JPWO2004013170A1 - 大豆蛋白の製造方法 - Google Patents

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Abstract

大豆蛋白の製造工場における使用水量を節減し、排水量の減少による環境への負荷を抑制すると共に、熱ゲル化特性に優れ、大豆蛋白特有の苦味及び収斂味のない分離大豆蛋白をより一層効率的に得る方法を提供するものである。脱脂大豆にpH3.0〜5.0の領域で水性媒体による洗浄処理を行ってホエー成分を抽出除去する酸洗浄工程と、酸洗浄工程により得られる酸洗浄大豆スラリーに中性〜アルカリ性領域で水性媒体による蛋白質の抽出処理を行って抽出残渣を除去する抽出工程と、抽出工程により得られる抽出液を中性〜アルカリ性の領域を保って水と蛋白に分離する分離工程とを備えた分離大豆蛋白の製造法である。

Description

本発明は、熱ゲル化特性に優れ、風味が良好な大豆蛋白及びその製造法に関し、特に大豆蛋白の等電点沈殿処理(酸沈処理)を行わないで調製する分離大豆蛋白の製造法等に関する。
大豆蛋白として、大豆から油脂を除去した脱脂大豆、脱脂大豆からホエー成分を除去した濃縮大豆蛋白、脱脂大豆からホエー成分とおから成分とを除去した分離大豆蛋白等が市販されている。分離大豆蛋白は、通常脱脂大豆を中性から弱アルカリ性領域で水抽出し、水不溶性成分のおから成分を分離して得た抽出液(脱脂豆乳)を、大豆の主要蛋白質であるグロブリンの等電点付近の酸性に調整して、沈殿物を形成させ、酸性領域で可溶なホエー成分と分離させた後、沈殿物を溶解・中和して殺菌・乾燥することによって製造されている。この酸沈工程を有する製法では、水溶液として抽出した蛋白質を一旦不溶化(沈殿)させ、再度溶解させて水溶液とし、殺菌・乾燥することにより分離大豆蛋白製品を得ることになる。
上記分離大豆蛋白の製造法以外の製法として、特公昭36−14270号公報には、生大豆又は脱脂大豆をpH3.0〜5.0の緩衝液に浸漬して大豆の組織を軟化し、かつ大豆中の糖類、色素等を溶出・除去した後、アルカリ類を用いて溶解し、酸を加えてpHを4.5〜5.0に調整して、生じる沈殿をアルカリ類で溶解した後、pHを5.0〜7.5に調整した後、膠質安定剤を加えて攪拌し、低温乾燥する大豆粉末の製造法が記載されている。また、特公昭44−6211号公報には、大豆粉を酸性水に加えてスラリーをつくり、ホエー成分を分離・除去した後、水に懸濁させ、pH6〜8に調整して大豆蛋白を可溶化させておから成分と分離し、かかる蛋白質の抽出液を酸性にして蛋白質を沈殿させ分離・濃縮する方法が記載されている。
上記のように、従来の分離大豆蛋白の製造法は、いずれも、酸性下で大豆蛋白を沈殿させる、いわゆる酸沈工程を含んでいる。この酸沈工程はホエー成分を分離し、蛋白質を濃縮する上では簡便な工程ではあるものの、一旦水に溶解・抽出した蛋白質を不溶化させ、さらに再度溶解させて粉末化するという工程であり、本発明者の知見によれば、酸沈工程を経ることにより、得られる大豆蛋白が酸沈処理特有の収斂味を呈する等、品質的にも好ましくない面を伴うものであった。しかも、通常の大豆蛋白の水抽出では、抽出液中の蛋白質濃度はせいぜい5%程度にしか過ぎず、これを酸沈工程による分離・濃縮をすることなく乾燥することは、エネルギー消費の面で避け難かった。
その他、特開平7−238089号公報には、脱脂大豆を等電点よりも高いpH、例えばpH9.4の水性抽出剤で抽出し、該蛋白質抽出液をやはり等電点付近のpHに調整する酸沈処理により大豆タンパクを沈殿させ、該沈殿物を洗浄することなく、イソフラボン含量の高い大豆タンパク単離物を得る方法が開示されている。しかし、このようにして得られた大豆タンパクは、沈殿物の洗浄を行わないために、大豆特有の苦味を多く有しており、風味的に好ましいものではなかった。また、同公報には脱脂大豆の水抽出を2段向流法で行うことも提案されているが、これはイソフラボンを収率良く回収することを目的として行われているものと考えられる。
他方、向流抽出法を用いた食品類の抽出例として、例えば、特開平5−207900号公報には、pHと温度の制御下で多段階向流法を用いることにより、ヤーコンからフラクトオリゴ糖を効率的に、かつ、ほとんど加水分解を受けない状態で抽出する方法が開示されている。また、特開平10−66507号公報には、コーヒーの出し殻に熱加水分解と向流抽出を組み合わせて用いることにより、可溶性コーヒーを効率よく抽出する方法が開示されている。しかし、これらの方法は、フラクトオリゴ糖もしくは可溶性コーヒーに向流抽出を用いたものであり、酸沈工程により大豆蛋白を分離・濃縮することが一般的である分離大豆蛋白の製法に、向流抽出を利用することはなされておらず、したがって、酸沈処理を行わないで抽出した大豆蛋白の風味や熱ゲル化特性については全く知られていなかった。
