JPWO2003028074A1 - 絞り装置、投影光学系および投影露光装置並びにマイクロデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
この絞り装置は、開口Sの大きさを調整する複数の絞り羽根基部32を有する。さらに、この装置は、複数の絞り羽根基部32のそれぞれを、各絞り羽根基部32の外形輪郭のうち、開口Sの中心側にある輪郭の任意の点が開口Sの略中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構33を備えた。これにより、高い動作回数にも耐えることができ、広い絞り範囲を確保できる。
Description
技術分野
本発明は、光路における開口の大きさを調整する絞り装置と、開口絞りにより開口数の大きさを可変とする投影光学系、および開口絞りで規定された開口数に基づく光束でマスクのパターンを基板に露光する露光装置、並びにマスクのパターン像で感光基板を露光して製造されるマイクロデバイスの製造方法に関する。
背景技術
従来より、半導体デバイス、CCD等の撮像デバイス、液晶表示デバイス、または薄膜磁気ヘッド等の製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、特開平8−166043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
近年の投影露光装置におけるパターンの微細化および高スループットの要求により、パターン精度に応じて二回の露光でパターンを形成する、いわゆる二重露光への要求の高まりは著しい。通常、この種の二重露光を実施する際には、複数枚の絞り羽根を有する絞り装置を用いてNA(開口数)を変更する必要がある。
図16に従来技術による絞り装置の一例を示す。
この図に示す絞り装置50は、ドーナツ状の円環部51、及びこの円環部51の外周部に立設された周壁部52を有する断面視L字形状を成す金物53と、金物53の周壁部52に回転自在に嵌合する矢車54と、金物53の円環部51と矢車54との間の隙間に配設される複数枚(ここでは10枚)の絞り羽根55とから概略構成されている。
各絞り羽根55は、環形の一部を成す平面形状を呈しており、一端側(反時計回り方向側)に設けられた不図示の軸部(ダボ)が金物53に回転自在に支持され、他端側(時計回り方向側)に設けられた不図示の軸部(ダボ)が矢車54に円環部51の略半径方向に沿って形成された溝(図示せず)に移動自在に支持されている。また、各絞り羽根55は、他端側で隣り合う絞り羽根55の下側に入れ込まれることで互いに重なった状態で環状に装着されている。各絞り羽根55の内径側(円環部51の中心側)の外形輪郭は略円弧形状に形成され、これら重なった複数枚の絞り羽根55の内径側円弧輪郭により、近似円弧の開口Sが設定される。
また、上記の絞り装置50では、矢車54が金物53に対して、例えば時計回りに回転したときに絞り羽根55の他端側が円環部51の中心側(内周側)に回転し、反時計回りに回転したときに絞り羽根55の他端側が円環部51の外周側に回転することで、開口Sの大きさ(絞り)が調整(変更)される。
しかしながら、上述したような従来の絞り装置には、以下のような問題が存在する。
二重露光を実施するにはNAを頻繁に変更する必要があり、そのためには絞り装置の高い動作回数(例えば従来の100倍)および耐久性を確保しなければならない。ところが、上述したように、絞り羽根が他端側で隣り合う絞り羽根の下側に入れ込まれる方式を用いていたので、動作毎に絞り羽根同士が互いに接触・押圧し、発塵の一因になるとともに、絞り羽根に摩耗が生じ、高い動作回数に対する耐久性が得られないという問題があった。特に、上記の絞り装置50では、絞り羽根55が全周に亘って4〜5枚ずつ重なった状態で装着されているので、絞り羽根同士の接触面積が大きくなり、絞り羽根に生じる摩耗がより大きいという問題があった。
しかも、矢車と嵌合する絞り羽根のダボは、ピンをカシメて絞り羽根に固定しているので、耐久性として高い動作回数に耐えることは困難である。
一方、開口Sの外形輪郭は、複数枚の絞り羽根の内径側(開口Sの略中心側)の円弧輪郭で合成される近似円弧となっているが、開口Sを最大径に設定した際にも絞り羽根の回転先端が開口Sを遮蔽しないことを考慮して、従来では最大絞り径で最も誤差が小さくなるように円弧輪郭が形成されている。しかし、このような円弧輪郭では、最小絞り径で開口Sの外形輪郭(絞り径)における真円からのずれが大きくなる、すなわち真円度が低下するという問題が生じる。そのため、従来の絞り装置では、調整可能な開口の大きさ(絞り範囲)を広く取ることが困難であった。
また、このように開口の絞り径の精度が低下すると、レチクルのパターン像を基板に投影露光しても、微細なパターンが正確に形成できない等、投影露光装置における不具合となって現れ、また、半導体デバイス等のマイクロデバイスに関しても集積度を高めることが困難になるという問題が生じてしまう。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、高い動作回数にも耐えることができ、また広い絞り範囲を確保できる絞り装置と、この絞り装置を備えた投影光学系および投影露光装置、並びに投影露光装置で製造されるマイクロデバイスを提供することを目的とする。また、本発明は、マスクのパターン像を正確に基板に投影できる投影光学系および投影露光装置、並びに高集積化を実現したマイクロデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の絞り装置は、開口(S)の大きさを調整する複数の絞り羽根(32または61)を有する絞り装置(16)であって、複数の絞り羽根(32または61)のそれぞれを、各絞り羽根(32または61)の外形輪郭のうち、開口(S)の中心側にある輪郭の任意の点を開口の略中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構(33)を備えたことを特徴とする。
従って、本発明の絞り装置では、例えば、環形を周方向に複数分割した形状の絞り羽根(32または61)は隣り合う絞り羽根(32または61)との間で周方向に隙間が形成されない程度に重なればよい。そのため、絞り羽根同士が接触する場合でも接触面積が小さくなり、絞り羽根(32または61)に生じる摩耗を小さくすることができ、高い動作回数にも耐えることが可能になる。
前記絞り羽根のそれぞれが隣り合う絞り羽根との間に開口の中心軸と略平行な方向に関し、互いに隙間をあけて配置されてもよい。この場合、絞り羽根同士が接触することを防止でき、接触に起因する発塵や摩耗を一層抑制することでさらに高い動作回数にも耐えられる。
前記絞り羽根のそれぞれが一つおきに開口の中心軸と略直交する同一面内に配置されていてもよい。この場合、開口の中心方向に関する絞り羽根の設置範囲を小さくすることができ、装置の小型化を実現できる。
前記絞り羽根の外形輪郭のうち、開口の中心側にある輪郭が、所定の曲率を有する円弧部分と円弧部分から連結する直線部分とを有して形成されていてもよい。この場合、絞り径の大きさに拘わらず、開口の真円度低下を防ぐことができ、調整可能な開口の絞り範囲を広くことができるとともに、高精度の絞り径を実現できる。
駆動機構は、開口の略中心軸を回転軸として回転する回転部材と、回転部材の回転移動を複数の絞り羽根の直線移動に変換する変換部材とを備えていてもよい。この場合、構造が複雑になることなく、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
嵌合溝に嵌合して摺動する凸部に軸受が装着されていてもよい。この場合、絞り羽根の直線移動に関してより高い動作回数に耐えることが可能になる。
前記絞り装置は、前記絞り羽根を前記直線移動可能に保持する絞り羽根基部を有していてもよい。この場合、平面的に大きくすることなく、調整可能な開口の絞り範囲を広くできるとともに、開口の絞り径を調整する際にも、回転部材の回転量を小さくすることができ、調整作業に要する時間を短くできる。
前記絞り羽根基部は、前記絞り羽根の直線移動に伴って、前記絞り羽根の移動方向と同じ方向に直線移動してもよい。
前記駆動機構は、前記開口の略中心軸を回転軸として回転する回転部材と、前記回転部材の回転移動により、前記絞り羽根を前記直線移動させるとともに、前記絞り羽根が移動した後に、前記絞り羽根基部を前記直線移動させるリンク機構とを有していてもよい。この場合、リンク機構による増速で平面的に大きくすることなく、調整可能な開口の絞り範囲を広くできる。
前記絞り羽根には、前記絞り羽根基部の前記直線移動をガイドするガイド部材が設けられていてもよい。この場合、絞り装置及び投影光学系の小型化が実現する。
本発明の投影光学系は、開口数の大きさを可変とする開口絞り(16)を有する投影光学系(PL)であって、開口絞りとして請求項1から7のいずれか1項に記載の絞り装置(16)が用いられることを特徴とする。
従って、本発明の投影光学系では、絞り羽根(32または61)の摩擦に起因する発塵が少なくなり、例えばパターンを投影する際に生じる悪影響を抑制することができるとともに、長期間に亘って開口数の大きさを可変にすることができる。
本発明の投影露光装置は、光束で照明されたマスク(R)のパターン像を基板(W)に投影露光する投影露光装置(1)において、光束の光路中に配置され、開口数の大きさを可変とする開口絞りとして前記絞り装置(16)が用いられることを特徴とする。
この投影露光装置では、発塵の影響が少ない状態で長期間に亘って正確にマスク(R)のパターン像を基板(W)に投影露光することができる。
絞り装置が備える開口絞りが投影光学系の瞳面上に配置されていてもよい。この場合、投影光学系における開口数を正確、且つ高い動作回数に亘って可変とすることで、マスクの微細なパターンを正確に基板上に形成できるという効果が得られる。
本発明のマイクロデバイスの製造方法は、マスク(R)のパターン像で感光基板(W)を露光して製造されるマイクロデバイスの製造方法であって、請求項9または10記載の投影露光装置(1)を用いて前記マスクのデバイスパターン像で前記感光基板を露光する工程と、露光した感光基板を現像する工程とを含む。
従って、本発明のマイクロデバイスでは、所定の特性で製造でき、微細パターンの形成が可能になるため、高集積化を実現できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の絞り装置、投影光学系および投影露光装置並びにマイクロデバイスの第1の実施例を、図1ないし図8を参照して説明する。ここでは、本発明の絞り装置を、レチクルのパターンを投影光学系を介して基板に露光する投影露光装置に適用するものとする。また、ここでは、基板を半導体デバイス製造用のウエハとし、投影露光装置をレチクルとウエハとを同期移動してレチクルのパターンをウエハに走査露光する走査型の投影露光装置とする場合の例を用いて説明する。これらの図において、従来例として示した図16と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を簡略化する。
図1は、本発明による投影露光装置1の概略的構成を示している。この図に示すように、投影露光装置1においては、光源ユニット2から例えば193nmの出力波長を持つ光束としてのArFエキシマレーザ光(エネルギービーム)が露光装置本体側の照明光学系IUへ向けて出射される。露光装置本体は、露光光を透過する窒素ガスのような不活性ガスが充填、あるいは流通されるチャンバー3内に収容されており、温度、湿度が一定に保たれるように制御されている。光源ユニット2には、酸素の吸収帯を避けて狭帯化されたほぼ平行光束としてのパルス光を発振する光源、狭帯化されたレーザ光の光路を照明光学系IUとの間で位置的にマッチングさせるビームマッチングユニット(BMU)、レーザ光を所定断面形状に整形するビーム整形光学系等が配設されている。
