JPWO2003101922A1 - 芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニル化法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、温和な条件で、簡便に、しかも短時間で収率よく生成物を得ることことができる工業化に適した芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニル化法を提供するものである。ロジウム金属触媒及びフッ素化芳香族ホスフィンの存在下に、芳香族酸ハロゲン化物を脱カルボニル化して、対応する核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法、及びその触媒に関する。本発明の特に好ましいフッ素化芳香族ホスフィンとしては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンが挙げられる。

Description

技術分野
本発明は、芳香族酸ハロゲン化物を脱カルボニルすることによって、医薬・農薬分野において有用な、他の核ハロゲノ芳香族化合物に誘導する、芳香族酸ハロゲン化物を脱カルボニル化して核ハロゲノ芳香族化合物を製造する方法、及びそのための触媒に関するものである。
背景技術
従来、芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニル化(脱一酸化炭素化、あるいは脱CO化)により、核ハロゲノ芳香族化合物を得る方法は、環上の所望の位置にハロゲン原子が結合した芳香族化合物を選択的に得る方法として知られており、この方法は原料が安価であり、さらに位置選択的な方法として有用であった。しかし、高温での反応であり、且つ反応に長時間を必要とし工業的方法としては必ずしも充分ではなかった。
安息香酸クロリド類の脱カルボニルにおいては、一般的にパラジウム系触媒を使用するよりもロジウム系触媒を使用した方がより低い温度で反応が進行することが知られており、例えば、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)を触媒として使用した場合に安息香酸クロリド類の脱カルボニル化反応が200〜250℃で進行し、対応するクロロベンゼン類を与えることが知られている(Tetrahedron Lett.,1966,1605)。しかしながら、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)を触媒として適用した場合は、約20時間の比較的長い反応時間または高温を必用とし、さらに、配位子であるトリフェニルホスフィンがトリフェニルホスフィンオキシドへ酸化され易いため、触媒が失活し易く、工業的に実施するうえでは、不十分であった。
また、5−クロロイソフタル酸クロリドのように分子中に2個以上のハロゲン化カルボニル基を有する化合物を脱カルボニルする場合には、通常の安息香酸クロリド類の場合等と比較して反応が進行し難く、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)に代表されるようなロジウム錯体を触媒として適用しても効率よく反応を進行させることはできなかった。
上記の5−クロロイソフタル酸クロリドを原料とし3,5−ジクロロ安息香酸クロリドを生成物として得る方法としては、250〜260℃の高温下で5%Pd/BaSOを触媒として使用し反応させる方法が知られている(特開昭50−14646号公報)。また、例えば、アルミナに担持された5%パラジウムなどの周期律表第8族からなる触媒の存在下で、230〜450℃の温度で脱カルボニル化反応を行う方法も知られている(特開昭50−89341号公報)。
しかしながらこれらの方法では230〜250℃以上の高い反応温度が必要であり、工業的スケールでの実施においては特殊な設備が必要であり、また、材質面やエネルギーコスト等の面でも問題が多かった。
特に5−クロロイソフタル酸クロリドは、高温で不安定であり、200℃〜230℃で4時間では約4〜5%が分解するのに対して、250℃4時間での分解率は約10%以上となり、230℃以下での反応が望まれていた。
従来の脱カルボニル化反応は、反応条件が過酷であるが故に、分解物の生成が多くかつ使用した金属触媒や配位子等の分解が激しく、これら触媒や配位子の回収再使用が困難であり、製造コストが大であるなどの問題点を有していた。
従って、芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニルを、温和な条件で速やかに反応を進行させる事による、工業的スケールでも実施ができる方法はなかった。とくに、5−クロロイソフタル酸クロリドを脱カルボニルする場合には、250℃以上の高温、特殊な設備や材質を必要としない、簡便なプロセスでの製造方法は知られていなかった。
発明の開示
本発明は、工業的に実施するうえで、従来技術を適用した場合に長い反応時間、または、250℃以上の高温と特殊な設備や材質が必要であった、芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニルを、より温和な条件で実施し、簡便に、しかも短時間で収率よく生成物を得ることを課題としてなされたものである。
発明を実施するための最良の形態
上記のような状況に鑑み、本発明者らが芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニルに関し鋭意研究を重ねた結果、意外にも、ロジウム錯体などのロジウム金属触媒を使用し、さらにこのものに対しフッ素化芳香族ホスフィン、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンを配位子として添加することにより、より低い温度で、短時間にて反応がより速やか進行し、前記課題を解決でき、さらには、本脱カルボニルの進行に伴い、生成物を精留条件下で留出させることにより、所望の生成物の選択率を向上させることができ、さらには反応の残渣を触媒として再使用することにより反応を連続的に継続させる、或いは、反応を繰り返し行うことができ、コスト上の問題点が克服できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ロジウム金属触媒及びフッ素化芳香族ホスフィンの存在下に、芳香族酸ハロゲン化物を脱カルボニル化することを特徴とする、対応する核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法に関する。
