JPWO2003068792A1 - エリスロマイシンa誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
効率的な10位天然型の11,12−サイクリックカーバメート6−O−置換ケトライド誘導体の製造方法である。
Description
技術分野
本発明は、エリスロマイシンA誘導体の製造方法に関し、更に詳しくはエリスロマイシンA 11,12−サイクリックカーバメート6−O−置換ケトライド誘導体の製造方法に関する。
背景技術
エリスロマイシンは1950年代から臨床に広く用いられてきた優れた抗菌剤であるが、酸に対して不安定な性質を有している。このエリスロマイシンが持つ弱点を克服する目的で、これまで数多くのエリスロマイシン誘導体が合成され、その内のいくつかは優れた抗生物質として臨床の場で用いられている。例えば、クラリスロマイシン(6−O−メチルエリスロマイシンA、米国特許第4,331,803号)はその優れた生物学的性質から呼吸器感染症の治療薬として広く用いられている。また最近になってマクロライド耐性菌に対しても強力な抗菌力を有するケトライドと総称される誘導体が報告されている(バイオオーガニック・アンド・メディシナルケミストリー・レタース第9巻3075−3080頁(1999年)、ジャーナル・オブ・メディシナルケミストリー第43巻1045−1049頁(2000年)、ジャーナル・オブ・アンチビオティックス第54巻664−678頁(2001年))。
これらケトライドの構造上の特徴は、エリスロマイシンAの3位クラディノースが除去されてカルボニル基に変換され、6位水酸基がアルキル化され、11,12−水酸基がサイクリックカーバメートに変換されている点である。これまで、エリスロマイシンAの3位をカルボニル基に変換した10,11−アンヒドロ−12−O−イミダゾリルカルボニル体に対して液体アンモニアあるいはアンモニア水を作用させて11,12−サイクリックカーバメート化を行うと、10位の立体化学が天然型(R配置)と非天然型(S配置)の混合物として得られることが報告されている(ジャーナル・オブ・メディシナルケミストリー第41巻4080−4100頁(1998年)、ジャーナル・オブ・メディシナルケミストリー第43巻1045−1049頁(2000年))。その結果、収率良くケトライドを製造するには3位の化学修飾前に11,12位水酸基をサイクリックカーバメート化しておく必要があった。この事によりケトライドの製造は化学修飾の順序が規制され、製造工程の長い限定されたものとなっていた。
発明の開示
本発明の目的は、エリスロマイシンA 11,12−サイクリックカーバメート誘導体の選択的且つ効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、エリスロマイシンAの3位がカルボニル基に変換された11,12−サイクリックカーボネート誘導体から導かれた10,11−アンヒドロ−12−O−アミノカルボニル体に対してある種の塩基とイミダゾール誘導体又はアルコールを組み合わせて11,12−サイクリックカーバメート化を行うことにより、選択的且つ効率的に10位天然型の11,12−サイクリックカーバメート6−O−置換ケトライド誘導体へ導く製造方法を見出し、本発明を完成した。
更に詳しくは、米国特許第5,866,549号記載の3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーボネートを原料として用い、2’位水酸基を常法により保護した化合物に変換し、11,12位のサイクリックカーボネート構造をトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム及び水素化ナトリウム等の塩基を用い、10,11−アンヒドロ体(III)へ導いた後、12位水酸基をN,N’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲン又はクロル炭酸エチル等の活性化剤を用いて活性化後、液体アンモニア、アンモニアガスあるいはアンモニア水を作用させることにより12−O−アミノカルボニル体(IV)へ導き、更に化合物(IV)を1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物及び水素化ナトリウム等の塩基とイミダゾール誘導体(イミダゾール又はメチルイミダゾール)又はアルコール(メタノール、エタノールまたはイソプロパノール)を用い、10位天然型の11,12−サイクリックカーバメート構造に変換する、非常に強い抗菌活性が報告されている3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーバメートの有用な製造方法である。
すなわち、本発明は、(A) 式
(式中、R2は、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリル基、炭素原子数5〜12からなる芳香環またはヘテロ環により置換されたアリル基を示す。)で表される化合物(I)を原料にし、2’位水酸基をR1基(R1は、アセチル基、ベンゾイル基、プロピオニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基またはt−ブチルジメチルシリル基を示す。)により保護することにより、式
(式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表される化合物(II)を製造する工程、
(B) 化合物(II)を塩基と処理することにより、式
(式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表される化合物(III)を製造する工程、
(C) 化合物(III)に活性化剤を用いて12位水酸基を活性化した後、式R3−NH2(式中、R3は水素原子、アミノ基、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基またはピリジルイミダゾリル基から選ばれる基で置換された炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)で表される化合物と反応させ、式
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)で表される化合物(IV)を製造する工程、並びに
(D) 化合物(IV)を1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物及び水素化ナトリウムの群から選ばれる1種または2種以上の化合物とイミダゾール、メチルイミダゾール、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を組み合わせて用い、サイクリックカーバメート化することにより、式