本発明の課題は、熱ゲル化特性に優れ、かつ、従来の大豆蛋白特有の苦味及び収斂味がなく、風味良好な分離大豆蛋白を効率的に得る方法を提供すること、詳しくは、これまで分離大豆蛋白の製造工程で、効率的な分離・濃縮手段として考えられていた酸沈処理を行うことなく、大豆蛋白の製造工場における使用水量を節減し、排水量の減少による環境への負荷を抑制すると共に、大豆蛋白特有の苦味及び収斂味のない、風味良好な分離大豆蛋白をより一層効率的に得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、脱脂大豆を酸性水で洗浄してホエー成分を除去した後、中性からアルカリ性領域で蛋白質を可溶化させておから成分と分離する蛋白質抽出を行い、この中性からアルカリ性領域を維持することによって、蛋白と水を分離すると、従来の酸沈処理による大豆蛋白と比較して、熱ゲル化特性に優れ、かつ、極めて風味が良好であることを確認し、本発明を完成するに至った。さらに水性媒体によるホエー成分の抽出や蛋白質抽出を向流抽出で行うことにより、大豆蛋白製造工場における使用水量を節減し、排水量の減少による環境への負荷を抑制する優れた方法を導き出すものであることがわかった。
すなわち本発明は、脱脂大豆にpH3.0〜5.0の領域で水性媒体による洗浄処理を行ってホエー成分を抽出除去する酸洗浄工程と、酸洗浄工程により得られる酸洗浄大豆スラリーに中性〜アルカリ性領域で水性媒体による蛋白質の抽出処理を行って抽出残渣を除去する抽出工程と、抽出工程により得られる抽出液を中性〜アルカリ性の領域を保って水と蛋白に分離する分離工程とを備えたことを特徴とする分離大豆蛋白の製造法に関する(1)。
また本発明は、酸沈工程がないことを特徴とする(1)記載の分離大豆蛋白の製造法(2)や、抽出工程において、向流抽出法により抽出を行うことを特徴とする(1)又は(2)記載の分離大豆蛋白の製造法(3)や、向流抽出法が、3段向流抽出法であることを特徴とする(3)記載の分離大豆蛋白の製造法(4)や、向流抽出法が、pH勾配向流抽出法であることを特徴とする(3)又は(4)記載の分離大豆蛋白の製造法(5)や、抽出工程において、原料脱脂大豆換算で大豆原料の7倍量以下の水性媒体を用いて蛋白質抽出することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか記載の分離大豆蛋の製造法(6)や、抽出工程において、抽出温度10℃〜70℃で抽出することを特徴とする(1)〜(6)のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法(7)や、抽出工程において、抽出液中の大豆蛋白含量が10重量%以上となるように抽出することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法(8)や、中性〜アルカリ性領域が、pH6.5〜8.5の領域であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法(9)や、酸洗浄工程において、2乃至3段の多段洗浄方法により洗浄を行うことを特徴とする(1)〜(9)のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法(10)や、酸洗浄工程において、酸洗浄大豆スラリー固形物中の粗蛋白質含量が65%以上好ましくは70%以上となるように洗浄処理を行うことを特徴とする(1)〜(10)のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法(11)や、酸洗浄工程において、乳化剤を含む水性媒体で洗浄処理を行うことを特徴とする(1)〜(11)のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法(12)や、分離工程において、向流抽出法により抽出した蛋白質溶液を、殺菌後、水と蛋白に分離することを特徴とする(1)〜(12)のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法(13)に関する。
さらに、本発明は、(1)〜(13)のいずれか記載の製造法により得られることを特徴とする分離大豆蛋白(14)や、分離大豆蛋白に5倍量相当の2%食塩水を加えて調整したゲルのゼリー強度(g・cm)が150以上であることを特徴とする(14)記載の分離大豆蛋白(15)や、(1)〜(13)のいずれか記載の製造法により得られる分離大豆蛋白を含むことを特徴とする食品又は食品素材(16)に関する。
