JPWO2003057224A1 - アポトーシス誘導剤 - Google Patents

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剛 篠原
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Abstract

本発明は、アポトーシス誘導効果を有する、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分として含有するするアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物に関し、またその原料に関する。本発明はまた、該アポトーシス誘導剤を含有する製剤に関する。

Description

発明の背景
本発明は、経口および非経口投与により細胞死の一つのタイプであるアポトーシスを誘導するアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物に関する。
現在、細胞が死に至る場合、2通りの細胞死が認められている。一つは、ネクローシスと呼ばれ、血液供給の障害、毒物や放射線の作用、ウイルスや細菌の感染、物理的外傷等により細胞が非可逆的に傷害された状態のことを言う。ネクローシスの細胞組織学的な特徴としては、核濃縮、核崩壊、核融解などの核の変化、細胞質の凝固などが挙げられる。
一方、ネクローシスと対比して、アポトーシスと呼ばれる細胞死は、生理的な条件下で細胞自らが積極的に惹起するようにプログラムされた細胞死と考えられている(Kerr J.F.et al.,Br.J.Cancer,26,239−257(1972))。その特徴は、細胞表面の微絨毛の消失、細胞体積の減少、クロマチンの凝縮、核の断片化、細胞の断片化(アポトーシス小体)等の形態学的変化や、周囲細胞からの遊離が認められるものの、炎症や繊維化は伴わないことが知られている(Kerr J.F.et al.,Br.J.Cancer,26,239−257(1972))。アポトーシスは細胞の生死という基本的な機構であると同時に、癌、自己免疫疾患、血液循環疾患、神経変性疾患などと深く関わっている(細胞工学別冊;アポトーシス実験プロトコール、p.26−30、秀潤社、1994)。
これまで、ネクローシスを起こさせて癌細胞や自己免疫疾患の原因となる病態細胞を排除する薬物として,アミノプテリン、メトトレキサート、マイトマイシンCなどの抗癌剤や免疫抑制剤が知られている。これら薬剤の効果は強力である反面、病態細胞のみならず周囲の正常細胞にもその影響が及んでしまうことで、さらに新たな疾患を惹起するという重大な欠点がある。他方、アポトーシスは生理的条件下で周囲の細胞には影響を与えずに細胞死が誘導されるため、これを特定の病態細胞に誘導することが可能であれば、選択的に排除することができるので、非常に有利である。例えば、硫黄原子が含まれる抗酸化剤が動脈硬化の進行に寄与する血管平滑筋細胞のアポトーシスを誘導することにより動脈硬化症を阻害する(特表平11−503413)など、病態細胞へのアポトーシスの誘導が非常に効果的であることが挙げられている。
本発明に関わるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンは、トリテルペン類の1種である。本発明におけるトリテルペン類とは、イソプレン単位6個から成る五環性の化合物で、炭素数は30個を基本とするが、生合成過程で転移、酸化、脱離あるいはアルキル化され炭素数が前後するものも含まれる。これらの効果としては、概して、抗炎症効果、抗発癌プロモーター効果(日本油化学会誌,49,571,2000)等が知られている。また、ウルソール酸、オレアノール酸、ベツリン酸に関しては、アポトーシス誘導効果があることが知られている(Baek J.H.et al.,Int.J.Cancer,73,725−728(1997);Paik K.J.et al.,Arch.Pharm.Res.,21,398−405(1998);Fulda S.et al.,Med.Pediatr.Oncol.,35,616−618(2000))。しかしながら、一般に化合物の構造が少しでも異なればその機能は大きく変化し、効果も増減することが知られており、単純に構造−活性相関を類推することは非常に困難であることが認知されている。例えば、PCT/JP01/02787において、構造が極めて類似しているマスリン酸とオレアノール酸について、そのメラニン生成抑制機能についての評価がなされているが、マスリン酸は極めて強力なメラニン生成抑制機能を有するのに比べ、オレアノール酸は該機能を有しないことが示されている。つまり、構造が類似していても、同じ機能を有するとは限らないことは常識であり、特定の機能を有するか否かについては実験等を繰り返すことにより見出されることであり、この点に困難性が存在する。従って、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体が、アポトーシス誘導能を有するか否かは全く類推不可能であり、事実、これまで、全く知られていなかった。
発明の開示
本発明は、アポトーシス誘導作用またはアポトーシス誘導増強作用により、特定の病態細胞等を選択的に排除しうるアポトーシス誘導剤を提供することを課題とし、該アポトーシス誘導剤を含有する抗疾患等の機能を有する製剤を提供することを課題とする。また、これらの原料を提供することを課題とする。本発明はまた、アポトーシス誘導用飲食物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を達成する為に鋭意検討した結果、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体が、優れたアポトーシス誘導効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とするアポトーシス誘導剤に関し、好ましくは、腫瘍細胞用アポトーシス誘導剤に関し、好ましくは、血管平滑筋細胞用アポトーシス誘導剤に関し、好ましくは、前駆型脂肪細胞(脂肪前駆細胞)用アポトーシス誘導剤に関する。本発明のアポトーシス誘導剤は、天然植物から得られるものおよび人工的に合成されたものの何れの形態でも使用することができる。
本発明はまた、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とするアポトーシス誘導剤を含有する製剤に関する。
また本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を含有するアポトーシス誘導剤原料に関する。本発明のアポトーシス誘導剤原料は、天然植物から得られるものおよび単離されたものおよび人工的に合成されたものの何れの形態でも使用することができる。
また本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物をアポトーシス誘導剤として使用する方法に関する。好ましくは、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を細胞に接触させることを含む、アポトーシス誘導剤として使用する方法に関する。
これらは、天然植物から得たもの、人工的に得られたもの、何れも好適に使用できる。
また、本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物をアポトーシス誘導剤原料として使用する方法に関する。これらは、前記同様、天然植物から得たもの、人工的に得られたもの、何れも好適に使用できる。
また本発明は、アポトーシス誘導剤を製造するためのマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を使用する方法に関する。これらは、前記同様、経口および非経口の何れの形態でも使用することができる。
また本発明は、アポトーシス誘導効果を有する製剤を製造するための、アポトーシス誘導剤を使用する方法に関する。これらは、前記同様、経口および非経口の何れの形態でも使用することができる。
ここで、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物が天然原料から得られる場合において、濃縮および/または分画・精製されたものが好ましく、さらには単離されたものが好ましい。
本発明はまた、五環性トリテルペン類、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分として含有するアポトーシス誘導用飲食物に関する。
本発明はまた、アポトーシス誘導用飲食物を製造するためのマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の使用に関する。
本発明はまた、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を、腫瘍細胞、血管平滑筋細胞又は前駆型脂肪細胞に接触させることを含む、これらの細胞にアポトーシスを誘導する方法に関する。
本発明はまた、有効成分として、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を、動脈硬化症、肥満、癌、自己免疫疾患、感染症又は腎炎のいずれかの疾病の患者に投与することを含む、これらの疾病の予防又は治療方法に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とするアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物に関する。これらの物質は、イソプレン単位6個から成るトリテルペン類のうちの五環性化合物であり、自然界においては様々な植物体に多く存在する物質群である。これらは、天然には植物体から抽出して得ることができ、また、その中のいくつかは人工的に合成され、既に試薬等として販売されているものもあり、いずれも好適に使用することができる。また、これらは、経口および非経口の何れの形態でも使用することができる。
ここで、有効成分として含有するとは、そのアポトーシス誘導効果等を発揮する程度に含有するということであるが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。例えば、直接経口摂取する場合には、比較的低濃度で目的を達成できる。特に限定されないが、例えば、0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01〜99.9質量%、さらに好ましくは0.1〜99.9質量%、特に好ましくは1〜99.9質量%である。また、原料剤として使用する場合は、高濃度であることが好ましい。特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.1〜99.99質量%、さらに好ましくは1〜99.99質量%、さらに好ましくは10〜99.99質量%、さらに好ましくは30〜99.99質量%、さらに好ましくは50〜99.99質量%、さらに好ましくは70〜99.99質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%含有することができる。また製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、皮膜化剤、希釈剤、泥状化剤、粘着付与剤、乳化剤、界面活性剤から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
本発明のアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物は、動脈硬化症発症の一因である血管平滑筋細胞や、肥満の元となる脂肪組織を構成する前駆型脂肪細胞、および固型腫瘍及び白血病等の癌発生の元である各種腫瘍細胞に対するアポトーシス誘導効果を有し、これらの効果は、培養細胞による試験法で評価することができる。この評価方法によれば、アポトーシスを誘導していない無処置群と比較して、2〜12倍のアポトーシス誘導効果を有することがわかる。本発明のアポトーシス誘導剤はまた、ウイルス感染細胞、自己抗原反応性細胞、アレルゲン反応性細胞等の細胞に対してもアポトーシスを誘導することができる。
また本発明は、前記アポトーシス誘導剤を含有する製剤に関する。これらは、上述のとおり、血管平滑筋細胞、前駆型脂肪細胞、腫瘍細胞に対するアポトーシス誘導効果を有するので、本剤を含有する製剤は、動脈硬化症、肥満、腫瘍等の疾患の予防および/または治療を目的とした使用に好適であるが、特定の病態細胞にアポトーシスを誘導すると排除できるので、対象疾患はその限りではない。これらは、前記同様、経口および非経口の何れの形態でも使用することができる。
本発明のアポトーシス誘導剤を含有する抗疾患、健康増進、体調調整、美容等の機能を有する製剤は、アポトーシス誘導効果を発揮する程度にアポトーシス誘導剤を含有するが、その含量は特に制限されず、摂取の頻度、摂取量、使用の目的によって適宜調整すれば良い。例えば、直接経口摂取する場合には、比較的低濃度で良く、特に限定されないが、例えば、0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01〜99.9質量%、さらに好ましくは0.1〜99.9質量%、特に好ましくは1〜99.9質量%である。また、製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、皮膜化剤、希釈剤、泥状化剤、粘着付与剤、乳化剤、界面活性剤から選ばれる1種または2種以上を含有することが好ましい。
また本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を含有するアポトーシス誘導剤原料に関する。これらは、前記同様、天然植物から得たもの、人工的に得られたもの、何れも好適に使用でき、その純度は高いものほど好ましい。
また本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物をアポトーシス誘導剤として使用する方法に関する。これらは、前記同様、経口および非経口の何れの形態でも使用することができる。
また本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物をアポトーシス誘導剤原料として使用する方法に関する。これらは、前記同様、天然植物から得たもの、人工的に得られたもの、何れも好適に使用でき、その純度は高いものほど好ましい。
また本発明は、アポトーシス誘導剤又はアポトーシス誘導用飲食物を製造するためのマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を使用する方法に関する。これらは、上記同様、天然から得られるものおよび人工的に合成されたものの何れの形態でも使用することができる。
また本発明は、アポトーシス誘導効果を有する製剤を製造するための、前記アポトーシス誘導剤を使用する方法に関する。これらは、上記同様、天然から得られるものおよび人工的に合成されたものの何れの形態でも使用することができる。
本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とするアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物に関する。これらの物質は、トリテルペン類の1種であり、イソプレン単位6個から成る五環性の化合物で、天然の植物から得ることも、人工的に得ることもでき、市販品も好適に利用することができる。ここで、有効成分として含有するとは、そのアポトーシス誘導効果を発揮する程度に含有するということである
生理的に許容される塩とは、特にマスリン酸のカルボキシル基から誘導される塩であり(部分構造:−COOX;Xは任意の陽イオン性物質を示す。)、本発明における天然物からの単離物に本来的に含まれているものも含む。本発明においては、通常飲食物または医薬組成物で用いられている塩であれば特に限定はされず、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛等のアルカリ土類金属塩、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、テトラブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン等のアルキルアミン塩、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン塩、ピペラジン、ピペリジン等のその他の有機アミン塩、リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン等の塩基性アミノ酸塩等の塩が挙げられる。これらのうち、アルカリ金属塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩および塩基性アミノ酸塩が好ましい。一概にこれらの塩類は、その元となるトリテルペン類に比べて、より水溶性を示すため、本発明においては、特に水系のアポトーシス誘導剤に適用する場合に好ましい。
誘導体とは、生化学的あるいは人工的に形成可能な誘導体であり、本発明においては、可能な誘導体であれば特に限定はされないが、例えば、アルコールエステル基を有する誘導体、脂肪酸エステル基を有する誘導体、アルコキシ基を有する誘導体、アルコキシメチル基を有する誘導体、あるいは配糖体等が挙げられる。これらのうち、特にアルコールエステル基を有する誘導体、脂肪酸エステル基を有する誘導体、アルコキシ基を有する誘導体、アルコキシメチル基を有する誘導体は、その元となるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンに比べて、より脂溶性を示すため、本発明においては、特に油系のアポトーシス誘導剤に適用する場合に好ましく、配糖体は、その元となるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンに比べて、より水溶性を示すため、本発明においては、特に水系のアポトーシス誘導剤に適用する場合に好ましい。