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)で表される化合物(V)を製造する工程を含む化合物(V)の製造方法である。
本発明で炭素原子数1〜4のアルキル基とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基を示す。塩基とは、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物又は水素化ナトリウムを示す。活性化剤とは、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲン又はクロル炭酸エチルを示す。式R3−NH2で表される化合物とは、アンモニア、ヒドラジン、炭素原子数1〜4のアルキルアミン又はピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基及びピリジルイミダゾリル基の群から選ばれる基で置換された炭素原子数1〜4のアルキルアミンを示す。ここで、炭素原子数1〜4のアルキルアミンとは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンまたはイソプロピルアミンを示す。
本発明は、下記反応スキームに示す製造方法に関する。米国特許第5,866,549号に記載される化合物(I)を原料にし、化合物(V)を製造する方法に関する。
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)
工程1.米国特許第5,866,549号に記載される化合物(I)を原料とし、通常の方法により2’位水酸基をR1基(R1は、前記と同じである)で保護を行い、化合物(II)を得ることができる。
工程2.化合物(II)を不活性溶媒中、0℃から溶媒の沸騰温度で、好ましくは室温から溶媒の沸騰温度下にて塩基と処理することにより化合物(III)を得る。ここで不活性溶媒としてはトルエン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及び塩化メチレン等を用いることができ、塩基としてはトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム及び水素化ナトリウム等を用いることができる。
工程3.工程2で得た化合物(III)を不活性溶媒中、−10℃から60℃の間で、好ましくは0℃から室温下にて活性化剤を用いて12位水酸基を活性化した後、同反応温度において、式R3−NH2(式中、R3は、前記と同じである。)で示される化合物と反応させ化合物(IV)を得ることができる。ここで不活性溶媒とは工程2で用いたものと同じであり、活性化剤としては、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲン及びクロル炭酸エチル等を用いることができる。式R3−NH2で示される化合物としては、アンモニア、ヒドラジン、炭素原子数1〜4のアルキルアミン又はピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基、ピリジルイミダゾリル基から選ばれる基で置換された炭素原子数1〜4のアルキルアミン等があげられ、好ましくはアンモニア、ヒドラジン、炭素原子数1〜4のアルキルアミンである。
工程4.工程3で得た化合物(IV)を不活性溶媒中、−10℃から60℃の間で、好ましくは0℃から室温下にてある種の塩基とイミダゾール誘導体又はアルコールの組み合わせを用いてサイクリックカーバメート化することにより、目的物(V)を得ることができる。ここで不活性溶媒とは工程2で用いたものと同じであり、塩基としては1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物又は水素化ナトリウムから選ばれる1種または2種以上を用いることができ、イミダゾール誘導体としては、イミダゾール又はメチルイミダゾールを用いることができ、アルコールとしてはメタノール、エタノールまたはイソプロパノールを用いることができる。これらイミダゾール誘導体又はアルコールは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。またここでアルコールを溶媒と兼用することにより11,12−サイクリックカーバメート化と2’位の脱保護を同時に行うことができ、2’位水酸化体と2’位保護体を自由に作り分けることもできる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳細に説明する。
実施例1
10,11−アンヒドロ−2’−O−ベンゾイル−3,11−ジデオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドAの製造
米国特許第5,866,549号の実施例75に記載の3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルベンゾイル化して得た化合物20.0gをテトラヒドロフラン400mLに溶解し、無水炭酸カリウム15.9g(5当量)を加え、23時間加熱還流した。放冷後析出物を濾別し(酢酸エチル200mLにて洗浄)、得られた濾液を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 アセトン:ヘキサン:トリエチルアミン=3:10:0.2〜5:10:0.2)で精製することにより、標題化合物19.8gを得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):2.03(s,3H,10−Me),4.97(dd,1H,J=10.3,2.6Hz,13−H),5.07(dd,1H,J=10.4,7.6Hz,2’−H),6.48(s,1H,11−H),8.89(d,1H,J=2.1Hz,キノリンの2位のH)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):73.5(12−C),139.8(10−C),141.1(11−C),208.3(3−C & 9−C)
ESI−MS:m/z=849.2[M+Na]+
実施例2
10,11−アンヒドロ−12−O−アミノカルボニル−2’−O−ベンゾイル−3,11−ジデオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドAの製造
