JP2015136345A - 卵ゲル様食品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】卵豆腐、茶わん蒸し、またはプリンなどの通常卵を加熱凝固させることによって得られる卵ゲル食品を、卵を減量して、もしくは使用せずに製造すること。
【解決手段】原料として低脂肪豆乳と凝固剤を配合し、加熱凝固させることにより、卵を用いずとも卵ゲル食品特有のやわらかく、かつ、つるりとした食感を有する卵ゲル様食品を得ることができる。

Description

本発明は、卵ゲル様食品の製造方法に関する。より詳しくは、卵豆腐、茶わん蒸し、プリンなどの、通常卵を加熱凝固させることによって得られる卵ゲルと同様のゲルを有する食品の製造方法に関するものである。
卵豆腐、茶わん蒸し、プリンは卵を主原料とした加工食品であり、日常の食生活でも親しみ深く好まれている食品である。しかし、今日のダイエット志向もしくは高齢化社会における、低カロリー、低コレステロール食品の時代においては、コレステロールが多く含まれる卵の減量もしくは制限が求められる場合がある。また、卵アレルギーの患者は卵製品を食することができないという問題がある。
このような課題を解決するため、卵を使用せずに、卵ゲル様の食品を製造する方法について検討がされており、例えば特許文献1〜3に挙げる技術が開示されている。特許文献1は、卵豆腐の製造方法に関するものであり、特許文献2は、茶わん蒸しの素の製造方法に関するものであるが、いずれも全卵から卵黄を除去して卵白を使用しており、卵を使わない方法にはなっていない。特許文献3は、卵を含有しないプリン様豆腐食品に関するものあるが、プリン様の食感を得るために水、大豆蛋白、乳類並びに増粘多糖類及び/又は豆腐凝固剤を組み合わせて配合することが必要であり、製造方法も煩雑である。
特開2005−21076号公報 特開2010−239928号公報 特開平9−322730号公報
本発明の課題は、卵豆腐、茶わん蒸し、プリンなどの、通常卵を加熱凝固させることによって得られる卵ゲル食品を、卵を減量して、もしくは使用せずに製造できる方法を提供することにある。なお、これらの卵ゲル食品の重要な特徴は、卵豆腐に代表されるような、特有の柔らかく、かつ、つるりとした食感を有することであり、また箸やスプーンでとった時に滑らかな切断面になるような物性を有することである。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、低脂肪豆乳と凝固剤を配合して加熱凝固させることによって、卵ゲル食品と同様の食感が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1) 連続相の30重量%以上が豆乳である卵ゲル様食品であって、低脂肪豆乳と凝固剤を含有する原料液を加熱し、凝固させることを特徴とする卵ゲル様食品の製造方法、
(2) 使用する豆乳の20重量%以上が低脂肪豆乳である、上記(1)に記載の卵ゲル様食品の製造方法、
(3)低脂肪豆乳が、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。以下の項において同じ。)が蛋白質含量に対して40重量%以下である、上記(1)または(2)に記載の卵ゲル様食品の製造方法、
(4)低脂肪豆乳が、脂質含量が蛋白質含量に対して10重量%以下である、上記(1)または(2)に記載の卵ゲル様食品の製造方法、
(5)食品の形態が卵豆腐、茶わん蒸し、またはプリンである上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の卵ゲル様食品、である。
本発明によれば、卵を減量して、もしくは全く使用しなくても、シンプルで平易な配合および製法で、全卵を使用して製造した場合と同様の柔らかく、かつ、つるりとした食感を有する卵ゲル様食品を得ることができる。これにより、健康上の理由で卵を控える人の食事メニューの数と質の向上を図ることができる。
本発明でいう「卵ゲル様食品」とは、通常、卵を含有する原料液を加熱凝固し調製されるゲル食品であるものを、卵以外の素材を用い、その食感を再現したものである。卵を使ったゲル食品としては、卵豆腐、茶わん蒸し、およびプリンなどがある。本発明は、これらの食品の食感を、卵以外の素材で再現しうるものである。特に卵豆腐および茶わん蒸しでは、卵を使用したものと非常に近い食感を実現できる。また、卵を部分的に他の素材に置き換えて、卵のみ使用した場合と同様の食感を再現したものも含まれる。