照明光学系IUに入射したレーザ光は、反射ミラー5で反射して、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ6に導かれる。フライアイレンズ6は、多数のレンズ素子が束ねられて構成されており、このレンズ素子の射出面側には、それを構成するレンズ素子の数に対応した多数の光源像(2次光源)が形成される。本例ではフライアイレンズ6を1つ設けているが、このフライアイレンズ6と光源ユニット2あるいは反射ミラー5との間に、第2オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを設けてもよく、さらにはフライアイレンズの代わりに内面反射型のロッド状の光学部材をオプティカルインテグレータとして用いてもよい。
フライアイレンズ6により形成される多数の2次光源が形成される位置において、所定の形状あるいは所定の大きさの複数の開口絞りが形成されているタレット板7が配設されている。このタレット板7はモータ8で回転駆動され、ウエハ(基板、感光基板)W上に転写すべきレチクル(マスク)Rのパターンに応じて、1つの開口絞りが選択されて照明光学系IUの光路中に挿入される。タレット板7とモータ8で照明系用可変開口絞り装置が構成される。
フライアイレンズ6によって形成される多数の2次光源からの光束は、可変開口絞りを通過してビームスプリッタ9で2つの光路に分岐され、反射光はインテグレータセンサ10に導かれて照明光の照度が検出される。検出された照度に応じた信号S1は制御回路40に入力される。一方、通過光はリレーレンズ11、駆動機構12aに駆動されてレチクルRに対する照明領域を規定する視野絞り12、リレーレンズ13を通って反射ミラー14で反射された後、複数のレンズ等の屈折光学素子で構成されるコンデンサ光学系15にて集光される。この実施例の投影露光装置では、以上説明した光学素子5,6,7,9,11,12,13,14,15が照明光学系IUを構成している。
照明光学系IUから出射したレーザ光は、レチクルR上に形成された回路パターン(パターン)を重畳的に均一照明する。そして投影光学系PLによってウエハW上にレチクルR上の回路パターンの像が形成され、ウエハW上に塗布されたレジストが感光して、ウエハW上に回路パターンの像が転写される。
レチクルRはレチクルホルダ17によりレチクルステージ18に投影光学系PLの物体面に位置して保持固定される。レチクルステージ18は、図1の紙面と直交する面内に沿って2次元的に移動するようにベース22に設けられている。レチクルホルダ17にはミラー21が設置され、レーザ干渉計20からのレーザ光がミラー21で反射されてレーザ干渉計20に入射することで、レーザ干渉計20によりレチクルステージ18の位置が高精度に計測される。この位置情報は制御回路40に入力され、この位置情報に基づいて制御回路40はレチクルステージ駆動用モータ19を駆動してレチクルRの位置を制御している。
投影光学系PLは、全てレンズ等の屈折光学素子が複数段に亘って列設される構成になっており、収差(倍率誤差等)を補正するために、少なくとも1つのレンズエレメント(例えばレチクルRに最も近いレンズエレメント)を移動させる駆動機構(不図示)を備えている。
また、投影光学系PLの瞳面上(入射瞳)またはその近傍には開口絞り(絞り装置)16が配置されている。この場合、投影光学系PL内の開口絞り16と照明光学系IU内の可変開口絞りとは、光学的に共役な位置に配置される。この開口絞り16は投影光学系PLの開口数を可変するように、その大きさを変更できる。開口絞り16の詳細については後述する。
ウエハWは、ウエハホルダ26によりウエハステージ27に投影光学系PLの像面に位置される。ウエハステージ27は、図1の紙面と直交する面内に沿って2次元的に移動するように設けられている。ウエハステージ27にはミラー31が設置され、レーザ干渉計30からのレーザ光がミラー31で反射されてレーザ干渉計30に入射することで、レーザ干渉計30によりウエハステージ27の位置が計測される。この位置情報は制御回路40に入力され、この位置情報に基づいて制御回路40はウエハステージ駆動用モータ29を駆動してウエハWの位置を制御している。ウエハステージ27上には照度センサ28が設けられ、ウエハWに照射される露光光(レーザ光)の照度(エネルギー)が検出される。この照度センサ28の検出信号は制御回路40に出力される。
開口絞り16は、図2に示すように、環状に等分に配置され内径側の外形輪郭により開口Sを形成する複数枚(ここでは12枚)の絞り羽根基部32と、これら絞り羽根基部32を開口Sの中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構33とから概略構成されている。開口絞り16の中、絞り羽根基部32が投影光学系PLの瞳面上またはその近傍に配置される。
図3に示すように、絞り羽根基部32のそれぞれは、露光光を吸収するアウトガス(例えば有機物等)の発生が少ない材質、例えばステンレスで形成され、環形を周方向に分割した形状を呈する環形部34と、環形部34の周方向両側に位置する平面視略矩形の矩形部35、35とから構成されている。環形部34の外形輪郭のうち、開口Sの中心側(すなわち内径側)の輪郭34aは所定の曲率で形成された円弧形状(円弧部分)となっている。また、矩形部35の外形輪郭のうち、開口Sの中心側の輪郭35aは、環形部34の中心側輪郭34aから連続して形成された直線形状(直線部分)となっている。
環形部34の中心側輪郭34aの曲率は、開口Sの最大曲率と最小曲率とのほぼ中間に設定されている。すなわち、輪郭34aの半径をRa、開口Sの最大半径(最大絞り径)をRMAX、最小半径(最小絞り径)をRMINとすると、Ra≒(RMAX+RMIN)/2に設定されている。また、絞り羽根基部32の周方向の大きさは、開口Sの最大径設定位置に絞り羽根基部32が位置決めされたときに、周方向に隣り合う絞り羽根基部32同士間に隙間が形成されず、開口Sの最小径設定位置に絞り羽根基部32が位置決めされたときに、矩形部35の中心側輪郭35aが周方向に隣り合う絞り羽根基部32と重なり、開口Sの外径を形成しない最低限度の大きさに設定されている。従って、開口Sが最小径に設定されたとき、開口Sの輪郭は、環形部34の中心側輪郭34aである。
駆動機構33は、図2に示すように、ドーナツ状の円環部51、及びこの円環部51の外周部に立設された周壁部52を有する断面視L字形状を成す金物53と、金物53の周壁部52に回転自在に嵌合する矢車(回転部材)54と、矢車54を回転させる回転駆動部(不図示)と、図3及び図4に示すように、絞り羽根基部32を支持して直線移動させるリニアガイド(変換部材)36とから概略構成されている。駆動機構33の中、金物53、矢車54、リニアガイド36は、投影光学系PLの鏡筒内に設置され、回転駆動部は鏡筒の外側に設置され、駆動に伴う発塵等が投影光学系PLの投影特性に影響を及ぼさない。
リニアガイド36は、直線状に形成されたガイド部37と、絞り羽根基部32が固着されガイド部37に沿って直線移動する移動体38とから構成されている。移動体38には、軸受39が装着された凸部41が突設されている(図4参照)。
図5に示すように、金物53には、リニアガイド36のガイド部37及び移動体38を設置するための溝42a、42bが開口Sの中心回りに等間隔(30°間隔)で、且つ中心からそれぞれ放射状に延在させて形成されている。この溝42a、42bにガイド部37が固定され、固定されたガイド部37に沿って移動体38が移動する。溝42a、42bの深さは、当該溝42a、42bにリニアガイド36が装着されたときに、リニアガイド36に固着する隣り合う絞り羽根基部32同士の間が開口Sの中心方向(図5中、紙面と直交する方向)、即ち中心軸と略平行な方向に関し、互いに隙間があけて配置されるように設定されている。また、溝42a、42bは、絞り羽根基部32のそれぞれが一つおきに開口Sの中心方向(中心軸)と略直交する同一面内に配置されるように、一つおきに異なる深さで形成されている。
また、金物53には、図6に示すように、矢車54の外周部を支持する段部43が形成されており、段部43に支持された矢車54は、金物53の円環部51との間に絞り羽根基部32を収容する隙間44を形成する。詳細な説明は省略したが、実際には矢車54は、金物53に固着する押さえ部材45によって金物53に固定され開口Sの中心方向と平行な方向への移動が制限される。図7は、図2におけるA−A線矢視断面図である。この図に示すように、金物53の周壁部52には、矢車54とほぼ同じ高さの位置に外側に開口する貫通孔47が形成されている。この貫通孔47は、周方向に等間隔(120°間隔)で3カ所形成されており(図5参照)、各貫通孔47は周方向におよそ30°に亘って形成されている。
図8に示すように、矢車54には、リニアガイド36の凸部41が軸受39を介して摺動自在に嵌合する嵌合溝46が周方向に等間隔(30°間隔)で12カ所形成されている。各嵌合溝46は、絞り羽根基部32の内径側輪郭が開口Sの最小絞り径を形成するときの凸部41の位置と、絞り羽根基部32の内径側輪郭が開口Sの最大絞り径を形成するときの凸部41の位置とを、周方向に所定角度(例えば20°)離間させて結んだ直線状に形成されている。より詳細には、各嵌合溝46は、開口Sの最大絞り径を形成するときの凸部41の位置が開口Sの最小絞り径を形成するときの凸部41の位置に対して時計回り方向に位置する直線状に形成されている。ガイド部37と移動体38との間及び軸受39に用いられる潤滑剤としては、アウトガスの発生が少ないフッ素系のものが用いられる。また、凸部41自体もフッ素系の樹脂で形成される。
また、図7に示すように、矢車54の外周部には、金物53の貫通孔47の位置に対応してレバー48が3カ所設けられている。上記の回転駆動部は、このレバー48を介して矢車54を回転させる。
上記構成の投影露光装置1の中、まず開口絞り16の動作について説明する。回転駆動部の駆動により矢車54が金物53に対して開口Sの中心軸回りに、例えば図2中、時計回りに回転すると、矢車54の嵌合溝46に嵌合する凸部41は、移動体38がガイド部37にガイドされることにより、開口Sの中心に向かって移動する。換言すると、矢車54の回転移動がリニアガイド36により直線移動に変換されて、凸部41が開口Sの中心に向けて移動する。この凸部41の移動により、絞り羽根基部32は、隣り合う絞り羽根基部32との間で隙間をあけた状態で、中心側輪郭34a、35aの任意の点が開口Sの略中心に向けて直線移動し、これにより開口Sの絞り径が縮径される。従来の絞り装置では、絞り羽根の内側輪郭の任意の点が螺旋状に移動するのに対し、本実施例における絞り装置では、絞り羽根の内側輪郭34a、35aの任意の点が直線移動する点で、従来の絞り装置と本実施例の絞り装置とで構成が異なる。
一方、回転駆動部の駆動により矢車54を金物53に対して、図2中、反時計回りに回転させることで、上記と逆の動作で凸部41が開口Sの中心に対して後退し、これにより開口Sの絞り径が拡大される。従って、矢車54の回転量(回転角)および回転方向を調整することで、上記略中心へ進出または後退する絞り羽根基部32の移動量、すなわち開口Sの絞り径を制御することができる。
