JPWO2003071749A1 - 移動体ネットワーク - Google Patents

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Abstract

複合IPネットワークを構成する一つのサブネットである移動体ネットワークは、この移動体ネットワークに加入している複数の移動端末の識別子を管理するホームエージェントサーバと、複数のIPトンネルルータとを備える。ホームエージェントサーバは、各移動端末が複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動したときに、移動端末への送信に必要な送信先情報を移動端末から受け付けて、移動端末と送信先情報を指定するIPトンネル設定情報を複数のIPトンネルルータに配信する。複数のIPトンネルルータの各々は、移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、ホームエージェントサーバを介さずに、IPトンネル設定情報に基づいてIPパケットを転送する。

Description

技術分野
この発明は、移動体ネットワークに関するものである。
背景技術
複合IPネットワークを構成する一つのサブネットから他のサブネットにIP(インターネットプロトコル)アドレスを持った移動端末が移動した場合に、移動端末がセッションを中断する事なく通信を維持する方法として、モバイルIPが提唱されている。モバイルIPは、IETF(Internet Engineering Task Force:インターネット技術特別調査会)のRFC(Request for Comment:インターネットに関する情報を伝える文書)2002に規定されている。
モバイルIPを使用した移動体ネットワークの例を第17図に示す。図において、1a,1bはIPネットワーク、2はネットワークゲートウェイ、3は移動端末、4a,4bは基地局、5は外部エージェント(FA)、6はホームエージェント(HA)、7は通信ノード(CN)を示す。
IPネットワーク1a,1bは一つの複合IPネットワークを構成する別個のIPネットワークであり、それぞれ異なるプロトコルで運用される。各IPネットワーク1a,1bは複数のルータを有する。図示のIPネットワーク1bはインターネットであると想定する。IPネットワーク1a,1bはこれらをインターワークさせるネットワークゲートウェイ2によって相互接続されている。
図示の移動端末3は、IPネットワーク1aに加入した移動端末の一つであり、平常時はIPネットワーク1aからサービスを提供される。換言すれば、IPネットワーク1aは、図示の移動端末3にとってのホームネットワークすなわちホームドメインである。移動端末3は、モバイルIPに従って通信を行う機能を備えており、複合IPネットワークの他のIPネットワークに移動してもサービスの提供を受けうる。
FA5は、複合IPネットワークを構成するさらに他のサブネットに所属し、自身のサブネットに他のサブネットから移動した移動端末に自身のサブネット専用のアドレス(気付けアドレス)を付与する。図示の基地局4a,4bは、FA5と同一のサブネットに所属する。第17図では一つのFA5しか描かれていないが、実際の複合IPネットワークでは、より多くのサブネットがIPネットワーク1aに接続されている。
モバイルIPによれば、移動端末(例えば移動端末3)のホームドメイン(IPネットワーク1a)内にHA6が配置され、IPネットワーク1aの配下の移動端末にはこのホームドメインで利用可能なIPアドレス(ホームアドレス)が固定的に割り当てられる。移動端末3の格納部(図示せず)は自身のホームアドレスを格納し、HA6の格納部(図示せず)は、そのサブネットに加入した全ての移動端末のホームアドレスを格納する。また、移動端末が他のサブネットによってサービスの提供を受ける位置に移動した場合には、移動端末3の位置として、移動端末3が存在するFA5のアドレスがHA6によって管理される。このため、移動端末3が旧FAまたはHA6から新FA5の配下のエリアに移動したことを検出すると、移動端末3は自身の移動先アドレスとして新FA5を示すアドレス(気付アドレスと呼ばれる)を、新FA5経由でHA6に登録する。
IPネットワーク1bにリンクしたCN7が移動端末3にIPパケットを送信する場合、移動端末3のホームアドレス宛てのパケットは移動端末3の気付アドレスを管理しているHA6によって捕捉される。すると、HA6はIPトンネルを通して、捕捉したIPパケットを登録されたFA(第17図ではFA5)に転送する。ここで、IPトンネルを介した転送とは、HAが受信したIPパケットを、送信元アドレス(HA6自体を示すIPアドレス)と送信先アドレス(FA5を示す気付けアドレス)を指定したIPヘッダを有する他の形式のIPパケットにカプセル化し、これをFAまで転送することをいう。FAはカプセル化されたIPパケットを受信すると、ここから元のIPパケットを取り出し、送信先の移動端末3まで転送する。この機構によりモバイルIPでは移動端末3の移動透過性を実現している。
逆に、移動端末3からCN7へのIPパケット送信を実現する方法には、通常のルーティング経路で送信する方法と、FAとHA間のトンネルを介して送信する方法とがある(後者はリバーストンネルと呼ばれる)。
従来の移動体ネットワークは以上のように構成されているので、以下に説明するようにHAに負荷が集中するなどの課題があった。
HA6はモバイルIPのシグナリング処理(例えば送信先に対する発呼)およびユーザパケットのIPトンネル転送処理を行う機能を持つため、ここにトラフィックおよび負荷が集中する。FAは移動端末3が移動可能なエリアに応じて複数分散できるが、HAは各ホームドメイン(つまり各サブネット)に必ず一つのみ設置されるため、さらに負荷が集中する。このためHAはネットワークのボトルネックになりやすく、またネットワークの障害耐性が弱くなる。また、サブネットを増やすたびに、各HAの負荷が増えるので、複合IPネットワークのスケーラビリティ上の問題が生じる。
このような負荷の集中の問題は、HA6への移動端末のローミングの報告、送信先へのパケットのデカプセル化およびパケットの転送を行うFA5についても起こりうる。
また、基本的に移動端末に向けたIPパケットはHAを介してFAに送信されるため、第17図に示すような三角ルーティングが発生することがある。より具体的には、移動端末からCN7へ向けたIPパケットは、HAを通るリバーストンネルを利用せずに、FA5から一つ以上のルータを介してネットワークゲートウェイ2に送信される。このように送信の方向によって経路が異なることにより、順方向と逆方向で遅延時間が異なり、トラブルが生ずる場合がある。
発明の開示
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、一つの装置への負荷の集中を回避できる移動体ネットワークを得ることを目的とする。
この発明に係る移動体ネットワークは、複合IPネットワークを構成する一つのサブネットである移動体ネットワークであって、この移動体ネットワークに加入している複数の移動端末の識別子を管理するホームエージェントサーバと、複数のIPトンネルルータとを備えており、前記ホームエージェントサーバは、各移動端末が前記複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動したときに、前記移動端末への送信に必要な送信先情報を前記移動端末から受け付けて、前記移動端末と前記送信先情報を指定するIPトンネル設定情報を前記複数のIPトンネルルータに配信し、前記複数のIPトンネルルータの各々は、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、前記ホームエージェントサーバを介さずに、前記IPトンネル設定情報に基づいて前記IPパケットを転送するものである。
このことによって、移動体ネットワークの外部に所在する移動端末に対して、ホームエージェントサーバを介さずに、IPトンネルルータがIPパケットを転送するので、ホームエージェントサーバのトラフィックおよび負荷が軽減する。従って、ボトルネックポイントの発生が回避でき、従来よりも円滑な通信が実現され、複合IPネットワークのスケーラビリティも改善される。また、ホームエージェントサーバまたはIPトンネルルータのいずれかに障害が発生しても、他の障害のないノードを利用してIPパケットの転送が実現できるので、モバイルIPネットワークの障害耐性が強くなる。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、IPトンネルルータの各々は、ホームエージェントサーバからIPトンネル設定情報を受信すると、前記IPトンネル設定情報に対応する移動端末に由来するカプセル化されたIPパケットをデカプセル化するのに必要な情報を自身に登録するものである。このことによって、移動端末からの逆方向の通信において、カプセル化を行うリバースIPトンネルを利用することができる。従って、移動端末からの逆方向のIPパケット通信がIPアドレス違反を引き起こすようなネットワークにおいてもモバイルIPが適用可能となるなどの効果が得られる。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、IPトンネルルータの各々は、サービス品質を保証する機能を有しており、ホームエージェントサーバは、複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動した各移動端末からサービス品質に関する要求を受け付けて、前記サービス品質に関する要求を指定するサービス品質情報を前記複数のIPトンネルルータに配信し、前記複数のIPトンネルルータの各々は、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、前記サービス品質情報に基づいて前記IPパケットを転送するものである。このことによって、サービス品質を考慮したIPトンネルフローが設定可能となる。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、IPパケットを一時的に蓄積する少なくとも一つのバッファをさらに備えており、ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの契機を認識すると、前記移動端末を最終送信先とするIPパケットを受信したなら各IPトンネルルータが前記IPパケットを前記バッファに蓄積するように、前記各IPトンネルルータおよび前記バッファを制御し、前記ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの終了を認識すると、前記バッファに蓄積された前記IPパケットを前記バッファから転送するように前記バッファを制御するとともに、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信したならIPトンネルルータの各々が、前記ホームエージェントサーバを介さずに、IPトンネル設定情報に基づいて前記IPパケットを転送するように前記各IPトンネルルータを制御するものである。このことによって、移動体ネットワーク内に配置されたバッファを適宜活用することで、IPパケットのロスが許されないような通信環境においてもモバイルIPが適用可能となる。