JPWO2004008471A1 - 画像表示装置、画像表示装置の製造方法、および製造装置 - Google Patents
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Abstract
画像表示装置の外囲器は、前面基板(11)と、この前面基板に対向配置された背面基板(12)とを有し、導電性封着材を含有した封着層(21)により前面基板および背面基板の周縁部同士が封着されている。外囲器には、封着層に通電するための電極(30)が取り付けられている。電極は、導電部材により形成され、封着層に電気的に接触しているとともに、外部に露出した導通部(38)を有している。
Description
この発明は、対向配置された基板を有した平面型の画像表示装置、画像表示装置の製造方法、画像表示装置の製造装置に関する。
近年、陰極線管(以下、CRTと称する)に代わる次世代の軽量、薄型の表示装置として様々な画像表示装置が開発されている。このような画像表示装置には、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などがある。
例えばFEDやSEDは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士を互いに接合することにより真空の外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるため、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体にエミッタから放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
このようなFEDやSEDでは、表示装置の厚さを数mm程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているCRTと比較して、軽量化、薄型化を達成することができる。
上記のようなFEDやSEDでは、外囲器の内部を高真空に維持することが必要となる。また、PDPにおいても外囲器内を一度真空にしてから放電ガスを充填する必要がある。真空の外囲器を備えたFEDを製造する方法として、例えば特開2000−229825号公報、特開2001−210258号公報には、外囲器を構成する前面基板および背面基板の最終組立を真空槽内にて行う方法が示されている。
この方法では、まず、真空槽内に持ち込まれた前面基板および背面基板を十分に加熱しておく。これは、外囲器真空度を劣化させる主因となっている外囲器内壁からのガス放出を軽減するためである。次に、前面基板および背面基板が冷えて真空槽内の真空度が十分に向上したところで、外囲器真空度を改善、維持させるためのゲッター膜を蛍光面スクリーン上に形成する。その後、封着材料が溶解する温度まで前面基板および背面基板を再び加熱し、前面基板および背面基板を所定の位置に組み合わせた状態で封着材料が固化するまで冷却する。
このような方法で作成された真空外囲器は、封着工程と真空封止工程を兼ねるうえ、排気に伴う多大な時間が要らず、かつ、極めて良好な真空度を得ることができる。また、封着材料としては、封着、封止一括処理に適した低融点材料を使用することが望ましい。
しかしながら、このような真空中で組立を行う場合、封着工程で行なう処理が、加熱、位置合わせ、冷却と多岐に渡り、かつ、封着材料が溶解固化する長い時間に渡って前面基板と背面基板とを所定の位置に維持し続けなければならない。また、封着時の加熱冷却に伴い前面基板および背面基板が熱膨張して位置合わせ精度が劣化し易いことなど、封着に伴なう生産性、特性面で問題がある。
これを解決する方法として、インジウム等の導電性封着材料に通電しそのジュール熱により導電性封着材料自身を発熱、溶解させ、基板を結合する方法(以下、通電加熱と称する)が検討されている。この方法によれば、基板の冷却に膨大な時間を費やす必要がなく、短時間で、かつ、簡単な装置により、外囲器を真空封着することができる。すなわち、導電性の封着材料を用いることで、基板を加熱することなく熱容量の小さい封着材のみを選択的に加熱することでき、基板の熱膨張による位置精度の劣化などを抑制することができる。また、封着材の熱容量が基板の熱容量に比べて非常に小さいため、基板全面を加熱する方法に比べて、加熱、冷却にかかる時間、大幅に短縮でき、量産性を大幅に向上することができる。
しかしながら、通電加熱の場合、導電性封着材料に安定した電流を流す必要がある。電流値が安定しない場合には外囲器個々により導電性封着材料の溶解にかかる時間が異なり、安定した基板結合が出来なくなる。導電性封着材料を加熱し過ぎると、その熱により基板に亀裂が発生する。逆に十分に溶解していない場合、基板の結合が不十分になり、その後の排気工程で外囲器の真空を保てない等の問題が発生する。
例えばFEDやSEDは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周辺部同士を互いに接合することにより真空の外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
背面基板および前面基板に加わる大気圧荷重を支えるため、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。背面基板側の電位はほぼアース電位であり、蛍光面にはアノード電圧Vaが印加される。そして、蛍光体スクリーンを構成する赤、緑、青の蛍光体にエミッタから放出された電子ビームを照射し、蛍光体を発光させることによって画像を表示する。
このようなFEDやSEDでは、表示装置の厚さを数mm程度にまで薄くすることができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されているCRTと比較して、軽量化、薄型化を達成することができる。
上記のようなFEDやSEDでは、外囲器の内部を高真空に維持することが必要となる。また、PDPにおいても外囲器内を一度真空にしてから放電ガスを充填する必要がある。真空の外囲器を備えたFEDを製造する方法として、例えば特開2000−229825号公報、特開2001−210258号公報には、外囲器を構成する前面基板および背面基板の最終組立を真空槽内にて行う方法が示されている。
この方法では、まず、真空槽内に持ち込まれた前面基板および背面基板を十分に加熱しておく。これは、外囲器真空度を劣化させる主因となっている外囲器内壁からのガス放出を軽減するためである。次に、前面基板および背面基板が冷えて真空槽内の真空度が十分に向上したところで、外囲器真空度を改善、維持させるためのゲッター膜を蛍光面スクリーン上に形成する。その後、封着材料が溶解する温度まで前面基板および背面基板を再び加熱し、前面基板および背面基板を所定の位置に組み合わせた状態で封着材料が固化するまで冷却する。
このような方法で作成された真空外囲器は、封着工程と真空封止工程を兼ねるうえ、排気に伴う多大な時間が要らず、かつ、極めて良好な真空度を得ることができる。また、封着材料としては、封着、封止一括処理に適した低融点材料を使用することが望ましい。
しかしながら、このような真空中で組立を行う場合、封着工程で行なう処理が、加熱、位置合わせ、冷却と多岐に渡り、かつ、封着材料が溶解固化する長い時間に渡って前面基板と背面基板とを所定の位置に維持し続けなければならない。また、封着時の加熱冷却に伴い前面基板および背面基板が熱膨張して位置合わせ精度が劣化し易いことなど、封着に伴なう生産性、特性面で問題がある。
これを解決する方法として、インジウム等の導電性封着材料に通電しそのジュール熱により導電性封着材料自身を発熱、溶解させ、基板を結合する方法(以下、通電加熱と称する)が検討されている。この方法によれば、基板の冷却に膨大な時間を費やす必要がなく、短時間で、かつ、簡単な装置により、外囲器を真空封着することができる。すなわち、導電性の封着材料を用いることで、基板を加熱することなく熱容量の小さい封着材のみを選択的に加熱することでき、基板の熱膨張による位置精度の劣化などを抑制することができる。また、封着材の熱容量が基板の熱容量に比べて非常に小さいため、基板全面を加熱する方法に比べて、加熱、冷却にかかる時間、大幅に短縮でき、量産性を大幅に向上することができる。
しかしながら、通電加熱の場合、導電性封着材料に安定した電流を流す必要がある。電流値が安定しない場合には外囲器個々により導電性封着材料の溶解にかかる時間が異なり、安定した基板結合が出来なくなる。導電性封着材料を加熱し過ぎると、その熱により基板に亀裂が発生する。逆に十分に溶解していない場合、基板の結合が不十分になり、その後の排気工程で外囲器の真空を保てない等の問題が発生する。
この発明は、以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、封着作業を迅速かつ安定して行うことが可能な画像表示装置、画像表示装置の製造方法、および製造装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、前面基板と、この前面基板に対向配置された背面基板とを有し、導電性封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、上記封着層に電気的に接触した状態で上記外囲器に取り付けられ、上記封着層に通電するための電極と、を備えている。
この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材料を配置して封着層を形成し、上記封着層の形成された上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に、電極を取り付けて上記封着層に電気的に接続し、上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で上記電極を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する。
上記のように構成された画像表示装置およびその製造方法によれば、予め外囲器に取り付けられ封着層に電気的に接続された電極を備え、この電極を通して封着層を通電加熱することにより外囲器を構成している。そのため、導電性封着材で形成された封着層に安定した電流を通電することができ、画像表示装置の封着作業を迅速かつ、安定化させることができる。
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置は、前面基板と、この前面基板に対向配置された背面基板とを有し、導電性封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、上記封着層に電気的に接触した状態で上記外囲器に取り付けられ、上記封着層に通電するための電極と、を備えている。
この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造方法は、対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材料を配置して封着層を形成し、上記封着層の形成された上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に、電極を取り付けて上記封着層に電気的に接続し、上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で上記電極を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する。
上記のように構成された画像表示装置およびその製造方法によれば、予め外囲器に取り付けられ封着層に電気的に接続された電極を備え、この電極を通して封着層を通電加熱することにより外囲器を構成している。そのため、導電性封着材で形成された封着層に安定した電流を通電することができ、画像表示装置の封着作業を迅速かつ、安定化させることができる。
図1は、この発明の第1の実施形態に係るFED全体を示す斜視図。
図2は、上記FEDの内部構成を示す斜視図。
図3は、図1の線III−IIIに沿った断面図。
図4は、上記FEDの蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図。
図5は、上記FEDの電極を示す斜視図。
図6Aおよび図6Bは、上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板をそれぞれ示す平面図。
図7は、上記FEDの背面基板に電極を取り付けた状態を示す斜視図。
図8は、上記封着部にインジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図9は、上記FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。
図10は、上記FEDの製造工程において、FEDの電極に電源を接続した状態を模式的に示す平面図。
図11は、この発明の第2の実施形態に係るFEDの一部を示す斜視図。
図12Aおよび図12Bは、上記第2の実施形態に係るFEDの製造工程を示す断面図。
図13は、この発明の第3の実施形態に係るFEDの製造工程において、FEDの電極に電源を接続した状態を模式的に示す平面図。
図14Aおよび図14Bは、上記第3の実施形態に係るFEDの製造工程を示す断面図。
図15は、この発明の第4の実施形態に係るFED全体を示す斜視図。
図16は、図15の線XVI−XVIに沿った断面図。
図17は、上記FEDの電極を示す斜視図。
図18Aおよび図18Bは、上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板をそれぞれ示す平面図。
図19は、インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図20は、上記第4の実施形態において、電極の変形例を示す断面図。
図21は、上記第4の実施形態において、電極の他の変形例を示す斜視図。
図22は、上記第4の実施形態において、上記他の変形例を示す断面図。
図23は、この発明の第5の実施形態に係るFED全体を示す斜視図。
図24は、図15の線XXIV−XXIVに沿った断面図。
図25は、第5の実施形態に係るFEDの電極を示す斜視図。
図26は、上記第5の実施形態において、変形例に係る電極を示す断面図。
図27は、上記第5の実施形態において、他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図28は、上記第5の実施形態において、上記他の変形例に係る電極を示す断面図。
図29は、上記第5の実施形態において、更に他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図30は、この発明の第6の実施形態に係るFEDを示す斜視図。
図31Aは、上記FEDの製造に用いられる前面基板を示す平面図。
図31Bは、上記FEDの製造に用いられる背面基板、側壁、スペーサを示す平面図。
図32は、上記第6の実施形態に係る製造方法において、前面基板と側壁との封着工程を示す断面図。
図33は、上記第6の実施形態において、電極の変形例を示す平面図。
図34Aおよび図34Bは、上記第6の実施形態において、電極の他の変形例をそれぞれ示す平面図。
図35は、この発明の第7の実施形態に係るFEDの製造方法を示す断面図。
図36は、上記第7の実施形態において、変形例に係る電極を用いた封着工程を示す断面図。
図37は、この発明の第8の実施形態に係るFEDの製造方法を示す断面図。
図38は、上記第8の実施形態において、基板間に電極を挿入した状態を示す断面図。
図39は、上記第8の実施形態において、両基板を互いに接近する方向に加圧した状態を示す断面図。
図40は、この発明の第9の実施形態に係るFEDの製造方法を示す断面図。
図41は、上記第9の実施形態において、封着層の溶着部に電極を接触させた状態を示す断面図。
図42は、この発明の第10の実施形態に係るFED全体を示す斜視図。
図43は、図42の線XLIII−XLIIIに沿った断面図。
図44は、第10の実施形態に係るFEDの電極を示す斜視図。
図45は、第10の実施形態において、背面基板に電極を取り付けた状態を示す斜視図。
図46は、第10の実施形態において、封着層が配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図47は、第10の実施形態において、背面基板と前面基板と互いに接近する方向に加圧し、電極の接触部を封着層間に挟持した状態を示す断面図。
図48は、上記第10の実施形態において、変形例に係る電極を示す斜視図。
図49は、上記第10の実施形態において、他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図50は、上記第10の実施形態において、更に他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図51は、上記第10の実施形態において、上記他の変形例に係る電極を示す断面図。
図52は、上記第10の実施形態における変形例において、インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図53は、上記第10の実施形態における他の変形例において、インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図54は、上記第10の実施形態において、変形例に係る電極を示す斜視図。
図55は、この発明の第11の実施形態において、電極を除去する工程を示す断面図。
図56は、上記第11の実施形態において、電極を除去する工程を示す断面図。
図57は、上記第11の実施形態において、電極が除去されたFEDを示す斜視図。
図58は、上記第11の実施形態において、電極が除去されたFEDを示す断面図。
図59は、上記第11の実施形態の変形例において、電極を除去する工程を示す断面図。
図60は、上記第11の実施形態における他の変形例において、電極を除去する工程を示す断面図。
図61Aないし図61Eは、上記第11の実施形態において、FEDの封着層に形成された凹部の変形例をそれぞれ示す平面図。
図62は、この発明の第12の実施形態において、電極を切断する工程を示す断面図。
図63は、上記第12の実施形態において、切断された電極を除去する工程を示す断面図。
図64は、この発明の第13の実施形態に係るFEDを示す断面図。
図65は、上記第13の実施形態において、背面基板に電極を装着した状態を示す斜視図。
図66は、上記第13の実施形態に係る製造装置を示す断面図。
図67は、上記製造装置を概略的に示す斜視図。
図68は、上記第13の実施形態において、変形例に係る製造装置を示す断面図。
図2は、上記FEDの内部構成を示す斜視図。
図3は、図1の線III−IIIに沿った断面図。
図4は、上記FEDの蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図。
図5は、上記FEDの電極を示す斜視図。
図6Aおよび図6Bは、上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板をそれぞれ示す平面図。
図7は、上記FEDの背面基板に電極を取り付けた状態を示す斜視図。
図8は、上記封着部にインジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図9は、上記FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。
図10は、上記FEDの製造工程において、FEDの電極に電源を接続した状態を模式的に示す平面図。
図11は、この発明の第2の実施形態に係るFEDの一部を示す斜視図。
図12Aおよび図12Bは、上記第2の実施形態に係るFEDの製造工程を示す断面図。
図13は、この発明の第3の実施形態に係るFEDの製造工程において、FEDの電極に電源を接続した状態を模式的に示す平面図。
図14Aおよび図14Bは、上記第3の実施形態に係るFEDの製造工程を示す断面図。
図15は、この発明の第4の実施形態に係るFED全体を示す斜視図。
図16は、図15の線XVI−XVIに沿った断面図。
図17は、上記FEDの電極を示す斜視図。
図18Aおよび図18Bは、上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板をそれぞれ示す平面図。
図19は、インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図20は、上記第4の実施形態において、電極の変形例を示す断面図。
図21は、上記第4の実施形態において、電極の他の変形例を示す斜視図。
図22は、上記第4の実施形態において、上記他の変形例を示す断面図。
図23は、この発明の第5の実施形態に係るFED全体を示す斜視図。
図24は、図15の線XXIV−XXIVに沿った断面図。
図25は、第5の実施形態に係るFEDの電極を示す斜視図。
図26は、上記第5の実施形態において、変形例に係る電極を示す断面図。
図27は、上記第5の実施形態において、他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図28は、上記第5の実施形態において、上記他の変形例に係る電極を示す断面図。
図29は、上記第5の実施形態において、更に他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図30は、この発明の第6の実施形態に係るFEDを示す斜視図。
図31Aは、上記FEDの製造に用いられる前面基板を示す平面図。
図31Bは、上記FEDの製造に用いられる背面基板、側壁、スペーサを示す平面図。
図32は、上記第6の実施形態に係る製造方法において、前面基板と側壁との封着工程を示す断面図。
図33は、上記第6の実施形態において、電極の変形例を示す平面図。
図34Aおよび図34Bは、上記第6の実施形態において、電極の他の変形例をそれぞれ示す平面図。
図35は、この発明の第7の実施形態に係るFEDの製造方法を示す断面図。
図36は、上記第7の実施形態において、変形例に係る電極を用いた封着工程を示す断面図。
図37は、この発明の第8の実施形態に係るFEDの製造方法を示す断面図。
図38は、上記第8の実施形態において、基板間に電極を挿入した状態を示す断面図。
図39は、上記第8の実施形態において、両基板を互いに接近する方向に加圧した状態を示す断面図。
図40は、この発明の第9の実施形態に係るFEDの製造方法を示す断面図。
図41は、上記第9の実施形態において、封着層の溶着部に電極を接触させた状態を示す断面図。
図42は、この発明の第10の実施形態に係るFED全体を示す斜視図。
図43は、図42の線XLIII−XLIIIに沿った断面図。
図44は、第10の実施形態に係るFEDの電極を示す斜視図。
図45は、第10の実施形態において、背面基板に電極を取り付けた状態を示す斜視図。
図46は、第10の実施形態において、封着層が配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図47は、第10の実施形態において、背面基板と前面基板と互いに接近する方向に加圧し、電極の接触部を封着層間に挟持した状態を示す断面図。
図48は、上記第10の実施形態において、変形例に係る電極を示す斜視図。
図49は、上記第10の実施形態において、他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図50は、上記第10の実施形態において、更に他の変形例に係る電極を示す斜視図。
図51は、上記第10の実施形態において、上記他の変形例に係る電極を示す断面図。
図52は、上記第10の実施形態における変形例において、インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図53は、上記第10の実施形態における他の変形例において、インジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
図54は、上記第10の実施形態において、変形例に係る電極を示す斜視図。
図55は、この発明の第11の実施形態において、電極を除去する工程を示す断面図。
図56は、上記第11の実施形態において、電極を除去する工程を示す断面図。
図57は、上記第11の実施形態において、電極が除去されたFEDを示す斜視図。
図58は、上記第11の実施形態において、電極が除去されたFEDを示す断面図。
図59は、上記第11の実施形態の変形例において、電極を除去する工程を示す断面図。
図60は、上記第11の実施形態における他の変形例において、電極を除去する工程を示す断面図。
図61Aないし図61Eは、上記第11の実施形態において、FEDの封着層に形成された凹部の変形例をそれぞれ示す平面図。
図62は、この発明の第12の実施形態において、電極を切断する工程を示す断面図。
図63は、上記第12の実施形態において、切断された電極を除去する工程を示す断面図。
図64は、この発明の第13の実施形態に係るFEDを示す断面図。
図65は、上記第13の実施形態において、背面基板に電極を装着した状態を示す斜視図。
図66は、上記第13の実施形態に係る製造装置を示す断面図。
図67は、上記製造装置を概略的に示す斜視図。
図68は、上記第13の実施形態において、変形例に係る製造装置を示す断面図。
以下図面を参照しながら、この発明の第1の実施形態に係るFEDおよびその製造方法について詳細に説明する。
図1ないし図4に示すように、FEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、真空外囲器10の一辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。支持部材14は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
前面基板11の内面には、画像表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した光吸収層20を並べて構成されている。蛍光体層R、G、Bは、真空外囲器10の上記一辺と平行な方向に延在しているとともに、この一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。光吸収層20は、蛍光体層R、G、Bの周囲に設けられている。蛍光体スクリーン16上には、たとえばアルミニウムからなるメタルバック17、ゲッター膜13が順に蒸着されている。
図3に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子22が設けられている。これらの電子放出素子22は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。詳細に述べると、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。
上記構成のFEDにおいて、映像信号は、単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子22を基準とした場合、最も輝度の高い状態の時、+100Vのゲート電圧が印加される。また、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。これにより、電子放出素子22から電子ビームが放出される。電子放出素子22から放出される電子ビームの大きさは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
蛍光体スクリーン16には高電圧が印加されるため、前面基板11、背面基板12、側壁18、および支持部材14用の板ガラスには、高歪点ガラスが使用されている。後述するように、背面基板12と側壁18との間は、フリットガラス等の低融点ガラス19によって封着されている。前面基板11と側壁18との間は、導電性を有した低融点封着材料としてのインジウム(In)を含んだ封着層21によって封着されている。
FEDは、複数、例えば、一対の電極30を備え、これらの電極は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極部材として用いられる。
図5に示すように、各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を加工してクリップ状に形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、平坦な第1板部33a、この第1板部と隙間を置いて対向した第2板部33b、および第1および第2板部に対してほぼ直角に延びているとともに第1および第2板部の端縁部同時を連結した導通部38を有している。第1板部33baは、それぞれ封着層21に導通する第1および第2接触部36a、36bを有している。第1および第2接触部36a、36bの間にはスリット45が形成され、第2接触部36bは爪状をなし、容易に弾性変形可能となっている。