第1図、大豆原料やおからを主体とする抽出残渣を移動することなく、水性媒体(抽出液)のみを移動させ、順次大豆原料(抽出残渣)に接触させる3段向流抽出システムの概念図を示す図である。
第2図は、酸洗浄大豆スラリーを大豆原料としたpH勾配3段向流抽出による分離大豆蛋白製造の概略図を示す図である。
本発明の分離大豆蛋白の製造法としては、脱脂大豆にpH3.0〜5.0の領域で水性媒体による洗浄処理を行ってホエー成分を抽出除去する酸洗浄工程と、酸洗浄工程により得られる酸洗浄大豆スラリーに中性〜アルカリ性領域で水性媒体による蛋白質の抽出処理を行って抽出残渣を除去する抽出工程と、抽出工程により得られる抽出液を中性〜アルカリ性の領域を保って水と蛋白に分離する分離工程とを備えたことを特徴とする分離大豆蛋白の製造法であれば特に制限されるものではないが、酸沈工程がない分離大豆蛋白質の製造法や、抽出工程において、向流抽出法により抽出を行う分離大豆蛋白質の製造法が特に好ましく、ここで酸沈工程とは、酸性領域に等電点を有する大豆蛋白の等電点沈殿処理(酸沈処理)を行う工程を意味し、スラリーとは、水性媒体で処理された含水物をいい、流動性のもの、半流動性のもの、半固形状のものの他、このスラリーを一旦乾燥して再度水性媒体を加えたものもここでのスラリーに含まれる。また、向流抽出法とは、大豆原料と水性媒体を相対的に互いに反対方向に移動させることにより接触させる多段抽出法をいい、したがって、向流抽出法には、大豆原料を移動することなく、水性媒体のみを移動させ、順次大豆原料に接触させる多段抽出法も含まれる。かかる向流抽出法の好ましい態様として、抽出液と被抽出物との濃度差が常に一定に保たれた状態で抽出が行われる向流抽出法、例えば、最も蛋白質濃度が高い新しい大豆原料に、既に抽出処理に使用した最も固形分濃度が高い抽出液を接触させ、また、新しく導入された水性媒体を、既に抽出処理を受け最も蛋白質濃度が低い抽出残渣と接触させる向流抽出法を挙げることができる。
上記脱脂大豆としては、ヘキサン等の溶剤で脱脂された、一般に入手可能な低変性脱脂大豆を用いることが好ましく、中でもNSI(窒素可溶指数)が60以上、特にNSIが80以上の脱脂大豆を用いることが好ましい。
上記酸性水による洗浄処理としては、例えば、大豆アルブミンを主成分とするホエー成分は溶出するが、大豆グロブリンを主成分とする蛋白質成分は溶出しないpHの水(酸洗浄液)で、低変性脱脂大豆を洗浄する酸洗浄処理を挙げることができ、特に、酸洗浄液としてpH3.0〜5.0、好ましくはpHが3.5〜4.5の水性媒体で低変性脱脂大豆を洗浄処理して、ホエー成分を除去する処理が好ましく、かかる酸洗浄処理により得られる酸洗浄大豆スラリーは、大豆原料として特に好ましく用いることができる。また、上記pH調整に用いられる酸類は特に制限されず、リン酸,塩酸,硫酸等の無機酸や、クエン酸,リンゴ酸,乳酸等の有機酸などを例示でき、これらを1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。さらに、かかる酸洗浄液に乳化剤を添加するとスラリーの流動性が良くなり、可溶成分(ホエー)と不溶成分(酸洗浄大豆スラリー)との分離が容易になる。乳化剤の種類は特に制限されないが、HLB2〜7のグリセリン脂肪酸エステルを好適に例示することができ、その濃度は低変性脱脂大豆に対して0.001〜0.1重量%とすることが好ましい。
上記酸洗浄する方法としては特に制限されるものでなく、酸洗浄液に浸漬・攪拌した後に固液分離する方法や、酸洗浄液を流下する方法や、脱脂大豆と酸洗浄液を相対的に互いに反対方向に移動させることにより接触させ固液分離する多段洗浄方法(向流洗浄法)などを挙げることができる。この洗浄により固形分あたりの粗蛋白質量を高くするほど分離大豆蛋白としての粗蛋白質含量を上昇させることができるので、洗浄による固形分あたりの粗蛋白質量を65%以上、特に70%以上とすることが好ましい。洗浄による固形分あたりの粗蛋白質含量を高めるためには、向流洗浄法が好ましく、より少ない洗浄液量で洗浄することが可能となる上に、蛋白質の濃縮効率も高くなる。向流洗浄法による洗浄回数は2乃至3回がより好ましい。可溶成分と不溶成分とを分離する固液分離装置は特に制限されず、公知の分離装置、例えば遠心分離器、フィルタープレス、スクリュープレス等を使用することができる。また、洗浄温度は蛋白質が変性しない温度領域である10〜60℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは40〜50℃、洗浄時間は5〜60分、好ましくは10〜30分を好適に例示でき、これらの条件下での洗浄を1回もしくは数回行うことができる。なお、上記酸洗浄処理により、ホエー蛋白質とともに可溶化した糖類,塩類,色素類等も分離・除去することができる。