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、IPパケットを受信すると、そのコピーを作成し、IPパケットおよびコピーをそれぞれ別の経路で送信可能なバイキャスト部をさらに備えており、ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの契機を認識すると、前記移動端末を最終送信先とするIPパケットを受信したなら各IPトンネルルータが前記IPパケットを前記バイキャスト部によって送信するように、前記各IPトンネルルータおよび前記バイキャスト部を制御し、前記バイキャスト部は、前記ホームエージェントの制御に従って、ハンドオフの前後で利用される二つの経路で前記IPパケットおよびそのコピーを送信し、前記ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの終了を認識すると、前記バイキャスト部へのIPパケットの転送を終了するように前記各IPトンネルルータを制御するとともに、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信したならIPトンネルルータの各々が、前記ホームエージェントサーバを介さずに、IPトンネル設定情報に基づいて前記IPパケットを転送するように前記各IPトンネルルータを制御するものである。このことによって、IPパケットの遅延が許されないような通信環境においてもモバイルIPが適用可能となる。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、ホームエージェントサーバが移動端末から受信した制御情報に基づいて、前記移動端末が利用可能なサブネット候補を選択し、前記サブネット候補に関連するIPトンネルルータを選択し、選択されたIPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信するものである。このことによって、移動端末が利用しうるIPトンネルルータのみにIPトンネル設定情報を送信するので、ホームエージェントサーバからIPトンネルルータへ送信される制御メッセージの全体の数が削減される。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、ホームエージェントサーバが移動端末から受信した制御情報に基づいて、前記移動端末に提供されうる通信サービスを判断し、前記通信サービスを提供可能なサブネット候補を選択し、前記サブネット候補に関連するIPトンネルルータを選択し、選択されたIPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信するものである。このことによって、移動端末が利用しうるIPトンネルルータのみにIPトンネル設定情報を送信するので、ホームエージェントサーバからIPトンネルルータへ送信される制御メッセージの全体の数が削減される。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、ホームエージェントサーバは、複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動した移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉するまで、IPトンネル設定情報を前記複数のIPトンネルルータに配信しないものである。このことによって、移動体ネットワークから立ち去った移動端末を送信先とするIPパケットの送信の必要性がなければ、ホームエージェントサーバはIPトンネル設定情報を配信することはない。従って、ホームエージェントサーバからIPトンネルルータに送信する制御メッセージの数を全体として削減できる。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、ホームエージェントサーバは、複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動した移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉すると、送信先情報に基づいて前記IPパケットを転送するものである。このことによって、自己のサブネットから立ち去った移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉しても、このIPパケットを損失することなく転送することができる。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、ホームエージェントサーバは、移動端末から受信した制御情報に基づいて、前記移動端末が利用可能なサブネット候補を選択し、前記サブネット候補に関連するIPトンネルルータを選択し、選択されたIPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信するものである。このことによって、移動端末が利用しうるIPトンネルルータのみにIPトンネル設定情報を送信するので、ホームエージェントサーバからIPトンネルルータへ送信される制御メッセージの全体の数が削減される。
この発明に係る移動体ネットワークは、一つの形態において、ホームエージェントサーバは、選択されなかったIPトンネルルータから他のサブネットに移動した移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉すると、前記IPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信するものである。このことによって、選択されなかったIPトンネルルータからIPパケットを受信した場合にも、適切なIPトンネルを確立することが可能である。
この発明に係る移動体ネットワークは、別の形態では、複合IPネットワークを構成する一つのサブネットである移動体ネットワークであって、この移動体ネットワークに加入していないが、この移動体ネットワークからサービスの提供を受ける移動端末の識別子を管理する外部エージェントサーバと、IPトンネルルータとを備えており、前記外部エージェントサーバは、移動端末が前記複合IPネットワークを構成する他のサブネットからこの移動体ネットワークに移動したときに、前記移動端末への送信に必要な送信先情報を前記移動端末が本来加入しているサブネットに送信し、前記IPトンネルルータは、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、前記外部エージェントサーバを介さずに、前記IPパケットを前記移動端末に転送するものである。このことによって、移動体ネットワーク自身の内部にローミングした移動端末に対して、外部エージェントサーバを介さずに、IPトンネルルータがIPパケットを転送するので、外部エージェントサーバのトラフィックおよび負荷が軽減する。
発明を実施するための最良の形態
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための最良の形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
第1図はこの発明の実施の形態1による移動体ネットワークを有する複合IPネットワークを示す。図において、1a,1bはIPネットワーク、2はネットワークゲートウェイ、3は移動端末、4a,4b,4cは基地局、5a,5bは外部エージェント(FA)、7は通信ノード(CN)、8は仮想ホームエージェント(HA)、9はホームエージェント(HA)サーバ、10a〜10cはIPトンネルルータ、11a,11bはルータを示す。
IPネットワーク1a,1bは一つの複合IPネットワークを構成する別個のIPネットワークであり、それぞれ異なるプロトコルで運用される。各IPネットワーク1a,1bは複数のルータを有する。図示のIPネットワーク1bはインターネットであると想定する。IPネットワーク1a,1bはこれらをインターワークさせるネットワークゲートウェイ2によって相互接続されている。
図示の移動端末3は、IPネットワーク1aに加入した移動端末の一つであり、平常時はIPネットワーク1aからサービスを提供される。換言すれば、IPネットワーク1aは、図示の移動端末3にとってのホームネットワークすなわちホームドメインである。移動端末3は、モバイルIPに従って通信を行う機能を備えており、複合IPネットワークの他のIPネットワークに移動してもサービスの提供を受けうる。
FA5a,5bは、複合IPネットワークを構成するさらに他のサブネットにそれぞれ所属し、自身のサブネットに他のサブネットから移動した移動端末に自身のサブネット専用のアドレス(気付けアドレス)を付与する。FA5a,5bは、各サブネットの制御設備、例えば、IPネットワーク1bと各サブネットとを相互接続してこれらをインターワークさせるネットワークゲートウェイに設けられている。
図示の基地局4a,4bは、FA5aと同一のサブネットに所属し、基地局4cはFA5bと同一のサブネットに所属する。第1図では二つのFA5a,5bしか描かれていないが、この複合IPネットワークでは、より多くのサブネットがIPネットワーク1aに接続されていてもよい。
この実施の形態1によれば、移動端末(例えば移動端末3)のホームドメイン(IPネットワーク1a)内に仮想HA8が設けられている。仮想HA8は、HAサーバ9および複数のIPトンネルルータ10a〜10cを備える。HAサーバ9は、IETFが規定したMEGACO(Multimedia Gateway Control Protocol)で記述されたMedia Gateway Controller(MGC)に類似の機能を有しており、IPトンネルルータ10a〜10cはMedia Gateway(MG)に類似の機能を有する。HAサーバ9とIPトンネルルータ10a〜10cとの関係は、IETFが規定したMEGACO(RFC3015)に準拠した通信と類似した通信を実現する。
このIPネットワーク1aには、IPパケットを転送する複数のルータ10a〜10c,11a,11bが設けられているが、IPトンネルルータ10a〜10cは、他のサブネットの制御設備すなわちFA5a,5bおよびネットワークゲートウェイ2に直接接続されている。すなわちIPトンネルルータ10a〜10cは、この移動体ネットワークすなわちIPネットワーク1aのエッジに位置しており、IPネットワーク1a以外のサブネットからのIPパケットを他のルータに転送したり、他のルータからのIPパケットをIPネットワーク1a以外のサブネットに転送したりする。
他方、ルータ11a,11bは、IPネットワーク1aに現在所在する移動端末からのIPパケットを他のルータに転送したり、他のルータからのIPパケットをIPネットワーク1aに現在所在する移動端末に転送したりする。ただし、このようなルータ11a,11bの機能をIPトンネルルータ10a〜10cも備えていてよい。
IPネットワーク1aの配下の移動端末にはこのホームドメインで利用可能なIPアドレス(ホームアドレス)が固定的に割り当てられる。移動端末3の格納部(図示せず)は自身のホームアドレスを格納し、HAサーバ9の格納部(図示せず)は、そのサブネットに加入した全ての移動端末のホームアドレスを格納する。
また、移動端末が他のサブネットによってサービスの提供を受ける位置に移動した場合には、移動端末3の位置として、移動端末3が存在するFA5のアドレスが仮想HA8の全体によって管理される。このため、移動端末3が旧FAまたは仮想HA8から新FA(例えばFA5a)の配下のエリアに移動したことを検出すると、移動端末3は自身の移動先アドレスとして新FA5aを示すアドレス(気付アドレスと呼ばれる)を、新FA5a経由で仮想HA8のHAサーバ9に登録する。HAサーバ9は、その気付けアドレスをIPトンネルルータ10a〜10cの全てに通知する。IPトンネルルータ10a〜10cの各々の格納部は、IPネットワーク1aから他のサブネットに移動した移動端末の気付けアドレスを格納する。