図1ないし図3に示すように、各電極30は、例えば、背面基板12および側壁18に弾性的に係合した状態で真空外囲器10に取り付けられている。すなわち、電極30は、第1板部33baと第2板部33bとの間に背面基板12の端縁部および側壁18を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に固定されている。そして、第1板部33aの第1および第2接触部36a、36bは、それぞれ封着層21に接触し、電気的に導通している。また、電極30の導通部38は、背面基板12の側面および側壁18と対向し、真空外囲器10の外側に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
次に、上記構成を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。この場合、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体ストライプパターンを形成しておく。この蛍光体ストライプパターンを形成した板ガラスと前面基板用の板ガラスを位置決め治具に載せて露光台にセットする。この状態で、蛍光体ストライプパターンを露光、現像することにより、前面基板11となるガラス板上に蛍光体スクリーンを生成する。その後、蛍光体スクリーン16に重ねてメタルバック17を形成する。
続いて、背面基板12用の板ガラス上に電子放出素子22を形成する。これは、マトリックス状の導電性カソード層24を板ガラス上に形成し、このカソード層上に例えば熱酸化法やCVD法あるいはスパッタリング法により2酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。この後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。レジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
この後、レジストパターン及びゲート電極28をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板12表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。その後、背面基板表面に対して垂直な方向からカソード形成用の材料として例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、キャビティ25の内部に電子放出素子22が形成される。次に、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。続いて、大気中で側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に低融点ガラス19により封着する。
その後、図6A、6Bに示すように、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し封着層21aを形成する。同様に、前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し封着層21bを形成する。側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、上述したように、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
続いて、図7に示すように、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、側壁18上で各電極30の第1接触部36aを封着層21aに接触させることにより、電極を封着層に対して電気的に接続する。なお、第1接触部36aと封着層との導電性を確実に確保するため、予め封着層21aと第1接触部36aとの間をハンダ付けすることも有効である。電極30は、基板上で+極と−極の一対を必要とし、各電極から封着層21a、21bへ通電する長さを等しくすることが望ましい。そこで、一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
電極30を装着した後、これら背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、真空処理装置内に投入する。ここでは、例えば図9に示すような真空処理装置100を用いる。真空処理装置100は、並んで配設されたロード室101、ベーキング、電子線洗浄室102、冷却室103、ゲッター膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107を備えている。組立室105には、通電用の直流の電源120と、この電源を制御するコンピュータ122とが接続されている。真空処理装置100の各室は、真空処理が可能な処理室として構成され、FEDの製造時には全室が真空排気されている。これら各処理室間は図示しないゲートバルブ等により接続されている。
所定間隔離して配置された上述の前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入され、ロード室101内を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
ベーキング、電子線洗浄室102では、各部材を300℃の温度に加熱し、各基板および側壁の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に設けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
そして、この加熱、電子線洗浄を行った前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。蒸着室104では、蛍光体層の外側にゲッター膜としてBa膜が蒸着される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることが防止され、活性状態を維持することができる。
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。この組立室105では、図8に示すように、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、各電極30の第2接触部36bを前面基板11側の封着層21bに接触させる。これにより、各電極30を封着層21bに電気的に接続する。この際、第2接触部36bは、ばね圧により封着層21bに対して弾性的に押付けられ、安定した導電性を確保することができる。
次に、図10に示すように、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに通電して封着層を加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子40を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。
インジウムが溶融した後、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧する。これにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器が完成する。
なお、真空外囲器が完成した後、必要であれば電極30を切除してもよい。
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、封着層21に通電するための電極30が予め外囲器に装着され、封着層に電気的に接続された状態で固定されている。そのため、通電加熱時、電極30を介して封着層21に安定した電流を流すことができる。従って、封着時、封着層を構成する導電性の低融点封着材料を予め定めた通電時間で安定してかつ確実に溶融させることができ、その結果、封着層21に亀裂等が発生することなく迅速かつ確実な封着を行うことができる。
真空雰囲気中で前面基板および背面基板の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄との併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができ、同時に、封着時間の短縮を図ることができる。
従って、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
次に、この発明の第2の実施形態に係るFEDについて説明する。上述した実施形態において、各電極は、側壁側の封着層に導通した第1接触部、および前面基板側の封着層に導通した第2接触部を備えた構成としたが、第2の実施形態によれば、図11、図12Aおよび図12Bに示すように、電極30は、単一の接触部36aを備えて構成されている。一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向した一対の角部にそれぞれ装着され、側壁18および背面基板12を弾性的に挟持した状態で外囲器に取り付けられている。この際、各接触部36aは、封着層21aの上面に接触して封着層と電気的に接続されている。
封着工程において、封着層21bの形成された前面基板11を背面基板12と対向配置することにより、各電極30の接触部36aが封着層21a、21bの両方に接触し電気的に接続される。そして、これらの電極30を介して封着層21a、21bに同時に通電し、インジウムを加熱溶融することができる。
第2の実施形態において、他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、第1および第2の実施形態において、各電極30は、前面基板側に装着固定する構成としても良い。
図13、図14Aおよび図14Bに示す第3の実施形態によれば、FEDは、側壁18上に形成された封着層21aに通電するための一対の第1電極30aと、前面基板11に形成された封着層21bに通電するための一対の第2電極30bとを備えている。第1および第2電極30a、30bは、前述した電極30とほぼ同様にクリップ状に形成されている。ただし、各電極ともに、接触部36は1つとなっている。
一対の第1電極30aは、背面基板12の対角方向に対向した一対の角部にそれぞれ装着され、側壁18および背面基板12を弾性的に挟持した状態で取り付けられている。この際、各第1電極30aはその接触部36が封着層21aに接触して封着層と電気的に接続されている。一対の第2電極30bは、前面基板11の対角方向に対向した一対の角部にそれぞれ装着され、前面基板を弾性的に挟持した状態で取り付けられている。この際、各第2電極30bはその接触部36が封着層21bに接触して封着層と電気的に接続されている。第1電極30aおよび第2電極30bは、互い重なることなく、4つの角部に分け配置することが望ましい。
封着工程においては、図13および図14Aに示すように、電源120に接続された一対の接続端子40aを、第1電極30aの導通部38にそれぞれ接触させ、電源と第1電極、および第1電極と封着層21aを導通させる。また、電源120に接続された一対の接続端子40bを、第2電極30bの導通部38にそれぞれ接触させ、電源と第2電極、および第2電極と封着層21bを導通させる。この状態で、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに通電して封着層を加熱しインジウムを溶融させる。
インジウムが溶融した後、図14Bに示すように、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧する。これにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。
第3の実施形態において、他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、第3の実施形態によれば、背面基板12側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bに通電する電流値を個別に制御することができ、一層適切な通電加熱を行うことができる。
次に、この発明の第4の実施形態に係るFEDについて説明する。
図15ないし図17に示すように、FEDは真空外囲器10および真空外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。真空外囲器10は、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備え、これらの基板11、12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合されている。前面基板11の内面には、蛍光体スクリーン16、メタルバック17、ゲッター膜13が形成されている。背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する多数の電子放出素子22が設けられている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子22に電位を供給する多数本の配線23がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の周縁部に引出されている。
一対の電極30は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極として用いられる。各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能なクリップ状の装着部32、装着部に並んで位置した楔状の胴体部34、胴体部の延出端に位置した接触部36、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。また、胴体部34は帯状に形成され、接触部36から外側かつ斜め上方に傾斜して延びている。これにより、胴体部34は、鉛直方向に沿って接触部36よりも高く位置した流出規制部37を形成している。
各電極30は、真空外囲器10の例えば、背面基板12に弾性的に係合した状態で取り付けられている。すなわち、電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し、電気的に導通している。胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、流出規制部37は接触部36よりも鉛直方向に沿って高く位置している。導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
上記FEDの他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、上記FEDの製造方法について詳細に説明する。この製造方法は、第1の実施形態に係る製造方法とほぼ同一であり、異なる部分を中心に説明する。
まず、蛍光体スクリーンおよびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子22が形成された背面基板12を用意する。続いて、大気中で低融点ガラス19により側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、図18A、図18Bに示すように、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し封着層21bを形成する。なお、側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、上述したように、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
続いて、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、側壁18上で各電極30の接触部36を封着層21aに接触させることにより、電極を封着層に対して電気的に接続する。一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
電極30を装着した後、背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、図9に示した真空処理装置100内に投入する。前面基板11および背面基板12は、ロード室101を介してベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時に、電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射し、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
ベーキング工程において、封着層21a、21bは加熱されて溶融する。背面基板12側の封着層21aは、電極30を通して外部に流出しようとする。しかし、各電極30には、接触部36よりも高く位置した流出規制部37が設けられているため、この流出規制部により、溶融したインジウムが背面基板の外側へ流れ出すのを抑えることができる。
次いで、前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られ、蛍光体層の外側にBa膜が蒸着形成される。続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られ、図19に示すように、対向配置された状態で組立室内のホットプレート131、132にそれぞれ保持される。前面基板11は落下しないように、固定治具133により上側のホットプレート131に固定する。
その後、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、所定の圧力で加圧する。それにより、各電極30の接触部36を前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとの間に挟持し、各電極30を封着層21a、21bに電気的に接続する。この際、接触部36は2mm以上の水平方向長さに形成されているため、封着層21a、21bに対し安定して接触することができる。なお、電極30の接触部36に予めインジウムを塗布しておくことにより、一層安定して封着材に通電することが可能となる。
この状態で、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに例えば、140Aの直流電流を定電流モードで印加する。これにより、封着層21a、21bを加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。また、各電極30は封着層21a、21bに対して等価に接触しているため、安定して通電することができ、それぞれの封着層にほぼ同量の電流を流し均等に溶融させることができる。
上記のようにインジウムを溶融させることにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、真空外囲器10が完成する。なお、真空外囲器10が完成した後、必要であれば電極30を切除してもよい。
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、第4の実施形態によれば、封着材に通電するための電極30は、接触部よりも高く位置した流出規制部を有していることから、ベーキング工程等において、溶融した封着材が電極を通して外部に流出すること規制する。そのため、封着層を均一な厚さに維持し、外囲器を全周に渡って確実に封着することができるとともに、封着材の流出に起因する配線のショート等を防止することが可能となる。従って、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
上述した第4の実施形態において、各電極30の胴体部34は、そのほぼ全体が接触部36から斜め上方に延出し流出規制部37を形成している構成したが、例えば、図20に示すように、胴体部34の一部を接触部36よりも鉛直方向に沿って高い位置へ延出させて流出規制部37を構成してもよい。また、各電極30は装着部を一体に備えた構成としたが、図21、図22に示すように、電極30は、接触部36、胴体部34、流出規制部37および基台部39を備えた構成とし、別体のクリップ46を用いて背面基板12に取り付ける構成としてもよい。
なお、図20ないし図22に示した変形例において、他の構成は前述した第4の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの変形例に係る電極を用いた場合でも、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、この発明の第5の実施形態に係るFEDについて説明する。
図23ないし図25に示すように、FEDは真空外囲器10および真空外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。一対の電極30は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能なクリップ状の装着部32、装着部に並んで位置した楔状の胴体部34、胴体部の延出端に位置した接触部36、接触部から胴体部側に延出し胴体部と並んで位置したドレイン部35、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。
接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。胴体部34は帯状に形成され、接触部36から外側かつ斜め上方に傾斜して延びている。これにより、胴体部34は、鉛直方向に沿って接触部36よりも高く位置した流出規制部37を形成している。胴体部34は、電流を導通部38から接触部36へ流す流路を形成している。
ドレイン部35は帯状に形成され、接触部36から外側かつ斜め下方に傾斜して延びている。これにより、ドレイン部35は、鉛直方向に沿って接触部36よりも低い位置に形成している。ドレイン部35の幅は、胴体部34の幅よりも狭く、例えば、1mm程度に形成されている。ドレイン部35は、後述するように、溶融した封着材を外部に流出させる流路を形成している。
各電極30は、真空外囲器10の例えば、背面基板12に弾性的に係合した状態で取り付けられている。すなわち、電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し、封着層に電気的に導通している。胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、流出規制部37は接触部36よりも鉛直方向に沿って高く位置している。ドレイン部35は接触部36から真空外囲器10の外側に延出し、接触部36よりも鉛直方向に沿って低い位置に位置している。導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
上記FEDの他の構成は、前述した第4の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。また、第5の実施形態に係るFEDは、第4の実施形態に係る製造方法と同一の製造方法により製造される。
第5の実施形態によれば、ベーキング工程において、封着層21a、21bは加熱されて溶融する。そして、背面基板12側の封着層21aは、電極30を通して外部に流出しようとする。しかし、各電極30には、接触部36よりも高く位置した流出規制部37が設けられているため、この流出規制部により、溶融したインジウムが背面基板の外側へ流れ出すのを抑えることができる。また、溶融したインジウムの一部は、電極30のドレイン部35から背面基板12の外側へ流れでるが、ドレイン部の幅は胴体部34の幅よりも狭く形成されていることから、流出量は僅かである。例えば、流出規制部37およびドレイン部を持たない電極に比較して、溶融インジウムの流出量を1/10程度に抑えることができる。この程度の流出量であれば、封着層の厚さが相対的に薄くなって封着部からリークし易くなるといった問題、および、流出したインジウムが基板上の配線に接触してショートを発生させるといった問題を防止することができる。
また、封着工程において、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。この際、前面基板11および背面基板12は互いに接近する方向へ加圧されているため、溶融したインジウムは押し潰され余剰のインジウムが生じる。この余剰のインジウムは基板側へ流出しようとする。ここで、各電極30には接触部36よりも低く位置したドレイン部35が設けられていることから、溶融した余剰のインジウムは積極的にドレイン部35から基板の外側へ流出する。すなわち、電極30のドレイン部35は胴体部34よりも狭い幅に形成されているが、インジウムが加圧されているため、余剰のインジウムは全て電極のドレイン部35を伝わって基板周縁側へ押し流される。各電極30は背面基板12のコーナ部に装着され、ドレイン部35は配線23から外れた位置に延出している。そのため、ドレイン部35を伝わって流出したインジウムは配線23に接触することがなく、流出インジウムによる配線のショート等を防止することができる。なお、電極30のドレイン部35およびその近傍領域に予めインジウムを塗布しておくことにより、一層安定して封着材に流出させることが可能となる。
その他、第5の実施形態に係るFEDおよびその製造方法によれば、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
第5の実施の形態において、各電極30の胴体部34は、そのほぼ全体が接触部から斜め上方に延出し流出規制部37を形成している構成したが、例えば、図26に示すように、胴体部34の一部を接触部36よりも鉛直方向に沿って高い位置へ延出させて流出規制部37を構成してもよい。
また、第5の実施形態において、各電極30は装着部を一体に備えた構成としたが、図27および図28に示すように、接触部36、胴体部34、流出規制部37、ドレイン部35、および基台部39を備えた構成とし、導通部38を有した別体のクリップ46を用いて背面基板12に取り付ける構成としてもよい。
電極30のドレイン部35は、胴体部34の側方に並んで設けた構成に限らず、図27に示すように、胴体部34の中央部に設けても良い。この場合、ドレイン部35は、胴体部34の一部を切り起こして形成され、胴体部には接触部36からドレイン部35への封着材の流出を許容する開孔42が形成されている。
図29に示すように、電極30のドレイン部35は、1つに限らず、胴体部34の両側に一対設けてもよい。この場合、各ドレイン部35の構成は上述した実施の形態と同一である。また、
図26ないし図29に示す変形例において、他の構成は前述した第5の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの変形例に係る電極を用いた場合でも、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、前述した実施形態および図26ないし図29に示した変形例を互いに組み合わせた構成を用いることも可能である。
次に、この発明の第6の実施形態に係るFEDおよびその製造方法について説明する。図30に示すように、FEDは、偏平な矩形状の真空外囲器10および外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。第6の実施形態において、FEDの構成は、電極30を除いて前述した実施形態と同一であるため、異なる構成を中心に説明する。同時に、FEDの構成は、製造方法と併せて説明する。
図13Aおよび図13Bに示すように、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子が形成された背面基板12を用意する。続いて、大気中で低融点ガラスにより側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し矩形枠状の封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し、背面基板11側の封着層21aに対応した矩形枠状の封着層21bを形成する。なお、側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、上述したように、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
続いて、前面基板11および背面基板12は、例えば図9に示した真空処理装置内に送られ、真空雰囲気中で封着される。この場合、前面基板11および背面基板12を加熱して十分に脱ガスする。加熱温度は200℃〜500℃程度に適時設定される。脱ガス処理により、外囲器構成部材の内壁から放出されるガスを軽減し、真空外囲器の真空度劣化を防止する。次に、前面基板11の蛍光体スクリーン16上にゲッター膜を形成する。これは、真空外囲器となった後の残留ガスをゲッター膜により吸着排気し、真空外囲器内の真空度を良好なレベルに保つためである。