これらの誘導体は、一部は天然にも存在し、また、上述の通り人工により形成させることで得ることができる。また、本発明の誘導体を再度誘導体化して、それらの塩を使用することもできる。
このように、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンを、生理的に許容される適当な塩や誘導体の形態にすることにより、水溶性または脂溶性を向上されることができ、従って、ハンドリング性・品質・アポトーシス誘導効果を向上させた製品を設定することができる。
アルコールエステル基とは、一般的なカルボキシル基とアルコール類との脱水反応の結果として形成される官能基を示す(部分構造:−COOR;Rは任意の炭化水素系官能基を示す。)。すなわち、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの、アルコールエステル基を有する誘導体とは、特に、そのカルボキシル基とアルコール類から形成可能な誘導体を示す。この際のアルコール類に特に制限は無いが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アリルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、トリメチルシリルアルコール、トリエチルシリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、糖類等が挙げられる。このうち、エタノール、トリエチルシリルアルコール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、トリメチルシリルアルコールから形成される誘導体が好ましい。
脂肪酸エステル基とは、一般的な水酸基と脂肪酸類との脱水反応の結果として形成される官能基を示す(部分構造:−OCOR;Rは任意の炭化水素系官能基を示す。)。すなわち、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの、脂肪酸エステル基を有する誘導体とは、特に、その水酸基と脂肪酸類から形成可能な誘導体を示す。この際の脂肪酸類に特に制限は無いが、例えば、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。このうち、酢酸、無水酢酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸から形成される誘導体が好ましい。
アルコキシ基とは、一般的な水酸基とアルコール類との脱水反応の結果として形成される官能基を示す(部分構造:−OR;Rは任意の炭化水素系官能基を示す。)。すなわち、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの、アルコキシ基を有する誘導体とは、特に、その水酸基とアルコール類から形成可能な誘導体を示す。この際のアルコール類に特に制限は無いが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アリルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、トリメチルシリルアルコール、トリエチルシリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、糖類等が挙げられる。このうち、エタノール、トリエチルシリルアルコール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、トリメチルシリルアルコールから形成される誘導体が好ましい。
アルコキシメチル基とは、一般的なヒドロキシメチル基とアルコール類との脱水反応の結果として形成される官能基を示す(部分構造:−CH2OR;Rは任意の炭化水素系官能基を示す。)。すなわち、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの、アルコキシメチル基を有する誘導体とは、特に、そのヒドロキシメチル基とアルコール類から形成可能な誘導体を示す。この際のアルコール類に特に制限は無いが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アリルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、トリメチルシリルアルコール、トリエチルシリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、糖類等が挙げられる。このうち、エタノール、トリエチルシリルアルコール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、トリメチルシリルアルコールから形成される誘導体が好ましい。
また、本発明における配糖体とは、上記のアルコールエステル基を有する誘導体、アルコキシ基を有する誘導体、アルコキシメチル基を有する誘導体のうち、特に、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンのカルボキシル基、水酸基、ヒドロキシメチル基と糖類から形成可能な誘導体を示す(部分構造:−COOR、−OR、−CHOR;Rは任意の糖類を示す。)。この際の糖類に特に制限は無いが、例えば、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、アラビノース、フコース、ラムノース、グルコサミン、ガラクトサミン、グルクロン酸等が挙げられ、何れもα体、β体どちらでもよい。またこれらの配糖体は、単糖でもよいし、二糖以上の様々な組合せのオリゴ糖でもよい。これらの中には、通常天然に存在し、サポニンという総称で知られているものも有るが、本発明においては、これらのいずれを用いてもよい。
マスリン酸、エリトロジオールは、何れもオレアナン系トリテルペン類の一種であり、各種植物中に存在することが知られている物質である。また、これらの生理的に許容される塩および誘導体については、前述と同様である。本発明のアポトーシス誘導剤において、マスリン酸、エリトロジオール、それらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を使用する場合には、これらの物質の由来は制限されず、天然から得られるもの、人工的に合成されたもの、市販品等何れも使用することができる。
本発明においては、アポトーシス誘導効果の高さ、安定供給の面で、マスリン酸・その生理的に許容される塩が最も好ましい。マスリン酸(maslinic acid)は、オレアナン系トリテルペンの一種で、化学式(1)に示す構造であり、効果としては、抗炎症効果や抗ヒスタミン効果を有することが知られている。天然には、オリーブ、ホップ、ハッカ、ザクロ、チョウジ、セージ、ナツメ等に存在することが知られている。本発明のアポトーシス誘導剤において、マスリン酸、その生理的に許容される塩および誘導体の由来は制限されず、天然から得られるもの、人工的に合成されたもの、市販品等何れも使用することができるが、経口用途を考慮に入れると、例えば、オリーブ、ホップ、ハッカ、ザクロ、チョウジ、セージ、ナツメ等の天然から得られるものが好ましく、特にオリーブから得られるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩は原料供給や含量の面で非常に好ましい。これらの原料、特にはオリーブ植物および/またはオリーブ油製造工程で得られる副産物から、水および/または有機溶媒により抽出処理することで得ることができ、さらに濃縮・精製することで高濃度の天然由来マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を簡便かつ大量に得ることができる。
なお、本明細書において、「オリーブ」は、オリーブ植物および/またはオリーブ油および/またはオリーブ油製造工程で得られる副産物を意味する。
Figure 2003057224
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本発明において、マスリン酸の生理的に許容される塩および誘導体については前記と同様である。すなわち、その生理的に許容される塩とは化学式(1)における−COOHから誘導されるものであり、その塩の種類は通常飲食物または医薬組成物で用いられるものであれば特に限定はされない。具体的には、例えば、マスリン酸の塩として、マスリン酸ナトリウム、マスリン酸カリウム、マスリン酸アンモニウム、マスリン酸ジメチルアンモニウム、マスリン酸カルシウム、マスリン酸マグネシウム等が挙げられる。このうち、マスリン酸ナトリウムおよびマスリン酸カリウムが好ましい。
また、マスリン酸の誘導体としては、例えば、何れか一個所が誘導体化されているものとして、マスリン酸メチルエステル、マスリン酸エチル、マスリン酸n−プロピルエステル、マスリン酸イソプロピルエステル、マスリン酸n−ブチルエステル、マスリン酸トリメチルシリルエステル、マスリン酸トリエチルシリルエステル、マスリン酸−β−D−グルコピラノシルエステル、マスリン酸−β−D−ガラクトピラノシルエステル、3−O−アセチル−マスリン酸、3−O−プロピオニル−マスリン酸、3−O−ブチリル−マスリン酸、3−O−バレリル−マスリン酸、3−O−カプリル−マスリン酸、3−O−ラウリル−マスリン酸、3−O−ミリスチル−マスリン酸、3−O−パルミチル−マスリン酸、3−O−パルミトオレイル−マスリン酸、3−O−ステアリル−マスリン酸、3−O−ステアロイル−マスリン酸、3−O−オレイル−マスリン酸、3−O−バクセニル−マスリン酸、3−O−リノレイル−マスリン酸、3−O−リノレニル−マスリン酸、3−O−アラキジル−マスリン酸、3−O−アラキドニル−マスリン酸、3−O−ベヘニル−マスリン酸、2−O−アセチル−マスリン酸、2−O−プロピオニル−マスリン酸、2−O−ブチリル−マスリン酸、2−O−バレリル−マスリン酸、2−O−カプリル−マスリン酸、2−O−ラウリル−マスリン酸、2−O−ミリスチル−マスリン酸、2−O−パルミチル−マスリン酸、2−O−パルミトオレイル−マスリン酸、2−O−ステアリル−マスリン酸、2−O−ステアロイル−マスリン酸、2−O−オレイル−マスリン酸、2−O−バクセニル−マスリン酸、2−O−リノレイル−マスリン酸、2−O−リノレニル−マスリン酸、2−O−アラキジル−マスリン酸、2−O−アラキドニル−マスリン酸、2−O−ベヘニル−マスリン酸、3−O−メチル−マスリン酸、3−O−エチル−マスリン酸、3−O−t−ブチル−マスリン酸、3−O−トリエチルシリル−マスリン酸、3−O−β−D−グルコピラノシル−マスリン酸、3−O−β−D−ガラクトピラノシル−マスリン酸、3−O−β−D−グルクロノピラノシル−マスリン酸、2−O−メチル−マスリン酸、2−O−エチル−マスリン酸、2−O−t−ブチル−マスリン酸、2−O−トリエチルシリル−マスリン酸、2−O−β−D−グルコピラノシル−マスリン酸、2−O−β−D−ガラクトピラノシル−マスリン酸、2−O−β−D−グルクロノピラノシル−マスリン酸等が挙げられる。このうち、マスリン酸エチル、マスリン酸トリエチルシリルエステル、3−O−アセチル−マスリン酸、2−O−アセチル−マスリン酸、2−O−トリエチルシリル−マスリン酸、3−O−ステアリル−マスリン酸、2−O−ステアリル−マスリン酸が好ましい。以上には、誘導体として1基のみ誘導体化されているものを挙げたが、当然、これらのうち誘導される位置および種類が可能な2基以上が誘導体化されたものでもよい。例えば、マスリン酸または上述の好ましいマスリン酸エステルの2,3−O−ジアセチル体、2,3−O−ジトリエチルシリル体、2,3−ジステアリル体が好ましいものとして挙げられる。また、配糖体については単糖のもののみ挙げたが、当然、様々な糖類から選ばれる二糖以上のオリゴ糖でもよい。
エリトロジオール(erythrodiol)は、オレアナン系トリテルペンの一種で、化学式(2)の様な構造であり、効果としてはこれまでに、抗炎症効果(Planta.Med.VOL.61,No.2,182−185 1995)等を有することが知られている。天然には、オリーブ、ヒマワリ、キンセンカ、アラビアゴムノキ、コウキシタン、ナガバカコノキ等に存在することが知られている。本発明のアポトーシス誘導剤において、エリトロジオールまたはそれらの誘導体の由来は制限されず、天然から得られるもの、人工的に合成されたもの、市販品等何れも使用することができるが、経口用途を考慮に入れると、例えば、オリーブ、ヒマワリ、キンセンカ、アラビアゴムノキ、コウキシタン、ナガバカコノキ等の天然から得られるものが好ましい。特に、オリーブが好ましく、具体的にはオリーブ植物および/またはオリーブ油製造工程で得られる副産物から得られるものが好ましい。
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エリトロジオールについて、その生理的に許容される塩や誘導体については前述と同様である。
ここで、誘導体について以下に制限されないが、例えば、何れか一個所が誘導体化されているものとして、3−O−アセチル−エリトロジオール、3−O−プロピオニル−エリトロジオール、3−O−ブチリル−エリトロジオール、3−O−バレリル−エリトロジオール、3−O−カプリル−エリトロジオール、3−O−ラウリル−エリトロジオール、3−O−ミリスチル−エリトロジオール、3−O−パルミチル−エリトロジオール、3−O−パルミトオレイル−エリトロジオール、3−O−ステアリル−エリトロジオール、3−O−ステアロイル−エリトロジオール、3−O−オレイル−エリトロジオール、3−O−バクセニル−エリトロジオール、3−O−リノレイル−エリトロジオール、3−O−リノレニル−エリトロジオール、3−O−アラキジル−エリトロジオール、3−O−アラキドニル−エリトロジオール、3−O−ベヘニル−エリトロジオール、28−O−アセチル−エリトロジオール、28−O−プロピオニル−エリトロジオール、28−O−ブチリル−エリトロジオール、28−O−バレリル−エリトロジオール、28−O−カプリル−エリトロジオール、28−O−ラウリル−エリトロジオール、28−O−ミリスチル−エリトロジオール、28−O−パルミチル−エリトロジオール、28−O−パルミトオレイル−エリトロジオール、28−O−ステアリル−エリトロジオール、28−O−ステアロイル−エリトロジオール、28−O−オレイル−エリトロジオール、28−O−バクセニル−エリトロジオール、28−O−リノレイル−エリトロジオール、28−O−リノレニル−エリトロジオール、28−O−アラキジル−エリトロジオール、28−O−アラキドニル−エリトロジオール、28−O−ベヘニル−エリトロジオール、3−O−メチル−エリトロジオール、3−O−エチル−エリトロジオール、3−O−t−ブチル−エリトロジオール、3−O−トリエチルシリル−エリトロジオール、28−O−メチル−エリトロジオール、28−O−エチル−エリトロジオール、28−O−t−ブチル−エリトロジオール、28−O−トリエチルシリル−エリトロジオール、3−O−β−D−グルコピラノシル−エリトロジオール、3−O−β−D−ガラクトピラノシル−エリトロジオール、3−O−β−D−グルクロノピラノシル−エリトロジオール、28−O−β−D−グルコピラノシル−エリトロジオール、28−O−β−D−ガラクトピラノシル−エリトロジオール、28−O−β−D−グルクロノピラノシル−エリトロジオール等が挙げられる。このうち、3−O−アセチル−エリトロジオール、28−O−アセチル−エリトロジオールが好ましい。以上には、誘導体として1基のみ誘導体化されているものを挙げたが、当然、これらのうち誘導される位置および種類が可能な2基以上が誘導体化されたものでもよい。例えば、3,28−O−ジアセチル−エリトロジオールが挙げられる。また、配糖体については単糖のもののみ挙げたが、当然、様々な糖類から選ばれる二糖以上のオリゴ糖でもよい。
ウバオールは、ウルサン系トリテルペン類の一種であり、各種植物中に存在することが知られている物質である。また、これらの生理的に許容される塩および誘導体については、前述と同様である。本発明のアポトーシス誘導剤において、ウバオールの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を使用する場合には、これらの物質の由来は制限されず、天然から得られるもの、人工的に合成されたもの、市販品等何れも使用することができるが、経口用途を考慮に入れると、天然物を用いることが好ましい。
ウバオール(uvaol)は、ウルサン系トリテルペンの一種で、化学式(3)の様な構造であり、効果としてはこれまでに、抗炎症効果(Planta.Med.VOL.61,No.2,182−185 1995)、グリセロリン酸脱水素酵素阻害効果(特開平9−67249)等を有することが知られている。天然には、オリーブ、ウワウルシ、セージ、アラビアゴムノキ、カユプテ等に存在することが知られている。本発明のアポトーシス誘導剤において、ウバオールまたはそれらの誘導体の由来は制限されず、天然から得られるもの、人工的に合成されたもの、市販品等何れも使用することができるが、経口用途を考慮に入れると、例えば、オリーブ、ウワウルシ、セージ、アラビアゴムノキ、カユプテ等の天然から得られるものが好ましい。特に、オリーブが好ましく、具体的にはオリーブ植物および/またはオリーブ油製造工程で得られる副産物から得られるものが好ましい。
Figure 2003057224
ウバオールについて、その生理的に許容される塩や誘導体については前述と同様である。