次に動作について説明する。以下の説明では、実施の形態1における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である第3図を参照する。以下に説明する動作は、IPv4(Internet Protocol version 4)のモバイルIPに準拠するものとする。
今、移動端末(MT)3が旧FAまたは仮想HA8から新FA(例えばFA5a)に対応するサブネットの配下のエリアに移動したと仮定する。新FA5aの配下のエリアに移動したことを検出すると、移動端末3はモバイルIPの位置登録メッセージをFA5aに送信する。この位置登録メッセージには、移動端末3のホームアドレスが指定されているので、FA5aはこのホームアドレスを持つ移動端末3が自身に対応するサブネットの配下のエリアに移動したことを認識する。
この位置登録メッセージを受け取ると、FA5aは、自身のサブネットで有効な識別子を移動端末3に内部処理で割り当てるとともに、別のタイプの位置登録メッセージ(第2の位置登録メッセージ)をHAサーバ9に送信する。この第2の位置登録メッセージは、移動端末3のホームアドレスとFA5aを示すIPアドレス(気付けアドレス)を指定する。従って、HAサーバ9は、移動端末3がFA5aによりサービスを受けうる状態であることを認識する。
この第2の位置登録メッセージを受け取ると、HAサーバ9は、自身の格納部内の移動端末3に関する登録情報部分をこの位置登録メッセージに応じて更新する。また、HAサーバ9は、自身のIPネットワーク1aのエッジに位置するIPトンネルルータ10a〜10cの全てに、移動端末3と移動端末3が新たにサービスの提供を受けるサブネットを指定するIPトンネル設定情報を配信する。
より具体的には、IPトンネル設定情報は、移動端末3のホームアドレスと、FA5aを示すIPアドレス(気付けアドレス)とを指定する。従って、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3がFA5aによりサービスを受けうる状態であることを認識する。このIPトンネル設定情報を受け取ると、各IPトンネルルータ10a〜10cは、自身の格納部内のトンネル処理情報ファイルをこのIPトンネル設定情報に応じて更新する(第3図に符号ETで示す)。
第4図はこの発明の実施の形態1におけるIPトンネルルータ10a〜10cに設定されるトンネル処理情報ファイルを視覚化して示す図表である。第4図に示すように、トンネル処理情報ファイルは、送信先アドレス、処理内容、カプセル化送信先アドレスおよびカプセル化送信元アドレスを示す各フィールドを有する。送信先アドレスとしては、IPネットワーク1aに加入しているが、現在ほかのサブネットでサービスの提供を受けている移動端末(例えば移動端末3)のホームアドレスが記述される。
処理内容としては「カプセル化」が記述される。カプセル化送信先アドレスとしては、各移動端末(例えば移動端末3)がサービスを受けるサブネットのFA(例えばFA5a)の気付けアドレスが記述される。カプセル化送信元アドレスとしては、このトンネル処理情報ファイルを生成するIPトンネルルータ10a,10bまたは10c自身のIPアドレスが記述される。カプセル化送信元アドレスとしては、IPトンネルルータ10a,10b,10cのIPアドレスに限らず、HAサーバ9のIPアドレスを用いてもよい。さらにトンネル処理情報ファイルは、送信元アドレスのフィールドも有するが、このフィールドは利用されない。
トンネル処理情報ファイルの送信先アドレスフィールドは、カプセル化を用いたトンネル処理を実行する条件を規定する。すなわち、IPトンネルルータ10a〜10cがいずれかの外部のノードから受信したIPパケットの送信先アドレスが、トンネル処理情報ファイルの送信先アドレスフィールドに記述されている場合には、IPトンネルルータ10a〜10cは、カプセル化を用いたトンネル処理を実行する。
このトンネル処理においては、IPトンネルルータ10a〜10cの各々は、受信したIPパケットを、カプセル化送信元アドレス(IPトンネルルータ10a,10bまたは10c自体を示すIPアドレスまたはHAサーバ9を示すIPアドレス)とカプセル化送信先アドレス(FA、例えばFA5を示す気付けアドレス)を指定したIPヘッダを有する他の形式のIPパケットにカプセル化する。そして、IPトンネルルータは、カプセル化されたIPパケットをカプセル化送信先アドレスに対応するFA、例えばFA5に送信する。
従って、各IPトンネルルータ10a〜10cでトンネル処理情報ファイルが更新されると、その更新の起因となった移動端末3へIPトンネルを利用したIPパケットの転送が可能になる。今、CN7が移動端末3を送信先とするIPパケットを発行したと仮定する(第2図および第3図参照)。このIPパケットの発行は、第3図に示すように、移動端末3がインターネット(IPネットワーク1b)に接続されたCN7にアクセスしたことに応じて行われてもよい。あるいは、そのようなアクセスまたは送信要求なしに、CN7が移動端末3に宛ててIPパケットを送信してもよい。
移動端末3を送信先とするCN7からのIPパケットは、ネットワークゲートウェイ2を介してIPトンネルルータ10cに受信される。IPトンネルルータ10cは、IPパケットのヘッダの送信先アドレスを参照し、この送信先アドレスがトンネル処理情報ファイルの送信先アドレスフィールドに記述されていることを認識し、カプセル化を行って(第3図に符号CUPで示す)、カプセル化されたIPパケットをFA5aに転送する。第2図の12はIPトンネルルータ10cからFA5aまでの仮想的なIPトンネルを示す。このようにして、IPネットワーク1aにおいては、HAサーバ9を介さずに、IPトンネルルータ10a〜10cの各々がIPトンネル設定情報に基づいて、IPトンネル12を介して移動端末3が所在するサブネットにIPパケットを転送する。
FA5aは、カプセル化されたIPパケットを元のIPパケットの形式にデカプセル化し(第3図に符号DECで示す)、自身のサブネットで有効な識別子を用いて移動端末3にIPパケットを届ける。
この実施の形態では、逆に、移動端末3からCN7へIPパケットを送信するには、通常のルーティング経路で送信する方法を採ることができる。
第5図は、実施の形態1におけるIPトンネルルータの動作を示すフローチャートである。この動作は、IPトンネルルータ10a〜10cのいずれかがIPパケットを受信した時に開始するサブルーティンである。
IPトンネルルータは、IPパケットを受信すると、まずステップST1に示すように、そのIPパケットを外部インタフェース(例えばネットワークゲートウェイ2、FA5a,5b)から受信したのか否か判断する。外部インタフェースから受信したとは、そのIPトンネルルータが設けられているサブネットの外部に送信元ノードがあるという意味である。この判断が否定的であるならば、そのIPパケットを内部インタフェース(例えばルータ11a,11b)から受信したという意味、換言すればそのIPトンネルルータが設けられているサブネットの内部に送信元ノードがあるという意味である。
外部インタフェースからIPパケットを受信した場合には、ステップST2で、IPトンネルルータは、IPパケットのヘッダの送信先アドレスを参照し、この送信先アドレスが自身に登録されたトンネル処理情報ファイルの送信先アドレスフィールドに記述されているか否か判断する。すなわち、そのIPトンネルルータが設けられているサブネット以外のサブネットで、送信先の移動端末がサービスの提供を受けているか否か判断する。
ステップST2の判断が肯定的であれば、IPトンネルルータは、受信したIPパケットを上述のようにカプセル化し(ステップST3)、その後、カプセル化されたIPパケットをカプセル化送信先アドレスに対応するFAに転送する(ステップST4)。従って、IPネットワーク1aの外部のサブネットに所在する送信先の移動端末にFAからIPパケットが届けられる。
一方、ステップST2の判断が否定的であれば(そのIPトンネルルータが設けられているサブネットに送信先の移動端末が留まっている場合には)、IPトンネルルータは、受信したIPパケットのルーティング先となる内部インタフェース(例えばルータ11a,11b)を決定し(ステップST5)、その後、IPパケットをその内部インタフェースに転送する(ステップST6)。従って、IPネットワーク1aに所在する送信先の移動端末にその内部インタフェースからIPパケットが届けられる。
さらに、ステップST1の判断が否定的であれば、動作はステップST7に進む。すなわち、IPパケットを内部インタフェースから受信した場合には、IPトンネルルータは、受信したIPパケットのルーティング先となるインタフェースを決定し(ステップST7)、その後、IPパケットをそのインタフェースに転送する(ステップST8)。
以上のように、この実施の形態1によれば、IPネットワーク1aの外部に所在する移動端末3に対して、HAサーバ9を介さずに、IPトンネルルータ10a〜10cがIPパケットを転送するので、HAサーバ9のトラフィックおよび負荷が軽減する。従って、ボトルネックポイントの発生が回避でき、従来よりも円滑な通信が実現され、複合IPネットワークのスケーラビリティも改善される。また、HAサーバ9またはIPトンネルルータ10a〜10cのいずれかに障害が発生しても、他の障害のないノードを利用してIPパケットの転送が実現できるので、モバイルIPネットワークの障害耐性が強くなる。また、ネットワークのエッジのIPトンネルルータ10a〜10cでトンネル処理を実行するため、ホームネットワーク内では最適なルーティングが可能となるなどの効果が得られる。
なお、上述した実施の形態1の動作は、IPv4(Internet Protocol version 4)のモバイルIPに準拠するが、IPv6(Internet Protocol version 6)のモバイルIPに適用してもよい。IPv4によれば、外部のサブネットに移動した移動端末には、移動端末が本来所属するサブネットからFAを介してIPパケットを送信するが、IPv6によれば、外部のサブネットに移動した移動端末には仮のグローバルアドレス(どのサブネットにとっても有効なアドレス)が付与される。そして、仮のグローバルアドレスを持った移動端末には、FAを介さずにIPパケットが送信される。
この発明をIPv6に応用した形態では、移動端末(例えば移動端末3)の仮のグローバルアドレスは、移動端末が本来加入する仮想HA8のHAサーバ9に通知され、さらにIPトンネルルータ10a〜10cに通知される。各IPトンネルルータ10a〜10cは、その移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、そのIPパケットをカプセル化して、直接的に移動端末に転送する。つまり、各IPトンネルルータ10a〜10cは、自身と送信先の移動端末の間にIPトンネルを確立する。その場合のカプセル化送信先アドレスは、その移動端末の仮のグローバルアドレスである。その後、送信元のノード(例えばCN7)とその移動端末の間の直接的な接続が確立すると、送信元のノードから移動端末にパケットが直接的に送信される。後述する他の実施の形態も適宜、同様にIPv6に応用してもよい。
また、発明の実施の形態1では、一つの仮想化されたHAを使用するが、この発明をMAP(Mobility Anchor Point)に適用することもできる。MAPは、DRiVE(Dynamic Radio for IP−Services in Vehicular Environments)およびHMIPv6(hierarchical Mobile IPv6)で採用された仮想的なホームエージェントであって、一つのコアネットワークに複数のMAPが設けられている。この発明をMAPに適用した形態では、各MAPの機能が一つのHAサーバと複数のIPトンネルルータに分散されることになる。
実施の形態2.
