JP2011086708A - 絞り装置、光学系、露光装置、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

絞り装置、光学系、露光装置、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学系の配置構成への制限の少ない、より高性能な光学系を提供する。
【解決手段】光束を規定する開口の形状を調整可能な絞り装置Sである。光束を遮光して開口の形状を調整する複数の遮光部材111、112と、遮光部材111、112を駆動する形状記憶合金部材41a、42aと、を含んでいる。また、遮光部材111、112と形状記憶合金部材41b、42bとは別体からなり、複数の遮光部材111、112に形状記憶合金部材41b、42bが接続されてなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、絞り装置、光学系、露光装置、及び電子デバイスの製造方法に関するものである。
半導体素子、液晶表示素子などのデバイスを製造するためのリソグラフィ工程では、基板への微細パターンの形成に際し、形成すべきパターンの形状に応じた光量分布を有する露光光を、表面に感光膜(フォトレジスト)が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜ウエハともいう)上に露光する露光装置が用いられている。これらの露光装置としては、例えば、レチクル又はマスク(以下、「マスク」と総称する)を照明する照明光学系と、マスクのパターン像を基板上に投影する投影光学系とを備えた露光装置がある(例えば、特許文献1参照)。
近年においては、半導体集積回路の高集積化及び該高集積化に伴うパターンの微細化を図るために、投影光学系の更なる高解像度化が要求されている。さらに最近では、多種多様なパターンを高解像度で基板上に露光できる露光装置が要求されており、そのような露光装置に用いられるマスクのマスクパターンには、近接した周期的なライン・アンド・スペース(L&S)パターン、近接及び周期的な(即ち、ホール径と同レベルの間隔で並べた)コンタクトホール列、近接せずに孤立した孤立コンタクトホール、その他の孤立パターン等がある。
上述のようなマスクパターンを基板上に高解像度で転写するには、マスクパターンの種類に応じて最適な露光条件を選択する必要がある。そのため、投影光学系の開口数NAや、照明光学系の開口数NAiの開口径が変更可能であり、各々のマスクパターンに応じて最適な露光条件に設定することができる露光装置が実用化されている。また、そのような露光装置の一例としては、開口径が固定の固定型開口絞り(絞り装置)や開口径が可変の可変型開口絞りを照明光学系又は投影光学系に備える露光装置が挙げられる。
国際公開第2007/004358号
しかしながら、従来の可変型開口絞りは、可変型開口絞りを配置すべき光学系の瞳面の周囲の全部に渡って機械的な機構を配置する必要があった。このため、光学系を構成するレンズやミラーの配置構成への制限があり、光学系の小型化や、開口数(NA)の拡大に対する制約にもなっていた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、開口絞りを構成する機械機構の、光学系瞳面に対する配置の自由度を増し、光学系の配置構成への制限が少ない、より高性能の絞り装置を提供することを目的とする。
また、その絞り装置を用いた光学系の提供、露光装置の提供、及び電子デバイスの製造方法を提供することも目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、光束を規定する開口の形状を調整可能な絞り装置において、前記光束を遮光して前記開口の形状を調整する複数の遮光部材と、前記遮光部材を駆動する形状記憶合金部材と、を含む絞り装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、少なくとも1つの反射光学素子と、上記絞り装置とを備える光学系が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1面の像を第2面上に露光する露光装置であって、上記光学系を備える露光装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第1面の像を第2面上に投影する投影光学系を備える露光装置であって、前記投影光学系が上記光学系である露光装置が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、リソグラフィ工程を含む電子デバイスの製造方法であって、前記リソグラフィ工程にて上記露光装置を用いる電子デバイスの製造方法が提供される。
本発明によれば、配置構成への自由度が高く、高性能な絞り装置を提供できる。
露光装置の概要を示す図である。 絞り装置の一例を示す斜視図である。 図2中A−A線矢視による絞り装置の側断面構造を示す図である。 図2中B−B線矢視による絞り装置の側断面構造を示す図である。 第1短冊部材及び第2短冊部材の配置の一例を示す概略図である。 絞り装置の変形例に係る構成を示す概略図である。 第2実施形態に係る絞り装置の断面構成を示す図である。 第2実施形態に係る絞り装置の動作を説明するための図である。 第3実施形態に係る絞り装置の断面構成を示す図である。 第3実施形態に係る絞り装置の動作を説明するための図である。 第4実施形態に係る絞り装置の構成を示す図である。 図11中C−C線矢視による側断面構造を示す図である。 第4実施形態に係る絞り装置の動作を説明するための図である。 電子デバイスの製造方法の一例について説明するための図である。