絞り羽根基部32が中心側輪郭34aで形成される開口Sの半径よりも大径の開口Sの径を形成した際に矩形部35が開口Sの一部を形成することになるが、矩形部35の中心側輪郭35aが環形部34の中心側輪郭34aから連続する直線形状なので、中心側輪郭34aを延長させた円弧形状の場合に比べ中心側輪郭の一部が開口S内に突出して真円度を低下させることがない。
上記の投影露光装置1によりレチクルRのパターン像をウエハWに投影露光する際には、不図示のレチクルローディング機構により、転写の目的となるパターンの描画されたレチクルRをレチクルステージ18の上に搬送して載置する。このとき、そのレチクルRが所定の位置に設置されるように、不図示のレチクルアライメント系によりそのレチクルRの位置を計測し、その結果にしたがって、不図示のレチクル位置制御回路によってレチクルRの位置を所定の位置に設定する。
レチクルRのパターンが転写されるウエハWの表面には感光材料であるレジストがあらかじめ塗布されており、その状態で不図示のウエハローディング機構によりウエハWが搬送されてウエハステージ27上に設置される。ウエハWはウエハステージ27上でアライメントされて保持固定される。ウエハステージ27上に設置されたウエハWは第1層目のレチクルのパターンの転写では、そのウエハW上にパターンは存在せず、ウエハステージ27上の所定の位置に、例えばウエハWはその外径(オリフラまたはノッチなど)を基準として定められる位置に設置される。
ウエハWに対する第2回目以降のパターンの転写の場合には、ウエハW上にパターンが存在するため、予め転写されたパターンに付設されるマークを不図示のウエハアライメント系で計測することにより、ウエハW上に先に転写されたパターンに対して、これから転写するパターンが所定の位置関係になるように、レチクルステージ18やウエハステージ27の位置を制御する。
また、ウエハW上に投影露光するレチクルRのパターン特性(パターン形状、パターン種類)に応じて、最適な解像度及び焦点深度となるように、照明系用可変開口絞りにおけるモータ8を介してターレット板7を回転させるとともに、投影光学系PLにおける開口絞り16の回転駆動部を駆動して開口数の大きさを変更する。具体的には、レチクルRのパターンが、二重露光を実施する際に比較的緩い精度が求められる、いわゆるラフパターンである場合や、比較的配線密度が低い、いわゆる孤立線である場合には開口数を小さく設定して焦点深度を大きくする。逆に、レチクルRのパターンが、二重露光を実施する際に厳密な精度が求められる、いわゆるファインパターンである場合や、比較的配線密度が高い、例えばライン・アンド・スペースパターンである場合には、開口数を大きく設定することで解像度を向上させる。
その後、照明系用可変開口絞り及び開口絞り16で規定された開口数の光束により、ウエハW上にパターン像がステップアンドスキャン方式で投影露光される。この転写は、レチクルR上のパターンの一部を視野絞り12によって選択的に照明し、レチクルステージ18によってレチクルRを移動させ、それに同期しながらウエハWをウエハステージ27によって動かすいわゆる走査型の転写である。あるいは、レチクルRとウエハWとを静止させた状態で転写したいレチクルR上のパターンを1度に全て照明して転写するステップアンドリピート方式でもよい。
以上のように、本実施例では、絞り羽根基部32が開口Sの略中心に向かって進退自在に直線移動する構成なので、周方向に隣り合う絞り羽根同士は、間に隙間が形成されない程度に重なればよく、そのため、絞り羽根基部32同士が接触する場合でも、これらの接触部は各絞り羽根基部32の周方向両端のみとなり、従来に比べて大幅に接触面積を小さくすることができる。従って、絞り羽根基部32同士の接触に起因する発塵や摩耗を大幅に抑制することが可能になり、二重露光の実施に伴う高い動作回数にも充分に耐えることができる。
しかも、本実施例では、隣り合う絞り羽根基部32の間に、開口Sの中心方向(図5、図8中、紙面と直交する方向)に関して、互いに隙間をあけて配置しているので、絞り羽根基部32同士が接触することを防止でき、接触に起因する発塵や摩耗を一層抑制することでさらに高い動作回数にも耐えることが可能になっている。また、本実施例では、隣り合う絞り羽根基部32の間で隙間を形成するにも、一つおきに開口Sの中心方向と略直交する同一面内に各絞り羽根基部32を配置しているので、開口Sの中心方向に関する絞り羽根基部32の設置範囲を小さくすることができ、開口絞り16および投影光学系PL、ひいては投影露光装置1の小型化を実現することができる。
また、本実施例では、矢車54の回転移動をリニアガイド36で直線移動に変換する、という簡素な構成で絞り羽根基部32の直線移動を実現しているので、構造が複雑になることなく、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
一方、本実施例では、絞り羽根基部32の周方向両側に位置する矩形部35の中心側輪郭35aが、円弧形状を成す環形部34の中心側輪郭34aに接する直線形状となっているので、中心側輪郭34aで形成される開口Sの半径よりも大径の開口Sの径を形成した場合でも中心側輪郭35aが開口S内に突出することがない。そのため、本実施例では、絞り径の大きさに拘わらず、開口Sの真円度低下を防ぐことができ、調整可能な開口Sの大きさ(絞り範囲)を広くことができる。
また、このように開口絞り16により形成される絞り径の精度を確保できるので、投影露光装置1においてはレチクルRの微細なパターンを正確にウエハW上に形成することが可能になり、半導体デバイスにおいても微細パターンの形成が可能になることで高集積化を実現することができる。
さらに、本実施例では、リニアガイド36の移動体38に設けられた凸部41に軸受39を装着しているので、絞り羽根基部32の直線移動に関してより高い動作回数に耐えることが可能になる。
図9ないし図15は、本発明の第2の実施例を示す図である。
これらの図において、図1乃至図8に示す第1の実施例の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図9は、本発明に係る絞り装置の第2の実施例を示す分解斜視図である。
開口絞り装置16は、絞り羽根基部32及び絞り羽根61と、これら絞り羽根基部32および絞り羽根61を開口Sの中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構33とから概略構成されている。開口絞り16の中、絞り羽根61が投影光学系PLの瞳面と略同一面上あるいはその近傍に配置される。
第1の実施例と同様に、絞り羽根61は、露光光を吸収するアウトガスの発生が少ないステンレスで形成されており、図10に示すように、環形を周方向に分割した形状を呈する環形部62と、環形部62の周方向両側に位置する平面視略矩形の矩形部63、63とから構成されている。環形部62の外形輪郭のうち、開口Sの中心側(すなわち内径側)の輪郭62aは所定の曲率で形成された円弧形状(円弧部分)となっている。また、矩形部63の外形輪郭のうち、開口Sの中心側の輪郭63aは、環形部62の中心側輪郭62aから連続して形成された直線形状(直線部分)となっている。
環形部62の中心側輪郭62aの曲率は、開口Sの最大曲率と最小曲率とのほぼ中間に設定されている。すなわち、輪郭62aの半径をRa、開口Sの最大半径(最大絞り径)をRMAX、最小半径(最小絞り径)をRMINとすると、Ra≒(RMAX+RMIN)/2に設定される。また、絞り羽根61の周方向の大きさは、開口Sの最大径設定位置に絞り羽根61が位置決めされたときに、周方向に隣り合う絞り羽根61同士間に隙間が形成されず、開口Sの最小径設定位置に絞り羽根基部32が位置決めされたときに、矩形部63の中心側輪郭63aが周方向に隣り合う絞り羽根61と重なり、開口Sの外径を形成しない最低限度の大きさに設定されている。従って、開口Sが最小径に設定されたとき、開口Sの輪郭は、環形部62の中心側輪郭62aで形成される。
本実施例で絞り羽根基部32は、開口Sの外径形状を形成しないため、絞り羽根61が開口Sの最小径設定位置に位置決めされたときに、絞り羽根61の外径側に、即ち絞り羽根61と円環部51との間に、隙間が形成されない大きさに設定されている。また、絞り羽根基部32上には、幅方向中央に位置して平面視矩形の枠体71が突設されている。枠体71には、幅方向中央部に、開口部Sの中心へ向かう方向(半径方向)に延びる支持部73が設けられており、この支持部73を挟むように、上記半径方向に沿って開口部72、72が設けられている。図11に示すように、図10におけるB−B矢視断面図の枠体71はコの字形状をしている。即ち、枠体71は支持部73を底板とする箱型形状をしており、枠体71には内部空間74が形成されている。さらに、図10に示すように、絞り羽根基部32上には、枠体71の幅方向両側に位置して、後述するリニアガイド66を構成する移動体69が突設されている。絞り羽根基部32および絞り羽根61の対は、上記第1の実施例と同様に、それぞれが一つおきに開口Sの中心方向(中心軸)と略直交する同一面内に配置されるように、一つおきに異なる高さで設置されている。
駆動機構33は、円環部51及び周壁部52を有する金物53と、金物53の周壁部52に回転自在に嵌合する矢車54と、矢車54を回転させる回転駆動部(不図示)と、リンク機構64と、リニアガイド65、66とから概略構成されている。
図10に示すように、リニアガイド65は、絞り羽根基部32に固着されるガイド部材67と、図11に示すように、絞り羽根61が固着されガイド部材67に沿って直線移動する移動体68とから構成されている。ガイド部材67は、枠体71の支持部73とほぼ同様の幅を有しており、取付ネジ等の締結部材75により内部空間74内に支持部73に沿って固定されている。移動体68にはガイド部材67及び支持部73を跨いで、図12に示す平面視矩形の鞍部材76が一体的に固定される。
鞍部材76は、支持部73の上方(図10中では紙面手前側、図13中では上側)に配置される平板部76aと、平板部76aの長さ方向(上記半径方向)中央に位置し幅方向(上記周方向)両側から枠体71の開口部72に挿通するように垂設されて移動体68の両側部を保持する脚部76b、76bと、平板部76aの隅部から枠体71の開口部72に挿通するように垂設されて、図14に示すように、移動体68の長さ方向両端部を保持する脚部76c…76cとを有している。脚部76cは、絞り羽根61に当接する長さを有しており、絞り羽根61は、図14中、下側からビス等の締結部材77により脚部76c(即ち鞍部材76)に(4カ所で)固定される。平板部76aの略中心部には軸部78が突設されており、この軸部78には軸受79が設けられている(図10、11参照)。
リニアガイド66は、リニアガイド65及び枠体71を挟んだ周方向両側に配設される。リニアガイド66は、金物53に固着されるサポートリング80(図10参照)に取り付けられるガイド部材70と、絞り羽根基部32に設けられ、かつガイド部材70に沿って移動自在な移動体69とからそれぞれ構成される。各ガイド部材70は、リニアガイド65のガイド部材67と平行に設置されている。