ここで、誘導体について以下に制限されないが、例えば、何れか一個所が誘導体化されているものとして、3−O−アセチル−ウバオール、3−O−プロピオニル−ウバオール、3−O−ブチリル−ウバオール、3−O−バレリル−ウバオール、3−O−カプリル−ウバオール、3−O−ラウリル−ウバオール、3−O−ミリスチル−ウバオール、3−O−パルミチル−ウバオール、3−O−パルミトオレイル−ウバオール、3−O−ステアリル−ウバオール、3−O−ステアロイル−ウバオール、3−O−オレイル−ウバオール、3−O−バクセニル−ウバオール、3−O−リノレイル−ウバオール、3−O−リノレニル−ウバオール、3−O−アラキジル−ウバオール、3−O−アラキドニル−ウバオール、3−O−ベヘニル−ウバオール、28−O−アセチル−ウバオール、28−O−プロピオニル−ウバオール、28−O−ブチリル−ウバオール、28−O−バレリル−ウバオール、28−O−カプリル−ウバオール、28−O−ラウリル−ウバオール、28−O−ミリスチル−ウバオール、28−O−パルミチル−ウバオール、28−O−パルミトオレイル−ウバオール、28−O−ステアリル−ウバオール、28−O−ステアロイル−ウバオール、28−O−オレイル−ウバオール、28−O−バクセニル−ウバオール、28−O−リノレイル−ウバオール、28−O−リノレニル−ウバオール、28−O−アラキジル−ウバオール、28−O−アラキドニル−ウバオール、28−O−ベヘニル−ウバオール、3−O−メチル−ウバオール、3−O−エチル−ウバオール、3−O−t−ブチル−ウバオール、3−O−トリエチルシリル−ウバオール、28−O−メチル−ウバオール、28−O−エチル−ウバオール、28−O−t−ブチル−ウバオール、28−O−トリエチルシリル−ウバオール、3−O−β−D−グルコピラノシル−ウバオール、3−O−β−D−ガラクトピラノシル−ウバオール、3−O−β−D−グルクロノピラノシル−ウバオール、28−O−β−D−グルコピラノシル−ウバオール、28−O−β−D−ガラクトピラノシル−ウバオール、28−O−β−D−グルクロノピラノシル−ウバオール等が挙げられる。このうち、3−O−アセチル−ウバオール、28−O−アセチル−ウバオールが好ましい。以上には、誘導体として1基のみ誘導体化されているものを挙げたが、当然、これらのうち誘導される位置および種類が可能な2基以上が誘導体化されたものでもよい。例えば、3,28−O−ジアセチル−ウバオールが挙げられる。また、配糖体については単糖のもののみ挙げたが、当然、様々な糖類から選ばれる二糖以上のオリゴ糖でもよい。
ベツリンは、ルパン系トリテルペン類の一種であり、各種植物中に存在することが知られている物質である。また、これらの生理的に許容される塩および誘導体については、前述と同様である。本発明のアポトーシス誘導剤において、ベツリンの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を使用する場合には、これらの物質の由来は制限されず、天然から得られるもの、人工的に合成されたもの、市販品等何れも使用することができるが、経口用途を考慮に入れると、天然物を用いることが好ましい。
ベツリン(betulin)は、ルパン系トリテルペンの一種で、化学式(4)の様な構造であり、効果としてはこれまでに、生体タンパク質変性抑制効果(特開平9−67253)、グリセロリン酸脱水素酵素阻害効果(特開平9−67249)、リパーゼ阻害効果(特開平10−265328)、肝疾患予防効果(特開平11−209275)等を有することが知られている。天然には、シラカバの樹皮等に存在することが知られている。本発明のアポトーシス誘導剤において、ベツリンまたはそれらの誘導体の由来は制限されず、天然から得られるもの、人工的に合成されたもの、市販品等何れも使用することができるが、経口用途を考慮に入れると、例えば、シラカバの樹皮等の天然から得られるものが好ましい。
Figure 2003057224
ベツリンについて、その生理的に許容される塩や誘導体については前述と同様である。
ここで、誘導体について以下に制限されないが、例えば、何れか一個所が誘導体化されているものとして、3−O−アセチル−ベツリン、3−O−プロピオニル−ベツリン、3−O−ブチリル−ベツリン、3−O−バレリル−ベツリン、3−O−カプリル−ベツリン、3−O−ラウリル−ベツリン、3−O−ミリスチル−ベツリン、3−O−パルミチル−ベツリン、3−O−パルミトオレイル−ベツリン、3−O−ステアリル−ベツリン、3−O−ステアロイル−ベツリン、3−O−オレイル−ベツリン、3−O−バクセニル−ベツリン、3−O−リノレイル−ベツリン、3−O−リノレニル−ベツリン、3−O−アラキジル−ベツリン、3−O−アラキドニル−ベツリン、3−O−ベヘニル−ベツリン、28−O−アセチル−ベツリン、28−O−プロピオニル−ベツリン、28−O−ブチリル−ベツリン、28−O−バレリル−ベツリン、28−O−カプリル−ベツリン、28−O−ラウリル−ベツリン、28−O−ミリスチル−ベツリン、28−O−パルミチル−ベツリン、28−O−パルミトオレイル−ベツリン、28−O−ステアリル−ベツリン、28−O−ステアロイル−ベツリン、28−O−オレイル−ベツリン、28−O−バクセニル−ベツリン、28−O−リノレイル−ベツリン、28−O−リノレニル−ベツリン、28−O−アラキジル−ベツリン、28−O−アラキドニル−ベツリン、28−O−ベヘニル−ベツリン、3−O−メチル−ベツリン、3−O−エチル−ベツリン、3−O−t−ブチル−ベツリン、3−O−トリエチルシリル−ベツリン、28−O−メチル−ベツリン、28−O−エチル−ベツリン、28−O−t−ブチル−ベツリン、28−O−トリエチルシリル−ベツリン、3−O−β−D−グルコピラノシル−ベツリン、3−O−β−D−ガラクトピラノシル−ベツリン、3−O−β−D−グルクロノピラノシル−ベツリン、28−O−β−D−グルコピラノシル−ベツリン、28−O−β−D−ガラクトピラノシル−ベツリン、28−O−β−D−グルクロノピラノシル−ベツリン等が挙げられる。このうち、3−O−アセチル−ベツリン、28−O−アセチル−ベツリンが好ましい。以上には、誘導体として1基のみ誘導体化されているものを挙げたが、当然、これらのうち誘導される位置および種類が可能な2基以上が誘導体化されたものでもよい。例えば、3,28−O−ジアセチル−ベツリンが挙げられる。また、配糖体については単糖のもののみ挙げたが、当然、様々な糖類から選ばれる二糖以上のオリゴ糖でもよい。
本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を有効成分とするアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物に関する。ここで、有効成分として含有するとは、アポトーシス誘導効果を発現する程度に含有するということである。
本発明でアポトーシス誘導効果の評価に用いた方法は、in vitroでアポトーシス能検出のスクリーニング法として既知の方法であり(Nicoletti et al.J.Immunol.Methods,139,271(1991))、スクリーニングが容易で、迅速且つ多大な動物の犠牲が回避できる点が特徴である。本発明では、核酸に選択的に結合する蛍光試薬を用い、その蛍光強度の強弱により細胞内の核酸量を判定することで、アポトーシス誘導効果の有無を検討している。
本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体のアポトーシス誘導効果は、培養細胞を用いた試験法にて示される。本発明では、ラット大動脈由来の増殖型血管平滑筋細胞株、マウス由来の前駆型脂肪細胞株、マウス由来の腫瘍細胞株を用いてその効果を見ている。これら各細胞の培養系に、アポトーシス誘導効果を有する物質を存在させてさらに培養を続けると、各細胞にアポトーシスが誘導され核の断片化が起こり、核酸に結合する蛍光物質の量も減少し蛍光強度が減少する。この蛍光強度の減少度から、アポトーシス誘導効果を見積もることができる。
上記試験法での評価によると、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体のアポトーシス誘導効果を、アポトーシスを誘導していない無処置群と比較すると、例えば、マスリン酸では約2〜8倍、マスリン酸の塩では約2〜8倍、エリトロジオールでは約3〜12倍、ウバオールでは約2〜8倍、ベツリンでは約2〜8倍、マスリン酸エチルでは約2〜8倍、アセチル化マスリン酸では約2〜8倍、トリエチルシリル化マスリン酸では約2〜8倍、ステアリル化マスリン酸エチルでは約2〜8倍、アセチル化エリトロジオールでは約3〜12倍、アセチル化ウバオールでは約2〜8倍、アセチル化ベツリンでは約2〜6倍という、高いアポトーシス誘導効果を有していることが分かる。すなわち、本発明のアポトーシス誘導剤は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を含有することにより、高いアポトーシス誘導効果を享受できるものである。
また、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とする腫瘍細胞用アポトーシス誘導剤は、上記試験法にてアポトーシス誘導効果を評価することが出来る。本試験法での評価によると、アポトーシスを誘導していない無処置群と比較すると、例えば、マスリン酸では約2〜9倍、マスリン酸の塩では約2〜9倍、エリトロジオールでは約2〜10倍、ウバオールでは約2〜5倍、ベツリンでは約2〜4倍、マスリン酸エチルでは約2〜9倍、アセチル化マスリン酸では約2〜9倍、トリエチルシリル化マスリン酸では約2〜9倍、ステアリル化マスリン酸エチルでは約2〜9倍、アセチル化エリトロジオールでは約3〜10倍、アセチル化ウバオールでは約2〜8倍、アセチル化ベツリンでは約2〜5倍という、高いアポトーシス誘導効果を有していることが分かる。すなわち、本発明の腫瘍細胞用アポトーシス誘導剤は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を含有することにより、高いアポトーシス誘導効果を享受できるものである。
また本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とする血管平滑筋細胞用アポトーシス誘導剤に関する。本発明の血管平滑筋細胞用アポトーシス誘導剤、上記試験法にてアポトーシス誘導効果を評価することが出来る。本試験法での評価によると、アポトーシスを誘導していない無処置群と比較すると、例えば、マスリン酸では約3〜9倍、マスリン酸の塩では約3〜9倍、エリトロジオールでは約3〜10倍、ウバオールでは約2〜6倍、ベツリンでは約2〜5倍、マスリン酸エチルでは約3〜9倍、アセチル化マスリン酸では約3〜9倍、トリエチルシリル化マスリン酸では約3〜9倍、ステアリル化マスリン酸エチルでは約3〜9倍、アセチル化エリトロジオールでは約3〜11倍、アセチル化ウバオールでは約2〜8倍、アセチル化ベツリンでは約2〜5倍という、高いアポトーシス誘導効果を有していることが分かる。すなわち、本発明の血管平滑筋細胞用アポトーシス誘導剤は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を含有することにより、高いアポトーシス誘導効果を享受できるものである。
また本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とする前駆型脂肪細胞用アポトーシス誘導剤に関する。本発明の血管平滑筋細胞用アポトーシス誘導剤、上記試験法にてアポトーシス誘導効果を評価することが出来る。本試験法での評価によると、アポトーシスを誘導していない無処置群と比較すると、例えば、マスリン酸では約2〜10倍、マスリン酸の塩では約2〜10倍、エリトロジオールでは約2〜12倍、ウバオールでは約2〜8倍、ベツリンでは約2〜7倍、マスリン酸エチルでは約2〜10倍、アセチル化マスリン酸では約2〜10倍、トリエチルシリル化マスリン酸では約2〜10倍、ステアリル化マスリン酸エチルでは約2〜10倍、アセチル化エリトロジオールでは約3〜12倍、アセチル化ウバオールでは約2〜8倍、アセチル化ベツリンでは約2〜8倍という、高いアポトーシス誘導効果を有していることが分かる。すなわち、本発明の前駆型脂肪細胞用アポトーシス誘導剤は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を含有することにより、高いアポトーシス誘導効果を享受できるものである。
また本発明は、上記記載のアポトーシス誘導剤を含有する抗疾患、健康増進、体調調整、美容等の機能を有する製剤に関する。ここで、アポトーシス誘導剤として含有するとは、アポトーシス誘導効果を発現する程度に含有するということである。
本発明の製剤は、前記同様、アポトーシス誘導効果により特に動脈硬化症、肥満、癌に対する予防剤および/または治療剤として好適であるが、特定の病態細胞にアポトーシスを誘導し選択的に排除することができるので、対象疾患はその限りではなく、慢性肝炎、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス等の自己免疫性疾患、ウイルス等の各種感染症、間質性腎炎や腎盂腎炎等の腎炎等に有効である。本発明のアポトーシス誘導剤はまた、アポトーシス誘導作用に基づいて、アポトーシスの過剰抑制に起因する各種疾患に適用でき、所望の薬理効果を期待できる。該適用疾患としては、例えば癌、AIDS、ARC(AIDS関連疾患)、ATL(成人T細胞白血病)、毛様細胞性白血病、脊髄症、呼吸器障害(HAB/HABA)、関節症、ブドウ膜炎(HAU)等のHTLV−I関連疾患、自己免疫疾患、例えばSLE(全身性エリテマトーデス)、慢性関節リウマチ(RA)等の膠原病、潰瘍性大腸炎、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変、突発性血小板減少性紫斑病(ITP)、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、橋本病、インスリン依存型(I型)糖尿病等を例示できる。また、本発明のアポトーシス誘導剤は、骨髄異形成症候群、周期性血小板減少症、再生不良性貧血、突発性血小板減少症、汎発性血管内凝固症等の血小板減少を伴う各種の疾患、C型、A型、B型、F型等の各種の肝炎、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年痴呆症、心筋炎、ARDS(成人呼吸急迫症候群)、感染症、肝硬変、前立腺肥大症、子宮筋腫、気管支喘息、動脈硬化症、各種先天性奇形症、腎炎、老人性白内障、慢性疲労症候群、筋ジストロフィー等の各種疾患にも適応可能である。本発明のアポトーシス誘導剤をこれらの疾患の患者に投与することにより、これらの疾患を予防又は治療することもできる。本発明の、予防剤としての使用とは、各病態細胞に対するアポトーシス誘導効果により当該部位から排除することで、各対象疾患の発生を阻止することを目的として使用することを示す。治療剤としての使用とは、病変部位における各病態細胞へのアポトーシス誘導効果により、それ以上の各病態細胞の増殖および/または分化を抑制し、最終的には排除することで当該部位を正常化させることを目的として使用することを示す。
マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらのアルコールエステル基を有する誘導体、脂肪酸エステル基を有する誘導体、アルコキシ基を有する誘導体、アルコキシメチル基を有する誘導体は、概して脂溶性なので、油系、あるいは乳化系のアポトーシス誘導剤に好適に配合することができる。また、特に油脂あるいは油脂加工品としての摂取においては、油とともに吸収されることが期待されるため、吸収性の面で好ましい。
また、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの生理的に許容される塩あるいは配糖体は、概して水溶性を示すので、水系あるいは乳化系等のアポトーシス誘導剤に、均一に溶解ないしは分散させて含有させることで好適に配合することができる。特に飲料等は水系あるいは乳化系での製品化が多いので、この場合、必要に応じてマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンを、その生理的に許容される塩あるいは配糖体とすることで好適に配合することができる。
さらに、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、少量のアポトーシス誘導剤等への配合で、通常必要とされるアポトーシス誘導効果を得ることができるので、コスト面でのメリットがあるとともに、配合比の面から他の成分を配合できる余裕が生じるので、その他の機能をさらに充実させることができ、好ましい。
当然、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体の配合量を増やすことで、優れたアポトーシス誘導効果を有するアポトーシス誘導剤の製造が、本発明により可能である。
本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンは、上述の通り、天然物として植物等に存在している事が知られており、ほとんどのものがそれらの植物を通して、食経験があるものであり、過剰摂取しない限り生体に対する悪影響はないとされている。
実際に動物に投与した場合では、例えばマスリン酸の場合、LD50値は、2000mg/体重kg以上であり、極めて安全性の高いことが確認できる。このことは、アポトーシス誘導効果を有するマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を安全に投与することができることを示す。