以下、投影露光装置の投影光学系として、本発明の絞り装置を備えた光学系を適用した実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る露光装置の概要を示す図である。本実施形態の露光装置は、波長5nm〜100nm程度の極紫外線光であるEUV(Extreme Ultraviolet)光を露光光として使用するEUV露光装置である。本露光装置は、光源装置1からの露光用の照明光(露光光)ILで反射型のマスクMのパターン面(マスク面)を照明する照明光学系ILSと、マスクMを載置し、マスクMの位置決めを行うマスクステージMSと、マスクMのパターン像をウエハW(感光性基板)上に投影する投影光学系PLと、ウエハWを載置し、ウエハWの位置決めを行うウエハステージWSを備える。
図1においては、ウエハWの載置面の法線方向をZ方向とし、Z方向に垂直な平面内において図1の紙面に平行な方向をY方向、紙面に垂直な方向をX方向としている。なお、本露光装置は、マスクMとウエハWとを図1のY方向(以下、走査方向Yともいう)に走査移動させつつ、マスクM上のマスクパターンをウエハWに投影する走査型露光装置である。
本例の露光装置は、その内部が真空雰囲気に維持される真空チャンバ100を有しており、EUV光の発光点からウエハWまでの光路の全体は、真空チャンバ100内に収められる。また、マスクステージMSには、不図示の静電チャック方式のマスクホルダが設けられ、そのマスクホルダによってマスクMが保持される。同様に、ウエハステージWSには、不図示の静電チャック方式のウエハホルダが設けられ、そのウエハホルダによってウエハWが保持される。さらに、マスクステージMS及びウエハステージWSは、それぞれマスクステージ駆動部(不図示)及びウエハステージ駆動部(不図示)によって、Y方向に所定ストロークで駆動可能であるとともに、X方向、Z方向、X方向周りの回転方向であるθX方向、Y方向回りの回転方向であるθY方向及びZ方向回りの回転方向であるθZ方向にも駆動可能である。
なお、不図示の制御部が配置されており、その制御部からマスクステージMSやウエハステージWS等の本露光装置の各部に対して各種の指令を与える。
レーザ励起型プラズマ光源又は放電励起型プラズマ光源等の光源装置1から射出された露光光は、コリメータミラー2により略平行光束とされ、照明光学系ILSに入射される。
照明光学系ILSに入射した露光光(照明光IL)は、オプティカルインテグレータ3に入射する。すなわち、照明光ILは、反射型のオプティカルインテグレータ3を構成する第1のフライアイミラー3a(第1の均一化光学素子)と第2のフライアイミラー3b(第2の均一化光学素子)とにより順次反射され、第2のフライアイミラー上(又はその近傍)である照明光学系ILSの瞳面(照明光学系瞳面)に、所定の形状を有する実質的な面光源を形成する。その後、照明光ILは、コンデンサミラー4によって集光され、光路折り曲げ用の平面ミラー5によって偏向されて、マスクMのパターン面上の露光視野内を円弧スリット状の照明光ILとしてほぼ均一に照明する。
マスクMのパターン面により反射されて投影光学系PLに入射した照明光IL(露光光)は、第1ミラーPM1によって反射され、投影光学系PLの瞳面PPに配置された絞り装置Sを介した後、第2ミラーPM2に入射する。第2ミラーPM2で反射された照明光IL(露光光)は、第3ミラーPM3、第4ミラーPM4、第5ミラーPM5、第6ミラーPM6の順に反射されて、ウエハW上の露光領域にマスクパターンの像を形成する。
なお、露光装置に用いられるミラー(例えば、コリメータミラー2、照明光学系ILS及び投影光学系PLの各ミラーPM1〜PM6)は、EUV光を反射させるために、反射面に多層膜が形成されている。例えば、この多層膜は、Mo/Si多層膜やMo/Be多層膜などで構成される。
また、本実施形態の光源装置1から射出されるEUV光(露光光)の波長は、高解像度を達成するために50nm以下とすることが望ましく、一例としては11.8nm又は13.5nmを使用することが望ましい。
また、本実施形態における照明光学系ILSは、マスクMのパターン面上の露光視野内を照明する構成であればよく、具体的な構成は特に制限されない。
次に、本発明の特徴的構成である絞り装置Sの構成について説明する。
図2は、本実施形態における絞り装置Sの一例を示す斜視図であり、図3は図2中A−A線矢視による絞り装置Sの側断面構造を示す図であり、図4は図2中B−B線矢視による絞り装置Sの側断面構造を示す図である。
本実施形態における絞り装置Sは、図2に示すように第1可変遮光部VR1と第2可変遮光部VR2とを備えており、X方向における開口部SHの開口幅を後述するように調整可能となっている。なお、Y方向における開口部SHの開口幅は後述するケース部材40を構成する板状部材40bに形成された開口により一定の値となっている。
第1可変遮光部VR1は、複数の第1短冊部材(遮光部材)111を有し、その複数の第1短冊部材111によって絞り装置Sの開口形状の輪郭の少なくとも一部を規定するものである。同様に、第2可変遮光部VR2は、複数の第2短冊部材(絞り部)112を有し、その複数の第2短冊部材112によって絞り装置Sの開口形状の輪郭の少なくとも一部を規定するものである。また、絞り装置Sは、投影光学系PLの光軸AX方向に沿って絞り装置Sを移動可能とする駆動装置43を備えている。
第1短冊部材111は、第1面と、第1面とは反対側の第2面に形成された凸部とを有する長尺形の平板であって、その長手方向の一端部が絞り装置Sの開口形状の輪郭の少なくとも一部を構成している。そして、複数の第1短冊部材111は、その長手方向が第1方向(所定方向)とほぼ平行であり、且つ、短手方向(所定方向と直交する方向)に沿って近接して配置されている。さらに、第1短冊部材111の長手方向に他端部のそれぞれには、第1短冊部材111をその長手方向にスライド駆動、すなわち押し引き駆動させるための駆動部41(図3参照)が設けられている。
