JPWO2003026046A1 - 電池用活物質及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、多孔質セパレータを介して負極セル、正極セルが設けられ、負極セルには電解質溶液とともに負極活物質が、正極セルには電解質溶液とともに正極活物質が、それぞれ装填され、それらセルの中には集電器が設けられた、三次元電池に用いる活物質、及び、その製造方法に関する。三次元電池としては、正極活物質に水酸化ニッケル、負極活物質に水素吸蔵合金を使用する、ニッケル・水素二次電池等が知られているが、例えば、水素吸蔵合金は充放電を繰り返すと粉末となり、この粉末が多孔質セパレータの孔を通って正極に入ると、正極と負極とが導通してしまう等の問題があった。本発明は、活物質となる粉末に導電性フィラーを加え、樹脂で粒状、板状又は棒状に成形し硬化させること等によって、上記のような問題の解決を図った。
Description
〔技術分野〕
本発明は、活物質を粒状、板状、棒状等にして充填することで電池となる充放電可能な三次元電池に用いる電池用活物質及びその製造方法に関し、さらに、粒子状活物質のハンドリング性を改善するとともに活物質粒子同士の接触性を高めて電池性能を向上させることができる電池用活物質成形体及びその製造方法並びに活物質の親水性を向上させて電解液とのなじみを良くし、電池性能を高めることができる電池用活物質及びその活物質の親水性を高める方法、並びに事前に活物質の活性を高めることで、電池の組み立て直後から高い電池性能を発揮することが可能な電池用活物質及びその活物質の活性化方法に関するものである。
〔背景技術〕
本発明は三次元電池に関するものであるが、本発明が解決しようとする課題は、先行技術との関係において、次の4つの課題に分けることができる。
即ち、第一の課題は、三次元電池の活物質として好適に使用しうる導電性に優れた電池用活物質及びその製造方法を提供すること、第二の課題は、そのような活物質を充填する充填層の嵩密度を高めることができる電池用活物質成形体及びその製造方法を提供すること、第三の課題は、そのような活物質の親水性を向上させて電池性能を高めることができる電池用活物質及びその活物質の親水化方法を提供すること、そして、第四の課題は、そのような活物質を用いる場合において、電池の組み立て直後から高い電池性能を発揮することができる電池用活物質及びその活物質の活性化方法を提供することにある。以下、第一〜第四の課題を先行技術との比較において、順次説明する。
1.先行技術と第一の課題
特許第3051401号公報には、活物質を粉体又は粒子にして構成した、いわゆる三次元電池が開示されている。また、国際公開番号WO00/59062号パンフレットには、積層化された三次元電池が開示されている。
また、充放電可能な電池としては、例えば、正極活物質として水酸化ニッケル、負極活物質として水素吸蔵合金を使用したニッケル・水素二次電池などが知られている。充放電できる電池において、負極活物質として使用される水素吸蔵合金等の金属は導電性が有るので、それを充填するのみで使用可能である。しかし、正極活物質として使用される水酸化ニッケルは、導電性が無いので、このまま使用すると電気が流れず、電池にならない。
このため、水酸化ニッケルのような正極活物質に導電性を付与する工夫がいろいろなされているが、導電材料を添加して使用するのが一般的である。具体的には、活物質に導電材を付与して、金属フェルトに充填し、薄く圧密して活物質と集電金属の距離を小さく、かつ、接触を強くする。例えば、次に示すようにしている。
水酸化ニッケルに導電性の水酸化コバルト、炭素粒子等の導電材を添加し、ポリビニルアルコール(PVA)等のバインダーを加えて、水、アルカリ液でペースト化したものを、さらに導電性を上げるため、金属Ni多孔質フェルトに充填し含浸させて使用している。また、活物質と集電体の接触確保のために、二次元平面構造で対応している。充填した活物質は、アルカリ液中では活物質がNi多孔体から剥離又は脱落し、多孔体との接触が不十分となるため、導電体と積層構造にする、又は巻き加工するなどで、圧密状態とし、導電性と形状を維持している。
上記のようにして導電性を付与した正極活物質は、薄い活物質充填物を集電体と積層するため、容量を上げるためには、その面積を増加する必要があり、広い面積のものを積層加工することは困難であることから、単一の電池でスケールアップを実現することは困難である。このため、大型電池にするには、電池の個数を増加するのが普通で、その分高価なものとなってしまう。また、上記のようにして作った活物質は、剥離が起こったり、形状保持ができないので、粒状の活物質を電極室に充填する方式のスケールアップの容易な三次元電池用活物質として使用することはできない。
上述したように、ニッケル・水素電池において、導電性の無い正極活物質は、炭素微粉等の導電性フィラー及びバインダーとしてPVAを添加し、多孔質ニッケルフェルトに充填し含浸させることで、導電性が付与されている。しかし、導電性フィラーを添加した活物質をPVAのような通常のバインダーで成形・固化しても、これを電解質の溶解したアルカリ液中に浸漬すると、PVAが溶解、分解して形状を保持できず、活物質の成形体が崩壊して導電性を維持できないので、電池用活物質としては問題がある。
また、水酸化ニッケルに水溶性のPVAをバインダーとして添加したものを多孔質Niフェルトに充填するのではなく、多孔質Niを用いずに活物質のみを水に不溶な樹脂で成形した場合は、導電性がなく、充電と放電ができない。
また、従来のように、多孔質Niフェルトに、水酸化ニッケル、導電媒体及びPVA等のバインダーを用いてスラリー状にした活物質混合物を含浸させると、導電性の有る活物質シートの作製は可能である。しかし、多孔質Niフェルトに活物質混合物を高充填状態で充填しようとすると、あまり厚いものはできず、例えば、1.3mmのフェルトに充填して加圧プレスし、これを0.5mmの程度のシートとして、活物質と導電媒体を多孔質Niフェルトに圧着させている。このシートを小さく切断すれば、導電性のある粒子状および小さな角マット状の活物質とすることは可能である。
しかし、これを活物質として電極室に充填すると、カットされた端部が多孔質Niフェルト金属特有の鋭角な断面を持つため、電池を構成したときに、電極間のセパレータを破損して正極室と負極室の間を接続させ、ショートさせる恐れがある。また、バインダーとして使われているPVAは水溶性であるため、アルカリ性電解質溶液中で溶解して、活物質がNiフェルトより脱落し、これを粒子充填層で使用する方式では、電池性能がすぐに劣化する。
一方、ニッケル・水素三次元電池において、負極活物質である水素吸蔵合金は金属であるため、導電性があるので、それを充填するのみで使用可能である。しかし、水素吸蔵合金は、充放電を繰り返すと、粉化して微粒子となる。水素吸蔵合金が粉末になると、粉体層の導電性が低くなるため、導電助剤としてNi金属粉等を混合してセパレータと電極の間に入れ、拘束して使用している。金属でも微粒子では、粉体充填状態で粉体層の抵抗が大きく、ここでの電力損失が大きくなる。また、正極と負極は電解液透過性のある多孔質のセパレータで区画するが、負極の粉化微粒子がセパレータの穴を通って正極に入ると、正極と負極が導通してしまう。これを防止するため、セパレータとして高価な微細な穴のものを使うか、あるいは負極と正極の活物質が移動しないよう、電池活物質を電極とセパレータの間に挟み、加圧して拘束している。したがって、充放電で水素吸蔵合金が粉化しても粒子が導電性を維持し、粒子から微粒子の脱落を防止し、通常の不織布のような比較的大きな穴のあいたセパレータでも、粉化微粒子がセパレータを通過するのを防止する必要がある。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第一の課題は、活物質を粒状、板状又は棒状にして充填することで電池となる充放電可能な三次元電池において、正極活物質として使用する水酸化ニッケルのような材料に導電性を与え、かつ、成形した活物質内部にイオン透過可能で、成形体がアルカリ電解液中で崩壊することなく形状を保持でき、導電性を維持することができる電池用活物質及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第一の課題は、負極活物質として使用する水素吸蔵合金のような材料を樹脂で粒状に造粒することで、活物質粒子が微粉化して崩壊するのを防止し、導電性を高く維持することができ、かつ、微粉が粒子から脱落しなくなり、電池用セパレータとして安価な不織布などの10μm以上の穴のあいた物を使用することが可能となる電池用活物質及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第一の課題は、活物質材料となる粉体を粒状、板状、棒状に成形するのに、樹脂と活物質と導電フィラーを混合し、プレス成形、押し出し成形又は打錠成形することにより、導電性を有する正極活物質と負極活物質を得ることができ、また、活物質材料となる粉体を粒状に成形するのに有機溶剤に溶解した熱可塑性樹脂などを用いることにより、撹拌造粒で比較的簡単に効率よく導電性を有する正極活物質と負極活物質を得ることができる電池用活物質の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする第一の課題は、上記のような性能を持つ正極活物質と負極活物質の成形体とすることで、単一の電池でスケールアップが容易となる三次元電池用活物質及びその製造方法を提供することにある。
2.先行技術と第二の課題
粒子状活物質を充填して固定層とした三次元電池については、本出願人が特許出願しているが(特開2002−141104号公報、特開2002−141101号公報参照)、電池の製作時には、粒子状の活物質をセルに充填した後、充填層を圧密して活物質粒子同士を接触させ、充填層の嵩密度を高めるようにしていた。
粒子状活物質を充填して固定層三次元電池を構成する際、活物質が粒子状であるとハンドリング性が悪く、作業がしずらいことがある。また、粒子状活物質を充填した後、充填層を圧密しても充分な圧密状態とはならないため、充填層の嵩密度が小さく、粒子同士の接触は良くなかった。電池の高密度化と電池性能の向上を実現するためには、活物質粒子同士の接触性を向上させて嵩密度を高める必要がある。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第二の課題は、固定層三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質成形体(一次成形粒子)を加圧あるいは樹脂により二次成形することで、活物質成形粒子の接触性が向上することによる電池性能の向上、充填層の嵩密度を大きくすることによる電池の高密度化および一次成形粒子を二次成形することによるハンドリング性の向上を実現できる電池用活物質成形体及びその製造方法を提供することにある。
3.先行技術と第三の課題
上記したように、粒子状活物質を充填して固定層とした三次元電池については、本出願人が特許出願しているが(特開2002−141104号公報、特開2002−141101号公報参照)、これらの三次元電池においては、電池用活物質が電解液と充分になじまないと、電池反応が進行し難く、電池性能に影響することになる。
三次元電池に用いる活物質が、金属あるいは金属酸化物だけで構成されているのであれば、電池用活物質の親水性に問題はなく、活物質は電解液と速やかになじむが、導電性フィラーや樹脂などを混合して成形した活物質では、電解液とのなじみが悪く、電池性能が低下する原因となる恐れがある。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第三の課題は、三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質に無機酸化物や無機水酸化物を添加、塗布することにより、活物質の親水性を向上させて電解液とのなじみを良くし、電池反応を進行させて電池性能を高めることができる、親水性を向上させた電池用活物質及び電池用活物質の親水化方法を提供することにある。
4.先行技術と第四の課題
上記したように、粒子状活物質を充填して固定層とした三次元電池については、本出願人が特許出願しているが(特開2002−141104号公報、特開2002−141101号公報参照)、これらの三次元電池においては、電池の製造直後は電池反応の活性が低く、最初に1回ないしは複数回充放電を繰り返して、電池活物質の活性を高めるようにしている。
上記の三次元電池も含めて、二次電池では、電池の製造直後は性能が悪く、1回ないしは複数回充放電を繰り返さないと、本来の電池性能を発揮することができない。これは、一例として、ニッケル・水素電池の場合では、正極である水酸化ニッケル、負極である水素吸蔵合金、ニッケル・カドミウム電池の場合では、正極である水酸化ニッケル、負極であるカドミウムの電池反応の活性が低いためである。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第四の課題は、三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質を減圧し、その後水素などの気体で加圧することにより、事前に活物質の活性を高めることができるので、電池の製造直後に充放電を繰り返して活性を高める必要がなくなり、電池として組み立てた直後から本来の電池性能を発揮することができる、活性化された電池用活物質及び電池用活物質の活性化方法を提供することにある。
〔発明の開示〕
1.第一の課題を解決するための発明
第一の課題を解決するために本発明の電池用活物質は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質である粒子又は成形体と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え、樹脂で粒状、板状又は棒状に成形し、硬化させてなる構成である。
上記の構成において、活物質となる材料としては、水酸化ニッケル粉末を用いることができる。水酸化ニッケル粉末としては、水酸化ニッケルに水酸化コバルト等のコバルト化合物や炭素粒子を添加したものを用いることができる。
また、活物質となる材料としては、水酸化ニッケルの他に、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料を用いることができ、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質を用いることが可能である。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、水酸化ニッケル粉末を材料として正極活物質とする場合、樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることが好ましい。活物質を導電性にするためには、少ない樹脂で水酸化ニッケル、導電性フィラーなどを固化させる。電池活物質としての水酸化ニッケルは130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため、耐アルカリ性が必要である。
軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂及び蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。熱可塑性樹脂は、加熱溶融して、活物質材料、導電性フィラー等の粉体と混合分散することが可能である。
また、硬化温度が常温から120℃までの樹脂として、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルなど)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、のいずれか又はこれらを組み合わせて使用可能である。反応硬化型樹脂は、活物質材料と導電性フィラーに液状で混合し、その後、樹脂が反応硬化することで、混合物を硬化させることができる。また、溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法により使用可能である。水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミドが使用でき、アルコールに可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)が使用できる。
また、本発明の活物質の成形硬化体表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
本発明の電池用活物質の製造方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質である粒子または成形体と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の製造方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて粒状、板状または棒状の活物質を得ることを特徴としている。
上記の方法においては、活物質となる材料として水酸化ニッケル粉末を用いることができる。水酸化ニッケル粉末としては、ニッケル塩とコバルト塩の混合溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させたものを用いる場合がある。また、炭素粒子を懸濁させたニッケル塩溶液をアルカリで中和し、水酸化物として沈澱させた水酸化ニッケルと炭素粒子の混合物を用いる場合もある。また、炭素粒子で懸濁させたニッケル塩と微量のコバルト塩の混合溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させた炭素粒子との混合物を用いる場合もある。
上記の方法において、他に活物質となる材料としては、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウム等の公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼等の固体物質全般を用いることが可能である。
また、上記の方法においては、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加えるとともに、水溶性化合物(炭酸ナトリウムなど)を添加し、成形した後に水溶性化合物を水に溶解させて抽出除去することで、活物質の成形硬化体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加えるとともに、電池の電解質となる化合物(KOH、NaOH、LiOH等)の粒子を添加し、成形し硬化させて電池用活物質とし、この活物質を電池に使用するときに電解質溶液又は水に電解質を溶解させることで、活物質の成形硬化体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、上記の方法において、樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、又は硬化温度が常温から120℃までの樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。この場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融して材料粉体等と混合分散してもよい。また、加熱トルエン、加熱キシレンなどの溶剤に溶解させた熱可塑性樹脂と活物質となる材料粉末及び導電性フィラーを混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて成形し、粒状、板状又は棒状の活物質を得ることも可能である。
硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが単独又は組み合わせて用いられる。
また、上記の方法においては、樹脂として、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用いることができる。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂としては、加熱したトルエンまたはキシレンに溶解したポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。蒸発温度が120℃以下の溶剤に溶解した樹脂を用いる場合は、成形した活物質の硬化体から減圧下又は常圧下で溶剤を加熱除去する。
水に可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、ジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に溶解したPES樹脂、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、又はDMFもしくはNMPに溶解したポリイミドなどが用いられる。アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、又は塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)などが用いられる。水又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用いる場合は、成形した活物質の粒子から溶剤を水又はアルコールで抽出除去する。
また、上記の方法においては、活物質となる材料粉末と導電性フィラーに、溶剤に溶解した樹脂を加え、撹拌しながら造粒して活物質の粒子を得ることができる。成形方法として撹拌造粒を採用することで、粒子の粒度を容易に適当な範囲に調節することも可能となる。
また、成形硬化方法として、打錠成形又はタブレット成形することにより活物質の粒子を得ることも可能である。また、加圧成形することにより粒状、板状又は棒状の高密度の活物質を得ることも可能である。また、押し出し成形により棒状とすることも可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの場合、成形体として得られた活物質を粉砕して粒状とすることも可能である。
また、上記の方法においては、得られた活物質粒子の角を取り、粒子表面を滑らかにすることが好ましい。また、活物質の粒子表面にニッケルメッキを施すことが好ましい。電池の出力密度を向上させるためには、活物質粒子間、活物質粒子と集電体の間の導電性を向上させることが有効である。導電性活物質の粒子表面にNiメッキを施すことにより、導電性活物質と集電体の間の導電性を向上させることができる。このような表面にNiメッキした導電性活物質により電池を構成した場合、電池内部抵抗を小さくすることができ、電池内部での電圧降下を少なくできるメリットがある。
また、活物質の粒子表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔などをコーティングすることが好ましい。金属Ni等でコーティングすることで、表面の導電性を改良した導電性活物質を作ることが可能である。
活物質の粒子表面にコーティングを施すには、粒子表面を溶剤で膨潤・軟化させた後、この粒子に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔などを添加して、粒子表面のコーティングを行う方法がある。また、活物質となる材料粉末と導電性フィラーに溶剤に溶解した樹脂を加え、撹拌混合しながら造粒した後、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔などを添加し、さらに粒子とともに撹拌することにより粒子表面のコーティングを行う方法がある。
2.第二の課題を解決するための発明
第二の課題を解決するために本発明の電池用活物質成形体は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質成形体であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え樹脂で硬化させた一次成形体を成形して二次成形体とした構成である。
上記の構成において、活物質としては、二次電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般を用いることができる。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることができる。例えば、活物質として水酸化ニッケルを使用する場合は、130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため耐アルカリ性が必要である。
一次成形体に係る熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能であり、二次成形体に係る熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが使用可能である。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法で使用する。また、水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド等が使用でぎる。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)等が使用できる。
上記の構成において、一次成形体としては、粒状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの活物質が使用できる。
また、一次成形体の表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
また、上記の構成において、二次成形体は、立方体状、円柱状、ブロック状、多角柱状などに成形することができる。
また、上記の構成において、二次成形体を構成する一次成形体同士に空間を形成させたものとすることができる。この場合、一次成形体と一次成形体の間に空間があるので、イオン透過性が良くなる。なお、二次成形体を構成する一次成形体同士を高密度に圧密して充填層の嵩密度を上げる必要もある。
また、上記の構成において、二次成形体の表面に溝、波状などの凹凸をつけることが好ましい。これにより、活物質成形体に電解液の保有スペースが確保される。
本発明の電池用活物質成形体の製造方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質成形体の製造方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて一次成形体とした後、一次成形体を加圧又は/及び樹脂の添加により二次成形して導電性活物質の成形体を得ることを特徴としている。
上記の方法においては、一次成形体として、粒状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの活物質を用いることができる。
また、一次成形体の表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などをコーティングし、この一次成形体を二次成形しても良い。また、一次成形体の表面にニッケルメッキを施し、この一次成形体を二次成形しても良い。金属Ni等をコーティング又はメッキすることで、導電性を改良した活物質を作ることが可能である。
また、上記の方法においては、一次成形体を、立方体状、円柱状、ブロック状、多角柱状などの形状に二次成形することができる。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体と一次成形体の間に空間ができるように成形を行うことが好ましい。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体を溝、波状などの凹凸の付いた型枠に充填して成形し、二次成形体の表面に溝、波状などの凹凸を形成させることが好ましい。
また、上記の方法においては、一次成形体に水溶性化合物(炭酸ナトリウムなど)を添加して二次成形し、成形後に水溶性化合物を水に溶解させ抽出除去することで、活物質の成形体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、一次成形体に電池の電解質となる化合物(KOH、NaOH、LiOH等)の粒子を添加して二次成形し、活物質を電池に使用するときに電解質溶液又は水に電解質を溶解させることで、活物質の成形体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、二次成形する際、導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素微粒子、炭素微粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル微粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらを組み合わせて添加しても良い。
二次成形する際は新たに樹脂を添加せず、一次成形体の粒子に含まれる樹脂を再度溶解させて、二次成形することができる。
また、二次成形する際、樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、又は硬化温度が常温から120℃までの樹脂を添加することができる。この熱可塑性樹脂としては、PVA、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。この場合、熱可塑牲樹脂を加熱溶融して一次成形体と混合してもよい。また、加熱トルエン、加熱キシレンなどの溶剤に溶解させた熱可塑性樹脂と一次成形体を混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて二次成形することも可能である。
硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが単独又は組み合わせて用いられる。
また、二次成形する際、樹脂として、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂、又は水に可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加することができる。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂としては、加熱したトルエンまたはキシレンに溶解したポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。この場合、上記のように、活物質成形体から溶剤を蒸発させることで樹脂を固化することができる。減圧下又は常圧下で溶剤を加熱除去しても良い。
水に可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、ジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に溶解したPES樹脂、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、DMFもしくはNMPに溶解したポリイミドなどが用いられる。アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)などが用いられる。この場合は、活物質成形体から溶剤を水又はアルコールで抽出除去する。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体の形状を維持したままで成形することが好ましい。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体を型枠に充填して圧力を加えることにより、二次成形体の嵩密度を大きくすることができる。
また、上記の方法においては、溶剤に溶解させた樹脂と導電性フィラーを混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて粉体とし、これに一次成形体を添加して二次成形しても艮い。
3.第三の課題を解決するための発明
第三の課題を解決するために本発明の親水性を向上させた電池用活物質は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる親水性を向上させた電池用活物質であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え樹脂で硬化させた活物質成形体に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを添加又は塗布してなる構成である。
上記の構成において、活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質全般を用いることができる。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることができる。例えば、活物質として水酸化ニッケルを使用する場合は、130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため耐アルカリ性が必要である。
軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ棚脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが使用可能である。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法で使用する。また、水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミドが使用でき、アルコールに可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)が使用できる。
上記の構成において、活物質成形体としては、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものが使用できる。
また、活物質成形体の表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
上記の構成において、無機酸化物としては、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質を用いることができる。また、無機水酸化物としては、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、又は水酸化カルシウムなどの金属水酸化物を主成分とする物質を用いることがでぎる。