また、本発明は、ロジウム金属触媒及びフッ素化芳香族ホスフィンを含有してなる、芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニル化用触媒に関する。
本発明は、200℃程度の比較的低温で、芳香族酸ハロゲン化物を脱カルボニル化することを特徴とする、対応する核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法を提供するものであり、配位子としてフッ素含有ホスフィンを用いることを特徴とするものである。
従来は配位子としてトリフェニルホスフィンが使用されていたが、反応に高温を必要としまた反応時間も長く、反応を比較的低温、例えば200℃で行う場合には転換率及び選択率共に十分ではなかった。しかし、配位子としてフッ素含有ホスフィンを使用することによりこれらの欠点を解決できることを見出した。
例えば、フッ素含有ホスフィンとしてトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンを用いた4−クロロ安息香酸クロリドを原料とした脱カルボニル化反応による1,4−ジクロロベンゼンの製造例による結果を表にすると次の表1のようになる。表1中の比較例4は金属触媒を変え、配位子を用いなかった以外は実施例1と同様に反応させた。
Figure 2003101922
表中の*は、原料の芳香族酸ハロゲン化物に対してのモル%であることを示す。また、「触媒金属」とは実際に用いた金属触媒中の金属たるロジウムを指し、「mol%*/○○とのモル比」は、この「触媒金属」の量に対する値を示す。
この結果、従来法では転換率が約2〜31%程度であったのが、本発明の方法では約73%に改善され、且つ目的物の収率も約72%と従来法の2倍以上に向上することがわかった。
また、原料として5−クロロイソフタル酸クロリドを用いた3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造例の結果を表にして次の表2に示す。表2中の比較例5は配位子を変えた以外は実施例2と同様に反応させた。
Figure 2003101922
表中の*は、原料の芳香族酸ハロゲン化物に対してのモル%であることを示す。また、「触媒金属」とは実際に用いた金属触媒中の金属たるロジウムを指し、「mol%*/○○とのモル比」は、この「触媒金属」の量に対する値を示す。
この結果、従来法では転換率が約35%程度であったのが、本発明の方法では約74%に改善され、且つ目的物の収率も約55%と従来法の2倍以上に向上することがわかった。
本発明の方法における原料となる芳香族酸ハロゲン化物としては、芳香族基に1個以上の酸ハロゲン基、即ちハロゲン化カルボニル基が結合しているものであればよく、当該芳香族基は反応に悪影響を与えない限りにおいて置換基を有していてもよい。
本発明の芳香族酸ハロゲン化物としては、例えば、次の一般式(I)
Figure 2003101922
(式中、Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは1又は2以上の整数を表す。)
で表される芳香族酸ハロゲン化物が挙げられる。
本発明の芳香族酸ハロゲン化物におけるハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨー素などのハロゲンでよく、好ましくは塩素が挙げられる。また、本発明の芳香族酸ハロゲン化物の芳香族基としては、炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜10の単環式、多環式又は縮合環式の炭素環式基、又は環中に少なくとも1個以上の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有し、1個の環の大きさが5〜20員、好ましく5〜10員、より好ましくは5〜7員の単環式、多環式又は縮合環式の複素環式基が挙げられる。好ましい芳香族基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などの炭素環式基が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明の芳香族酸ハロゲン化物における芳香族基は1個以上の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、本発明の脱カルボニル反応を阻害しないものであれば特に制限はない。好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲンなどが挙げられる。アルキル基としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。また、ハロゲンとしては、前記した塩素、臭素などが挙げられる。
前記一般式(I)におけるmは、1以上の整数であり、前記芳香族基に結合し得る水素原子の数以下の整数である。好ましいmは1、2又は3である。
本発明の芳香族酸ハロゲン化物におけるさらに好ましい例としては、次の一般式(II)、
Figure 2003101922
(式中、Xはハロゲン原子を表し、Yはハロゲン原子またはアルキル基を表し、mは1から6までの整数を表し、nは0から5までの整数を表し、m+nは6以下であり、mが2以上のとき、Xは互いに異なる種類のものであってもよく、nが2以上のとき、Yは互いに異なる種類のものであってもよい。)
で表される芳香族酸ハロゲン化物が挙げられる。
一般式(II)におけるハロゲン原子、アルキル基、及びmとしては、前記したものが挙げられる。また、一般式(II)におけるX及びYが2以上である場合には、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