図15に示すように、リンク機構64は、金物53に開口Sの中心軸と平行な軸周りに回転自在に嵌合する回転軸81aを有する基部81と、基部81の先端から中心軸と直交する方向に延びるリンク部82とから構成されている。リンク部82の先端部には、長さ方向に延び金物53側(図15中、下側)に開口して鞍部材76の軸受79と嵌合する嵌合溝83が形成されている。また、リンク部82の長さ方向中央よりも基部81側には、上方に向けて軸部84が突設されており、軸部84には矢車54の嵌合溝46に摺動自在に嵌合する軸受85が設けられている。嵌合溝46は、絞り羽根61の内径側輪郭が開口Sの最小絞り径を形成するときの軸部84の位置と、絞り羽根61の内径側輪郭が開口Sの最大絞り径を形成するときの軸部84の位置とを、周方向に所定角度(例えば20°)離間させて結んだ、例えば直線状、あるいは矢車54を回転させた時に、回転角度と絞り径との関係が線形となるような関数で表される形状で形成されている(図9参照)。他の構成は、上記第1の実施例と同様である。
次に、上記構成の開口絞り16の動作について説明する。
回転駆動部の駆動により矢車54が金物53に対して開口Sの中心軸回りに、例えば図9中、時計回りに回転すると、軸受85は矢車54の嵌合溝46に沿って、開口Sの中心側に移動する。軸受85が設けられたリンク部82は、軸受85の移動によって回転軸81aの軸周りに図9中、反時計回りに回転することになる。また、回転軸81aの反時計回りの回転により、リンク部82の嵌合溝83に嵌合する軸受79は、回転軸81aから軸受85までの距離と、回転軸81aから軸受79までの距離との比に応じた距離移動する。即ち、図15に示すように、回転軸81aから軸受85までの距離をL1、回転軸81aから軸受79までの距離をL2、軸受85の移動量をS1とすると、軸受85の移動に伴う軸受79の移動量S2は次式で表される。
S2=(L2/L1)×S1
すなわち、軸受79は、軸受85の移動量に対して(L2/L1)倍の距離を移動する。この軸受85の移動により、絞り羽根61は鞍部材76及び移動体68を介してガイド部材67に沿って開口Sの中心に向かって絞り羽根基部32に対し相対移動する。
絞り羽根61の径方向への移動が進むと、図10に示すように、鞍部材76が枠体71に開口Sの中心側で係合し、鞍部材76の径方向への移動が制限される。鞍部材76の移動が制限されることによって、今度は絞り羽根基部32がリニアガイド66のガイド部材70に沿って直線移動する。この絞り羽根基部32の直線移動に伴い絞り羽根61が開口Sの中心に向かって再び移動する。このとき、絞り羽根61は、絞り羽根基部32の移動を直線移動させるリニアガイド66のガイド部材70に沿って直線移動することになる。リニアガイド65における摩擦力がリニアガイド66における摩擦力よりも大きい場合は、軸受85の移動により絞り羽根基部32および絞り羽根61が一体的に移動することになるが、鞍部材76が枠体71に開口Sの外側で係合しても、絞り羽根基部32の中心側輪郭が絞り羽根61の中心側輪郭よりも突出しないように設定されているため、絞り羽根61による絞り径の形成に支障を来すことはない。
一方、回転駆動部の駆動により矢車54を金物53に対して、図9中、反時計回りに回転させることで、回転軸81aの回転により、上記と逆の動作で軸受85が開口Sの中心に対して後退する。これにより、絞り羽根61が開口Sの中心軸から離間する方向に移動し、開口Sの絞り径が拡大される。従って、矢車54の回転量(回転角)および回転方向を調整することで、上記略中心へ進出または後退する絞り羽根61の移動量、すなわち開口Sの絞り径を任意の大きさに制御することができる。例えば、L2:L1=2:1程度に設定すれば、上記第1の実施例に対して約2倍の範囲で絞り径を設定できることになる。結果的に絞り羽根61は、リニアガイド65、66の両方を使って直線移動する構成である。
このように、本実施例では、上記第1の実施例と同様の作用・効果が得られることに加えて、互いに相対移動自在な絞り羽根基部32および絞り羽根61を用いることで、第1の実施例と同様の大きさの絞り羽根を用いても、開口絞り16を平面的に大きくすることなく、調整可能な開口Sの大きさ(絞り範囲)を2倍程度に広くすることができる。また、本実施例では、絞り羽根基部32および絞り羽根61を相対移動させるためのガイド部材67を絞り羽根基部32に設けているので、他の個所に設けた場合に比較して開口絞り16、ひいては投影光学系PLを小型化することが可能になるとともに、開口Sの絞り径を調整する際にも、回転部材54の回転量を小さくすることができ、調整作業に要する時間を短くすることが可能になる。
上記第2の実施例では、絞り羽根基部32および絞り羽根61を相対移動させるためにリンク機構64を用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば絞り羽根基部32の中心側端縁で係合するワイヤを折り返し、ワイヤ先端を絞り羽根61に固定する構成や、絞り羽根基部32と絞り羽根61とにギヤ比1:2のギヤをそれぞれ設ける構成とすることも可能である。
また、上記実施例において、本発明の絞り装置を投影光学系PLの開口絞りに適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、照明系用可変開口絞りに適用してもよい。また、上記実施例では、リニアガイド36の移動体38に凸部41が設けられ、矢車54に嵌合溝46が設けられる構成としたが、逆に、移動体38に嵌合溝を設け、矢車54に凸部を設ける構成としてもよい。この場合も、凸部に軸受を設けることが望ましい。
また、上記実施例では、絞り羽根基部32や絞り羽根61が開口Sの中心方向と直交する方向に直線移動する構成としたが、例えば、隣り合う絞り羽根基部32同士が中心に向かうに従って漸次中心方向で離間するように、直線移動方向が上記直交する方向に対して、許容される誤差範囲内で若干傾く構成としてもよい。この場合、絞り羽根基部32および絞り羽根61が中心に向かうに従って自重により撓み、隣り合う絞り羽根と接近しても接触することを回避できる。
本実施例の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
投影露光装置1としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。
投影露光装置1の種類としては、ウエハWに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。また、本発明の絞り装置は、投影露光装置のみならず、種々の絞り装置を備える光学機器(例えばカメラ)にも適用できる。
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。電子線が通過する光路は、真空状態にする。
ウエハステージ27やレチクルステージ18にリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ18、27は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
各ステージ18、27の駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージ18、27を駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージ18、27に接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージ18、27の移動面側(ベース)に設ければよい。
ウエハステージ27の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
レチクルステージ18の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図17に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたレチクルRを製作するステップ202、シリコン材料からウエハWを製造するステップ203、前述した実施例の投影露光装置1によりレチクルRのパターンをウエハWに投影露光し、そのウエハWを現像する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
以上のように、本願実施例の投影露光装置1は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
産業上の利用の可能性
本発明に係る絞り装置は、複数の絞り羽根のそれぞれを、各絞り羽根の外形輪郭のうち、開口の中心側にある輪郭の任意の点を開口の略中心に向かって進退自在に直線移動させる。これにより、この絞り装置では、絞り羽根同士の接触面積を大幅に小さくすることで、発塵や摩耗を大幅に抑制することが可能になり、二重露光の実施に伴う高い動作回数にも充分に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施例を示す図であって、投影露光装置の概略構成図である。
図2は、投影露光装置を構成する開口絞りの第1の実施例の外観斜視図である。
図3は、絞り羽根を支持するリニアガイドの外観斜視図である。
図4は、図3における右側面図である。
図5は、開口絞りを構成する金物の平面図である。
図6は、開口絞りの部分断面図である。
図7は、図2におけるA−A線視断面図である。
図8は、開口絞りを構成する矢車の平面図である。
図9は、第2の実施例に係る開口絞りの分解斜視図である。
図10は、2枚の絞り羽根が相対移動自在に構成された外観斜視図である。
図11は、図10における側面断面図である。
図12は、開口絞りを構成する鞍部材の外観斜視図である。
図13は、リニアガイドが絞り羽根に結合された断面図である。
図14は、図13における側面断面図である。
図15は、リンク機構の動作を説明する図である。
図16は、従来の開口絞りの一例を示す外観斜視図である。
図17は、半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
本発明は、光路における開口の大きさを調整する絞り装置と、開口絞りにより開口数の大きさを可変とする投影光学系、および開口絞りで規定された開口数に基づく光束でマスクのパターンを基板に露光する露光装置、並びにマスクのパターン像で感光基板を露光して製造されるマイクロデバイスの製造方法に関する。
背景技術
従来より、半導体デバイス、CCD等の撮像デバイス、液晶表示デバイス、または薄膜磁気ヘッド等の製造工程の1つであるリソグラフィ工程においては、マスク又はレチクル(以下、レチクルと称する)に形成された回路パターンをレジスト(感光剤)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する種々の露光装置が用いられている。例えば、半導体デバイス用の露光装置としては、近年における集積回路の高集積化に伴うパターンの最小線幅(デバイスルール)の微細化に応じて、レチクルのパターンを投影光学系を用いてウエハ上に縮小転写する縮小投影露光装置が主として用いられている。
この縮小投影露光装置としては、レチクルのパターンをウエハ上の複数のショット領域(露光領域)に順次転写するステップ・アンド・リピート方式の静止露光型の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパを改良したもので、特開平8−166043号公報等に開示されるようなレチクルとウエハとを一次元方向に同期移動してレチクルパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)が知られている。
近年の投影露光装置におけるパターンの微細化および高スループットの要求により、パターン精度に応じて二回の露光でパターンを形成する、いわゆる二重露光への要求の高まりは著しい。通常、この種の二重露光を実施する際には、複数枚の絞り羽根を有する絞り装置を用いてNA(開口数)を変更する必要がある。