第6図は、この発明の実施の形態2に係る移動端末3とCN7間のユーザデータの流れを示す。実施の形態2に係る移動体ネットワークおよび全体の複合IPネットワークは第1図に示されたものと同一でよい。但し、HAサーバ9、IPトンネルルータ10a〜10cおよびFA5a,5bはさらに、後述する付加的な機能を有する。
第6図において、13は、FA5aからIPトンネルルータ10aまでの仮想的なリバースIPトンネルを示す。この実施の形態2では、移動端末3からCN7への逆方向の通信において、FA(例えばFA5a)からIPトンネルルータ(例えばIPトンネルルータ10a)までの経路で、カプセル化を行うリバースIPトンネル13を利用する。他の動作すなわちCN7から移動端末3への順方向の通信動作は、実施の形態1に関連して説明したのと同じである。
次に動作について説明する。この実施の形態においても、移動端末3が旧FAまたは仮想HA8から新FA(例えばFA5a)に対応するサブネットの配下のエリアに移動したことを移動端末3が検出すると、移動端末3はモバイルIPの位置登録メッセージをFA5aに送信する。すると、上記と同様に、FA5aは、自身のサブネットで有効な識別子を移動端末3に内部処理で割り当てるとともに、第2の位置登録メッセージをHAサーバ9に送信する(第3図参照)。
第2の位置登録メッセージを受け取ると、HAサーバ9は、自身の格納部内の移動端末3に関する登録情報部分をこの位置登録メッセージに応じて更新する。また、HAサーバ9は、自身のIPネットワーク1aのエッジに位置するIPトンネルルータ10a〜10cの全てに、移動端末3と移動端末3が新たにサービスの提供を受けるサブネットを指定するIPトンネル設定情報を配信する。
上記と同様に、IPトンネル設定情報は、移動端末3のホームアドレスと、FA5aを示すIPアドレス(気付けアドレス)とを指定する。従って、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3がFA5aによりサービスを受けうる状態であることを認識する。このIPトンネル設定情報を受け取ると、各IPトンネルルータ10a〜10cは、自身の格納部内のトンネル処理情報ファイルをこのIPトンネル設定情報に応じて更新する(第3図に符号ETで示す)。
この実施の形態でのトンネル処理情報ファイルは、実施の形態1に関連して上述した第4図に示すカプセル化のための情報部分に加えて、第7図に示すデカプセル化のための情報部分を有する。各IPトンネルルータ10a〜10cは、トンネル処理情報ファイルの更新にあたっては、第4図に示すカプセル化のための情報部分を更新し、さらに第7図に示すデカプセル化のための情報部分を更新する。
第7図に示すように、トンネル処理情報ファイルは、送信先アドレス、処理内容、カプセル化送信先アドレスおよびカプセル化送信元アドレスを示す各フィールドを有する。ただし、デカプセル化のためには、カプセル化送信先アドレスおよびカプセル化送信元アドレスを示すフィールドは使われない。
送信先アドレスとしては、HAサーバ9のIPアドレスが記述される。あるいは、IPトンネルルータ10a,10b,10cのいずれかのIPアドレスを記述してもよい。送信元アドレスとしては、上記の第2の位置登録メッセージを送信したFAのIPアドレス(気付けアドレス)が記述される。処理内容としては「デカプセル化」が記述される。
他方、FAは、外部のサブネットに存在する送信先を指定したIPパケットを受信すると、このIPパケットをカプセル化する。具体的には、カプセル化送信元アドレスとしてFA自身のIPアドレス(気付けアドレス)を用い、カプセル化送信先アドレスとしてHAサーバ9またはIPトンネルルータ10a〜10cのいずれかのIPアドレスを用いたIPパケットヘッダをIPパケットに付与することにより、カプセル化されたIPパケットを生成し、リバースIPトンネル13を利用してカプセル化送信先アドレスにカプセル化されたIPパケットを送信する。別の見方をすれば、IPヘッダにおいて、送信元アドレスとして気付けアドレスを持ち、送信先アドレスとしてHAサーバ9またはIPトンネルルータ10a〜10cのいずれかのIPアドレスを持つIPパケットは、カプセル化されたIPパケットである。
IPトンネルルータ10a〜10cは、外部インタフェース(例えばネットワークゲートウェイ2、FA5a,5b)から受信したIPパケットのパケットヘッダを参照し、このパケットヘッダに記述された送信先アドレスがHAサーバ9またはIPトンネルルータ10a〜10cのいずれかのIPアドレスか否か判断してもよい。あるいは、IPトンネルルータ10a〜10cは、外部インタフェースから受信したIPパケットのパケットヘッダに記述された送信元アドレスが気付けアドレスか否か判断してもよい。これらのいずれかの判断が肯定的であれば、IPパケットはカプセル化されたIPパケットであるので、このIPパケットをデカプセル化する。
つまり、第7図に示されたトンネル処理情報ファイルの送信先アドレスフィールドおよび送信元アドレスフィールドは、リバースIPトンネル13を介して受信されたカプセル化されたIPパケットへのデカプセル化処理を実行する条件を規定する。IPトンネルルータは、その後、カプセル化されたIPパケットから元のIPパケットを取り出して(デカプセル化して)、元のIPパケットのパケットヘッダで指定された送信先アドレスに向けてこれを転送する。
第8図は、実施の形態2におけるIPトンネルルータの動作を示すフローチャートである。この動作は、IPトンネルルータ10a〜10cのいずれかがIPパケットを受信した時に開始するサブルーティンである。
IPトンネルルータは、IPパケットを受信すると、まずステップST11に示すように、そのIPパケットを外部インタフェース(例えばネットワークゲートウェイ2、FA5a,5b)から受信したのか否か判断する。外部インタフェースから受信したとは、そのIPトンネルルータが設けられているサブネットの外部に送信元ノードがあるという意味である。この判断が否定的であるならば、そのIPパケットを内部インタフェース(例えばルータ11a,11b)から受信したという意味、換言すれば、そのIPトンネルルータが設けられているサブネットの内部に送信元ノードがあるという意味である。
外部インタフェースからIPパケットを受信した場合には、ステップST12で、IPトンネルルータは、IPパケットのヘッダの送信先アドレスを参照し、この送信先アドレスが自身に登録されたトンネル処理情報ファイルの送信先アドレスフィールドに記述されているか否か判断する。
ステップST12の判断が肯定的であれば、そのIPトンネルルータが設けられているサブネット以外のサブネットで、送信先の移動端末がサービスの提供を受けているということ(第4図参照)、またはリバースIPトンネル13からIPパケットを受信したということ(第7図参照)である。いずれにせよ、ステップST12の判断が肯定的であれば、動作はステップST13に進む。ステップST13では、トンネル処理情報ファイルの送信先アドレスに対応する処理内容が「カプセル化」と記述されているか「デカプセル化」と記述されているかを判断する。
処理内容が「カプセル化」であれば、そのIPトンネルルータが設けられているサブネット以外のサブネットで、送信先の移動端末がサービスの提供を受けているということである。この場合には、動作はステップST14に進み、IPトンネルルータは、受信したIPパケットを上述のようにカプセル化し、その後、カプセル化されたIPパケットをカプセル化送信先アドレスに対応するFAに転送する(ステップST15)。従って、IPネットワーク1aの外部のサブネットに所在する送信先の移動端末にFAからIPパケットが届けられる。
他方、処理内容が「デカプセル化」であれば、リバースIPトンネル13からIPパケットを受信したということである。この場合には、動作はステップST16に進み、IPトンネルルータは、受信したIPパケット(カプセル化されたIPパケット)を上述のようにデカプセル化し、取り出したIPパケットのルーティング先となるインタフェースを決定し(ステップST17)、その後、IPパケットをそのインタフェースに転送する(ステップST21)。従って、IPネットワーク1bに接続されたCN7にそのインタフェースからIPパケットが届けられる。
一方、ステップST12の判断が否定的であれば(そのIPトンネルルータが設けられているサブネットに送信先の移動端末が留まっている場合には)、IPトンネルルータは、受信したIPパケットのルーティング先となる内部インタフェース(例えばルータ11a,11b)を決定し(ステップST19)、その後、IPパケットをその内部インタフェースに転送する(ステップST20)。従って、IPネットワーク1aに所在する送信先の移動端末にその内部インタフェースからIPパケットが届けられる。
さらに、ステップST11の判断が否定的であれば、動作はステップST21に進む。すなわち、IPパケットを内部インタフェースから受信した場合には、IPトンネルルータは、受信したIPパケットのルーティング先となるインタフェースを決定し(ステップST21)、その後、IPパケットをそのインタフェースに転送する(ステップST22)。
以上のように、この実施の形態2によれば、移動端末3からCN7への逆方向の通信において、FA(例えばFA5a)からIPトンネルルータ(例えばIPトンネルルータ10a)までの経路で、カプセル化を行うリバースIPトンネル13を利用することができる。従って、移動端末3からCN7への逆方向のIPパケット通信がIPアドレス違反を引き起こすようなネットワークにおいてもモバイルIPが適用可能となるなどの効果が得られる。
実施の形態3.