続いて、蛍光体スクリーン16と電子放出素子とが対向するように前面基板11および背面基板12を互いに所定の位置に重ね合わせる。この状態で、封着層21a、21bに通電し、これらの封着材を加熱して溶解する。その後、通電を止めて封着層21a、21bの熱を速やかに前面基板11および側壁18に拡散伝導させ、封着層21a、21bを固化させる。その結果、前面基板11と側壁18とが封着層21a、21bによって互いに封着される。
次に、上述した封着工程についてより詳細に説明する。
図31,32に示すように、封着前の状態において、前面基板11および背面基板12の温度は、封着層21a、21bの融点よりも低くなるよう設定され、封着層21a、21bは固化している。この状態で、前面基板11および背面基板12を所定の位置に重ね合わせ、封着層21a、21bを互いに重ね合わせる。更に、加圧装置23a、23bにより、前面基板11および背面基板12に対し互いに接近する方向に所定の荷重を印加する。画像表示領域は、支持部材14により所定の隙間に保持されている。
この際、側壁18の対角方向に対向した2つの角部において、それぞれ封着層21a、21b間に板状の電極30を挟み込んで配置する。図31Bに示すように、電極30は、それぞれ封着層に電気的に接触した2つの接触部36a、36bを有し、ほぼY字形状に形成されている。また、各電極30の接触部36a、36bは、封着層21a、21bの角部の両側でこれらの封着層に接触している。2つの接触部36a、36b間には、溶融した封着材を流出させるための隙間30cが形成されている。電極30の挟み込み方法としては、電極と同材質のクリップ等で固定する方法を用いることができる。なお、電極30は、少なくともCu、Al、Fe、Ni、Co、Be、Crの何れかを含む、単元素または合金により形成されている。
続いて、電極30にそれぞれ給電端子24a、24bを接触させる。これらの給電端子24a、24bは電源120に接続されている。この状態で、給電端子24a、24bおよび電極30を通して封着層21a、21bに所定の電流を通電すると、封着層21a、21bのみが発熱し溶融する。この際、溶融した余剰の封着材は、各電極30の2つの接触部36a、36bと封着層とで囲まれた隙間30cを通って、側壁18の角部から側壁の外部に流出する。
その後、通電を停止し給電端子24a、24bを外すと、熱容量の小さい封着層21a、21bの熱は温度勾配によって前面基板11および側壁18に放熱される。封着層21a、21bは、熱容量の大きい前面基板11および側壁18と熱平衡に達し、速やかに冷却固化される。これにより、前面基板11と側壁18とが封着層21a、21bによって互いに封着され、内部が高真空に維持された真空外囲器10を有するFEDが得られる。なお、封着後、電極30は、封着材層21a、21bと共に封着された状態で真空外囲器10に固定される。
上記のように構成された第6の実施形態に係るFEDおよびその製造方法によれば、極めて短時間でかつ簡単な製造装置により、真空外囲器を真空封着することができる。すなわち、導電性を有した封着材を用いることにより、基板を加熱することなく熱容量の小さい、つまり体積の小さい、封着材のみを選択的に加熱することができ、基板の熱膨張による位置精度の劣化等を抑制することができる。
封着層の熱容量が基板の熱容量に比べて非常に小さいため、基板全体を加熱する従来の方法に比較して、加熱、冷却にかかる時間を大幅に短縮でき、量産性を大幅に向上することができる。更に、封着に必要な装置が単なる給電端子とこれを接触させる機構のみであり、極めて簡略かつ超高真空に適したクリーンな装置を実現することができる。
封着層21a、21bに通電するための各電極30は、複数の接触部36a、36bを有し、これらの接触部間には隙間30cが形成されている。そのため、封着時、余剰となった溶融状態の封着材を、接触部36a、36b間に規定された隙間30cから積極的に外部に流出させることが可能となる。従って、電極30の接触部を適切な位置に設けることにより、封着材が基板の配線上等にはみ出ることを防止でき、配線間のショート等を生じることなく、迅速かつ安定した封着が可能となる。
電極30は、接触部間に封着材が通る隙間を有していればよく、上述したY字型形状に限定らず、例えば、図33に示すように、ほぼU字形状としてもよい。電極30は封着材に接する接触部を3個以上有していてもよい。例えば、図34Aに示すように、電極30は、4つの接触部36a、36b、32a、32bを有したほうき形状に形成してもよい。この場合、隣合う接触部間には、封着材を通す隙間30cが形成されている。
また、電極30の接触部は、真空外囲器の角部を挟んだ両側に限らず、図34Bに示すように、外囲器の角部の片側で封着層21a、21bに接触してもよい。電極30が角部から少しずれた位置にあるため、封着材は外囲器の角部30dから流出することもある。なお、図33、図34aおよび図34Bにそれぞれ示す変形例において、他の構成は前述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。また、これらの変形例においても、第6の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した第6の実施形態では、電極30は直接、封着層21a、21bに接触する構成としたが、図35に示す第7の実施形態に係る製造方法によれば、予め電極30を導電性材料層31により被覆し、この導電性材料層31を介して電極を封着層に接触させる構成としてもよい。
すなわち、封着工程において、封着層21aと封着層21bとの間に一対の板状の電極30をそれぞれ挟み込む。各電極30において、封着層21a、21bと接触する面は、予め導電性材料層31で被覆されている。ここでは、各電極30の両面は、例えば、封着層21a、21bと同一の導電性材料であるInあるいはInを含む合金により被覆されている。導電性材料層31は、例えば、超音波印加した半田コテによって導電性材料を電極表面に塗布することにより形成する。これにより、各電極30は導電性材料層31を介して封着層21a、21bに接触している。電極30は、少なくともCu、Al、Fe、Ni、Co、Be、Crの何れかを含む、単元素または合金により形成されている。
続いて、電極30にそれぞれ給電端子24a、24bを接触させる。これらの給電端子24a、24bは電源120に接続されている。この状態で、給電端子24a、24bおよび電極30を通して封着層21a、21bに所定の電流を通電すると、封着材のみが発熱し溶解する。その後、通電を停止し給電端子24a、24bを外すと、熱容量の小さい封着層21a、21bの熱は温度勾配によって前面基板11および側壁18に放熱される。そのため、封着層21a、21bは、熱容量の大きい前面基板11および側壁18と熱平衡に達し、速やかに冷却固化される。これにより、前面基板11と側壁18とが封着層21a、21bによって互いに封着され、内部が高真空に維持された真空外囲器10を有するFEDが得られる。なお、封着後、電極30は、封着層21a、21bと共に封着された状態で真空外囲器10に固定される。
第7の実施形態において、他の構成は上述した第6の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。その詳細な説明は省略する。上記のように構成された第7の実施形態においても、第6の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、封着層21a、21bに通電するための電極30は、封着層との接触面が導電性材料層31によって被覆されている。そのため、封着層21a、21bの通電溶融時、電極30と封着材との濡れ性が向上し、封着材と電極との間における接触抵抗の増加を防止することができる。これにより、接触部における異常発熱を防止し、封着層21a、21bが断線してしまうといった恐れを無くすことができる。その結果、短時間でかつ、高い歩留りでFEDを製造することが可能となる。
また、電極30の表面を導電性材料層31で被覆することにより、封着の際に余剰となった溶融状態の封着材を、電極から外囲器の外部へ積極的に排出することが可能となる。
上述した第7の実施形態では、電極30を封着層21a、21b間に挟み込む構成としたが、電極を一方の封着材のみに接触させた状態で通電する構成としてもよい。すなわち、図36に示すように、前面基板11および背面基板12を所定の位置に重ね合わせ、封着層21a、21bを互いに重ね合わせて接触させる。前面基板11および背面基板12には、加圧装置23a、23bにより互いに接近する方向に所定の封着荷重が印加される。そして、電極30は、それぞれ封着材21bに接触した状態に配置する。
電極の保持方法は、予め前面基板11の封着層21a、21bに接するように、封着層と同材質のクリップ等で電極を固定する方法、又は、給電端子24a、24bにクリップ等で電極を固定保持し、前面基板11と背面基板12とを所定の位置に重ね合わせる際に電極を挟み込む方法でもよい。
この場合、各電極30において、封着層21bと接触する表面を、予め導電性材料層31により被覆しておく。導電性材料層31は、例えば、超音波印加した半田コテによって導電性材料を電極表面に塗布することにより形成する。なお、封着時に余剰な封着材を積極的に電極30からはみ出させるため、電極の封着材と接しない面にも導電性材料層を形成してもよい。
他の構成は第7の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、上記構成においても、上述した第7の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
封着材に通電する電流の形態については、直流電流のみならず、商用周波数で変動する交流電流を用いても良い。この場合、交流で送信されてくる商用電流をわざわざ直流に変換する手間が省け、装置を簡略化することができる。更に、kHzレベルの高周波で変動する交流電流を用いても良い。この場合、表皮効果により高周波に対する実効抵抗値が増大する分だけジュール熱が増大するため、より小さい電流値で上記と同様の加熱効果が得られる。
また、通電する電力と時間については、上記実施形態では5〜300秒程度としている。通電時間が長い(電力が小さい)と、基板周辺の温度上昇による冷却速度の低下や熱膨張による弊害を生じ、通電時間が短い(電力が大きい)と、導電性封着材料の充填不均一に起因する断線やガラス熱応力による割れを生じる。そのため、通電する電力および時間(時間的な電力変化も含む)は、対象物毎に最適な条件設定を行なうことが望ましい。
更に、封着時の基板温度と封着材の融点との温度差については、上記実施形態では20℃〜150℃程度としている。温度差が大きい場合、冷却時間を短縮できるがガラス熱応力が大きくなるため、これも対象物毎に最適な条件設定を行なうことが望ましい。
次に、この発明の第8の実施形態に係るFEDの製造方法について説明する。なお、第8の実施形態において、FEDの構成および製造方法における封着工程以外の構成は前述した第6の実施形態と同一であり、異なる部分を中心に説明する。
図37に示すように、封着工程において、真空処理装置の組立室に送られた前面基板11および背面基板12は、対向配置されたままホットプレート131、132に対して、それぞれ外面が密着した状態に保持される。すなわち、背面基板12はホットプレート132上に載置され、前面基板11は落下しないよう固定治具133によって上側のホットプレート131に固定される。
続いて、図38および図39に示すように、例えば、銅からなる厚さ約0.2mmの平板状の電極30を一対用意し、これらの電極30を前面基板11と背面基板12との間に挿入する。この際、一対の電極30は、相対する位置に設け、各電極の先端が前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとの間に位置するように挿入する。例えば、一対の電極30は、基板の内、対角方向に対向する2つの角部、2つの短辺、あるいは2つの長辺にそれぞれ配置する。
次に、上側のホットプレート131および前面基板11を下降させ、前面基板11に設けられた封着層21bのほぼ全体を背面基板側の側壁18に設けられた封着層21aに接触させる。同時に、前面基板11および背面基板12の少なくとも一方、ここでは、両基板を互いに接近する方向へ所望の圧力で加圧する。その際、上下の封着層21a、21b間に各電極30を挟み込む。これにより、各電極30は、上下のインジウム21に同時に電気的に接触する。
この状態で、電源から一対の電極30を通して両封着層21a、21bに140Aの直流電流を定電流モードで通電する。これにより、封着層を形成したインジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および側壁18が封着層21a、21bにより気密に接合される。
その後、通電を停止することにより、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。このようにして形成された外囲器は、冷却室106で常温まで冷却されて、アンロード室107から取り出される。以上の工程により、真空外囲器が完成する。
第8の実施形態によれば、前述した実施形態と同様に、真空雰囲気中で前面基板11および背面基板12の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができる。同時に、封着時間の短縮を図ることができ、量産性に優れた製造方法とすることが可能となる。
また、対向配置された前面基板11および背面基板12の少なくとも一方を前面基板および背面基板が互いに接近する方向に加圧し、封着層21a、21bの少なくとも一部が前面基板および背面基板の周辺部間に挟持された状態で、封着層に通電して加熱溶融している。これにより、溶融後の封着層は前面基板11と側壁18との間には挟まれた状態となる。そのため、基板の周辺に沿った封着層21a、21bの断面積のばらつきや重力などにより溶融インジウムに局部的な凹凸が生じようとしても、前面基板11および側壁18間の空間が制約されているので、過剰に凝集しようとした溶融インジウムが疎の部分に押し戻される。その結果、封着層における凹凸の発生を抑えることができる。従って、溶融後の封着層の断面積は前面基板11および側壁18の全周に渡って均一となり、接合時、封着層を全集に渡って均等に加熱することができる。このことから、封着層の局部的な加熱による断線、基板のクラック発生等を防止し、安定した接合を行うことが可能になる。そして、安価に製造ができ、信頼性が高くかつ良好な画像を得ることが可能なFEDを提供することができる。
上述した製造方法によれば、各電極30を、前面基板11側の封着層21bおよび側壁側の封着層21aの両方に同時に電気的に接触し、すなわち、両封着層に等価に接触させた状態で通電することができる。これにより、それぞれの封着層にほぼ同じ量の電流を流すことができる。その結果、前面基板11および背面基板12に設けられた封着層を均等に加熱溶融し、安定した接合を行うことができる。
次に、この発明の第9の実施形態に係るFEDの製造方法について説明する。
上述した第8の実施形態では、電極30を上下の封着層21a、21b間に挟み込んで両封着層に同時に電気的に接触させる構成とした。第9の実施形態によれば、電極30を接触させる部分において、予め封着層21a、21b同士を部分的に溶着し、この溶着部に電極30を接触させている。
詳細に述べると、真空処理装置の組立室105に送られて来た前面基板11および背面基板12は、図40に示すように、複数の支持ピン128によって保持され、互いに接近する方向に加圧される。これにより、前面基板11に設けられた封着層21bおよび側壁18に設けられた封着層21aが互いに接触する。なお、電極30が接触する部分において、例えば、前面基板11に設けられた封着層21bは、他の部分よりも外側に延出した延出部21cを有している。例えば、延出部21cは、前面基板11の対向する2つの角部近傍にそれぞれ設けられている。
続いて、延出部21cに対応する位置で、例えば、背面基板12の角部の下方に誘導加熱コイル127を対向配置する。この誘導加熱コイル127によって封着層21a、21bを局部的に高周波加熱し、封着層同士を部分的に溶着する。これにより、対角方向に対向した2つの角部にそれぞれ溶着部21dを形成する。
その後、銅からなる厚さ約0.2mmの電極30を前面基板11と背面基板12との間に挿入し、各溶着部21dにおける延出部21cに接触させる。この状態で、電源から一対の電極30を通して封着層21a、21bに通電する。これにより、インジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および側壁18が封着層21a、21bにより気密に接合される。
その後、通電を停止することにより、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。このようにして形成された外囲器は、冷却室で常温まで冷却されて、アンロード室から取り出される。以上の工程により、真空外囲器が完成する。
なお、他の構成は前述した実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
上記のように構成された第9の実施の形態によれば、電極30を接触させる位置において、対向するインジウム同士を通電前に溶着させておくことにより、前面基板11側の封着層21bおよび側壁18側の封着層21aにほぼ同量の電流を分流して流すことができる。これにより、両封着層21a、21bを均等に加熱溶融することが可能となる。また、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向に加圧した状態で封着層に通電するため、上記第8の実施の形態と同様に、溶融後の封着層の断面積変化を抑え、封着層全体を均等に加熱昇温することが可能になる。以上のことから、前面基板11および背面基板12を安定して接合し、信頼性の向上したFEDを得ることができる。
第8および第9の実施形態において、例えば、予め電極を基板に取り付けた状態で真空処理装置に投入してもよく、電極の形状や材料も上記実施の形態に限られるものではない。また、前面基板および側壁の両方に封着材を設けた状態で封着する構成としたが、前面基板および側壁の少なくとも一方に封着材を設けた状態で封着してもよい。
次に、この発明の第10の実施形態に係るFEDおよびその製造方法について説明する。
図42および図43に示すように、FEDは真空外囲器10および真空外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。真空外囲器10は、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備え、これらの基板11、12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合されている。前面基板11の内面には、蛍光体スクリーン16、メタルバック17、ゲッター膜13が形成されている。背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する多数の電子放出素子22が設けられている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子22に電位を供給する多数本の配線23がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の周縁部に引出されている。
一対の電極30は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極として用いられる。図44に示すように、各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、装着部32、装着部から延出し封着層に対する電流の通路となる胴体部34、胴体部の延出端に位置し封着層に接触可能な接触部36、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。
装着部32は、クリップ状に折り曲げられた挟持部を一体に備え、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能と成っている。接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。また、胴体部34は帯状に形成され、装着部32から斜め上方に傾斜して延びている。これにより、接触部36は、鉛直方向に沿って、装着部32および胴体部34接触部36よりも高く位置している。
図42および図43,44に示すように、各電極30は、真空外囲器10の例えば、装着部32により例えば背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し電気的に導通している。胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
上記FEDの他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、第10の実施の形態に係るFEDの製造方法について詳細に説明する。ここでは、第1の実施形態に係る製造方法と異なる部分を中心に説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子22が形成された背面基板12を用意する。続いて、大気中で低融点ガラス19により側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し封着層21bを形成する。
続いて、図45に示すように、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、各電極30は、接触部36が封着層21aに接触せず、封着層と隙間を置いて対向した状態に装着する。電極30は、基板上で+極と−極の一対を必要とし、一対の電極間で並列に通電される封着層21a、21bの各々の通電経路はその長さを等しくすることが望ましい。そこで、一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
電極30を装着した後、背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、図9に示した真空処理装置100内に投入する。前面基板11および背面基板12は、ロード室101を介してベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時に、電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射し、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
ベーキング工程において、加熱により封着層21a、21bは一旦溶融して流動性を有するが、各電極30の接触部36は封着層21a、21bに接触することなく隙間を置いて対向している。そのため、溶融したインジウムが電極30を通して背面基板12の外側へ流れ出すのを抑えることができる。
ベーキングおよび電子線洗浄された前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、メタルバック17の外側にゲッター膜27としてBa膜が蒸着形成される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。図46に示すように、この組立室105において、前面基板11および背面基板12は、対向配置された状態で組立室内のホットプレート131、132にそれぞれ保持される。前面基板11は落下しないように、固定治具133により上側のホットプレート131に固定する。
その後、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、所定の圧力で加圧する。基板の移動は、前面基板11および背面基板12の両方を移動させて互いに接近させる方法、あるいは前面基板および背面基板のいずれか一方を移動させて互いに接近させる方法のいずれでもよい。
図47に示すように、所定の圧力で加圧することにより、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとを互いに接触させるとともに、各電極30の接触部36を封着層21a、21bの間に挟持し、各電極30を封着層21a、21bに電気的に接続する。この際、接触部36は2mm以上の水平方向長さに形成されているため、封着層21a、21bに対し安定して接触することができる。なお、電極30の接触部36に予めインジウムを塗布しておくことにより、封着層に対して一層良好な接触および通電状態を得ることができる。
この状態で、図10に示したように、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに例えば、140Aの直流電流を定電流モードで印加する。これにより、封着層21a、21bを加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子40を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。また、各電極30は封着層21a、21bに対して等価に接触しているため、安定して通電することができ、それぞれの封着層にほぼ同量の電流を流し均等に加熱溶融させることができる。
インジウムを溶融させることにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により封着された前面基板11、側壁18、および背面基板12は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器10が完成する。
なお、真空外囲器10が完成した後、必要であれば一対の電極30を切除してもよい。
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、通電加熱時、背面基板に装着された電極30を介して封着層21に安定した電流を流すことができる。従って、封着時、封着層を構成する導電性の低融点封着材料を予め定めた通電時間で安定してかつ確実に溶融させることができ、その結果、封着層21に亀裂等が発生することなく迅速かつ確実な封着を行うことができる。
ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、基板全体を低温に維持しながら、封着作業を短時間でかつ安定して行うことができる。同時に、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことが可能となる。
封着前の状態において、電極の接触部は、封着層に接触することなく封着層と隙間を置いて対向している。そのため、ベーキング工程等において、封着材が溶融した場合でも、この溶融した封着材が電極を通して外部に流出すること防止できる。従って、封着層を全周に渡って均一な厚さに維持できるとともに、封着材の流出に起因する配線のショート等を防止することが可能となる。以上のことから、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
上述した第10の実施形態において、各電極30は、接触部36および胴体部34は同一の幅を有した帯状に形成されている。図48に示すように、胴体部34は、接触部36の幅よりも狭い幅に形成されてもよい。ここでは、胴体部34は、全長に渡って均一の幅を有した帯状に形成されている。また、図49に示すように、胴体部34は、接触部36と繋がった部分が、接触部の幅よりも狭い幅に形成され、この接触部から装着部32に向かって徐々に幅が広くなるように形成してもよい。
このように、胴体部34の幅、特に、少なくとも接触部36に繋がった部分における胴体部の幅が接触部の幅よりも狭く形成された電極30を用いることにより、通電加熱時、胴体部34での発熱を接触部36を介して速やかに封着層に伝えることができる。従って、封着層に一層安定して通電することができ、封着層全体がほぼ均一に昇温するようになり、迅速かつ確実に接合を行うことが可能になる。
ここでは、胴体部34の幅を狭くしたが、胴体部に孔や切り込みを入れて制御してもよく、胴体部の厚さを薄くして制御してもよい。また、胴体部とそれ以外の部分で材質を変更等し、板材の重ね合わせで発熱を制御してもよい。
上述した第10の実施形態において、各電極30の装着部はクリップ状の挟持部を一体に備えた構成としたが、図50および図51に示すように、挟持部として機能する別体のクリップ46を備えた構成としてもよい。すなわち、電極30は、接触部36、胴体部34、および平坦な基台部39を有し、これは板材を折り曲げて一体に形成されている。また、電極30の装着部は、基台部39、および別体のクリップ46により構成されている。そして、電極30は、基台部39および基板の周縁部、ここでは背面基板12の周縁部を、クリップ46で挟持することにより、背面基板12に取り付けられる。
図48ないし図51に示す変形例において、他の構成は前述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの実施の形態においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