本発明の芳香族酸ハロゲン化物の例としては、例えば、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、ベンゾイルヨーダイド、フタル酸クロリド、フタル酸ブロミド、フタル酸ヨーダイド、イソフタル酸クロリド、イソフタル酸ブロミド、イソフタル酸ヨーダイド、テレフタル酸クロリド、テレフタル酸ブロミド、テレフタル酸ヨーダイド、トリメリト酸クロリド、トリメリト酸ブロミド、トリメリト酸ヨーダイド、ヘミメリト酸クロリド、ヘミメリト酸ブロミド、ヘミメリト酸ヨーダイド、トリメシン酸クロリド、トリメシン酸ブロミド、トリメシン酸ヨーダイド、プレニト酸クロリド、プレニト酸ブロミド、プレニト酸ヨーダイド、ピロメリト酸クロリド、ピロメリト酸ブロミド、ピロメリト酸ヨーダイド等の芳香族酸ハロゲン化物、及びこれらの化合物にハロゲンやアルキル基を置換基として有する芳香族酸ハロゲン化物、例えば、2−クロロ−ベンゾイルクロリド、2−クロロ−ベンゾイルブロミド、2−クロロ−ベンゾイルヨーダイド、3−クロロ−ベンゾイルクロリド、3−クロロ−ベンゾイルブロミド、3−クロロ−ベンゾイルヨーダイド、4−クロロ−ベンゾイルクロリド、4−クロロ−ベンゾイルブロミド、4−クロロ−ベンゾイルヨーダイド、3−クロロ−フタル酸クロリド、3−クロロ−フタル酸ブロミド、3−クロロ−フタル酸ヨーダイド、4−クロロ−フタル酸クロリド、4−クロロ−フタル酸ブロミド、4−クロロ−フタル酸ヨーダイド、5−クロロ−フタル酸クロリド、5−クロロ−フタル酸ブロミド、5−クロロ−フタル酸ヨーダイド、6−クロロ−フタル酸クロリド、6−クロロ−フタル酸ブロミド、6−クロロ−フタル酸ヨーダイド、2−クロロ−イソフタル酸クロリド、2−クロロ−イソフタル酸ブロミド、2−クロロ−イソフタル酸ヨーダイド、4−クロロ−イソフタル酸クロリド、4−クロロ−イソフタル酸ブロミド、4−クロロ−イソフタル酸ヨーダイド、5−クロロ−イソフタル酸クロリド、5−クロロ−イソフタル酸ブロミド、5−クロロ−イソフタル酸ヨーダイド、2−クロロ−テレフタル酸クロリド、2−クロロ−テレフタル酸ブロミド、2−クロロ−テレフタル酸ヨーダイド、3−クロロ−テレフタル酸クロリド、3−クロロ−テレフタル酸ブロミド、3−クロロ−テレフタル酸ヨーダイド、3−クロロ−トリメリト酸クロリド、3−クロロ−トリメリト酸ブロミド、3−クロロ−トリメリト酸ヨーダイド、5−クロロ−トリメリト酸クロリド、5−クロロ−トリメリト酸ブロミド、5−クロロ−トリメリト酸ヨーダイド、6−クロロ−トリメリト酸クロリド、6−クロロ−トリメリト酸ブロミド、6−クロロ−トリメリト酸ヨーダイド、4−クロロ−ヘミメリト酸クロリド、4−クロロ−ヘミメリト酸ブロミド、4−クロロ−ヘミメリト酸ヨーダイド、5−クロロ−ヘミメリト酸クロリド、5−クロロ−ヘミメリト酸ブロミド、5−クロロ−ヘミメリト酸ヨーダイド、2−クロロ−トリメシン酸クロリド、2−クロロ−トリメシン酸ブロミド、2−クロロ−トリメシン酸ヨーダイド、5−クロロ−プレニト酸クロリド、5−クロロ−プレニト酸ブロミド、5−クロロ−プレニト酸ヨーダイド、3−クロロ−ピロメリト酸クロリド、3−クロロ−ピロメリト酸ブロミド、3−クロロ−ピロメリト酸ヨーダイドなどのモノクロロ置換体や、塩素原子の代わりに他のハロゲン原子、例えば臭素やヨー素が置換した化合物や、さらに塩素原子の代わりにメチル基やエチル基などのアルキル基が置換したモノ置換体、同一又は異なる2個以上の置換基で置換されている化合物などが挙げられる。
本発明の方法における好ましい芳香族酸ハロゲン化物としては、5−クロロイソフタル酸クロリドが挙げられる。5−クロロイソフタル酸クロリドを原料化合物とすることにより、農薬などの中間体として有用である、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドを本発明の方法により高選択率で簡便に製造することができる。
また、本反応で触媒として使用するロジウム金属触媒としては、金属ロジウムや塩化ロジウムなどのロジウム単体やロジウム化合物なども使用できるが、ロジウム錯体、特にロジウム有機錯体の使用が好ましい。ロジウム単体やロジウム化合物としては、粉末ロジウム(Rhodium,Powder)、スポンジ状ロジウム(Rhodium,sponge)、ロジウムブラック(Rhodium black)、塩化ロジウム(III)、塩化ロジウム(III)水和物、臭化ロジウム(III)、臭化ロジウム(III)水和物、ヨウ化ロジウム(III)、硝酸ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)、酸化ロジウム(IV)、トリス(アセチルアセトナト)ロジウム(III)、オクタン酸ロジウム(II)、トリフェニル酢酸ロジウム(II)、酢酸ロジウム(II)二量体、酢酸ロジウム(II)二量体水和物、トリフルオロ酢酸ロジウム(II)二量体などのロジウム単体やロジウム化合物が挙げられる。また、ロジウム錯体としては、例えば、ドデカカルボニル四ロジウム(0)、ヘキサデカカルボニル六ロジウム(0)、ジ−μ−クロロテトラカルボニル二ロジウム(I)、ヒドリドテトラカルボニルロジウム(−I)等の無機錯体や、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)、ジ−μ−クロロ−テトラ(η−エチレン)二ロジウム(I)、ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテン)ロジウム(I)、ジカルボニル(η−シクロペンタジエニル)ロジウム(I)、(η−シクロペンタジエニル)(η−シクロオクタジエン)ロジウム(I)、(η−シクロペンタジエニル)[η−ヘキサキス(トリフルオロメチル)ベンゼン]ロジウム(I)、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩、ビス(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩などの有機錯体が挙げられる。好ましいロジウム金属触媒としては、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)などが挙げられる。これらの錯体は錯体として使用してもよいし、また反応系で錯体を製造して使用してもよい。