第9図はこの発明の実施の形態3における移動体ネットワークを有する複合IPネットワークを示す。図において、20はMPLS(マルチプロトコルラベルスイッチング)ネットワーク、20a〜20cはIPトンネルルータを示す。
第9図の複合IPネットワークでは、第1図のIPネットワーク1aおよびIPトンネルルータ10a〜10cがMPLSネットワーク20およびIPトンネルルータ20a〜20cに置換されている。他のノードは、第1図に示されたものと同じである。仮想HA8は、HAサーバ9とIPトンネルルータ20a〜20cを備える。
次に動作について説明する。基本的に、第9図に示された各ノードは、上述した実施の形態1および実施の形態2と同じ動作を行う。さらに加えて、IPトンネルルータ20a〜20cは、ホームネットワーク(MPLSネットワーク20)内のQoS(サービス品質)を保証するために、MPLSエッジ機能を有する。
複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動した移動端末(例えば移動端末3)を含む、MPLSネットワーク20をホームネットワークとする移動端末は、HAサーバ9にQoSに関する要求を送信することができる。かかるQoS要求は、例えば、移動端末が他のサブネットに移動したときに、モバイルIPの位置登録メッセージに指定してもよい。この場合には、そのサブネットのFA(例えばFA5a)が、そのQoS要求を指定する第2の位置登録メッセージをHAサーバ9に送信する。あるいは、移動端末は、RSVP(Resource Reservation Protocol)に準拠して適当な時にHAサーバ9にQoS要求を送信してもよい。
このような要求を受け付けると、HAサーバ9は、自身の格納部内の移動端末3に関する登録情報部分をQoS要求に応じて更新する。また、HAサーバ9は、自身のMPLSネットワーク20のIPトンネルルータ20a〜20cの全てに、移動端末3のQoS要求を指定するQoS情報(サービス品質情報)を配信する。QoS要求が位置登録メッセージに含まれている場合には、QoS情報はIPトンネル設定情報に含められてもよい。QoS情報として、トラフィッククラス、優先度、保証帯域、最大帯域、保証遅延時間などが設定されうる。
従って、HAサーバ9および各IPトンネルルータ20a〜20cは、移動端末3が要求したQoS要求を解釈すなわち認識することができる。QoS情報を受け取ると、各IPトンネルルータ20a〜20cは、自身の格納部内のトンネル処理情報ファイルをこのQoS情報に応じて更新する。すなわちIPトンネルルータ20a〜20cは、新たに指定されたQoS情報を解釈し、トンネル処理情報ファイル(第4図および第7図)に、QoS情報に応じたQoS保証機能(例えばMPLSのラベルパスなど)をマップする。
IPトンネルルータ20a〜20cの各々は、移動端末3を送信先とするIPパケットを受信すると、トンネル処理情報ファイルに記述されたQoS保証機能に基づいてIPパケットを転送する。逆に移動端末3からCN7に宛てたIPパケットを受信したときにも、IPトンネルルータ20a〜20cはQoS保証機能に基づいてIPパケットを転送することができる。
以上のように、この実施の形態3によれば、QoSを考慮したIPトンネルフローが設定可能となるなどの効果が得られる。
ホームネットワーク内のQoSを保証するための機能としては、この実施の形態で用いられたMPLSに限定されず、DiffServ(Differentiated Services)、その他の適切なQoS保証機能であってもよく、そのような変更もこの発明の範囲内にある。
実施の形態4.
第10図は、この発明の実施の形態4に係る移動体ネットワークを示す。図において、30はバッファリングサーバ(バッファ)を示す。このバッファリングサーバ30は、各移動端末のハンドオフのために設けられており、カプセル化された移動端末向けのIPパケットを一時的に蓄積する。IPネットワーク1aは、HAサーバ9およびIPトンネルルータ10a〜10cに加えてバッファリングサーバ30を有する。他のノードは、第1図に示されたものと同じである。
次に動作について説明する。以下の説明では、実施の形態4における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である第11図を参照する。最初に、移動端末(MT)3は自身の位置としてFA5aのIPアドレス(気付けアドレス)をHAサーバ9に登録しており、IPトンネルルータ10cからFA5aまでのIPトンネル12が確立していると仮定する。従って、初期の段階では、第2図および第3図に示すように、CN7から移動端末(MT)3へのIPパケットは、IPトンネル12によりIPトンネルルータ10cからFA5aに転送され、その後、FA5aから移動端末3に転送される。
ここで、移動端末3がFA5aのサブネットからFA5bのサブネットへ移動したと仮定する。移動端末3の位置を検知して、FA5aはハンドオフ決定を行い、FA5aは移動端末3の近辺のFA5bにハンドオフ要請を送信する。ハンドオフ要請を受信して、FA5bはハンドオフ通告をFA5aに返送し、FA5aはハンドオフ通告を移動端末3に転送する。
移動端末3はハンドオフ通告を受けて位置登録メッセージを送信する。この位置登録メッセージには、移動端末3のホームアドレスとともに、後述するバッファリング要求が指定されている。位置登録メッセージは、FA5aおよびFA5bを経て最終的にHAサーバ9に届けられる。バッファリング要求は、ハンドオフの間に移動端末3に宛てたIPパケットが損失するのを防止するために、バッファリングサーバ30の追加的使用を要請する。
従って、HAサーバ9は、移動端末3へのIPパケット送信のためにバッファリングサーバ30を使用すべきであることを認識する。但し、位置登録メッセージがバッファリング要求を指定することに代えて、他の方法でHAサーバ9がバッファリングサーバ30を使用すべきであることを認識してもよい。例えば、HAサーバ9は、以前にRSVPなどの手順を使用して移動端末3とネゴシエーションされたQoS情報、またはDiffServのDSCP情報などに基づいて、バッファリングサーバ30を使用すべきであることを判断してもよい。
バッファリングサーバ30を使用すべきと認識したなら、HAサーバ9は、自身のIPネットワーク1aのIPトンネルルータ10a〜10cの全ておよびバッファリングサーバ30に、バッファリング設定情報を配信する。このバッファリング設定情報の配信は、実施の形態1に関連して説明したIPトンネル設定情報の配信と同時に行ってもよい。
バッファリング設定情報を受信すると、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3を最終送信先とする経路のうちIPトンネル12の終結端は、バッファリングサーバ30であることを認識する。従って、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3を送信先とするIPパケットについては、カプセル化送信先アドレスとして、FA5aの気付けアドレスでなくバッファリングサーバ30のIPアドレスを選択する。
また、バッファリングサーバ30は、バッファリング設定情報を受信すると、そのバッファリング設定情報に関連するカプセル化されたIPパケットを蓄積することができるようになる。つまり、IPトンネルルータ10cからFA5aまでのIPトンネル12は、IPトンネルルータ10cからバッファリングサーバ30に至るIPトンネル12に変更される。
従って、もしIPネットワーク1aの外のノード(例えばCN7)から移動端末3に宛ててIPパケットが新たに送信されると、IPトンネルルータ10cはIPパケットをカプセル化し、バッファリングサーバ30にカプセル化されたIPパケットを送信し、バッファリングサーバ30はカプセル化されたIPパケットを蓄積する。他方、移動端末3、FA5a,5bは、ハンドオフのための各種のネゴシエーションおよび通信条件の再設定を行う。
ハンドオフが完全に終了すると、新たに利用されるFA5bは、移動端末3にハンドオフ終了通告を送信する。ハンドオフ終了通告を受領した移動端末3は、FA5bに位置登録メッセージを送信する。この位置登録メッセージには、移動端末3のホームアドレスとともに、バッファリング終了要求が指定されている。この位置登録メッセージには、移動端末3のホームアドレスが指定されており、FA5bはこの移動端末3のホームアドレスに自身のサブネットで有効な識別子を内部処理で割り当てるとともに、別のタイプの位置登録メッセージ(第2の位置登録メッセージ)をHAサーバ9に送信する。この第2の位置登録メッセージは、移動端末3のホームアドレスとFA5bを示すIPアドレス(気付けアドレス)およびバッファリング終了要求を指定する。従って、HAサーバ9は、移動端末3がFA5bにより新たにサービスを受けうる状態であることと、移動端末3へのIPパケット送信のためにバッファリングサーバ30を使用することはもはや不要であることを認識する。
この第2の位置登録メッセージを受け取ると、HAサーバ9は、自身の格納部内の移動端末3に関する登録情報部分をこの位置登録メッセージに応じて更新する。また、HAサーバ9は、自身のIPネットワーク1aのIPトンネルルータ10a〜10cの全ておよびバッファリングサーバ30に、移動端末3と移動端末3が新たにサービスの提供を受けるサブネットを指定するIPトンネル設定情報を配信する。このIPトンネル設定情報には、バッファリング設定解放情報が指定されている。
バッファリング設定解放情報を受信すると、バッファリングサーバ30は、バッファリングサーバ30に蓄積されたそのバッファリング設定解放情報に関連するカプセル化されたIPパケットを読み出して、新FA5bに送出する。つまり、バッファリングサーバ30から新FA5bまでのIPトンネル12を新たに一時的に確立する。
また、各IPトンネルルータ10a〜10cは、バッファリング設定解放情報を受信すると、移動端末3を最終送信先とする経路のうちIPトンネル12の終結端は、もはやバッファリングサーバ30ではなく新たに利用されるFA5bであることを認識する。従って、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3を送信先とするIPパケットについては、カプセル化送信先アドレスとして、バッファリングサーバ30のIPアドレスではなくFA5bの気付けアドレスを選択する。
従って、もしIPネットワーク1aの外のノード(例えばCN7)から移動端末3に宛ててIPパケットが新たに送信されると、IPトンネルルータ10cはIPパケットをカプセル化し、FA5bにカプセル化されたIPパケットを送信し、FA5bはカプセル化されたIPパケットから元のIPパケットを取り出してこれを移動端末3に届ける。
以上のように、この実施の形態4によれば、IPネットワーク1a内に配置されたバッファリングサーバ30を適宜活用することで、IPパケットのロスが許されないような通信環境においてもモバイルIPが適用可能となるなどの効果が得られる。
実施の形態4では、IPネットワーク1aに単一のバッファリングサーバ30が設けられているが、各IPトンネルルータ10a〜10cに類似の機能を持つバッファを設けることも可能である。この場合には、バッファリング設定情報を受信したIPトンネルルータは、自身のバッファにカプセル化されたIPパケットを蓄積し、バッファリング設定解放情報を受け取ると、バッファに蓄積されたカプセル化されたIPパケットを新FAに送信する。
実施の形態5.