図16に従来技術による絞り装置の一例を示す。
この図に示す絞り装置50は、ドーナツ状の円環部51、及びこの円環部51の外周部に立設された周壁部52を有する断面視L字形状を成す金物53と、金物53の周壁部52に回転自在に嵌合する矢車54と、金物53の円環部51と矢車54との間の隙間に配設される複数枚(ここでは10枚)の絞り羽根55とから概略構成されている。
各絞り羽根55は、環形の一部を成す平面形状を呈しており、一端側(反時計回り方向側)に設けられた不図示の軸部(ダボ)が金物53に回転自在に支持され、他端側(時計回り方向側)に設けられた不図示の軸部(ダボ)が矢車54に円環部51の略半径方向に沿って形成された溝(図示せず)に移動自在に支持されている。また、各絞り羽根55は、他端側で隣り合う絞り羽根55の下側に入れ込まれることで互いに重なった状態で環状に装着されている。各絞り羽根55の内径側(円環部51の中心側)の外形輪郭は略円弧形状に形成され、これら重なった複数枚の絞り羽根55の内径側円弧輪郭により、近似円弧の開口Sが設定される。
また、上記の絞り装置50では、矢車54が金物53に対して、例えば時計回りに回転したときに絞り羽根55の他端側が円環部51の中心側(内周側)に回転し、反時計回りに回転したときに絞り羽根55の他端側が円環部51の外周側に回転することで、開口Sの大きさ(絞り)が調整(変更)される。
しかしながら、上述したような従来の絞り装置には、以下のような問題が存在する。
二重露光を実施するにはNAを頻繁に変更する必要があり、そのためには絞り装置の高い動作回数(例えば従来の100倍)および耐久性を確保しなければならない。ところが、上述したように、絞り羽根が他端側で隣り合う絞り羽根の下側に入れ込まれる方式を用いていたので、動作毎に絞り羽根同士が互いに接触・押圧し、発塵の一因になるとともに、絞り羽根に摩耗が生じ、高い動作回数に対する耐久性が得られないという問題があった。特に、上記の絞り装置50では、絞り羽根55が全周に亘って4〜5枚ずつ重なった状態で装着されているので、絞り羽根同士の接触面積が大きくなり、絞り羽根に生じる摩耗がより大きいという問題があった。
しかも、矢車と嵌合する絞り羽根のダボは、ピンをカシメて絞り羽根に固定しているので、耐久性として高い動作回数に耐えることは困難である。
一方、開口Sの外形輪郭は、複数枚の絞り羽根の内径側(開口Sの略中心側)の円弧輪郭で合成される近似円弧となっているが、開口Sを最大径に設定した際にも絞り羽根の回転先端が開口Sを遮蔽しないことを考慮して、従来では最大絞り径で最も誤差が小さくなるように円弧輪郭が形成されている。しかし、このような円弧輪郭では、最小絞り径で開口Sの外形輪郭(絞り径)における真円からのずれが大きくなる、すなわち真円度が低下するという問題が生じる。そのため、従来の絞り装置では、調整可能な開口の大きさ(絞り範囲)を広く取ることが困難であった。
また、このように開口の絞り径の精度が低下すると、レチクルのパターン像を基板に投影露光しても、微細なパターンが正確に形成できない等、投影露光装置における不具合となって現れ、また、半導体デバイス等のマイクロデバイスに関しても集積度を高めることが困難になるという問題が生じてしまう。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、高い動作回数にも耐えることができ、また広い絞り範囲を確保できる絞り装置と、この絞り装置を備えた投影光学系および投影露光装置、並びに投影露光装置で製造されるマイクロデバイスを提供することを目的とする。また、本発明は、マスクのパターン像を正確に基板に投影できる投影光学系および投影露光装置、並びに高集積化を実現したマイクロデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の絞り装置は、開口(S)の大きさを調整する複数の絞り羽根(32または61)を有する絞り装置(16)であって、複数の絞り羽根(32または61)のそれぞれを、各絞り羽根(32または61)の外形輪郭のうち、開口(S)の中心側にある輪郭の任意の点を開口の略中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構(33)を備えたことを特徴とする。
従って、本発明の絞り装置では、例えば、環形を周方向に複数分割した形状の絞り羽根(32または61)は隣り合う絞り羽根(32または61)との間で周方向に隙間が形成されない程度に重なればよい。そのため、絞り羽根同士が接触する場合でも接触面積が小さくなり、絞り羽根(32または61)に生じる摩耗を小さくすることができ、高い動作回数にも耐えることが可能になる。
前記絞り羽根のそれぞれが隣り合う絞り羽根との間に開口の中心軸と略平行な方向に関し、互いに隙間をあけて配置されてもよい。この場合、絞り羽根同士が接触することを防止でき、接触に起因する発塵や摩耗を一層抑制することでさらに高い動作回数にも耐えられる。
前記絞り羽根のそれぞれが一つおきに開口の中心軸と略直交する同一面内に配置されていてもよい。この場合、開口の中心方向に関する絞り羽根の設置範囲を小さくすることができ、装置の小型化を実現できる。
前記絞り羽根の外形輪郭のうち、開口の中心側にある輪郭が、所定の曲率を有する円弧部分と円弧部分から連結する直線部分とを有して形成されていてもよい。この場合、絞り径の大きさに拘わらず、開口の真円度低下を防ぐことができ、調整可能な開口の絞り範囲を広くことができるとともに、高精度の絞り径を実現できる。
駆動機構は、開口の略中心軸を回転軸として回転する回転部材と、回転部材の回転移動を複数の絞り羽根の直線移動に変換する変換部材とを備えていてもよい。この場合、構造が複雑になることなく、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
嵌合溝に嵌合して摺動する凸部に軸受が装着されていてもよい。この場合、絞り羽根の直線移動に関してより高い動作回数に耐えることが可能になる。
前記絞り装置は、前記絞り羽根を前記直線移動可能に保持する絞り羽根基部を有していてもよい。この場合、平面的に大きくすることなく、調整可能な開口の絞り範囲を広くできるとともに、開口の絞り径を調整する際にも、回転部材の回転量を小さくすることができ、調整作業に要する時間を短くできる。
前記絞り羽根基部は、前記絞り羽根の直線移動に伴って、前記絞り羽根の移動方向と同じ方向に直線移動してもよい。
前記駆動機構は、前記開口の略中心軸を回転軸として回転する回転部材と、前記回転部材の回転移動により、前記絞り羽根を前記直線移動させるとともに、前記絞り羽根が移動した後に、前記絞り羽根基部を前記直線移動させるリンク機構とを有していてもよい。この場合、リンク機構による増速で平面的に大きくすることなく、調整可能な開口の絞り範囲を広くできる。
前記絞り羽根には、前記絞り羽根基部の前記直線移動をガイドするガイド部材が設けられていてもよい。この場合、絞り装置及び投影光学系の小型化が実現する。
本発明の投影光学系は、開口数の大きさを可変とする開口絞り(16)を有する投影光学系(PL)であって、開口絞りとして請求項1から7のいずれか1項に記載の絞り装置(16)が用いられることを特徴とする。
従って、本発明の投影光学系では、絞り羽根(32または61)の摩擦に起因する発塵が少なくなり、例えばパターンを投影する際に生じる悪影響を抑制することができるとともに、長期間に亘って開口数の大きさを可変にすることができる。
本発明の投影露光装置は、光束で照明されたマスク(R)のパターン像を基板(W)に投影露光する投影露光装置(1)において、光束の光路中に配置され、開口数の大きさを可変とする開口絞りとして前記絞り装置(16)が用いられることを特徴とする。
この投影露光装置では、発塵の影響が少ない状態で長期間に亘って正確にマスク(R)のパターン像を基板(W)に投影露光することができる。
絞り装置が備える開口絞りが投影光学系の瞳面上に配置されていてもよい。この場合、投影光学系における開口数を正確、且つ高い動作回数に亘って可変とすることで、マスクの微細なパターンを正確に基板上に形成できるという効果が得られる。
本発明のマイクロデバイスの製造方法は、マスク(R)のパターン像で感光基板(W)を露光して製造されるマイクロデバイスの製造方法であって、請求項9または10記載の投影露光装置(1)を用いて前記マスクのデバイスパターン像で前記感光基板を露光する工程と、露光した感光基板を現像する工程とを含む。
従って、本発明のマイクロデバイスでは、所定の特性で製造でき、微細パターンの形成が可能になるため、高集積化を実現できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の絞り装置、投影光学系および投影露光装置並びにマイクロデバイスの第1の実施例を、図1ないし図8を参照して説明する。ここでは、本発明の絞り装置を、レチクルのパターンを投影光学系を介して基板に露光する投影露光装置に適用するものとする。また、ここでは、基板を半導体デバイス製造用のウエハとし、投影露光装置をレチクルとウエハとを同期移動してレチクルのパターンをウエハに走査露光する走査型の投影露光装置とする場合の例を用いて説明する。これらの図において、従来例として示した図16と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を簡略化する。
図1は、本発明による投影露光装置1の概略的構成を示している。この図に示すように、投影露光装置1においては、光源ユニット2から例えば193nmの出力波長を持つ光束としてのArFエキシマレーザ光(エネルギービーム)が露光装置本体側の照明光学系IUへ向けて出射される。露光装置本体は、露光光を透過する窒素ガスのような不活性ガスが充填、あるいは流通されるチャンバー3内に収容されており、温度、湿度が一定に保たれるように制御されている。光源ユニット2には、酸素の吸収帯を避けて狭帯化されたほぼ平行光束としてのパルス光を発振する光源、狭帯化されたレーザ光の光路を照明光学系IUとの間で位置的にマッチングさせるビームマッチングユニット(BMU)、レーザ光を所定断面形状に整形するビーム整形光学系等が配設されている。
照明光学系IUに入射したレーザ光は、反射ミラー5で反射して、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ6に導かれる。フライアイレンズ6は、多数のレンズ素子が束ねられて構成されており、このレンズ素子の射出面側には、それを構成するレンズ素子の数に対応した多数の光源像(2次光源)が形成される。本例ではフライアイレンズ6を1つ設けているが、このフライアイレンズ6と光源ユニット2あるいは反射ミラー5との間に、第2オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを設けてもよく、さらにはフライアイレンズの代わりに内面反射型のロッド状の光学部材をオプティカルインテグレータとして用いてもよい。
フライアイレンズ6により形成される多数の2次光源が形成される位置において、所定の形状あるいは所定の大きさの複数の開口絞りが形成されているタレット板7が配設されている。このタレット板7はモータ8で回転駆動され、ウエハ(基板、感光基板)W上に転写すべきレチクル(マスク)Rのパターンに応じて、1つの開口絞りが選択されて照明光学系IUの光路中に挿入される。タレット板7とモータ8で照明系用可変開口絞り装置が構成される。
