JPWO2003064668A1 - 新規微生物、その産生物及びその利用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、良好なメラニン生成抑制作用を有する(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを産生する新規な微生物エンテロバクター エスピー(Enterobacter sp.)B20株および同菌株により産生されるα−L−ラムノピラノシド化合物を提供する。本発明に係る新規微生物は、土壌より分離されたグラム陰性の桿菌であり、極鞭毛により運動性を有する。好気的条件下、培養温度は10〜37℃、培地のpHは約5〜9、通常1〜7日程度培養することにより産生されるα−L−ラムノピラノシド化合物は、安全性が高く、安定な美白剤として有用である。
Description
技術分野
本発明はチロシナーゼ阻害活性に基づくメラニン産生抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着、シミ、ソバカス、肝斑等の予防および改善に有効な新規化合物(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを産生する能力を有する新規微生物、並びに同微生物が産生するチロシナーゼ阻害活性に基づくメラニン産生抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着、シミ、ソバカス、肝斑等の予防および改善に有効な新規化合物、及びこれを含有する皮膚外用薬、殊に美白剤に関するものである。
背景技術
皮膚の色素沈着には、シミやソバカス等から肝斑等の皮膚病によるものまで様々なものがある。これらの作用機序としては、一般的に日焼けやホルモン異常等により、表皮細胞に存在する細胞メラノサイトにおいて生成された色素メラニンが隣接細胞に拡散・沈着するものと考えられている。このメラノサイトでのメラニン生成の第一段階である酵素チロシナーゼの生成を抑制すること、あるいは酵素チロシナーゼを直接阻害することがメラニン色素産生の抑制に重要である。従来より用いられてきたコウジ酸やアルブチンは、本作用を有する代表的な薬剤である。また、酵素チロシナーゼの作用により生じたドーパやドーパキノンから酵素的または非酵素的酸化作用でメラニンが生成するが、その過程を阻害することもメラニン生成の抑制に有効である。その代表的な薬剤として、アスコルビン酸、ハイドロキノン等がある。
しかしながら、従来の薬剤では必ずしも充分な効果が得られていないのが実情である。化粧料あるいは皮膚外用剤の原料として、今なお安全性が高く、良好なメラニン産生抑制作用を有する美白剤の創製が望まれている。
発明の開示
本発明者らは、天然に存在する多くの微生物が産生する物質につき、鋭意検討した結果、エンテロバクター属に属する新種の微生物が、優れたチロシナーゼ阻害活性及びメラニン産生抑制作用を有する物質を産生することを見出した。そして、該微生物の培養物から新規な(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシド(以下、化合物(I)と略記する)を単離することに成功した。次いで、この化合物(I)が優れた色素沈着の予防および改善効果を有し、本化合物を配合することにより良好な美白効果を発揮する安全性の高い美白剤が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第一に、メラニン産生抑制作用を有し、美白剤として有用な(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドまたはその塩、第二に、これを含有する皮膚外用剤、特に美白剤、第三に、(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを産生する能力を有する新規微生物エンテロバクター エスピー(Enterobacter sp.)B20株に関する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明につき詳述する。
本発明に係る新規微生物は、土壌より分離されたエンテロバクター(Enterobacter)属に属する細菌であり、次の菌学的性状を有する。
1)形態的性質
本菌株は、グラム陰性の桿菌であり、極鞭毛により運動性を有する。細胞の大きさは0.8〜1.1×1.0〜2.2μmである。胞子の形成は認められない。
2)培養的性質
肉汁寒天培地上で、薄黄茶色のコロニーを形成する。コロニーは円形で表面はスムースである。肉汁液体培養では、培地表面に皮膜を形成し、培地全体が混濁した。肉汁ゼラチン穿刺培養で、ゼラチンの液化は認められなかった。リトマスミルクでの培養では、1週間培養後、凝固およびペプトン化は認められなかった。
3)生理学的性質
B20株の生理的性質(1)
先ず、本菌株の生理的特性等について、表1にまとめて示す。
B20株の生理的性質(2)
次に、各種糖類からの酸産生の特性について、表2としてまとめて示す。
B20株の生理的性質(3)
炭素源の資化性について、表3として、まとめて示す。
以上の微生物学的性質をまとめると、本菌株はグラム陰性の通性嫌気性桿菌で運動性を有する。生育温度範囲は10〜37℃で、硝酸塩の還元、脱窒反応、MR試験、クエン酸の利用性、カタラーゼ試験が陽性である。L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−マンノース、D−フルクトース、D−マンニトール、D−ガラクトース、マルトース、トレハロース、ラクトース、サリシン、グリセリン、セロビオースより酸を産生し、OFテストの結果は発酵型である。一方、VP試験、インドールの生成、硫化水素の生成、ウレアーゼ、オキシダーゼ試験、アルギニン分解反応の結果は陰性である。
上記の性質に基づき、バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジィ(Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology,1989)及びその他の文献によって検索した結果、本菌株はエンテロバクター(Enterobacter)属に属する細菌であると判断し、エンテロバクター・エスピー(Enterobacter sp.)B20株と命名した。