上記の構成において、無機酸化物や無機水酸化物は、活物質成形体の表面に添加又は塗布しても良いし、活物質成形体の内部に添加しても良い。
本発明の電池用活物質の親水化方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の親水化方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて活物質成形体とした後、活物質成形体の表面に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを塗布又は添加することを特徴としている。
この場合、無機酸化物、無機水酸化物を溶媒に懸濁させ、無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒に活物質成形体を浸漬して、活物質成形体の表面に無機酸化物や無機水酸化物を塗布した後、これを乾燥させることが好ましい。乾燥方法としては、加熱乾燥、真空乾燥、減圧乾燥などが用いられる。
また、上記の方法において、活物質成形体と無機酸化物、無機水酸化物を機械的に接触させて、活物質成形体の表面に無機酸化物や無機水酸化物を塗布又は添加することができる。
また、本発明の電池用活物質の親水化方法は、活物質となる材料粉末に導電性フィラー、樹脂、並びに無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを加え、成形し硬化させて、活物質成形体の内部に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを添加することを特徴としている。
上記の方法においては、活物質成形体として、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものを用いることができる。
また、活物質成形体の表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などをコーティングしても良い。また、活物質成形体の表面にニッケルメッキを施しても良い。金属Ni等をコーティング又はメッキすることで、導電性を改良した活物質を作ることが可能である。
上記の方法において、無機酸化物としては、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質を用いることができる。無機水酸化物としては、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、又は水酸化カルシウムなどの金属水酸化物を主成分とする物質を用いることができる。上述の塗布方法で、無機酸化物、無機水酸化物を分散させる溶媒としては、水、又はトルエン、キシレン、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を用いることができる。
4.第四の課題を解決するための発明
第四の課題を解決するために本発明の活性化された電池用活物質は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる活性化された電池用活物質であって、活物質となる材料紛末に導電性フィラーを加え樹脂で硬化させた活物質成形体に、減圧、水素加圧処理により小孔を形成させ活物質の活性を高めた構成である。
上記の構成において、電池の活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、鉄炭化物、鉄硫化物、鉄水酸化物、鉄酸化物、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質全般を用いることができる。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることができる。例えば、活物質として水酸化ニッケルを使用する場合は、130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため耐アルカリ性が必要である。
軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが使用可能である。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法で使用する。また、水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミドが使用できる。また、アルコールに可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)が使用できる。
上記の構成において、活物質成形体としては、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものが使用できる。
また、活物質成形体の表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
上記の構成においては、水素による加圧処理以外にも、大気(空気)や窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素、硫化水素などの気体による加圧処理を行うことができる。
本発明の電池用活物質の活性化方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の活性化方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて活物質成形体とした後、活物質成形体を減圧雰囲気に置き、ついで、気体を注入して加圧雰囲気とし、加圧気体で活物質に小孔を形成させて活性を高めることを特徴としている。
この場合、減圧操作としては、活物質成形体の入った密閉容器を真空ポンプなどで大気圧以下に減圧すればよい。また、加圧操作としては、活物質成形体の入った密閉容器を加圧ポンプなどで大気圧以上に加圧すればよい。加圧に用いる気体については、水素以外にも、大気(空気)や窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素、硫化水素などを使用することができる。
上記の方法においては、活物質成形体として、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものを用いることができる。
また、活物質成形体の表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などをコーティングしても良い。また、活物質成形体の表面にニッケルメッキを施しても良い。金属Ni等をコーティング又はメッキすることで、導電性を改良した活物質を作ることが可能である。
木発明は上記のように構成されているので、次のような効果を奏する。
(1)第一の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼アルカリ性電解液中で崩壊することが無く、活物質の成形体と粒子に導電性とイオン透過性を付与し、しかも、導電性を維持することで、三次元電池に使用することができる活物質が得られる。
▲2▼活物質の粒子を樹脂で固化することにより、微粉の脱落が無くなるので、電池用セパレータとして安価な不織布などの大きな穴の開いたものを使用することができる。
▲3▼有機溶剤に溶解させた熱可塑性樹脂を用いることで、撹拌造粒などにより簡単に粒子状の活物質を製造することができる。
▲4▼単一の電池でスケールアップの容易な三次元電池用活物質が得られる。
▲5▼活物質を粒子状にすると、電極とセパレータの間に容易に充填でき、かつ、電池を分解することなく、活物質だけを抜き出し容易に再生してリサイクルすることができる。
(2)第二の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼固定層三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質成形粒子(一次成形体)を二次成形することにより、充填層の嵩密度が大きくなって、活物質粒子同士の接触性が向上するので、同体積での電池の容量が増えることになり、電池性能が向上する。
▲2▼活物質成形粒子(一次成形体)を二次成形することにより、粒子状活物質においてハンドリング性が悪く作業が困難であった点が改善され、ハンドリング性の向上が図れる。
▲3▼活物質の二次成形体に溝、波状などの凹凸をつけることにより、活物質成形体を三次元電池に充填したときに、セパレータ側では電解液の存在場所が確保でき、集電体側ではガスが通過するスペースを確保できる。
(3)第三の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼電池用活物質に無機酸化物や無機水酸化物を添加、塗布することにより、活物質の親水性を向上でき、電解液とのなじみが良くなるので、電池反応が容易に進行し、電池性能が高まる。
▲2▼電池用活物質を無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒と接触させるだけでよいので、操作が容易である。
▲3▼電池用活物質を無機酸化物、無機水酸化物と接触させるだけでよいので、操作が容易である。
(4)第四の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼粒子状、板状などの成形体、これらの二次成形体、メッキ処理した成形体、表面処理した成形体などの形状・形態を問わず、電池用活物質を減圧・加圧処理して、活物質の活性を高めることができる。
▲2▼電池として組み立てる前や、電解液の注入前なら電池として組み立てた後でも、活物質を減圧・加圧することにより、活性を高めることができ、電池の製造直後から本来の電池性能を発揮することができる。
▲3▼電池の活物質の種類や正極、負極を問わず、減圧・加圧処理が可能であり、全ての活物質の活性を高めることが可能である。
▲4▼充放電を繰り返して活性を高める従来の方法と比較して、極めて短時間のうちに電池活性が高まり、電池製造直後から高い性能が確保できる。しかも、電池の製作時間を大幅に短縮できる。
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能なものである。
まず、三次元電池の概略構成について説明する。第1図は、粒状の正極活物質と粒状の負極活物質を有する電池の一例を示している。第1図に示すように、イオン透過性フィルター(セパレーター)10を介して負極セル12、正極セル14が設けられ、負極セル12には電解質溶液とともに負極の粒状活物質16が装填され、正極セル14には電解質溶液とともに正極の粒状活物質18が装填されている。粒状活物質は電解質溶液中に固定層として存在している。第1図および後記する第2図においては、便宜上、各粒状活物質の大きさは同じにしているが、実際には、各粒状活物質の大きさが異なることは当然である。
なお、セパレーター10は、電気的に絶縁性でイオンを通すためのフィルターで、粉粒体は通過しない膜であり、例えば、素焼、イオン交換樹脂膜、高分子繊維等が用いられる。
また、負極セル12、正極セル14の中には、それぞれ導電体からなる負極集電器(体)20、正極集電器(体)22が設けられており、集電器20、22が負荷手段(放電の場合)又は発電手段(充電の場合)24と接続される。なお、26は電解液界面である。
つぎに、本実施例の電池について充電及び放電の機構を説明する。
(充電)
電池に電圧をかけ、負極集電器20より電子を供給する。電子は負極集電器20より負極の粉粒体活物質に直接又は粉粒体を介して移動して反応する。反応によって発生したイオンはセパレーター10を通過して正極セル14に入り、ここで正極の粉粒体活物質と反応して電子を放出する。この電子は粉粒体を介して、あるいは直接、正極集電器22に移動して発電手段24に送られる。
(放電)
電池に負荷をかけ、負極集電器20より電子が供給される。電子は負極セル12内で陽イオン化した活物質が放出し、負極集電器20に直接又は粉粒体を介して移動する。反応によって発生したイオンはセパレーター10を通過して正極セル14に入り、ここで正極の粉粒体活物質及び電子と反応する。電子は粉粒体を介して、あるいは直接、正極集電器22に移動して負荷手段24に供給される。
次に、第2図は積層型三次元電池の実証試験器の一例を示す斜視図と概要断面図、第3図は同実証試験器の組立前(分解状態)の主要部品の一部を示す斜視図である。
第2図に示すように、本例の積層型三次元電池31はニッケル水素電池で、第3図のように正方形状の中央開口部32を厚み方向に貫通して設けたセル(容器)部材33を2個で一対とし、本例では二対(合計4個)のセル部材33を備えている。各セル部材33の一方の面の開口部32の周囲には、浅い(本例では深さが0.5mmの)凹状部34が環状に形成され、セル部材33・33間に略正方形の耐アルカリ性のイオン透過性セパレーター35が凹状部34内に嵌装されている。セパレーター35はイオンのみを通過させるが、活物質や電気は通過させない膜状体である。また、各セル部材33の上面には、開口部32内に臨ませて上下に貫通して電解液を注入するための2つの注液口36が幅方向に間隔をあけて形成され、各注液口36にはゴム栓37が着脱自在に装着される。
各組のセル部材33、33間の凹状部34には、略正方形で耐アルカリ性および導電性の板状の集電部材38が嵌装されている。また、2組のセル部材33の両端には、耐アルカリ性で導電性の、セル部材33と同一幅でセル部材33よりも高さが高い板状の集電体39と40を備えている。開口部32と同一形状の開口部41を中央部に有し外形がセル部材33と共通のゴム製パッキン42が、セル部材33と33の間およびセル部材33と集電体39または40の間に介装されている。セル部材33、パッキン42および集電体39と40には、厚み方向に貫通する複数の挿通孔33a、42a、39a、40aが開口部32と41の周囲に周方向に間隔をあけて一連に穿設されている。そして、複数の挿通孔33a、42a、39a、40aに非導電性のボルト43が一連に挿通され、ボルト43の先端ネジ部43aにナット(図示せず)を螺合して締め付けてある。また、左端(正極)と右端(負極)の集電体39と40のの上端部には、幅方向に間隔をあけて小孔39bと40bが穿設され、本例では左端と右端の集電体39と40の両端の小孔39bと40bに、それぞれ正極端子44と負極端子45が取り付けられ、配線46と47の一端が接続されている。
各セル部材33内には、注液口36より電解質溶液としての水酸化カリウム水溶液kが注入され、第2図(b)の左端側セル部材33から順に正極の粒状活物質としての水酸化ニッケルn、負極の粒状活物質としての水素吸蔵合金h、正極の粒状活物質としての水酸化ニッケルn、負極の粒状活物質としての水素吸蔵合金hが水酸化カリウム水溶液kに投入されている。この結果、図の左端から右端にかけて、正極セル48、負極セル49、正極セル48、負極セル49が順に形成される。50は、負荷手段(放電の場合)または発電手段(充電の場合)である。
(1)第一の課題を解決するための発明の実施の形態
上記のような三次元電池に使用する粒状の活物質は、活物質となる材料粉末に導電性フィラーとバインダーである樹脂を加え、成形し硬化させて製造する。例えば、ニッケル・水素二次電池の場合、正極に用いる水酸化ニッケルは導電性がないので、水酸化ニッケル粉末に導電性フィラーを混合することで活物質に導電性を付与する。導電性フィラーとしては、炭素粒子、炭素繊維、Ni金属粒子、Ni金属繊雑、Ni金属箔、Niメッキした粒子、Niメッキした繊維などを使用することができる。導電性フィラーとして粒子状物質を用いることで、水酸化ニッケルと導電性フィラーの隙間を通ってのイオン透過が可能になる。繊維状の導電性フィラーを使用すると、成形体を成形した後、加圧成形時の圧力などの力が解放されてスプリングバックにより成形体内に隙閲が空くため、その部分を通ってのイオン交換が容易になるので、より好ましい。また、電池の内部抵抗が大きいと、それによる電圧損失が生じ、これが大きいと問題となる。例えば、導電素材の導電性を体積抵抗5オーム/cm3以下とすることで、10cm角の電極で1cm厚みの活物質電極で、抵抗を0.05オーム以下にすることができる。
水酸化ニッケル粉末としては、水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させたものを用いてもよい。工業的に製造されている水酸化ニッケルは、充填密度を高くするため、10ミクロン程度の球形粒子であり、混合物としては、Co化合物が1%程度とその他の成分がわずかに含まれている。Co(OH)2は充電された時にCoOOHとなり、導電性を示すと言われている。Ni(OH)2はNiの酸溶液をアルカリで中和し、水酸化物にして沈殿させている。このとき、NiとCoの混合溶液をアルカリで中和してNi(OH)2とCo(OH)2を共沈させる。
また、Niの酸溶液に炭素微粒子を懸濁させて、これを中和することで、炭素微粒子の周りにNi(OH)2の付着した粒子、又は炭素微粒子とNi(OH)2の混合した沈殿物を製造することができる。炭素微粒子は高い導電性を有するので、導電性の良好な水酸化ニッケル粉末を作ることができる。
活物質成形体は、電気抵抗を小さくするためには加圧成形することが有利である。しかし、そのように成形すると電解質イオン拡散が阻害され、濃度分極が発生し、放電電圧が低くなる欠点がある。これを解決するためには、成形前の活物質混合物に水で溶解する化合物(炭酸ナトリウムなど)の粒子を添加し、混合した後、これをプレス成形、タブレット成形、押し出し成形等の手段を用いて加圧下で成形し、全体が密着するよう圧密し、あるいは混合粉体を撹拌造粒して成形し、その後、成形活物質を水に浸漬し水溶性化合物を抽出すると、化合物の入っていた所が空洞になり、電解質イオンが成形体中を透過し易くなることで、濃度分極による電圧低下が抑えられる。
また、成形前の活物質混合物に、化合物として電解質に用いるKOH、NaOH、LiOH等のアルカリ物質を入れると、これらのアルカリ物質が電解質液又は水に溶解して電解質となるため、上記の水溶性化合物を添加したときのような抽出は不要で、電解質液又は水に成形体を浸漬してアルカリを溶解させることで、活物質内部に穴の開いた濃度分極の小さい活物質とすることができる。KOH、NaOH等のアルカリ物質は潮解性であるため、通常の雰囲気ではこれを粉砕して粒子とすることは困難である。湿度の低い雰囲気を作って粉砕、混合を行えば、KOH、NaOH等を用いることができるが、煩雑で高価となる。一方、上記の炭酸ナトリウム等の水溶性塩類の場合は、このような問題が無いので簡単、かつ安価な方法となるが、これを抽出除去しないと電解液の性能が低下するという問題が生じる。
また、バインダーとしてアルカリ中で安定な耐アルカリ性の樹脂を使用し、活物質と導電性フィラーを接触状態で固定することにより、成形体がアルカリ中で膨潤、崩壊しないため、成形状態を維持することができ、活物質がアルカリ電解質溶液内で安定した導電性を保持することができる。また、少ない樹脂量で水酸化ニッケル、導電性フィラーを固化させることで、水酸化ニッケル粒子に高い導電性を与え、かつ、粒子を少ない樹脂で固化させることで、活物質の反応を行わせる際に、成形体内に電解液が侵入し易くなり、活物質に電解質が速やかに供給できる。また、その状態で活物質の形状が維持されるので、これらの導電性とイオン交換性を保持することができ、活物質の反応性が安定して維持される。
導電材として炭素微粒子等の粒子状導電材を多量に使うと、導電性は向上するが、それを固定するための樹脂を多量に必要とし、固化体内のイオン透過を阻害し、濃度分極が発生し、起電力が低下する。少ない導電材で成形体内の導電性を上げるため、炭素繊維等の繊維状導電材を用いるのが有利である。繊維状導電材を導電材として用いることで、粒子内に繊維状導電物質で電気配線のネットワークをつくり、そこに水酸化ニッケルを粒子状導電材で結び付けるように混合すれば、粒子状導電材量を低減して必要な導電性を確保することが可能となる。これにより、導電性フィラーとして繊維状の物質を使えば、より少ない導電材で高い導電性を与えることができ、かつ、より少ない樹脂で全体を硬化させることができる。
バインダーに使う樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー等の熱可塑性樹脂が使用可能である。この場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融して材料粉体等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると粉体に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混合物を成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの溶剤に可溶である。また、スチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を活物質および導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去し、冷却することにより、全体を樹脂で固化した活物質を作ることが可能である。
また、反応硬化型の樹脂としてエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など、熱硬化型の樹脂としてフェノール樹脂などがバインダーとして使用可能である。
また、水又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用いる場合は、その溶剤を水又はアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶である。DMSOは沸点が高く、これを蒸発法で除去し、溶媒に溶解した樹脂を固化させると、β−水酸化ニッケルが失活する。これを使う場合は、樹脂は溶解しないが、溶剤は溶解する抽出材(この場合、水)を用いて溶剤を除去し硬化することができるので、溶剤で溶かした樹脂を水酸化ニッケルおよび導電性フィラーと混合し成形したものを、抽出材(水)中に入れて固化すればよい。DMSOで溶解したPESを水を用いるDMSO除去法で硬化した樹脂は多孔質にすることができ、電解質の電池活物質への接触に有利である。
また、アセトンに溶解したポリスチレンを樹脂として用いる場合は、活物質などと混合した後、水でアセトンを抽出することでも、PESでの上記活物質固化体と同様な活物質を得ることが可能である。その他、DMFもしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはNMPに溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、DMFもしくはNMPに溶解したポリイミド等についても、同様に溶剤を水で抽出する手法が採用できる。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、又は塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)等が使用できる。
溶剤で溶かした樹脂を活物質となる材料粉末および導電性フィラーと混合して成形する場合は、これらの混合物を撹拌しながら造粒する方法を採用することができ、撹拌造粒により容易に粒子の粒度を適当な範囲に調節することが可能である。
また、成形方法として、打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などを採用してもよい。活物質と導電性フィラーの接触を良くするためには混合物を加圧成形することが有効である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形等の揚合は、粒状に成形して直接活物質の粒子を得ることも可能であり、また、打錠成形やタブレット成形で得られた粒子状物、加圧成形で得られた板状体又は粒子状物、押し出し成形で得られた棒状体などを粉砕して適当な粒度の活物質粒子とすることも可能である。このようにして活物質を粒子状にすることにより、三次元電池の電極とセパレータで構成される部屋(セル)に活物質を容易に充填できる。また、活物質が劣化した場合は、電池を分解することなく、活物質を抜き出し、再生して再度充填することでリサイクルが容易になる。抜き出された劣化活物質は、その他の電池構成材と分離されているので、簡単に再生することができる。
上記の粉砕粒子、タブレット粒子、打錠粒子などは、角張っているのが普通である。角張った粒子をセルに充填すると、充填密度が低くなる、粒子群の導電性が低いなどの問題がある。これを解決するためには、粒子の角を滑らかにすることが有利である。このためには、上記活物質粒子を、粒子のみ、又は他の摩砕媒体と混合し、撹拌するなどして角を取ることが有効である。
粒子の充填層は、上記のような方法で充填密度を上げた充填層としても、充填層の導電性は粒子ひとつに比べると非常に低くなる。このため、大きな電流を流すことができない。粒子外面にNiメッキにより電気導電層を作ると、粒子内の活物質からの電子は、粒子内を通った後、粒子外の導電層を適り、電極(集電体)に移動できる。電極から電子をもらう充電時の正極活物質においても上記と逆の過程で、電子をもらう速度が速くなり、大きな電流が流せるようになる。メッキの場合、あまり厚くメッキすると、粒子表面全体を金属でカバーすることになるため、電解液が粒子内に入らなくなる。このため、電解液の濃度勾配による濃度分極が発生し、電池としての性能が低下することがある。
また、粒子外面に電気導電層を作る方法として、粒子表面にNi金属粉、Ni金属繊維、Ni金属箔、Niメッキした繊維(炭素繊維、有機繊維)、Niメッキした粒子などのコーティングを施すことが可能である。この方法は、上記メッキと異なり、粒子表面を完全に覆うことがなく、金属粒子、金属繊維の隙間が必ず残るので、そこから電解液が粒子内に浸透することになり、多くコーティングしても性能を劣化させることがない。コーティング法としては、粒子の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、やわらかい状態の粒子外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の粒子の場合、この粒子が熱軟化樹脂を用いた粒子や溶剤に可溶な樹脂を用いた粒子であれば、粒子温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させるなどして粒子を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
活物質を粒子状の成形体とすることにより、三次元電池を製作するときに、その成形体を電極とセパレータの間に容易に充填できる。一方、従来のニッケル・水素二次電池は、一体構造であるため、リサイクルなどのためには、電池全体を分解し、各部品に分解して処理することが必要であった。活物質を粒子状の成形体とすると、電極室にそれを充填するだけで電池として使用することができ、しかも、活物質が劣化した場合は、電池を分解することなく、成形体活物質を取り出すことができる。このため、活物質だけを取り出し、これを再生して再充填することで、容易にリサイクル再生することができる。
以上は、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケルの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ニッケル・水素二次電池の負極活物質である水素吸蔵合金の他、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般も活物質材料として、本発明を適用することが可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
《実施例1》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、ニッケルメッキした炭素繊維10mmチップを100g添加し、約3分間、1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを150g添加し、樹脂の軟化温度以上で130℃未満の温度に加熱して10分間混合した。混合物を取り出し、2mm深さの金型に入れてボード状に成形した。ボード状としたものを冷却した後金型から取り出し、成形したボードをハンマークラッシャーで粉砕した。粉砕した粒子を2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例2》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、樹脂の軟化温度以上で130℃未満の温度に加熱して10分間混合した。混合物を取り出し、2mm深さの金型に入れてボード状に成形した。ボード状としたものを冷却した後金型から取り出し、成形したボードをハンマークラッシャーで粉砕した。粉砕した粒子を2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例3》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例4》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、撹拌を続けながら、平均長さ約200μmに粉砕したNiメッキした炭素繊維50gを添加し、さらに5分間撹拌した。その後冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例5》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、2000gのDMSOにPES樹脂を150g添加し、溶解させた。前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、DMSOに溶解したPES樹脂を添加し、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物を用い、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmであった。造粒粒子が生成した後、撹拌を続けながら、平均長さ約200μmに粉砕したNiメッキした炭素繊維50gを添加し、さらに5分間撹拌した。その後冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はDMSOを含んでいるため、この粒子を水10リットルの中に入れ、DMSOを除去した。粒子を取り出して乾燥した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例6》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例7》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、2000gのDMSOにPES樹脂を150g添加し、溶解させた。前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、DMSOに溶解したPES樹脂を添加し、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物を用い、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmであった。造粒粒子が生成した後、ハイスピードミキサーを停止した。粒子はDMSOを含んでいるため、この粒子を水10リットルの中に入れ、DMSOを除去した。粒子を取り出して乾燥した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例8》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。この混合粉体に粒径500μm程度の炭酸ソーダ粒子100gを添加し、十分に混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーと炭酸ソーダの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を得た。この粒子を10リットルの水に入れ、粒子内に取り込まれている炭酸ソーダを粒子から抽出し除去した。その後、粒子を水で十分に洗浄し、付着した炭酸ソーダを完全に除去した後、乾燥して製品とした。
《実施例9》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。この混合粉体に粒径500μm程度の苛性カリ(KOH)粒子100gを添加し、十分に混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーとKOHの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。粒子内に取り込まれているKOHは粒子を電池に充填したとき、電解液又は水に溶けて電解質の一部となる。苛性リを扱う操作は、苛性カリが空気中の水分を吸い潮解するため、乾操雰囲気で行った。
《実施例10》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル紛末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、フェノール樹脂を150g添加して10分間混合した。顆粒状ないし湿潤粉末状となった混合物を取り出して容器に入れ、加圧成形すると同時に、加熱の必要なフェノール樹脂を固化温度(115℃)まで加熱した。加圧成形したものを冷却した後容器から取り出し、製品とした。
《実施例11》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを150g添加し、樹脂の軟化温度以上で130℃未満の温度に加熱して10分間混合した。混合物を取り出して容器に入れ、加熱加圧成形した。加圧成形したものを冷却した後容器から取り出し、製品とした。
《実施例12》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながら撹拌した。混合物を取り出し、減圧下で50℃に加熱してキシレンを蒸発させた後、冷却して固化体にした。これを粉砕して粒子状とした。粉砕粒子のみでは充填密度が低くなるので、粒子を撹拌し摩砕することで角を取った。これを製品とすることで、充填密度を上げることができる。
《実施例13》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、加熱した2000gのDMSOにPES樹脂を150g添加し、溶解させた。前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、DMSOに溶解したPES樹脂を添加して撹拌し、スラリー状とした。このスラリーを水を入れた容器内に滴下して数ミリの粒子状にした後、水中でDMSOを抽出除去し、この固化した粒子を乾燥させて製品とした。