フライアイレンズ6によって形成される多数の2次光源からの光束は、可変開口絞りを通過してビームスプリッタ9で2つの光路に分岐され、反射光はインテグレータセンサ10に導かれて照明光の照度が検出される。検出された照度に応じた信号S1は制御回路40に入力される。一方、通過光はリレーレンズ11、駆動機構12aに駆動されてレチクルRに対する照明領域を規定する視野絞り12、リレーレンズ13を通って反射ミラー14で反射された後、複数のレンズ等の屈折光学素子で構成されるコンデンサ光学系15にて集光される。この実施例の投影露光装置では、以上説明した光学素子5,6,7,9,11,12,13,14,15が照明光学系IUを構成している。
照明光学系IUから出射したレーザ光は、レチクルR上に形成された回路パターン(パターン)を重畳的に均一照明する。そして投影光学系PLによってウエハW上にレチクルR上の回路パターンの像が形成され、ウエハW上に塗布されたレジストが感光して、ウエハW上に回路パターンの像が転写される。
レチクルRはレチクルホルダ17によりレチクルステージ18に投影光学系PLの物体面に位置して保持固定される。レチクルステージ18は、図1の紙面と直交する面内に沿って2次元的に移動するようにベース22に設けられている。レチクルホルダ17にはミラー21が設置され、レーザ干渉計20からのレーザ光がミラー21で反射されてレーザ干渉計20に入射することで、レーザ干渉計20によりレチクルステージ18の位置が高精度に計測される。この位置情報は制御回路40に入力され、この位置情報に基づいて制御回路40はレチクルステージ駆動用モータ19を駆動してレチクルRの位置を制御している。
投影光学系PLは、全てレンズ等の屈折光学素子が複数段に亘って列設される構成になっており、収差(倍率誤差等)を補正するために、少なくとも1つのレンズエレメント(例えばレチクルRに最も近いレンズエレメント)を移動させる駆動機構(不図示)を備えている。
また、投影光学系PLの瞳面上(入射瞳)またはその近傍には開口絞り(絞り装置)16が配置されている。この場合、投影光学系PL内の開口絞り16と照明光学系IU内の可変開口絞りとは、光学的に共役な位置に配置される。この開口絞り16は投影光学系PLの開口数を可変するように、その大きさを変更できる。開口絞り16の詳細については後述する。
ウエハWは、ウエハホルダ26によりウエハステージ27に投影光学系PLの像面に位置される。ウエハステージ27は、図1の紙面と直交する面内に沿って2次元的に移動するように設けられている。ウエハステージ27にはミラー31が設置され、レーザ干渉計30からのレーザ光がミラー31で反射されてレーザ干渉計30に入射することで、レーザ干渉計30によりウエハステージ27の位置が計測される。この位置情報は制御回路40に入力され、この位置情報に基づいて制御回路40はウエハステージ駆動用モータ29を駆動してウエハWの位置を制御している。ウエハステージ27上には照度センサ28が設けられ、ウエハWに照射される露光光(レーザ光)の照度(エネルギー)が検出される。この照度センサ28の検出信号は制御回路40に出力される。
開口絞り16は、図2に示すように、環状に等分に配置され内径側の外形輪郭により開口Sを形成する複数枚(ここでは12枚)の絞り羽根基部32と、これら絞り羽根基部32を開口Sの中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構33とから概略構成されている。開口絞り16の中、絞り羽根基部32が投影光学系PLの瞳面上またはその近傍に配置される。
図3に示すように、絞り羽根基部32のそれぞれは、露光光を吸収するアウトガス(例えば有機物等)の発生が少ない材質、例えばステンレスで形成され、環形を周方向に分割した形状を呈する環形部34と、環形部34の周方向両側に位置する平面視略矩形の矩形部35、35とから構成されている。環形部34の外形輪郭のうち、開口Sの中心側(すなわち内径側)の輪郭34aは所定の曲率で形成された円弧形状(円弧部分)となっている。また、矩形部35の外形輪郭のうち、開口Sの中心側の輪郭35aは、環形部34の中心側輪郭34aから連続して形成された直線形状(直線部分)となっている。
環形部34の中心側輪郭34aの曲率は、開口Sの最大曲率と最小曲率とのほぼ中間に設定されている。すなわち、輪郭34aの半径をRa、開口Sの最大半径(最大絞り径)をRMAX、最小半径(最小絞り径)をRMINとすると、Ra≒(RMAX+RMIN)/2に設定されている。また、絞り羽根基部32の周方向の大きさは、開口Sの最大径設定位置に絞り羽根基部32が位置決めされたときに、周方向に隣り合う絞り羽根基部32同士間に隙間が形成されず、開口Sの最小径設定位置に絞り羽根基部32が位置決めされたときに、矩形部35の中心側輪郭35aが周方向に隣り合う絞り羽根基部32と重なり、開口Sの外径を形成しない最低限度の大きさに設定されている。従って、開口Sが最小径に設定されたとき、開口Sの輪郭は、環形部34の中心側輪郭34aである。
駆動機構33は、図2に示すように、ドーナツ状の円環部51、及びこの円環部51の外周部に立設された周壁部52を有する断面視L字形状を成す金物53と、金物53の周壁部52に回転自在に嵌合する矢車(回転部材)54と、矢車54を回転させる回転駆動部(不図示)と、図3及び図4に示すように、絞り羽根基部32を支持して直線移動させるリニアガイド(変換部材)36とから概略構成されている。駆動機構33の中、金物53、矢車54、リニアガイド36は、投影光学系PLの鏡筒内に設置され、回転駆動部は鏡筒の外側に設置され、駆動に伴う発塵等が投影光学系PLの投影特性に影響を及ぼさない。
リニアガイド36は、直線状に形成されたガイド部37と、絞り羽根基部32が固着されガイド部37に沿って直線移動する移動体38とから構成されている。移動体38には、軸受39が装着された凸部41が突設されている(図4参照)。
図5に示すように、金物53には、リニアガイド36のガイド部37及び移動体38を設置するための溝42a、42bが開口Sの中心回りに等間隔(30°間隔)で、且つ中心からそれぞれ放射状に延在させて形成されている。この溝42a、42bにガイド部37が固定され、固定されたガイド部37に沿って移動体38が移動する。溝42a、42bの深さは、当該溝42a、42bにリニアガイド36が装着されたときに、リニアガイド36に固着する隣り合う絞り羽根基部32同士の間が開口Sの中心方向(図5中、紙面と直交する方向)、即ち中心軸と略平行な方向に関し、互いに隙間があけて配置されるように設定されている。また、溝42a、42bは、絞り羽根基部32のそれぞれが一つおきに開口Sの中心方向(中心軸)と略直交する同一面内に配置されるように、一つおきに異なる深さで形成されている。
また、金物53には、図6に示すように、矢車54の外周部を支持する段部43が形成されており、段部43に支持された矢車54は、金物53の円環部51との間に絞り羽根基部32を収容する隙間44を形成する。詳細な説明は省略したが、実際には矢車54は、金物53に固着する押さえ部材45によって金物53に固定され開口Sの中心方向と平行な方向への移動が制限される。図7は、図2におけるA−A線矢視断面図である。この図に示すように、金物53の周壁部52には、矢車54とほぼ同じ高さの位置に外側に開口する貫通孔47が形成されている。この貫通孔47は、周方向に等間隔(120°間隔)で3カ所形成されており(図5参照)、各貫通孔47は周方向におよそ30°に亘って形成されている。
図8に示すように、矢車54には、リニアガイド36の凸部41が軸受39を介して摺動自在に嵌合する嵌合溝46が周方向に等間隔(30°間隔)で12カ所形成されている。各嵌合溝46は、絞り羽根基部32の内径側輪郭が開口Sの最小絞り径を形成するときの凸部41の位置と、絞り羽根基部32の内径側輪郭が開口Sの最大絞り径を形成するときの凸部41の位置とを、周方向に所定角度(例えば20°)離間させて結んだ直線状に形成されている。より詳細には、各嵌合溝46は、開口Sの最大絞り径を形成するときの凸部41の位置が開口Sの最小絞り径を形成するときの凸部41の位置に対して時計回り方向に位置する直線状に形成されている。ガイド部37と移動体38との間及び軸受39に用いられる潤滑剤としては、アウトガスの発生が少ないフッ素系のものが用いられる。また、凸部41自体もフッ素系の樹脂で形成される。
また、図7に示すように、矢車54の外周部には、金物53の貫通孔47の位置に対応してレバー48が3カ所設けられている。上記の回転駆動部は、このレバー48を介して矢車54を回転させる。
上記構成の投影露光装置1の中、まず開口絞り16の動作について説明する。回転駆動部の駆動により矢車54が金物53に対して開口Sの中心軸回りに、例えば図2中、時計回りに回転すると、矢車54の嵌合溝46に嵌合する凸部41は、移動体38がガイド部37にガイドされることにより、開口Sの中心に向かって移動する。換言すると、矢車54の回転移動がリニアガイド36により直線移動に変換されて、凸部41が開口Sの中心に向けて移動する。この凸部41の移動により、絞り羽根基部32は、隣り合う絞り羽根基部32との間で隙間をあけた状態で、中心側輪郭34a、35aの任意の点が開口Sの略中心に向けて直線移動し、これにより開口Sの絞り径が縮径される。従来の絞り装置では、絞り羽根の内側輪郭の任意の点が螺旋状に移動するのに対し、本実施例における絞り装置では、絞り羽根の内側輪郭34a、35aの任意の点が直線移動する点で、従来の絞り装置と本実施例の絞り装置とで構成が異なる。
一方、回転駆動部の駆動により矢車54を金物53に対して、図2中、反時計回りに回転させることで、上記と逆の動作で凸部41が開口Sの中心に対して後退し、これにより開口Sの絞り径が拡大される。従って、矢車54の回転量(回転角)および回転方向を調整することで、上記略中心へ進出または後退する絞り羽根基部32の移動量、すなわち開口Sの絞り径を制御することができる。
絞り羽根基部32が中心側輪郭34aで形成される開口Sの半径よりも大径の開口Sの径を形成した際に矩形部35が開口Sの一部を形成することになるが、矩形部35の中心側輪郭35aが環形部34の中心側輪郭34aから連続する直線形状なので、中心側輪郭34aを延長させた円弧形状の場合に比べ中心側輪郭の一部が開口S内に突出して真円度を低下させることがない。
上記の投影露光装置1によりレチクルRのパターン像をウエハWに投影露光する際には、不図示のレチクルローディング機構により、転写の目的となるパターンの描画されたレチクルRをレチクルステージ18の上に搬送して載置する。このとき、そのレチクルRが所定の位置に設置されるように、不図示のレチクルアライメント系によりそのレチクルRの位置を計測し、その結果にしたがって、不図示のレチクル位置制御回路によってレチクルRの位置を所定の位置に設定する。
レチクルRのパターンが転写されるウエハWの表面には感光材料であるレジストがあらかじめ塗布されており、その状態で不図示のウエハローディング機構によりウエハWが搬送されてウエハステージ27上に設置される。ウエハWはウエハステージ27上でアライメントされて保持固定される。ウエハステージ27上に設置されたウエハWは第1層目のレチクルのパターンの転写では、そのウエハW上にパターンは存在せず、ウエハステージ27上の所定の位置に、例えばウエハWはその外径(オリフラまたはノッチなど)を基準として定められる位置に設置される。
ウエハWに対する第2回目以降のパターンの転写の場合には、ウエハW上にパターンが存在するため、予め転写されたパターンに付設されるマークを不図示のウエハアライメント系で計測することにより、ウエハW上に先に転写されたパターンに対して、これから転写するパターンが所定の位置関係になるように、レチクルステージ18やウエハステージ27の位置を制御する。