第10の実施形態では、背面基板の対向する対角部分に一対の電極を取付け、基板同士を加圧した状態で封着層に通電する構成としたが、これに限らず、前面基板側にも一対の電極を取付け、背面基板側と別々に封着層に通電し加熱溶融する構成としてもよい。
この場合、図52に示すように、組立室に送られた前面基板11および背面基板12は、ホットプレート131、132上に固定され対向配置された後、互いに接近する方向へ移動される。背面基板12に取り付けられた電極30の接触部は前面基板11側の封着層21bに電気的に接触し、前面基板11に取り付けられた電極30の接触部は背面基板12側の封着層21aに電気的に接触する。この際、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとは互いに接触しない状態で保持される。
この状態で電極30を通して封着層21a、21bに電流を印加することにより、封着層21aおよび封着層21bはそれぞれ別々に溶融する。溶融後、通電を止め、両基板11、12をさらに互いに接近する方向へ移動して加圧することにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層21によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。
一方の基板に2対の電極を取付け、1対の電極で背面基板12側の封着層21aに通電し、他方の1対の電極で前面基板11側の封着層21bに通電する構成とすることも可能である。
この場合、図53に示すように、背面基板12に2対の電極30を取り付ける。組立室に送られた前面基板11および背面基板12は、ホットプレート131、132上に固定され対向配置された後、互いに接近する方向へ移動される。背面基板12に取り付けられた電極の内、1対の電極の接触部36は前面基板11側の封着層21bに電気的に接触する。他の1対の電極30は、図54に示すように、電極の胴体部34に凸状部分47が形成されている。前面基板11および背面基板12が互いに接近する方向へ移動された際、凸状部分47が、前面基板11の周縁部に当接し、電極の接触部は36は、背面基板12側の封着層21a方向に移動し、この封着層21aに電気的に接触する。この際、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとは互いに接触しない状態で保持される。
この状態で、電極30から封着層21a、21bに電流を印加することにより、封着層21a、21bはそれぞれ別々に加熱され溶融する。溶融後、通電を止め、前面基板11および背面基板12をさらに互いに接近する方向へ移動させ加圧する。これにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。
なお、図52、図53、および図54に示した変形例において、他の構成は前述した第10の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。上記変形例においても、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
一方、上述した各実施形態において、FEDの真空外囲器の封着が終了した後、電極を真空外囲器から除去してもよい。この発明の第11の実施形態に係る製造方法によれば、封着後、真空外囲器10から電極30を切除するように構成されている。例えば、第10の実施形態において、封着後、外囲器10は、真空処理装置のアンロード室107から取り出される。この外囲器10には、電極30が封着層21に強固に接合されたまま残っている。そこで、これらの電極30を以下の工程により外囲器10から除去する。
まず、図55に示すように、電極30と封着層21との界面に超音波カッター60の刃を挿入し、電極の接触部36の周囲に位置した封着層21を超音波切断して除去する。超音波カッター60を用いた場合、超音波振動によって刃と封着層21との摩擦力が小さくなり、加圧をほとんどかけずに容易に封着層を切断除去することができる。
このようにして電極30の接触部36周囲の封着層を除去すると、電極と封着層の接合力が弱くなる。この状態で、図56に示すように、電極30の装着部32を図示しない保持ジグによってチャッキングし、矢印方向に引き抜く。これにより、基板や封着層を損傷することなく、外囲器10から機械的に電極30を除去することができる。
上記のように構成されたFEDでは、電極30を除去することにより、封着層21には、電極の接触部36が配置されていた跡に対応する凹部41が残る。すなわち、図57および図58に示すように、封着層21のうち、真空外囲器10の対角方向に対向した2つの角部40a、40bに位置した2箇所には、例えば、それぞれ幅5mm、奥行き約1mmの凹部41が形成され、それぞれ真空外囲器の外側に向かって開口している。これにより、真空外囲器10の角部40a、40bにおいて、封着層21は、その幅が部分的に狭くなるように形成されている。
第11の実施形態において、他の構成は前述した第10の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
以上のように構成された第11の実施形態に係る製造方法およびFEDによれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。封着後のFEDにおいて不要な部品となる電極を除去することにより、外囲器の取扱いが簡単になるという利点が得られる。例えば、FEDをモニターとしてキャビネットに組み込む際、電極が障害となることを防止できる。電極の基板から突き出た部分が他の装置や作業者を傷つけ、あるいは、電極を介して外囲器に負荷が作用し外囲器が破壊する等の問題を無くすことができる。更には、搬送装置などを電極に対応できるよう改造する必要がなく、製造コストの低減が可能となる。
超音波カッターなどの超音波振動切断を行うことにより、電極周囲の封着材を除去することができ、電極を容易に取り外すことができる。
上述した第11の実施形態において、真空外囲器10から電極30を除去する際、超音波カッターを用いたが、以下の方法により除去することもできる。すなわち、図59に示すように、超音波発生源62に接続された超音波振動子64を電極30に接触させ、直接、電極30を超音波振動させる。この場合、電極30自体が超音波カッターの刃として機能し、電極の接触部36と封着層21との界面を超音波振動切断する。これにより、電極30周囲の封着材を除去することができ、電極を容易に取り外すことが可能となる。
封着層21において、封着された電極30の接触部36近傍の領域を部分的に加熱して軟化させ、電極と封着層21との接合力を弱めた状態で、封着層から電極を引き抜いてもよい。これは、電極30の接触部36近傍の封着層21を誘導加熱することにより行う。すなわち、図60に示すように、封着後、例えば、電極30の近傍で真空外囲器10の前面基板11と隣接対向して誘導加熱コイル66を配置する。誘導加熱コイル66に高周波を印加することにより、前面基板11を介して封着層21を高周波加熱し、封着層を部分的に軟化させる。
この場合、予め電極30の装着部32を図示しない保持ジグによってチャッキングして基板外側方向に弱い引張力をかけておく。すると、封着層21が軟化したところで電極30と封着層21との接合力が弱くなり、電極30を引き抜くことができる。電極30の引き抜き後、誘導加熱コイル66の通電を止めて真空外囲器10から離すことにより、封着層21の加熱された部分が速やかに冷却され、FEDの真空外囲器10が完成する。
図60に示す実施形態において、電極30の接触部36近傍の封着層21を誘導加熱して溶融した後、電極を機械的に除去してもよい。この場合、加熱時間が長いと封着層21の広い領域が溶融して流れ出してしまい、外囲器の気密封着が破れる恐れがある。従って、3〜30秒程度の短時間で加熱を行うことが望ましい。短時間であれば電極30の接触部36近傍の封着材のみが溶融し、外囲器10の真空気密性を確保されたまま電極30を除去することができる。
更に、誘導加熱ではなく、局所ヒーターその他の方法によって電極周囲を加熱してもよい。
図59および図60にそれぞれ示した実施形態において、他の構成は前述した第11の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
その他、FEDにおいて、封着層21には、電極を配置する位置や電極の形状に応じて、図61Aないし61Eに示すような凹部41が形成されてもよい。図61Aに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は直角に形成され、凹部41は封着層の角部に形成され対角方向に延びた矩形状をなしている。図61Bに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は直角に形成され、凹部41は封着層の角部を面取りした形状に形成され対角方向に延びている。
図61Cに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は円弧状に形成され、凹部41は封着層の角部に形成され対角方向に延びた矩形状をなしている。図61Dに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は円弧状に形成され、凹部41の底面部分は封着層の角部に形成され対角方向に円弧状に突出した形状をなしている。更に、図61Eに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は円弧状に形成され、凹部41は封着層の角部を面取りした形状に形成され対角方向に延びている
その他、凹部41は、使用する電極の形状により、上記以外の他の形状であってもよい。また、電極30は、封着層21の各々の通電経路長さが等しくなるように設定されていれば、外囲器の角部に限らず、例えば、長辺または短辺の中央部に配置してもよい。この場合、凹部41は電極30の配置位置に対応して封着層21の長辺または短辺の中央部に形成される。凹部41の位置や形状は任意に設定することができる。
前述した組立室105で封着を行う際、前面基板11および背面基板12に設けられた封着層21a、21bにそれぞれ別々に通電し、封着材が溶融した後、両基板を互いに接近する方向へ所望の圧力で加圧して封着することもできる。この場合、2枚の基板用に2対、4個の電極30が必要となる。これらの電極は、例えば、背面基板12の4つの角部にそれぞれ装着され、1対の電極は背面基板12に設けられた封着層21aへの通電、もう1対の電極は前面基板11に設けられた封着層21bへの通電に用いられる。従って、封着後、電極を除去した後、真空外囲器10の封着層21には、4つの凹部41が形成されている。
なお、この凹部の数は、上述した2箇所または4箇所に限られるものではなく、使用する電極の数に応じて任意の数とすることができる。例えば、接触部が二股に分かれた電極を4個用いて通電封着を行った場合、凹部は8箇所形成される。
上述した第11の実施形態では、電極全体を真空外囲器から取り除く構成としたが、電極は一部を残した状態で除去してもよい。この発明の第12の実施形態に係る製造方法によれば、電極30を胴体部の途中で切断し、接触部36を残して電極の他の部分を外囲器から除去する。
詳細に述べると、例えば、前述した第10の実施形態と同様の工程により封着された前面基板11、側壁18、および背面基板12は、真空処理装置の冷却室106に送られ常温まで冷却される。この状態で、電極30の接触部36は、封着層21に強固に接合されている。図62に示すように、冷却室106には自動化カッター70が配設されている。自動化カッター70を電極30の胴体部34を挟むように延出させ、この自動化カッターにより、接触部36近傍で胴体部34を切断する。
続いて、図63に示すように、切断された電極30の装着部32を図示しない保持ジグによってチャッキングし、矢印方向に引き抜いて背面基板12から取り除く。これにより、電極30の接触部36および胴体部34の一部を外囲器10側に残し、装着部32を含む電極の他の部分を外囲器から離脱する。電極30の内、接触部36以外の部分は背面基板12に対して弾性的に挟持されただけの構成であるため、基板や封着層21を損傷することなく容易に取り外すことができる。電極30の先端部を切断後、外囲器10はアンロード室107へ送られ、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器10が完成する。
上記のように構成されたFEDでは、電極30の大部分を除去することにより、真空外囲器10の2つの角部には、電極30の接触部36および胴体部34の一部を含んだ導電体片71のみがそれぞれ残る。
第12の実施形態において、他の構成は前述した第10の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
以上のように構成された第11の実施形態に係る製造方法およびFEDによれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、封着後のFEDにおいて不要な部品となる電極の大部分を除去することにより、外囲器の角部には電極先端部が残存しているが、その領域はごく狭い範囲であるため、外囲器の取扱いが簡単になるという利点が得られる。例えば、FEDをモニターとしてキャビネットに組み込む際、電極が障害となることを防止できる。電極の基板から突き出た部分が他の装置や作業者を傷つけ、あるいは、電極を介して外囲器に負荷が作用し外囲器が破壊する等の問題を無くすことができる。更には、搬送装置などを電極に対応できるよう改造する必要がなく、製造コストの低減が可能となる。電極30を切断した後、真空外囲器から取り外すことにより、封着層や基板を損傷することなく、電極を容易に取り外すことができる。
なお、上記第12の実施形態では、真空処理装置の冷却室内で電極を切断および除去する構成としたが、冷却室内で電極を切断し、外囲器をアンロード室を通して外部に取り出した後、手動により背面基板12から電極の切断部分を取り外してもよい。
また、電極を真空処理装置の冷却室に装着された自動化カッターで切断する構成としたが、これに限らず、真空処理装置とは別に電極切断除去のための装置を準備し、その装置で切断を行う構成であってもよい。電極が薄く容易に切断できる場合には、カッター等によりオペレーターが手動で切断を行ってもよい。
上述した実施形態において、背面基板側の封着層21aに通電する一対の電極と、前面基板側の封着層21bに通電する一対の電極とを別々に設け、2対4個の電極を用いて封着層に通電してもよい。この場合、完成後のFEDには電極先端部に相当する導電体片71が4個残存する構成となる。電極の位置や形状、個数については上記実施形態に限られるもので無いことはいうまでもない。
次に、この発明の第13の実施形態に係るFEDの製造方法および製造装置について説明する。図64に本実施形態により製造されるFEDを示す。FEDの他の構成は、前述した実施形態で示したFEDと同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第13の実施形態に係るFEDの製造方法では、まず、前述した実施形態と同様に、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子22が形成された背面基板12を用意する。
大気中で低融点ガラスにより側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し矩形枠状の封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し、背面基板11側の封着層21aに対応した矩形枠状の封着層21bを形成する。
次いで、図65に示すように、側壁18が接合されている背面基板12に、通電用の一対の電極30を装着する。各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。各電極30は、背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能な装着部32、後述する保持ジグによって保持される舌片部44、封着層21aに接触可能な接触部36を一体に備えている。各電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で背面基板に取り付けられる。この際、各電極30の接触部36を、側壁18に形成された封着層21aに接触させ、電極を封着層に対して電気的に接続する。舌片部44は、背面基板12から外方に突出している。
一対の電極30を背面基板12に装着した後、背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、真空処理装置内に投入する。ここでは、例えば図9に示した真空処理装置100を用いる。
所定間隔離して配置された上述の前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入される。そして、ロード室101内の雰囲気を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に取り付けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
電子線洗浄を行った前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、蛍光体層の外側にゲッター膜としてバリウム膜が蒸着形成される。バリウム膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。組立室105の内部には、図66および図67に示すように、両基板を保持および加熱するためのホットプレート131、132、下側のホットプレート132を上下方向に駆動するための駆動機構150、封着層に通電するための配線134、一対の電極30とそれぞれ接触する一対のコンタクト電極135、一対の電極30を挟持して保持するための保持装置136、保持装置136を上下および面内方向へ駆動するための駆動機構137、基板を面内方向、つまり、基板表面と平行な方向、へ移動するための複数のガイドローラ138が設置されている。コンタクト電極135は下側のホットプレート132に対して取り付けられている。配線134は組立室105外部に設けられた電源120に接続されている。
組立室105に送られた前面基板11および背面基板12は、まず、それぞれのホットプレート131、132に対してガイドローラ138によって機械的に位置決めされる。このとき、前面基板11は搬送ジグ上で位置決めされた後、落下しないように公知の静電吸着技術によってホットプレート131に対して吸着固定される。背面基板12は下側のホットプレート132に設置された後、ガイドローラ138によって位置決めされる。同時に、一対の電極30の舌片部44は、それぞれ対応するコンタクト電極135に接触し、電気的に接続される。
前面基板11と背面基板12との相互位置合わせ完了後、ホットプレート駆動機構150が背面基板12を前面基板11方向へ移動し、所定の圧力で加圧する。これにより、前面基板11および背面基板12の封着層21b、21a間に各電極30の接触部36が挟み込まれ、各電極は、両基板の封着層に対して同時に電気的に接触する。
この状態で、電源120から電極30を通して封着層21a、21bに140Aの直流電流を定電流モードで通電する。これにより、インジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および背面基板12が気密に封着される。通電を停止した後、図67に示すように、駆動機構137が保持装置136を電極30の舌片部44まで移動させ、保持装置により舌片部44を挟持する。その後、駆動機構137は、背面基板12の表面と平行な方向に沿って、保持装置136を電極30と共に基板外方向へ移動させ、それぞれの電極30を溶融状態のインジウムおよび背面基板12から離間する。通電停止直後はインジウムが溶融した状態にあり、電極30を容易に封着層から脱離することができる。電極30離間後、封着層21をそのままの状態で保持すると、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。封着後の外囲器10は、冷却室106に送られ、常温まで冷却されて、アンロード室107から取り出される。以上の工程により、FEDの真空外囲器10が完成する。
以上のように、第13の実施形態に係るなFEDの製造方法および製造装置によれば、真空雰囲気中で前面基板11および背面基板12の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができる。同時に、封着時間の短縮を図ることができ、量産性に優れた製造方法とすることが可能となる。通電後に組立室内で電極をインジウムから脱離させることにより、封着後のFEDに電極が残存することが無くなる。そのため、例えば、FEDがモニターとしてキャビネットに組み込まれる際に障害になったり、電極により外囲器が破壊したりというような不具合の発生を防できる。これにより、封着後の外囲器の取扱いが簡単になるという利点がある。
上記第13の実施形態では、背面基板12に一対の電極30を取り付けた後、真空処理装置内に投入したが、これに限らず、真空処理装置内に通電用の電極を設置し、基板には電極を取り付けずに真空処理装置内に投入するような製造方法および製造装置であってもよい。
図68に示すように、この発明の第14の実施形態に係るFEDの製造装置は、両基板を固定して加熱保持するためのホットプレート131、132、下側のホットプレート132を上下方向に駆動するための駆動機構150、封着層に通電するための配線134および電極145、電極145を基板の表面と平行な方向および基板表面と垂直な方向へ駆動するための駆動機構137、基板をその表面と平行な方向に移動させ位置決めする複数のガイドローラ138を備えている。通電配線134は組立室外部の電源120に接続されている。製造装置の他の構成は、前述した第13の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第14の実施形態において、組立室105に送られた前面基板11および背面基板12は、まず、それぞれ対応するホットプレート131、132に対してガイドローラ138によって機械的に位置決めされる。この際、前面基板11は搬送ジグ上で位置決めされた後、落下しないように公知の静電吸着技術によってホットプレート131に対して吸着される。
次いで、電極駆動機構137およびホットプレート駆動機構150が電極145および背面基板12を前面基板11方向へ移動し、所望の圧力で加圧する。これにより、両基板の封着層21a、21b間に各電極145が挟み込まれ、各電極は、両基板の封着層に同時に電気的に接触する。
この状態で、電源120から電極145を通して封着層21a、21bに140Aの直流電流を定電流モードで通電する。これにより、インジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および背面基板12が気密に封着される。通電を停止した後、電極駆動機構137が電極145を基板外方向へ移動させ、溶融状態のインジウムから離間させる。通電停止直後はインジウムが溶融した状態にあるため、電極145を容易にインジウムから脱離することができる。電極離間後、数分間そのままの状態で保持すると、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。封着後の外囲器10は、冷却室106に送られ、常温まで冷却されて、アンロード室107から取り出される。
第14の実施形態において、他の構成は第13の実施形態と同一であり、同一の部分の説明は省略する。
上記構成によれば、通電のための電極145は組立室105内に設置され、通電後に封着層から脱離される。そのため、第13の実施形態と同様に、封着後のFEDに電極が残存することが無くなる。FEDをモニターとしてキャビネットに組み込む際、電極が障害になったり、電極に起因して外囲器が破壊したりというような問題を防ぐことができる。
第14の実施形態において、電極を2対、4個とし、前面基板側の封着層と背面基板側の封着層とへ各々1対ずつ接触させて通電し、電極を脱離後に基板同士を加圧するプロセスであっても良い。電極の位置や形状、個数については上記実施例に限られるもので無いことはいうまでもない。
この発明は上述した種々の実施形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。上述した複数の実施形態は、前面基板と背面基板とで側壁を挟みこむ構成の真空外囲器を用いたが、側壁が前面基板あるいは背面基板と一体化された構成としてもよく、また、側壁が前面基板と背面基板を側面から覆うように接合された構成としてもよい。更に、封着材の通電加熱により封着される封着面は、前面基板と側壁との間、および背面基板と側壁との間の2面であってもよい。
上述した実施形態では、前面基板側の封着材と背面基板側の封着材とを接触させて通電加熱したが、これらの封着材が非接触状態で通電加熱した後、固化するまでの間に接合させても良い。蛍光体スクリーンの構成や、電子放出素子の構成は、本発明の実施の形態に限定されるものではなく、他の構成としてもよい。また、
封着材はインジウムに限るものではなく、導電性があれば他の材料でもよい。一般的に金属であれば相変化する際に急激な抵抗値変化が生じるため、封着材料として使用することができる。例えば、封着材として、少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属、合金を用いることができる。
上述したFEDは、電極を一対あるいは2対備えた構成としたが、予め外囲器に取り付けられた少なくとも1つの電極を備えた構成とし、封着工程において、他の必要な電極を外囲器に装着し、通電加熱する構成としても良い。また、複数の電極は、電極間に位置する封着層の通電経路が互いに等しい長さとなるように配置されていれば、あるいは、封着層に対して対称な位置に配設されていればよく、外囲器の角部に限らず、他の位置に設けてもよい。
上述した実施形態では、背面基板側および前面基板側の両方にそれぞれインジウムからなる封着層を設ける構成としたが、いずれか一方のみに封着層を設けた状態で、前面基板と背面基板とを封着する構成としても良い。
真空外囲器の外形状や支持部材の構成は上記実施形態に限定されない。マトリックス状の光吸収層と蛍光体層を形成し、断面が十字型の柱状支持部材を光吸収層に対して位置決めして封着する構成としてもよい。電子放出素子は、pn型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等を用いてもよい。上記実施形態では、真空雰囲気中で基板を接合する工程について述べたが、その他の雰囲気環境で実施することも可能である。
この発明は、FEDに限定されることなく、SEDやPDP等の他の画像表示装置、あるいは、外囲器内部が高真空とならない画像表示装置にも適用することができる。
図1ないし図4に示すように、FEDは、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、真空外囲器10の一辺と平行な方向にそれぞれ延在しているとともに、上記一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。支持部材14は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
前面基板11の内面には、画像表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した光吸収層20を並べて構成されている。蛍光体層R、G、Bは、真空外囲器10の上記一辺と平行な方向に延在しているとともに、この一辺と直交する方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。光吸収層20は、蛍光体層R、G、Bの周囲に設けられている。蛍光体スクリーン16上には、たとえばアルミニウムからなるメタルバック17、ゲッター膜13が順に蒸着されている。
図3に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子22が設けられている。これらの電子放出素子22は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。詳細に述べると、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。
上記構成のFEDにおいて、映像信号は、単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子22を基準とした場合、最も輝度の高い状態の時、+100Vのゲート電圧が印加される。また、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。これにより、電子放出素子22から電子ビームが放出される。電子放出素子22から放出される電子ビームの大きさは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