本発明のアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物は、上述の通りマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容できる塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を含有することを特徴とし、その用途は任意であるが、例えば、医薬品、医薬部外品、健康食品等の広い分野で、アポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物として、または原料として用いることができる。この時、本発明のアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物への有効成分の配合量は、用途、投与形態、投与対象の種、年齢、性別、体重、症状の程度、健康状態などの条件により異なるので、一概に規定されないが、各種の細胞に対してアポトーシス誘導機能を発揮する程度に含有する。また、本発明のアポトーシス誘導機能を含有する各種機能を有する製剤は、当然、主に動脈硬化症、肥満、癌等に対する予防および/または治療に効果等の機能を発揮する程度に含有する。
本発明のアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物は上述したようアポトーシス誘導効果を有する。すなわち、本発明のアポトーシス誘導剤を直接または間接的に経口および/または非経口的に投与することで、そのアポトーシス誘導効果を享受することができる。さらには、継続的な摂取をすることで、より好適な効果を得ることができる。本発明のアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の配合量は、一概には規定されず、トリテルペン類の種類、予防か治療かという使用の目的や使用する期間、量、使用対象の年齢、性別、体重、直接経口摂取するのか、原料として配合するのか等を踏まえ、必要とする効果の強さに応じて適宜決めればよい。以下に限定されないが、例えば、0.0001質量%以上、好ましくは0.0001〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜99.99質量%、さらに好ましくは0.005〜99.99質量%、さらに好ましくは0.01〜99.99質量%、さらに好ましくは0.05〜99.99質量%、さらに好ましくは0.1〜99.99質量%、さらに好ましくは0.5〜99.99質量%、さらに好ましくは1〜99.99質量%である。
本発明中のアポトーシス誘導剤中に有効成分としてマスリン酸およびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.0001〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜99.99質量%、さらに好ましくは0.005〜99.99質量%、さらに好ましくは0.01〜99.99質量%、さらに好ましくは0.1〜99.99質量%、さらに好ましくは1〜99.99質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導剤中に有効成分としてエリトロジオールおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.0001〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜99.99質量%、さらに好ましくは0.005〜99.99質量%、さらに好ましくは0.01〜99.99質量%、さらに好ましくは0.1〜99.99質量%、さらに好ましくは1〜99.99質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導剤中に有効成分としてウバオールおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.0001〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜99.99質量%、さらに好ましくは0.005〜99.99質量%、さらに好ましくは0.01〜99.99質量%、さらに好ましくは0.1〜99.99質量%、さらに好ましくは1〜99.99質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導剤中に有効成分としてベツリンおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.0005〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜99.99質量%、さらに好ましくは0.005〜99.99質量%、さらに好ましくは0.01〜99.99質量%、さらに好ましくは0.1〜99.99質量%、さらに好ましくは1〜99.99質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導用飲食物中に有効成分としてマスリン酸およびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.00001〜90質量%、より好ましくは0.0001〜80質量%、さらに好ましくは0.001〜70質量%、さらに好ましくは0.01〜65質量%、さらに好ましくは0.1〜60質量%、さらに好ましくは0.2〜55質量%、さらに好ましくは0.4〜50質量%、さらに好ましくは0.6〜45質量%、さらに好ましくは0.8〜40質量%、さらに好ましくは1.0〜35質量%、さらに好ましくは2.0〜30質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導用飲食物中に有効成分としてエリトロジオールおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.00001〜90質量%、より好ましくは0.0001〜70質量%、さらに好ましくは0.001〜60質量%、さらに好ましくは0.01〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜40質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導用飲食物中に有効成分としてウバオールおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.00001〜90質量%、より好ましくは0.0001〜70質量%、さらに好ましくは0.001〜60質量%、さらに好ましくは0.01〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜40質量%、さらに好ましくは1.0〜30質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導用飲食物中に有効成分としてベツリンおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.00001〜90質量%、より好ましくは0.0001〜70質量%、さらに好ましくは0.001〜60質量%、さらに好ましくは0.01〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜40質量%、さらに好ましくは1.0〜30質量%含有するのが好ましい。
含量が高いほど効果が強いが、使用の目的や使用する期間、量、使用対象の年齢、性別、体重等を考慮し、含量を調整することが必要である。また、後に詳述するが原料として使用する場合は、比較的高濃度である場合が好ましい。
本発明のアポトーシス誘導剤のマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を摂取することにより、好適に抗動脈硬化効果を得るための所用量は、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.001g/日以上、好ましくは0.01g/日以上、特に好ましくは0.1g/日以上である。
また本発明は、上記記載のアポトーシス誘導剤を含有する製剤に関する。ここで、アポトーシス誘導剤として含有するとは、アポトーシス誘導効果を発現する程度に含有するということである。本発明の抗疾患、健康増進、体調調整、美容等の機能を有する製剤は、直接または間接的に経口および/または非経口的に投与することで、そのアポトーシス誘導効果を享受することができる。さらには、継続的な摂取をすることで、より好適な効果を得ることができる。本発明の抗疾患等の製剤におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の配合量は、一概には規定されず、トリテルペン類の種類、抗疾患、健康増進、体調調整、美容等の得たい機能の種類、つまり、アポトーシス誘導剤の効果を発揮させる対象の細胞の種類、また、予防か治療かという使用の目的や使用する期間、量、使用対象の年齢、性別、体重、直接経口摂取するのか等を踏まえ、必要とする効果の強さに応じて適宜決めればよい。以下に限定されないが、例えば、0.0001質量%以上、好ましくは0.0001〜99.99質量%、より好ましくは0.001〜99.99質量%、さらに好ましくは0.005〜99.99質量%、さらに好ましくは0.01〜99.99質量%、さらに好ましくは0.05〜99.99質量%、さらに好ましくは0.1〜99.99質量%、さらに好ましくは0.5〜99.99質量%、さらに好ましくは1〜99.99質量%であれば良い。何れにせよ含量が高いほど効果が強いが、使用の目的や使用する期間、量、使用対象の年齢、性別、体重等を考慮し、含量を調整することが必要である。また、該アポトーシス誘導剤を含有する製剤全体に含まれるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の量を指標として、アポトーシス誘導剤の配合量を調整することができる。
本発明のアポトーシス誘導剤及びアポトーシス誘導用飲食物は、ヒト及び動物に対し、医薬品、医薬部外品等として経口的及び非経口的に安全に投与できる。非経口的投与としては、例えば静脈注射、動脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、硬膜外注射、経皮投与、経肺投与、経鼻投与、経腸投与、口腔内投与、経粘膜投与等が挙げられ、その剤形としては、例えば注射剤、坐剤(肛門座剤、尿道座剤、膣座剤など)、外用液剤(注入剤、含漱剤、洗口剤、湿布剤、吸入剤、噴霧剤、エアゾール剤、浣腸剤、塗布剤、清拭剤、消毒剤、点鼻剤、点耳剤など)、貼付剤、経皮吸収テープ、皮膚外用剤、軟膏剤(パスタ剤、リニメント剤、ローション剤など)などが挙げられる。また、経口投与製剤としては、例えば、内服用錠剤(素錠、糖衣錠、コーティング錠、腸溶錠、チュアブル錠など)、口腔内錠剤(バッカル錠、舌下錠、トローチ錠、付着錠など)、散剤、カプセル剤(硬カプセル剤、軟カプセル剤など)、顆粒剤(コーティングした物、丸剤、トローチ剤、液剤、またはこれらの製剤学的に許容され得る徐放化製剤など)などが挙げられる。経口投与用液剤としては、例えば、内用水剤、振とう合剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、ドライシロップ剤、エリキシル剤、浸剤、煎剤、リモナーデ剤などが挙げられるが、これらの形態に特に限定されない。
これらの製剤は公知の製剤学的製法に準じ、製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等と共に医薬組成物として投与される。
これらの製剤に用いる担体や賦形剤としては、例えば糖類(乳糖、白糖、ブドウ糖等)、デンプン(トウモロコシ、馬鈴薯、コムギ)、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、結晶セルロース、微結晶セルロース、カンゾウ末、ゲンチアナ末などが挙げられる。
これらの製剤に用いる結合剤としては、例えばデンプン、トラガントゴム、ゼラチン、シロップ、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる崩壊剤としては例えばデンプン、寒天、ゼラチン末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる滑沢剤としては例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴールなどが挙げられる。
これらの製剤に用いる着色剤としては医薬品に添加することが許容されているものを、それぞれ用いることができる。
また、注射剤を調製する場合は、必要に応じて、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添加して、常法により各注射剤とする。
錠剤、顆粒剤を調製する場合は、必要に応じて、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、精製セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、フタル酸セルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート、メタアクリル酸重合体などで被膜しても良いし、2つ以上の層で被膜しても良い。さらにエチルセルロースやゼラチンのような物質のカプセルでも良い。
外用剤の形態としては、経皮投与用または口腔内あるいは経鼻などの経粘膜投与用の固体、半固体、半固体状、または液状の製剤が挙げられる。
液状製剤としては、例えば製剤学的に許容される乳剤あるいはローション剤などの乳濁剤、外用チンキ剤、経粘膜投与用液剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる希釈剤としては、例えばエタノール、油分、乳化剤などを含む。
半固体製剤としては、例えば油性軟膏、親水性軟膏などの軟膏剤が挙げられる。この製剤は通常用いられる基剤あるいは担体として、例えば、水、ワセリン、ポリエチレングリコール、油分、界面活性剤などを含む。
半固体あるいは固体製剤としては、例えば硬膏(ゴム膏、プラスターなど)、フィルム剤、テープ剤、あるいはパップ剤などの経皮投与用または経粘膜(口腔内、経鼻)投与用の貼付剤などが挙げられる。この製剤は通常用いられる基剤あるいは担体として、例えば天然ゴム、ブタジエンゴム、SBR、SISなどの合成ゴムなどのゴム系高分子、ゼラチン、カオリン、酸化亜鉛などの泥状化剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどの親水性高分子、アクリル樹脂、流動パラフィンなどの粘着付与剤、水、その他の油分、界面活性剤を含む。
これらの製剤は、さらに安定化剤、溶解補助剤、経皮吸収促進剤のような補助剤、あるいは芳香剤、防腐剤などの添加剤などを用いても良い。
本発明は、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を含有してなるアポトーシス誘導剤原料に関する。この場合、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の由来に、特に制限は無く、天然から得たものでも、人工的に得たものでも何れも好適に使用できるが、天然から得たものは安心感というメリットがある。またその目的がアポトーシス誘導剤である以上、その純度が高まったものほど好ましい。純度が高いことの利点としては、アポトーシス誘導効果を非常に向上させることができることに加え、不純物が除去されていること等が挙げられる。すなわち、不純物等による予測不能な副作用等の危険性を回避や、アポトーシス誘導剤製造時における予測不能なトラブルの回避、ハンドリングの向上といった、製品の品質等の向上に大きく寄与することができるため、純度が高まったものほど好ましく、特に天然から得たものである場合は好ましく、さらには、単離されたものが好ましい。また、単離精製処理により純度が高くなった場合、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物は、概ね白色あるいは無色の固体、半固体、液体等として得ることができるため、アポトーシス誘導剤に余計な色をつけることなく好適に配合することができる等のメリットがあり、好ましい。本発明のアポトーシス誘導剤原料におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の純度は、上述の通り純度が高いものほど好ましいが、一概には規定されず、トリテルペン類の種類、予防か治療かという使用の目的、投与形態、製法、製造コスト等を踏まえ、適宜決めればよい。以下に限定されないが、例えば、0.1質量%以上、好ましくは0.1〜99.99質量%、より好ましくは1〜99.99質量%、さらに好ましくは10〜99.99質量%、さらに好ましくは30〜99.99質量%、さらに好ましくは50〜99.99質量%、さらに好ましくは70〜99.99質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%であればよい。上記範囲内であれば、アポトーシス誘導剤を製造するために、または、医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、健康食品等に配合しても好適にアポトーシス誘導効果を発揮することができるため好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導剤原料中に有効成分としてマスリン酸およびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.1〜99.99質量%、より好ましくは1〜99.99質量%、さらに好ましくは10〜99.99質量%、さらに好ましくは30〜99.99質量%、さらに好ましくは50〜99.99質量%、さらに好ましくは70〜99.99質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導剤原料中に有効成分としてエリトロジオールおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.1〜99.99質量%、より好ましくは1〜99.99質量%、さらに好ましくは10〜99.99質量%、さらに好ましくは30〜99.99質量%、さらに好ましくは50〜99.99質量%、さらに好ましくは70〜99.99質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導剤原料中に有効成分としてウバオールおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.1〜99.99質量%、より好ましくは1〜99.99質量%、さらに好ましくは10〜99.99質量%、さらに好ましくは30〜99.99質量%、さらに好ましくは50〜99.99質量%、さらに好ましくは70〜99.99質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%含有するのが好ましい。