また、ウエハW上に投影露光するレチクルRのパターン特性(パターン形状、パターン種類)に応じて、最適な解像度及び焦点深度となるように、照明系用可変開口絞りにおけるモータ8を介してターレット板7を回転させるとともに、投影光学系PLにおける開口絞り16の回転駆動部を駆動して開口数の大きさを変更する。具体的には、レチクルRのパターンが、二重露光を実施する際に比較的緩い精度が求められる、いわゆるラフパターンである場合や、比較的配線密度が低い、いわゆる孤立線である場合には開口数を小さく設定して焦点深度を大きくする。逆に、レチクルRのパターンが、二重露光を実施する際に厳密な精度が求められる、いわゆるファインパターンである場合や、比較的配線密度が高い、例えばライン・アンド・スペースパターンである場合には、開口数を大きく設定することで解像度を向上させる。
その後、照明系用可変開口絞り及び開口絞り16で規定された開口数の光束により、ウエハW上にパターン像がステップアンドスキャン方式で投影露光される。この転写は、レチクルR上のパターンの一部を視野絞り12によって選択的に照明し、レチクルステージ18によってレチクルRを移動させ、それに同期しながらウエハWをウエハステージ27によって動かすいわゆる走査型の転写である。あるいは、レチクルRとウエハWとを静止させた状態で転写したいレチクルR上のパターンを1度に全て照明して転写するステップアンドリピート方式でもよい。
以上のように、本実施例では、絞り羽根基部32が開口Sの略中心に向かって進退自在に直線移動する構成なので、周方向に隣り合う絞り羽根同士は、間に隙間が形成されない程度に重なればよく、そのため、絞り羽根基部32同士が接触する場合でも、これらの接触部は各絞り羽根基部32の周方向両端のみとなり、従来に比べて大幅に接触面積を小さくすることができる。従って、絞り羽根基部32同士の接触に起因する発塵や摩耗を大幅に抑制することが可能になり、二重露光の実施に伴う高い動作回数にも充分に耐えることができる。
しかも、本実施例では、隣り合う絞り羽根基部32の間に、開口Sの中心方向(図5、図8中、紙面と直交する方向)に関して、互いに隙間をあけて配置しているので、絞り羽根基部32同士が接触することを防止でき、接触に起因する発塵や摩耗を一層抑制することでさらに高い動作回数にも耐えることが可能になっている。また、本実施例では、隣り合う絞り羽根基部32の間で隙間を形成するにも、一つおきに開口Sの中心方向と略直交する同一面内に各絞り羽根基部32を配置しているので、開口Sの中心方向に関する絞り羽根基部32の設置範囲を小さくすることができ、開口絞り16および投影光学系PL、ひいては投影露光装置1の小型化を実現することができる。
また、本実施例では、矢車54の回転移動をリニアガイド36で直線移動に変換する、という簡素な構成で絞り羽根基部32の直線移動を実現しているので、構造が複雑になることなく、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
一方、本実施例では、絞り羽根基部32の周方向両側に位置する矩形部35の中心側輪郭35aが、円弧形状を成す環形部34の中心側輪郭34aに接する直線形状となっているので、中心側輪郭34aで形成される開口Sの半径よりも大径の開口Sの径を形成した場合でも中心側輪郭35aが開口S内に突出することがない。そのため、本実施例では、絞り径の大きさに拘わらず、開口Sの真円度低下を防ぐことができ、調整可能な開口Sの大きさ(絞り範囲)を広くことができる。
また、このように開口絞り16により形成される絞り径の精度を確保できるので、投影露光装置1においてはレチクルRの微細なパターンを正確にウエハW上に形成することが可能になり、半導体デバイスにおいても微細パターンの形成が可能になることで高集積化を実現することができる。
さらに、本実施例では、リニアガイド36の移動体38に設けられた凸部41に軸受39を装着しているので、絞り羽根基部32の直線移動に関してより高い動作回数に耐えることが可能になる。
図9ないし図15は、本発明の第2の実施例を示す図である。
これらの図において、図1乃至図8に示す第1の実施例の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
図9は、本発明に係る絞り装置の第2の実施例を示す分解斜視図である。
開口絞り装置16は、絞り羽根基部32及び絞り羽根61と、これら絞り羽根基部32および絞り羽根61を開口Sの中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構33とから概略構成されている。開口絞り16の中、絞り羽根61が投影光学系PLの瞳面と略同一面上あるいはその近傍に配置される。
第1の実施例と同様に、絞り羽根61は、露光光を吸収するアウトガスの発生が少ないステンレスで形成されており、図10に示すように、環形を周方向に分割した形状を呈する環形部62と、環形部62の周方向両側に位置する平面視略矩形の矩形部63、63とから構成されている。環形部62の外形輪郭のうち、開口Sの中心側(すなわち内径側)の輪郭62aは所定の曲率で形成された円弧形状(円弧部分)となっている。また、矩形部63の外形輪郭のうち、開口Sの中心側の輪郭63aは、環形部62の中心側輪郭62aから連続して形成された直線形状(直線部分)となっている。
環形部62の中心側輪郭62aの曲率は、開口Sの最大曲率と最小曲率とのほぼ中間に設定されている。すなわち、輪郭62aの半径をRa、開口Sの最大半径(最大絞り径)をRMAX、最小半径(最小絞り径)をRMINとすると、Ra≒(RMAX+RMIN)/2に設定される。また、絞り羽根61の周方向の大きさは、開口Sの最大径設定位置に絞り羽根61が位置決めされたときに、周方向に隣り合う絞り羽根61同士間に隙間が形成されず、開口Sの最小径設定位置に絞り羽根基部32が位置決めされたときに、矩形部63の中心側輪郭63aが周方向に隣り合う絞り羽根61と重なり、開口Sの外径を形成しない最低限度の大きさに設定されている。従って、開口Sが最小径に設定されたとき、開口Sの輪郭は、環形部62の中心側輪郭62aで形成される。
本実施例で絞り羽根基部32は、開口Sの外径形状を形成しないため、絞り羽根61が開口Sの最小径設定位置に位置決めされたときに、絞り羽根61の外径側に、即ち絞り羽根61と円環部51との間に、隙間が形成されない大きさに設定されている。また、絞り羽根基部32上には、幅方向中央に位置して平面視矩形の枠体71が突設されている。枠体71には、幅方向中央部に、開口部Sの中心へ向かう方向(半径方向)に延びる支持部73が設けられており、この支持部73を挟むように、上記半径方向に沿って開口部72、72が設けられている。図11に示すように、図10におけるB−B矢視断面図の枠体71はコの字形状をしている。即ち、枠体71は支持部73を底板とする箱型形状をしており、枠体71には内部空間74が形成されている。さらに、図10に示すように、絞り羽根基部32上には、枠体71の幅方向両側に位置して、後述するリニアガイド66を構成する移動体69が突設されている。絞り羽根基部32および絞り羽根61の対は、上記第1の実施例と同様に、それぞれが一つおきに開口Sの中心方向(中心軸)と略直交する同一面内に配置されるように、一つおきに異なる高さで設置されている。
駆動機構33は、円環部51及び周壁部52を有する金物53と、金物53の周壁部52に回転自在に嵌合する矢車54と、矢車54を回転させる回転駆動部(不図示)と、リンク機構64と、リニアガイド65、66とから概略構成されている。
図10に示すように、リニアガイド65は、絞り羽根基部32に固着されるガイド部材67と、図11に示すように、絞り羽根61が固着されガイド部材67に沿って直線移動する移動体68とから構成されている。ガイド部材67は、枠体71の支持部73とほぼ同様の幅を有しており、取付ネジ等の締結部材75により内部空間74内に支持部73に沿って固定されている。移動体68にはガイド部材67及び支持部73を跨いで、図12に示す平面視矩形の鞍部材76が一体的に固定される。
鞍部材76は、支持部73の上方(図10中では紙面手前側、図13中では上側)に配置される平板部76aと、平板部76aの長さ方向(上記半径方向)中央に位置し幅方向(上記周方向)両側から枠体71の開口部72に挿通するように垂設されて移動体68の両側部を保持する脚部76b、76bと、平板部76aの隅部から枠体71の開口部72に挿通するように垂設されて、図14に示すように、移動体68の長さ方向両端部を保持する脚部76c…76cとを有している。脚部76cは、絞り羽根61に当接する長さを有しており、絞り羽根61は、図14中、下側からビス等の締結部材77により脚部76c(即ち鞍部材76)に(4カ所で)固定される。平板部76aの略中心部には軸部78が突設されており、この軸部78には軸受79が設けられている(図10、11参照)。
リニアガイド66は、リニアガイド65及び枠体71を挟んだ周方向両側に配設される。リニアガイド66は、金物53に固着されるサポートリング80(図10参照)に取り付けられるガイド部材70と、絞り羽根基部32に設けられ、かつガイド部材70に沿って移動自在な移動体69とからそれぞれ構成される。各ガイド部材70は、リニアガイド65のガイド部材67と平行に設置されている。
図15に示すように、リンク機構64は、金物53に開口Sの中心軸と平行な軸周りに回転自在に嵌合する回転軸81aを有する基部81と、基部81の先端から中心軸と直交する方向に延びるリンク部82とから構成されている。リンク部82の先端部には、長さ方向に延び金物53側(図15中、下側)に開口して鞍部材76の軸受79と嵌合する嵌合溝83が形成されている。また、リンク部82の長さ方向中央よりも基部81側には、上方に向けて軸部84が突設されており、軸部84には矢車54の嵌合溝46に摺動自在に嵌合する軸受85が設けられている。嵌合溝46は、絞り羽根61の内径側輪郭が開口Sの最小絞り径を形成するときの軸部84の位置と、絞り羽根61の内径側輪郭が開口Sの最大絞り径を形成するときの軸部84の位置とを、周方向に所定角度(例えば20°)離間させて結んだ、例えば直線状、あるいは矢車54を回転させた時に、回転角度と絞り径との関係が線形となるような関数で表される形状で形成されている(図9参照)。他の構成は、上記第1の実施例と同様である。
次に、上記構成の開口絞り16の動作について説明する。
回転駆動部の駆動により矢車54が金物53に対して開口Sの中心軸回りに、例えば図9中、時計回りに回転すると、軸受85は矢車54の嵌合溝46に沿って、開口Sの中心側に移動する。軸受85が設けられたリンク部82は、軸受85の移動によって回転軸81aの軸周りに図9中、反時計回りに回転することになる。また、回転軸81aの反時計回りの回転により、リンク部82の嵌合溝83に嵌合する軸受79は、回転軸81aから軸受85までの距離と、回転軸81aから軸受79までの距離との比に応じた距離移動する。即ち、図15に示すように、回転軸81aから軸受85までの距離をL1、回転軸81aから軸受79までの距離をL2、軸受85の移動量をS1とすると、軸受85の移動に伴う軸受79の移動量S2は次式で表される。
S2=(L2/L1)×S1
すなわち、軸受79は、軸受85の移動量に対して(L2/L1)倍の距離を移動する。この軸受85の移動により、絞り羽根61は鞍部材76及び移動体68を介してガイド部材67に沿って開口Sの中心に向かって絞り羽根基部32に対し相対移動する。