なお、本菌株は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に2001年12月25日に受託番号FERM P−18666号として寄託され、2002年12月26日にブダペスト条約に基づく寄託への移管請求をし、受託番号FERM BP−8266号として受託されている。また、微生物は人工的に又は自然に変異を容易に起こすので、本発明において用いられるエンテロバクター・エスピー(Enterobacter sp.)B20株には、天然から分離された微生物の他に、これに紫外線、X線、化学薬剤などで人工的に変異させた変異株のみならず天然変異株をも包含するものであることはいうまでもない。
次に、エンテロバクター・エスピー B20株を培養して本発明化合物(I)を産生する方法について説明する。
すなわち、本発明化合物(I)またはその塩は、エンテロバクター属に属し、本発明化合物(I)の生産能を有する微生物、例えばエンテロバクター・エスピーB20FERMP−18666号菌株またはその変異株を培養することによって得られる。培養は一般微生物の培養方法に準じて行われる。
培養に用いられる培地としては、エンテロバクター属に属し、本発明化合物(I)の生産能を有する微生物、例えば、エンテロバクター・エスピーB20株が利用する栄養源を含有する培地であればよく、合成培地、半合成培地または天然培地が用いられる。培地に添加する栄養物として公知のものを使用できる。培地の組成は、例えば炭素源としてはL−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−フラクトース、L−ラムノース、D−マンニトール、マンノース、ラクトース、D−ガラクトース、マルトース、トレハロース、サリシン、デンプン、ブドウ糖、デキストリン、グリセリン、植物油等が挙げられる。窒素源としては肉エキス、ペプトン、グルテンミール、綿実粕、大豆粉、落花生粉、魚粉、コーンスチーブリカー、乾燥酵母、酵母エキス、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿酸その他の有機、無機の窒素源が用いられる。また、金属塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄、コバルトなどの硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩などが必要に応じて添加される。さらに、必要に応じてメチオニン、システイン、シスチン、チオ硫酸塩、オレイン酸メチル、ラード油、シリコン油、界面活性剤などの生成促進物質または消泡剤を添加することもできる。
培養条件としては好気的条件下で培養するのが一般的に有利で、培養温度は10〜37℃(上記生理学的性質の記載参照)の範囲、好ましくは20〜32℃付近で行われる。培地のpHは約5〜9、好ましくは約5〜8の範囲に調整すると好結果が得られる。培養期間は培地の組成、温度条件に応じて適宜設定されるが、通常1〜7日程度、好ましくは2〜5日程度である。
培養物より目的とする本発明物質を単離するには、微生物が産生する代謝産物に用いる通常の抽出、精製の手段が適宜利用できる。例えば培養物質中の該物質は培養液をそのままか、又は遠心分離あるいは培養物に濾過助剤を加えて濾過して得られた培養液に酢酸エチル等の水と混和しない有機溶剤を加えて抽出する。また、培養液を適宜坦体に接触させ、濾液中の生産物質を吸着させ、次いで適当な溶媒で溶出することにより該物質を抽出することができる。例えば、アンバーライトXAD−2、ダイヤイオンHP−20、ダイヤイオンCHP−20、又はダイヤイオンSP−900のような多孔性吸着樹脂に接触させて該物質を吸着させる。次いでメタノール、エタノール、アセトン、ブタノール、アセトニトリル等の有機溶媒と水の混合液を用いて該物質を溶出させる。このときの有機溶媒の混合比率を低濃度より段階的に又は連続的に高濃度まで上げていくことにより、該物質を含む画分を得ることができる。酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶媒で抽出する場合には、培養濾液にこれらの溶媒を加え、良く振とうし、該物質を抽出する。次に、上記の各操作法を用いて得た該物質含有画分は、シリカゲル、ODS等を用いたカラムクロマトグラフィー、遠心液々分配クロマトグラフィー、ODSを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の定法により、さらに純粋に分離精製することができる。すなわち、メラニン産生抑制活性を指標として、適当な溶剤に対する溶解性及び溶解度の差等を利用する一般の生理活性物質の製造に用いられる手段によって、分離、精製される。これらの方法は必要に応じて単独に用いられ、又は任意の順序に組合せ、反復して適用できる。
本発明化合物(I)は、酸と塩を形成する。酸とは無機酸又は有機酸であり、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸もしくはリン酸等との無機酸、又はギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸等との酸付加塩が挙げられる。また、本発明には本発明化合物(I)またはその塩の水和物、各種溶媒和物、互変異性体及び不斉炭素に基づく立体異性体などの関連物質の全てが含まれる。さらに本発明化合物(I)またはその塩は結晶多形を有する場合もあり、本発明にはこれらの結晶形も全て含まれる。
本発明の皮膚外用剤は、常法により、化粧料、医薬部外品、医薬品などのあらゆる形態に調製することができる。その具体例としては、例えば、クリーム、乳液、化粧水、ファンデーション、パック、ローション、ゲル、溶液、スティックなどの形態を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤は、本発明化合物(I)またはその塩を皮膚外用剤全量中、0.00001〜10重量%、特に0.001〜1重量%の量で含有するのが好ましい。0.00001重量%未満では皮膚美白効果に乏しく、10重量%を超えて配合しても効果の増加は望めない。
