いものとなっている。光磁気ディスクD1の場合と比較して、基板1の表面粗さが小さくても基板1と軟磁性層2とが適正に密着するのは、基板1の表面にグルーブ11およびランド12が形成されていることにより、基板1と軟磁性層2との接触面積が大きくなったことに加え、いわゆるアンカ効果を得ることができたためであると考えられる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されるものではない。本発明に係る光磁気記録媒体の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。同様に、本発明に係る光磁気記録媒体の製造方法における各作業工程の具体的な構成も種々に変更自在である。
たとえば、上記した2つの光磁気ディスクのいずれ場合も、基板の上下面に各層がそれぞれ積層された両面構造に限定されず、基板の片面のみに各層が積層された片面構造であってもよい。このような構造の場合には、基板の片面の表面粗さのみを調整すればよい。後者の光磁気ディスクについては、グルーブやランドも基板の片面のみに形成すればよい。基板は、ポリカーボネートから成形されるものでなくてもよく、エポキシなどの他の樹脂から成形されるものであってもよい。また、情報の記録は、グルーブ上およびランド上の光磁気記録層に対して行なわれることに限定されず、それらの一方に対してのみ行なわれてもよい。
図1は、本発明に係る光磁気記録媒体の一例を示す断面図である。 図2A、図2Bは、図1に示す光磁気記録媒体の製造方法の工程を説明する断面図である。 図3A、図3Bは、図1に示す光磁気記録媒体の製造方法の工程を説明する断面図である。 図4は、本発明に係る光磁気記録媒体の他の例を示す断面図である。

Claims (10)

  1. 基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、
    上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分の表面粗さは4nm以上とされていることを特徴とする、光磁気記録媒体。
  2. 上記軟磁性層、上記グルーブ形成層および上記光磁気記録層は、それぞれ上記基板の両面に設けられている、請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  3. 上記基板の表面全体が、上記軟磁性層によって被覆されている、請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  4. 上記軟磁性層の面積は、記録面の面積以上であり、かつ上記基板の表面積の85%以下の範囲内とされている、請求項1に記載の光磁気記録媒体。
  5. 基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体であって、
    上記基板は、樹脂製であり、かつこの基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分には複数のグルーブが形成されているとともに、その部分の表面粗さが2nm以上とされていることを特徴とする、光磁気記録媒体。
  6. 上記複数のグルーブが上記基板の両面に形成されているとともに、上記軟磁性層および上記光磁気記録層がそれぞれ上記基板の両面に設けられている、請求項5に記載の光磁気記録媒体。
  7. 基板上に、軟磁性層と、グルーブ形成層と、光磁気記録層と、が順次積層された光磁気記録媒体の製造方法であって、
    表面粗さが4nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、
    上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴とする、光磁気記録媒体の製造方法。
  8. 上記第1の工程は、表面粗さが4nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう、請求項7に記載の光磁気記録媒体の製造方法。
  9. 基板上に、軟磁性層と、光磁気記録層と、が順次積層されており、上記基板の表面のうち少なくとも上記軟磁性層と接触する部分に複数のグルーブが形成されている光磁気記録媒体の製造方法であって、
    表面粗さが2nm以上となるように上記基板を樹脂成形する第1の工程と、
    上記軟磁性層を無電解メッキ法により形成する第2の工程と、を有していることを特徴とする、光磁気記録媒体の製造方法。
  10. 上記第1の工程は、表面粗さが2nm以上となるように調整されたスタンパを用いて行なう、請求項9に記載の光磁気記録媒体の製造方法。
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