得られた食品が「卵ゲル様食品」といえるか否かは、卵を用いて調製した対象食品と比較して、パネラーによる官能評価により判断する。より具体的な方法は、実施例に記載する。
本発明でいう「連続相」とは、原料液を凝固して得られるゲル部分のことをいう。例えば茶わん蒸しでは、卵液によるゲル部分のほかに、具材が含まれる場合があるが、この具材は連続相に含まない。本発明においては連続相であるゲル部分について、その代替物を検討、規定したものであり、配合等の規定も、具を除いたゲル部分についてのものである。
(低脂肪豆乳)
本発明では豆乳を、原料液中に30重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは90重量%以上含む。この豆乳は低脂肪豆乳を含むものでなければならない。豆乳中の低脂肪豆乳の配合割合は、高い方がよく、好ましくは20重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上を配合するとよい。
本発明に使用する低脂肪豆乳とは、脂質が低減された豆乳をいう。本発明の低脂肪豆乳は、豆乳中の脂質含量が低い方が、卵ゲル食品の食感に近くなる傾向にあることから、豆乳中の脂質含量は、豆乳中の蛋白質含量に対して好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下、よりさらに好ましくは10重量%以下が適当である。また、豆乳の総蛋白質中の脂質親和性蛋白質の割合が低い方が、より卵ゲル食品の食感に近くなることから、その指標として蛋白質のLCI値は40%以下、より好ましくは38%以下、さらに好ましくは36%以下が適当である。脂質親和性蛋白質とLCI値については下記により詳しく説明する。
(脂質含量)
なお、本発明における低脂肪豆乳の脂質含量は、クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物含量としての総脂質含量を言うものとする。この値は、次の方法で測定された値とする。
サンプル(W)をクロロホルム:メタノールが2:1(体積比)の混合溶媒を用い、常圧沸点において30分間抽出された抽出物量を総脂質量として、脂質含量を算出した値とする。
溶媒抽出装置としてはFOSS社製の「ソックステック」を用いることができる。
(蛋白質含量)
本発明における蛋白質含量はケルダール法により窒素量として測定し、該窒素量に6.25の窒素換算係数を乗じて求めるものとする。
本発明に用いられる低脂肪豆乳の蛋白質含量は、特に限定されないが、蛋白質含量が高い方が凝固しやすく良好である点から、好ましくは乾物あたり30重量%以上、であり、より好ましくは乾物あたり50重量%以上が適当である。また、蛋白質含量は多すぎても効果に差が出ないことから、概ね乾物あたり70重量%以下、好ましくは65重量%以下が適当である。
このような蛋白質含量を有する低脂肪豆乳として、加水して低粘度の液状としたものや、減圧濃縮や凍結濃縮等の濃縮加工により高粘度化したものであってもよく、また必要に応じて濃縮工程や、噴霧乾燥や凍結乾燥等の粉末化工程などを経たものであってもよい。
(脂質親和性蛋白質)
脂質親和性蛋白質は、大豆の主要な酸沈殿性大豆蛋白質の内、グリシニン(7Sグロブリン)とβ−コングリシニン(11Sグロブリン)以外のマイナーな酸沈殿性大豆蛋白質群をいい、レシチンや糖脂質などの極性脂質を多く随伴するものである。以下、単に「LP」と略記することがある。
LPは雑多な蛋白質が混在したものであるが故、各々の蛋白質を全て特定し、LPの含量を厳密に測定することは困難であるが、下記LCI(Lipophilic Proteins Content Index)値を求めることにより推定することができる。
○蛋白質の各成分の組成分析
大豆蛋白素材Aの蛋白質の各成分組成はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)により分析することができる。