同様に、上述の第2短冊部材112も、第1の面と、第1の面とは反対側の面に形成された凸部とを有する長尺形の平板であって、第1短冊部材111とは異なる位置に配置されるとともに、その長手方向の一端部が、絞り装置Sの開口形状の輪郭の少なくとも一部を構成している。そして、複数の第2短冊部材112は、その長手方向が第1方向とほぼ平行であり、且つ、その短手方向に沿って近接して配置される。さらに、図2に示すように第2短冊部材112の長手方向の他端部のそれぞれには、第2短冊部材112をその長手方向にスライド駆動、すなわち押し引き駆動させるための駆動部42(図3参照)が設けられている。
なお、本実施形態においては、第1方向とは、投影光学系PLの光軸AXと略直交な方向を意味する。ただし、一般には、第1方向は必ずしも光軸AXと直交する方向である必要はなく、光学系を構成するミラーやレンズ、及びそれらの保持部材との機械的な干渉を避けるのに適した方向に設定すればよい。同様に、本実施形態においては、第2方向とは、投影光学系PLの光軸AXと略直交な方向を意味する。ただし、一般には、第2方向は必ずしも光軸AXと直交する方向である必要はなく、光学系を構成するミラーやレンズ、及びそれらの保持部材との機械的な干渉を避けるのに適した方向に設定すればよい。具体的に本実施例では、第1方向及び第2方向が図2に示されるX方向に対応している。
図3に示すように、第1可変遮光部VR1は、第1短冊部材111を収容するケース部材(収容部)40と、第1短冊部材111をスライド駆動する駆動部41を備えている。同様に第2可変遮光部VR2は、第2短冊部材112を収容するケース部材40と、第2短冊部材112をスライド駆動する駆動部42を備えている。
駆動部41は、形状記憶合金部材41aと、この形状記憶合金部材41aの温度を調整する温度調整装置41bとを備えている。同様に、駆動部42は、形状記憶合金部材42aと、この形状記憶合金部材42aの温度を変化させる温度調整装置42bとを備えている。形状記憶合金部材41a、42aは、例えばNi−Ti系の形状記憶合金から構成されるものである。
形状記憶合金部材41a、42aを構成する形状記憶合金(以下、SMA;Shape Memory Alloyの略)は、標準状態(大気中、25℃、加熱させない状態とする)においては柔らかくナイロン糸のようにしなやかだが、温度上昇とともにピアノ線のように強靭になり、強い力で収縮する。そして、再び温度を低下させると、柔らかく元の長さに戻るという性質がある。この可逆的で直線的な変形は、例えば外部周囲温度や通電加熱、光による加熱などで、何度でも繰り返すことができる。
また、温度調整装置41b、42bは、例えばペルチェ素子と制御部(不図示)とを備えている。これにより、温度調整装置41b、42bは、制御部によって対応する形状記憶合金部材41a、42aをそれぞれ温度調整することが可能となっている。なお、温度調整装置41b、42bとしてペルチェ素子の代わりに抵抗加熱方式のヒータを用いることもできる。
本実施形態では、SMAの性質(直線的な変形)を利用することで形状記憶合金部材41a、42aに接続される第1短冊部材111又は第2短冊部材112をその長手方向にスライド駆動し、投影光学系PLの絞り装置Sの形状を2段階で調整できるようになっている。
ケース部材40は、一対の板状部材40a,40bから構成されており、第1短冊部材111が板状部材40a,40b間に挟持された状態で保持されたものとなっている。
図4に示されるように、絞り装置Sにおける第1短冊部材111は、上面が第1面の第1短冊部材111と、上面が第2面の第1短冊部材111とが第3方向であるY方向に沿って交互に配置される。
板状部材40aには、上面が第1面の第1短冊部材111のガイド部として機能する第1ガイド溝44が形成され、板状部材40bには、上面が第2面の第1短冊部材111のガイド部として機能する第2ガイド溝45が形成されている。第1ガイド溝44及び第2ガイド溝45は、第1短冊部材111の短辺方向に対応する幅を有し、第1短冊部材111の延在方向に形成された溝と、第1短冊部材111の第2面に設けられた凸部46に対応するともに、第1短冊部材111の延在方向に形成された溝とを有する。
第1ガイド溝44及び第2ガイド溝45は、板状部材40a,40bにおける第3方向であるY方向に沿って交互に形成されている。本実施形態においては、上述のように隣り合う第1短冊部材111の短辺方向における端部がそれぞれ重なった状態に配置されるので、複数の第1短冊部材111のお互いの隙間から露光光が漏れることが低減されたものとなっている。また、凸部46が形成された第2面を第2方向に沿って交互に配置しているので、第1可変遮光部VR1の厚さ方向の寸法を小さくすることが可能となっている。なお、図4における説明において、第1短冊部材111を例として説明したが、第2短冊部材112においても、第1短冊部材111と同様の構成を有しており、その説明については省略する。
ここで、絞り装置Sの動作について説明する。
絞り装置Sは、温度調整装置41b、42bによって形状記憶合金部材41a、42aが加熱された状態では、図3に示すように形状記憶合金部材41a、42aが縮んだ状態となっている。絞り装置Sは、開口部SHの開口幅を調整する際、温度調整装置41b,42b(ペルチェ素子)による形状記憶合金部材41a、42aへの加熱を中止する。すると、形状記憶合金部材41a,42aは、図3中2点鎖線で示されるように標準状態の長さまで延びる。これにより、形状記憶合金部材41a,42aに接続された第1短冊部材111及び第2短冊部材112はスライド駆動する。これにより、絞り装置Sは、開口部SHの開口幅を狭めることができる。