本発明中のアポトーシス誘導剤原料中に有効成分としてベツリンおよびその生理的に許容される塩またはそれらの誘導体を含有する場合、好ましくは0.1〜99.99質量%、より好ましくは1〜99.99質量%、さらに好ましくは10〜99.99質量%、さらに好ましくは30〜99.99質量%、さらに好ましくは50〜99.99質量%、さらに好ましくは70〜99.99質量%、さらに好ましくは90〜99.99質量%含有するのが好ましい。
上述の各種原料剤は、例えば、上述した各種製剤をあらかじめ配合したものも含む。
本発明のアポトーシス誘導用飲食物について、下記に具体例を列記するが、本発明はこれらに制限されるものではない。本発明のアポトーシス誘導用飲食物としては、その形態等について特に制限はないが、例えば、一般食品、加工食品の他、流動食品、経腸栄養食品、健康食品、乳幼児用食品等の形態をとることができる。具体的には、おかき、煎餅、おこし、饅頭、飴等の和菓子、クッキー、ビスケット、クラッカー、パイ、カステラ、ドーナッツ、プリン、スポンジケーキ、ワッフル、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメル、キャンデー、キューインガム、ゼリー、ホットケーキ、パン、菓子パン等の各種洋菓子、ポテトチップ等のスナック菓子、アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット等の氷菓、乳酸飲料、乳酸菌飲料、濃厚乳性飲料、果汁飲料、果肉飲料、機能性飲料、炭酸飲料等の清涼飲料水、緑茶、紅茶、コーヒー、ココア等の嗜好品およびこれらの飲料、発酵乳、加工乳、チーズ等の乳製品、豆乳、豆腐等の大豆加工食品、ジャム、果実のシロップ漬、フラワーペースト、ピーナツペースト、フルーツペースト等のペースト類、漬物類、うどんの麺、パスタ等の穀物製品類、ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセイジ、ビーフジャーキー、ハンバーグ等の畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、はんぺん等の魚貝類製品、魚、貝等の干物、鰹、鯖、鰺等の各種節、ウニ、イカ等の塩辛、スルメ、魚等のみりん干、鮭等の燻製品、のり、小魚、貝、山菜、椎茸、昆布等の佃煮、カレー、シチュー等のレトルト食品、みそ、醤油、ソース、ケチャップ、ブイヨン、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素等の各種調味料、米飯類、油脂やマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂加工品や、油脂を含有する各種レンジおよび冷凍食品等が挙げられる。特に、継続的な摂取という面からは、米飯や各種調味料や、調合油脂やマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の調合油脂加工品が好ましいといえる。また、形状・性状も特に制限されず、固体状、半固体状、ゲル状、液体状、粉末状等いずれでもよく、また、錠剤、カプセル剤、液剤、顆粒剤等いずれでも良い。
既述のとおり、本発明のアポトーシス誘導用飲食物中におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩又はそれらの誘導体の含有量は、これらの1日の摂取量が、0.001〜5g、更に0.001〜1gとなるようにするのが最も好ましい。より具体的には、本発明のアポトーシス誘導用飲食物が調合油脂又はマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の調合油脂加工品である場合、本発明の飲食物中に含まれるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、特にマスリン酸、それらの生理的に許容される塩またはそれらの誘導体の含量が、製品100gあたり、好ましくは0.001〜10g、より好ましくは0.01〜5g、更に好ましくは0.1〜3g、特に好ましくは0.2〜2gであるのが好ましい。本発明のアポトーシス誘導用飲食物が錠菓、ソフトカプセル状食品、タブレット食品、粉状食品、顆粒状食品である場合、本発明の飲食物中に含まれるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、特にマスリン酸、それらの生理的に許容される塩またはそれらの誘導体の含量が、製品500mgあたり、好ましくは1〜400mg、より好ましくは5〜380mgであるのが好ましい。本発明のアポトーシス誘導用飲食物が飲料、健康飲料、清涼飲料、乳性飲料、果汁・果肉飲料、茶・コーヒー類、アルコール飲料である場合、本発明の飲食物中に含まれるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、特にマスリン酸、それらの生理的に許容される塩またはそれらの誘導体の含量が、製品200gあたり、好ましくは0.002〜10g、より好ましくは0.02〜5gであるのが好ましい。
また本発明のアポトーシス誘導用飲食物には、機能の向上、特に、アポトーシス誘導効果の相乗的な向上、アポトーシス誘導効果の補助、吸収性の向上等を目的として、その他の生理活性成分等を配合することができる。特に制限は無いが、例えば、抗酸化成分、体内での吸収性を向上させ効果の効率を上げるための油性成分、栄養強化のための各種ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類等が挙げられる。
抗酸化成分としては、特に制限は無いが、例えば、トコフェロール類およびそれらの誘導体、トコトリエノール類およびそれらの誘導体、セサミン、エピセサミン、セサミノール、セサモリン、セサモール等のリグナン類およびそれらの配糖体、β−カロチン等のカロテノイド類およびその誘導体、没食子酸やエラグ酸等のタンニン類およびそれらの誘導体、フラボン、カテキン、ケルセチン、ロイコアントシアニジン等のフラボノイド類、ユビキノンやビタミンK等のキノン類、オリザノール等のフェルラ酸誘導体、オリーブ抽出物等が挙げられる。これらの抗酸化剤は、間接的にアポトーシス誘導効果があるとされており、また、本来の抗酸化作用による血行促進効果や抗老化効果等により、体内に対する総合的な相乗効果も期待できるため、好ましい。
油性成分としては、ゴマ油、オリーブ油、茶油等の植物油脂、魚油等の動物油脂の他、特に制限は無いが、例えば、天然および化学反応や酵素反応により得られた、MCT、MLCT、ジグリセライド、モノグリセライドや、脂肪酸の構造を設計した構造油脂等が挙げられる。
栄養強化のための各種ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類等については、特に制限はないが、食品添加物公定書に定められるものが望ましい。
その他、本発明のアポトーシス誘導用飲食物には、通常の飲食物に使用されている原材料を配合・使用することができる。特に制限は無いが、例えば、みそ、醤油、ソース、ケチャップ、ブイヨン、焼肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、だしの素等の各種調味料、豚脂、牛脂、乳脂等の動物性油脂、鯨油、イワシ油、ニシン油等の海産物性油脂、大豆油、菜種油、綿実油、米油、コーン油、胡麻油、落花生油、ヒマワリ油、紅花油、椿油、オリーブ油、亜麻仁油、桐油、ヒマシ油、ヤシ油、パーム油、カカオ脂等の植物性油脂等が挙げられる。特にオリーブ油は、本発明におけるマスリン酸等を含有するため、非常に好ましい。
本発明のアポトーシス誘導用飲食物におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンは、元来、概して油溶性の物質であるので、溶解性の面からも本発明のアポトーシス誘導用飲食物として油脂や油脂加工食品等は好ましい。この様な油脂として、特に制限はないが、例えば、天然あるいは人工的に得たマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンを通常の油脂に溶かし込んで含有させた油脂が挙げられ、また、植物種子の圧搾・抽出条件を調整し種子中のマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンを圧搾・抽出油に高濃度に含有させた油脂や、精製条件を調整することで油中に存在するマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンを残存させた油脂等が挙げられる。また、該マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン高含有油脂と他の油脂を混合することもでき、この場合、該他の油脂に含まれる微量成分の生理活性効果との相乗効果を期待することができる。
五環性トリテルペンは油糧原料である植物からも得られることから、製造の点からも油脂は好ましいといえ、更にこの油脂の加工品であるマーガリン、ショートニング、マヨネーズ、ドレッシング等の油脂加工品は好ましいといえる。
平成13年発表の国民栄養調査によると、食材料自体に含まれている脂肪が、全摂取脂肪に占める割合は76%に相当し、食用油脂やマーガリン、バターなど油脂製品から摂取する油の割合はわずか24%にすぎないとされている。すなわち、ヒトが一日に摂取する総脂質量は平均約60gに対して、ヒトが一日に摂取する、油脂製品から摂取する油の量は約14.4gということでる。これはヒトが1日に摂取する全食事量(平均約1400g、農林水産省「食糧需給表」)の約1%に相当する。このことを勘案すると、本発明の油脂を通常どおりの食事に使用しこれを摂取して、本発明におけるアポトーシス誘導効果等を得ようとする場合には、食用油、サラダ油、マーガリン、バターなど油脂および油脂製品中のマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩の最適含量が、好ましくは0.0001〜20質量%、より好ましくは0.0002〜18質量%、さらに好ましくは0.0005〜16質量%、さらに好ましくは0.001〜14質量%、さらに好ましくは0.002〜12質量%、さらに好ましくは0.005〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜8質量%、さらに好ましくは0.02〜6質量%、さらに好ましくは0.05〜4質量%、さらに特に好ましくは0.1〜3質量%、最も好ましくは0.2〜2質量%になるようにするのが好ましい。
同様に、本発明に含まれる上記油脂等を使用した製品も良好である。ここで、使用とは原料として使用することと、揚げ物や炒め物等に使用するいわゆる油脂としての使用の双方を示す。
原料としての使用とは、例えば、上述したような各種飲食物へ、上記マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン等を含有する油脂等を原料として使用することで、本発明のアポトーシス誘導用飲食物とすることができることを示す。このような場合、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン等を含有する油脂等は、通常の油脂等とほぼ同様に扱うことができるため、特に飲食物の製造工程を変更する必要性もなく、簡便に本発明の飲食物を得ることができるため、好ましい。
また、油脂としての使用とは、通常、油脂を用いる場合の公知の使用と同様であり、特に制限されないが、例えば、いため油、揚げ油、固形油脂、コーティング油脂等が挙げられる。このような場合、上記マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン等を含有する油脂等を、揚げ物や炒め物等に使用することで、出来上がった揚げ物や炒め物等を本発明のアポトーシス誘導用飲食物とすることができる。そのような使用の方法としては、目的とする飲食物に、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン等を添加、付着、含有等させることができる方法であれば、特に制限されない。
ここで、五環性トリテルペンの飲食物への使用に関して特に制限は無いが、油系の飲食物に対しては、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、あるいはアルコールエステル基を有する誘導体、脂肪酸エステル基を有する誘導体、アルコキシ基を有する誘導体、アルコキシメチル基を有する誘導体が好ましい。これらは、比較的油溶性であるため、好適に油系の飲食物へ適用することができる。また当然、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの生理的に許容される塩あるいは配糖体を配合することも可能であるが、この場合には、乳化剤を用いることが好ましい。
また、概して、水系の飲食物に対しては、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの生理的の許容された塩、あるいは配糖体が好ましい。これらは、比較的水溶性であるため、好適に水系の飲食物へ適用することができる。また当然、その他のマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンあるいはその誘導体を配合することも可能であるが、この場合には、乳化剤を用いることが好ましい。
上述したマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、本発明のアポトーシス誘導用飲食物に対して、その原料として使用することができる。すなわち、上述したアポトーシス誘導用飲食物に対して、その原料の一つとして配合することができる。この場合、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体の由来に、特に制限は無く、天然から得たものでも、人工的に得たものでもいずれも好適に使用でき、その純度が高まったものほど好ましい。純度が高いことの利点としては、アポトーシス誘導効果等を非常に向上させることができることに加え、不純物が除去されていること等が挙げられる。すなわち、不純物等による予測不能な副作用等の危険性を回避や、アポトーシス誘導飲食物製造時における予測不能なトラブルの回避、ハンドリングの向上といった、製品の品質等の向上に大きく寄与することができるため、純度が高まったものほど好ましい。また、分画・精製処理等により純度が高くなった場合、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、概ね白色あるいは無色の固体、半固体、液体等として得ることができるため、本発明のアポトーシス誘導飲食物に余計な色をつけることなく好適に配合することができる等のメリットがあり、好ましい。
本発明のアポトーシス誘導用飲食物を飲食することで、アポトーシス誘導効果を有するマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を体内に吸収することにより効果を奏する。飲食物という形態であるため、化粧料のような労力も必要なく、継続的に摂取することができるため好ましい。
本発明のアポトーシス誘導用飲食物に含有されるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体を摂取することにより、好適にアポトーシス誘導効果を得るための所用量は、上述の通り、摂取の形態、対象者の性別、体重、体調等により異なり、特に制限されないが、例えば、0.001g/日以上、好ましくは0.01g/日以上、より好ましくは0.1g/日以上、さらに好ましくは0.2g/日以上、さらに好ましくは0.5g/日以上、特に好ましくは0.7g/日以上、最も好ましくは1.0g/日以上である。
上記、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、合成することも、天然物から抽出することもできる。天然には、それぞれに前述した植物体から抽出することにより、詳しくは、水および/または有機溶媒で抽出処理し、さらに濃縮処理および/または分画・精製処理することにより得ることができる。すなわち、各植物体から、水および/または有機溶媒で抽出でき、さらにその抽出物から、溶媒抽出法、不純物との溶解度差を利用する方法、分別沈殿法、再結晶法、イオン交換樹脂法、液体クロマトグラフ法等を単独または適宜組み合わせて、あるいは反復使用することによって分離精製することができる。
以下、マスリン酸における具体例を示す。
前述の通り、マスリン酸およびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、天然には、前記の植物体から抽出することで得ることができるが、特に、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩は、オリーブ植物等から、水および/または有機溶媒で抽出でき、さらにその抽出物から、溶媒抽出法、不純物との溶解度差を利用する方法、分別沈殿法、再結晶法、イオン交換樹脂法、液体クロマトグラフ法等を単独または適宜組み合わせて、あるいは反復使用することによって分離精製することができる。