蛍光体スクリーン16には高電圧が印加されるため、前面基板11、背面基板12、側壁18、および支持部材14用の板ガラスには、高歪点ガラスが使用されている。後述するように、背面基板12と側壁18との間は、フリットガラス等の低融点ガラス19によって封着されている。前面基板11と側壁18との間は、導電性を有した低融点封着材料としてのインジウム(In)を含んだ封着層21によって封着されている。
FEDは、複数、例えば、一対の電極30を備え、これらの電極は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極部材として用いられる。
図5に示すように、各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を加工してクリップ状に形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、平坦な第1板部33a、この第1板部と隙間を置いて対向した第2板部33b、および第1および第2板部に対してほぼ直角に延びているとともに第1および第2板部の端縁部同時を連結した導通部38を有している。第1板部33baは、それぞれ封着層21に導通する第1および第2接触部36a、36bを有している。第1および第2接触部36a、36bの間にはスリット45が形成され、第2接触部36bは爪状をなし、容易に弾性変形可能となっている。
図1ないし図3に示すように、各電極30は、例えば、背面基板12および側壁18に弾性的に係合した状態で真空外囲器10に取り付けられている。すなわち、電極30は、第1板部33baと第2板部33bとの間に背面基板12の端縁部および側壁18を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に固定されている。そして、第1板部33aの第1および第2接触部36a、36bは、それぞれ封着層21に接触し、電気的に導通している。また、電極30の導通部38は、背面基板12の側面および側壁18と対向し、真空外囲器10の外側に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
次に、上記構成を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。この場合、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体ストライプパターンを形成しておく。この蛍光体ストライプパターンを形成した板ガラスと前面基板用の板ガラスを位置決め治具に載せて露光台にセットする。この状態で、蛍光体ストライプパターンを露光、現像することにより、前面基板11となるガラス板上に蛍光体スクリーンを生成する。その後、蛍光体スクリーン16に重ねてメタルバック17を形成する。
続いて、背面基板12用の板ガラス上に電子放出素子22を形成する。これは、マトリックス状の導電性カソード層24を板ガラス上に形成し、このカソード層上に例えば熱酸化法やCVD法あるいはスパッタリング法により2酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。この後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。レジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
この後、レジストパターン及びゲート電極28をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板12表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。その後、背面基板表面に対して垂直な方向からカソード形成用の材料として例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、キャビティ25の内部に電子放出素子22が形成される。次に、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。続いて、大気中で側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に低融点ガラス19により封着する。
その後、図6A、6Bに示すように、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し封着層21aを形成する。同様に、前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し封着層21bを形成する。側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、上述したように、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
続いて、図7に示すように、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、側壁18上で各電極30の第1接触部36aを封着層21aに接触させることにより、電極を封着層に対して電気的に接続する。なお、第1接触部36aと封着層との導電性を確実に確保するため、予め封着層21aと第1接触部36aとの間をハンダ付けすることも有効である。電極30は、基板上で+極と−極の一対を必要とし、各電極から封着層21a、21bへ通電する長さを等しくすることが望ましい。そこで、一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
電極30を装着した後、これら背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、真空処理装置内に投入する。ここでは、例えば図9に示すような真空処理装置100を用いる。真空処理装置100は、並んで配設されたロード室101、ベーキング、電子線洗浄室102、冷却室103、ゲッター膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107を備えている。組立室105には、通電用の直流の電源120と、この電源を制御するコンピュータ122とが接続されている。真空処理装置100の各室は、真空処理が可能な処理室として構成され、FEDの製造時には全室が真空排気されている。これら各処理室間は図示しないゲートバルブ等により接続されている。
所定間隔離して配置された上述の前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入され、ロード室101内を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
ベーキング、電子線洗浄室102では、各部材を300℃の温度に加熱し、各基板および側壁の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に設けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
そして、この加熱、電子線洗浄を行った前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。蒸着室104では、蛍光体層の外側にゲッター膜としてBa膜が蒸着される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることが防止され、活性状態を維持することができる。
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。この組立室105では、図8に示すように、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、各電極30の第2接触部36bを前面基板11側の封着層21bに接触させる。これにより、各電極30を封着層21bに電気的に接続する。この際、第2接触部36bは、ばね圧により封着層21bに対して弾性的に押付けられ、安定した導電性を確保することができる。
次に、図10に示すように、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに通電して封着層を加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子40を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。
インジウムが溶融した後、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧する。これにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器が完成する。
なお、真空外囲器が完成した後、必要であれば電極30を切除してもよい。
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、封着層21に通電するための電極30が予め外囲器に装着され、封着層に電気的に接続された状態で固定されている。そのため、通電加熱時、電極30を介して封着層21に安定した電流を流すことができる。従って、封着時、封着層を構成する導電性の低融点封着材料を予め定めた通電時間で安定してかつ確実に溶融させることができ、その結果、封着層21に亀裂等が発生することなく迅速かつ確実な封着を行うことができる。
真空雰囲気中で前面基板および背面基板の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄との併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができ、同時に、封着時間の短縮を図ることができる。
従って、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
次に、この発明の第2の実施形態に係るFEDについて説明する。上述した実施形態において、各電極は、側壁側の封着層に導通した第1接触部、および前面基板側の封着層に導通した第2接触部を備えた構成としたが、第2の実施形態によれば、図11、図12Aおよび図12Bに示すように、電極30は、単一の接触部36aを備えて構成されている。一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向した一対の角部にそれぞれ装着され、側壁18および背面基板12を弾性的に挟持した状態で外囲器に取り付けられている。この際、各接触部36aは、封着層21aの上面に接触して封着層と電気的に接続されている。
封着工程において、封着層21bの形成された前面基板11を背面基板12と対向配置することにより、各電極30の接触部36aが封着層21a、21bの両方に接触し電気的に接続される。そして、これらの電極30を介して封着層21a、21bに同時に通電し、インジウムを加熱溶融することができる。
第2の実施形態において、他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、第1および第2の実施形態において、各電極30は、前面基板側に装着固定する構成としても良い。
図13、図14Aおよび図14Bに示す第3の実施形態によれば、FEDは、側壁18上に形成された封着層21aに通電するための一対の第1電極30aと、前面基板11に形成された封着層21bに通電するための一対の第2電極30bとを備えている。第1および第2電極30a、30bは、前述した電極30とほぼ同様にクリップ状に形成されている。ただし、各電極ともに、接触部36は1つとなっている。
一対の第1電極30aは、背面基板12の対角方向に対向した一対の角部にそれぞれ装着され、側壁18および背面基板12を弾性的に挟持した状態で取り付けられている。この際、各第1電極30aはその接触部36が封着層21aに接触して封着層と電気的に接続されている。一対の第2電極30bは、前面基板11の対角方向に対向した一対の角部にそれぞれ装着され、前面基板を弾性的に挟持した状態で取り付けられている。この際、各第2電極30bはその接触部36が封着層21bに接触して封着層と電気的に接続されている。第1電極30aおよび第2電極30bは、互い重なることなく、4つの角部に分け配置することが望ましい。
封着工程においては、図13および図14Aに示すように、電源120に接続された一対の接続端子40aを、第1電極30aの導通部38にそれぞれ接触させ、電源と第1電極、および第1電極と封着層21aを導通させる。また、電源120に接続された一対の接続端子40bを、第2電極30bの導通部38にそれぞれ接触させ、電源と第2電極、および第2電極と封着層21bを導通させる。この状態で、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに通電して封着層を加熱しインジウムを溶融させる。
インジウムが溶融した後、図14Bに示すように、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧する。これにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。
第3の実施形態において、他の構成は前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、第3の実施形態によれば、背面基板12側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bに通電する電流値を個別に制御することができ、一層適切な通電加熱を行うことができる。
次に、この発明の第4の実施形態に係るFEDについて説明する。
図15ないし図17に示すように、FEDは真空外囲器10および真空外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。真空外囲器10は、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備え、これらの基板11、12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合されている。前面基板11の内面には、蛍光体スクリーン16、メタルバック17、ゲッター膜13が形成されている。背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する多数の電子放出素子22が設けられている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子22に電位を供給する多数本の配線23がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の周縁部に引出されている。
一対の電極30は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極として用いられる。各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能なクリップ状の装着部32、装着部に並んで位置した楔状の胴体部34、胴体部の延出端に位置した接触部36、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。また、胴体部34は帯状に形成され、接触部36から外側かつ斜め上方に傾斜して延びている。これにより、胴体部34は、鉛直方向に沿って接触部36よりも高く位置した流出規制部37を形成している。
各電極30は、真空外囲器10の例えば、背面基板12に弾性的に係合した状態で取り付けられている。すなわち、電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し、電気的に導通している。胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、流出規制部37は接触部36よりも鉛直方向に沿って高く位置している。導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
上記FEDの他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、上記FEDの製造方法について詳細に説明する。この製造方法は、第1の実施形態に係る製造方法とほぼ同一であり、異なる部分を中心に説明する。
まず、蛍光体スクリーンおよびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子22が形成された背面基板12を用意する。続いて、大気中で低融点ガラス19により側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、図18A、図18Bに示すように、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し封着層21bを形成する。なお、側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、上述したように、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
続いて、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、側壁18上で各電極30の接触部36を封着層21aに接触させることにより、電極を封着層に対して電気的に接続する。一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
電極30を装着した後、背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、図9に示した真空処理装置100内に投入する。前面基板11および背面基板12は、ロード室101を介してベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時に、電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射し、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
ベーキング工程において、封着層21a、21bは加熱されて溶融する。背面基板12側の封着層21aは、電極30を通して外部に流出しようとする。しかし、各電極30には、接触部36よりも高く位置した流出規制部37が設けられているため、この流出規制部により、溶融したインジウムが背面基板の外側へ流れ出すのを抑えることができる。
次いで、前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られ、蛍光体層の外側にBa膜が蒸着形成される。続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られ、図19に示すように、対向配置された状態で組立室内のホットプレート131、132にそれぞれ保持される。前面基板11は落下しないように、固定治具133により上側のホットプレート131に固定する。
その後、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、所定の圧力で加圧する。それにより、各電極30の接触部36を前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとの間に挟持し、各電極30を封着層21a、21bに電気的に接続する。この際、接触部36は2mm以上の水平方向長さに形成されているため、封着層21a、21bに対し安定して接触することができる。なお、電極30の接触部36に予めインジウムを塗布しておくことにより、一層安定して封着材に通電することが可能となる。
この状態で、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに例えば、140Aの直流電流を定電流モードで印加する。これにより、封着層21a、21bを加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。また、各電極30は封着層21a、21bに対して等価に接触しているため、安定して通電することができ、それぞれの封着層にほぼ同量の電流を流し均等に溶融させることができる。
上記のようにインジウムを溶融させることにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、真空外囲器10が完成する。なお、真空外囲器10が完成した後、必要であれば電極30を切除してもよい。
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。更に、第4の実施形態によれば、封着材に通電するための電極30は、接触部よりも高く位置した流出規制部を有していることから、ベーキング工程等において、溶融した封着材が電極を通して外部に流出すること規制する。そのため、封着層を均一な厚さに維持し、外囲器を全周に渡って確実に封着することができるとともに、封着材の流出に起因する配線のショート等を防止することが可能となる。従って、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
上述した第4の実施形態において、各電極30の胴体部34は、そのほぼ全体が接触部36から斜め上方に延出し流出規制部37を形成している構成したが、例えば、図20に示すように、胴体部34の一部を接触部36よりも鉛直方向に沿って高い位置へ延出させて流出規制部37を構成してもよい。また、各電極30は装着部を一体に備えた構成としたが、図21、図22に示すように、電極30は、接触部36、胴体部34、流出規制部37および基台部39を備えた構成とし、別体のクリップ46を用いて背面基板12に取り付ける構成としてもよい。
なお、図20ないし図22に示した変形例において、他の構成は前述した第4の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの変形例に係る電極を用いた場合でも、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、この発明の第5の実施形態に係るFEDについて説明する。
図23ないし図25に示すように、FEDは真空外囲器10および真空外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。一対の電極30は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能なクリップ状の装着部32、装着部に並んで位置した楔状の胴体部34、胴体部の延出端に位置した接触部36、接触部から胴体部側に延出し胴体部と並んで位置したドレイン部35、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。
接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。胴体部34は帯状に形成され、接触部36から外側かつ斜め上方に傾斜して延びている。これにより、胴体部34は、鉛直方向に沿って接触部36よりも高く位置した流出規制部37を形成している。胴体部34は、電流を導通部38から接触部36へ流す流路を形成している。
ドレイン部35は帯状に形成され、接触部36から外側かつ斜め下方に傾斜して延びている。これにより、ドレイン部35は、鉛直方向に沿って接触部36よりも低い位置に形成している。ドレイン部35の幅は、胴体部34の幅よりも狭く、例えば、1mm程度に形成されている。ドレイン部35は、後述するように、溶融した封着材を外部に流出させる流路を形成している。
各電極30は、真空外囲器10の例えば、背面基板12に弾性的に係合した状態で取り付けられている。すなわち、電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し、封着層に電気的に導通している。胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、流出規制部37は接触部36よりも鉛直方向に沿って高く位置している。ドレイン部35は接触部36から真空外囲器10の外側に延出し、接触部36よりも鉛直方向に沿って低い位置に位置している。導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
上記FEDの他の構成は、前述した第4の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。また、第5の実施形態に係るFEDは、第4の実施形態に係る製造方法と同一の製造方法により製造される。
第5の実施形態によれば、ベーキング工程において、封着層21a、21bは加熱されて溶融する。そして、背面基板12側の封着層21aは、電極30を通して外部に流出しようとする。しかし、各電極30には、接触部36よりも高く位置した流出規制部37が設けられているため、この流出規制部により、溶融したインジウムが背面基板の外側へ流れ出すのを抑えることができる。また、溶融したインジウムの一部は、電極30のドレイン部35から背面基板12の外側へ流れでるが、ドレイン部の幅は胴体部34の幅よりも狭く形成されていることから、流出量は僅かである。例えば、流出規制部37およびドレイン部を持たない電極に比較して、溶融インジウムの流出量を1/10程度に抑えることができる。この程度の流出量であれば、封着層の厚さが相対的に薄くなって封着部からリークし易くなるといった問題、および、流出したインジウムが基板上の配線に接触してショートを発生させるといった問題を防止することができる。
また、封着工程において、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。この際、前面基板11および背面基板12は互いに接近する方向へ加圧されているため、溶融したインジウムは押し潰され余剰のインジウムが生じる。この余剰のインジウムは基板側へ流出しようとする。ここで、各電極30には接触部36よりも低く位置したドレイン部35が設けられていることから、溶融した余剰のインジウムは積極的にドレイン部35から基板の外側へ流出する。すなわち、電極30のドレイン部35は胴体部34よりも狭い幅に形成されているが、インジウムが加圧されているため、余剰のインジウムは全て電極のドレイン部35を伝わって基板周縁側へ押し流される。各電極30は背面基板12のコーナ部に装着され、ドレイン部35は配線23から外れた位置に延出している。そのため、ドレイン部35を伝わって流出したインジウムは配線23に接触することがなく、流出インジウムによる配線のショート等を防止することができる。なお、電極30のドレイン部35およびその近傍領域に予めインジウムを塗布しておくことにより、一層安定して封着材に流出させることが可能となる。
その他、第5の実施形態に係るFEDおよびその製造方法によれば、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
第5の実施の形態において、各電極30の胴体部34は、そのほぼ全体が接触部から斜め上方に延出し流出規制部37を形成している構成したが、例えば、図26に示すように、胴体部34の一部を接触部36よりも鉛直方向に沿って高い位置へ延出させて流出規制部37を構成してもよい。
また、第5の実施形態において、各電極30は装着部を一体に備えた構成としたが、図27および図28に示すように、接触部36、胴体部34、流出規制部37、ドレイン部35、および基台部39を備えた構成とし、導通部38を有した別体のクリップ46を用いて背面基板12に取り付ける構成としてもよい。
電極30のドレイン部35は、胴体部34の側方に並んで設けた構成に限らず、図27に示すように、胴体部34の中央部に設けても良い。この場合、ドレイン部35は、胴体部34の一部を切り起こして形成され、胴体部には接触部36からドレイン部35への封着材の流出を許容する開孔42が形成されている。
図29に示すように、電極30のドレイン部35は、1つに限らず、胴体部34の両側に一対設けてもよい。この場合、各ドレイン部35の構成は上述した実施の形態と同一である。また、
図26ないし図29に示す変形例において、他の構成は前述した第5の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの変形例に係る電極を用いた場合でも、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、前述した実施形態および図26ないし図29に示した変形例を互いに組み合わせた構成を用いることも可能である。
次に、この発明の第6の実施形態に係るFEDおよびその製造方法について説明する。図30に示すように、FEDは、偏平な矩形状の真空外囲器10および外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。第6の実施形態において、FEDの構成は、電極30を除いて前述した実施形態と同一であるため、異なる構成を中心に説明する。同時に、FEDの構成は、製造方法と併せて説明する。