本発明の皮膚外用剤は、本発明化合物(I)またはその塩に加えて、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品などに用いられる各種任意成分、例えば、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、顔料、粉体、pH調整剤、薬効成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料などを適宜配合することができる。
(実施例)
以下、実施例にて具体的に本発明化合物(I)の産生について説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
グルコース10g、ポテトスターチ20g、ポリペプトン5g、酵母エキス5g、炭酸カルシウム4g、蒸留水1Lを含む培地(pH7.0)を100mlずつ500ml容の三角フラスコに分注し、120℃で20分間滅菌した。ベネット寒天培地に良く生育させたエンテロバクター・エスピーB20株を掻き取って接種し、28℃、220回転/分の条件で3日間振とう培養し、種培養液とした。次にグリセロール40g、コーンスティープリカー30g、硝酸ナトリウム4g、炭酸カルシウム2g、硫酸マグネシウム7水和物0.2g、蒸留水1Lを含む培地(pH5.5)を100mlずつ500ml容の三角フラスコに分注し、120℃で20分間滅菌した。この培地200本に前記種培養液を3mlずつ接種し、28℃、220回転/分の条件で5日間、振とう培養を行った。
このようにして得られた培養液20Lをシャープレス型遠心機で菌体と培養上清に分離した。上清をpH7に調整した後に酢酸エチル10Lにて抽出した。一方、菌体は80%アセトン水20Lを添加し、3時間攪拌を行った。これに珪藻土を加えて吸引ろ過し、得られたアセトン溶液を減圧下で濃縮しアセトンを留去した。この濃縮液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を濃縮乾固した。次に、菌体と上清から得た酢酸エチル抽出物(8.4g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Silica gel 60,70−230 mesh ASTM,Merck)に供し、クロロホルム−メタノール(100:1, 20:1, 10:1)で順次溶出した。メラニン産生抑制物質が含まれる活性分画を濃縮乾固して、粗物質(1.2g)を得た。この粉末をOasisHLB固相抽出カートリッジ6g/35ccに通塔し、蒸留水(70ml)及び50%メタノール(70ml)で洗浄後、100%メタノール(70ml)にて活性物質を溶出し、濃縮乾固して活性粉末(517mg)を得た。この粉末をHPLC(Sensyu Pack Pegasil ODS;20 i.d.×250mm)に供し、アセトニトリル−水(30:70)で溶出し、活性を有するピークを分取し、この分画を濃縮乾固して、下式、化1式で示される(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを白色粉末(110mg)として得た。
即ち、本発明化合物(I)は、
で表されるグリコシドである。
上記化1式で表される本発明化合物(I)の物理化学的性質は、以下に示す通りである。
色及び形状:白色粉末
旋光度:[α]D 25−142°(c 0.1, メタノール)
分子式: C15H17O5N
高分解能FABマススペクトラム:
Found 292.1187(M+H)−
Calcd 292.1185(M+H)+
紫外可視吸収スペクトラム(λmax MeOHnm(ε)): 210(15,000),221(15,000),281(26,000)
赤外吸収スペクトラム(νmax(KBr)cm−1):図1に示す通り
1H−NMRスペクトラム(400MHz,CD3OD):図2に示す通り
13C−NMRスペクトラム(100MHz,CD3OD):図3に示す通り
実施例2
本発明化合物(I)のマッシュルーム由来チロシナーゼに対する阻害活性、B16メラノーマ由来チロシナーゼに対する阻害活性、及びB16メラノーマのメラニン産生能に対する抑制効果を以下の方法で確認した。
マッシュルーム由来チロシナーゼに対する阻害活性測定法
マッシュルーム由来チロシナーゼ(Sigma)を20U/mlになるように0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)で溶解した。L−dopaを0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)で0.3mg/mlに調整した。96穴プレートにL−dopa液30μlと種々の濃度の本発明化合物(I)溶液30μlを入れ、手早くマッシュルーム由来チロシナーゼ液30μlを混合した。25℃で10分間インキュベート後、450nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーにて測定した。
B16メラノーマ由来チロシナーゼに対する阻害活性測定法
液体窒素中に凍結保存した約2.0×105/アンプルのB16メラノーマ細胞株を37℃の水浴中で溶解し、ただちに10mlの培地中に懸濁した。800rpm、5分間遠心を行い、その上清を捨て、新しい10mlの培地を添加して細胞を懸濁した。再度同じ条件で遠心を行い、その上清を捨て新しい培地で懸濁した。
この細胞を約4.0×105ずつ75cm2のフラスコに播種した。37℃、5%CO2下で2〜3日ごとに培地を交換しながら一週間培養を続けた。サブコンフルエント状態になった細胞の培地を捨て、PBS(−)で培養細胞表面を洗った後、0.25%トリプシンを用いて細胞をはがした。血清入り培地を入れてトリプシンの反応を止め、ピペッティングにて細胞をほぐしてから遠心チューブに細胞懸濁液を移した。800rpm、5分間遠心後、上清を捨て、新しい培地に細胞を懸濁した。血球計算盤を用いて細胞数を求めた。