また、絞り装置Sは、駆動部41(形状記憶合金部材41a)によって複数の第1短冊部材111のそれぞれを独立してスライド可能に構成されている。さらに、絞り装置Sは、駆動部42(形状記憶合金部材42a)によって複数の第2短冊部材112のそれぞれを独立してスライド可能に構成されている。よって、絞り装置Sは、投影光学系PLの開口数NAの微調整を容易に行うことができる。
このように、本実施形態における絞り装置Sは、その開口形状が複数の第1短冊部材111及び複数の第2短冊部材112によって構成されているので、投影光学系PLの瞳面PPの周囲の全面に渡って機械的な機構を配置することなく、所定の2方向に駆動部41,42を設ける事で投影光学系PLの開口数NAを調整可能となっている。
続いて、絞り装置Sの配置の一例について説明する。図5は、本実施形態の投影光学系PLにおける第1短冊部材111及び第2短冊部材112の配置の一例を示す概略図である。図5に示すように、本例の絞り装置Sの第1短冊部材111、第2短冊部材112は、第1ミラーPM1と第2ミラーPM2との光路中に形成される投影光学系PLの瞳面PP又はその瞳面PPの近傍に配置される。そして、複数の第1短冊部材111は、瞳面PPにおいて光束LAが通過する開口形状の少なくとも一部(第1部分)を形成する。さらに、複数の第2短冊部材112は、瞳面PPにおいて光束LAが通過する開口形状の少なくとも一部(第2部分)を形成する。
ここで、本実施形態における投影光学系PLは、図1に示すように、光軸AXに軸対称な共軸反射光学系である。このような光学系に於いては、マスクMからウエハWに至る光束は、複数のミラー(第1ミラーPM1〜第6ミラーPM6)によって順次反射されるとともに、その各光路は空間的に相当程度重複して、各ミラーの間を往復するものとなる。また、投影光学系PLを構成するミラーであって光軸上に配置された円形のミラー(例えば第2ミラー)による遮蔽を回避するために、その視野の形状は、物体面上及び像面上において、光軸から所定の半径だけ離れた円弧状の領域の一部であることが一般的である。
本例の投影光学系PLでは、その視野は、物体面(マスクM)上で、光軸AXから第3方向である+Y方向に離れた位置を中心とする円弧状の領域である。そして、投影光学系PLが光軸対称な光学系であることから、各ミラー(第1ミラーPM1〜第6ミラーPM6)で反射された各光束は、光軸AXを中心として収束方向に、または光軸AXを中心として発散する方向に反射されることになる。
その結果、図5に示すように、マスクMを介して第1ミラーPM1へ入射する光束は瞳面PPに対して+Y方向に近接した部分P1を通過し、第2ミラーPM2を介して第3ミラーPM3へ入射する光束は、瞳面PPに対して−Y方向に近接した部分P2を通過することとなる。
このように、本実施形態における投影光学系PLは共軸な反射光学系であるために、絞り装置を配置すべき瞳面の近傍においては、第3方向(Y方向)に沿っては複数の光路が近接するが、第3方向と直交する方向(X方向、Z方向)に沿っては、他の光路が近接して配置されることはない。
したがって、各ミラーで反射された各光束が、瞳面PPに近接して配置される場合、瞳面PPの周囲を取り囲むように機械的な機構を配置する必要のある従来の絞り装置は、それらの光束を遮蔽してしまうために、配置することが困難であった。これに対して、本実施例の絞り装置Sによれば、図5に示すように、複数の第1短冊部材111が第1面F1上であって、投影光学系PLの光軸AXから露光視野に離れる方向と交差する方向(本例ではX方向(第1方向))に配置されるため、近接する他の光束を遮蔽することなく配置することができる。
また、複数の第1短冊部材111は、第1面F1上であって、駆動部41によって投影光学系PLの光軸AXから露光視野に離れる方向と交差する方向(本例ではX方向(第1方向))にそれぞれスライドされる。よって、駆動した第1短冊部材111が近接する他の光束を遮蔽するのを防止することができる。
同様に、図5に示すように、複数の第2短冊部材112は、第1面F1上であって、投影光学系PLの光軸AXから露光視野に離れる方向と交差する方向(本例ではX方向(第1方向))且つ複数の第1短冊部材111とは異なる位置に配置されるため、近接する他の光束を遮蔽することが無い。また、複数の第2短冊部材112は、第1面F1上であって、駆動部42によってX方向にそれぞれスライドされるので、駆動時に他の光束を遮蔽するといった不具合を生じさせるおそれが無い。
ところで、投影光学系PLによっては、いわゆる瞳の球面収差により、開口数NAの可変により瞳面PPの位置が光軸方向に若干ずれる場合もある。この場合において、絞り装置Sの位置、すなわち、第1短冊部材111及び第2短冊部材112の位置を厳格に設定するには、投影光学系PLの絞り装置Sは、投影光学系PLの開口数NAの値に応じて光軸方向の位置を移動させる必要がある。
これに対し、本実施例では、図2、3に示したように、絞り装置Sは、第1可変遮光部VR1と第2可変遮光部VR2とを、光軸方向(Z方向)に一体的に移動可能とする駆動装置43を備えている。したがって、本実施形態に係る絞り装置Sは、投影光学系PLの開口数NAの値に応じて駆動装置43を用いることで光軸方向の位置を移動することができる。
本実施形態によれば、例えば投影光学系PLの光路が各ミラーPM1〜PM6で折り返されることによって、投影光学系PLの瞳面PPを含む第1面F1上において投影光学系PLの光路が近接するような構成であっても、本実施形態における絞り装置Sは、投影光学系PLの光路を遮蔽することなく、投影光学系PLの開口数NAを連続的又は段階的に変えることができる。
ところで、一般的に光学系の絞り装置Sの開口形状は、光学系の結像性能の観点から、円形形状又は楕円形状であること、さらには、より滑らかな円形形状又は楕円形状が望ましい。そこで、図6に示すように、第1短冊部材111及び第2短冊部材112の長手方向における少なくとも開口部SH側の端部31の形状を、斜線又は曲線形状に形成するようにしてもよい。