第12図は、この発明の実施の形態5に係る移動体ネットワークを示す。図において、40はバイキャストサーバ(バイキャスト部)を示す。このバイキャストサーバ40は、各移動端末のハンドオフのために設けられている。バイキャストサーバ40は、カプセル化されたIPパケットを受信すると、そのコピーを作成し、カプセル化された移動端末向けのIPパケットをハンドオフの前後で利用される二つのFAに送信(バイキャスト)する。IPネットワーク1aは、HAサーバ9およびIPトンネルルータ10a〜10cに加えてバイキャストサーバ40を有する。他のノードは、第1図に示されたものと同じである。
次に動作について説明する。以下の説明では、実施の形態5における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である第13図を参照する。最初に、移動端末(MT)3は自身の位置としてFA5aのIPアドレス(気付けアドレス)をHAサーバ9に登録しており、IPトンネルルータ10cからFA5aまでのIPトンネル12が確立していると仮定する。従って、初期の段階では、第2図および第3図に示すように、CN7から移動端末(MT)3へのIPパケットは、IPトンネル12によりIPトンネルルータ10cからFA5aに転送され、その後、FA5aから移動端末3に転送される。
ここで、移動端末3がFA5aのサブネットからFA5bのサブネットへ移動したと仮定する。移動端末3の位置を検知して、FA5aはハンドオフ決定を行い、FA5aは移動端末3の近辺のFA5bにハンドオフ要請を送信する。ハンドオフ要請を受信して、FA5bはハンドオフ通告をFA5aに返送し、FA5aはハンドオフ通告を移動端末3に転送する。
移動端末3はハンドオフ通告を受けて位置登録メッセージを送信する。この位置登録メッセージには、移動端末3のホームアドレスとともに、後述するバイキャスト要求が指定されている。位置登録メッセージは、FA5aおよびFA5bを経て最終的にHAサーバ9に届けられる。バイキャスト要求は、ハンドオフの間に移動端末3に宛てたIPパケットがリアルタイムで移動端末3に転送されるように、バイキャストサーバ40の追加的使用を要請する。また、バイキャスト要求には、ハンドオフに関わるFAすなわちハンドオフの前後で利用される二つのFA5a,5bが指定されている。
従って、HAサーバ9は、移動端末3へのIPパケット送信のためにバイキャストサーバ40を使用すべきであることおよびバイキャストにはFA5a,5bが関わることを認識する。但し、位置登録メッセージがバイキャスト要求を指定することに代えて、他の方法でHAサーバ9がバイキャストサーバ40を使用すべきであることを認識してもよい。例えば、HAサーバ9は、以前にRSVPなどの手順を使用して移動端末3とネゴシエーションされたQoS情報、またはDiffServのDSCP情報などに基づいて、バイキャストサーバ40を使用すべきであることおよびバイキャストに関わるFAを判断してもよい。
バイキャストサーバ40を使用すべきと認識したなら、HAサーバ9は、自身のIPネットワーク1aのIPトンネルルータ10a〜10cの全ておよびバイキャストサーバ40に、バイキャスト設定情報を配信する。このバイキャスト設定情報の配信は、実施の形態1に関連して説明したIPトンネル設定情報の配信と同時に行ってもよい。
バイキャスト設定情報を受信すると、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3を最終送信先とする経路の中のIPトンネル12がバイキャストサーバ40を通るべきであることを認識する。従って、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3を送信先とするIPパケットについては、カプセル化送信先アドレスとして、FA5aの気付けアドレスでなくバイキャストサーバ40のIPアドレスを選択する。
また、バイキャストサーバ40は、バイキャスト設定情報を受信すると、そのバイキャスト設定情報に関連するカプセル化されたIPパケットをハンドオフに関連するFA5a,5bの両方に転送することができるようになる。つまり、IPトンネルルータ10cからFA5aまでのIPトンネル12は、IPトンネルルータ10cからバイキャストサーバ40に至りさらに分岐して二つのFA5a,5bに至るIPトンネル12に変更される。
従って、もしIPネットワーク1aの外のノード(例えばCN7)から移動端末3に宛ててIPパケットが新たに送信されると、IPトンネルルータ10cはIPパケットをカプセル化し、バイキャストサーバ40にカプセル化されたIPパケットを送信し、バイキャストサーバ40はカプセル化されたIPパケットをFA5a,5bに転送する。他方、移動端末3、FA5a,5bは、ハンドオフのための各種のネゴシエーションおよび通信条件の再設定を行う。
ハンドオフが完全に終了すると、新たに利用されるFA5bは、移動端末3にハンドオフ終了通告を送信する。ハンドオフ終了通告を受領した移動端末3は、FA5bを介してHAサーバ9に位置登録メッセージを送信する。この位置登録メッセージには、移動端末3のホームアドレス、FA5bを示すIPアドレス(気付けアドレス)およびバイキャスト終了要求を指定する。従って、HAサーバ9は、移動端末3がFA5bにより新たにサービスを受けうる状態であることと、移動端末3へのIPパケット送信のためにバイキャストサーバ40を使用することはもはや不要であることを認識する。
この位置登録メッセージを受け取ると、HAサーバ9は、自身の格納部内の移動端末3に関する登録情報部分をこの位置登録メッセージに応じて更新する。また、HAサーバ9は、自身のIPネットワーク1aのIPトンネルルータ10a〜10cの全ておよびバイキャストサーバ40に、移動端末3と移動端末3が新たにサービスの提供を受けるサブネットを指定するIPトンネル設定情報を配信する。このIPトンネル設定情報には、バイキャスト設定解放情報が指定されている。
バイキャスト設定解放情報を受信すると、バイキャストサーバ40は、古いFA5aへのカプセル化されたIPパケットの転送を終了する。
また、各IPトンネルルータ10a〜10cは、バイキャスト設定解放情報を受信すると、移動端末3を最終送信先とするIPパケットについてはもはやバイキャストサーバ40への転送は不要であり、新たに利用されるFA5bに転送すればよいことを認識する。従って、各IPトンネルルータ10a〜10cは、移動端末3を送信先とするIPパケットについては、カプセル化送信先アドレスとして、バイキャストサーバ40のIPアドレスではなくFA5bの気付けアドレスを選択する。
従って、もしIPネットワーク1aの外のノード(例えばCN7)から移動端末3に宛ててIPパケットが新たに送信されると、IPトンネルルータ10cはIPパケットをカプセル化し、FA5bにカプセル化されたIPパケットを送信し、FA5bはカプセル化されたIPパケットから元のIPパケットを取り出してこれを移動端末3に届ける。
以上のように、この実施の形態5によれば、IPネットワーク1a内に配置されたバイキャストサーバ40を適宜活用することで、IPパケットの遅延が許されないような通信環境においてもモバイルIPが適用可能となるなどの効果が得られる。
実施の形態5では、IPネットワーク1aに単一のバイキャストサーバ40が設けられているが、各IPトンネルルータ10a〜10cに類似の機能を持つバイキャスト部を設けることも可能である。この場合には、バイキャスト設定情報を受信したIPトンネルルータは、カプセル化されたIPパケットを自身のバイキャスト部によって二つのFAに転送し、バイキャスト設定解放情報を受け取ると、カプセル化されたIPパケットを新FAだけに送信する。
実施の形態4のバッファリングサーバ30または個別のバッファを、バイキャストサーバ40または個別のバイキャスト部を有する実施の形態5のIPネットワーク1aに編入してもよい。この場合には、HAサーバ9は、ハンドオフの契機またはそれ以前に、IPパケットのロスが許されないような通信条件であるか、IPパケットの遅延が許されないような通信条件であるかを判断する。ロスが許されないような通信条件であれば、HAサーバ9は、バッファリングサーバ30または個別のバッファの使用を選択し、遅延が許されないような条件であれば、HAサーバ9は、バイキャストサーバ40または個別のバイキャスト部の使用を選択する。
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。この実施の形態6は、上述のいずれかの実施の形態のバリエーションであり、第1図、第9図、第10図および第12図のうちのいかなる構成をとっていてもよい。
次に動作について説明する。複合IPネットワークにおいては、複数のサブネットが相互に接続されている。しかし、サブネットの管理会社間の契約や技術的な共有事項によっては、あるサブネットの加入者の移動端末は特定のサブネットからしかローミングサービスを提供されないこともある。例えば、図示の移動端末3がFA5aのサブネットに滞在するときには、移動端末3は多数のサブネットの配下の移動端末と通信できるのに、FA5bのサブネットに滞在するときには、移動端末3はより少数のサブネットの配下の移動端末としか通信できないことがありうる。そこで、この実施の形態では、各移動端末について、利用可能なサブネットの候補を限定し、限定されたサブネットに関連する(利用の可能性のある)IPトンネルルータをあらかじめ選択する。
仮想HA8のHAサーバ9は、移動端末(例えば移動端末3)から位置登録メッセージを受信するたびに、その移動端末の通信相手となる端末が存在しうるあらゆるサブネット候補を判断する。この判断は、移動端末3が位置登録メッセージに設定する情報から行ってもよい。あるいは、移動端末3が位置登録メッセージを送信する以前に、RSVPやSIP(Session Initiation Protocol)などの手順を使用して、移動端末3とHAサーバ9とがネゴシエーションするときに得られたセッション情報に基づいてサブネット候補を判断してもよい。
HAサーバ9は、この判断に基づいて、移動端末3との通信で利用されうるIPトンネルルータ(例えばIPトンネルルータ10a,10cのみ)を選択する。利用されうるIPトンネルルータは、サブネット候補(例えばFA5aのサブネットとIPネットワーク1bのみ)に直接的に接続されており、そのサブネットについてのゲートウエイとなるIPトンネルルータである。この後、HAサーバ9は、選択されたIPトンネルルータ(つまり移動端末3が利用しうるIPトンネルルータ)のみにIPトンネル設定情報を送信する(第3図参照)。
以上のように、この実施の形態6によれば、移動端末が利用しうるIPトンネルルータのみにIPトンネル設定情報を送信するので、HAサーバ9からIPトンネルルータへ送信される制御メッセージの全体の数が削減されるなどの効果が得られる。
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7について説明する。この実施の形態7は、上述のいずれかの実施の形態のバリエーションであり、第1図、第9図、第10図および第12図のうちのいかなる構成をとっていてもよい。
次に動作について説明する。複合IPネットワークにおいては、様々な機種の移動端末が使用されうる。そして機種によって、移動端末に提供されうる通信サービス(音声通信、動画像通信、インターネットアクセスなど)が異なる。そこで、この実施の形態では、各移動端末について、提供されうる通信サービスに基づいて利用可能なサブネットの候補を限定し、限定されたサブネットに関連する(利用の可能性のある)IPトンネルルータをあらかじめ選択する。
仮想HA8のHAサーバ9は、移動端末(例えば移動端末3)から位置登録メッセージを受信するたびに、その移動端末に提供されうる通信サービスを判断する。この判断は、移動端末3が位置登録メッセージに設定する情報から行ってもよい。あるいは、移動端末3が位置登録メッセージを送信する以前に、RSVPやSIPなどの手順を使用して、移動端末3とHAサーバ9とがネゴシエーションするときに得られたセッション情報に基づいて被提供サービスを判断してもよい。
HAサーバ9は、この判断に基づいて、そのサービスを提供しうるサブネットの候補を選択し、サブネット候補に応じてIPトンネルルータ(例えばIPトンネルルータ10a,10cのみ)を選択する。利用されうるIPトンネルルータは、サブネット候補(例えばFA5aのサブネットとIPネットワーク1bのみ)に直接的に接続されており、そのサブネットについてのゲートウエイとなるIPトンネルルータである。この後、HAサーバ9は、選択されたIPトンネルルータ(つまり移動端末3が利用しうるIPトンネルルータ)のみにIPトンネル設定情報を送信する(第3図参照)。
以上のように、この実施の形態7によれば、移動端末が利用しうるIPトンネルルータのみにIPトンネル設定情報を送信するので、HAサーバ9からIPトンネルルータへ送信される制御メッセージの全体の数が削減されるなどの効果が得られる。実施の形態6および実施の形態7を組み合わせることも可能である。
実施の形態8.