本発明の触媒における配位子であるフッ素化芳香族ホスフィンは、分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上のフッ素原子を含有する芳香族ホスフィンが挙げられる。フッ素化芳香族ホスフィンのリン原子に結合するフッ素含有芳香族基は同じであってもよいし、異なる芳香族基であってもよい。リン原子に結合する3個の芳香族基は、いずれもフッ素原子を含有する基であるホスフィンが好ましいが、必ずしも3個全ての芳香族基にフッ素原子が結合していなくてもよい。フッ素化芳香族ホスフィンにおける芳香族基としては、前記した芳香族基が挙げられるが、なかでもフェニル基が好ましい。本発明のフッ素化芳香族ホスフィンにおけるフッ素原子は、芳香族基に直接結合しているものが好ましいが、かならずしも直接結合している必要はない。例えば、トリフルオロメチル基のようにフッ素原子で置換されたアルキル基などを有する芳香族基であってもよい。
本発明のフッ素化芳香族ホスフィンとしては、例えば、トリス(4−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(ジフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル)ホスフィンなどが挙げられるが、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンが好ましい。
なお、通常使用されるトリフェニルホスフィン等の添加では収率的に十分ではなく、トリフェニルホスフィンとロジウムとの錯体であるクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)を使用した場合においても同様である。
本反応において添加するロジウム金属触媒の添加量は原料の芳香族酸ハロゲン化物に対して1モル%以下でよく、触媒量の範囲としては0.00001〜1.0モル%の範囲で十分に反応が進行するが、好ましくは0.0001〜0.1モル%である。
これに対するフッ素化芳香族ホスフィンの添加量としては、添加するロジウム金属触媒の量に対しモル比で1〜300倍、3〜300倍、好ましくは10〜100倍である。フッ素化芳香族ホスフィンは、ロジウムの錯体として添加してもよいが、この場合にはさらに過剰量のフッ素化芳香族ホスフィンを添加するのが好ましい。この場合に添加するフッ素化芳香族ホスフィンはロジウム錯体を形成しているフッ素化芳香族ホスフィンと同種のものが好ましいが、異なる種類のものであってもよい。
本発明の脱カルボニル化反応を進行させる場合の反応温度は、130〜300℃、好ましくは150℃〜250℃、より好ましくは170℃〜230℃の範囲である。反応の圧力は常圧、加圧、減圧の条件で行うことができるが、通常は減圧又は常圧で行うのが好ましく、更に好ましいのは減圧の条件である。
また、本発明の反応は、バッチ式でも連続式でも行うことができる。
上記のような条件でただ単に加熱攪拌を行うのみで本発明の脱カルボニルは十分進行する。反応時間や反応温度等の条件を適宜選択すれば、原料に用いた化合物の分子内の酸ハロゲン基の1個だけを脱カルボニル化することもできるし、2個だけを脱カルボニル化することもできるし、反応を完全に進行させれば分子内の全ての脱カルボニル化を行うこともできる。
本発明の脱カルボニル化反応の原料化合物として、前記一般式(I)で表される化合物を使用した場合には、次式(III)、
Figure 2003101922
(式中、Ar、X及びmは前記一般式(I)の場合と同じものを表し、1は1〜mまでの整数を表す。)
で表される化合物を製造することができる。また、本発明の脱カルボニル化反応の原料化合物として、前記一般式(II)で表される化合物を使用した場合には、次式(IV)、
Figure 2003101922
(式中、X、Y、n及びmは前記一般式(II)の場合と同じものを表し、1は1〜6までの整数を表す。)
で表される化合物を製造することができる。
また、本反応で、前記一般式(IV)で表される核ハロゲノ芳香族化合物が、1が1から5であり、m−1が1以上の核ハロゲノ芳香族酸ハロゲン化物を生成物として選択的に得ることが目的の場合には、反応を減圧条件でかつ精留を行ない、生成物を留出させながら反応を行う反応蒸留の手法を採用するのが好ましい。反応蒸留の手法を採用することにより、生成した核ハロゲノ芳香族酸ハロゲン化物よりさらに脱カルボニルが起きることを防ぐことができる。この時の減圧度等の、反応蒸留の条件は、原料および生成物の物性(例えば蒸気圧)に応じて任意に設定することができる。
また、本反応および精留終了後の残渣は触媒としての活性を保っているため、この残渣(活性なロジウム金属触媒や配位子を含む)を再使用して、再度原料を添加し、反応を継続或いは繰り返すことができる。また、必要に応じロジウム金属触媒ならびに配位子を、適宜、若干追加して、反応を行ってもよい。
なお、特願2002−156779明細書に記載された内容を、本明細書にすべて取り込む。
実施例
次に、実施例、比較例を挙げて本発明化合物の製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1 (1,4−ジクロロベンゼンの製造)
窒素雰囲気下、4−クロロ安息香酸クロリド11.38g(0.065mol)、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.0481g(0.0000975mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン1.038g(0.00195mol)を仕込んだ。続いて、200℃まで昇温し、200℃にて6時間30分間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理してアミドに誘導した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする1,4−ジクロロベンゼンが71.8%生成していた。4−クロロ安息香酸クロリドは27.3%残存していた。