界面活性剤であるSDSと還元剤であるメルカプトエタノールの作用によって蛋白質分子間の疎水性相互作用、水素結合、分子間のジスルフィド結合が切断され、マイナスに帯電した蛋白質分子は固有の分子量に従った電気泳動距離を示すことにより、蛋白質に特徴的な泳動パターンを呈する。電気泳動後に色素であるクマシーブリリアントブルー(CBB)にてSDSゲルを染色した後に、デンシトメーターを用い、全蛋白質のバンドの濃さに対する各種蛋白質分子に相当するバンドの濃さが占める割合を算出する方法により求めることができる。
〔LP含み量の推定・LCI値の測定方法〕
(a) 各蛋白質中の主要な蛋白質として、7Sはαサブユニット及びα'サブユニット(α+α')、11Sは酸性サブユニット(AS)、LPは34kDa蛋白質及びリポキシゲナーゼ蛋白質(P34+Lx)を選択し、SDS−PAGEにより選択された各蛋白質の染色比率を求める。電気泳動は表1の条件で行うことが出来る。
(B) X(%)=(P34+Lx)/{(P34+Lx)+(α+α’)+AS}×100(%)を求める。
(c) 低変性脱脂大豆から調製された分離大豆蛋白のLP含量は凡そ38%となることから、X=38(%)となるよう(P34+Lx)に補正係数k*=6を掛ける。
(d) すなわち、以下の式によりLP推定含量(Lipophilic Proteins Content Index、以下「LCI」と略する。)を算出する。
(表1)電気泳動条件
Figure 2015136345
Figure 2015136345
(原料大豆)
本発明に用いられる低脂肪豆乳の原料大豆として、丸大豆、半割れ大豆、グリッツ、粉末等の形態のものが挙げられる。また、原料大豆として、あらかじめ脱脂や減脂されたものを用いることもできる。
(低脂肪豆乳の製造方法)
低脂肪豆乳は公知の製造法を用いて調製することができ、特に限定されるものではない。例えば、ヘキサンやエタノール等の溶剤により脱脂するなどして得られた脱脂大豆を、水抽出することにより好適な低脂肪豆乳を得ることができる。
水抽出は、一般的な方法を用いることができ、例えば水性媒体を原料大豆に加えて攪拌・磨砕等してスラリー状となし、不溶性画分(オカラ)を遠心分離、濾過等により分離、除去することにより行うことができる。
また丸大豆や減脂大豆を水抽出後、スラリー状態あるいはオカラの除去後において溶剤抽出や膜処理、または遠心分離による脱脂操作を行うことによって低脂肪豆乳を得る方法であっても構わない。
LCI値が40%以下の低脂肪豆乳の製法としては、特開2012−016348号公報に開示される方法が挙げられる。含脂大豆として乾物あたりの脂質含量が15重量%以上であってNSIが20〜77、好ましくは20〜70のものを用い、該含脂大豆を水に懸濁させて懸濁液を得、該懸濁液を固液分離して、中性脂質及び極性脂質を不溶性画分に移行させて除去し、蛋白質及び糖質を含む水溶性画分を回収することを特徴とする。
この製法で得られる低脂肪豆乳は、乾物あたりの蛋白質及び炭水化物の総含量が80重量%以上であり、脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。)が蛋白質含量に対して10重量%未満、蛋白質のLCI値は通常40%以下であるという特徴を有する。
(凝固剤)
凝固剤としては一般に豆腐の製造に使われるあらゆる凝固剤を使用することができる。たとえば、ニガリ(塩化マグネシウム)、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンなどが例示され、これらのうち1種類でも使用できるし、2種類以上を併用してもよい。市販の豆腐用凝固剤製剤を使用してもよい。また、粉末状、液体状いずれの形状でも使用できる。凝固剤の添加量は特に限定されないが、例えば低脂肪豆乳の乾物に対して乾物換算で0.1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%(製剤ならば製剤中の凝固剤画分として)とすることができる。卵ゲル様食品の硬さは凝固剤の量を増減させて適宜調整することができ、よりしっかりした硬さの卵ゲル様食品を製造したい場合は凝固剤の量を多めに添加し、より軟らかい卵ゲル様食品を製造したい場合は凝固剤の量を少なめに添加すればよい。