この細胞5×105個を175cm2のフラスコに播種し、37℃、5%CO2下で5日間培養を行った。コンフルエントになったところで培養培地を捨て、細胞表面をPBS(−)で洗った後、0.25%トリプシンを用いて細胞をはがし、血清入り培地を入れてトリプシンの反応を止めた。ピペッティングにより細胞をほぐし、50mlのコニカルチューブに細胞懸濁液を集め、800rpm、5分間遠心を行った。上清を捨て、PBS(−)に細胞を懸濁し、再度PBS(−)で洗った。0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)に懸濁し直して、氷中でホモジナイザーを使って細胞をつぶした。1.5mlのサンプルチューブに等量づつ細胞液を分注し、4℃、12000rpm、15分間遠心した。上清を集めて氷中で使用時まで保存した(粗酵素液)。
L−dopaを0.05M リン酸緩衝液(pH 6.8)で0.8mg/mlに調製した。L−dopa液0.25ml、種々の濃度の本発明化合物(I)溶液0.25ml、粗酵素液0.5mlを加え、手早く混合して、25℃で2時間インキュベート後、475nmにおける吸光度を測定した。
B16メラノーマのメラニン産生能に対する抑制活性測定法
液体窒素中に凍結保存した約2.0×105/アンプルのB16メラノーマ細胞株を37℃の水浴中で溶解し、ただちに10mlの培地中に懸濁した。800rpm、5分間遠心を行い、その上清を捨て、新しい10mlの培地を添加して細胞を懸濁した。再度同じ条件で遠心を行い、その上清を捨て新しい培地で懸濁した。
この細胞を約4.0×105ずつ75cm2のフラスコに播種した。37℃、5%CO2下で2〜3日ごとに培地を交換しながら一週間培養を続けた。サブコンフルエント状態になった細胞の培地を捨て、PBS(−)で培養細胞表面を洗った後、0.25%トリプシンを用いて細胞をはがした。血清入り培地を入れてトリプシンの反応を止め、ピペッティングにて細胞をほぐしてから遠心チューブに細胞懸濁液を移した。800rpm、5分間遠心後、上清を捨て、新しい培地(フェノールレッドを含まない)に細胞を懸濁した。血球計算盤を用いて細胞数を求めた。
2×105個/mlになるように細胞液を培地(フェノールレッドを含まない)で希釈し、96穴プレートに100μlずつ播種した。37℃、5%CO2下で1日培養を行った。種々の濃度の本発明化合物(I)溶液を培地(フェノールレッドを含まない)で調製し、96穴プレートに100μlずつ添加した。37℃、5%CO2下で5日間培養し、下記方法にて評価を行った。
(評価方法)
1.細胞外メラニン量
培地を泡立てないように150μl/wellずつアッセイプレートに移し、マイクロプレートリーダーにてOD450を測定した。
2.細胞内メラニン量
細胞の入っているプレートを反転し残っている培地を捨てた。0.1N NaOH−0.1%tritonX−100を150μl/wellずつ添加し、ピペッティングで溶解した。100μl/wellずつアッセイプレートに移し、マイクロプレートリーダーにてOD450を測定した。
3.タンパク量
アッセイプレートに156μlずつ蒸留水を入れ、細胞内メラニン量の測定において溶解した細胞液の残りのうち4μlずつをこれに添加した。Bio−rad protein assay die solutionを40μl/wellずつ添加し、2分間振とうした。5分間放置後、マイクロプレートリーダーにてOD590を測定した。
それぞれの測定結果は、表4にまとめて示す。本発明化合物(I)は、良好なチロシナーゼ阻害活性並びにメラニン産生抑制作用を有していた。また、これらの美白作用が明らかに認められる濃度において、顕微鏡下での細胞の形態変化、細胞数の増殖及び細胞の蛋白量への影響は認められなかった。
実施例3
本発明化合物(I)の美白効果を以下の方法で測定した。
被験者20名を夏期の午前11時から午後1時まで、2日間にわたり太陽光に計4時間晒した。晒された被験者の上腕内側部皮膚を対象として、太陽光に晒された日から5日後に、下記表5および表6に示す処方で調製した水相、アルコール相を混合して可溶化して調製した各試料を朝夕1回づつ4週間塗布した。
4週間経過後に、各被験者について、美白効果を判定した。なお、効果の判定は、下記の基準に従って行った。
◎:被験者のうち著効および有効の示す割合が80%以上の場合
○:被験者のうち著効および有効の示す割合が50〜80%の場合
△:被験者のうち著効および有効の示す割合が30〜50%の場合
×:被験者のうち著効および有効の示す割合が30%未満の場合
判定の結果は、下記の表7に示す。
表7に示す如く、本発明化合物(I)を含有する組成物には、対照に使用した薬剤に比較して、より少ない用量で同等〜優れたメラニン色素沈着防止作用が認められた。なお、本発明化合物投与群においては、被験者に、紅斑や浮腫等の皮膚の異常は認められず、また、本発明化合物投与に起因すると考えられる副作用等も全く認められなかった。
実施例4
本発明化合物(I)について、下記表8、9および10に示す成分からなる3種類の処方を混合して乳液を調製した。
成分Aを加熱溶解し、80℃に保持する。別に80℃に加熱溶解した成分Bを成分Aに加え、十分混合する。撹拌しながら冷却を行い、50℃にて成分Cを加え、乳液を得た。
実施例5
本発明物質について、下記表11に示す処方の化粧水を調製した。
全成分を室温にて撹拌、混合して均一な溶液とし、pH5.5に調整して化粧水を得た。
実施例6
本発明化合物(I)について下記表12に示す処方のクリームを調製した。
精製水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化してクリームを得た。
実施例4〜6で得られた皮膚外用剤はいずれも美白効果試験において効果が認められた。
産業上の利用可能性
本発明によれば、良好なメラニン産生抑制作用を有する(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを産生する新規な菌株が提供される。また、この菌株(変異株を含む)により産生される(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドは、日焼け後の色素沈着、シミ、ソバカスおよび肝斑などの淡色化および美白に優れた効果を有すると共に安全性にも優れ良好な美白剤となることが期待される化合物である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明化合物の赤外吸収スペクトラム(νmax(KBr)cm−1)を示す。