実施例2 (3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、5−クロロイソフタル酸クロリド3.00g(0.0126mol)、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.0311g(0.000063mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン0.201g(0.000378mol)を仕込んだ。続いて、ゆっくりと200℃まで昇温し、200℃にて4時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが55.2%、さらに3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが脱カルボニル化反応した1,3,5−トリクロロベンゼンが12.2%生成していた。5−クロロイソフタル酸クロリドは26.0%残存していた。
実施例3 (反応蒸留の手法を採用した3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、精留塔を装着した50ml3つ口フラスコに5−クロロイソフタル酸クロリド30g(0.126mol)、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.0311g(0.000063mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン0.67g(0.00126mol)を仕込んだ。
続いて、ゆっくりと190℃まで昇温した後、98時間かけて5−クロロイソフタル酸クロリド414g(1.743mol)を滴下すると同時に、8000〜16000Pa(60〜120mmHg)の減圧下、反応器内の温度を190〜200℃に保ちながら、140〜180℃の塔頂温度で連続的に留出物408gを得た。連続的に留出物を取去る際に、一方で、流出量とほぼ同じ量の5−クロロイソフタル酸クロリドを流入させ、常にほぼ同じ量の液体容量を反応器内に存在させた。このとき、配位子として添加したトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンが徐々に留出し、反応器内のトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンの濃度が低下するのを補うために、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン3.16g(0.00594mol)を、滴下する5−クロロイソフタル酸クロリドに適宜溶解しておき、5−クロロイソフタル酸クロリドの滴下により反応器内へ追加して、反応器内のトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンの濃度を一定量以上に保った。
上記のようにして得た留出物をジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、上記のようにして得られた留出物408gは、3,5−ジクロロ安息香酸クロリド241g(1.151mol)、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドがさらに脱カルボニル反応した1,3,5−トリクロロベンゼン16g(0.088mol)、未反応の5−クロロイソフタル酸クロリド147g(0.619mol)を含有していた。
従って、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの収率は反応に使用された5−クロロイソフタル酸クロリドに対して92%であった。
留出物408g中のトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンと5−クロロイソフタル酸クロリドは、留出物を精留することにより、目的化合物である3,5−ジクロロ安息香酸クロリド及び副生した1,3,5−トリクロロベンゼンを取去った後、配位子を溶解した原料として、繰り返し次の製造に使用可能である。
また、上記留出物を液体クロマトグラフィーにて分析したところ、留出物408g中に、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン1.68g(0.00316mol)が含有されていた。これは、反応に使用した全トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン3.83g(0.00720mol)に対して44%である。
反応終了時の反応器内の残渣には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン1.81g(0.00340mol)が含有されていた。これは、反応に使用した全トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン3.83g(0.00720mol)に対して47%である。この反応終了時の反応器内の残渣に存在するトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンは配位子として次の製造に使用できる。従って、反応に使用した全トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンの91%が失われることなく、次の製造へ使用できる。
さらにまた、反応終了時の反応器内の残渣には、添加したロジウム金属触媒が何ら活性を失うことなく存在した。反応終了時の反応器内の残渣に存在するロジウムは、ロジウム金属触媒として次の製造に使用できる。
実施例4 (反応蒸留の手法を採用した3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造(より少量の触媒での製造))
窒素雰囲気下、精留塔を装着した50ml4つ口フラスコに5−クロロイソフタル酸クロリド40g(0.168mol)、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.0208g(0.0000421mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン2.69g(0.00506mol)を仕込んだ。