《実施例14》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながら撹拌した。乾燥雰囲気で粉砕したKOHを500μmで分級し、500μm以下の粒径のKOH粒子を上記混合物に添加し、十分に混合した。混合物を取り出し、減圧下で50℃に加熱してキシレンを蒸発させた後、冷却して固化体にした。これを粉砕して粒子状とした。粉砕粒子のみでは充填密度が低くなるので、粒子を撹拌し摩砕することで角を取った。これを製品とすることで、充填密度を上げることができる。粒子内に取り込まれているKOHは粒子を電池に充填したとき、電解液又は水に溶けて電解質の一部となる。
《実施例15》
硝酸ニッケル溶液に予め粉砕したカーボンブラックを添加し、よく分散させた。この溶液をよく撹拌した状態で、苛性ソーダを水に溶解させたものを一気に添加し、水酸化ニッケルと炭素微粒子を混合状態で生成させた。この溶液を静置して生成物を沈殿させてから、容器を傾けて上澄み液を除去し、新たに水を添加してよく混合した。この操作を上澄み液のpHがほぼ7になるまで繰り返して沈殿生成物を洗浄した。沈殿生成物を濾過、乾燥し、必要に応じて粉砕し、炭素微粒子を共沈した水酸化ニッケル粉末とした。これを電池用水酸化ニッケル粉末として、上述した実施例に適用することができる。
《実施例16》
実施例3、実施例12等の方法で粒子状の活物質を製造し、この粒子の表面にニッケルメッキを施工した。その工程は以下の通りである。造粒粒子200gを、アルカリ洗浄剤(シグマクリーン)10%水溶液100ccに1分間浸漬し、十分洗浄した。次に、これをアルカリ性クロム酸溶液100ccに2分間漬けて粒子表面をエッチングした後、水洗した。つづいて、触媒処理、活性化処理および化学メッキの工程でメッキを行った。触媒処理は、MAT1−A(上村工学社製)20cc、MAT1−B(上村工学社製)10ccおよび水70ccをよく混合し、NaOHでpH11に調整した液に、前記の粒子を3分間浸漬し、Pd触媒を付着させた。活性化処理は、水80ccに、1.8ccのMRD2−A(上村工学社製)と15ccのMRD2−B(上村工学社製)を加えてよく混合し、NaOHでpH12.7になるよう調整した液に、触媒を付着させた粒子を5分間浸漬し、Pd触媒を還元した。化学メッキは、ニボジュールu−77(上村工学社製)100ccに水400ccを入れてよく混合し、アンモニア水にてpH9に調整した液を60℃に加熱し、この液に活性化処理した粒子を7分間浸漬して、表面にニッケルメッキを施した。なお、各工程間では十分な水洗を行った。
《実施例17》
実施例3、実施例12等の方法で粒子状の活物質を製造した。この粒子にトルエンを添加含浸し、粒子表面を膨潤軟化させた。この膨潤軟化した粒子に粒子重量の10%のニッケル金属粉を添加し、転動法で粒子表面にNi金属粉をコーティングした。
《実施例18》
実施例3、実施例12等の方法で粒子状の活物質を製造した。この粒子にトルエンを添加含浸し、粒子表面を膨潤軟化させた。この膨潤軟化した粒子に粒子重量の5%のニッケルメッキをした炭素繊維を粉砕したもの(直径7μm、平均繊維長約100μm、メッキの平均厚み0.2μm)を添加し、転動法で、粒子表面にNiメッキした炭素繊維粉末をコーティングした。
《実施例19》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例20》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例21》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例22》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殼を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例23》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例24》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで紛体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
(2)第二の課題を解決するための発明の実施の形態
粒子状活物質を充填して固定層を形成させた三次元電池の場合、活物質が粒子状であると、ハンドリング性が悪いだけでなく、充填層の嵩密度が小さくなり、電池の容量が少なくなる。そこで、導電性を有する活物質成形体(一次成形粒子)を加圧あるいは樹脂により二次成形することで、活物質成形粒子の接触性が向上することによる電池性能の向上、充填層の嵩密度を大きくすることによる電池の高密度化および一次成形粒子を二次成形することによるハンドリング性の向上を実現する。
導電性活物質の成形体の製造方法は、電池用活物質の粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて一次成形体とした後、一次成形体を加庄又は/及び樹脂の添加により二次成形するものである。二次成形する際は、新たに樹脂を添加せず、一次成形体の粒子に含まれる樹脂を再度溶解させて、二次成形することができる。また、二次成形する際に、樹脂などを添加することもできる。
なお、活物質としては、二次電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般を用いることができる。また、一次成形の際に添加する導電性フィラーは、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などである。
一次成形の際に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなど)、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、PES樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)などであるが、一次成形の具体的な方法は、後述する二次成形の場合と基本的には同じ方法である。バインダーとしては耐アルカリ性の樹脂を使用する必要がある。
一次成形体の形状は、粒状、坂状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などであり、これらは、撹拌しながら造粒したり、打錠成形やタブレット成形により、また、加圧成形、押し出し成形等により製造可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの揚合、成形体として得られた活物質を粉砕して一次成形体とすることもある。また、一次成形体の角を取り表面を滑らかにすることもある。
また、一次成形体として、表面に炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉、ニッケル箔などの導電材をコーティングしたものを使用することができる。コーティング法としては、一次成形体の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、やわらかい状態の成形体外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の成形体の場合、この成形体が熱軟化樹脂を用いた成形体や溶剤に可溶な樹脂を用いた成形体であれば、成形体温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させるなどして成形体を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
また、一次成形体として、表面にニッケルメッキを施工したものを使用することができる。一次成形体の外面に導電材のコーティングやメッキを施して電気導電層を作ることで、大きな電流が流せるようになる。
二次成形体は、立方体状、円柱状、ブロック状、多角柱状などの形状に成形することができる。この場合、一次成形体を型枠に充填して圧力を加えることにより、二次成形体の嵩密度を大きくすることができる。また、一次成形体と一次成形体の間に空間ができるように二次成形を行うことが好ましい。また、一次成形体の形状を維持したまま二次成形することが好ましい。また、二次成形する際、一次成形体を溝、波状などの凹凸の付いた型枠に充填して成形し、二次成形体の表面に溝、波状などの凹凸を形成させることが好ましい。これにより、活物質成形体を電池に充填したときに、セパレータ側では電解液の存在場所を確保でき、集電体側ではガスが通過するスペースを確保できる。
また、二次成形前に水溶性化合物(炭酸ナトリウムなど)を添加し、成形した後に水溶性化合物を水に溶解させて抽出除去することで、成形体内部に穴の開いた濃度分極の小さい活物質とすることができる。
また、二次成形前に、化合物として電解質に用いるKOH、NaOH、LiOH等のアルカリ物質を入れると、これらのアルカリ物質が電解質液又は水に溶解して電解質となるため、上記の水溶性化合物を添加したときのような抽出は不要で、電解質液又は水に成形体を浸漬してアルカリを溶解させることで、成形体内部に穴の開いた濃度分極の小さい活物質とすることができる。上記のアルカリ物質は潮解性であるため、通常の雰囲気ではこれを粉砕して粒子とすることは困難である。湿度の低い雰囲気を作って粉砕、混合を行えば、KOH、NaOH等を用いることができるが、煩雑で高価となる。一方、上記の炭酸ナトリウム等の水溶性塩類の場合は、このような問題が無いので、簡単、かつ安価な方法となるが、これを抽出除去しないと電解液の性能が低下するという問題が生じる。
また、二次成形する際に、導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素微粒子、炭素微粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル微粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらを組み合わせて添加しても良い。
二次成形する際に樹脂を添加する場合は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー等の熱可塑性樹脂が使用可能である。この場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融して一次成形体等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると成形体に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混合物を二次成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエン、またはキシレンなどの溶剤に可溶である。また、スチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を一次成形体や、必要に応じて導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去することにより、樹脂で固化した活物質成形体(二次成形体)を作ることが可能である。
また、反応硬化型の樹脂としてエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など、熱硬化型の樹脂としてフェノール樹脂などがバインダーとして使用可能である。
また、二次成形する際に、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤を水又はアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体(二次成形体)を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶であり、DMSOに溶解したPES樹脂を水に可溶な溶剤に溶解した樹脂として上記の方法で使用できる。同様に、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはNMPに溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、DMFもしくはNMPに溶解したポリイミドなども使用可能である。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂として、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)などが使用できる。
溶剤に可溶な樹脂を添加する方法としては、一例として、溶剤に溶解させた樹脂と導電性フィラーを混合し、分散させた後、溶剤を蒸発させて粉体とし、これに一次成形体を添加する方法を用いることが可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、活物質の一次成形粒子を製造した例を説明する。
《1.水酸化ニッケルを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《2.水素吸蔵合金を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保特しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《3.砂を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾操機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《4.石炭を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《5.炭を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《6.シリカを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殻を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《7.スラグを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッバーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《8.カーボンを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
次に、上記の(1)〜(8)のようにして得られた一次成形粒子をそれぞれ下記のような方法で二次成形した。
《二次成形体の製造例1》
一次成形粒子90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に含有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例2》
一次成形粒子90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に含有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。炭素繊維を導電フィラーとして使用しているので、放圧冷却によりスプリングバックが起こり、製造例1の加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例3》
一次成形粒子200gと導電性フィラー(カーボン繊維)50gを撹拌、混合した。その混合物90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に合有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例4》
一次成形粒子200gと導電性フィラー(カーボン繊維)50gを撹拌、混合した。その混合物90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に含有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。放圧冷却によりスプリングバックが起こり、加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例5》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを130℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で圧力をかけずにそのまま冷却し、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例6》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを130℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例7》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを130℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。放圧冷却によりスプリングバックが起こり、加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例8》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で圧力をかけずにそのまま冷却し、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例9》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例10》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。放圧冷却によりスプリングバックが起こり、加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例11》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠(5mm幅で深さ2mmの溝付き)に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の溝付き二次成形体とした。
《二次成形体の製造例12》
PES樹脂40gと溶剤(DMSO)120gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを60℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このDMSO含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出した後、水中に浸漬してDMSOを抽出除去した。これを乾燥させて活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例13》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂に約500μmの粒径の炭酸ソーダ粒子を添加し、よく混合した。このキシレン合有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出した。成形体を水中に浸漬し、成形体内に取り込まれている炭酸ソーダ粒子を抽出し除去した。これを乾燥させて活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例14》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。乾燥雰囲気で粉砕したKOHを500μmで分級し、500μm以下の粒径のKOH粒子を上記樹脂に添加し、よく混合した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。成形体内に取り込まれているKOHは、二次成形体を電池に充填したとき、水又は電解液に溶解し、電解質の一部となる。
《二次成形体の製造例15》
フェノール樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)150gを混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、フェノール樹脂の固化温度(115℃)まで加熱し、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
(3)第三の課題を解決するための発明の実施の形態
粒子状、板状、棒状などの活物質成形体を充填した三次元電池においては、電池用活物質が電解液と十分になじまないと、電池反応が進行し難く、電池性能が低下することになる。三次元電池に用いる活物質は、金属あるいは金属酸化物などに導電性フィラーや樹脂を混合して成形しており、電解液とのなじみが悪くなる傾向にある。そこで、電池用活物質に無機酸化物や無機水酸化物を添加、塗布することで、活物質の親水性を向上させて電解液とのなじみを良くし、電池性能を高めるようにする。
なお、活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般を用いることができる。また、電池用活物質に導電性を付与するために添加される導電性フィラーは、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などである。
電池用活物質の成形硬化に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなど)、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、PES樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)などである。バインダーとしては耐アルカリ性の樹脂を使用する必要がある。
熱可塑性樹脂は加熱溶融して活物質混合物等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると活物質混合物に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混合物を成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの溶剤に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を活物質材料、導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去することにより、樹脂で固化した活物質成形体を作ることが可能である。また、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤を水で抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶である。また、ポリスチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。その他、ポリスルホンはジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに可溶で、ポリアクリロニトリルはDMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに可溶で、ポリフッ化ビニリデンはDMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に可溶で、ポリアミドはDMFもしくはNMPに可溶で、ポリイミドはDMFもしくはNMPに可溶である。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤をアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、酢酸セルロースは塩化メチレンに可溶で、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)も塩化メチレンに可溶である。
活物質成形体は、粒子状、板状、棒状などの加圧成形体あるいは樹脂成形体、または粒子状、板状、棒状などの一次成形体を二次成形したものである。これらは、撹拌しながら造粒したり、打錠成形やタブレット成形により、また、加圧成形、押し出し成形等により製造可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの場合、成形体として得られた活物質を粉砕して使用することもある。また、成形体の角を取り表面を滑らかにすることもある。
また、活物質成形体として、表面に炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉、ニッケル箔などの導電材をコーティングしたものを使用することができる。コーティング法としては、成形体の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、柔らかい状態の成形体外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の成形体の揚合、熱軟化樹脂を用いた成形体の場合、溶剤に可溶な樹脂を用いた成形体の場合は、成形体温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させる等して成形体を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
また、活物質成形体として、表面にニッケルメッキを施工したものを使用することができる。成形体の外面に導電材のコーティングやメッキを施して電気導電層を作ることで、大きな電流が流せるようになる。
活物質成形体に親水性を付与するために添加、塗布する無機酸化物は、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質、例えば、二酸化チタンを主成分とする光触媒などである。また、無機水酸化物は、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、又は水酸化カルシウムなどの金属水酸化物を主成分とする物質である。無機酸化物、無機水酸化物を塗布する場合は、水、又はトルユン、キシレン、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を溶媒として使用し、これら溶媒に無機酸化物、無機水酸化物を懸濁させ、無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒に活物質成形体を浸漬することで塗布を行うことができる。浸漬中には液を撹拌することが好ましい。この方法では、活物質成形体を無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒と接触させるだけでよいので、操作が簡単である。塗布後の活物質成形体を乾燥する方法としては、常温・常圧で乾燥させても良いし、加熱乾燥、真空乾燥、減圧乾燥などで乾燥させても良い。
また、活物質と無機酸化物、無機水酸化物を混合・撹拌などにより機械的に接触させて、活物質成形体の表面又は内部に無機酸化物や無機水酸化物を塗布又は添加しても良い。この方法では、活物質成形体を無機酸化物、無機水酸化物と接触させるだけでよいので、操作が簡単である。このように、親水性を付与する無機酸化物、無機水酸化物は、活物質成形体の表面に添加しても良いし、活物質成形体の内部に添加しても良い。
以下、本発明の実施例について説明する。
《親水性活物質の製造例1》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。電池用活物質の表面に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例2》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。造粒粒子が生成した後、撹拌しながら平均長さ約200μmに粉砕した、ニッケルメッキをした炭素繊維を添加し、さらに5分間撹拌した。その後、冷却しつつ撹拌を停止して、造粒粒子表面にニッケルメッキした炭素繊維をコーティングした。これにより、活物質の導電性がさらに良くなる。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールとキシレンを除去した。電池用活物質の表面に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例3》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル紛末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g、二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を50g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記水酸化ニッケル粉と導電性フィラーと二酸化チタン等の混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。電池用活物質の内部及び表面に二酸化チタンを添加することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例4》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g、水酸化カルシウム微紛末を50g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記水酸化ニッケル粉と導電性フィラーと水酸化カルシウム粉の混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。電池用活物質の内部及び表面に水酸化カルシウムを添加することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例5》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。造粒粒子が生成した後、撹拌しながら水酸化カルシウム微粉末を添加し、さらに30分間撹拌・混合して造粒粒子の表面に水酸化カルシウム微粉末を添加した。造粒粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾操機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。水酸化カルシウムの添加により、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例6》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。造粒粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この造粒粒子の表面に無電解金属メッキによりニッケルメッキを施工した。メッキした造粒粒子と水酸化カルシウム微粉末を撹拌機で30分間撹拌・混合して、造粒粒子の表面に水醗化カルシウム微粉末を添加した。これにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例7》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。この造粒粒子を型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱し、粒子に含まれる樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を溶かし、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で温度を下げ、樹脂を硬化させて板状の二次成形体を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の二次成形体を浸漬した。二酸化チタンが塗布された活物質の成形体を取り出し、常温下、真空乾燥により30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと残存するキシレンを除去した。活物質成形体に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例8》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、樹脂の軟化温度以上の温度で10分間混合した。混合した物質を取り出し、押し出し成形機に投入して棒状の活物質を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の棒状の活物質を浸漬した。二酸化チタンが塗布された棒状活物質を取り出し、常温下、真空乾燥により30分間乾操し、イソプロピルアルコールを除去した。棒状活物質に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例9》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例10》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例11》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例12》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常庄で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例13》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殻を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンンェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例14》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例15》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