図2は、本発明化合物1H−NMRスペクトラムを示す。
図3は、本発明化合物13C−NMRスペクトラムを示す。
本発明はチロシナーゼ阻害活性に基づくメラニン産生抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着、シミ、ソバカス、肝斑等の予防および改善に有効な新規化合物(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを産生する能力を有する新規微生物、並びに同微生物が産生するチロシナーゼ阻害活性に基づくメラニン産生抑制作用を有し、日焼け後の色素沈着、シミ、ソバカス、肝斑等の予防および改善に有効な新規化合物、及びこれを含有する皮膚外用薬、殊に美白剤に関するものである。
背景技術
皮膚の色素沈着には、シミやソバカス等から肝斑等の皮膚病によるものまで様々なものがある。これらの作用機序としては、一般的に日焼けやホルモン異常等により、表皮細胞に存在する細胞メラノサイトにおいて生成された色素メラニンが隣接細胞に拡散・沈着するものと考えられている。このメラノサイトでのメラニン生成の第一段階である酵素チロシナーゼの生成を抑制すること、あるいは酵素チロシナーゼを直接阻害することがメラニン色素産生の抑制に重要である。従来より用いられてきたコウジ酸やアルブチンは、本作用を有する代表的な薬剤である。また、酵素チロシナーゼの作用により生じたドーパやドーパキノンから酵素的または非酵素的酸化作用でメラニンが生成するが、その過程を阻害することもメラニン生成の抑制に有効である。その代表的な薬剤として、アスコルビン酸、ハイドロキノン等がある。
しかしながら、従来の薬剤では必ずしも充分な効果が得られていないのが実情である。化粧料あるいは皮膚外用剤の原料として、今なお安全性が高く、良好なメラニン産生抑制作用を有する美白剤の創製が望まれている。
発明の開示
本発明者らは、天然に存在する多くの微生物が産生する物質につき、鋭意検討した結果、エンテロバクター属に属する新種の微生物が、優れたチロシナーゼ阻害活性及びメラニン産生抑制作用を有する物質を産生することを見出した。そして、該微生物の培養物から新規な(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシド(以下、化合物(I)と略記する)を単離することに成功した。次いで、この化合物(I)が優れた色素沈着の予防および改善効果を有し、本化合物を配合することにより良好な美白効果を発揮する安全性の高い美白剤が得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第一に、メラニン産生抑制作用を有し、美白剤として有用な(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドまたはその塩、第二に、これを含有する皮膚外用剤、特に美白剤、第三に、(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを産生する能力を有する新規微生物エンテロバクター エスピー(Enterobacter sp.)B20株に関する。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明につき詳述する。
本発明に係る新規微生物は、土壌より分離されたエンテロバクター(Enterobacter)属に属する細菌であり、次の菌学的性状を有する。
1)形態的性質
本菌株は、グラム陰性の桿菌であり、極鞭毛により運動性を有する。細胞の大きさは0.8〜1.1×1.0〜2.2μmである。胞子の形成は認められない。
2)培養的性質
肉汁寒天培地上で、薄黄茶色のコロニーを形成する。コロニーは円形で表面はスムースである。肉汁液体培養では、培地表面に皮膜を形成し、培地全体が混濁した。肉汁ゼラチン穿刺培養で、ゼラチンの液化は認められなかった。リトマスミルクでの培養では、1週間培養後、凝固およびペプトン化は認められなかった。
3)生理学的性質
B20株の生理的性質(1)
先ず、本菌株の生理的特性等について、表1にまとめて示す。
B20株の生理的性質(2)
次に、各種糖類からの酸産生の特性について、表2としてまとめて示す。
B20株の生理的性質(3)
炭素源の資化性について、表3として、まとめて示す。
以上の微生物学的性質をまとめると、本菌株はグラム陰性の通性嫌気性桿菌で運動性を有する。生育温度範囲は10〜37℃で、硝酸塩の還元、脱窒反応、MR試験、クエン酸の利用性、カタラーゼ試験が陽性である。L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−マンノース、D−フルクトース、D−マンニトール、D−ガラクトース、マルトース、トレハロース、ラクトース、サリシン、グリセリン、セロビオースより酸を産生し、OFテストの結果は発酵型である。一方、VP試験、インドールの生成、硫化水素の生成、ウレアーゼ、オキシダーゼ試験、アルギニン分解反応の結果は陰性である。
上記の性質に基づき、バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジィ(Bergey’s Manual of Systematic Bacteriology,1989)及びその他の文献によって検索した結果、本菌株はエンテロバクター(Enterobacter)属に属する細菌であると判断し、エンテロバクター・エスピー(Enterobacter sp.)B20株と命名した。
なお、本菌株は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に2001年12月25日に受託番号FERM P−18666号として寄託され、2002年12月26日にブダペスト条約に基づく寄託への移管請求をし、受託番号FERM BP−8266号として受託されている。また、微生物は人工的に又は自然に変異を容易に起こすので、本発明において用いられるエンテロバクター・エスピー(Enterobacter sp.)B20株には、天然から分離された微生物の他に、これに紫外線、X線、化学薬剤などで人工的に変異させた変異株のみならず天然変異株をも包含するものであることはいうまでもない。