本発明の分離大豆蛋白の製造法は、脱脂大豆をpH3.0〜5.0の水性媒体で洗浄処理して、ホエー成分を除去して得られる酸洗浄大豆スラリーを用いること、及び、酸洗浄大豆スラリー中の蛋白質を中性〜アルカリ性領域の水性媒体に抽出する蛋白質抽出工程に向流抽出法を採用したこと、あるいは、酸沈工程がないこと、及び、大豆原料中の蛋白質を中性〜アルカリ性領域の水性媒体に抽出する蛋白質抽出工程に向流抽出法を採用したことを大きな特徴としている。かかる蛋白質抽出工程において、前記の酸洗浄によって得られた酸洗浄大豆スラリー等の大豆原料中の蛋白質を、中性〜アルカリ性領域の水性媒体に抽出するには、大豆原料に水性媒体を添加した後、pHを中性〜アルカリ性領域に調整して蛋白質を可溶化させ、不溶成分であるおから成分と分離することにより、あるいは、pHが中性〜アルカリ性領域の水性媒体の使用等により、大豆原料に接触混合後のpHが中性〜アルカリ性領域となる水性媒体を接触させて蛋白質を可溶化させ、不溶成分であるおから成分と分離することにより、蛋白質を抽出することができるが、本発明においてはいずれにしてもかかる抽出を向流抽出法によって行う点に特徴を有する。蛋白質抽出工程を、中性〜アルカリ性領域の水性媒体で複数回抽出するだけでは抽出液中の蛋白質濃度を高くすることができず、その後の殺菌、乾燥工程が非効率となり好ましくない。これに対して、蛋白質抽出工程における抽出を向流抽出法により行うと、抽出液中の蛋白質濃度を高くすることができ、酸沈処理による濃縮工程を行わずに、そのまま抽出液を殺菌、乾燥して熱ゲル化特性等の品質に優れた分離大豆蛋白を極めて効率的に得ることができる。
向流抽出において、中性〜アルカリ性領域の水性媒体に大豆原料中の蛋白質を抽出する際のpHは6.5〜8.5が好ましく、pH7.0〜8.0がより好ましい。この際、pHの調整には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩を用いることができる。また、抽出温度は10〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましく、45〜65℃が更に好ましい。抽出温度が高すぎると大豆蛋白が熱変性し、抽出温度が低くぎると、粘度が上昇して、抽出液と抽出残渣の分離性が低下する。また温度が低すぎると蛋白質の抽出率が低い。特に抽出時における微生物の増殖が問題となる場合には50℃以上で抽出することにより増殖を抑制でき好ましい。また、抽出時間は抽出スケール,攪拌条件等によっても異なるが、通常10〜120分が好ましく、20〜40分がより好ましい。上記大豆蛋白の抽出に用いられる水性媒体としては、大豆原料中の蛋白質を効率よく抽出しうる水主体の溶媒であれば特に制限されず、具体的には水、水にアルコールを添加した液(含水アルコール)、水に塩類を添加した液等を挙げることができるが、中でも水が好ましい。かかる水性媒体の使用量は、原料脱脂大豆換算(固形分重量当たり)で大豆原料の7倍量以下の水性媒体を用いて向流抽出することが好ましい。例えば酸洗浄大豆スラリーの場合、その固形分の2〜6重量倍、特に3〜4重量倍の水を用いて向流抽出することが好ましい。なお、向流抽出における水性媒体の使用量は、初発抽出時の液量ではなく定常抽出時の総液量である。
向流抽出法における抽出回数は2回以上であれば特に制限されないが、2乃至3回程度が好ましく、大豆原料が酸洗浄大豆スラリーの場合、特に3回が好ましい。この3回の抽出を行う3段向流抽出法によると、おから中に残存する蛋白質を減少でき蛋白質の回収率を向上させることができる。また、向流抽出に際して、pH勾配向流抽出法や連続向流抽出法やpH勾配連続向流抽出法を採用することもできる。ここでpH勾配向流抽出法とは、前記向流抽出法において、移動する毎に水性媒体のpHを順次高くして、あるいは順次低くして大豆原料に接触させる多段抽出法をいい、例えば、3段向流抽出法においては、第2抽出段階では第1抽出段階よりもpHを上げ(下げ)、第3抽出段階では第2抽出段階よりもpHを上げる(下げる)3段抽出法を例示することができ、上記連続向流抽出法とは、前記向流抽出法において、多段抽出工程を連続的に行う抽出法をいい、上記pH勾配連続向流抽出法とは、前記pH勾配向流抽出法において、多段抽出工程を連続的に行う抽出法をいう。これらの向流抽出法によると、より低コストで歩留まりの向上を図ることができる。
次に、本発明における向流抽出法の一態様を、連続3段向流抽出法を例にとって説明する。図1は、大豆原料やおからを主体とする抽出残渣を移動することなく、水性媒体(抽出液)のみを移動させ、順次大豆原料(抽出残渣)に接触させる3段向流抽出システムの概念図であり、図1に示すように、3段向流抽出システムでは4つの抽出器A〜Dが互いに通液可能に連結されている。また、各抽出器は、図示されていないが、固液分離機構,攪拌機構,pH調節機構等を備えている。なお、各抽出器内の充填物の濃淡は便宜上抽出可能な蛋白質の多寡を表し、各ラインの太細は便宜上抽出液に含まれる固形分の多寡を表している。