続いて、ゆっくりと190℃まで昇温した後、123時間かけて5−クロロイソフタル酸クロリド1040g(4.380mol)を滴下すると同時に、9975〜12635Pa(75〜95mmHg)の減圧下、反応器内の温度を190〜200℃に保ちながら、140〜165℃の塔頂温度で連続的に留出物903gを得た。連続的に留出物を取去る際に、一方で、留出量とほぼ同じ量の5−クロロイソフタル酸クロリドを流入させ、常にほぼ同じ量の液体容量を反応器内に存在させた。このとき、配位子として添加したトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンが徐々に留出し、反応器内のトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンの濃度が低下するのを補うために、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン1.48g(0.00278mol)を、滴下する5−クロロイソフタル酸クロリドに適宜溶解しておき、5−クロロイソフタル酸クロリドの滴下により反応器内へ追加して、反応器内のトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンの濃度を一定量以上に保った。
上記のようにして得た留出物をジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、上記のようにして得られた留出物903gは、3,5−ジクロロ安息香酸クロリド728g(3.476mol)、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドがさらに脱カルボニル反応した1,3,5−トリクロロベンゼン65g(0.358mol)、未反応の5−クロロイソフタル酸クロリド102g(0.430mol)を含有していた。
従って、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの収率は反応に使用された5−クロロイソフタル酸クロリドに対して84%であった
留出物903g中にはトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン0.780g(0.00147mol)が含有されていた。このトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンと5−クロロイソフタル酸クロリドは、留出物を精留することにより、目的化合物である3,5−ジクロロ安息香酸クロリド及び副生した1,3,5−トリクロロベンゼンを取去った後、配位子を溶解した原料として、繰り返し次の製造に使用可能である。
反応終了時の反応器内の溶液には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンとロジウム金属触媒が存在し、これらは次の製造に使用できる。
実施例5 (塩化ロジウム(III)水和物(RhCl・3HO)と配位子P(Cを用いた3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、5−クロロイソフタル酸クロリド7.12g(0.030mol)、塩化ロジウム(III)水和物(RhCl・3HO)0.079g(0.0003mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン1.596g(0.003mol)を仕込んだ。続いて、ゆっくりと200℃まで昇温し、200℃にて4時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが38.9%、さらに3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが脱カルボニル化反応した1,3,5−トリクロロベンゼンが3.2%生成していた。5−クロロイソフタル酸クロリドは56.3%残存していた。
実施例6 (二量体RhCl[P(Cを用いた3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
(1) J.Chem.Soc.,A(1968),(8),1898−902に記載の方法によりジ−μ−クロロ−テトラキス[トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン]二ロジウム(I)を合成した。即ち、三塩化ロジウム三水和物0.105g(0.0004mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン1.490g(0.0028mol)、エタノール6mlを仕込み、8時間加熱還流した。さらにエタノール25mlを加え、加熱した後、熱濾過した。得られた暗緑色の結晶を少量のエタノールとエーテルで洗浄した後、減圧乾燥して標題化合物0.35g(0.000146mol,73%)を得た。
(2) 窒素雰囲気下、5−クロロイソフタル酸クロリド2.00g(0.00842mol)、ジ−μ−クロロ−テトラキス[トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン]二ロジウム(I)0.101g(0.0000421mol)を仕込んだ。続いて、ゆっくりと200℃まで昇温し、200℃にて4時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが55.9%、さらに3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが脱カルボニル化反応した1,3,5−トリクロロベンゼンが9.1%生成していた。5−クロロイソフタル酸クロリドは34.2%残存していた。
実施例7 (二量体RhCl[P(Cを使用し、配位子を追加して使用した3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、5−クロロイソフタル酸クロリド3.00g(0.0126mol)、ジ−μ−クロロ−テトラキス[トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン]二ロジウム(I)0.152g(0.0000632mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン0.269g(0.000505mol)を仕込んだ。続いて、ゆっくりと200℃まで昇温し、200℃にて4時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが59.2%、さらに3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが脱カルボニル化反応した1,3,5−トリクロロベンゼンが30.7%生成していた。5−クロロイソフタル酸クロリドは9.7%残存していた。