実施例1で得た化合物18.6gをテトラヒドロフラン372mLに溶解させ、カルボニルジイミダゾール10.9g(3当量)と1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン342mg(0.1当量)を加え冷却下で3時間攪拌した。その後氷冷下、18.5時間アンモニアガスを通じた。室温にて、トルエン400mL、飽和食塩水100mLを加え分液し、得られた有機層を飽和食塩水100mLにて2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去することにより標題化合物20.2gを得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):1.90(s,3H,10−Me),5.82(m,1H,13−H),6.75(s,1H,11−H)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):138.3(10−C),141.1(11−C),154.4(12−O−CO−NH2)
ESI−MS:m/z=870.3[M+H]+
実施例3
2’−O−ベンゾイル−3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーバメートの製造
実施例2で得た化合物15.0gをトルエン500mLに溶解した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を無水トルエン150mLに溶解し、イミダゾール2.35g(2当量)、炭酸セシウム5.62g(1当量)を加え、室温にて3.5時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水250mLを加え分液後、水層をトルエン50mLにて2回抽出した。合わせた有機層を飽和塩化アンモニウム水50mLにて3回、飽和食塩水50mLにて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、ろ過し、溶媒を減圧下留去することにより標題化合物14.0g(収率:93.3%)を得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):2.26(s,6H,NMe2),2.88(m,1H,10−H),3.86(s,1H,11−H),5.49(s,1H,NH)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):37.2(10−C),58.1(11−C),83.4(12−C),157.6(12−O−CO−NH−11)
ESI−MS:m/z=892.4[M+Na]+
実施例4
実施例2で得た化合物500mg、炭酸セシウム56mg(0.3当量)、イミダゾール19.5mg(0.5当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物479mg(収率:95.8%)を得た。
実施例5
実施例2で得た化合物500mg、炭酸セシウム188mg(1当量)、メタノール37mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物481mg(収率:96.2%)を得た。
実施例6
実施例2で得た500mg、水酸化カリウム38mg(1当量)、イミダゾール78mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物425mg(収率:85.0%)を得た。
実施例7
実施例2で得た500mg、無水水酸化リチウム14mg(1当量)、イミダゾール78mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物464mg(収率:92.8%)を得た。
実施例8
実施例2で得た化合物500mg、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン87.5mg(1当量)、イミダゾール78mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物481mg(収率:96.2%)を得た。
実施例9
3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーバメート(米国特許第5,866,549号実施例104記載の化合物)の製造
米国特許第5,866,549号の実施例75に記載の3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーボネートを常法により2’−O−アセチル化後、実施例1及び2と同様に反応を行い得た化合物501mgに、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン9mg(0.1当量)を加え、メタノール10ml中、室温下44時間攪拌した。溶媒を減圧下留去して得られた残渣にトルエン100mLを加え、飽和食塩水10mLにて2回洗浄した。洗浄液を酢酸エチル10mLにて抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥、ろ過、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、標題化合物379mg(収率:79.8%)を得た。
実施例10−13
実施例2で得た化合物を表1に記した条件下、無水トルエン中にて反応させることにより、実施例3で得た化合物を下記の収率で得た。
本発明は、エリスロマイシンA誘導体の製造方法に関し、更に詳しくはエリスロマイシンA 11,12−サイクリックカーバメート6−O−置換ケトライド誘導体の製造方法に関する。
背景技術
エリスロマイシンは1950年代から臨床に広く用いられてきた優れた抗菌剤であるが、酸に対して不安定な性質を有している。このエリスロマイシンが持つ弱点を克服する目的で、これまで数多くのエリスロマイシン誘導体が合成され、その内のいくつかは優れた抗生物質として臨床の場で用いられている。例えば、クラリスロマイシン(6−O−メチルエリスロマイシンA、米国特許第4,331,803号)はその優れた生物学的性質から呼吸器感染症の治療薬として広く用いられている。また最近になってマクロライド耐性菌に対しても強力な抗菌力を有するケトライドと総称される誘導体が報告されている(バイオオーガニック・アンド・メディシナルケミストリー・レタース第9巻3075−3080頁(1999年)、ジャーナル・オブ・メディシナルケミストリー第43巻1045−1049頁(2000年)、ジャーナル・オブ・アンチビオティックス第54巻664−678頁(2001年))。