図13Aおよび図13Bに示すように、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子が形成された背面基板12を用意する。続いて、大気中で低融点ガラスにより側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し矩形枠状の封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し、背面基板11側の封着層21aに対応した矩形枠状の封着層21bを形成する。なお、側壁18および前面基板11の封着面に対する封着層21a、21bの充填は、上述したように、溶融したインジウムを封着面に塗布する方法、あるいは、固体状態のインジウムを封着面に載置する方法等によって行う。
続いて、前面基板11および背面基板12は、例えば図9に示した真空処理装置内に送られ、真空雰囲気中で封着される。この場合、前面基板11および背面基板12を加熱して十分に脱ガスする。加熱温度は200℃〜500℃程度に適時設定される。脱ガス処理により、外囲器構成部材の内壁から放出されるガスを軽減し、真空外囲器の真空度劣化を防止する。次に、前面基板11の蛍光体スクリーン16上にゲッター膜を形成する。これは、真空外囲器となった後の残留ガスをゲッター膜により吸着排気し、真空外囲器内の真空度を良好なレベルに保つためである。
続いて、蛍光体スクリーン16と電子放出素子とが対向するように前面基板11および背面基板12を互いに所定の位置に重ね合わせる。この状態で、封着層21a、21bに通電し、これらの封着材を加熱して溶解する。その後、通電を止めて封着層21a、21bの熱を速やかに前面基板11および側壁18に拡散伝導させ、封着層21a、21bを固化させる。その結果、前面基板11と側壁18とが封着層21a、21bによって互いに封着される。
次に、上述した封着工程についてより詳細に説明する。
図31,32に示すように、封着前の状態において、前面基板11および背面基板12の温度は、封着層21a、21bの融点よりも低くなるよう設定され、封着層21a、21bは固化している。この状態で、前面基板11および背面基板12を所定の位置に重ね合わせ、封着層21a、21bを互いに重ね合わせる。更に、加圧装置23a、23bにより、前面基板11および背面基板12に対し互いに接近する方向に所定の荷重を印加する。画像表示領域は、支持部材14により所定の隙間に保持されている。
この際、側壁18の対角方向に対向した2つの角部において、それぞれ封着層21a、21b間に板状の電極30を挟み込んで配置する。図31Bに示すように、電極30は、それぞれ封着層に電気的に接触した2つの接触部36a、36bを有し、ほぼY字形状に形成されている。また、各電極30の接触部36a、36bは、封着層21a、21bの角部の両側でこれらの封着層に接触している。2つの接触部36a、36b間には、溶融した封着材を流出させるための隙間30cが形成されている。電極30の挟み込み方法としては、電極と同材質のクリップ等で固定する方法を用いることができる。なお、電極30は、少なくともCu、Al、Fe、Ni、Co、Be、Crの何れかを含む、単元素または合金により形成されている。
続いて、電極30にそれぞれ給電端子24a、24bを接触させる。これらの給電端子24a、24bは電源120に接続されている。この状態で、給電端子24a、24bおよび電極30を通して封着層21a、21bに所定の電流を通電すると、封着層21a、21bのみが発熱し溶融する。この際、溶融した余剰の封着材は、各電極30の2つの接触部36a、36bと封着層とで囲まれた隙間30cを通って、側壁18の角部から側壁の外部に流出する。
その後、通電を停止し給電端子24a、24bを外すと、熱容量の小さい封着層21a、21bの熱は温度勾配によって前面基板11および側壁18に放熱される。封着層21a、21bは、熱容量の大きい前面基板11および側壁18と熱平衡に達し、速やかに冷却固化される。これにより、前面基板11と側壁18とが封着層21a、21bによって互いに封着され、内部が高真空に維持された真空外囲器10を有するFEDが得られる。なお、封着後、電極30は、封着材層21a、21bと共に封着された状態で真空外囲器10に固定される。
上記のように構成された第6の実施形態に係るFEDおよびその製造方法によれば、極めて短時間でかつ簡単な製造装置により、真空外囲器を真空封着することができる。すなわち、導電性を有した封着材を用いることにより、基板を加熱することなく熱容量の小さい、つまり体積の小さい、封着材のみを選択的に加熱することができ、基板の熱膨張による位置精度の劣化等を抑制することができる。
封着層の熱容量が基板の熱容量に比べて非常に小さいため、基板全体を加熱する従来の方法に比較して、加熱、冷却にかかる時間を大幅に短縮でき、量産性を大幅に向上することができる。更に、封着に必要な装置が単なる給電端子とこれを接触させる機構のみであり、極めて簡略かつ超高真空に適したクリーンな装置を実現することができる。
封着層21a、21bに通電するための各電極30は、複数の接触部36a、36bを有し、これらの接触部間には隙間30cが形成されている。そのため、封着時、余剰となった溶融状態の封着材を、接触部36a、36b間に規定された隙間30cから積極的に外部に流出させることが可能となる。従って、電極30の接触部を適切な位置に設けることにより、封着材が基板の配線上等にはみ出ることを防止でき、配線間のショート等を生じることなく、迅速かつ安定した封着が可能となる。
電極30は、接触部間に封着材が通る隙間を有していればよく、上述したY字型形状に限定らず、例えば、図33に示すように、ほぼU字形状としてもよい。電極30は封着材に接する接触部を3個以上有していてもよい。例えば、図34Aに示すように、電極30は、4つの接触部36a、36b、32a、32bを有したほうき形状に形成してもよい。この場合、隣合う接触部間には、封着材を通す隙間30cが形成されている。
また、電極30の接触部は、真空外囲器の角部を挟んだ両側に限らず、図34Bに示すように、外囲器の角部の片側で封着層21a、21bに接触してもよい。電極30が角部から少しずれた位置にあるため、封着材は外囲器の角部30dから流出することもある。なお、図33、図34aおよび図34Bにそれぞれ示す変形例において、他の構成は前述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。また、これらの変形例においても、第6の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した第6の実施形態では、電極30は直接、封着層21a、21bに接触する構成としたが、図35に示す第7の実施形態に係る製造方法によれば、予め電極30を導電性材料層31により被覆し、この導電性材料層31を介して電極を封着層に接触させる構成としてもよい。
すなわち、封着工程において、封着層21aと封着層21bとの間に一対の板状の電極30をそれぞれ挟み込む。各電極30において、封着層21a、21bと接触する面は、予め導電性材料層31で被覆されている。ここでは、各電極30の両面は、例えば、封着層21a、21bと同一の導電性材料であるInあるいはInを含む合金により被覆されている。導電性材料層31は、例えば、超音波印加した半田コテによって導電性材料を電極表面に塗布することにより形成する。これにより、各電極30は導電性材料層31を介して封着層21a、21bに接触している。電極30は、少なくともCu、Al、Fe、Ni、Co、Be、Crの何れかを含む、単元素または合金により形成されている。
続いて、電極30にそれぞれ給電端子24a、24bを接触させる。これらの給電端子24a、24bは電源120に接続されている。この状態で、給電端子24a、24bおよび電極30を通して封着層21a、21bに所定の電流を通電すると、封着材のみが発熱し溶解する。その後、通電を停止し給電端子24a、24bを外すと、熱容量の小さい封着層21a、21bの熱は温度勾配によって前面基板11および側壁18に放熱される。そのため、封着層21a、21bは、熱容量の大きい前面基板11および側壁18と熱平衡に達し、速やかに冷却固化される。これにより、前面基板11と側壁18とが封着層21a、21bによって互いに封着され、内部が高真空に維持された真空外囲器10を有するFEDが得られる。なお、封着後、電極30は、封着層21a、21bと共に封着された状態で真空外囲器10に固定される。
第7の実施形態において、他の構成は上述した第6の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。その詳細な説明は省略する。上記のように構成された第7の実施形態においても、第6の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、封着層21a、21bに通電するための電極30は、封着層との接触面が導電性材料層31によって被覆されている。そのため、封着層21a、21bの通電溶融時、電極30と封着材との濡れ性が向上し、封着材と電極との間における接触抵抗の増加を防止することができる。これにより、接触部における異常発熱を防止し、封着層21a、21bが断線してしまうといった恐れを無くすことができる。その結果、短時間でかつ、高い歩留りでFEDを製造することが可能となる。
また、電極30の表面を導電性材料層31で被覆することにより、封着の際に余剰となった溶融状態の封着材を、電極から外囲器の外部へ積極的に排出することが可能となる。
上述した第7の実施形態では、電極30を封着層21a、21b間に挟み込む構成としたが、電極を一方の封着材のみに接触させた状態で通電する構成としてもよい。すなわち、図36に示すように、前面基板11および背面基板12を所定の位置に重ね合わせ、封着層21a、21bを互いに重ね合わせて接触させる。前面基板11および背面基板12には、加圧装置23a、23bにより互いに接近する方向に所定の封着荷重が印加される。そして、電極30は、それぞれ封着材21bに接触した状態に配置する。
電極の保持方法は、予め前面基板11の封着層21a、21bに接するように、封着層と同材質のクリップ等で電極を固定する方法、又は、給電端子24a、24bにクリップ等で電極を固定保持し、前面基板11と背面基板12とを所定の位置に重ね合わせる際に電極を挟み込む方法でもよい。
この場合、各電極30において、封着層21bと接触する表面を、予め導電性材料層31により被覆しておく。導電性材料層31は、例えば、超音波印加した半田コテによって導電性材料を電極表面に塗布することにより形成する。なお、封着時に余剰な封着材を積極的に電極30からはみ出させるため、電極の封着材と接しない面にも導電性材料層を形成してもよい。
他の構成は第7の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、上記構成においても、上述した第7の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
封着材に通電する電流の形態については、直流電流のみならず、商用周波数で変動する交流電流を用いても良い。この場合、交流で送信されてくる商用電流をわざわざ直流に変換する手間が省け、装置を簡略化することができる。更に、kHzレベルの高周波で変動する交流電流を用いても良い。この場合、表皮効果により高周波に対する実効抵抗値が増大する分だけジュール熱が増大するため、より小さい電流値で上記と同様の加熱効果が得られる。
また、通電する電力と時間については、上記実施形態では5〜300秒程度としている。通電時間が長い(電力が小さい)と、基板周辺の温度上昇による冷却速度の低下や熱膨張による弊害を生じ、通電時間が短い(電力が大きい)と、導電性封着材料の充填不均一に起因する断線やガラス熱応力による割れを生じる。そのため、通電する電力および時間(時間的な電力変化も含む)は、対象物毎に最適な条件設定を行なうことが望ましい。
更に、封着時の基板温度と封着材の融点との温度差については、上記実施形態では20℃〜150℃程度としている。温度差が大きい場合、冷却時間を短縮できるがガラス熱応力が大きくなるため、これも対象物毎に最適な条件設定を行なうことが望ましい。
次に、この発明の第8の実施形態に係るFEDの製造方法について説明する。なお、第8の実施形態において、FEDの構成および製造方法における封着工程以外の構成は前述した第6の実施形態と同一であり、異なる部分を中心に説明する。
図37に示すように、封着工程において、真空処理装置の組立室に送られた前面基板11および背面基板12は、対向配置されたままホットプレート131、132に対して、それぞれ外面が密着した状態に保持される。すなわち、背面基板12はホットプレート132上に載置され、前面基板11は落下しないよう固定治具133によって上側のホットプレート131に固定される。
続いて、図38および図39に示すように、例えば、銅からなる厚さ約0.2mmの平板状の電極30を一対用意し、これらの電極30を前面基板11と背面基板12との間に挿入する。この際、一対の電極30は、相対する位置に設け、各電極の先端が前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとの間に位置するように挿入する。例えば、一対の電極30は、基板の内、対角方向に対向する2つの角部、2つの短辺、あるいは2つの長辺にそれぞれ配置する。
次に、上側のホットプレート131および前面基板11を下降させ、前面基板11に設けられた封着層21bのほぼ全体を背面基板側の側壁18に設けられた封着層21aに接触させる。同時に、前面基板11および背面基板12の少なくとも一方、ここでは、両基板を互いに接近する方向へ所望の圧力で加圧する。その際、上下の封着層21a、21b間に各電極30を挟み込む。これにより、各電極30は、上下のインジウム21に同時に電気的に接触する。
この状態で、電源から一対の電極30を通して両封着層21a、21bに140Aの直流電流を定電流モードで通電する。これにより、封着層を形成したインジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および側壁18が封着層21a、21bにより気密に接合される。
その後、通電を停止することにより、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。このようにして形成された外囲器は、冷却室106で常温まで冷却されて、アンロード室107から取り出される。以上の工程により、真空外囲器が完成する。
第8の実施形態によれば、前述した実施形態と同様に、真空雰囲気中で前面基板11および背面基板12の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができる。同時に、封着時間の短縮を図ることができ、量産性に優れた製造方法とすることが可能となる。
また、対向配置された前面基板11および背面基板12の少なくとも一方を前面基板および背面基板が互いに接近する方向に加圧し、封着層21a、21bの少なくとも一部が前面基板および背面基板の周辺部間に挟持された状態で、封着層に通電して加熱溶融している。これにより、溶融後の封着層は前面基板11と側壁18との間には挟まれた状態となる。そのため、基板の周辺に沿った封着層21a、21bの断面積のばらつきや重力などにより溶融インジウムに局部的な凹凸が生じようとしても、前面基板11および側壁18間の空間が制約されているので、過剰に凝集しようとした溶融インジウムが疎の部分に押し戻される。その結果、封着層における凹凸の発生を抑えることができる。従って、溶融後の封着層の断面積は前面基板11および側壁18の全周に渡って均一となり、接合時、封着層を全集に渡って均等に加熱することができる。このことから、封着層の局部的な加熱による断線、基板のクラック発生等を防止し、安定した接合を行うことが可能になる。そして、安価に製造ができ、信頼性が高くかつ良好な画像を得ることが可能なFEDを提供することができる。
上述した製造方法によれば、各電極30を、前面基板11側の封着層21bおよび側壁側の封着層21aの両方に同時に電気的に接触し、すなわち、両封着層に等価に接触させた状態で通電することができる。これにより、それぞれの封着層にほぼ同じ量の電流を流すことができる。その結果、前面基板11および背面基板12に設けられた封着層を均等に加熱溶融し、安定した接合を行うことができる。
次に、この発明の第9の実施形態に係るFEDの製造方法について説明する。
上述した第8の実施形態では、電極30を上下の封着層21a、21b間に挟み込んで両封着層に同時に電気的に接触させる構成とした。第9の実施形態によれば、電極30を接触させる部分において、予め封着層21a、21b同士を部分的に溶着し、この溶着部に電極30を接触させている。
詳細に述べると、真空処理装置の組立室105に送られて来た前面基板11および背面基板12は、図40に示すように、複数の支持ピン128によって保持され、互いに接近する方向に加圧される。これにより、前面基板11に設けられた封着層21bおよび側壁18に設けられた封着層21aが互いに接触する。なお、電極30が接触する部分において、例えば、前面基板11に設けられた封着層21bは、他の部分よりも外側に延出した延出部21cを有している。例えば、延出部21cは、前面基板11の対向する2つの角部近傍にそれぞれ設けられている。
続いて、延出部21cに対応する位置で、例えば、背面基板12の角部の下方に誘導加熱コイル127を対向配置する。この誘導加熱コイル127によって封着層21a、21bを局部的に高周波加熱し、封着層同士を部分的に溶着する。これにより、対角方向に対向した2つの角部にそれぞれ溶着部21dを形成する。
その後、銅からなる厚さ約0.2mmの電極30を前面基板11と背面基板12との間に挿入し、各溶着部21dにおける延出部21cに接触させる。この状態で、電源から一対の電極30を通して封着層21a、21bに通電する。これにより、インジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および側壁18が封着層21a、21bにより気密に接合される。
その後、通電を停止することにより、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。このようにして形成された外囲器は、冷却室で常温まで冷却されて、アンロード室から取り出される。以上の工程により、真空外囲器が完成する。
なお、他の構成は前述した実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
上記のように構成された第9の実施の形態によれば、電極30を接触させる位置において、対向するインジウム同士を通電前に溶着させておくことにより、前面基板11側の封着層21bおよび側壁18側の封着層21aにほぼ同量の電流を分流して流すことができる。これにより、両封着層21a、21bを均等に加熱溶融することが可能となる。また、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向に加圧した状態で封着層に通電するため、上記第8の実施の形態と同様に、溶融後の封着層の断面積変化を抑え、封着層全体を均等に加熱昇温することが可能になる。以上のことから、前面基板11および背面基板12を安定して接合し、信頼性の向上したFEDを得ることができる。
第8および第9の実施形態において、例えば、予め電極を基板に取り付けた状態で真空処理装置に投入してもよく、電極の形状や材料も上記実施の形態に限られるものではない。また、前面基板および側壁の両方に封着材を設けた状態で封着する構成としたが、前面基板および側壁の少なくとも一方に封着材を設けた状態で封着してもよい。
次に、この発明の第10の実施形態に係るFEDおよびその製造方法について説明する。
図42および図43に示すように、FEDは真空外囲器10および真空外囲器に取り付けられた複数、例えば、一対の電極30を備えている。真空外囲器10は、それぞれ矩形状のガラス板からなる前面基板11および背面基板12を備え、これらの基板11、12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合されている。前面基板11の内面には、蛍光体スクリーン16、メタルバック17、ゲッター膜13が形成されている。背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する多数の電子放出素子22が設けられている。また、背面基板12の内面には、電子放出素子22に電位を供給する多数本の配線23がマトリックス状に設けられ、その端部は真空外囲器10の周縁部に引出されている。
一対の電極30は、封着層21に電気的に導通した状態で外囲器10に取り付けられている。これらの電極30は、封着層21に通電する際の電極として用いられる。図44に示すように、各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。すなわち、電極30は、断面がほぼU字形状となるように折曲げられ、装着部32、装着部から延出し封着層に対する電流の通路となる胴体部34、胴体部の延出端に位置し封着層に接触可能な接触部36、および装着部および胴体部の背面部により形成された平坦な導通部38を一体に備えている。
装着部32は、クリップ状に折り曲げられた挟持部を一体に備え、前面基板11あるいは背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能と成っている。接触部36は、水平方向の延出長さLが2mm以上に形成されている。また、胴体部34は帯状に形成され、装着部32から斜め上方に傾斜して延びている。これにより、接触部36は、鉛直方向に沿って、装着部32および胴体部34接触部36よりも高く位置している。
図42および図43,44に示すように、各電極30は、真空外囲器10の例えば、装着部32により例えば背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で真空外囲器10に取り付けられている。各電極30の接触部36は、それぞれ封着層21に接触し電気的に導通している。胴体部34は接触部36から真空外囲器10の外側に延出しているとともに、導通部38は、背面基板12の側面と対向し真空外囲器10の外面に露出している。これら一対の電極30は、真空外囲器10の対角方向に離間した2つの角部にそれぞれ設けられ、封着層21に対して対称に配置されている。
上記FEDの他の構成は、前述した第1の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、第10の実施の形態に係るFEDの製造方法について詳細に説明する。ここでは、第1の実施形態に係る製造方法と異なる部分を中心に説明する。
まず、第1の実施形態と同様に、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子22が形成された背面基板12を用意する。続いて、大気中で低融点ガラス19により側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し封着層21bを形成する。
続いて、図45に示すように、側壁18が接合されている背面基板12に一対の電極30を装着する。この際、各電極30は、接触部36が封着層21aに接触せず、封着層と隙間を置いて対向した状態に装着する。電極30は、基板上で+極と−極の一対を必要とし、一対の電極間で並列に通電される封着層21a、21bの各々の通電経路はその長さを等しくすることが望ましい。そこで、一対の電極30は、背面基板12の対角方向に対向する2つの角部に装着され、電極間に位置した封着層21a、21bの長さは、各電極の両側でほぼ等しく設定されている。
電極30を装着した後、背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、図9に示した真空処理装置100内に投入する。前面基板11および背面基板12は、ロード室101を介してベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時に、電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射し、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
ベーキング工程において、加熱により封着層21a、21bは一旦溶融して流動性を有するが、各電極30の接触部36は封着層21a、21bに接触することなく隙間を置いて対向している。そのため、溶融したインジウムが電極30を通して背面基板12の外側へ流れ出すのを抑えることができる。
ベーキングおよび電子線洗浄された前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、メタルバック17の外側にゲッター膜27としてBa膜が蒸着形成される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。図46に示すように、この組立室105において、前面基板11および背面基板12は、対向配置された状態で組立室内のホットプレート131、132にそれぞれ保持される。前面基板11は落下しないように、固定治具133により上側のホットプレート131に固定する。
その後、前面基板11および背面基板12を約120℃に維持したまま、互いに接近する方向へ移動させ、所定の圧力で加圧する。基板の移動は、前面基板11および背面基板12の両方を移動させて互いに接近させる方法、あるいは前面基板および背面基板のいずれか一方を移動させて互いに接近させる方法のいずれでもよい。
図47に示すように、所定の圧力で加圧することにより、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとを互いに接触させるとともに、各電極30の接触部36を封着層21a、21bの間に挟持し、各電極30を封着層21a、21bに電気的に接続する。この際、接触部36は2mm以上の水平方向長さに形成されているため、封着層21a、21bに対し安定して接触することができる。なお、電極30の接触部36に予めインジウムを塗布しておくことにより、封着層に対して一層良好な接触および通電状態を得ることができる。
この状態で、図10に示したように、一対の電極30に電源120を電気的に接続した後、側壁18側の封着層21aおよび前面基板11側の封着層21bのそれぞれに例えば、140Aの直流電流を定電流モードで印加する。これにより、封着層21a、21bを加熱しインジウムを溶融させる。この際、電源120に接続された接続端子40を、電極30の導通部38に接触させることにより、電源と電極、および電極と封着層21a、21bとを確実に導通させることができる。また、各電極30は封着層21a、21bに対して等価に接触しているため、安定して通電することができ、それぞれの封着層にほぼ同量の電流を流し均等に加熱溶融させることができる。
インジウムを溶融させることにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。上記工程により封着された前面基板11、側壁18、および背面基板12は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器10が完成する。
なお、真空外囲器10が完成した後、必要であれば一対の電極30を切除してもよい。
以上のように構成されたFEDおよびその製造方法によれば、通電加熱時、背面基板に装着された電極30を介して封着層21に安定した電流を流すことができる。従って、封着時、封着層を構成する導電性の低融点封着材料を予め定めた通電時間で安定してかつ確実に溶融させることができ、その結果、封着層21に亀裂等が発生することなく迅速かつ確実な封着を行うことができる。
ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、基板全体を低温に維持しながら、封着作業を短時間でかつ安定して行うことができる。同時に、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことが可能となる。
封着前の状態において、電極の接触部は、封着層に接触することなく封着層と隙間を置いて対向している。そのため、ベーキング工程等において、封着材が溶融した場合でも、この溶融した封着材が電極を通して外部に流出すること防止できる。従って、封着層を全周に渡って均一な厚さに維持できるとともに、封着材の流出に起因する配線のショート等を防止することが可能となる。以上のことから、量産性に優れ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に得ることができる。