図6に示すように、第1短冊部材111及び第2短冊部材112は、その長手方向における少なくとも開口部SH側の端部の形状が斜線又は曲線形状となっている。そして、複数の第1短冊部材111及び第2短冊部材112のそれぞれの端部の形状は、絞り装置Sの開口形状をほぼ円形状又は楕円形状に形成させるようにそれぞれ構成される。このように複数の第1短冊部材111及び第2短冊部材112によって絞り装置Sの開口形状の少なくとも一部をより滑らかな円形状又は楕円形状に形成することにより、絞り装置Sにより規定される投影光学系PLにおける開口数NAの設定誤差を低減することができる。
なお、第1実施形態では、第1短冊部材111及び第2短冊部材112が、図5に示すように投影光学系PLの光軸AXから露光視野に離れる方向と略直交する所定の一方向に沿ってそれぞれ配置されたものとした。しかしながら、投影光学系PLの光軸AXから露光視野に離れる方向と交差する方向であって且つ投影光学系PLの光路を遮蔽しない方向であれば、第1短冊部材111及び第2短冊部材112は、上記所定の方向とはそれぞれ別々の方向に配置されてもよい。
また、絞り装置Sの開口形状をある程度円形に近づける必要がある場合には、上記の例及び以降の実施例における第1短冊部材111の短手方向の幅は、製造可能な範囲で且つできる限り狭い方が望ましい。
第1短冊部材111の短手方向の幅をより細くして、絞り装置Sの開口形状の少なくとも一部を形成するための第1短冊部材111の数を多くすることで、複数の第1短冊部材111は、絞り装置Sの開口形状の少なくとも一部をより高精度に形成することが可能となる。
絞り装置Sの開口形状をある程度円形に近づけるためには、例えば、第1短冊部材111の本数を50本程度以上に設定することが望ましい。また、より一層円形に近い開口形状が必要な場合には、70本程度以上としてもよい。
なお、第1短冊部材111の短手方向の幅は、投影光学系PLの絞り装置Sの最大径、投影光学系PLの開口数NAを可変とさせる範囲や、開口数NAを可変設定する際の可変ステップ値、さらに第1短冊部材111の本数、などを考慮して設定される。なお、第2短冊部材112の形状、本数、幅等は、第1短冊部材111の形状と同様であるため、説明は省略する。
例えば、投影光学系PLの開口数NAを可変とさせる範囲が0.1〜0.5において開口数NAの可変ステップ値を0.01にする場合には、第1短冊部材111の短手方向の幅は、投影光学系PLの瞳の直径100mmに対して概ね2〜10mmである必要がある。同様に、投影光学系PLの開口数NAを可変とさせる範囲が0.15〜0.35において開口数NAの可変ステップ値を0.01にする場合には、第1短冊部材111の短手方向の幅は、投影光学系PLの瞳の直径100mmに対して概ね2.5〜6.6mmである
必要がある。したがって、投影光学系PLの瞳の直径と絞り装置Sの開口部SHの第1方向と略直交する方向(第1短冊部材111の短手方向)における幅とをほぼ同等とすると、開口数NAの可変ステップ値を0.01にする際には、第1短冊部材111の短手方向の幅は、絞り装置Sの開口部SHの第1方向と略直交する方向における幅に対して概ね1/50〜1/10である必要がある。
さらに、投影光学系PLの開口数NAを可変とさせる範囲が0.1〜0.5において開口数NAの可変ステップ値を0.005にする場合には、第1短冊部材111の短手方向の幅は、投影光学系PLの瞳の直径100mmに対して概ね1〜5mmである必要がある。したがって、投影光学系PLの瞳の直径と絞り装置Sの開口部SHの第1方向と略直交する方向における幅とをほぼ同等とすると、開口数NAの可変ステップ値を0.005にする際には、第1短冊部材111の短手方向の幅は、絞り装置Sの開口部SHの第1方向と略直交する方向における幅に対して概ね1/100〜1/20である必要がある。
(第2実施形態)
次に、絞り装置の第2実施形態に係る構成について説明する。図7は本実施形態に係る絞り装置の断面構成を示す図である。なお、図7は上記実施形態における図3に対応する図である。本実施形態と第1実施形態に係る絞り装置Sとは、後述するように第1短冊部材及び第2短冊部材がそれぞれ多段に配置されている点で異なっており、それ以外の構成は共通である。そのため、上記実施形態と同一の構成には同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
本実施形態の絞り装置Sは、図7に示されるように、例えば第1可変遮光部VR1を構成する第1短冊部材111a、111bがその厚さ方向(本実施例ではZ方向又は光軸方向)に配置されている。これら第1短冊部材111a、111bは、ケース部材(収容部)140に収容されている。ケース部材140は、板状部材140a,140b,140cから構成されるものである。
具体的には、第1短冊部材111a、111bは、板状部材140a,140b,140cに挟持された状態で保持されている。また、板状部材140a,140b,140cには、図4を用いて説明したように第1短冊部材111a、111bをガイドするためのガイド溝(不図示)が形成されている。なお、板状部材140aによって形成される開口の幅W1は、他の板状部材140b,140cによって形成される開口の幅(後述するW2,W3)よりも小さくなっている。第2可変遮光部VR2は、第2短冊部材112a、112bがケース部材140に収容されており、上記第1可変遮光部VR1と同様の構成を有していることからその詳細な説明については省略する。
以下、第1可変遮光部VR1の構成を例に挙げて説明する。
第1短冊部材111a、111bには、駆動部142,143が設けられている。駆動部142は、形状記憶合金部材142aと、この形状記憶合金部材142aの温度を調整する温度調整装置144とを備えている。同様に、駆動部143は、形状記憶合金部材143aと、この形状記憶合金部材143aの温度を調整する温度調整装置144とを備えている。なお、温度調整装置144は、第1の実施形態と同様、例えばペルチェ素子と制御部(不図示)とを備えるものである。