オリーブ植物(Olea europaea L.)は、国産、欧州産などの産地、食用あるいは搾油用を問わず使用できる。本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩は、天然植物であるオリーブ植物の主に、実または種子から得ることができ、さらに、その種皮、葉、茎、芽から得ることができる。また、これらの乾燥物、粉砕物、脱脂物からも好適に得ることができる。このうち、脱脂された実(果皮含む)や果皮の乾燥物、粉砕物が好ましい。さらに、オリーブ油の製造工程で生じる副産物、例えば圧搾残渣、抽出残渣、搾油残渣、圧搾油、抽出油、脱ガム油滓脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭スカム、搾油ジュース、排水、廃濾過材から得ることができる。このうち、搾油残渣及び搾油残査が好ましい。
また、上記オリーブ植物の果実やその脱脂物等に、添水する等により加水した場合、あるいは蒸気により蒸す等の加湿処理を行った場合、これらオリーブ植物の果実やその脱脂物等が適度に膨潤するので、抽出効率が良くなり好ましい。なお、本明細書において、オリーブ抽出物とは、オリーブ油製造工程で得られる脱脂物を溶媒抽出して得られる抽出物をいい、オリーブ油製造工程で得られる脱脂物とは、抽出残渣と圧縮残渣とを含む。また、本明細書において、オリーブ抽出油とは、オリーブ油製造工程で得られる圧搾残渣をさらにヘキサン等で溶媒抽出して得られる抽出油をいう。
特に、オリーブ植物の脱脂物には、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩が高濃度で存在し、かつ、得られたマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩から油分を除去する必要がないため好ましい。
当該脱脂物は、食油精製工程中に産出するオリーブ搾油残査、またはヘキサン等による抽出残査を原料とすることができる。
また、オリーブ植物または当該脱脂物に含まれる脂質成分をペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、酢酸エチルエステル等の低級脂肪酸アルキルエステル、ジエチルエーテル等の公知の非水溶性有機溶媒の1種又は2種以上で抽出除去し、さらに必要に応じてこの洗浄処理を繰り返した脱脂物も好適に利用できる。
上記オリーブ植物から水および/または有機溶媒で抽出することにより、本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を得ることができる。
オリーブ植物からマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を得るために用いる有機溶媒としては、親水性有機溶媒、疎水性有機溶媒のいずれでもよい。具体的には、親水性有機溶媒として、メチルアルコール、エチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸等の公知の有機溶媒が挙げられ、疎水性有機溶媒として、ヘキサン、シクロヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン等の公知の有機溶媒が挙げられる。また、これらの有機溶媒は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
工業的には、例えば植物組織への浸透性、抽出効率等からは、親水性有機溶媒を用いることが好ましく、また含水親水性有機溶媒を用いることが好ましい。具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の有機溶媒およびこれらの含水溶媒が挙げられる。これらの中からなる群より選ばれる、1種または2種以上により、オリーブ植物から、本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を得ることができる。
抽出条件は、特に限定されないが、例えば、温度は5℃〜95℃、好ましくは10℃〜90℃、さらに好ましくは15℃〜85℃で、常温でも好適に抽出することができる。温度が高いほうが、抽出効率が高くなる傾向はある。圧力は、常圧でも、加圧でも、吸引等による減圧でも好適に抽出することができる。また、抽出効率を向上させるため、振とう抽出や、撹拌機等のついた抽出機でも抽出することができる。抽出時間は、他の抽出条件によるが、数分〜数時間であり、長時間なほど十分な抽出がなされるが、生産設備、収率等の生産条件によって適宜決めれば良い。
また、抽出に使用する溶媒は、水を単独で使用する場合、有機溶媒を単独で使用する場合、水と有機溶媒とを混合して使用する場合のいずれの場合にも、原料に対し1〜100倍量(「質量/質量」。以下同様。)、好ましくは1〜20倍量を使用することができる。
また、人体等への安全性等を考えれば、特に、水、含水低級アルコール、無水低級アルコールの何れかにより抽出することが好ましい。
さらに、得られるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩の収率や、アポトーシス誘導効果の強さをも考慮に入れた場合、低級アルコール含量が10質量%以上である含水低級アルコールで抽出することが好ましい。さらには低級アルコール含量が10質量%〜95質量%の含水アルコールを使用することが好ましく、最も好ましくは低級アルコール含量が30質量%〜95質量%に調節された含水低級アルコールが好ましい。
ここで、本発明で使用するアルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロパノール、1−ブタノール等の1級アルコール、2−プロパノール、2−ブタノール等の2級アルコール、2−メチル−2−プロパノール等の3級アルコールさらにエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール等の公知の溶媒が挙げられ、これらの溶媒は1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
低級アルコールとは、炭素数が1〜4である公知のアルコール、例えば、前述の1、2、3級、もしくは、液状多価のアルコール等があげられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
このようにして得られた粗抽出物および/または粗抽出液から、溶媒、水分を除去することで、本発明におけるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を得ることができる。
溶媒、水分の除去は減圧蒸留、減圧・真空乾燥、凍結乾燥、スプレードライ等の公知の方法で行うことができる。
もちろん、溶媒、水分を含んだままでも良く特に状態は制限されない。
脱脂物からの抽出物は、トリグリセライドやステロール、トコフェロール等の油溶性成分は含有していないので、これらを除去、精製する必要がないため、好ましい。加えて、脱脂物とは、搾油後の残査を含むので、オリーブ油を搾油した圧搾残渣(圧搾粕)および抽出残渣(抽出粕)を使用できることから、オリーブの極めて優れた有効利用方法であり、通常は廃棄または飼料等に使用されるものを利用するため、生産コストの面から見ても優れた方法といえる。
さらに、オリーブ植物から抽出されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩のアポトーシス誘導効果をより一層引き出すためには、本発明のアポトーシス誘導剤に含有させるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を濃縮処理等することが好ましい。
濃縮条件は、特に限定されないが、例えば、水への溶解性を利用した方法が挙げられる。本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩は、比較的極性が低く、難水溶性の化合物である。この性質を利用して、オリーブ植物からの粗抽出物を水に溶解しにくい成分および/または水に溶解しない成分、つまり難水溶性等の成分と水に容易に溶ける成分とに分けることで、大幅に濃縮することができる。オリーブ植物からの粗抽出物に含まれる難水溶性等の成分は、オリーブ植物からの粗抽出物全体と比べても、大幅にアポトーシス誘導効果に優れており、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩が濃縮されていることが確認できる。
難水溶性等の成分は、オリーブ植物からの粗抽出物を水に添加・撹拌した後、析出している部分を濾過等により採取することで簡易に得ることができる。
また、本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩は、必要に応じて、一般的な溶剤の組み合わせによる液−液分配により濃縮することができる。溶剤の組み合わせは一概に規定し難いが、例えば、水−疎水性有機溶媒の組み合わせが挙げられ、疎水性有機溶媒としては、ヘキサン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、n−ブタノール、ベンゼン、トルエン等の公知の有機溶媒が挙げられる。このうち、ヘキサン、酢酸エチル、n−ブタノールが好ましい。
マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩は難水溶性であるため、疎水性有機溶媒相を分取することで、不要な水溶性成分を除去することができる。溶媒を除去することで、容易にマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を濃縮することができる。
さらに、本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩は、上述した抽出物および/または濃縮物から分画・精製処理することが好ましい。これにより上記濃縮以上に濃縮することができ、目的とする成分を単離することができる。
分画・精製処理することの利点としては、アポトーシス誘導効果を非常に向上させることができることに加え、不純物を除去することができること等が挙げられる。すなわち、該分画・精製処理した場合、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を白色結晶として得ることができるため、アポトーシス誘導剤に余計な色をつけることなく好適に配合することができる等のメリットがあり、好ましい。
分画・精製処理の方法については一概に規定し難いが、例えば、再結晶法、分別沈殿法、クロマトグラフィーを利用する方法などが挙げられる。特にクロマトグラフィーの中でも液体クロマトグラフィーを利用する方法は、本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を分解することなく、収率良く分画・精製出来るので、好ましい。液体クロマトグラフィーとしては、具体的に、順相液体クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等が挙げられるが、本発明のアポトーシス誘導剤に含有されるマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を分画・精製処理する際には、いずれの方法を用いることができる。とりわけ、分離能、処理量、工程数等を考慮に入れると、順相液体クロマトグラフィー、逆相液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が好ましい。
ここで、順相液体クロマトグラフィーとは、例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えばシリカゲルを固定相、ヘキサン−酢酸エチル混液、クロロホルム−メタノール混液等を移動相としたカラムを作成し、オリーブ植物からの粗抽出物あるいはその濃縮物を負荷率0.1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供し、単一移動相による連続的溶出法あるいは溶媒極性を順次増加させる段階的溶出法により、所定の画分を溶出させる方法である。
逆相液体クロマトグラフィーとは、例えば以下のような方法を指す。すなわち、例えばオクタデシルシランを結合させたシリカ(ODS)を固定相、水−メタノール混液、水−アセトニトリル混液、水−アセトン混液等を移動相としたカラムを作成し、オリーブ植物からの粗抽出物あるいはその濃縮物を負荷率0.1〜5%(wt(質量)/v(体積))で供し、単一溶媒による連続的溶出法あるいは溶媒極性を順次低下させる段階的溶出法により、所定の画分を溶出させる方法である。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とは、原理的には、上記順相液体クロマトグラフィーあるいは逆相液体クロマトグラフィーと同様のものであり、より迅速かつ高分離能での分画・精製を行うためのものである。
上記手法を1種または2種以上組み合わせることで、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を非常に濃縮でき、かつ、不純物が除去された状態で得ることができるため好ましい。
さらに、上記手法を1種または2種以上組み合わせることで、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩の純度を調整することができ、必要に応じたアポトーシス誘導効果の強さ、特性等を設計することもできる。
前述した濃縮処理について、好ましくは繰り返し濃縮処理することができ、さらには異なる濃縮処理を組み合わせることができる。同様に、分画・精製処理について、好ましくは繰り返し分画・精製処理することができ、さらには異なる分画・精製処理を組み合わせることができる。さらに、濃縮処理を行った後に分画・精製処理しても良く、分画・精製処理を行った後に分画・精製処理しても良く、濃縮処理した後に分画・精製処理を行いさらに濃縮処理することもできる。当然、前述の組み合わせ以外の組み合わせでも良い。
上記に記載した抽出処理、濃縮処理、分画および/または精製処理等を様々に組み合わせることによって、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を好適に得ることができる。その組み合わせについては特に限定されないが、一連の処理の具体例としては以下のような方法が挙げられる。
例えば、オリーブ植物を水および/または親水性有機溶媒で抽出処理した後、得られた抽出液について親水性有機溶媒の一部または全部を除去し、必要により水を加えて撹拌し、水層部に析出した水不溶分を回収することで濃縮する。析出した水不溶分は、濾過や遠心分離等のよって回収することができるが、この回収効率の向上のため、必要に応じ水溶液に対して水の添加・撹拌等の処理を行うことができる。また、オリーブ植物から得られる抽出液の水および/または親水性有機溶媒を除去した乾固状態の抽出物についても、上記同様に水の添加・撹拌等の処理を行い、濾過等によりその水不溶分を回収することで濃縮処理することができる。この濃縮方法によれば、水系での処理であるので、溶剤を用いた濃縮よりも安全性に優れ、また、使用できる機器の範囲も広いため好ましい。また、油分がほとんど含まれていないため、濃縮・精製の効率にも優れており、好ましい。
これらの濃縮物を順相および/または逆相クロマトグラフィーおよび/または再結晶にて分画・精製処理することにより、高純度に精製されたマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を好適に得ることができる。
また、オリーブ植物から得られる抽出液について親水性有機溶媒を除去し、残った水溶液に対して、必要に応じて水を添加し、さらに疎水性有機溶媒を添加することで、水−疎水性有機溶媒での液−液分配により濃縮処理することができる。また、乾固状態の抽出物についても、上記同様に水を添加し、さらに疎水性有機溶媒を添加することで、水−疎水性有機溶媒での液−液分配により濃縮処理することができる。これらの濃縮物を順相および/または逆相クロマトグラフィーおよび/または再結晶にて分画・精製処理することにより、高純度に精製されたマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を得ることができる。
ここで、液−液分配の際に添加する水の量は、分配処理し得る量を用いれば特に限定されないが、乾固された抽出物の質量あたり1〜100倍量が好ましく、より好ましくは5〜50倍量、さらに好ましくは10〜30倍量程度である。
また、水−疎水性有機溶媒での液−液分配において、水と疎水性有機溶媒とは、水:疎水性有機溶媒=9:1〜1:9(体積比)で使用することが好ましく、8:2〜2:8で使用するのがより好ましい。
また、オリーブ植物及び/又はオリーブ油製造工程で得られる副産物から得られるマスリン酸と生理的に許容されるその塩との混合物中のマスリン酸及び生理的に許容されるそれらの塩の合計の含有率が、95%以上であるのが好ましく、より好ましくは95%〜99.99%である。当該含有率は、例えば、ガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
本発明のアポトーシス誘導剤は、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を含有させることができるが、前記抽出物及び濃縮物を含有させることでも本発明のアポトーシス誘導剤を得ることもできる。また、濃縮、精製等の度合いを調整することで、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩の濃度等を調整することができ、アポトーシス誘導剤へ好適に配合することができる。つまり、より強力な効果が必要な場合は濃縮し、弱い効果でも良い場合は希釈した配合もでき、使用目的に応じた濃度での使用に好適な形態とすることができる。