上述した第10の実施形態において、各電極30は、接触部36および胴体部34は同一の幅を有した帯状に形成されている。図48に示すように、胴体部34は、接触部36の幅よりも狭い幅に形成されてもよい。ここでは、胴体部34は、全長に渡って均一の幅を有した帯状に形成されている。また、図49に示すように、胴体部34は、接触部36と繋がった部分が、接触部の幅よりも狭い幅に形成され、この接触部から装着部32に向かって徐々に幅が広くなるように形成してもよい。
このように、胴体部34の幅、特に、少なくとも接触部36に繋がった部分における胴体部の幅が接触部の幅よりも狭く形成された電極30を用いることにより、通電加熱時、胴体部34での発熱を接触部36を介して速やかに封着層に伝えることができる。従って、封着層に一層安定して通電することができ、封着層全体がほぼ均一に昇温するようになり、迅速かつ確実に接合を行うことが可能になる。
ここでは、胴体部34の幅を狭くしたが、胴体部に孔や切り込みを入れて制御してもよく、胴体部の厚さを薄くして制御してもよい。また、胴体部とそれ以外の部分で材質を変更等し、板材の重ね合わせで発熱を制御してもよい。
上述した第10の実施形態において、各電極30の装着部はクリップ状の挟持部を一体に備えた構成としたが、図50および図51に示すように、挟持部として機能する別体のクリップ46を備えた構成としてもよい。すなわち、電極30は、接触部36、胴体部34、および平坦な基台部39を有し、これは板材を折り曲げて一体に形成されている。また、電極30の装着部は、基台部39、および別体のクリップ46により構成されている。そして、電極30は、基台部39および基板の周縁部、ここでは背面基板12の周縁部を、クリップ46で挟持することにより、背面基板12に取り付けられる。
図48ないし図51に示す変形例において、他の構成は前述した実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。そして、これらの実施の形態においても、前述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
第10の実施形態では、背面基板の対向する対角部分に一対の電極を取付け、基板同士を加圧した状態で封着層に通電する構成としたが、これに限らず、前面基板側にも一対の電極を取付け、背面基板側と別々に封着層に通電し加熱溶融する構成としてもよい。
この場合、図52に示すように、組立室に送られた前面基板11および背面基板12は、ホットプレート131、132上に固定され対向配置された後、互いに接近する方向へ移動される。背面基板12に取り付けられた電極30の接触部は前面基板11側の封着層21bに電気的に接触し、前面基板11に取り付けられた電極30の接触部は背面基板12側の封着層21aに電気的に接触する。この際、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとは互いに接触しない状態で保持される。
この状態で電極30を通して封着層21a、21bに電流を印加することにより、封着層21aおよび封着層21bはそれぞれ別々に溶融する。溶融後、通電を止め、両基板11、12をさらに互いに接近する方向へ移動して加圧することにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層21によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。
一方の基板に2対の電極を取付け、1対の電極で背面基板12側の封着層21aに通電し、他方の1対の電極で前面基板11側の封着層21bに通電する構成とすることも可能である。
この場合、図53に示すように、背面基板12に2対の電極30を取り付ける。組立室に送られた前面基板11および背面基板12は、ホットプレート131、132上に固定され対向配置された後、互いに接近する方向へ移動される。背面基板12に取り付けられた電極の内、1対の電極の接触部36は前面基板11側の封着層21bに電気的に接触する。他の1対の電極30は、図54に示すように、電極の胴体部34に凸状部分47が形成されている。前面基板11および背面基板12が互いに接近する方向へ移動された際、凸状部分47が、前面基板11の周縁部に当接し、電極の接触部は36は、背面基板12側の封着層21a方向に移動し、この封着層21aに電気的に接触する。この際、前面基板11側の封着層21bと背面基板12側の封着層21aとは互いに接触しない状態で保持される。
この状態で、電極30から封着層21a、21bに電流を印加することにより、封着層21a、21bはそれぞれ別々に加熱され溶融する。溶融後、通電を止め、前面基板11および背面基板12をさらに互いに接近する方向へ移動させ加圧する。これにより、封着層21a、21bを融合させて封着層21を形成し、この封着層によって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着する。
なお、図52、図53、および図54に示した変形例において、他の構成は前述した第10の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。上記変形例においても、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
一方、上述した各実施形態において、FEDの真空外囲器の封着が終了した後、電極を真空外囲器から除去してもよい。この発明の第11の実施形態に係る製造方法によれば、封着後、真空外囲器10から電極30を切除するように構成されている。例えば、第10の実施形態において、封着後、外囲器10は、真空処理装置のアンロード室107から取り出される。この外囲器10には、電極30が封着層21に強固に接合されたまま残っている。そこで、これらの電極30を以下の工程により外囲器10から除去する。
まず、図55に示すように、電極30と封着層21との界面に超音波カッター60の刃を挿入し、電極の接触部36の周囲に位置した封着層21を超音波切断して除去する。超音波カッター60を用いた場合、超音波振動によって刃と封着層21との摩擦力が小さくなり、加圧をほとんどかけずに容易に封着層を切断除去することができる。
このようにして電極30の接触部36周囲の封着層を除去すると、電極と封着層の接合力が弱くなる。この状態で、図56に示すように、電極30の装着部32を図示しない保持ジグによってチャッキングし、矢印方向に引き抜く。これにより、基板や封着層を損傷することなく、外囲器10から機械的に電極30を除去することができる。
上記のように構成されたFEDでは、電極30を除去することにより、封着層21には、電極の接触部36が配置されていた跡に対応する凹部41が残る。すなわち、図57および図58に示すように、封着層21のうち、真空外囲器10の対角方向に対向した2つの角部40a、40bに位置した2箇所には、例えば、それぞれ幅5mm、奥行き約1mmの凹部41が形成され、それぞれ真空外囲器の外側に向かって開口している。これにより、真空外囲器10の角部40a、40bにおいて、封着層21は、その幅が部分的に狭くなるように形成されている。
第11の実施形態において、他の構成は前述した第10の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
以上のように構成された第11の実施形態に係る製造方法およびFEDによれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。封着後のFEDにおいて不要な部品となる電極を除去することにより、外囲器の取扱いが簡単になるという利点が得られる。例えば、FEDをモニターとしてキャビネットに組み込む際、電極が障害となることを防止できる。電極の基板から突き出た部分が他の装置や作業者を傷つけ、あるいは、電極を介して外囲器に負荷が作用し外囲器が破壊する等の問題を無くすことができる。更には、搬送装置などを電極に対応できるよう改造する必要がなく、製造コストの低減が可能となる。
超音波カッターなどの超音波振動切断を行うことにより、電極周囲の封着材を除去することができ、電極を容易に取り外すことができる。
上述した第11の実施形態において、真空外囲器10から電極30を除去する際、超音波カッターを用いたが、以下の方法により除去することもできる。すなわち、図59に示すように、超音波発生源62に接続された超音波振動子64を電極30に接触させ、直接、電極30を超音波振動させる。この場合、電極30自体が超音波カッターの刃として機能し、電極の接触部36と封着層21との界面を超音波振動切断する。これにより、電極30周囲の封着材を除去することができ、電極を容易に取り外すことが可能となる。
封着層21において、封着された電極30の接触部36近傍の領域を部分的に加熱して軟化させ、電極と封着層21との接合力を弱めた状態で、封着層から電極を引き抜いてもよい。これは、電極30の接触部36近傍の封着層21を誘導加熱することにより行う。すなわち、図60に示すように、封着後、例えば、電極30の近傍で真空外囲器10の前面基板11と隣接対向して誘導加熱コイル66を配置する。誘導加熱コイル66に高周波を印加することにより、前面基板11を介して封着層21を高周波加熱し、封着層を部分的に軟化させる。
この場合、予め電極30の装着部32を図示しない保持ジグによってチャッキングして基板外側方向に弱い引張力をかけておく。すると、封着層21が軟化したところで電極30と封着層21との接合力が弱くなり、電極30を引き抜くことができる。電極30の引き抜き後、誘導加熱コイル66の通電を止めて真空外囲器10から離すことにより、封着層21の加熱された部分が速やかに冷却され、FEDの真空外囲器10が完成する。
図60に示す実施形態において、電極30の接触部36近傍の封着層21を誘導加熱して溶融した後、電極を機械的に除去してもよい。この場合、加熱時間が長いと封着層21の広い領域が溶融して流れ出してしまい、外囲器の気密封着が破れる恐れがある。従って、3〜30秒程度の短時間で加熱を行うことが望ましい。短時間であれば電極30の接触部36近傍の封着材のみが溶融し、外囲器10の真空気密性を確保されたまま電極30を除去することができる。
更に、誘導加熱ではなく、局所ヒーターその他の方法によって電極周囲を加熱してもよい。
図59および図60にそれぞれ示した実施形態において、他の構成は前述した第11の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
その他、FEDにおいて、封着層21には、電極を配置する位置や電極の形状に応じて、図61Aないし61Eに示すような凹部41が形成されてもよい。図61Aに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は直角に形成され、凹部41は封着層の角部に形成され対角方向に延びた矩形状をなしている。図61Bに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は直角に形成され、凹部41は封着層の角部を面取りした形状に形成され対角方向に延びている。
図61Cに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は円弧状に形成され、凹部41は封着層の角部に形成され対角方向に延びた矩形状をなしている。図61Dに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は円弧状に形成され、凹部41の底面部分は封着層の角部に形成され対角方向に円弧状に突出した形状をなしている。更に、図61Eに示す変形例によれば、側壁18および封着層21の角部は円弧状に形成され、凹部41は封着層の角部を面取りした形状に形成され対角方向に延びている
その他、凹部41は、使用する電極の形状により、上記以外の他の形状であってもよい。また、電極30は、封着層21の各々の通電経路長さが等しくなるように設定されていれば、外囲器の角部に限らず、例えば、長辺または短辺の中央部に配置してもよい。この場合、凹部41は電極30の配置位置に対応して封着層21の長辺または短辺の中央部に形成される。凹部41の位置や形状は任意に設定することができる。
前述した組立室105で封着を行う際、前面基板11および背面基板12に設けられた封着層21a、21bにそれぞれ別々に通電し、封着材が溶融した後、両基板を互いに接近する方向へ所望の圧力で加圧して封着することもできる。この場合、2枚の基板用に2対、4個の電極30が必要となる。これらの電極は、例えば、背面基板12の4つの角部にそれぞれ装着され、1対の電極は背面基板12に設けられた封着層21aへの通電、もう1対の電極は前面基板11に設けられた封着層21bへの通電に用いられる。従って、封着後、電極を除去した後、真空外囲器10の封着層21には、4つの凹部41が形成されている。
なお、この凹部の数は、上述した2箇所または4箇所に限られるものではなく、使用する電極の数に応じて任意の数とすることができる。例えば、接触部が二股に分かれた電極を4個用いて通電封着を行った場合、凹部は8箇所形成される。
上述した第11の実施形態では、電極全体を真空外囲器から取り除く構成としたが、電極は一部を残した状態で除去してもよい。この発明の第12の実施形態に係る製造方法によれば、電極30を胴体部の途中で切断し、接触部36を残して電極の他の部分を外囲器から除去する。
詳細に述べると、例えば、前述した第10の実施形態と同様の工程により封着された前面基板11、側壁18、および背面基板12は、真空処理装置の冷却室106に送られ常温まで冷却される。この状態で、電極30の接触部36は、封着層21に強固に接合されている。図62に示すように、冷却室106には自動化カッター70が配設されている。自動化カッター70を電極30の胴体部34を挟むように延出させ、この自動化カッターにより、接触部36近傍で胴体部34を切断する。
続いて、図63に示すように、切断された電極30の装着部32を図示しない保持ジグによってチャッキングし、矢印方向に引き抜いて背面基板12から取り除く。これにより、電極30の接触部36および胴体部34の一部を外囲器10側に残し、装着部32を含む電極の他の部分を外囲器から離脱する。電極30の内、接触部36以外の部分は背面基板12に対して弾性的に挟持されただけの構成であるため、基板や封着層21を損傷することなく容易に取り外すことができる。電極30の先端部を切断後、外囲器10はアンロード室107へ送られ、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDの真空外囲器10が完成する。
上記のように構成されたFEDでは、電極30の大部分を除去することにより、真空外囲器10の2つの角部には、電極30の接触部36および胴体部34の一部を含んだ導電体片71のみがそれぞれ残る。
第12の実施形態において、他の構成は前述した第10の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
以上のように構成された第11の実施形態に係る製造方法およびFEDによれば、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、封着後のFEDにおいて不要な部品となる電極の大部分を除去することにより、外囲器の角部には電極先端部が残存しているが、その領域はごく狭い範囲であるため、外囲器の取扱いが簡単になるという利点が得られる。例えば、FEDをモニターとしてキャビネットに組み込む際、電極が障害となることを防止できる。電極の基板から突き出た部分が他の装置や作業者を傷つけ、あるいは、電極を介して外囲器に負荷が作用し外囲器が破壊する等の問題を無くすことができる。更には、搬送装置などを電極に対応できるよう改造する必要がなく、製造コストの低減が可能となる。電極30を切断した後、真空外囲器から取り外すことにより、封着層や基板を損傷することなく、電極を容易に取り外すことができる。
なお、上記第12の実施形態では、真空処理装置の冷却室内で電極を切断および除去する構成としたが、冷却室内で電極を切断し、外囲器をアンロード室を通して外部に取り出した後、手動により背面基板12から電極の切断部分を取り外してもよい。
また、電極を真空処理装置の冷却室に装着された自動化カッターで切断する構成としたが、これに限らず、真空処理装置とは別に電極切断除去のための装置を準備し、その装置で切断を行う構成であってもよい。電極が薄く容易に切断できる場合には、カッター等によりオペレーターが手動で切断を行ってもよい。
上述した実施形態において、背面基板側の封着層21aに通電する一対の電極と、前面基板側の封着層21bに通電する一対の電極とを別々に設け、2対4個の電極を用いて封着層に通電してもよい。この場合、完成後のFEDには電極先端部に相当する導電体片71が4個残存する構成となる。電極の位置や形状、個数については上記実施形態に限られるもので無いことはいうまでもない。
次に、この発明の第13の実施形態に係るFEDの製造方法および製造装置について説明する。図64に本実施形態により製造されるFEDを示す。FEDの他の構成は、前述した実施形態で示したFEDと同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第13の実施形態に係るFEDの製造方法では、まず、前述した実施形態と同様に、蛍光体スクリーン16およびメタルバック17が形成された前面基板11、並びに、電子放出素子22が形成された背面基板12を用意する。
大気中で低融点ガラスにより側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上に封着する。その後、側壁18の封着面の全周に渡ってインジウムを所定の幅および厚さに塗布し矩形枠状の封着層21aを形成する。前面基板11の側壁と対向する封着面にインジウムを所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布し、背面基板11側の封着層21aに対応した矩形枠状の封着層21bを形成する。
次いで、図65に示すように、側壁18が接合されている背面基板12に、通電用の一対の電極30を装着する。各電極30は、導電部材として例えば0.2mm厚の銅板を折り曲げ加工して形成されている。各電極30は、背面基板12の周縁部を挟持して取り付け可能な装着部32、後述する保持ジグによって保持される舌片部44、封着層21aに接触可能な接触部36を一体に備えている。各電極30は、装着部32により背面基板12の周縁部を弾性的に挟持した状態で背面基板に取り付けられる。この際、各電極30の接触部36を、側壁18に形成された封着層21aに接触させ、電極を封着層に対して電気的に接続する。舌片部44は、背面基板12から外方に突出している。
一対の電極30を背面基板12に装着した後、背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置し、この状態で、真空処理装置内に投入する。ここでは、例えば図9に示した真空処理装置100を用いる。
所定間隔離して配置された上述の前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入される。そして、ロード室101内の雰囲気を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に取り付けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄する。
電子線洗浄を行った前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、蛍光体層の外側にゲッター膜としてバリウム膜が蒸着形成される。バリウム膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。組立室105の内部には、図66および図67に示すように、両基板を保持および加熱するためのホットプレート131、132、下側のホットプレート132を上下方向に駆動するための駆動機構150、封着層に通電するための配線134、一対の電極30とそれぞれ接触する一対のコンタクト電極135、一対の電極30を挟持して保持するための保持装置136、保持装置136を上下および面内方向へ駆動するための駆動機構137、基板を面内方向、つまり、基板表面と平行な方向、へ移動するための複数のガイドローラ138が設置されている。コンタクト電極135は下側のホットプレート132に対して取り付けられている。配線134は組立室105外部に設けられた電源120に接続されている。
組立室105に送られた前面基板11および背面基板12は、まず、それぞれのホットプレート131、132に対してガイドローラ138によって機械的に位置決めされる。このとき、前面基板11は搬送ジグ上で位置決めされた後、落下しないように公知の静電吸着技術によってホットプレート131に対して吸着固定される。背面基板12は下側のホットプレート132に設置された後、ガイドローラ138によって位置決めされる。同時に、一対の電極30の舌片部44は、それぞれ対応するコンタクト電極135に接触し、電気的に接続される。
前面基板11と背面基板12との相互位置合わせ完了後、ホットプレート駆動機構150が背面基板12を前面基板11方向へ移動し、所定の圧力で加圧する。これにより、前面基板11および背面基板12の封着層21b、21a間に各電極30の接触部36が挟み込まれ、各電極は、両基板の封着層に対して同時に電気的に接触する。
この状態で、電源120から電極30を通して封着層21a、21bに140Aの直流電流を定電流モードで通電する。これにより、インジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および背面基板12が気密に封着される。通電を停止した後、図67に示すように、駆動機構137が保持装置136を電極30の舌片部44まで移動させ、保持装置により舌片部44を挟持する。その後、駆動機構137は、背面基板12の表面と平行な方向に沿って、保持装置136を電極30と共に基板外方向へ移動させ、それぞれの電極30を溶融状態のインジウムおよび背面基板12から離間する。通電停止直後はインジウムが溶融した状態にあり、電極30を容易に封着層から脱離することができる。電極30離間後、封着層21をそのままの状態で保持すると、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。封着後の外囲器10は、冷却室106に送られ、常温まで冷却されて、アンロード室107から取り出される。以上の工程により、FEDの真空外囲器10が完成する。
以上のように、第13の実施形態に係るなFEDの製造方法および製造装置によれば、真空雰囲気中で前面基板11および背面基板12の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができる。同時に、封着時間の短縮を図ることができ、量産性に優れた製造方法とすることが可能となる。通電後に組立室内で電極をインジウムから脱離させることにより、封着後のFEDに電極が残存することが無くなる。そのため、例えば、FEDがモニターとしてキャビネットに組み込まれる際に障害になったり、電極により外囲器が破壊したりというような不具合の発生を防できる。これにより、封着後の外囲器の取扱いが簡単になるという利点がある。
上記第13の実施形態では、背面基板12に一対の電極30を取り付けた後、真空処理装置内に投入したが、これに限らず、真空処理装置内に通電用の電極を設置し、基板には電極を取り付けずに真空処理装置内に投入するような製造方法および製造装置であってもよい。
図68に示すように、この発明の第14の実施形態に係るFEDの製造装置は、両基板を固定して加熱保持するためのホットプレート131、132、下側のホットプレート132を上下方向に駆動するための駆動機構150、封着層に通電するための配線134および電極145、電極145を基板の表面と平行な方向および基板表面と垂直な方向へ駆動するための駆動機構137、基板をその表面と平行な方向に移動させ位置決めする複数のガイドローラ138を備えている。通電配線134は組立室外部の電源120に接続されている。製造装置の他の構成は、前述した第13の実施形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
第14の実施形態において、組立室105に送られた前面基板11および背面基板12は、まず、それぞれ対応するホットプレート131、132に対してガイドローラ138によって機械的に位置決めされる。この際、前面基板11は搬送ジグ上で位置決めされた後、落下しないように公知の静電吸着技術によってホットプレート131に対して吸着される。
次いで、電極駆動機構137およびホットプレート駆動機構150が電極145および背面基板12を前面基板11方向へ移動し、所望の圧力で加圧する。これにより、両基板の封着層21a、21b間に各電極145が挟み込まれ、各電極は、両基板の封着層に同時に電気的に接触する。
この状態で、電源120から電極145を通して封着層21a、21bに140Aの直流電流を定電流モードで通電する。これにより、インジウムが加熱されて溶融し、前面基板11および背面基板12が気密に封着される。通電を停止した後、電極駆動機構137が電極145を基板外方向へ移動させ、溶融状態のインジウムから離間させる。通電停止直後はインジウムが溶融した状態にあるため、電極145を容易にインジウムから脱離することができる。電極離間後、数分間そのままの状態で保持すると、溶融したインジウムが固まり、外囲器10が形成される。封着後の外囲器10は、冷却室106に送られ、常温まで冷却されて、アンロード室107から取り出される。
第14の実施形態において、他の構成は第13の実施形態と同一であり、同一の部分の説明は省略する。
上記構成によれば、通電のための電極145は組立室105内に設置され、通電後に封着層から脱離される。そのため、第13の実施形態と同様に、封着後のFEDに電極が残存することが無くなる。FEDをモニターとしてキャビネットに組み込む際、電極が障害になったり、電極に起因して外囲器が破壊したりというような問題を防ぐことができる。
第14の実施形態において、電極を2対、4個とし、前面基板側の封着層と背面基板側の封着層とへ各々1対ずつ接触させて通電し、電極を脱離後に基板同士を加圧するプロセスであっても良い。電極の位置や形状、個数については上記実施例に限られるもので無いことはいうまでもない。
この発明は上述した種々の実施形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。上述した複数の実施形態は、前面基板と背面基板とで側壁を挟みこむ構成の真空外囲器を用いたが、側壁が前面基板あるいは背面基板と一体化された構成としてもよく、また、側壁が前面基板と背面基板を側面から覆うように接合された構成としてもよい。更に、封着材の通電加熱により封着される封着面は、前面基板と側壁との間、および背面基板と側壁との間の2面であってもよい。
上述した実施形態では、前面基板側の封着材と背面基板側の封着材とを接触させて通電加熱したが、これらの封着材が非接触状態で通電加熱した後、固化するまでの間に接合させても良い。蛍光体スクリーンの構成や、電子放出素子の構成は、本発明の実施の形態に限定されるものではなく、他の構成としてもよい。また、
封着材はインジウムに限るものではなく、導電性があれば他の材料でもよい。一般的に金属であれば相変化する際に急激な抵抗値変化が生じるため、封着材料として使用することができる。例えば、封着材として、少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属、合金を用いることができる。
上述したFEDは、電極を一対あるいは2対備えた構成としたが、予め外囲器に取り付けられた少なくとも1つの電極を備えた構成とし、封着工程において、他の必要な電極を外囲器に装着し、通電加熱する構成としても良い。また、複数の電極は、電極間に位置する封着層の通電経路が互いに等しい長さとなるように配置されていれば、あるいは、封着層に対して対称な位置に配設されていればよく、外囲器の角部に限らず、他の位置に設けてもよい。
上述した実施形態では、背面基板側および前面基板側の両方にそれぞれインジウムからなる封着層を設ける構成としたが、いずれか一方のみに封着層を設けた状態で、前面基板と背面基板とを封着する構成としても良い。
真空外囲器の外形状や支持部材の構成は上記実施形態に限定されない。マトリックス状の光吸収層と蛍光体層を形成し、断面が十字型の柱状支持部材を光吸収層に対して位置決めして封着する構成としてもよい。電子放出素子は、pn型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等を用いてもよい。上記実施形態では、真空雰囲気中で基板を接合する工程について述べたが、その他の雰囲気環境で実施することも可能である。
この発明は、FEDに限定されることなく、SEDやPDP等の他の画像表示装置、あるいは、外囲器内部が高真空とならない画像表示装置にも適用することができる。
以上説明したように本願発明によれば、封着作業を安定してかつ迅速に行うことができ、信頼性が高く良好な画像表示が可能な画像表示装置、画像表示装置の製造方法および製造装置を提供することができる。
Claims (77)