次に、エンテロバクター・エスピー B20株を培養して本発明化合物(I)を産生する方法について説明する。
すなわち、本発明化合物(I)またはその塩は、エンテロバクター属に属し、本発明化合物(I)の生産能を有する微生物、例えばエンテロバクター・エスピーB20FERMP−18666号菌株またはその変異株を培養することによって得られる。培養は一般微生物の培養方法に準じて行われる。
培養に用いられる培地としては、エンテロバクター属に属し、本発明化合物(I)の生産能を有する微生物、例えば、エンテロバクター・エスピーB20株が利用する栄養源を含有する培地であればよく、合成培地、半合成培地または天然培地が用いられる。培地に添加する栄養物として公知のものを使用できる。培地の組成は、例えば炭素源としてはL−アラビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−フラクトース、L−ラムノース、D−マンニトール、マンノース、ラクトース、D−ガラクトース、マルトース、トレハロース、サリシン、デンプン、ブドウ糖、デキストリン、グリセリン、植物油等が挙げられる。窒素源としては肉エキス、ペプトン、グルテンミール、綿実粕、大豆粉、落花生粉、魚粉、コーンスチーブリカー、乾燥酵母、酵母エキス、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿酸その他の有機、無機の窒素源が用いられる。また、金属塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉄、コバルトなどの硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩などが必要に応じて添加される。さらに、必要に応じてメチオニン、システイン、シスチン、チオ硫酸塩、オレイン酸メチル、ラード油、シリコン油、界面活性剤などの生成促進物質または消泡剤を添加することもできる。
培養条件としては好気的条件下で培養するのが一般的に有利で、培養温度は10〜37℃(上記生理学的性質の記載参照)の範囲、好ましくは20〜32℃付近で行われる。培地のpHは約5〜9、好ましくは約5〜8の範囲に調整すると好結果が得られる。培養期間は培地の組成、温度条件に応じて適宜設定されるが、通常1〜7日程度、好ましくは2〜5日程度である。
培養物より目的とする本発明物質を単離するには、微生物が産生する代謝産物に用いる通常の抽出、精製の手段が適宜利用できる。例えば培養物質中の該物質は培養液をそのままか、又は遠心分離あるいは培養物に濾過助剤を加えて濾過して得られた培養液に酢酸エチル等の水と混和しない有機溶剤を加えて抽出する。また、培養液を適宜坦体に接触させ、濾液中の生産物質を吸着させ、次いで適当な溶媒で溶出することにより該物質を抽出することができる。例えば、アンバーライトXAD−2、ダイヤイオンHP−20、ダイヤイオンCHP−20、又はダイヤイオンSP−900のような多孔性吸着樹脂に接触させて該物質を吸着させる。次いでメタノール、エタノール、アセトン、ブタノール、アセトニトリル等の有機溶媒と水の混合液を用いて該物質を溶出させる。このときの有機溶媒の混合比率を低濃度より段階的に又は連続的に高濃度まで上げていくことにより、該物質を含む画分を得ることができる。酢酸エチル、クロロホルム等の有機溶媒で抽出する場合には、培養濾液にこれらの溶媒を加え、良く振とうし、該物質を抽出する。次に、上記の各操作法を用いて得た該物質含有画分は、シリカゲル、ODS等を用いたカラムクロマトグラフィー、遠心液々分配クロマトグラフィー、ODSを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の定法により、さらに純粋に分離精製することができる。すなわち、メラニン産生抑制活性を指標として、適当な溶剤に対する溶解性及び溶解度の差等を利用する一般の生理活性物質の製造に用いられる手段によって、分離、精製される。これらの方法は必要に応じて単独に用いられ、又は任意の順序に組合せ、反復して適用できる。
本発明化合物(I)は、酸と塩を形成する。酸とは無機酸又は有機酸であり、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸もしくはリン酸等との無機酸、又はギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸等との酸付加塩が挙げられる。また、本発明には本発明化合物(I)またはその塩の水和物、各種溶媒和物、互変異性体及び不斉炭素に基づく立体異性体などの関連物質の全てが含まれる。さらに本発明化合物(I)またはその塩は結晶多形を有する場合もあり、本発明にはこれらの結晶形も全て含まれる。
本発明の皮膚外用剤は、常法により、化粧料、医薬部外品、医薬品などのあらゆる形態に調製することができる。その具体例としては、例えば、クリーム、乳液、化粧水、ファンデーション、パック、ローション、ゲル、溶液、スティックなどの形態を挙げることができる。
本発明の皮膚外用剤は、本発明化合物(I)またはその塩を皮膚外用剤全量中、0.00001〜10重量%、特に0.001〜1重量%の量で含有するのが好ましい。0.00001重量%未満では皮膚美白効果に乏しく、10重量%を超えて配合しても効果の増加は望めない。
本発明の皮膚外用剤は、本発明化合物(I)またはその塩に加えて、通常の化粧料、医薬部外品、医薬品などに用いられる各種任意成分、例えば、油剤、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、顔料、粉体、pH調整剤、薬効成分、紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料などを適宜配合することができる。
(実施例)
以下、実施例にて具体的に本発明化合物(I)の産生について説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