第14図はこの発明の実施の形態8に係る移動体ネットワークおよび複合IPネットワークを示す。図において、50はHAサーバを示す。上述の実施の形態のHAサーバ9と異なり、このHAサーバ50は、IPトンネル機能を持ち、ユーザトラフィックをハンドリング可能である。他のノードは、第1図に示されたものと同じである。仮想HA8は、このHAサーバ50とIPトンネルルータ10a〜10cを有する。
次に動作について説明する。以下の説明では、実施の形態8における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である第15図を参照する。
実施の形態1に関連して説明したように、移動端末3はまず位置登録メッセージをFA5aに送信し、移動端末3のホームアドレスとFA5aを示すIPアドレス(気付けアドレス)を指定した第2の位置登録メッセージをFA5aはHAサーバ50に送信する。従って、HAサーバ50は、移動端末3がFA5aによりサービスを受けうる状態であることを認識する。
この第2の位置登録メッセージを受け取ると、HAサーバ50は、自身の格納部内の移動端末3に関する登録情報部分をこの位置登録メッセージに応じて更新する。しかし、第2の位置登録メッセージを受信しても、HAサーバ50はすぐには配下のIPトンネルルータ10a〜10cにIPトンネル設定情報を配信しない。さらに正確にいうと、移動端末3を送信先とするIPパケットの送信の必要性がなければ、HAサーバ50はIPトンネル設定情報を配信することはない。
他方、移動端末3を送信先とするIPパケットを送信すべき場合には、上述の通り、HAサーバ50は、IPトンネル機能を持ち、ユーザトラフィックをハンドリング可能であるので、第2の位置登録メッセージに関する移動端末3を送信先とする最初のIPパケットを自ら処理する。
例えば、CN7が移動端末3を送信先とするIPパケットを発行したと仮定する(第14図および第15図参照)。このIPパケットの発行は、第15図に示すように、移動端末3がインターネット(IPネットワーク1b)に接続されたCN7にアクセスしたことに応じて行われてもよい。あるいは、そのようなアクセスまたは送信要求なしに、CN7が移動端末3に宛ててIPパケットを送信してもよい。
移動端末3を送信先とするCN7からのIPパケットは、ネットワークゲートウェイ2を介してIPトンネルルータ10cに受信される。IPトンネルルータ10cは、IPパケットのヘッダの送信先アドレスを参照し、この送信先アドレスがトンネル処理情報ファイルの送信先アドレスフィールドに記述されていないことを認識する(第4図参照)。この時点では、IPトンネルルータ10a〜10cには、移動端末3が移動したことは通知されていないから、移動端末3のホームアドレスはトンネル処理情報ファイルの送信先アドレスに登録されていないためである。この認識に従って、IPトンネルルータ10cは、IPパケットをカプセル化せずにHAサーバ50に転送する。
HAサーバ50は、この最初のIPパケットをカプセル化し(カプセル化送信先アドレスはFA5である)、カプセル化されたIPパケットをFA5aに送信する。この時点では、HAサーバ50からFA5aまでのIPトンネル12が一時的に確立される。
この後、HAサーバ50は、自身のIPネットワーク1aのIPトンネルルータ10a〜10cの全てに、移動端末3と移動端末3が新たにサービスの提供を受けるサブネットを指定するIPトンネル設定情報を配信する。このIPトンネル設定情報を受け取ると、各IPトンネルルータ10a〜10cは、自身の格納部内のトンネル処理情報ファイルをこのIPトンネル設定情報に応じて更新する(第15図に符号ETで示す)。各IPトンネルルータ10a〜10cでトンネル処理情報ファイルが更新されると、IPトンネルルータ10a〜10cは、その更新の起因となった移動端末3を送信先とするIPパケットをIPトンネルで転送することが可能になる。従って、続いてCN7から受信される移動端末3を送信先とするIPパケットについては、IPトンネルルータ10cは、カプセル化を施し、IPトンネルルータ10cからFA5a,5bまでのIPトンネル12を利用して転送する。
このようにして、いったん移動端末3へのIP通信が開始されると、IPトンネル12の移し替えが行われる。ただし、新たなIPトンネル12を利用した最後のトラフィックの終了後およびトンネル処理情報ファイルの更新後、一定期間トラフィックがないと各IPトンネルルータ10a〜10cが認識したなら、各IPトンネルルータ10a〜10cはトンネル処理情報ファイルを自動的に元に戻すことも可能である。このように自動で設定解除することにより、IPトンネルルータ10a〜10cの負担が軽減する。
以上のように、この実施の形態8によれば、自己のサブネットから立ち去った移動端末を送信先とするIPパケットの送信の必要性がなければ、HAサーバ50はIPトンネル設定情報を配信することはない。従って、HAサーバ50からIPトンネルルータ10a〜10cに送信する制御メッセージの数を全体として削減できるなどの効果が得られる。
また、HAサーバ50自身がIPトンネル機能を持ち、ユーザトラフィックをハンドリング可能であるので、自己のサブネットから立ち去った移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉しても、このIPパケットを損失することなく転送することができる。
実施の形態9.
実施の形態8に係る移動体ネットワークに、実施の形態6および実施の形態7の少なくとも一方を組み合わせることも可能である。
具体的には、仮想HA8のHAサーバ50は、移動端末(例えば移動端末3)から位置登録メッセージを受信するたびに、その移動端末の通信相手となる端末が存在しうるサブネット候補およびその移動端末に提供されうる通信サービスを判断する。これらの判断は、移動端末3が位置登録メッセージに設定する情報から行ってもよい。あるいは、移動端末3が位置登録メッセージを送信する以前に、RSVPやSIPなどの手順を使用して、移動端末3とHAサーバ50とがネゴシェーションするときに得られたセッション情報に基づいてサブネット候補を判断してもよい。
そして、HAサーバ50はサブネット候補の中からその移動端末に提供されうる通信サービスを提供できるサブネット候補を選択し、サブネット候補に応じてIPトンネルルータ(例えばIPトンネルルータ10a,10cのみ)を選択する。
この後、HAサーバ50は、移動端末3を送信先とするCN7からの最初のIPパケットを捕捉すると、実施の形態8と同様に、このIPパケットをハンドリングするとともに、選択されたIPトンネルルータ(つまり移動端末3が利用しうるIPトンネルルータ)のみにIPトンネル設定情報を送信する(第15図参照)。
以上のように、この実施の形態9によれば、実施の形態8の効果に加えて、移動端末が利用しうるIPトンネルルータのみにIPトンネル設定情報を送信するので、HAサーバ50からIPトンネルルータへ送信される制御メッセージの全体の数が削減されるなどの効果が得られる。
この実施の形態9をさらに次に述べるように改良してもよい。他のサブネットに移動した移動端末3を送信先として予定外のサブネットワークから選択されなかったIPトンネルルータにIPパケットが受信される場合がありうる。このようなIPパケットは、やはりHAサーバ50に転送される。このIPパケットを捕捉した場合には、HAサーバ50は、実施の形態8と同様に、このIPパケットをハンドリングするとともに、選択されたIPトンネルルータだけでなく、このIPパケットを送信してきたIPトンネルルータにもIPトンネル設定情報を送信する。
このような改良によれば、選択されなかったIPトンネルルータからIPパケットを受信した場合にも、適切なIPトンネルを確立することが可能である。
実施の形態10.