絞り羽根61の径方向への移動が進むと、図10に示すように、鞍部材76が枠体71に開口Sの中心側で係合し、鞍部材76の径方向への移動が制限される。鞍部材76の移動が制限されることによって、今度は絞り羽根基部32がリニアガイド66のガイド部材70に沿って直線移動する。この絞り羽根基部32の直線移動に伴い絞り羽根61が開口Sの中心に向かって再び移動する。このとき、絞り羽根61は、絞り羽根基部32の移動を直線移動させるリニアガイド66のガイド部材70に沿って直線移動することになる。リニアガイド65における摩擦力がリニアガイド66における摩擦力よりも大きい場合は、軸受85の移動により絞り羽根基部32および絞り羽根61が一体的に移動することになるが、鞍部材76が枠体71に開口Sの外側で係合しても、絞り羽根基部32の中心側輪郭が絞り羽根61の中心側輪郭よりも突出しないように設定されているため、絞り羽根61による絞り径の形成に支障を来すことはない。
一方、回転駆動部の駆動により矢車54を金物53に対して、図9中、反時計回りに回転させることで、回転軸81aの回転により、上記と逆の動作で軸受85が開口Sの中心に対して後退する。これにより、絞り羽根61が開口Sの中心軸から離間する方向に移動し、開口Sの絞り径が拡大される。従って、矢車54の回転量(回転角)および回転方向を調整することで、上記略中心へ進出または後退する絞り羽根61の移動量、すなわち開口Sの絞り径を任意の大きさに制御することができる。例えば、L2:L1=2:1程度に設定すれば、上記第1の実施例に対して約2倍の範囲で絞り径を設定できることになる。結果的に絞り羽根61は、リニアガイド65、66の両方を使って直線移動する構成である。
このように、本実施例では、上記第1の実施例と同様の作用・効果が得られることに加えて、互いに相対移動自在な絞り羽根基部32および絞り羽根61を用いることで、第1の実施例と同様の大きさの絞り羽根を用いても、開口絞り16を平面的に大きくすることなく、調整可能な開口Sの大きさ(絞り範囲)を2倍程度に広くすることができる。また、本実施例では、絞り羽根基部32および絞り羽根61を相対移動させるためのガイド部材67を絞り羽根基部32に設けているので、他の個所に設けた場合に比較して開口絞り16、ひいては投影光学系PLを小型化することが可能になるとともに、開口Sの絞り径を調整する際にも、回転部材54の回転量を小さくすることができ、調整作業に要する時間を短くすることが可能になる。
上記第2の実施例では、絞り羽根基部32および絞り羽根61を相対移動させるためにリンク機構64を用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば絞り羽根基部32の中心側端縁で係合するワイヤを折り返し、ワイヤ先端を絞り羽根61に固定する構成や、絞り羽根基部32と絞り羽根61とにギヤ比1:2のギヤをそれぞれ設ける構成とすることも可能である。
また、上記実施例において、本発明の絞り装置を投影光学系PLの開口絞りに適用する構成としたが、これに限定されるものではなく、照明系用可変開口絞りに適用してもよい。また、上記実施例では、リニアガイド36の移動体38に凸部41が設けられ、矢車54に嵌合溝46が設けられる構成としたが、逆に、移動体38に嵌合溝を設け、矢車54に凸部を設ける構成としてもよい。この場合も、凸部に軸受を設けることが望ましい。
また、上記実施例では、絞り羽根基部32や絞り羽根61が開口Sの中心方向と直交する方向に直線移動する構成としたが、例えば、隣り合う絞り羽根基部32同士が中心に向かうに従って漸次中心方向で離間するように、直線移動方向が上記直交する方向に対して、許容される誤差範囲内で若干傾く構成としてもよい。この場合、絞り羽根基部32および絞り羽根61が中心に向かうに従って自重により撓み、隣り合う絞り羽根と接近しても接触することを回避できる。
本実施例の基板としては、半導体デバイス用の半導体ウエハWのみならず、液晶ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
投影露光装置1としては、レチクルRとウエハWとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)の他に、レチクルRとウエハWとを静止した状態でレチクルRのパターンを露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)にも適用することができる。
投影露光装置1の種類としては、ウエハWに半導体デバイスパターンを露光する半導体デバイス製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。また、本発明の絞り装置は、投影露光装置のみならず、種々の絞り装置を備える光学機器(例えばカメラ)にも適用できる。
投影光学系PLの倍率は、縮小系のみならず等倍系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。電子線が通過する光路は、真空状態にする。
ウエハステージ27やレチクルステージ18にリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ18、27は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
各ステージ18、27の駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニット(永久磁石)と、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージ18、27を駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージ18、27に接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージ18、27の移動面側(ベース)に設ければよい。
ウエハステージ27の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
レチクルステージ18の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明はこのような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図17に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたレチクルRを製作するステップ202、シリコン材料からウエハWを製造するステップ203、前述した実施例の投影露光装置1によりレチクルRのパターンをウエハWに投影露光し、そのウエハWを現像する露光処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
以上のように、本願実施例の投影露光装置1は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
産業上の利用の可能性
本発明に係る絞り装置は、複数の絞り羽根のそれぞれを、各絞り羽根の外形輪郭のうち、開口の中心側にある輪郭の任意の点を開口の略中心に向かって進退自在に直線移動させる。これにより、この絞り装置では、絞り羽根同士の接触面積を大幅に小さくすることで、発塵や摩耗を大幅に抑制することが可能になり、二重露光の実施に伴う高い動作回数にも充分に耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施例を示す図であって、投影露光装置の概略構成図である。
図2は、投影露光装置を構成する開口絞りの第1の実施例の外観斜視図である。
図3は、絞り羽根を支持するリニアガイドの外観斜視図である。
図4は、図3における右側面図である。
図5は、開口絞りを構成する金物の平面図である。
図6は、開口絞りの部分断面図である。
図7は、図2におけるA−A線視断面図である。
図8は、開口絞りを構成する矢車の平面図である。
図9は、第2の実施例に係る開口絞りの分解斜視図である。
図10は、2枚の絞り羽根が相対移動自在に構成された外観斜視図である。
図11は、図10における側面断面図である。
図12は、開口絞りを構成する鞍部材の外観斜視図である。
図13は、リニアガイドが絞り羽根に結合された断面図である。
図14は、図13における側面断面図である。
図15は、リンク機構の動作を説明する図である。
図16は、従来の開口絞りの一例を示す外観斜視図である。
図17は、半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
Claims (14)
- 開口の大きさを調整する複数の絞り羽根を有する絞り装置であって、
前記複数の絞り羽根のそれぞれを、該各絞り羽根の外形輪郭のうち、前記開口の中心側にある輪郭の任意の点を前記開口の略中心に向かって進退自在に直線移動させる駆動機構を備えている。 - 請求項1記載の絞り装置であって、
前記絞り羽根のそれぞれは、隣り合う絞り羽根との間が前記開口の中心軸と略平行な方向に関し、互いに隙間をあけて配置されている。 - 請求項2記載の絞り装置であって、
前記絞り羽根のそれぞれは、一つおきに前記開口の中心軸と略直交する同一面内に配置されている。 - 請求項1記載の絞り装置であって、
前記絞り羽根の外形輪郭のうち、前記開口の中心側にある輪郭は、所定の曲率を有する円弧部分と該円弧部分から連続して形成された直線部分とを有する。 - 請求項1記載の絞り装置であって、
前記駆動機構は、前記開口の略中心軸を回転軸として回転する回転部材と、
前記回転部材の回転移動を前記複数の絞り羽根の直線移動に変換する変換部材とを備えている。 - 請求項5記載の絞り装置であって、
前記回転部材と前記変換部材との一方には嵌合溝が設けられ、
前記回転部材と前記変換部材との他方には前記嵌合溝に嵌合して摺動する凸部が設けられ、
該凸部には軸受が装着されている。 - 請求項1記載の絞り装置であって、
前記絞り羽根を前記直線移動可能に保持する絞り羽根基部を有する。 - 請求項7記載の絞り装置であって、
前記絞り羽根基部は、前記絞り羽根の直線移動に伴って、前記絞り羽根の移動方向と同じ方向に直線移動する。 - 請求項7記載の絞り装置であって、
前記駆動機構は、前記開口の略中心軸を回転軸として回転する回転部材と、
前記回転部材の回転移動により、前記絞り羽根を前記直線移動させるとともに、前記絞り羽根が移動した後に、前記絞り羽根基部を前記直線移動させるリンク機構とを有する。 - 請求項7記載の絞り装置であって、
前記絞り羽根には、前記絞り羽根基部の前記直線移動をガイドするガイド部材が設けられている。 - 開口数の大きさを可変とする開口絞りを有する投影光学系であって、
前記開口絞りとして請求項1記載の絞り装置が用いられている。 - 光束で照明されたマスクのパターン像を基板に投影露光する投影露光装置であって、
前記光束の光路中に配置され、開口数の大きさを可変とする開口絞りとして請求項1記載の絞り装置が用いられている。 - 請求項12記載の投影露光装置であって、
前記マスクのパターン像を前記基板上に転写する投影光学系を有し、
前記絞り装置が備える前記開口絞りは、前記投影光学系の瞳面上に配置されている。 - マスクのパターン像で感光基板を露光して製造されるマイクロデバイスの製造方法であって、
請求項12記載の投影露光装置を用いて前記マスクのデバイスパターン像で前記感光基板を露光する工程と、露光した前記感光基板を現像する工程とを含む。
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