グルコース10g、ポテトスターチ20g、ポリペプトン5g、酵母エキス5g、炭酸カルシウム4g、蒸留水1Lを含む培地(pH7.0)を100mlずつ500ml容の三角フラスコに分注し、120℃で20分間滅菌した。ベネット寒天培地に良く生育させたエンテロバクター・エスピーB20株を掻き取って接種し、28℃、220回転/分の条件で3日間振とう培養し、種培養液とした。次にグリセロール40g、コーンスティープリカー30g、硝酸ナトリウム4g、炭酸カルシウム2g、硫酸マグネシウム7水和物0.2g、蒸留水1Lを含む培地(pH5.5)を100mlずつ500ml容の三角フラスコに分注し、120℃で20分間滅菌した。この培地200本に前記種培養液を3mlずつ接種し、28℃、220回転/分の条件で5日間、振とう培養を行った。
このようにして得られた培養液20Lをシャープレス型遠心機で菌体と培養上清に分離した。上清をpH7に調整した後に酢酸エチル10Lにて抽出した。一方、菌体は80%アセトン水20Lを添加し、3時間攪拌を行った。これに珪藻土を加えて吸引ろ過し、得られたアセトン溶液を減圧下で濃縮しアセトンを留去した。この濃縮液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を濃縮乾固した。次に、菌体と上清から得た酢酸エチル抽出物(8.4g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Silica gel 60,70−230 mesh ASTM,Merck)に供し、クロロホルム−メタノール(100:1, 20:1, 10:1)で順次溶出した。メラニン産生抑制物質が含まれる活性分画を濃縮乾固して、粗物質(1.2g)を得た。この粉末をOasisHLB固相抽出カートリッジ6g/35ccに通塔し、蒸留水(70ml)及び50%メタノール(70ml)で洗浄後、100%メタノール(70ml)にて活性物質を溶出し、濃縮乾固して活性粉末(517mg)を得た。この粉末をHPLC(Sensyu Pack Pegasil ODS;20 i.d.×250mm)に供し、アセトニトリル−水(30:70)で溶出し、活性を有するピークを分取し、この分画を濃縮乾固して、下式、化1式で示される(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを白色粉末(110mg)として得た。
即ち、本発明化合物(I)は、
で表されるグリコシドである。
上記化1式で表される本発明化合物(I)の物理化学的性質は、以下に示す通りである。
色及び形状:白色粉末
旋光度:[α]D 25−142°(c 0.1, メタノール)
分子式: C15H17O5N
高分解能FABマススペクトラム:
Found 292.1187(M+H)−
Calcd 292.1185(M+H)+
紫外可視吸収スペクトラム(λmax MeOHnm(ε)): 210(15,000),221(15,000),281(26,000)
赤外吸収スペクトラム(νmax(KBr)cm−1):図1に示す通り
1H−NMRスペクトラム(400MHz,CD3OD):図2に示す通り
13C−NMRスペクトラム(100MHz,CD3OD):図3に示す通り
実施例2
本発明化合物(I)のマッシュルーム由来チロシナーゼに対する阻害活性、B16メラノーマ由来チロシナーゼに対する阻害活性、及びB16メラノーマのメラニン産生能に対する抑制効果を以下の方法で確認した。
マッシュルーム由来チロシナーゼに対する阻害活性測定法
マッシュルーム由来チロシナーゼ(Sigma)を20U/mlになるように0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)で溶解した。L−dopaを0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)で0.3mg/mlに調整した。96穴プレートにL−dopa液30μlと種々の濃度の本発明化合物(I)溶液30μlを入れ、手早くマッシュルーム由来チロシナーゼ液30μlを混合した。25℃で10分間インキュベート後、450nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーにて測定した。
B16メラノーマ由来チロシナーゼに対する阻害活性測定法
液体窒素中に凍結保存した約2.0×105/アンプルのB16メラノーマ細胞株を37℃の水浴中で溶解し、ただちに10mlの培地中に懸濁した。800rpm、5分間遠心を行い、その上清を捨て、新しい10mlの培地を添加して細胞を懸濁した。再度同じ条件で遠心を行い、その上清を捨て新しい培地で懸濁した。
この細胞を約4.0×105ずつ75cm2のフラスコに播種した。37℃、5%CO2下で2〜3日ごとに培地を交換しながら一週間培養を続けた。サブコンフルエント状態になった細胞の培地を捨て、PBS(−)で培養細胞表面を洗った後、0.25%トリプシンを用いて細胞をはがした。血清入り培地を入れてトリプシンの反応を止め、ピペッティングにて細胞をほぐしてから遠心チューブに細胞懸濁液を移した。800rpm、5分間遠心後、上清を捨て、新しい培地に細胞を懸濁した。血球計算盤を用いて細胞数を求めた。
この細胞5×105個を175cm2のフラスコに播種し、37℃、5%CO2下で5日間培養を行った。コンフルエントになったところで培養培地を捨て、細胞表面をPBS(−)で洗った後、0.25%トリプシンを用いて細胞をはがし、血清入り培地を入れてトリプシンの反応を止めた。ピペッティングにより細胞をほぐし、50mlのコニカルチューブに細胞懸濁液を集め、800rpm、5分間遠心を行った。上清を捨て、PBS(−)に細胞を懸濁し、再度PBS(−)で洗った。0.05Mリン酸緩衝液(pH6.8)に懸濁し直して、氷中でホモジナイザーを使って細胞をつぶした。1.5mlのサンプルチューブに等量づつ細胞液を分注し、4℃、12000rpm、15分間遠心した。上清を集めて氷中で使用時まで保存した(粗酵素液)。
L−dopaを0.05M リン酸緩衝液(pH 6.8)で0.8mg/mlに調製した。L−dopa液0.25ml、種々の濃度の本発明化合物(I)溶液0.25ml、粗酵素液0.5mlを加え、手早く混合して、25℃で2時間インキュベート後、475nmにおける吸光度を測定した。