さらに、他のアポトーシス誘導物質を配合して使用することができ、これにより、詳細なアポトーシス誘導効果の設計が可能であり、また、他のアポトーシス誘導物質との相乗効果により大幅なアポトーシス誘導効果の強化も期待できる。すなわち、アポトーシス誘導効果の強さと効能とを適宜調整することによりアポトーシス誘導効果を設計できる。アポトーシス誘導効果の強さは、例えば、より強力な効果が必要な場合は濃縮し、弱い効果でよい場合は希釈して配合することにより調整することができ、使用目的に応じた程度の強さとすることができる。あるいはまた、本発明で対象とする五環性のトリテルペン類以外のその他のアポトーシス誘導成分と、本発明で対象とするマスリン酸等とを組み合わせることによっても、アポトーシス誘導効果の強さを調整することができる。アポトーシス誘導効果の効能としては、特定の病態細胞に対しての細胞死の誘導による選択的排除に起因した、疾患の予防および/または治療効果等が挙げられる。このような効能は、本発明で対象とする五環性のトリテルペン類以外のその他のアポトーシス誘導剤と本発明で対象とする五環性のトリテルペン類とを組み合わせることによって調整することができる。
オリーブ油にはマスリン酸が含有されていることから、本発明のアポトーシス誘導剤について、さらに油性成分としてオリーブ油を使用することで、さらに好適なアポトーシス誘導効果が得られるため好ましい。
また、オリーブ植物からマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を抽出する場合には、同時にオレアノール酸および/またはその生理的に許容される塩が抽出されるが、このオレアノール酸および/またはその生理的に許容される塩は、マスリン酸との相溶性に優れている点から、これらの混合物を本発明のアポトーシス誘導剤に直接配合することができる。これにより、それぞれが有する生理効果について相乗効果が期待でき、特にはマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩の本発明におけるアポトーシス誘導効果について相乗効果が期待できるため好ましい。マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩をオリーブ植物から抽出、分離・精製等をするに際し、その条件を調整することで、オレアノール酸および/またはその生理的に許容される塩との混合物として得ることもでき、オリーブ植物からそれぞれ別々にマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩、オレアノール酸および/またはその生理的に許容される塩を単離し、のちに混合することでも得ることができる。また、それぞれ異なる原料から得られたマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩と、オレアノール酸および/またはその生理的に許容される塩を混合した物でも良い。
なお、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩以外の本発明の対象となる五環性のトリテルペン類についても、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩について記載した原料および方法に準じて天然物から単離することができる。
天然物からの単離物を使用してアポトーシス誘導剤とした場合、天然物由来の夾雑物の影響が排除され、無色〜淡色および/または無臭〜無臭に近い状態になるので好ましい。
さらに、オリーブやオリーブ油をそのままの形態で摂取した場合、本発明で対象とするマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を少量しか摂取できないが、天然物から単離したマスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を配合したアポトーシス誘導剤を摂取すれば、マスリン酸および/またはその生理的に許容される塩を比較的容易に多量に摂取することができる。
本発明はマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分とするアポトーシス誘導剤に関する。また、これらを含有する製剤に関する。これらのマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体はアポトーシス誘導効果に優れている。また、本発明におけるマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、天然植物から得たもの、人工的に得られたもの、何れも好適に使用でき、特にアポトーシス誘導剤原料とする場合、その純度は高いものほど好ましい。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、80〜99質量%の量で含有する錠剤があげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる搾油残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、1〜10質量%の量で含有する散剤があげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる抽出残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.01〜0.1質量%の量で含有するゲル軟膏があげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.01〜0.1g/mLの量で含有する注射剤があげられる。
本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.1〜5質量%の量で含有する食用油脂があげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を、1〜30質量%の量で含有するドレッシングがあげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸分画物を、0.1〜5質量%の量で含有するドレッシングがあげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる搾油残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物を、0.1〜5質量%の量で含有する飲料があげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.5〜25質量%の量で含有する錠菓があげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる搾油残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.1〜5質量%の量で含有するクッキーがあげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.5〜5質量%の量で含有する衣液及び、これを用いたフライ調理品(冷凍食品)があげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる搾油残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.05〜2.5質量%の量で含有するソースがあげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる脱脂残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.1〜5質量%の量で含有するマヨネーズがあげられる。
また、本発明の具体的な実施態様として、オリーブ油製造工程で得られる搾油残渣をエタノール溶液で抽出処理し、得られた抽出物を乾燥することにより濃縮し、次いで得られた濃縮物をクロマトグラフィにかけて得られるマスリン酸を、0.1〜5質量%の量で含有するマーガリンがあげられる。
実施例
次に、実施例を挙げ、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例に使用した五環性のトリテルペン類として、エリトロジオール(フナコシ社製)、ウバオール(フナコシ社製)、ベツリン(フナコシ社製)については、試薬として購入した。HPLCグレードのものはそのまま用い、そうでないものは、沸点まで加熱したエタノールに飽和になるまで溶解した後、冷却して再結晶させたものを濾過、乾固して用いた。マスリン酸については、以下に実例を挙げて説明するが、オリーブ植物から抽出、精製し、純度95%であることを確認したものを用いた。
<製造例1>
国内産のオリーブ(Olea europaea L.)の乾燥果実(種子を含む)500gを破砕し、3Lのヘキサンを加え3時間抽出した。これを4度繰り返した脱脂果実(脱脂物(脱脂粕))について、種子を除去した後、粉砕し、再度5倍量のヘキサンで3時間抽出することで、完全に油分を除去した脱脂物229gを得た。この脱脂物に10倍量のエタノール含量が60質量%の含水エタノール水溶液を加え、室温で激しく撹拌しながら3時間抽出した。全量を濾過後、濾液を濃縮乾固して抽出物112.7gを得た。
この抽出物100gに、水2Lを加え、室温で1時間、激しく撹拌した。全量を遠心分離で処理した後、上澄みはデカンテーションにより除去し、残った沈殿を乾燥して濃縮物10.0gを得た。
次にこの濃縮物を、約40倍量(400g)のシリカゲルを充填したカラムを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画した。まず、充填したゲルの10倍量(4000mL)のヘキサン:酢酸エチル=3:1の溶離液で雑多な不要分を溶出させた後、さらに2.5倍量(1000mL)のヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶離液で雑多な不要分を溶出させた。続いて充填したゲルの10倍量(4000mL)のヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶離液で目的とするマスリン酸を溶出させて、粗マスリン酸画分を得た。この画分からヘキサンおよび酢酸エチルを除去後、真空乾燥し粗マスリン酸分画物を1.96g得た。
さらにこの粗マスリン酸分画物を、約30倍量(60g)のオクタデシルシリカゲルを充填したカラムを用いたODSカラムクロマトグラフィーで精製した。まず、充填したゲルの10倍量(600mL)のメタノール:水=8:2の溶離液で雑多な不要分を溶出させた。続いて充填したゲルの30倍量(1800mL)のメタノール:水=8:2の溶離液で目的とするマスリン酸を溶出させて、精製マスリン酸画分を得た。この画分からメタノールを除去後、真空乾燥し精製マスリン酸1を1.51g得た。
ここで、NMR、MS等の解析から、この精製マスリン酸1は、その一部がナトリウム塩およびカリウム塩の状態で、残りの大部分が遊離酸の状態であることを確認した。また、これらの純度をGCで測定し、マスリン酸としての純度が95%以上であることを確認した。
<製造例2>
イタリア産のオリーブ(Olea europaea L.)を搾油し得られた搾油残渣(搾油粕)1kgに、10倍量のエタノール含量が65質量%の含水エタノール水溶液を加え、室温で激しく撹拌しながら3時間抽出した。全量を濾過後、濾液を濃縮乾固して抽出物を20.2g得た。
この抽出物に、n−ブタノール1L、水1Lを加えて10分間撹拌した後、n−ブタノール相と水相に分けた。n−ブタノール相のn−ブタノールを除去後、真空乾燥し濃縮物を13.3g得た。
次にこの濃縮物を、約40倍量(500g)のシリカゲルを充填したカラムを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画した。まず、充填したシリカゲルの10倍量(5000mL)のヘキサン:酢酸エチル=3:1の溶離液で雑多な不要分を溶出させた後、さらに2.5倍量(1250mL)のヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶離液で雑多な不要分を溶出させた。続いて充填したシリカゲルの10倍量(5000mL)のヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶離液で目的とするマスリン酸を溶出させて、粗マスリン酸画分を得た。この画分からヘキサンおよび酢酸エチルを除去後、真空乾燥し粗マスリン酸分画物を2.66g得た。
さらにこの粗マスリン酸分画物を、約30倍量(80g)のオクタデシルシリカゲルを充填したカラムを用いたODSカラムクロマトグラフィーで精製した。まず、充填したゲルの10倍量(800mL)のメタノール:水=8:2の溶離液で雑多な不要分を溶出させた。続いて充填したゲルの30倍量(2400mL)のメタノール:水=8:2の溶離液で目的とするマスリン酸を溶出させて、精製マスリン酸画分を得た。この画分からメタノールを除去後、真空乾燥し精製マスリン酸2を2.06g得た。
ここで、NMR、MS等の解析から、この精製マスリン酸2は、その一部が遊離酸の状態で、残りの大部分がナトリウムやカリウム等の塩の状態であることを確認した。また、これらの純度をGCで測定し、マスリン酸としての純度が97%以上であることを確認した。
<製造例3>
オリーブ油製造工程で得られるイタリア産のオリーブの抽出残渣(搾油残渣をさらに抽出工程で処理した脱脂物)1kgに、10倍量のエタノールを加え、55□に加温して激しく撹拌しながら3時間抽出した。全量を濾過後、濾液を濃縮乾固して抽出物を35g得た。
この抽出物を、約40倍量(1400g)のシリカゲルを充填したカラムを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。まず、充填したシリカゲルの約10倍量(14L)のヘキサン:酢酸エチル=3:1の溶離液で、雑多な不要分を溶出させた後、さらに2.5倍量(3500mL)のヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶離液で、雑多な不要分を溶出させ、さらに、充填したシリカゲルの10倍量(14L)のヘキサン:酢酸エチル=1:1の溶離液で、目的とするマスリン酸を溶出させて、粗マスリン酸画分を得た。この画分からヘキサンおよび酢酸エチルを除去後、真空乾燥し粗マスリン酸分画物5.90g得た。
さらにこの粗マスリン酸分画物を、約30倍量(180g)のオクタデシルシリカゲルを充填したカラムを用いたODSカラムクロマトグラフィーで精製した。まず、充填したゲルの10倍量(1800mL)のメタノール:水=8:2の溶離液で雑多な不要分を溶出させた。続いて充填したゲルの30倍量(5400mL)のメタノール:水=8:2の溶離液で目的とするマスリン酸を溶出させて、精製マスリン酸画分を得た。この画分からメタノールおよび水を除去後、真空乾燥し精製マスリン酸3を5.36g得た。
ここで、NMR、MS等の解析から、この精製マスリン酸3は、その一部がナトリウム塩およびカリウム塩の状態で、残りの大部分が遊離酸の状態であることを確認した。また、これらの純度をGCで測定し、マスリン酸としての純度が97%以上であることを確認した。
マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンの誘導体としては、以下のようにして得た。
<合成例1> マスリン酸エチル
マスリン酸4.5gとトリエチルアミン1.0gをクロロホルム50mLに溶解し、塩化チオニル1.1gをクロロホルム10mLに溶解したものを、氷冷下、滴下しながら、1時間撹拌した。続いて、エタノール3.2gを加え、トリエチルアミン1.0gをクロロホルム10mLに溶解したものを氷冷下、滴下しながら、3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルム溶解分を抽出し、クロロホルムを溜去して得た粗反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、マスリン酸エチルを3.5g得た。
<合成例2> 2,3−O−ジアセチル−マスリン酸
マスリン酸2.0gをピリジン100mLに溶解し、無水酢酸50mLを加え、一晩撹拌した。ピリジン及び無水酢酸を溜去した後、残留物をエーテルに溶かし、このエーテル相を1N塩酸水溶液で一回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で一回、純水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて一晩放置した。濾過により硫酸マグネシウムを除去し、エーテルを溜去して得た粗反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2,3−O−ジアセチル−マスリン酸を2.2g得た。
<合成例3> 2,3−O−ジトリエチルシリル−マスリン酸トリエチルシリルエステル
マスリン酸1.0gを無水ジメチルフォルムアミド200mLに溶解し、イミダゾール144.0mgおよびトリエチルシリルクロライド350μLを0℃で加え、密栓して2時間撹拌した。ジメチルフォルムアミドを溜去した後、残留物をエーテルに溶かし、このエーテル相を1N塩酸水溶液で一回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で一回、純水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて一晩放置した。濾過により硫酸マグネシウムを除去し、エーテルを溜去して得た粗反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2,3−O−ジトリエチルシリル−マスリン酸トリエチルシリルエステルを1.5g得た。