向流抽出が定常状態にある場合のサイクル[1]では、抽出器A内の第2抽出残渣に新しい水性媒体が導入され、抽出器B内の第1抽出残渣に抽出器Aからの第1抽出液が移送され、抽出器C内の新しい大豆原料に抽出器Bからの第2抽出液が移送され、それぞれ蛋白質の抽出が攪拌下に行われ、所定の抽出時間が経過後、抽出器A〜Cではそれぞれ固液分離が行われ、抽出器Aから抽出器Bに第1抽出液が送出され、抽出器Bから抽出器Cに第2抽出液が送出され、抽出器Cからは蛋白質抽出液(第3抽出液)が回収される。その間に、抽出器Dでは、抽出終了後の第3抽出残渣が排出されて新しい大豆原料が補充される。次のサイクル[2]ではラインを切り換え、抽出器B内の第2抽出残渣に新しい水性媒体が導入され、抽出器C内の第1抽出残渣に抽出器Bからの第1抽出液が移送され、抽出器D内の新しい大豆原料に抽出器Cからの第2抽出液が移送され、それぞれ蛋白質の抽出が攪拌下に行われ、所定の抽出時間が経過後、抽出器B〜Dではそれぞれ固液分離が行われ、抽出器Bから抽出器Cに第1抽出液が送出され、抽出器Cから抽出器Dに第2抽出液が送出され、抽出器Dからは蛋白質抽出液(第3抽出液)が回収される。その間に、抽出器Aでは、抽出終了後の第3抽出残渣が排出されて新しい大豆原料が補充される。
このようなサイクルの繰り返しにより連続向流抽出が実施され、定常的に、最も蛋白質濃度が高い新しい大豆原料が最も固形分濃度が高い第2抽出液と接触し、他方、新しく導入された水性媒体が既に2回の抽出処理を受け最も蛋白質濃度が低い第2抽出残渣と接触することになり、このために抽出液と被抽出物との濃度差が常に一定に保たれた状態で抽出が行われることになり、各抽出段階で効率的な抽出が可能となる。また、各抽出器に設けられたpH調節機構により、各抽出器におけるpHを抽出段階に応じて勾配をつけることにより、pH勾配連続向流抽出も可能となる。
本発明において、蛋白質抽出工程で向流抽出法により蛋白質抽出を行うことにより、通常、固形分8〜18重量%の大豆蛋白抽出液を得ることができるが、抽出pH,抽出温度,抽出時間,抽出液量,抽出回数等の抽出条件などを適宜選択して、固形分10〜14重量%の大豆蛋白抽出液を得ることが好ましい。固形分が18重量%を超える場合、蛋白質溶液の粘度が著しく上昇して、その後の殺菌、乾燥時における作業性を悪化させるおそれが生じる場合があるが、最終生成物として得られる分離大豆蛋白が蛋白分解物でもよい場合には、プロテーゼ等の分解酵素を用いて大豆蛋白を分解し、抽出液の粘度上昇を抑制できることから、蛋白質濃度を高くすることも可能である。また、固形分が8重量%以上の場合には、蛋白質抽出液を乾燥させて粉末状とする際に要するエネルギーが少なくて済むため好ましい。
以上の向流抽出法に用いることができる向流抽出装置としては、市販の向流抽出装置を含め特に制限されず、疑似移動式向流抽出装置(特開平5−207900号公報)や、特殊スクリューにて原料と液を連続的に交差させるスクリューコンベア式抽出機からなる連続式向流抽出機を例示することができ、また、蛋白質成分が可溶化した抽出液と不溶成分であるおからの分離に用いる装置についても特に制限されず、公知の分離装置、例えば遠心分離器、フィルタープレス、スクリュープレス等を使用することができる。
上記向流抽出法により得られた大豆蛋白抽出液を分離工程において、殺菌後、水と蛋白質に分離し、その後、乾燥することもできる。本発明の分離大豆蛋白の製造法によると、特に、向流抽出法により得られた大豆蛋白抽出液をそのまま殺菌・乾燥工程に供することができ、極めて効率的に殺菌・乾燥分離大豆蛋白を製造することができる。かかる殺菌・乾燥工程に用いられる殺菌装置としては、通常の殺菌装置であれば特に制限されず、例えばスチームインジェクション方式の連続式直接加熱殺菌装置を好適に例示することができる。殺菌条件としては、100〜160℃、好ましくは105〜145℃の温度での秒〜3分間の加熱殺菌を具体的に例示することができる。また、乾燥方法としては、従来公知の乾燥方法であれば特に制限されないが、蛋白質の変性を伴うことが少ない凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧乾燥等を好適に例示することができる。また、殺菌や乾燥に先立ち、乳化成分,安定化成分,栄養成分,甘味成分等の各種配合成分を添加しておくこともできる。