これらケトライドの構造上の特徴は、エリスロマイシンAの3位クラディノースが除去されてカルボニル基に変換され、6位水酸基がアルキル化され、11,12−水酸基がサイクリックカーバメートに変換されている点である。これまで、エリスロマイシンAの3位をカルボニル基に変換した10,11−アンヒドロ−12−O−イミダゾリルカルボニル体に対して液体アンモニアあるいはアンモニア水を作用させて11,12−サイクリックカーバメート化を行うと、10位の立体化学が天然型(R配置)と非天然型(S配置)の混合物として得られることが報告されている(ジャーナル・オブ・メディシナルケミストリー第41巻4080−4100頁(1998年)、ジャーナル・オブ・メディシナルケミストリー第43巻1045−1049頁(2000年))。その結果、収率良くケトライドを製造するには3位の化学修飾前に11,12位水酸基をサイクリックカーバメート化しておく必要があった。この事によりケトライドの製造は化学修飾の順序が規制され、製造工程の長い限定されたものとなっていた。
発明の開示
本発明の目的は、エリスロマイシンA 11,12−サイクリックカーバメート誘導体の選択的且つ効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、エリスロマイシンAの3位がカルボニル基に変換された11,12−サイクリックカーボネート誘導体から導かれた10,11−アンヒドロ−12−O−アミノカルボニル体に対してある種の塩基とイミダゾール誘導体又はアルコールを組み合わせて11,12−サイクリックカーバメート化を行うことにより、選択的且つ効率的に10位天然型の11,12−サイクリックカーバメート6−O−置換ケトライド誘導体へ導く製造方法を見出し、本発明を完成した。
更に詳しくは、米国特許第5,866,549号記載の3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーボネートを原料として用い、2’位水酸基を常法により保護した化合物に変換し、11,12位のサイクリックカーボネート構造をトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム及び水素化ナトリウム等の塩基を用い、10,11−アンヒドロ体(III)へ導いた後、12位水酸基をN,N’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲン又はクロル炭酸エチル等の活性化剤を用いて活性化後、液体アンモニア、アンモニアガスあるいはアンモニア水を作用させることにより12−O−アミノカルボニル体(IV)へ導き、更に化合物(IV)を1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物及び水素化ナトリウム等の塩基とイミダゾール誘導体(イミダゾール又はメチルイミダゾール)又はアルコール(メタノール、エタノールまたはイソプロパノール)を用い、10位天然型の11,12−サイクリックカーバメート構造に変換する、非常に強い抗菌活性が報告されている3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーバメートの有用な製造方法である。
すなわち、本発明は、(A) 式
(式中、R2は、炭素原子数1〜4のアルキル基、アリル基、炭素原子数5〜12からなる芳香環またはヘテロ環により置換されたアリル基を示す。)で表される化合物(I)を原料にし、2’位水酸基をR1基(R1は、アセチル基、ベンゾイル基、プロピオニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基またはt−ブチルジメチルシリル基を示す。)により保護することにより、式
(式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表される化合物(II)を製造する工程、
(B) 化合物(II)を塩基と処理することにより、式
(式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表される化合物(III)を製造する工程、
(C) 化合物(III)に活性化剤を用いて12位水酸基を活性化した後、式R3−NH2(式中、R3は水素原子、アミノ基、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基またはピリジルイミダゾリル基から選ばれる基で置換された炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)で表される化合物と反応させ、式
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)で表される化合物(IV)を製造する工程、並びに
(D) 化合物(IV)を1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物及び水素化ナトリウムの群から選ばれる1種または2種以上の化合物とイミダゾール、メチルイミダゾール、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を組み合わせて用い、サイクリックカーバメート化することにより、式
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)で表される化合物(V)を製造する工程を含む化合物(V)の製造方法である。
本発明で炭素原子数1〜4のアルキル基とは、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基を示す。塩基とは、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物又は水素化ナトリウムを示す。活性化剤とは、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲン又はクロル炭酸エチルを示す。式R3−NH2で表される化合物とは、アンモニア、ヒドラジン、炭素原子数1〜4のアルキルアミン又はピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基及びピリジルイミダゾリル基の群から選ばれる基で置換された炭素原子数1〜4のアルキルアミンを示す。ここで、炭素原子数1〜4のアルキルアミンとは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミンまたはイソプロピルアミンを示す。
本発明は、下記反応スキームに示す製造方法に関する。米国特許第5,866,549号に記載される化合物(I)を原料にし、化合物(V)を製造する方法に関する。
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)
工程1.米国特許第5,866,549号に記載される化合物(I)を原料とし、通常の方法により2’位水酸基をR1基(R1は、前記と同じである)で保護を行い、化合物(II)を得ることができる。
工程2.化合物(II)を不活性溶媒中、0℃から溶媒の沸騰温度で、好ましくは室温から溶媒の沸騰温度下にて塩基と処理することにより化合物(III)を得る。ここで不活性溶媒としてはトルエン、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及び塩化メチレン等を用いることができ、塩基としてはトリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム及び水素化ナトリウム等を用いることができる。
工程3.工程2で得た化合物(III)を不活性溶媒中、−10℃から60℃の間で、好ましくは0℃から室温下にて活性化剤を用いて12位水酸基を活性化した後、同反応温度において、式R3−NH2(式中、R3は、前記と同じである。)で示される化合物と反応させ化合物(IV)を得ることができる。ここで不活性溶媒とは工程2で用いたものと同じであり、活性化剤としては、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ホスゲン、ホスゲンダイマー、トリホスゲン及びクロル炭酸エチル等を用いることができる。式R3−NH2で示される化合物としては、アンモニア、ヒドラジン、炭素原子数1〜4のアルキルアミン又はピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基、ピリジルイミダゾリル基から選ばれる基で置換された炭素原子数1〜4のアルキルアミン等があげられ、好ましくはアンモニア、ヒドラジン、炭素原子数1〜4のアルキルアミンである。
工程4.工程3で得た化合物(IV)を不活性溶媒中、−10℃から60℃の間で、好ましくは0℃から室温下にてある種の塩基とイミダゾール誘導体又はアルコールの組み合わせを用いてサイクリックカーバメート化することにより、目的物(V)を得ることができる。ここで不活性溶媒とは工程2で用いたものと同じであり、塩基としては1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物又は水素化ナトリウムから選ばれる1種または2種以上を用いることができ、イミダゾール誘導体としては、イミダゾール又はメチルイミダゾールを用いることができ、アルコールとしてはメタノール、エタノールまたはイソプロパノールを用いることができる。これらイミダゾール誘導体又はアルコールは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。またここでアルコールを溶媒と兼用することにより11,12−サイクリックカーバメート化と2’位の脱保護を同時に行うことができ、2’位水酸化体と2’位保護体を自由に作り分けることもできる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をより詳細に説明する。
実施例1
10,11−アンヒドロ−2’−O−ベンゾイル−3,11−ジデオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドAの製造
米国特許第5,866,549号の実施例75に記載の3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルベンゾイル化して得た化合物20.0gをテトラヒドロフラン400mLに溶解し、無水炭酸カリウム15.9g(5当量)を加え、23時間加熱還流した。放冷後析出物を濾別し(酢酸エチル200mLにて洗浄)、得られた濾液を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液 アセトン:ヘキサン:トリエチルアミン=3:10:0.2〜5:10:0.2)で精製することにより、標題化合物19.8gを得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):2.03(s,3H,10−Me),4.97(dd,1H,J=10.3,2.6Hz,13−H),5.07(dd,1H,J=10.4,7.6Hz,2’−H),6.48(s,1H,11−H),8.89(d,1H,J=2.1Hz,キノリンの2位のH)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):73.5(12−C),139.8(10−C),141.1(11−C),208.3(3−C & 9−C)
ESI−MS:m/z=849.2[M+Na]+
実施例2
10,11−アンヒドロ−12−O−アミノカルボニル−2’−O−ベンゾイル−3,11−ジデオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドAの製造
実施例1で得た化合物18.6gをテトラヒドロフラン372mLに溶解させ、カルボニルジイミダゾール10.9g(3当量)と1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン342mg(0.1当量)を加え冷却下で3時間攪拌した。その後氷冷下、18.5時間アンモニアガスを通じた。室温にて、トルエン400mL、飽和食塩水100mLを加え分液し、得られた有機層を飽和食塩水100mLにて2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、濾過後減圧下溶媒を留去することにより標題化合物20.2gを得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):1.90(s,3H,10−Me),5.82(m,1H,13−H),6.75(s,1H,11−H)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):138.3(10−C),141.1(11−C),154.4(12−O−CO−NH2)
ESI−MS:m/z=870.3[M+H]+
実施例3
2’−O−ベンゾイル−3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーバメートの製造