(4)第四の課題を解決するための発明の実施の形態
粒子状、板状などの成形体、これらの二次成形体、メッキ処理した成形体、表面処理した成形体などのあらゆる形状・形態の活物質を充墳した三次元電池においては、電池の製造直後は性能が悪く、1回〜複数回充放電を繰り返さないと、本来の電池性能を発揮することができない。そこで、電池として組み立てる前(電解液の注入前なら組み立て後でも可)に、電池の活物質を減圧し、その後水素などの気体で加圧することにより、活物質の活性を高めて、電池として組み立てた直後から本来の電池性能が発揮できるようにする。事前に活物質の活性を高めることで、電池の製造直後に充放電を繰り返して活性を高める必要がなくなる。
なお、活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵台金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、鉄炭化物、鉄硫化物、鉄水酸化物、鉄酸化物、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質全般を用いることができる。また、電池用活物質に導電性を付与するために添加される導電性フィラーは、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などである。
電池用活物質の成形硬化に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなど)、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、PES樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)などである。バインダーとしては耐アルカリ性の樹脂を使用する必要がある。
熱可塑性樹脂は加熱溶融して活物質混合物等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると活物質混合物に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混台物を成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエン、キシレンなどの溶剤に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を活物質材料、導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去することにより、樹脂で固化した活物質成形体を作ることが可能である。また、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤を水で抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶である。また、ポリスチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。その他、ポリスルホンはジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに可溶で、ポリアクリロニトリルはDMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに可溶で、ポリフッ化ビニリデンはDMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に可溶で、ポリアミドはDMFもしくはNMPに可溶で、ポリイミドはDMFもしくはNMPに可溶である。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤をアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、酢酸セルロースは塩化メチレンに可溶で、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)も塩化メチレンに可溶である。
活物質成形体は、粒子状、板状、棒状などの加圧成形体あるいは樹脂成形体、または粒子状、板状、棒状などの一次成形体を二次成形したものである。これらは、撹拌しながら造粒したり、打錠成形やタブレット成形により、また、加圧成形、押し出し成形等により製造可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの場合、成形体として得られた活物質を粉砕して使用することもある。また、成形体の角を取り、表面を滑らかにすることもある。
また、活物質成形体として、表面に炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉、ニッケル箔などの導電材をコーティングしたものを使用することができる。コーティング法としては、成形体の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、やわらかい状態の成形体外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の成形体の場合、熱軟化樹脂を用いた成形体の場合、溶剤に可溶な樹脂を用いた成形体の場合は、成形体温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させる等して成形体を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
また、活物質成形体として、表面にニッケルメッキを施工したものを使用することができる。成形体の外面に導電材のコーティングやメッキを施して電気導電層を作ることで、大きな電流が流せるようになる。
電池活物質を減圧する場合の操作としては、活物質の入った密閉容器(圧力容器など)を真空ポンプなどで大気圧以下に減圧して減圧雰囲気とすればよい。また、その後に電池活物質を加圧する場合の操作としては、活物質の入った密閉容器(圧力容器など)に加圧ポンプなどで水素などの気体を注入し、大気圧以上に加圧すればよい。加圧に用いる気体については、水素以外にも、大気(空気)や窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素、硫化水素などを使用することができる。本発明の方法では、充放電を繰り返して活性を高める従来の方法と比較して、極めて短時間のうちに電池活性が高まり、性能が確保できるので、電池の製作時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
《活性化活物質の製造例1》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉未状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例2》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉未を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジデータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充墳し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例3》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。同じく、製造例2と同様の方法で水素吸蔵合金と導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。これらの活物質造粒粒子をそれぞれ正極活物質、負極活物質としてニッケル・水素二次電池を組み立てた。組み立てた電池を内容積1リットルの圧力容器内に設置し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。電解液の注入前であれば、電池として組み立てた後でも、減圧した後、水素加圧することにより、活物質の活性を高めることができる。
《活性化活物質の製造例4》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで二酸化炭素ガスを注入し、5MPaまで二酸化炭素ガスで加圧した。5MPaの加庄状態で3時間保持した後、二酸化炭素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例5》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充墳し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで窒素ガスを注入し、5MPaまで窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例6》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。この造粒粒子を型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱し、粒子に含まれる樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を溶かし、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で温度を下げ、樹脂を硬化させて板状の二次成形体を作った。活物質の二次成形体を内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質の二次成形体は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例7》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。その際、造粒粒子の製造過程で、撹拌造粒により造粒粒子が生成した後、撹拌しつつ平均長さ約200μmに粉砕した、ニッケルメッキをした炭素繊維を添加し、さらに5分間撹拌した。その後、冷却しつつ撹拌を停止して、造粒粒子表面にニッケルメッキした炭素繊維をコーティングした。この造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充壊し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで窒秦ガスを注入し、5MPaまで窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例8》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプでヘリウムガスを注入し、5MPaまでヘリウムガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、ヘリウムガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例9》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードドミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプでアルゴンガスを注入し、5MPaまでアルゴンガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、アルゴンガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例10》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで酸素を注入し、5MPaまで酸素で加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、酸素を排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例11》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殻を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジデータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプでオゾンガスを注入し、5MPaまでオゾンガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、オゾンガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例12》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで一酸化窒素ガスを注入し、5MPaまで一酸化窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、一酸化窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例13》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで二酸化窒素ガスを注入し、5MPaまで二酸化窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、二酸化窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
〔産業上の利用の可能性〕
本発明は、以上説明したように構成されているので、活物質を粒状、板状又は棒状等として充填することで電池となる充放電可能な三次元電池の電池用活物質として適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、粒状の正極活物質と粒状の負極活物質を有する電池の一例を示す概略断面構成図である。
第2図(a)は積層型三次元電池の実証試験器の一例を示す斜視図、第2図(b)は同三次元電池を概念的に示す中央縦断面図である。
第3図は、第2図の積層型三次元電池の実証試験器の組立前(分解状態)の主要部品の一部を示す斜視図である。
10、35…セパレーター、12…負極セル、14…正極セル、16…負極活物質、18…正極活物質、20、40…負極集電体、22…正極集電体、38…集電部材
本発明は、活物質を粒状、板状、棒状等にして充填することで電池となる充放電可能な三次元電池に用いる電池用活物質及びその製造方法に関し、さらに、粒子状活物質のハンドリング性を改善するとともに活物質粒子同士の接触性を高めて電池性能を向上させることができる電池用活物質成形体及びその製造方法並びに活物質の親水性を向上させて電解液とのなじみを良くし、電池性能を高めることができる電池用活物質及びその活物質の親水性を高める方法、並びに事前に活物質の活性を高めることで、電池の組み立て直後から高い電池性能を発揮することが可能な電池用活物質及びその活物質の活性化方法に関するものである。
〔背景技術〕
本発明は三次元電池に関するものであるが、本発明が解決しようとする課題は、先行技術との関係において、次の4つの課題に分けることができる。
即ち、第一の課題は、三次元電池の活物質として好適に使用しうる導電性に優れた電池用活物質及びその製造方法を提供すること、第二の課題は、そのような活物質を充填する充填層の嵩密度を高めることができる電池用活物質成形体及びその製造方法を提供すること、第三の課題は、そのような活物質の親水性を向上させて電池性能を高めることができる電池用活物質及びその活物質の親水化方法を提供すること、そして、第四の課題は、そのような活物質を用いる場合において、電池の組み立て直後から高い電池性能を発揮することができる電池用活物質及びその活物質の活性化方法を提供することにある。以下、第一〜第四の課題を先行技術との比較において、順次説明する。
1.先行技術と第一の課題
特許第3051401号公報には、活物質を粉体又は粒子にして構成した、いわゆる三次元電池が開示されている。また、国際公開番号WO00/59062号パンフレットには、積層化された三次元電池が開示されている。
また、充放電可能な電池としては、例えば、正極活物質として水酸化ニッケル、負極活物質として水素吸蔵合金を使用したニッケル・水素二次電池などが知られている。充放電できる電池において、負極活物質として使用される水素吸蔵合金等の金属は導電性が有るので、それを充填するのみで使用可能である。しかし、正極活物質として使用される水酸化ニッケルは、導電性が無いので、このまま使用すると電気が流れず、電池にならない。
このため、水酸化ニッケルのような正極活物質に導電性を付与する工夫がいろいろなされているが、導電材料を添加して使用するのが一般的である。具体的には、活物質に導電材を付与して、金属フェルトに充填し、薄く圧密して活物質と集電金属の距離を小さく、かつ、接触を強くする。例えば、次に示すようにしている。
水酸化ニッケルに導電性の水酸化コバルト、炭素粒子等の導電材を添加し、ポリビニルアルコール(PVA)等のバインダーを加えて、水、アルカリ液でペースト化したものを、さらに導電性を上げるため、金属Ni多孔質フェルトに充填し含浸させて使用している。また、活物質と集電体の接触確保のために、二次元平面構造で対応している。充填した活物質は、アルカリ液中では活物質がNi多孔体から剥離又は脱落し、多孔体との接触が不十分となるため、導電体と積層構造にする、又は巻き加工するなどで、圧密状態とし、導電性と形状を維持している。
上記のようにして導電性を付与した正極活物質は、薄い活物質充填物を集電体と積層するため、容量を上げるためには、その面積を増加する必要があり、広い面積のものを積層加工することは困難であることから、単一の電池でスケールアップを実現することは困難である。このため、大型電池にするには、電池の個数を増加するのが普通で、その分高価なものとなってしまう。また、上記のようにして作った活物質は、剥離が起こったり、形状保持ができないので、粒状の活物質を電極室に充填する方式のスケールアップの容易な三次元電池用活物質として使用することはできない。
上述したように、ニッケル・水素電池において、導電性の無い正極活物質は、炭素微粉等の導電性フィラー及びバインダーとしてPVAを添加し、多孔質ニッケルフェルトに充填し含浸させることで、導電性が付与されている。しかし、導電性フィラーを添加した活物質をPVAのような通常のバインダーで成形・固化しても、これを電解質の溶解したアルカリ液中に浸漬すると、PVAが溶解、分解して形状を保持できず、活物質の成形体が崩壊して導電性を維持できないので、電池用活物質としては問題がある。
また、水酸化ニッケルに水溶性のPVAをバインダーとして添加したものを多孔質Niフェルトに充填するのではなく、多孔質Niを用いずに活物質のみを水に不溶な樹脂で成形した場合は、導電性がなく、充電と放電ができない。
また、従来のように、多孔質Niフェルトに、水酸化ニッケル、導電媒体及びPVA等のバインダーを用いてスラリー状にした活物質混合物を含浸させると、導電性の有る活物質シートの作製は可能である。しかし、多孔質Niフェルトに活物質混合物を高充填状態で充填しようとすると、あまり厚いものはできず、例えば、1.3mmのフェルトに充填して加圧プレスし、これを0.5mmの程度のシートとして、活物質と導電媒体を多孔質Niフェルトに圧着させている。このシートを小さく切断すれば、導電性のある粒子状および小さな角マット状の活物質とすることは可能である。
しかし、これを活物質として電極室に充填すると、カットされた端部が多孔質Niフェルト金属特有の鋭角な断面を持つため、電池を構成したときに、電極間のセパレータを破損して正極室と負極室の間を接続させ、ショートさせる恐れがある。また、バインダーとして使われているPVAは水溶性であるため、アルカリ性電解質溶液中で溶解して、活物質がNiフェルトより脱落し、これを粒子充填層で使用する方式では、電池性能がすぐに劣化する。
一方、ニッケル・水素三次元電池において、負極活物質である水素吸蔵合金は金属であるため、導電性があるので、それを充填するのみで使用可能である。しかし、水素吸蔵合金は、充放電を繰り返すと、粉化して微粒子となる。水素吸蔵合金が粉末になると、粉体層の導電性が低くなるため、導電助剤としてNi金属粉等を混合してセパレータと電極の間に入れ、拘束して使用している。金属でも微粒子では、粉体充填状態で粉体層の抵抗が大きく、ここでの電力損失が大きくなる。また、正極と負極は電解液透過性のある多孔質のセパレータで区画するが、負極の粉化微粒子がセパレータの穴を通って正極に入ると、正極と負極が導通してしまう。これを防止するため、セパレータとして高価な微細な穴のものを使うか、あるいは負極と正極の活物質が移動しないよう、電池活物質を電極とセパレータの間に挟み、加圧して拘束している。したがって、充放電で水素吸蔵合金が粉化しても粒子が導電性を維持し、粒子から微粒子の脱落を防止し、通常の不織布のような比較的大きな穴のあいたセパレータでも、粉化微粒子がセパレータを通過するのを防止する必要がある。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第一の課題は、活物質を粒状、板状又は棒状にして充填することで電池となる充放電可能な三次元電池において、正極活物質として使用する水酸化ニッケルのような材料に導電性を与え、かつ、成形した活物質内部にイオン透過可能で、成形体がアルカリ電解液中で崩壊することなく形状を保持でき、導電性を維持することができる電池用活物質及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第一の課題は、負極活物質として使用する水素吸蔵合金のような材料を樹脂で粒状に造粒することで、活物質粒子が微粉化して崩壊するのを防止し、導電性を高く維持することができ、かつ、微粉が粒子から脱落しなくなり、電池用セパレータとして安価な不織布などの10μm以上の穴のあいた物を使用することが可能となる電池用活物質及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第一の課題は、活物質材料となる粉体を粒状、板状、棒状に成形するのに、樹脂と活物質と導電フィラーを混合し、プレス成形、押し出し成形又は打錠成形することにより、導電性を有する正極活物質と負極活物質を得ることができ、また、活物質材料となる粉体を粒状に成形するのに有機溶剤に溶解した熱可塑性樹脂などを用いることにより、撹拌造粒で比較的簡単に効率よく導電性を有する正極活物質と負極活物質を得ることができる電池用活物質の製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする第一の課題は、上記のような性能を持つ正極活物質と負極活物質の成形体とすることで、単一の電池でスケールアップが容易となる三次元電池用活物質及びその製造方法を提供することにある。
2.先行技術と第二の課題
粒子状活物質を充填して固定層とした三次元電池については、本出願人が特許出願しているが(特開2002−141104号公報、特開2002−141101号公報参照)、電池の製作時には、粒子状の活物質をセルに充填した後、充填層を圧密して活物質粒子同士を接触させ、充填層の嵩密度を高めるようにしていた。
粒子状活物質を充填して固定層三次元電池を構成する際、活物質が粒子状であるとハンドリング性が悪く、作業がしずらいことがある。また、粒子状活物質を充填した後、充填層を圧密しても充分な圧密状態とはならないため、充填層の嵩密度が小さく、粒子同士の接触は良くなかった。電池の高密度化と電池性能の向上を実現するためには、活物質粒子同士の接触性を向上させて嵩密度を高める必要がある。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第二の課題は、固定層三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質成形体(一次成形粒子)を加圧あるいは樹脂により二次成形することで、活物質成形粒子の接触性が向上することによる電池性能の向上、充填層の嵩密度を大きくすることによる電池の高密度化および一次成形粒子を二次成形することによるハンドリング性の向上を実現できる電池用活物質成形体及びその製造方法を提供することにある。
3.先行技術と第三の課題
上記したように、粒子状活物質を充填して固定層とした三次元電池については、本出願人が特許出願しているが(特開2002−141104号公報、特開2002−141101号公報参照)、これらの三次元電池においては、電池用活物質が電解液と充分になじまないと、電池反応が進行し難く、電池性能に影響することになる。
三次元電池に用いる活物質が、金属あるいは金属酸化物だけで構成されているのであれば、電池用活物質の親水性に問題はなく、活物質は電解液と速やかになじむが、導電性フィラーや樹脂などを混合して成形した活物質では、電解液とのなじみが悪く、電池性能が低下する原因となる恐れがある。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第三の課題は、三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質に無機酸化物や無機水酸化物を添加、塗布することにより、活物質の親水性を向上させて電解液とのなじみを良くし、電池反応を進行させて電池性能を高めることができる、親水性を向上させた電池用活物質及び電池用活物質の親水化方法を提供することにある。
4.先行技術と第四の課題
上記したように、粒子状活物質を充填して固定層とした三次元電池については、本出願人が特許出願しているが(特開2002−141104号公報、特開2002−141101号公報参照)、これらの三次元電池においては、電池の製造直後は電池反応の活性が低く、最初に1回ないしは複数回充放電を繰り返して、電池活物質の活性を高めるようにしている。
上記の三次元電池も含めて、二次電池では、電池の製造直後は性能が悪く、1回ないしは複数回充放電を繰り返さないと、本来の電池性能を発揮することができない。これは、一例として、ニッケル・水素電池の場合では、正極である水酸化ニッケル、負極である水素吸蔵合金、ニッケル・カドミウム電池の場合では、正極である水酸化ニッケル、負極であるカドミウムの電池反応の活性が低いためである。
本発明は上記の諸点に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする第四の課題は、三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質を減圧し、その後水素などの気体で加圧することにより、事前に活物質の活性を高めることができるので、電池の製造直後に充放電を繰り返して活性を高める必要がなくなり、電池として組み立てた直後から本来の電池性能を発揮することができる、活性化された電池用活物質及び電池用活物質の活性化方法を提供することにある。
〔発明の開示〕
1.第一の課題を解決するための発明
第一の課題を解決するために本発明の電池用活物質は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質である粒子又は成形体と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え、樹脂で粒状、板状又は棒状に成形し、硬化させてなる構成である。
上記の構成において、活物質となる材料としては、水酸化ニッケル粉末を用いることができる。水酸化ニッケル粉末としては、水酸化ニッケルに水酸化コバルト等のコバルト化合物や炭素粒子を添加したものを用いることができる。
また、活物質となる材料としては、水酸化ニッケルの他に、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料を用いることができ、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質を用いることが可能である。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、水酸化ニッケル粉末を材料として正極活物質とする場合、樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることが好ましい。活物質を導電性にするためには、少ない樹脂で水酸化ニッケル、導電性フィラーなどを固化させる。電池活物質としての水酸化ニッケルは130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため、耐アルカリ性が必要である。
軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂及び蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。熱可塑性樹脂は、加熱溶融して、活物質材料、導電性フィラー等の粉体と混合分散することが可能である。
また、硬化温度が常温から120℃までの樹脂として、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステルなど)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、のいずれか又はこれらを組み合わせて使用可能である。反応硬化型樹脂は、活物質材料と導電性フィラーに液状で混合し、その後、樹脂が反応硬化することで、混合物を硬化させることができる。また、溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法により使用可能である。水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミドが使用でき、アルコールに可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)が使用できる。
また、本発明の活物質の成形硬化体表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
本発明の電池用活物質の製造方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質である粒子または成形体と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の製造方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて粒状、板状または棒状の活物質を得ることを特徴としている。
上記の方法においては、活物質となる材料として水酸化ニッケル粉末を用いることができる。水酸化ニッケル粉末としては、ニッケル塩とコバルト塩の混合溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させたものを用いる場合がある。また、炭素粒子を懸濁させたニッケル塩溶液をアルカリで中和し、水酸化物として沈澱させた水酸化ニッケルと炭素粒子の混合物を用いる場合もある。また、炭素粒子で懸濁させたニッケル塩と微量のコバルト塩の混合溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させた炭素粒子との混合物を用いる場合もある。
上記の方法において、他に活物質となる材料としては、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウム等の公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼等の固体物質全般を用いることが可能である。
また、上記の方法においては、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加えるとともに、水溶性化合物(炭酸ナトリウムなど)を添加し、成形した後に水溶性化合物を水に溶解させて抽出除去することで、活物質の成形硬化体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加えるとともに、電池の電解質となる化合物(KOH、NaOH、LiOH等)の粒子を添加し、成形し硬化させて電池用活物質とし、この活物質を電池に使用するときに電解質溶液又は水に電解質を溶解させることで、活物質の成形硬化体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、上記の方法において、樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、又は硬化温度が常温から120℃までの樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。この場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融して材料粉体等と混合分散してもよい。また、加熱トルエン、加熱キシレンなどの溶剤に溶解させた熱可塑性樹脂と活物質となる材料粉末及び導電性フィラーを混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて成形し、粒状、板状又は棒状の活物質を得ることも可能である。
硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが単独又は組み合わせて用いられる。
また、上記の方法においては、樹脂として、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用いることができる。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂としては、加熱したトルエンまたはキシレンに溶解したポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。蒸発温度が120℃以下の溶剤に溶解した樹脂を用いる場合は、成形した活物質の硬化体から減圧下又は常圧下で溶剤を加熱除去する。
水に可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、ジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に溶解したPES樹脂、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、又はDMFもしくはNMPに溶解したポリイミドなどが用いられる。アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、又は塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)などが用いられる。水又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用いる場合は、成形した活物質の粒子から溶剤を水又はアルコールで抽出除去する。