本発明の分離大豆蛋白としては、上記本発明の分離大豆蛋白の製造法のうち、特に向流抽出法により得られた大豆蛋白抽出液を殺菌・乾燥することにより得られる分離大豆蛋白であれば特に制限されるものではなく、粉末状や顆粒状の分離大豆蛋白を具体的に例示することができ、例えば、加熱殺菌後に噴霧乾燥した粉末状分離大豆蛋白や、加熱殺菌後の凍結乾燥品を粉砕した粉末状分離大豆蛋白を好適に例示することができる。本発明の分離大豆蛋白は、酸沈処理を行うことなく得られるものであることから、蛋白質の変性が少なく熱ゲル化特性に優れ、かつ、大豆蛋白特有の苦味及び収斂味のない極めて風味が良好であるという特質を有している。また、好適な本発明の分離大豆蛋白として、ゼリー強度(g・cm)が150以上である粉末状の分離大豆蛋白を挙げることができる。本発明において、ゼリー強度(g・cm)とは、供試粉末状大豆蛋白に5倍量相当の2%食塩水を加えて調製した16.6%ペーストをケーシング折径35mmに充填し、80℃で30分間加熱して調製したゲルを厚さ2cmに切り出し、レオナー(山電社製)でプランジャーにφ5mm球を用いた測定値をいう。
本発明は、上記本発明の分離大豆蛋白の製造法により得られる粉末状分離大豆蛋白等の分離大豆蛋白を含む食品又は食品素材をも対象とし、かかる食品又は食品素材としては、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜を挙げることができる。本発明の粉末状分離大豆蛋白等は、大豆蛋白特有の苦味及び収斂味がないので、各種食品や食品素材に、食品本来の風味を残した上で、ゲル化強度の改善や、良質植物性蛋白質添加による栄養価の改善等を図ることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、実施例中の%はすべて重量%を表す。
実施例1−1(酸洗浄大豆スラリー▲1▼の調製)
乳化剤として脂肪酸モノグリセリド(太陽化学社製「サンソフトO−30」)0.6gを分散させた45℃の温水12kg中へ、NSI90の低変性脱脂大豆フレーク2kgを徐々に加えた。塩酸でpH4.2に調整しながら10分間緩やかに攪拌・洗浄した後、溶出されたホエー成分を遠心分離機で分離・除去し、水分含量が63%、固形分あたりの粗蛋白質量が66%の酸洗浄大豆スラリー▲1▼4kgを得た。これを1kgずつに分け3段向流抽出に供した。
実施例1−2(酸洗浄大豆スラリー▲2▼の調製)
ホエー除去率を上げるため、ホエー洗浄の2段向流抽出を実施した。実施例1−1で調製した酸洗浄スラリー4kgに対し、45℃の温水12kgを加えた。10分間緩やかに攪拌・洗浄した後、溶出されたホエー成分を遠心分離機で分離し、ホエー12kgを得た。このホエーに乳化剤として脂肪酸モノグリセリド(太陽化学社製「サンソフトO−30」)0.6gを分散させ、NSI90の低変性脱脂大豆フレーク2kgを徐々に加えた。塩酸でpH4.2に調整しながら10分間緩やかに攪拌・洗浄した後、溶出されたホエー成分を遠心分離機で分離・除去し、酸洗浄スラリー4kgを得た。さらにこのスラリーに45℃の温水12kgを加えた。10分間緩やかに攪拌・洗浄した後、溶出されたホエー成分を遠心分離機で分離し、ホエーを除去し、水分含量が63%、固形分あたりの粗蛋白質量が72%の2段向流−酸洗浄大豆スラリー▲2▼4kgを得た。これを1kgずつに分け3段向流抽出に供した。
実施例2(分離大豆蛋白の製造)
酸洗浄大豆スラリーを大豆原料としたpH勾配3段向流抽出による分離大豆蛋白製造の概略を図2に示す。向流抽出はすべて20℃で実施し、固液分離は1500Gで10分の遠心分離により実施し、抽出液のpH調整は、20%水酸化ナトリウム溶液を用いて行った。
実施例1−1及び実施例1−2で得られた各酸洗浄大豆スラリーをpH勾配3段向流抽出によって、分離大豆蛋白を製造した。先ず実施例1−1で得られた酸洗浄大豆スラリー▲1▼1kgに水2kgを添加し、pH7.0に調整して30分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−1と抽出液E−1(固形分8.0%)2.0kgとを得た。この抽出残渣R−1に水2kgを添加し、pH7.5に調整して15分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−2と抽出液E−2(固形分2.5%)2.0kgとを得た。
次に、前記酸洗浄大豆スラリー▲1▼1kgに抽出液E−1を2kg添加し、pH7.0に調整して30分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−3と抽出液E−3(固形分13.5%)2.0kgとを得た。この抽出残渣R−3に抽出液E−2を2kg添加し、pH7.5に調整して30分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−4と抽出液E−4(固形分6.0%)2.2kgとを得た。さらに、抽出残渣R−4に水1.5kgを添加し、pH8.0に調整して15分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−5と抽出液E−5(固形分2.0%)1.6kgとを得た。