調味料は、卵ゲル様食品の形態に応じて必要なものを添加することができる。例えば食塩やだし、うま味調味料、甘味料、しょうゆ、みりん、などを挙げることができる。甘味料として、砂糖、デキストリン、オリゴ糖、液糖、トレハロース、ソルビットなどの糖類や、ステビオサイド、アスパルテーム、スクラロース、ネオテームなどの高甘味度甘味料が例示され、原料中の蛋白質含量や凝固剤含有量が多くなるよう配合量を調節したい場合はこれらの高甘味度甘味料を使用するとよい。
さらに、原材料として所望に応じて他の成分を添加することができ、係る他の成分としては、例えば、香料、香辛料、着色料、食物繊維、セルロース製剤、澱粉、ミネラル分、などが例示される。係る他の成分の添加量は、低脂肪豆乳を含む原料液の凝固性を損なわない範囲であれば、所望の量とすることができる。さらに具材として果実や野菜、キノコ類などの小片または全粒、魚介類や畜肉類、水産練り製品などが入ってもよい。
上記の原料を混合する方法は特に限定されないが、例えば、所定量の低脂肪豆乳に調味料と他の原材料を添加して予め均一に混合しておき、最後に凝固剤を添加してさらに混合する方法などが用いられる。
凝固剤の添加温度は、即効性のニガリを用いる場合は、凝固反応が起こる60℃以上は好ましくない。ただし、インラインで豆乳と遅行性のニガリ製剤を混合する等、調味料や他の原材料との均一混合や、充填に差支えがない工夫を行えば、高温での混合も可能となる。この原料液を容器に充填して加熱することにより、本発明の卵ゲル様食品が得られる。加熱条件は、加熱温度や加熱時間により適宜調整できるが、例えば65〜95℃で5分間以上、好ましくは80〜90℃で10〜60分程度の条件下に行われる。
調製後、例えば茶わん蒸し様のものは温かいまま食することができるし、一度冷却してから、喫食時に温めなおしてもよい。卵豆腐様のものやプリン様のものは冷却してから食することができる。所望によりだし調味料やカラメルソース、フルーツソースなどをかけて食してもよい。
以下に実施例を記載するが、この発明の技術思想がこれらの例示によって限定されるものではない(部、%は、すべて重量部、重量%を意味する。)。
(実施例1)卵豆腐様食品
湿熱加熱処理によりNSI 59.4とした大豆粉3.5kgに対して4.5倍量、50℃の水を加えて懸濁液とし、保温しながら30分間攪拌し、水抽出した。このときのpHは6.7であった。3層分離方式の遠心分離を6,000×gにて連続的に行い、浮上層・中間層・沈殿層に分離させたうちの、中間層の低脂肪豆乳12kgを回収した得られた低脂肪豆乳の脂質含量は、蛋白質含量に対して9%であった。
この低脂肪豆乳99.05部に食塩0.5部と粉末だし0.45部を添加し、ホモミキサーを用いて2000rpmで10分間撹拌した。これに、にがり(「赤穂のにがり」(赤穂化成(株)製)4.0部を添加し混合してからカップに充填し、レトルト装置を用いて90℃40分加熱をし、卵豆腐を模した卵ゲル様食品を得た。
(評価方法)
得られた卵ゲル様食品は、パネラー7名による官能評価で、鶏卵を使用して調製した卵ゲル食品と比較評価した。評価基準(5点:鶏卵を使用して調製した卵ゲル食品ととても似ている、4点:似ている、3点:どちらともいえない、2点:あまり似ていない、1点:似ていない)に基づいて評価し、平均をとった。平均点が4.0点以上を◎、3.0点以上4.0点未満を○、2.0点以上3.0点未満を△、2.0点未満を×として評価を判定した。
その結果を表2に示す。
(比較例1)
市販の豆乳(脂質含量3.8%)(「濃厚豆乳」不二製油(株)製)(脂質含量が蛋白質含量に対して60%)を用いて実施例1と同様に卵豆腐様の食品を調製した。こうして得られた卵ゲル様食品は、豆腐のような食感となってしまい、表面の滑らかさに欠け、卵豆腐様の食感は得られなかった。
(比較例2)
市販の豆乳(脂質含量3.6%)(「無調整豆乳」不二製油(株)製)(脂質含量が蛋白質含量に対して77%)を用いて実施例1と同様に卵豆腐様の食品の製造工程を行った。しかし、得られた製品は凝固せず、卵ゲル様食品として調製することができなかった。
(表2)卵豆腐様食品の評価結果
Figure 2015136345
(実施例2)茶わん蒸し様食品
実施例1で使用した低脂肪豆乳89.15部に食塩0.45部と粉末だし0.4部を添加し、ホモミキサーを用いて2000rpmで10分間撹拌した。これに、にがり(「赤穂のにがり」(赤穂化成(株)製)4.0部を添加し混合してから、任意の具材10部を予め入れたカップに充填し、レトルト装置を用いて90℃40分加熱をし、茶碗蒸しを模した食品を得た。この食品のゲル状部分の食感は、実施例1と同様のつるりとして滑らかな食感であった。