- 前面基板と、この前面基板に対向配置された背面基板とを有し、導電性の封着材を含有した封着層により上記前面基板および背面基板の周縁部同士が封着された外囲器と、
上記封着層に電気的に接触した状態で上記外囲器に取り付けられ、上記封着層に通電するための電極部材と、
を備えた画像表示装置。 - 上記電極部材は、金属板を折り曲げて形成され、隙間を置いて対向した第1板部および第2板部と、これら第1および第2板部を連結した上記導通部とを備え、上記第1および第2板部間に上記前面基板あるいは背面基板の周縁部を挟持して外囲器に取り付けられている請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記第1板部は、上記封着層に電気的に接触した接触部を備えている請求項2に記載の画像表示装置。
- 上記外囲器は、上記背面基板および背面基板の周縁部間に接合された枠状の側壁を備え、上記背面基板および前面基板の少なくとも一方が上記封着層を介して上記側壁に封着され、上記電極部材は、上記第1および第2板部間に、上記背面基板および前面基板の上記少なくとも一方の周縁部と上記側壁とを挟持して外囲器に取り付けられている請求項2に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、上記封着層に電気的に接触した接触部と、上記接触部から上記外囲器の外側に向かって延出した胴体部と、上記外囲器の外部に露出した導通部と、を有し、上記胴体部は、鉛直方向に沿って上記接触部よりも高く位置した流出規制部を有している請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、上記封着層に電気的に接触した接触部と、上記接触部から上記外囲器の外側に向かって延出した胴体部およびドレイン部と、を有し、上記胴体部は、鉛直方向に沿って上記接触部よりも高く位置した流出規制部を有し、上記ドレイン部は、鉛直方向に沿って上記接触部よりも低く位置している請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、上記外囲器の外部に露出あるいは突出した導通部を有している請求項5又は6に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、上記前面基板あるいは背面基板の周縁部を挟持した装着部を有し、上記外囲器に取り付けられている請求項5又は6に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、金属板を折り曲げて形成されている請求項5又は6に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材の接触部は、水平方向の延出長さが2mm以上の水平部分を有している請求項5又は6に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材の上記ドレイン部は上記胴体部の幅よりも狭い幅を有していることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材の接触部およびその近傍領域に導電性材料が充填されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材の接触部およびその近傍領域、並びに、ドレイン部およびその近傍領域に導電性材料が充填されていることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、上記封着層に電気的に接触した接触部と、上記接触部から上記外囲器の外側に向かって延出した胴体部と、を有し、上記胴体部の少なくとも一部は、上記接触部の断面積よりも小さい断面積を有している請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材の接触部は、鉛直方向に沿って上記胴体部よりも高く位置している請求項14に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、それぞれ上記封着層に電気的に接触しているとともに上記封着材を流出可能な隙間を置いて並んだ複数の接触部を有している請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、上記外囲器の1つ角部の両側で上記封着層にそれぞれ接触した複数の接触部を有している請求項16に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、上記外囲器の1つ角部の片側で上記封着材にそれぞれ接触した複数の接触部を有している請求項16に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、2つの接触部を有したY字形状に形成されている請求項16に記載の画像表示装置。
- 上記封着層はほぼ矩形枠状に形成され、上記電極部材は上記封着層に対して対称に複数個設けられ、それぞれ上記封着層に電気的に接続されている請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記封着層はほぼ矩形枠状に形成され、上記電極部材は、上記背面基板に取り付けられ上記封着層に電気的に接続された第1電極と、上記前面基板に取り付けられ上記封着層に電気的に接続された第2電極と、を含んでいる請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記封着材は少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含んでいる請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記電極部材は、少なくともCu、Al、Fe、Ni、Co、Be、Crの何れかを含む、単元素または合金で形成されている請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記前面基板の内面上に設けられた蛍光体層と、上記背面基板上に設けられ、それぞれ上記蛍光体層を励起する複数の電子放出素子と、を備えている請求項1に記載の画像表示装置。
- 上記外囲器は、上記前面基板および背面基板の周縁部間に接合された枠状の側壁を有し、上記封着層は、上記前面基板および上記背面基板の少なくとも一方と上記側壁と間に設けられている請求項1に記載の画像表示装置。
- 対向配置されているとともに導電性を有する封着材によって周縁部が接合された前面基板および背面基板を備えた外囲器と、
それぞれ少なくとも一部が導電性材料層により被覆され、それぞれ導電性材料層を介して上記封着材に電気的に接触して設けられた複数の電極部材と、
を備えた画像表示装置。 - 上記外囲器は、前面基板および背面基板の周縁部間に接合された枠状の側壁を有し、上記封着材は、上記前面基板および上記背面基板の少なくとも一方と上記側壁と間に設けられている請求項26に記載の画像表示装置。
- 上記封着材は、上記外囲器の周縁部に沿って枠状に設けられているとともに、上記複数の電極部材は、上記外囲器の少なくとも2つの角部に設けられている請求項26に記載の画像表示装置。
- 上記各電極部材は、少なくともCu、Al、Fe、Ni、Co、Be、Crの何れかを含む、単元素または合金で形成されている請求項26に記載の画像表示装置。
- 上記封着材は、In、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項26に記載の画像表示装置。
- 上記導電性材料層は、In、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含んでいる請求項26に記載の画像表示装置。
- 対向配置された前面基板および背面基板と、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って配置され導電性を有する封着材を含有した封着層とを有し、上記封着層を介して前面基板および背面基板の周辺部同士が接合された外囲器と、この外囲器内に設けられた複数の画素と、を備え、上記封着層は、それぞれ外囲器の外方に向かって開口した複数の凹部を有している特徴とする画像表示装置。
- 上記複数の凹部は、上記外囲器の2つあるいは4つの角部に位置している請求項32に記載の画像表示装置。
- 対向配置された前面基板および背面基板と、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って配置され導電性を有する封着材を含有した封着層とを有し、上記封着層を介して前面基板および背面基板の周辺部同士が接合された外囲器と、この外囲器内に設けられた複数の画素と、を備え、
上記外囲器は、それぞれ上記封着層に接合された接触部を含み上記外囲器の周縁部に位置した複数の導電体片(注:電極との差別化が難しい)を有している画像表示装置。 - 上記導電体片は、上記外囲器の角部に配置さえている請求項34に記載の画像表示装置。
- 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記封着層の形成された上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に、電極部材を取り付けて上記封着層に電気的に接続し、
上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で上記電極部材を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層をそれぞれ形成し、
上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に電極部材を取り付け上記少なくとも一方に形成された上記封着層に電気的に接続し、
上記前面基板および背面基板を対向配置し、上記電極部材を上記前面基板および背面基板の他方に形成された封着層に電気的に接触させた後、上記電極部材を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
接触部と、上記接触部から延出しているとともに鉛直方向に沿って上記接触部よりも高く位置した流出規制部を有した胴体部と、導通部と、を具備した電極部材を用意し、
上記電極部材を上記胴体部が上記封着層から外側に延出し上記導通部が外部に露出あるいは突出した状態で、上記封着層の形成された上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に取り付け、上記接触部を上記封着層に電気的に接触させ、
上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で上記電極部材を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
接触部と、上記接触部から延出しているとともに鉛直方向に沿って上記接触部よりも高く位置した流出規制部を有した胴体部と、上記接触部から延出しているとともに鉛直方向に沿って上記接触部よりも低く位置したドレイン部と、を具備した電極部材を用意し、
上記電極部材を上記胴体部およびドレイン部が上記封着層から外側に延出し上記導通部が外部に露出あるいは突出した状態で、上記封着層の形成された上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に取り付け、上記接触部を上記封着層に電気的に接触させ、
上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で上記電極部材を通して上記封着層に通電して上記封着層を加熱溶融させ、上記前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧して上記前面基板および背面基板の周辺部同士を上記溶融した封着材により接合するとともに、溶融した余剰の封着材を上記電極部材のドレイン部から外部へ流出させる画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の周縁部間に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
封着材を流出可能な隙間を置いて並んだ複数の接触部を有した電極部材を用意し、
上記電極部材の複数の接触部をそれぞれ上記封着層に電気的に接触させ、
上記前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧した状態で、上記電極部材を介して上記封着層に通電し封着材を加熱溶融させ、上記前面基板および背面基板の周辺部同士を上記溶融した封着材により接合するとともに、溶融した余剰の封着材を上記電極部材の接触部間の隙間から外部に流出させる画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の周縁部間に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
それぞれ少なくとも一部が導電性材料層によって被覆された複数の電極部材を用意し、
上記電極部材を上記導電性材料層を介して上記封着層に電気的に接触させ、
上記電極部材を介して上記封着層に通電して封着材を融解させ、前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する画像表示装置の製造方法。 - 超音波を印加しながら導電性材料を上記電極部材に供給し、上記導電性材料層を形成する請求項41に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記前面基板および背面基板の周縁部間に枠状の側壁を配置し、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方と上記側壁との間に上記封着層を設け、この封着層に上記電極部材を介して通電し封着材を融解する請求項36ないし41のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材として、少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属を用いる請求項36ないし41のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材に通電する直前の上記前面基板および背面基板の温度を、上記封着材の融点よりも低く設定する請求項36ないし41のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記外囲器を真空雰囲気中に維持した状態で上記封着層に通電する請求項36ないし41のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 真空雰囲気中で上記前面基板および背面基板を加熱して脱ガスさせた後、真空雰囲気を維持した状態で上記封着材の融点よりも低い温度まで冷却し、
上記封着層に通電することにより上記封着材のみを加熱溶融し、
上記封着層への通電を停止し、上記封着層の熱を上記前面基板および背面基板に伝導することにより封着層を冷却固化させる請求項36ないし41のいずれか1項に画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有した外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周辺部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記封着材を挟んで上記前面基板と背面基板とを対向して配置し、
上記対向配置された前面基板および背面基板の少なくとも一方を上記前面基板および背面基板が互いに接近する方向に加圧し、上記封着材の少なくとも一部を上記前面基板および背面基板の周辺部間に接触した状態で挟持し、
上記加圧した状態で、電極部材により上記封着層に通電して封着材を加熱溶融する画像表示装置の製造方法。 - 上記前面基板の周辺部および背面基板の周辺部に、導電性を有した封着材をそれぞれ配置して封着層を形成し、上記封着層同士の少なくとも一部が互いに接触した状態で、これらの封着層に通電する請求項48に記載の画像表示装置の製造方法。
- 対向配置されているとともに周辺部同士が側壁を挟んで接合された前面基板および背面基板を有した外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板の周辺部と、上記側壁と、の少なくとも一方に、導電性を有した封着材を配置し、
上記封着材および側壁を挟んで上記前面基板と背面基板とを対向して配置し、
上記対向配置された前面基板および背面基板の少なくとも一方を上記前面基板および背面基板が互いに接近する方向に加圧し、上記封着材の少なくとも一部を上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周辺部と上記側壁との間に接触した状態で挟持し、
上記加圧した状態で、電極部材により上記封着材に通電して封着材を加熱溶融する画像表示装置の製造方法。 - 上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板の周辺部と、上記側壁とに、導電性を有した封着材をそれぞれ配置して封着層を形成し、上記封着層同士の少なくとも一部が互いに接触した状態で、これらの封着材に通電する請求項50に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着層同士の間に上記電極部材を挟み込み、この電極部材を通して封着材に通電する請求項48又は51に記載の画像表示装置の製造方法。
- 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有した外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の周辺部に、導電性を有した封着材をそれぞれ配置して封着層を形成し、
上記封着層を挟んで上記前面基板と背面基板とを対向して配置し、
上記対向配置された前面基板および背面基板に設けられた封着層の少なくとも一部を互いに溶着させ、
上記溶着部に電極部材を接触させ、この電極部材を介して上記両方の封着層に通電し上記封着材を加熱溶融する画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に装着可能な装着部と、上記封着層に接触可能な接触部と、を具備した電極部材を用意し、
上記接触部が上記封着層に対し隙間を置いた状態で上記電極を上記前面基板および背面基板の上記少なくとも一方に取り付け、
上記接触部と上記封着層との隙間を維持した状態で、上記前面基板および背面基板を対向配置し、
上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧し、上記封着層を介して上記前面基板および背面基板を接触させるとともに、上記電極部材の接触部を上記封着層に電気的に接触させ、
上記加圧した状態で、上記電極部材を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に装着可能な装着部と、上記封着層に接触可能な接触部と、を具備した電極部材を用意し、
上記接触部が上記封着層に対し隙間を置いた状態で上記電極部材を上記前面基板および背面基板に取り付け、
上記接触部と上記封着層との隙間を維持した状態で、上記前面基板および背面基板を対向配置し、
上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に移動し、上記前面基板に取り付けた電極部材の接触部を上記背面基板の封着層に電気的に接触させ、かつ上記背面基板に取り付けた電極部材の接触部を上記前面基板の封着層に電気的に接触させ
上記電極部材を上記封着層に電気的に接触した状態で、上記電極部材を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させ、上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧して上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の周縁部に、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に装着可能な装着部と、上記封着層に接触可能な接触部と、を具備した電極部材を用意し、
上記接触部が上記封着層に対し隙間を置いた状態で上記電極部材を上記前面基板または背面基板の一方に取り付け、
上記接触部と上記封着層との隙間を維持した状態で、上記前面基板および背面基板を対向配置し、
上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に移動し、
上記電極部材の接触部を上記封着層に電気的に接触させ、
上記電極部材を上記封着層に電気的に接触した状態で、上記電極部材を通して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させ、上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧して上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合する画像表示装置の製造方法。 - 上記前面基板および背面基板を加熱して前面基板および背面基板から吸着ガスを放出させた後、上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧する請求項54に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に電子線を照射して電子線洗浄した後、上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧する特徴とする請求項54に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記吸着ガスを放出させた後、上記前面基板の内面にゲッタ膜を形成し、その後、上記対向配置された前面基板および背面基板を互いに接近する方向に加圧する請求項57に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記電極部材の接触部に予めInあるいはInを含む合金を塗布する請求項54に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記電極部材の装着部は、上記上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の基板の周縁部を挟持可能なクリップ状の挟持部を有している請求項54に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記電極部材は、上記装着部から延出した胴部と、導通部とを有し、上記接触部は上記胴部から延出している請求項54に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材は、In、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属である請求項48ないし62のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 真空雰囲気中で上記封着層を通電加熱する請求項48ないし62のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 対向配置されているとともに封着層を介して周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の画素と、を備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って、導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で、上記封着層に電気的に接触した電極部材を介して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させて上記前面基板および背面基板の周辺部同士を上記溶融した封着材により接合し、
接合後に上記電極部材を除去する画像表示装置の製造方法。 - 超音波切断により上記電極部材と封着層との界面を切断し上記電極部材を除去する請求項65に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記電極部材に超音波を印加して上記電極部材と封着層との界面を超音波切断し、上記電極部材を除去する請求項66に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記前面基板および背面基板を接合した後、上記電極部材の周辺部で上記封着層を加熱して軟化または溶融させた状態で、上記電極部材を除去する請求項65に記載の画像表示装置の製造方法。
- 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って導電性を有した封着材を配置して封着層を形成し、
電極部材の接触部を上記封着層に電気的に接触させ、
上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で、上記電極部材を介して上記封着層に通電し、上記封着層を加熱溶融させ、上記前面基板および背面基板の周辺部同士を上記溶融した封着材により接合し、
上記接合後、上記電極部材の上記封着層に接触した接触部近傍を切断し、上記電極部材の接触部近傍以外の部分を除去する画像表示装置の製造方法。 - 上記電極部材は、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に装着された装着部と、上記装着部から上記接触部まで延びた胴体部と、を備え、
上記接合後、上記接触部の近傍で上記胴体部を切断し、この胴体部および装着部を上記外囲器から除去する請求項69に記載の画像表示装置の製造方法。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って、導電性を有する封着材を配置し、
上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で、上記封着材に電気的に接触した電極部材を介して上記封着材に通電し、上記封着材を加熱溶融させ、
上記通電終了後、上記封着材が溶融した状態で、上記電極部材を封着材から除去離間し、
上記前面基板および背面基板の周辺部同士を上記溶融した封着材により接合する画像表示装置の製造方法。 - 上記電極部材を上記通電の直前に上記封着材に接触させ、上記通電終了後、上記封着材から除去離間する請求項71に記載の画像表示装置の製造方法。
- 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法であって、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って、導電性を有する枠状部材と、加熱により溶融する封着材とを配置し、
上記前面基板および背面基板を対向配置した状態で、上記枠状部材に電気的に接触した電極部材を介して上記枠状部材に通電し、上記枠状部材の発熱により上記封着材を溶融させ、
上記通電終了後、上記封着材が溶融した状態で上記電極部材を上記枠状部材から除去離間し、
上記前面基板および背面基板の周辺部同士を上記溶融した封着材により接合する画像表示装置の製造方法。 - 上記電極部材を上記通電の直前に上記枠状部材に接触させ、上記通電終了後、上記枠状部材から除去離間する請求項73に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材は少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属である請求項71又は73に記載の画像表示装置の製造方法。
- 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って配置された導電性を有する材料を含む封着層と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造装置であって、
上記封着層に電気的に接触可能な電極部材と、
上記電極部材を介して電流を供給する電源と、
上記電極部材を保持固定する保持装置と、
上記保持装置を上記前面基板または背面基板の面内方向に移動させる駆動機構と、
を備えた画像表示装置の製造装置。 - 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の内面周縁部に沿って配置された導電性を有する材料を含む封着層と、上記外囲器内に設けられた複数の画素とを備えた画像表示装置の製造装置であって、
上記封着材に電気的に接触可能に設けられた複数の電極部材と、
上記電極部材を介して上記封着層に電流を供給する電源と、
上記電極部材を上記前面基板および背面基板の少なくとも一方の面内方向に駆動する駆動機構と、
を備えた画像表示装置の製造装置。
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