実施例8 (配位子トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィンを用いた3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、5−クロロイソフタル酸クロリド3.00g(0.0126mol)、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.0311g(0.000063mol)、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン0.254g(0.000378mol)を仕込んだ。続いて、ゆっくりと200℃まで昇温し、200℃にて4時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが29.7%、さらに3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが脱カルボニル化反応した1,3,5−トリクロロベンゼンが1.9%生成していた。5−クロロイソフタル酸クロリドは63.1%残存していた。
実施例9 (反応蒸留で得られた留出液中のトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンと5−クロロイソフタル酸クロリドを繰り返し使用した3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
実施例3で得られた留出液の一部である61.9gを精留し、全ての3,5−ジクロロ安息香酸クロリドと全ての1,3,5−トリクロロベンゼンと大部分の5−クロロイソフタル酸クロリドを留去して、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン0.108g(0.000203mol)と5−クロロイソフタル酸クロリド4.90g(0.0206mol)からなる残渣5.01gを得た。
この残渣5.01gへ、窒素雰囲気下、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.017g(0.00068mol)を仕込んだ。続いて、200℃まで昇温し、200℃にて6時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが47.8%、さらに3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが脱カルボニル化反応した1,3,5−トリクロロベンゼンが5.3%生成していた。5−クロロイソフタル酸クロリドは42.5%残存していた。
実施例10 (反応蒸留で得られる残渣に含有されるトリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンとロジウム金属触媒を繰り返し次の製造に使用した3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、50ml3つ口フラスコに5−クロロイソフタル酸クロリド30g(0.126mol)、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.16g(0.000316mol)、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン3.36g(0.00632mol)を仕込んだ。
続いて、ゆっくりと190℃まで昇温した後、1時間30分間かけて20000〜26700Pa(150〜200mmHg)の減圧下、反応器内の温度を190〜200℃に保ちながら、130〜170℃の塔頂温度で、3,5−ジクロロ安息香酸クロリド11.58g(0.0553mol)、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドがさらに脱カルボニル反応した1,3,5−トリクロロベンゼン6.60g(0.0334mol)、未反応の5−クロロイソフタル酸クロリド1.58g(0.0067mol)を含有する留出液19.56gを得た。
上記のように反応蒸留を行い、得られた残渣を、室温まで冷却、窒素雰囲気下21時間放置した後、5−クロロイソフタル酸クロリド30g(0.126mol)を加えた。再度190℃まで昇温した後、2時間10分間かけて6700〜20000Pa(50〜150mmHg)の減圧下、反応器内の温度を185〜200℃に保ちながら、110〜180℃の塔頂温度で、留出液29.44gを得た。この留出液は3,5−ジクロロ安息香酸クロリド17.41g(0.0831mol)、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドがさらに脱カルボニル反応した1,3,5−トリクロロベンゼン5.54g(0.0305mol)、未反応の5−クロロイソフタル酸クロリド5.49g(0.0231mol)を含有した。
この実施例に示されるように、本発明の触媒は反応系から回収したものを繰り返し使用することも可能であることがわかる。
比較例1 (配位子にトリフェニルホスフィンを用いた1,4−ジクロロベンゼンの製造)
窒素雰囲気下、4−クロロ安息香酸クロリド11.38g(0.065mol)、ジ−μ−クロロビス(シクロオクタジエン)二ロジウム(I)0.0481g(0.0000975mol)、トリフェニルホスフィン0.511g(0.00195mol)を仕込んだ。続いて、200℃まで昇温し、200℃にて6時間30分間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする1,4−ジクロロベンゼンが0.5%生成していた。4−クロロ安息香酸クロリドは97.9%残存していた。