(実施例3、4、5及び比較例3)茶碗蒸し様食品
実施例2で配合した低脂肪豆乳を表3の各例に示す任意の割合となるように市販の豆乳(「濃厚豆乳」不二製油(株)製)に置き換えて、茶わん蒸し様の食品を調製し、実施例3、4、5および比較例3とした。各例について食感を評価した。
これらの結果を表3に示す。低脂肪豆乳を添加した実施例3〜5では、つるりとした茶碗蒸し様食感の食品が得られた。低脂肪豆乳の配合割合が多いほど、食感が茶碗蒸しに近づき良好であった。
(表3)茶わん蒸し様食品の評価結果
Figure 2015136345
(実施例6)プリン様食品
実施例1で使用した低脂肪豆乳90部に、グラニュー糖10部を添加し、ホモミキサーを用いて2000rpmで10分間撹拌した。これに、にがり(「赤穂のにがり」(赤穂化成(株)製)4.0部を添加し混合してからカップに充填し、レトルト装置を用いて90℃40分加熱をし、プリン様の食品を得た。この食品の食感は、実施例1と同様のつるりとして滑らかな食感であった。通常の豆腐や豆乳を主原料としたデザートの重い食感ではなく、プリンらしい軽い食感が得られた。
(実施例7)茶わん蒸し様食品
脱脂大豆1部に熱水(90℃)4部を加え、30分間浸漬を行い、十分に吸水した脱脂大豆1部に対し、熱水(90℃)6部を加えたものを「コミトロール」プロセッサー(URSCHEL社製)を用いて湿式粉砕し、粒子径40〜50μmの大豆懸濁液を得た。得られた大豆懸濁液を連続遠心分離器に供給し、3000×g、3分で遠心分離を行い、低脂肪豆乳とおからに分離した。得られた低脂肪豆乳は、脂質含量が蛋白質含量に対して5.2%、LCI値は43%であった。この低脂肪豆乳99.05部に食塩0.5部と粉末だし0.45部を添加し、ホモミキサーを用いて2000rpmで10分間撹拌した。これに、にがり(「赤穂のにがり」(赤穂化成(株)製)4.0部を添加し混合してから任意の具材10部を予め入れたカップに充填し、レトルト装置を用いて90℃40分加熱をし、茶わん蒸しを模した卵ゲル様食品を得た。この食品は、実施例2より大豆の匂いが強いが、同様のつるりとして滑らかな食感であった。
(実施例8)茶わん蒸し様食品
市販の調製豆乳粉末(脂質含量6.1%)(「ソヤフィット2000」不二製油(株)製)(脂質含量が蛋白質含量に対して9.7%)9.9部に、食塩0.5部と粉末だし0.45部と水89.15部を添加し、ホモミキサーを用いて2000rpmで10分間撹拌した。これに、にがり(「赤穂のにがり」(赤穂化成(株)製)4.0部を添加し混合してから任意の具材10部を予め入れたカップに充填し、レトルト装置を用いて90℃40分加熱をし、茶わん蒸しを模した卵ゲル様食品を得た。この食品は、実施例2よりやや硬く、大豆の匂いが強いが、同様のつるりとして滑らかな食感であった。
本発明の卵ゲル様食品は、卵豆腐や茶わん蒸し、プリンなどの通常卵を使用しないと製造できなかった食品を、卵を減量して、もしくは使用せずとも風味、食感を模して製造することができるため、低カロリーの食品を提供することができる。また、全く卵を使用しないで、かつ必要な管理のもとで製造した場合は、卵アレルギーや、高コレステロール血症などの人も食べることができる食品を提供することが可能である。

Claims (5)

  1. 連続相の30重量%以上が豆乳である卵ゲル様食品であって、低脂肪豆乳と凝固剤を含有する原料液を加熱し、凝固させることを特徴とする卵ゲル様食品の製造方法。
  2. 使用する豆乳の20重量%以上が低脂肪豆乳である、請求項1の卵ゲル様食品の製造方法。
  3. 低脂肪豆乳の脂質含量(クロロホルム/メタノール混合溶媒抽出物としての含量をいう。以下の請求項において同じ。)が蛋白質含量に対して40重量%以下である、請求項1または2に記載の卵ゲル様食品の製造方法。
  4. 低脂肪豆乳の脂質含量が蛋白質含量に対して10重量%以下である、請求項1または2に記載の卵ゲル様食品の製造方法。
  5. 食品の形態が卵豆腐、茶わん蒸し、またはプリンである請求項1〜4のいずれか一項に記載の卵ゲル様食品。
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