また、上記の方法においては、活物質となる材料粉末と導電性フィラーに、溶剤に溶解した樹脂を加え、撹拌しながら造粒して活物質の粒子を得ることができる。成形方法として撹拌造粒を採用することで、粒子の粒度を容易に適当な範囲に調節することも可能となる。
また、成形硬化方法として、打錠成形又はタブレット成形することにより活物質の粒子を得ることも可能である。また、加圧成形することにより粒状、板状又は棒状の高密度の活物質を得ることも可能である。また、押し出し成形により棒状とすることも可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの場合、成形体として得られた活物質を粉砕して粒状とすることも可能である。
また、上記の方法においては、得られた活物質粒子の角を取り、粒子表面を滑らかにすることが好ましい。また、活物質の粒子表面にニッケルメッキを施すことが好ましい。電池の出力密度を向上させるためには、活物質粒子間、活物質粒子と集電体の間の導電性を向上させることが有効である。導電性活物質の粒子表面にNiメッキを施すことにより、導電性活物質と集電体の間の導電性を向上させることができる。このような表面にNiメッキした導電性活物質により電池を構成した場合、電池内部抵抗を小さくすることができ、電池内部での電圧降下を少なくできるメリットがある。
また、活物質の粒子表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔などをコーティングすることが好ましい。金属Ni等でコーティングすることで、表面の導電性を改良した導電性活物質を作ることが可能である。
活物質の粒子表面にコーティングを施すには、粒子表面を溶剤で膨潤・軟化させた後、この粒子に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔などを添加して、粒子表面のコーティングを行う方法がある。また、活物質となる材料粉末と導電性フィラーに溶剤に溶解した樹脂を加え、撹拌混合しながら造粒した後、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔などを添加し、さらに粒子とともに撹拌することにより粒子表面のコーティングを行う方法がある。
2.第二の課題を解決するための発明
第二の課題を解決するために本発明の電池用活物質成形体は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質成形体であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え樹脂で硬化させた一次成形体を成形して二次成形体とした構成である。
上記の構成において、活物質としては、二次電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般を用いることができる。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることができる。例えば、活物質として水酸化ニッケルを使用する場合は、130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため耐アルカリ性が必要である。
一次成形体に係る熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能であり、二次成形体に係る熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが使用可能である。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法で使用する。また、水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド等が使用でぎる。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)等が使用できる。
上記の構成において、一次成形体としては、粒状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの活物質が使用できる。
また、一次成形体の表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
また、上記の構成において、二次成形体は、立方体状、円柱状、ブロック状、多角柱状などに成形することができる。
また、上記の構成において、二次成形体を構成する一次成形体同士に空間を形成させたものとすることができる。この場合、一次成形体と一次成形体の間に空間があるので、イオン透過性が良くなる。なお、二次成形体を構成する一次成形体同士を高密度に圧密して充填層の嵩密度を上げる必要もある。
また、上記の構成において、二次成形体の表面に溝、波状などの凹凸をつけることが好ましい。これにより、活物質成形体に電解液の保有スペースが確保される。
本発明の電池用活物質成形体の製造方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質成形体の製造方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて一次成形体とした後、一次成形体を加圧又は/及び樹脂の添加により二次成形して導電性活物質の成形体を得ることを特徴としている。
上記の方法においては、一次成形体として、粒状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの活物質を用いることができる。
また、一次成形体の表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などをコーティングし、この一次成形体を二次成形しても良い。また、一次成形体の表面にニッケルメッキを施し、この一次成形体を二次成形しても良い。金属Ni等をコーティング又はメッキすることで、導電性を改良した活物質を作ることが可能である。
また、上記の方法においては、一次成形体を、立方体状、円柱状、ブロック状、多角柱状などの形状に二次成形することができる。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体と一次成形体の間に空間ができるように成形を行うことが好ましい。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体を溝、波状などの凹凸の付いた型枠に充填して成形し、二次成形体の表面に溝、波状などの凹凸を形成させることが好ましい。
また、上記の方法においては、一次成形体に水溶性化合物(炭酸ナトリウムなど)を添加して二次成形し、成形後に水溶性化合物を水に溶解させ抽出除去することで、活物質の成形体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、一次成形体に電池の電解質となる化合物(KOH、NaOH、LiOH等)の粒子を添加して二次成形し、活物質を電池に使用するときに電解質溶液又は水に電解質を溶解させることで、活物質の成形体に細孔を形成させることが可能である。
また、上記の方法においては、二次成形する際、導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素微粒子、炭素微粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル微粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらを組み合わせて添加しても良い。
二次成形する際は新たに樹脂を添加せず、一次成形体の粒子に含まれる樹脂を再度溶解させて、二次成形することができる。
また、二次成形する際、樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、又は硬化温度が常温から120℃までの樹脂を添加することができる。この熱可塑性樹脂としては、PVA、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。この場合、熱可塑牲樹脂を加熱溶融して一次成形体と混合してもよい。また、加熱トルエン、加熱キシレンなどの溶剤に溶解させた熱可塑性樹脂と一次成形体を混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて二次成形することも可能である。
硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが単独又は組み合わせて用いられる。
また、二次成形する際、樹脂として、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂、又は水に可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加することができる。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂としては、加熱したトルエンまたはキシレンに溶解したポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが用いられる。この場合、上記のように、活物質成形体から溶剤を蒸発させることで樹脂を固化することができる。減圧下又は常圧下で溶剤を加熱除去しても良い。
水に可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、ジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に溶解したPES樹脂、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、DMFもしくはNMPに溶解したポリイミドなどが用いられる。アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)などが用いられる。この場合は、活物質成形体から溶剤を水又はアルコールで抽出除去する。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体の形状を維持したままで成形することが好ましい。
また、上記の方法においては、二次成形する際、一次成形体を型枠に充填して圧力を加えることにより、二次成形体の嵩密度を大きくすることができる。
また、上記の方法においては、溶剤に溶解させた樹脂と導電性フィラーを混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて粉体とし、これに一次成形体を添加して二次成形しても艮い。
3.第三の課題を解決するための発明
第三の課題を解決するために本発明の親水性を向上させた電池用活物質は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる親水性を向上させた電池用活物質であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え樹脂で硬化させた活物質成形体に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを添加又は塗布してなる構成である。
上記の構成において、活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質全般を用いることができる。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることができる。例えば、活物質として水酸化ニッケルを使用する場合は、130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため耐アルカリ性が必要である。
軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ棚脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが使用可能である。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法で使用する。また、水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミドが使用でき、アルコールに可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)が使用できる。
上記の構成において、活物質成形体としては、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものが使用できる。
また、活物質成形体の表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
上記の構成において、無機酸化物としては、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質を用いることができる。また、無機水酸化物としては、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、又は水酸化カルシウムなどの金属水酸化物を主成分とする物質を用いることがでぎる。
上記の構成において、無機酸化物や無機水酸化物は、活物質成形体の表面に添加又は塗布しても良いし、活物質成形体の内部に添加しても良い。
本発明の電池用活物質の親水化方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の親水化方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて活物質成形体とした後、活物質成形体の表面に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを塗布又は添加することを特徴としている。
この場合、無機酸化物、無機水酸化物を溶媒に懸濁させ、無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒に活物質成形体を浸漬して、活物質成形体の表面に無機酸化物や無機水酸化物を塗布した後、これを乾燥させることが好ましい。乾燥方法としては、加熱乾燥、真空乾燥、減圧乾燥などが用いられる。
また、上記の方法において、活物質成形体と無機酸化物、無機水酸化物を機械的に接触させて、活物質成形体の表面に無機酸化物や無機水酸化物を塗布又は添加することができる。
また、本発明の電池用活物質の親水化方法は、活物質となる材料粉末に導電性フィラー、樹脂、並びに無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを加え、成形し硬化させて、活物質成形体の内部に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを添加することを特徴としている。
上記の方法においては、活物質成形体として、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものを用いることができる。
また、活物質成形体の表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などをコーティングしても良い。また、活物質成形体の表面にニッケルメッキを施しても良い。金属Ni等をコーティング又はメッキすることで、導電性を改良した活物質を作ることが可能である。
上記の方法において、無機酸化物としては、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質を用いることができる。無機水酸化物としては、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、又は水酸化カルシウムなどの金属水酸化物を主成分とする物質を用いることができる。上述の塗布方法で、無機酸化物、無機水酸化物を分散させる溶媒としては、水、又はトルエン、キシレン、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を用いることができる。
4.第四の課題を解決するための発明
第四の課題を解決するために本発明の活性化された電池用活物質は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる活性化された電池用活物質であって、活物質となる材料紛末に導電性フィラーを加え樹脂で硬化させた活物質成形体に、減圧、水素加圧処理により小孔を形成させ活物質の活性を高めた構成である。
上記の構成において、電池の活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、鉄炭化物、鉄硫化物、鉄水酸化物、鉄酸化物、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質全般を用いることができる。
また、上記の構成において、導電性フィラーとしては、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔を単独又は組み合わせて用いることができる。
また、樹脂としては、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂を用いることができる。例えば、活物質として水酸化ニッケルを使用する場合は、130℃以上でその活性を失うため、130℃未満で各種処理を行うことが必要である。また、活物質をアルカリ電解液中で使用するため耐アルカリ性が必要である。
軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。硬化温度が常温から120℃までの樹脂としては、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)などが使用可能である。蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどが使用可能である。溶剤に可溶性の樹脂は、溶剤に溶解させて添加し、その溶剤を蒸発、抽出などで除去する方法で使用する。また、水に可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミドが使用できる。また、アルコールに可溶で抽出可能な溶剤に溶解する樹脂としては、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)が使用できる。
上記の構成において、活物質成形体としては、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものが使用できる。
また、活物質成形体の表面には、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させることが好ましい。
上記の構成においては、水素による加圧処理以外にも、大気(空気)や窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素、硫化水素などの気体による加圧処理を行うことができる。
本発明の電池用活物質の活性化方法は、電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の活性化方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて活物質成形体とした後、活物質成形体を減圧雰囲気に置き、ついで、気体を注入して加圧雰囲気とし、加圧気体で活物質に小孔を形成させて活性を高めることを特徴としている。
この場合、減圧操作としては、活物質成形体の入った密閉容器を真空ポンプなどで大気圧以下に減圧すればよい。また、加圧操作としては、活物質成形体の入った密閉容器を加圧ポンプなどで大気圧以上に加圧すればよい。加圧に用いる気体については、水素以外にも、大気(空気)や窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素、硫化水素などを使用することができる。
上記の方法においては、活物質成形体として、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものを用いることができる。
また、活物質成形体の表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などをコーティングしても良い。また、活物質成形体の表面にニッケルメッキを施しても良い。金属Ni等をコーティング又はメッキすることで、導電性を改良した活物質を作ることが可能である。
木発明は上記のように構成されているので、次のような効果を奏する。
(1)第一の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼アルカリ性電解液中で崩壊することが無く、活物質の成形体と粒子に導電性とイオン透過性を付与し、しかも、導電性を維持することで、三次元電池に使用することができる活物質が得られる。
▲2▼活物質の粒子を樹脂で固化することにより、微粉の脱落が無くなるので、電池用セパレータとして安価な不織布などの大きな穴の開いたものを使用することができる。
▲3▼有機溶剤に溶解させた熱可塑性樹脂を用いることで、撹拌造粒などにより簡単に粒子状の活物質を製造することができる。
▲4▼単一の電池でスケールアップの容易な三次元電池用活物質が得られる。
▲5▼活物質を粒子状にすると、電極とセパレータの間に容易に充填でき、かつ、電池を分解することなく、活物質だけを抜き出し容易に再生してリサイクルすることができる。
(2)第二の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼固定層三次元電池に用いる導電性活物質において、活物質成形粒子(一次成形体)を二次成形することにより、充填層の嵩密度が大きくなって、活物質粒子同士の接触性が向上するので、同体積での電池の容量が増えることになり、電池性能が向上する。
▲2▼活物質成形粒子(一次成形体)を二次成形することにより、粒子状活物質においてハンドリング性が悪く作業が困難であった点が改善され、ハンドリング性の向上が図れる。
▲3▼活物質の二次成形体に溝、波状などの凹凸をつけることにより、活物質成形体を三次元電池に充填したときに、セパレータ側では電解液の存在場所が確保でき、集電体側ではガスが通過するスペースを確保できる。
(3)第三の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼電池用活物質に無機酸化物や無機水酸化物を添加、塗布することにより、活物質の親水性を向上でき、電解液とのなじみが良くなるので、電池反応が容易に進行し、電池性能が高まる。
▲2▼電池用活物質を無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒と接触させるだけでよいので、操作が容易である。
▲3▼電池用活物質を無機酸化物、無機水酸化物と接触させるだけでよいので、操作が容易である。
(4)第四の課題を解決するための発明によれば、以下のような優れた効果がある。
▲1▼粒子状、板状などの成形体、これらの二次成形体、メッキ処理した成形体、表面処理した成形体などの形状・形態を問わず、電池用活物質を減圧・加圧処理して、活物質の活性を高めることができる。
▲2▼電池として組み立てる前や、電解液の注入前なら電池として組み立てた後でも、活物質を減圧・加圧することにより、活性を高めることができ、電池の製造直後から本来の電池性能を発揮することができる。
▲3▼電池の活物質の種類や正極、負極を問わず、減圧・加圧処理が可能であり、全ての活物質の活性を高めることが可能である。
▲4▼充放電を繰り返して活性を高める従来の方法と比較して、極めて短時間のうちに電池活性が高まり、電池製造直後から高い性能が確保できる。しかも、電池の製作時間を大幅に短縮できる。
〔発明を実施するための最良の形態〕
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することが可能なものである。
まず、三次元電池の概略構成について説明する。第1図は、粒状の正極活物質と粒状の負極活物質を有する電池の一例を示している。第1図に示すように、イオン透過性フィルター(セパレーター)10を介して負極セル12、正極セル14が設けられ、負極セル12には電解質溶液とともに負極の粒状活物質16が装填され、正極セル14には電解質溶液とともに正極の粒状活物質18が装填されている。粒状活物質は電解質溶液中に固定層として存在している。第1図および後記する第2図においては、便宜上、各粒状活物質の大きさは同じにしているが、実際には、各粒状活物質の大きさが異なることは当然である。
なお、セパレーター10は、電気的に絶縁性でイオンを通すためのフィルターで、粉粒体は通過しない膜であり、例えば、素焼、イオン交換樹脂膜、高分子繊維等が用いられる。
また、負極セル12、正極セル14の中には、それぞれ導電体からなる負極集電器(体)20、正極集電器(体)22が設けられており、集電器20、22が負荷手段(放電の場合)又は発電手段(充電の場合)24と接続される。なお、26は電解液界面である。
つぎに、本実施例の電池について充電及び放電の機構を説明する。
(充電)
電池に電圧をかけ、負極集電器20より電子を供給する。電子は負極集電器20より負極の粉粒体活物質に直接又は粉粒体を介して移動して反応する。反応によって発生したイオンはセパレーター10を通過して正極セル14に入り、ここで正極の粉粒体活物質と反応して電子を放出する。この電子は粉粒体を介して、あるいは直接、正極集電器22に移動して発電手段24に送られる。
(放電)
電池に負荷をかけ、負極集電器20より電子が供給される。電子は負極セル12内で陽イオン化した活物質が放出し、負極集電器20に直接又は粉粒体を介して移動する。反応によって発生したイオンはセパレーター10を通過して正極セル14に入り、ここで正極の粉粒体活物質及び電子と反応する。電子は粉粒体を介して、あるいは直接、正極集電器22に移動して負荷手段24に供給される。
次に、第2図は積層型三次元電池の実証試験器の一例を示す斜視図と概要断面図、第3図は同実証試験器の組立前(分解状態)の主要部品の一部を示す斜視図である。
第2図に示すように、本例の積層型三次元電池31はニッケル水素電池で、第3図のように正方形状の中央開口部32を厚み方向に貫通して設けたセル(容器)部材33を2個で一対とし、本例では二対(合計4個)のセル部材33を備えている。各セル部材33の一方の面の開口部32の周囲には、浅い(本例では深さが0.5mmの)凹状部34が環状に形成され、セル部材33・33間に略正方形の耐アルカリ性のイオン透過性セパレーター35が凹状部34内に嵌装されている。セパレーター35はイオンのみを通過させるが、活物質や電気は通過させない膜状体である。また、各セル部材33の上面には、開口部32内に臨ませて上下に貫通して電解液を注入するための2つの注液口36が幅方向に間隔をあけて形成され、各注液口36にはゴム栓37が着脱自在に装着される。
各組のセル部材33、33間の凹状部34には、略正方形で耐アルカリ性および導電性の板状の集電部材38が嵌装されている。また、2組のセル部材33の両端には、耐アルカリ性で導電性の、セル部材33と同一幅でセル部材33よりも高さが高い板状の集電体39と40を備えている。開口部32と同一形状の開口部41を中央部に有し外形がセル部材33と共通のゴム製パッキン42が、セル部材33と33の間およびセル部材33と集電体39または40の間に介装されている。セル部材33、パッキン42および集電体39と40には、厚み方向に貫通する複数の挿通孔33a、42a、39a、40aが開口部32と41の周囲に周方向に間隔をあけて一連に穿設されている。そして、複数の挿通孔33a、42a、39a、40aに非導電性のボルト43が一連に挿通され、ボルト43の先端ネジ部43aにナット(図示せず)を螺合して締め付けてある。また、左端(正極)と右端(負極)の集電体39と40のの上端部には、幅方向に間隔をあけて小孔39bと40bが穿設され、本例では左端と右端の集電体39と40の両端の小孔39bと40bに、それぞれ正極端子44と負極端子45が取り付けられ、配線46と47の一端が接続されている。
各セル部材33内には、注液口36より電解質溶液としての水酸化カリウム水溶液kが注入され、第2図(b)の左端側セル部材33から順に正極の粒状活物質としての水酸化ニッケルn、負極の粒状活物質としての水素吸蔵合金h、正極の粒状活物質としての水酸化ニッケルn、負極の粒状活物質としての水素吸蔵合金hが水酸化カリウム水溶液kに投入されている。この結果、図の左端から右端にかけて、正極セル48、負極セル49、正極セル48、負極セル49が順に形成される。50は、負荷手段(放電の場合)または発電手段(充電の場合)である。
(1)第一の課題を解決するための発明の実施の形態
上記のような三次元電池に使用する粒状の活物質は、活物質となる材料粉末に導電性フィラーとバインダーである樹脂を加え、成形し硬化させて製造する。例えば、ニッケル・水素二次電池の場合、正極に用いる水酸化ニッケルは導電性がないので、水酸化ニッケル粉末に導電性フィラーを混合することで活物質に導電性を付与する。導電性フィラーとしては、炭素粒子、炭素繊維、Ni金属粒子、Ni金属繊雑、Ni金属箔、Niメッキした粒子、Niメッキした繊維などを使用することができる。導電性フィラーとして粒子状物質を用いることで、水酸化ニッケルと導電性フィラーの隙間を通ってのイオン透過が可能になる。繊維状の導電性フィラーを使用すると、成形体を成形した後、加圧成形時の圧力などの力が解放されてスプリングバックにより成形体内に隙閲が空くため、その部分を通ってのイオン交換が容易になるので、より好ましい。また、電池の内部抵抗が大きいと、それによる電圧損失が生じ、これが大きいと問題となる。例えば、導電素材の導電性を体積抵抗5オーム/cm3以下とすることで、10cm角の電極で1cm厚みの活物質電極で、抵抗を0.05オーム以下にすることができる。
水酸化ニッケル粉末としては、水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させたものを用いてもよい。工業的に製造されている水酸化ニッケルは、充填密度を高くするため、10ミクロン程度の球形粒子であり、混合物としては、Co化合物が1%程度とその他の成分がわずかに含まれている。Co(OH)2は充電された時にCoOOHとなり、導電性を示すと言われている。Ni(OH)2はNiの酸溶液をアルカリで中和し、水酸化物にして沈殿させている。このとき、NiとCoの混合溶液をアルカリで中和してNi(OH)2とCo(OH)2を共沈させる。
また、Niの酸溶液に炭素微粒子を懸濁させて、これを中和することで、炭素微粒子の周りにNi(OH)2の付着した粒子、又は炭素微粒子とNi(OH)2の混合した沈殿物を製造することができる。炭素微粒子は高い導電性を有するので、導電性の良好な水酸化ニッケル粉末を作ることができる。
活物質成形体は、電気抵抗を小さくするためには加圧成形することが有利である。しかし、そのように成形すると電解質イオン拡散が阻害され、濃度分極が発生し、放電電圧が低くなる欠点がある。これを解決するためには、成形前の活物質混合物に水で溶解する化合物(炭酸ナトリウムなど)の粒子を添加し、混合した後、これをプレス成形、タブレット成形、押し出し成形等の手段を用いて加圧下で成形し、全体が密着するよう圧密し、あるいは混合粉体を撹拌造粒して成形し、その後、成形活物質を水に浸漬し水溶性化合物を抽出すると、化合物の入っていた所が空洞になり、電解質イオンが成形体中を透過し易くなることで、濃度分極による電圧低下が抑えられる。
また、成形前の活物質混合物に、化合物として電解質に用いるKOH、NaOH、LiOH等のアルカリ物質を入れると、これらのアルカリ物質が電解質液又は水に溶解して電解質となるため、上記の水溶性化合物を添加したときのような抽出は不要で、電解質液又は水に成形体を浸漬してアルカリを溶解させることで、活物質内部に穴の開いた濃度分極の小さい活物質とすることができる。KOH、NaOH等のアルカリ物質は潮解性であるため、通常の雰囲気ではこれを粉砕して粒子とすることは困難である。湿度の低い雰囲気を作って粉砕、混合を行えば、KOH、NaOH等を用いることができるが、煩雑で高価となる。一方、上記の炭酸ナトリウム等の水溶性塩類の場合は、このような問題が無いので簡単、かつ安価な方法となるが、これを抽出除去しないと電解液の性能が低下するという問題が生じる。
また、バインダーとしてアルカリ中で安定な耐アルカリ性の樹脂を使用し、活物質と導電性フィラーを接触状態で固定することにより、成形体がアルカリ中で膨潤、崩壊しないため、成形状態を維持することができ、活物質がアルカリ電解質溶液内で安定した導電性を保持することができる。また、少ない樹脂量で水酸化ニッケル、導電性フィラーを固化させることで、水酸化ニッケル粒子に高い導電性を与え、かつ、粒子を少ない樹脂で固化させることで、活物質の反応を行わせる際に、成形体内に電解液が侵入し易くなり、活物質に電解質が速やかに供給できる。また、その状態で活物質の形状が維持されるので、これらの導電性とイオン交換性を保持することができ、活物質の反応性が安定して維持される。
導電材として炭素微粒子等の粒子状導電材を多量に使うと、導電性は向上するが、それを固定するための樹脂を多量に必要とし、固化体内のイオン透過を阻害し、濃度分極が発生し、起電力が低下する。少ない導電材で成形体内の導電性を上げるため、炭素繊維等の繊維状導電材を用いるのが有利である。繊維状導電材を導電材として用いることで、粒子内に繊維状導電物質で電気配線のネットワークをつくり、そこに水酸化ニッケルを粒子状導電材で結び付けるように混合すれば、粒子状導電材量を低減して必要な導電性を確保することが可能となる。これにより、導電性フィラーとして繊維状の物質を使えば、より少ない導電材で高い導電性を与えることができ、かつ、より少ない樹脂で全体を硬化させることができる。
バインダーに使う樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー等の熱可塑性樹脂が使用可能である。この場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融して材料粉体等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると粉体に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混合物を成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの溶剤に可溶である。また、スチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を活物質および導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去し、冷却することにより、全体を樹脂で固化した活物質を作ることが可能である。