本実施形態においては、第1短冊部材111aに対応する形状記憶合金部材142aと、第1短冊部材111bに対応する形状記憶合金部材143aとが異なる変位特性を備えたものとなっている。例えば第1短冊部材111aに対応する形状記憶合金部材142aの方が、第1短冊部材111bに対応する形状記憶合金部材143aに比べて温度調整装置144によって同一の温度変化が付与された際の変位量が大きくなっている。
続いて、本実施形態の絞り装置Sの動作について図8を参照しつつ説明する。
絞り装置Sは、第1短冊部材111aに対応する温度調整装置144(ペルチェ素子)による加熱を中止することで形状記憶合金部材142aを縮んだ状態から標準状態へと変化させる。これにより、第1短冊部材111aは、図8(a)に示すように開口を狭める方向へとスライド駆動する。よって、絞り装置Sによって規定される開口部SHの開口幅がW2となる。
一方、第1短冊部材111bに対応する温度調整装置144(ペルチェ素子)による加熱を中止することで形状記憶合金部材143aのみを縮んだ状態から標準状態へと変化させる。これにより、第1短冊部材111bは、図8(b)に示すように開口を狭める方向へとスライド駆動する。これにより、絞り装置Sによって規定される開口部SHの開口幅がW3となる。
以上、述べたように本実施形態によれば、第1短冊部材111a、111bをスライド駆動することで開口幅W1の他に、2種類の開口幅(W2,W3)を設定することができる。なお、本実施形態では、第1短冊部材をその厚さ方向に2段配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることは無く、絞り装置Sを設置するスペースが確保できる場合には、第1短冊部材をその厚さ方向に3段以上配置するようにしてもよい。この場合、より多数の開口幅に対応した高機能な絞り装置Sを提供できる。
(第3実施形態)
次に、絞り装置の第3実施形態に係る構成について説明する。図9は本実施形態に係る絞り装置の断面構成を示す図である。なお、図9は第1実施形態における図3に対応する図である。本実施形態と上記第1、第2実施形態に係る絞り装置とは、後述するように第1短冊部材及び第2短冊部材がそれぞれ第1方向に複数配置されている点で異なっており、それ以外の構成は共通である。以下の説明では、上記実施形態と同一の構成には同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
本実施形態の絞り装置は、図9に示されるように、例えば第1可変遮光部VR1を構成する第1短冊部材121a、121bが、その長さ方向(第1方向)に配置されていている。これら第1短冊部材121a、121bは、ケース部材150に収容されている。具体的には、第1短冊部材121a、121bがケース部材150を構成する板状部材151a,151bによって挟持された状態で保持されている。また、板状部材151a,151bには、図4を用いて説明したように第1短冊部材121a、121bをガイドするためのガイド溝(不図示)が形成されている。なお、第2可変遮光部VR2については、上記第1可変遮光部VR1と同様の構成であることから説明については省略するものとする。
第1短冊部材121a、121bには、それぞれ駆動部152,153が設けられている。第1短冊部材121aに対応する駆動部152の形状記憶合金部材152aと、第1短冊部材121bに対応する駆動部153の形状記憶合金部材153aとは異なる変位特性を備えている。本実施例では、例えば第1短冊部材121aに対応する形状記憶合金部材152aの方が、第1短冊部材121bに対応する形状記憶合金部材153aに比べて温度調整装置154によって同一の温度変化が付与された際の変位量が小さくなっている。なお、標準状態においては、上記形状記憶合金部材152a、153aが縮んだ状態となっており、開口部SHの開口幅がW4となっている。
続いて、本実施形態の絞り装置の動作について図10を参照しつつ説明する。
第1短冊部材121aに対応する温度調整装置154(ペルチェ素子)による加熱を中止することで形状記憶合金部材152aを縮んだ状態から標準状態へと変化させる。これにより、第1短冊部材121aは、図10(a)に示すように開口を狭める方向へとスライド駆動する。よって、絞り装置によって規定される開口部SHの開口幅がW5となる。
また、第1短冊部材121bに対応する温度調整装置154(ペルチェ素子)による加熱を中止することで形状記憶合金部材153aのみを縮んだ状態から標準状態へと変化させる。これにより、第1短冊部材121bは、図10(b)に示すように開口を狭める方向へとスライド駆動する。これにより、絞り装置Sによって規定される開口部SHの開口幅がW6となる。
さらに、第1短冊部材121a,121bに対応する温度調整装置154(ペルチェ素子)による加熱を中止することで形状記憶合金部材152a、153aを縮んだ状態から標準状態へと変化させる。これにより、第1短冊部材121a,121bは、図10(c)に示すようにそれぞれ開口を狭める方向へとスライド駆動する。これにより、絞り装置Sによって規定される開口部SHの開口幅がW7となる。
以上、述べたように本実施形態によれば、第1短冊部材121a、121bを独立してスライド駆動させることで標準状態における開口幅W4の他に、3種類の開口幅(W5,W6,W7)を設定することができる。なお、本実施形態では、第1短冊部材をその長さ方向に2つ配置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されることは無く、絞り装置を設置するスペースが確保できる場合には、第1短冊部材をその長さ方向に3つ以上配置するようにしてもよい。この場合、より多数の開口幅に対応した高機能な絞り装置を提供できる。