B16メラノーマのメラニン産生能に対する抑制活性測定法
液体窒素中に凍結保存した約2.0×105/アンプルのB16メラノーマ細胞株を37℃の水浴中で溶解し、ただちに10mlの培地中に懸濁した。800rpm、5分間遠心を行い、その上清を捨て、新しい10mlの培地を添加して細胞を懸濁した。再度同じ条件で遠心を行い、その上清を捨て新しい培地で懸濁した。
この細胞を約4.0×105ずつ75cm2のフラスコに播種した。37℃、5%CO2下で2〜3日ごとに培地を交換しながら一週間培養を続けた。サブコンフルエント状態になった細胞の培地を捨て、PBS(−)で培養細胞表面を洗った後、0.25%トリプシンを用いて細胞をはがした。血清入り培地を入れてトリプシンの反応を止め、ピペッティングにて細胞をほぐしてから遠心チューブに細胞懸濁液を移した。800rpm、5分間遠心後、上清を捨て、新しい培地(フェノールレッドを含まない)に細胞を懸濁した。血球計算盤を用いて細胞数を求めた。
2×105個/mlになるように細胞液を培地(フェノールレッドを含まない)で希釈し、96穴プレートに100μlずつ播種した。37℃、5%CO2下で1日培養を行った。種々の濃度の本発明化合物(I)溶液を培地(フェノールレッドを含まない)で調製し、96穴プレートに100μlずつ添加した。37℃、5%CO2下で5日間培養し、下記方法にて評価を行った。
(評価方法)
1.細胞外メラニン量
培地を泡立てないように150μl/wellずつアッセイプレートに移し、マイクロプレートリーダーにてOD450を測定した。
2.細胞内メラニン量
細胞の入っているプレートを反転し残っている培地を捨てた。0.1N NaOH−0.1%tritonX−100を150μl/wellずつ添加し、ピペッティングで溶解した。100μl/wellずつアッセイプレートに移し、マイクロプレートリーダーにてOD450を測定した。
3.タンパク量
アッセイプレートに156μlずつ蒸留水を入れ、細胞内メラニン量の測定において溶解した細胞液の残りのうち4μlずつをこれに添加した。Bio−rad protein assay die solutionを40μl/wellずつ添加し、2分間振とうした。5分間放置後、マイクロプレートリーダーにてOD590を測定した。
それぞれの測定結果は、表4にまとめて示す。本発明化合物(I)は、良好なチロシナーゼ阻害活性並びにメラニン産生抑制作用を有していた。また、これらの美白作用が明らかに認められる濃度において、顕微鏡下での細胞の形態変化、細胞数の増殖及び細胞の蛋白量への影響は認められなかった。
実施例3
本発明化合物(I)の美白効果を以下の方法で測定した。
被験者20名を夏期の午前11時から午後1時まで、2日間にわたり太陽光に計4時間晒した。晒された被験者の上腕内側部皮膚を対象として、太陽光に晒された日から5日後に、下記表5および表6に示す処方で調製した水相、アルコール相を混合して可溶化して調製した各試料を朝夕1回づつ4週間塗布した。
4週間経過後に、各被験者について、美白効果を判定した。なお、効果の判定は、下記の基準に従って行った。
◎:被験者のうち著効および有効の示す割合が80%以上の場合
○:被験者のうち著効および有効の示す割合が50〜80%の場合
△:被験者のうち著効および有効の示す割合が30〜50%の場合
×:被験者のうち著効および有効の示す割合が30%未満の場合
判定の結果は、下記の表7に示す。
表7に示す如く、本発明化合物(I)を含有する組成物には、対照に使用した薬剤に比較して、より少ない用量で同等〜優れたメラニン色素沈着防止作用が認められた。なお、本発明化合物投与群においては、被験者に、紅斑や浮腫等の皮膚の異常は認められず、また、本発明化合物投与に起因すると考えられる副作用等も全く認められなかった。
実施例4
本発明化合物(I)について、下記表8、9および10に示す成分からなる3種類の処方を混合して乳液を調製した。
成分Aを加熱溶解し、80℃に保持する。別に80℃に加熱溶解した成分Bを成分Aに加え、十分混合する。撹拌しながら冷却を行い、50℃にて成分Cを加え、乳液を得た。
実施例5
本発明物質について、下記表11に示す処方の化粧水を調製した。
全成分を室温にて撹拌、混合して均一な溶液とし、pH5.5に調整して化粧水を得た。
実施例6
本発明化合物(I)について下記表12に示す処方のクリームを調製した。
精製水にプロピレングリコールを加え、加熱して70℃に保つ(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保つ(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化してクリームを得た。
実施例4〜6で得られた皮膚外用剤はいずれも美白効果試験において効果が認められた。
産業上の利用可能性
本発明によれば、良好なメラニン産生抑制作用を有する(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドを産生する新規な菌株が提供される。また、この菌株(変異株を含む)により産生される(E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドは、日焼け後の色素沈着、シミ、ソバカスおよび肝斑などの淡色化および美白に優れた効果を有すると共に安全性にも優れ良好な美白剤となることが期待される化合物である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明化合物の赤外吸収スペクトラム(νmax(KBr)cm−1)を示す。
図2は、本発明化合物1H−NMRスペクトラムを示す。
図3は、本発明化合物13C−NMRスペクトラムを示す。
Claims (4)
- (E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドまたはその塩。
- (E)−4−(2−イソシアノビニル)フェニル α−L−ラムノピラノシドまたはその塩を含有する皮膚外用剤。
- 美白剤である請求項2記載の皮膚外用剤。
- エンテロバクター・エスピー(Enterobacter sp.)B20株。
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