また、反応硬化型の樹脂としてエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など、熱硬化型の樹脂としてフェノール樹脂などがバインダーとして使用可能である。
また、水又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用いる場合は、その溶剤を水又はアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶である。DMSOは沸点が高く、これを蒸発法で除去し、溶媒に溶解した樹脂を固化させると、β−水酸化ニッケルが失活する。これを使う場合は、樹脂は溶解しないが、溶剤は溶解する抽出材(この場合、水)を用いて溶剤を除去し硬化することができるので、溶剤で溶かした樹脂を水酸化ニッケルおよび導電性フィラーと混合し成形したものを、抽出材(水)中に入れて固化すればよい。DMSOで溶解したPESを水を用いるDMSO除去法で硬化した樹脂は多孔質にすることができ、電解質の電池活物質への接触に有利である。
また、アセトンに溶解したポリスチレンを樹脂として用いる場合は、活物質などと混合した後、水でアセトンを抽出することでも、PESでの上記活物質固化体と同様な活物質を得ることが可能である。その他、DMFもしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはNMPに溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、DMFもしくはNMPに溶解したポリイミド等についても、同様に溶剤を水で抽出する手法が採用できる。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂としては、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、又は塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)等が使用できる。
溶剤で溶かした樹脂を活物質となる材料粉末および導電性フィラーと混合して成形する場合は、これらの混合物を撹拌しながら造粒する方法を採用することができ、撹拌造粒により容易に粒子の粒度を適当な範囲に調節することが可能である。
また、成形方法として、打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などを採用してもよい。活物質と導電性フィラーの接触を良くするためには混合物を加圧成形することが有効である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形等の揚合は、粒状に成形して直接活物質の粒子を得ることも可能であり、また、打錠成形やタブレット成形で得られた粒子状物、加圧成形で得られた板状体又は粒子状物、押し出し成形で得られた棒状体などを粉砕して適当な粒度の活物質粒子とすることも可能である。このようにして活物質を粒子状にすることにより、三次元電池の電極とセパレータで構成される部屋(セル)に活物質を容易に充填できる。また、活物質が劣化した場合は、電池を分解することなく、活物質を抜き出し、再生して再度充填することでリサイクルが容易になる。抜き出された劣化活物質は、その他の電池構成材と分離されているので、簡単に再生することができる。
上記の粉砕粒子、タブレット粒子、打錠粒子などは、角張っているのが普通である。角張った粒子をセルに充填すると、充填密度が低くなる、粒子群の導電性が低いなどの問題がある。これを解決するためには、粒子の角を滑らかにすることが有利である。このためには、上記活物質粒子を、粒子のみ、又は他の摩砕媒体と混合し、撹拌するなどして角を取ることが有効である。
粒子の充填層は、上記のような方法で充填密度を上げた充填層としても、充填層の導電性は粒子ひとつに比べると非常に低くなる。このため、大きな電流を流すことができない。粒子外面にNiメッキにより電気導電層を作ると、粒子内の活物質からの電子は、粒子内を通った後、粒子外の導電層を適り、電極(集電体)に移動できる。電極から電子をもらう充電時の正極活物質においても上記と逆の過程で、電子をもらう速度が速くなり、大きな電流が流せるようになる。メッキの場合、あまり厚くメッキすると、粒子表面全体を金属でカバーすることになるため、電解液が粒子内に入らなくなる。このため、電解液の濃度勾配による濃度分極が発生し、電池としての性能が低下することがある。
また、粒子外面に電気導電層を作る方法として、粒子表面にNi金属粉、Ni金属繊維、Ni金属箔、Niメッキした繊維(炭素繊維、有機繊維)、Niメッキした粒子などのコーティングを施すことが可能である。この方法は、上記メッキと異なり、粒子表面を完全に覆うことがなく、金属粒子、金属繊維の隙間が必ず残るので、そこから電解液が粒子内に浸透することになり、多くコーティングしても性能を劣化させることがない。コーティング法としては、粒子の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、やわらかい状態の粒子外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の粒子の場合、この粒子が熱軟化樹脂を用いた粒子や溶剤に可溶な樹脂を用いた粒子であれば、粒子温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させるなどして粒子を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
活物質を粒子状の成形体とすることにより、三次元電池を製作するときに、その成形体を電極とセパレータの間に容易に充填できる。一方、従来のニッケル・水素二次電池は、一体構造であるため、リサイクルなどのためには、電池全体を分解し、各部品に分解して処理することが必要であった。活物質を粒子状の成形体とすると、電極室にそれを充填するだけで電池として使用することができ、しかも、活物質が劣化した場合は、電池を分解することなく、成形体活物質を取り出すことができる。このため、活物質だけを取り出し、これを再生して再充填することで、容易にリサイクル再生することができる。
以上は、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケルの場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ニッケル・水素二次電池の負極活物質である水素吸蔵合金の他、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般も活物質材料として、本発明を適用することが可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
《実施例1》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、ニッケルメッキした炭素繊維10mmチップを100g添加し、約3分間、1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを150g添加し、樹脂の軟化温度以上で130℃未満の温度に加熱して10分間混合した。混合物を取り出し、2mm深さの金型に入れてボード状に成形した。ボード状としたものを冷却した後金型から取り出し、成形したボードをハンマークラッシャーで粉砕した。粉砕した粒子を2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例2》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、樹脂の軟化温度以上で130℃未満の温度に加熱して10分間混合した。混合物を取り出し、2mm深さの金型に入れてボード状に成形した。ボード状としたものを冷却した後金型から取り出し、成形したボードをハンマークラッシャーで粉砕した。粉砕した粒子を2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例3》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例4》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、撹拌を続けながら、平均長さ約200μmに粉砕したNiメッキした炭素繊維50gを添加し、さらに5分間撹拌した。その後冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例5》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、2000gのDMSOにPES樹脂を150g添加し、溶解させた。前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、DMSOに溶解したPES樹脂を添加し、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物を用い、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmであった。造粒粒子が生成した後、撹拌を続けながら、平均長さ約200μmに粉砕したNiメッキした炭素繊維50gを添加し、さらに5分間撹拌した。その後冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はDMSOを含んでいるため、この粒子を水10リットルの中に入れ、DMSOを除去した。粒子を取り出して乾燥した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例6》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例7》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、2000gのDMSOにPES樹脂を150g添加し、溶解させた。前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、DMSOに溶解したPES樹脂を添加し、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物を用い、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmであった。造粒粒子が生成した後、ハイスピードミキサーを停止した。粒子はDMSOを含んでいるため、この粒子を水10リットルの中に入れ、DMSOを除去した。粒子を取り出して乾燥した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例8》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。この混合粉体に粒径500μm程度の炭酸ソーダ粒子100gを添加し、十分に混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーと炭酸ソーダの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を得た。この粒子を10リットルの水に入れ、粒子内に取り込まれている炭酸ソーダを粒子から抽出し除去した。その後、粒子を水で十分に洗浄し、付着した炭酸ソーダを完全に除去した後、乾燥して製品とした。
《実施例9》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。この混合粉体に粒径500μm程度の苛性カリ(KOH)粒子100gを添加し、十分に混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーとKOHの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。粒子内に取り込まれているKOHは粒子を電池に充填したとき、電解液又は水に溶けて電解質の一部となる。苛性リを扱う操作は、苛性カリが空気中の水分を吸い潮解するため、乾操雰囲気で行った。
《実施例10》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル紛末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、フェノール樹脂を150g添加して10分間混合した。顆粒状ないし湿潤粉末状となった混合物を取り出して容器に入れ、加圧成形すると同時に、加熱の必要なフェノール樹脂を固化温度(115℃)まで加熱した。加圧成形したものを冷却した後容器から取り出し、製品とした。
《実施例11》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを150g添加し、樹脂の軟化温度以上で130℃未満の温度に加熱して10分間混合した。混合物を取り出して容器に入れ、加熱加圧成形した。加圧成形したものを冷却した後容器から取り出し、製品とした。
《実施例12》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながら撹拌した。混合物を取り出し、減圧下で50℃に加熱してキシレンを蒸発させた後、冷却して固化体にした。これを粉砕して粒子状とした。粉砕粒子のみでは充填密度が低くなるので、粒子を撹拌し摩砕することで角を取った。これを製品とすることで、充填密度を上げることができる。
《実施例13》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、加熱した2000gのDMSOにPES樹脂を150g添加し、溶解させた。前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、DMSOに溶解したPES樹脂を添加して撹拌し、スラリー状とした。このスラリーを水を入れた容器内に滴下して数ミリの粒子状にした後、水中でDMSOを抽出除去し、この固化した粒子を乾燥させて製品とした。
《実施例14》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながら撹拌した。乾燥雰囲気で粉砕したKOHを500μmで分級し、500μm以下の粒径のKOH粒子を上記混合物に添加し、十分に混合した。混合物を取り出し、減圧下で50℃に加熱してキシレンを蒸発させた後、冷却して固化体にした。これを粉砕して粒子状とした。粉砕粒子のみでは充填密度が低くなるので、粒子を撹拌し摩砕することで角を取った。これを製品とすることで、充填密度を上げることができる。粒子内に取り込まれているKOHは粒子を電池に充填したとき、電解液又は水に溶けて電解質の一部となる。
《実施例15》
硝酸ニッケル溶液に予め粉砕したカーボンブラックを添加し、よく分散させた。この溶液をよく撹拌した状態で、苛性ソーダを水に溶解させたものを一気に添加し、水酸化ニッケルと炭素微粒子を混合状態で生成させた。この溶液を静置して生成物を沈殿させてから、容器を傾けて上澄み液を除去し、新たに水を添加してよく混合した。この操作を上澄み液のpHがほぼ7になるまで繰り返して沈殿生成物を洗浄した。沈殿生成物を濾過、乾燥し、必要に応じて粉砕し、炭素微粒子を共沈した水酸化ニッケル粉末とした。これを電池用水酸化ニッケル粉末として、上述した実施例に適用することができる。
《実施例16》
実施例3、実施例12等の方法で粒子状の活物質を製造し、この粒子の表面にニッケルメッキを施工した。その工程は以下の通りである。造粒粒子200gを、アルカリ洗浄剤(シグマクリーン)10%水溶液100ccに1分間浸漬し、十分洗浄した。次に、これをアルカリ性クロム酸溶液100ccに2分間漬けて粒子表面をエッチングした後、水洗した。つづいて、触媒処理、活性化処理および化学メッキの工程でメッキを行った。触媒処理は、MAT1−A(上村工学社製)20cc、MAT1−B(上村工学社製)10ccおよび水70ccをよく混合し、NaOHでpH11に調整した液に、前記の粒子を3分間浸漬し、Pd触媒を付着させた。活性化処理は、水80ccに、1.8ccのMRD2−A(上村工学社製)と15ccのMRD2−B(上村工学社製)を加えてよく混合し、NaOHでpH12.7になるよう調整した液に、触媒を付着させた粒子を5分間浸漬し、Pd触媒を還元した。化学メッキは、ニボジュールu−77(上村工学社製)100ccに水400ccを入れてよく混合し、アンモニア水にてpH9に調整した液を60℃に加熱し、この液に活性化処理した粒子を7分間浸漬して、表面にニッケルメッキを施した。なお、各工程間では十分な水洗を行った。
《実施例17》
実施例3、実施例12等の方法で粒子状の活物質を製造した。この粒子にトルエンを添加含浸し、粒子表面を膨潤軟化させた。この膨潤軟化した粒子に粒子重量の10%のニッケル金属粉を添加し、転動法で粒子表面にNi金属粉をコーティングした。
《実施例18》
実施例3、実施例12等の方法で粒子状の活物質を製造した。この粒子にトルエンを添加含浸し、粒子表面を膨潤軟化させた。この膨潤軟化した粒子に粒子重量の5%のニッケルメッキをした炭素繊維を粉砕したもの(直径7μm、平均繊維長約100μm、メッキの平均厚み0.2μm)を添加し、転動法で、粒子表面にNiメッキした炭素繊維粉末をコーティングした。
《実施例19》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例20》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例21》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例22》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殼を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例23》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
《実施例24》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで紛体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の粒子を製品とした。
(2)第二の課題を解決するための発明の実施の形態
粒子状活物質を充填して固定層を形成させた三次元電池の場合、活物質が粒子状であると、ハンドリング性が悪いだけでなく、充填層の嵩密度が小さくなり、電池の容量が少なくなる。そこで、導電性を有する活物質成形体(一次成形粒子)を加圧あるいは樹脂により二次成形することで、活物質成形粒子の接触性が向上することによる電池性能の向上、充填層の嵩密度を大きくすることによる電池の高密度化および一次成形粒子を二次成形することによるハンドリング性の向上を実現する。
導電性活物質の成形体の製造方法は、電池用活物質の粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて一次成形体とした後、一次成形体を加庄又は/及び樹脂の添加により二次成形するものである。二次成形する際は、新たに樹脂を添加せず、一次成形体の粒子に含まれる樹脂を再度溶解させて、二次成形することができる。また、二次成形する際に、樹脂などを添加することもできる。
なお、活物質としては、二次電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般を用いることができる。また、一次成形の際に添加する導電性フィラーは、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などである。
一次成形の際に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなど)、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、PES樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)などであるが、一次成形の具体的な方法は、後述する二次成形の場合と基本的には同じ方法である。バインダーとしては耐アルカリ性の樹脂を使用する必要がある。
一次成形体の形状は、粒状、坂状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状、不定形粒子状などであり、これらは、撹拌しながら造粒したり、打錠成形やタブレット成形により、また、加圧成形、押し出し成形等により製造可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの揚合、成形体として得られた活物質を粉砕して一次成形体とすることもある。また、一次成形体の角を取り表面を滑らかにすることもある。
また、一次成形体として、表面に炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉、ニッケル箔などの導電材をコーティングしたものを使用することができる。コーティング法としては、一次成形体の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、やわらかい状態の成形体外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の成形体の場合、この成形体が熱軟化樹脂を用いた成形体や溶剤に可溶な樹脂を用いた成形体であれば、成形体温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させるなどして成形体を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
また、一次成形体として、表面にニッケルメッキを施工したものを使用することができる。一次成形体の外面に導電材のコーティングやメッキを施して電気導電層を作ることで、大きな電流が流せるようになる。
二次成形体は、立方体状、円柱状、ブロック状、多角柱状などの形状に成形することができる。この場合、一次成形体を型枠に充填して圧力を加えることにより、二次成形体の嵩密度を大きくすることができる。また、一次成形体と一次成形体の間に空間ができるように二次成形を行うことが好ましい。また、一次成形体の形状を維持したまま二次成形することが好ましい。また、二次成形する際、一次成形体を溝、波状などの凹凸の付いた型枠に充填して成形し、二次成形体の表面に溝、波状などの凹凸を形成させることが好ましい。これにより、活物質成形体を電池に充填したときに、セパレータ側では電解液の存在場所を確保でき、集電体側ではガスが通過するスペースを確保できる。
また、二次成形前に水溶性化合物(炭酸ナトリウムなど)を添加し、成形した後に水溶性化合物を水に溶解させて抽出除去することで、成形体内部に穴の開いた濃度分極の小さい活物質とすることができる。
また、二次成形前に、化合物として電解質に用いるKOH、NaOH、LiOH等のアルカリ物質を入れると、これらのアルカリ物質が電解質液又は水に溶解して電解質となるため、上記の水溶性化合物を添加したときのような抽出は不要で、電解質液又は水に成形体を浸漬してアルカリを溶解させることで、成形体内部に穴の開いた濃度分極の小さい活物質とすることができる。上記のアルカリ物質は潮解性であるため、通常の雰囲気ではこれを粉砕して粒子とすることは困難である。湿度の低い雰囲気を作って粉砕、混合を行えば、KOH、NaOH等を用いることができるが、煩雑で高価となる。一方、上記の炭酸ナトリウム等の水溶性塩類の場合は、このような問題が無いので、簡単、かつ安価な方法となるが、これを抽出除去しないと電解液の性能が低下するという問題が生じる。
また、二次成形する際に、導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素微粒子、炭素微粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル微粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらを組み合わせて添加しても良い。
二次成形する際に樹脂を添加する場合は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー等の熱可塑性樹脂が使用可能である。この場合、熱可塑性樹脂を加熱溶融して一次成形体等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると成形体に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混合物を二次成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエン、またはキシレンなどの溶剤に可溶である。また、スチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を一次成形体や、必要に応じて導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去することにより、樹脂で固化した活物質成形体(二次成形体)を作ることが可能である。
また、反応硬化型の樹脂としてエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など、熱硬化型の樹脂としてフェノール樹脂などがバインダーとして使用可能である。
また、二次成形する際に、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤を水又はアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体(二次成形体)を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶であり、DMSOに溶解したPES樹脂を水に可溶な溶剤に溶解した樹脂として上記の方法で使用できる。同様に、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに溶解したポリスルホン、DMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、DMF、DMSOもしくはNMPに溶解したポリフッ化ビニリデン、DMFもしくはNMPに溶解したポリアミド、DMFもしくはNMPに溶解したポリイミドなども使用可能である。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂として、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテル(PPO)などが使用できる。
溶剤に可溶な樹脂を添加する方法としては、一例として、溶剤に溶解させた樹脂と導電性フィラーを混合し、分散させた後、溶剤を蒸発させて粉体とし、これに一次成形体を添加する方法を用いることが可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。
まず、活物質の一次成形粒子を製造した例を説明する。
《1.水酸化ニッケルを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《2.水素吸蔵合金を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保特しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《3.砂を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾操機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《4.石炭を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《5.炭を用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《6.シリカを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殻を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《7.スラグを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッバーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
《8.カーボンを用いた活物質粒子の製造例》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の一次成形粒子とした。
次に、上記の(1)〜(8)のようにして得られた一次成形粒子をそれぞれ下記のような方法で二次成形した。
《二次成形体の製造例1》
一次成形粒子90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に含有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例2》
一次成形粒子90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に含有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。炭素繊維を導電フィラーとして使用しているので、放圧冷却によりスプリングバックが起こり、製造例1の加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例3》
一次成形粒子200gと導電性フィラー(カーボン繊維)50gを撹拌、混合した。その混合物90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に合有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例4》
一次成形粒子200gと導電性フィラー(カーボン繊維)50gを撹拌、混合した。その混合物90gを断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱して一次成形粒子に含有される樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を軟化した。次いで、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。放圧冷却によりスプリングバックが起こり、加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例5》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを130℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で圧力をかけずにそのまま冷却し、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例6》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを130℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例7》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを130℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。放圧冷却によりスプリングバックが起こり、加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例8》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で圧力をかけずにそのまま冷却し、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例9》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例10》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた後、圧力を解放してから温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。放圧冷却によりスプリングバックが起こり、加圧冷却より嵩密度は低下するが、イオン伝導性が向上する。
《二次成形体の製造例11》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠(5mm幅で深さ2mmの溝付き)に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の溝付き二次成形体とした。
《二次成形体の製造例12》
PES樹脂40gと溶剤(DMSO)120gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを60℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このDMSO含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出した後、水中に浸漬してDMSOを抽出除去した。これを乾燥させて活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例13》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。このキシレン含有導電性樹脂に約500μmの粒径の炭酸ソーダ粒子を添加し、よく混合した。このキシレン合有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出した。成形体を水中に浸漬し、成形体内に取り込まれている炭酸ソーダ粒子を抽出し除去した。これを乾燥させて活物質の二次成形体とした。
《二次成形体の製造例14》