<合成例4> 2,3−O−ジステアリル−マスリン酸エチル
合成例1で得たマスリン酸エチル1.0gを無水トルエン50mLに溶解し、トリエチルアミン5.0gを加え、さらにステアリン酸クロライド6.0gを氷冷下で徐々に添加しながら、1時間撹拌し、徐々に室温に戻しながら9時間撹拌した。1N塩酸水溶液を適量加え、エーテルで抽出し、エーテル相はさらに飽和炭酸水素ナトリウム溶液で一回、純水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて一晩放置した。濾過により硫酸マグネシウムを除去し、エーテルを溜去して得た粗反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2,3−O−ジステアリル−マスリン酸エチルを1.2g得た。
<合成例5> 3,28−O−ジアセチル−エリトロジオール
エリトロジオール5.0gをピリジン250mLに溶解し、無水酢酸100mLを加え、一晩撹拌した。ピリジン及び無水酢酸を溜去した後、残留物をエーテルに溶かし、このエーテル相を1N塩酸水溶液で一回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で一回、純水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて一晩放置した。濾過により硫酸マグネシウムを除去し、エーテルを溜去して得た粗反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、3,28−O−ジアセチル−エリトロジオールを5.4g得た。
<合成例6> 3,28−O−ジアセチル−ウバオール
ウバオール5.0gをピリジン250mLに溶解し、無水酢酸100mLを加え、一晩撹拌した。ピリジン及び無水酢酸を溜去した後、残留物をエーテルに溶かし、このエーテル相を1N塩酸水溶液で一回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で一回、純水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて一晩放置した。濾過により硫酸マグネシウムを除去し、エーテルを溜去して得た粗反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、3,28−O−ジアセチル−ウバオールを5.4g得た。
<合成例7> 3,28−O−ジアセチル−ベツリン
ベツリン5.0gをピリジン250mLに溶解し、無水酢酸100mLを加え、一晩撹拌した。ピリジン及び無水酢酸を溜去した後、残留物をエーテルに溶かし、このエーテル相を1N塩酸水溶液で一回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で一回、純水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムを加えて一晩放置した。濾過により硫酸マグネシウムを除去し、エーテルを溜去して得た粗反応物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、3,28−O−ジアセチル−ベツリンを5.4g得た。
実施例1
<アポトーシス誘導効果の評価>
ラット由来血管平滑筋細胞株A7r5(ATCC寄託−受託番号CRL−1444)、マウス由来前駆型脂肪細胞株3T3−L1(ATCC寄託−受託番号CL−173)、マウス由来黒色腫細胞株B16−F10(ATCC寄託−受託番号CRL−6475)を、3x10細胞/75cm組織培養フラスコ(Nunc社製)の密度で、10%牛胎児血清を含むDMEM培地(ナカライテスク社製)にて培養した。対数増殖期後半に入る2日後に、細胞を1x10細胞/1.5mlチューブ(AXYGEN Scientific社製)の密度で移植し、10%牛胎児血清を含むDMEM培地にて、各トリテルペン類を、表1に記載の濃度になるように加えた状態で24時間培養した。培養終了後、フローサイトメトリー(FACScan、Becton Dikinson社製)にてFL2の蛍光強度を測定し、アポトーシスを示す蛍光領域の割合を、コントロール群の蛍光領域の割合と比較することよりアポトーシス誘導率を算出した。
(評価基準) トリテルペン類を溶かした溶媒のみを加えた群をコントロールとし、コントロールで得られたアポトーシス領域を100%とした時の、被検物質添加時の蛍光領域から、アポトーシス誘導率を算出した。すなわち、数式1の通りである。
Figure 2003057224
上記方法によってアポトーシス誘導効果を評価した。その結果をアポトーシス誘導率として表1に示す
Figure 2003057224
表1から、血管平滑筋細胞、前駆型脂肪細胞、腫瘍細胞、いずれの細胞を用いても、既知のアポトーシス誘導能を有するオレアノール酸に比べ、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、高いアポトーシス誘導能を示した。
これにより、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体は、優れたアポトーシス誘導効果を有することが明らかになった。
実施例2 錠剤
精製マスリン酸1 250.0mg
トウモロコシデンプン 14.5mg
結晶セルロース 25.0mg
カルボキシメチルセルロースカルシウム 10.5mg
上記配合比率にて、各物質をよく混合し、この混合物を打錠して一錠300mg錠剤を得た。
実施例3 散剤
精製マスリン酸2 10.0mg
乳糖 981.0mg
ヒドロキシプロピルセルロース 4.0mg
軟質無水ケイ酸 5.0mg
上記配合比率にて、まず、精製マスリン酸2と乳糖をよく混合した後、ヒドロキシプロピルセルロースを加えて造粒する。これを乾燥後に製粒し、軟質無水ケイ酸を加えてさらによく混合して、散剤を得た。
実施例4 カプセル剤
エリトロジオール 150.0mg
乳糖 70.0mg
トウモロコシデンプン 38.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg
上記配合比率にて、各物質をよく混合したものを、カプセルに充填してカプセル剤を得た。
実施例5 ゲル軟膏
次に示す処方及び下記製法でゲル軟膏を調製した。
Figure 2003057224
(製法)
A.成分(1)及び(3)〜(5)を混合溶解する。
B.Aに成分(2)を加え、混合して均一にし、ゲル軟膏を得た。
実施例6 乳液剤
次に示す処方及び下記製法で乳液を調製した。
Figure 2003057224
(製法)
A.成分(9)〜(13)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(6)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.BにAを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(7)、(8)及び(14)を加え、均一に混合して乳液を得た。
実施例7 注射剤
(1)精製マスリン酸1 10.0mg
(2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 200.0mg
(3)無水エタノール 適量
上記配合比率にて、まず(1)を(2)によく混合した後、(3)を適量加えて全量1mlとし、注射剤を得た。なお、この溶液は、適当量の生理食塩水で希釈することにより投与することができる。
実施例7 食用油脂
精製マスリン酸1 10.0g
EXV.オリーブ油 1000.0g
上記配合比率にて、EXV.(エキストラバージン)オリーブ油に精製マスリン酸1を添加し、60℃の温度を保ちながら、攪拌機を用いて全体が清澄になるまで十分に混合、溶解を行い、食用油脂を製造した。
実施例8 ドレッシング
製造例1中で得られた抽出物 30.0g
水 46.6g
キサンタンガム 0.1g
果糖ぶどう糖液糖 5.0g
食塩 5.0g
MSG 0.3g
米酢(酸度10%) 10.0g
こしょう 適量
大豆サラダ油 30.0g
上記配合比率にて、まず大豆サラダ油を除く原材料を、攪拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却して大豆サラダ油と合わせてドレッシングを製造した。出来上がったドレッシングは、オリーブ風味の良好なドレッシングであった。
実施例9 ドレッシング
製造例1中で得られた粗マスリン酸分画物 3.0g
水 46.6g
キサンタンガム 0.1g
果糖ぶどう糖液糖 5.0g
食塩 5.0g
MSG 0.3g
米酢(酸度10%) 10.0g
こしょう 適量
大豆サラダ油 32.0g
上記配合比率にて、まず大豆サラダ油を除く原材料を、攪拌機付きの加温可能な容器に投入し、プロペラ攪拌機を用いて100rpmで攪拌しながら品温が90℃になるまで加熱し、品温を90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。その後、品温が20℃になるまで冷却して大豆サラダ油と合わせてドレッシングを得た。
実施例10 飲料
製造例2中で得られた濃縮物 3.0g
ハチミツ 15.0g
クエン酸 0.1g
dl−リンゴ酸 0.1g
D−ソルビトール液(70%) 10.0g
安息香酸ナトリウム 0.1g
香料 適量
精製水 全量100gとする残余
上記原料を均一に混合し、健康用飲料を得た。
実施例11 飲料
エリトロジオール 1.0g
ハチミツ 15.0g
クエン酸 0.1g
dl−リンゴ酸 0.1g
D−ソルビトール液(70%) 10.0g
安息香酸ナトリウム 0.1g
香料 適量
精製水 全量100gとする残余
上記原料を均一に混合し、健康用飲料を得た。
実施例12 シリアル食品
ウバオール 0.15g
小麦粉 30.0g
脱脂大豆 18.5g
小麦ふすま 15.0g
小麦胚芽 11.5g
グラニュー糖 10.0g
上記配合比率にて混合したものを、加水、成型し、オーブンで加熱乾燥して、球形状のシリアル食品を得た。
実施例13 錠菓
クエン酸 1.0g
脱脂粉乳 15.5g
ショ糖脂肪酸エステル 1.0g
フレーバー 適量
精製マスリン酸1 2.5g
グラニュー糖 20.0g
乳糖 60.0g
上記原料を均一に混合し、これを造粒、打錠して一錠500mgの錠菓を得た。
実施例14 クッキー
マーガリン 70.0g
砂糖 40.0g
食塩 0.7g
全卵 20.0g
薄力粉 100.0g
精製マスリン酸2 2.0g
上記配合にて原料を混合し、1個あたり10gになるように分割し、180℃で15分焼き、クッキーを製造した。
実施例15 冷凍食品
豚ロース切り身 60.0g×10
キサンタンガム 1.5g
卵白粉 2.5g
マルトデキストリン 5.0g
調味料 1.0g
精製マスリン酸1 2.0g
水 50.0g
パン粉 適量
キサンタンガム、卵白粉、マルトデキストリン、調味料、マスリン酸を水中で混合撹拌して衣液を調製し、これを豚ロース切り身の周りに付け、さらにパン粉を付着させたものを、180℃の大豆油で3分間フライし、フライ食品を得た。なお、フライは10個作成して全ての原料を使い切った。得られたフライ食品は、−30℃で冷凍し冷凍食品とした。
実施例16 レトルト食品
(肉部)
豚挽き肉 21.0g
植物油 5.0g
野菜ベースト 3.0g
豆板醤 1.0g
(ソース部)
キサンタンガム 0.2g
しょうゆ 10.0g
みりん 8.0g
砂糖 6.0g
食塩 4.0g
エキス調味料 0.8g
植物系調味料 0.8g
精製マスリン酸2 0.8g
豆板醤パウダー 0.1g
水 残部
肉部、ソース部をそれぞれ別々に調理したものを、肉部30g、ソース部70gの合計100gになるように、アルミ箔入りレトルトパウチに充填した後、レトルト殺菌(120℃、25分)して、レトルト食品を得た。
実施例17 マーガリン
菜種油 42.0g
菜種硬化油 42.0g
水 14.0g
食塩 0.5g
レシチン 0.5g
モノグリセリド 0.4g
精製マスリン酸1 0.6g
香料 適量
カロチン 微量
上記原料を常法により混合し、コンビネーターを用い急冷混捏処理してマーガリンを得た。
実施例18 マヨネーズ
大豆サラダ油 74.0g
水 8.4g
砂糖 1.0g
グルタミン酸ナトリウム 0.3g
粉末マスタード 0.3g
食塩 1.0g
米酢 4.0g
精製マスリン酸2 1.0g
加塩卵黄 10.0g
上記配合比率にて、まず大豆サラダ油、加塩卵黄を除く原材料を、混合攪拌しながら90まで加熱し、90℃に保持しながら25分間攪拌を行った。20℃まで冷却した後、大豆サラダ油、加塩卵黄を合わせて減圧下で撹拌し、マヨネーズを得た。
本発明のアポトーシス誘導剤によれば、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体の優れたアポトーシス誘導効果を享受することができる。これらのアポトーシス誘導剤を配合することで各種機能を有する製剤を製造することができる。

Claims (19)

  1. マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分として含有するアポトーシス誘導剤。
  2. さらに、製剤として薬理学的に許容され得る基剤、担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、pH調節剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤、皮膜化剤、希釈剤、泥状化剤、粘着付与剤、乳化剤、界面活性剤からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する請求項1記載のアポトーシス誘導剤。
  3. マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物が、天然原料から単離されたものである請求項1又は2記載のアポトーシス誘導剤。
  4. マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物が、オリーブ植物及び/又はオリーブ油製造工程で得られる副産物を、水及び/又は有機溶媒で抽出処理して得られるものである、請求項1又は2項記載のアポトーシス誘導剤。
  5. オリーブ油製造工程で得られる副産物が、圧搾残渣、抽出残渣、搾油残渣、圧搾油、抽出油、脱ガム油滓、脱酸油滓、ダーク油、廃脱色剤、脱臭スカム、搾油ジュース、排水及び廃濾過材からなる群から選ばれる、請求項4記載のアポトーシス誘導剤。
  6. マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物が、オリーブ植物の脱脂物、オリーブ抽出物又はオリーブ抽出油中の成分としてアポトーシス誘導剤に含まれる、請求項1〜5のいずれか1項記載のアポトーシス誘導剤。
  7. アポトーシス誘導剤が、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するものである請求項1〜6いずれか1項記載のアポトーシス誘導剤。
  8. アポトーシス誘導剤が、血管平滑筋細胞のアポトーシスを誘導するものである請求項1〜6いずれか1項記載のアポトーシス誘導剤。
  9. アポトーシス誘導剤が、前駆型脂肪細胞のアポトーシスを誘導するものである請求項1〜6いずれか1項記載のアポトーシス誘導剤。
  10. アポトーシス誘導剤を製造するための、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の使用。
  11. 五環性トリテルペン類、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を有効成分として含有するアポトーシス誘導用飲食物。
  12. 五環性トリテルペン類が、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリンおよびそれらの生理的に許容される塩、またはそれらの誘導体からなる群より選ばれる請求項11記載のアポトーシス誘導用飲食物。
  13. マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物が天然原料から単離されたものである請求項11又は12記載のアポトーシス誘導用飲食物。
  14. マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物が、オリーブ植物の脱脂物、オリーブ抽出物又はオリーブ抽出油中の成分としてアポトーシス誘導用飲食物に含まれる、請求項11又は12記載のアポトーシス誘導用飲食物。
  15. 飲食物が、菓子、加工食品、調合油脂、調合油脂加工品、乳製品又は清涼飲料である請求項11〜14いずれか1項記載のアポトーシス誘導用飲食物。
  16. 飲食物が、調合油脂又は調合油脂加工品である請求項15記載のアポトーシス誘導用飲食物。
  17. アポトーシス誘導用飲食物を製造するためのマスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物の使用。
  18. マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を、腫瘍細胞、血管平滑筋細胞又は前駆型脂肪細胞に接触させることを含む、これらの細胞にアポトーシスを誘導する方法。
  19. 有効成分として、マスリン酸、エリトロジオール、ウバオール、ベツリン、それらの生理的に許容される塩及びそれらの誘導体からなる群より選ばれる化合物を、動脈硬化症、肥満、癌、自己免疫疾患、感染症又は腎炎のいずれかの疾病の患者に投与することを含む、これらの疾病の予防又は治療方法。
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