また、前記の酸洗浄大豆スラリー▲1▼1kgに抽出液E−4を2.2kg添加し、pH7.0に調整して30分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−6と抽出液E−6(固形分12.0%)2.2kgとを得た。この抽出残渣R−6に抽出液E−5を1.6kg加え、pH7.5に調整して30分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−7と抽出液E−7(固形分6.0%)1.7kgとを得た。さらに、抽出残渣R−7に水1.5kgを添加し、pH8.0に調整して15分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−8と抽出液E−8(固形分2.0%)1.6kgとを得た。
さらに、前記の酸洗浄大豆スラリー▲1▼1kgに抽出液E−7を1.7kg添加し、pH7.0に調整して30分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−9と抽出液E−9(固形分12.5%)2.0kgとを得た。この抽出残渣R−9に抽出液E−8を1.6kg添加し、pH7.5に調整して15分間攪拌し、遠心分離して抽出残渣R−10と抽出液E−10(固形分5.0%)1.7kgとを得た。
上記のようにして得られた抽出液のうち、固形分が10%以上となる抽出液E−3、E−6及びE−9を混合して、140℃で10秒加熱殺菌した後、噴霧乾燥して水分5%の粉末状分離大豆蛋白▲1▼825gを得た。同様にして、実施例1−2で得られた酸洗浄大豆スラリー▲2▼から3段向流抽出し、噴霧乾燥して水分5%の粉末状分離大豆蛋白▲2▼778gを得た。それぞれ得られた粉末状分離大豆蛋白の固形分あたりの粗蛋白質含量は、大豆原料として実施例1−1で得られた酸洗浄大豆スラリー▲1▼を使用した場合は86.7%、実施例1−2で得られた酸洗浄大豆スラリー▲2▼を使用した場合は91.2%であり、実施例1−2の場合では、酸沈処理による分離大豆蛋白以上の高蛋白質含有率であった。さらに、蛋白質の抽出工程で20℃に変えて50℃で抽出行ったところ、20℃で抽出行った場合と同様な結果が得られた。
比較例1(酸沈処理による分離大豆蛋白の製造)
低変性脱脂大豆フレーク(NSI90)2kgに12倍量の40℃温水を加え、水酸化溶液でpH7.0に調整した。この大豆分散液をホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、5000rpmで1時間攪拌して蛋白質を抽出し、遠心分離機(1500G、10分)でオカラ成分を除去して脱脂豆乳を得た。この脱脂豆乳に塩酸を加えてpH4.5に調整し、蛋白カードを沈殿させて遠心分離機にて回収した。この蛋白カードに加水、攪拌してカードスラリーを調製し、水酸化ナトリウム溶液でpH7.0に中和した。この中和液を直ちに加熱殺菌(140℃、10秒)し、噴霧乾燥して水分5%の粉末状分離大豆蛋白を800g得た。得られた酸沈処理による粉末状分離大豆蛋白の固形分あたりの蛋白質含有率は90.5%であった。
大豆原料として実施例1−1及び1−2の酸洗浄スラリーを用いて調製した実施例2の粉末状大豆蛋白▲1▼と粉末状大豆蛋白▲2▼、及び比較例1にて調製した粉末状分離大豆蛋白を用いたゲルのゼリー強度と風味評価の結果を表1に示す。ゲルは、粉末状大豆蛋白に5倍量相当の2%食塩水を加えて調製した16.6%ペーストをφ35mmのケーシング折に充填し、80℃で30分間加熱して調製した。ゼリー強度(g・cm)は、調製したゲルを厚さ2cmに切り出し、ゼリー強度測定器(山電社製「レオナー」)でプランジャーにφ5mm球を用いて測定した、試料のゲルの破断荷重(g)の値と破断変形(cm)の値の積として求めた。風味評価は、粉末状分離大豆蛋白に加水して5%溶液を調製し、熟練した専門パネラー10名による5点評価法(5点:良い、4点:やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪い)で官能評価し、その平均点とした。表1から明らかなように、本発明で得られた分離大豆蛋白は、酸沈処理による分離大豆蛋白よりも加熱ゲル化特性に優れ、風味も良好であることがわかった。
Figure 2004013170
実施例4(分離大豆蛋白のゼリー強度と風味評価)