エチレン酢酸ビニルコポリマー樹脂50gと溶剤(キシレン)100gと導電性フィラー(カーボンブラック)100gを80℃に加熱し、混合、混練して樹脂に導電性を付与した。乾燥雰囲気で粉砕したKOHを500μmで分級し、500μm以下の粒径のKOH粒子を上記樹脂に添加し、よく混合した。このキシレン含有導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを80℃で混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、温度を下げ、樹脂を硬化させた。常温、常圧で放置してキシレンを蒸発させた後、これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。成形体内に取り込まれているKOHは、二次成形体を電池に充填したとき、水又は電解液に溶解し、電解質の一部となる。
《二次成形体の製造例15》
フェノール樹脂100gと導電性フィラー(カーボンブラック)150gを混合、混練して樹脂に導電性を付与した。この導電性樹脂20gと一次成形粒子90gを混合、撹拌した。その混合物全量を断面の大きさ100mm×100mmの型枠に充填し、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で、フェノール樹脂の固化温度(115℃)まで加熱し、樹脂を硬化させた。これを型枠から取り出し、活物質の二次成形体とした。
(3)第三の課題を解決するための発明の実施の形態
粒子状、板状、棒状などの活物質成形体を充填した三次元電池においては、電池用活物質が電解液と十分になじまないと、電池反応が進行し難く、電池性能が低下することになる。三次元電池に用いる活物質は、金属あるいは金属酸化物などに導電性フィラーや樹脂を混合して成形しており、電解液とのなじみが悪くなる傾向にある。そこで、電池用活物質に無機酸化物や無機水酸化物を添加、塗布することで、活物質の親水性を向上させて電解液とのなじみを良くし、電池性能を高めるようにする。
なお、活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵合金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殻などの固体物質全般を用いることができる。また、電池用活物質に導電性を付与するために添加される導電性フィラーは、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などである。
電池用活物質の成形硬化に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなど)、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、PES樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)などである。バインダーとしては耐アルカリ性の樹脂を使用する必要がある。
熱可塑性樹脂は加熱溶融して活物質混合物等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると活物質混合物に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混合物を成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの溶剤に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を活物質材料、導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去することにより、樹脂で固化した活物質成形体を作ることが可能である。また、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤を水で抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶である。また、ポリスチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。その他、ポリスルホンはジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに可溶で、ポリアクリロニトリルはDMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに可溶で、ポリフッ化ビニリデンはDMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に可溶で、ポリアミドはDMFもしくはNMPに可溶で、ポリイミドはDMFもしくはNMPに可溶である。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤をアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、酢酸セルロースは塩化メチレンに可溶で、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)も塩化メチレンに可溶である。
活物質成形体は、粒子状、板状、棒状などの加圧成形体あるいは樹脂成形体、または粒子状、板状、棒状などの一次成形体を二次成形したものである。これらは、撹拌しながら造粒したり、打錠成形やタブレット成形により、また、加圧成形、押し出し成形等により製造可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの場合、成形体として得られた活物質を粉砕して使用することもある。また、成形体の角を取り表面を滑らかにすることもある。
また、活物質成形体として、表面に炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉、ニッケル箔などの導電材をコーティングしたものを使用することができる。コーティング法としては、成形体の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、柔らかい状態の成形体外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の成形体の揚合、熱軟化樹脂を用いた成形体の場合、溶剤に可溶な樹脂を用いた成形体の場合は、成形体温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させる等して成形体を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
また、活物質成形体として、表面にニッケルメッキを施工したものを使用することができる。成形体の外面に導電材のコーティングやメッキを施して電気導電層を作ることで、大きな電流が流せるようになる。
活物質成形体に親水性を付与するために添加、塗布する無機酸化物は、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどの金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質、例えば、二酸化チタンを主成分とする光触媒などである。また、無機水酸化物は、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、又は水酸化カルシウムなどの金属水酸化物を主成分とする物質である。無機酸化物、無機水酸化物を塗布する場合は、水、又はトルユン、キシレン、イソプロピルアルコールなどの有機溶媒を溶媒として使用し、これら溶媒に無機酸化物、無機水酸化物を懸濁させ、無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒に活物質成形体を浸漬することで塗布を行うことができる。浸漬中には液を撹拌することが好ましい。この方法では、活物質成形体を無機酸化物、無機水酸化物を分散させた溶媒と接触させるだけでよいので、操作が簡単である。塗布後の活物質成形体を乾燥する方法としては、常温・常圧で乾燥させても良いし、加熱乾燥、真空乾燥、減圧乾燥などで乾燥させても良い。
また、活物質と無機酸化物、無機水酸化物を混合・撹拌などにより機械的に接触させて、活物質成形体の表面又は内部に無機酸化物や無機水酸化物を塗布又は添加しても良い。この方法では、活物質成形体を無機酸化物、無機水酸化物と接触させるだけでよいので、操作が簡単である。このように、親水性を付与する無機酸化物、無機水酸化物は、活物質成形体の表面に添加しても良いし、活物質成形体の内部に添加しても良い。
以下、本発明の実施例について説明する。
《親水性活物質の製造例1》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。電池用活物質の表面に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例2》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。造粒粒子が生成した後、撹拌しながら平均長さ約200μmに粉砕した、ニッケルメッキをした炭素繊維を添加し、さらに5分間撹拌した。その後、冷却しつつ撹拌を停止して、造粒粒子表面にニッケルメッキした炭素繊維をコーティングした。これにより、活物質の導電性がさらに良くなる。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールとキシレンを除去した。電池用活物質の表面に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例3》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル紛末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g、二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を50g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記水酸化ニッケル粉と導電性フィラーと二酸化チタン等の混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。電池用活物質の内部及び表面に二酸化チタンを添加することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例4》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g、水酸化カルシウム微紛末を50g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記水酸化ニッケル粉と導電性フィラーと水酸化カルシウム粉の混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。電池用活物質の内部及び表面に水酸化カルシウムを添加することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例5》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。造粒粒子が生成した後、撹拌しながら水酸化カルシウム微粉末を添加し、さらに30分間撹拌・混合して造粒粒子の表面に水酸化カルシウム微粉末を添加した。造粒粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾操機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。水酸化カルシウムの添加により、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例6》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。造粒粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この造粒粒子の表面に無電解金属メッキによりニッケルメッキを施工した。メッキした造粒粒子と水酸化カルシウム微粉末を撹拌機で30分間撹拌・混合して、造粒粒子の表面に水醗化カルシウム微粉末を添加した。これにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例7》
製造例1と同様の方法で活物質の造粒粒子を作った。この造粒粒子を型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱し、粒子に含まれる樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を溶かし、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で温度を下げ、樹脂を硬化させて板状の二次成形体を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の二次成形体を浸漬した。二酸化チタンが塗布された活物質の成形体を取り出し、常温下、真空乾燥により30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと残存するキシレンを除去した。活物質成形体に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例8》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。これに、熱可塑性樹脂としてエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、樹脂の軟化温度以上の温度で10分間混合した。混合した物質を取り出し、押し出し成形機に投入して棒状の活物質を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の棒状の活物質を浸漬した。二酸化チタンが塗布された棒状活物質を取り出し、常温下、真空乾燥により30分間乾操し、イソプロピルアルコールを除去した。棒状活物質に二酸化チタンを塗布することにより、活物質の親水性が向上するので、三次元電池に充填したときに活物質が電解液とよくなじみ、電池反応が促進される。
《親水性活物質の製造例9》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック、ケッチェンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉末を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例10》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例11》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例12》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常庄で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例13》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殻を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンンェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例14》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
《親水性活物質の製造例15》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。以上のようにして、活物質の造粒粒子を作った。
二酸化チタンを主成分とする光触媒用材料を分散させた有機溶媒(イソプロピルアルコール)中に、上記の活物質の造粒粒子を投入し、5分間撹拌した。二酸化チタンが塗布された造粒粒子を取り出し、常温、常圧で30分間乾燥し、イソプロピルアルコールと前記のキシレンを除去した。これにより、二酸化チタンを塗布した電池用活物質が製造できる。
(4)第四の課題を解決するための発明の実施の形態
粒子状、板状などの成形体、これらの二次成形体、メッキ処理した成形体、表面処理した成形体などのあらゆる形状・形態の活物質を充墳した三次元電池においては、電池の製造直後は性能が悪く、1回〜複数回充放電を繰り返さないと、本来の電池性能を発揮することができない。そこで、電池として組み立てる前(電解液の注入前なら組み立て後でも可)に、電池の活物質を減圧し、その後水素などの気体で加圧することにより、活物質の活性を高めて、電池として組み立てた直後から本来の電池性能が発揮できるようにする。事前に活物質の活性を高めることで、電池の製造直後に充放電を繰り返して活性を高める必要がなくなる。
なお、活物質としては、電池の種類や正極、負極を問わず、全ての活物質材料を用いることができる。例えば、ニッケル・水素二次電池の正極活物質である水酸化ニッケル、同じく負極活物質である水素吸蔵台金、その他に、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウムなどの公知の電池活物質材料、さらに、材木、黒鉛、カーボン(炭素)、鉄鉱石、鉄炭化物、鉄硫化物、鉄水酸化物、鉄酸化物、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ、もみ殼などの固体物質全般を用いることができる。また、電池用活物質に導電性を付与するために添加される導電性フィラーは、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子、ニッケル箔などである。
電池用活物質の成形硬化に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなど)、反応硬化型樹脂(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂など)、熱硬化型樹脂(フェノール樹脂など)、PES樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)などである。バインダーとしては耐アルカリ性の樹脂を使用する必要がある。
熱可塑性樹脂は加熱溶融して活物質混合物等と混合分散してもよいが、樹脂を溶剤で溶解して添加すると活物質混合物に均一に樹脂を分散し易くなるため、少量の樹脂で活物質混台物を成形できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどは、加熱したベンゼン、トルエン、キシレンなどの溶剤に可溶である。これらの溶剤に溶解した樹脂を活物質材料、導電性フィラーと混合した後、溶剤を蒸発させて除去することにより、樹脂で固化した活物質成形体を作ることが可能である。また、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤を水で抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂はジメチルスルフォオキサイド(DMSO)に可溶である。また、ポリスチレン樹脂はアセトン溶媒に可溶である。その他、ポリスルホンはジメチルホルムアミド(DMF)もしくはDMSOに可溶で、ポリアクリロニトリルはDMF、DMSOもしくはエチレンカーボネートに可溶で、ポリフッ化ビニリデンはDMF、DMSOもしくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に可溶で、ポリアミドはDMFもしくはNMPに可溶で、ポリイミドはDMFもしくはNMPに可溶である。また、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する場合は、その溶剤をアルコールで抽出除去することで、樹脂で固化した活物質成形体を作ることができる。例えば、酢酸セルロースは塩化メチレンに可溶で、オキサイドフェニレンエーテル(PPO)も塩化メチレンに可溶である。
活物質成形体は、粒子状、板状、棒状などの加圧成形体あるいは樹脂成形体、または粒子状、板状、棒状などの一次成形体を二次成形したものである。これらは、撹拌しながら造粒したり、打錠成形やタブレット成形により、また、加圧成形、押し出し成形等により製造可能である。打錠成形、タブレット成形、加圧成形、押し出し成形などの場合、成形体として得られた活物質を粉砕して使用することもある。また、成形体の角を取り、表面を滑らかにすることもある。
また、活物質成形体として、表面に炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉、ニッケル箔などの導電材をコーティングしたものを使用することができる。コーティング法としては、成形体の硬化前に、これら金属粉、金属繊維、金属メッキした繊維などを添加し、転動、撹拌などして、やわらかい状態の成形体外表面にこれらを付着させることが可能である。樹脂で固化した後の成形体の場合、熱軟化樹脂を用いた成形体の場合、溶剤に可溶な樹脂を用いた成形体の場合は、成形体温度を昇温して加熱軟化したり、溶剤を添加して膨潤・軟化させる等して成形体を未硬化状態にし、そこに添着金属を加えて添着することができる。
また、活物質成形体として、表面にニッケルメッキを施工したものを使用することができる。成形体の外面に導電材のコーティングやメッキを施して電気導電層を作ることで、大きな電流が流せるようになる。
電池活物質を減圧する場合の操作としては、活物質の入った密閉容器(圧力容器など)を真空ポンプなどで大気圧以下に減圧して減圧雰囲気とすればよい。また、その後に電池活物質を加圧する場合の操作としては、活物質の入った密閉容器(圧力容器など)に加圧ポンプなどで水素などの気体を注入し、大気圧以上に加圧すればよい。加圧に用いる気体については、水素以外にも、大気(空気)や窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素、硫化水素などを使用することができる。本発明の方法では、充放電を繰り返して活性を高める従来の方法と比較して、極めて短時間のうちに電池活性が高まり、性能が確保できるので、電池の製作時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
《活性化活物質の製造例1》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水酸化ニッケル粉末を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水酸化ニッケル粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉未状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例2》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、電池用水素吸蔵合金粉未を2500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の水素吸蔵合金粉と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジデータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充墳し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例3》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。同じく、製造例2と同様の方法で水素吸蔵合金と導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。これらの活物質造粒粒子をそれぞれ正極活物質、負極活物質としてニッケル・水素二次電池を組み立てた。組み立てた電池を内容積1リットルの圧力容器内に設置し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。電解液の注入前であれば、電池として組み立てた後でも、減圧した後、水素加圧することにより、活物質の活性を高めることができる。
《活性化活物質の製造例4》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで二酸化炭素ガスを注入し、5MPaまで二酸化炭素ガスで加圧した。5MPaの加庄状態で3時間保持した後、二酸化炭素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例5》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充墳し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで窒素ガスを注入し、5MPaまで窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例6》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。この造粒粒子を型枠に充填し、型枠ごと100℃に加熱し、粒子に含まれる樹脂(エチレン酢酸ビニルコポリマー)を溶かし、型枠中で0.1MPaの圧力をかけた状態で温度を下げ、樹脂を硬化させて板状の二次成形体を作った。活物質の二次成形体を内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで水素ガスを注入し、5MPaまで水素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、水素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質の二次成形体は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例7》
製造例1と同様の方法で水酸化ニッケルと導電性フィラーと樹脂を混合した活物質の造粒粒子を作った。その際、造粒粒子の製造過程で、撹拌造粒により造粒粒子が生成した後、撹拌しつつ平均長さ約200μmに粉砕した、ニッケルメッキをした炭素繊維を添加し、さらに5分間撹拌した。その後、冷却しつつ撹拌を停止して、造粒粒子表面にニッケルメッキした炭素繊維をコーティングした。この造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充壊し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで窒秦ガスを注入し、5MPaまで窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。得られた活物質造粒粒子は、電池に充電した直後から本来の電池性能を発揮できる。
《活性化活物質の製造例8》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、砂(豊浦標準砂)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の砂と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプでヘリウムガスを注入し、5MPaまでヘリウムガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、ヘリウムガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例9》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、石炭粒子(大同炭の微粉炭)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の石炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードドミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプでアルゴンガスを注入し、5MPaまでアルゴンガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、アルゴンガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例10》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、炭(材木を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記の炭と導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで酸素を注入し、5MPaまで酸素で加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、酸素を排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例11》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、シリカ(もみ殻を600℃で2時間焼成したもの)を500g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のシリカと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジデータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプでオゾンガスを注入し、5MPaまでオゾンガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、オゾンガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例12》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、スラグ(ゴミ焼却灰を1500℃で溶融した後冷却したもの)を1000g、炭素繊維(商品名:ドナS−247)を100g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のスラグと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで一酸化窒素ガスを注入し、5MPaまで一酸化窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、一酸化窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
《活性化活物質の製造例13》
内容積10リットルのヘンシェルミキサーに粒子状黒鉛(アセチレンブラック)を150g入れ、1000rpmで約3分間撹拌して粒子状黒鉛を十分に分散した。これに、カーボン(炭素繊維を1100℃で焼成したもの)を500g添加し、約3分間1000rpmで混合した。別途、60℃に加熱したキシレン1000gにエチレン酢酸ビニルコポリマーを150g添加し、溶解させた。60℃に加熱した前記のカーボンと導電性フィラーの混合物に、加熱キシレンに溶解した樹脂を添加し、60℃に加熱保持しながらヘンシェルミキサーで撹拌した。次いで、撹拌しながらヘンシェルミキサーを冷却し、混練物を冷却粉砕して粉末状とした。この粉末をハイスピードミキサーに入れ、アジテータで粉体全体を撹拌しつつ、チョッパーで造粒粒子の粒径を調節した。ハイスピードミキサーは2リットル容量の物、アジテータの回転数は600rpm、チョッパーの回転数は1500rpmで、この条件で撹拌しつつ、粉体の温度を常温から50℃に昇温した。造粒粒子が生成した後、冷却しつつ撹拌を停止した。粒子はキシレンを含んでいるため、この粒子を減圧乾燥機に入れ、50℃に加熱してキシレンを除去した。この粒子を冷却した後、2.88mm目の篩と、1mm目の篩でふるい、1〜2.88mmの粒径の造粒粒子を得た。
活物質造粒粒子200mlを内容積1リットルの圧力容器に充填し、真空ポンプで100Paに減圧した。100Paに減圧した容器に加圧ポンプで二酸化窒素ガスを注入し、5MPaまで二酸化窒素ガスで加圧した。5MPaの加圧状態で3時間保持した後、二酸化窒素ガスを排出して大気圧に戻した。さらに、真空ポンプで100Paに減圧した後、空気を注入し、大気圧に戻した。これを圧力容器から取り出し、活性化された電池活物質を得た。
〔産業上の利用の可能性〕
本発明は、以上説明したように構成されているので、活物質を粒状、板状又は棒状等として充填することで電池となる充放電可能な三次元電池の電池用活物質として適している。
【図面の簡単な説明】
第1図は、粒状の正極活物質と粒状の負極活物質を有する電池の一例を示す概略断面構成図である。
第2図(a)は積層型三次元電池の実証試験器の一例を示す斜視図、第2図(b)は同三次元電池を概念的に示す中央縦断面図である。
第3図は、第2図の積層型三次元電池の実証試験器の組立前(分解状態)の主要部品の一部を示す斜視図である。
10、35…セパレーター、12…負極セル、14…正極セル、16…負極活物質、18…正極活物質、20、40…負極集電体、22…正極集電体、38…集電部材
Claims (112)
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質である粒子又は成形体と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え、樹脂で粒状、板状又は棒状に成形し硬化させてなることを特徴とする電池用活物質。
- 活物質となる材料が水酸化ニッケル粉末である請求の範囲第1項記載の電池用活物質。
- 水酸化ニッケル粉末が、主成分である水酸化ニッケルに水酸化コバルト及び炭素粒子の少なくともいずれかを添加したものである請求の範囲第2項記載の電池用活物質。
- 活物質となる材料が、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二醗化鉛、リチウム、材木、黒鉛、カーボン、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ及びもみ殻のいずれかである請求の範囲第1項記載の電池用活物質。
- 導電性フィラーが、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらの組み合わせである請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の電池用活物質。
- 樹脂が、較化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂である請求の範囲第1〜5項のいずれかに記載の電池用活物質。