第16図はこの発明の実施の形態10に係る移動体ネットワークおよび複合IPネットワークを示す。図において、55は仮想FA(外部エージェント)、55AはFAサーバ、55BはIPトンネルルータを示す。この実施の形態では、外部エージェントの負荷の分散が図られている。仮想FA55は、FAサーバ55AおよびIPトンネルルータ55Bを備える。これらのFAサーバ55AおよびIPトンネルルータ55Bは、一つのゲートウエイに設けられていてよい。
次に動作について説明する。仮想FA55が配置されたサブネット(移動体ネットワーク)に、このサブネットに加入していないが、複合無線ネットワークのいずれかのサブネット(例えばIPネットワーク1a)に加入している移動端末(例えば移動端末3)が移動したと仮定する。仮想FA55の配下のエリアに移動したことを検出すると、移動端末3はモバイルIPの位置登録メッセージをFAサーバ55Aに送信する。この位置登録メッセージには、移動端末3のホームアドレスが指定されているので、FAサーバ55Aはこのホームアドレスを持つ移動端末3が自身に対応するサブネットの配下のエリアに移動したことを認識する。
この位置登録メッセージを受け取ると、FAサーバ55Aは、自身のサブネットで有効な識別子を移動端末3に内部処理で割り当て、この識別子を移動端末3のホームアドレスに関連づけてIPトンネルルータ55Bに通知する。さらにFAサーバ55Aは、別のタイプの位置登録メッセージ(第2の位置登録メッセージ)をHAサーバ9に送信する。この第2の位置登録メッセージは、移動端末3のホームアドレスとIPトンネルルータ55Bを示すIPアドレス(気付けアドレス)を指定する。
第2の位置登録メッセージに基づいて、仮想HA8では、実施の形態1に関連して説明したのと類似の処理が行われる。但し、IPトンネル設定情報は、移動端末3のホームアドレスと、IPトンネルルータ55Bを示すIPアドレス(気付けアドレス)とを指定しており、カプセル化送信先アドレスとしてはIPトンネルルータ55Bを示す気付けアドレスが使われる。
移動端末3を送信先とするCN7からのIPパケットは、ネットワークゲートウェイ2を介してIPトンネルルータ10cに受信される。IPトンネルルータ10cは、IPパケットのヘッダの送信先アドレスを参照し、カプセル化を行って、カプセル化されたIPパケットをIPトンネルルータ55Bに転送する。IPトンネルルータ55Bは、カプセル化されたIPパケットを元のIPパケットの形式にデカプセル化し、自身のサブネットで有効な識別子を用いて移動端末3にIPパケットを届ける。このようにして、仮想FA55が属するサブネットにおいては、FAサーバ55Aを介さずに、IPトンネルルータ55Bが移動端末3にIPパケットを転送する。
移動端末3を送信元とするCN7への逆方向の通信においては、通常のルーティング経路で送信する方法を採ってもよいし、リバースIPトンネル(第6図参照)を利用してもよい。
以上のように、この実施の形態10によれば、移動体ネットワーク自身の内部にローミングした移動端末に対して、外部エージェントサーバを介さずに、IPトンネルルータがIPパケットを転送するので、外部エージェントサーバのトラフィックおよび負荷が軽減する。従って、ボトルネックポイントの発生が回避でき、従来よりも円滑な通信が実現され、複合IPネットワークのスケーラビリティも改善される。
以上、この発明をその好適な様々な実施の形態を参照しながら詳細に図示して説明したが、請求の範囲に記載されたこの発明の趣旨および区域内で、形式および細部に関する様々な変更が可能であることは当業者であれば理解できることだろう。かかる変更、代替、修正もクレームの範囲に含まれるものであると出願人は意図する。
産業上の利用可能性
以上のように、この発明によれば、一つの装置への負荷の集中を回避できる移動体ネットワークを得ることができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施の形態1における移動体ネットワークの構成を示す概略図である。
第2図は、この発明の実施の形態1におけるユーザIPパケットの流れ(ユーザプレーンデータの流れ)を示す概略図である。
第3図は、この発明の実施の形態1における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である。
第4図は、この発明の実施の形態1におけるIPトンネルルータに設定されるトンネル処理情報ファイルを視覚化して示す図表である。
第5図は、この発明の実施の形態1におけるIPトンネルルータがIPパケットを受信した時の動作を示すフローチャートである。
第6図は、この発明の実施の形態2に係るリバーストンネリングを適用したときのユーザIPパケットの流れを示す概略図である。
第7図は、この発明の実施の形態2におけるIPトンネルルータに設定されるトンネル処理情報ファイルの内容の一部を視覚化して示す図表である。
第8図は、この発明の実施の形態2におけるIPトンネルルータがIPパケットを受信した時の動作を示すフローチャートである。
第9図は、この発明の実施の形態3における移動体ネットワークの構成を示す概略図である。
第10図は、この発明の実施の形態4における移動体ネットワークの構成を示す概略図である。
第11図は、この発明の実施の形態4における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である。
第12図は、この発明の実施の形態5における移動体ネットワークの構成を示す概略図である。
第13図は、この発明の実施の形態5における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である。
第14図は、この発明の実施の形態8における移動体ネットワークの構成を示す概略図である。
第15図は、この発明の実施の形態8における各種ノード間の制御シーケンスを示す制御フロー図である。
第16図は、この発明の実施の形態10における移動体ネットワークの構成を示す概略図である。
第17図は、従来のモバイルIPネットワークの動作を示す図である。

Claims (12)

  1. 複合IPネットワークを構成する一つのサブネットである移動体ネットワークであって、
    この移動体ネットワークに加入している複数の移動端末の識別子を管理するホームエージェントサーバと、複数のIPトンネルルータとを備えており、
    前記ホームエージェントサーバは、各移動端末が前記複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動したときに、前記移動端末への送信に必要な送信先情報を前記移動端末から受け付けて、前記移動端末と前記送信先情報を指定するIPトンネル設定情報を前記複数のIPトンネルルータに配信し、
    前記複数のIPトンネルルータの各々は、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、前記ホームエージェントサーバを介さずに、前記IPトンネル設定情報に基づいて前記IPパケットを転送することを特徴とする移動体ネットワーク。
  2. IPトンネルルータの各々は、ホームエージェントサーバからIPトンネル設定情報を受信すると、前記IPトンネル設定情報に対応する移動端末に由来するカプセル化されたIPパケットをデカプセル化するのに必要な情報を自身に登録することを特徴とする請求の範囲第1項の移動体ネットワークにおける移動管理方式。
  3. IPトンネルルータの各々は、サービス品質を保証する機能を有しており、
    ホームエージェントサーバは、複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動した各移動端末からサービス品質に関する要求を受け付けて、前記サービス品質に関する要求を指定するサービス品質情報を前記複数のIPトンネルルータに配信し、
    前記複数のIPトンネルルータの各々は、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、前記サービス品質情報に基づいて前記IPパケットを転送することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体ネットワーク。
  4. IPパケットを一時的に蓄積する少なくとも一つのバッファをさらに備えており、
    ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの契機を認識すると、前記移動端末を最終送信先とするIPパケットを受信したなら各IPトンネルルータが前記IPパケットを前記バッファに蓄積するように、前記各IPトンネルルータおよび前記バッファを制御し、
    前記ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの終了を認識すると、前記バッファに蓄積された前記IPパケットを前記バッファから転送するように前記バッファを制御するとともに、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信したならIPトンネルルータの各々が、前記ホームエージェントサーバを介さずに、IPトンネル設定情報に基づいて前記IPパケットを転送するように前記各IPトンネルルータを制御することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体ネットワーク。
  5. IPパケットを受信すると、そのコピーを作成し、IPパケットおよびコピーをそれぞれ別の経路で送信可能なバイキャスト部をさらに備えており、
    ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの契機を認識すると、前記移動端末を最終送信先とするIPパケットを受信したなら各IPトンネルルータが前記IPパケットを前記バイキャスト部によって送信するように、前記各IPトンネルルータおよび前記バイキャスト部を制御し、前記バイキャスト部は、前記ホームエージェントの制御に従って、ハンドオフの前後で利用される二つの経路で前記IPパケットおよびそのコピーを送信し、
    前記ホームエージェントサーバは、移動端末のハンドオフの終了を認識すると、前記バイキャスト部へのIPパケットの転送を終了するように前記各IPトンネルルータを制御するとともに、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信したならIPトンネルルータの各々が、前記ホームエージェントサーバを介さずに、IPトンネル設定情報に基づいて前記IPパケットを転送するように前記各IPトンネルルータを制御することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体ネットワーク。
  6. ホームエージェントサーバが移動端末から受信した制御情報に基づいて、前記移動端末が利用可能なサブネット候補を選択し、前記サブネット候補に関連するIPトンネルルータを選択し、選択されたIPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信することを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体ネットワーク。
  7. ホームエージェントサーバが移動端末から受信した制御情報に基づいて、前記移動端末に提供されうる通信サービスを判断し、前記通信サービスを提供可能なサブネット候補を選択し、前記サブネット候補に関連するIPトンネルルータを選択し、選択されたIPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信することを特徴とする請求の範囲第6項記載の移動体ネットワーク。
  8. ホームエージェントサーバは、複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動した移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉するまで、IPトンネル設定情報を前記複数のIPトンネルルータに配信しないことを特徴とする請求の範囲第1項記載の移動体ネットワーク。
  9. ホームエージェントサーバは、複合IPネットワークを構成する他のサブネットに移動した移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉すると、送信先情報に基づいて前記IPパケットを転送することを特徴とする請求の範囲第8項記載の移動体ネットワーク。
  10. ホームエージェントサーバは、移動端末から受信した制御情報に基づいて、前記移動端末が利用可能なサブネット候補を選択し、前記サブネット候補に関連するIPトンネルルータを選択し、選択されたIPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信することを特徴とする請求の範囲第9項記載の移動体ネットワーク。
  11. ホームエージェントサーバは、選択されなかったIPトンネルルータから他のサブネットに移動した移動端末を送信先とするIPパケットを捕捉すると、前記IPトンネルルータにIPトンネル設定情報を送信することを特徴とする請求の範囲第10項記載の移動体ネットワーク。
  12. 複合IPネットワークを構成する一つのサブネットである移動体ネットワークであって、
    この移動体ネットワークに加入していないが、この移動体ネットワークからサービスの提供を受ける移動端末の識別子を管理する外部エージェントサーバと、IPトンネルルータとを備えており、
    前記外部エージェントサーバは、移動端末が前記複合IPネットワークを構成する他のサブネットからこの移動体ネットワークに移動したときに、前記移動端末への送信に必要な送信先情報を前記移動端末が本来加入しているサブネットに送信し、
    前記IPトンネルルータは、前記移動端末を送信先とするIPパケットを受信すると、前記外部エージェントサーバを介さずに、前記IPパケットを前記移動端末に転送することを特徴とする移動体ネットワーク。
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