次に、実施例3と同様の方法で分離大豆蛋白の溶解濃度を高めたときのゼリー強度について調べた。
大豆原料として実施例1−2の酸洗浄スラリー▲2▼を用いて調製した実施例2の粉末状大豆蛋白▲2▼(固形分あたりの蛋白質含有率91.2%)及び比較例1にて調製した粉末状分離大豆蛋白を用いたゲルのゼリー強度と風味評価の結果を表2に示す。ゲルは、粉末状大豆蛋白に4.5倍量相当の2%食塩水を加えて調製した18%ペーストをφ35mmのケーシング折に充填し、80℃で30分間加熱して調製した。ゼリー強度は、調製したゲルを厚さ2cmに切り出し、ゼリー強度測定器(山電社製「レオナー」)でプランジャーにφ5mm球を用いて測定した。風味評価は、粉末状分離大豆蛋白に加水して5%溶液を調製し、熟練した専門パネラー10名による5点評価法(5点:良い、4点:やや良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪い)で官能評価し、その平均点とした。表2から明らかなように、本発明で得られた大豆蛋白は、加熱ゲル化特性に優れ、風味も良好であることがわかった。
Figure 2004013170
本発明によって、酸沈処理を行わないで分離大豆蛋白を製造でき、熱ゲル化特性に優れ、かつ、風味が良好な大豆蛋白を、効率的に提供することができる。また、大豆蛋白製造時における使用水量を節減し、排水量の減少による環境への負荷を抑えた製造法をも提供することができる。

Claims (16)

  1. 脱脂大豆にpH3.0〜5.0の領域で水性媒体による洗浄処理を行ってホエー成分を抽出除去する酸洗浄工程と、酸洗浄工程により得られる酸洗浄大豆スラリーに中性〜アルカリ性領域で水性媒体による蛋白質の抽出処理を行って抽出残渣を除去する抽出工程と、抽出工程により得られる抽出液を中性〜アルカリ性の領域を保って水と蛋白に分離する分離工程とを備えたことを特徴とする分離大豆蛋白の製造法。
  2. 酸沈工程がないことを特徴とする請求項1記載の分離大豆蛋白の製造法。
  3. 抽出工程において、向流抽出法により抽出を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の分離大豆蛋白の製造法。
  4. 向流抽出法が、3段向流抽出法であることを特徴とする請求項3記載の分離大豆蛋白の製造法。
  5. 向流抽出法が、pH勾配向流抽出法であることを特徴とする請求項3又は4記載の分離大豆蛋白の製造法。
  6. 抽出工程において、原料脱脂大豆換算で大豆原料の7倍量以下の水性媒体を用いて蛋白質抽出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  7. 抽出工程において、抽出温度10℃〜70℃で抽出することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  8. 抽出工程において、抽出液中の大豆蛋白含量が10重量%以上となるように抽出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  9. 中性〜アルカリ性領域が、pH6.5〜8.5の領域であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  10. 酸洗浄工程において、2乃至3段の多段洗浄方法により洗浄を行うことを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  11. 酸洗浄工程において、酸洗浄大豆スラリー固形物中の粗蛋白質含量が65%以上好ましくは70%以上となるように洗浄処理を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  12. 酸洗浄工程において、乳化剤を含む水性媒体で洗浄処理を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  13. 分離工程において、向流抽出法により抽出した蛋白質溶液を、殺菌後、水と蛋白に分離することを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の分離大豆蛋白の製造法。
  14. 請求項1〜13のいずれか記載の製造法により得られることを特徴とする分離大豆蛋白。
  15. 分離大豆蛋白に5倍量相当の2%食塩水を加えて調整したゲルのゼリー強度(g・cm)が150以上であることを特徴とする請求項14記載の分離大豆蛋白。
  16. 請求項1〜13のいずれか記載の製造法により得られる分離大豆蛋白を含むことを特徴とする食品又は食品素材。
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