(第4実施形態)
次に、絞り装置の第4実施形態に係る構成について説明する。図11(a)は本実施形態に係る絞り装置の概略構成を示す平面図であり、図11(b)は絞り装置の要部構成を示す斜視図である。図12は図11(a)におけるC−C線矢視による側断面構造を示す図である。
本実施形態と上記第1〜3実施形態に係る絞り装置とは、後述するように複数の遮光部材が近接した状態でリング状に配置される点で異なっており、それ以外の構成は共通である。以下の説明では、上記実施形態と同一の構成には同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
本実施形態の絞り装置S´は、図11(b)に示されるように、第1面と、第1面と反対側の第2面とを備える絞り板(遮光部材)160を備える。なお、第2面には、凸部185が設けられている。そして、絞り装置S´は、図11(a)に示されるように、複数の絞り板160が、互いに近接した状態でリング状に配置されることで開口部SHの一部を構成している。具体的には、隣り合う絞り板160の短辺方向における端部がそれぞれ重なった状態で、複数の絞り板160のお互いの隙間から露光光が漏れることが防止されている。なお、図11(b)においては、図を見やすくするため、後述する絞り板160を収容するケース部材170の図示を省略している。
また、絞り板160の各々は、上記実施形態と同様、駆動部190が設けられている。駆動部190は、形状記憶合金部材191aと、この形状記憶合金部材191aの温度を変化させる温度調整装置191bとを備えている。このように本実施形態に係る絞り装置S´は、駆動部191(形状記憶合金部材191a)によって複数の絞り板160のそれぞれが独立してスライド可能に構成されることで、投影光学系PLの開口数NAの微調整を容易に行うことができるようになっている。
複数の絞り板160は、図11(a)、図12に示されるようにケース部材170に収容されている。絞り板160は、ケース部材170を構成する一対の板状部材170a,170b間に挟持された状態で保持されたものとなっている。板状部材170aは、上面が第1面の絞り板160のガイド部として機能する第1ガイド溝181と、絞り板160の凸部に対応するとともに、第1短冊部材111の延在方向に形成された第2ガイド溝182とが形成されている。板状部材170bは、上面が第2面の絞り板のガイド部として機能する第1ガイド溝181と、凸部に対応する第2ガイド溝182とが形成されている。第1ガイド溝181は、開口部SHの中心部に向かって形成された溝である。また、第2ガイド溝182は、絞り板160の第2面に形成された凸部185に対応する幅を有し、開口部SHの中心部に向かって形成された溝である。また、凸部185が形成された面を内側に向けるようにして絞り板160が配置されるので、絞り装置S´の厚さ方向の寸法を小さくしている。
続いて、本実施形態の絞り装置S´の動作について図13を参照しつつ説明する。なお、図13においては、絞り板160がスライド駆動して開口部SHの開口径が拡がった状態を2点鎖線で示し、開口径が縮んだ状態を実線で示している。なお、開口径が縮んだ状態を標準状態とし、この標準状態における開口部SHの開口幅をW8とした。
絞り装置S´は、温度調整装置191b(ペルチェ素子)により加熱された形状記憶合金部材191aが標準状態から縮んだ状態へと変化する。これにより、各絞り板160は、図13に示されるように、開口部SHの中心Cに向かってスライド駆動することで開口径が拡がり、開口幅がW9となる。
以上の述べたように本実施形態によれば、絞り板160をスライド駆動させることで標準状態における開口幅W8の他に、開口幅W9を設定することができる。また、絞り板160を駆動する機構としてペルチェ素子を含む駆動部190を採用しているため、従来のように投影光学系PLの瞳面PPの周囲の全面に渡って機械的な機構を配置することがなく、設置スペースを抑えることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に係る構成に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、本発明では、投影光学系PLが上述の6枚の非球面の各ミラーPM1〜PM6で構成される光学系に限られるものではなく、8枚のミラーや10枚のミラーなど、他の枚数のミラーからなる反射光学系を用いることもできる。
上記絞り装置S,S´は、照明光学系に対しても適用することができる。すなわち、図1において、上記の絞り装置S,S´を、照明光学系ILSの瞳面又は瞳面近傍に適用することもできる。
また、上記説明においては、露光対象となる基板として半導体ウエハWを想定したが、露光対象となる基板は半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスク又はレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)、又はフィルム部材などであってもよい。また、その基板は、その形状が円形に限られるものではなく、矩形など他の形状でもよい。
また、本実施形態の光学系を適用する露光装置の形態は、上述したマスクMとウエハWとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)に限らず、マスクMとウエハWとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、ウエハWを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)であってもよい。