比較例2 (トリフェニルホスフィンを配位子に持つ触媒を用いた3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、5−クロロイソフタル酸クロリド3.00g(0.0126mol)及びクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)0.117g(0.000126mol)を仕込んだ。続いて、ゆっくりと200℃まで昇温し、200℃にて4時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、目的とする3,5−ジクロロ安息香酸クロリドが26.9%、3,5−ジクロロ安息香酸クロリドがさらに脱カルボニル反応した1,3,5−トリクロロベンゼンが0.8%生成していた。5−クロロイソフタル酸クロリドは65.3%残存していた。
比較例3 (塩化ロジウム(III)水和物(RhCl・3HO)のみによる3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの製造)
窒素雰囲気下、5−クロロイソフタル酸クロリド7.12g(0.030mol)、塩化ロジウム(III)水和物(RhCl・3HO)0.079g(0.0003mol)を仕込んだ。続いて、ゆっくりと200℃まで昇温し、200℃にて4時間熟成した。酸クロリドをジエチルアミンで処理した後、ガスクロマトグラフィーにて分析したところ、5−クロロイソフタル酸クロリドが98.8%残存していた。目的とする3,5−ジクロロ安息香酸クロリドの生成は1%以下であった。
産業上の利用可能性
本発明方法により、核ハロゲノ芳香族化合物の新規な工業的製造法が提供される。本発明方法によれば、芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニル化反応方法により、核ハロゲノ芳香族化合物を収率、純度共に良く、しかも簡便な操作で製造できるので、本発明方法は工業的な利用価値が高い。
さらに、本発明により、従来の触媒では反応が進行しなかった低温でも反応が可能となり、また、特殊な設備や材質を必用とせず、エネルギーコスト面でも有利な低い温度で、短時間で収率よく生成物を得ることが可能となる。
さらには、本脱カルボニルの進行に伴い、生成物を精留条件下で留出させることにより、所望の生成物の選択率を向上させることができる。
さらには、反応の残渣を触媒として再使用することにより反応を連続的に継続させる、或いは、反応を繰り返し行うことができ、コスト上の問題点が克服できる。さらには、ロジウム金属に対する配位子のモル比が過剰でもよく、簡便な操作で製造できる。

Claims (14)

  1. ロジウム金属触媒及びフッ素化芳香族ホスフィンの存在下に、芳香族酸ハロゲン化物を脱カルボニル化することを特徴とする、対応する核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  2. 反応温度が、150〜300℃である請求の範囲第1項に記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  3. ロジウム金属触媒が、ロジウム(I)化合物である請求の範囲第1項又は第2項に記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  4. ロジウム金属触媒が、ロジウム錯体である請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  5. ロジウム錯体が、ロジウム有機錯体である請求の範囲第4項に記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  6. フッ素化芳香族ホスフィンが、トリス(フッ素化フェニル)ホスフィンである請求の範囲第1項〜第5項のいずれかに記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  7. フッ素化芳香族ホスフィンが、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンである請求の範囲第6項に記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  8. ロジウム金属触媒及びフッ素化芳香族ホスフィンが、ロジウム金属触媒とフッ素化芳香族ホスフィンの錯体として存在している請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  9. 芳香族酸ハロゲン化物が、次の一般式(I)
    Figure 2003101922
    (式中、Arは置換基を有してもよい芳香族基を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは1又は2以上の整数を表す。)
    で表される芳香族酸ハロゲン化物である請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  10. 芳香族酸ハロゲン化物が、次の一般式(II)
    Figure 2003101922
    (式中、Xはハロゲン原子を表し、Yはハロゲン原子またはアルキル基を表し、mは1から6までの整数を表し、nは0から5までの整数を表し、m+nは6以下であり、mが2以上のとき、Xは互いに異なる種類のものであってもよく、nが2以上のとき、Yは互いに異なる種類のものであってもよい。)
    で表される芳香族酸ハロゲン化物である請求の範囲第9項に記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  11. 芳香族酸ハロゲン化物が、5−クロロイソフタル酸クロリドである請求の範囲第10項に記載の核ハロゲノ芳香族化合物の製造方法。
  12. ロジウム金属触媒及びフッ素化芳香族ホスフィンを含有してなる、芳香族酸ハロゲン化物の脱カルボニル化用触媒。
  13. フッ素化芳香族ホスフィンが、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィンである請求の範囲第12項に記載の触媒。
  14. ロジウム金属触媒及びフッ素化芳香族ホスフィンが、ロジウム金属触媒とフッ素化芳香族ホスフィンの錯体として存在している請求の範囲第12項又は第13項に記載の触媒。
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