- 軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂及び蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかである請求の範囲第6項記載の電池用活物質。
- 硬化温度が常温から120℃までの樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン及び不飽和ポリエステルの少なくともいずれかである請求の範囲第6項記載の電池用活物質。
- 水に可溶な溶剤に溶解する樹脂が、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド又はポリイミドであり、アルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂が、酢酸セルロースまたはオキサイドフェニレンエーテルである請求の範囲第6項記載の電池用活物質。
- 電池用活物質硬化体の表面に、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させてなる請求の範囲第1〜9項のいずれかに記載の電池用活物質。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質である粒子又は成形体と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の製造方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて粒状、板状又は棒状の活物質を得ることを特徴とする電池用活物質の製造方法。
- 活物質となる材料として水酸化ニッケル粉末を用いる請求の範囲第11項記載の電池用活物質の製造方法。
- 水酸化ニッケル粉末として、ニッケル塩と微量のコバルト塩の混合溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させたものを用いる請求の範囲第12項記載の電池用活物質の製造方法。
- 水酸化ニッケル粉末として、炭素粒子を懸濁させたニッケル塩溶液をアルカリで中和し、水酸化物として沈殿させた水酸化ニッケルと炭素粒子の混合物を用いる請求の範囲第12項記載の電池用活物質の製造方法。
- 水酸化ニッケル粉末として、炭素粒子を懸濁させたニッケル塩と微量のコバルト塩の混合溶液をアルカリで中和して水酸化ニッケルと水酸化コバルトを共沈させた炭素粒子との混合物を用いる請求の範囲第12項記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質となる材料として、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウム、材木、黒鉛、カーボン、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ及びもみ殼のいずれかを用いる請求の範囲第11項記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加えるとともに、水溶性化合物を添加し、成形した後に水溶性化合物を水に溶解させ抽出除去することで、活物質の成形硬化体に細孔を形成させる請求の範囲第11〜16項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加えるとともに、電池の電解質となる化合物の粒子を添加し、成形し硬化させて電池用活物質とし、この活物質を電池に使用するときに電解質溶液又は水に添加した電解質を溶解させることで、活物質の成形硬化体に細孔を形成させる請求の範囲第11〜16項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらを組み合わせて用いる請求の範囲第11〜18項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、又は硬化温度が常温から120℃までの樹脂を用いる請求の範囲第11〜19項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかを用いる請求の範囲第20項記載の電池用活物質の製造方法。
- 溶剤に溶解させた熱可塑性樹脂と活物質となる材料粉末及び導電性フィラーを混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて成形し、粒状、板状又は棒状の活物質を得る請求の範囲第20項又は第21項記載の電池用活物質の製造方法。
- 硬化温度が常温から120℃までの樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン及び不飽和ポリエステルの少なくともいずれかを用いる請求の範囲第20項記載の電池用活物質の製造方法。
- 樹脂として、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂、水に可溶な溶剤に溶解した樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用いる請求の範囲第11〜19項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂として、加熱したトルエン又はキシレンに溶解したポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかを用いる請求の範囲第24項記載の電池用活物質の製造方法。
- 蒸発温度が120℃以下の溶剤に溶解した樹脂を用い、成形した活物質の粒子から、減圧下又は常圧下で溶剤を加熱除去する請求の範囲第24項又第25項記載の電池用活物質の製造方法。
- 水に可溶な溶剤に溶解した樹脂として、ジメチルスルフォオキサイドに溶解したポリエーテルスルフォン樹脂、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルフォオキサイドに溶解したポリスルホン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォオキサイドもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォオキサイドもしくはN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ピニリデン、ジメチルホルムアミドもしくはN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリアミド、又はジメチルホルムアミドもしくはN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリイミドを用い、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂として、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、又は塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテルを用いる請求の範囲第24項記載の電池用活物質の製造方法。
- 水に可溶な溶剤に溶解した樹脂又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を用い、成形した活物質の硬化体から溶剤を水又はアルコールで抽出除去する請求の範囲第24項又は第27項記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質となる材料粉末と導電性フィラーに、溶剤に溶解した樹脂を加え、撹拌しながら造粒して活物質の粒子を得る請求の範囲第22項および第24〜28項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 成形硬化方法として、打錠成形することにより粒状の活物質を得る請求の範囲第11〜21項および第28項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 成形硬化方法として、加圧成形することにより粒状、板状又は棒状の活物質を得る請求の範囲第11〜21項および第23項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 成形硬化方法として、押し出し成形により粒状、板状又は棒状の活物質を得る請求の範囲第11〜21項および第23項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 成形体として得られた活物質を粉砕して粒状とする請求の範囲30項、第31項又は第32項記載の電池用活物質の製造方法。
- 得られた活物質粒子の角を取り、粒子表面を滑らかにする請求の第30〜33項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質の成形硬化体表面にニッケルメッキを施す請求の範囲第11〜34項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質の成形硬化体表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかをコーティングする請求の範囲第11〜34項のいずれかに記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質の成形硬化体表面にコーティングを施す方法として、粒子表面を溶剤で膨潤・軟化させた後、この粒子に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかを添加し、成形硬化体表面のコーティングを行う請求の範囲第36項記載の電池用活物質の製造方法。
- 活物質の粒子表面にコーティングを施す方法として、活物質となる材料粉末と導電性フィラーに溶剤に溶解した樹脂を加え、撹拌混合しながら造粒した後、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかを添加し、さらに粒子とともに撹拌することにより粒子表面のコーティングを行う請求の範囲第36項記載の電池用活物質の製造方法。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質成形体であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え、樹脂で硬化させた一次成形体を成形して二次成形体としたことを特徴とする電池用活物質成形体。
- 活物質となる材料が、水酸化ニッケル、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウム、材木、黒鉛、カーボン、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ及びもみ殼のいずれかである請求の範囲第39項記載の電池用活物質成形体。
- 導電性フィラーが、炭素織維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらの組み合わせである請求の範囲第39項又は第40項記載の電池用活物質成形体。
- 樹脂が、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂である請求の範囲第39項、第40項又は第41項記載の電池用活物質成形体。
- 一次成形体に係る熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかであり、二次成形体に係る熱可塑性樹脂が、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかである請求の範囲第42項記載の電池用活物質成形体。
- 硬化温度が常温から120℃までの樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン及び不飽和ポリエステルの少なくともいずれかである請求の範囲第42項記載の電池用活物質成形体。
- 蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかである請求の範囲第42項記載の電池用活物質成形体。
- 水に可溶な溶剤に溶解する樹脂が、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド又はポリイミドであり、アルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂が、酢酸セルロース又はオキサイドフェニレンエーテルである請求の範囲第42項記載の電池用活物質成形体。
- 一次成形体が、粒状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状及び不定形粒子状の少なくともいずれかの活物質である請求の範囲第39〜46項のいずれかに記載の電池用活物質成形体。
- 一次成形体の表面に、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させてなる請求の範囲第39〜47項のいずれかに記載の電池用活物質成形体。
- 二次成形体が、立方体状、円柱状、ブロック状及び多角柱状のいずれかの形状である請求の範囲第39〜48項のいずれかに記載の電池用活物質成形体。
- 二次成形体を構成する一次成形体同士に空間を形成させた請求の範囲第39〜49項のいずれかに記載の電池用活物質成形体。
- 二次成形体を構成する一次成形体同士が圧密されてなる請求の範囲第39〜50項のいずれかに記載の電池用活物質成形体。
- 二次成形体の表面に溝又は凹凸を形成させた請求の範囲第39〜51項のいずれかに記載の電池用活物質成形体。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質成形体の製造方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて一次成形体とした後、一次成形体を加圧又は/及び樹脂の添加により二次成形して導電性活物質の成形体を得ることを特徴とする電池用活物質成形体の製造方法。
- 一次成形体として、粒状、板状、鱗片状、円柱棒状、角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状及び不定形粒子状の少なくともいずれかの活物質を用いる請求の範囲第53項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 一次成形体の表面に、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粉、炭素粉にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粉及びニッケル箔の少なくともいずれかをコーティングし、この一次成形体を二次成形する請求の範囲第53項又は第54項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 一次成形体の表面にニッケルメッキを施し、この一次成形体を二次成形する請求の範囲第53項又は第54項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 一次成形体を、立方体状、円柱状、ブロック状及び多角柱状のいずれかの形状に二次成形する請求の範囲第53〜56項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際、一次成形体と一次成形体の間に空間ができるように成形を行う請求の範囲第53〜57項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際、一次成形体を溝又は凹凸の付いた型枠に充填して成形し、二次成形体の表面に溝又は凹凸を形成させる請求の範囲第53〜58項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 一次成形体に水溶性化合物を添加して二次成形し、成形後に水溶性化合物を水に溶解させ抽出除去することで、活物質の成形体に細孔を形成させる請求の範囲第53〜59項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 一次成形体に電池の電解質となる化合物の粒子を添加して二次成形し、活物質を電池に使用するときに電解質溶液又は水に添加した電解質を溶解させることで、活物質の成形体に細孔を形成させる請求の範囲第53〜59項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際、導電性フィラーとして、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらを組み合わせて添加する請求の範囲第53〜61項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際、樹脂として、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、又は硬化温度が常温から120℃までの樹脂を添加する請求の範囲第53〜62項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際の熱可塑性樹脂として、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかを用いる請求の範囲第63項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 硬化温度が常温から120℃までの樹脂として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン及び不飽和ポリエステルの少なくともいずれかを用いる請求の範囲第63項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際、樹脂として、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂、水に可溶な溶剤に溶鱗した樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂を添加する請求の範囲第53〜62項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解した樹脂として、加熱したトルエン又はキシレンに溶解したポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかを用いる請求の範囲第66項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 水に可溶な溶剤に溶解した樹脂として、ジメチルスルフォオキサイドに溶解したポリエーテルスルフォン樹脂、アセトンに溶解したポリスチレン、ジメチルホルムアミドもしくはジメチルスルフォオキサイドに溶解したポリスルホン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォオキサイドもしくはエチレンカーボネートに溶解したポリアクリロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォオキサイドもしくはN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン、ジメチルホルムアミドもしくはN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリアミド、又はジメチルホルムアミドもしくはN−メチル−2−ピロリドンに溶解したポリイミドを用い、アルコールに可溶な溶剤に溶解した樹脂として、塩化メチレンに溶解した酢酸セルロース、又は塩化メチレンに溶解したオキサイドフェニレンエーテルを用いる請求の範囲第66項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際、一次成形体の形状を維持したままで成形する請求の範囲第53〜68項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 二次成形する際、一次成形体を型枠に充填して圧力を加えることにより、二次成形体の嵩密度を大きくする請求の範囲第53〜68項のいずれかに記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 溶剤に溶解させた樹脂と導電性フィラーを混合し分散させた後、溶剤を蒸発させて粉体とし、これに一次成形体を添加して二次成形する請求の範囲第66項又は第67項記載の電池用活物質成形体の製造方法。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる親水性を向上させた電池用活物質であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え、樹脂で硬化させた活物質成形体に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを添加又は塗布してなることを特徴とする親水性を向上させた電池用活物質。
- 活物質となる材料が、水酸化ニッケル、水素吸蔵合金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウム、材木、黒鉛、カーボン、鉄鉱石、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ及びもみ殻のいずれかである請求の範囲第72項記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 導電性フィラーが、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらの組み合わせである請求の範囲第72項又は第73項記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 樹脂が、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂である請求の範囲第72項、第73項又は第74項記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかである請求の範囲第75項記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 硬化温度が常温から120℃までの樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくともいずれかである請求の範囲第75項記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかである請求の範囲第75項記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 水に可溶な溶剤に溶解する樹脂が、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド又はポリイミドであり、アルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂が、酢酸セルロース又はオキサイドフェニレンエーテルである請求の範囲第75項記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 活物質成形体が、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状及び不定形粒子状の少なくともいずれかの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものである請求の範囲第72〜79項のいずれかに記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 活物質成形体の表面に、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させてなる請求の範囲第72〜80項のいずれかに記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 無機酸化物が、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質である請求の範囲第72〜81項のいずれかに記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 無機水酸化物が、水酸化カルシウム又は水酸化カルシウムを主成分とする物質である請求の範囲第72〜81項のいずれかに記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを活物質成形体の表面に添加又は塗布してなる請求の範囲第72〜83項のいずれかに記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを活物質成形体の内部に添加してなる請求の範囲第72〜83項のいずれかに記載の親水性を向上させた電池用活物質。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の親水化方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて活物質成形体とした後、活物質成形体の表面に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを塗布又は添加することを特徴とする電池用活物質の親水化方法。
- 無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを溶媒に懸濁させ、無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを分散させた溶媒に活物質成形体を浸漬して、活物質成形体の表面に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを塗布した後、これを乾燥させる請求の範囲第86項記載の電池用活物質の親水化方法。
- 乾燥方法として、加熱乾燥、真空乾燥及び減圧乾操のいずれかを用いる請求の範囲第87項記載の電池用活物質の親水化方法。
- 活物質成形体と無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを機械的に接触させて、活物質成形体の表面に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを塗布又は添加する請求の範囲第86項記載の電池用活物質の親水化方法。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の親水化方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラー、樹脂、並びに無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを加え、成形し硬化させて、活物質成形体の内部に無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを添加することを特徴とする電池用活物質の親水化方法。
- 活物質成形体として、粒子状、坂状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状及び不定形粒子状の少なくともいずれかの加圧成形体もしくは樹脂成形体、またはこれらの成形体を二次成形したものを用いる請求の範囲第86〜90項のいずれかに記載の電池用活物質の親水化方法。
- 活物質成形体の表面に、ニッケルメッキを施すか、または炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子およびニッケル箔の少なくともいずれかをコーティングする請求の範囲第86〜91項のいずれかに記載の電池用活物質の親水化方法。
- 無機酸化物として、二酸化チタン、二酸化珪素、酸化カルシウム及び炭酸カルシウムからなる群より選ばれる金属酸化物、又はこれらの金属酸化物を主成分とする物質を用いる請求の範囲第86〜92項のいずれかに記載の電池用活物質の親水化方法。
- 無機水酸化物として、水酸化カルシウム又は水酸化カルシウムを主成分とする物質を用いる請求の範囲第86〜92項のいずれかに記載の電池用活物質の親水化方法。
- 無機酸化物及び無機水酸化物の少なくともいずれかを分散させる溶媒として、水、又はトルエン、キシレン及びイソプロピルアルコールのいずれかの有機溶媒を用いる請求の範囲第87項記載の電池用活物質の親水化方法。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2の容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装墳され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けらた三次元電池に用いる活性化された電池用活物質であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーを加え樹脂で硬化させた活物質成形体に、減圧後に水素加圧処理をすることにより小孔を形成させ活物質の活性を高めたことを特徴とする活性化された電池用活物質。
- 活物質となる材料が、水酸化ニッケル、水素吸蔵台金、水酸化カドミウム、鉛、二酸化鉛、リチウム、材木、黒鉛、カーボン、鉄鉱石、鉄炭化物、鉄硫化物、鉄水酸化物、鉄酸化物、石炭、炭、砂、砂利、シリカ、スラグ及びもみ殻のいずれかである請求の範囲第96項記載の活性化された電池用活物質。
- 導電性フィラーか、炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔のいずれか又はこれらの組み合わせである請求の範囲第96項又は第97項記載の活性化された電池用活物質。
- 樹脂が、軟化温度120℃までの熱可塑性樹脂、硬化温度が常温から120℃までの樹脂、蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂、水に可溶な溶剤に溶解する樹脂、又はアルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂である請求の範囲第96項、第97項又は第98項記載の活性化された電池用活物質。
- 熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかである請求の範囲第99項記載の活性化された電池用活物質。
- 硬化温度が常温から120℃までの樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂の少なくともいずれかである請求の範囲第99項記載の活性化された電池用活物質。
- 蒸発温度120℃以下の溶剤に溶解する樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン及びエチレン酢酸ビニルコポリマーの少なくともいずれかである請求の範囲第99項記載の活性化された電池用活物質。
- 水に可溶な溶剤に溶解する樹脂が、ポリエーテルスルフオン樹脂、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド又はポリイミドであり、アルコールに可溶な溶剤に溶解する樹脂が、酢酸セルロース又はオキサイドフェニレンエーテルである請求の範囲第99項記載の活性化された電池用活物質。
- 活物質成形体が、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状及び不定形粒子状の少なくともいずれかの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものである請求の範囲第96〜103項のいずれかに記載の活性化された電池用活物質。
- 活物質成形体の表面に、ニッケルメッキ層、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかのコーティング層を形成させてなる請求の範囲第96〜104項のいずれかに記載の活性化された電池用活物質。
- 水素による加圧処理の代わりに、空気、窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素及び硫化水素のいずれかの気体による加圧処理を行った請求の範囲第96〜105項のいずれかに記載の活性化された電池用活物質。
- 電気を通さずイオンは通過する部材を介して接続された2つの容器の一方の容器内の電解質溶液中に電子を放出する活物質の粒子又は成形体が装填され、他方の容器内の電解質溶液中に電子を吸収する活物質の粒子又は成形体が装填され、2つの容器内に活物質と接触する導電体の集電部材が設けられた三次元電池に用いる電池用活物質の活性化方法であって、活物質となる材料粉末に導電性フィラーと樹脂を加え、成形し硬化させて活物質成形体とした後、活物質成形体を減圧雰囲気に置き、ついで、気体を注入して加圧雰囲気とし、加圧気体で活物質に小孔を形成させて活性を高めることを特徴とする電池用活物質の活性化万法。
- 減圧操作として、活物質成形体の入った密閉容器を真空ポンプなどで大気圧以下に減圧する請求の範囲第107項記載の電池用活物質の活性化万法。
- 加圧操作として、活物質成形体の入った密閉容器を加圧ポンプなどで大気圧以上に加圧する請求の範囲第107項又は第108項記載の電池用活物質の活性化方法。
- 加圧に用いる気体として、水素、空気、窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、一酸化窒素、二酸化窒素及び硫化水素の少なくともいずれかを使用する請求の範囲107項、第108項又は第109項記載の電池用活物質の活性化万法。
- 活物質成形体として、粒子状、板状、鱗片状、円柱棒状、多角柱棒状、球状、サイコロ状、立方体状及び不定形粒子状の少なくともいずれかの加圧成形体もしくは樹脂成形体、又はこれらの成形体を二次成形したものを用いる請求の範囲第107〜110項のいずれかに記載の電池用活物質の活性化方法。
- 活物質成形体の表面に、ニッケルメッキを施すか、又は炭素繊維、炭素繊維にニッケルメッキしたもの、有機繊維にニッケルメッキしたもの、シリカ、アルミナ等の無機繊維にニッケルメッキしたもの、雲母など無機物の箔にニッケルメッキしたもの、炭素粒子、炭素粒子にニッケルメッキしたもの、繊維状ニッケル、ニッケル粒子及びニッケル箔の少なくともいずれかをコーティングする請求の範囲第107〜111項のいずれかに記載の電池用活物質の活性化方法。
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