また、上記実施形態の走査型露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることは言うまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が完了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、上記露光装置を用いた電子デバイスの製造方法について説明する。
上記の実施形態の露光装置を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図14に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ211、この設計ステップ211に基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ212、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ213、前述した実施形態の露光装置によりマスクのパターンを基板へ露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ214、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージング工程などの加工プロセスを含む)215、並びに検査ステップ216等を経て製造される。言い換えると、このデバイスの製造方法は、リソグラフィ工程を含み、そのリソグラフィ工程で上記の実施形態の露光装置を用いて感光性基板を露光している。
なお、上述のように本発明における実施形態の一例を説明したが、本発明は上述した全ての構成要素を適宜組み合わせて用いる事が可能であり、また、一部の構成要素を用いない場合もある。
LA…光束、SH…開口部、S、S´…絞り装置、PM1…第1ミラー、PM2…第2ミラー、PM3…第3ミラー、PM4…第4ミラー、PM5…第5ミラー、PM6…第6ミラー、40、140、150、170…ケース部材(収容部)、43…駆動装置、44…第1ガイド溝(ガイド部)、45…第2ガイド溝(ガイド部)、111、111a、111b…第1短冊部材(遮光部材)、112、112a…第2短冊部材(遮光部材)、121a、121b…第1短冊部材(遮光部材)、142a、143a、152a、153a、191a…形状記憶合金部材、144、154、191b…温度調整装置、181…第1ガイド溝(ガイド部)、182…第2ガイド溝(ガイド部)

Claims (15)

  1. 光束を規定する開口の形状を調整可能な絞り装置において、
    前記光束を遮光して前記開口の形状を調整する複数の遮光部材と、前記遮光部材を駆動する形状記憶合金部材と、を含むことを特徴とする絞り装置。
  2. 前記遮光部材と前記形状記憶合金部材とは別体からなり、前記複数の遮光部材に前記形状記憶合金部材が接続されることを特徴とする請求項1に記載の絞り装置。
  3. 前記形状記憶合金部材の温度を調整する温度調整装置を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の絞り装置。
  4. 前記温度調整装置がペルチェ素子を含むことを特徴とする請求項3に記載の絞り装置。
  5. 前記複数の遮光部材は、所定方向に沿って延在するとともに前記所定方向と直交する方向に沿って、それぞれが近接した状態に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の絞り装置。
  6. 隣り合う前記遮光部材は、互いが一部重なった状態で配置されることを特徴とする請求項5に記載の絞り装置。
  7. 前記遮光部材が、その厚さ方向において多段に配置されており、多段に配置された前記遮光部材の各々に対応する前記形状記憶合金部はそれぞれ異なる変位特性を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の絞り装置。
  8. 前記遮光部材は、その厚さ方向において多段に配置されており、多段に配置された前記遮光部材は、移動方向に沿う長さがそれぞれ異なることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の絞り装置。
  9. 前記遮光部材を収容する収容部を有し、該収容部には前記遮光部材をガイドするガイド部が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の絞り装置。
  10. 前記光学系の光軸方向に沿って移動可能とする駆動装置を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の絞り装置。
  11. 少なくとも1つの反射光学素子と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の絞り装置とを備えることを特徴とする光学系。
  12. 第1面の像を第2面上に露光する露光装置であって、
    請求項11に記載の光学系を備えることを特徴とする露光装置。
  13. 第1面の像を第2面上に投影する投影光学系を備える露光装置であって、
    前記投影光学系は、請求項11に記載の光学系であることを特徴とする露光装置。
  14. 前記光束を供給するEUV光源装置をさらに備えることを特徴とする請求項12又は13に記載の露光装置。
  15. リソグラフィ工程を含む電子デバイスの製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程は、請求項12〜14のいずれか一項に記載の露光装置を用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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