実施例2で得た化合物15.0gをトルエン500mLに溶解した後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を無水トルエン150mLに溶解し、イミダゾール2.35g(2当量)、炭酸セシウム5.62g(1当量)を加え、室温にて3.5時間攪拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水250mLを加え分液後、水層をトルエン50mLにて2回抽出した。合わせた有機層を飽和塩化アンモニウム水50mLにて3回、飽和食塩水50mLにて洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥、ろ過し、溶媒を減圧下留去することにより標題化合物14.0g(収率:93.3%)を得た。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ(ppm):2.26(s,6H,NMe2),2.88(m,1H,10−H),3.86(s,1H,11−H),5.49(s,1H,NH)
13C NMR(125MHz,CDCl3)δ(ppm):37.2(10−C),58.1(11−C),83.4(12−C),157.6(12−O−CO−NH−11)
ESI−MS:m/z=892.4[M+Na]+
実施例4
実施例2で得た化合物500mg、炭酸セシウム56mg(0.3当量)、イミダゾール19.5mg(0.5当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物479mg(収率:95.8%)を得た。
実施例5
実施例2で得た化合物500mg、炭酸セシウム188mg(1当量)、メタノール37mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物481mg(収率:96.2%)を得た。
実施例6
実施例2で得た500mg、水酸化カリウム38mg(1当量)、イミダゾール78mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物425mg(収率:85.0%)を得た。
実施例7
実施例2で得た500mg、無水水酸化リチウム14mg(1当量)、イミダゾール78mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物464mg(収率:92.8%)を得た。
実施例8
実施例2で得た化合物500mg、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン87.5mg(1当量)、イミダゾール78mg(2当量)を用い、無水トルエン5mL中、実施例3と同様に反応を行い、実施例3で得た化合物481mg(収率:96.2%)を得た。
実施例9
3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーバメート(米国特許第5,866,549号実施例104記載の化合物)の製造
米国特許第5,866,549号の実施例75に記載の3−デオキシ−3−オキソ−6−O−(3−(3−キノリル)−2−プロペン−1−イル)−5−O−デソサミニルエリスロノライドA 11,12−サイクリックカーボネートを常法により2’−O−アセチル化後、実施例1及び2と同様に反応を行い得た化合物501mgに、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン9mg(0.1当量)を加え、メタノール10ml中、室温下44時間攪拌した。溶媒を減圧下留去して得られた残渣にトルエン100mLを加え、飽和食塩水10mLにて2回洗浄した。洗浄液を酢酸エチル10mLにて抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥、ろ過、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することにより、標題化合物379mg(収率:79.8%)を得た。
実施例10−13
実施例2で得た化合物を表1に記した条件下、無水トルエン中にて反応させることにより、実施例3で得た化合物を下記の収率で得た。
Claims (1)
- (A) 式
(式中、R2は炭素原子数1〜4のアルキル基、アリル基、炭素原子数5〜12からなる芳香環またはヘテロ環により置換されたアリル基を示す。)で表される化合物(I)を原料にし、2’位水酸基をR1基(R1は、アセチル基、ベンゾイル基、プロピオニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基を示す)により保護することにより、式
(式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表される化合物(II)を製造する工程、
(B) 化合物(II)を塩基と処理することにより、式
(式中、R1及びR2は前記と同じである。)で表される化合物(III)を製造する工程、
(C) 化合物(III)に活性化剤を用いて12位水酸基を活性化した後、式R3−NH2(式中、R3は、水素原子、アミノ基、炭素原子数1〜4のアルキル基もしくはピリジル基、キノリル基、イミダゾリル基またはピリジルイミダゾリル基から選ばれる基で置換された炭素原子数1〜4のアルキル基を示す。)で表される化合物と反応させ、式
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)で表される化合物(IV)を製造する工程、並びに
(D) 化合物(IV)を1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセ−7−エン、炭酸セシウム、水酸化リチウム、水酸化リチウム水和物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化バリウム水和物及び水素化ナトリウムの群から選ばれる1種または2種以上の化合物とイミダゾール、メチルイミダゾール、メタノール、エタノール及びイソプロパノールの群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を組み合わせて用い、サイクリックカーバメート化することにより、式
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じである。)で表される化合物(V)を製造する工程を含む化合物(V)の製造方法。
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